(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
マルチユースコネクタであって、その縦軸方向の長さに沿った遠位端と反対の近位端と前記マルチユースコネクタを貫通している流体経路とを有するマルチユースコネクタと、
複数の同一の使い捨てコネクタであって、複数の前記同一の使い捨てコネクタが、前記使い捨てコネクタの連鎖を形成するために直列に接続されており、前記使い捨てコネクタの連鎖が、流体が前記使い捨てコネクタの連鎖を通過するように前記使い捨てコネクタの連鎖を貫通している流体経路を形成しており、前記使い捨てコネクタそれぞれが、前記使い捨てコネクタの縦軸方向の長さに沿った遠位端と反対の近位端を有している、複数の同一の前記使い捨てコネクタと、
を含む医療用コネクタアセンブリであって、
直列に接続された前記使い捨てコネクタのうち第一の使い捨てコネクタが、前記マルチユースコネクタの前記流体経路を前記使い捨てコネクタの連鎖を貫通する前記流体経路に接続させるために、前記マルチユースコネクタに結合されており、直列に接続された前記使い捨てコネクタのうち第二の使い捨てコネクタが、前記第一の使い捨てコネクタに連鎖して結合されており、
前記マルチユースコネクタの前記遠位端が、直列に接続された前記使い捨てコネクタのうちの前記第一の使い捨てコネクタの前記近位端に着脱可能に接続され、直列に接続された前記使い捨てコネクタのうちの前記第二の使い捨てコネクタが前記第一の使い捨てコネクタから切り離されると、前記第一の使い捨てコネクタが滅菌カバーとして前記マルチユースコネクタに接続されたまま残る医療用コネクタアセンブリ。
前記マルチユースコネクタの前記遠位端をカバーし、滅菌性を維持するようになされた取り外し可能なキャップをさらに含む、請求項1に記載の医療用コネクタアセンブリ。
前記直列に接続された複数の使い捨てコネクタのうちの前記第一の使い捨てコネクタの前記近位端をカバーして滅菌性を維持するようになされた取り外し可能なキャップをさらに含む、請求項1に記載の医療用コネクタアセンブリ。
前記医療用コネクタアセンブリの周囲に設置され、第二のシース要素との破壊可能な接続手段を有する第一のシース要素を含むシースをさらに含む、請求項1に記載の医療用コネクタアセンブリ。
前記シースが、前記医療用コネクタアセンブリの周囲に延び、前記マルチユースコネクタから、前記直列に接続された使い捨てコネクタに沿って続くように延びる、請求項4に記載の医療用コネクタアセンブリ。
前記第二の使い捨てコネクタが前記第一の使い捨てコネクタから切り離されたときに、前記第一のシース要素が前記第一の使い捨てコネクタと前記マルチユースコネクタの一部の周囲に設置されたまま残り、前記第二のシース要素が、切り離された前記第二の使い捨てコネクタの周囲に設置されたまま残る、請求項5に記載の医療用コネクタアセンブリ。
【背景技術】
【0003】
一般的な医療用コネクタは、調剤容器、輸液セット、カテーテル、医療用導輸ラインをはじめとする各種の医療器材に使用するために提供されている。このようなコネクタは、たとえば容器から薬剤を吸引し、および/または薬液を1人または複数の患者に送達することを必要とする数多くの医療処置によく使用される。このようなコネクタの一例は、従来の薬瓶に取り付けられたゴム製セプタムと薬瓶からある量の薬剤を抜き取るための針である。ある量の薬剤を抜き取るために薬瓶を使用する際は毎回、ゴム製セプタムをアルコール等の消毒剤で消毒することが一般的である。その後、使用者はゴム製セプタムを針で穿刺し、薬瓶からある量の薬剤を抜き取る。針をゴムセプタムから抜くと、セプタムの弾力性によって薬瓶は再密封され、その結果、薬瓶の内側と外側の間の密封接続が維持される。そして使用者はこの針を使って薬剤を患者に送達してもよい。この例では、針は使い捨てコネクタと考えてもよく、各患者について1回のみ使用された後、医療廃棄物として処分される。
【0004】
医療用コネクタの別の例は、擦拭消毒可能なバルブとそれに対応する使い捨てコネクタである。この例では、使用者はコネクタバルブをアルコール等の消毒剤で擦ることによって接続面を清潔にしてから、コネクタバルブを使い捨てコネクタに嵌合させなければならない。使い捨てコネクタはルアフィッティングであってもよい。通常、擦拭消毒可能なバルブは消毒剤で少なくとも15秒間擦らなければならず、その後、消毒剤が蒸発するまで少なくとも45秒間の待機時間が必要となる。実際には、接続バルブは、仮に消毒されるとしても、適正時間にわたって消毒されていない場合が多い。
【0005】
従来の医療用コネクタは一般に、使用時まで事前滅菌された密封パッケージに入った状態で提供される。医療従事者等の使用者は、医療用コネクタを取り出してから使用しなければならない。医療用コネクタの製造および包装時に滅菌状態を保つことは可能であるものの、医療用コネクタを事前滅菌された密封パッケージから取り出した直後から様々な汚染物質が入り込む可能性がある。たとえば、咳やくしゃみの飛沫の小滴内に含まれる細菌等の空中浮遊粒子が医療用コネクタの流体接続要素に堆積し、これを汚染する可能性がある。胞子や粉塵も、医療用コネクタを汚染しうるまた別の空中浮揚粒子である。使用時には、医療用コネクタは、医療従事者や患者の衣類または体等の非滅菌物との故意によらない接触によって汚染される可能性がある。滅菌状態はさらに、医療用コネクタと医療用容器を接続する過程で、非滅菌面と接触することによって損なわれることもある。
【0006】
無数の設計の多様な医療用コネクタが長年にわたって使用されてきたが、これらは多数の欠陥を伴う。使用中は、非滅菌面とのすべての接触を回避し、空中浮遊汚染物質への曝露を削減、軽減、または排除することが最重要である。シリンジ、調剤容器、またはポンプ等の医療用品と、患者に接続された、たとえば患者に挿入されたカテーテルに接続された流体ラインとを流体接続するたびに、新品の滅菌済み医療用コネクタを使って医療用品と患者の間に流体ラインを接続するべきである。しかしながら、各種の医療用コネクタの構成部品間の接続部の滅菌性は、医療用コネクタが滅菌環境、たとえばその包装材から取り出されてしまうと、しばしば損なわれる。従来の医療用コネクタには多くの場合、ダストキャップが設けられており、非滅菌面または空中浮遊汚染物質との故意によらない接触が防止されている。たとえば、米国特許第2,780,243号明細書(Williamら)と同第3,987,930号明細書(Fuson)は、長期保管に適したスタック式または入れ子式ダストキャップのそれぞれの実施形態を開示しており、米国特許第4,778,447号明細書(Veldeら)は、雌型雄型両方の保護キャップを備える医療用コネクタを開示している。しかしながら、滅菌性を維持するこれらの手段が常に実際に利用されるとはかぎらない。これに加えて、各コネクタ構成部品にダストキャップを設けた場合、そのような製品はより複雑となり、多くの場合、その使い捨てという性質からコストが法外に高くなり、また、処分が必要な廃棄物の量が増大する。
【0007】
医療業界ではまた、各種の2部式医療用コネクタもWhitehouse et al.の米国特許第4,981,469号明細書やDikemanの同第7,241,285号明細書から知られている。Whitehouse et al.の特許は、薬剤供給チューブに接続するためのアセンブリに関しており、遠位端キャップとセプタムキャップと外部アダプタを含むセプタムアセンブリを含んでいる。Dikemanの特許は、ルアテーパによって提供可能であるような流体通路器材と薄い隔膜を有するインジェクションサイトとを接続するための医療用コネクタを開示している。この医療用コネクタは小径のカニューラを含み、これが薄い隔膜と係合して、流体通路を開通させるのに十分なだけ薄い隔膜を開く。宮原の米国特許第6,911,025号明細書は透析用コネクタに関し、これは患者側コネクタが長期使用のための保護キャップによって取り囲まれ、それによって取り囲まれる滅菌内側キャップが毎回の透析処置終了時に交換される。
【0008】
上記の設計の各々は使い捨てコネクタに基づいており、使用者は医療用品と患者の間を新たに流体接続する前に、これを交換しなければならない。その使い捨ての設計により、従来の医療用コネクタの場合、使用者は、新たに接続する必要が生じるたびに確実に適正な滅菌対策を講じる必要がある。これに加えて、使い捨てコネクタへのダストキャップの着脱時の人的エラーによる大きな汚染リスクもある。さらに、従来の医療用コネクタの設計のどの部品も再利用できないため、現場に医療用コネクタの大量の在庫を備えておかなければならず、これによって保管コストと1処置ごとのコストが増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
論点は流体送達システムの流体供給側に絞られていた。同様の、またはそれ以上の課題、ニーズ、問題が患者の受入側にもあり、そこでは、患者にとっての肉体的苦痛や不快と医療作業者による患者の血管確保の難しさから、患者の治療期間全体にわたって1つの患者血管確保器材から流体を連続的に送達または吸引することがしばしば求められる。これは現在、上述の擦拭消毒可能なバルブまたはニードルレスセプタムを使うことによって解決されている。これらのどちらにも、上述のような大きな問題がある。それに加えて、患者からの血液が環境中に入る機会を低減させるための特徴を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の事柄を鑑み、再使用可能またはマルチユースコネクタまたは要素の滅菌性を維持する医療用コネクタアセンブリが必要とされている。たとえば、医療用コネクタアセンブリは、第一の医療器材と第二の医療器材を流体接続するために使用されてもよい。1つの実施形態において、医療用コネクタアセンブリは、1つのマルチユースコネクタと、直列に接続された複数の使い捨てコネクタと、を含む。マルチユースコネクタは、その縦軸方向の長さに沿った遠位端と反対の近位端を有する。複数の使い捨てコネクタの各々は、その縦軸方向の長さに沿った遠位端と反対の近位端を有する。マルチユースコネクタの遠位端は、直列に接続された使い捨てコネクタのうちの第一のコネクタの近位端に着脱可能に接続される。直列に接続された使い捨てコネクタのうちの第二のコネクタが第一の使い捨てコネクタから切り離されると、第一の使い捨てコネクタは滅菌カバーとしてマルチユース医療用コネクタに接続されたまま残る。取り外し可能なキャップを設けて、マルチユースコネクタの遠位端と第一の使い捨てコネクタの近位端をカバーし、使用前等に滅菌性を保ってもよい。
