特許第6352935号(P6352935)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6352935無線通信システムにおける下りリンク信号の送受信方法および無線通信システムにおける下りリンク信号の送受信装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6352935
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおける下りリンク信号の送受信方法および無線通信システムにおける下りリンク信号の送受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20180625BHJP
   H04W 72/12 20090101ALI20180625BHJP
   H04W 48/12 20090101ALI20180625BHJP
【FI】
   H04W72/04 136
   H04W72/12
   H04W48/12
【請求項の数】10
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2015-539497(P2015-539497)
(86)(22)【出願日】2013年10月10日
(65)【公表番号】特表2015-533062(P2015-533062A)
(43)【公表日】2015年11月16日
(86)【国際出願番号】KR2013009046
(87)【国際公開番号】WO2014065525
(87)【国際公開日】20140501
【審査請求日】2016年10月5日
(31)【優先権主張番号】61/718,700
(32)【優先日】2012年10月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/719,938
(32)【優先日】2012年10月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/721,455
(32)【優先日】2012年11月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/722,127
(32)【優先日】2012年11月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/729,301
(32)【優先日】2012年11月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/730,945
(32)【優先日】2012年11月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】パク チョンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ソ トンヨン
(72)【発明者】
【氏名】イ ヨンチョン
(72)【発明者】
【氏名】ソ ハンピョル
(72)【発明者】
【氏名】キム キチョン
(72)【発明者】
【氏名】キム ピョンフン
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−532822(JP,A)
【文献】 特表2016−500213(JP,A)
【文献】 LG Electronics,Signaling for quasi co-location assumptions and PDSCH rate matching[online], 3GPP TSG-RAN WG1#70b R1-124316,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_70b/Docs/R1-124316.zip>,2012年 9月29日
【文献】 Samsung,Downlink Control Signalling for CoMP[online], 3GPP TSG-RAN WG1#70b R1-124364,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_70b/Docs/R1-124364.zip>,2012年 9月29日
【文献】 LG Electronics,SPS-based PDSCH transmission for TM10[online], 3GPP TSG-RAN WG1#71 R1-124979,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_71/Docs/R1-124979.zip>,2012年11月 3日
【文献】 Intel Corporation,Configuration of semi-persistent scheduling in TM10[online], 3GPP TSG-RAN WG1#71 R1-124721,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_71/Docs/R1-124721.zip>,2012年11月 2日
【文献】 LG Electronics, Intel, Samsung,WF on SPS PDSCH in TM10[online], 3GPP TSG-RAN WG1#71 R1-125368,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_71/Docs/R1-125368.zip>,2012年11月16日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいて、端末が、セミパーシステントスケジューリング(SPS方式によって下りリンク信号を受信する方法であって、
複数のパラメータセットを受信するステップであって、各パラメータセットは、ノンゼロパワーチャネル状態情報参照信号(CSI−RS)設定に関するパラメータを有する、ステップと、
第1サブフレームにおいて、前記SPS方式の活性化を示す下りリンク制御情報(DCI)を受信するステップであって、前記DCIは、前記複数のパラメータセットの一つを示す指示子を有する第1タイプDCIまたは前記指示子を有しない第2タイプDCIのうちの一つである、ステップと、
前記第1タイプDCIまたは前記第2タイプDCIに有されるリソース割当情報によって、前記第1サブフレームと前記第1サブフレーム以降に上位層を通して設定された第2サブフレームとにおいて、前記下りリンク信号を受信するステップと、を有し、
前記端末は、前記複数のパラメータセットのうちの前記受信されるDCIに基づいて決定されるパラメータセットに有されるノンゼロパワーCSI−RS設定のノンゼロパワーCSI−RSと、前記第1サブフレームおよび前記第2サブフレームの復調RS(DM−RS)と、は疑似コロケーション(QCL)である、と仮定する、下りリンク信号受信方法。
【請求項2】
前記第1タイプDCIを受信した場合、前記第1サブフレームおよび前記第2サブフレームにおいて、前記下りリンク信号は、前記第1タイプDCIに有される前記指示子によって示される前記パラメータセットに有される前記ノンゼロパワーCSI−RS設定に基づいて受信される、請求項1に記載の下りリンク信号受信方法。
【請求項3】
前記第2タイプDCIを受信した場合、前記第1サブフレームおよび前記第2サブフレームにおいて、前記下りリンク信号は、所定のパラメータセットに有される前記ノンゼロパワーCSI−RS設定に基づいて受信される、請求項1に記載の下りリンク信号受信方法。
【請求項4】
前記ノンゼロパワーCSI−RSの広範囲特性は、前記下りリンク信号を復調するための前記DM−RSの広範囲特性同一である、請求項1に記載の下りリンク信号受信方法。
【請求項5】
前記広範囲特性は、ドップラ拡散、ドップラシフト、平均遅延および遅延拡散のうちの少なくとも一つを有する、請求項に記載の下りリンク信号受信方法。
【請求項6】
無線通信システムにおいて、ネットワークが、セミパーシステントスケジューリング(SPS方式によって下りリンク信号を端末に送信する方法であって、
複数のパラメータセットを送信するステップであって、各パラメータセットは、ノンゼロパワーチャネル状態情報参照信号(CSI−RS)設定に関するパラメータを有する、ステップと、
第1サブフレームにおいて、前記SPS方式の活性化を示す下りリンク制御情報(DCI)を送信するステップであって、前記DCIは、前記複数のパラメータセットの一つを示す指示子を有する第1タイプDCIまたは前記指示子を有しない第2タイプDCIのうちの一つである、ステップと、
前記第1タイプDCIまたは前記第2タイプDCIに有されるリソース割当情報によって、前記第1サブフレームと前記第1サブフレーム以降に上位層を通して設定された第2サブフレームとにおいて、前記下りリンク信号を送信するステップと、を有し、
前記端末は、前記複数のパラメータセットのうちの前記送信されるDCIに基づいて決定されるパラメータセットに有されるノンゼロパワーCSI−RS設定のノンゼロパワーCSI−RSと、前記第1サブフレームおよび前記第2サブフレームの復調RS(DM−RS)と、は疑似コロケーション(QCL)である、と仮定する、下りリンク信号送信方法。
【請求項7】
前記第1タイプDCIを送信した場合、前記第1サブフレームおよび前記第2サブフレームにおいて、前記下りリンク信号は、前記第1タイプDCIに有される前記指示子によって示される前記パラメータセットに有される前記ノンゼロパワーCSI−RS設定に基づいて送信される、請求項6に記載の下りリンク信号送信方法。
【請求項8】
前記第2タイプDCIを送信した場合、前記第1サブフレームおよび前記第2サブフレームにおいて、前記下りリンク信号は、所定のパラメータセットに有される前記ノンゼロパワーCSI−RS設定に基づいて送信される、請求項に記載の下りリンク信号送信方法。
【請求項9】
前記ノンゼロパワーCSI−RSの広範囲特性は、前記下りリンク信号を復調するための前記DM−RSの広範囲特性同一である、請求項に記載の下りリンク信号送信方法。
【請求項10】
前記広範囲特性は、ドップラ拡散、ドップラシフト、平均遅延および遅延拡散のうちの少なくとも一つを有する、請求項に記載の下りリンク信号送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関し、特に、無線通信システムにおける下りリンク信号の送受信方法、および、無線通信システムにおける下りリンク信号の送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明を適用できる無線通信システムの一例として、3GPP LTE(3rd Generation Partnership Project Long Term Evolution;以下、「LTE」という。)通信システムについて概略的に説明する。
【0003】
図1は、無線通信システムの一例としてE−UMTSネットワーク構造を概略的に示す図である。E−UMTS(Evolved Universal Mobile Telecommunications System)は、既存のUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)から進展したシステムであり、現在3GPPで基礎的な標準化作業が進行中である。一般に、E−UMTSをLTE(Long Term Evolution)システムと呼ぶこともできる。UMTSおよびE−UMTSの技術規格(technical specification)の詳細な内容は、それぞれ、「3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group Radio Access Network」のRelease 7およびRelease 8を参照されたい。
