特許第6352907号(P6352907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6352907避妊殺菌剤の効果を増強するための組成物および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6352907
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】避妊殺菌剤の効果を増強するための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/19 20060101AFI20180625BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20180625BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20180625BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20180625BHJP
   A61P 15/18 20060101ALI20180625BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20180625BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   A61K31/19
   A61K47/32
   A61K47/36
   A61K47/38
   A61P15/18
   A61P31/04
   A61P31/18
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-517245(P2015-517245)
(86)(22)【出願日】2013年3月15日
(65)【公表番号】特表2015-519395(P2015-519395A)
(43)【公表日】2015年7月9日
(86)【国際出願番号】US2013032510
(87)【国際公開番号】WO2013187984
(87)【国際公開日】20131219
【審査請求日】2016年3月10日
(31)【優先権主張番号】61/659,368
(32)【優先日】2012年6月13日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514316248
【氏名又は名称】イボフェム, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ガスリー, ウェンデル
【審査官】 小堀 麻子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2001/066084(WO,A1)
【文献】 特開昭63−079816(JP,A)
【文献】 特開平02−104517(JP,A)
【文献】 特表平10−507178(JP,A)
【文献】 特表平11−501292(JP,A)
【文献】 AIDS Research and Human Retroviruses, 2012.11, Vol. 28, No. 11, p. 1389-1396
【文献】 土肥由樹ほか, L-乳酸ナトリウムの抗菌効果の検討, 日本農芸化学会大会講演要旨集, Vol.2004, pages.206
【文献】 Applied and Environmental Microbiology, 2002, Vol.68, No.9, Pages.4676-4678
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
約1〜10%のマトリックス形成化合物、約1〜10%の生体付着性化合物および約1〜10%L−乳酸を含む避妊殺菌剤組成物であって、該組成物は精液と接触していないときマトリックス状態ではなく、射精液と接触しているときマトリックス状態であり、前記マトリックス形成化合物は、アルギン酸、キトサン、ジェランガム,およびポロキサマーからなる群から選択され、前記生体付着性化合物は、キサンタンガム、アルギン酸、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キトサン、ポリカルボフィルおよびカルボポールからなる群から選択される、組成物。
【請求項2】
前記組成物は、約3〜5%のマトリックス形成化合物、約2.5〜6%の生体付着性化合物、および約1〜7%のL−乳酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物は、約3.5〜4.5%のマトリックス形成化合物、約2.5〜3.5%の生体付着性化合物および約1〜4%のL−乳酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記マトリックス形成化合物は、アルギン酸である、請求項に記載の組成物。
【請求項5】