【0011】
シースは、医療用コネクタアセンブリの周囲に設置されてもよく、第一のシース要素を含んでいてもよく、これは第二のシース要素との破壊可能接続手段を有する。シースは、医療用コネクタアセンブリの外面を覆うように延びてもよく、マルチユースコネクタから、直列に接続された使い捨てコネクタに沿って続くように延びる。直列に接続された使い捨てコネクタのうちの第二のコネクタが第一の使い捨てコネクタから切り離されるとシースが破れ、第二の使い捨てコネクタを第一の使い捨てコネクタに容易に取り付け直すことができないか、または取り付け直すことがまったくできなくなる。破れた後、第一のシース要素は第一の使い捨てコネクタとマルチユース医療用コネクタの一部の周囲に設置されたままであってもよく、第二のシース要素は、切り離された第二の使い捨てコネクタの周囲に設置されたままであってもよく、それによって、第二の使い捨てコネクタを第一の使い捨てコネクタに容易に取り付け直すことができないか、または取り付け直すことがまったくできなくなる。
【0012】
流体経路要素は、第二の使い捨てコネクタの遠位端に接続されてもよい。流体経路要素は、カテーテルに接続するようになされた低圧コネクタチューブを含んでいてもよい。マルチユースコネクタは、シリンジのシリンジネック接続部に設置されてもよい。
【0013】
本明細書で詳しく説明する他の実施形態は、医療用コネクタアセンブリにおける滅菌流体接続を確立し、保持する方法に関する。この方法は、その縦軸方向の長さに沿った遠位端と反対の近位端を含むマルチユースコネクタを提供するステップと、直列に接続され、各々がその縦軸方向の長さに沿った遠位端と反対の近位端を含む複数の使い捨てコネクタを提供するステップと、を含む。この方法は、マルチユースコネクタの遠位端を直列に接続された使い捨てコネクタのうちの第一のコネクタの近位端に接続するステップをさらに含んでいてもよい。さらに、この方法は、直列に接続された使い捨てコネクタのうちの第二のコネクタを第一の使い捨てコネクタから切り離して、第一の使い捨てコネクタが滅菌カバーとしてマルチユース医療用コネクタに接続されたまま残るようにするステップをさらに含んでいてもよい。
【0014】
取り外し可能なキャップをマルチユースコネクタの遠位端に設置して滅菌性を保ってもよく、この方法は、マルチユースコネクタの遠位端を第一の使い捨てコネクタの近位端に接続するステップの前に、キャップを取り外すステップをさらに含んでいてもよい。これに加えて、取り外し可能なキャップを第一の使い捨てコネクタの近位端に設置して滅菌性を保ってもよく、この方法は、マルチユースコネクタの遠位端を第一の使い捨てコネクタの近位端に接続するステップの前に、キャップを取り外すステップをさらに含んでいてもよい。
【0015】
シースは、シースは、医療用コネクタアセンブリの周囲に設置されてもよく、第一のシース要素を含んでいてもよく、これは第二のシース要素との破壊可能接続手段を有する。第二の使い捨てコネクタが第一の使い捨てコネクタから切り離されると、破壊可能接続手段が破壊される。シースは、医療用コネクタアセンブリの外面を覆うように延びてもよく、マルチユースコネクタから、直列に接続された使い捨てコネクタに沿って続くように延びる。さらに、直列に接続された使い捨てコネクタのうちの第二のコネクタが第一の使い捨てコネクタから切り離されると、シースが破れ、第二の使い捨てコネクタを第一の使い捨てコネクタに容易に取り付け直すことができないか、または取り付け直すことがまったくできなくなる。破壊の後、破れた後、第一のシース要素は第一の使い捨てコネクタとマルチユース医療用コネクタの一部の周囲に設置されたままであってもよく、第二のシース要素は、切り離された第二の使い捨てコネクタの周囲に設置されたままであって、第二の使い捨てコネクタと一緒に処分されてもよい。
【0016】
この方法は、第二の使い捨てコネクタの遠位端に接続された流体経路要素を提供するステップを含んでいてもよい。流体経路要素は、カテーテルに接続するようになされた低圧コネクタチューブを含んでいてもよい。マルチユースコネクタは、シリンジのシリンジネックに設置されてもよい。あるいは、マルチユースコネクタは、どのような種類の流体経路要素、たとえば容器および医療用流体供給部からのチューブにあってもよく、対向する使い捨てコネクタはシリンジのネックにあってもよい。
【0017】
第二の使い捨てコネクタを第一の使い捨てコネクタから切り離すステップは、第二の使い捨てコネクタを第一の使い捨てコネクタに対して捻るステップと、第二の使い捨てコネクタを第一の使い捨てコネクタから軸方向に引き離すステップと、を含んでいてもよい。
【0018】
マルチユースコネクタと直列に接続された複数の使い捨てコネクタの各々1つは、内部流量制御要素を含んでいてもよい。
【0019】
マルチユースコネクタの遠位端を直接に接続された使い捨てコネクタのうちの第一のコネクタに接続するステップは、滅菌ガス流内で行われてもよい。滅菌ガス流は、医療用コネクタアセンブリの中の所期の流体流れ方向に対して略平行または略垂直であってもよい。たとえば、滅菌ガス流は、マルチユースコネクタと対向する使い捨てコネクタの間の接近方向に対して略平行または略垂直であってもよい。
【0020】
他の実施形態において、医療用コネクタアセンブリが提供され、これは1つのマルチユースコネクタと、直列に接続された複数の使い捨てコネクタと、を含む。マルチユースコネクタは直列に接続された使い捨てコネクタのうちの第一のコネクタに着脱可能に接続され、直列に接続された使い捨てコネクタのうちの第二のコネクタが第一の使い捨てコネクタから切り離されると、第一の使い捨てコネクタは滅菌性維持カバーとしてマルチユース医療用コネクタに接続されたまま残る。
【0021】
マルチユースコネクタは、シリンジの排出ネックに設置されてもよい。
【0022】
第一の使い捨てコネクタは、マルチユースコネクタに螺合されてもよい。
【0023】
第一の使い捨てコネクタは、締まり嵌めの状態で一体に嵌合される2つのコネクタ要素からなっていてもよい。
【0024】
破壊可能シースは、医療用コネクタアセンブリの周囲に設置され、第一のシース要素を含んでいてもよく、これは円周方向の切込みに沿って第二のシース要素との破壊可能接続手段を有する。
【0025】
第二の使い捨てコネクタは、円周方向の切込みに沿って破断するようになされていてもよく、その結果、破断すると第二の使い捨てコネクタの一部が対向する第一の使い捨てコネクタと共に残る。
【0026】
第二の使い捨てコネクタは、第一のコネクタ要素と第二のコネクタ要素からなっていてもよく、第一のコネクタ要素はヘッド部を画定し、これは第二のコネクタ要素に画定された、それと係合する受容部の中にスライドして係合するようになされた従属部分を含む。破壊可能シースは、第一のコネクタ要素を第二のコネクタ要素と係合した状態に固定してもよい。
【0027】
第二の使い捨てコネクタは、第一のコネクタ要素と第二のコネクタ要素からなっていてもよく、第一のコネクタ要素はヘッド部を画定し、第二のコネクタ要素は、ヘッド部を覆うように折れ曲がる、対向する折れ曲り要素を含む。破壊可能シースは、第一のコネクタ要素を第二のコネクタ要素と係合した状態に固定してもよい。
【0028】
第二の使い捨てコネクタは当接して係合する第一のコネクタ要素と第二のコネクタ要素からなっていてもよく、これらは、シュリンクラップ等の破壊可能シュリンクラップシース、オーバモールドクランプ、一体蝶番とキャッチを有するクランプ、ばねクリップまたは、保持力に打ち勝つために意図的に加えられた力を使うような、その他の同様の要素、装置、または方法により一体に保持される。
【0029】
第一の使い捨てコネクタはマルチユースコネクタと螺合していてもよく、ねじ切りシースは第一の使い捨てコネクタと螺合していてもよい。シースと第一の使い捨てコネクタの間の螺合は、第一の使い捨てコネクタとマルチユースコネクタの間の螺合とは反対に操作されてもよい。第二の使い捨てコネクタは、シースと螺合して、第二の使い捨てコネクタを第一の使い捨てコネクタと直列に固定してもよい。
【0030】
使い捨てコネクタは、一体に形成されて、円周方向の切欠きに沿って少なくとも2つの要素に破断されるようになされていてもよい。
【0031】
シースは、医療用コネクタアセンブリの周囲に設置されて、第二のシース要素との破壊可能接続手段を有する第一のシース要素を含んでいてもよい。シースは、医療用コネクタアセンブリの外面を覆うように延びてもよく、マルチユースコネクタから、直列に接続された使い捨てコネクタに沿って続くように延びる。さらに、第二の使い捨てコネクタが第一の使い捨てコネクタから切り離されると、第一のシース要素は第一の使い捨てコネクタとマルチユース医療用コネクタの一部の周囲に設置されたまま残ってもよく、第二のシース要素は切り離された第二の使い捨てコネクタの周囲に設置されたまま残る。
【0032】
上記以外の詳細と利点は、以下の詳細な説明を添付の図面と一緒に読むことにより理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】マルチユースコネクタアセンブリのある実施形態のブロック図である。
【
図2】使い捨てコネクタアセンブリのある実施形態のブロック図である。
【
図3】
図1のマルチユースコネクタアセンブリに接続されて医療用コネクタアセンブリが形成された状態で示される、
図2の使い捨てコネクタアセンブリのブロック図である。
【
図4】
図3に示される医療用コネクタアセンブリの一部のブロック図である。
【
図5】医療用コネクタアセンブリを通る流体の流れの方向に対して略平行に流れる滅菌ガスのストリームに関連して示された、
図3の医療用コネクタアセンブリのブロック図である。
【
図6】医療用コネクタアセンブリを通る流体の流れの方向に対して略垂直に流れる滅菌ガスのストリームに関連して示された、
図3の医療用コネクタアセンブリのブロック図である。
【
図7】
図2の使い捨てコネクタアセンブリを
図1のマルチユースコネクタアセンブリに接続する前の医療用コネクタアセンブリの概略図である。
【
図8】
図2の使い捨てコネクタアセンブリを
図1のマルチユースコネクタアセンブリに接続した後の、
図7の医療用コネクタアセンブリの概略図である。
