(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の方法であって、少なくとも1つの感知装置は、前記環境に関する前記存在データを受信するように構成されたマイクロフォンを有し、前記存在データは、前記環境内の1又は複数の個人の前記存在に関する聴覚データを有する、方法。
請求項1に記載の方法であって、前記環境の前記照明状態は、暗い照明状態又は明るい照明状態を有し、前記環境の前記暗い照明状態及び前記明るい照明状態は、照明閾値により区別される、方法。
請求項4に記載の方法であって、前記環境の前記照明状態が前記暗い照明状態を有し、且つ、2又は複数の個人が前記環境内に存在する場合、前記照明装置により受信可能な前記起動信号は、前記照明装置をオン状態に起動するように構成されている、方法。
請求項1に記載の方法であって、前記環境内に存在する前記個人が前記登録された個人のみである場合、前記照明装置により受信可能な前記起動信号は、前記照明装置をオフ状態に起動するように構成されている、方法。
請求項7に記載のシステムであって、前記環境の前記照明状態は、暗い照明状態又は明るい照明状態を有し、前記環境の前記暗い照明状態及び前記明るい照明状態は、照明閾値により区別される、システム。
請求項8に記載のシステムであって、前記環境の前記照明状態が前記暗い照明状態を有し、且つ、2又は複数の個人が前記環境内に存在する場合、前記起動信号は、前記照明装置をオン状態に起動するために前記照明装置により受信可能である、システム。
請求項8に記載のシステムであって、前記1又は複数のプロセッサは、前記照明状態を、1又は複数のメモリモジュールの照明嗜好ライブラリに記憶される1又は複数の照明嗜好と比較し、且つ、前記1又は複数の照明嗜好に基づいて、前記照明装置を起動するために前記照明装置により受信可能な起動信号を生成する、システム。
請求項7に記載のシステムであって、少なくとも1つのセンサは、前記環境に関する前記存在データを受信するように構成されたマイクロフォンを有し、前記存在データは、前記環境内の1又は複数の個人の前記存在に関する聴覚データを有する、システム。
請求項7に記載のシステムであって、1又は複数のプロセッサに通信可能に接続され、且つ、前記環境の前記照明状態に対応するフィードバックを提供するように構成された1又は複数のフィードバック装置をさらに有する、システム。
請求項14に記載のシステムであって、前記1又は複数のプロセッサに通信可能に接続され、前記環境の前記照明状態に対応するフィードバックを提供するように構成された1又は複数のフィードバック装置をさらに有する、システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に開示する実施形態は、登録個人の1若しくは複数の照明嗜好に基づいて又はユーザ入力に応じて、登録個人(例えば、視覚障害者)の周辺の環境(例えば、部屋、オフィス等)に配置された1又は複数の照明装置を操作するための方法及びシステムを含む。動作中、照明補助システムは、1又は複数の感知装置を使用して照明データを取得してもよく、且つ、照明データに基づいて環境の照明状態を判定してもよい。また、照明補助システムは、環境内にいる1又は複数の個人の存在に関する存在データを取得してもよい。いくつかの実施形態において、照明補助システムは、環境内の照明状態及び存在する個人の数を1又は複数の照明嗜好と比較してもよく、且つ、登録個人の1又は複数の照明嗜好に基づいて1又は複数の照明装置を起動してもよい。さらに、照明補助システムは、1又は複数のフィードバック装置を使用して照明状態に関するフィードバックを登録個人に提供してもよい。
【0011】
図1を参照すると、照明補助システム100の一例の構成要素が概略的に表されている。照明補助システム100の一例は、1又は複数のプロセッサ102及び1又は複数のメモリモジュール106を有する。1又は複数のプロセッサ102は、例えば、1又は複数のメモリモジュール106から、情報を受信し且つ機械可読命令を実行するように構成された任意の処理コンポーネントであってもよい。結果として、1又は複数のプロセッサ102のそれぞれは、コントローラ、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ又は任意の他のコンピュータ装置であってもよい。1又は複数のプロセッサ102は、照明補助システム100の様々な構成要素間での信号相互接続を提供する通信パス104と接続される。結果として、通信パス104は、任意の数のプロセッサ102を互いに通信可能に接続してもよく、通信パス104と接続されるモジュールを、分散コンピューティング環境内で動作可能にしてもよい。特に、各構成要素は、データを送信及び/又は受信し得るノードとして動作してもよい。本明細書で使用されるように、「通信可能に接続される」とは、接続される複数の構成要素が相互にデータ信号を交換可能であることを意味する。例えば、導電性媒体を介する電気的信号、空中を介する電磁的信号、光導波路を介する光学的信号等である。
【0012】
