特許第6352916号(P6352916)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6352916回転電気機械のコイル及び固定子アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6352916
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】回転電気機械のコイル及び固定子アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/04 20060101AFI20180625BHJP
   H02K 1/24 20060101ALI20180625BHJP
   H02K 15/04 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   H02K3/04 E
   H02K1/24 Z
   H02K15/04 Z
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-528495(P2015-528495)
(86)(22)【出願日】2013年7月30日
(65)【公表番号】特表2015-527043(P2015-527043A)
(43)【公表日】2015年9月10日
(86)【国際出願番号】US2013052645
(87)【国際公開番号】WO2014031292
(87)【国際公開日】20140227
【審査請求日】2016年4月22日
(31)【優先権主張番号】13/594,429
(32)【優先日】2012年8月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロドワン ティー.アドラ
【審査官】 小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭02−004317(JP,B1)
【文献】 特開2008−148375(JP,A)
【文献】 特開平08−009606(JP,A)
【文献】 特開2011−091943(JP,A)
【文献】 特開2002−315247(JP,A)
【文献】 特開平10−174329(JP,A)
【文献】 特開2006−325338(JP,A)
【文献】 特開2010−268575(JP,A)
【文献】 特開2007−227263(JP,A)
【文献】 特開2002−027693(JP,A)
【文献】 特開2009−199749(JP,A)
【文献】 特開平04−281390(JP,A)
【文献】 特開2004−064990(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/04
H02K 1/24
H02K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転電気機械であって、
複数の固定子極(28)と、各々が第1の複数の前記固定子極(28)の対の間に位置づけられた複数の固定子スロット(35)とを備えた開放スロット構成を有する固定子(26)と、
前記固定子(26)内に位置づけられ、複数の回転子極(29)を有する回転子(27)と、
複数のコイル(45)であって、1つのコイルは各固定子極(28)の周囲に位置づけられ、各コイル(45)はワイヤグループを画定する複数の導電性ワイヤ(46)を有し、前記ワイヤグループは各固定子極(28)の周囲を全般的に周回させられて、前記固定子極(28)の周囲に前記ワイヤグループの複数の巻回を画定しており、前記ワイヤグループの少なくとも一部は捩られており、前記ワイヤグループの前記一部は、各巻回毎に約1〜5の捩れを有する、前記複数のコイル(45)を備え
各コイル(45)は、各固定子スロット(35)を横切る各コイル(45)の断面に沿うワイヤグループの隣接の巻回間の均一な隙間を全般的に除去するため、各固定子極(28)上に位置づけられる回転電気機械。
【請求項2】
前記回転電気機械は、スイッチドリラクタンスモータ(25)である請求項1に記載の回転電気機械。
【請求項3】
各固定子極(28)は、周方向に略一定の幅を有する請求項1又は2のいずれかに記載の回転電気機械。
【請求項4】
各コイル(45)は、単一の固定子極(28)の周囲に周回させられる請求項1〜3のいずれかに記載の回転電気機械。
【請求項5】
各巻回の前記導電性ワイヤ(46)は、隣接の固定子スロット(35)内において不均一な配列に位置づけられる請求項1〜のいずれかに記載の回転電気機械。
【請求項6】
回転電気機械の固定子アセンブリの製造方法であって、
複数の固定子極(28)を有する固定子(26)を設けることと、
ワイヤグループを画定する複数の導電性ワイヤ(46)を供給すること、
前記ワイヤグループを所定の割合で捩ること、
