特許第6353024号(P6353024)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6353024
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】使い捨ておむつ
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/49 20060101AFI20180625BHJP
   A61F 13/51 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   A61F13/49 312Z
   A61F13/51
   A61F13/49 311Z
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-250085(P2016-250085)
(22)【出願日】2016年12月22日
(65)【公開番号】特開2018-102428(P2018-102428A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2018年5月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】特許業務法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 優子
(72)【発明者】
【氏名】梶原 順
(72)【発明者】
【氏名】奥田 泰之
【審査官】 大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−172863(JP,A)
【文献】 特開平8−252280(JP,A)
【文献】 特開平9−38133(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/49
A61F 13/51
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の腹側に配される腹側領域および着用者の背側に配される背側領域と、それらの間に位置する股下領域とを備えると共に、該腹側領域から該背側領域に延びる縦方向と該縦方向に直交する横方向とを備え、前記腹側領域と前記背側領域とに亘って吸収体を有し、該吸収体の縦方向の前後端部それぞれから外方に位置して横方向に延びる腹側ウエストフラップ及び背側ウエストフラップを有する使い捨ておむつであって、
前記背側ウエストフラップには、横方向に伸長状態で配された弾性体による伸縮領域が形成されており、
前記背側ウエストフラップは、前記伸縮領域において、該背側ウエストフラップを構成する不織布の内、前記弾性体よりも着用者の肌に近い側に、疎水性の繊維からなる肌側不織布を備え、
前記肌側不織布は、該肌側不織布における縦方向の前記背側領域側の外端縁の位置から前記股下領域側に間隔を空けた位置に、横方向に延びる親水性領域を備え、
前記伸縮領域を構成する前記弾性体は、少なくとも1本の糸状弾性部材を有し、該1本の糸状弾性部材が前記背側領域の縦方向の外端縁と前記親水性領域の縦方向の前記背側領域側の外端縁との間に配されており、
前記背側ウエストフラップの前記伸縮領域には、前記1本の糸状弾性部材の内、最も前記親水性領域側にある糸状弾性部材の前記親水性領域側の内端縁と、前記親水性領域における縦方向の前記背側領域側の外端縁との間に弾性体不在領域が形成されている、使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記肌側不織布の前記親水性領域における縦方向の前記背側領域側の外端縁が、前記吸収体における縦方向の前記背側領域側の外端縁と該背側領域の縦方向の外端縁とで挟まれた領域内に対応する部分に配されている、請求項1に記載の使い捨ておむつ。
【請求項3】
前記伸縮領域を構成する前記弾性体は、複数本の糸状弾性部材で構成され、前記1本の糸状弾性部材以外に、該糸状弾性部材に隣り合う別の糸状弾性部材を有し、該1本の糸状弾性部材、及び該別の糸状弾性部材が、前記肌側不織布における縦方向の前記背側領域側の外端縁の位置と、前記親水性領域における縦方向の前記背側領域側の外端縁とで挟まれた領域内に対応する部分に配されている、請求項1又は2に記載の使い捨ておむつ。
【請求項4】
前記肌側不織布の前記親水性領域における縦方向の前記股下領域側の内端縁が、前記吸収体における縦方向の前記背側領域側の外端縁と該背側領域の縦方向の外端縁とで挟まれた領域内に対応する部分に配されている、請求項1〜3の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項5】
