特許第6352746号(P6352746)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6352746
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】振り分け装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/46 20060101AFI20180625BHJP
   B65G 47/82 20060101ALI20180625BHJP
   B07C 5/36 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   B65G47/46 A
   B65G47/82 A
   B07C5/36
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-191579(P2014-191579)
(22)【出願日】2014年9月19日
(65)【公開番号】特開2016-60616(P2016-60616A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2017年9月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】知場 俊之
(72)【発明者】
【氏名】須田 昇嗣
(72)【発明者】
【氏名】山川 敦史
【審査官】 土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−157842(JP,A)
【文献】 特開平10−109739(JP,A)
【文献】 特開2000−288234(JP,A)
【文献】 特開2000−16561(JP,A)
【文献】 特開2009−28674(JP,A)
【文献】 米国特許第4142636(US,A)
【文献】 特開昭53−13769(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/46
B07C 5/36
B65G 47/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される物品を揺動部材によって振り分ける振り分け装置であって、
前記揺動部材を、2つの定位置と、一方の前記定位置から他方の前記定位置に向かう間、及び、他方の前記定位置から一方の前記定位置に向かう間の2つの遷移位置と、の4つの位置に揺動させる駆動部と、
前記揺動部材の揺動に応じて移動する被検出部と、
前記被検出部の移動を検出する第1検出部及び第2検出部と、
前記第1検出部及び前記第2検出部の検出結果に基づいて、前記揺動部材が前記4つの位置の何処に位置するのかを判断する判断部と、を備える、振り分け装置。
【請求項2】
前記第1検出部及び前記第2検出部が前記揺動部材の前記定位置を検出する定位置検出領域は、前記遷移位置を検出する遷移位置検出領域に比べて狭い、請求項1記載の振り分け装置。
【請求項3】
前記被検出部は、直線部を有する形状を呈しており、前記揺動部材の揺動に応じて回転し、
前記第1検出部及び前記第2検出部は、
前記被検出部の回転領域内において互いに所定の間隔をあけて位置し、
前記第1検出部と前記第2検出部とを直線状に結ぶ仮想線が前記直線部と略平行となり且つ当該仮想線が前記直線部に対してオフセットされた位置において、前記直線部の近傍に配置されている、請求項2記載の振り分け装置。
【請求項4】
前記第1検出部及び前記第2検出部は、
前記揺動部材が前記定位置に位置している場合に、その両方が前記被検出部を検出、又は、その両方が前記被検出部を検出せず、
前記揺動部材が前記遷移位置に位置している場合に、そのいずれか一方が前記被検出部を検出する、請求項3記載の振り分け装置。
【請求項5】
前記被検出部、前記第1検出部及び前記第2検出部は、前記物品が載置される搬送面の下方に配置されている、請求項1〜4のいずれか一項記載の振り分け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振り分け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の振り分け装置としては、例えば、特許文献1に記載の装置が知られている。特許文献1に記載の振り分け装置は、駆動部の回転軸に取り付けられたカム板、及びカム板とアームとを連結するリンク部材とを有し、アームを揺動運動させるクランク機構と、カム板を回転軸方向に板ばねで付勢するローラと、上記駆動軸に取り付けられた遮蔽板と、遮蔽板を検出するフォトカプラセンサと、を備えている。