【0004】
図1を参照すると、E−UMTSは、端末(User Equipment;UE)、基地局(eNodeB;eNB)、および、ネットワーク(E−UTRAN)の終端に位置して外部ネットワークに接続するアクセスゲートウェイ(Access Gateway;AG)を有する。基地局は、ブロードキャストサービス、マルチキャストサービスおよび/またはユニキャストサービスのためにマルチデータストリームを同時に送信することができる。
【0005】
一つの基地局には一つまたは複数のセルが存在する。セルは、1.25、2.5、5、10、15、20MHzなどの帯域幅のいずれか一つに設定され、複数の端末に下りまたは上り送信サービスを提供する。異なったセルは、互いに異なった帯域幅を提供するように設定されてもよい。基地局は、複数の端末に関するデータ送受信を制御する。下りリンク(DownLink;DL)データについて、基地局は、下りリンクスケジューリング情報を送信し、該当の端末にデータが送信される時間/周波数領域、符号化、データサイズ、HARQ(Hybrid Automatic Repeat and reQuest)関連情報などを知らせる。また、上りリンク(UpLink;UL)データについて、基地局は、上りリンクスケジューリング情報を該当の端末に送信し、該当の端末が使用可能な時間/周波数領域、符号化、データサイズ、HARQ関連情報などを知らせる。基地局間においては、ユーザトラフィックまたは制御トラフィックの送信のためのインターフェースを用いることができる。コアネットワーク(Core Network;CN)は、AG、および端末のユーザ登録などのためのネットワークノードなどで構成可能である。AGは、複数のセルで構成されるTA(Tracking Area)単位で端末の移動性を管理する。
【0006】
無線通信技術は、WCDMA(登録商標)に基づいてLTEまで開発されてきたが、ユーザおよび事業者の要求および期待は増す一方である。その上、他の無線接続技術の開発が続いており、将来、競争力を持つためには新しい技術の進化が要求される。ビット当たりのコストの削減、サービス利用可能性(availability)の増大、柔軟な周波数帯域の使用、単純構造、オープンインターフェース、端末の適度な電力消費などが要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したような議論に基づき、以下では、無線通信システムにおいて下りリンク信号を送受信する方法およびそのための装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一様相である、無線通信システムにおいて、端末が、複数のセルからセミパーシステントスケジューリング(Semi Persistent Scheduling;SPS)方式によって下りリンク信号を受信する方法は、第1サブフレームにおいて、SPS方式の活性化を示す第1タイプスケジューリング情報または第2タイプスケジューリング情報を、複数のセルのうちのサービングセルから受信するステップと、第1タイプスケジューリング情報または第2タイプスケジューリング情報に有されるリソース割当情報によって、第1サブフレームと第1サブフレーム以降に上位層を通して設定された第2サブフレームとにおいて、下りリンク信号を複数のセルのうちの一つのセルから受信するステップと、を有し、第1タイプスケジューリング情報は、サービングセルと一つのセルとの疑似コロケーション(Quasi Co-Location;QCL)情報を有し、第1サブフレームおよび第2サブフレームに適用されるQCL情報は、スケジューリング情報のタイプによって変更される。
【0009】
一方、本発明の他の様相である、無線通信システムにおいて、ネットワークが、複数のセルを介してSPS方式によって下りリンク信号を端末に送信する方法は、第1サブフレームにおいて、SPS方式の活性化を示す第1タイプスケジューリング情報または第2タイプスケジューリング情報を、複数のセルのうちのサービングセルを通して送信するステップと、第1タイプスケジューリング情報または第2タイプスケジューリング情報に有されるリソース割当情報によって、第1サブフレームと第1サブフレーム以降に上位層を通して設定された第2サブフレームとにおいて、下りリンク信号を複数のセルのうちの一つのセルを介して送信するステップと、を有し、第1タイプスケジューリング情報は、サービングセルと一つのセルとのQCL情報を有し、第1サブフレームおよび第2サブフレームに適用されるQCL情報は、スケジューリング情報のタイプによって変更される。
【0010】
ここで、第1タイプスケジューリング情報を送受信した場合、第1サブフレームおよび第2サブフレームにおいて送受信される下りリンク信号は、第1タイプスケジューリング情報に有されるQCL情報に基づいて処理されてもよい。
【0011】
一方、第2タイプスケジューリング情報を送受信した場合、第1サブフレームおよび第2サブフレームにおいて送受信される下りリンク信号は、上位層によって定義されたデフォルトQCL情報に基づいて処理されてもよい。
【0012】
より好ましくは、第2タイプスケジューリング情報は、サービングセルと一つのセルとのQCL情報を有しない。
【0013】
さらに、QCL情報は、下りリンク信号を復調するための参照信号との広域特性(Large scale property)が同一であると仮定可能な所定の参照信号を示すことを特徴とし、所定の参照信号は、チャネル状態情報参照信号(Channel Status Information-Reference Signal;CSI−RS)であると好ましい。より好ましくは、広域特性は、ドップラ拡散(Doppler spread)、ドップラシフト(Doppler shift)、平均遅延(average delay)および遅延拡散(delay spread)のうちの少なくとも一つを有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施例によれば、無線通信システムにおいて下りリンク信号をより効率的に送受信することができる。
【0015】
本発明で得られる効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及していない別の効果は、下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者には明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】無線通信システムの一例としてE−UMTSネットワーク構造を概略的に示す図である。
図2】3GPP無線接続ネットワーク規格に基づく端末とE−UTRANとの間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)のコントロールプレーン(Control Plane)およびユーザプレーン(User Plane)の構造を示す図である。
図3】3GPPシステムに用いられる物理チャネルおよびこれらのチャネルを用いた一般的な信号送信方法を説明するための図である。
図4】LTEシステムで用いられる無線フレームの構造を例示する図である。
図5】LTEシステムで用いられる下りリンク無線フレームの構造を例示する図である。
図6】LTEシステムで用いられる上りリンクサブフレームの構造を例示する図である。
図7】一般的なマルチアンテナ(MIMO)通信システムを示す構成図である。
図8】4個のアンテナを用いた下りリンク送信をサポートするLTEシステムにおける下りリンク参照信号の構造を示す図である。
図9】4個のアンテナを用いた下りリンク送信をサポートするLTEシステムにおける下りリンク参照信号の構造を示す図である。
図10】現在3GPP標準文書で定義される下りリンクDM−RS割当の例を示す図である。
図11】現在3GPP標準文書で定義される下りリンクCSI−RS設定のうち、一般CPの場合におけるCSI−RS設定#0を例示する図である。
図12】次世代通信システムにおいてマルチノードシステムを例示する図である。
図13】EPDCCH、およびEPDCCHによってスケジューリングされるPDSCHを例示する図である。
図14】本発明の一実施例に係る通信装置を示すブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の添付図面を参照して説明された本発明の実施例から、本発明の構成、作用および他の特徴が容易に理解されるであろう。以下に説明される実施例は、本発明の技術的特徴が3GPPシステムに適用された例である。
【0018】
本明細書では、LTEシステムおよびLTE−Aシステムを用いて本発明の実施例を説明するが、これは例示に過ぎず、本発明の実施例は、上述した定義に該当するいかなる通信システムにも適用可能である。また、本明細書は、FDD方式を基準にして本発明の実施例について説明するが、これは例示に過ぎず、本発明の実施例は、H−FDD方式またはTDD方式にも容易に変形されて適用されてもよい。
【0019】
また、本明細書では、基地局をRRH(Remote Radio Head)、eNB、TP(Transmission Point)、RP(Reception Point)、中継機(relay)などを有する包括的な名称として使うことができる。
【0020】
図2は、3GPP無線接続網規格に基づく端末とE−UTRANとの間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)におけるコントロールプレーンおよびユーザプレーンの構造を示す図である。コントロールプレーンとは、端末(UE)とネットワークとが呼を管理するために用いる制御メッセージが送信されるパス(path)のことを意味する。ユーザプレーンとは、アプリケーション層で生成されたデータ、例えば、音声データまたはインターネットパケットデータなどが送信されるパスのことを意味する。
【0021】
第1層である物理層は、物理チャネル(Physical Channel)を用いて、上位層に情報送信サービス(Information Transfer Service)を提供する。物理層は、上位の媒体接続制御(Medium Access Control)層と、送信チャネル(Transport Channel)を介して接続されている。該送信チャネルを通じて、媒体接続制御層と物理層との間でデータが移動する。送信側の物理層と受信側の物理層との間では、物理チャネルを通じてデータが移動する。該物理チャネルは、時間および周波数を無線リソースとして活用する。具体的には、物理チャネルは、下りリンクにおいてOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式で変調され、上りリンクにおいてSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)方式で変調される。
【0022】
第2層の媒体接続制御(Medium Access Control;MAC)層は、論理チャネル(Logical Channel)を通じて、上位層である無線リンク制御(Radio Link Control;RLC)層にサービスを提供する。第2層のRLC層は、信頼できるデータ送信をサポートする。RLC層の機能は、MAC内部の機能ブロックとして実現されてもよい。第2層のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層は、帯域幅の狭い無線インターフェースでIPv4やIPv6などのIPパケットを効率的に送信するために、余分な制御情報を減らすヘッダ圧縮(Header Compression)機能を果たす。
【0023】
