(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(a)自己限定的なハーフバイレイヤーを形成するのに十分な材料が堆積層中に存在するようにして、第一の堆積材料及び第一の溶媒を含む第一の堆積溶液を適用して、表面上に堆積層を形成すること、
(b)前記堆積層を前記表面と時間tdepにわたって接触させることにより、前記第一の堆積材料のコーティング層を表面に結合させそして形成させること、ここで、形成されたコーティング層はハーフバイレイヤーであり、前記堆積層中の第一の堆積材料の濃度は第一の堆積材料が前記表面に結合するときに低下される、
(c)前記堆積層にリンス溶液を適用して、残留リンス層を形成し、そして未結合の第一の堆積材料を時間trinseにわたってコーティング層から拡散させること、ここで、trinseの間に、前記コーティング層付近の未結合の第一の堆積材料の濃度は低下する、
(d)0μm以上、5μm未満の厚さに前記残留リンス層の厚さを低減させること、及び、
(e)第二の堆積材料および第二の溶媒を含む第二の堆積溶液をステップ(d)において得られた前記残留リンス層上に適用して堆積層を形成すること、
を含み、
前記第一の堆積材料がナノ粒子の形態でありおよび前記第二の堆積材料が多価電解質の形態であるか、または前記第一の堆積材料が多価電解質の形態でありおよび前記第二の堆積材料がナノ粒子の形態であり、
前記残留リンス層の厚さはエアナイフ、スキージ、ニップローラ、熱、真空、並進移動、超音波エネルギー、磁界、電界又はそれらの組み合わせの適用により低下され、
tdep+trinse<10秒である、ハーフバイレイヤーの堆積方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
LbL法のスケールアップはバイレイヤーの数(すなわち、コーティング厚さ)の増加及び/又は横方向寸法(すなわち、コーティング面積)の増加を伴う。以前から、交互積層法のスケールアップの間の問題が明らかになっている。このような問題としては、不均一性、2つのバイレイヤー又は2つのタイプのバイレイヤーの界面の間での界面ブレンディング、光学ヘイズの増加、成長率のより高い変動性、及び、表面粗さの増加が挙げられる。これらの欠点の幾つかは特定の用途では時に望ましいことがあるが、これらの効果の制御は大面積にわたる再現性のある処理及び応用の高価値の達成のために必要である。LbL法のスケールアップの課題は、また、プロセスの均一性及び制御性を維持しながら、材料輸送効率を改良すること、生産量又はライン速度を増加することを含む。
【課題を解決するための手段】
【0006】
要旨
1つの態様において、本発明は、交互積層構築のハーフバイレイヤーを形成するための急速かつ高輸送効率の堆積法であって、該方法は、
(a)堆積材料を含む堆積溶液の層を表面上に厚さ(d
dep)で形成すること、ここで、d
depは
【数1】
により示される、
(b)前記堆積溶液及び前記表面の間の接触の最小待機時間(t
dep−min)を維持すること、ここで、t
dep−minの間に、ハーフバイレイヤーが形成され、そしてt
dep−minは
【数2】
である、
を含み、
上式中、
C
Sは表面上の堆積材料の所望の二次元濃度であり、C
Bは堆積溶液中の堆積材料のバルク濃度であり、d
depは表面上の堆積溶液の層、又は、堆積層の厚さであり、effは堆積材料の輸送効率であり、0.03を超え、そして、Dは堆積溶液中の堆積材料の拡散係数であり、t
dep−minは最小待機時間であり、10秒未満であり、そして、形成されるハーフバイレイヤーの厚さは堆積材料のモノレイヤーの厚さ以下である、方法を提供する。
【0007】
ある実施形態において、
【0008】
表面は基材表面、残留リンス層、又は、交互積層フィルムの一部分から選ばれる。
【0009】
前記方法は、過剰の堆積溶液を除去するために前記表面にリンス溶液を適用することを含み、該適用は残留リンス溶液を含む残留リンス層を形成する。
【0010】
前記方法は、前記表面上に残留している残留リンス溶液を除去することを含む。
【0011】
前記方法は工程(a)及び(b)を繰り返して、複数のハーフバイレイヤーを含む交互積層構築フィルムを形成することを含む。
【0012】
C
Sはランダム充填した球を基準とした表面濃度でありここで、面積被覆率は0.45〜0.54である。このような値はナノ粒子の関係で提供されるが、限定することを意図せず、非粒状物又は非球形粒子材料(例えば、小分子、多価電解質など)も本明細書中に記載される方法及び装置において使用されてよい。
【0013】
前記表面上に残留している残留リンス溶液は厚さが5ミクロン未満であるが、500nmを超える。
【0014】
堆積溶液の層はスプレイプロセスにより適用される。
【0015】
堆積材料はナノ粒子を含み、該ナノ粒子のC
Bは4×10
19/cm
3〜2×10
13/cm
3である。このような値はナノ粒子の関係で提供されるが、限定することを意図せず、非粒状物又は非球形粒子材料(例えば、小分子、多価電解質など)も本明細書中に記載される方法及び装置において使用されてよい。
【0016】
形成されたハーフバイレイヤーは少なくとも16平方インチの面積にわたって厚さ又は光学特性の3%未満のばらつきを示す。
【0017】
別の態様において、本発明は、本明細書中に記載されるとおりの方法を用いて、少なくともハーフバイレイヤーを堆積することを含む、高い輸送効率eff及び急速な堆積−リンス−堆積サイクル時
間の交互積層構築フィルムの堆積方法を提供する。
【0018】
別の態様において、本発明は、(a)自己限定的なハーフバイレイヤーを形成するのに十分な材料が堆積層中に存在するようにして、第一の堆積材料及び第一の溶媒を含む第一の堆積溶液を適用して、表面上に堆積層を形成すること、(b)前記堆積層を前記表面と時間t
depにわたって接触させることにより、前記第一の堆積材料のコーティング層を表面に結合させそして形成させること、ここで、形成されたコーティング層はハーフバイレイヤーであり、前記堆積層中の第一の堆積材料の濃度は第一の堆積材料が前記表面に結合するときに低下される、(c)前記堆積層にリンス溶液を適用して、残留リンス層を形成し、そして未結合の第一の堆積材料を時間t
rinseにわたってコーティング層から拡散させること、ここで、t
rinseの間に、前記コーティング層付近の未結合の第一の堆積材料の濃度は低下する、及び、(d)場合により、残留リンス層の厚さを低減させること、を含む、ハーフバイレイヤーの堆積方法を提供する。
【0019】
ある実施形態において、
【0020】
工程(c)及び(d)をz回繰り返して、未結合の堆積材料をさらに除去し、未結合の第一の堆積材料をコーティング層から拡散させる各々のこと(すなわち、各繰り返し)は、時間t
rinse_zにわたって独立に行われ、zは整数インデックスである。
【0021】
前記方法を複数回繰り返し、複数の積層したハーフバイレイヤーを形成し、そして前記方法は交互積層構築フィルムを形成するための方法である。
【0022】
交互積層構築フィルムは高い輸送効率(eff)及び急速な堆積−リンス−堆積サイクル時間で形成される。
【0023】
前記表面は、基材、残留リンス層、又は、交互積層フィルムの一部分である。
【0024】
前記交互積層構築フィルムは複数のハーフバイレイヤーから形成される。
【0025】
残留リンス層の厚さはエアナイフ、スキージ、ニップローラ、熱、真空、並進移動、超音波エネルギー、磁界、電界又はそれらの組み合わせの適用により低下される。
【0026】
eff>0.03である。
【0027】
t
dep+t
rinse<10秒である。
【0028】
前記残留リンス層の厚さの低下はリンス溶液への1種以上の添加剤の添加により促進される。
【0029】
別の態様において、本発明は、LbL法によりバイレイヤーを形成するのに使用されるナノ粒子溶液の形成方法であって、水、ナノ粒子、及び、デバイ層厚さが1〜10ナノメートルとなるような濃度の塩、pH調節剤又はそれらの組み合わせから選ばれる成分を合わせることを含む方法を提供する。デバイ厚さは凝集に関して観察する安定性実験により計算又は測定されうる。
【0030】
ある実施形態において、
【0031】
(a)一連のコーティングにおける各コーティングがユニークなナノ粒子溶液及び標準的な多価電解質溶液の交互の堆積を用いてLbL様式で調製され、そして、基材上に配置された1つ以上のバイレイヤーを含む、一連のコーティングを調製すること、但し、(i)各ユニークなナノ粒子溶液は一連のナノ粒子溶液から選ばれ、一定の濃度のナノ粒子及びユニークな濃度の塩を含み、(ii)一定の濃度のナノ粒子は所望のC
S(例えば、基材の飽和領域)を達成するのに十分であり、そして、(iii)表面の飽和が完全となるようにバイレイヤー堆積の間に十分な時間が提供される、(b)(a)において調製された各コーティングの厚さを測定し(すなわち、物理的又は光学的に)、そして各コーティングの平均バイレイヤー厚さを決定すること、(c)(b)において測定された厚さから塩の濃度範囲を特定すること、ここで、バイレイヤーの厚さは塩の濃度の1ミリモル濃度の変化当たりに1%未満(又は、ある実施形態において、0.5%未満、0.25%未満又は0.05%未満)だけ変化する、及び、(d)特定された塩の濃度範囲内から塩の濃度を選択することを含む方法により決定される塩の濃度で塩は存在する。
【0032】
一連のコーティングは3つ以上(又は、ある実施形態において、5以上、10以上、15以上)のコーティングを含む。
【0033】
選択される塩濃度は特定された塩濃度範囲の中間点である。
【0034】
溶液のpHはζポテンシャルがpHの変化とともに比較的に不変(例えば、1.0のpHの変化で5mV未満のζポテンシャル変化)となるようにpH調節剤を添加することにより調節される。
【0035】
別の態様において、本発明は、表面上に複数のバイレイヤーを含むコーティングの形成方法であって、該方法は(a)請求項1記載の方法により調製されるナノ粒子溶液を前記表面に適用し、第一のリンス溶液を前記表面に適用し、多価電解質を含む多価電解質溶液を前記表面に適用し、そして第二のリンス溶液を前記表面に適用して、バイレイヤーを形成すること、(b)(a)を複数回繰り返して、複数のバイレイヤーを形成すること、ここで、各バイレイヤーの厚さはナノ粒子の平均直径の68〜82%である、方法を提供する。
【0036】
ある実施形態において、
【0037】
前記多価電解質溶液は添加された塩を含む。
【0038】
前記第一のリンス溶液及び第二のリンス溶液は同一である。
【0039】
前記ナノ粒子溶液、多価電解質溶液、ならびに、第一のリンス溶液及び第二のリンス溶液はスプレイの形で前記表面に適用される。
【0040】
ナノ粒子溶液のpH又は塩濃度、あるいは、pH及び塩濃度の組み合わせはナノ粒子が複数のバイレイヤーにおいて密充填を形成するように選択される。
【0041】
密充填はランダム密充填である。
【0042】
ランダム密充填では球形ナノ粒子のハーフバイレイヤーについて空隙の平均3−D体積分率が0.25〜0.48となる。
【0043】
前記方法はナノ粒子が前記表面の少なくとも一部の上で密充填配列を形成するように、ナノ粒子溶液を適用した後で、第一のリンス溶液を適用する前に、十分な時間を経過させることをさらに含む。
【0044】
前記方法は第一のリンス溶液を適用した後に、過剰のリンス溶液及び溶媒を除去することをさらに含む。
【0045】
前記方法は第二のリンス溶液を適用した後に、過剰のリンス溶液及び溶媒を除去することをさらに含む。
【0046】
前記ナノ粒子は第一の結合基を含み、そして多価電解質は第二の結合基を含み、ここで、前記第一の結合基及び第二の結合基は相補的な結合対を形成する。
【0047】
本発明は上記の方法により調製されるコーティングをさらに含む。
【0048】
本発明は基材上に配置されたコーティングを含む物品をさらに含む。
【0049】
別の態様において、本発明は複数のバイレイヤーを含む多層フォトニック構造であって、各バイレイヤーは多価電解質の層及びナノ粒子の層を含み、(a)ナノ粒子の層の少なくとも一部はランダム密充填モノレイヤーとして配置されたナノ粒子を含み、(b)前記多層構造は多孔性であり、9インチ
2を超える表面積を有する表面を含み、そして(c)複数のバイレイヤーは200〜2500mmの範囲の波長において光学干渉効果を形成するように構成されている、構造を提供する。
【0050】
ある実施形態において、
【0051】
前記光学干渉効果は反射防止及び選択反射から選ばれる。
【0052】
前記複数のバイレイヤーは1層以上に1/4波長厚さ低屈折率層及び1層以上の1/4波長厚さ高屈折率層とされており、ここで、注目の波長(λ0)は200〜1500nmである。
【0053】
低屈折率層及び高屈折率層の合計数は奇数(例えば、ある実施形態において、3、5、7、9、11、13又は15)である。
【0054】
低屈折率層と高屈折率層との間の屈折率の差は0.4を超える。
【0055】
複数のバイレイヤーは基材上に配置されている。
【0056】
前記基材は基材から多層フォトニック構造を取り外す機構を含む。
【0057】
前記複数のバイレイヤーは自立性フィルムである。
【0058】
孔は空気、不活性ガス、固体材料又は液体により充填されている。
【0059】
多層フォトニック構造の屈折率は孔が空気により充填されているときにはn1であり、そして孔が空気以外の物質により充填されているときにはn2である。
【0060】
別の態様において、本発明は、上記のとおりの多層フォトニック構造の形成方法であって、該方法はLbL様式で基材上に複数のバイレイヤーを堆積させることを含む、方法を提供する。
【0061】
ある実施形態において、前記方法は液体材料が孔に吸収されるように液体材料に多層フォトニック構造を暴露することを含み、ここで、液体材料は架橋性刺激(たとえば、熱又は電磁線)の適用時に架橋することができる。
【0062】
本発明は、基材上に配置された上記の多層フォトニック構造を含む物品をさらに含む。
【0063】
別の態様において、本発明は、基材表面上にコーティングを形成するための装置であって、該装置は、
(a)(i)基材表面上の堆積領域に向けて第一の堆積溶液をスプレイするように構成された複数の第一の堆積ノズル、(ii)基材表面上の堆積領域に向けて第二の堆積溶液をスプレイするように構成された複数の第二の堆積ノズル、(iii)基材に向けてリンス溶液をスプレイするように構成された複数のリンスノズルを含む、複数のノズル、(b)前記複数のノズルに対向して1つ以上の適用位置に基材を配置するように構成された基材取扱システム(例えば、ある実施形態において、ローラー、ロール−ツー−ロールウェブハンドリング、エアスレッド、線状に作動するロボットアーム、基材を並進させる材料取扱アクチュエータなど)、及び、(c)前記複数のノズルにより溶液を表面上にスプレイした後に、表面上での液層の厚さを低下させるように構成された溶液除去デバイス(例えば、ある実施形態において、スキージ、スキージロール、真空バー又はエアナイフ又はコンタクトローラ)を含む、装置を提供する。
【0064】
ある実施形態において、
【0065】
前記堆積ノズルは1〜20μmの堆積層厚さを送達するように構成されている。
【0066】
基材取扱システムは前記複数のノズルの少なくとも一部による溶液の堆積後に、基材の堆積面と接触するように構成された1つ以上のコンタクトローラを含む。
【0067】
前記1つ以上のコンタクトローラは堆積ノズル及びリンスノズルによる溶液適用のために基材を位置決めするように構成されている。
【0068】
1つ以上のコンタクトローラの少なくとも1つは基材の堆積領域に近接している(例えば、12、10又は5インチ未満で離れている)。
【0069】
1つ以上のコンタクトローラの少なくとも1つは基材と接触し、表面上の堆積溶液又はリンス溶液の厚さを低下させ又は厚さのばらつきを低下させるように構成されている。
【0070】
前記方法はコンタクトローラから材料を除去する機構(例えば、ワイパー又はドクターブレード)をさらに含む。
【0071】
1つ以上のコンタクトローラの少なくとも1つは32マイクロインチ未満(又は、ある実施形態において、12、6又は2マイクロインチ未満)のAR(算術平均)表面粗さを有する表面仕上げを有する。
【0072】
前記溶液除去デバイスは1つ以上のコンタクトローラを含む。
【0073】
前記方法は基材から除去された液体廃棄物(廃棄堆積溶液、リンス溶液、又は、その両方であることができる)を回収するように配置された回収システムをさらに含む。
【0074】
前記液層厚さは堆積層厚さ及び残留リンス層厚さ又はそれらの組み合わせから選択される。
【0075】
前記第一及び第二の堆積ノズルは10ガロン/基材平方メートル/時未満(又は、ある実施形態において、1、0.1、0.01ガロン/基材平方メートル/時未満)に対応する流速で第一及び第二の堆積溶液を堆積させるように構成されている。
【0076】
前記溶液除去デバイスは真空アタッチメントであり、1つ以上のコンタクトローラの少なくとも1つに近接して(例えば、15、10、5ミル未満で)配置されている。
【0077】
前記溶液除去デバイスは複数のリンスノズルにより適用されたリンス溶液の50%を超える量を、対流により基材から除去するように構成されている。
【0078】
前記方法はノズル付近の雰囲気の少なくとも一部を通気するように構成された通気システム(例えば、真空、又は、微細化ドロップレットを除去するための空気流を形成するためのシステム+通気ボックス)をさらに含む。
【0079】
前記通気システムはエアロゾル化した堆積溶液を堆積領域に閉じ込めるように構成されている。
【0080】
前記複数の第一の堆積ノズル及び複数の第二の堆積ノズルは同一のノズルである。
【0081】
前記複数の第一の堆積ノズルは複数の第二の堆積ノズルとは異なる。
【0082】
前記複数の第一の堆積ノズル及び複数の第二の堆積ノズルは基材の堆積領域でスプレイパターンがオーバーラップするように構成されている。
【0083】
前記方法は軸を中心として複数のノズルの少なくとも一部分を振動するように構成された発振器をさらに含む。
【0084】
前記方法は基材の非堆積面と接触するように構成された1つ以上のコンタクトローラをさらに含む。
【0085】
前記方法は残留リンス層又は堆積層を処理するための複数の処理ノズルをさらに含む。
【0086】
前記複数の処理ノズルは残留リンス層又は堆積溶液に表面張力低下材料(例えば、溶媒又は界面活性剤)を適用するように構成されている。
【0087】
前記方法は残留リンス層の厚さを測定するように構成された鏡面反射測定デバイスをさらに含む。
【0088】
基材取扱システムは堆積溶液を適用するために少なくとも複数のノズル及びリンス溶液を適用するために少なくとも複数のノズルを順次に通して剛性基材を並進させる。
【0089】
前記基材は垂直方向に向けられている。
【0090】
前記基材は水平方向に向けられている。
【0091】
溶液は水平方向に向けられた下面に接触される。
【0092】
本発明は、上記のとおりの装置を含む堆積モジュールをさらに含む。
【0093】
本発明は上記のとおりの複数の堆積モジュールを含むシステムをさらに含む。
【0094】
幾つかの態様において、コーティングの形成方法が本明細書中に提供される。その方法は(a)交互積層様式で、第一の堆積溶液及び第二の堆積溶液を表面堆積し、バイレイヤーを形成すること、ここで、第一の堆積溶液は第一の結合基を有するナノ粒子を含み、そして第二の堆積溶液は第二の結合基を有する多価電解質を含み、ここで、第一の結合基及び第二の結合基は相補的な結合対を形成する、(b)第一の堆積溶液を堆積させた後に、過剰のナノ粒子を除去するためにリンス溶液を適用すること、及び、第二の堆積溶液を堆積させた後に、過剰の多価電解質を除去するためにリンス溶液を適用すること、(c)(a)及び(b)を複数回繰り返し、複数のバイレイヤーを形成すること、ここで、コーティングの温度は、少なくとも複数のバイレイヤーの形成を通して、上限温度未満でかつ下限温度を超える温度に維持される。
【0095】
別の態様において、本開示は(a)相補的な結合基を有する対の材料を交互積層様式でスプレイ塗布することにより第一のバイレイヤーを形成すること、(b)相補的な結合基を有する対の材料を交互積層様式でスプレイ塗布することにより第一のバイレイヤー上に第二のバイレイヤーを形成すること、ここで、第一のバイレイヤーの温度は第二のバイレイヤーの形成の前及びその間に第一のバイレイヤーの焼成温度を下回る温度に維持される、コーティングの形成方法を提供する。
【0096】
別の態様において、コーティングの形成方法が提供され、該方法は、(a)ナノ粒子、溶媒及び第一の塩を含む第一のコーティング溶液を表面に堆積させ、前記ナノ粒子が前記表面の少なくとも一部分の上で密充填配列を形成するのに十分な時間を経過させること、(b)(a)において形成された層の上にリンス溶液を適用すること、(c)過剰のリンス溶液及び溶媒を除去すること、及び、(d)多価電解質、溶媒及び第二の塩を含む第二のコーティング溶液を、ナノ粒子の密充填配列の上に堆積させて、第一のバイレイヤーを形成すること、ここで、ナノ粒子は第一の結合基を含み、そして多価電解質は第二の結合基を含み、ここで、第一の結合基及び第二の結合基は相補的な結合対を形成する。幾つかの態様において、前記方法は(a)第一のバイレイヤー上に追加の第一のコーティング溶液を堆積させ、ナノ粒子の密充填配列を第一のバイレイヤー上に形成すること、(b)(a)からのナノ粒子の密充填配列の上に追加の第二のコーティング溶液を堆積させ、第二のバイレイヤーを第一のバイレイヤーの上に形成することをさらに含む。
【0097】
なおも別の態様において、本開示は、複数のバイレイヤーを含む表面上のコーティングであって、ここで、各バイレイヤーはナノ粒子及び多価電解質を含み、バイレイヤー中に存在するナノ粒子の平均直径の65〜87%又は68〜82%の範囲の厚さにより画定されるコーティングを提供する。
【0098】
なおも別の態様において、本開示は、複数のバイレイヤーを含む表面上のコーティングであって、ここで、該コーティングは多孔性であり、バイレイヤーの一部分はナノ粒子の密に充填されたモノレイヤー及び多価電解質を含み、そしてナノ粒子は第一の結合基を含み、そして多価電解質は第二の結合基を含み、ここで、第一の結合基及び第二の結合基は相補的な結合対を形成する、コーティングを提供する。
【0099】
なおも別の態様において、本開示は、複数のバイレイヤーを含む、多層フォトニック構造であって、(a)バイレイヤーの一部分はポリマー及びナノ粒子の密に充填されたモノレイヤーを含み、(b)多層構造は多孔性であり、そして(c)バイレイヤーは光学干渉効果を形成するように構成されている、構造を提供する。
【0100】
なおも別の態様において、本開示は、多層フォトニック構造の形成方法であって、該方法は(a)バイレイヤーを堆積させること、ここで、バイレイヤーは多価電解質及びナノ粒子のモノレイヤーを含む、(b)(a)を複数回繰り返し、基材上に積層された複数のバイレイヤーを形成すること、ここで、複数のバイレイヤーは多孔性多層フィルムを形成する、を含む方法を提供する。
【0101】
なおも別の態様において、本開示は交互積層堆積法を制御する方法であって、(a)第一の堆積材料及び第一の溶媒を含む第一の堆積溶液を適用して、表面上に堆積層を形成すること、(c)前記堆積層を前記表面に時間t