結果として、通信パス104は、例えば、導電性ワイヤ、導電性トレース、光導波路等のように、信号を送信可能な任意の媒体から形成されてもよい。いくつかの実施形態において、通信パス104は、例えば、WiFi、Bluetooth等のように、無線信号の送信を容易にさせてもよい。さらに、通信パス104は、信号を送信可能な複数の媒体の組合せから形成されてもよい。一実施形態において、通信パス104は、導電性トレース、導電性ワイヤ、コネクタ及びバスの組合せを有し、その組合せは、プロセッサ、メモリ、センサ、入力装置、出力装置及び通信装置のような構成要素に対して、電気的データ信号の送信を許可するために協働する。結果として、通信パス104は、例えば、LINバス、CANバス、VANバス等のような移動機械用バスを有してもよい。なお、追加的に、用語「信号」とは、例えば、DC、AC、正弦波、三角波、方形波、振動等の媒体を介して伝搬可能な(例えば、電気的、光学的、磁気的、機械的又は電磁的)波形を意味する。
【0013】
1又は複数のメモリモジュール106は、機械可読命令が1又は複数のプロセッサ102によりアクセスされることができるように、通信パス104と接続され、且つ、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ又は機械可読命令を記憶可能な任意の装置を有してもよい。機械可読命令は、任意の世代(例えば、1GL、2GL、3GL、4GL又は5GL)の任意のプログラミング言語で書かれたロジック又はアルゴリズムを有してもよい。任意のプログラミング言語は、例えば、プロセッサにより直接実行される機械言語、又は、コンパイルされ又は機械可読命令にアセンブルされ且つ1又は複数のメモリモジュール106に記憶されてもよいアセンブリ言語、オブジェクト指向プログラミング(OOP)、スクリプト言語、マイクロコード等である。或いは、FPGA(Field Programmable Gate Array)構成又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)を介して実装されたロジック等のハードウェア記述言語(HDL)によって、機械可読命令が書かれてもよい。結果として、本明細書で記載する方法は、事前にプログラムされたハードウェア要素として、又は、ハードウェア及びソフトウェアコンポーネントの組合せとして、いかなる従来のコンピュータプログラミング言語で実装されてもよい。
【0014】
また、
図1を参照すると、照明補助システム100は、ネットワーク130をさらに有する。一実施形態において、ネットワーク130は、Bluetooth技術を用いるパーソナルエリアネットワークである。他の実施形態において、ネットワーク130は、コンピュータネットワーク(例えば、パーソナルエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク又は広域ネットワーク)、セルラーネットワーク、衛星ネットワーク及び/又は全地球測位システム(GPS)及びこれらの組合せを1又は複数含めてもよい。結果として、照明補助システム100の構成要素は、ワイヤを介して、広域ネットワークを介して、ローカルエリアネットワークを介して、パーソナルエリアネットワークを介して、セルラーネットワークを介して、衛星ネットワークを介して等、ネットワーク130と通信可能に接続されることができる。適切なローカルエリアネットワークは、例えば、IrDA、Bluetooth、ワイヤレスUSB、Z−Wave、ZigBee及び/又は他の近距離通信プロトコルのように、有線イーサネット及び/又は無線技術を含めてもよい。同様に、適切なパーソナルエリアネットワークは、例えば、USB及びFireWireのように、有線コンピュータバスを含めてもよい。適切なセルラーネットワークは、LTE、WiMAX、UMTS、CDMA及びGSMのような技術を含むが、これらに限定されない。追加的に、ネットワーク130は、照明補助システム100の構成要素を、視覚補助装置140(
図2〜4)、1又は複数の照明コントローラ212、照明装置214a〜214c、及び/又は、1又は複数の照明システム210(
図2〜4)の照明スイッチ215a〜215cに対して通信可能に接続するために使用されてもよい。
【0015】
また、照明補助システム100は、ネットワークインタフェースハードウェア116を含めてもよい。ネットワークインタフェースハードウェア116は、通信パス104と通信可能に接続されてもよく、且つ、ネットワークを介してデータを送信及び/又は受信可能な任意の装置であってもよい。結果として、ネットワークインタフェースハードウェア116は、任意の有線又は無線通信を送信及び/又は受信するための通信トランシーバを含めてもよい。例えば、ネットワークインタフェースハードウェア116は、アンテナ、モデム、LANポート、WiFiカード、WiMaxカード、モバイル通信ハードウェア、近距離通信ハードウェア、衛星通信ハードウェア、及び/又は、他のネットワーク及び/又は装置と通信する任意の有線又は無線ハードウェアを含めてもよい。一実施形態において、ネットワークインタフェースハードウェア116は、Bluetooth無線通信プロトコルに従って動作するように構成されたハードウェアを有する。別の実施形態では、ネットワークインタフェースハードウェア116は、視覚補助装置140(