第3層の最下部に位置する無線リソース制御(Radio Resource Control;RRC)層は、コントロールプレーンでのみ定義される。RRC層は、無線ベアラ(Radio Bearer)の設定(Configuration)、再設定(Re−configuration)および解除(Release)に関連して、論理チャネル、送信チャネルおよび物理チャネルの制御を担当する。無線ベアラ(RB)とは、端末とネットワークとの間のデータ伝達のために第2層により提供されるサービスのことを意味する。そのために、端末のRRC層とネットワークのRRC層とは、RRCメッセージを互いに交換する。端末のRRC層とネットワークのRRC層との間にRRC接続(RRC Connected)がある場合、端末は、RRC接続状態(Connected Mode)であり、そうでない場合、RRC休止状態(Idle Mode)である。RRC層の上位にあるNAS(Non-Access Stratum)層は、セッション管理(Session Management)および移動性管理(Mobility Management)などの機能を果たす。
【0024】
ネットワークから端末にデータを送信する下り送信チャネルとしては、システム情報を送信するBCH(Broadcast CHannel)、ページングメッセージを送信するPCH(Paging CHannel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する下りSCH(Shared CHannel)などがある。下りマルチキャストまたは放送サービスのトラフィックまたは制御メッセージは、下りSCHを通じて送信されてもよく、別の下りMCH(Multicast CHannel)を通じて送信されてもよい。一方、端末からネットワークにデータを送信する上り送信チャネルとしては、初期制御メッセージを送信するRACH(Random Access CHannel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する上りSCH(Shared CHannel)がある。送信チャネルの上位に存在し、送信チャネルにマッピングされる論理チャネル(Logical Channel)としては、BCCH(Broadcast Control CHannel)、PCCH(Paging Control CHannel)、CCCH(Common Control CHannel)、MCCH(Multicast Control CHannel)、MTCH(Multicast Traffic CHannel)などがある。
【0025】
図3は、3GPPシステムに用いられる物理チャネルおよびこれらのチャネルを用いた一般的な信号送信方法を説明するための図である。
【0026】
端末は、電源が入ったり、新しいセルに進入したりした場合に、基地局と同期を取るなどの初期セル探索(Initial cell search)作業を行う(S301)。そのために、端末は、基地局からプライマリ同期チャネル(Primary Synchronization CHannel;P−SCH)およびセカンダリ同期チャネル(Secondary Synchronization CHannel;S−SCH)を受信して基地局と同期を取り、セルIDなどの情報を取得してもよい。その後、端末は、基地局から物理放送チャネル(Physical Broadcast CHannel)を受信し、セル内の放送情報を取得できる。一方、端末は、初期セル探索段階で、下りリンク参照信号(DownLink Reference Signal;DL RS)を受信し、下りリンクチャネル状態を確認できる。
【0027】
初期セル探索を終えた端末は、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control CHannel;PDCCH)、および該PDCCHに載せられた情報に基づいて物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Control CHannel;PDSCH)を受信することによって、より具体的なシステム情報を取得できる(S302)。
【0028】
一方、基地局に最初に接続する場合または信号送信のための無線リソースがない場合には、端末は、基地局に対してランダムアクセス手順(Random Access Procedure;RACH)を行ってもよい(S303乃至S306)。そのために、端末は、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access CHannel;PRACH)を通じて特定シーケンスをプリアンブルとして送信し(S303およびS305)、PDCCHおよび対応するPDSCHを通じて、プリアンブルに対する応答メッセージを受信してもよい(S304およびS306)。コンテンション(contention)ベースのRACHについては、衝突解決手順(Contention Resolution Procedure)をさらに行ってもよい。
【0029】
上述の手順を行った端末は、以降、一般的な上りリンク/下りリンク信号送信手順として、PDCCH/PDSCH受信(S307)、および、物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared CHannel;PUSCH)/物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control CHannel;PUCCH)送信(S308)を行ってもよい。特に、端末は、PDCCHを通じて下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)を受信する。ここで、DCIは、端末に対するリソース割当情報などの制御情報を有しており、その使用目的によってフォーマットが異なっている。
【0030】
一方、端末が上りリンクを通じて基地局に送信する、または、端末が基地局から受信する制御情報としては、下りリンク/上りリンクACK/NACK信号、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Index)、RI(Rank Indicator)などを有する。3GPP LTEシステムでは、端末は、これらのCQI/PMI/RIなどの制御情報をPUSCHおよび/またはPUCCHを通じて送信してもよい。
【0031】
図4は、LTEシステムで用いられる無線フレームの構造を例示する図である。
【0032】
図4を参照すると、無線フレーム(radio frame)は、10ms(327200×Ts)の長さを有し、10個の均等なサイズのサブフレーム(subframe)で構成されている。それぞれのサブフレームは1msの長さを有し、2個のスロット(slot)で構成されている。それぞれのスロットは0.5ms(15360×Ts)の長さを有する。ここで、Tsはサンプリング時間を表し、Ts=1/(15kHz×2048)=3.2552×10-8(約33ns)で表示される。スロットは、時間領域において複数のOFDMシンボルを有し、周波数領域において複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を有する。LTEシステムにおいて、一つのリソースブロックは、12個の副搬送波×7(6)個のOFDMシンボルを有する。データの送信される単位時間であるTTI(Transmission Time Interval)は、一つまたは複数のサブフレーム単位で定めることができる。上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームが有するサブフレームの数、サブフレームが有するスロットの数、またはスロットが有するOFDMシンボルの数は、様々に変更されてもよい。
【0033】
図5は、下りリンク無線フレームにおいて一つのサブフレームの制御領域が有する制御チャネルを例示する図である。
【0034】
図5を参照すると、サブフレームは14個のOFDMシンボルで構成されている。サブフレーム設定によって先頭の1乃至3個のOFDMシンボルは制御領域として用いられ、残りの13〜11個のOFDMシンボルはデータ領域として用いられる。同図で、R1乃至R4は、アンテナ0乃至3に対する参照信号(Reference Signal(RS)またはPilot Signal)を表す。RSは、制御領域およびデータ領域を問わず、サブフレーム内で一定のパターンに固定される。制御チャネルは、制御領域においてRSの割り当てられていないリソースに割り当てられ、トラフィックチャネルもデータ領域においてRSの割り当てられていないリソースに割り当てられる。制御領域に割り当てられる制御チャネルには、PCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator CHannel)、PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)などがある。
【0035】
PCFICHは物理制御フォーマット指示子チャネルで、サブフレームごとにPDCCHに用いられるOFDMシンボルの個数を端末に知らせる。PCFICHは、最初のOFDMシンボルに位置し、PHICHおよびPDCCHに優先して設定される。PCFICHは4個のREG(Resource Element Group)で構成され、それぞれのREGは、セルID(Cell IDentity)に基づいて制御領域内で分散される。一つのREGは、4個のRE(Resource Element)で構成される。REは、1副搬送波×1 OFDMシンボルとして定義される最小物理リソースを表す。PCFICH値は、帯域幅によって1〜3または2〜4の値を指示し、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)で変調される。
【0036】
PHICHは、物理HARQ(Hybrid-Automatic Repeat and request)指示子チャネルで、上りリンク送信に対するHARQ ACK/NACKを運ぶために用いられる。すなわち、PHICHは、UL HARQのためのDL ACK/NACK情報が送信されるチャネルを表す。PHICHは、1個のREGで構成され、セル固有(cell-specific)にスクランブル(scrambling)される。ACK/NACKは1ビットで指示され、BPSK(Binary phase shift keying)で変調される。変調されたACK/NACKは、拡散因子(Spreading Factor;SF)=2または4で拡散される。同一のリソースにマッピングされる複数のPHICHは、PHICHグループを構成する。PHICHグループに多重化されるPHICHの個数は、拡散コードの個数によって決定される。PHICH(グループ)は、周波数領域および/または時間領域においてダイバーシチ利得を得るために3回反復(repetition)される。
【0037】
PDCCHは、物理下りリンク制御チャネルで、サブフレームにおける先頭のn個のOFDMシンボルに割り当てられる。ここで、nは1以上の整数で、PCFICHによって指示される。PDCCHは、一つまたは複数のCCEで構成される。PDCCHは、送信チャネルであるPCH(Paging CHannel)およびDL−SCH(DownLink-Shared CHannel)のリソース割当に関する情報、上りリンクスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)、HARQ情報などを各端末または端末グループに知らせる。PCH(Paging CHannel)およびDL−SCH(DownLink-Shared CHannel)は、PDSCHを通じて送信される。したがって、基地局と端末は、一般に、特定の制御情報または特定のサービスデータ以外は、PDSCHを通じてデータをそれぞれ送信および受信する。
【0038】