depにわたって接触させることにより、表面上に第一の堆積材料のコーティング層を形成させること、ここで、前記堆積層中の第一の堆積材料の濃度は、第一の堆積材料が表面に結合するときに低下される、(e)前記堆積層にリンス溶液を適用すること、ここで、前記リンス溶液は前記堆積層を希釈し、残留リンス層を形成する、(g)第二の堆積材料及び第二の溶媒を含む第二の堆積溶液を適用して、表面上に堆積層を形成すること、ここで、前記第二の溶媒は場合により第一の溶媒と同一である、(i)前記堆積層を前記表面に時間t
dep2にわたって接触させることにより、第一の堆積材料のコーティング層に結合した第二の堆積材料のコーティング層を形成させること、ここで、前記堆積層中の第二の堆積材料の濃度は、第二の堆積材料が表面に結合するときに低下される、及び、(k)前記堆積層にリンス溶液を適用すること、ここで、前記リンス溶液は前記堆積層を希釈し、残留リンス層を形成する、を含む方法を提供する。工程(a)及び(g)の後に、前記方法は場合により、それぞれの堆積層を滑らかにし又は広げることを含む、工程(b)及び(h)の一方又は両方をさらに含んでよい。工程(c)及び(i)の後に、前記方法は場合により、それぞれの堆積層の厚さを低下させることを含む、工程(d)及び(j)の一方又は両方をさらに含んでよい。工程(e)及び(j)の後に、前記方法は場合により、それぞれの残留リンス層の厚さを低下させることを含む、工程(f)及び(l)の一方又は両方をさらに含んでよい。前記方法は場合により、(a)〜(l)を1回以上繰り返して、多層のバイレイヤー構造を形成することをさらに含んでよい。前記方法は場合により、工程(e−f)及び(k−l)の追加の繰り返しを必要に応じてさらに含んでよい。例えば、2段階リンス設定において、工程(e)及び(f)は、工程(g)への進行の前に、2回繰り返されてよい。
【0102】
なおも別の態様において、本開示は多層フィルムの形成方法であって、該方法は(a)第一の堆積溶液を基材に適用して、第一の堆積層を形成すること、ここで、前記第一の堆積層は溶媒及び第一の堆積材料を含む、(c)リンス溶液を前記第一の堆積層に適用して、第一の残留リンス層を形成すること、(e)第二の堆積溶液を適用して、第二の堆積層を形成すること、ここで、第二の堆積層は溶媒及び第二の堆積材料を含む、及び、(g)リンス溶液を前記第二の堆積層に適用して、第二の残留リンス層を形成すること、ここで、第一の堆積材料及び第二の堆積材料は相補的な結合単位を有する、を含む方法を提供する。前記方法は、場合により、工程(a)の後に、工程(b)をさらに含んでよく、工程(b)は第一の堆積層中の第一の堆積材料の平均拡散時間を低下させることを含む。前記方法は場合により、工程(c)の後に工程(d)をさらに含んでよく、工程(d)は第一の残留リンス層の厚さを低減することを含み、但し、(b)及び(d)の少なくとも一方が実施される。前記方法は場合により、工程(e)の後に工程(f)をさらに含んでよく、工程(f)は第二の堆積層中の第二の堆積材料の平均拡散時間を低下させることを含む。前記方法は場合により、工程(g)の後に工程(h)をさらに含んでよく、工程(h)は工程(d)は第二の残留リンス層の厚さを低減することを含み、但し、(f)及び(h)の少なくとも一方が実施される。
【0103】
なおも別の態様において、本開示は基材上にコーティングを形成するための装置であって、該装置は、第一の堆積溶液のスプレイ塗布のための複数の堆積ノズル、第二の堆積溶液のスプレイ塗布のための複数の堆積ノズル、リンス溶液のスプレイ塗布のための複数のノズル、基材を取り扱うための手段、及び、堆積層厚さ及び/又は残留リンス層厚さを低下させるための手段を含む装置を提供する。前記装置は、以下の場合により存在する1つ以上の部品:装置を通気するための手段、基材の堆積面と接触するように構成された1つ以上のコンタクトローラ、液体廃棄物を除去し又はリサイクルするための手段、過剰の溶液の除去を行うために真空を課すための手段、及び、残留リンス又は堆積溶液を処理するための複数のノズルをさらに含んでよい。
【0104】
なおも別の態様において、本開示は、表面上に所望の二次元濃度(C
S)の堆積材料を含むハーフバイレイヤーであって、ハーフバイレイヤーの厚さが堆積材料のモノレイヤーの厚さ以下であるハーフバイレイヤーを形成するための急速かつ高輸送効率の堆積法であって、該方法は、(a)堆積溶液を表面に適用して、表面上に直接的又は間接的に配置された堆積層を形成すること、及び、場合により、堆積層を薄くすること、ここで、堆積層は厚さがd
depであり、堆積溶液は溶媒及び堆積材料を含み、ここで、前記堆積層中の堆積材料の濃度はC
Bであり、前記堆積材料は堆積層中で拡散係数Dを有し、そしてeffは堆積材料の材料輸送効率であり、1.0未満の正の数であり、そして0.03より大きい、及び、(b)t
depが(C
S2/[C
B2×D])以上となるように時間t
depを経過させることを含む方法を提供する。前記方法は(c)リンス溶液を堆積層に適用して、残留リンス層を形成し、そして未結合の第一の堆積材料を時間t
rinseにわたって表面から拡散させること、ここで、表面付近の未結合の第一の堆積材料の濃度は低下する、及び、(d)残留リンス層の厚さを低下させることをさらに含んでよい。前記方法は相補的なハーフバイレイヤーを形成するために、自己のC
S、C
B、eff、D及びt
depでもって、相補的な堆積溶液を用いて、工程(a−d)を繰り返し、その結果としてバイレイヤーとすることをさらに含んでよい。該方法は、さらに、フィルムを形成するための複数の相補的なバイレイヤーの繰り返しを含むことができる。
【0105】
これら及び他の態様は、実施例、特許請求の範囲及び図面を含めて、下記に本明細書中に提供される開示から明らかであろう。
【発明を実施するための形態】
【0122】
詳細な説明
コーティング−組成及び物性
本開示はコーティングを調製するための方法、材料及び装置、ならびに、このようにして調製されたコーティング及びコーティングされた物品を提供する。コーティングの例ならびにその物性及び使用を下記に詳細に提供する。
【0123】
モノレイヤー幾何形状及び球充填
幾つかの実施形態において、本明細書中に記載のLbL堆積法はバイレイヤーをもたらし、ここで、各々のバイレイヤーはナノ粒子の密に充填した層ならびに多価電解質を含む。幾つかの実施形態において、本明細書中に記載のLbL堆積法はスプレイLbL堆積法である。多くの場合で、スプレイLbL堆積法を本明細書中に記載しているが、このような記載は記載の容易さのために使用されているだけであり、本開示をスプレイ塗布法に限定することを意図しない。特に指示がない限り、又は、内容から明らかでない限り、開示は他のLbL法(例えば、ディップなど)を包含することが意図される。
【0124】
本明細書中に使用されるときに、ナノ粒子の「密に充填された」層はナノ粒子が実質的に均一なモノレイヤーをナノ粒子の高い充填密度で形成していることを意味する。高い充填密度により、これは六方密充填、ランダム密充填、及び、当該分野で知られた他の密充填を含む充填配列を含む。幾つかの実施形態では、単分散ナノ粒子の三次元密度は50%を超え、又は、55%を超え、又は、60%を超える。幾つかの実施形態では、単分散ナノ粒子の三次元密度は50〜64%、又は、55〜64、又は、60〜64%である。
【0125】
幾つかの実施形態において、ナノ粒子はナノ球形体である。ナノ球形体との関係で、モノレイヤーは種々の充填幾何形状のいずれかを有することができ、正方(すなわち、各球は4つの直に隣接した球を有する)及び六方(すなわち、各球は6つの直に隣接した球を有する)から選ばれる充填幾何形状が挙げられる。任意のこのような幾何形状では、モノレイヤーはナノ粒子及びナノ粒子の間の空隙空間を含み、粒子間に空間のない完全な六方構造で起こる理論的な最大充填密度が存在する。
【0126】
六方充填ナノ球形体の関係で、「密に充填された層」は理論最大値と比較してナノ球形体の高い充填密度を有するものである。幾つかの実施形態において、密に充填された層は理論最大値の50、75、80、90、95又99%を超える充填密度を有する。下記により詳細に記載されるように、このように密に充填された層は1、10又は100μm
2を超える領域のような広い領域にわたって欠陥を最小限に有し又は欠陥を有せずに生じることができる。
【0127】
一般に、本明細書の全体にわたり、密に充填されたナノ粒子との参照はナノ球形体の六方充填の関係でなされる。しかしながら、このような参照は開示の理解の容易さのために例示的であることが意図され、限定することを意図しない。本明細書中に使用されるときに、用語「ナノ球形体」は必ずしも完全な球である必要がないが、形状が見かけ上、球であるナノ粒子を指す。このため、「ナノ球形体」は卵形、楕円、粗い球及び他の三次元的に丸い形状を含むことが意図される。
【0128】
幾つかの実施形態において、任意の2つの隣接バイレイヤーに関して、ナノ粒子の密に充填された層は三次元充填密度を最大化するようにして配置される。幾つかの実施形態において、ナノ粒子の隣接層は1つの層のナノ粒子が隣接層の凹部に沈んで配置されるようにずれている。本明細書中に使用されるときに、用語「凹部」はモノレイヤーにおけるナノ粒子間の空間を指す。
【0129】
例えば、バイレイヤーを形成するナノ粒子のモノレイヤーが六方幾何形状で配置される場合に、隣接するバイレイヤーのナノ粒子の三次元充填幾何形状は立方密充填及び面心立方充填を含む密充填幾何形状のいずれかから選ばれることができる。このような幾何形状では、各ナノ粒子(縁に配置されたもの以外)は12個の直近隣接球(同一のモノレイヤーで6個を有し、そして各隣接モノレイヤーで3個)を有する。また、例えば、ナノ粒子のモノレイヤーが正方形形状で配置される場合には、隣接層は各ナノ粒子(縁に配置されたもの以外)が12個の直近隣接球(同一のモノレイヤーで4個を有し、そして各隣接モノレイヤーで4個)を有するようにしてずれている。これらの値は内部層(すなわち、2つの隣接層を有する層)中のナノ粒子のみに適用されることが理解されるであろう。最上層及び最下層のバイレイヤーでは、隣接球の数は9個(六方充填)又は8個(正方充填)であろう。
【0130】
バイレイヤー厚さ及びフィルム成長率
上記の密に充填された幾何形状のために、幾つかの実施形態において、各バイレイヤーの厚さはバイレイヤーを形成しているナノ粒子の平均直径よりも小さい。本明細書中に使用されるときに、バイレイヤーの「厚さ」はバイレイヤーを形成しているナノ粒子の中心と、隣接バイレイヤーを形成しているナノ粒子の中心との間の平均距離を指す。この定義では、以下のことが理解されるであろう。第一に、所与の層のナノ粒子の「中心」はナノ粒子を横切る仮想平面であって、該平面と各個々のナノ粒子の中心との間の垂直距離の総計を最小にするような仮想平面を指す。第二に、この定義は1つ以上のバイレイヤーを有するコーティングに関してのみ妥当であり、n層のバイレイヤーを有するコーティングでは、n−1の厚さのみが規定されうる。第三に、2つの隣接バイレイヤー(すなわち、上のバイレイヤー及び下のバイレイヤー)を有する各バイレイヤーは2つの厚さを有することができる。バイレイヤーの厚さのこの議論では、バイレイヤーはバイレイヤーの幾何学的な厚さを主として決めるナノ粒子を含み、無視しうる厚さを加える材料をさらに含むことが理解される。例えば、下記のポリマー多価電解質はバイレイヤーに0.5nmの厚さを追加し、それはバイレイヤーの厚さの実験測定の範囲内であることができる。したがって、複数のバイレイヤーについて平均厚さを計算する場合に、1つの厚さのみが各バイレイヤーに割り当てられ、そしてバイレイヤーの厚さの計算方法は複数のバイレイヤーを横切って一貫しているであろう。実質的な厚さを提供する2つのタイプのナノ粒子などの2つの材料を含むバイレイヤーでは、バイレイヤーの上記議論は隣接モノレイヤーに適用可能であろう。
【0131】
本明細書における方法により調製されたコーティングを形成するバイレイヤーの「平均厚さ」は存在するバイレイヤーの数でコーティングの合計厚さを割ることにより計算されうる。例えば、500nmの厚さを有し、10のバイレイヤーを含むコーティングは平均バイレイヤー厚さが50nmである。
【0132】
六方密充填層のバイレイヤーの厚さの理論的な下限はナノ粒子の直径の81%である。この下限は、ナノ粒子が均一な直径の完全に剛性の球であり、バイレイヤーが上記の密に充填された幾何形状である(すなわち、ナノ粒子の1つの層が各隣接層の凹部内に配置されている)ものと仮定している。上記のように測定して、密に充填されたモノレイヤーから調製されたコーティングのバイレイヤーの理論的な平均厚さは81%より大きく、そして無限数のバイレイヤーの極限で81%に漸近的に近づくことが理解される。実際に、理論下限値より低い値であるバイレイヤー厚さは、ナノ粒子のモノレイヤーが異なる様式(すなわち、ランダム密充填、ジャム状態、又は、ナノ粒子間の凹部が密に充填されたモノレイヤーよりも大きく、隣接層が凹部内で、より低く配置することができる)で密に充填されていることを示す可能性がある。理論下限よりも大きいバイレイヤー厚さはモノレイヤーが欠陥(例えば、密充填幾何形状を妨げるナノ粒子のクラスター又は凝集体)を有し、又は、1つの層の球が下層の凹部に配置されていないことを示す可能性がある。
【0133】
幾つかの実施形態において、本明細書中に記載の方法により調製されたバイレイヤーは平均厚さがナノ粒子の平均直径の50〜150%、又は、60〜100、又は、75〜90、又は、78〜85、又は、80〜82%の範囲にある。幾つかの実施形態において、バイレイヤーは平均厚さがナノ粒子の平均直径の50、60、70、75、78又は80%を超える。幾つかの実施形態において、バイレイヤーは平均厚さがナノ粒子の平均直径の150、120、100、90、85又は82%未満である。幾つかの実施形態において、バイレイヤーは平均厚さがナノ粒子の平均直径の81%である。幾つかの実施形態において、バイレイヤーは平均厚さがナノ粒子の平均直径の72%であろう。理論に拘束されることを望まないが、この下限平均厚さは、体積充填密度が六方密充填幾何形状よりも低いランダム密充填から生じるものと考えられる。さらに理論に拘束されることを望まないが、異なる安定化対イオンを含むナノ粒子はバイレイヤー構築プロセスの間に表面上で再配向をより受けやすい特定のフィルムを製造する可能性があると考えられる。例えば、表面とナノ粒子との間に、より強い結合を可能とする安定化対イオンは粒子の再組織化を防止することができ、ランダム密充填又は「ジャム」充填をもたらし、一方、表面とナノ粒子との間に、より弱い結合を提供する対イオンはナノ粒子が表面上で「転がり」、より密に充填された表面を形成することができる。幾つかの実施形態において、ランダム密充填粒子のモノレイヤーは表面上の粒子の二次元突起の面積被覆率に基づいて決定されうる。幾つかの実施形態において、この面積被覆率は0.45〜0.54である。
【0134】
バイレイヤーの厚さは得られるコーティングの物性及び光学特性に影響を及ぼすだけでなく、調製の間のコーティングの成長率にも影響を及ぼすことが理解されるであろう。このため、バイレイヤーの厚さを決定しそして追跡する1つの方法は堆積プロセスの間のフィルムの厚さをモニターすることである。
【0135】
上記の分析はすべてのナノ粒子が同一の寸法及び形状を有するものと仮定していることも理解されるであろう。実際に、ナノ粒子直径のいくらかの自然のばらつきがあり、理想的な場合からの厚さ及び充填のばらつきをもたらすことが期待される。充填及び厚さの期待されるばらつきは当業者によって(実験的かつ計算的に)説明されうる。
【0136】
多価電解質の考察
本明細書中に使用されるときに、「多価電解質」との参照は複数の静電電荷を含む又は含むようにされる(例えば、多価電解質を含む溶液のpHを適切に調節することによる)ポリマー材料を意図する。このような用語の使用はナノ粒子及び複数の静電電荷を含まない(そしてそれゆえ、「多価電解質」と適切に参照することができない)本明細書中に使用される他の材料を包含することを意図しない。
【0137】
幾つかの実施形態において、本明細書中に記載のバイレイヤー中の多価電解質はナノ粒子間の間隙空間に配置されている。しなしながら、ナノ粒子の間に直接的に配置された実質的な量の多価電解質はナノ粒子の接触を妨害し、それにより、ナノ粒子の充填密度を理論最大値(すなわち、剛性球及び密充填を仮定して得られる値)から逸脱させることがあることが理解されるであろう。別の言い方をすれば、モノレイヤー中のナノ粒子の間の多価電解質の存在はナノ粒子の平面内中心−中心距離を増加させることがある。幾つかの実施形態において、この効果はバイレイヤーの厚さの制御が可能になるので(例えば、
図1a及び
図1bにおいて比較されるように、平面内中心−中心距離の増加はバイレイヤーの厚さを低下させる)、又は、多孔度などの物性及び屈折率などの光学特性の制御が可能になるので、望ましい。しかしながら、他の実施形態においては、最大充填密度からの逸脱の量を排除し又は最少化することが望ましい。というのは、最大充填密度により、密充填した均一の剛性球に関する理論値と実質的に同一のバイレイヤーの厚さが可能になるからである。
【0138】
したがって、幾つかの実施形態において、任意の所与のモノレイヤーのナノ粒子間に存在している多価電解質の量は、そのモノレイヤーのナノ粒子が実験誤差の範囲内の密充填配列を形成することができるように十分に小さく(そして0であることができる)。「実験誤差の範囲内」とは、実験において観察するときに、バイレイヤーの厚さが理論限界値と等しいか(すなわち、ナノ粒子の密充填を仮定)、又は、理論限界値から10%未満、又は、1%未満、又は、0.1%未満、又は、0.01%未満、又は、0.001%未満で変動することを意味する。代わりに又は加えて、「実験誤差の範囲内」とは、実験において観察されるときに、所与のモノレイヤーのナノ粒子は平均中心−中心距離が理論限界値と等しいか(すなわち、ナノ粒子の密充填を仮定)、又は、理論限界値から10%未満、又は、1%未満、又は、0.1%未満、又は、0.01%未満、又は、0.001%未満で変動することを意味する。バイレイヤーの厚さ及び中心−中心ナノ粒子距離を決定するための実験的方法は本明細書中に記載されており、光学的方法(例えば、エリプソメトリー)及び電気的/物理的方法(例えば、TEM又はAFM又はプロフィロメトリ)などの方法が挙げられる。
【0139】
幾つかの実施形態において、多価電解質は1つのバイレイヤーのナノ粒子と別のバイレイヤーのナノ粒子との間に存在する。バイレイヤー間(すなわち、1つのモノレイヤーのナノ粒子と、隣接するモノレイヤーのナノ粒子との間)の多価電解質の有意な量の存在はナノ粒子間の平面外距離を増加させ、それにより、コーティング内のバイレイヤーの厚さを増加させる。このような効果は様々な理由から幾つかの実施形態では望ましいことがある。例えば、この効果により、理論最低値(すなわち、密充填された剛性球を仮定する)よりも大きいバイレイヤーの厚さを制御することが可能であり、また、コーティングの光学特性を制御することが可能である。
【0140】
十分に多量の多価電解質がナノ粒子のモノレイヤーの間に存在するならば、隣接のバイレイヤーのナノ粒子は全くオーバーラップせず、バイレイヤーの厚さはナノ粒子の直径よりも大きい。このような実施形態の模式的な例を
図2aに示す。
図2aにおいて、多量の多価電解質210は2つのモノレイヤーの間に配置され、それにより、モノレイヤー200の間の中心−中心距離が増加される。このような実施形態において、隣接のバイレイヤーのナノ粒子の間の平面外中心−中心距離は多価電解質層の厚さを増加させることにより制御可能である。
【0141】
ナノ粒子の考察
幾つかの実施形態において、変化のある直径のナノ粒子を含むバイレイヤーは使用される。例えば、幾つかのコーティングにおいて、任意の特定のモノレイヤー内のナノ粒子は実質的に一貫した直径であることができるが(例えば、平均の25%以内、又は、平均の20%以内、又は、平均の15%以内、又は、平均の10%以内、又は、平均の5%以内、又は、平均の1%以内)、1つのバイレイヤーのナノ粒子の直径は隣接層のナノ粒子の直径と実質的に異なることができる。このような実施形態は
図2bに模式的に示されている。幾つかの実施形態において、比較的に小さい平均直径を有するナノ粒子の層は比較的に大きな平均直径を有するナノ粒子の層とともに使用される。より小さいナノ粒子の層は、例えば、ある屈折率を有するコーティングのセクションから異なる屈折率を有するフィルムのセクションへのより徐々の遷移を形成するために使用されうる。
【0142】
幾つかの実施形態において、異なる直径のナノ粒子を1つのコーティング中に使用してもよい。例えば、平均直径d
np1及びd
np2を有するナノ粒子の2つのバッチを使用してコーティングを調製することができる。幾つかの実施形態において、各バイレイヤーが両方の直径のナノ粒子を含むように、2つのバッチのナノ粒子を1つの堆積溶液中で適用することができる。或いは、各バイレイヤーが単一の直径のナノ粒子を有するが、異なるバイレイヤーが異なる直径のナノ粒子を有するように、2つのバッチのナノ粒子を別々の堆積溶液中で適用することができる。異なる直径のナノ粒子の使用はより薄い界面領域をもたらすことができることが理解されるであろう。
図2bに示す1つの極端な場合には、バイレイヤー220及び230の間の界面領域240と比較して、界面領域270はバイレイヤー251及び261の間に取るに足らない又はほぼ存在していない。
図2bに示すように、幾つかの実施形態において、バイレイヤー251は250とともに使用され、バイレイヤー261は260とともに使用され、界面の厚さ270を低減する。適切なナノ粒子直径は下記に詳細に議論する。直径d
np1のナノ粒子及び直径d
np2のナノ粒子を用いた幾つかの実施形態において、d
np1はd
np2よりも約50%、又は、約100%、又は、2、3、4、5倍、又はそれ以上大きい。
【0143】
さらに、同一の又は異なる組成のナノ粒子を1つのコーティング中に使用してよい。例えば、本明細書中の下記の任意の2つの材料から作られた2つのバッチのナノ粒子は用いられて(同一のバイレイヤー中又は別個のバイレイヤー中)、コーティングの特性を調節することができる。さらに、下記のような2つ以上の材料から構成されるナノ粒子を用いてよい。例えば、酸化亜鉛及び酸化アンチモンから製造されたアンチモン酸亜鉛ナノ粒子、又は、酸化アルミニウムで包囲された二酸化ケイ素などのコア−シェル粒子は使用されうる。さらに、ナノ粒子は有機又は無機リガンドを有する改質表面を有することができる。例えば、アミノトリメトキシプロピルシラン官能化、グリシジルプロピルトリメトキシシラン官能化、又は、他のシラン官能化された二酸化ケイ素ナノ粒子を用いることができる。
【0144】
注目のバイレイヤーを形成するために使用されるナノ粒子は完全に均一な球の「理想」的な場合から逸脱しうることが理解されるであろう。すなわち、ナノ粒子はサイズ分布(多分散と呼ばれる)を有し、そして完全球から逸脱するサンプル内のナノ粒子(例えば、若干突起した、又は、若干楕円形など)が存在することができる。さらに、本発明の方法は市販のナノ粒子を使用することが適するので、このような欠陥及びばらつきは特徴化され又は特徴化されない(すなわち、既知であるか又は知られていない)。幾つかの実施形態において、本発明の方法で使用されるナノ粒子の均一性の有意なばらつきは得られるコーティングの光学特性、物性(例えば、フィルム厚さ)又は他の特性のばらつきにより検知されうる。本明細書中に記載の方法は比較的にしっかりとしており、ナノ粒子の不均一性を許容することができる。しかしながら、光学特性又は他の特性にばらつきが検知されたときに、そして、このようなばらつきがコーティングの目的の使用に有害である場合には、より均一なナノ粒子を得てそして使用するための工程を取ることができる(例えば、サイズ分別法、ナノ粒子の商業的供給者を単に変更するなど)。