この振り分け装置では、フォトカプラセンサは、カム板と同時に回転する遮光板の通過に応じて、入光から遮光、又は、遮光から入光を検出し、カム板(アーム)を駆動させるモータの動作は、フォトカプラセンサの検出結果に応じて制御されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−109739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の振り分け装置では、カム板に形成された2つの凹部のそれぞれにローラを嵌合させることで、アームを定位置で停止させている。このローラは、例えば、長年の使用による板ばねの経年劣化等によって、カム板への付勢力が失われるおそれがある。この場合、カム板が定位置で停止しないおそれがある。従来の振り分け装置では、1つのフォトカプラセンサによって入光又は遮光の1つの状態しか検出できないため、検出状態に変化(入光から遮光、又は、遮光から入光への変化)がない限り、カム板(アーム)の位置が変化していることを捉えることはできない。したがって、従来の振り分け装置では、エラーを精度良く検知することができなった。
【0005】
本発明は、揺動部材の状態を精度良く検出できる振り分け装置を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る振り分け装置は、搬送される物品を揺動部材によって振り分ける振り分け装置であって、揺動部材を、2つの定位置と、一方の定位置から他方の定位置に向かう間、及び、他方の定位置から一方の定位置に向かう間の2つの遷移位置と、の4つの位置に揺動させる駆動部と、揺動部材の揺動に応じて移動する被検出部と、被検出部の移動を検出する第1検出部及び第2検出部と、第1検出部及び第2検出部の検出結果に基づいて、揺動部材が4つの位置の何処に位置するのかを判断する判断部と、を備える。定位置は、例えば、物品を振り分ける位置(受け止め位置)、及び、物品を振り分けない位置(退避位置)である。
【0007】
この振り分け装置は、被検出部の移動を検出する第1検出部及び第2検出部を備えている。判断部は、第1検出部及び第2検出部の検出結果に基づいて、揺動部材が4つの位置の何処に位置するのかを判断する。このように、振り分け装置では、第1及び第2検出部の2つの検出部を設けることで、揺動部材の4つの位置(定位位置、遷移位置)を検出できる。したがって、振り分け装置では、揺動部材の状態を精度良く検出できる。
【0008】
一実施形態においては、第1検出部及び第2検出部が揺動部材の定位置を検出する定位置検出領域は、遷移位置を検出する遷移位置検出領域に比べて狭くてもよい。このように、定位置検出領域を遷移位置検出領域に比べて狭くすることで、揺動部材の定位置を正確に判断することができる。
【0009】
一実施形態においては、被検出部は、直線部を有する形状を呈しており、揺動部材の揺動に応じて回転し、第1検出部及び第2検出部は、被検出部の回転領域内において互いに所定の間隔をあけて位置し、第1検出部と第2検出部とを直線状に結ぶ仮想線が直線部と略平行となり且つ当該仮想線が直線部に対してオフセットされた位置において、直線部の近傍に配置されていてもよい。この構成では、被検出部の僅かな回転、すなわち揺動部材の僅かな移動で、第1検出部及び第2検出部による検出結果が変化する。したがって、定位置検出領域を遷移位置検出領域に比べて狭くする構成を実現できる。
【0010】
一実施形態においては、第1検出部及び第2検出部は、揺動部材が定位置に位置している場合に、その両方が被検出部を検出、又は、その両方が被検出部を検出せず、揺動部材が遷移位置に位置している場合に、そのいずれか一方が被検出部を検出してもよい。これにより、揺動部材の定位置と遷移位置とを、第1検出部及び第2検出部の検出結果により区別できる。したがって、揺動部材の状態を精度良く検出できる。
【0011】
一実施形態においては、被検出部、第1検出部及び第2検出部は、物品が載置される搬送面の下方に配置されていてもよい。これにより、各部が物品の搬送を阻害することを防止できる。また、万が一、検出部等が破損した場合であっても、搬送面上に破損した部品が載らないため、物品に部品が混入することを防止できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、揺動部材の状態を精度良く検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態に係る振り分け装置の構成を模式的に示す図である。
図2】振り分け機構の一部を示す図である。