PDSCHのデータがいずれの端末(一つまたは複数の端末)に送信されるか、これらの端末がどのようにPDSCHデータを受信してデコードしなければならないかに関する情報などは、PDCCHに有されて送信される。例えば、特定のPDCCHが、「A」というRNTI(Radio Network Temporary Identity)でCRCマスクされており、「B」という無線リソース(例、周波数位置)および「C」というDCIフォーマット、すなわち、伝送形式の情報(例、伝送ブロックサイズ、変調方式、コーディング情報など)を用いて送信されるデータに関する情報が、特定のサブフレームで送信されると仮定する。この場合、セル内の端末は、自体が持っているRNTI情報を用いて、検索領域でPDCCHをモニタリング、すなわち、ブラインドデコードし、「A」のRNTIを持っている一つまたは複数の端末があると、これらの端末はPDCCHを受信し、受信したPDCCHの情報に基づいて「B」および「C」によって指示されるPDSCHを受信する。
【0039】
図6は、LTEシステムで用いられる上りリンクサブフレームの構造を示す図である。
【0040】
図6を参照すると、上りリンクサブフレームは、制御情報を運ぶPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)が割り当てられる領域と、ユーザデータを運ぶPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)が割り当てられる領域とに区別される。サブフレームにおいて中間部分がPUSCHに割り当てられ、周波数領域においてデータ領域の両側部分がPUCCHに割り当てられる。PUCCH上で送信される制御情報は、HARQに用いられるACK/NACK、下りリンクチャネル状態を示すCQI(Channel Quality Indicator)、MIMOのためのRI(Rank Indicator)、上りリンクリソース割当要求であるSR(Scheduling Request)などがある。一つの端末に対するPUCCHは、サブフレーム内の各スロットで互いに異なる周波数を占める一つのリソースブロックを使用する。すなわち、PUCCHに割り当てられる2個のリソースブロックは、スロット境界で周波数ホッピング(frequency hopping)する。特に、図6は、m=0のPUCCH、m=1のPUCCH、m=2のPUCCH、m=3のPUCCHがサブフレームに割り当てられるとしている。
【0041】
以下、MIMOシステムについて説明する。MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)は、複数個の送信アンテナと複数個の受信アンテナとを使用する方法で、この方法によりデータの送受信効率を向上させることができる。すなわち、無線通信システムの送信端または受信端で複数個のアンテナを使用することによって容量を増大させ、性能を向上させることができる。以下、本文献ではMIMOを「マルチアンテナ」と呼ぶこともできる。
【0042】
マルチアンテナ技術では、一つのメッセージ全体を受信するのに単一のアンテナ経路に依存せず、複数のアンテナで受信されたデータ断片(fragment)を集めて組み合わせる(collect and combine)ことによってデータを完成させる。マルチアンテナ技術を用いると、特定のサイズのセル領域内でデータ転送速度(transfer rate)を向上させたり、または、特定のデータ伝送速度を保障しながらシステムカバレッジ(coverage)を増大させることができる。また、この技術は、移動通信端末および中継機などに幅広く使用可能である。マルチアンテナ技術によれば、単一のアンテナを使用した従来技術による移動通信における伝送量の限界を克服することが可能になる。
【0043】
一般的なマルチアンテナ(MIMO)通信システムの構成図が、図7に示されている。送信端では送信アンテナがNT個設けられており、受信端では受信アンテナがNR個設けられている。このように送信端および受信端の両方が複数個のアンテナを使用する場合は、送信端または受信端のいずれか一方のみ複数個のアンテナを使用する場合に比べて、理論的チャネル伝送容量がより増加する。チャネル伝送容量の増加はアンテナの数に比例する。これにより、転送速度が向上し、周波数効率が向上する。1個のアンテナを使用する場合の最大転送速度をRoとすれば、マルチアンテナを使用する場合の転送速度は、理論的に、下記の数式(1)のように、最大伝送レートRoにレート増加率Riを掛けた分だけ増加可能となる。ここで、Riは、NTとNRのうちの小さい値を表す。
【0044】
【数1】
【0045】
例えば、4個の送信アンテナと4個の受信アンテナとを用いるMIMO通信システムでは、単一アンテナシステムに比べて理論上、4倍の転送速度を取得できる。このようなマルチアンテナシステムの理論的容量の増加が90年代半ばに証明されて以来、これを実質的なデータ伝送速度(transmission rate)の向上へと導くための種々の技術が現在まで活発に研究されている。それらのいくつかの技術は、既に第3世代移動通信および次世代無線LANなどの様々な無線通信の標準に反映されている。
【0046】
現在までのマルチアンテナ関連の研究動向をみると、様々なチャネル環境およびマルチ接続環境におけるマルチアンテナの通信容量の計算などと関連した情報理論の側面での研究、マルチアンテナシステムの無線チャネル測定およびモデル化の研究、並びに、伝送信頼度の向上および伝送速度の向上のための時空間信号処理技術の研究などを含め、様々な観点で活発に研究が進行されている。
【0047】
マルチアンテナシステムにおける通信方法をより具体的な方法で説明すべく、それを数学的にモデル化すると、次のように示すことができる。図7に示すように、NT個の送信アンテナとNR個の受信アンテナとが存在するとする。まず、送信信号について説明すると、NT個の送信アンテナがある場合に、送信可能な最大情報はNT個であるから、送信情報を下記の数式(2)のようなベクトルで表現できる。
【0048】
【数2】
【0049】
【数3】
【0050】
【数4】
【0051】
【数5】
【0052】
【数6】
【0053】
【数7】
【0054】
【数8】
【0055】
一般に、チャネル行列のランクの物理的な意味は、与えられたチャネルで互いに異なった情報を送信できる最大数を意味する。したがって、チャネル行列のランク(rank)は、互いに独立した(independent)行(row)または列(column)の個数のうち、最小の個数として定義され、よって、行列のランクは、行(row)または列(column)の個数より大きくなることはない。数学的に例を挙げると、チャネル行列Hのランク(rank(H))は、数式(6)のように制限される。
【0056】
【数9】
【0057】
また、マルチアンテナ技術を用いて送る互いに異なった情報のそれぞれを「送信ストリーム(Stream)」、または簡単に「ストリーム」と定義するものとする。このような「ストリーム」は、「レイヤ(Layer)」と呼ぶこともできる。そのため、送信ストリームの個数は当然ながら、互いに異なった情報を送信できる最大数であるチャネルのランクより大きくなることはない。したがって、チャネル行列Hは、下記の数式(7)のように表すことができる。
【0058】
【数10】
【0059】
ここで、「# of streams」は、ストリームの数を表す。一方、ここで、1個のストリームは1つまたは複数のアンテナから送信可能であるということに留意されたい。
【0060】
1つまたは複数のストリームを複数のアンテナに対応させる様々な方法が存在する。この方法を、マルチアンテナ技術の種類によって次のように説明できる。1個のストリームが複数のアンテナから送信される場合は、空間ダイバーシチ方式といえ、複数のストリームが複数のアンテナから送信される場合は、空間マルチプレクシング方式といえる。勿論、これらの空間ダイバーシチと空間マルチプレクシングとを組み合わせたハイブリッド方式(Hybrid method)を用いてもよい。
【0061】
一方、次世代移動通信システムの標準であるLTE−Aシステムでは、データ伝送速度の向上のために、既存の標準ではサポートしていなかったCoMP(Coordinated Multi Point)送信方式をサポートすることが予想される。ここで、CoMP送信方式とは、陰影地域(shadow region)にある端末と基地局(セルまたはセクタ)との間の通信性能を向上させるために、2個以上の基地局またはセルが互いに協調して端末と通信するための送信方式のことをいう。
【0062】
CoMP送信方式は、データ共有を用いた協調MIMO形態のジョイントプロセシング(CoMP-Joint Processing;CoMP−JP)方式と協調スケジューリング/ビームフォーミング(CoMP-Coordinated Scheduling/beamforming;CoMP−CS/CB)方式とに区別することができる。
【0063】
下りリンクの場合、ジョイントプロセシング(CoMP−JP)方式において、端末は、CoMP送信方式を行う各基地局からデータを瞬間に同時に受信することができ、各基地局から受信した信号を結合して受信性能を向上させることができる(Joint Transmission;JT)。また、CoMP送信方式を行う基地局のいずれか一つが特定の時点で端末にデータを送信する方法も考慮することができる(Dynamic Point Selection;DPS)。
【0064】
これとは違い、協調スケジューリング/ビームフォーミング方式(CoMP−CS/CB)では、端末は、ビームフォーミングを通じてデータを瞬間に一つの基地局、すなわち、サービング基地局から受信することができる。
【0065】
上りリンクの場合、ジョイントプロセシング(CoMP−JP)方式において、各基地局は、端末からPUSCH信号を同時に受信することができる(Joint Reception;JR)。これとは違い、協調スケジューリング/ビームフォーミング方式(CoMP−CS/CB)では、一つの基地局のみがPUSCHを受信するが、このとき、協調スケジューリング/ビームフォーミング方式を用いるという決定は、協調セル(または、基地局)によって決定される。
【0066】
以下では、参照信号についてより詳しく説明する。
【0067】
一般に、チャネル測定のために、データと共に送信側および受信側の両方で既に知っている参照信号が送信側から受信側に送信される。このような参照信号は、チャネル測定に加え、変調方式を知らせて復調過程が行われるようにする役割を果たす。参照信号は、基地局と特定端末のための専用参照信号(Dedicated RS;DRS)、すなわち、端末固有の参照信号と、セル内の全端末のためのセル固有の参照信号である共通参照信号(Common RSまたはCell specific RS;CRS)と、に区別される。また、セル固有参照信号は、端末がCQI/PMI/RIを測定して基地局に報告するための参照信号を含み、これをCSI−RS(Channel State Information-RS)と称する。
【0068】
図8および図9は、4個のアンテナを用いた下りリンク送信をサポートするLTEシステムにおける参照信号の構造を示す図である。特に、図8は一般(normal)CP(Cyclic Prefix)の場合を示し、図9は拡張(extended)CPの場合を示す。
【0069】
図8および図9を参照すると、格子に記載された0乃至3は、アンテナポート0乃至3のそれぞれに対応し、チャネル測定およびデータ復調のために送信されるセル固有参照信号であるCRS(Common Reference Signal)を意味し、セル固有参照信号のCRSは、データ情報領域の他、制御情報領域全般にわたっても端末に送信されている。
【0070】