【
図9】使い捨てコネクタアセンブリが部分的に分解されて、使い捨てコネクタアセンブリの一部とマルチユースコネクタアセンブリを廃棄できるようにした後の、
図7の医療用コネクタアセンブリの概略図である。
【
図10】
図2の使い捨てコネクタアセンブリを
図1のマルチユースコネクタアセンブリと接続する前の医療用コネクタアセンブリの、さらにシリンジに流体を充填するための環境内で示される概略図である。
【
図11】
図2の使い捨てコネクタアセンブリを
図10のマルチユースコネクタアセンブリと接続した後の、
図10の医療用コネクタアセンブリの概略図である。
【
図12】使い捨てコネクタアセンブリが部分的に分解されて、使い捨てコネクタアセンブリの一部とマルチユースコネクタアセンブリを廃棄できるようにした後の、
図10の医療用コネクタアセンブリの医療用コネクタアセンブリの概略図である。
【
図13】
図1のマルチユースコネクタアセンブリの他の実施形態のブロック図である。
【
図14】
図2に示される使い捨てコネクタアセンブリの他の実施形態のブロック図である。
【
図15】
図13のマルチユースコネクタアセンブリに接続されて医療用コネクタアセンブリが形成された状態で示される、
図14の使い捨てコネクタアセンブリのブロック図である。
【
図16】医療用コネクタアセンブリの他の実施形態の概略図である。
【
図17】血管造影用シリンジ等の高圧用途に適した、医療用コネクタアセンブリの他の実施形態の分解斜視図である。
【
図18】
図17の医療用コネクタアセンブリで使用される使い捨てコネクタアセンブリの端面斜視図である。
【
図19】
図17に示される医療用コネクタアセンブリとシリンジの斜視図である。
【
図21】
図17の医療用コネクタアセンブリの使い捨てコネクタアセンブリを示す分解斜視図である。
【
図22】破壊可能接続手段が使い捨てコネクタアセンブリの一部として設けられていてもよい、医療用コネクタアセンブリの他の実施形態の分解斜視図である。
【
図23】
図22の医療用コネクタアセンブリで使用される使い捨てコネクタアセンブリの端面斜視図である。
【
図24】
図22に示される医療用コネクタアセンブリとシリンジの斜視図である。
【
図26】切り離された状態の、
図22の医療用コネクタアセンブリの使い捨てコネクタアセンブリを示す分解斜視図である。
【
図27】スライド式接続手段が使い捨てコネクタアセンブリの一部として設けられていてもよい、医療用コネクタアセンブリの他の実施形態の分解斜視図である。
【
図28】切り離された状態で示される、
図27の医療用コネクタアセンブリで使用される使い捨てコネクタアセンブリの分解斜視図である。
【
図29】切り離された状態で示される、
図27の医療用コネクタアセンブリで使用される使い捨てコネクタアセンブリの他の分解斜視図である。
【
図30】
図27の医療用コネクタアセンブリの長手方向の断面図である。
【
図31】
図27〜30に示される使い捨てコネクタの改良版の斜視図である。
【
図32】シュリンクラップシース要素が取り除かれた
図31に示される使い捨てコネクタアセンブリの斜視図である。
【
図33】
図31の使い捨てコネクタアセンブリの分解斜視図である。
【
図34】流体接続がシュリンクラップシース要素により保持されてもよい、医療用コネクタアセンブリの他の実施形態の分解斜視図である。
【
図35】
図34の医療用コネクタアセンブリの長手方向の断面図である。
【
図36】血管造影用シリンジに関連付けられた、医療用コネクタアセンブリの他の実施形態の斜視図である。
【
図38】血管造影用シリンジに関連付けられた、医療用コネクタアセンブリの他の実施形態の分解斜視図である。
【
図39】
図36の医療用コネクタアセンブリとシリンジの係合状態を示す端面図である。
【
図40】
図36の医療用コネクタアセンブリとシリンジの係合し、ロックされた状態を示す斜視図である。
【
図41】
図40に示される医療用コネクタアセンブリとシリンジの、係合し、ロックされた状態を示す端面図である。
【
図42】
図36の医療用コネクタアセンブリとシリンジの係合を示す断面図である。
【
図43】使い捨てコネクタアセンブリとマルチユースコネクタアセンブリの間のスライド式接続手段を示す、医療用コネクタアセンブリの他の実施形態の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本明細書における説明の解釈において、空間的な向きを示す用語が使用される場合、これらは添付の図面に示された向きの、または以下の詳細な説明の中に他の方法で説明された状態での、その言及された実施形態に関している。しかしながら、以下に説明される実施形態では、多くの代替的な変形形態と実施形態が想定されうると理解するものとする。また、添付の図面に示され、本明細書で説明される具体的な器材は例示にすぎず、限定的と解釈されるべきではないと理解するものとする。本願における部品、機能、または要素の関係に関連して使用される「長手方向」、「直列」という用語は、図面では略直線として示されているが、線形または直線的な関係のみに限定されることは意図されない。
【0035】
複数の図面を通じて同様の参照番号は同様の部品を指しているが、これらの図面を参照して、医療用コネクタアセンブリ10(以下、「コネクタアセンブリ10」という)とコネクタアセンブリ10の再使用可能部分の無菌性を維持する方法を本明細書の中で詳しく説明する。まず
図1〜3を参照すると、組立後のコネクタアセンブリ10は概して、
図3に示されているように、使い捨てコネクタアセンブリ200に取り外し可能に連結されたマルチユースコネクタアセンブリ100を含む。本明細書に詳しく説明するように、使い捨てコネクタアセンブリ200は複数の使い捨てコネクタ要素201、202を含み、これらはたとえば、連続して直列に一体に接続されて、連鎖、流体経路、または流体チャネルを形成する。使い捨てコネクタ要素201、202は各々(以下、「使い捨てコネクタ201、202」という)は概して、医療応用に適した材料、たとえば医療用プラスチックから作製された中空の管状構造である。同様に、マルチユースコネクタアセンブリ100は、マルチユースコネクタ要素101(以下、「マルチユースコネクタ101}という)を含み、これは概して、医療応用に適した材料、たとえば医療用プラスチックから作製された中空の管状構造である。マルチユースコネクタ101および/または使い捨てコネクタ201、202は、コネクタアセンブリ10の要素間に流体接続が確立されたこと視覚的に確認しやすくし、コネクタアセンブリ10の中の空気の存在を視覚的に検出するために、透明な医療用プラスチックで作製されることが好ましいこともある。これに加えて、1つまたは複数の流体経路要素300、たとえば、ある例示的実施形態では医療用チューブ302が、使い捨てコネクタアセンブリ200に設けられ(たとえば、その一部とされ)、またはこれに接続されてもよく、それによってマルチユースコネクタ101と下流の流体経路要素300が使い捨てコネクタアセンブリ200を介して流体連通可能となる。流体経路要素300はあるいは、カテーテルまたはその他同様の流体経路要素であってもよい。
【0036】
特に
図1を参照すると、マルチユースコネクタアセンブリ100は、その包装材(図示せず)から取り出された後の状態で示されている。マルチユースコネクタアセンブリ100は、好ましくは、マルチユースコネクタアセンブリ100を空中浮遊または表面媒介汚染物質による汚染から保護する、事前滅菌された密封パッケージ中に包装される。マルチユースコネクタアセンブリ100は概して、マルチユースコネクタ101と、取り外し可能なダストキャップ110と、を含み、これは本明細書で説明するように、マルチユースコネクタアセンブリ100を、それが包装材から取り出されてから使い捨てコネクタアセンブリ200に接続されるまで、故意によらない汚染から保護する。キャップ110は気密状態でも換気可能であってもよい。これに加えて、キャップ110は、その外部側壁上に複数の長手方向のリブ(図示せず)を有していてもよく、これは使用者がキャップ110をマルチユースコネクタ101から外す際の好都合な把持面となる。
【0037】
マルチユースコネクタアセンブリ100はたとえば、使い捨てコネクタアセンブリ200を介して下流の流体経路要素300に流体を加圧して送達するために使用されるシリンジ、流体ポンプ装置、およびその他の流体送達装置に取り外し可能で取り付けられても、あるいはその一部であってもよい。これに加えて、マルチユースコネクタアセンブリ100はたとえば、たとえば患者の体内のカテーテルまたはポートを含む、複数の流体投与を連続して受けるために使用される医療用チューブセット、カテーテルまたはその他の流体経路または導液要素に取り外し可能に取り付けられるか、またはその一部であってもよい。マルチユースコネクタ101は、マルチユースコネクタ101の長手方向の長さに沿った遠位側または端101bと反対の近位側または端101aを有する。マルチユースコネクタ101の近位側101aはしばしば、たとえば造影剤容器や薬剤容器等の流体源(
図1には示さず)に接続されるか、または、前述のように、流体を加圧して送達するために使用されるシリンジまたは流体ポンプ装置等の流体送達装置に取り外し可能に接続されても、またはその一部であってもよい。マルチユースコネクタ101の遠位端101bは、取り外し可能なキャップ110によって取り囲まれ、これはマルチユースコネクタ101の遠位端101bを、それが包装材から取り出された後の意図によらない汚染から防止する。マルチユースコネクタ101の遠位端101bは概して、使い捨てコネクタ201、202のうちの1つ、すなわち、使い捨てコネクタアセンブリ200の中のコネクタ201、202の連鎖のうちの最も近位側または上流の使い捨てコネクタ201と固定され、気密接続されるようになされている。
図1の破線矢印99(1)は、流体送達処置での使用中にマルチユースコネクタ101を通る流体の流れの方向を示す。マルチユースコネクタ101は、任意選択で、内部流量制御要素111を含んでいてもよく、これはたとえばスリットダイアフラムまたは一方向または双方向逆止弁で、内部流量制御要素111を通じた十分な圧力差に到達するまで、流体の流れを阻止する。このようにして、流量制御要素111は、関連する流体源容器、流体送達装置(たとえば、ポンプまたはシリンジ)、または流体経路セットからの流体がマルチユースコネクタ101から滴下することを防止する。