図2〜4)及び照明システム210(
図2〜4)に/からBluetooth通信を送信/受信するためにBluetooth送信/受信モジュールを含めてもよい。また、いくつかの実施形態において、視覚補助装置140は、例えば、登録個人170(例えば、視覚障害のあるユーザ)に装着され、及び、第2視覚補助装置140’(
図3)は、例えば、第2個人180により装着される。さらに、ネットワークインタフェースハードウェア116及びネットワークの両方は、照明補助システム100の構成要素を、例えば、携帯電話、ウェアラブルコンピュータ機器、パーソナルコンピュータ機器、IoT(Internet of Things)機器等の追加的な電子機器と通信可能に接続するために使用されてもよい。
【0016】
図示された照明補助システム100は、登録個人が存在する環境(例えば、部屋、オフィス等)の視覚データを取得する視覚センサ118をさらに含む。いくつかの実施形態において、視覚データは照明データを有してもよく、この照明データは、例えば、環境200の照明状態の表示である、環境200(
図2〜4)の照明レベルであってもよい。いくつかの実施形態において、視覚データは、環境200内の1又は複数の個人の存在に対応する存在データを含む。いくつかの実施形態では、視覚センサ118は、視覚補助装置140の中又は上に配置されてもよい。或いは、視覚センサ118は、別の場所に配置され、且つ、視覚補助装置140と通信可能に接続されてもよい。視覚センサ118は、例えば、カメラ、光センサ、電荷結合素子イメージセンサ又はCMOS(相補型金属酸化膜半導体)センサのように、紫外線波長帯域、可視光線波長帯域又は赤外線波長帯域における放射を検出可能な任意の装置として構成されてもよい。視覚センサ118がカメラとして構成されるとき、カメラは、任意の解像度を有してもよく、且つ、全方向カメラ又はパノラマカメラであってもよい。いくつかの実施形態において、ミラー、魚眼レンズ又は任意の他のレンズのような1又は複数の光学系コンポーネントは、カメラと光学的に接続されてもよい。いくつかの実施形態は、複数の視覚センサ118を含めてもよい。さらに、視覚センサ118は、
図1に描かれるように、通信パス104が視覚センサ118を照明補助システム100の他のモジュールと通信可能に接続するように、通信パス104と接続されてもよい。
【0017】
図1に描かれるように、照明補助システム100は、マイクロフォン138をさらに有する。マイクロフォン138は、音声と関連する機械振動を、音声を表す電気信号に変換可能な任意の装置であってもよい。いくつかの実施形態において、マイクロフォン138は、視覚補助装置140の中又は上に配置されてもよい。マイクロフォン138は、メニュー、入力設定及び嗜好(例えば、照明嗜好)等を案内するように、タスクを実行するためのユーザ入力装置160として使用されてもよい。また、マイクロフォン138は、例えば、1又は複数の個人により生成された音(例えば、スピーチ、足音、ドアの開閉に関連する音等)を受信することにより、1又は複数の個人(例えば、登録個人170、第2個人180、他の複数の個人)の存在に対応する存在データを取得するために使用されてもよい。いくつかの実施形態は、マイクロフォン138を含めなくてもよいことを理解されるべきである。さらに、マイクロフォン138は、マイクロフォン138が照明補助システム100の他のモジュールと通信可能に接続されてもよいように、通信パス104と接続されてもよい。
【0018】
照明補助システム100は、通信パス104が1又は複数の聴覚装置120を照明補助システム100の他のモジュールと通信可能に接続するように、通信パス104と接続される1又は複数の聴覚装置120をさらに有してもよい。いくつかの実施形態において、1又は複数の聴覚装置120は、視覚補助装置140の中又は上に配置されてもよい。しかしながら、他の実施形態において、照明補助システム100は、1又は複数の聴覚装置120を含めなくてもよいことを理解すべきである。1又は複数の聴覚装置120は、照明補助システム100から可聴信号にデータ信号を変換する。いくつかの実施形態において、1又は複数の聴覚装置120は、例えば、アラーム、音声メッセージ等のように、環境200の照明状態に関する可聴情報を提供するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、1又は複数の聴覚装置120は、例えば、登録個人170、第2個人180等の1又は複数の個人により聴くことができる聴覚メッセージを作成するために、プロセッサ102から(例えば、増幅器、ドライバ、デジタルアナログ変換器等のような他のハードウェアから、直接的又は間接的に)聴覚信号を受信可能なスピーカーとして構成されてもよい。いくつかの実施形態において、1又は複数の聴覚装置120は、第1スピーカー及び第2スピーカーを含み、聴覚メッセージは、ステレオで提供される。いくつかの実施形態において、1又は複数の聴覚装置120は、ヘッドフォン、イヤホン等を含めてもよい。