また、格子に記載された「D」は、端末固有RSである下りリンクDM−RS(DeModulation-RS)を意味し、DM−RSは、データ領域、すなわち、PDSCHを通じて単一アンテナポート送信をサポートする。端末固有RSであるDM−RSの存在の有無は、上位層を通じて端末にシグナリングされる。図8および図9は、アンテナポート5に対応するDM−RSを例示しており、3GPP標準文書36.211では、アンテナポート7乃至14、すなわち、合計8個のアンテナポートに対するDM−RSも定義している。
【0071】
図10は、現在3GPP標準文書で定義している下りリンクDM−RS割当の例を示す図である。
【0072】
図10を参照すると、DM−RSグループ1には、アンテナポート{7、8、11、13}に該当するDM−RSが、アンテナポート別シーケンスを用いてマッピングされ、DM−RSグループ2には、アンテナポート{9、10、12、14}に該当するDM−RSが、同様に、アンテナポート別シーケンスを用いてマッピングされる。
【0073】
一方、上述したCSI−RSは、CRSとは別にPDSCHに対するチャネル測定を目的に提案されており、CRSとは違い、CSI−RSは、マルチセル環境でセル間干渉(Inter-Cell Interference;ICI)を減らすために、最大32通りの異なったリソース設定(configuration)が定義されてもよい。
【0074】
CSI−RS(リソース)設定は、アンテナポートの個数によってそれぞれ異なり、隣接セル間では、できるだけ異なった(リソース)設定として定義されたCSI−RSが送信されるように構成される。CSI−RSは、CRSとは違い、最大8個のアンテナポートまでサポートし、3GPP標準文書では、アンテナポート15乃至22までの合計8個のアンテナポートをCSI−RSのためのアンテナポートとして割り当てる。下記の表1および表2は、3GPP標準文書で定義しているCSI−RS設定を示すものであり、特に、表1は、一般CP(Normal CP)の場合を、表2は、拡張CP(Extended CP)の場合を示している。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【数11】
【0078】
【数12】
【0079】
【表3】
【0080】
【数13】
【0081】
【表4】
【0082】
参考として、現在の3GPP標準文書によれば、CQIインデックスと、それに対応する変調次数、コーディングレートなどとは、下記の表5の通りである。
【0083】
【表5】
【0084】
一方、干渉測定を用いたCQI計算のための動作は、下記の通りである。
【0085】
端末は、CQI計算の際に必要な因子としてSINRを算出する必要があり、この場合、所望の(Desired)信号の受信電力測定(S−measure)をNZP CSI−RSなどのRSを用いて行うことができ、干渉電力測定(I−measureまたはIM(Interference Measurement))のために、上記受信した信号から所望の信号を除去した干渉信号の電力を測定する。
【0086】
【数14】
【0087】
以下、下りリンクデータチャネルの送信モードについて例示する。
【0088】
現在3GPP LTE標準文書、具体的には3GPP TS 36.213文書では、下記の表6および表7のように、下りリンクデータチャネル送信モードについて定義している。また、下記の送信モードは、上位層シグナリング、すなわち、RRCシグナリングで端末に設定される。
【0089】
【表6】
【0090】
【表7】
【0091】
表6および表7を参照すると、現在の3GPP LTE標準文書では、PDCCHにマスクされたRNTIの種類による下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)フォーマットが定義されており、特に、C−RNTIおよびSPS C−RNTIの場合、送信モードと、それに対応するDCIフォーマット、すなわち、送信モードベースのDCIフォーマットと、を示している。また、それぞれの送信モードに関係なく適用可能な、すなわち、フォールバック(Fall-back)モードのためのDCIフォーマット1Aが定義されている。上記表6は、PDCCHにマスクされたRNTIの種類がC−RNTIである場合を例示しており、上記の表7は、PDCCHにマスクされたRNTIの種類がSPS C−RNTIである場合を例示している。
【0092】
送信モードに関する動作例として、端末が表6においてC−RNTIでマスクされたPDCCHをブラインドデコードした結果、DCIフォーマット1Bが検出されると、単一レイヤを用いた閉ループ空間多重化方式でPDSCHが送信されたと仮定してPDSCHをデコードする。
【0093】
また、上記の表6および表7で、送信モード10は、上述したCoMP送信方式の下りリンクデータチャネル送信モードを意味する。表6を挙げて説明すると、端末がC−RNTIでマスクされたPDCCHをブラインドデコードした結果、DCIフォーマット2Dが検出されると、アンテナポート7乃至14、すなわち、DM−RSに基づいてマルチレイヤ送信方式でPDSCHが送信されるという仮定の下でPDSCHをデコードする。或いは、DM−RSアンテナポート7または8に基づいて単一アンテナ送信方式でPDSCHが送信されるという仮定の下でPDSCHをデコードする。
【0094】
一方、C−RNTIでマスクされたPDCCHをブラインドデコードした結果、DCIフォーマット1Aが検出されると、当該サブフレームがMBSFNサブフレームか否かによって送信モードが変わる。例えば、当該サブフレームが非MBSFNサブフレームの場合、PDSCHは、アンテナポート0のCRSに基づく単一アンテナ送信方式もしくはCRSベースの送信ダイバーシチ方式で送信されたという仮定の下でデコードする。また、当該サブフレームがMBSFNサブフレームの場合、PDSCHは、アンテナポート7のDM−RSに基づく単一アンテナ送信がなされたという仮定の下でデコードすることができる。
【0095】
一方、近年、3GPPLTE−A標準では、CoMP方式のPDSCH送信である、送信モード10のために、DCIフォーマット2DにPQI(PDSCH RE Mapping and Quasi-Co-Location Indicator)フィールドを定義した。具体的には、PQIフィールドは2ビットサイズで定義され、合計4個のステート(state(状態))を示し、それぞれのステートで示す情報は、CoMP方式のPDSCHを受信するためのパラメータセットであり、具体的な値は上位層によってあらかじめシグナリングされる。
【0096】
上記パラメータセットが有する情報は、CRSアンテナポートの個数(crs−PortsCount)、CRSの周波数遷移値(crs−FreqShift)、MBSFNサブフレーム設定(mbsfn−SubframeConfigList)、ZP CSI−RS設定(csi−RS−ConfigZPId)、PDSCH開始シンボル(pdsch−Start)、NZP(Non−ZP)CSI−RSのQCL(QuasiCo−Location)情報(qcl−CSI−RS−ConfigNZPId)のうちの1つまたは複数である。
【0097】
以下、QCL(Quasi Co-Location(疑似コロケーション))について説明する。
【0098】
アンテナポート間でQCLされているということは、端末が一つのアンテナポートから受信する信号(もしくは、当該アンテナポートに対応する無線チャネル)の広域特性(large-scale properties)が、他のアンテナポートから受信する信号(もしくは、当該アンテナポートに対応する無線チャネル)の広域特性と全てまたは一部が同一だと仮定し得ることを意味する。ここで、広域特性は、周波数オフセットに関連したドップラ拡散(Doppler spread)、ドップラシフト(Doppler shift)、タイミングオフセットに関連した平均遅延(average delay)、遅延拡散(delay spread)などを有し、さらに平均利得(average gain)も有することができる。
【0099】
上の定義によれば、端末は、QCLされていないアンテナポート、すなわち、NQCL(Non Quasi co-Located(非疑似コロケーション))されたアンテナポート間では、広域特性が同一であると仮定することができない。この場合、端末は、アンテナポートごとに周波数オフセットおよびタイミングオフセットなどを取得するためのトラッキング(tracking)手順を独立して行わなければならない。
【0100】
一方、QCLされているアンテナポート間については、端末が次のような動作を行うことができるという利点がある。
【0101】
1)端末が特定アンテナポートに対応する無線チャネルに対する電力−遅延プロファイル(power-delay profile)、遅延拡散、ドップラスペクトル(Doppler spectrum)およびドップラ拡散推定の結果を、他のアンテナポートに対応する無線チャネルに対するチャネル推定時に用いられるウィナーフィルター(Wiener filter)パラメータなどに同一に適用することができる。
【0102】
2)また、端末は、特定のアンテナポートに対する時間同期および周波数同期を取った後、同一の同期を他のアンテナポートに対しても適用することができる。
【0103】
3)最後に、平均利得に関しても、端末は、QCLされているアンテナポートのそれぞれに対するRSRP(Reference Signal Received Power)測定値を平均値として計算することができる。
【0104】
例えば、端末がPDCCH(もしくは、EPDCCH)を介してDM−RSベースの下りリンクデータチャネルスケジューリング情報、例えば、DCIフォーマット2Dを受信すると、端末は、当該スケジューリング情報が示すDM−RSシーケンスを用いてPDSCHに対するチャネル推定を行った後、データ復調を行うことができる。
【0105】
このような場合、端末が下りリンクデータチャネルの復調を行うためのDM−RSアンテナポートが、サービングセルのCRSアンテナポートとQCLされていると、端末は、当該DM−RSアンテナポートを用いたチャネル推定時に、自体のCRSアンテナポートから推定した無線チャネルの広域特性(large-scale properties)をそのまま適用し、DM−RSベース下りリンクデータチャネルの受信性能を向上させることができる。
【0106】
同様に、端末が下りリンクデータチャネルの復調を行うためのDM−RSアンテナポートがサービングセルのCSI−RSアンテナポートとQCLされていると、端末は、当該DM−RSアンテナポートを用いたチャネル推定時に、サービングセルのCSI−RSアンテナポートから推定した無線チャネルの広域特性をそのまま適用し、DM−RSベース下りリンクデータチャネルの受信性能を向上させることができる。
【0107】
一方、LTEシステムでは、CoMPモードである送信モード10で下りリンク信号を送信する際、基地局が、上位層信号を用いてQCLタイプAおよびQCLタイプBのうちの一つを、端末に設定するように定義している。
【0108】
ここで、QCLタイプAは、CRS、CSI−RSとDM−RSのアンテナポートとが、平均利得以外の広域特性に対してQCLされていると仮定するものであり、同一のノード(point)で物理チャネルおよび信号が送信されていることを意味する。
【0109】
一方、QCLタイプBは、DM−RSと指示された特定のCSI−RSのアンテナポートとが、平均利得以外の広域特性に対してQCLされていると仮定するものである。特に、QCLタイプBは、DPS、JTなどのCoMP送信が可能なように、端末当たり最大4個までのQCLモードを上位層メッセージを用いて設定し、それらのうちどのQCLモードで下りリンク信号を受信しなければならないかを動的にDCI(Downlink Control Information)を用いて設定するように定義されている。このような情報は、上記のPQIフィールドのパラメータセットのうち、qcl−CSI−RS−ConfigNZPIdとして定義される。