コイル(45)を形成するために、前記ワイヤグループを所定の巻回数周回させることによって複数のコイル(45)を形成することであって、
前記ワイヤグループを捩るステップは、前記コイル(45)の巻回毎に約1〜5つの捩れを作るように前記ワイヤグループを捩ることを含み、各巻回の各導電性ワイヤ(46)は、少なくともその一部に沿って、前記巻回内の他の導電性ワイヤに対して横方向に移動可能である、前記複数のコイル(45)を形成することと、
固定子極(28)上に各コイル(45)を搭載することを備える方法。
【請求項7】
固定部を設けることをさらに備え、
前記周回させることはさらに、前記ワイヤグループを前記固定部の周囲に周回させ、前記固定部から前記コイル(45)を取り外すことを含む請求項に記載の方法。
【請求項8】
各固定子極(28)に前記コイル(45)を搭載する間、各巻回の少なくともいくつかの、複数の導電性ワイヤ(46)の少なくとも一部を、前記巻回内の他の導電性ワイヤ(46)に対して横方向に移動させるステップをさらに備える請求項又はのいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記複数のコイル(45)を形成するステップは、全般的に対称な断面を有する各コイル(45)を形成することを含み、各コイル(45)を搭載するステップは、各巻回の少なくともいくつかの導電性ワイヤ(46)を、略非対称な断面を形成すべく前記コイル(45)を変形させるために、その一部に沿って横方向に移動させることを含む請求項のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回転電気機械全般に係り、特に回転電気機械のコイル及び固定子アセンブリと、コイル及び固定子アセンブリの製造方法に係る。
【背景技術】
【0002】
作業機械には、電気推進システムによって電力供給がなされることがある。電気推進システムは、作業機械の牽引装置に駆動力を供給する電気駆動牽引システムを備えることもある。スイッチドリラクタンスモータを使用して駆動力を供給する電気駆動牽引システムもある。
【0003】
スイッチドリラクタンスモータは、種々のモータトポロジー(例:固定子極の数、コイルの数、回転子極の数)を有してもよい。またスイッチドリラクタンスモータは、複数の位相(例:2位相、3位相、4位相またはそれ以上)を有して構成されてもよい。スイッチドリラクタンスモータは、複数の固定子極を有してもよく、その各々は導電性ワイヤの巻線を有するか、周囲にコイルを配置してもよい。ワイヤの数及びコイルの構成は、スイッチドリラクタンスモータの動作効率に影響する1つの因子である。
【0004】
スイッチドリラクタンスモータの多くは、特定の動作条件の下での動作を最適化するように設計されている。しかしながら特定の作業機械に電力供給を行うために使用されるスイッチドリラクタンスモータは、高電流で低速にて動作を行う場合も、より低電流でより高速にて動作を行う場合にも、効率的に動作することが望ましい。コイルが電気的に好適に動作する一方で、コイルの過熱を伴わずに相当量の電流を送達する能力に欠如するモータもある。より多くの電流を送達する能力を有するものの、動作周波数が上昇するほど動作の効率が落ちるコイルも有り、これもまた作業機械に電力供給を行う能力を制限してしまう。
【0005】
米国特許第7,201,244号は、スイッチドリラクタンスモータによって電力供給を行う作業機械を開示している。このスイッチドリラクタンスモータに使用されるコイルは、導電体の密度を増加するため、すなわち、各固定子極間の固定子スロット内を埋めるために、四角形状の断面を有するワイヤで形成されている。しかしながら、コイルの電気特性によると、モータの動作周波数が上昇するに連れてモータの動作効率を制限することとなる。
【0006】
背景に関する以上の説明は、読者の助けとなることのみを意図するものであり、本明細書に記載の革新的技術を制限することを意図するものでなく、また前述の従来技術を制限又は拡大することを意図するものでない。従って以上の説明は、従来のシステムにおける特定の要素が本明細書に記載の革新的技術における使用に相応しくないと理解してはならず、いずれかの要素が本明細書に記載の革新的技術の実装において必須であることを意図するものでもない。本明細書に記載の革新的技術の実装及び適用は、添付の請求項によって規定される。
【発明の概要】
【0007】
一様態によると、回転電気機械は、開放スロット構成を有する固定子と、固定子内に位置づけられた回転子とを備える。固定子は、複数の固定子極と、複数の固定子スロットとを有する。各固定子スロットは、一対の固定子極の間に位置づけられる。回転子は、複数の回転子極を有する。固定子極の周囲にコイルが位置づけられる。各コイルはワイヤグループを画定する複数の導電性ワイヤを有し、ワイヤグループは、各固定子極の周囲を周回させられてワイヤグループの複数の巻回を画定している。ワイヤグループの少なくとも一部は捩られており、ワイヤグループの一部は、各巻回毎に約1〜5つの捩れを有する。
