特許第6353009号(P6353009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6353009電動日射遮蔽装置及び電動日射遮蔽装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6353009
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】電動日射遮蔽装置及び電動日射遮蔽装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/264 20060101AFI20180625BHJP
【FI】
   E06B9/264 C
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-215663(P2016-215663)
(22)【出願日】2016年11月2日
(62)【分割の表示】特願2012-194983(P2012-194983)の分割
【原出願日】2012年9月5日
(65)【公開番号】特開2017-20341(P2017-20341A)
(43)【公開日】2017年1月26日
【審査請求日】2016年11月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】黒岩 修一
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−167880(JP,A)
【文献】 特開平11−203017(JP,A)
【文献】 特開2003−221988(JP,A)
【文献】 特開平6−200682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00−9/92
A47H 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーターの駆動力で日射遮蔽材を駆動する電動日射遮蔽装置において、
前記日射遮蔽材の駆動開始時の位置データをリターン位置データとして記憶装置に格納する読み取り装置と、
リターン信号生成手段から出力されるリターン信号に基づいて前記モーターを作動させて、前記日射遮蔽材を前記リターン位置データに対応する位置まで自動的に移動させる制御部とを備え、
前記読み取り装置は、複数の前記リターン位置データを記憶装置に格納し、
前記制御部は、前記リターン信号の入力回数をカウントし、そのカウント値に対応する前記リターン位置データを読み出して前記日射遮蔽材を移動させる
ことを特徴とする電動日射遮蔽装置。
【請求項2】
前記リターン信号生成手段として、押圧操作に基づいて前記リターン信号を生成するリターンキーを操作手段に備えたことを特徴とする請求項1に記載の電動日射遮蔽装置。
【請求項3】
日射遮蔽材の操作開始時の位置データであるリターン位置データを記憶装置に複数個格納し、リターン信号生成手段から連続して入力されるリターン信号の入力回数をカウントし、そのカウント値に対応する前記リターン位置データを読み出してモーターを作動させて、前記日射遮蔽材を前記読み出したリターン位置データに対応する位置まで自動的に移動させることを特徴とする電動日射遮蔽装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電動モーターの駆動力で日射遮蔽材を操作する電動日射遮蔽装置の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電動横型ブラインドは、操作スイッチの操作に基づいてヘッドボックス内に配設されるモーターの駆動力で駆動軸を回転させてスラットを昇降操作し、あるいは角度調節操作するようになっている。
【0003】
このような電動横型ブラインドの一種類として、操作スイッチの特定のキーの操作により、スラットをあらかじめ設定された所望の高さ及び所望の角度まで自動的に駆動するマイポジション機能を備えたものがある。
【0004】
このようなマイポジション機能では、スラットを所望の高さ及び角度まで駆動するための初期設定が必要となるとともに、所望の高さ及び角度を変更する場合には、再設定作業が必要となる。
【0005】
特許文献1には、複数のキーの押圧操作時間の選択により複数の動作モードの中から所要のモードを選択し、かつキーの選択操作により隠蔽手段の自動停止位置を設定可能とした隠蔽手段の制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平3−154109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のようなマイポジション機能を備えた電動横型ブラインドでは、スラットを所望の高さ及び角度のマイポジションまで駆動するための初期設定が必要となるとともに、所望の高さ及び角度を変更する場合には、再設定作業が必要となる。従って、その設定作業が煩雑である。