【0110】
QCLタイプBが設定された場合のDPS送信に関して、より具体的に説明する。
【0111】
まず、N1個のアンテナポートで構成されたノード#1は、CSI−RSリソース(resource)#1を送信し、N2個のアンテナポートで構成されたノード#2は、CSI−RSリソース(resource)#2を送信すると仮定する。この場合、CSI−RSリソース#1をPQIのパラメータセット#1に含め、CSI−RSリソース#2をPQIのパラメータセット#2に含める。さらに、基地局はノード#1およびノード#2の共通カバレッジ内に存在する端末に、上位層を通してパラメータセット#1およびパラメータセット#2をシグナリングする。
【0112】
その後、基地局が当該端末にノード#1を介してデータ(すなわち、PDSCH)送信時にDCIを用いてパラメータセット#1を設定し、ノード#2を介してデータ送信時にパラメータセット#2を設定する方式でDPSを行うことができる。端末にとっては、DCIを通じて、PQIによってパラメータセット#1が設定されると、CSI−RSリソース#1とDM−RSとがQCLされていると仮定し、PQIによってパラメータセット#2が設定されると、CSI−RSリソース#2とDM−RSとがQCLされていると仮定することができる。
【0113】
一方、現在の無線通信環境は、M2M(Machine-to-Machine)通信および高いデータ送信量を要求する様々なデバイスの出現および普及から、セルラー網に対するデータ要求量が急増している。高いデータ要求量を満たすために、通信技術は、より多い周波数帯域を効率的に使用するためのキャリアアグリゲーション(carrier aggregation)技術などや、限定された周波数内でデータ容量を上げるためのマルチアンテナ技術、マルチ基地局協調技術などへと発展しつつあり、通信環境は、ユーザの周辺にアクセスできるノードの密度が高まる方向に進化している。このような高い密度のノードを備えたシステムは、ノード同士の協調によってより高いシステム性能を示すことができる。このような方式は、各ノードが独立した基地局(BS(Base Station)、ABS(Advanced BS)、Node−B(NB)、eNode−B(eNB)、AP(Access Point)など)として動作して互いに協調しないときに比べて格段に優れた性能を有する。
【0114】
図12は、次世代通信システムにおいてマルチノードシステムを例示する図である。
【0115】
図12を参照すると、全ノードが一つのコントローラによって送受信を管理され、個別ノードが一つのセルにおける一部のアンテナ集団のように動作をする場合、このシステムは、一つのセルを形成する分散マルチノードシステム(Distributed Multi Node System;DMNS)と見なすことができる。このとき、各ノードは、別個のNode IDが与えられてもよく、別個のNode IDを用いずにセルにおける一部のアンテナのように動作してもよい。しかし、これらのノードが異なるセル識別子(Cell IDentifier;ID)を有する場合、これはマルチセルシステムと見なすことができる。このようなマルチセルがカバレッジによって重畳形態で構成される場合、これをマルチティアネットワーク(multi-tiernetwork)と呼ぶ。
【0116】
一方、Node−B、eNode−B、PeNB、HeNB、RRH(Remote Radio Head)、リレーおよび分散アンテナなどをノードとすることができ、一つのノードには少なくとも一つのアンテナが設けられる。ノードは、送信ポイント(Transmission Point)とも呼ばれる。ノード(node)は、通常、一定間隔以上離れているアンテナグループのことを指すが、本発明では、ノードを、間隔にかかわらず定義された任意のアンテナグループにも適用可能である。
【0117】
上述したマルチノードシステムおよびリレーノードの導入により、様々な通信方式の適用が可能となり、チャネル品質の改善を図ることができるが、上述したMIMO方式およびセル間協調通信方式をマルチノード環境に適用するには新しい制御チャネルの導入が要求される。このような要求から新しく導入が議論されている制御チャネルがEPDCCH(Enhanced PDCCH)であり、既存の制御領域(以下、PDCCH領域)ではなくデータ領域(以下、PDSCH領域という)に割り当てることが決定された。結果的に、このようなEPDCCHを介して各端末にノードに関する制御情報の送信が可能となり、既存のPDCCH領域が不足するという問題も解決することができる。参考として、EPDCCHは、既存のレガシー端末には提供されず、LTE−A端末のみで受信することができる。また、EPDCCHは、既存のセル固有参照信号であるCRSではなくDM−RS(もしくは、CSI−RS)に基づいて送信および受信がなされる。
【0118】
図13は、EPDCCH、およびEPDCCHによってスケジューリングされるPDSCHを例示する図である。
【0119】
図13を参照すると、PDCCH1およびPDCCH2は、それぞれ、PDSCH1およびPDSCH2をスケジューリングし、EPDCCHは、他のPDSCHをスケジューリングすることがわかる。特に、図13では、EPDCCHがサブフレームの4番目のシンボルから始まって最後のシンボルまで送信されるとした。EPDCCHは、一般に、データを送信するPDSCH領域を通して送信され、端末は自体のEPDCCHの有無を検出するために、EPDCCH候補をモニタリングする。
【0120】
以下、セミパーシステントスケジューリング(Semi-persistent scheduling)方式に関して説明する。
【0121】
現在LTEシステムにおいてSPS(Semi-Persistent Scheduling)は、RRCシグナリングによって、どのサブフレームで(具体的には、サブフレーム周期およびオフセットで)SPS PDSCHの送受信を行うべきかをUEにあらかじめ知らせ、実際のSPSの活性化および解除は、PDCCHで行う。
【0122】
すなわち、UEは、RRCシグナリングでSPS情報が割り当てられても、直ちにSPS送受信を行うのではなく、活性化(または、再活性化)を知らせるPDCCHを受信(具体的には、SPS C−RNTIでマスクされたPDCCHを検出)すると、そのPDCCHで指定したリソース割当情報などを用いて、上記SPS情報で指定したサブフレーム周期およびオフセットでSPS送受信を行い、SPS解除を指示するPDCCHを受信すると、SPS送受信を中断する。
【0123】
このように中断したSPS送受信は、活性化(または、再活性化)を知らせるPDCCHを受信すると、再びそのPDCCHで指定したリソース割当情報などを用いて、上記SPS情報で指定したサブフレーム周期およびオフセットでSPS送受信を再開する。
【0124】
<第1実施例>
UEがQCLタイプAとして設定された場合、特定のPQIステートが示すCRS関連情報、より具体的には、CRS REによるRM(Rate Matching)実行情報が非(Non)−サービングセルの情報である場合が発生しうる。このとき、サービングセルはnon−MBSFNサブフレームであるが、上記PQIによって指示されたMBSFNサブフレーム情報によれば、現サブフレームがMBSFNサブフレームを示している場合と同一の場合であれば、指示されたCRS RM情報によってRMを行う場合、サービングセルのCRS REがRMされず、PDSCH REと重なる問題が発生しうる。
【0125】
すなわち、PDSCHの特定のREがサービングセルのCRSと重なるという意味は、QCLタイプAの場合には、PDSCHをサービングセルが送信しているため、サービングセルが当該REでCRSおよびPDSCHを同時に送信しなければならず、UEがこれらを受信する場合が発生するという意味である。この場合、該当のPDSCH REは、CRSによって深刻な干渉を受けることになる。
【0126】
このような問題点は、PDSCHの他、EPDCCHに関しても発生しうる。すなわち、EPDCCHがQCLタイプAとして設定された場合、特定のPQIに従うように設定でき、該特定のPQIによって指示されるCRS RM情報として非−サービングセルの情報が指示されることがある。このとき、サービングセルCRSとEPDCCHとの間で特定のREにおいて衝突が発生しうる。
【0127】
このような不具合について次のような解決策が可能である。
【0128】
1)まず、UEは、サービングセルCRSとPDSCH(または、EPDCCH) REとが衝突するようにスケジューリングされることを期待しないと規定できる。指示されたCRS RM関連情報が非−サービングセルの情報である場合、例えば、現サブフレームは、サービングセルがnon−MBSFNであり、上記指示されたCRS RM関連MBSFNSF情報がMBSFNである場合、スケジューリングを受信しないであろうと仮定することができる。eNBは、PDSCH(または、EPDCCH)がQCLタイプAとして設定された場合、サービングセルがnon−MBSFNサブフレームであれば、非−サービングセルのCRS RM情報を示すPQIを用いてPDSCH(または、EPDCCH)を送信することができないということを意味し、非−サービングセルのCRS RM情報を示すPQIは、サービングセルがMBSFNサブフレームである場合にのみ使用可能であるということを意味する。
【0129】
2)或いは、UEは、サービングセルCRSとPDSCH(または、EPDCCH)との間で特定のREにおいて衝突が発生する場合、これらのREの位置においてパンクチャリング(puncturing)を適用する。すなわち、PDSCH(または、EPDCCH)を受信する際、衝突するREをパンクチャリングによって除外してデコーディングを行うことができる。これによって、基地局は、端末のパンクチャリング動作を認知でき、MCS設定時にそれを考慮することができる。
【0130】
3)さらに、サービングセルCRSとPDSCH(または、EPDCCH)との間で特定のREにおいて衝突が発生する場合、基地局も当該REをRM(Rate Matching)してPDSCH(または、EPDCCH)を送信する一方、UEも当該REの位置においてRMをさらに行うよう定義されてもよい。
【0131】
具体的には、UEがQCLタイプAとして設定された場合、基本的に、サービングセルCRS REの位置ではRMを常に行うよう定義できる。勿論、基地局もサービングセルCRS REの位置にはRMを適用する。すなわち、PQIなどによって指示されるCRS RM情報がある場合、基地局およびUEはマルチRMを行うと考えてもよい。
【0132】
上記PQIフィールドで示すパラメータセットは、下記の表8のように定義できる。
【0133】
【表8】
【0134】
上記の表8において、pdsch−RE−MappingQCL−ConfigId−r11は1〜4の値を有するものであり、最大4個までのPQIステートが存在すると仮定する。
【0135】
各PQIステートに、PDSCH開始シンボル情報(pdsch−Start−r11)、一つのZP CSI−RS情報(csi−RS−IdentityZP−r11)、QCLおよびCRS RM関連情報(re−MappingQCL−CSI−RS−IdentityNZP−r11)を設定できる。
【0136】
このとき、QCLおよびCRS RM関連情報は、一つの特定のNZP CSI−RSリソース(CSI−RS−IdentityNZP−r11)を示し、QCLタイプBの場合には、特定のNZP CSI−RSが、DM−RSとCSI−RSとの間のQCLとして有効である。
【0137】
