(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6353004
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】ケイ素水生成機能付き電気ケトル
(51)【国際特許分類】
C02F 1/68 20060101AFI20180625BHJP
A47J 27/21 20060101ALI20180625BHJP
A47J 41/00 20060101ALI20180625BHJP
B65D 23/00 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
C02F1/68 520V
A47J27/21 101B
A47J41/00 303Z
C02F1/68 510B
C02F1/68 530E
B65D23/00 A
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-199067(P2016-199067)
(22)【出願日】2016年10月7日
(65)【公開番号】特開2018-58051(P2018-58051A)
(43)【公開日】2018年4月12日
【審査請求日】2016年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】514293008
【氏名又は名称】株式会社 東亜産業
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 龍志
(72)【発明者】
【氏名】冨樫 栄一
【審査官】
富永 正史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−164888(JP,A)
【文献】
特開2010−119918(JP,A)
【文献】
特開2004−344783(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3197573(JP,U)
【文献】
特開2013−031812(JP,A)
【文献】
特開2002−104887(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3023832(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3141713(JP,U)
【文献】
特開平08−000463(JP,A)
【文献】
特開2000−060730(JP,A)
【文献】
特開2000−116520(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/68
A47J 27/21
A47J 41/00
B65D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体に浸漬されたセラミックボールによって沸騰したケイ素水を生成するケイ素水生成機能付き電気ケトルであって、
液体が注入される金属製の容器を有する電気ケトル本体と、
前記容器の開口部を閉口する蓋と、
前記蓋の裏面側には前記セラミックボールを収容可能であり、かつ、前記蓋と着脱可能に取り付けられるカートリッジと、
前記ケトル本体に電力を供給する給電部と、
前記金属製の容器内に注入された液体を前記給電部からの電力で加熱する、前記金属製の容器の底面に設けられた加熱部と、を備えること、を特徴とするケイ素水生成機能付き電気ケトル。
【請求項2】
前記金属製の容器内の液体が少ない状態でも液体中に前記セラミックボールが浸漬されることを特徴とする請求項1に記載のケイ素水生成機能付き電気ケトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水に浸漬されたセラミックボールによってケイ素水を生成するケイ素水生成器、ケイ素水生成機能付き電気ケトル及びケイ素水生成機能付き携帯ボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品やミネラル水に入っているケイ素水は、近年、ダイエット効果、美容や健康を保つことが出来るとして注目を集めており、このようなケイ素水を手軽に生成できるものとして特許文献1に記載のシリカ(ケイ素)入り水素豊富水生成器(以下「水素豊富水生成器」という)がある。
【0003】