前記伸縮領域を構成する前記弾性体は、複数本の糸状弾性部材で構成され、
前記1本の糸状弾性部材以外の別の糸状弾性部材が、前記肌側不織布の前記親水性領域における縦方向の前記股下領域側の内端縁と、前記吸収体における縦方向の前記背側領域側の外端縁とで挟まれた領域内に対応する部分に配されている、請求項4に記載の使い捨ておむつ。
【請求項6】
前記背側ウエストフラップを構成する不織布は、前記使い捨ておむつの非肌対向面を形成する外層シートと、該外層シートの肌対向面に対向配置された内層シートとを有し、さらに、該外層シートにおける前記背側領域の縦方向の外端縁から肌対向面側に折り返された外層の折り返し部分、又は、該内層シートにおける前記背側領域の縦方向の外端縁から肌対向面側に折り返された内層の折り返し部分を有し、
前記親水性領域は、前記肌側不織布である前記外層の折り返し部分、又は、前記内層の折り返し部分に形成されており、
前記親水性領域における縦方向の前記股下領域側の内端縁が、前記外層の折り返し部分又は前記内層の折り返し部分における縦方向の前記股下領域側の内端縁よりも、前記背側領域の縦方向の外端縁側に配されている、請求項1〜5の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項7】
前記親水性領域を備える前記肌側不織布よりも肌対向面側に、疎水性の繊維からなる疎水性不織布が配されている、請求項1〜6の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項8】
前記肌側不織布と前記疎水性不織布とが、該肌側不織布の備える前記親水性領域に配された熱融着部で固定されている、請求項7に記載の使い捨ておむつ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつに関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつには、吸収体を備えた縦長の吸収性本体の外側に外装体が配されている所謂パンツ型の使い捨ておむつがある。本出願人は、先に、このようなパンツ型の使い捨ておむつの外装体における背側エンドフラップに、幅方向に高度に配向した長繊維を有する親水性ウエブを配置し、汗を吸収し、湿疹、あせも、かぶれ等の発生が効果的に防止できる技術を提案した(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、特許文献2には、汗を吸収する吸汗シートが、おむつの前後胴周り域の内面を覆う疎水性シートに接合されている使い捨ておむつが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−141549号公報
【特許文献2】特開2007−259874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び2のように、汗を吸収する別体の吸汗シート等を使い捨ておむつの外装体における腰回りに取り付けると、吸汗シートを取り付けた部分の剛性が高くなり着用者の皮膚を刺激したり、該吸汗シートの端縁が着用者の皮膚を刺激したりして、肌の赤みを発症してしまうことが考えられる。
【0006】
したがって本発明は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、着用者の腹側に配される腹側領域および着用者の背側に配される背側領域と、それらの間に位置する股下領域とを備えると共に、該腹側領域から該背側領域に延びる縦方向と該縦方向に直交する横方向とを備え、前記腹側領域と前記背側領域とに亘って吸収体を有し、該吸収体の縦方向の前後端部それぞれから外方に位置して横方向に延びる腹側ウエストフラップ及び背側ウエストフラップを有する使い捨ておむつであって、前記背側ウエストフラップには、横方向に伸長状態で配された弾性体による伸縮領域が形成されており、前記背側ウエストフラップは、前記伸縮領域において、該背側ウエストフラップを構成する不織布の内、前記弾性体よりも着用者の肌に近い側に、疎水性の繊維からなる肌側不織布を備え、前記肌側不織布は、該肌側不織布における縦方向の前記背側領域側の外端縁の位置から前記股下領域側に間隔を空けた位置に、横方向に延びる親水性領域を備え、前記伸縮領域を構成する前記弾性体は、少なくとも1本の糸状弾性部材を有し、該1本の糸状弾性部材が前記背側領域の縦方向の外端縁と前記親水性領域の縦方向の前記背側領域側の外端縁との間に配されており、前記背側ウエストフラップの前記伸縮領域には、前記1本