【0008】
特許文献1に開示された隠蔽手段の制御装置では、隠蔽手段停止位置を設定するためには、複数のキーの選択操作と、選択したキーをあらかじめ設定された押圧時間で押圧操作する必要がある。従って、その設定作業が極めて煩雑であるとともに、設定手順を確認できない場合には、設定位置を変更することができない。
【0009】
この発明の目的は、日射遮蔽材の動作停止位置を所望の位置に容易に設定し、かつ容易な操作で日射遮蔽材を設定された動作停止位置に停止させ得る電動日射遮蔽装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1では、モーターの駆動力で日射遮蔽材を駆動する電動日射遮蔽装置において、前記モーターによる日射遮蔽材の駆動開始時の位置データをリターン位置データとして記憶装置に格納する読み取り装置と、リターン信号生成手段から出力されるリターン信号に基づいて前記モーターを作動させて、前記日射遮蔽材の駆動停止後に、前記日射遮蔽材を前記リターン位置データに対応する位置まで自動的に移動させる制御部とを備えた。前記
読み取り装置は、複数の前記リターン位置データを記憶装置に格納し、前記制御部は、前記リターン信号の入力回数をカウントし、そのカウント値に対応する前記リターン位置データを読み出して前記日射遮蔽材を移動させる。
【0011】
請求項2では、前記リターン信号生成手段として、押圧操作に基づいて前記リターン信号を生成するリターンキーを操作手段に備えた
【0012】
請求項では、日射遮蔽材の操作開始時の位置データであるリターン位置データを記憶装置に複数個格納し、リターン信号生成手段から連続して入力される前記リターン信号の入力回数をカウントし、そのカウント値に対応する前記リターン位置データを読み出してモーターを作動させて、前記日射遮蔽材を前記読み出したリターン位置データに対応する位置まで自動的に移動させる
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、日射遮蔽材の動作停止位置を所望の位置に容易に設定し、かつ容易な操作で日射遮蔽材を設定された動作停止位置に停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】電動横型ブラインドを示す正面図である。
図2】電動横型ブラインドの電気的構成を示すブロック図である。
図3】操作スイッチを示す正面図である。
図4】リモコンスイッチを示す正面図である。
図5】通信スイッチを示す正面図である。
図6】マイクロコンピューター部の動作を示すフローチャートである。
図7】第二の実施形態のマイクロコンピューター部の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。図1に示す電動横型ブラインドは、ヘッドボックス1から吊下支持される複数本のラダーコード2に多数段のスラット(遮蔽材)3が支持され、ラダーコード2の下端にはボトムレール4が吊下支持されている。
【0017】
前記スラット3には、前記ラダーコード2による支持位置近傍で昇降コード5が挿通され、その昇降コード5の下端には前記ボトムレール4が吊下支持されている。
前記ラダーコード2の上端は前記ヘッドボックス1内に配設されるラダーコード吊下げ装置6に取着され、前記昇降コード5の上端はヘッドボックス1内に配設される昇降コード巻取り装置7に巻き取り可能に支持されている。
【0018】
前記昇降コード巻取り装置7は、前記ヘッドボックス1に支持された支持部材8に巻取軸9が回転可能に支持され、その巻取軸9の一端に昇降コード5の端部が取着されている。
【0019】
前記昇降コード巻取り装置7の巻取軸9及びラダーコード吊下げ装置6には六角棒状の駆動軸10が挿通されている。そして、駆動軸10の正逆方向の回転に基づいて、巻取軸9が正逆方向に回転されると、昇降コード5が巻取軸9に螺旋状に巻き取られ、あるいは巻き戻されて、ボトムレール4及びスラット3が昇降される。
【0020】
また、駆動軸10の正逆方向の回転に基づいて、ラダーコード吊下げ装置6及びラダーコード2を介して各スラット3が同位相で回動される。
前記ヘッドボックス1の一端にはモーター11が配設され、そのモーター11の出力軸の回転に基づいてギヤボックス12を介して前記駆動軸10が回転される。
【0021】
前記モーター11は、ヘッドボックス1の一方の端部に取着されるコネクタ部13及び接続ケーブル14を介してコントローラー15に接続されている。前記コントローラー15は前記ヘッドボックス1の近傍の壁面等に配設され、あらかじめ設定されたプログラムに基づいてモーター11の動作を制御する。