前記生体付着性化合物は、カルボポールである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記生体付着性化合物は、キサンタンガムである、請求項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物は、水性の薬学的に許容可能な担体をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物は、約5未満のpHを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物は、約3.5〜約4.5のpHを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物は、クエン酸、酒石酸カリウム、安息香酸、アルギン酸、ソルビン酸、フマル酸、アスコルビン酸、ステアリン酸、オレイン酸、酒石酸、エデト酸、エチレンジアミン四酢酸、酢酸、リンゴ酸およびその組み合わせからなる群から選択される緩衝剤をさらに含む、請求項8または9に記載の組成物。
【請求項11】
精子がマトリックス状態中の前記組成物によって捕捉および不活性化されることを特徴とする、避妊のために使用される、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
性行為感染症を引き起こす微生物がマトリックス状態中の前記組成物によって捕捉および不活性化されることを特徴とする、性行為感染症の蔓延のリスクを低下させるために使用される、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
精子および性行為感染症を引き起こす微生物がマトリックス状態中の前記組成物によって捕捉および不活性化されることを特徴とする、避妊および性行為感染症の蔓延のリスクを低下させるために使用される、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記性行為感染症を引き起こす微生物は、クラミジア、淋病、トリコモナス症および細菌性膣症の少なくとも1つと関連している、請求項12または13に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本開示は、殺菌剤の効果も増強する、避妊のための組成物および方法に関連する。このような組成物は、妊娠の予防および性行為感染症の蔓延のリスクの低下の2つの目的のために役立つ。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
後天性免疫不全症候群(AIDS)の病原体である、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、生殖可能年齢の女性において、最も急速に増加しつつある死因である。世界中で、AIDSの異性間感染は、AIDSの感染の一般的な様式であり、女性におけるHIV感染の約90%を占める。従って、HIV感染の性的な蔓延を阻害する方法の研究に、かなりの注意がむけられた。AIDSに対する有効な治療またはワクチンは存在しないので、予防的方法が、現在HIVの感染を抑制し得る主な手段である。例えば、コンドームの一貫した、および正しい使用が、HIV感染を予防する有効な障壁となる。しかし、感染のリスクは、HIVが流行しているコミュニティーにおけるほとんど全ての性交にコンドームが使用される場合にのみ有意に抑制され得る;それはコンドームの使用を増加させるための集中的な予防プログラムにも関わらず達成し得ない結果である。
【0003】
単純ヘルペスウイルス(HSV)およびHIVに加えて、様々な性行為感染症(STD)の蔓延を予防および/または抑制し得る、膣内殺菌剤の開発に、有意に重点が置かれた。局所使用のための殺菌剤の開発は、コンドーム使用の重要な代案となる。殺菌剤は、ウイルスを含む、疾患を引き起こす微生物を殺す、または不活性化するあらゆる薬剤である。International Association of Physicians in AIDS CARE(IAPAC)によると、殺菌剤の定義はまた、性行為による感染を予防するための、体の自然な防御の増幅と同様、感染を阻害または予防し得る介入を含む。
【0004】
理想的には、殺菌剤は、有効な殺菌濃度において、ほとんど副作用を有さない、または副作用を有さないべきである。よって、殺菌剤として使用される薬剤は、有効な殺菌濃度において、ほとんど免疫抑制作用を有さない、または免疫抑制作用を有さないべきである。それに加えて、理想的な殺菌剤は、変動する温度に十分耐え、そして様々なpH範囲(膣内のアルカリ性および酸性レベルの範囲)内で許容可能に機能するべきである。さらに、膣内に存在し、そして膣内の健康に寄与する、天然の有用な乳酸桿菌を排除するべきでない。
【0005】
局所殺菌剤は、もしそれらが避妊能力を有しているなら、さらにより有用である。疾患を将来の世代に伝染させることを予防するために、特にSTDを有する多くの女性は出産可能年齢であるので、避妊もまた、STDを有する女性にとって重要である。現在、市販で入手可能な、二重目的殺精子殺菌剤の大部分は、細胞膜を破壊する界面活性剤成分を有する。最も広く使用されている膣内殺精子剤、ノノキシノール−9(N−9)は、その膜破壊性質のために、頸膣部上皮を損傷し、急性炎症性組織反応を引き起こし、膣内細菌叢を変化させ、そして尿生殖器管における日和見感染症を促進するリスクを増強することが示された。N−9はまた、膣内および子宮頸部細胞に毒性であり、それは膣内組織の透過性を増加させる。それはまた、膣管に存在し、そして一般的に有用であると考えられるLactobacillus sp.を殺菌し得る。Lactobacillusは、乳酸および過酸化水素を産生し、それは膣の酸性pH(約pH3.5から5.0)および健康な膣内細菌叢の維持を助ける。このpHにおいて、HIVのような多くのSTDを引き起こす生物が不活性化される。