図3】遮光板と第1センサ及び第2センサとの位置関係を示す図である。
図4】振り分け装置の構成を示すブロック図である。
図5】振分アームと遮光板の位置との関係を示す図である。
図6】振分アームと遮光板の位置との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0015】
図1は、一実施形態に係る振り分け装置1を示す図であり、一部を破断して示している。振り分け装置1は、例えば、食品などの商品(物品)Bを生産する生産ラインに設置されている。振り分け装置1は、搬送されてくる商品Bを、例えば計量装置30(図4参照)から出力される良否判定信号に基づいて良品と不良品とに振り分ける装置である。
【0016】
振り分け装置1は、主として、コンベア3と、振り分け機構5と、第1センサ(第1検出部)7及び第2センサ(第2検出部)8と、制御部(判断部)9と、を備えている。コンベア3は、振り分け装置1に商品Bを搬送する搬送装置(図示しない)のコンベアの下流側に配置されており、ベルト3aを駆動モータ3bによって駆動させることにより作動する。
【0017】
図2は、振り分け機構5の一部を示す図である。図1及び図2に示されるように、振り分け機構5は、振分アーム(揺動部材)10と、モータ(駆動部)12と、リンク機構14と、遮光板(被検出部)16と、を備えている。
【0018】
振分アーム10は、コンベア3によって所定位置にまで搬送されてくる商品Bを揺動して振り分ける。振分アーム10は、商品Bを良品として振り分ける退避位置P1(図5(a)参照)と、搬送されてくる商品Bを不良品として振り分ける受け止め位置P2(図6(a)参照)と、退避位置P1から受け止め位置P2に向かう間の第1遷移位置P3(図5(b)参照)と、受け止め位置P2から退避位置P1に向かう間の第2遷移位置P4(図6(b)参照)と、に揺動可能に構成されている。
【0019】
モータ12は、振分アーム10を、2つの定位置である退避位置P1及び受け止め位置P2と、2つの遷移位置である第1遷移位置P3及び第2遷移位置P4と、の4つの位置に揺動させる。モータ12は、例えば、DCブラシレスモータである。図2に示されるように、モータ12は、コンベア3の下方に配置されている。すなわち、モータ12は、コンベア3において商品Bが載置される搬送面3sよりも下方に配置されている。モータ12は、リンク機構14を介して、振分アーム10を揺動させる。モータ12は、制御部9によって駆動が制御される。
【0020】
リンク機構14は、振分アーム10とモータ12との間に介在させて設けられている。リンク機構14は、固定部材14aと、第1リンク部材14bと、第2リンク部材14cと、を備えている。固定部材14aは、モータ12の回転軸12aに固定されており、モータ12の回転に応じて回動する。第1リンク部材14bは、長尺状の部材である。第1リンク部材14bは、一端部が固定部材14aの一端部において軸中心に揺動可能に接合されていると共に、他端部が第2リンク部材14cの一端部に軸中心に揺動可能に接合されている。第2リンク部材14cは、長尺状の部材である。第2リンク部材14cは、一端部が第1リンク部材14bに軸中心に揺動可能に接合されていると共に、他端部が振分アーム10の基端部に固定されている。リンク機構14は、モータ12の回転に応じて固定部材14aが回動し、振分アーム10をコンベア3の搬送面3sに沿って揺動させる。
【0021】
遮光板16は、振分アーム10の揺動に応じて移動する。遮光板16は、図2に示されるように、モータ12の回転軸12aに固定されている。すなわち、遮光板16は、モータ12の回転に応じて回転する。このとき、リンク機構14の固定部材14aもモータ12の回転に応じて遮光板16と共に回転する。つまり、遮光板16は、振分アーム10の揺動に応じて移動する。
【0022】
図3に示されるように、遮光板16は、略半円形状を呈する遮光部16aと、矩形状を呈する突出部16bと、を有している。遮光部16aは、直線部17aと、円弧状の湾曲部17bと、を有している。突出部16bは、直線部17aの略中央部に設けられ、直線部17aから外側に突出するように配置されている。遮光板16において、モータ12の回転軸12aは、直線部17aの直線上の中央部に固定される。
【0023】
第1センサ7及び第2センサ8は、遮光板16の移動を検出する。第1センサ7及び第2センサ8は、図3に示されるように、遮光板16の回転領域内において互いに所定の間隔をあけて位置している。第1センサ7及び第2センサ8は、振分アーム10が退避位置P1に位置している状態において、第1センサ7と第2センサ8とを直線状に結ぶ仮想線Lが直線部17aと略平行となり且つ当該仮想線Lが直線部17aに対してオフセットされた位置において、直線部17aの近傍に配置されている。また、第1センサ7及び第2センサ8は、仮想線Lがモータ12の回転軸12aに対してオフセットされる位置に配置されている。