【0145】
さらに、用語「ナノ粒子」はナノ粒子に関して本明細書全体を通して使用されているが、この用語は球形のナノスケールの材料に限定することが意図されない。より詳細に下記に記載されるように、この用語はロッド及びディスクなどのナノ粒子をも包含する。コーティングを製造するために非球形ナノ粒子を使用するときに、種々の充填幾何形状を考慮するために、当業者に知られた適切な考慮点が検討されうる。
【0146】
幾つかの実施形態において、注目のナノ粒子は複数の静電電荷を含む。幾つかの実施形態において、注目のナノ粒子は複数の静電電荷を含むようにすることができる(例えば、ナノ粒子を含む溶液のpHの適切な調節による)。幾つかの実施形態において、注目のナノ粒子は正に荷電されている。他の実施形態において、注目のナノ粒子は負に荷電されている。幾つかの実施形態において、荷電の程度は溶液pHなどの環境要因による。例えば、pH依存性電荷は有機酸基(例えば、カルボン酸基)又は第四級アミン塩を含むナノ粒子に存在する。他の実施形態において、ナノ粒子は永久又は半永久電荷(例えば、硬第四級アミン(hard quaternary amines))を含む。幾つかの実施形態において、ナノ粒子は静電電荷を含まないが、代わりに、水素結合形成性基(H−供与性基又はH−受容性基)、抗体もしくは抗原結合基などの別の結合基を含む。
【0147】
幾つかの実施形態において、各バイレイヤーのナノ粒子は密充填六方配列を形成する。実際に、この六方配列の欠陥は存在するであろうが、これらの欠陥はバイレイヤーにより占有される領域の小さい割合を表すであろう。このような小さい欠陥及び不規則性は密充填配列を参照するときに用語「実質的に」の使用により本明細書中に説明される(すなわち、「実質的に密充填された配列」)。特に指示がない限り、用語「実質的に」の省略は欠陥又は不規則性を含まない完全な密充填配列を意味することが意図されない。幾つかの実施形態において、平面内の密充填構造は1つのバイレイヤーのナノ粒子モノレイヤーが隣接のバイレイヤーのナノ粒子モノレイヤーと密に充填されていないときでも維持される。例えば、多価電解質の十分に厚い層が存在する場合に、1つのモノレイヤーのナノ粒子は隣接のモノレイヤーの凹部中に配置され得ない。このような実施形態では、ナノ粒子間の平面外中心−中心距離はナノ粒子直径よりも大きいが(例えば、多価電解質層の厚さだけ大きい)、平面内中心−中心距離はナノ粒子直径と実質的に同様のままである。
【0148】
個別のナノ粒子
幾つかの実施形態において、コーティングは密に充填した配列のナノ粒子を含み、ここで、ナノ粒子は個別である。「個別」とは、ナノ粒子が、ナノ粒子の配列を焼結、水熱処理又は化学的方法により変性した場合のように、物理的に又は化学的に相互結合されているものでないことを意味する。個別のナノ粒子は共有結合により結合されていない。個別のナノ粒子の配列は各ナノ粒子が連続の表面を有するものであり、そして、理論に拘束されることを望まないが、このような表面は吸着された水の薄い層(例えば、厚さが約数個の分子の大きさである層)により完全に被覆されているものと考えられる。ここでも、理論に拘束されることを望まないが、幾つかの実施形態において、高い親和性のリガンドがナノ粒子の表面と接触されうることが考えられる。個別のナノ粒子の密に充填した配列において、隣接の球が「接触」している場合に、典型的には、球の薄い吸着された水又はリガンド層が隣接の球の薄い吸着された水又はリガンド層と接触していることが理解されるであろう。対照的に、個別のナノ粒子はナノ粒子の融合により(例えば、焼結により)個別でないナノ粒子又は粒子へと転化されうる。このようなプロセスは個別のナノ粒子の連続表面を連結させる。
【0149】
幾つかの実施形態において、本明細書中に記載の個別のナノ粒子の密充填層は溶媒中のナノ粒子の溶液から調製される。幾つかの実施形態において、ナノ粒子は密充填層中で溶液中と実質的に同一の形状を維持することが理解されるであろう。すなわち、本明細書中に記載のナノ粒子配列の焼結又は融合がないことにより、固相のナノ粒子(すなわち、密に充填した配列におけるナノ粒子)を個別のままとし、溶液中の形状を実質的に維持することが可能になる。
【0150】
界面
様々な実施形態において、本明細書中に記載の注目のコーティングは制御可能である界面領域を有する。本明細書中に使用されるときに、用語「界面」及び「界面領域」は2つの隣接するバイレイヤーに共通の領域を指し、又は、もしバイレイヤー間にオーバーラップが存在しないならば、隣接するバイレイヤーの対向面を含む2つの隣接したバイレイヤーの間の領域を指す。界面の1つ以上の態様、例えば、界面領域の厚さ、界面の鮮鋭度、界面の粗さ、界面の組成などを含むこのような態様は制御可能である。
【0151】
界面厚さ
本開示のコーティングの界面厚さは変更可能である。例えば、幾つかの実施形態において、界面領域の厚さは本明細書中に記載の方法及び材料を用いて制御可能である。本明細書中に使用されるときに、界面「厚さ」は別のバイレイヤーとオーバーラップされている90体積%を超えるナノ粒子材料を含む領域の厚さを指す。2つのバイレイヤーのみが存在する場合には、個別の界面の厚さは制御可能である。2つよりも多くのバイレイヤーが存在する場合には、各個々の界面の厚さならびにすべて又は一部の界面の平均厚さは制御可能である。
【0152】
界面厚さを制御するために使用されうる1つの態様は個々のナノ粒子層の充填密度である。
図1a及び1bに例示されるように、界面厚さ及びナノ粒子充填密度は、一般に逆相関がある(図において球が示されているが、ここでも、ナノ粒子は非球形であることができる)。
図1aにおいて、ナノ粒子の密充填層100はナノ粒子の密充填層101の上に配置されている。両方のナノ粒子タイプは同一の直径110を有する。ナノ粒子の層100と、ナノ粒子の層101との間の中心−中心距離は120により規定され、そしてナノ粒子直径110と幾何学的に同等である。
図1bにおいて、ナノ粒子の緩く充填した層はナノ粒子の2つの層の間のより小さい中心−中心距離130をもたらす。さらに、隣接するナノ粒子の間の平面内中心−中心距離140は増加する。このように、密に充填したナノ粒子層は最小の界面厚さを提供し(
図1a)、一方、緩く充填したナノ粒子モノレイヤーは増加した界面厚さを提供する(
図1b)。理論最小界面厚さは
図1cに示されている。密に充填した層150及び151は剛性の均一なナノ粒子152から作られており、各々は直径dを有する(ラベル化されていない)。界面153は厚さt
int1を有し、それはt
int1=0.19*dにより示される。本発明の幾つかの実施形態において、バイレイヤーの間の界面の厚さは各バイレイヤーにおけるナノ粒子の密充填のために最小化される。
【0153】
実用上、界面領域の実際の厚さは様々な分析方法により決定可能であることができ又はできない。しかしながら、幾つかの実施形態において、界面の厚さはバイレイヤーの厚さ及び数ならびにナノ粒子の平均直径から推測されうる。例えば、「n」層のバイレイヤーが堆積された厚さ「t
coating」を有するコーティングにおいて、平均のバイレイヤー厚さはt
coating/nであり、界面の数はn−1である。さらに、コーティングが平均直径「d
np」を有するナノ粒子を使用するならば、平均界面厚さは(n*d
np−t
coating)/(n−1)により規定される。この等式はコーティング中に使用されるナノ粒子が単一の直径を有する場合にのみ有効であることが理解されるであろう。ナノ粒子の単一のバイモーダル又はマルチモーダル混合物を用いる場合には、又は、異なる直径のナノ粒子を有する複数の混合物を用いる場合には、バイレイヤーの厚さ及び界面厚さは計算に適切な変更を用いて推測されうる。
【0154】
例えば、ユニモーダルナノ粒子を用いる幾つかの実施形態において、平均界面厚さは0.5*d
np未満、又は、0.4*d
np未満、又は、0.3*d
np未満、又は、0.25*d
np未満、又は、0.23*d
np未満である。0.2*d
np未満の界面厚さは各バイレイヤーのナノ粒子が隣接層の凹部内に配置されていないことを示しうることが理解されるであろう。これは、存在する多価電解質の量、バイレイヤー間の静電安定性、最適な密充填モノレイヤーを形成するために各バイレイヤーに与えられる時間量などの多くの要因によることができるであろう。
【0155】
界面鮮鋭度
本開示のコーティングは界面鮮鋭度を変更しうる。例えば、幾つかの実施形態において、界面領域での鮮鋭度は本明細書中に記載される方法及び材料を用いて制御される。界面鮮鋭度は
図1dを参照して説明されうる。モノレイヤー160は複数のナノ粒子170を含む。モノレイヤー160におけるすべてのナノ粒子を包含する対の仮想の共平面180及び181を描くことができる。モノレイヤー160では、平面181は底部極限縁平面と呼ばれ、そして平面180は上部極限縁平面と呼ばれる。各ナノ粒子170は平面180及び181と共平面である対応する中心平面171、平面180及び181と共平面である対応する底部縁平面172、及び、平面180及び181と共平面である対応する上部縁平面(ラベル化していない)を有する。平均中心平面182は平面180及び181と共平面であり、そしてその平面から中心平面171の各々までの垂直距離の総計が最小となるように配置されている。平均底部縁平面183は平面180及び181と共平面であり、その平面から底部縁平面172の各々までの垂直距離の総計が最小になるように配置されている。したがって、モノレイヤー160の底部縁を含む界面の「鮮鋭度」は平均底部縁平面183及び極限底部縁平面181の間の垂直距離に反比例する。
【0156】
幾つかの実施形態において、界面鮮鋭度は隣接するバイレイヤーにおける密充填ナノ粒子の品質の関数である。このように、界面の厚さ(すなわち、2つのバイレイヤーがオーバーラップする程度であって、それは多価電解質の厚さの関数及び/又は1つのモノレイヤーのナノ粒子が隣接するモノレイヤーの凹部に配置している程度の関数でもある)に関係なく、界面は最小可能平均面内中心−中心ナノ粒子距離及び最少可能欠陥数を密充填モノレイヤーに提供することにより鮮鋭とされうる。
【0157】
界面粗さ
例えば、また、幾つかの実施形態において、界面領域の粗さは本明細書中に記載の方法及び材料を用いて制御される。用語「粗さ」は鮮鋭度の逆を指す。
【0158】
界面組成
例えば、また、幾つかの実施形態において、界面領域の組成は本明細書中に記載の方法及び材料を用いて制御される。上記のとおり、界面領域は隣接するモノレイヤーとオーバーラップするナノ粒子の部分を含む。本明細書中に記載の方法を用いて、隣接するモノレイヤーのナノ粒子の組成は制御可能である。このように、界面領域におけるナノ粒子の組成は制御可能である。さらに、幾つかの実施形態において、多価電解質も界面領域に存在してよく、そして多価電解質材料が何かを制御可能であることが理解されるであろう。したがって、界面領域における材料の組成は制御可能である。
【0159】
コーティング特性
幾つかの実施形態において、注目のコーティングは複数のバイレイヤーを含み、ここで、各バイレイヤーはナノ粒子のモノレイヤー及び多価電解質の層を含む。本明細書中に使用されるときに、用語「モノレイヤー」は基材の平面に対して横に並んで配置された(積層でない)ナノ粒子の単一の層を指す。
図1cは互いの上に積層されている2つのモノレイヤー150及び151を示す。
【0160】
幾つかの実施形態において、バイレイヤーの数は2〜10,000、又は、10〜10,000、又は、20〜500の範囲内にある。幾つかの実施形態において、2を超える、又は、5を超える、又は、10を超える、又は、15を超える、又は、20を超える、又は、30を超える、又は、50を超える、又は、100を超える、又は、200を超える、又は、300を超える、又は、500を超える、又は、1000を超えるバイレイヤーは存在する。
【0161】
異なるモノレイヤーのナノ粒子とナノ粒子との間に凹部が存在するので、幾つかの実施形態において、本明細書中に記載のコーティングは多孔性である。幾つかの実施形態において、多価電解質が凹部に存在するときにさえ、そして多量の多価電解質が堆積されるときにさえ、多孔性が存在する(すなわち、多価電解質は凹部を完全には充填しない)。幾つかの実施形態において、フィルムの多孔性はフィルム全体にわたって一定であるが、他の実施形態において、多孔性は変動可能である。一般に、多孔性は、ナノ粒子の直径及び均一性、堆積される多価電解質の量、堆積溶液中の塩が何か及びその濃度を含む要因などの多くの要因により、ある値の範囲で制御されうる。幾つかの実施形態において、注目のコーティングの多孔度は0〜0.6の範囲、又は、0〜0.5の範囲、又は、0.1〜0.4の範囲、又は、0.1〜0.3の範囲である。用語「孔」はナノ粒子の間の空間を指し、このような孔は充填されず(すなわち、真空下)、充填され、又は、部分的に充填されうることが理解されるであろう。充填されているときに、孔は1種以上のガス、液体又は固体、あるいは、それらの組み合わせで充填されうる。
【0162】
幾つかの実施形態において、注目のコーティングの孔は空気、又は、窒素又はアルゴンなどの不活性ガスにより充填される。幾つかの実施形態において、孔のすべて又は一部はコーティングの屈折率を変更するために、空気又は不活性ガス以外の材料により充填されうる。
【0163】
特性化
上記に示唆したとおり、幾つかの実施形態において、本発明のコーティングの特性はエリプソメトリーなどの光学測定技術により便利に特性化される。例えば、屈折率、反射率及び他の光学データはコーティングを特性化するために使用することができる。プロフィロメトリ、X線散乱、熱重量分析、原子間力顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)及び透過型電子顕微鏡(TEM)などの他の非光学的技術を、コーティングを特性化するために追加的又は代替的に用いてよい。このような特性化データは、コーティング厚さ、平均バイレイヤー厚さ、個々のバイレイヤー厚さ(例えば、TEMを使用)、充填度、局所秩序、透明度、反射率、屈折率、ヘイズなどを得るために使用することができる。光学法は、典型的に、1mm
2のスポットなどの領域にわたって平均化されたデータを提供するが、TEMなどの物理学的方法はより局所化されうるデータを提供することが理解されるであろう。データの源(局所又は領域平均)のいずれかを用いて、コーティングが意図される用途に適しているかどうかを決定することができる。
【0164】
本明細書中に記載の方法を用いて調製されたコーティングの特性化において、特定の測定は特定の特性の指標であることができる。例えば、コーティングの屈折率を測定することができる。ナノ粒子及び多価電解質に使用される材料の既知の屈折率を考慮すると、測定される屈折率は、ナノ粒子充填密度、多価電解質の体積分率及び空隙空間の体積分率(例えば、ナノ粒子又は多価電解質で充填されておらず、空気などの周囲ガスにより充填され、又は、真空下にある空間であって、多孔性の測定値)を決定するために使用されうる。この知識はまた、例えば、コーティングの屈折率を制御するために使用されうる。例えば、より低い屈折率は、ナノ粒子の直径を増加させることによって得ることができ、それは粒子間の空隙空間の量を増加し、それゆえ、全コーティング内の空気の量を増加させる。例えば、幾つかの実施形態において、注目のコーティングは表1に示す屈折率を有する。
【表1】
【0165】
コーティング面積
下記により詳細に記載されるとおりの交互積層堆積法は基材にコーティング溶液を適用し、基材上にコーティングを構築する。コーティング溶液は基材の全面積に適用されることができ、又は、基材の規定の領域に適用されうる。用語「コーティング面積」は、本明細書中に使用されるときに、コーティングが形成されている基材の面積を指す。幾つかの実施形態において、任意の個々のバイレイヤーに関して上記したとおりの密充填配列はコーティング面積の少なくとも75%、又は、少なくとも85%、又は、少なくとも90%、又は、少なくとも95%、又は、少なくとも98%、又は、少なくとも99%、又は、少なくとも99.9%をカバーする。さらに、幾つかの実施形態において、本明細書中に開示の方法により調製されるコーティングはコーティング面積の少なくとも75%、又は、少なくとも85%、又は、少なくとも90%、又は、少なくとも95%、又は、少なくとも98%、又は、少なくとも99%、又は、少なくとも99.9%にわたってナノ粒子の密に充填した三次元配列を有する。幾つかの実施形態において、基材は特定の領域におけるコーティングを防止するために意図的にマスクされているか又は保護されており、任意の個々のバイレイヤーに関して上記したとおりの密充填配列は非マスキング面積の少なくとも75%、又は、少なくとも85%、又は、少なくとも90%、又は、少なくとも95%、又は、少なくとも98%、又は、少なくとも99%、又は、少なくとも99.9%をカバーする。
【0166】
幾つかの実施形態において、コーティング面積は1インチ
2を超え、又は、4インチ
2を超え、又は、9インチ
2を超え、又は、16インチ
2を超え、又は、25インチ
2を超え、又は、50インチ
2を超え、又は、100インチ
2を超える表面積を有する。幾つかの実施形態において、注目のスプレイLbL法は連続ロールツーロール様式に応用され、そしてコーティングによりカバーされる総面積は数平方フィート以上である。
【0167】
幾つかの実施形態において、方法は基材表面上にコーティングをパターン化するために使用される。例えば、本明細書中に開示されるスプレイ交互積層(LbL)堆積法は基材上にパターン化コーティングを形成するために、マスキング技術又はエッチング技術を用いて適用されうる。
【0168】
コーティングタイプ及び関連特性
本開示の方法及び組成物は様々な設定で応用できる。幾つかの実施形態において、本明細書中に記載の方法は光学干渉効果を有する多層フォトニック構造の調製に適する。光学干渉フィルターの例としては、ダイクロイックミラー、ブラッグスタック、ファブリペローエタロンなどの建設的干渉フィルター、反射防止構造などの破壊的干渉フィルター、及び、当該技術分野で知られている他のフィルターが挙げられる。これらのフィルターは例示的なものであり、光学干渉効果を生み出す。幾つかの実施形態において、光学干渉効果は、200〜2500nm、又は、200〜1500nmの範囲の波長で起こる。幾つかの実施形態では、下記のように、本明細書中に記載される方法はダイクロイックミラーの製造に適している。例えば、ダイクロイックミラーコーティングは、y1層の第1のフィルム及びy2層の第二のフィルムを含むことができ、ここで、第一のフィルムは第一のナノ粒子及び第一の多価電解質を含み、平均厚さt
film1であり、第二のフィルムは第二のナノ粒子及び第二の多価電解質を含み、平均厚さt
film2であり、そして第一のフィルムは屈折率n
film1であり、第二のフィルムは屈折率n
film2である。幾つかの実施形態において、第一のフィルムの層の少なくとも一部は第二のフィルムの層の少なくとも一部と交互になっている。幾つかの実施形態において、y1及びy2は同一であるか又は1だけ異なる整数であり、第一のフィルムのすべての層は第二のフィルムの層と交互になっている。幾つかの実施形態において、y1及びy2は異なる整数である。幾つかの実施形態において、y1及びy2は所望の光学厚さとなるように選択される整数であり、屈折率n
film1及びn
film2及び厚さt
film1及びt
film2と想定して所定の所望の光学的厚さが得られるように選択される整数である。幾つかの実施形態において、y1は2〜10000の範囲内にある。幾つかの実施形態において、第一のフィルムの各層は1つ以上のバイレイヤー(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20又はそれ以上のバイレイヤー)を含み、ここで、各バイレイヤーは、第一のナノ粒子のモノレイヤー及び第一の多価電解質の層を含む。さらに、第二のフィルムの各層は1つ以上のバイレイヤー(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20又はそれ以上のバイレイヤー)を含み、ここで、各バイレイヤーは、第二一のナノ粒子のモノレイヤー及び第二の多価電解質の層を含む。幾つかの実施形態において、第一のナノ粒子は第一の材料から作られており、第二のナノ粒子は第一の材料とは異なる第二の材料から作られており、両方の材料は本明細書中に開示の材料から独立に選択される。同様に、第一の多価電解質及び第二の多価電解質は同一であっても又は異なっていてもよい。さらに、第一のナノ粒子及び第二のナノ粒子は同一の直径又は異なる直径を有することができる。幾つかの実施形態において、コーティングは可視スペクトルの第一の波長(λ
1)で最大%屈折率(%R)を有する。幾つかの実施形態において、コーティングは可視光領域でのピーク反射半値全幅が200nm未満、又は、150nm未満、又は、100nm未満、又は、70nm未満、又は、50nm未満である。幾つかの実施形態において、コーティングは可視光領域でのピーク反射半値全幅が50nmを超え、又は、100nmを超え、又は、150nmを超え、又は、200nmを超え、又は、300nmを超える。幾つかの実施形態において、λ
1はスペクトルの紫外領域又はスペクトルの赤外領域にある。幾つかの実施形態において、λ
1はスペクトルの紫外領域にある。幾つかの実施形態において、λ
1はスペクトルの赤外領域にある。幾つかの実施形態において、コーティングは、n
film1、n
film2、t
film1、t
film2、y1及びy2と想定して、第一の波長での理論的最大値の少なくとも70%である第一の波長での%Rを有する。幾つかの実施形態において、コーティングは、第一の波長での%Rが可視範囲の任意の他の波長での%Rよりも少なくとも50%大きく、又は、少なくとも100%大きい。
【0169】
幾つかの実施形態において、下記のように、本明細書中に記載の方法は反射防止コーティングを調製するのに適している。ダイクロイックミラーと同様に、反射防止コーティングは、y1層の第一のフィルム及びy2層の第二のフィルムを含み、ダイクロイックミラーに関する関連開示の全てがここにも適用される。幾つかの実施形態において、反射防止コーティングは、y2=0層の第二のフィルムを有してもよい。しかし、%Rのピークの代わりに、反射防止コーティングは所望の波長での%Rの最小値を有する。%Rの最小値の位置は、ナノ粒子の材料及び配置、多価電解質が何であるか、多孔度などの多くの変数によって制御することができる。
【0170】
幾つかの他の実施形態では、下記のように、本明細書中に記載の方法は、ファブリペローエタロンの調製に適している。ここでも、これらのコーティングは、第一のフィルムの層及び第二のフィルムの層を含み、そして上記の開示はここに妥当である。しかしながら、%Rの単一ピーク又は%Rの単一最小値の代わりに、ファブリペローエタロンは、パーセント透過率(%T)に2つの最大値を示す。幾つかの実施形態において、2つの最大値は200nm未満で離れている。他の実施形態において、2つの最大値は200nmよりも大きく離れている。幾つかの実施形態において、各最大値は半値全幅が約100nm未満である。他の実施形態では、各最大値は半値全幅が約100nmを超える。幾つかの実施形態において、2つの最大値は波長が200nm未満で離れており、各最大値は半値全幅が約100nm未満である。
【0171】