【0022】
前記ヘッドボックス1の他方の端部にはエンコーダー16が配設され、そのエンコーダー16に前記駆動軸10の端部が挿通されている。そして、エンコーダー16は駆動軸10の回転角度を検出して、前記コントローラー15に出力する。
【0023】
前記ヘッドボックス1の長手方向中央部には上限スイッチ17が配設され、その上限スイッチ17の検出子17aはヘッドボックス1の下面から最上段のスラット3に向かって突出されている。
【0024】
そして、ボトムレール4及びスラット3が上限まで引き上げられて、最上段のスラット3が検出子17aに当接すると、上限スイッチ17は検出信号を前記コントローラー15に出力する。
【0025】
前記コントローラー15には操作スイッチ18が接続されている。この操作スイッチ18は接点スイッチで構成され、図3に示すように、スラット3の引き上げ操作を行うための上昇キー19と、下降操作を行うための下降キー20と、昇降動作及びスラット3の回動動作を停止させるための停止キー21が設けられている。
【0026】
また、スラット3をその凸面が室内側となる方向に回動させる逆全閉キー22と、スラット3をその凹面が室内側となる方向に回動させる全閉キー23と、スラット3の高さ及び角度を1回前の操作開始時の状態に復帰させるリターンキー24が設けられている。
【0027】
前記コントローラー15にはリモコンスイッチ25からも操作信号が入力される。リモコンスイッチ25は、図4に示すように、前記操作スイッチ18と同様な各キー19〜24が設けられている。また、リモコンスイッチ25の操作面の上部には、多数の電動横型ブラインドの中から操作する横型ブラインドを選択するアドレス選択入力部26が設けられている。リモコンスイッチ25の上端部には赤外線出力部27が設けられている。
【0028】
高層ビルの窓面に沿って多数の電動横型ブラインドが設置される場合には、各電動横型ブラインドはパソコン等の中央制御装置から通信線を介してコントローラー15に出力される指令信号に基づいて制御される場合もある。図5は、中央制御装置に設置される通信スイッチ28の一例を示す。この通信スイッチ28の操作面には前記リモコンスイッチ25と同様な各キー19,20,21,22,23,24及びアドレス選択入力部26が設けられ、リモコンスイッチ25と同等の機能を備えている。
【0029】
次に、上記電動横型ブラインドの電気的構成を図2に従って説明する。前記コントローラー15に搭載されるマイクロコンピューター部31は、電源部32からの電源の供給に基づいて、あらかじめ設定されたプログラムに従って動作する。
【0030】
前記マイクロコンピューター部31に接続された接点入力部33は、前記操作スイッチ18から出力される操作信号をバッファリングして前記マイクロコンピューター部31に出力する。
【0031】
指令信号入力部34は、前記通信スイッチ28から出力される指令信号バッファリングして前記マイクロコンピューター部31に出力する。また、応答信号出力部35は前記通信スイッチ28の指令信号に対するマイクロコンピューター部31の応答信号を通信スイッチ28に出力する。
【0032】
前記通信スイッチ28は、マイクロコンピューター部36と、指令信号出力部37、応答信号入力部38、機器番号設定スイッチ39、キー入力部40、EEPROM41を備える。
【0033】
前記マイクロコンピューター部36は、あらかじめ設定されたプログラムに基づいて動作する。指令信号出力部37は、マイクロコンピューター部36から出力される指令信号を前記指令信号入力部34に出力する。
【0034】
応答信号入力部38は、前記応答信号出力部35から出力される応答信号を受信してマイクロコンピューター部36に入力する。
機器番号設定スイッチ39は、多数の電動横型ブラインドを一括して操作する場合に、この通信スイッチ28で一括操作する電動横型ブラインドのアドレスや、通信スイッチ28自身のアドレスを設定可能としたディップスイッチで構成される。
【0035】
キー入力部40は、電動横型ブラインドを昇降操作するための前記各キーが設けられる。EEPROM41は、スラット3の昇降位置及び回動角度の現在位置等を前記コントローラー15内のマイクロコンピューター部31から読み出して一時的に格納する場合に使用される。
【0036】
前記ヘッドボックス1内の機器番号及び種類設定部42は、当該電動横型ブラインドのアドレスや種類を設定可能としたディップスイッチで構成される。