【0006】
膣内クリームおよび軟膏の形式の、他の殺精子殺菌剤が、店頭でまたは処方箋によって現在入手可能である。さらに他のものが、開発の様々な段階にある。例は、オクトキシノール−9および塩化ベンザルコニウムを含む。AciJelTM(Ortho−McNeil Pharmaceutical Corp.、Raritan、N.J.)のような、膣内pHを調節するためにデザインされたゲルも入手可能であり、それは3.9から4.1のpHを有する、水分散性の緩衝化ゲルである。それは、正常な膣内酸性度を回復および維持するために使用される。このようなゲルは、膣内pHを調節するためにデザインされ、そして特にSTDを予防するため、および/または避妊のためにはデザインされておらず、そして従って常に有効な殺菌活性を有するわけではない。
【0007】
議論したように、多くの場合活性成分としてN−9を含む、現在上市されている膣内避妊組成物は、一般的に当該分野で公知である。現在上市されている膣内避妊処方は、妊娠を予防することを助けるが、STD、特にHIV/AIDSを有効に予防する能力は、非常に限定的である。さらに、最近の分析は、N−9は、高リスクの女性が頻繁に使用した場合、実際HIV感染のリスクを増加し得ることを示す(WHO2002、ノノキシノール−9についてのWHO/CONRAD技術診断、Geneva)。
【0008】
さらに、開発中のいくつかの殺菌剤は、もともとHIV感染を有する患者の治療のために開発された、抗レトロウイルス薬を含む。しかし、実際の抗レトロウイルス薬のいずれかまたはその組み合わせで治療したHIV感染患者において、一時的および限定的な利益しか観察されない。これらの薬剤のウイルス量を減少させる限られた能力、耐性の迅速な発達、およびほとんどの薬剤の毒性の副作用が、その長期の有効性を限定している。患者に対する抗ウイルス薬の投与に伴う1つの大きな問題は、感染細胞に浸透および標的化する能力の低さである。迅速な薬剤のクリアランスおよび親化合物または代謝物の毒性も、多くの抗ウイルス薬の開発および使用を遅らせ得る大きな欠点のいくつかを構成する。AIDSおよび他のウイルス疾患を治療するために実際利用可能な抗ウイルス薬の重度の毒性、および感染細胞を標的化するその限られた能力を考慮して、感染細胞に対して薬剤の治療レベルを達成すること、および毒性を抑制することを目的とする戦略が必要である。
【0009】
より最近に研究された抗菌薬の1つは、BufferGelTM(ReProtectLLC、Baltimore、Md)であり、それは臨床試験を行っている。それは陰性に荷電した、非吸収性、高分子量ポリマーゲルであり、それは精液の存在下で、膣内のpHを5より下に維持するようデザインされている。米国特許第5,617,877号において詳述されるように、BufferGelTMは、カルボキシル化モノマーから構成されるポリマーから処方される。そのポリマーは、膣内pHの調節を補助する緩衝能力を有する。しかし、避妊目的のために、BufferGelTMは、膣内に挿入し、そして子宮頸部上に置くための器具と共に使用するようデザインされている。従って、有効であるために、その器具は、子宮頸部上の位置に留まらなければならない。その器具の除去または子宮頸部に対する相対的な位置の移動は、その有効性を破壊し得る、または少なくとも有意に抑制し得る。
最近の研究は、膣内に天然に存在する抗菌性質に対する有意な寄与は、主に乳酸分子の殺菌活性によるものであり、そして必ずしも低いpH単独、または過酸化水素の存在によるものではないことを示した。(O’Hanlonら、BMC Infect Dis.、11:200、2011)。特に、膣内液において、細菌性膣症に関連する細菌を、乳酸によって抑制し得るが、同じpHの他の酸によっては、より低い程度までしか抑制されないことが示された。
よって、望まない妊娠を予防しながら同時に、HIVおよびHSV−2を含むSTDの感染のリスクを予防または抑制するために、改善された避妊および殺菌活性を提供する、二重目的の避妊殺菌剤および抗ウイルス組成物および方法に対するニーズが存在する。このような組成物は、Lactobacillus sp.を不活性化しない、または明白な膣内刺激または他の毒性を引き起こさない有効な用量における膣内投与のために有用でなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,617,877号明細書
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】O’Hanlonら、BMC Infect Dis.、11:200、2011
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
(発明の要約)
下記で開示される実施形態は、このニーズを満足させる。以下の単純化された要約が、請求される主題のいくつかの局面の基本的な理解を確立するために提供される。この要約は、広範囲な概要ではなく、そして重要な/決定的な要素を同定する、または請求される主題の範囲を描写することを意図しない。
【0013】