【0019】
再び
図1を参照すると、照明補助システム100は、通信パス104が近接センサ122を照明補助システム100の他の構成要素と通信可能に接続してもよいように、通信パス104と接続される1又は複数の近接センサ122をさらに有してもよい。いくつかの実施形態において、1又は複数の近接センサ122は、視覚補助装置140の中又は上に配置されてもよい。近接センサ122は、環境200内に存在する1又は複数の個人の存在及び/又は近接を示す近接信号を出力可能な任意の装置であってもよく、例えば、登録個人170(
図2〜4)に同伴する第2個人180の存在である。いくつかの実施形態において、近接センサ122は、レーザスキャナ、静電容量センサ、ドップラー効果センサ、渦電流センサ、超音波センサ、磁気センサ、光学センサ、レーザーセンサ、ソナーセンサ等を含めてもよい。いくつかの実施形態は、近接センサ122を含めなくてもよい。
【0020】
照明補助システム100は、通信パス104と接続される1又は複数の感触フィードバック装置126をさらに有してもよく、1又は複数のプロセッサ102と通信可能に接続されている。いくつかの実施形態において、感触フィードバック装置126は、視覚補助装置140の中又は上に配置されてもよい。1又は複数の感触フィードバック装置126のそれぞれは、登録個人170に対する感触フィードバックを提供可能な任意の装置であってもよい。1又は複数の感触フィードバック装置126は、(例えば、感触フィードバックが振動を介して配信される実施形態では)振動装置、(例えば、感触フィードバックが空気の吹き付けを介して配信される実施形態では)エアブロー装置、又は、(例えば、感触フィードバックが発生した圧力を介して配信される実施形態では)圧力発生装置を含めてもよい。いくつかの実施形態において、1又は複数の感触フィードバック装置126を含めなくてもよい。
【0021】
追加的に、照明補助システム100は、登録個人170に照明補助システム100の構成要素と通信可能にさせるように構成された1又は複数のユーザ入力装置160を有してもよい。1又は複数のユーザ入力装置160は、例えば、キーボード、ボタン、スイッチ、ノブ、タッチセンサー式パッド、マイクロフォン(例えば、マイクロフォン138)等のように、ユーザ入力(例えば、接触)を通信パス104を介してデータ信号に変換可能な任意の装置であってもよい。いくつかの実施形態において、1又は複数のユーザ入力装置160は、電源ボタン、音量ボタン、起動ボタン、スクロールボタン等を含めてもよい。1又は複数のユーザ入力装置160は、照明嗜好又は設定をプログラミングする、コマンドを提供する、照明補助システム100(例えば、視覚補助装置140)に対してフィードバックを提供する、メニューを案内する、複数の選択肢をつくる、及び、本明細書に記載の他の機能のように、複数のタスクを遂行するために登録個人170により使用されてもよい。いくつかの実施形態において、ユーザ入力装置160は、視覚補助装置140の中又は上に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、ユーザ入力装置160は、個別の電子機器に配置されてもよい。例えば、視覚補助装置140は、ユーザ入力装置160として動作する携帯電話、パーソナルコンピュータ等に通信可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態は、1又は複数のユーザ入力装置160を含めなくてもよいことを理解すべきである。
【0022】
さらに、照明補助システム100の構成要素が
図1中に分離して描かれているが、照明補助システム100の構成要素の一部又は全ては、
図2〜4に描かれるように、視覚補助装置140の中又は上に配置されてもよい。視覚補助装置140は、任意の設定がなされてもよい。いくつかの実施形態において、視覚補助装置140は、登録個人170により装着されるように構成されてもよく、これにより、彼又は彼女が視覚補助装置140を操作するために個人の両手が自由に使える。例えば、視覚補助装置140は、登録個人170の首の周りに装着されることを意図してネックレス形状を有してもよく、登録個人170の首から胸及び/又は背中に沿って下方に伸びる部分を含めてもよい。代替的実施形態において、視覚補助装置140は、眼鏡として構成されてもよい。
【0023】
視覚補助装置140は、例えば、照明データ(例えば、環境200の照明レベルに関するデータ)及び存在データ(例えば、環境内にいる1又は複数の個人の存在に関するデータ、例えば、環境内に存在する個人の数)のように、環境200に関する情報を取得するように構成された視覚センサ118、マイクロフォン138及び/又は近接センサ122のように、1又は複数の感知装置を含めてもよい。さらに、視覚補助装置140は、例えば、環境200の照明状態及び/又は環境200内に配置された1又は複数の照明装置214a〜214cの状態に関するフィードバックのように、登録個人170にフィードバックを提供するように構成された、例えば、聴覚装置120及び/又は感触フィードバック装置126のような1又は複数のフィードバック装置を含めてもよい。視覚補助装置140は、