幾つかの実施形態において、ルゲートフィルター、ブラッグフィルター、バンドパスフィルター、屈折率勾配反射防止要素及び他の多層干渉光学要素は当該技術分野で知られており、本明細書中に記載の方法のために適切であることができる。
【0172】
本明細書中に記載の方法及び材料は2つのタイプのフィルムのみに限定されるものではない。幾つかの実施形態において、各々のフィルムが厚さt
film3であり、屈折率n
film3である、y3層の第三のフィルムは存在してよい。さらに、幾つかの実施形態において、各々のフィルムが厚さt
film4であり、屈折率n
film4である、y4層の第四のフィルムは存在してよい。幾つかの実施形態において、注目のコーティング中に5、6、7又はそれ以上の異なるフィルムがある。これらの追加のフィルムの各々は、ナノ粒子のモノレイヤー及び多価電解質を含む1つ以上のバイレイヤー(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20又はそれ以上のバイレイヤー)を含む。さらに、様々なフィルムは完全に交互にすることができ、ブロック様式で配置されている部分的に交互とすることができ、又は、それらの任意の組み合わせとすることができる。これは、各「フィルムの層」は、第一の材料及び第二の材料を含み、ここで、このような材料は相補的である(例えば、反対に荷電され、そして交互積層堆積に適する)。例えば、本明細書中に記載のとおり、第一の材料はナノ粒子であることができ、そして第二の材料は多価電解質であることができる。
【0173】
幾つかの実施形態において、注目のコーティングは高屈折材料及び低屈折率材料の交互の層を含む。幾つかの実施形態において、高屈折率及び低屈折率の差は0.1を超え、又は、0.2を超え、又は、0.3を超え、又は、0.4を超え、又は、0.5を超え、又は、0.6を超え、又は、0.7を超え、又は、0.8を超え、又は、0.9を超え、又は、1.0を超えることができる。幾つかの実施形態において、高屈折率材料の屈折率は1.75を超え、一方、低屈折率材料の屈折率は1.75未満である。幾つかの実施形態において、高屈折率材料の屈折率は2.0を超え、一方、低屈折率材料の屈折率は2.0未満である。幾つかの実施形態において、低屈折率材料の屈折率は1.4未満である。幾つかの実施形態において、低屈折率材料の屈折率は1.3未満である。幾つかの実施形態において、低屈折率材料の屈折率は1.25未満である。チタニア及びシリカナノ粒子を含む交互の層は、例えば、このような材料の例である。
【0174】
幾つかの実施形態において、本明細書中に記載のコーティングの構造及び特性は多層フォトニック構造を形成するように設計されている。このような実施形態では、バイレイヤーは光学干渉効果を有するように配置されている。
【0175】
幾つかの実施形態において、フィルム厚さのすべて又は一部(すなわち、t
film1、t
film2、及び、場合により、t
film3、t
film4など)は1/8*λ
1又は1/4*λ
1又は1/2*λ
1であるように選択され、ここで、λ
1は可視、IR又はUVスペクトルの所定の波長である。実施形態の中には、フィルム厚さの一部が所定の波長λ
1に対して非調波であるものもある。
【0176】
材料
堆積溶液
ある実施形態において、以下により詳細に記載されるように、本明細書中に記載のコーティングは、スプレイLbL堆積法により調製される。スプレイLbL法は、基材上に第一の堆積溶液及び第二の堆積溶液を交互に繰り返してスプレイすることを含む。第一及び第二の堆積溶液は、各々、少なくともコーティング材料(例えば、ナノ粒子又は多価電解質)及び溶媒を含み、場合により、他の成分(例えば、塩など)を含むことができる。第一及び第二の堆積溶液の適用の各繰り返しはバイレイヤーを形成する。コーティング厚さは、堆積されるバイレイヤーの数を調節することによって調節することができる。
【0177】
各堆積溶液を適用した後に、リンス溶液を適用して、過剰の未結合の又は緩く結合したコーティング材料を除去することができる。幾つかの実施形態において、リンス溶液は、第一の堆積溶液の適用後で、第二の堆積溶液の適用の前に適用され、次いで、さらに第二の堆積溶液の適用後で、第一の堆積の再適用(すなわち、追加の層の調製のため)の前に適用される。本明細書中でより詳細に記載されるように、リンス溶液は溶媒を含み、そして場合により、他の成分(例えば、塩など)を含むことができる。
【0178】
ナノ粒子
ある実施形態において、本明細書中に記載のコーティングはナノ粒子を用いて調製される。したがって、このような実施形態において、堆積溶液(後述)の少なくとも一方はナノ粒子を含む。
【0179】
ナノ粒子に適する材料としては、金属酸化物、金属窒化物、金属硫化物、金属、セラミックス、量子ドット、フラーレン、カーボンオニオン、無機ポリマー、有機ポリマー及びハイブリッド材料が挙げられる。金属酸化物の例としては、ケイ素、チタン、セリウム、鉄、クロム、銅、亜鉛、銀、コバルトなどの酸化物が挙げられる。金属酸化物の具体例としては、二酸化ケイ素、二酸化チタン、セリウム(IV)酸化物などが挙げられる。金属窒化物の例としては、チタン、アルミニウムなどの窒化物が挙げられる。金属窒化物の具体例としては、窒化チタン、窒化アルミニウムなどが挙げられる。金属の例としては、銀、金、銅、鉄、亜鉛、アルミニウムなどが挙げられる。ポリジメチルシロキサン、ポリメチルヒドロシロキサン、ポリメチルメタクリレートなどの無機ポリマー及びハイブリッドポリマーも用いてもよい。
【0180】
幾つかの実施形態において、ナノ粒子は平均直径が1〜1000nm、又は、1〜500nm、又は、1〜300nm、又は、1〜200nm、又は、1〜100nm、又は、1〜75nm、又は、1〜50nm、又は、2〜50nm、又は、3〜50nm、又は、4〜50nm、又は、5〜50nmの範囲内にある。例えば、ナノ粒子は平均直径が1nmを超え、又は、3nmを超え、又は、5nmを超え、又は、7nmを超え、又は、10nmを超え、又は、15nmを超え、又は、20nmを超え、又は、50nmを超えることができる。また、例えば、ナノ粒子は直径が500nm未満、又は、300nm未満、又は、100nm未満、又は、50nm未満、又は、30nm未満、又は、20nm未満、又は、15nm未満、又は、10nm未満であることができる。さらに、このようなナノ粒子の平均直径の多分散指数(PDI)は理論的限界値(すなわち、単分散ナノ粒子)が0.0のPDIであることに留意して、0.0〜2.0の範囲にあることができる。PDIは、また、0.01〜1.5、又は、0.1〜1.0の範囲にあることができる。例えば、多分散は2未満、又は、1.5未満、又は、1未満、又は、0.5未満、又は、0.3未満、又は、0.1未満、又は、0.05未満、又は、0.01未満であることができる。また、例えば、PDIは0.01を超え、又は、0.05を超え、又は、0.1を超え、又は、0.5を超えることができる。
【0181】
ナノ粒子は多孔性又は非多孔性であることができ、そして中空又は中実であることができる。さらに、ナノ粒子は複数の材料を含むことができる。例えば、ナノ粒子はコアが第一の材料であり、シェルが第二の材料であるコア−シェル構造であることができる。
【0182】
幾つかの実施形態において、ナノ粒子は第一の結合基を含む。第一の結合基は第二の結合基(後述する)に相補的である基である。「相補的」とは、第一の結合基と第二の結合基が一緒に結合対を形成することを意味する。結合対は、イオン結合、水素結合、抗体−抗原結合、アビジン−ビオチン結合、疎水性相互作用、又は、ファンデルワールス相互作用から選択することができる非共有化学結合を形成する。したがって、第一の結合基はイオン基、水素供与体又は水素受容体、又は、任意のこのような基の前駆体であってよい。前駆体は、例えば、環境条件の変化時に又は活性化剤との反応時に、イオン基、水素供与体又は水素受容体に転化されうる基である。
【0183】
幾つかの実施形態において、各ナノ粒子は複数の第一の結合基を含む。幾つかの実施形態において、このような第一の結合基は第二の結合基及び/又は塩イオンのいずれか一方又は両方が存在するときに、第二の結合基及び/又は塩イオンと相互作用するように暴露されそして利用可能となるようにナノ粒子の表面上又はその付近に配置される。
【0184】
上記のとおり、本開示の全体にわたって、ナノ粒子は注目のコーティングを形成するための例示的な材料として挙げられる。しかしながら、球以外の形状を有するナノ粒子を用いて、本明細書中に記載のようなスプレイLbL法を使用して同様のコーティングを調製することができることが理解されるであろう。例えば、楕円形、ロッド状及びディスク状のナノ粒子を使用することができる。ディスク状粒子では特に、平面内充填は球と同一であり、一方、平面外充填は、所与の幾何形状に関して予想されるように、隣接するモノレイヤーのオーバーラップをほとんど又は全く伴わない。幾つかの実施形態において、ナノ粒子は実質的に非球形であり、その場合、ナノ粒子は平均最大寸法が1〜1000nm、又は、1〜500nm、又は、1〜300nm、又は、1〜200nm、又は、1〜100nm、又は、1〜75nm、又は、1〜50nm、又は、2〜50nm、又は、3〜50nm、又は、4〜50nm、又は、5〜50nmの範囲にある。例えば、ナノ粒子は平均最大寸法が1nmを超え、又は、3nmを超え、又は、5nmを超え、又は、7nmを超え、又は、10nmを超え、又は、15nmを超え、又は、20nmを超え、又は、50nmを超えることができる。また、例えば、ナノ粒子は平均最大寸法が500nm未満、又は、300nm未満、又は、100nm未満、又は、50nm未満、又は、30nm未満、又は20nm未満、又は、15nm未満、又は、10nm未満であることができる。
【0185】
多価電解質
ある実施形態において、本明細書中に記載のコーティングは、多価電解質を用いて調製される。本明細書中で使用されるときに、「多価電解質」の定義は複数のイオン化可能な官能基を有する材料である。幾つかの実施形態において、多価電解質は有機ポリマー又は無機ポリマーである。例えば、多価電解質は平均分子量が100Daより大きく、又は、500Daより大きく、又は、1,000Daより大きく、又は、5,000Daより大きく、又は、10,000Daより大きく、又は、50,000Daより大きく、又は、100,000Daより大きく、又は、1MDaより大きいポリマーである。繰り返し単位はメチレンオキシドから1つ以上の官能基及びヘテロ原子を含む、より大きな繰り返し単位まで、いかなるサイズであってもよい。幾つかの実施形態において、多価電解質はナノ粒子である。
【0186】
幾つかの実施形態において、多価電解質は、本明細書中で「第二の結合基」と呼ばれる結合基を含む。第二の結合基は第一の結合基(ナノ粒子を参照して上述した)と一緒になって相補的な結合対を形成する基である。したがって、第二の結合基はイオン性基、水素供与体又は水素受容体、又は、任意のこのような基の前駆体であってよい。第一の結合基がイオン性基である場合に、第二の結合基はイオン性基であり、2つの結合基は反対の電荷を有し、2つの結合基は結合対と呼ぶことができる。第一の結合基が水素受容体である場合には、第二の結合基は水素供与体であり、その逆でもよい。
【0187】
幾つかの実施形態において、多価電解質はポリマーであり、各多価電解質分子はポリマー鎖に沿って分布している複数の第二の結合基を有する。幾つかの実施形態において、多価電解質は小分子であり、各多価電解質分子は1つ以上の第二の結合基を有する。
【0188】
適切な多価電解質の例としては、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)(PDAC)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリ(スチレンスルホネート)(PSS)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリ(ビニルスルホン酸)、キトサン、CMC、PAH、ヒアルロン酸、多糖類、DNA、RNA、タンパク質、LPEI、BPEI、ポリケイ酸、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)及びそれらの他のポリマーとの組み合わせ(例えば、PEDOT:PSS)、上記のコポリマーなどが挙げられる。適切な多価電解質の他の例としては、トリメトキシシラン官能化PAA又はPAHが挙げられる。
【0189】
塩
ある実施形態では、本明細書中に記載のコーティングは塩を含む堆積溶液を使用して調製される。LbL法で使用される各溶液は塩を有することができ、塩が何であるか及びその濃度は、独立して、溶液及び全体的なプロセスの要求に基づいて選択される。例えば、各堆積溶液は塩を有してよく、リンス溶液も塩を有してよい。堆積溶液及びリンス溶液中の塩及び塩の濃度は同一である必要はないが、幾つかの実施形態において、それらは同一である。
【0190】
適切な塩の例としてはハロゲン化物塩が挙げられる。ハロゲン化物塩の例としては、LiCl、NaCl、KCl、CaCl
2、MgCl
2、NH
4Clなどの塩化物塩、LiBr、NaBr、KBr、CaBr
2、MgBr
2などの臭化物塩、LiI、NaI、KI、CaI
2、MgI
2などのヨウ化物塩、及び、CaF
2、MgF
2、LiF、NaF、KFなどのフッ化物塩が挙げられる。さらなる例としては、Li
2SO
4、Na
2SO
4、K
2SO
4、Ag
2SO
4、(NH
4)
2SO
4、MgSO
4、BaSO
4、COSO
4、CuSO
4、ZnSO
4、SrSO
4、A1
2(SO
4)
3及びFe
2(SO
4)
3などの硫酸塩、ならびに同様の硝酸塩、リン酸塩、フルオロホスフェート塩などが挙げられる。さらなる例としては、有機塩、例えば、(CH
3)
3CCl、(C
2H
5)
3CClなどが挙げられる。幾つかの実施形態において、一価塩は選択される。幾つかの実施形態において、多価塩が選択される。幾つかの実施形態において、塩は水中で完全に解離可能な種である。幾つかの実施形態において、これら及び他の塩の混合物も適している。
【0191】
幾つかの実施形態において、堆積溶液中の塩濃度は、ナノ粒子の密充填層が形成されるように、LbL堆積プロセス中の引力及び反発力をバランスをさせるように選択される。塩濃度のより詳細な説明を以下に提供する。
【0192】
溶媒
ある実施形態において、本明細書中に記載のコーティングは溶媒を含む堆積溶液を使用して調製される。LbL法で使用される各溶液は溶媒を有していてよく、溶媒が何であるかは、独立して、溶液及び全体プロセスの要求に基づいて選択される。例えば、堆積溶液の各々は溶媒を有していてよく、リンス溶液も溶媒を有することができる。堆積及びリンス溶液中の溶媒は同一である必要はないが、幾つかの実施形態において、それらは同一である。
【0193】
幾つかの実施形態において、溶媒は、極性プロトン性溶媒、極性非プロトン性溶媒及び非極性溶媒から選択される。極性プロトン性溶媒の例としては、水、及び、アルコール(エタノール、メタノールなど)及び酸(ギ酸など)などの有機溶媒が挙げられる。極性非プロトン性溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド、及び、ジメチルホルムアミドなどのアミドが挙げられる。非極性溶媒の例としては、ヘキサン及びペンタンなどのアルカンが挙げられる。幾つかの実施形態において、このような溶媒の混合物もまた好適である。例えば、幾つかの実施形態において、水とエタノールとの95/5混合物などのアルコールと水の混合物は堆積溶液、リンス溶液又は3つすべての溶液のために使用することができる。幾つかの実施形態において、水は堆積溶液及びリンス溶液のために使用される。幾つかの実施形態において、塩及び他の添加剤を含む水は堆積及びリンス溶液のために使用される。
【0194】
堆積溶液及びリンス溶液中での塩はpH調節剤であることができる。このようなpH調節剤は、一般的に緩衝剤として用いられる強酸及び弱酸ならびに強塩基及び弱塩基が含まれる。例えば、水酸化ナトリウム、塩酸、水酸化アンモニウム、酢酸、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、硝酸などを用いることができる。溶液pHの効果のより詳細な説明を以下に提供する。
【0195】
上述のとおり、幾つかの実施形態において、各層が堆積された後に、リンス溶液をコーティングに適用する。リンス溶液は上記の任意の溶媒を含むことができ、幾つかの実施形態では、リンス溶液は堆積溶液と同じ溶媒を含む。例えば、幾つかの実施形態において、リンス溶液は脱イオン水などの水である。リンス溶液は、また、堆積溶液中で使用される塩と同一であっても又は異なっていてもよい塩を含むことができる。リンス溶液は、リンス溶液のpHが制御されるように、pH調節剤をさらに含んでもよい。例えば、幾つかの実施形態において、リンス溶液のpHは1〜7の範囲に維持され、幾つかの実施形態では、リンス溶液のpHは7〜14の範囲に維持される。幾つかの実施形態において、リンス溶液は各堆積溶液と一貫するように選択されうる。
【0196】
調製
ある実施形態において、本明細書中に記載のコーティングは交互積層(LbL)堆積法を用いて調製される。幾つかの実施形態において、LbL堆積法は、スプレイ、ディップ、ロール、スロットダイ、スピン、スピン−ディップ、インクジェット印刷又はそれらの組み合わせである。LbLスプレイ堆積法は少なくとも2つの堆積溶液及び少なくとも1つのリンス溶液を使用し、それらについて、本明細書により詳細に記載される。以下の議論の目的のために、LbL法は2つの堆積溶液−ナノ粒子を含む「第一の堆積溶液」及び多価電解質を含む「第二の堆積溶液」−ならびに単一のリンス溶液を用いて行なわれる。このような議論は限定を意図せず、2つよりも多くの堆積溶液を使用し、又は、第二の堆積溶液中にナノ粒子及び第一の堆積溶液中に多価電解質を用い、又は、1つよりも多くのリンス溶液を用いるLbL法などにも応用されることが理解されるであろう。
【0197】
スプレイLbL法を用いてコーティングを調製するのに、複数のバイレイヤーは2つの堆積溶液を交互にスプレイ堆積することによって調製される。第一の堆積溶液の初期スプレイはナノ粒子の層(例えば、モノレイヤー)を提供する。続いて行う第二の堆積溶液のスプレイは多価電解質を提供し、それによってバイレイヤーを形成する。他の実施形態では、第二の堆積溶液の初期スプレイは多価電解質の層を提供し、続いて行う第一の堆積溶液のスプレイはナノ粒子のモノレイヤーを提供し、それによってバイレイヤーを形成する。上述したように、多価電解質の堆積は多価電解質の連続的な個別の層(すなわち、1つのバイレイヤーのナノ粒子を隣接のバイレイヤーのナノ粒子から全体的に又は部分的に分離する層)を生じることができ、又は、ナノ粒子間の空隙空間内に実質的に配置された多価電解質となることができることが理解されるであろう。
【0198】
ある実施形態において、堆積溶液は堆積法のスプレイ部分を通して安定なままである。 「安定」とは、ナノ粒子の凝集が実質的に起こらないことを意味する。安定な溶液中において、ナノ粒子は他のナノ粒子からの最小平均距離で離れ続ける傾向があり、ここで、最小距離は凝集を回避するのに十分な距離である。堆積中の凝集の回避は溶液な取り扱いを簡素化し(例えば、スプレイノズルの目詰まりを回避することによるなど)、さらに、均一な密充填のナノ粒子モノレイヤーが形成されることを確実にするのに役立つ。
【0199】
幾つかの実施形態において、第一の堆積溶液中のナノ粒子のζポテンシャルは、ナノ粒子の第一の堆積溶液を表面上にスプレイする前又はその間に安定であるように十分な大きさである。適切なζポテンシャルとしては、約5mVを超え、又は、約10mVw超え、又は、約15mVを超え、又は、約20mVを超え、又は、約30mVを超え、又は、約40mVを超え、又は、約50mVを超える値が挙げられる。種々の要因は所望のζポテンシャルを得るために変更することができる。例えば、ζポテンシャルは、溶液中に存在する塩及びその濃度、溶液のpHなどを選択することによって変更することができる。幾つかの実施形態において、ζポテンシャルはpHに対して不変であり、ζポテンシャルはpHに関してプラトーに達していることを意味する。
【0200】
ナノ粒子の密充填モノレイヤーの形成は二次元の凝集として概念化することができる。したがって、堆積溶液は堆積法の間のある時点で安定から不安定に遷移する。 「不安定」とは、ナノ粒子が凝縮し、密充填配列を形成することができることを意味する。不安定な溶液において、ナノ粒子は凝集を回避する最小距離を必ずしも維持しない。
【0201】
幾つかの実施形態において、第一の堆積溶液中のナノ粒子のζポテンシャルは、コーティングを形成しているときにナノ粒子が表面に到達した後に低下する。その低下は安定から不安定に溶液を変換するのに十分である。適切なζポテンシャルとしては、例えば、約15mV未満、又は、約10mV未満、又は、約5mV未満の値が挙げられる。幾つかの実施形態において、ζポテンシャルによって測定される表面電荷の効果は、塩の存在のためにシールドされている。塩誘発性シールドはコロイド溶液の技術分野でよく知られている概念である。
【0202】
ζポテンシャルの上述の議論は、理論によって本発明を限定することを意図することなく提供されていることが理解されるであろう。特に、実際のζポテンシャルは、上述した理論に準拠することも又はしないこともあり得、また、既知の技術を用いて測定可能であることも又はないこともあり得る。
【0203】
ζポテンシャルを測定することができるかどうかに関係なく、本明細書中に記載の溶液及びコーティングの安定/不安定の特定の物理的な兆候は容易に明らかであろう。例えば、凝集が起こることがないことにより、堆積溶液の安定性を観察することができる。一度表面に溶液を適用すると、溶液の不安定性は密充填ナノ粒子配列の形成により観察することができる。これら及び他の観察は、注目の溶液の安定/不安定及びその間の遷移を確認するために使用することができる。
【0204】
理論に拘束されることを望まないが、幾つかの他の考慮事項は注目の材料及び方法の安定/不安定の特性に関して留意され得ることが観察される。第一に、特定の時点で、高いζポテンシャルは、反対に荷電した下層フィルムのナノ粒子の親和性を増加させる点で有用であり、望ましい。すなわち、多価電解質の堆積の後に、表面はナノ粒子とは反対に帯電されており、したがって、ナノ粒子に対して親和性を有する表面を提供する。親和性は、ナノ粒子のζポテンシャルの関数である。第二に、低いζポテンシャルは同一のモノレイヤー中に同様に帯電したナノ粒子の親和性を増加させる点で有用であり、望ましい。すなわち、任意の特定のモノレイヤー内で、ナノ粒子のζポテンシャルは十分に低くなければならず、又は、高いζポテンシャルの静電効果は、ナノ粒子が密充填配列に充填することができるように、シールドされていなければならない。高すぎるζポテンシャルは不完全なモノレイヤー被覆をもたらすことがある。これら二つの競合する要因は堆積溶液のイオン強度及びpHを調節することによりバランスされることができ、それにより、ナノ粒子上の電荷が互いにスクリーニングされることができる。このようなスクリーニングにより、ナノ粒子が表面に配向するようにナノ粒子を互いに接近させることができる。十分に近い中心−中心距離では、ファンデルワールス引力は密充填配列でナノ粒子を保つのに重要になる。幾つかの実施形態において、続いて行うリンス溶液の適用は次の堆積溶液との親和性が高くなるようにζポテンシャルを増加させるために使用することができる。
【0205】
