(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
物品に光を照射する光照射部と、前記物品を透過した前記光に基づいて、前記物品の透過画像を生成する画像生成部と、を備え、パッケージに複数の内容物が収容された物品を検査する検査装置であって、
前記透過画像の第1方向に並ぶ画素の画素列における前記画素ごとの画素値の情報である第1画素値情報を、前記第1方向と交差する第2方向に沿って所定の間隔で取得する画素値情報取得部と、
前記第1画素値情報において前記画素値が変化点となる前記画素に対応する前記透過画像上の位置を変化点位置として特定し、前記透過画像において前記第2方向に隣接する前記変化点位置同士を結線した仮想線に基づいて前記第1方向に隣接する内容物領域同士を互いに区別して認識する内容物領域特定部と、
を備える、検査装置。
前記画素値情報取得部は、前記第2方向に沿って連続する複数の前記第1方向に並ぶ画素列の平均値からなる前記第1画素値情報を取得する、請求項1に記載の検査装置。
前記画素値情報取得部は、前記第1画素値情報に加え、前記透過画像の第2方向に並ぶ画素の画素列における前記画素ごとの画素値の情報である第2画素値情報を、前記第1方向に沿って所定の間隔で取得し、
前記内容物領域特定部は、前記透過画像において前記第1方向に隣接する前記内容物領域同士を互いに区別する処理に加え、前記第2画素値情報において前記画素値が変化点となる前記画素に対応する前記透過画像上の位置を変化点位置として特定し、前記透過画像において前記第1方向に隣接する前記変化点位置同士を結線した仮想線に基づいて前記第2方向に隣接する前記内容物領域同士を互いに区別して認識する、請求項1〜4の何れか一項に記載の検査装置。
前記画素値情報取得部は、前記第1方向に沿って連続する複数の前記第2方向に並ぶ画素列の平均値からなる前記第2画素値情報を取得する、請求項5に記載の検査装置。
前記内容物領域特定部において互いに隣接する前記内容物領域同士を区別した結果に基づいて、前記内容物の個数を算出する個数算出部を更に備える、請求項1〜6の何れか一項に記載の検査装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、姿勢などの収容状態によって平面視の形状が変化するような内容物の場合、取得されるX線透過画像もその都度変化する。したがって、上記従来の検査装置におけるパターンマッチングなどの方法では、隣接する内容物領域同士を互いに区別して認識することが困難となる。
【0006】
そこで、本発明は、パッケージ内の内容物の収容状態にかかわらず、隣接する内容物同士を互いに区別して認識することができる検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の検査装置は、物品に光を照射する光照射部と、物品を透過した光に基づいて、物品の透過画像を生成する画像生成部と、を備え、パッケージに複数の内容物が収容された物品を検査する検査装置であって、透過画像の第1方向に並ぶ画素の画素列における画素ごとの画素値の情報である第1画素値情報を、第1方向と交差する第2方向に沿って所定の間隔で取得する画素値情報取得部と、第1画素値情報において画素値が変化点となる画素に対応する透過画像上の位置を変化点位置として特定し、透過画像において第2方向に隣接する変化点位置同士を結線した仮想線に基づいて第1方向に隣接する内容物領域同士を互いに区別して認識する内容物領域特定部と、を備える。
【0008】
内容物同士が隣接し合う部分は、隙間などによってその他の部分と比べ光を透過しやすい。そこで、本発明では、当該光を透過しやすい部分を、隣接する内容物同士の境界とみなすことにより、隣接する内容物同士の領域を互いに区別して認識(特定)している。具体的には、この構成の検査装置では、光を透過しやすい部分を抽出するために、画像生成部により取得された透過画像において、例えば濃淡又は輝度といった第1方向における画素値の変化(第1画素値情報)を関数としてみたとき、例えば、ピーク値、最大値及び最小値を含む極値などの変化点を抽出し、当該変化点を示す画素に対応する透過画像上の位置を変化点位置として特定している。なお、当該変化点は、変化点近傍をも含む概念である。そして、内容物領域特定部では、透過画像において第2方向に隣接する変化点位置同士を結線した仮想線を第1方向に隣接する内容物領域同士の境界とみなして、この仮想線を挟んだ両側の内容物領域を互いに区別して認識する。この結果、パッケージ内の内容物の収容状態にかかわらず、隣接する内容物同士を互いに区別して認識することができる。