【0008】
他の一様態によると、回転電気機械は、複数の固定子極と複数の固定子スロットとを有する固定子を備える。各固定子極は反対側に面した第1側面及び第2側面を有し、各固定子極は第1固定子スロットと第2固定子スロットとの間に位置づけられる。各固定子スロットは、外面と、内側境界部と、隣接する固定子極の対向する側面間の中間点に全般的に沿って延びた中央線とを有する。回転子は固定子内に位置づけられ、複数の回転子極を有する。コイルは、各固定子極の周囲に位置づけられる。各コイルは、ワイヤグループを画定する複数の導電性ワイヤを有し、ワイヤグループは、各固定子極の周囲を全般的に周回させられて固定子極の周囲にワイヤグループの複数の巻回を画定している。ワイヤグループの少なくとも一部が捩られ、そのワイヤグループの一部は、各巻回毎に約1〜5つの捩れを有する。各コイルは第1部分及び第2部分を有し、第1部分及び第2部分は、各固定子極によって離間された隣接の固定子スロット内に位置づけられる。各第1部分は、各固定子極の第1側面と、全般的に第1固定子スロットの外面から固定子スロットの内側境界部への通路に沿った第1固定子スロットの中央線との間に全般的に延びており、各第2部分は、各固定子極の第2側面と、全般的に第2固定子スロットの外面から固定子スロットの内側境界部への経路に沿った第2固定子スロットの中央線との間に全般的に延びている。
【0009】
さらに他の一様態によると、回転電気機械の固定子アセンブリの製造方法は、複数の固定子極を有する固定子を設けるステップを備える。ワイヤグループを画定する複数の導電性ワイヤを供給し、ワイヤグループを所定の割合で捩り、コイルを形成するために、ワイヤグループを所定の巻回数周回させることによって、複数のコイルを形成する。ワイヤグループを捩るステップには、コイルの巻回毎に約1〜5つの捩れを作るようにワイヤグループを捩るステップが含まれる。ワイヤグループは、各巻回の各導電性ワイヤが少なくともその一部に沿って、巻回内の他の導電性ワイヤに対して横方向に移動可能となるように構成される。形成後、各コイルは固定子極に搭載される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本明細書に記載の特定の様態を組み込んだ作業機械の略図である。
図2】本明細書に記載の特定の様態を組み込んだスイッチドリラクタンスモータの一部の上面略図である。
図3図2のスイッチドリラクタンスモータのコイルを備えた電気回路の一部を簡略化した概略図である。
図4】図の明瞭さのために特定の構成要素を省略し、固定子内の回転子の斜視図から取り出した固定子アセンブリの部分端面図である。
図5図4のコイルのうち、丸で囲んだ部分5−5を拡大した図である。
図6】全般的に図5の線6−6に沿った断面図である。
図7図6のコイルのうち、丸で囲んだ部分7−7を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照すると、機械10は、前方車軸13及び後方車軸14を有するシャーシ12を備えるように概略的に描かれている。牽引装置15(例:車輪、トラック等)が各車軸の各端部に搭載されてもよく、スイッチドリラクタンス牽引システム16によって駆動されてもよい。電源17がスイッチドリラクタンス牽引システム16に電力を供給する。電源17には、スイッチドリラクタンス牽引システム16に電力を供給するため、発電機(図示せず)に連結された内燃機関等の原動機(図示せず)を使用してもよい。他の実施形態において、電源17は、スイッチドリラクタンス牽引システム16に電力を直接供給するよう構成された燃料電池発電機(図示せず)であってもよい。さらに電源17は、エネルギー供給を電気エネルギーに変換するか、又は、電気エネルギーを直接供給する2種以上の異なる装置を含むハイブリッドシステムを備えてもよい。
【0012】
機械10のスイッチドリラクタンス牽引システム16と、電源17と、その他の構成要素及びシステムの動作を制御するため、コントローラ21を使用してもよい。コントローラ21は、機械10との関連を示す図1において全般的に20として示した制御システムの構成要素であってもよい。制御システム20は、機械10の種々の動作パラメータを示すデータ及びその他の入力信号を供給するため、1つ又は複数のセンサを備えてもよい。
【0013】
コントローラ21は、動作の実施、制御アルゴリズムの実行、データの記憶と検索、及びその他の所望の動作を行うため、論理的に動作する電子コントローラであってもよい。コントローラ21は、メモリと、二次記憶装置と、プロセッサと、アプリケーションを動作させるためのその他の構成要素とを備えるか、又はこれらにアクセスしてもよい。メモリ及び二次記憶装置は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、又はコントローラによってアクセス可能な集積回路の形態であってもよい。電力供給回路、信号調整回路、ドライバ回路、及びその他の種別の回路等、その他種々の回路がコントローラに関連付けられてもよい。