代表的な実施形態において、本開示は、避妊殺菌剤および抗ウイルス組成物、およびその使用方法に向けられ、このような組成物は:(a)有効な量の生体付着性物質(ここでその生体付着性物質は(i)マトリックス形成化合物;(ii)上記マトリックス形成化合物と同じであり得る、または異なり得る生体付着性化合物;および(iii)乳酸を含む);(b)1−(6−アミノプリン−9−イル)プロパン−2−イルオキシメチルホスホン酸、またはその生理学的に機能的な誘導体;ならびに(c)薬学的に許容可能な担体を含む。様々な実施形態において、このような組成物は一般的に、5.0または5.0より下のpHを有し、そしてさらなる実施形態において、このような組成物は、射精液と接触するまではマトリックス状態ではない。他の実施形態において、上記乳酸はL−乳酸である。
【0014】
本開示のさらなる実施形態において、上記組成物はまた、湿潤剤および/または保存剤を含み得る。
【0015】
別の実施形態において、本開示は、避妊殺菌剤および抗ウイルス組成物、ならびにその使用方法に関し、このような組成物は:(a)マトリックス形成化合物;(b)上記マトリックス形成化合物と同じであり得る、または異なり得る生体付着性化合物;(c)乳酸;(d)1−(6−アミノプリン−9−イル)プロパン−2−イルオキシメチルホスホン酸、またはその生理学的に機能的な誘導体;および(e)薬学的に許容可能な担体を含む。様々な実施形態において、このような組成物は一般的に、5.0または5.0より下のpHを有し、そしてさらなる実施形態において、上記組成物は、緩衝能力を有し、通常の量の射精液(ejacualte)の存在下で、pHを5.0より下に維持する。
【0016】
本開示の他の局面が、明細書を通じて見出される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
(a)(i)マトリックス形成化合物;
(ii)該マトリックス形成化合物と同じであり得る、または異なり得る生体付着性化合物;および
(iii)乳酸;
を含む避妊殺菌剤
(b)1−(6−アミノプリン−9−イル)プロパン−2−イルオキシメチルホスホン酸またはその生理学的に機能的な誘導体;および
(c)薬学的に許容可能な担体;
を含む避妊殺菌剤および抗ウイルス組成物であって、
該組成物は、4または4より低いpHを有し;
射精液と接触するとき、該組成物は、緩衝能力を有し、pHを中性より下に維持する、避妊殺菌剤および抗ウイルス組成物。
(項目2)
前記組成物は、射精液と接触するまではマトリックス状態ではない、項目1に記載の組成物。
(項目3)
前記組成物は、湿潤剤をさらに含む、項目1に記載の組成物。
(項目4)
前記組成物は、保存剤をさらに含む、項目1に記載の組成物。
(項目5)
前記乳酸は、L−乳酸である、項目1に記載の組成物。
(項目6)
(a)マトリックス形成化合物;
(b)該マトリックス形成化合物と同じであり得る、または異なり得る生体付着性化合物;
(c)乳酸;
(d)1−(6−アミノプリン−9−イル)プロパン−2−イルオキシメチルホスホン酸またはその生理学的に機能的な誘導体;および
(c)薬学的に許容可能な担体;
を含む組成物であって、
該組成物は、5.0または5.0より低いpHを有し
該組成物は、緩衝能力を有し、通常の量の射精液の存在下で、pHを5.0より下に維持する、組成物。
(項目7)
項目1に記載の組成物の有効量を投与することを含む、性行為感染症の蔓延のリスクを低下させ、避妊を予防する方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(発明の詳細な説明)
殺菌剤の有効性も増強する、避妊のための組成物および方法が、本明細書中で開示される。このような組成物は、妊娠の予防、および性行為感染症の蔓延のリスクの低減の二重の目的に役立つ。より具体的には、本明細書中で開示される組成物および方法は、避妊殺菌剤および抗ウイルス剤の組み合わせを、避妊殺菌剤および抗ウイルス剤の両方の有効性を増強する酸性担体中に含む、相乗的避妊殺菌剤および抗ウイルス組成物に関連する。
【0018】
以下の開示の理解を促進するために、多くの用語を下記で定義する。
【0019】
「1つの」、「a」、または「an」という用語が本開示中で使用される場合、他に示されなければ、それらは「少なくとも1つ」、または「1つまたは1つより多く」を意味する。
【0020】
本明細書中で使用される場合、「殺菌剤」および「殺菌性」という用語は、ウイルス、細菌、真菌、および藻類を含む微生物の増殖を予防もしくは阻害し得る、および/またはその感染性を予防もしくは抑制し得る化合物を指す。
【0021】
本明細書中で使用される場合、「性行為感染症」という用語は、「STD」、「性行為感染」、「STI」、および/またはその複数と交換可能に使用される。STDは、キスを含む、あらゆる形式の性的接触によって、ヒト間で伝染する有意な可能性を有する病気または病態生理学的状態である。STDという用語はまた、疾患または感染の徴候を示さない、感染した、および潜在的に他に感染させ得る人を含み得る。
【0022】