【0038】
あるいは、低圧条件下での流れ、たとえば重量式の流れと、切り離されたときの流れに対する抵抗が望まれる場合、内部流量制御要素111はニードルレスコネクタで使用されているものと同様に機能する還流バルブであってもよく、それによって使い捨てコネクタアセンブリ200を挿入すると内部流量制御要素111が開き、流体が最小の圧力差で流れることができる。このような結果を実現するための一般的な方法は、Lynn Hadaway,MEd,RNC,CRNI(登録商標)とDeb Richardson,MS,RN,CNSによるNeedleless Connectors: A Primer on Terminology,Journal of Infusion Nursing;VOL 33|NUM 1|January/February 2010に記載されており、これを参照によって本願に援用する。
【0039】
図2を参照すると、使い捨てコネクタアセンブリ200が、その包装材(図示せず)から取り出された後の最初の状態で示されている。
図1に示されるマルチユースコネクタアセンブリと同様に、使い捨てコネクタアセンブリ200は、好ましくは、事前滅菌された密封パッケージの中に包装され、これが使い捨てのコネクタアセンブリ200を空中浮遊または表面媒介汚染物質から保護する。キャップ110と同様の取り外し可能なダストキャップ210は、使い捨てコネクタアセンブリ200を、それが包装材から取り出されてからマルチユースコネクタアセンブリ100に接続されるまでに汚染物質から保護する。キャップ210は、気密状態であっても換気されていてもよく、前述のキャップ110と同様の把持用特徴物を含んでいてもよい。キャップ110、210は好ましくは、滅菌性維持キャップまたはカバーとして提供されるが、表面との偶発的な接触および/または空中浮遊汚染物質との接触の可能性を低下させ、または防止することによって滅菌性を維持するのを助けるどのような装置または特徴物であってもよく、適当な実施形態はダストキャップ、蓋、カバー、シール材、膜、滅菌性維持用カバーまたは滅菌性維持用カバーを含む。
【0040】
使い捨てコネクタアセンブリ200は概して、前述のように、連続的に直列に一体に接続されて連鎖、流体経路または流体チャネルを形成する複数の使い捨てコネクタ201、202を含む。使い捨てコネクタ201、202の各々は概して、前述のように、医療応用に適した材料、たとえば医療用プラスチックで作製された中空の管状構造である。
図2の破線矢印99(2)は、流体送達処置での使用中に使い捨てコネクタアセンブリ200を通る流体の流れの方向を示す。
【0041】
第一の、または近位側の使い捨てコネクタ201は、近位側または端201aと遠位側または端201bを有する。同様に、第二の、または遠位側の使い捨てコネクタ202は、近位側または端202aと遠位側または端202bを有する。使い捨てコネクタ201、202の連鎖の中の第一の使い捨てコネクタ201の近位端201aは、マルチユースコネクタ101に接続されるまで、取り外し可能なキャップ210によって保護される。第一の使い捨てコネクタ201の遠位端201bは、連続する使い捨てコネクタ202の近位端202aに接続される。続いて、連続する使い捨てコネクタ202の遠位端202bは流体経路要素300に接続されてもよく、これはたとえば医療用チューブ302または、任意選択で、カテーテル流体経路セットまたはその他の流体誘導要素、シリンジ、流体ポンプ装置、流体容器等であってもよい。使い捨てコネクタ201、202の各々は、好ましくは、内部流量制御要素211、212を含み、これはたとえば、柔軟または弾性スリットダイアフラム、一方向逆止弁、還流バルブまたはその他同等の構造であり、これは、第一の使い捨てコネクタ201の遠位端201bが連続する使い捨てコネクタ202の近位端202aから分離されたときに、低圧下で流体がいずれかの方向に流れるのを防止する。下流の流体経路要素300はまた、使い捨てコネクタ201、202の各々における流量制御要素211、212と同様または同一の構造と機能を有する同様の流量制御要素311を含んでいてもよい。流体経路要素300の流量制御要素311は重力または低圧条件下での流体の運動を防止し、それによって、本明細書に記載されているように、第二の使い捨てコネクタ202が最終的にマルチユースコネクタ101から切り離されたときに、流体経路要素300からの流体の滴下がほとんど、またはまったくなくなる。
【0042】
あるいは、たとえば重力式の流れ等の低圧条件下での流れと、切り離されたときの流れに対する抵抗が望まれる場合、内部流量制御要素211、212および/または311は、ニードルレスコネクタで使用されているものと同様に機能する還流バルブであってもよく、それによって上流または下流の要素を挿入すると内部流量制御要素が開き、流体が最小の圧力差で流れることができる。内部流量制御要素は、上流または下流の流体経路要素によって開位置に保持され、そのように保持する流体経路要素が分離されると閉位置に移動するように設計し、組み立てることができる。
【0043】
流体経路要素300は、必要に応じて、第二の使い捨てコネクタ202の遠位端202bに接続された、取り外し可能なキャップ210と同様の適当な取り外し可能なキャップに置き換えてもよく、たとえばそれによって、代替的または事前組立されていない流体経路要素を利用することが可能となる。
図2はさらにシース251を示しており、これは、使い捨てコネクタアセンブリ200のオプション要素として、第一の、または近位側シース要素251aと第二の、または遠位側シース要素251bを含む。シース251は一般に、破壊可能であり、コネクタアセンブリ10の外部の周囲に延び、好ましくはマルチユースコネクタ101から、使い捨てコネクタアセンブリ200に沿って続くように延びる。シース251は、後述のように、偶発的または意図的な誤用を防止するのに役立つ。マルチユースコネクタアセンブリ100を、任意選択で流体経路要素300が接続された使い捨てコネクタアセンブリ200と接続すると、コネクタアセンブリまたは装置10の全体が形成される。
【0044】
マルチユースコネクタ101と第一の使い捨てコネクタ201の間の接続の具体的な機械的詳細は
図1〜6には詳しく示されていないが、これは、この接続を数多くの方法で実現できるからである。たとえば、マルチユースコネクタ101は、ねじ切りのある雄型ルア接続手段を有していてもよく、第一の使い捨てコネクタ201は、これと嵌合するねじ切りのある雌型ルア接続手段を有していてもよく、またその逆もある。雄型または雌型ルア接続手段は、マルチユースコネクタ101の遠位または近位端のいずれかと、使い捨てコネクタ201、202の中に設けられてもよい。この具体的で非限定的な嵌合式ルア接続手段は
図7〜12に示されており、これについては後で詳しく説明する。
【0045】
マルチユースコネクタ101と第一の使い捨てコネクタ201の間および、使い捨てコネクタ201、202間の接続内の液密接続を作るための他の代替案はバヨネット接続手段であり、この場合、マルチユースコネクタ101と第一の使い捨てコネクタ201のうちの一方の雄型端が1つまたは複数のピンを有し、これがマルチユースコネクタ101または第一の使い捨てコネクタ201の他方の雌型端に設けられた、これと適合するスロットと係合する。同様の接続構成は、第一と第二の使い捨てコネクタ201、202間に設置されてもよい。あるいは、コネクタアセンブリ10は、軸方向の「プッシュキャッチ」型の接続手段を含んでいてもよく、この場合、マルチユースコネクタ101と第一の使い捨てコネクタ201の一方の雄型端がマルチユースコネクタ101と第一の使い捨てコネクタ201の他方の雌型端の中に挿入される。再び、同様の接続構成が第一と第二の使い捨てコネクタ201、202間に設置されてもよい。コネクタアセンブリ10の各種の接続用構成部品間の機械的接続の他の考えうる実施形態は、面摺動アタッチメント、タケノコ継手、コレット継手、フレアレス管継手、クランプ継手、接着または破壊可能アタッチメントを含む。当業者であれば、アセンブリ10の嵌合構成部品間の液密接続を行うための、ここに挙げた接続手段の代替案がすべてでなく、その他の同等の機械的接続構成を提供してもよいことがわかるであろう。これに加えて、上記の機械的接続の各種の組み合わせと置換も、本発明にしたがって利用してもよい。したがって、添付の図面に描かれた実施形態では、使い捨てコネクタアセンブリ200のうちの第一の使い捨てコネクタ201は、マルチユースコネクタアセンブリ100のマルチユースコネクタ101の中に、または周囲に、気密接続が確立されるまで挿入される。次に、流体経路要素300は第二の使い捨てコネクタ202の遠位端202bに接続されてもよく、または流体経路要素300は第二の使い捨てコネクタ202の一部として、たとえばそれと一体で提供されてもよい。
【0046】
コネクタアセンブリ10の嵌合要素間の接続はまた、嵌合要素間の接合部にシール材(図示せず)を含んでいてもよい。たとえば、シール材は、マルチユースコネクタ101および/または使い捨てコネクタ201、202の近位端、遠位端または両方に設けられていてもよい。シール材は、嵌合要素間の液密接続を形成し、流体源容器、流体送達装置、医療用チューブ等からの流体がコネクタアセンブリ10の嵌合要素間の接合部から滴下するのを防止する。1つの例示的実施形態において、シール材は、コネクタアセンブリ10の第一の嵌合要素のテーパ面とこれに対向する第二の嵌合要素のテーパ面の間に形成されるテーパシール材であってもよく、これは従来のルアコネクタでの場合と同様である。あるいは、シール材は嵌合要素の嵌合面に設けられた端面シールまたはOリングの形態であってもよい。さらに、シール材は、嵌合要素を加熱するか、その他の方法でこれらを結合して、液密接続を作ることによって形成されてもよい。さらに、シール材は、マルチショット成形、オーバモールドによって、または2つのコネクタの機能を、分離させると「破断される」1つの物理的部品に組み込むことによって実現されてもよい。
【0047】
使い捨てコネクタアセンブリ200において、シース251は概して、マルチユースコネクタ101と使い捨てコネクタ201、202の間の着脱工程の信頼性を向上させ、および/または人的要素の信頼性を改善するために提供される。1つの実施形態において、