【0024】
上記第1センサ7及び第2センサ8の上記の配置により、遮光板16が図3に示す状態から僅かに回転した場合には、第1センサ7及び第2センサ8のいずれか一方の検出結果が直ちに変化する。本実施形態では、遮光板16は、図3において、通常、時計回りに回転する。
【0025】
第1センサ7及び第2センサ8は、例えば、フォトカプラセンサである。第1センサ7及び第2センサ8のそれぞれは、図2に示されるように、光を投光する投光部7a,8aと、光を受光する受光部7b,8bと、を有している。投光部7a,8aは、例えば、LED(Light Emitting Diode)であり、受光部7b,8bは、例えば、PD(PhotoDiode)である。投光部7a,8aと受光部7b,8bとは、上下方向に互いに所定の間隔をあけて対向する位置に配置されている。第1センサ7及び第2センサ8のそれぞれは、投光部7a,8a及び受光部7b,8bの間を通過する遮光板16を検出する。第1センサ7及び第2センサ8は、検出信号を制御部9に出力する。
【0026】
制御部9は、振り分け装置1の動作を制御する。制御部9は、計量装置30から出力された良否判定信号を受け取ると、この良否判定信号(良品又は不良品を示す信号)に応じて、振分アーム10を揺動させる。すなわち、制御部9は、良否判定信号に応じてモータ12を駆動させて振分アーム10を揺動させる。
【0027】
また、制御部9は、第1センサ7及び第2センサ8の検出結果に基づいて、振分アーム10が4つの位置P1〜P4の何処に位置するのかを判断する。具体的な制御部9の判断について、図5及び図6を参照しながら説明する。図5及び図6は、振分アーム10と遮光板16の位置との関係を示す図である。
【0028】
図5(a)に示されるように、振分アーム10が退避位置P1に位置している場合、第1センサ7及び第2センサ8は、遮光板16を検出しない。つまり、第1センサ7及び第2センサ8のそれぞれにおいて、投光部7a,8aから投光された光が受光部7b,8bにおいて受光されている。第1センサ7及び第2センサ8のそれぞれは、受光部7b,8bが受光していることを示す検出信号出力する。制御部9は、第1センサ7及び第2センサ8から検出信号を受け取り、検出信号において第1センサ7及び第2センサ8の両方において受光していることを取得する。この場合、制御部9は、振分アーム10が退避位置P1に位置していると判断する。
【0029】
図5(b)に示されるように、振分アーム10が第1遷移位置P3に位置している場合、第1センサ7は遮光板16を検出し、第2センサ8は遮光板16を検出しない。つまり、第1センサ7においてのみ、投光部7aから投光された光が遮光板16で遮られている。第1センサ7は、受光部7bが受光していないことを示す検出信号を出力し、第2センサ8は、受光部8bが受光していることを示す検出信号出力する。制御部9は、第1センサ7及び第2センサ8から検出信号を受け取り、検出信号において第2センサ8のみ受光していることを取得する。この場合、制御部9は、振分アーム10が第1遷移位置P3に位置していると判断する。
【0030】
図6(a)に示されるように、振分アーム10が受け止め位置P2に位置している場合、第1センサ7及び第2センサ8は、遮光板16を検出する。つまり、第1センサ7及び第2センサ8のそれぞれにおいて、投光部7a,8aから投光された遮光板16で遮られている。第1センサ7及び第2センサ8のそれぞれは、受光部7b,8bが受光していないことを示す検出信号出力する。制御部9は、第1センサ7及び第2センサ8から検出信号を受け取り、検出信号において第1センサ7及び第2センサ8の両方において受光していないことを取得する。この場合、制御部9は、振分アーム10が受け止め位置P2に位置していると判断する。
【0031】
図6(b)に示されるように、振分アーム10が第2遷移位置P4に位置している場合、第1センサ7は遮光板16を検出せず、第2センサ8は遮光板16を検出する。つまり、第2センサ8においてのみ、投光部8aから投光された光が遮光板16で遮られている。第1センサ7は、受光部7bが受光していることを示す検出信号を出力し、第2センサ8は、受光部8bが受光していないことを示す検出信号出力する。制御部9は、第1センサ7及び第2センサ8から検出信号を受け取り、検出信号において第1センサ7のみ受光していることを取得する。この場合、制御部9は、振分アーム10が第2遷移位置P4に位置していると判断する。