さらに、特定のNZP CSI−RSは、RRC層シグナリングによって所定のNZP CSI−RSリソースとリンクされてもよい。ここで、NZP CSI−RSに対するリソースは、下記の表9のように定義され、QCLが適用されるCRSに関する情報を有することがわかる。したがって、本発明では、リンクされたNZP CSI−RSとのQCLが仮定されるCRSと、特定のNZP CSI−RSと、の間にもQCLが適用されると同時に、このリンクされたNZP CSI−RSとのQCLが仮定されるCRSの情報が、当該PQIステートのCRS RM情報としても用いられうるようにデザインされてもよい。
【0138】
【表9】
【0139】
QCLタイプAの場合、PQIステートに、上記一つのNZP CSI−RSリソース自体は、DM−RSとCSI−RSとの間のQCL情報として適用しないようにし、すなわち、無視し、リンクされたNZP CSI−RSとのQCLが仮定されるCRSに関する情報を用いて、このようなCRS情報が、当該PQIステートのCRS RM情報としても用いられるようにすることができる。
【0140】
PDSCHがQCLタイプA、EPDCCHがQCLタイプBとして設定された場合には、PDSCHについては、指示されたNZP CSI−RSリソースは、DM−RSとCSI−RSとの間のQCL情報としては適用しないようにするが、EPDCCH QCLタイプBのためにこのPQIステートがEPDCCHにリンクされている場合には、当該NZP CSI−RSリソースは、EPDCCHの復号のためのDM−RSとCSI−RSとの間のQCL情報として意味があるよう定義することができる。
【0141】
逆に、PDSCHがQCLタイプB、EPDCCHがQCLタイプAとして設定された場合、PDSCHについては、指示されたNZP CSI−RSリソースは、DM−RSとCSI−RSとの間のQCL情報として有効であるが、EPDCCH QCLタイプAのためにこのPQIステートが当該EPDCCHにリンクされている場合には、当該NZP CSI−RSリソース情報は、EPDCCH復号のためのDM−RSとCSI−RSとの間のQCL情報としては無視するよう定義できる。
【0142】
ただし、リンクされたNZP CSI−RSとのQCLが仮定されるCRSに関連する情報は、PDSCHおよびEPDCCHの両方において、CRS RMの用途には常に適用されなければならない。
【0143】
要するに、各PQIステートによって指示されるNZP CSI−RSリソースは、PDSCHおよびEPDCCHの両方に対してQCLタイプAである場合には、DM−RSとCSI−RSとの間のQCL情報としては無視するようにし、PDSCHおよびEPDCCHの両方に対してQCLタイプBである場合には、DM−RSとCSI−RSとの間のQCL情報として有効なものとして適用する。さらに、各PQIステートによって指示されるNZP CSI−RSにリンクされたNZP CSI−RSリソースが存在し、このようなNZP CSI−RSリソースとのQCLが仮定されるCRSに関連する情報は、PDSCHおよびEPDCCHの両方に対してCRS RMの用途には常に適用されなければならない。
【0144】
<第2実施例>
一方、SPS(Semi-Persistent Scheduling)の場合に対する上記PQIフィールドの解釈および関連動作は、次のような場合を考慮できる。
【0145】
1. まず、上記表7を参照すると、CoMPモードである送信モード10では、PDSCHスケジューリングのためにDCIフォーマット2Dを用いるが、フォールバックモードとしてDCIフォーマット1Aを用いるよう定義されている。したがって、本発明では、SPS活性化のためのDCIフォーマットとしてはDCIフォーマット1Aのみを使用できるよう定めることができる。すなわち、DCIフォーマット2Dでは、SPS活性化が不可能であると定義した場合である。DCIフォーマット1AにPQIフィールドがない場合、SPS活性化は、PQIフィールドのないDCIフォーマットでのみ可能であると定めたと解釈されてもよい。PQIフィールドは現サブフレームの動的情報を示すが、SPSの場合は、後のサブフレームに対してもSPS非活性化されるまで事前に特定の周期単位でセミパーシステントスケジューリングが自動設定されるため、現活性化サブフレームのPQIフィールド情報が続けて適用されるようにすることが好ましくないことがあるためである。
【0146】
或いは、CoMPモードである送信モード10ではSPS活性化が不可能であると規定することもできる。すなわち、送信モード10では、DCIフォーマット2DおよびDCIフォーマット1Aの両方ともSPS活性化をサポートしないよう定義することができる。いい換えると、SPSによるPDSCH送信をスケジューリングするには、送信モード9以下でPDSCHをスケジューリングしなければならないという意味である。
【0147】
或いは、CoMPモードである送信モード10において、SPS活性化のためのDCIフォーマットとしてはDCIフォーマット1Aのみが可能であるが、下記の(1)乃至(6)などの制約条件をおくこともできる。
【0148】
(1)DCIフォーマット1Aが共通検索領域(もしくは、UE固有検索領域)で検出される場合のみ、SPS活性化が可能
(2)DCIフォーマット1Aがnon−MBSFNサブフレーム(もしくは、MBSFNサブフレーム)で検出される場合のみ、SPS活性化が可能
(3)DCIフォーマット1Aがnon−MBSFNサブフレームの共通検索領域(もしくは、UE固有検索領域)で検出される場合のみ、SPS活性化が可能
(4)DCIフォーマット1AがMBSFNサブフレームの共通検索領域(もしくは、UE固有検索領域)で検出される場合のみ、SPS活性化が可能
(5)DCIフォーマット1Aがnon−MBSFNサブフレームで検出され、かつ、MBSFNサブフレームの共通検索領域(もしくは、UE固有検索領域)で検出される場合のみ、SPS活性化が可能
(6)DCIフォーマット1AがMBSFNサブフレームで検出され、かつ、non−MBSFNサブフレームの共通検索領域(もしくは、UE固有検索領域)で検出される場合のみ、SPS活性化が可能
勿論、上記の(1)乃至(6)の例示は、PQIフィールドを有しないDCIフォーマット1Aを用いてのみSPS活性化が可能であると規定されてもよい。
【0149】
2. 一方、送信モード10において、PQIを持つDCIフォーマットを用いてもSPS活性化は可能であるが、当該PQIフィールドの情報は、現在SPS活性化を指示するサブフレームでのみ有効であり、その後、SPSによってセミパーシステントスケジューリングされたサブフレームでは、下りリンクサービングセルのPQI情報に従うように定義することもできる。
【0150】
この時、PDSCH開始シンボルに関する情報は、下りリンクサービングセルのEPDCCHまたはキャリアアグリゲーションされた他のサービングセルなどのためのPDSCH開始シンボルに関する情報がRRCシグナリングで設定されている場合にはそれに従い、設定されていない場合は、下りリンクサービングセルのPCFICH情報(または、特定の送信ポイントのPCFICH情報)に従うようにすることができる。
【0151】
PDSCH開始シンボルに関する情報以外のPQI情報うちの全体または一部の情報は、SPS活性化時に当該DCIフォーマットのPQIフィールドで指示した情報を、以降のSPSによってセミパーシステントスケジューリングされたサブフレームに対しても続けて適用するようにすることができる。例えば、PDSCH開始シンボルに関する情報を除く残りのPQI情報はいずれも、引き続き、SPS活性化時に指示されたPQI情報に従うようにすることができ、PDSCH開始シンボルに関する情報については、上述したように下りリンクサービングセルの該当の情報に従うようにすることができる。
【0152】
3. 一方、上記の1.および2.の方法を固定的に使用する場合は、SPSによるPDSCHスケジューリングの側面で相当な制約が発生しうる。そこで、より柔軟なスケジューリングを保障するために、下記のa)およびb)のように、DCIフォーマットごとに異なる規則を適用するように規定することもできる。
【0153】
a)PQIフィールドが存在するDCIフォーマット1Aを受信してSPS活性化が指示された場合、または、DCIフォーマット1AにPQIフィールドが存在しないが、PQIフィールドにある内容の全部もしくは一部に関するいずれかのデフォルト情報(もしくは、RRCで設定された情報)がDCIフォーマット1Aに設定されている場合、UEは、当該PQIフィールドが示す情報またはデフォルト情報(もしくは、RRCで設定された情報)を、今回のサブフレームのみに対して適用する。
【0154】
しかし、PQIフィールドが存在するDCIフォーマット2Dを受信してSPS活性化が指示された場合、UEは、当該PQIフィールドが指示する情報の全部もしくは一部を、今回のサブフレームだけでなく、以降のSPSによってセミパーシステントスケジューリングされるサブフレームに対しても続けて適用するようにする。
【0155】
b)PQIフィールドが存在するDCIフォーマット2Dを受信してSPS活性化が指示された場合、UEは、当該PQIフィールドが指示する情報の全部もしくは一部を今回のサブフレームのみに対して適用する。
【0156】
しかし、PQIフィールドが存在するDCIフォーマット1AによってSPS活性化が指示された場合、または、DCIフォーマット1AにPQIフィールドが存在しないが、PQIフィールドにある内容の全部もしくは一部に関するいずれかのデフォルト情報(もしくは、RRCで設定された情報)がDCIフォーマット1Aに設定されており、このDCIフォーマット1AによってSPS活性化が指示された場合、UEは、当該PQIフィールドが示す情報またはデフォルト情報(もしくは、RRCで設定された情報)の全部もしくは一部を、今回のサブフレームだけでなく、以降のSPSによってセミパーシステントスケジューリングされるサブフレームに対しても続けて適用するようにする。
【0157】
4. SPSによるCoMP動作をより円滑にサポートするために、次のような規則を定義することを提案する。
【0158】
特定DCIフォーマットによってSPS活性化がなされ、その後、SPSによるPDSCH送信がTms間隔ごとに送信されていると仮定すれば、特定のサブフレーム#NのSPSによるPDSCH送信時に、その前のXms(例えば、X=T−1)の間にPQIフィールドを有するスケジューリング情報(すなわち、DCIフォーマット)が存在すれば、特定のサブフレーム#Nでも、上記Xmsにおいて最も最近に受信したPQIフィールドが示す情報の全部もしくは一部に従うようにする。
【0159】
或いは、サブフレーム#NのSPS PDSCH送信時に、その前のXmsにおいてSPS PDSCHの再送信のためのスケジューリング情報(または、再送信のためのスケジューリング情報が複数個存在する場合には、最も最近のスケジューリング情報)がPQIフィールドを有する状態で受信されたとすれば、サブフレーム#Nでも、このようなPQIフィールドが示す情報の全部もしくは一部に従うようにするが、再送信である場合に限って適用することもできる。
【0160】
さらに、PQIフィールドが示す情報の全部もしくは一部は、更新されない限り続けて適用されてもよく、または、上記サブフレーム#N時点でのみ適用し、その後は、デフォルトとして下りリンクサービングセルの関連情報に従うようにしたり、最初のSPS活性化時点で適用したPQIフィールドが示す情報の全部もしくは一部に従うようにしたりすることもできる。
【0161】
或いは、上記SPS PDSCHの再送信のためのスケジューリング情報にPQIフィールドがある場合、このPQIフィールドは、必ず、初期SPS活性化を指示するスケジューリング情報においてPQIフィールドが示す情報の全部もしくは一部と同じ情報として設定されるように制限をおくことも考慮することができる。
【0162】