「相乗作用」および「相乗的」という用語は、一緒に使用した化合物によって達成される効果が、上記化合物を別々に使用したことによって生じる効果の合計より大きい、すなわち、別々に投与された2つの活性成分に基づいて予測されるより大きいことを意味する。上記化合物が:(1)同時処方および投与される、または組み合わせた処方で同時に伝達される;(2)別の処方として、交互に、または同時に伝達される;または(3)何らかの他の措置によって投与される場合に、相乗効果が達成され得る。相乗的抗ウイルス効果は、その組み合わせの個々の化合物の、予測される純粋な相加的効果より大きい抗ウイルス効果を意味する。
【0023】
本明細書中で使用される場合、「生理学的に機能的な誘導体」という用語は、開示の組み合わせで、別の薬学的に活性な化合物と組み合わせて投与した場合に、酸性型またはテノホビルと同等の、またはほとんど同等の生理学的機能を有する、薬学的に活性な化合物を指す。本明細書中で使用される場合、「生理学的に機能的な誘導体」という用語は、あらゆる生理学的に許容可能な塩、エーテル、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、鏡像異性体、ジアステレオマー、または立体異性的に濃縮した、またはラセミ混合物を含む立体異性体、およびレシピエントへの投与時に、このような化合物またはその抗ウイルス活性代謝物もしくは残留物を提供し得る(直接的または間接的に)あらゆる他の化合物を含む。
【0024】
本明細書中で使用される場合、「接触させる」という用語は、本明細書中で記載される1つまたは1つより多くの避妊殺菌剤および抗ウイルス化合物を、本明細書中で記載されるような、性行為伝染性または性行為によって獲得される微生物もしくは微生物細胞と接触させる、あらゆる適当な方法を指す。インビトロまたはエキソビボにおいて、その微生物または微生物細胞を、適当な培地中で殺菌剤に曝露することによって、これを達成する。代表的なインビボにおける適用のために、本明細書中で記載されたように局所投与法が適当である。
【0025】
本明細書中で使用される場合、「マトリックス」という用語は、その間のイオン性相互作用によって、3次元構造を形成する複数の異なる分子を指すことを意味する。
【0026】
「4または4より下のpH」という用語は、4.5未満のpHを意味する。
【0027】
「緩衝能力」という用語は、異なるpHを有する化合物と接触した場合に、望ましいpHを維持する能力を意味する。特に、緩衝能力は、通常の量の射精液の存在下で健康な膣内pHを維持する能力を意味する。
【0028】
「射精液と接触する」という用語は、射精の間に通常生じる体積、例えば0.1から11ミリリットルの間の精液の存在を意味する(Rehenら、Fertil Steril.1975、26:492−502)。
【0029】
開示される避妊殺菌剤および抗ウイルス組成物ならびに方法は、STDの伝染および/または通常の膣内感染を予防する、またはそのリスクを抑制する。STDは、HIV/AIDS、ヘルペス(単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)または単純ヘルペスウイルス2型(HSV−2)によって引き起こされる)、淋病、クラミジア、梅毒、およびトリコモナス症を含むがこれに限らない。通常の膣内感染の制限しない例は、細菌性膣症(BV)および膣内カンジダ症を含む。本明細書中で記載されるような、同様の組成物およびこのような組成物の適用方法を、STDおよび/または通常の膣内感染を予防または治療するために使用し得る。
【0030】
本開示の組成物は、避妊および殺菌性質を有する生体付着性の薬剤(すなわち「避妊殺菌剤」)、および特定の抗ウイルス剤、テノホビルの組み合わせを含む。その避妊殺菌剤は、生体付着性質および緩衝能力を有する。精液と接触した場合、その避妊殺菌剤は、精子を捕捉するマトリックスを形成し、そしてその緩衝能力が、pHを低いレベルに維持してさらに精子を不活性化する。テノホビルは、逆転写酵素を阻害するようデザインされた抗レトロウイルス薬である。テノホビルのプロドラッグ形式、テノホビルジソプロキシル(disproxyl)フマル酸塩が、HIVおよび慢性B型肝炎の治療のために米国食品医薬品局によって認可され、そしてヘルペスのような他のウイルスに対して有効であり得る(Andreiら、Cell Host Microbe.、10:379−89、2011)。代表的な実施形態において、2つの成分の間で相乗的効果が達成される。より具体的には、テノホビルの陰性荷電一リン酸部分が、マトリックス形成剤および/または生体付着性化合物とイオン性相互作用を形成し、それが乳酸によってさらに増強される。マトリックスが形成された場合、それはテノホビルの放出の延長を促進し、従って効果を増強する。
【0031】
さらに、マトリックスの形成および生体付着性質が、伝達ポイントからの薬剤の希釈を阻害し、それによって薬剤の標的化および局在化を改善するという事実のために、テノホビルの濃度が有効および毒性レベルの間に維持されるので、本開示の組成物は、改善された有効性を示すと考えられる。この関係において、生体付着性はテノホビルおよび粘膜表面の間の接触の密接性および期間を増加させる。この増強された、直接的な薬剤吸収、および拡散の抑制および局在化の改善から引き起こされる排泄速度の減少は、薬剤の生物学的利用能を有意に増強し、そしてより低い投与量およびより少ない回数の投与を可能にする。
テノホビル(Gilead Science,Inc.)
【0032】