の糸状弾性部材の内、最も前記親水性領域側にある糸状弾性部材の前記親水性領域側の内端縁と、前記親水性領域における縦方向の前記背側領域側の外端縁との間に弾性体不在領域が形成されている、使い捨ておむつを提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、着用時に着用者の肌を刺激し難く、肌の赤み、湿疹、汗疹、かぶれ等の皮膚トラブルを低減することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の好ましい一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつの斜視図である。
図2図2は、図1に示すおむつを展開して引き伸ばした状態を肌当接面側から視た一部破断展開平面図である。
図3図3は、図1に示すIII―III線断面図である。
図4図4は、本発明の好ましい別の実施形態のパンツ型使い捨ておむつの腹側領域A及び背側領域Bの縦断面図である(図3相当図)。
図5図5は、本発明の好ましいまた別の実施形態のパンツ型使い捨ておむつの腹側領域A及び背側領域Bの縦断面図である(図3相当図)。
図6図6は、本発明の好ましい更に別の実施形態のパンツ型使い捨ておむつの腹側領域A及び背側領域Bの縦断面図である(図3相当図)。
図7図7は、本発明の好ましいまた別の実施形態のパンツ型使い捨ておむつの腹側領域A及び背側領域Bの縦断面図である(図3相当図)。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の使い捨ておむつは、着用者の腹側に配される腹側領域Aおよび着用者の背側に配される背側領域Bと、それらA,Bの間に位置する股下領域Cとを備えると共に、腹側領域Aから背側領域Bに延びる縦方向Xと縦方向Xに直交する横方向Yとを備えている。また、本発明の使い捨ておむつは、腹側領域Aと背側領域Bとに亘って吸収体23を有し、吸収体23の縦方向Xの前後端部23A,23Bそれぞれから外方に位置して横方向Yに延びる腹側ウエストフラップFA及び背側ウエストフラップFBを有している。ここで、腹側領域Aとは使い捨ておむつの着用時に着用者の腹側に配される領域であり、背側領域Bとは使い捨ておむつの着用時に着用者の背側に配される領域である。そして、腹側ウエストフラップFAとは、吸収体23の縦方向Xの腹側領域A側の前端部23Aの端縁23A1から縦方向X外方に位置して横方向Yに延びる領域と、吸収体23の縦方向Xの腹側領域A側の前端部23Aから横方向Yに延びる領域とを合わせた領域を意味する。また、背側ウエストフラップFBとは、吸収体23の縦方向Xの背側領域B側の後端部23Bの端縁23B1から縦方向X外方に位置して横方向Yに延びる領域と、吸収体23の縦方向Xの背側領域B側の後端部23Bから横方向Yに延びる領域とを合わせた領域を意味する。
【0011】
図1及び図2には、本発明の使い捨ておむつの一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつ1(以下、「おむつ1」ともいう。)が示されている。おむつ1は、図1及び図2に示すとおり、吸収性本体2と、吸収性本体2の非肌対向面側に配されて該吸収性本体2を固定する外装体3とを備え、外装体3は、吸収性本体2を構成する吸収体23の縦方向Xの前後端部23A,23Bから外方に位置して横方向Yに延びる腹側ウエストフラップFA及び背側ウエストフラップFBを有している。おむつ1は、外装体3の腹側領域Aの左右両側縁部3a1,3a1と外装体3の背側領域Bの左右両側縁部3b1,3b1とが接合されて一対のサイドシール部S,S、ウエスト開口部WH及び一対のレッグ開口部LH,LHが形成されている使い捨ておむつである。好適に、おむつ1の外装体3は、図2に示すように、展開させかつ伸長させた状態を平面視して、着用時に着用者の腹側に配される腹側領域A、着用時に着用者の背側に配される背側領域B、及び腹側領域Aと背側領域Bとの間の股下領域Cに区分されている。
【0012】
上述したおむつ1を展開させかつ伸長させた状態とは、図2に示すように、サイドシール部Sを引き剥がして、おむつ1を展開状態とし、その展開状態のおむつ1を、各部の弾性体を伸長させて、設計寸法(弾性体の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで広げた状態を意味する。
【0013】