図1〜3に示されるように、シース251は前述のように、破壊可能性を持つために分離によって第一のシース要素251aと第二のシース要素251bに分かれる。シース251はまた、第一のシース要素251aの近位端に把持部材251zを含んでいてもよく、これはマルチユースコネクタ101の外部を把持するようになされている。前述のように、マルチユースコネクタ101は、シリンジまたは流体ポンプ装置のような流体送達装置であってもよく、または、止水弁のバルブポート等の他の流体誘導構成部品とすることもできる。使用時には、第一の使い捨てコネクタ201がマルチユースコネクタ101に取り付けられると、第一のシース要素251aの把持部材251zが回転不能かつ取り外し可能にマルチユースコネクタ101に取り付けられる。一例として、把持部材251zはラチェットまたは傾斜要素とすることができ、これがマルチユースコネクタ101の外面上の、それと対向する傾斜部の表面に沿ってスライドすることによって、使い捨てコネクタ201、202を取り付けるために回転させることはできるが、第一の使い捨てコネクタ201をマルチユースコネクタ101から外すために回転させることができなくなる。あるいは、把持部材251zは金属製の斜めの歯または棘状部とすることができ、これは一方向には自由に回転してマルチユースコネクタ101の壁に食い込み、反対方向への回転を防止するか、マルチユースコネクタ101への近位方向の運動は可能にするが、遠位方向への運動を防止するような位置と角度とされる。このようにして、第二の使い捨てコネクタ202を第一の使い捨てコネクタ201との接続から外すことが望ましい場合、使用者は第二のシース要素251bを把持して捻る。このように捻る動作によって、のこぎり歯状の縁または肉厚要素または部分(図示せず)が破け、それによって第二のシース要素251bが第一のシース要素251aから分離し、さらに、第一の使い捨てコネクタ201が隣接する使い捨てコネクタ202から分離し、第一の使い捨てコネクタ201はマルチユースコネクタ101と流体接続状態のまま残る。マルチユースコネクタ101に接続されたまま残っている使い捨てコネクタ201は、今度はマルチユースコネクタ101のための取り外し可能な「キャップ」の機能を果たす。取り外された使い捨てコネクタ202と、接続されているいずれかの流体経路要素300は、医療廃棄物として安全に処分できる。「新しい」使い捨てコネクタアセンブリ200をマルチユースコネクタ101に接続したいときは、残っている使い捨てコネクタ201をマルチユースコネクタ101から取り外すだけでよい。この例において、第一のシース要素251aは、オペレータが残っている使い捨てコネクタ201だけを把持て捻り、これをマルチユースコネクタ101から外すことができるように十分に短くてもよい。すると、第一のシース要素251aは、「キャップ」として残っている使い捨てコネクタ201が取り外されるときに、マルチユースコネクタ101から軸方向に引き外すことができる。任意選択で、概してシース251は、また特にシース要素251bは、マルチユースコネクタ101または使い捨てコネクタ201、202の構造と協働して、次の患者に使用するために第二の使い捨てコネクタ202を第一の使い捨てコネクタ201に簡単かつ確実に接続し直すことが困難または不可となるように構成されてもよい。
【0048】
あるいは、使い捨てコネクタ202を取り外している間にシース251が2つの部分に分かれるようにするのではなく、シース251が分割される、伸びる、またはその他の動作によって、使い捨てコネクタ202を取り外せるようにしてもよい。シース251のこのような動作は、使い捨てコネクタ201がマルチユースコネクタ101から取り外されずに、使い捨てコネクタ202が使い捨てコネクタ201から優先的に取り外されるようにするのに役立つ。シース251の動作はまた、ある種類のコネクタが、偶発的に意図的にも、使い捨てコネクタ201の遠位端201bに取り付けられる可能性を減らすのにも役立つ。使い捨てコネクタ201が使い捨てコネクタ202より先に取り外される可能性を低減させることと、使い捨てコネクタ201の遠位端201bへのコネクタの再取付を防止するのに役立てるという目標は、コネクタアセンブリまたは装置10全体の外部の特徴物を設計することによっても実現できる。たとえば、使い捨てコネクタ200をマルチユースコネクタ101に取り付けると、流体注入器またはその筐体の特徴物が使い捨てコネクタ201を把持することができ、それによって、使用者が何らかの動作を加え、任意選択で使い捨てコネクタ202を取り外すまでこれを取り外すことができない。医療分野の当業者に知られているそれ以外の機械的または電気機械的手法を使って、このような嵌合またはミス軽減機能を実現してもよい。
【0049】
まとめると、特に
図3を参照すると、全体としてのコネクタアセンブリまたは装置10が示されている。コネクタアセンブリ10の例示的使用において、使い捨てコネクタアセンブリ200はマルチユースコネクタアセンブリ10に接続される。このような接続は、本明細書に記載されるように、キャップ110を滅菌ガスの流れの中でマルチユースコネクタ101から取り外し、キャップ210を第一の使い捨てコネクタ201から取り外し、その後、マルチユースコネクタ101を第一の使い捨てコネクタ201に嵌合させることによって確立される。上記のコネクタ要素間の確実な液密接続が作られると、流体源または流体送達装置からの流体は、使い捨てコネクタアセンブリ200を介して流体経路要素301に、および必要に応じて直ちに、または最終的に患者に送達されてもよい。1つの特定の用途において、プログラム可能な電動流体注入器または輸液ポンプを使って、関連する流体送達器材(たとえば、シリンジまたはポンプカセット)から所定の量の流体を送達してもよい。このような流体送達装置は、複数の流量制御要素111、211、212および/または311が流体のリゅぅ路内に設置されている場合、これらの低圧制限部を通ってリ流体を駆動するのに十分な圧力を発生させることができる。あるいは流量制御要素111、211、212および/または311のいくつかまたは全部は、なくてもよく、またはそれぞれのコネクタ要素が接続されたときに開くように付勢されてもよく、それによって非常に低圧での流れが可能になり、また、下流の圧力、たとえば患者の血圧を測定できる。流体送達処置が終了した後および/または第二の使い捨てコネクタ202を第一の使い捨てコネクタ201との接続から取り外したいときに、使用者は第二のシース要素251bを把持して捻る。このように捻る動作によって、のこぎり歯状の縁(図示せず)が破けて、第二のシース要素251bが第一のシース要素251から分離し、さらに、第一の使い捨てコネクタ201が隣接する使い捨てコネクタ202から分離し、第一の使い捨てコネクタ201は
図4に示されるように、マルチユースコネクタ101と流体接続されたまま残る。マルチユースコネクタ101に接続されたまま残っている使い捨てコネクタ201は、今度はマルチユースコネクタ101のための取りずし可能な滅菌「キャップ」の機能を果たす。
【0050】
ここで、マルチユースコネクタ101を、2つまたは複数の使い捨てコネクタ201、202を有する使い捨てコネクタアセンブリ200に取り付けている間に、その滅菌性を維持するためのその他の技術を、
図5〜6をさらに参照しながら説明する。前述のように、組立後の各コネクタアセンブリ10は、マルチユースコネクタ101と複数の使い捨てコネクタ201、202を含み、これらは相互に確実に流体接続されている。第一の使い捨てコネクタ201はマルチユースコネクタ101に連結されており、その一方で、第二の使い捨てコネクタ202は前述のように、先行する使い捨てコネクタ201に連付けされている。第一の使い捨てコネクタ201と第二の使い捨てコネクタ202の間の最初の接続は、好ましくは、使い捨てコネクタアセンブリ200の製造および包装中に行われる。したがって、生産環境を厳しくモニタし、制御して、「事前連結された」滅菌接続が第一の使い捨てコネクタ201と第二使い捨てコネクタ202の間にあることを確実にすることが可能である。
【0051】
マルチユースコネクタアセンブリ100と使い捨てコネクタアセンブリ200がその包装材から取り出されると、これらの構成部品は一体に接合されて、コネクタアセンブリ10が形成される。第一の使い捨てコネクタ201をマルチユースコネクタ101に接続するための接続ステップにおいては、高い滅菌環境中でマルチユースコネクタ101を使い捨てのコネクタ201に接合することが望ましいこともある。
図5は、第一の使い捨てコネクタ201とマルチユースコネクタ101の間の接続ステップを滅菌ガス450のストリームとともに示している。マルチユースコネクタ101と使い捨てコネクタ201の間を接続する際に滅菌ガス450を使用することは、保護キャップ110、210が取り外されたときからこれらの要素間の接続が完了するまでに、第一の使い捨てコネクタ201とマルチユースコネクタ101の嵌合面に空中浮遊粒子が堆積する可能性を低減させることによる、滅菌保護のための別の対策を提供する。
図5において、滅菌ガス450のストリームは、ファンと、好ましいフィルタリング能力を有するHEPAフィルタによって起こされてもよく、エアプレナム410を通じて、マルチユースコネクタ101の周囲で、コネクタアセンブリ10の長手方向の長さに沿って流体の流れ軸99(3)に対して略平行な方向に流れるように案内される。このようにして、マルチユースコネクタ101は、第一の使い捨てコネクタ201の接続する工程中にキャップ110、210を取り外すときも、滅菌ガスのストリーム中に置かれる。滅菌ガス450のストリームは、連続的に動作していてもよく、または接続工程中は選択的にオンにし、その後、接続が行われた後は選択的にオフにすることによってエネルギーとフィルタの寿命を節約してもよい。エアプレナム410は、たとえばマルチユースコネクタ101が取り付けられるシリンジを受ける電動流体注入器(図示せず)の筐体の一部であってもよい。電動流体注入器に関連するコントローラは、上述の方法でエアプレナム410を動作させてもよい。
【0052】