その誘導体、アナログ、プロドラッグ、および塩を含むテノホビルは、ヌクレオチドアナログ逆転写酵素阻害剤(NtRTI)として公知である抗レトロウイルス薬の種類に属し、逆転写酵素を阻害する。それは化学名1−(6−アミノプリン−9−イル)プロパン−2−イルオキシメチルホスホン酸を有する[CAS登録番号:147127−20−6]。テノホビルの構造を、下記に示す:
【化1】
【0033】
テノホビルは、他の天然に存在するヌクレオチドの競合的阻害剤であり、そしてその最終的な生物学的活性は、ウイルスDNA鎖の終了である。テノホビルは、HIVおよびB型肝炎の両方に対する抗ウイルス活性を有する、新規ヌクレオチドアナログである。テノホビルのメカニズムは、ヌクレオシドアナログのものと同様であり、それは逆転写酵素に干渉し、そしてウイルス遺伝物質のウイルスDNAへの翻訳を阻害する。ヌクレオシドアナログと異なり、NtRTIは、リン酸基の存在で化学的に前もって活性化されている。リン酸化工程が必要でないので、ヌクレオチドアナログは、ヌクレオシドアナログよりも迅速に、ウイルスDNA鎖に組み込まれ得る。より重要なことに、これはウイルスのヌクレオシド耐性のメカニズムを回避する。
避妊殺菌剤
【0034】
1つの実施形態において、上記避妊殺菌剤は、酸性型(Amphora(登録商標)(米国特許第6,706,276号、WO01/66084)としても公知である)であり、それは体の開口部(例えば膣)に入れた場合、射精液との接触時にマトリックスを形成し、そして従って精子および/またはSTDおよびSTIを引き起こす微生物を捕捉および不活性化するゲルである。1つの一般的な実施形態において、上記避妊殺菌剤は、(1)マトリックス形成化合物、(2)生体付着性化合物、および(3)乳酸を含む。キトサンのようないくつかの化合物は、マトリックス形成化合物および生体付着性化合物の両方として作用し得る。
【0035】
代表的な実施形態において、使用される酸性型は一般的に、(1)約1〜10%の1つまたは1つより多くのマトリックス形成化合物、(2)約1〜10%の1つまたは1つより多くの生体付着性化合物、および(3)約1〜10%の乳酸を含む。他の実施形態において、上記酸性型組成物は、(1)約3〜5%の1つまたは1つより多くのマトリックス形成化合物、(2)約2.5〜6%の1つまたは1つより多くの生体付着性化合物、および(3)約1〜7%の乳酸を含む。他の実施形態において、上記酸性型組成物は、(1)約3.5〜4.5%の1つまたは1つより多くのマトリックス形成化合物、(2)約2.5〜3.5%の1つまたは1つより多くの生体付着性化合物、および(3)約1〜4%の乳酸を含む。
【0036】
他の代表的な実施形態において、使用される酸性型は一般的に、(1)約1〜10%の1つまたは1つより多くのマトリックス形成化合物、(2)約1〜10%の1つまたは1つより多くの生体付着性化合物、および(3)約1〜10%のL−乳酸を含む。他の実施形態において、上記酸性型組成物は、(1)約3〜5%の1つまたは1つより多くのマトリックス形成化合物、(2)約2.5〜6%の1つまたは1つより多くの生体付着性化合物、および(3)約1〜7%のL−乳酸を含む。他の実施形態において、上記酸性型組成物は、(1)約3.5〜4.5%の1つまたは1つより多くのマトリックス形成化合物、(2)約2.5〜3.5%の1つまたは1つより多くの生体付着性化合物、および(3)約1〜4%のL−乳酸を含む。
【0037】
本開示において使用するために適当なマトリックス形成化合物は、広いpH範囲で、特に膣内で見出される通常の酸性pH値で安定でなければならない。適当なマトリックス形成化合物は、例えばアルギン酸、キトサン、ジェランガム、ポロキサマー等を含む。アルギン酸は一般的に、−(1,4)−D−グルコシウロン酸(gulosyuronic acid)および−(1,4)−D−グルコシウロン酸残基の混合物を含む、直鎖状グルコウロナン(glycouronan)ポリマーである。一般的に、アルギン酸の分子量は、約20,000から約300,000g/モルの範囲、他の実施形態において約20,000から約250,000g/モルの範囲、およびさらなる実施形態において約240,000g/モルである。アルギン酸は、精漿中の一価および二価の陽イオン(特にNa、K、およびCa++)との相互作用によって、不溶性のアルギン酸塩を形成することが予測される。膣内液は一般的に、ほとんどCa++を含まないので、射精液が存在する時のみ、半固体マトリックスが形成される。このような場合、その半固体マトリックスは、STDを引き起こす微生物および精子を捕捉し、それらが下部女性生殖器管を通じて移動できないようにする。アルギン酸塩はまた、水と接触して膨張し、それによって膣内の望ましいゲルまたはマトリックス構造の維持を補助する。もちろん、アルギン酸またはアルギン酸の塩はまた、水性溶液中で約1.5から約3.5のpHを有するので、酸性型の酸緩衝活性に寄与し得る。さらに、アルギン酸はまた、本処方の生体付着性質に寄与し得、そして従って、生体付着活性の提供を補助する。その高い分子量のために、アルギン酸は体内に吸収されない。従って、そのマトリックス形成、生体付着性、および酸緩衝性質は、そのゲルが膣内に留まる限り維持される。さらに、捕捉ゲルの生来の生体付着性質のために、それは通常、その女性によって除去されなければ、約12から24時間(またはさらに長く)膣内に留まる。
【0038】