本明細書において、「肌対向面」とは、おむつ1又はその構成部材における、着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、「非肌対向面」とは、おむつ1又はその構成部材における、着用時に着用者の肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面である。おむつ1において、縦方向(X方向)とは、平面に展開させかつ伸長させた状態で、腹側領域Aから背側領域Bにわたる方向のことである。また、横方向(Y方向)とは、縦方向(X方向)と直交する方向であり、平面に展開させかつ伸長させた状態のおむつ1の幅方向のことである。
また、おむつ1は、図2に示す、縦方向(X方向)に延びる縦中心線CL1に対して左右対称形となっている。尚、図2中のCL2は、おむつ1を縦方向(X方向)に二分する横方向(Y方向)に延びる横中心線であり、縦中心線CL1に直交している。
【0014】
おむつ1では、吸収性本体2は、図2に示すとおり、おむつ1を展開させかつ伸長させた状態において、縦方向(X方向)が相対的に長い縦長の形状を有している。吸収性本体2は、肌対向面を形成する液透過性の表面シート21と、非肌対向面を形成する液難透過性(撥水性も含む)の裏面シート22と、これら両シート21,22間に介在配置された液保持性の吸収体23とを具備する。おむつ1では、吸収体23は、吸収性能を有する吸収性コア231を液透過性の被覆シート232によって被覆されて形成されたものであり、吸収性本体2の縦方向(X方向)の全長は吸収体23のそれと同じであり、吸収体23の前後端部23A,23Bの外端縁23A1,23B1の位置は、図2に示すように、吸収性本体2の前後端部の外端縁の位置と同位置にある。また、吸収性本体2の縦方向(X方向)に沿う両側部には、図2に示すように、縦方向(X方向)に伸長状態で配された弾性体25を有する防漏カフ24,24が設けられている。具体的には、防漏カフ24は、液不透過性又は撥水性で且つ通気性の素材から構成されており、各防漏カフ24の自由端部近傍には、防漏カフ形成用弾性体25が縦方向(X方向)に伸長した状態で配されている。おむつの着用時には、防漏カフ形成用弾性体25の収縮により防漏カフ24の自由端部側が起立して、横方向(Y方向)への体液の流出が阻止される。
【0015】
以上のように構成された吸収性本体2は、図2に示すように、その縦方向(X方向)を、展開かつ伸長状態におけるおむつ1の縦方向(X方向)に一致させて、外装体3の中央部に、本体固定用接着剤によって接合されている。このように、外装体3は、使い捨ておむつ1の厚み方向における、吸収性本体2を構成する裏面シート22の非肌対向面側に配されて接着固定されている。従って、おむつ1では、吸収性本体2を構成する吸収体23が、腹側領域Aと背側領域Bとに亘って配されている。
【0016】
おむつ1では、図2及び図3に示すように、吸収体23の縦方向Xの前後端部23A,23Bから外方に位置して横方向Yに延びる腹側ウエストフラップFA及び背側ウエストフラップFBには、それぞれ、横方向(Y方向)に伸長状態で配された弾性体71による伸縮領域STが形成されている。好適に、外装体3は、おむつ1では、着用時においておむつ1の外面即ち非肌対向面を形成する外層シート6と、外層シート6の肌対向面に対向配置された内層シート5との積層体を含んで構成されている。おむつ1の着用時において、外層シート6は着用者の肌から遠い側に位置して、おむつ1の非肌対向面(外面)を形成し、内層シート5は、外層シート6よりも着用者の肌に近い側に位置して、おむつ1の肌対向面(内面)を形成する。外層シート6と内層シート5とは、所定の部位において接着剤、ヒートシール、高周波シール、超音波シール等の接合手段を介して互いに接合されている。外層シート6は、図2に示すように、腹側領域A及び背側領域Bに、内層シート5の縦方向Xの外端縁5B1から延出し、ウエスト開口部WHの周縁部に沿って内層シート5の肌対向面側に折り返された外層の折り返し部分6Eを有し、該外層の折り返し部分6Eは、吸収体23の縦方向Xの前後端部23A,23B、即ち、吸収性本体2の縦方向Xの前後端部を被覆している。外層の折り返し部分6Eと内層シート5とは、所定の部位において接着剤、ヒートシール、高周波シール、超音波シール等の接合手段を介して互いに接合されている。
【0017】