幾つかの実施形態において、堆積溶液のイオン強度及びpHは溶液が安定である(すなわち、凝集が発生しない)ように維持される。幾つかのこのような実施形態において、溶液は安定であるが、そうであるばかりではない。すなわち、pH又はイオン強度のわずかな変化で溶液が不安定(凝集の発生によって証明して)になることがある。そのような安定した溶液では、ナノ粒子は、ナノ粒子が付着して凝集を起こすことなく可能な限り近くに互いに接近することができるであろう。
【0206】
堆積溶液のpH及びイオン強度を制御することにより、ナノ粒子のζポテンシャルを最大化することができる。幾つかの実施形態において、pHはζポテンシャルがpHに対して不変であるように維持される(すなわち、ζポテンシャルはpHに関してプラトーである)。さらに、イオン強度はナノ粒子表面で電荷のある程度のシールドを可能にするレベルにまで増加される(例えば、溶解した塩を使用して)。このようなpH及びイオン強度のレベルでは、堆積溶液は安定であるが、ナノ粒子は下層の表面に強固に結合する。最適なpH及びイオン強度のレベルを決定するための方法としては、例えば、溶液を塩析した後、わずかに観察塩濃度下で操作することが挙げられる。
【0207】
各バイレイヤーの堆積により、コーティングは厚さが成長する。したがって、堆積されたバイレイヤーの数の関数としてのコーティングの厚さ(例えば、光学的又は物理的測定によって決定される平均値)をグラフ化することが可能である。コーティングの成長率は、このようなグラフの傾きとして定義することができる。幾つかの実施形態において、コーティングの成長率は理想値の10%以内又は5%以内又は3%以内であり、ここで、理想値はナノ粒子の直径の81%である(ナノ粒子が均一な剛性球であり、多価電解質の存在による寄与は最低限で、完全な三次元密充填配列を形成するものと仮定して計算される)。
【0208】
しかしながら、幾つかの実施形態では、理想値から逸脱した成長率は様々な要因によって得ることができる。例えば、幾つかの実施形態では、ナノ粒子と交互に堆積される多価電解質はバイレイヤーの厚さを実質的に増加させないが(例えば、多価電解質は単にナノ粒子間の凹部に配置されるため、又は、少量のみの多価電解質が堆積されるため)、他の実施形態では、多価電解質はバイレイヤーの厚さを実質的に増加させる。特定の多価電解質では特に、増加したバイレイヤーの厚さをもたらす。例えば、アクリレート置換ポリアミンポリマーはナノ粒子の直径を超える平均バイレイヤー厚になるようにして多価電解質として用いることができる。他の多価電解質はまた、特に、画定可能な/識別可能な厚さの層を形成するのに十分な多価電解質が堆積される場合に、使用することができる。
【0209】
幾つかの実施形態では、所望のコーティングの成長率は適切なサイズのナノ粒子を選択することによって得ることができる。幾つかの例では、異なるサイズのナノ粒子の適切な組み合わせの選択は、得られるコーティングの成長率及び/又は特性をさらに調節するために使用することができる。幾つかの実施形態において、他のバイレイヤータイプとの界面、基材との界面、又は、空気との界面に最も近くに最小直径のナノ粒子を維持することが望ましい。一方、より粗い界面は、界面により大きな粒子を維持することにより得ることができる。
【0210】
異なるサイズのナノ粒子の混合物を用いて、コーティング成長率をさらに調節することができる。複数のナノ粒子サイズを使用するときに考慮することができる特性としては、ナノ粒子の拡散速度、電荷/表面積比、及び、種々の直径粒子の数密度が挙げられる。例えば、2、3、4、5、6、7倍以上で平均直径が異なるナノ粒子の混合物は、異なる比率で使用することができる。例えば、40wt%の7nmナノ粒子及び40wt%の50nmナノ粒子(平均直径)の50−50混合物は40wt%の7nmナノ粒子のみから構築されるフィルムの厚さと実質的に同一の厚さを有するフィルムとなる。コーティングの用途も幾つかの実施形態で考察点である。例えば、光学波長で最小限に光を散乱する、より大きなナノ粒子(例えば、平均直径が70nmを超えるナノ粒子)を選択すると、より大きなナノ粒子はより高いバイレイヤー成長率を提供するので、より効率的に光学フィルムを堆積させるために適切であることができる。幾つかの実施形態では、より大きな粒子は、より低い屈折率を有するフィルムを作成するために使用することができる。
【0211】
多価電解質は注目のコーティングを調製する際に考慮される追加の変数を提供する。例えば、より大きなナノ粒子が使用されるときに(例えば、40nmを超える平均直径)、より低分子量のポリマー(例えば、20,000Daより低い)は得られるコーティングのヘイズの量を低下させるために使用することができる。理論に拘束されることを望まないが、より低分子量の多価電解質は、ナノ粒子の高屈折率(RI)からの空気の低いRIへの移行を滑らかにするのに役立つものと考えられる。代わりに又は追加的に、多孔性シリカ又はゾル−ゲル合成ナノ粒子などの他の技術を用いて、コーティングの屈折率を変化させることができる。
【0212】
幾つかの態様において、2つのタイプのバイレイヤーを用いてコーティングを調製することができ、ここで、バイレイヤーのタイプは、例えば、使用される材料において異なる。例えば、コーティングは2つのタイプのバイレイヤーから作ることができ、ここで、1つのバイレイヤーはPDAC及びSiO
2ナノ粒子から形成され、他方のバイレイヤーはPDAC及びTiO
2ナノ粒子から形成されている。2つのタイプのバイレイヤーは交互になっていてよく、又は、「フィルム」(例えば、PDAC及びSiO
2から形成された5層のバイレイヤーはPDAC/SiO
2のフィルムと呼ばれ、PDAC及びTiO
2から形成された10層のバイレイヤーはPDAC/TiO
2のフィルムと呼ばれる)中に堆積されてよい。
【0213】
2つのタイプを超えるバイレイヤーを含むスタックを構築する幾つかの実施形態において、同様のプロセス条件をバイレイヤーのために用いる。同様のプロセス条件の例は、二つの異なるタイプの同様に帯電したナノ粒子(例えば、両方ともアニオン性又はカチオン性)を、単一のタイプの反対に帯電したポリマーとともに使用することである。代わりに又は追加的に、様々なタイプの材料を含む溶液のpH条件は等しいか又は同様であることができる(例えば、互いに2pH単位内)。代わりに又は追加的に、リンス溶液のpH条件は堆積溶液と比較して、等しいか又は同様であることができる(例えば、2pH単位以内)。同様のプロセス条件の別の例は、種々の堆積溶液及びリンス溶液について同様のイオン条件を有することである。同様のイオン条件とは、例えば、同様のイオン強度(10%以内又は20%以内)、及び/又は、同様の対イオンタイプ、及び/又は、同様のイオンオン/オフ率(kD又はイオン交換強度)を意味する。
【0214】
上述のとおり、用語「コーティング領域」は、本明細書中で使用されるときに、コーティングが形成された基材の領域を指す。幾つかの実施形態において、コーティング領域はコーティング溶液が適用された領域と同一であるが、幾つかの実施形態において、このような領域は正確には同一ではないことが理解されるであろう。例えば、コーティング溶液が垂直位置に保持された基材に適用される(例えば、スプレイされる)場合には、あるコーティング溶液は重力により基材の下方に移動し、コーティング溶液の適用を直接的に受けていない領域の上にコーティングを形成することができる。
【0215】
コーティングプロセス全体を通して、コーティング及びコーティングの周囲の環境の温度を所望の範囲内に維持することができる。このような範囲は、所望ならば、室温未満、例えば、15℃、又は、10℃、又は、5℃、又は、0℃以下とすることができる。このような範囲は、室温を超える温度、例えば、50℃、又は、75℃、又は、100℃、又は、150℃を含む。幾つかの実施形態において、コーティング及び環境の温度は調節されず、このため、温度はほぼ周囲温度(すなわち、室温)に維持される。
【0216】
幾つかの実施形態において、コーティングプロセス全体にわたって、コーティング及びコーティングの周囲の環境の温度は特定のしきい値温度未満に維持される。例えば、幾つかの実施形態において、温度はナノ粒子材料の焼結温度を下回る温度に維持される。幾つかの実施形態において、温度はコーティングの水熱処理に要求される温度を下回る温度に維持される。幾つかの実施形態において、温度はコーティングの焼成温度(すなわち、多価電解質などのコーティングの1つの成分の全て又はほとんど除去するのに要求される温度で、このような温度はナノ粒子のすべて又は一部を融合させるのに十分であることができる)を下回る温度に維持される。幾つかの実施形態では、温度はナノ粒子を融合させるのに必要な温度を下回る温度に維持される。
【0217】
幾つかの実施形態において、コーティングプロセス全体にわたって、コーティングの周囲環境の圧力は所望の範囲内に維持することができる。このような範囲としては、90kPa、又は、80kPa、又は、70kPa、又は、50kPa、又は、25kPaなどの減圧が挙げられる。このような範囲としては、また、110kPa、又は、120kPa、又は、150kPa、又は、200kPaなどの高圧が挙げられる。幾つかの実施形態では、圧力は調節されず、このため、圧力はほぼ周囲(すなわち、標準)圧力である。
【0218】
スプレイLbLは例示として上述したが、LbL堆積の他の形態は注目のコーティングを調製するために使用されうることが理解されるであろう。例えば、ディップLbLを使用することができる。ナノ粒子コーティングの静電誘導型構築を含む代替の堆積方法を用いてもよい。堆積の方法を変更するときの適切な変更及び考慮事項は明らかであろう。
【0219】
実施例に示すように、本開示の方法が特定の変数に対して感受性が低く又は非感受性である範囲内でプロセスウィンドーを観察することができる。例えば、理論に束縛されることを望まないが、堆積溶液及びリンス溶液中の塩濃度は、同様な電荷をシールドする塩の能力のために、役割を果たすことができ、それによって、同様に帯電したナノ粒子が互いに接近して、密充填配列を形成することができる。しかしながら、あまりにも多くの塩が使用されている場合(すなわち、コロイド引力が支配的である程度に静電荷が遮蔽されている場合)、ナノ粒子は溶液中で不安定になり、凝集し始めることがあり、それによって密充填モノレイヤーの形成を防止する。実施例に示されるように、塩濃度のウィンドーは決定され、そのウィンドー内で、コーティング成長率(それはバイレイヤーの厚さの測定値である)は比較的に一定のままである。幾つかの実施形態において、コーティング成長率プラトーは0.81*d
npの理論成長率の値に対応する。幾つかの実施形態では、コーティング成長率プラトーは0.71*d
npの理論成長率の値に対応する。
【0220】
幾つかの実施形態において、堆積溶液中の塩濃度は1mM〜1000mM、又は、10mM〜100mM、又は、30mM〜80mMの範囲であることができる。幾つかの実施形態において、堆積溶液中の塩濃度は、1mM、10mM、100mM又は500 mMを超える。幾つかの実施形態において、塩濃度は500mM、100mM、70mM、50mM又は20mM未満である。幾つかの実施形態において、リンス溶液中の塩濃度は、0〜100mMの範囲であることができる。幾つかの実施形態において、堆積溶液及び/又はリンス溶液中の塩濃度は塩が何かによって変化される。例えば、TM50シリカナノ粒子を含む溶液では、約45mM〜約60mMの範囲のNaClの塩濃度は塩濃度とは独立したフィルム成長率ウィンドーを提供する。また、例えば、AS40シリカナノ粒子を含む溶液では、約50mM〜約100mMの範囲のテトラメチルアンモニウムクロリドの塩濃度は塩濃度とは独立したフィルム成長率ウィンドーを提供する。
【0221】
効率
ある実施形態において、注目の方法はコーティングのLbL堆積の輸送効率、速度、均一性及び/又はそれらの組み合わせを向上させる。幾つかの実施形態において、注目の方法は、コーティングのLbLスプレイ堆積の効率、速度、均一性及び/又はそれらの組み合わせを改良する。スプレイ塗布は例示であり、本出願を通して議論されているが、これは限定することを意図するものではない。ある実施形態では、注目の方法は、LbLフロー、ディップ、スピンなどのコーティングの堆積の効率、速度、均一性及び/又はそれらの組み合わせを改良する。以前から知られているスプレイLbL法と比較して、注目の方法はコーティング成分のスプレイ堆積における輸送効率の増加を可能にする。本明細書中に使用されるときに、用語「輸送効率」は、堆積層内にある分子の数に対するコーティング中に取り込まれた状態となる堆積層中の分子の数を指す。この議論に関連し、理想化された輸送効率は、表面に適用された分子の総数に対する、フィルム中に取り込まれている分子の数の比を取ることによって決定することができる。実際には、輸送効率は堆積溶液に使用されるノズルを出る分子の総数に対する、フィルム中に取り込まれる分子の数の比により密接に関連する。しかしながら、表面への溶液の輸送の間の損失は、堆積領域内の空気流を含む、当該技術分野で周知の技術によって対処することができるので、輸送効率のこの態様は対処されないであろう。コーティング中に取り込まれない分子は、例えば、本明細書中に記載の1つの方法(例えば、リンス溶液による洗浄、エアナイフによる吹き飛ばしなど)により基材から除去される。したがって、第一の方法を用いて、第二の方法と比較してコーティング中に組み込まれる堆積層中の分子百分率がより大きいならば、第一の方法は第二の方法と比較して増加した輸送効率を有する。記載の方法のうちの幾つかは他のLbL法において関連性を有しており、開示の方法はスプレイ堆積に限定されることを意図していないことが理解される。例えば、記載の方法は、ディップ、スピン、スピン−スプレイ、スプレイ又はそれらの組み合わせによる交互積層堆積法に関連性を有する。各手法の変形は独自の利点を有しているが、記載の方法は、積層構築法の大規模な実施を可能にする。幾つかの実施形態において、1つのバイレイヤー又は複数のバイレイヤーは9平方インチ、16平方インチ、25平方インチ、100平方インチ、1000平方インチ、10,000平方インチ又はそれよりも大きい領域を形成することができる。幾つかの実施形態では、1つのバイレイヤー及び複数のバイレイヤーは9平方インチ、16平方インチ、25平方インチ、100平方インチ、1000平方インチ、10,000平方インチ/分又はそれより大きい速度で急速に大面積上に形成されうる。幾つかの実施形態では、バイレイヤーを形成するために要求されるプロセス時間、又は、t
bilayerは2分未満、1分未満又は30秒未満である。幾つかの実施形態では、基材が堆積法に対して移動する速度は、1、5、10、15、25、50、又は50m/分を超える。記載の方法は積層構築に関連しており、自己限定性を利用し、精度及び均一性をもたらす。スロットダイコーティング、スピンコーティング、スプレイコーティング及び当該分野で公知の他のものなどの他のコーティング技術は自己限定性を利用せず、本明細書中に記載の方法と組み合わせて使用される場合を除いて、装置又はプロセスの精度によってのみ決定される精度をもたらす。幾つかの実施形態では、表面上の得られるバイレイヤー又は複数のバイレイヤーの厚さの全変動は、10%未満、又は、8%未満、又は、5%未満、又は、3%未満、又は、2%未満、又は、1.5%未満、又は、1%未満であり、ここで、表面は4平方インチを超え、又は、10平方インチ、又は、50平方インチ、又は、1000平方インチ、又は、5000平方インチ、又は、10000平方インチを超える。
【0222】
理論により限定されることを望まないが、
図3はLbL堆積プロセス中に起こると考えられているものの模式説明を提供する。具体的には、
図3は、数層のコーティング層の堆積及びリンス溶液の関連適用の後のコーティングを示す模式図である。
図3は、実際には、三次元のプロセスであるものを二次元表現で示していることが理解されるであろう。したがって、LbL堆積又は結合動態の3−D性に由来する特定の効果は堆積中にも存在し、LbLコーティングの当業者はこのような効果を理解するであろう。
【0223】
図3において、基材340はフィルム330により表面上が被覆される。フィルム330はナノ粒子及び多価電解質の交互の層(ラベル化していない)を含む。フィルム330は本明細書中に記載のLbL堆積法を用いて調製される。例えば、方法は第一の堆積溶液(多価電解質又はナノ粒子)を(部分)適用し、次いで、時間t
depにわたって待機し、第一の堆積溶液からの堆積材料を基材に結合させることを含む。時間t
dep後に、リンス溶液を適用し、次いで時間t
rinseにわたって待機する。理論に拘束されることを望まないが、待機時間t
rinseは、フィルム330付近の緩く未結合又は過剰の材料を除去する前に表面から十分に離れて拡散するのに要求されると考えられる。関連する待機時間でもって第一の堆積溶液及びリンス溶液を適用した後に、交互積層構築ハーフバイレイヤー(本明細書中でコーティング層とも呼ぶ)が得られる。すべての待機時間の総計はt
halfbilayerである。次いで、第二の堆積溶液(第一の堆積溶液の材料に相補的である多価電解質又はナノ粒子)を適用し、時間t
dep2にわたって待機し、第二の堆積溶液からの堆積材料を表面に結合させる。時間t
dep2後に、リンス溶液を適用する。このプロセスにより、バイレイヤーを形成し、そして繰り返して、複数のバイレイヤーを形成する。バイレイヤーを形成するのに要求される時間はt
bilayerである。幾つかの実施形態において、複数リンス段階を用い、ここで、堆積溶液の適用前に、あるリンス溶液の適用に次いで別のリンス溶液を適用する。幾つかの実施形態において、t
rinse2、t
rinse3、t
rinse4、t
rinse5又は更なる時間などの追加のt
rinse時間を要求する複数段階リンスがある。幾つかの実施形態において、t
dep2、t
dep3、t
dep4、t
dep5又はさらなる時間などの追加のt
dep時間を要求する複数段階堆積がある。これらの場合には、t
halfbilayerは追加の関連待機時間を加算することにより増加される。
【0224】
溶液を「表面」に適用するときに(例えば、前パラグラフで記載したように)、用語「表面」は液体表面又は固体表面を指すことができることが理解されるであろう。例えば、最初に、堆積溶液を基材に適用し(すなわち、バイレイヤーの第一の部分を形成するために)、堆積は基材の固体表面に直接適用される。その後、リンス溶液を「表面」に適用し、これは先の適用からの基材上に存在する堆積層の液体表面にリンス溶液を適用することを意味する。その後、再び、堆積溶液を「表面」に適用し、これは堆積溶液の先の適用からの堆積層とリンス層との組み合わせに堆積溶液を適用することを意味する。これらの場合の各々において、溶液のスプレイ塗布は「表面」に適用されるものとして参照される。
【0225】
ここで
図3に戻ると、フィルム330の上には残留リンス層320がある。残留リンス層320はリンス溶媒を含み、コーティングの一部となるように表面に付着することがなかったフィルム形成性材料(すなわち、ナノ粒子及び多価電解質、
図3に示さず)をさらに含むことができる。このような付着しなかったフィルム形成性材料は、例えば、下層フィルムが密に充填されており、空き結合部位がない場合には、過剰材料であることができ、又は、表面上の結合部位への拡散制御移行を完了していない材料であることができる。例えば、堆積溶液を適用し、該堆積溶液からの堆積材料が表面に拡散しそして結合部位に結合するような時間(t
dep)を経過させた後に、リンス溶液を表面に適用したときに、残留リンス層は結合される。
【0226】
図3において、堆積層300は残留リンス層320の上に示されている。一般に、堆積層は堆積工程において表面に適用された堆積溶液の層を表す。
図3において、堆積層300は残留リンス層320上に直接的に適用した堆積溶液を表す。堆積層300は溶媒中に溶解されたフィルム形成性材料、例えば、350を含む。堆積層300からのフィルム形成性材料は基材340上のフィルム330に到達しそして結合するように、残留リンス層320を通して拡散しなければならない。
【0227】
堆積層中の溶媒及び下層の残留リンス層中の溶媒が同一の溶媒であるときに、2つの層は合体して、フィルム形成性材料の濃度が傾斜している単一の層となることが理解されるであろう。理解の容易性のためにこの説明では層を区別しており、実際には、このような層は、その内部の堆積材料の濃度に基づいて区別されうる。
【0228】
堆積層300内に欠乏深さ310がある。堆積層の欠乏深さは下層コーティング中のすべての利用可能な結合部位を飽和させる(又は自己限定密充填モノレイヤーを提供する)ために十分なフィルム形成材料を含む堆積層の厚さである。欠乏深さは、例えば、堆積層の濃度及びフィルム形成性材料が何であるか(例えば、ナノ粒子の直径など)に依存する。欠乏深さ310を超えると、残留堆積領域311があり、それも溶媒中に溶解したフィルム形成性材料を含む。残留堆積領域311中のフィルム形成材料はフィルム330に到達しそして結合することがなさそうである。というのは、それは過剰材料であり、フィルムは自己限定的であり、そしてその過剰材料は欠乏深さ310にある材料と比較して、より長い距離を拡散しなければならないからである。
【0229】
フィルム330は、堆積材料のモノレイヤーの形成により厚さが成長する。堆積材料は、スプレイされた堆積層から供給される。したがって、密に充填されたモノレイヤーの形成に要する時間の最小量は欠乏深さの最遠縁の粒子が欠乏深さを通しそして残留リンス層を通して拡散し、フィルムに到達するのに要する時間に等しい。例えば、もし残留リンス層が10μmであり、そして欠乏層深さが10μmであるならば、飽和(すなわち、密に充填された)モノレイヤーの形成に要する時間の最小量は、堆積材料の分子が堆積溶液及びリンス溶液の20μmを通して拡散するのに要する時間である。空乏結合部位を見出すために分子の横方向拡散が要求される場合など、実際の時間はもっと長いので、これは最小時間である。堆積材料の各分子又は粒子はフィルムに組み込まれるために、結合部位を見出さなけなければならない。本明細書中では、堆積材料の関係での用語「拡散時間」は堆積溶液層からの分子又は粒子が、表面からの分子又は粒子の距離及び粒子又は分子の拡散速度に基づいて、表面に拡散するのに要する時間を指す。次に、「平均拡散時間」は、堆積溶液層中の分子又は粒子のすべて又は代表的な部分に対して平均された拡散時間である。
【0230】
残留リンス層は成長しているフィルムと堆積溶液が直接的に接触するのを防止する。すぐ上に記載したように、残留リンス層を通した、スプレイされた堆積層を通したナノ粒子又はポリマーの主要な輸送機構は拡散であると考えられる。したがって、処理時間は、ポリマー/ナノ粒子の拡散限定(例えば、ポリマー/ナノ粒子のサイズ、温度、溶液の粘度など)及び当該分野で公知の他のパラメータによって制限される。さらに、拡散は時間の平方根に依存するので、要求される拡散距離が2倍になると、要求される待機時間は4倍になる。それゆえ、当該技術分野で既知の拡散方程式を使用して、ナノ粒子又はポリマーの特性、温度、溶媒の粘度、残留リンス層の厚さ及びスプレイされる堆積溶液を考慮して、フィルムを形成するのに必要な時間の量を最初に決定することができる。それゆえ、また、欠乏深さを低減し及び/又は残留リンス層の厚さを低減することによって、フィルム形成に要する時間を短縮することも可能である。幾つかの実施形態において、残留リンス層は10μm未満、5μm未満、1μm未満、100nm未満、又は、10nm未満の厚さに低減される。リンス層の厚さ(及び他の溶媒系の層の厚さ)は、例えば、分光反射率のような既知の方法を用いて測定することができる。