本開示において使用するために適当な生体付着性化合物は、例えばキサンタンガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キトサン、ポリカルボフィル、カルボポール等を含む。少なくとも1つの実施形態において、上記生体付着性化合物は、キサンタンガム、D−グルコシル、D−マンノシル、およびD−グルコシルウロン酸(glucosyluronic acid)残基を含み、O−アセチルおよびピルビン酸アセタールの割合が様々である高分子量多糖類ガムである。一次構造は、三糖類側鎖を有するセルロース主鎖である;反復ユニットは、五糖類である。一般的に、分子量は、約106g/モルより大きい。
【0039】
その避妊殺菌剤はさらに、通常の量の射精液の存在下でさえ、膣のpHを正常な酸性範囲(すなわち、約5未満のpH、およびより好ましくは約3.5から約4.5の範囲)に維持するために作用する、乳酸または他の緩衝剤を含む。乳酸に加えて、適当な緩衝剤は、例えばクエン酸、酒石酸カリウム、安息香酸、アルギン酸、ソルビン酸、フマル酸、アスコルビン酸、ステアリン酸、オレイン酸、酒石酸、エデト酸、エチレンジアミン四酢酸、酢酸、リンゴ酸等を含むがこれに限らない。上記酸を、遊離の酸、水和物、または薬学的に許容可能な塩として加え得る。もちろん、遊離の酸を、インサイチュで(すなわち膣内で)対応する塩に変換し得る。様々な代表的な実施形態において、増加した緩衝能力を提供するために、いくつかの緩衝剤が酸性型組成物に含まれる。もちろん、アルギン酸は、マトリックス形成剤および緩衝剤の両方として機能し得る。アルギン酸は体によって吸収されないので、その酸緩衝効果は、体によって吸収され得る他の緩衝剤と比較して、より長く持続する。
薬学的に許容可能な担体
【0040】
1つの実施形態において、上記薬学的担体は水である。膣内伝達に適当な、他の薬学的に許容可能な担体は、周知であり、そして水の代わりに使用され得る。適当な薬学的に許容可能な担体の1つの例は、白色ワセリンのようなワセリンである。
任意の成分
【0041】
本開示の組成物において使用し得る、さらなる任意の賦形剤はまた、湿潤剤を含み得る。適当な湿潤剤は、例えばグリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、トリアセチン等を含むがこれに限らない。1つの代表的な実施形態において、膣内に入れた時にゲル上のドライフィルムの形成を防止するために、グリセロールを使用する。グリセロールはまた、潤滑剤としても作用し得る。さらに、上記組成物はまた、保存剤を含み得る。適当な保存剤は、例えば安息香酸、安息香酸ナトリウム、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベン、塩化ベンザルコニウム(benzyalkonium)、硝酸フェニル水銀、クロルヘキシジン等を含むがこれに限らない。1つの代表的な実施形態において、安息香酸が使用され、そして酸性型ゲルの緩衝能力にも寄与し得る。
【0042】
本開示の1つの代表的な実施形態において、上記避妊殺菌剤は、以下のようにさらに説明される:上記マトリックス形成化合物はアルギン酸である;上記生体付着性化合物はキサンタンガムおよび/またはヒドロキシセルロースである;乳酸が使用される、またはクエン酸、安息香酸、または酒石酸カリウムによって置換される;グリセロールが湿潤剤として含まれる;安息香酸が保存剤として使用される;および水が薬学的に許容可能な担体である。別の実施形態において、上記組成物は、キサンタンガム、アルギン酸、乳酸、クエン酸、安息香酸、酒石酸水素カリウム、グリセロール、および水を含む。別の実施形態において、上記乳酸はL−乳酸である。
【0043】
議論したように、通常の量の射精液の存在下でさえ、膣のpHを通常の酸性範囲(すなわち、約5未満のpH、およびより好ましくは約3.5から約4.5の範囲)に維持するために、乳酸または他の適当な緩衝剤が使用される。特に、乳酸は、過酸化水素のような、他の天然の膣内防御メカニズムと関連して、殺菌能力を有意に増加させることが発見された。この特徴は、以前には当業者に未知であり、そして本開示の発明者らが、驚くべきことに、上記避妊殺菌剤が、緩衝剤として乳酸を用いて処方された場合、緩衝剤として乳酸を用いない処方より有意に高い殺菌活性を有することを見出した。
【0044】
具体的には、乳酸の存在が、同等のpHにおける過酸化水素または酢酸のような化合物と比較して、ウイルスを含む微生物のより高い不活性化を引き起こす。乳酸が殺菌能力を増加させる作用メカニズムは、グラム陰性菌の細胞膜の破壊であると考えられ、そしてまた、HIVおよびHSV−2を不活性化するよう作用する。
【0045】
より具体的には、乳酸は2つの異性体を有し、1つはL−(+)−乳酸または(S)−乳酸として公知であり、そして他方はD−(−)−乳酸または(R)−乳酸である。最近の発見は、L型の乳酸は、Dまたはラセミ体の乳酸よりも、HIVの不活性化において強力であることを示した。L−乳酸がどのようにHIVを不活性化するかの正確なメカニズムは未知であるが、立体化学依存性の活性は、それがタンパク質に対して作用することを示唆する(Purcellら、AIDS Res Hum Retroviruses.2012 Nov;28(11):1389−96)。
【0046】