図6を参照すると、代替的実施形態が示されており、この中では、滅菌ガス450のストリームが、流体の流れ軸99(3)に沿った一般的な流体の流れ方向と通常の接続方向に対して略垂直である。この代替的実施形態は、使用者にとって、キャップ210を滅菌ガス内で第一の使い捨てコネクタ201から取り外すことによって接続部の滅菌性を確認し、キャップ210を処分し、次に、ガスの下流に向かうストリームの中でマルチユースコネクタ101との接続を行うことが容易となりうる点で有利である。滅菌ガス450のストリームはまた、エアプレナム410の一部として電動流体注入器(図示せず)の筐体の一部を使用しても、または別のフードまたはエアエアプレナム構造として取り入れてもよい。
【0053】
図7〜9を参照すると、コネクタアセンブリ10を組み立て、分解する一般的な動作シーケンスが示されている。
図7〜9において、取り外し可能なキャップ110が取り付けられているマルチユースコネクタ101は、電動流体注入器(図示せず)のためのシリンジ400等の流体送達器材に接続された状態で示されている。使い捨てコネクタアセンブリ200は、上述のように、キャップ210により覆われた第一の使い捨てコネクタ201と、接続された第二の使い捨てコネクタ202と、さらに、第二の使い捨てコネクタ202に接続された流体経路要素300と、を含む。一例として、流体経路要素300は、カテーテルに接続するようになされた低圧コネクタチューブ302であってもよい。
図8は、取り外し可能なキャップ110がマルチユースコネクタ101から取り外され、取り外し可能なキャップ210が第一の使い捨てコネクタ201から取り外され、第一の使い捨てコネクタ201がマルチユースコネクタ101に接続され、これによってリシリンジ400と流体経路要素300の間の流体連通が可能となった状態を示している。次に、
図9を参照すると、第二の使い捨てコネクタ202は、第一の使い捨てコネクタ201から切り離され、第一の使い捨てコネクタ201が滅菌目的のためにマルチユースコネクタ101に接続された状態のままであることを示している。第二の使い捨てコネクタ202とこれに取り付けられている流体経路要素301は、医療廃棄物として処分できる。
【0054】
次に
図10〜12を参照すると、ある実施形態は、特に充填シリンジ用となされているように示されている。
図10〜12において、スパイク500が医療用チューブ520によってマルチユースコネクタ101に接続されている。スパイク500は、薬剤バルクパック(図示せず)および、造影剤やその他の薬剤をそこから吸引して複数の患者のための複数のシリンジに充填できるような、これと同様の容器に接続するために使用される。使い捨てコネクタ201、202を含む使い捨てコネクタアセンブリ200を使って、マルチユースコネクタ101と流体経路要素301、この場合はシリンジ400のシリンジネック接続部301の間の流体連通を確立してもよい。この実施形態での接続動作は前述したものとまったく同じであり、第一の使い捨てコネクタ201は取れずに残ってマルチユースコネクタ要素101の滅菌性を保護する。第二の使い捨てコネクタ202が第一の使い捨てコネクタ201から分離されると、第二の使い捨てコネクタ202とシリンジ400は接続された状態のままであり、シリンジ400のシリンジネック接続部401の滅菌性が維持され、これがその後、流体注入器の中にセットされてもよい。シリンジ400が流体注入器に装填されると、シリンジネック401のキャップとして機能している使い捨てコネクタ202が取り外され、シリンジネック401を、シリンジ400内の流体を1人の患者に輸送するためのチューブ(図示せず)に直接接続することができ、またはシリンジネック接続部401は、
図1と3のマルチユースコネクタ101に「なる」と考えてもよく、本願の方法と器材に使用して、流体を複数の患者に送達してもよい。上述の方法による滅菌ガス流の使用をこのシリンジ充填方法の中で利用して、上記の接続を行う際の滅菌性をさらに向上させてもよい。
【0055】
流体送達処置中のコネクタアセンブリ10の一般的な用途において、マルチユースコネクタ101、使い捨てコネクタアセンブリ200、および流体経路要素300を使った流体送達処置が終了すると、マルチユースコネクタ101から最も離れている「下流の」使い捨てコネクタ202の近位端202aが第一の使い捨てコネクタ201の遠位端201bから取り外される。このように取り外すと、「使用済みの」流体経路要素300もまた、「下流の」使い捨てコネクタ202と共に取り外される。「使用済み」の最も遠位の使い捨てコネクタ202と流体経路要素300が隣接する、すなわち上流の使い捨てコネクタ201から取り外されると、接続アセンブリ10は、必要に応じて、その後の再使用が可能な状態となる。第一の使い捨てコネクタ201は、
図4に示されるように、マルチユースコネクタ101に取り付けられたまま残る。残っているこの使い捨てコネクタ201は、今度は、前述のように、マルチユースコネクタ101の滅菌性を維持するというダストキャップ110と同様の機能を果たす。次に、マルチユースコネクタ101と第二の接続を行うために、
図2に示されているような「新しい」使い捨てコネクタアセンブリ200がその包装材から取り出される。キャップ210が「新しい」使い捨てコネクタ201から取り外され、「使用済みの」使い捨てコネクタ201がマルチユースコネクタ101から取り外される。マルチユースコネクタ101と「新しい」使い捨てコネクタ201は前のように嵌合してもよく、これによって、同じまたは別の患者に流体を送達するための新しい接続が形成される。この手順は、流体供給部が空になるか、マルチユースコネクタ101の上流の流体経路を、たとえば事前に設定された許容使用数、処置数、時間数または患者数に到達した等、いずれかの理由によって交換する必要が生じるまで繰り返されてもよい。
【0056】
次に、
図13〜15を参照すると、
図13は、マルチユースコネクタアセンブリ100に他の特徴物が追加された実施形態を示しており、これは好ましくは、円筒形の同軸的なガード102の形態であり、これによって、マルチユースコネクタ101をガード102の中に押し込むことにより、滅菌されたマルチユースコネクタ101との故意によらない接触がより起こりにくくなる。
図14は、これに対応する使い捨てのコネクタアセンブリ200の改良版を示しており、この中で、第一の使い捨てコネクタ201は、円筒形の、同軸的なガード102の内部にフィットし、マルチユースコネクタ101と密閉状態の流体経路を形成する大きさとされている。ダストカバー110と210がそのそれぞれのコネクタから取り外されると、使い捨てコネクタアセンブリ200はマルチユースコネクタアセンブリ100に向かって移動されるため、ガード102が、使い捨てコネクタアセンブリ200の無菌でない可能性のある部分、たとえばシース251がマルチユースコネクタアセンブリ100の滅菌部分、すなわちマルチユースコネクタ101と接触するのを防止する。
図15は、組立後の流体経路を示しており、マルチユースコネクタ101が第一の使い捨てコネクタ201と密封可能に嵌合しており、それゆえ、流体を流体経路要素の残りの部分に移動させることができる。この実施形態と以下に説明するその他の実施形態は、任意選択で、それぞれのコネクタアセンブリ100、200に接着剤またはヒートシールで取り付け、使用者が容易に剥がすことのできる素材の単純な平らなシートとして提供されるダストキャップ110、210を有していてもよい。
【0057】
次に
図16を参照すると、コネクタアセンブリ10の他の実施形態が示されており、これは概して、前述のように、マルチユースコネクタアセンブリ100と、使い捨てコネクタアセンブリ200と、を含むが、今度は、コネクタアセンブリ10は複数のポートを有する構成を示している。この実施形態では、前述の実施形態のように、使い捨てコネクタアセンブリ200は、前述のように、複数の使い捨てコネクタ201、202を含むが、今度は、
図16に示される使い捨てコネクタアセンブリ200はマルチユースコネクタアセンブリ100のポートから分岐するように設けられている。ここに示されるマルチユースコネクタアセンブリ100はさらに、追加の滅菌マルチユースコネクタ101'をさらに含み、そこにキャップ110'が取り付けられている。キャップ110'を取り外すと、他の使い捨てコネクタアセンブリ200(図示せず)をマルチユースコネクタアセンブリ100のマルチユースコネクタ101'に連結でき、その結果、マルチポートコネクタアセンブリ10となる。マルチユースコネクタアセンブリ100と
図16に示される分岐型使い捨てコネクタアセンブリ200を接続すると、必要に応じて、流体が分岐型使い捨てコネクタ201、202を通って流れることができる。分岐型使い捨てコネクタ202が取り外されると、使い捨てコネクタ201の滴下防止または還流防止流量制御要素211が、前述したものと同じ方法で、正常動作圧力で流れる流体の流れから流体経路を密封する。第二の流体接続の確立は、ダストキャップ110'を取り外すことによってアクセスされるマルチユースコネクタ101'に追加された他の使い捨てコネクタアセンブリ200(図示せず)を通じて可能となる。この実施形態に示されるように、コネクタアセンブリ10を通る流体経路は、線形または同軸的でなくてもよく、当業者がそれぞれの状況において有利と考えるどのような形状とすることもできる。同様に、コネクタの着脱も各種の形状を利用できる。
【0058】
以下の説明では、本明細書でこれまでに説明した、または実施形態間で共通の要素と特徴物を利用した、コネクタアセンブリ10の各種の実施形態について述べる。それゆえ、簡潔さと明瞭さのために、以下の実施形態の説明では、本願の別の箇所ですでに説明した要素や特徴物は引用も説明もしない。以下の実施形態において、例示のために、オーバモールドされた充填部品303を有するチューブ302を含む包括的な流体経路要素300が、それぞれの図面の図中に示されている。
【0059】