【0014】
コントローラ21は、単一のコントローラであってもよく、あるいは機械10の種々の機能及び/又は特徴を制御するために配された複数のコントローラを含んでもよい。「コントローラ」という用語は、機械10と関連付けられ、機械の種々の機能及び動作の制御において協働してもよい1つ以上のコントローラ及び/又はマイクロプロセッサを含むものとして広義で使用される。コントローラ21の機能は、いずれもハードウェア及び/又はソフトウェアに実装されてもよい。コントローラ21は、スイッチドリラクタンス牽引システム16及び機械10のその他の機能を制御してもよい。
【0015】
図2は、各スイッチドリラクタンス牽引システム16に関連付けられてもよいスイッチドリラクタンスモータ25等の回転電気機械の概略図である。図2に示すとおり、8/4の2相スイッチドリラクタンスモータ25(すなわち、8つの固定子極28、4つの回転子極29、及び2相導通)は、固定子26と、固定子に対して回転可能な回転子27とを備えてもよい。位相の数は、固定子極28及び回転子極29の数と同様に一例であり、これに限定されるものでない。換言すると、スイッチドリラクタンスモータ25は、第1の複数の固定子極28と、第2の複数の回転子極29とを有してもよい。
【0016】
図示のとおり、固定子26は、径方向内側に突出した8つの固定子極28を備え、回転子27は、径方向外側に突出した4つの回転子極29を備える。各固定子極28は、径方向内側に突出し、内側端面31と、反対方向に面した一対の側面32とを有する。33で表される、反対方向に面した側面32(すなわち固定子極28の第1側面と第2側面)間の距離は、各極が固定子26周りの周方向において全般的に一定の幅を有するように、全般的に一定となる。
【0017】
固定子26はさらに複数の固定子スロット35を備え、各固定子スロットが一対の固定子極28の間に角度的に位置づけられていることにより、各固定子極28が一対の隣接する固定子スロット35間に角度的に位置づけられるようにする。従って固定子スロット35の数は、固定子極28の数に等しい。各固定子スロット35は、回転子27に向かって開放されており、縁部すなわち外面36と、隣接する固定子極28の反対方向に面した側面32によって画定される両側の側方縁部37と、固定子スロットの開口39に全般的に沿い、すなわち、開口39を横切るように延設された内側境界部38とを有する。後述のとおり、保持構造55は、固定子スロット35内の各固定子極28上に位置づけられたコイル45を保持するため、開口39を横切るように両側の側方縁部37に掛け渡されている。従って各固定子スロット35の内側境界部38は、図6に最もよく示されているとおり、各固定子極28の内側端面31から離間していてもよい。
【0018】
固定子26が円形断面を有しており、各固定子極28が円弧方向すなわち周方向に全般的に一定の幅を有しているため、各固定子スロット35は、先細りする幅、すなわち、外面36から開口39に向かって全般的に均一又は直線的に狭くなる幅を有する。このような構造により、固定子26は、開放スロット構成を有すると言ってもよい。各固定子スロット35の中央線40は、一対の隣接する固定子極間に延びており、固定子スロットの反対方向に面した側方縁部37間の中点に全般的に沿って延びている。
【0019】
固定子極28は、スイッチドリラクタンスモータ25の位相数(例:2つ)に対応する固定子極28の2つ以上のセットにグループ分けされてもよい。図示の例では、8つの固定子極28が2つの位相セットにグループ分けされており、4つの固定子極が(A+及びA-として図示)が1つの位相セットにグループ分けされ、4つの固定子極(B+及びB-として図示)がもう1つの位相セットにグループ分けされている。回転子極29は、直径方向に配列された対でグループ分けされてもよい。
【0020】
各固定子極28は、周囲を包囲する導電性巻線すなわちコイル45を有する。位相セットの各グループ(A+及びA−と、B+及びB−)の固定子極28の周囲に位置づけられたコイル45は、並列又は直列に、電気的に接続されており、電気回路の一部として構成されてもよい。図3は、並列に接続された位相Aのコイルを示している。位相Bのコイルは、図3のコイルと同様に配置されてもよい。
【0021】
スイッチドリラクタンスモータ25は、巻線又は磁石を備えていない回転子27を有する。回転子27は、鉄の一片からなる連続環状部材(図示せず)を鉛直方向に積層して形成されてもよい。その他の構造及び構成を備えた回転子27も考えられる。また図2のモータはスイッチドリラクタンスモータとして示したが、本明細書に記載の概念は、スイッチドリラクタンス発電機等、その他の回転電気機械にも適用可能である。この概念はさらに、例えば回転子27が永久磁石を有するか、又はその他の構造若しくは構成を備えた他の回転電気機械にも適用可能である。