【0009】
本発明の検査装置では、画素値情報取得部は、第2方向に沿って連続する複数の第1方向に並ぶ画素列の平均値からなる第1画素値情報を取得してもよい。
【0010】
この構成の検査装置では、第1画素値情報を複数の画素列の平均値として取得することによりノイズを低減することができる。これにより、より高精度に第1方向に隣接する内容物同士を互いに区別して認識できるようになる。
【0011】
本発明の検査装置では、仮想線が視覚的に認識可能となるように透過画像を加工して出力する分離画像出力部を更に備えていてもよい。
【0012】
この構成の検査装置では、内容物領域が視覚的に分離された画像を提供することができる。これにより、ユーザは、当該画像を見て、直観的に、数量を判定できたり配列状況の良否を判定できたりできるようになる。
【0013】
本発明の検査装置では、内容物は不定形であってもよい。
【0014】
この構成の検査装置では、例えば、野菜などの自然物や、和菓子などの手作り物など、一つ一つの形状にばらつきがある不定形の内容物であっても、透過画像に基づいて互いに隣接する内容物領域を区別して認識することができる。本発明の検査装置は、特定の基準値を予め得ることができず従来の方法では検査が困難な不定形の内容物を検査する場合に特に効果が大きい。
【0015】
本発明の検査装置では、画素値情報取得部は、第1画素値情報に加え、透過画像の第2方向に並ぶ画素の画素列における画素ごとの画素値の情報である第2画素値情報を、第1方向に沿って所定の間隔で取得し、内容物領域特定部は、透過画像において第1方向に隣接する内容物領域同士を互いに区別する処理に加え、第2画素値情報において画素値が変化点となる画素に対応する透過画像上の位置を変化点位置として特定し、透過画像において第1方向に隣接する変化点位置同士を結線した仮想線に基づいて第2方向に隣接する内容物領域同士を互いに区別して認識してもよい。
【0016】
この構成の検査装置では、第1方向に隣接する内容物領域同士を互いに区別して認識するのと同様の方法にて、第2方向に隣接する内容物領域同士を互いに区別して認識している。この結果、パッケージ内の内容物の収容状態にかかわらず、二次元方向に配列された内容物において、それぞれ隣接する内容物同士を互いに区別して認識することができる。
【0017】
本発明の検査装置では、画素値情報取得部は、第1方向に沿って連続する複数の第2方向に並ぶ画素列の平均値からなる第2画素値情報を取得してもよい。
【0018】
この構成の検査装置では、第2画素値情報を複数の画素列の平均値として取得することによりノイズを低減することができる。これにより、より高精度に第2方向に隣接する内容物を互いに区別して認識できるようになる。
【0019】
本発明の検査装置では、内容物領域特定部において互いに隣接する内容物領域同士を区別して認識した結果に基づいて、内容物の個数を算出する個数算出部を更に備えていてもよい。
【0020】
この構成の検査装置では、パッケージ内の内容物の収容状態にかかわらず、内容物の個数を算出することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、パッケージ内の内容物の収容状態にかかわらず、隣接する内容物同士を互いに区別して認識することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0024】
(1)全体構成
図1に示すX線検査装置1は、食品などの商品の生産ラインにおいて、複数の内容物GがパッケージPに収容された商品(物品)Wの品質検査を行う装置である。X線検査装置1は、連続的に搬送されてくる商品Wに対してX線を照射して、商品を透過したX線の透過量に基づいて、内容物Gの数量及び内容物Gの配列状態の不良判断を行う。商品Wは、例えば、食品などの搬送ラインにおいて搬送される真空パック用の袋に包装されたジャガイモである。