図2〜4に示すものとは異なって構成されてもよく、視覚補助装置140は、他の実施形態において異なる形及びサイズをなしてもよいことを理解すべきである。
【0024】
いくつかの実施形態において、視覚補助装置140内に組み込まれない照明補助システム100の構成要素は、視覚補助装置140と通信してもよい。例えば、照明補助システム100の構成要素は、携帯電話、ウェアラブルコンピュータ機器、パーソナルコンピュータ機器等の中又は上に配置されてもよい。さらに、視覚補助装置140は、本明細書に記載の構成要素が通信可能に接続される1又は複数のモジュール内に配置されてもよいように構成された複数のモジュラー装置を有してもよい。
【0025】
また、
図2〜4を参照すると、照明補助システム100は、照明状態を有する環境200内に概略的に描かれる。図示された実施形態において、環境200は、屋内環境(例えば、登録個人170の家、登録個人170の職場等)である。また、環境200は、屋外環境(例、中庭、ドライブウェイ等)であってもよい。いくつかの実施形態において、照明状態は、照度、例えば、環境200に存在する光束の量(例えば、ルーメン)により定義されてもよく、例えば、1又は複数の視覚センサ118により受信可能な光束の量である。照明システム210が環境200内に配置されているとき、動作中、照明状態は、環境200を照らす自然光の量並びに照明システム210の存在及び動作により影響されてもよい。
【0026】
図2〜4に描かれる環境200において、登録個人170及び第2個人180は存在する。登録個人170は、視覚補助装置140のユーザである。いくつかの実施形態において、登録個人170は、例えば、環境200の照明状態に対応する照明システム210の制御に関する嗜好並びに聴覚及び感触フィードバックに関する嗜好のように、様々な嗜好を用いて視覚補助装置140をプログラムしてもよい。前述のとおり、登録個人170は、視覚障害者であってもよい。第2個人180は、環境200にいる登録個人170に同伴する個人である。第2個人180は、視覚障害のある又は視覚可能な個人であってもよい。また、
図3に示すように、第2個人180は、視覚補助装置(例えば、視覚補助装置140’)を有してもよい。個人の数は任意であると考えられることを理解すべきである。
【0027】
いくつかの実施形態において、照明状態は、明るい照明状態202(
図2及び4)又は暗い照明状態204(
図3)を有してもよい。明るい照明状態202及び暗い照明状態204は、明るい照明状態202の環境200は特定の照度を超える(又は、と等しい)及び暗い照明状態204の環境200は下回る(又は、と等しい)と定義する照明閾値により区別されてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態において、照明閾値は、ユーザ入力装置160を使用して、登録個人170により設定されてもよい。一例として、登録個人170は、視覚センサ118を様々な照度に感光させ、且つ、ユーザ入力装置160を使用して選択可能な照明閾値として、これらの様々な照度をプログラムしてもよい。別の例として、登録個人170は、ユーザ入力装置160を使用して選択可能な照明閾値として、特定の照度を入力してもよい。1又は複数のメモリモジュール106は、1又は複数の選択可能な照明閾値を記憶してもよい。さらに、いくつかの実施形態において、環境200の照明状態は、例えば、明るい照明状態202及び暗い照明状態204の照明閾値の間の追加的な照明閾値により区別される1又は複数の薄暗い照明状態のように、追加的な照明状態に区別されてもよい。
【0029】
図2〜4に描くように、照明システム210は、環境200内に配置される。照明システム210の例では、1又は複数の照明装置214a〜214c、1又は複数の照明スイッチ215a〜215c及び1又は複数の照明コントローラ212を含む。いくつかの実施形態において、照明コントローラ212は、照明補助システム100の構成要素、照明装置214a〜214c及び/又は照明スイッチ215a〜215cの間で通信を容易にするために視覚補助装置140と通信する。或いは、照明装置214a〜214c及び/又は照明スイッチ215a〜215cは、照明補助システム100の構成要素と直接通信するように構成されてもよい。3つの照明装置214a〜214c及び/又は3つの照明スイッチ215a〜215cが示される一方で、照明装置214及び照明スイッチ215の数及び種類は任意であると考えられることを理解すべきである。いくつかの実施形態において、照明装置214a〜214cは、(
図2及び3に描かれる)オフ状態216及び(
図4に描かれる)オン状態218の間で起動可能である。いくつかの実施形態において、オン状態218にある照明装置214a〜214cの照度は、例えば、調光可能なように、可変であってもよい。さらに、照明装置214a〜214cは、様々な色に出力してもよい。
【0030】