水素豊富水生成器は、次のように構成され、次のようにしてシリカ成分を豊富に含む水素豊富水を生成している。すなわち、ケース(1)は、水の入った容器に挿入可能であり、内部に水が出入り可能に筒状に構成されている。ケース(1)内には金属マグネシウム(5)と、水溶性のシリカ(6)が配置されている。金属マグネシウム(5)と、水溶性のシリカ(6)は通水性の袋体(4)に充填されている。金属マグネシウム(5)と、水溶性のシリカ(6)は、容器内の水をシリカ成分を豊富に含む水素豊富水に変える(以上、カッコ内の符号は特許文献1に使用されている符号である)。
【0004】
この水素豊富水生成器を使用すれば、確かに気軽にケイ素水が生成できる。しかしながら、この水素豊富水生成器は、ペットボトル等の容器内に単に水素豊富水生成器を投入するだけであり、シリカを取り替える際に手間がかかるといった問題が生ずる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3204880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ケイ素水を生成するセラミックボールを取り替えるのが容易なケイ素水生成器、水素水生成機能付き電気ケトル及び水素水生成機能付き携帯ボトルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、本発明のケイ素水生成
機能付き電気ケトルは、液体に浸漬されたセラミックボールによって
沸騰したケイ素水を生成するケイ素水生成
機能付き電気ケトルであって、液体が注入される
金属製の容器
を有する電気ケトル本体と、
前記容器の開口部を閉口する蓋と、前記蓋の裏面側には前記セラミックボールを収容可能であり、かつ、前記蓋と着脱可能に取り付けられるカートリッジ
と、前記ケトル本体に電力を供給する給電部と、前記金属製の容器内に注入された液体を前記給電部からの電力で加熱する、前記金属製の容器の底面に設けられた加熱部と、を備えること、を特徴とする。
【0008】
前記の目的を達成するため、
前記金属製の容器内の液体が少ない状態でも液体中に前記セラミックボールが浸漬されることを特徴とする。
【0009】
また、前記ケイ素水生成器は、水素水生成機能付き携帯ボトルであって、前記容器を有するボトル本体と、前記蓋とは着脱可能に取り付けられることを特徴とするケイ素水生成機能付き携帯ボトルであってもよい。
【発明の効果】
【0010】
以上の構成から明らかなように、本発明は、液体に浸漬されたセラミックボールによってケイ素水を生成するケイ素水生成器であって、液体が注入される容器と、前記容器の開口部を閉口する蓋と、を備え、前記蓋の裏面側には前記セラミックボールを収容可能であり、かつ、前記蓋と着脱可能に取り付けられるカートリッジを有するように構成した。これにより、従来に比して、ケイ素水を生成するセラミックボールを取り替えるのが容易であるという効果がある。
【0011】
さらに、本発明のケイ素水生成機能付き電気ケトルにおいては、前記容器を有するケトル本体と、前記ケトル本体に電力を供給する給電部と、前記容器内に注入された液体を前記給電部からの電力で加熱する加熱部と、備えるように構成した。これにより、ケイ素水を生成しながら加熱することができることから、沸かしたケイ素水を使用したお茶や紅茶等をすぐに提供することが可能であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明のケイ素水生成機能付き電気ケトルの外観を示す説明図である。
【
図2】本発明のケイ素水生成機能付き電気ケトルの給電部の構造を示す説明図である。
【
図3】
図1に示す蓋の図であり、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は下面図、(d)は(a)のA−A矢視断面図である。
【
図4】
図1に示すカートリッジの図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)はセラミックボールが収容された斜視図、(d)は蓋に取り付ける状態を示す説明図である。
【
図5】蓋に取りけられたカートリッジを容器内に挿入する状態を示す説明図である。
【
図6】本発明のケイ素水生成機能付き携帯ボトルの外観を示す説明図である。
【
図7】
図6に示すキャップの図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のB−B矢視断面図である。
【
図9】
図1に示すケイ素水生成機能付き携帯ボトルを構成する各構成の取り付け方を示す説明である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は本発明の第1実施形態を示すもので、本実施形態のケイ素水生成機能付き電気ケトル1Aは、給電スタンド2と、この給電スタンド2に載置されるとともに水が注入される容器9を有するケトル本体3と、容器9の開口部10を閉口する蓋11を備えて構成されている。