上述のように、おむつ1では、外装体3は、図2に示すように、おむつ1の外面を形成する非肌対向面側の外層シート6、最も肌対向面側の外層の折り返し部分6E、外層シート6と外層の折り返し部分6Eとの間に配された内層シート5を有している。おむつ1では、外層の折り返し部分6Eを除く外層シート6及び内層シート5は、縦方向(X方向)中央部において縦中心線CL1に向かって内方に括れており、互いに同形同大に形成されている。外層シート6の折り返し部分6Eで形成された外層の折り返し部分6Eは、横方向(Y方向)に長い矩形状に形成されている。外層の折り返し部分6E、内層シート5及び外層シート6は、それぞれ、別体のシートであってもよいが、おむつ1では、外層の折り返し部分6Eが、外層シート6の折り返し部分によって形成されている。このように、おむつ1では、腹側ウエストフラップFA及び背側ウエストフラップFBに、それぞれ、外層の折り返し部分6E及び内層シート5を有し、更に、内層シート5の非肌対向面側に外層シート6を有している。
【0018】
また、おむつ1では、外装体3は、図2に示すように、内層シート5と外層シート6との間に、横方向(Y方向)に伸長した状態で、縦方向(X方向)に間欠的に配された複数の糸状又は帯状の弾性体71を有している。おむつ1では、複数の弾性体71を備えることにより、ウエスト伸縮部G1及び胴回り下部伸縮部G2を有する伸縮領域STを形成している。また、おむつ1では、内層シート5と外層シート6との間に、図2に示すように、伸長した状態の複数の糸状又は帯状のレッグ弾性体72を有している。おむつ1では、複数のレッグ弾性体72を備えることにより、レッグ伸縮部G3を形成している。レッグ伸縮部G3は、図2に示すように、レッグ開口部LHの周縁部に形成されている。
【0019】
おむつ1では、ウエスト伸縮部G1は、図2に示すように、縦方向(X方向)において、吸収性本体2を構成する吸収体23の縦方向(X方向)の前後端部23A,23Bの外端縁23A1,23B1よりも縦方向Xの外方(横中心線CL2側と反対側)に位置するエンドフラップに形成されている。また、おむつ1では、胴回り下部伸縮部G2は、縦方向(X方向)において、ウエスト伸縮部G1の横中心線CL2側の下端とサイドシール部Sの下端との間に位置するサイドフラップに形成されている。上述した背側ウエストフラップFB及び腹側ウエストフラップFAは、前記エンドフラップ(ウエスト伸縮部G1)に、前記サイドフラップ(胴回り下部伸縮部G2)の一部を合わせた領域でもある。
【0020】
おむつ1では、外装体3は、図2に示すように、内層シート5及び外層シート6を接合する複数の接合部8を有している。おむつ1では、背側ウエストフラップFB及び腹側ウエストフラップFAは、内層シート5と外層シート6とが、散点状に配置された複数の熱融着による接合部8にて接合固定されて形成されている。おむつ1では、腹側領域A及び背側領域Bそれぞれのウエスト伸縮部G1から胴回り下部伸縮部G2に亘る領域に、内層シート5と外層シート6との接合部8が、縦方向(X方向)に沿って一列をなすように間欠的に配されており、その複数の接合部8からなる接合部列8Lが、横方向(Y方向)に間隔を開けて複数列配されている。
【0021】
おむつ1は、図2に示すように、接合部8で固定された内層シート5と外層シート6との間に、横方向(Y方向)に伸長した状態で配され且つ縦方向(X方向)に間欠的に配された複数の弾性体71を有している。好適に、おむつ1では、腹側領域A及び背側領域Bそれぞれのウエスト伸縮部G1から胴回り下部伸縮部G2に亘る領域に、複数本の弾性体71が、それぞれ、複数の接合部列8Lそれぞれの接合部8どうし間の隙間を通って、横方向(Y方向)に伸長状態で配されている。
【0022】
また、おむつ1では、図2に示すように、外装体3の腹側領域Aの両側縁部3a1,3a1及び外装体3の背側領域Bの両側縁部3b1,3b1に、内層シート5と外層シート6とが弾性体固定用接着剤を介して接合された一対の外側固定領域3T1,3T1を有しており、また、吸収性本体2の縦方向(X方向)に沿う両側部の近傍に、内層シート5と外層シート6とが弾性体固定用接着剤を介して接合された一対の本体側固定領域3T2,3T2を有している。
【0023】
おむつ1のウエスト伸縮部G1では、図2に示すように、複数本の弾性体71が、一対の外側固定領域3T1,3T1間に亘って配されており、それらの弾性体71は、一対の外側固定領域3T1,3T1それぞれにおいて、内層シート5と外層シート6との間に固定されている一方、一対の外側固定領域3T1,3T1間においては、内層シート5及び外層シート6の何れにも固定されていない。
また、おむつ1の胴回り下部伸縮部G2では、図2に示すように、複数本の弾性体71が、外側固定領域3T1と本体側固定領域3T2との間に亘って配されており、それらの弾性体71は、外側固定領域3T1と本体側固定領域3T2とのそれぞれにおいて、内層シート5と外層シート6との間に固定されている一方、外側固定領域3T1と本体側固定領域3T2との間においては、内層シート5及び外層シート6の何れにも固定されていない。おむつ1の胴回り下部伸縮部G2では、一対の本体側固定領域3T2,3T2の間には、弾性体71が配されていないか、或いは、弾性体71が、弾性伸縮性を発現しないように細かく分断される等の処理を施された状態で配されている。