1又は複数の照明コントローラ212は、照明装置214a〜214c及び照明スイッチ215a〜215cを制御可能な任意の装置であってもよい。いくつかの実施形態において、各照明装置214a〜214c及び/又は各照明スイッチ215a〜215cは、個別の照明コントローラ212を有してもよい。他の実施形態において、
図2〜4に描かれるように、照明コントローラ212は、環境200内の各照明装置214a〜214c及び/又は各照明スイッチ215a〜215cを電気的に制御するように構成された中央照明コントローラを含めてもよい。動作中、照明コントローラ212は以下のようにして視覚補助装置140と(例えば、無線で)通信してもよい。即ち、視覚補助装置140が、各照明装置214a〜214cの状態(例えば、オフ状態216又はオン状態218)に関する信号を照明コントローラ212から受信し、且つ、自動的に又は視覚補助装置140から(例えば、登録個人170から)の要求に応じて照明装置214a〜214cを制御するために、照明コントローラ212に起動信号を提供し得るように、視覚補助装置140と通信してもよい。いくつかの実施形態において、照明コントローラ212は、例えば、スマートホームシステム等のビルディング・オートメーション・システムに統合されてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、照明補助システム100は、様々な嗜好を含む照明嗜好ライブラリ125を含めてもよい。照明嗜好ライブラリ125は、1又は複数のメモリモジュール106に記憶されてもよく、環境200の照明状態、環境200内の1又は複数の個人(例えば、登録個人170、第2個人180等)の存在、及び/又は、時刻、電力使用に関する規制、照明技術のような他の要因に基づいて、様々な照明システム210の望ましい動作及び/又はフィードバック装置の望ましい動作を含む。いくつかの実施形態において、照明嗜好ライブラリ125は、デフォルトの照明嗜好及び選択的、選択可能な照明嗜好を含む。いくつかの実施形態において、登録個人170は、ユーザ入力装置160を使用して照明嗜好を選択してもよい。さらに、照明嗜好ライブラリ125は、例えば、登録個人170は、ユーザ入力装置160を使用して、追加的な照明嗜好を照明嗜好ライブラリ125に入力してもよいように、カスタマイズ可能であってもよい。
【0032】
照明嗜好ライブラリ125は、プロセッサ102、ネットワークインタフェースハードウェア116及びネットワーク130と通信可能に接続されてもよい。プロセッサ102(例えば、視覚補助装置140内に配置されたプロセッサ102)は、1又は複数の照明装置214a〜214c(例えば、照明コントローラ212により受信可能な起動信号)により受信可能な起動信号を生成してもよく、且つ、1又は複数のフィードバック装置(例えば、聴覚装置120及び/又は感触フィードバック装置126)により受信可能な起動信号を生成してもよい。さらに、いくつかの実施形態は、照明嗜好ライブラリ125を含めなくてもよいことを理解すべきである。
【0033】
再び
図1〜4を参照すると、1又は複数の照明装置214a〜214cを操作する及び環境200の照明状態に対応するフィードバックを提供する方法が説明される。この方法は、機械可読命令内にロジックを実装してもよく、照明補助システム100の1又は複数のプロセッサ102により実行されるとき、照明装置214a〜214cを起動するための起動信号を生成し、且つ、いくつかの実施形態において、1又は複数のフィードバック装置を起動するための起動信号を生成する。なお、この方法は、特定の順序に従って詳述されるが、本開示の追加的な実施形態は、いかなる特定の順序に限定されるわけではない。
【0034】
追加的に、照明補助システム100は、視覚障害のある個人、例えば登録個人170を補助して、聴覚又は感触フィードバックを与えることにより、登録個人170の周囲の環境200の照明状態を理解させることができる。また、登録個人170が環境200(
図2〜4)に入ると、照明補助システム100は、登録個人170の照明嗜好に基づき照明システム210を自動的に制御してもよい。例えば、視覚障害がある登録個人170は、通常のタスクを実行するために明るい照明状態202を必要としないかもしれない一方で、登録個人170は、視覚障害がない個人(例えば、第2個人180)が共に存在するとき、環境200(例えば、明るい照明状態202)を照らしたいかもしれない。
【0035】