【0032】
第1センサ7及び第2センサ8の検出結果と、振分アーム10の位置P1〜P4とを対応づけたパターンを上記のように設定することにより、第1センサ7及び第2センサ8が振分アーム10の退避位置P1及び受け止め位置P2を検出する定位置検出領域は、第1遷移位置P3及び第2遷移位置P4を検出する遷移位置検出領域に比べて狭い。すなわち、第1センサ7及び第2センサ8は、振分アーム10の退避位置P1又は受け止め位置P2からの移動を、遮光板16の僅かな回転によって検出する。
【0033】
制御部9は、判断した振分アーム10の位置と、計量装置30から出力された良否判定信号とに基づいて、振分アーム10の動作(モータ12の駆動)を制御する。制御部9の動作パターンは、以下の通りである。なお、制御部9は、基本的には、モータ12を時計周りに回転させることで、振分アーム10を揺動させる。ただし、制御部9は、モータ12を反時計回りに回転させた方が所定位置により早く振分アーム10を位置させることができる場合には、モータ12を反時計周りに回転させて振分アーム10を揺動させる。
【0034】
(1)第1パターン
・振分アーム10の位置:退避位置P1
・良品判定信号:不良品
この場合、制御部9は、モータ12を時計周りに回転させて振分アーム10を揺動させ、第1センサ7及び第2センサ8において遮光板16を検出したときにモータ12にブレーキ制御を実施し、振分アーム10を受け止め位置P2に位置させる。
(2)第2パターン
・振分アーム10の位置:退避位置P1
・良品判定信号:良品
この場合、制御部9は、何も制御を実施しない
(3)第3パターン
・振分アーム10の位置:第1遷移位置P3
・良品判定信号:良品
この場合、制御部9は、モータ12を反時計周りに回転させて振分アーム10を揺動させ、第1センサ7及び第2センサ8において遮光板16を検出しないときにモータ12にブレーキ制御を実施し、振分アーム10を退避位置P1に位置させる。
(4)第4パターン
・振分アーム10の位置:第1遷移位置P3
・良品判定信号:不良品
この場合、制御部9は、モータ12を時計周りに回転させて振分アーム10を揺動させ、第1センサ7及び第2センサ8において遮光板16を検出したときにモータ12にブレーキ制御を実施し、振分アーム10を受け止め位置P2に位置させる。
(5)第5パターン
・振分アーム10の位置:受け止め位置P2
・良品判定信号:不良品
この場合、制御部9は、何も制御を実施しない。
(6)第6パターン
・振分アーム10の位置:受け止め位置P2
・良品判定信号:良品
この場合、制御部9は、モータ12を時計回りに回転させて振分アーム10を揺動させ、第1センサ7及び第2センサ8において遮光板16を検出しないときにモータ12にブレーキ制御を実施し、振分アーム10を退避位置P1に位置させる。
(7)第7パターン
・振分アーム10の位置:第2遷移位置P4
・良品判定信号:不良品
この場合、制御部9は、モータ12を反時計周りに回転させて振分アーム10を揺動させ、第1センサ7及び第2センサ8において遮光板16を検出したときにモータ12にブレーキ制御を実施し、振分アーム10を受け止め位置P2に位置させる。
(8)第8パターン
・振分アーム10:第2遷移位置P4
・良品判定信号:良品
この場合、制御部9は、モータ12を時計回りに回転させて振分アーム10を揺動させ、第1センサ7及び第2センサ8において遮光板16を検出しないときにモータ12にブレーキ制御を実施し、振分アーム10を退避位置P1に位置させる。
【0035】
また、制御部9は、判断した振分アーム10の位置に基づいて、エラーを検知する。制御部9は、エラーを検知した場合、モータ12の制御を停止し、ブレーキをOFF状態とする。
【0036】
制御部9は、例えば、計量装置30から出力された良否判定信号において不良品を示している場合に、所定時間内に振分アーム10が受け止め位置P2に位置しない、すなわち第1センサ7及び第2センサ8において遮光板16を検出する状態とならなかったときには、エラーとして検知する。これにより、モータ12に異常が発生している、又は、振分アーム10が障害物等によって揺動できない状態となっていることを検知することができる。上記所定時間を適切に設定(例えば、振分アーム10が退避位置P1から受け止め位置P2に移動するまでの時間に設定)することにより、不良品が後段に搬送されることを防止できる。
【0037】
また、制御部9は、振分アーム10が受け止め位置P2に到達した後に、所定時間内に退避位置P1に位置しない、すなわち第1センサ7及び第2センサ8において遮光板16を検出しない状態とならなかったときには、エラーとして検知する。これにより、例えば、モータ12を制動するためのブレーキ信号線に異常が発生し、モータ12が駆動し続けるエラーを検知できる。なお、当該所定時間は、振分アーム10のオーバーランを考慮した時間に設定することが好ましい。