【0231】
幾つかの例では、残留リンス層の不均一性は流体不安定性(例えば、フィンガリング又はチャネリング)に起因して存在することがあることが理解される。したがって、幾つかの実施形態では、残留リンス層は平滑化され、及び/又は、層の厚さは低減される。幾つかの実施形態では、スプレイされた堆積層は平滑化され、及び/又は、層の厚さは低減される。このような層の平滑化は、本明細書中に記載の任意の手段により達成することができ、例えば、空気又は別のガスの流れ、1つ以上のコンタクトローラの使用などによって達成することができる。このような層の厚さの低減は、本明細書中に記載の任意の手段により達成することができ、例えば、空気又は別のガスの流れ、1つ以上のコンタクトローラの使用、溶媒の蒸発、ロールに基づくシステムにおけるウェブ張力の増加などによって達成することができる。
【0232】
各モノレイヤー又はハーフバイレイヤーの形成に要求される時間の低減は全体としてのフィルムの形成に要する時間の低減に等しいことが理解されるであろう。しかしながら、速度と輸送効率との間にはトレードオフがある。例えば、堆積とリンスとの間の待機時間は堆積溶液の濃度を増加させること(それにより、欠乏深さを低減すること)によって低減することができる。しかしながら、より高い濃度では、より多量の堆積材料が欠乏深さを超えて存在するので、低減された輸送効率をもたらすであろう。
【0233】
幾つかの実施形態において、堆積とリンスとの間のモノレイヤーを形成するために要求される時間の最小量である最小待機時間t
dep−minは、5分未満、又は、2分未満、又は、1分未満、又は、45秒未満、又は、30秒未満、又は、20秒未満、又は、10秒未満、又は、8秒未満、又は、4秒未満である。幾つかの実施形態では、最小待機時間は4秒〜30秒、又は、4秒〜20秒、又は、4秒〜15秒である。幾つかの実施形態では、t
depはt
dep−minに等しい。
【0234】
幾つかの実施形態において、本明細書中に開示される方法を使用したスプレイ効率(eff)は3%を超え(すなわち、基材上にスプレイされた堆積材料の3%を超える量がフィルム中に取り込まれている)、又は、5、10、15、20、25、30、35、40、50又は75%を超える。幾つかの実施形態において、本明細書中に開示される方法を使用したスプレイ効率は5%〜99%、又は、10%〜99%、又は、15%〜95%、又は、20%〜95%、又は、25%〜75%である。条件(堆積溶液の濃度、堆積材料が何であるか、堆積層の厚さなどを含む)のセットが指定されると、最大理論輸送効率があることが理解されるであろう。この値は、堆積材料の密に充填されたモノレイヤーが表面上に形成された後に、堆積層中に残存している堆積材料の量の測定値である。LbLフィルム形成の自己限定性のために、経過時間に関係なく、最大輸送効率は増加され得ない。幾つかの実施形態において、本明細書中に記載の方法は、LbLフィルムの形成後に堆積層に残っている過剰な堆積材料の量を低減することにより輸送効率を最大化しようとする。幾つかの実施形態において、本明細書中に記載の方法は、密に充填されたLbLフィルムの完全な形成又はほぼ完全な形成を可能にしながらも、堆積及びリンスの間に要求される時間量を最小限に抑制しようとする。
【0235】
輸送効率の関係では、欠乏深さ/スプレイされた堆積層の厚さの比は輸送効率に影響を及ぼす。欠乏深さの外部に存在する堆積材料のすべて又は大部分は無駄になり、そして輸送効率の低下を引き起こす可能性が高い。
【0236】
残留リンス層が完全に除去されるならば(例えば、堆積及びリンス後にフィルムを乾燥することにより)、残留リンス層の不均一性はそれが除去された後に導入されうる(例えば、濃度、表面張力の変化による)ことが理解されるであろう。これらの不均一性は、得られるフィルム中に対応する不均一性をもたらすことがある。このような不均一性(例えば、層の厚さ又は充填密度の)は構築プロセスにおいて役割を果たすことも又は果たさないこともある。さらに、理論に拘束されることを望まないが、繰り返しの乾燥工程は、プロセスの間にフィルムの破損(例えば、フィルムクラッキング)につながることがあると考えられる。さらに、理論に拘束されることを望まないが、残留リンス層を完全に除去すると、フィルムがフロント側コンタクトローラ上を移動するときなどに、フィルムの引っ掻き傷の原因となる。
【0237】
幾つかの実施形態において、欠乏深さは、溶液濃度の変化又は溶液中の粒子の拡散に影響を及ぼす他の変化(例えば、Mw、サイズ、粘度、温度、形状など)により変化されうる。幾つかの実施形態において、欠乏深さは10μm未満、又は、5μm未満、又は、1μm未満にされる。幾つかの実施形態において、欠乏深さはスプレイ堆積層の厚さの少なくとも5、10、20、30、50、75又は90%とされる。
【0238】
幾つかの実施形態において、残留リンス層の厚さは堆積溶液を用いて、残留リンス層を押し退け又は押出すことにより低減されうる。しかしながら、これは追加の堆積溶液を必要とし、それゆえ、より低い輸送効率をもたらしうる。
【0239】
理論に拘束されることを望まないが、リンス溶液の適用は堆積材料の希釈を引き起こすと考えられる。堆積スプレイを適用することが残留リンス層を薄くすることがある(上記を参照)のと同様に、リンス溶液をスプレイする活動は、組み合わされた残留リンス層及びスプレイ堆積層内の過剰材料を希釈するように機能する。したがって、リンス溶液を適用した後であっても、残留リンス層中に幾らかの粒子及びポリマーが依然として存在する。過剰の粒子及びポリマーは堆積溶液の続く適用からの材料との複合体形成を引き起こし、構築プロセスの混乱を生じさせることがある。これらの過剰の分子及び粒子の除去は、例えば、表面から押し出すことによって行うことができる。幾つかの実施形態では、このことは、空気流の適用、真空、重力、他の物体力などによって残留リンス層の厚さの減少とともに達成される。幾つかの実施形態において、このことは、表面張力効果、マランゴニフロー、電気浸透又は電気泳動とともに達成される。これらの方法の任意の組み合わせも用いてもよい。幾つかの実施形態では、上記の方法を用いた、これらの過剰の分子及び粒子の除去は、リンス工程中に十分な希釈に必要な体積を低減させる。幾つかの実施形態では、上記の方法を用いた、これらの過剰の分子及び粒子の除去は、リンス工程の必要性をなくす。
【0240】
幾つかの実施形態では、注目の方法は、堆積溶液を適用して、表面上に堆積層を形成することを含む。このような適用はスプレイ塗布又は、さもなければ、基材を堆積溶液中にディッピングし、そしてそこから取り出すなどの他の方法によることができる。本明細書中に記載されるように、堆積層は必要に応じて薄められてよい。また、本明細書中に記載のように、堆積溶液は、溶媒及び堆積材料(例えば、ナノ粒子又は多価電解質)を含む。このような適用は、d
depと等しい厚さ、C
Bと等しい堆積材料の初期濃度、及び、Dと等しい拡散係数(すなわち、堆積層溶媒を通した堆積材料の拡散の拡散係数)を有する堆積層を形成する。拡散係数Dは実験的に決定し、そして理論的に見積もることができる(例えば、球状粒子に対するストークス−アインシュタインの式を使用して)。堆積層は表面に直接的に配置されるか、又は、表面上に間接的に配置されることができる。表面上に間接的に配置されたときに、残留リンス層は堆積層と表面との間に存在することができる。表面は基材の表面又はフィルムの表面のいずれであってもよい。
【0241】
堆積溶液の適用の直後に、堆積材料は堆積層から外部にそして表面上に拡散し始める(又は、残留リンス層が存在するならば、残留リンス層中に拡散し、その後、最終的に表面上に拡散する)。このことは堆積材料が表面上に飽和モノレイヤーを形成するまで続ける。変数C
Sは「所望の表面濃度」(面積当たりの粒子の数として測定される)を表す。例えば、飽和(すなわち、密充填)モノレイヤーのためのC
S値はモノレイヤーのための最大可能C
S値である。より低いC
Sは任意の所望の適用のために選択されうる。例えば、堆積時間後及びプロセス時間の間に、堆積材料の表面濃度は、更なる分子が表面に結合するときに増加し、C
Sに漸近する。表面濃度C
Sは充填密度の測定値であり、粒子サイズ、ζポテンシャルなどの様々な要因に依存することが理解されるであろう。
【0242】
堆積材料が堆積層から表面に拡散するときに、堆積層内の全体の濃度は低下する。理論に束縛されることを望まないが、堆積層は欠乏深さ及び残留堆積領域(上記に規定)に分割されるものと考えられる。残留堆積領域の厚さが欠乏深さの厚さ以上である限り、欠乏深さ内の堆積材料の濃度はプロセス時間t
dep全体にわたって実質的に一定のままである(又は、20%未満、又は、10%未満、又は、5%未満、又は、2%未満で変動する)。換言すれば、ここでも、理論に拘束されることを望まないが、堆積材料が欠乏深さから表面に拡散するときに、置換堆積材料は残留堆積領域から欠乏深さに拡散すると考えられる。この置換機構は、欠乏深さ内の濃度を実質的に一定に維持する。もし残留堆積領域が欠乏深さほど厚くないならば、一度残留堆積領域における堆積材料が消耗されると、欠乏領域内の濃度は低下し始める。等しい厚さの堆積層及び欠乏深さの限度で(すなわち、残留堆積領域が存在しないときに)、欠乏深さ内の濃度はプロセス時間t
depにわたってゼロに低下するであろう。
【0243】
時間t
depは「プロセス時間」であり、すなわち、堆積溶液の適用及びリンス溶液の適用の間に許容される時間の量である。幾つかの実施形態において、プロセス時間は堆積材料が表面上に飽和(すなわち、密充填)モノレイヤーを形成するのに要求される時間である。時間t
depは、拡散率D、堆積層厚さd
dep、残留リンス層の存在及び特性(例えば、粘度及び厚さ)などの様々な要因に基づいて選択することができることが理解されるであろう。例えば、もし残留リンス層が存在せず又は比較的薄い残留リンス層が存在する場合には、t
depはより低い値(例えば、10秒未満、又は、5秒未満など)を有するように選択することができる。幾つかの実施形態では、t
depを選択し、堆積溶液を適用し、その後、リンス溶液を適用した時点でt
depに等しい時間経過させる。プロセス時間を経過させる任意の時点で、本明細書中に記載のように堆積層を薄くすることができる。幾つかの実施形態では、t
depはt
dep−minに等しい。
【0244】
幾つかの実施形態において、拡散定数Dは10
−5cm
2/s〜10
−11cm
2/sの範囲とすることができる。
【0245】
幾つかの実施形態において、C
Sは10
19粒子/m
2〜10
8粒子/m
2の範囲とすることができる。
【0246】
幾つかの実施形態において、C
Bは0.0001wt%〜50wt%の範囲とすることができる。
【0247】
幾つかの実施形態において、t
depは10
−6秒〜10
6秒の範囲とすることができる。例えば、t
depは1分未満、又は、30秒未満、又は、15秒未満、又は、10秒未満、又は、5秒未満、又は、3秒未満、又は、1秒未満、又は、0.1秒未満、又は、0.01秒未満であることができる。また、例えば、t
depは0.01秒〜60秒、又は、0.1秒〜30秒、又は、1秒〜15秒であることができる。幾つかの実施形態において、時間t
depは、密に充填されたモノレイヤーを作成するために要求される実際の実験時間よりも大きく又は小さくなるように選択することができる。t
depが密に充填されたモノレイヤーを作成するのに要求される時間よりも短い場合には、モノレイヤーは形成されない。それにもかかわらず、本明細書中に記載の方法はなおも使用されうる。
【0248】
t
rinseは10
−6秒〜10
6秒の範囲であることができる。例えば、t
rinseは、1分未満、又は、30秒未満、又は、15秒未満、又は、10秒未満、又は、5秒未満、又は、3秒未満、又は、1秒未満、又は、0.1秒未満、又は0.01秒未満であることができる。また、例えば、t
rinseは0.01秒〜60秒、又は、0.1秒〜30秒、又は1秒〜15秒であることができる。幾つかの実施形態では、時間t
rinseは表面から緩く結合された又は過剰のフィルム形成性の材料を除去することができるの要求される実際の実験時間よりも大きく又は小さく選択することができる。それにもかかわらず、本明細書中に記載の方法は、なおも使用されうる。幾つかの実施形態において、方法は交互積層構築のためのハーフバイレイヤーを形成するための急速かつ高輸送効率の堆積方法を提供し、該方法は:(a)堆積材料を含む堆積溶液の層を表面上に厚さ(d
dep)で形成すること、ここで、d
depは
【数3】
により示される、(b)前記堆積溶液及び前記表面の間の接触の最小時間(t
dep−min)を維持すること、ここで、t
dep−minは
【数4】
により示される、
を含み、上式中、C
Sは表面上の堆積材料の所望の二次元濃度であり、C
Bは堆積溶液中の堆積材料のバルク濃度であり、d
depは堆積溶液の適用された層の厚さであり、堆積材料の輸送効率(eff)は0.03を超え、Dは堆積溶液中の堆積材料の拡散係数であり、最小待機時間t
dep−minは10秒未満であり、そして、ハーフバイレイヤーの厚さは堆積材料のモノレイヤーの厚さ以下である。
【0249】
幾つかの実施形態において、速度及び輸送効率をもって、表面上に堆積材料の所望の二次元濃度(C
S)を含むハーフバイレイヤーであって、該ハーフバイレイヤーの厚さが堆積材料のモノレイヤーの厚さ以下であるハーフバイレイヤーを形成する方法は:(a)堆積溶液を表面上に適用して、該表面上に直接的又は間接的に配置された堆積層を形成し、場合により、該堆積層を薄くすること、ここで、前記堆積層は厚さd
depを有し、前記堆積溶液は溶媒及び堆積材料を含み、ここで堆積層中の堆積材料の濃度はC
Bであり、堆積材料は堆積層中で拡散係数Dを有し、そしてeffは堆積材料の輸送効率であり、1.0未満であり、0.03を超える正の数である、及び、(b)t
depが[C
S2/[C
B2×D]以上であるように時間t
depを経過させることを含む。該方法は、さらに、(c)リンス溶液を堆積層に適用し、残留リンス層を形成し、結合していない第一の堆積材料を時間t
rinseにわたって表面から離れるように拡散させること、ここで、表面付近の結合していない第一の堆積材料の濃度は低下する、及びd)残留リンス層の厚さを低減させることを含む。該方法は相補的なハーフバイレイヤーを形成するために、独自のC
S、C
B、eff、D、t
rinse及びt
depを有する相補的堆積溶液を用いて工程(a−d)を繰り返すことを更に含んでもよく、その結果、バイレイヤーとなるであろう。該方法は、さらに、フィルムを形成するための複数の相補的なバイレイヤーの繰り返しを含むことができる。
【0250】
装置
本明細書中に記載の方法を実施しそして材料/製品を調製するのに適する装置も注目される。
【0251】
幾つかの実施形態において、注目の装置は大規模で注目の方法を実施することができる(すなわち、本明細書中に記載される材料及び方法を用いて)。例えば、幾つかの実施形態において、本明細書中に記載の方法及び材料は、基材上のコーティングの大規模なロールツーロール形成を可能にする。「大規模」とは、例えば、どの寸法においても3インチよりも大きい、又は、6インチより大きい、又は、9インチより大きい、又は、12インチより大きい、又は、18インチより大きい、又は、24インチより大きい、又は、36インチより大きい基材を意味する。サイズでの「大規模」に加えて、「大規模」は高プロセス生産量を示唆することが意図される。例えば、バイレイヤーの形成は、100、500、1000、5000、又は、10000平方センチメートル/分以上の速度で起こる。さらに、「ロールツーロール」とは、これらの方法が連続プロセスで任意の長さの基材のコーティングロールを収容することができることを意味する。
【0252】
溶液適用装置
幾つかの実施形態では、溶液を適用するための装置としては、スプレイシステム、フローシステム、ジェッティングシステム、ディップシステム、スピンシステム及びそれらの組み合わせが挙げられる。幾つかの実施形態において、スプレイLbL堆積法のために、注目の装置は複数の堆積ノズルを含む。ノズルは、堆積溶液ノズルとして指定された1つ以上の群、及びリンス溶液ノズルとして指定された1つ以上の群などの複数の群に分割することができる。各群は単一のノズルを含んでも、又は、複数のノズルを含んでもよい。或いは、ノズルの1つのセットは堆積溶液及びリンス溶液を提供するなどの複数の機能を有することができる。幾つかの実施形態において、ノズルは空気微細化ノズル、圧電微細化ノズル、プレインオリフィスノズル、超音波ノズル、ジェットノズル、当該技術分野で周知の他のノズル及びそれらの組み合わせから選択される。幾つかの実施形態において、プレインオリフィスノズルを用いるが、後述のように、そのようなノズルは、典型的に、小さい液滴サイズ(すなわち、100ミクロン未満)を提供しない。ノズルは任意のスプレイパターンを有することができる。幾つかの実施形態において、ノズルは、円形、環状、フラットファン、当該技術分野で周知の他のスプレイパターン及びそれらの組み合わせを含むスプレイパターンを有する。好ましい実施形態において、フラットファンスプレイパターンを有するノズルが用いられる。幾つかの実施形態において、ノズルは、スプレイ角を制御してパターンを作成する。たとえば、フラットファンプレインオリフィスノズルは60°のパターン、95°のパターン、105°のパターン、120°のパターン又はそれ以上を有することができる。より広角のノズルを使用すると、網羅する領域をより大きくすることができる。これらのパターンは、典型的には、ノズルのオリフィスの設計によって作成され、当該技術分野において周知である。ノズルスプレイパターンは、特定の操作圧力又は特定の範囲の操作圧力に基づいて設計され、より低い又はより高い圧力での操作により、制御されない様式で変化するスプレイパターンを生じさせることができる。フラットファンスプレイパターンが完全に平坦ではないことが理解される。網羅の総領域は、理想化された環境においては、所望のスプレイパターン、選択されるノズルの角度及びノズルと基材との間の距離によって決定され、当該技術分野で周知の単純な三角法で算出できる。幾つかの実施形態において、スプレイされた液滴が進む距離は、6インチ〜24インチ、又は、6インチ〜15インチ、又は、9インチ〜14インチである。ノズルを通る一定流量体積では、網羅の総面積を増加させることによって、面積あたりに表面に接触する流体の体積は減少するであろう。幾つかの実施形態において、リンス溶液のために使用されるスプレイノズルは、堆積溶液を適用するために使用される流速を超える流速で操作される。幾つかの実施形態において、リンス溶液のために使用されるノズルは、スプレイ液滴がローラの接線で表面に衝突するように配置されている。幾つかの実施形態において、残留リンス層又は堆積層は面積当たりの表面に接触する流体の体積を減少させることによって調整される。幾つかの実施形態において、ノズルが作動される。幾つかの実施形態において、ノズルは発振されうる。幾つかの実施形態において、ノズルの振動が回転であることができる。例えば、フラットファンノズルはフラットファンスプレイパターンにより形成される平面に直交する軸を中心に回転されても、又は、フラットファンスプレイパターンにより形成される平面内に作成される軸を中心に回転されてもよい。幾つかの実施形態において、この振動は、5°未満、10°未満、20°未満などであることができる。幾つかの実施形態において、ノズルは直線様式に作動されうる。たとえば、フラットファンノズルは、フラットファンスプレイパターンの平面内で作動されうる。幾つかの実施形態において、ノズルは、ノズルと基材との間のスプレイ距離を周期的に減少させるようにして振動される。幾つかの実施形態において、ノズルはスプレイパターンにわたって良好な流速の均一性を有するように選択される。例えば、フラットファンノズルは、例えば、ミリリットル毎秒毎平方センチメートルで測定して、25%未満、又は、15%未満、又は、10%未満、又は、5%未満、又は、それより小さく変化する平均流速を示すであろう。幾つかの実施形態において、ノズルは、NF型ノズル(BETE)、Evensprayノズル(Spraying Systems)、又はminisprayノズル(Danfoss HAGO)などの製造者から選択される。幾つかの実施形態において、ノズルは、低い流速を提供するように選択することができる。幾つかの実施形態において、ノズルを通る低い流速は低圧力でノズルを操作することによって達成される。幾つかの実施形態において、流速は、100、10、1、0.1、又は、0.01ガロン溶液/時/平方メートル未満である。幾つかの実施形態において、流速は1000、100、50、25、10、又は、1ミリリットル/平方メートル未満である。幾つかの実施形態において、ノズルはシャッターを有するように設計されており、該シャッターはノズルを出る流体の量を制御する。幾つかの実施形態において、シャッターは、機械的に、電子的に、磁気的に又は当該技術分野で周知の他の機構で制御される。幾つかの実施形態において、シャッターは、非常に高い周波数又はデューティサイクルで動作する。高い周波数又はデューティサイクルでは、例えば、堆積溶液のより低い流速及びより少量の堆積が可能になる。そのようなノズルシステムの例は、パルスジェット(Spray Systems, Inc.)である。パルスジェットシステムは、ノズルをシャッターするように指定されたソレノイドを有し、ソレノイドのデューティサイクルを調整することにより流速を調整する。
【0253】
ある実施形態において、装置は堆積層の平均厚さが20、10、5又は2ミクロン未満であるように流体を堆積させるように構成された第一及び第二の堆積ノズルを含む。基材の特定の幅をカバーするノズルを出る流体の一定流量(例えば、一定ミリリットル/秒の流量)については、平均堆積層の厚さは、式(流速/(基材の網羅幅×線速度))によって決定される。基材の線速度は、基材がノズルなどの溶液を適用するために装置を通過して移動する相対速度である。
【0254】
ある実施形態において、ノズルから出る液滴のサイズを制御する。ノズルから出る液滴のサイズを制御することにより、表面に衝突する液滴のサイズを制御することができ、それゆえ、各液滴から生じる表面上の溶液のサイズ及び被覆率を制御することも可能である。液滴がランダム様式で表面に衝突すると仮定すると、ノズルによって放出された小さい液滴サイズにより、高い輸送効率でもって高い均一性が可能になる。理論に拘束されることを望まないが、表面に衝突する液滴がより小さいほど、衝突された液滴の間の横方向距離を小さくし、完全な表面被覆のためのより迅速な横方向の拡散を可能にする。大きな液滴サイズではなおも高い均一性を得るが、より小さな液滴と比較して材料効率を低減し、及び/又は、完全な表面被覆のためにより長い拡散時間を必要とする。これは、より大きな液滴サイズでは、均一な被覆を得ることは表面に到達する液滴のかなりのオーバーラップを必要とするからである。本明細書中に記載の方法で得ることができる液滴サイズなどの理想的な液滴サイズは「小さい」ものであり、それは100、80、60、40、30、20又は10ミクロン以下の範囲を意味し、例えば、5〜100、10〜50、10〜40又は10〜30ミクロンの範囲である。小さい液滴は、高効率を提供しながら、基材上にコーティングの均一性を可能にするので好ましい(小さい液滴サイズは、基材表面に到達しそして十分な液滴のオーバーラップを達成するために溶液を通してコーティング材料が拡散するのに必要な距離が最小距離であることを意味する)。小さい拡散距離は、また、迅速なコーティング、それゆえ、高い線速度を可能とする。液滴サイズはノズルオリフィスの形状及び/又はサイズ、操作条件(例えば、流速、圧力、圧電周波数など)、溶液特性(例えば、粘度、表面張力、密度など)及び/又は作動方法(例えば、インクジェット送達、超音波送達、空気微細化、流体ジェットなど)によって制御することができる。