動作中、照明補助システム100は、例えば、視覚センサ118を使用することにより、照明コントローラ212と通信することにより、及び/又は、照明補助システム100と別に配置された他の感知装置と通信することにより、環境200に関する照明データを取得してもよい。取得される照明データは、1又は複数の視覚センサ118により受信した環境200の照明レベル、例えば、光束の量(例えば、ルーメン)を有してもよい。また、照明システム210を有する実施形態において、取得される照明データは、1又は複数の照明装置214a〜214cの状態(例えば、オン状態218又はオフ状態216)を含めてもよい。いくつかの実施形態において、照明補助システム100は、ユーザ入力装置160により受信された入力に対する照明データを取得してもよい。いくつかの実施形態において、照明補助システム100は、連続的に照明データを取得してもよい。さらに、照明データは、例えば、照明嗜好ライブラリ125の照明嗜好との比較のために、1又は複数のメモリモジュール106内に一時的に又は永久的に記憶されてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態において、照明補助システム100は、取得した照明データに基づいて、環境200の照明状態を判定してもよい。例えば、一旦、照明補助システム100が環境200の照明レベルを有する照明データを取得すると、照明補助システム100は、この照明レベルを照明閾値(例えば、照明嗜好ライブラリ125に記憶される照明閾値)と比較し、且つ、環境200が明るい照明状態202、暗い照明状態204又は他の照明状態のいずれかであるかを判定してもよい。さらに、照明システム210を有する実施形態において、照明補助システム100は、取得した照明データに基づいて任意の照明装置214a〜214cが、適切に機能しているか否かを判定してもよい。例えば、任意の照明装置214a〜214cの電球が切れているか否かを判定する。いくつかの実施形態において、個人の照明装置214a〜214cが切れているか否かを判定するために、照明補助システム100は、照明装置214a〜214cにより起動信号を受信可能に生成してもよい。個々の照明装置214a〜214cが、オン状態218で光を一度も出力しない場合、照明補助システム100は、個々の照明装置214a〜214cが切れていると判定してもよい。
【0037】
また、照明補助システム100は、自動的に又は受信したユーザ入力に応じて、登録個人170に環境200の照明状態に応じてフィードバックを提供してもよい。例えば、1又は複数のプロセッサ102は、照明嗜好ライブラリ125内に記憶される照明嗜好に基づいて、フィードバック装置を起動するための起動信号を生成してもよい。フィードバックは、聴覚、感触、視覚及び/又は触覚フィードバックを有してもよい。例えば、照明補助システム100は、1又は複数の聴覚装置120を使用して、視覚補助装置140の聴覚フィードバックを提供してもよい。聴覚フィードバックは、環境200の照明状態(例えば、暗い照明状態204、明るい照明状態202等)、1又は複数の照明装置214a〜214cのオン状態218又はオフ状態216、及び/又は、1又は複数の照明装置214a〜214cの動作可能性(例えば、照明装置214a〜214cの任意の電球が切れているか否か)に関して情報を有してもよい。例えば、1又は複数の聴覚装置120は、「玄関の照明状態は暗いです。」「オフィスの照明状態は明るいです。」「リビングルームの全ての照明装置はオンです。」「リビングルームにある2つの照明装置はオンで、リビングルームにある1つの照明装置はオフです。」等と発する音声フィードバックを出力してもよい。
【0038】
追加的に、いくつかの実施形態において、照明補助システム100は、例えば、視覚補助装置140内に埋め込まれた又は上に配置された1又は複数の感触フィードバック装置126を使用して、環境200内の照明状態に応じて、感触及び/又は触覚フィードバックを提供してもよい。感触及び/又は感触フィードバックは、振動、圧力、空気の吹き付け等を有してもよい。感触フィードバックは、環境200の照明状態(例えば、明るい照明状態202、暗い照明状態204等)、照明装置214a〜214cの状態(例えば、オフ状態216、オン状態218)、及び/又は、1又は複数の照明装置214a〜214cの動作可能性(例えば、照明装置214a〜214cの任意の電球が切れているか否か)の表示をしてもよい。
【0039】
次に、照明補助システム100は、照明補助システム100の1又は複数の感知装置、例えば、視覚センサ118、近接センサ122、マイクロフォン138等を使用して、存在データを取得してもよい。さらに、存在データは、照明補助システム100とは別個に配置された感知装置又は照明補助システム100に通信可能に接続される他の電子機器と通信することにより取得されてもよい。例えば、第2個人180は、彼又は彼女の存在又は予定されている存在を照明補助システム100と通信するために、携帯装置を使用してもよい。例えば、第2個人180は、照明補助システム100に存在データを提供するために、「到着しました。」「10分以内に到着します。」等を発して、メッセージ(例えば、テキストメッセージ)を照明補助システム100に送信してもよい。動作中、存在データは、環境200内に存在する個人の数を判定するために、照明補助システム100により使用されてもよい。いくつかの実施形態において、照明補助システム100は、ユーザ入力装置160により受信された入力に応じて存在データを取得してもよい。いくつかの実施形態において、照明補助システム100は、連続的に存在データを取得してもよい。さらに、存在データは、例えば、照明嗜好ライブラリ125の照明嗜好との比較のため、1又は複数のメモリモジュール106内に一時的に又は永久的に記憶されてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態において、登録個人170及び第2個人180のそれぞれが環境内に存在する場合、照明補助システム100は、視覚補助装置140’と通信することにより及び/又は視覚センサ118を使用して視覚補助装置140’の存在を判定することにより、第2個人180が視覚補助装置140’を有する(例えば、