前記スラット3の昇降操作及び角度調節操作は前記リモコンスイッチ25の操作によっても行われる。リモコンスイッチ25から出力される赤外線信号は、ヘッドボックス1に取着されるリモコン受光部43で受信し、その受信信号はリモコン信号入力部44で指令信号に変換してマイクロコンピューター部31に入力される。
【0037】
EEPROM45は、スラット3の昇降位置及び回動角度の現在位置等を一時的に格納する場合に使用される。
障害物スイッチ46は、前記昇降コード巻取り装置7に設けられ、スラット3の下降操作時にボトムレール4の下降動作が障害物により妨げられているか否かを前記昇降コード5に弛みが生じたか否かで検出するものであり、その検出信号が障害物検知部47を介してマイクロコンピューター部31に出力される。
【0038】
前記上限スイッチ17の検出信号は、上限検知部48を介してマイクロコンピューター部31に出力される。
前記エンコーダー16は、前記駆動軸10の回転にともなってパルス信号を生成し、そのパルス信号を昇降高さ及びスラット角度検出部49に出力する。
【0039】
昇降高さ及びスラット角度検出部49は、そのパルス信号をカウントしたカウント値をマイクロコンピューター部31に出力する。そして、マイクロコンピューター部31は、そのカウント値に基づいて前記スラット3の昇降高さ及びスラット角度を認識可能となっている。
【0040】
マイクロコンピューター部31には、伝送路信号送信部50及び伝送路信号受信部51が接続され、連装される電動横型ブラインドあるいは中央制御装置に対し、伝送路信号送信部50及び伝送路信号受信部51を介して制御信号の送受信動作が行われる。
【0041】
マイクロコンピューター部31には、前記モーター11を駆動する駆動部52が接続されている。そして、モーター11の動作はマイクロコンピューター部31により駆動部52を介して制御されるようになっている。
【0042】
次に、上記のように構成された電動横型ブラインドの作用を図6に従って説明する。
各電動横型ブラインドに電源が供給されている状態では、各電動横型ブラインドのマイクロコンピューター部31は、操作スイッチ18、リモコンスイッチ25及び通信スイッチ28のいずれかの下降キー20、上昇キー19、逆全閉キー22、全閉キー23、停止キー21の押圧操作を待つ状態となる(ステップ1〜4)。
【0043】
この状態で、下降キー20、上昇キー19、逆全閉キー22、全閉キー23のいずれかが押圧されると、マイクロコンピューター部31は前回操作時にエンコーダー16から出力されたパルス信号のパルス数に基づいて、スラット3の現在高さと現在の角度をリターン位置データとして認識する(ステップ5)。そして、そのリターン位置データをEEPROM45に格納する(ステップ6)。
【0044】
そして、マイクロコンピューター部31はキー操作に基づいてモーター11を作動させてスラット3を昇降し、あるいは回動させる(ステップ7)。
次いで、マイクロコンピューター部31は停止キー21の押圧操作と、上限スイッチ17による検出信号の入力、スラット3が上限位置あるいは下限位置まで昇降され、あるいは全閉状態若しくは逆全閉状態まで回動された場合の検出信号を待つ状態となる(ステップ8〜10)。
【0045】
そして、停止キー21が押された場合と、スラット3が上限あるいは下限まで昇降された場合と、スラット3が全閉状態あるいは逆全閉状態まで回動された場合には、ステップ11に移行してモーター11の作動を停止させる。
【0046】
次いで、マイクロコンピューター部31はステップ12に移行してリターンキー24の押圧操作を待つ状態となる。ステップ12でリターンキー24が押圧されないとき、ステップ1に復帰する。そして、ステップ1〜4でいずれのキーも押圧操作されないとき、マイクロコンピューター部31はモーター11を停止状態に維持し(ステップ13)、ステップ12に移行する。
【0047】
従って、ステップ5〜11の後、モーター11の作動が停止している状態では、ステップ12からステップ1〜4,13にいたるループでリターンキー24の押圧操作を待つ状態となる。
【0048】
この状態でリターンキー24が押圧されると、ステップ14に移行して、EEPROM45に格納されているリターン位置データを読み出し、スラット3が当該リターン位置データに対応する昇降高さ及び角度となるまで、モーター11を駆動する。
【0049】
スラット3がリターン位置データに対応する位置まで移動された後、ステップ1に移行して上記のような動作を繰り返す。
上記のように構成された電動横型ブラインドでは、次に示す効果を得ることができる。(1)リターンキー24を押圧操作すると、前回の操作開始時のスラット位置であるリターン位置まで、スラット3を自動的に昇降及び角度調節することができる。