さらに、上記SPS PDSCHの再送信のためのスケジューリング情報は、PQIフィールド自体を有しないように定義することもできる。PQIフィールドがないということは、初期SPS活性化を指示するスケジューリング情報にPQIフィールドがあった場合は、このPQIフィールドが示す情報の全部もしくは一部をSPS PDSCHの再送信の場合にも適用しなければならないということを意味できる。
【0163】
上述したSPS PDSCHに関するスケジューリング情報(もしくは、DCIフォーマット)に関する解析および規則を適用するか否かは、RRC信号を用いて設定できる。
【0164】
要するに、SPSによる持続的なTms間隔のPDSCH送信に関しては、それ以上PQIフィールドが指示する情報を直接与えることができない。したがって、最近のXmsにおいて通常のC−RNTIでマスクされて送信されるスケジューリング情報においてPQIフィールドが指示する情報が存在する場合、または、PQIフィールドを有する、SPS PDSCHの再送信のためのスケジューリング情報が受信された場合には、このようなPQIフィールドに従うように規定し、最も最近の瞬間的な環境を、現サブフレームを含めて以降のSPS PDSCH送信時にも反映できるという長所がある。
【0165】
<第3実施例>
一方、上記ではPQIフィールドが2ビットの別のフィールドとして定義されるとしたが、必ずしもこれに限定されない。すなわち、PQIフィールドは、Nビットサイズのフィールドとして定義されてもよく、その一部のビットは既存のとおり明示的にDCIに追加されるが、残りのビットは既存フィールドを借用する形態として定義することもできる。例えば、N=2の場合、新しい1ビットフィールドを定義するが、0または1の値を持つスクランブリング識別子フィールド(nSCID)に上記新しい1ビットフィールドをリンクさせて合計4個のステートとして結合エンコーディングする方式も可能である。
【0166】
また、Nビットによって定義される2N個のステートのそれぞれに対して、QCLタイプAまたはQCLタイプBを個別にRRCシグナリングで設定する方式も考慮することができる。すなわち、2N個のステートのそれぞれに対して、当該ステートがQCLタイプAに従うかQCLタイプBに従うかをRRCシグナリングを用いて指定する。これによって特定ステートがDCIによって指示されると、QCLタイプAに従ってサービングセルCRSとDM−RSとの間のQCLが適用されるようにすることができ、QCLタイプBに従って特定CSI−RSとDM−RSとの間のQCLが適用されるようにすることができる。
【0167】
或いは、2N個のステートのそれぞれに対してQCLタイプBとして設定するRRCシグナリングが受信されないと、当該ステートはQCLタイプAとしてデフォルト設定されるようにする方式も可能である。すなわち、各2N個のステートのデフォルトQCLタイプはQCLタイプAであり、各ステートにQCLタイプBはさらに設定される方式である。
【0168】
具体的には、特定のステートにおいてNZP CSI−RSリソースインデックスが設定される場合、QCLタイプBが設定され、当該NZP CSI−RSとDM−RSとの間のQCLが適用される。しかし、特定のステートにおいてNZP CSI−RSリソースインデックスが設定されていない場合、当該ステートは、デフォルトのQCLタイプとしてQCLタイプAが設定され、UEは、サービングセルCRSとDM−RSとの間のQCLを適用する。
【0169】
一方、本発明の第3実施例では、UEがQCLに関連したタイプの最大個数(M)を特定値以下に制限し、UEの処理の複雑度を一定レベルに維持することを提案する。好ましくは、M=4として設定できる。
【0170】
例えば、上記2N個のステートのうち3個のステートのそれぞれに対して、互いに異なる3個のNZP CSI−RSのそれぞれに対するQCLタイプBが異なるように設定されてもよい。すなわち、これらの3個のステートはいずれもQCLタイプBとして設定されているが、それぞれのQCLリンクは、CSI−RS1、CSI−RS2、CSI−RS3が各ステートでそれぞれ指示されるため、事実上、UEは、互いに異なる3個のQCLタイプBを適用して3つの互いに異なる広域特性(large-scale properties)を推定しなければならない。
【0171】
さらに、EPDCCHのためのEPDCCH QCLタイプが定義されてもよく、これは、EPDCCH QCLタイプA(すなわち、サービングセルCRSとEPDCCH DM−RSとの間のQCL)とEPDCCH QCLタイプB(すなわち、特定CSI−RSとEPDCCH DM−RSとの間のQCL)との2つであってもよい。したがって、EPDCCH QCLタイプAが設定された場合であれば、これが他のQCLタイプであり、UEは、そのための他の広域特性を推定しなければならない。よって、M=4が好ましい。これは、EPDCCH QCLタイプAまたはEPDCCH QCLタイプBが各EPDCCHセットに独立して設定されうる場合であっても、他のEPDCCHセットにおいて、上記のCSI−RS1、CSI−RS2、CSI−RS3以外のCSI−RSとのQCLの仮定は、それ以上不可能であると制限されることが理解できる。
【0172】
UEの処理複雑度をより減らすために、M=3のように、より低い値に制限することもできる。このようなM値は、UE性能(capability)として定義できる。すなわち、各UEは、自体で可能な最大のM値が自体の性能に関連したパラメータに有されて製造/販売されてもよい。いい換えると、あるUEは、最大M=3が可能である性能を有し、あるUEは、最大M=4が可能である性能を有することをeNBに知らせ、eNBは、当該UEのM値を考慮して上記QCLタイプを適切に上位層を通して設定できる。
【0173】
上記の性能またはM値を表現する方式は様々である。例えば、2N個のステート全体にわたって、L個の互いに異なるNZP CSI−RSリソースのみ設定可能にしてもよい。この場合、L<=Mになるだろう。例えば、L=2であれば、2N個のステートによって設定可能な互いに異なるNZP CSI−RSリソースの個数は最大2個となり、CSI−RS1、CSI−RS2がそれぞれ特定のステートで指示されるが、他のNZP CSI−RSリソースは指示されないようにすることもできる。
【0174】
図14は、本発明の一実施例に係る通信装置のブロック構成図である。
【0175】
図14を参照すると、通信装置1400は、プロセッサ1410、メモリ1420、RFモジュール1430、ディスプレイモジュール1440およびユーザインターフェースモジュール1450を備えている。
【0176】
同図の通信装置1400は、説明の便宜のために示されたもので、一部のモジュールは省略されてもよい。また、通信装置1400は、必要なモジュールをさらに備えてもよい。また、通信装置1400において一部のモジュールはより細分化したモジュールに区分されてもよい。プロセッサ1410は、図面を参照して例示した本発明の実施例に係る動作を実行するように構成される。具体的には、プロセッサ1410の詳細な動作は、図1乃至図13に記載された内容を参照してもよい。
【0177】
メモリ1420は、プロセッサ1410に接続され、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラムコード、データなどを格納する。RFモジュール1430は、プロセッサ1410に接続され、基底帯域信号を無線信号に変換したり、無線信号を基底帯域信号に変換する機能を果たす。そのために、RFモジュール1430は、アナログ変換、増幅、フィルタリングおよび周波数アップ変換またはこれらの逆過程を行う。ディスプレイモジュール1440は、プロセッサ1410に接続され、様々な情報を表示する。ディスプレイモジュール1440は、特に制限されるものではなく、LCD(Liquid Crystal Display)、LED(Light Emitting Diode)、OLED(Organic Light Emitting Diode)などの周知の要素を用いることができる。ユーザインターフェースモジュール1450は、プロセッサ1410に接続され、キーパッド、タッチスクリーンなどの周知のユーザインターフェースの組合せで構成可能である。
【0178】
以上説明してきた実施例は、本発明の構成要素および特徴を所定の形態に結合したものである。各構成要素または特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素または特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施することもでき、一部の構成要素および/または特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例が有してもよく、他の実施例の対応する構成または特徴に取り替わってもよい。特許請求の範囲において明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正により新しい請求項として含めたりできるということは明らかである。
【0179】
本文書で基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。すなわち、基地局を有する複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局または基地局以外の他のネットワークノードによって行われ得ることは明らかである。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語にしてもよい。
【0180】
本発明に係る実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェアまたはそれらの結合などによって具現することができる。ハードウェアによる具現では、本発明の一実施例は、一つまたはそれ以上のASICs(Application Specific Integrated Circuits)、DSPs(Digital Signal Processors)、DSPDs(Digital Signal Processing Devices)、PLDs(Programmable Logic Devices)、FPGAs(Field Programmable Gate Arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0181】
ファームウェアやソフトウェアによる具現では、本発明の一実施例は、以上で説明された機能または動作を実行するモジュール、手順、関数などの形態で具現されてもよい。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶され、プロセッサによって駆動可能である。メモリユニットは、プロセッサの内部または外部に設けられ、公知の様々な手段によってプロセッサとデータを交換することができる。
【0182】
本発明は、本発明の特徴から逸脱しない範囲で別の特定の形態に具体化できるということが当業者にとっては自明である。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的な解釈によって決定すべきであり、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0183】
以上、無線通信システムにおいて下りリンク信号の送受信方法およびそのための装置は、3GPP LTEシステムに適用される例を中心に説明されたが、3GPP LTEシステムの他、様な無線通信システムにも適用可能である。
図1
図2
図3
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図6
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