乳酸は、Lactobacillus種のような乳酸菌によって産生される。しかし、乳酸菌は一般的に、DおよびL乳酸をどちらも産生する。さらに、乳酸菌は増殖させることが困難であり得る。酵母またはEscherichia coliのような、より増殖しやすい宿主を用いて、L−乳酸を特異的に製造するために、組換え法を使用し得る(Ishidaら、Appl Environ Microbiol.2005 April;71(4):1964−1970およびDienら、J Ind Microbiol Biotechnol.2001 Oct;27(4):259−64)。あるいは、精製L−乳酸を、Sigma−Aldrich(登録商標)(St.Louis、Missouri)のような、確立した化学物質供給会社から購入し得る。
【0047】
医薬品組成物は、ゲル、半固体、クリーム、および/またはローションの形式であり得る。一般的に、殺菌剤を、膣および/または頸部および/または直腸の内側に適用する局所軟膏として投与し得、それをゲル、クリーム、ローション、膣内もしくは直腸内腔を洗い流すために使用される非水性もしくは水性溶液、および/または膣内もしくは直腸内坐剤として達成し得る。他の実施形態において、避妊殺菌剤および抗ウイルス組成物を、スプレー処方で投与し得る。それに加えて、上記避妊殺菌剤および抗ウイルス組成物を、殺菌剤浸透ペッサリーならびに女性および男性用コンドームを用いて伝達し得る。
【0048】
さらに、本明細書中で開示される避妊殺菌剤および抗ウイルス組成物に加えて、その組成物の残り、すなわち典型的には約0〜10%の重量、または約0.1〜5%の重量、または約0.1〜3%の重量は、任意で1つまたは1つより多くの美容成分を含み得る。このような美容成分は、当業者に公知であり、そして多くの場合当該分野において希釈剤、溶媒、およびアジュバントと呼ばれる。典型的には、美容成分は、例えば:水、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、グリセリン、グリセロール プロピレングリコール、ソルビトール、および他の高分子量アルコールを含む。それに加えて、避妊組成物は、例えば;安定剤、界面活性剤、メントール、ユーカリ油、他のエッセンシャルオイル、芳香剤等のような、少量の他の添加物を含み得る。美容成分の選択および量、他の添加物、および混合手順を、当該分野で周知の技術によって行い得る。
【0049】
代表的な実施形態において、本開示は、本明細書中で記載されたような避妊殺菌剤(mcirobicide)および抗ウイルス組成物の局所適用を含む。本開示の文脈において、局所適用という用語は、皮膚と同様体腔への適用を含むことが理解される。従って、例えば、前述の組成物を、膣、肛門、直腸、または口のような体腔へ適用する。さらに、局所投与を、性交の前、その間、もしくはその後に行い得る、またはあるいは、性交とは独立して行い得る。
【0050】
本開示の避妊殺菌剤および抗ウイルス組成物を、当業者に公知のあらゆる手段によって、哺乳類の膣へ伝達し得ることが理解される。上記組成物の典型的な伝達形式は、例えば;クリーム、ローション、ゲル、泡、スポンジおよび坐剤のような膣内器具、ならびにフィルムを含む。それに加えて、上記避妊殺菌剤および抗ウイルス組成物を、例えばコンドーム潤滑剤等のようなパーソナルケア製品として使用し得る。このような潤滑剤は、本開示の組成物に加えて、例えば;湿潤剤、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトール、グリコールおよびグリコールエーテル;緩衝液、例えばグルコノ−d−ラクトン;殺菌薬または殺細菌剤、例えばグルコン酸クロルヘキシジン;保存剤、例えばメチルパラベン;増粘剤、例えばヒドロキシエチルセルロース等;他のアジュバント、例えば着色料および芳香剤のような、通常の公知の成分を含み得る。当業者は、このような伝達形式の物理的性質、例えば粘性は、広く変動し得ることを認識する。例えば、本開示の組成物のゲル形式の粘性、例えば150,000センチポイズは、本開示の組成物のローション形式の粘性、例えば100センチポイズより実質的に高く有り得る。このような伝達形式の材料、成分、割合および手順に関するさらなる詳細は、当該分野で周知の技術によって選択され得る。
【0051】
様々な実施形態において、本開示の避妊殺菌剤(mcirobicide)および抗ウイルス組成物を、好ましくは膣内に存在する精子を固定化するために、および/またはその子宮頸管粘液(cervical mucus)における浸透を阻害するために有効な用量で、哺乳類の膣に投与する。典型的な用量は、約1〜10グラムの間、または3〜7グラムの間、または4〜6グラムの間の組成物の範囲である。
【0052】
本化合物の塩およびエステルのような、前駆体、アナログ、および誘導体として機能する他の化合物を利用し得ることは、当業者に容易に明らかである。
【0053】
上記で述べた開示は、当業者に、組成物および方法の実施形態を作製および使用する方法の完全な開示および説明を与えるために提供され、そして発明者らがその発明と考えるものの範囲を制限することを意図しない。(当業者に明らかである開示を行うための)上記で記載した方式の修飾は、以下の請求の範囲内であると意図される。本明細書中で引用される全ての出版物、特許、および特許出願は、このような出版物、特許、または特許出願のそれぞれが、本明細書中で参考文献に組み込まれると明確におよび個々に示されたように、本明細書中でその全体が参考文献として組み込まれる。