【0022】
作動中、スイッチドリラクタンスモータ25の回転子27の回転は、直流電流を固定子極28のコイル45に供給することにより、隣接する固定子極28のセットに対して連続的に励起すなわちエネルギー供給を行うことによって達成される。固定子極28へのエネルギー供給により、回転子極29を引き付ける磁束を生成し、これがエネルギー供給対象の固定子極28に対して回転子極29を配列させる傾向を与える。エネルギー供給対象の固定子極28に対して回転子極29が配列されると、エネルギー供給対象の固定子極への直流電流は停止され、続いて次の固定子極28に供給が行われる。そして回転子極29は、次の固定子極セットに引き付けられることにより、回転子27の連続的な回転を生じさせる。このプロセスは、スイッチドリラクタンスモータ25の作動中、継続される。エネルギー供給対象の固定子極28に対して回転子極29を配列させる傾向により、トルクが生成される。連続的な固定子極28の励起を回転子極29の瞬間的位置と同期させることにより、連続トルクを生成してもよい。
【0023】
図4を参照すると、固定子26の一部が、隣接する固定子極28の周囲に位置づけられた2つのコイル45とともに示されている。各コイル45は、全般的に同一であり、中央開口47の周囲を所定の回数、すなわち、所定の回転数、楕円状に包囲したワイヤグループを画定する、複数の導電性ワイヤ46によって形成されている。中央開口47は全般的に、固定子極28の断面サイズと対応することにより、スイッチドリラクタンスモータ25の製造中、コイル45が固定子極28上をスライドできるようにしている。各コイル45は、一対の長い、すなわち長尺の側面48と、この一対の長尺側面と交差する一対の短い、すなわち短尺の側面49を有する。従って各コイル45は、第1固定子スロット35を通る第1部分51と、第2固定子スロット35を通る第2部分52とを有する。第2固定子スロット35は、第1固定子スロットと隣接しており、第1固定子スロット及び第2固定子スロットは固定子極28によって離間している。
【0024】
コイルは、各々が略円形の断面を有する複数の導電性ワイヤ46によって形成されてもよい。導電性ワイヤ46が、楕円形、四角形、又は矩形等、非円形断面を有する構成であってもよい。導電性ワイヤ46は、銅等の導電率及び可撓性の高い素材で形成されてもよく、その上に絶縁層を有してもよい。一実施形態において、エナメル絶縁層を有する磁気ワイヤが使用されてもよい。
【0025】
一実施形態において、コイル45は、約8インチの長さを有する一対の長尺側面48と、約2インチの長さを有する一対の短尺側面49とを備えて製造されてもよい。ワイヤグループは、各々約0.05インチの直径を有する7つの導電性ワイヤ46を含んでもよく、中央開口47の周囲を56回周回してもよい。このようなコイルは、56周していると称することもある。他の同様の実施形態において、ワイヤグループは、約5〜9つの導電性ワイヤ46を含んでもよい。所望により、他の数の導電性ワイヤ46を使用してもよい。2つほどの僅かな導電性ワイヤ46を使用する例と、30に及ぶワイヤを使用する例とを考慮した。
【0026】
導電性ワイヤ46はまた、他の直径を有してもよい。他の実施形態において、導電性ワイヤ46は、約15〜18ゲージのワイヤであってもよい。その他の数、及び、その他の直径の導電性ワイヤ46を使用してもよい。例えば、ワイヤの数を増やす一方でその直径を小さくすることで、結果として同等の性能を得るようにしてもよい。しかしながら、状況によっては、ワイヤの数を増やすことでワイヤグループの断面における絶縁体のパーセンテージを増してしまうこともあり、望ましくない。
【0027】
ワイヤグループを中央開口47の周囲に周回させる回転数すなわち回数は、スイッチドリラクタンスモータ25に望む電気的性能に基づいて判定又は設定されてもよい。従って中央開口47の周囲の回転数は、所望に応じて調整されてもよい。
【0028】
中央核の周囲を周回するワイヤグループは、互いに捩った個別の導電性ワイヤ46によって形成される。ワイヤは、種々の方法で捩られてもよい。一例によると、導電性ワイヤ46は、ワイヤグループを通じて、全般的に軸周りに略連続的に捩られてもよい。他の例によると、導電性ワイヤ46は、複数のワイヤ供給部(図示せず)からテンショナ(図示せず)を介して繰り出されてもよく、このテンショナは(所望によってワイヤ供給部も)、ワイヤを捩るために回転させてもよい。導電性ワイヤ46は、所望に応じて、コイル45を形成するために繰り出され、固定部(図示せず)の周囲に周回させられる際に捩られてもよい。
【0029】