【0025】
図1〜
図3に示されるように、X線検査装置1は、シールドボックス3と、コンベヤ5と、X線照射器7と、X線ラインセンサ9と、モニタ11と、制御コンピュータ(画像生成部、画素値情報取得部、内容物領域特定部、分離画像出力部、個数算出部)20と、を備えている。
【0026】
シールドボックス3の内部には、コンベヤ5、X線照射器(光照射部)7、X線ラインセンサ9及び制御コンピュータ20などが収容されている。シールドボックス3の正面上部には、モニタ11が設けられている。
図1に示すように、シールドボックス3の両側面には、商品Wをシールドボックス3内に搬入、又は、商品Wをシールドボックス3内から搬出する開口部3aが設けられている。開口部3aは、シールドボックス3の外部にX線が漏洩することを抑制するための遮蔽カーテン(図示しない)により塞がれている。遮蔽カーテンは、例えば、鉛を含むゴムにより形成されている。
【0027】
コンベヤ5は、シールドボックス3内において商品Wを搬送する。コンベヤ5は、図示しないコンベヤモータによって駆動される駆動ローラによって無端状のベルトを回転させて、ベルト上に載置された商品Wを搬送する。
【0028】
X線照射器7は、X線を照射する。X線照射器7は、コンベヤ5の上方に配置されており、コンベヤ5の下方に配置されたX線ラインセンサ9に向けて扇状の照射範囲XにX線を照射する。
【0029】
X線ラインセンサ9は、X線を検出する。X線ラインセンサ9は、コンベヤ5の下方に配置されており、商品W及び/又はコンベヤ5を透過したX線を検出する。
図3に示されるように、X線ラインセンサ9は、コンベヤ5の搬送方向に直交する方向に沿って一直線に配置された画素センサ9aにより構成されている。X線ラインセンサ9は、画素センサ9aにより検出されたX線の透過量を示すX線透過像信号を画像生成部21に出力する。
【0030】
モニタ11は、液晶ディスプレイである。モニタ11は、初期設定や検査時に利用される検査パラメータの入力などを操作者に促す画面を表示する。モニタ11は、タッチパネル機能を有しており、操作者による初期設定や検査時に利用される検査パラメータの入力を受け付ける。また、モニタ11は、商品WのX線透過画像40を表示したり、商品Wの分離透過画像49を表示したり、商品Wの検査結果(良否判定結果)を表示したりする。
【0031】
(2)制御コンピュータの構成
制御コンピュータ20は、X線検査装置1における各種動作を制御する部分であり、CPU(CentralProcessing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などで構成される。
図3に示されるように、制御コンピュータ20は、X線検査装置1における各種制御処理を実行する概念的な部分としての画像生成部21と、画素値情報取得部23と、内容物領域特定部25と、分離画像出力部27と、個数算出部29と、を有している。このような概念的な部分は、例えばROMに格納されているプログラムがRAM上にロードされてCPUで実行されるソフトウェアとして構成することができる。なお、制御コンピュータ4は、電子回路などによるハードウェアとして構成されてもよい。
【0032】
(2−1)画像生成部
画像生成部21は、商品Wを透過したX線に基づいて、商品WのX線透過画像40を生成する部分である。具体的には、画像生成部21は、X線ラインセンサ9から連続的に送信されてくる検出信号に基づいて、
図4に示されるような、商品Wに関するX線透過画像40を生成する。X線透過画像40における1画素当たりの濃淡は、これに対応する商品W部分のX線透過量を示している。
【0033】
(2−2)画素値情報取得部
画素値情報取得部23は、
図5に示されるように、X線透過画像40のX軸方向(第1方向)に並ぶ画素55の画素列53(53
1,53
2、・・・、53
n−1、53
n)における画素55(55
1,55
2、・・・、55
n−1、55