(2)スラット3の昇降操作及び角度調節操作の開始時に、スラット3の現状の昇降高さと角度をリターン位置データとして自動的にEEPROM45に格納することができる。従って、リターン位置データの設定を各スイッチの操作時に自動的にかつ容易に行うことができる。
(3)昼間時のスラット位置と、夜間時のスラット全閉位置との間でスラット3を交互に移動させるような場合には、昼間時のスラット位置から全閉キー23を押圧してスラット3を全閉状態まで移動させる。その後、リターンキー24を押圧操作すると、昼間時のスラット位置まで自動的に移動させることができる。従って、スラット3の昇降操作及び角度調節操作にともなう各キーの操作回数及び操作時間を削減することができる。
(4)昼間時のスラット位置を季節によって調節する場合にも、その昼間時のスラット位置の再設定作業を行うことなく、所望のスラット位置に自動的に移動させることができる。
(第二の実施形態)
図7は、第二の実施形態を示す。この実施形態は、リターンキー24の押圧操作に基づくマイクロコンピューター部31の制御動作により、複数のリターン位置データから任意のリターン位置データを選択してスラットの昇降操作及び角度調節操作を行うようにしたものである。マイクロコンピューター部31の制御動作以外の機械的構成及び電気的構成は、第一の実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略するとともに、同一符号を付して説明する。
【0050】
図7において、ステップ21〜ステップ33の動作は、ステップ25,26を除いて、第一の実施形態のステップ1〜ステップ12の動作と同様である。
ステップ25,26では、下降キー20、上昇キー19、逆全閉キー22、全閉キー23のいずれかが押圧されると、マイクロコンピューター部31は前回操作時にエンコーダー16から出力されたパルス信号のパルス数に基づいて、スラット3の現在高さと現在の角度をリターン位置データとして認識する。そして、各キーの押圧操作に基づいて、最大でN個のリターン位置データをEEPROM45に順次格納する。
【0051】
EEPROM45に格納されるリターン位置データがオーバーフローする場合には、古いリターン位置データから順次消去される。従って、EEPROM45には1回前からN回前までのリターン位置データが格納されている。
【0052】
ステップ32でリターンキー24の押圧操作に基づくリターン信号が入力されると、2秒以内の間隔で入力されたリターン信号の入力回数をカウントする(ステップ34)。そして、カウント値に応じたリターン位置データをEEPROM45から読み出し、スラット3が当該リターン位置データに対応する昇降高さ及び角度となるまでモーター11を駆動する(ステップ35)。
【0053】
例えばカウント値が「1」であれば、1回前のリターン位置データを読み出して、スラット3が当該リターン位置データに対応する昇降高さ及び角度となるまでモーター11を駆動する。
【0054】
また、カウント値が「3」であれば、3回前のリターン位置データを読み出して、スラット3が当該リターン位置データに対応する昇降高さ及び角度となるまでモーター11を駆動する。
【0055】
このようにして、スラット3がリターン位置データに対応する位置まで移動された後、ステップ1に移行して上記のような動作を繰り返す。
上記のように構成された電動横型ブラインドでは、第一の実施形態で得られた効果に加えて、次に示す効果を得ることができる。
(1)EEPROM45に最大でN個のリターン位置データを設定することができる。そして、リターンキー24を連続して押圧する回数を選択することにより、所望のリターン位置データを選択し、スラット3が選択したリターン位置データに対応する昇降高さ及び角度となるまでモーター11を駆動することができる。
【0056】
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・第二の実施形態において、ステップ25,26で通信スイッチ28を操作する場合には、N個のリターン位置データを通信スイッチ28のEEPROM41に格納するようにしてもよい。・上記のような制御装置を、電動横型ブラインド以外に、電動の縦型ブラインド、プリーツカーテン、たくし上げカーテン、ロールブラインド、カーテン、オーニング、ルーバーシャッター等に使用することもできる。
【符号の説明】
【0057】
3…日射遮蔽材(スラット)、11…モーター、16…読み取り装置(エンコーダー)、18,25,28…操作手段(操作スイッチ、リモコンスイッチ、通信スイッチ)、24…リターン信号生成手段(リターンキー)、31…制御部(読み取り装置、マイクロコンピューター部)、45…記憶装置(EEPROM)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7