図3に示すように、視覚補助装置140’を装着している)か否かを判定してもよい。第2個人180が視覚補助装置140’を有する場合、照明補助システム100は、第2個人180も同様に視覚障害者であると判定してもよい。いくつかの実施形態において、照明嗜好ライブラリ125は、第2個人180も同様に視覚障害者であるときのために、照明嗜好を有してもよい。
図3に示すように、第2個人180が存在し且つ視覚補助装置140’を有している場合、例えば、照明補助システム100は、照明装置214a〜214cをオン状態218に起動しなくてもよい。
【0041】
さらに、照明システム210と通信可能に接続される照明補助システム100における実施形態では、例えば、感触入力をユーザ入力装置160に提供することにより及び/又は聴覚入力をマイクロフォン138に提供することにより、登録個人170が照明システム210の操作を制御してもよい。動作中、登録個人170は、環境200の照明状態及び照明システム210の状態に関するフィードバックを受信してもよく、それに応じて登録個人170は、オフ状態216及びオン状態218の間の照明装置214a〜214cを起動するために入力を与えてもよい。オン状態218が可変である実施形態において、登録個人170は、特に所望する照明レベルに関して入力を与えてもよい。さらに、複数の照明装置214a〜214cを有する実施形態において、登録個人170は、各照明装置214a〜214cを個別に起動するための入力を与えてもよい。
【0042】
再び
図1〜4を参照すると、照明補助システム100が照明システム210に通信可能に接続されるとき、照明補助システム100は、1又は複数の照明嗜好、例えば照明嗜好ライブラリ125に記憶された照明嗜好に基づいて、照明システム210により受信可能な起動信号を自動的に生成してもよい。動作中、1又は複数のプロセッサ102は、環境200の照明状態及び環境200内に存在する個人の数を照明嗜好ライブラリ125の照明嗜好と比較してもよい。次に、照明補助システム100は、環境200の照明状態、環境200内に存在する個人の数及び/又は他の照明嗜好に基づいて、照明装置214を起動するために、照明コントローラ212、1又は複数の照明装置214a〜214c、及び/又は、1又は複数の照明スイッチ215a〜215cにより受信可能な起動信号を生成してもよい。
【0043】
照明嗜好の一例は、環境200が暗い照明状態204であり、且つ、唯一1人の個人(例えば、登録個人170)が環境200に存在する場合、照明装置214a〜214cをオフ状態216に起動するための起動信号を生成することを含む。照明設定の別の例では、
図4に示すように、環境200が暗い照明状態204であり、且つ、2人又はそれ以上の個人(例えば、登録個人170及び第2個人180)が環境200内に存在する場合、照明装置214a〜214cをオン状態218に起動するための起動信号を生成することを含む。照明設定の別の例では、1日のうちのある時間(例えば、就労時間の間、例、午前9時から午後5時)の間に照明装置214a〜214cをオン状態218に起動するための起動信号を生成すること、及び、1日のうちの他の時間(例えば、就労時間以外の間、例、午後5時から午前9時)の間に照明装置214a〜214cをオフ状態216に起動するための起動信号を生成することを含む。
【0044】
本明細書に記載される実施形態は、例えば、視覚障害のあるユーザのように、登録個人の1又は複数の照明嗜好に基づいて、ユーザ入力に応じて又は自動的に、環境内に配置された1又は複数の照明装置を起動するための照明補助システムを含む。動作中、照明補助システムは、1又は複数の感知装置を使用して照明データ及び/又は存在データを取得してもよく、且つ、照明データに基づいて環境の照明状態を判定してもよく、且つ、存在データに基づいて環境内に存在する個人の数を判定してもよい。さらに、照明補助システムは、照明状態及び/又は環境内に存在する個人の数を1又は複数の照明嗜好と比較することにより、且つ、1又は複数の照明嗜好に基づいて1又は複数の照明装置を起動することにより、登録個人の周囲にある照明装置の制御をカスタマイズ可能に提供してもよい。さらに、照明補助システムは、環境の照明状態に関して登録個人に対してフィードバックを提供してもよい。
【0045】
特定の実施形態が本明細書に説明され且つ記載されたが、特許権を主張する対象の精神及び内容の範囲を逸脱することなく、様々な他の変更及び変形がなされることを理解すべきである。さらに、特許権を主張する対象事項の様々な態様が本明細書に記載されてきたが、それらの態様は、組合わせて使用されることを要しない。したがって、添付の特許請求の範囲は、特許権を主張する対象の範囲内での変更及び変形を全て網羅することを意図する。