n)ごとの濃淡値(画素値)を示す第1画素値情報51を、Y軸方向(第2方向)に沿って所定の間隔で取得する部分である。言い換えれば、画素値情報取得部23は、X軸方向の濃淡値(画素値)の変化を示す第1画素値情報51をY軸方向に沿って所定の間隔で取得する。第1画素値情報51は、例えば、横軸をX軸方向距離、縦軸を濃淡値として示したとき、
図6(A)に示されるようなグラフで示すことができる。なお、
図6(A)のグラフでは、淡い色の画素ほど高い数値の画素値を有している。
【0034】
なお、本実施形態において、X線透過画像40におけるX軸方向は、
図3の矢印によって示されるコンベヤ5の搬送方向に一致し、Y軸方向は、コンベヤ5の搬送面において搬送方向と直交する幅方向にほぼ一致している。
【0035】
本実施形態の画素値情報取得部23では、
図5に示されるように、第1画素値情報51のY軸方向に沿って連続して並ぶ複数の画素列53(53
1,53
2、・・・、53
n−1、53
n)の平均値からなる。具体的には、複数の画素列53(53
1,53
2、・・・、53
n−1、53
n)においてY軸方向に並ぶ画素(55
1,55
2、・・・、55
n−1、55
n)ごとの画素値の平均値が計算される。なお、Y軸方向に沿っていくつ連続して画素列53を取得するかについては、商品WのY軸方向の長さの1/2〜1/32に相当する画素数となるように設定されることが望ましい。
【0036】
同様に、画素値情報取得部23は、
図7に示されるように、X線透過画像40のY軸方向(第2方向)に並ぶ画素65の画素列63(63
1,63
2、・・・、63
n−1、63
n)における画素65(65
1,65
2、・・・、65
n−1、65
n)ごとの濃淡値(画素値)を示す第2画素値情報61を、X軸方向(第1方向)に沿って所定の間隔で取得する部分である。言い換えれば、画素値情報取得部23は、Y軸方向の濃淡値(画素値)の変化を示す第2画素値情報61をX軸方向に沿って所定の間隔で取得する。第2画素値情報61は、例えば、横軸をY軸方向距離、縦軸を濃淡値として示したとき、
図6(B)に示されるようなグラフで示すことができる。なお、
図6(B)のグラフでは、淡い色の画素ほど高い数値の画素値を有している。
【0037】
本実施形態の画素値情報取得部23では、第2画素値情報61は、
図7に示されるように、X軸方向に沿って連続して並ぶ複数の画素列63(63
1,63
2、・・・、63
n−1、63
n)の平均値からなる。具体的には、複数の画素列63(63
1,63
2、・・・、63
n−1、63
n)においてX軸方向に並ぶ画素(65
1,65
2、・・・、65
n−1、65
n)ごとの画素値の平均値が計算される。なお、X軸方向に沿っていくつ連続して画素列63を取得するかについては、商品WのX軸方向の長さの1/2〜1/32に相当する画素数となるように設定されることが望ましい。
【0038】
(2−3)内容物領域特定部
内容物領域特定部25は、X線透過画像40において、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ隣接する内容物領域41同士を互いに区別して認識する部分である。X軸方向に隣接する内容物領域41同士を互いに区別して認識する方法について説明する。すなわち、内容物領域特定部25は、画素値情報取得部23によって取得された第1画素値情報51に基づいて、画素値がピーク値(変化点)となる画素55に対応するX線透過画像40上の位置をピーク値位置43として特定する。ここでいうピーク値とは、例えば、第1画素値情報を
図6(A)及び
図6(B)に示されるようなグラフに示した時のピーク(局地的な最大値)となる部分(ピーク値51A,61A)である。
【0039】
ピーク値位置43をX線透過画像40に明示的に示すと、
図8に示されるようになる。内容物領域特定部25は、X線透過画像40においてY軸方向に隣接するピーク値位置43同士を結線した仮想線45に基づいてX軸方向に隣接する内容物領域41同士を互いに区別して認識する。言い換えれば、内容物領域特定部25は、X線透過画像40においてY軸方向に隣接するピーク値位置43同士を結線した仮想線45をX軸方向に隣接する内容物領域41同士の境界とみなして、この仮想線45を挟んだ両側の内容物領域41を互いに区別して認識している。