導電性ワイヤ46の捩り方を問わず、これによってワイヤの捩れを比較的緩く形成する。このようにワイヤを緩く捩ることにより、コイル45が固定子極28に搭載される際、個々の導電性ワイヤ46が他のワイヤグループに対して横方向に動作できるようにしてもよい。前述の例によると、ワイヤグループは、中央開口47の周囲を進む間に約2回捩られてもよい。導電性ワイヤ46が捩られる際、ワイヤグループが幾分か円形断面を呈するようにしてもよい。しかしながら、ワイヤを緩く捩ることにより、ワイヤグループ内の他のワイヤに対して各導電性ワイヤ46が横方向に動けるようにする。コイル45が固定子極28に一旦搭載されると、導電性ワイヤ46は横方向に十分に移動することにより、ワイヤグループの各巻回すなわち周回がワイヤの他の巻回すなわち周回部分から容易に識別できなくてもよく、個々の導電性ワイヤ46は、比較的ランダムに位置づけられ、すなわち各固定子スロット35内において不均一に位置づけられて見えるようにしてもよい。
【0030】
図示の実施形態において、ワイヤグループは中央開口47の周囲を周回する毎に2回捩られているが、他の実施形態によると、導電性ワイヤ46は中央開口47の周囲を周回する毎に約1〜5回捩られてもよい。他の適用例及び構成によると、導電性ワイヤ46が横方向に移動でき、導電性ワイヤの位置決めが所望の電気的性能を満たす限り、ワイヤグループをより低速又はより高速に捩ることもできる。
【0031】
図6は、固定子スロット35と、コイル45を周囲に位置づけた一対の隣接する固定子極28とを通る断面図である。一方のコイル45の第1部分51と、隣接の第2コイル45の第2部分52とは各々、固定子スロット35内に位置づけられる。非導電性スペーサ56は、一方のコイル45の第1部分51を隣接の第2コイル45の第2部分52から離間するため、各固定子スロット35の中央線40に全般的に沿って位置づけられてもよい。ワイヤグループ形成の際に導電性ワイヤ46を緩く捩ったため、これらは少なくともコイル45の長尺側面48に沿って、一巻回内で他の導電性ワイヤに対して横方向に移動することができる。従ってコイル45が固定子極28上をスライドする際、個々の導電性ワイヤ46は、固定子スロット35を比較的強固に埋めるように移動してもよい。この動きにより、結果として、ワイヤグループの隣接する巻回間の開口部すなわち隙間の多くを、導電性ワイヤ46の横方向の動きで埋めるようにしてもよい。
【0032】
上述のとおり、導電性ワイヤ46を比較的緩く捩ったため、このワイヤは、各コイル45がその固定子極28に搭載される際、横方向に移動してもよい。コイルの長尺側面48に沿った導電性ワイヤ46は、その固定子スロット35内において横方向に移動することにより、ワイヤ間の開口部の数及びサイズを減じるようにしてもよい。場合によっては、各コイル45の短尺側面49に沿うワイヤ部分は、短尺側面に沿ったワイヤの捩れを比較的低減するか、又は取り除くように移動してもよい。このような場合、ワイヤグループの各巻回において依然として捩られるものの、捩られた部分はコイル45の長尺側面48に沿った巻回部分に集中する傾向がある。このような場合、導電性ワイヤ46は、コイル45を形成する際に比較的一定して捩られるが、この捩れは各巻回の長さ方向に沿って一定していなくてもよい。
【0033】
図6に示すとおり、固定子スロット35を通る断面に沿った、ワイヤグループの隣接の巻回間の隙間すなわち均一な空間は、著しく低減されるか、又は全般的に除去されてもよい。換言すると、ワイヤグループの個々の導電性ワイヤ46が緩く捩られるため、このワイヤは横方向に移動することにより、個々のワイヤが全般的にランダムに配置されるように見え、ワイヤグループの各巻回すなわち周回の輪郭又は境界が実質的になくなるようにしてもよい。例えば図7において、ワイヤグループの第1巻回60は、僅かに円形断面又は境界を備えて示されている。ワイヤグループの第2巻回61は、僅かに円形断面を備えて示されている。ワイヤグループの第3巻回62及びワイヤグループの第4巻回63は各々、全般的に異なる断面を有している。このように、ワイヤグループは当初は略円形の断面を有するものの、固定子スロット35内にコイル45を位置づけるに連れて、ワイヤグループの巻回の大部分又は全部のワイヤが非円形断面を有するようにシフトされてもよい。
【0034】
図6に戻ると、固定子スロット35内で各固定子極28に位置づけられたコイル45を保持するため、全般的に非導電性の板状部材等の保持構造55が、開口39を横切るようにして、全般的に隣接した回転子スロットの両側の側方縁部37に掛け渡されてもよい(図を明確に示すため、保持構造55は図4に示されていないが、図6に示すとおり、各固定子スロット35を横切るようにして固定子極28間に延設されていることに留意されたい)。
【0035】