【0024】
尚、おむつ1のレッグ伸縮部G3では、図2に示すように、レッグ開口部LHの周縁部に伸長状態で配された複数のレッグ弾性体72が、レッグ開口部LHの周縁部に面状に配された弾性体固定用接着剤を介して内層シート5と外層シート6との間に固定されている。
【0025】
おむつ1の外装体3では、図1及び図2に示すように、ウエスト伸縮部G1及び胴回り下部伸縮部G2において、内層シート5と外層シート6との間に横方向(Y方向)に伸長状態で配され且つ縦方向(X方向)に間欠的に配された複数の弾性体71の収縮により、横方向(Y方向)に隣接する接合部列8L,8Lどうしの間の外層シート6が外方に膨らむように変形し、外層の折り返し部分6E及び内層シート5が内方に膨らむように変形してギャザー部が形成されている。
【0026】
おむつ1では、背側ウエストフラップFBは、伸縮領域STにおいて、背側ウエストフラップFBを構成する不織布の内、弾性体71よりも着用者の肌に近い側に、疎水性の繊維から構成される肌側不織布を備えている。おむつ1では、図3に示すように、背側ウエストフラップFBを構成する不織布とは、内層シート5、外層シート6及び外層の折り返し部分6Eが該当し、弾性体71よりも着用者の肌に近い側の不織布としては、内層シート5及び外層シート6の折り返し部分6Eが該当する。そして、おむつ1では、疎水性の繊維からなる肌側不織布とは内層シート5が該当する。
【0027】
おむつ1では、図3に示すように、疎水性の繊維からなる肌側不織布(内層シート5)は、該肌側不織布(内層シート5)における縦方向Xの背側領域B側の外端縁5B1の位置から股下領域C側に間隔を空けた位置に、横方向Yに延びる親水性領域4Tを備えている。おむつ1では、親水性領域4Tは、例えば、内層シート5における縦方向Xの外端縁5B1の位置から股下領域C側に間隔を空けた位置に、親水化剤を横方向Yの全長に亘って塗布して形成されている。このように、親水性領域4Tは、前記肌側不織布と別個独立した不織布から形成されておらず、疎水性の繊維からなる肌側不織布の一部に、親水化剤を塗布して形成された領域である。おむつ1では、親水性領域4Tは、おむつ1の背側領域Bにおける縦方向Xの外端縁1B、言い換えれば、ウエスト開口部WHの周縁部の外周縁から股下領域C側に間隔を空けた位置に形成されている。
【0028】
おむつ1では、図2に示すように、背側ウエストフラップFBの伸縮領域STに、汗を吸収可能な親水性領域4Tが配されている。親水性の親水性領域4Tは、おむつ1では、背側ウエストフラップFBの伸縮領域ST、即ち、ウエスト伸縮部G1に胴回り下部伸縮部G2の一部を合わせた領域に配されている。
【0029】
親水性領域4Tを形成する親水化剤としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられる公知の親水化剤を用いることができる。尚、おむつ1では、背側ウエストフラップFBにのみ親水性領域4Tが形成されているが、背側ウエストフラップFB及び腹側ウエストフラップFAに形成されていてもよい。このように、親水性領域4Tが背側ウエストフラップFB及び腹側ウエストフラップFAに形成されている場合には、肌側不織布(例えば内層シート5)に塗布する親水化剤の量は、腹側ウエストフラップFA側と背側ウエストフラップFB側とで同じ量であることが好ましく、腹側ウエストフラップFA側の親水性領域4Tの親水性の程度と背側ウエストフラップFB側の親水性領域4Tの親水性の程度は同じであることが好ましい。
【0030】
おむつ1では、親水性領域4Tは、図2に示すように、背側ウエストフラップFBの横方向(Y方向)の全長に亘って配され、且つ、図3に示すように、弾性体71よりも着用者の肌に近い側に配されている。言い換えれば、親水性領域4Tは、背側ウエストフラップFBにおいて、背側ウエストフラップFBを構成する、弾性体71よりも着用者の肌に近い内層シート5の横方向(Y方向)の全長に亘って、親水化剤を塗布して形成されている。
【0031】
おむつ1では、親水性領域4Tは、着用時に着用者の背側で多量の汗を吸汗する観点から、図2に示すように、その縦方向(X方向)の長さ(L1)が、10mm以上であることが好ましく、20mm以上であることが更に好ましく、そして、100mm以下であることが好ましく、90mm以下であることが更に好ましく、具体的には、10mm以上100mm以下であることが好ましく、20mm以上90mm以下であることが更に好ましい。前記長さ(L1)は、おむつ1を展開させかつ伸長させた状態における長さである。