【0040】
内容物領域特定部25は、同様に、X線透過画像40において、Y軸方向に隣接する内容物領域41同士を互いに区別して認識する。内容物領域特定部25は、X線透過画像40においてX軸方向に隣接するピーク値位置43同士を結線した仮想線47をY軸方向に隣接する内容物領域41同士の境界とみなして、この仮想線47を挟んだ両側の内容物領域41を互いに区別して認識している。
【0041】
(2−4)分離画像出力部
分離画像出力部27は、仮想線45,47が視覚的に認識可能となるようにX線透過画像40を加工した分離透過画像49をモニタ11に出力する。例えば、
図9に示されるように、仮想線45,47を内容物領域41と比べて明るい色の線で表示することで、仮想線45,47が視覚的に認識可能となる。これにより、X線透過画像40は、X軸方向及びY軸方向に並ぶ内容物領域41を分離したような分離透過画像49となる。
【0042】
(2−5)個数算出部
個数算出部29は、内容物領域特定部25において互いに隣接する内容物領域41同士を区別して認識した結果に基づいて、内容物Gの個数を算出する部分である。例えば、個数算出部29は、認識した内容物領域41に対しラベリング処理を行い、内容物領域41の面積又は周囲長が所定の範囲内にあれば正量品としてカウントする。
【0043】
(3)特徴及び作用・効果
上記実施形態のX線検査装置1では、パッケージPに複数の内容物Gが収容された商品WにおいてX線を透過しやすい部分を、隣接する内容物G同士の境界とみなすことにより、隣接する内容物G同士の領域を互いに区別して認識(特定)している。具体的には、上記実施形態のX線検査装置1では、X線を透過しやすい部分を抽出するために、画像生成部21により取得されたX線透過画像40において、X軸方向における濃淡の変化(第1画素値情報51)を関数としてみたとき、ピーク値(
図6(A)に示す51A)を抽出し、当該ピーク値を示す画素に対応するX線透過画像40上の位置をピーク値位置43として特定している。そして、内容物領域特定部25では、X線透過画像40においてY軸方向に隣接するピーク値位置43同士を結線した仮想線45をX軸方向に隣接する内容物領域41同士の境界とみなして、この仮想線45を挟んだ両側の内容物領域41を互いに区別して認識する。この結果、真空パック内の内容物Gの収容状態にかかわらず、隣接する内容物G同士を互いに区別して認識することができる。
【0044】
また、上記実施形態のX線検査装置1では、第1画素値情報51を連続する複数の画素列53の平均値として取得することによりノイズを低減することができる。これにより、より高精度にX軸方向に隣接する内容物G同士を互いに区別して認識できるようになる。
【0045】
また、上記実施形態のX線検査装置1では、X軸方向に隣接する内容物領域41同士を互いに区別して認識するのと同様の方法にて、Y軸方向に隣接する内容物領域41同士を互いに区別して認識している。この結果、パッケージP内の内容物Gの収容状態にかかわらず、内容物Gが二次元方向に配列されていても、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ隣接する内容物G同士を互いに区別して認識することができる。
【0046】
また、上記実施形態のX線検査装置1では、仮想線45,47が視覚的に認識可能となるようにX線透過画像40を加工して出力して、内容物領域41が視覚的に分離された分離透過画像49を提供する。これにより、ユーザは、分離透過画像49を見て、直観的に、数量を判定できたり配列状況の良否を判定できたりできるようになる。
【0047】
また、上記実施形態のX線検査装置1では、ジャガイモのような自然物など、一つ一つの形状にばらつきがある不定形の内容物Gであっても、X線透過画像40に基づいて互いに隣接する内容物領域41を区別して認識することができる。上記実施形態のX線検査装置1は、特定の基準値を得ることができず従来の方法では検査が困難な不定形の内容物Gを検査する場合に特に効果が大きい。
【0048】
(4)変形例
以上、一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0049】
