特許第6352866号(P6352866)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6352866
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】超小型冷暖房装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/00 20110101AFI20180625BHJP
   F25B 21/02 20060101ALI20180625BHJP
   H05K 7/20 20060101ALN20180625BHJP
   A61F 7/10 20060101ALN20180625BHJP
【FI】
   F24F1/00 351
   F25B21/02 K
   !H05K7/20 S
   !A61F7/10 332
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-145775(P2015-145775)
(22)【出願日】2015年7月23日
(65)【公開番号】特開2017-26231(P2017-26231A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2015年12月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】712007348
【氏名又は名称】株式会社ドクター中松創研
(72)【発明者】
【氏名】中松 義郎
【審査官】 五十嵐 康弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭64−070375(JP,A)
【文献】 特開平04−055633(JP,A)
【文献】 特開平11−325500(JP,A)
【文献】 特開2000−034601(JP,A)
【文献】 特開2000−288010(JP,A)
【文献】 特開2006−136628(JP,A)
【文献】 特開2013−032855(JP,A)
【文献】 特開2015−102289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/00
F25B 21/02
A61F 7/10
H05K 7/20
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷熱素子の冷却部側に第1のフィンと、フィン底面を外側にして固着して冷却面とし、該第1のフィンのみに風を当てるファンを取り付け、且つ前記ファンは第1のフィンから冷却された空気が降下する同方向に吸収するように配置し、発熱部側には第2のフィンを取り付け、ここにはファンからの風を当てないようにし、このフィンの外側は断熱性材料を設けることを特徴とする超小型冷暖房装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発電効率のよい超小型冷暖房装置に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
超小型で冷却面と強力な冷風が出る装置の提供が待たれている。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、冷却面と強力な冷風の出る超小型の冷暖房装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0003】
前記した課題を解決する本発明は、冷熱素子の第1の冷却フィンのみに風を当てるファンを取り付け、発熱部側には第2のフィンを取り付け、且つ前記ファンは前記第1のフィンから空気を吸い出す方向に回転させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0004】
本発明によれば、強力な冷風と冷却面を超小型化することができ、かつローコストで応用が広い効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本発明の一実施例を示す図、
図2】本発明の斜視図、
図3】本発明の実施例1を示す図
図4】本発明の実施例2を示す図
図5】本発明の実施例3を示す図
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例を示す図である。図1において、(A)は冷熱素子側面からみた本発明の構成例を示す図、(B)は(A)の直角方向から見た図、(C)は(A)の反対方向からみた本発明の冷暖房装置の構成例を示す図である。これらの図において、1はペルチエ素子等の冷熱素子、2と3は該冷熱素子1を両側から挟むように取り付けられたフィンである。
【0007】
フィン2は片側、例えば冷熱部側に取り付けられ、フィン3はその反対側例えば発熱部側に取り付けられている。フィン2は(C)に示すような並行フィン21と底面フィン22からなっており、フィン21の先端部が冷熱素子1に接着されている。これに対して、フィン3は前記フィン底面22を接着材(図示せず)で接着され、フィン21が外側にある。フィン2,3としては例えばアルミニュウムが使用される。