図17〜21を参照すると、コネクタアセンブリ10のある実施形態が示されており、これは、血管造影用シリンジ40を使用する血管造影術等の高圧用途に適している。電動注入器と嵌合するようになされた適当な高圧シリンジ40は、Schriver et al.の米国特許出願公開第2009/0216192号明細書に記載されており、高圧シリンジ40に関する教示を参照することによってこれを本願に援用する。高圧シリンジ40は一般に、長い円筒形のシリンジ本体42を含み、これは前方、すなわち遠位端44と後方、すなわち近位端46を有する。シリンジ本体42は概して、遠位端44の注入区間48と近位端46の大径区間50を画定する。シリンジ本体42の、略円筒形の中央または動作区間52は注入区間48と大径区間50を接続する。中央、または動作区間52の外径は比較的均一である。注入区間48はテーパが付き、長い排出ネック54を形成する。注入区間48と排出ネック54は概して、シリンジ40の排出口を形成する。大径区間50は、シリンジプランジャ(図示せず)を収容する。注入区間48は、シリンジ40を電動注入器の中に方向付け、心合わせするための中空の位置合わせフランジまたはタグ56を備えて形成される。これに加えて、シリンジ本体42の近位端46は外側に延びる半径方向のリップ58を画定する。半径方向のリップ58は、電動注入器の電気接触スイッチと係合または接触して、電気スイッチを作動させ、シリンジ40が電動注入器に正しく装填されたことを示すようになされている。半径方向のリップ58は好ましくは、その外径がシリンジ本体42の中央、または動作区間52の外径を上回らず、それによってシリンジ40はシリンジ装填手順中に、電動注入器に関連する圧力ジャケット(図示せず)の中にスムーズに受けられる。
【0060】
この実施形態において、前述のキャップ110、210を取り外した後、使い捨てコネクタアセンブリ200は、シリンジ40の排出ネック54に設置された、または図のように排出ネック54の一部として一体に形成されたマルチユースコネクタ101に、たとえば右ねじ係合によって螺合され、使用可能な状態にある。シース251は使い捨てコネクタアセンブリ200を取り囲み、円周方向の切欠きまたはのこぎり歯状の接続部251nを有し、これは第一のシース要素251aを第二のシース要素251bから分離する。使い捨てコネクタ201、202間の密着状態は、弾性流量制御要素211、212において作られる。使い捨てコネクタ201、202間の密着状態を、注入圧力を受けても保持する力は、製造中またはその後に使い捨てコネクタ201、202を結合することによって、および/またはシース251をカラー60の周囲にロックすることによって、またはシース251と使い捨てコネクタ201の間にねじ山、バヨネット継手、またはその他の機械的接続手段(図示せず)を設けることによって発生させることができる。使い捨てコネクタ201は、マルチユースコネクタ101と使い捨てコネクタ201の間を右ねじ係合とすることによって、シリンジ40の動作中に軸方向の流体圧力に耐えることができる。この例では、使い捨てコネクタ201は2つのコネクタ要素201xと201yからなり、これらはタケノコ継手による接続またはその他の適当な接続構成によって一体に取り付けられる。この実施形態において、第一のシース要素251aはラチェットであり、これは、シリンジ40の排出ネック54のカラー60と係合するときに、右ねじ係合が外れるのを防止する。使用中、使用者が使い捨てコネクタアセンブリ200との螺合を外す用意ができると、シース251は円周方向の切欠き251nで分離し、使い捨てコネクタ201は滅菌性維持キャップとして取れずに残る。前述のように、軸方向に向かう力または負荷に対する制約は、任意選択で、第一のシース要素251aの一部として形成され、シリンジ40の排出ネック54のカラーと係合するタブ251xを設けることによってさらに向上させることができる。第二のシース要素251bは、使い捨てコネクタ201との螺合から外す工程の中で、またはその後に取り外して、新しい使い捨てコネクタアセンブリ200を次の使用のため取り付けられるようにすることができる。
【0061】
次に
図22〜26を参照すると、破壊可能な接続手段が使い捨てコネクタアセンブリ200の一部として設けられていてもよい。1つ前の実施形態のように、マルチユースコネクタ101は、シリンジ40の排出ネック54に設置されるか、図のように排出ネック54の一部として一体に形成される。この実施形態において、使い捨てコネクタ202は、対向する使い捨てコネクタ201に回転可能に接続される。これに加えて、使い捨てコネクタ202は肉薄区間220(たとえば、円周方向の切欠き)に沿って破断するようになされ、これによって、破断すると、使い捨てコネクタ202の部分222が対向する使い捨てコネクタ201とともに保持されると言うことができる。対向する使い捨てコネクタ201はシース部分として形成され、これはマルチユースコネクタ101と螺合する。この、および本明細書に記載する他の実施形態の説明の中で、使い捨てコネクタ202の終端は破断点であると考えることができ、使い捨てコネクタ201は複数の物理的部分からなり、その中の1つが、肉薄区間220で破断した後に取れずに残る区間である。これは、個々に特定された流体要素を個別の物理的部品から組み立てることができるか、または相補的(complimentarily)に、1つの物理的部品が、個々に特定され、または説明された流体経路要素の一部または全部としての役割を果たし、または機能してもよいという原則を説明している。あるいは、言い換えれば、各種の流体経路要素の重要な面または機能は、1つまたは複数の物理的部品またはある物理的部品の一部で実現されてもよい。
【0062】
使用時には、コネクタ201、202を含む使い捨てコネクタアセンブリ200がシリンジ40の排出ネック54でのマルチユースコネクタ101に螺合され、すると、シリンジ40が使用可能な状態となる。切り離すには、使用者は使い捨てコネクタ202のウィングWを把持して捻る。この回転運動によって肉薄部分220が破断し、部分222が使い捨てコネクタ202の本体から物理的に分離し、分離した部分222は、マルチユースコネクタ101に関連する、対向する使い捨てコネクタ201と共に残る。破壊可能要素が使用されるこの実施形態では、シリンジ40またはその他の関連器具に関連する電動注入器には応力除去ノッチ、ラッチ、またはカバーを設けて、故意によらずに切り離されるのを防止することが望ましい。
【0063】
次に、
図27〜30を参照すると、使い捨てコネクタアセンブリ200は、要素間のスライド式接続手段を示していてもよい。1つ前の実施形態と同様に、マルチユースコネクタ101は、シリンジ40の排出ネック54に設置されるか、図のように排出ネック54の一部として一体に形成される。使い捨てコネクタ202は、この例では、2つのスライド式コネクタ要素224、226からなる。第一のコネクタ要素224は従属部分228を含み、これは使い捨てコネクタ202の、それに対向するコネクタ要素226の中に画定される嵌合受容部230の中にフィットするようになされている。第二のコネクタ要素226は対向する使い捨てコネクタ201に、
図17〜21に関して前述したように、タケノコ継手による接続またはその他の適当な接続構成によって固定される。この実施形態において、使い捨てコネクタ202の受容コネクタ要素226の流量制御要素212には隆起領域232が組み込まれて、スライト式コネクタ要素224の、それと対向する流量制御要素211の嵌合面と密着する。この実施形態において、シース251はヒートシュリンクラッピングの形態であってもよく、これはシース251の取り外しに役立つのこぎり歯状の縁(図示せず)を有するタブ252を備える。シース251によって、使い捨てコネクタ202が偶発的に切り離されにくくなる。シース251が取り外されると、使い捨てコネクタ202のコネクタ要素224、226は相互から切り離すことができ、コネクタ要素224と、そこに接続された流体経路要素300のチューブ302を廃棄することができる。
【0064】
図31〜33を参照すると、
図27〜30の使い捨てコネクタアセンブリ200の改良版が示されている。この実施形態において、使い捨てコネクタ202の第二のコネクタ要素226は、2つの折れ曲り要素234、236を有し、これは、第一のコネクタ要素224の端またはヘッド部238を覆うように折れ曲り、使い捨てコネクタ202を一緒に、使い捨てコネクタ201と嵌合した位置に保持する。破壊可能なシース251は、折れ曲り要素234、236を所定の位置に保持し、接続部を固定する。破壊可能なシース251が取り外されると、折れ曲り要素234、236が分離して、使い捨てコネクタ201、202間の接続を保持できない。折れ曲り要素224、226は、相互から離れるように付勢されるように形成されていてもよい。この実施形態は、容易に、または偶発的に再接続されないという追加の利点を有する。
【0065】
図34〜35において、
図27〜30の使い捨てコネクタアセンブリ200の別の改良版が示されている。この実施形態では、使い捨てコネクタ202の第一と第二のコネクタ要素224、226は当接して係合しており、これらの接続を固定する破壊可能なシュリンクラップシース251だけで一体に保持されている。破壊可能なシース251が、プルタブ252を引くか、使い捨てコネクタ202を把持し、折って、破壊可能なシース251を破くことによって取り除かれると、第一と第二のコネクタ要素224、226は相互から分離する。
図34〜35はまた、内部流量制御要素211の代替的な実施形態も示している。流量制御要素211はどのような形態の弾性固体シリンダであってもよく、これは、第一と第二のコネクタ要素224、226間に設置された環状要素240とコネクタ要素226の中に画定された内部肩部242の間に設置された弾性固体シリンダの形態であってもよい。シリンダ流量制御要素211を通じて圧力がかかっていない場合、シリンダ流量制御要素211は、内部肩部242と密着する。シリンダ流量制御要素211(
図35に示される)の右側の圧力が左側の圧力より大きいと、シリンダ流量制御要素211は若干圧縮され、流体が流れることができる。それに当接する部品とある程度接着するシール243を設けて、第一と第二のコネクタ要素224、226間の接続強度を補強してもよい。
【0066】