<変形例1>
上記実施形態のX線検査装置1では、画素値情報取得部23は、
図5に示されるように、X線透過画像40のX軸方向の画素列53(53
1,53
2、・・・、53
n−1、53
n)の画素55(55
1,55
2、・・・、55
n−1、55
n)ごとの濃淡値を示す第1画素値情報51と、
図7に示されるように、X線透過画像40のY軸方向の画素列63(63
1,63
2、・・・、63
n−1、63
n)の画素65(65
1,65
2、・・・、65
n−1、65
n)ごとの濃淡値を示す第2画素値情報61と、を取得する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、画素値情報取得部23は、上記第1画素値情報51のみを取得してもよい。この場合であっても、X軸方向に一次元に配列される内容物Gを含む商品WについてX軸方向に隣接する内容物Gを互いに区別して認識することができる。また、例えば、画素値情報取得部23は、上記第2画素値情報61のみを取得してもよい。この場合であっても、Y軸方向に一次元に配列される内容物Gを含む商品WについてY軸方向に隣接する内容物Gを互いに区別して認識することができる。
【0050】
<変形例2>
上記実施形態のX線検査装置1では、
図5に示されるように、第1画素値情報51は、Y軸方向に沿って連続して並ぶ複数の画素列53(53
1,53
2、・・・、53
n−1、53
n)の平均値からなる例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、画素値情報取得部23は、X軸方向に並ぶ単独の画素列53の画素55ごとの画素値の情報である第1画素値情報51を、Y軸方向に沿って所定の間隔で取得してもよい。また、同様に、画素値情報取得部23は、Y軸方向に並ぶ単独の画素列63の画素65ごとの画素値の情報である第2画素値情報61を、X軸方向に沿って所定の間隔で取得してもよい。
【0052】
上記実施形態又は変形例では、X線検査装置1が、複数の内容物Gを含む商品Wの数を算出する個数算出部29を備える例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、X線検査装置1は、個数算出部29を備えないで、分離画像出力部27によって出力される分離透過画像49をモニタ11に出力する機能を有する構成の装置であってもよい。この場合のX線検査装置1では、ユーザは、モニタ11に表示される分離透過画像49を見て、複数の内容物Gを含む商品Wの配列状態を確認することができる。
【0053】
また、上記実施形態又は変形例では、X線検査装置1が、仮想線45,47が視覚的に認識可能となるようにX線透過画像40を加工した分離透過画像49をモニタ11に出力する分離画像出力部27を備える例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。X線検査装置1は、分離画像出力部27を備えないで、個数算出部29によって算出される複数の内容物Gを含む商品Wの個数の良及び/又は不良を判定する機能を主に有する構成の装置であってもよい。
【0054】
また、上記実施形態又は変形例では、パッケージPに収容される内容物Gが不定形である例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、冷凍たこ焼きや肉団子など、形状がどれもほぼ一定である定形の加工品が内容物Gであってもよい。
【0055】
上記実施形態では、商品WにX線を照射し、当該商品Wを透過したX線に基づいてX線透過画像40を生成する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明は、商品Wに近赤外線を照射し、当該商品Wを透過した近赤外線に基づいて透過画像を生成する画像生成部を備える近赤外線検査装置(検査装置)に適用することも可能である。
【0056】
以上説明した種々の実施形態及び変形例は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々、組み合わせられてもよい。