【0255】
このように、ある実施形態では、本発明の装置は、本明細書中に記載のように小さい液滴サイズを提供するように構成された1つ以上のノズルを含む。このような構成は、高い線速度及び高い均一性で高効率を提供する。例えば、高効率は、5又は10又は15又は20又は25又は30又は40又は50%を超える輸送効率を含む。例えば、高い線速度は5m/分又は10m/分又は15m/分又は25m/分又は50m/分よりも大きく、又はそれ以上である。
【0256】
幾つかの実施形態において、複数のノズルを使用する。幾つかの実施形態において、複数のノズルが「瓦葺き」されている−すなわち、ノズルは、表面に十分な流体を送達するために、オーバーラップするスプレイパターンを提供するように配置されている。例えば、12インチの基材を横切って跨るように配置されているフラットファンプレインオリフィスノズルでは、3つ以上のノズルは瓦葺きされていてよく、それにより、36インチ幅の基材にわたって十分な被覆を提供することができる。幾つかの実施形態において、瓦葺きされたノズルはオーバーラップしているスプレイパターンの領域がオーバーラップしていないスプレイパターンの領域よりも単位面積当たりに高い流速を示すようになっている。幾つかの実施形態において、ノズルは「傾斜」されており、ここで、「傾斜」はオーバーラップしているスプレイパターンの領域が物理的に干渉しないようにしたノズルの軸を中心とした回転を指す。交互積層法における溶液の堆積の関係で、均一性は自己限定された構築プロセスを完了させることを保証するのに十分な溶液を提供することによって達成される。その結果、構築プロセスの完了を達成するために必要とされるものを超えて適用される、いかなる追加の溶液の体積も、いかなる追加の成長をもたらすことがなく、そしてスプレイパターンは十分な溶液がすべての場所で表面に到達するように配置されることができる。幾つかの実施形態において、瓦葺きのノズルは同一の溶液をスプレイする。幾つかの実施形態において、瓦葺きのノズルは、それらの間の流体連通が存在するように互いに接続されている。幾つかの実施形態において、流体連通は低流体圧力パイプである。幾つかの実施形態において、パイプで接続された瓦葺きノズルは「スプレイバー」を形成する。幾つかの実施形態において、スプレイバーは溶液又はリンスの源に接続されている。幾つかの実施形態において、溶液は、スプレイバーを通して、そして個々のノズルを通して押し出される。幾つかの実施形態において、強制機構は、圧力、重力、ポンピング又は当該技術分野で公知の他の技術である。幾つかの実施形態において、溶液は継続的にスプレイバーを強制的に通過させられる。幾つかの実施形態において、瓦葺きノズルのアセンブリは、瓦葺きノズル間に均一な距離が維持されるように配置されている。幾つかの実施形態において、複数のスプレイバーを用いる。幾つかの実施形態において、スプレイバーは、堆積溶液又はリンス溶液をスプレイするために使用される。幾つかの実施形態において、2つ以上のスプレイバーは、堆積溶液を適用するように構成されたスプレイバーとの間に配置されている。これは二段階又は多段階リンスと呼ばれ、ここで、次の段階のリンスの存在の前に経過させるのに十分な時間t
rinse2、t
rinse3又は追加t
rinseがある。幾つかの実施形態において、2つ以上のスプレイバーを堆積工程のために使用する。これは二段階又は多段階堆積と呼ばれる。ある実施形態では、装置のスプレイバーは低流量スプレイバーである。低流量スプレイバーは複数のノズルを含み、ここで、ノズルはチューブ中に穿孔された孔であり、それにより、孔付きチューブを形成する。この孔付きチューブは、レーザードリル(又は他のドリル)を用いて、小さい直径(例えば、0.0022インチ、又は、0.0001〜0.003、又は、0.0012〜0.0025インチの範囲)の1個又は複数の孔の列でチューブを穿孔することによって製造されうる。低流量スプレイバーは堆積溶液又はリンス溶液のために使用することができる。ある実施形態では、所望の液体は、片側、両側からオリフィスを通し、又は、任意の他のオリフィスを通して、チューブ中に注入され、ドリルされた孔から流体のストリーム又はミストとして出てくる。チューブの直径は穿孔からの流体の流速を制御するために適宜選択され、堆積及びリンスの間の流体流速の制御を可能にする。ある実施形態では、低流量スプレイバーは比較的に低いd
dep(又は堆積層厚さ)又はd
rinse(残留リンス層厚さ)を送達するのに適しており、特に、上記のように、孔がレーザードリルされ、より小さい直径のものである場合は適している。さらに、ストリームがドリルされた孔を出てくる力はリンス浸食(すなわち、スプレイされた溶液からの衝撃による表面又は表面層の分子の浸食)を軽減するように制御されうる。ある実施形態では、低流量スプレイバーは、比較的に(他のノズルと比較して)より方向性であり、流体が基材の裏側に到達するのを防止し、堆積層を形成するための表面により多数の液滴が衝突することに起因する全体効率損失を排除する。
【0257】
幾つかの実施形態において、注目の装置は残留リンス溶液に対して追加の溶媒又は他の材料を適用するための複数のノズルを含む。幾つかの実施形態において、追加の溶媒はイソプロパノール、エタノールなどである。例えば、このような追加の溶媒は、残留リンス層の表面張力を低下し、それにより蒸発を増加させ、そして残留リンス層の厚さを低減するために使用されうる。
【0258】
幾つかの実施形態において、圧力作動式ノズルに対する代替品、例えば、空気流ダイレクタを含む超音波アトマイザー、インクジェットノズル、エアシュラウドダイレクティッドタービン噴霧器又は静電エアアトマイザー噴霧器は使用される。適切な超音波アトマイザーは、Sono-Tekによって製造され、適切なインクジェットノズルは、Fujifilm Dimatrix又はAgfaによって製造され、適切なエアシュラウドダイレクティッドタービン噴霧器はNanobellによって製造され、そして適切な静電エアアトマイザースプレイシステムはMicrobicideによって製造されている。ある実施形態では、装置はインクジェットノズルを含む。インクジェットノズルは、小さな液滴サイズ(すなわち、上記のとおり、100、80、60、40、30、20又は10ミクロン未満)を提供するように構成されたているときに、100、80、60、40、30又は20ミクロン以下の横方向の位置の範囲内への液滴の配置を制御することが可能になる。このような制御により、高効率で高均一性の被覆が可能になる。このような制御を行うのに適したインクジェットノズルはSAMBAノズルであり、FUJIFILM(登録商標)により製造される。ある実施形態では、SAMBAノズルは20〜25ミクロンの液滴サイズを可能にし、基材上に20ミクロンの間隔で滴配置を行うことを可能にする。この構成は、したがって、液滴の単一層で基材を完全に又はほぼ完全に被覆することを可能にする。
【0259】
材料取扱い及び流体/表面制御
幾つかの実施形態において、注目の装置は基材を取り扱うための手段を含む。このような手段は取り扱われる基材のタイプに依存するであろう。基材取扱のための特定の手段としては、ロールツーロールウェブハンドリングのためのコンタクトローラ、アクチュエータ、ロボットアームなどが挙げられる。幾つかの実施形態において、基材を取り扱うための手段は完全にロボットである。幾つかの実施形態において、基材を取り扱うための手段は、完全に又は部分的に自動化されていることができる。コンタクトローラは、基材の堆積側、基材の非堆積側、又は、基材の両側に接触するように構成されうる。幾つかの実施形態において、基材を取り扱うための手段は、スプレイバーを通過する表面を並進させることを含む。
【0260】
幾つかの実施形態において、注目の装置は、堆積層の厚さを低減するための手段、及び/又は、リンス層の厚さを低減するための手段を含む。幾つかの実施形態において、層の厚さを低減するための単一の手段は堆積層及びリンス層の両方の厚さを低減するように機能することができる。例としては、コンタクトローラ、真空アタッチメント及びエアナイフは堆積層及び/又はリンス層の厚さを低減するために使用することができる。堆積及び/又はリンスノズル自体も、上記のように、堆積層及び/又はリンス層の厚さを低減するために使用することができる。
【0261】
幾つかの実施形態において、真空アタッチメントは真空バーを含む。真空バーは、真空源に接続されている機械デバイスである。真空バーは真空源が作動されるときに、流体は残留リンス層又は堆積層から引き出され、厚さをの低減を行うように、残留リンス層又は堆積層に近接して配置することができる。幾つかの実施形態において、真空バーは細長いチューブ内に配置されたキャビティー、チューブ壁に配置された開口部及び真空源のための界面を含む。ある実施形態では、チューブはステンレス鋼又は他の適切な材料であり、直径(すなわち、最大断面寸法)が5〜500、5〜100、10〜70又は10〜50mmである。ある実施形態では、チューブの断面は円形又は正方形である。チューブの長さは任意の適切な値であることができるが、ある実施形態では、基材の幅以上である(例えば、1m幅の基材では、少なくとも1m、例えば、1、1.1、1.2又は1.3m長さである真空バーが適切である)。例えば、長さは10〜250、10〜210、20〜150又は30〜100cmであることができる。幾つかの実施形態において、開口部はチューブの長さに走っている、又は、チューブの長さのある百分率(例えば、50、60、70、80又は90%)で走っている線状開口部である。ある実施形態では、開口部の長さは、コーティングされる基材表面の幅に等しい。幾つかの実施形態において、開口部の長さは、表面の幅よりも大きく、例えば、5、10、20、30又は40%大きく広がっており、又は、表面の幅よりも小さく、例えば、5、10、20、30又は40%小さく広がっている。幾つかの実施形態において、開口部の幅(ギャップ)は100、10、5又は1mm未満であり、又は、500、100、50又は25ミクロン未満である。幾つかの実施形態において、真空バーは2、5、10又は15インチ水柱の真空で動作する。幾つかの実施形態において、真空バーは、5インチ〜20インチ水柱、又は、5インチ〜15インチ水柱の真空で動作する。幾つかの実施形態において、真空バーは表面に近接して配置されている。幾つかの実施形態において、真空バーは流体表面から20、15、10又は5ミル未満に配置される。幾つかの実施形態において、真空バーは表面の真下に配置されている。幾つかの実施形態において、真空バーは真空バーの開口部がローラの真下になるように配置されている。ある実施形態では、真空バーは隣接ローラのできるだけ近くに維持される。また、ある実施形態では、真空バーは強い液体除去力を維持するために最大実用的速度(「速度」は印加される真空により真空バーの開口部に入る材料の速度を指す)で操作される。上記のことを念頭に置いて、ある実施形態では、真空バーからの真空が真空バーの撓み及び/又は隣接ローラの撓みを起こさせ、それにより、真空バーを隣接ローラと接触させるのに十分である条件である、「サックアップ」を最小限に抑制するように設計されそして構成される。ある実施形態では、真空バーの円形断面は、ローラと、真空バーの最も近い点との間の距離が等しく維持されるように変更され、例えば、半円形ノッチがバーの断面から切り出されたときに、ローラは半円ノッチ内に配置されるように(しかし、真空バーと接触しない)構成される。他の実施形態では、真空バーの円形断面は、ローラと、真空バーの最も近い点との間の距離が等しくないように変更され、例えば、半円形ノッチがバーの断面から切り出されたときに、ノッチの縁が除去されて、平らな部分を作成する。ある実施形態では、真空バーの開口部は、真空バーの断面から切り出された半円ノッチ内に配置されている。ある実施形態では、半円ノッチは、さらに、ノッチが真空バーのより大きな断面と合う鋭い縁を除去するように変更される。このように、ある実施形態では、真空バーの断面は正方形であり、ノッチが真空バーの片側に切り込まれている。ある実施形態では、真空バーの断面は主として円形であり、1つの平坦縁を有し、ノッチが真空バーの1つの平坦縁に切り込まれている。これらの実施形態では、開口部はノッチ内に配置されている。
【0262】
幾つかの実施形態において、注目の装置は堆積溶液と表面との間の接触点に近接するように配置されたコンタクトローラを含む。すなわち、1つ以上のコンタクトローラは表面上で堆積溶液又はリンス溶液を平滑化し、それによって層の厚さの面内でのばらつきを低減するためのスプレッダーとして作用する。例えば、堆積層又はリンス層が表面上に液滴を形成する(すなわち、プーリング又はビード形成)のに十分に薄い場合に、コンタクトローラは表面上で溶液を滑らかにし、そして均一な層を形成するために用いることができる。幾つかの実施形態において、1つ以上のコンタクトローラの少なくとも1つは5μm未満、又は、1μm未満のRMS粗さを有する表面仕上げを有する。幾つかの実施形態において、コンタクトワイパーはローラ上に残っている過剰の材料をローラから除去し又はクリーニングすることができるように、ローラに隣接して配置される。幾つかの実施形態において、コンタクトワイパーはゴムなどの柔軟材料で形成されている。幾つかの実施形態において、ワイパーは、所望の時にワイパーとローラとの間に物理的接触がないように作動させることができる。
【0263】
制御システム
幾つかの実施形態において、注目の装置は、基材の動き(例えば、速度)のための制御システムを含む。幾つかの実施形態において、これは、ウェブ張力、ステアリング、傾向駆動を制御するための方法及び当該技術分野で知られている他のウェブ取扱方法を含む。幾つかの実施形態において、注目の装置は、当業者に周知の環境(温度、圧力、湿度など)の制御システムを含む。幾つかの実施形態において、注目の装置は、残留リンス層又は堆積層の厚さを測定する方法を含む。幾つかの実施形態において、残留リンス層又は堆積層の厚さを測定する方法は、分光反射率を含む。幾つかの実施形態において、フィルメトリクスF-10又はF-20(Filmetrics)システムは、残留リンス層の厚さを測定するために用いることができる。
【0264】
通気
幾つかの実施形態において、注目の装置は装置を通気するための手段を含む。幾つかの実施形態において、装置はダウンドラフト様式での通気を提供する。幾つかの実施形態において、通気流量は最小の堆積スプレイ液滴が基材と接触する前に通気されるように維持される。幾つかの実施形態において、基材と接触する前に通気される堆積スプレイ液滴の量は50%未満、20%未満、10%未満、5%未満である。幾つかの実施形態において、通気は堆積領域に近い領域に制限される。例えば、スプレイバーは、通気ボックス内に配置することができる。幾つかの実施形態において、通気ボックスは特定の領域に通気を制御するために使用される。幾つかの実施形態において、通気ボックスは開口部を有する容器に似ている。容器は5面ボックスであることができる。開口部は、開口部の隣に配置されている表面に、スプレイされた液滴を接触させることができる。幾つかの実施形態において、真空システムと連絡するために通気ボックス内に2つ以上のポートがある。幾つかの実施形態において、真空は、ギャップ内の空気の流速が500、100又は50線フィート/分未満であるように操作される。
【0265】
廃棄物取扱
幾つかの実施形態において、注目の装置は液体廃棄物を除去し又はリサイクルするための手段を含む。そのような手段はLbL堆積で周知であり、真空システム、ドレイネージシステムなどが挙げられる。
【0266】
堆積装置
幾つかの実施形態において、上述の装置は大規模の交互積層堆積のためのシステムに配置される。幾つかの実施形態において、システムはスプレイバーに編成された複数のノズルを含む。幾つかの実施形態において、システムは、ロールツーロール様式におけるような、基材を取り扱うための手段を含む。幾つかの実施形態において、システムは、通気のための手段を含む。幾つかの実施形態において、システムは廃棄物取扱のための手段を含む。幾つかの実施形態において、システムは、システムを制御するための手段を含む。幾つかの実施形態において、システムは、自己完結型の堆積モジュールへと構成されている。幾つかの実施形態において、堆積モジュールは、表面が堆積溶液を適用するためのスプレイバーを含む通気ボックスを通過して移動するように配置されている一連のローラを含む。幾つかの実施形態において、堆積モジュールは、堆積溶液と表面と接触させるフロント側コンタクトローラをさらに含む。幾つかの実施形態において、堆積モジュールは、リンス溶液を適用するためのスプレイバーを含む通気ボックスをさらに含む。幾つかの実施形態において、堆積モジュールは背面コンタクトローラをさらに含む。幾つかの実施形態において、堆積モジュールは、第二段階リンス溶液を適用するためのスプレイバーを含む通気ボックスをさらに含む。幾つかの実施形態において、堆積モジュールは、第二のフロント側コンタクトローラをさらに含む。幾つかの実施形態において、堆積モジュールは、残留リンスを除去するための装置とともに第二の背面コンタクトローラを含む。幾つかの実施形態において、残留リンス除去のためのこの装置は真空バーである。
図4はバイレイヤー堆積モジュール装置の実施形態の断面概略図を示す。基材400は可撓性材料である。複数のノズル410は基材400の表面に堆積溶液を適用する。通気ボックス460は堆積溶液を収容するために使用され、そして空気流を供給するための源に接続されうる。基材表面はフロント側コンタクトローラ430を通過して並進され、このコンタクトローラは基材400の表面を移動させるための手段として機能すると同時に、堆積層を平滑化し又は薄化するための手段として機能する。基材400は、複数のノズル420によりリンス溶液を適用する前に、背面コンタクトローラ440を通過して移動する。基材400の表面上の残留リンスはフロント側コンタクトローラ431とニップローラ450によって減少される。その後、基材400の表面を複数の第二段階リンスノズル424を通して並進させる。その後、基材400の表面を背面コンタクトローラ441を通過して並進させ、残留リンスを真空バーアタッチメント450によって除去する。その後、基材400の表面は、別の堆積溶液を適用する複数のノズル411及び第一段階リンス及び第二段階リンスのための複数のノズル422及び424を通過して移動する。幾つかの実施形態において、システムは、複数の堆積溶液及びリンス溶液をインラインで適用することができるように互いに配置されるように意図された複数の堆積モジュールを含む。
図5はシステムの実施形態の断面概略図を示す。バイレイヤー堆積モジュール500は一連のバイレイヤー堆積モジュールに接続されてシステム510を形成する。幾つかの実施形態において、複数のインライン堆積モジュール中のスプレイバーは、1つの堆積モジュールからのノズルが隣接の堆積モジュールと比較して、意図的に位置ずれするように配置されている。幾つかの実施形態において、位置ずれは約3センチメートルである。幾つかの実施形態において、システムは、ヒータ、乾燥機、紫外線硬化器、プラズマ処理器、巻出/巻戻システム、及び、当業者に周知の他のコーティングプロセスを含む他の装置を含む。この議論は、可撓性基材を取り扱う装置に関連しているが、当業者は、これがガラス又はプラスチックシート又は金属などの剛性基材を含む代替基材にいかに置き換え可能であるかを容易に理解するであろう。
【0267】
コーティングの特徴の例
幾つかの実施形態において、本明細書中に記載の方法及び材料は複数のバイレイヤーから作られるコーティングを提供する。各バイレイヤーは相補的な結合相互作用に関与する材料対を含む。
【0268】
幾つかの実施形態において、ここに調製されるコーティングは非常に均一である。注目のコーティングの関係では、用語「均一」は様々な意味を有することができる。例えば、幾つかの実施形態において、フィルム全体を横切るコーティングの厚さのばらつきは非常に小さい。また、例えば、幾つかの実施形態において、コーティングの成長率は、調製の間に均一でかつ予測可能である。また、例えば、幾つかの実施形態において、プロセスウィンドーが広く、ここで、成長率は堆積溶液条件において局所変動が存在しても一貫していることができる。また、例えば、幾つかの実施形態において、バイレイヤー界面領域は鮮鋭であり、粗くなく、及び/又は、組成物中で一貫している。
【0269】
例えば、全体のコーティング厚さのばらつきは、コーティングを横切って、又は、コーティングの任意の一部を横切って5%未満、又は、3%未満、又は、1.5%未満、又は、1%未満である。
【0270】
例えば、コーティングの成長率はコーティングプロセス全体にわたって均一であり、20%未満、又は、10%未満、又は、5%未満、又は、3%未満、又は、1%未満だけ変動する。これは、例えば、コーティングプロセスの開始時に適用されるバイレイヤー(すなわち、基材表面により近い)がコーティングプロセスの終わり近くに適用されるバイレイヤー(すなわち、基材表面からより遠い)と同一又は類似の厚さを有していることを意味する。
【0271】
幾つかの実施形態において、本明細書中に記載の方法及び材料はバイレイヤーの間の界面の特性の制御性を提供する。
【0272】
例えば、厚さ、鮮鋭度、及び、界面の組成を制御することができる。このような制御により、コーティング内の屈折率プロファイル(すなわち、位置の関数としての屈折率)を所望のとおりに制御することができる。
【0273】
幾つかの実施形態において、本明細書中に記載の方法及び材料は密に充填されたナノ粒子層を複数含むコーティングを提供する。幾つかの実施形態において、モノレイヤーは層間の相互拡散(すなわち、1つの層のナノ粒子の拡散が隣接層中へ拡散する)が最少になるように密に充填されている。
【0274】
幾つかの実施形態において、本明細書中に記載の方法及び材料は所定の温度を超えてコーティングを加熱する必要性なしに、及び/又は、コーティングに高圧を施すことを必要性なしに、本明細書中に記載のコーティングを提供する。このような所定の温度は、室温、又は室温より高くすること(例えば、50℃又は100℃)ができる。所定の温度はコーティングの焼成温度であることができる(すなわち、揮発性画分をコーティングから除去する温度)。所定の温度は、コーティング中の材料の1つの焼結又は溶着温度であることができる。幾つかの実施形態において、所定の温度及び圧力はコーティングを形成する材料を水熱で溶着するために必要なものである。
【0275】
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の方法及び材料はLbLスプレイ堆積によって調製されたコーティングを提供し、該方法は以前のLbL法と比較して合理化及び簡素化されている(例えば、より少ない溶液を利用し、熱処理工程を排除する)。
【0276】
幾つかの実施形態において、本明細書中に記載の方法及び材料は光学モデリングと一致した挙動を伴う複雑な光学コーティングを作成する能力を提供する。光学コーティングの例としては、ダイクロイックミラー及びフィルター、反射防止コーティング、及び、ファブリペローエタロンが挙げられる。
【0277】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び材料は低ヘイズ光学コーティングを作成する能力を提供する。