図36〜37において、使い捨てコネクタアセンブリ200の他の実施形態が示されている。この実施形態では、この実施形態では破壊不能であるシース251が、たとえば、左ねじ係合(たとえば、反時計回りに動作する)を介して使い捨てコネクタ201に螺合するようになされている。シース251は、使い捨てコネクタ202を使い捨てコネクタ201に保持し、密着させるための保持力を提供する。使い捨てコネクタ201は、たとえば、右ねじ係合(たとえば、時計回りに動作する)を介して、シリンジ40の排出ネック54と螺合するようになされている。使用時には、(前述の)それぞれのダストキャップを取り外した後に、使い捨てコネクタ201がシリンジ40の排出ネック54に設置された、または排出ネック54と一体形成されたマルチユースコネクタ101に、右ねじ係合を使って螺合される。それゆえ、使い捨てコネクタ201は、使い捨てコネクタ201を時計回りに回転させることによって、シリンジ40の排出ネック54でマルチユースコネクタ101と係合状態となる。使用後には、使い捨てコネクタ202を対向する使い捨てコネクタ201から分離するために、シース251は、左ねじ係合であることから、把持されて時計回りに回転されると係合から外れる。上記の左ねじ/右ねじ係合を提供することによって、シリンジ40の排出ネック54での使い捨てコネクタ201とマルチユースコネクタ101の間の接続が取り外されるリスクを低減し、おそらくは排除できる。当業者にとっては明らかであるように、上記の左ねじ/右ねじ係合は逆転させてもよい。代替案として、上記の左ねじ/右きねじ係合の代わりに、同様の左回し/右回しバヨネット接続手段を使用してもよく、またはその他の同等の固定方法も使用できる。
図36〜37に示される実施形態は、
図35に示されるものと同様のシリンダ流量制御要素211を利用しているが、今度は環状要素240が軸方向に見て、対向する使い捨てコネクタ201、202間に設置され、使い捨てコネクタ201の中に画定される内部肩部244と接触する。
【0067】
図38〜42を参照すると、製造しやすく、コストを削減するために、使い捨てコネクタ201、202は単体のプラスチック片から製造されてもよい。この実施形態では、流量制御要素211も単体のプラスチック部品であってもよいが、今度は、水用ボトルキャップと同様の方法で、使い捨てコネクタ201の端に取り付けるようになされている。流量制御要素211は好ましくは弾性であり、マルチユースコネクタ101の内面と密着する隆起部またはリング245が組み込まれてもよく、これも前述のように、シリンジ40の排出ネック54に設置されても、または排出ネック54の一部として一体に形成されてもよい。この実施形態において、流体経路要素300の一部を形成するチューブ302は使い捨てコネクタ202に、任意選択で充填部品303と共に結合されてもよく、これも、前の図面でも示されているように、チューブ302と一緒に示されている。たとえば、二段成形またはオーバモールド成形工程を介した組立を最適化するために、使い捨てコネクタ201、202を通るルーメンは、使い捨てコネクタ201に流量制御要素211を成形するための支持となるコアピンを収容するように、直線的またはテーパ状とすることができる。
【0068】
使用時に、使い捨てコネクタ201は、バヨネットスロット246を有するように形成されてもよく、これは、シリンジ40の排出ネック54に設けられたマルチユースコネクタ101の、それと嵌合するバヨネットタブ247と係合してもよい。この係合は、使い捨てコネクタ201とシリンジ40の一方または他方を90°回転させることによって確実にすることができる。撓み要素248が使い捨てコネクタ201に設けられ、それによって、このバヨネット接続手段は、いったん係合すると元に戻せない。これで流体は、コネクタアセンブリ10を通って移動することができる。使い捨てコネクタ202を、それと対向する使い捨てコネクタ201から取り外すには、使い捨てコネクタ202のウィングWが把持されて捻られる。バヨネット接続手段がロックされているため、これらはいずれの方向にも捻ることができる。使い捨てコネクタ201が滅菌キャップとして使用された後に、新しい使い捨てコネクタアセンブリ200を取り付けるために使い捨てコネクタ201を取り外すには、使い捨てコネクタ201が把持されて捻られ、それによって使い捨てコネクタ201が脆弱部分または切り取り線S(たとえば、遠位集方向の切込み)に沿って2つの要素、すなわちキャップ要素249とリング要素250に破断される。キャップ要素または部分249を取り外すことができ、マルチユースコネクタ101が再び使用可能な状態となる。リンク要素または部分250は、所定の場所に残ってもよい。使用後、他のリング要素250が重ねられる。リング要素250の大きさと、これらが重なる流体経路要素、たとえばシリンジ40の排出ネック54等を選択することによって、リング要素250の積み重ねを利用して、シリンジ40および/またはマルチユースコネクタ101が利用される回数を、滅菌性、安全性、信頼性等の理由で、物理的に限定するために使用することができる。あるいは、タブ、切り取り線、およびその他同様の特徴物(図示せず)を設置して、使用者が、新しい使い捨てコネクタアセンブリ200を接続した後に、リング要素250を壊して取り外せるようにしてもよい。任意選択で、マルチユースコネクタ101にウェッジまたはエッジ(図示せず)等の特徴物を組み込んでもよく、これは、マルチユースコネクタ101から押しのけられる際のリング要素250を自動的に分割し、それによってリング要素250が流体経路から落ち、または後に使用者によって取り除かれる。
【0069】
上記のコネクタアセンブリ10は、既存の様々な医療用システムに応用してもよい。たとえば、米国特許第5,806,519号明細書、同第5,840,026号明細書、同第5,739,508号明細書、同第5,569,181号明細書、同第5,843,037号明細書に示される各種の流体要素を上述の特徴物のいずれとも使用でき、これらの全特許を参照によって本願にすべて援用する。前述の接続ステップの中で、コネクタのキャップを取り外し、および/または第一の使い捨てコネクタ201をマルチユースコネクタ101に接続する動作中に、滅菌エアフローが望ましいこともある。しかしながら、本願によれば、滅菌エアは第一と第二の使い捨てコネクタ201がそのそれぞれの流体経路セグメントのための滅菌性維持「キャップ」の役割を果たすため、上記の実施形態のいずれにおいても、第一の使い捨てコネクタ201を切り離している間には流す必要がなく、滅菌エアの使用は滅菌性をさらに高めるために提供されると理解するべきである。
【0070】
上記の説明の多くは、流体送達システムの流体供給側に焦点を当てたものである。しかしながら、上記の各種の実施形態は患者側にも応用され、そこでは、流体の送達または抜き取りのための複数の流体ラインが必要となることが多く、その治療期間中ずっと、連続的に患者アクセス器材に連結しなければならない。前述の実施形態は、流体送達の患者側に応用して、患者アクセス器材へのこれらの複数の接続手段を通じた滅菌性を改善してもよい。これに加えて、一例として、内部流量制御要素211、212は、患者アクセス器材から血液が故意によらずに漏出する可能性を低減させることによって、また別の利点を提供する。実際の用途において、内部流量制御要素211と212は、好ましくは、相互に緊密に当接し、それらの間に血液や体液が捕捉されず、後に2つの使い捨てコネクタ201、202が分離されたときにこれらを排出しなくてもよい。
【0071】
上述の例示的実施形態はすべて、概してマルチユースコネクタ101への、またはそこからの流体経路または流体経路要素を形成する複数の使い捨てコネクタ201、202に関するもので、使い捨てコネクタ201、202の1つまたは複数を、任意選択で追加の流体経路要素と共に取り外した場合に、少なくとも1つの使い捨てコネクタ201、202がマルチユースコネクタ101に保護手段として残る。
【0072】
最後に、
図43を参照すると、マルチユースコネクタアセンブリ100と使い捨てコネクタアセンブリ200の間の接続が、使い捨てコネクタ201をスロット1000にスライドして入れ、それをマルチユースコネクタ101に対して所定の位置に保持する実施形態が示されている。スロット1000はマルチユースコネクタ101の一部であってもよく、またはマルチユースコネクタ101は、流体ポンプ装置のような装置に取り付けられても、またはそれと一体であってもよい。使い捨てコネクタ201が適正に位置付けられると、流量制御要素111は、それと対向する流量制御要素211または対向する使い捨てコネクタ201と嵌合して、使用中の漏出を防止するシール材を形成する。前述の実施形態のように、使用後に、使い捨てコネクタ202は、たとえば捻る、または折ることによって取り外してもよく、対向する使い捨てコネクタ201は所定の位置に残り、マルチユースコネクタ101の滅菌性を維持する。任意選択で、使い捨てコネクタ201および/またはスロット1000は、ラチェット、傾斜部、またはその他の機械的または電気的手段を有して、一方向にしかスライドできないようにしてもよい。また任意選択で、接続は、使い捨てコネクタ201を取り外すには、新しい使い捨てコネクタアセンブリ200を使うことによって、使い捨てコネクタ201をスロット200から外す以外に方法がないように構成されてもよい。この実施形態は、ダストキャップ110、または、第一の使い捨てコネクタアセンブリ200または後続の使い捨てコネクタアセンブリ200の中の後続の使い捨てコネクタ201を取り付けることによって取り外すことのできる、上述のようにダストキャップの役割を果たす「使用済み」コネクタ201を取り外すときでも、流量制御要素111が開いて、偶発的に接近される可能性がありえないという利点を有する。他の変形形態では、複数の滅菌使い捨てコネクタ201がケース内に事前包装されてもよく、これがスロット1000と嵌合し、新しい流体経路を容易に装着できる。またこの実施形態が患者に挿入されたカテーテルと使用される場合、流体経路要素300は(マルチユースコネクタ101への流体経路と共に)、スライド要素に対して、この図に示されるような垂直ではなく、平行とすることができる。このような薄型の構成は、任意選択で湾曲またはバレル型であり、患者の腕にテープで留めるのがはるかに容易となる可能性があり、薄型のコネクタによって、非無菌表面と故意によらずに接触する可能性が低減する。さらに、カテーテルと使用した場合、患者が流体経路要素300に接続されていないときに、マルチユースコネクタ101にセットできる滅菌済みキャップ110が利用できることが望ましい。
【0073】
滅菌性を維持する医療用コネクタアセンブリと医療用コネクタアセンブリの再使用可能部分の滅菌性を維持するための方法のいくつかの実施形態を添付の図面に示し、上述したが、当業者であれば、本発明の範囲と主題から逸脱することなく、これらの実施形態に改変や変更を加えることができる。したがって、上記の説明は限定的ではなく、例示のためである。本発明は、付属の特許請求の範囲により定義され、特許請求の範囲の意味と均等性の範囲内に含まれる本発明の変更形態のすべてが、その範囲に含められるものとする。