開示の構造により、比較的密な(すなわち空気量が減じられた)コイル構成を得てもよい。各コイル45の第1部分51は、一方の固定子極28の側面32と、全般的に固定子スロット35の外面36から固定子スロットの内側境界部38への第1通路に沿った固定子スロットの中央線40との間の一方の固定子スロット35を全般的に埋めてもよい。同様に、同一のコイル45の第2部分52は、固定子極28の他方側と、全般的に固定子スロットの外面36から内側境界部38への第2経路に沿った固定子スロット35の中央線40との間の、固定子極28の他方側の固定子スロット35を全般的に埋めてもよい。各固定子極28の周囲にコイル45を位置づけるに連れて、各固定子スロット35は、一方のコイル45の第1部分51と、隣接のコイルの第2部分52とをその内部に位置づけることとなる。非導電性スペーサ56は、一方のコイル45の第1部分51と、隣接の第2コイルの第2部分52との間に位置づけられてもよい。さらに第1部分51及び第2部分52は、保持構造55によって固定子スロット35内に保持されてもよい。
【0036】
コイル45を形成するにあたり、複数の個々のワイヤ供給装置(図示せず)を回転可能な固定部又はターンテーブル(図示せず)に位置づけ、ワイヤグループを画定する導電性ワイヤ46を引張構造(図示せず)を介して繰り出してもよい。引張構造には、導電性ワイヤ46を通す複数の開口又は単一の共通開口が備えられてもよい。
【0037】
導電性ワイヤ46は、引張構造から繰り出され、中央開口47と略同一のサイズ及び形状の外面を有する折畳み式ボビン又は固定部(図示せず)の周囲に巻き付けられてもよい。ワイヤグループが固定部の周囲に巻き付けられる間、ターンテーブルを所定の速度で回転することにより、導電性ワイヤ46を固定部に巻き付けつつ、捩るようにしてもよい。換言すると、ワイヤグループは、コイル45を作成するために固定部に巻き付けられる間、ターンテーブルを回転させることによって捩られてもよい。他の実施形態において、ワイヤグループは、固定部の周囲にワイヤを巻き付けるのに先立って別のプロセスの一部として捩られてもよく、あるいは予め捩られたワイヤグループとして供給装置から供給してもよい。
【0038】
導電性ワイヤ46を捩るためにターンテーブルが回転する速度は、ワイヤグループが固定部の周囲を周回させられる速さに基づいて設定されてもよい。一実施形態において、ターンテーブルは、ワイヤグループが固定部の周囲に一巻回する毎に所定の回数(例:約1〜5つの捩れ)導電性ワイヤ46を捩るように設定されてもよい。この関係(巻回毎に約1〜5つの捩れ)は、コイル45のサイズの比較的広い範囲に亘って維持されてもよい。僅か3インチほどの長さの長尺側面48を有するコイルも考慮されており、また25インチに及ぶ長さの長尺側面48も考慮されている。開示の構造は、この範囲以外の他のサイズのコイルにも使用されてよい。
【0039】
さらに、開示の概念は、ワイヤグループを形成する導電性ワイヤ46の単位長さ当たりの捩れの数を特定することによって使用されてもよい。換言すると、グループワイヤの一巻回当たりの導電性ワイヤ46の捩れの数を特定するよりも、ワイヤの単位長さ当たりの捩れ(例えばインチ当たりの捩れ)の数を特定する方が望ましい。
【0040】
導電性ワイヤ46が固定部の周囲に所望の回数巻き付けられると、すなわち、この周囲に周回させられると、コイル45のワイヤはテープ57等によってともに固定された後、コイルが固定部から取り外されてもよい。この種のコイル45は、巻線が同一の磁気軸を有する複数巻回コイルを形成し、単一の固定子極28の周囲に固定されるため、集中巻コイルと称されることもある。
【0041】
固定子26は、一片からなる連続的環状鉄部材(図示せず)を複数積層することによって形成されてもよい。各鉄部材の間には、絶縁材料層(図示せず)が設けられてもよい。コイル45は、固定子極28を各コイル45の中央開口47を通ってスライドさせるように、コイルを固定子に対して移動させることにより、固定子26に搭載されてもよい。コイル45を各固定子極28上にスライドさせる間、各巻回の導電性ワイヤ46の少なくとも一部は、同一巻回中の他の導電性ワイヤ46に対して横方向に移動してもよい。一実施形態において、横方向に移動される導電性ワイヤ46の部分は、コイル45の長尺側面48に沿って位置づけられる。この構成により、各固定子スロット35を横切るように、各コイル45の断面に沿ったワイヤグループの隣接の巻回間の隙間又は均一な空間を全般的に取り除く。コイル45は、当初は略対称的な断面を有して形成されており、コイル45を固定子極28に搭載する際、各巻回毎の導電性ワイヤ46の少なくとも一部を横方向に移動させることによって、その部分を通る断面形状が全般的に非対称となるようにコイルの形状を変形させてもよい。非対称の断面は、固定子極28によって離間された隣接する一対の固定子スロット35の一部を横切って延びてもよい。
【0042】