【0038】
また、制御部9は、振分アーム10が退避位置P1に位置し、且つ、オーバーランも収束した後に、所定時間内に退避位置P1に位置しない、すなわち第1センサ7及び第2センサ8において遮光板16を検出しない状態とならなかったときには、エラーとして検知する。このエラーは、振分アーム10による振り分け動作が行われていないときに、振分アーム10を所定時間以上外部から力を加えた場合に発生する。
【0039】
以上説明したように、振り分け装置1は、遮光板16の回転を検出する第1センサ7及び第2センサ8を備えている。制御部9は、第1センサ7及び第2センサ8の検出結果に基づいて、振分アーム10が4つの位置P1〜P4の何処に位置するのかを判断する。このように、振り分け装置1では、第1センサ7及び第2センサ8の2つのセンサを設けることで、振分アーム10の4つの位置P1〜P4を検出できる。したがって、振り分け装置1では、振分アーム10の状態を精度良く検出できる。
【0040】
本実施形態では、第1センサ7及び第2センサ8が振分アーム10の2つの定位置(退避位置P1及び受け止め位置P2)を検出する定位置検出領域は、2つの遷移位置(第1遷移位置P3及び第2遷移位置P4)を検出する遷移位置検出領域に比べて狭い。このように、定位置検出領域を遷移位置検出領域に比べて狭くすることで、振分アーム10の定位置を正確に判断することができる。
【0041】
本実施形態では、遮光板16は、直線部17aを有する半円形状を呈している。遮光板16は、振分アーム10の揺動に応じて回転する。第1センサ7及び第2センサ8は、遮光板16の回転領域内において互いに所定の間隔をあけて位置し、第1センサ7と第2センサ8とを直線状に結ぶ仮想線Lが直線部17aと略平行となり且つ当該仮想線Lが直線部17aに対してオフセットされた位置において、直線部17aの近傍に配置されている。この構成では、遮光板16の僅かな回転、すなわち振分アーム10の僅かな移動で、第1センサ7及び第2センサ8による検出結果が変化する。したがって、定位置検出領域を遷移位置検出領域に比べて狭くする構成を実現できる。
【0042】
本実施形態では、遮光板16、第1センサ7及び第2センサ8は、商品Bが載置される搬送面3sの下方に配置されている。これにより、各部が商品Bの搬送を阻害することを防止できる。また、万が一、検出部等が破損した場合であっても、搬送面3s上に破損した部品が載らないため、商品Bに部品が混入することを防止できる。
【0043】
本発明は、上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態では、振分アーム10が、コンベア3により搬送される商品Bを振り分ける形態を一例に説明したが、振り分け装置は、これに限定されない。例えば、振り分け装置としては、揺動部材によってコンベアの一部を下方に傾斜させて、物品を振り分ける装置であってもよい。すなわち、上記実施形態では、揺動部材を水平方向に沿って揺動させているが、揺動部材を上下方向に沿って揺動させる装置であってもよい。
【0044】
上記実施形態では、被検出部である遮光板16が半円形状を呈する形態を一例に説明したが、遮光板の形状はこれに限定されない。遮光板は、第1センサ7及び第2センサ8の検出結果に基づいて、振分アーム10の4つの位置P1〜P4が判断できる形状であればよく、種々の形状とすることができる。
【0045】
上記実施形態では、第1センサ7及び第2センサ8が、第1センサ7と第2センサ8とを直線状に結ぶ仮想線Lが直線部17aと略平行となり且つ当該仮想線Lが直線部17aに対してオフセットされた位置において、直線部17aの近傍に配置されている形態を一例に説明したが、第1センサ7及び第2センサ8の配置の形態はこれに限定されない。この場合、振分アーム10の位置P1〜P4と、第1センサ7及び第2センサ8の検出結果とのパターンを適宜設定すればよい。
【符号の説明】
【0046】
1…振り分け装置、3s…搬送面、7…第1センサ(第1検出部)、8…第2センサ(第2検出部)、9…制御部(判断部)、10…振分アーム(揺動部材)、12…モータ(駆動部)、16…遮光板(被検出部)、17a…直線部、B…商品(物品)、L…仮想線、P1…退避位置(定位置)、P2…受け止め位置(定位置)、P3…第1遷移位置(遷移位置)、P4…第2遷移位置(遷移位置)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6