【0008】
図2は本発明実施例を表側から見た斜視図である。4はフィンの下部に取り付けられたファンである。ファン4は、図に示すように、モータ41とプロペラ42とからなっている。このファン4は、図中矢印で示すように下降する冷部空気を加速するように動作する。一方、発熱部側はフィンが大気と触れて排熱するようになっている。
【0009】
図1図2の5は装置を把持するための把持部である。該把持部5は、例えばウレタンのような断熱材である。発熱部はかなりの熱を持つので、直接把持することはできない。そこで、このようなウレタン製の把持部をフィン3に熱伝導性接着剤で接着する。61と62はバッテリー8へケーブル7を介して接続するめのUSBコネクタの雌雄である。なお、コネクタは必ずしもUSBにこだわる必要はないが、コンピュータのUSBから電源をとり駆動する使い方もできる。このバッテリー8からは、ファン4と冷熱素子1にパワーが供給され、移動中でも動作する。
【0010】
図3は本発明の実施例1であり、本発明装置を用いて頭部を冷却するようにしたものである。頭部を冷却するのは、例えば勉強をしている時に、頭の働きをよくするために使用される。図において、50は本発明に係る超小型冷暖房装置である。該装置50において、51は発熱部、52は冷熱部である。発熱部51からは加熱された空気Hが図の矢印で示す向きに流れ、冷熱部52からは冷却された空気Cが図の矢印に示す向きに流れる。1は発熱部51と冷熱部52で挟まれた冷熱素子である。
【0011】
53は頭部を覆う覆いである。この覆いの形状構造は野球用の帽子と同様であると考えればよい。54は頭部と覆い53の間に形成された空間である。55は覆い54の端部に形成された通気口である。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
【0012】
冷熱素子1にバッテリーからパワーを供給すると、発熱部51で発熱し、冷熱部52で冷却される。発熱した空気Hは図に示すように流れ、頭部を加熱することはない。これに対して、冷却された空気Cは頭部の表面を流れ、頭部を冷却した後、通気口54から排出される。この結果、頭部は十分に冷えて、頭脳の働きがよくなる。
【0013】
図4は本発明の実施例2であり、手70の甲71に本発明の超小型冷暖房装置50を取り付けたものである。装置50は、ここでは手の甲71にバンド72で取り付けられている。通常は、冷却部22の温度は極めて低くなる(例えば5〜6℃程度)ので、なるべく10℃程度に調整できる冷却部を用いるようにすればよい。
【0014】
このように構成すると、図示しないバッテリーからパワーを供給され、冷暖房装置50は手の甲71を冷やす。ここで、操作者は、図示しない操作部を調整して、手の甲が快適に感じられるくらいの温度に設定する。ここで、調整の対象とされるのは手の甲の温度である。調整の対象となる手の甲の温度を設定するため、冷熱温度がある程度予測される温度を持つ冷熱素子を予め用意しておくと、装置の作製に時間がかからなくすることができる。
【0015】
図5は本発明の実施例3であり、患者の胸に本発明装置を取り付けたものである。十分な排熱を行うためには、フィン3の放熱面積が十分に広いことが必要である。十分な放熱が確保できない場合、冷熱部10と同様に、下部にファンを設けるようにすることもできる。
【0016】
このように構成された装置において、冷熱素子1とファン4にバッテリー8(図1参照)からパワーを供給すると、このパワーは電線7とUSB6を介して冷熱素子1とファン4に供給される。この結果、冷熱素子1は冷熱側が急速冷却を開始し、発熱側は急速発熱を開始する。一方、プロペラは空気を吐き出す方向への回転を開始する。冷熱側では冷却された空気が作られる。この冷熱空気は、ファン4の出口から出力される。このように、空気を吸い出す構成にすると、空気を吹き付ける方式のものに比較して効率が向上する。
【0017】
一方、発熱部20は急速に発熱する。そこで、発熱した空気は発熱部側のフィンにより大気中に放熱され、発熱部20が所定の温度以上に上昇することを防止する。ここで、発熱部20は熱くなるので、ウレタン製の把持部5(図1参照)を巻きつけ、把持部5を掴むようにするとよい。
上述した実施例では、電線7として直線状のものを用いているが、携帯性を考えると、通常のフレクシブルなものがむしろ好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明は小型軽量なので、バッテリーと共に持ち歩くことができ、使用場所を選ばないというメリットがある。従って、個人向けの超小型冷暖房装置として普及するものと思われる。
【符号の説明】
【0019】
1 冷熱素子
2 冷部フィン
3 発熱フィン
4 ファン
41 モータ
42 プロペラ
5 把持部
50 超小型冷暖房装置
61 USBコネクタ
62 USBコネクタ
7 電線
70 手
71 手の甲
72 バンド
8 バッテリー
10 冷熱部
20 発熱部
21 並行フィン
22 底面フィン
図1
図2
図3
図4
図5