【0278】
幾つかの実施形態において、本明細書中に記載の方法及び材料は多層フォトニック干渉構造を作成する能力を提供する。
【0279】
幾つかの実施形態において、本明細書中に記載の方法、装置及び材料はより高い及び/又はより効率的な材料の利用を提供する。
【0280】
幾つかの実施形態において、本明細書中に記載の方法、装置及び材料はより速い堆積プロセスを提供する。
【0281】
幾つかの実施形態において、本明細書中に記載の方法、装置及び材料は得られるコーティングにより高い均一性を提供する。
【0282】
幾つかの実施形態において、記載の方法、装置及び材料は、高い効率、均一性及び生産量を同時に提供する。
【0283】
本発明をその具体的な実施形態の例と併せて説明したが、上記の記載及び以下の実施例は本発明を例示し、その範囲を限定するものではないことが意図されることが理解されるべきである。本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更はなされてよく、また、等価物は置換されてよく、さらに、他の態様、利点及び改変は本発明が属する技術の当業者に明らかであることは理解されるであろう。本明細書に記載のすべての刊行物の関連部分は参照により取り込まれる。
【実施例】
【0284】
例1:コーティングの調製
ポリマー: 0.356gの20wt%の100k〜200kの分子量のポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド又はPDAC(Sigma Aldrichから入手可能)を脱イオン水に、最終体積1リットルで添加し、そして500rpmで30分間混合した。10.45のpH測定値が得られるまで水酸化ナトリウムを混合物に添加した。
【0285】
シリカ:150gのLudox TM-50 (22 nm 直径粒子、動的光散乱を用いて確認)、様々な量の塩化ナトリウム、及び3gのNa
2O(すべてSigma-Aldrichから入手)を7.5リットルの脱イオン水と混合し、500rpmで30分間混合した。塩化ナトリウムを添加して特定のモル濃度とした。最後に、pH測定値11.75が達成されるまで水酸化ナトリウムを添加した。
【0286】
リンス:pH10となるまで水酸化ナトリウムを脱イオン水に添加した。
【0287】
これらの溶液を指示のとおりに下記の実施例において使用した。
【0288】
例2:溶液の堆積
2”×2”のボロシリケートガラスプレート(McMaster-Carrから入手)を基材として用いた。LbLスプレイ堆積装置(Krogmanらの米国特許出願公開第2010/0003499号明細書、ならびに、KrogmanらのAutomated Process for Improved Uniformity and Versatility of Layer-by-Layer Deposition, Langmuir 2007, 23, 3137-3141中に記載の装置をモデルとした)を用いて溶液を基材に直接的に適用した。シリカのフィルムでは、ポリマーの溶液(4秒のスプレイ時間)及びシリカの溶液(4秒のスプレイ時間)を交互に適用し、それらの間にリンス(10秒のスプレイ時間)を適用した。緩衝シリカのフィルムの場合には、ポリマーの溶液(4秒のスプレイ時間)及び緩衝シリカの溶液(4秒のスプレイ時間)を交互に適用し、それらの間にリンス(10秒のスプレイ時間)を適用した。ポリマー−リンス−シリカ−リンスのサイクル又はポリマー−リンス−緩衝シリカ−リンスのサイクルで1層のバイレイヤーを得て、50層のバイレイヤーを各フィルムで形成した。
【0289】
例3:フィルム特性及び測定
実験結果をF-10コンタクトUV-Vis 反射分光光度計(FILMETRICS(登録商標))を用いて得た。1/4インチ増分で基材の幅を横切って全体的に測定値を得た。光学モデリングパッケージ(TFCalc)を用いて、屈折率及びフィルム厚さの結果を計算することができた。結果の屈折率は1.26+/−0.02であった。フィルムを横切って複数の点でのフィルム厚さ測定を異なる溶液条件に関して
図3aに示す。
【0290】
ナノ粒子溶液中の塩化ナトリウム濃度を0.03Mから0.04Mに増加したときに、平均フィルム厚さは、厚さの総ばらつき803〜829nmである815nmから、厚さの総ばらつき842〜869nmである855nmに、約5%増加で増加した。増加した塩濃度で観測された平均フィルム厚さの増加は、離接するシリカナノ粒子間の静電反発力の塩誘発シールディング効果の増加により、より密の充填が可能になったことを示唆する。このことは、0.03MのNaClで、より高い塩濃度と比較して、密に充填されていない又は同様に充填されたナノ粒子を含むバイレイヤーからフィルムが作られていることを示唆する。さらに、小さい基材を横切るフィルム厚さの大きな総計のばらつきがある、フィルムを横切る厚さの有意なばらつきは、最密充填より低い充填では、生じる均一性の低下がプロセス条件へのより大きな感受性から生じる可能性があることを示す。
【0291】
0.045Mへの塩化ナトリウム濃度の増加により、平均フィルム厚さは900nmに増加し、フィルム厚さの総ばらつきは897nm〜902nmであった。単分散の三次元六方充填球の理論充填密度は、多数層(例えば、10を超える)の球の限度の密充填では0.81*d(式中、dは球の直径である)の有効成長率を有することを示唆する。0.045MのNaClでは、フィルム成長率は900nm/50バイレイヤー=18.0nmである。Ludox TM-50により指定されるd=22nmであることを基礎とする理論成長率は0.81*(22nm)=17.8nmである。この小さい変動は実験誤差又はフィルムに2〜3オングストロームの追加の厚さに寄与することができるポリマーの存在として説明されうる。それゆえ、フィルムの測定厚さは0.81*dに対応し、密充填された表面を示す。ナノ粒子の密充填モノレイヤーの存在により、プロセスのばらつきに対する感受性は緩和され、より一層均一なフィルムをもたらす。
【0292】
ここに示していないデータでは、PDAC濃度を変更した実験(完全表面被覆の理論限界値を超えて操作)はフィルム厚さ及び対応する成長率に対して最小限の効果を示す。PDAC濃度の10倍増加は成長率を<1%で変化させる。
【0293】
塩化ナトリウム濃度が0.06Mに増加されるときに、平均厚さは900nmのままであり、0.045Mで取った測定と同等の均一性である。0.06Mでは、フィルムはなおも密に充填されており、理論に相関されうる制御された成長率(すなわち、ナノ粒子の直径に比例する成長率)でもって非常に均一なフィルムを生じる。これは、プロセス条件(例えば、塩濃度)の幾分かの変動があったとしても、強固で密に充填された均一な制御された成長が観察される操作ウィンドーを提供する。操作条件を0.045M〜0.06Mに設定することで、ナノ粒子溶液調製の小さな実験誤差又は塩濃度のプロセス関連変化(局所蒸発)が堆積プロセス及び対応する最終フィルム厚さに対して最小限の影響を及ぼすことが可能になるであろう。
【0294】
塩化ナトリウム濃度が0.07Mへとさらに増加するときに、平均フィルム厚さは922nmに増加し、厚さの総ばらつきは900nm〜942nmである。この濃度では、静電相互作用は安定性の限界を超えてシールドされ、個々のナノ粒子は凝集を開始する。このことは、平均厚さの増加、及び、フィルムを横切る不均一性をもたらしうるプロセス条件に対する感受性の両方から明らかである。塩化ナトリウム濃度を0.1Mにさらに増加させると、1000nmを超える平均厚さをもたらし、厚さのばらつきは総計で50nmを超える。塩化ナトリウム濃度の増加は2つの欠陥機構をさらに悪化させる:ナノ粒子の直径よりも大きい成長率及び大きな不均一性の存在。
【0295】
例4:低ナトリウム特性及び測定
ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDACv2)の溶液を16.17gの100〜200kのMWの20wt%溶液(Sigma Aldrich)を1リットルの脱イオン水に添加することにより調製した。テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAOH, Sigma Aldrich)をpH10.0に達するまで溶液に添加した。
【0296】
アニオン性シリカナノ粒子(Ludox AS40)をSigma Aldrichから購入した。9.2gのテトラエチルアンモニウムクロリド(TEACL, Sigma Aldrich)を1リットルの脱イオン水に添加し、そして完全に溶解するまで混合した。その後、25gのナノ粒子サスペンションをゆっくりとサスペンションに添加した。
【0297】
アニオン性チタニアナノ粒子(TitanPE X500)をTitanPEから得た。テトラエチルアンモニウムヒドロキシドを1000gのX500溶液にpH12.0に達するまで添加した。9.2gのTEACLをシンチレーションバイアル中の10mlの脱イオン水に添加し、そしてTEACLが完全に溶解するまで撹拌した。TEACL溶液を、500rpmで回転しているX500溶液に滴下しながら添加した。
【0298】
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAOH)を脱イオン水に添加し、最終pH10.0とすることにより、リンス溶液を調製した。
【0299】
2”×2”のボロシリケートガラス(McMaster-Carrから入手)を基材として使用した。Krogmanらの米国特許出願公開第20060234032号明細書、ならびに、KrogmanらのAutomated Process for Improved Uniformity and Versatility of Layer-by-Layer Deposition, Langmuir 2007, 23, 3137-3141中において以前に記載された装置と同様の堆積装置を用いて溶液を基材に直接的に適用した。PDACv2及びX500又はAS40のいずれかからなる堆積溶液(4秒スプレイ時間)を交互に適用し、それらの間にリンス(10秒スプレイ時間)を適用した。 (PDACv2/X500)又は「高屈折率フィルム」及び(PDAC/AS40)又は「低屈折率フィルム」の50層バイレイヤーを光学厚さ及び屈折率の決定のために堆積させた。
【0300】
11フィルム1/4波長スタックを高屈折率フィルム及び低屈折率フィルムを交互に積層することにより形成した。各高屈折率フィルムは11層のバイレイヤーからなり、そして各低屈折率フィルムは9層のバイレイヤーからなった。高屈折率フィルムは番号1、3、5、7、9及び11とし(フィルム1は基材に最も近く、そしてフィルム7は基材から最も遠い)及び低屈折率フィルムは番号2、4、6、8及び10とした。
【0301】
レーザーブレードで機械引っ掻きすることにより、スタックを基材から取り外した。SEM画像サンプルは、得られた粉末及び接着剤を混合し、そして硬化させることにより製造した。その後、サンプルを、SEMを用いて画像形成し、代表的な画像とした。
【0302】
SEM画像はこれらのフィルムの表面上のナノ粒子の密充填を示す。多層スタックの断面のSEM画像は全スタックにわたる厚さの正確さ及び均一性の結果を示し、また、各個々のフィルムに関して、5ミクロン画像視野領域を示す。
【0303】
50層のバイレイヤーを、PDACv2及びLudox AS40及び例2の装置を用いて堆積した。フィルム厚さを例3に記載の方法を用いて測定した。得られた成長率測定値は15.8nm/バイレイヤーであった。
【0304】
例5:スプレイ及びプロセス効率
表2は本明細書中に部分的に記載された二次元輸送モデルに基づく計算結果を提供し、欠乏深さに対する濃度の効果を示す。計算は17nmのTiO
2ナノ粒子及び1cpsの溶液を仮定している。残留リンスの対応する効果を示し、そして計算は最小プロセス時間(すなわち、自己限定的な密充填モノレイヤーに達するのに要求される堆積及びリンスの間に要求される最小時間)を提供する。
【0305】
例として、0.17mlの溶液を提供する0.5秒スプレイにより、約170ミクロンのスプレイ堆積層を提供する(流速は本明細書中に記載のスプレイシステムからの流速の実験測定値に基づいている)。これらのパラメータに関して、1g/lのナノ粒子溶液を想定して、残留リンス層がなければ、72秒間のプロセス時間(すなわち、堆積溶液の適用と、リンス溶液の適用の間に要求される最小時間、又は、モノレイヤー充填を得るために要求される時間)が得られ、そして30ミクロンの残留リンス層が存在するならば、123秒のプロセス時間が得られる。これらはモノレイヤー充填を得るために要求されるプロセス時間であり、そしてこのため、プロセス時間は生産量に厳格に影響を及ぼす。さらに、このシナリオ下で得ることができる最も高い効率は43/170μm、又は、約25%である。対照的に、10g/Lのナノ粒子溶液を想定して、完全な充填のために0.7秒のプロセス時間が得られる。対応する輸送効率は4.3/170、又は、2.5%である。
【0306】
【表2】
【0307】
例6:理論及び実験の対応関係
アニオン性チタニアフィルム(PDACv2及びアニオン性チタニア粒子SvTiO2)を本明細書中に記載の方法を用いて構築し、そして理論モデルに関する実験比較として用いた。
【0308】
SvTiO2粒子(TEM顕微鏡写真から測定された約12nm直径、本明細書中に示していない)を、pHを11.2で一定維持している約9.8g/Lの原料濃度及び65mMのTEAClで一定にした塩濃度から希釈した。TiO
2濃度は約0.5g/L〜約10g/Lで変化した。PDACv2濃度は一定であり、モデルにより規定される過剰で存在した。成長率のプラトー(ナノ粒子の直径の約0.81倍)は自己限定的な密充填モノレイヤーを表す。実験条件は0.5秒のナノ粒子堆積又は4秒のポリマー堆積、4秒の待機時間、10秒のリンス、次いで、エアナイフによる空気の適用による残留リンス溶液の薄化であった。実験結果はモデルに基づく理論予測に非常に良好に対応する。0.5g/LのTiO
2ナノ粒子という低い濃度では、成長率は約2.8nm/バイレイヤーであった。理論予測は2.2nm/バイレイヤーであった。1g/LのTiO
2ナノ粒子に濃度を増加させると、4.2nm/バイレイヤーのモデル予測で成長率は4.6nm/バイレイヤーに増加した。3g/LのTiO
2ナノ粒子では、成長率は9.8nm/バイレイヤーでプラトーになり始め、一方、モデルは8.4nm/バイレイヤーと予測した。TiO2ナノ粒子の濃度を継続して6、8及び10g/Lに増加すると、それぞれ成長率は9.8nm、9.7nm及び9.8nm/バイレイヤーとなり、モデル予測はそれぞれ9.5nm、9.8 nm及び9.7nm/バイレイヤーであった。モデルは12nmチタニアナノ粒子、27℃の温度、1センチポアズの粘度、20ナノメートル残留リンス及び170ミクロンのスプレイ深さを仮定した。欠乏深さは特定の濃度によって規定された。例えば、欠乏深さは濃度の増加で低下する。堆積及びリンスの間の仮定の時間は4.5秒であり、実験の堆積及び待機時間の合計時間に固定した。3g/l以下の濃度では、データ及びモデルはリンス及び堆積の間に割り当てた4秒間で、不十分な数のナノ粒子が表面又はフィルムへと拡散することができる(すなわち、欠乏深さが完全に欠乏されない)ことを示す。3g/Lを超える濃度では、4秒間は欠乏深さの範囲にあるすべてのナノ粒子をフィルム又は表面に到達させるのに十分である。
【0309】
例7:SiO
2ナノ粒子の超高スプレイ効率の実証
例3からの溶液を用いて、[PDAC/SiO2]フィルムの50層のバイレイヤーを構築した。2”×2”ボロシリケートガラスプレート(McMaster-Carrから入手)を基材として用いた。例2の装置を用いて、リンス溶液を適用したが、堆積溶液を、プラスチックハンドミスター(CVS Pharmacy)を用いて適用した。ハンドミスターは約6マイクロリットル溶液/スプレイ塗布を適用するものと決定された。100%の溶液が基材に均一に適用されたとの仮定の下で、見積堆積層厚さは9ミクロンであった。10秒のリンスを適用する前に、溶液を基材と6秒間接触させた。フィルム厚さを測定し、885nmであると決定した。これは例3のプラトー実験と一致している。ハンドミスターは例3の実験と比較して、有意に少量の溶液を適用し、そして同様のフィルム厚さを維持したので、シリカナノ粒子の利用効率は劇的に増加した。理論計算に基づいて、これらの条件下に、ハンドミスターは約25%の輸送効率を可能とした。ベースケースの50%、40%及び20%で低減したナノ粒子の濃度を用いて続いて行う実験はモデル化反射分光光度計及びプロフィロメトリ−を用いて測定して、902nm、895nm及び720nmに対応するフィルム厚さをもたらす。ナノ粒子の60%及び40%濃度では、平衡フィルム厚さは全フィルム厚さと一致しており、制御成長を維持しながら、それぞれ42%及び62%までの、より高い理論輸送効率を示した。20%濃度では、フィルム厚さの有意な低下はナノ粒子のより良好な理論利用率(97%まで)をもたらしたが、フィルム厚さの損失は粒子による基材の不十分な被覆に対応する。さらに、このことは、ハンドミスターから出てくる仮定された大きな液滴サイズにより悪化されるようである。制御成長を維持しながら、高い効率で操作することが制御プロセスにとって重要である。
(態様)
(態様1)
交互積層構築のハーフバイレイヤーを形成するための急速かつ高輸送効率の堆積法であって、該方法は、
(a)堆積材料を含む堆積溶液の層を表面上に厚さ(d
dep)で形成すること、ここで、d
depは
【数1】
により示される、
(b)前記堆積溶液及び前記表面の間の接触の最小待機時間(t
dep−min)を維持すること、ここで、t
dep−minの間に、ハーフバイレイヤーが形成され、そしてt
dep−minは
【数2】
である、
を含み、
上式中、
C
Sは表面上の堆積材料の所望の二次元濃度であり、
C
Bは堆積溶液中の堆積材料のバルク濃度であり、
d
depは表面上の堆積溶液の層の厚さであり、
effは堆積材料の輸送効率であり、0.03を超え、そして、
Dは堆積溶液中の堆積材料の拡散係数であり、
t
dep−minは最小待機時間であり、10秒未満であり、そして、
形成されるハーフバイレイヤーの厚さは堆積材料のモノレイヤーの厚さ以下である、
方法。
(態様2)
過剰の堆積溶液を除去するために前記表面にリンス溶液を適用することを含み、該適用は残留リンス溶液を含む残留リンス層を形成する、態様1記載の方法。
(態様3)
前記表面上に残留している残留リンス溶液を除去することを含む、態様2記載の方法。
(態様4)
工程(a)及び(b)を繰り返して、複数のハーフバイレイヤーを含む交互積層構築フィルムを形成することを含む、態様1記載の方法。
(態様5)
C
Sはランダム充填した球を基準とした表面濃度であり、ここで、面積被覆率は0.45〜0.54である、態様1記載の方法。
(態様6)
前記表面上に残留している残留リンス溶液は厚さが5ミクロン未満であるが、500nmを超える、態様2記載の方法。
(態様7)
堆積溶液の層はスプレイプロセスにより適用される、態様1記載の方法。
(態様8)
堆積材料はナノ粒子を含み、該ナノ粒子のC
Bは4×10
19/cm
3〜2×10
13/cm
3である、態様1記載の方法。
(態様9)
形成されたハーフバイレイヤーは少なくとも16平方インチの面積にわたって厚さ又は光学特性の3%未満のばらつきを示す、態様1記載の方法。
(態様10)
(a)自己限定的なハーフバイレイヤーを形成するのに十分な材料が堆積層中に存在するようにして、第一の堆積材料及び第一の溶媒を含む第一の堆積溶液を適用して、表面上に堆積層を形成すること、
(b)前記堆積層を前記表面と時間
tdepにわたって接触させることにより、前記第一の堆積材料のコーティング層を表面に結合させそして形成させること、ここで、形成されたコーティング層はハーフバイレイヤーであり、前記堆積層中の第一の堆積材料の濃度は第一の堆積材料が前記表面に結合するときに低下される、
(c)前記堆積層にリンス溶液を適用して、残留リンス層を形成し、そして未結合の第一の堆積材料を時間t
rinseにわたってコーティング層から拡散させること、ここで、t
rinseの間に、前記コーティング層付近の未結合の第一の堆積材料の濃度は低下する、及び、
(d)場合により、残留リンス層の厚さを低減させること、
を含む、ハーフバイレイヤーの堆積方法。
(態様11)
工程(c)及び(d)をz回繰り返して、未結合の堆積材料をさらに除去し、未結合の第一の堆積材料をコーティング層から拡散させる各繰り返しは、時間t
rinse_zにわたって独立に行われ、zは整数インデックスである、態様10記載の方法。
(態様12)
態様10記載の方法を複数回繰り返し、複数の積層したハーフバイレイヤーを形成することを含む、交互積層構築フィルムの形成方法。
(態様13)
交互積層構築フィルムは高い輸送効率(eff)及び急速な堆積−リンス−堆積サイクル時間で形成される、態様12記載の方法。
(態様14)
effは0.03を超える、態様13記載の方法。
(態様15)
t
dep+t
rinse<10秒である、態様13記載の方法。
(態様16)
前記残留リンス層の厚さはエアナイフ、スキージ、ニップローラ、熱、真空、並進移動、超音波エネルギー、磁界、電界又はそれらの組み合わせの適用により低下される、態様10記載の方法。
(態様17)
前記残留リンス層の厚さの低下はリンス溶液への1種以上の添加剤の添加により促進される、態様10記載の方法。
(態様18)
LbL法によりバイレイヤーを形成するのに使用されるナノ粒子溶液の形成方法であって、水、ナノ粒子、及び、デバイ層厚さが1〜10ナノメートルとなるような濃度の塩、pH調節剤又はそれらの組み合わせから選ばれる成分を合わせることを含む、方法。
(態様19)
(a)一連のコーティングにおける各コーティングがユニークなナノ粒子溶液及び標準的な多価電解質溶液の交互の堆積を用いてLbL様式で調製され、そして、基材上に配置された1つ以上のバイレイヤーを含む、一連のコーティングを調製すること、
但し、
(i)各ユニークなナノ粒子溶液は一連のナノ粒子溶液から選ばれ、一定の濃度のナノ粒子及びユニークな濃度の塩を含み、
(ii)一定の濃度のナノ粒子は基材の領域を飽和させるのに十分であり、そして、
(iii)表面の飽和が完全となるようにバイレイヤー堆積の間に十分な時間が提供される、
(b)(a)において調製された各コーティングの厚さを測定し、そして各コーティングの平均バイレイヤー厚さを決定すること、
(c)(b)において測定された厚さから塩の濃度範囲を特定すること、ここで、バイレイヤーの厚さは塩の濃度の1ミリモル濃度の変化当たりに1%未満だけ変化する、及び、
(d)特定された塩の濃度範囲内から塩の濃度を選択すること、
を含む方法により決定される塩の濃度で塩は存在する、態様18記載の方法。
(態様20)
基材表面上にコーティングを形成するための装置であって、該装置は、
(a)(i)基材表面上の堆積領域に向けて第一の堆積溶液をスプレイするように構成された複数の第一の堆積ノズル、
(ii)基材表面上の堆積領域に向けて第二の堆積溶液をスプレイするように構成された複数の第二の堆積ノズル、
(iii)基材に向けてリンス溶液をスプレイするように構成された複数のリンスノズル、
を含む、複数のノズル、
(b)前記複数のノズルに対向して1つ以上の適用位置に基材を配置するように構成された基材取扱システム、及び、
(c)前記複数のノズルにより溶液を表面にスプレイした後に、表面上での液層の厚さを低下させるように構成された溶液除去デバイス、
を含む、装置。