コイル45は、例えば、開口39を横切って、全般的に隣接した固定子スロットの両側の側方縁部37を掛け渡す保持構造55を挿入することによって、固定子スロット35内に固定される。両側の固定子極28に搭載されたコイル45は、両側のコイル対を形成すべく、電気的に接続されてもよい。このような両側のコイル対の巻線は、所望により、電気回路の一部として並列又は直列に電気的に接続されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本明細書に記載の回転電気機械の産業上の利用可能性は、以上の説明から容易に理解されるであろう。以上の説明は、動作条件の範囲を超えて、回転電気機械の電気的効率及び性能を向上することが望ましい、スイッチドリラクタンスモータ25等の回転電気機械に適用可能である。
【0044】
開示の回転電気機械の構造及び固定子アセンブリの製造方法によって、電気的性能及び効率の向上と、銅損の低減を達成してもよい。例えば、本明細書に記載のコイル45を使用したスイッチドリラクタンスモータ25により、モータ内の銅損を著しく低減してもよい。例えば、導電体の表皮効果による損失は、スイッチドリラクタンスモータ25の動作周波数に比して導電性ワイヤ46の直径を比較的小さくすることにより、著しく低減されてもよい。さらに、導電性ワイヤ46の直径を比較的小さくすることにより、導電体内の渦電流も低減する。さらに(図6に示すとおり)固定子スロット35内の銅密度を増すことによっても、ワイヤグループの個々の導電性ワイヤ46間の空隙を低減し、熱伝導率を向上してもよい。
【0045】
開示の構造により、ワイヤグループ内で個々の導電性ワイヤ46を比較的ランダムに位置づけることで、近接効果も低減する。これは部分的に、ワイヤが比較的緩く捩られていることと、ワイヤが固定子スロット35内に位置づけられる際、横方向に動くこととによるものである。開示の構造によると、固定子スロット35内でワイヤグループの個々の導電性ワイヤ46が比較的ランダムに位置づけられるため、ストランド間の循環電流が低減される。例えば、回転子極29により近接したコイル45の導電性ワイヤ46は、回転子極29からより離間したワイヤに比して、誘導電圧の差が大きくなる。個々の導電性ワイヤ46を中央開口47の周囲に巻き付ける際に捩ることにより、導電体はワイヤグループの各巻回内の位置を変化させ、結果として、個々の導電性ワイヤ46の回転子極29からの距離を全般的に平均化するようにしている。結果として、回転子極29を介して各導電性ワイヤ46に誘導された電圧は全般的に平均化され、個々のワイヤが異なる誘導電圧に晒されることによるストランド間の循環は低減される。
【0046】
ワイヤグループ内で導電性ワイヤ46を比較的緩く捩ることにより、結果として、図6に最もよく示すとおり、固定子スロット35内の効率的な容積利用すなわちワイヤの充填を行うことができる。ワイヤグループの個々の導電性ワイヤ46がきつく捩られた場合、きつく捩られたワイヤは、比較的大きな、幾分剛性の高い、略円形の構造を形成することとなる。コイル45が固定子極28上をスライドする際、比較的大きな空隙がワイヤグループの隣接する巻回間に存在することもある。比較的緩く導電性ワイヤ46を捩ることにより、個々のワイヤは、コイル45が各固定子極28上をスライドする際に互いに対して横方向に移動することができ、引いては、固定子スロット35をより効率的に埋めることができる。このような構造により、より質量の大きな導電体(例:銅線)を固定子スロット35内に位置づけてもよい。導電体の密度が上昇することにより、結果として、コイル45の抵抗を下げ、特定の電圧に対する通電能力を向上し、引いてはスイッチドリラクタンスモータ25の動作をより効率的にする。
【0047】
以上の説明は、開示のシステム及び技術を例示したものであると理解されるであろう。しかしながら本開示の他の実装は、詳細において、前述の例と異なってもよいと考えられる。本開示又はその例の参照はすべて、その時点で説明していた特定の例を参照することを意図してなされたものであり、本開示のより一般的な範囲を限定する意図は含まれていない。特定の特徴に対する差別的且つ批判的表現は、これらの特徴が優先的特徴でないことを意図するものであり、別段の指摘のない限り、全体として本開示の範囲から除外するものでない。
【0048】
本明細書中の数値範囲の記述は、別途指摘のない限り、範囲内に収まる各独立の値を言及する簡略な方法として機能させることのみが意図されており、各独立の値は、各々個別に本明細書に記載されているものとして明細書に組み込まれる。本明細書に記述の方法はすべて、本明細書中に別段の指摘のない限り、又は文脈と明らかに矛盾することがない限り、あらゆる好適な順序で実施することができる。
【0049】
従って本開示は、適用可能な法によって容認されるとおり、添付の請求項に記載の主題の修正物及び同等物をすべて含む。さらに、本明細書に別段の指摘のない限り、又は文脈と明らかに矛盾することがない限り、あらゆる可能なバリエーションにおける上述の要素のいかなる組み合わせも本開示の範囲内である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7