【0015】
蓋11の裏面側にはセラミックボールPが複数収容されたカートリッジ15が取り付けられており、容器9内に水を注水するとセラミックボールPが浸漬され、セラミックボールPからケイ素が容器9内の水に溶出しケイ素水ができる。各構成に関する構造説明及び取付構造については後述する。なお、
図1においては、説明の便宜上、ケトル本体3及び容器9を透明なものとして図示しているがこれに限定されるものではない。
【0016】
給電スタンド2は、
図2に示すように、円盤状のスタンド本体4の上面に円形凸状の接続端子5が設けられており、電源コード6のプラグ7を商用電源のコンセント(図示略)に差し込むことにより、接続端子5から電力を供給可能な状態になる。一方、ケトル本体3の底面には、接続端子5に嵌合する円形凹状の給電部8が設けられており、ケトル本体3を給電スタンド2の上に載せると給電部8が接続端子5に接触し、給電部8を介してケトル本体3に電力が供給されるようになっている。
【0017】
ケトル本体3は、水が注入される金属製の容器9を有しており、この容器9の底面には容器9内の液体を加熱する加熱部14が設けられている。この加熱部14は、給電部8に電気的に接続された円形状のシーズヒーターからなり、給電部8から供給された電力により、容器9内に注入された液体を下方から加熱して沸騰させるようになっている。
【0018】
ケトル本体3の側面には容器9内の水を取り出すための注ぎ口12が設けられており、この注ぎ口12に対向する側面には、液体を注ぐ際の持ち手となるハンドル13が一体に設けられている。
【0019】
加熱部14の電源のON/OFFは、容器9の下部に設けられたレバー式の電源スイッチ16を押して切り替えるようにし、新しい外観のデザインを損なわないように考慮している。なお、容器9はステンレス製で内部が見えないため、容器9の側面に目盛付きの水量確認窓(図示しない)を設け、内部の水量や沸騰する様子を目で見て確認できるようになっている。この水量確認窓は容器9の側面のどの箇所に設けられていてもよく、縦長の目盛が付いていることが望ましい。
【0020】
ケトル本体3の上側には、容器9上面の開口部10を開閉する蓋11が取り外し可能に設けられており、蓋11の裏面側には円筒形の網目状(あるいは格子状)のカートリッジ15が着脱可能に取り付けられている。
【0021】
次に、蓋11、カートリッジの構造及びこれらの取付構造について
図3及び4を参照して説明する。
【0022】
図3に示すとおり、蓋11の裏面側には雌ネジ部110が設けられている。他方、カートリッジ15は、
図4に示すとおり、円筒形の網目状(あるいは格子状)の収容部150と、この収容部150の上側に設けられた雄ネジ部151とからなり、開口部152からセラミックボールPを投入し収容部150内に収容することができる。雄ネジ部151の外径は、蓋11の雌ネジ部110の内径に対応しているので、蓋11の裏面側にカートリッジ15をネジ止めすることができる。このように構成したことにより、セラミックボールPを取り替える際には、ケトル本体3に設置された蓋11を取り外し、蓋11からカートリッジ15を取り外せば容易にセラミックボールPを交換することができる。
【0023】
このカートリッジ150は、
図1に示すとおり、収容部150内に複数のセラミックボールPを収容した状態で容器9に充填された水の中に浸漬される。従って、カートリッジ150の長さは、容器9内の水が少ない状態でも水中にセラミックボールPが浸漬されるような長さに設計することが好ましい。
【0024】
カートリッジ15の収容部150内に収容するセラミックボールPは、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムなどのシリカ成分を持った素材からできるシリカセラミックボールであり、高純度活性炭、化石サンゴ、バイオセラミックスなども含んだ成分で構成されている。これにより溶出されるケイ素水は、天然ミネラルを豊富に含む水溶性ケイ素の特徴を持った良質のケイ素水が生成される。セラミックボールPから溶出されるカルシウムイオンにより、水をアルカリ化させ、さらに、カルシウムイオンとセラミックスの作用により水の分子を小さくし活性化させることで、細胞への浸透効果を高め、まろやかな水を作ることができる。
【0025】
次に、ケイ素水生成機能付き電気ケトル1Aの使用方法について説明する。
【0026】
まず、電源コード6のプラグ7を商用電源のコンセントに差し込み、給電スタンド2をセットしておく。これにより給電スタンド2は接続端子5から電力を供給可能なスタンバイ状態になる。
【0027】
次に、
図4(c)に示すように、カートリッジ15内の収容部150にセラミックボールPを必要量充填し、同図(d)に示すように、このカートリッジ15を蓋11にネジ止めする。
【0028】
他方、容器9内に必要な量の水を注入しておき、このカートリッジ15が取り付けられた蓋11を
図5に示すように開口部10から挿入して蓋11を閉めた後、ケトル本体3を給電スタンド2の上に載せて電源スイッチ16をONにする。すると給電部8が接続端子5に接触し、給電スタンド2からケトル本体3に給電部8を介して電力が供給される。
【0029】
すると、容器9内では、水中にセラミックボールPからケイ素が溶出してケイ素水が生成されるとともに、このケイ素水が加熱部14によって加熱され沸騰すると(約5分後)、沸騰感知装置(図示しない)により電源が切れる。これにより熱湯状態のケイ素水が生成される。
【0030】
このように、本実施形態では、ケイ素水を生成しながら、生成されたケイ素水を即加熱することができ、沸騰状態のケイ素水を生成することができる。そして、この熱湯状態のケイ素水を取り出すには、ハンドル13を握ってケトル本体3を給電スタンド2から持ち上げて、ケトル本体3を傾けることにより注ぎ口12からその熱湯状態のケイ素水を注ぐことができる。
【0031】
これにより、天然ミネラルを豊富に含む水溶性ケイ素の特徴を持った良質のケイ素水が含有されたお茶、紅茶、コーヒー等を気軽に楽しむことができる。
【0032】
次に、
図6乃至
図9を参照して、本発明のケイ素水生成機能付き携帯ボトルの一実施形態について説明する。
【0033】
図1に示すとおり、ケイ素水生成機能付き携帯ボトル1Bは、容器90を有するボトル本体30と、ボトル本体30の上側に取り付けられるキャップ11Bとを備える。キャップ11Bには、上記ケイ素生成機能付き電気ケトル1Aに使用されるカートリッジ15が取り付けられ、カートリッジ15の収容部150内に収容されたセラミックボールPからケイ素が溶出するように構成されている。なお、
図6においては、説明の便宜上、ボトル本体30及び容器90を透明なものとして図示しているがこれに限定されるものではない。
【0034】
図7に示すとおり、蓋11Bの裏面上側には雌ネジ部110Bが設けられ、裏面下側には雌ネジ部111Bが設けられている。他方、
図8に示すとおり、ボトル本体30の上側には、雄ネジ部31が設けられており、この雄ネジ部31の外径は雌ネジ部111Bの内径に対応し、両者はネジ止め可能になっている。
【0035】
一方、雌ネジ部110Bの内径は、カートリッジ15の雄ネジ部151に対応しており、両者はねじ止め可能になっていることから、
図6に示すとおり、カートリッジ15の収容部150にセラミックボールPを収容した状態で、蓋11Bの裏面側に着脱可能にカートリッジ15を取り付けることができる。
【0036】
本実施形態においては、カートリッジ15を上記ケイ素水生成機能付き電気ケトル1Aと同様の構造のものを使用しているので、カートリッジ15をケイ素水生成機能付き電気ケトル1Aとケイ素水生成機能付き携帯ボトル1Bとで使いまわすことが出来る。
【0037】
このように構成されたケイ素水生成機能付き携帯ボトル1Bの使用方法を
図6乃至9を参照して説明する。
【0038】
カートリッジ15の収容部150内にセラミックボールPを必要量充填した状態で蓋11Bの裏面側にネジ止めする。次いで、ボトル本体30の容器90内に水を注入する。この注入する水は、常温のものでもよいし、沸騰したものでもよく、さらには、上記ケイ素水生成機能付き電気ケトル1Aによって生成された沸騰状態のケイ素水であってもよいし、これを使用したお茶、紅茶、コーヒー等であってもよい。
【0039】
次いで、
図9(b)に示すとおり、この状態の蓋11Bをボトル本体30の開口部10Bから挿入する。すると、
図6に示した状態となり、容器90内に充填された水をケイ素を溶出させながら持ち歩くことが出来る。
【符号の説明】
【0040】
1:ケイ素水生成器
1A:ケイ素水生成機能付き電気ケトル
2:給電スタンド
3:ケトル本体
4:スタンド本体
5:接続端子
6:電源コード
7:プラグ
8:給電部
9:容器
10:開口部
11:蓋
110:雌ネジ部
12:注ぎ口
13:ハンドル
14:加熱部
15:カートリッジ
150:収容部
151:雄ネジ部
152:開口部
16:電源スイッチ
P:セラミックボール
1B:ケイ素水生成機能付き携帯ボトル
10B:開口部
11B:キャップ(蓋)
110B:雌ネジ部
111B:雌ネジ部
30:ボトル本体
31:雄ネジ部
90:容器