【0032】
おむつ1では、背側ウエストフラップFBの伸縮領域STを構成する弾性体71は、図3に示すように、少なくとも1本の糸状弾性部材711を有し、1本の糸状弾性部材711が背側領域Bの縦方向Xの外端縁1Bと親水性領域4Tの縦方向(X方向)の背側領域B側の外端縁4TB1との間に配されている。背側領域Bの縦方向(X方向)の外端縁B1とは、おむつ1では、ウエスト開口部WHの周縁部の周縁の位置を意味する。好適に、おむつ1では、1本の糸状弾性部材711のみが、親水性領域4Tの形成された肌側不織布(内層シート5)における縦方向Xの背側領域B側の外端部5Bに配されており、具体的には、内層シート5の縦方向(X方向)の外端縁5B1と親水性領域4Tの縦方向(X方向)の外端縁4TB1との間に配されている。
【0033】
おむつ1では、背側ウエストフラップFBの伸縮領域STには、図3に示すように、少なくとも1本の糸状弾性部材711の内、最も親水性領域4T側にある糸状弾性部材711の親水性領域4T側の内端縁と、肌側不織布(内層シート5)に形成された親水性領域4Tにおける縦方向Xの背側領域B側の外端縁4TB1との間に弾性体不在領域NTが形成されている。ここで、糸状弾性部材711の親水性領域4T側の内端縁とは、該糸状弾性部材711を図3に示すように断面視して、最も股下領域C側の下端の位置を意味する。内層シート5における縦方向Xの外端部5Bには糸状弾性部材711が複数本配されていてもよいが、上述の通り、おむつ1では、内層シート5の外端部5Bに配されているのは糸状弾性部材711が1本のみである。その為、おむつ1では、該1本の糸状弾性部材711の内端縁と、親水性領域4Tの縦方向Xの外端縁4TB1との間に弾性体不在領域NTが形成されている。弾性体不在領域NTは、背側ウエストフラップFBの横方向(Y方向)の全長に亘って形成されている。
【0034】
おむつ1では、弾性体不在領域NTは、着用時に着用者の汗を吸汗した親水性領域4Tからの水分の移行を防止する観点から、図3に示すように、その縦方向(X方向)の長さ(L2)が、3mm以上であることが好ましく、4mm以上であることが更に好ましく、そして、15mm以下であることが好ましく、13mm以下であることが更に好ましく、具体的には、3mm以上15mm以下であることが好ましく、4mm以上13mm以下であることが更に好ましい。前記長さ(L2)は、おむつ1を展開させかつ伸長させた状態における長さである。
【0035】
上述したおむつ1の各部の形成材料について説明する。
おむつ1では、外装体3を構成する外層の折り返し部分6Eが外層シート6の折り返し部分6Eで形成されているので、外層の折り返し部分6Eを含む外層シート6の全体が疎水性の繊維で構成された疎水性のシートで形成されている。おむつ1では、外層シート6とは別体の内層シート5も、疎水性のシートで構成されている。
【0036】
外層シート6(外層の折り返し部分6Eを含む)及び内層シート5に用いる疎水性のシートを構成する疎水性繊維としては、熱可塑性の合成繊維が挙げられ、具体的には、各種不織布の構成繊維として通常用いられているものを用いることができ、例えば、ポリエチレン(PE)繊維、ポリプロピレン(PP)繊維等のポリオレフィン繊維;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等の熱可塑性樹脂を単独で用いてなる繊維;芯鞘型、サイドバイサイド型等の構造の複合繊維が挙げられる。
【0037】
親水性領域4Tを形成する親水化剤は、衛生品用途に使用される一般的な親水化剤であれば特に限定されない。親水性領域4Tを構成する繊維が親水性であるか疎水性であるかの判断は、以下に述べる〔繊維の接触角の測定方法〕で測定される構成繊維の接触角に基づき判断される。具体的には、接触角が90°以上であれば、親水度の低い疎水性と判断し、接触角が90°より小さければ、親水度の高い親水性と判断する。
【0038】
〔繊維の接触角の測定方法〕
接触角の測定には、例えば協和界面科学株式会社製の接触角計MCA−Jを用いる。具体的には、親水性領域4Tを構成する繊維の表面に、イオン交換水を滴下(約20ピコリットル)した後、直ちに前記接触角計を用いて接触角度の測定を行う。測定は、親水性領域4Tを構成する繊維の5箇所以上の箇所で行い、それらの平均値を接触角とする。尚、測定環境温度は20℃とする。
尚、吸収性物品の一例であるおむつ1からその領域(例えば親水性領域)を取り出して評価測定する場合において、その領域が、接着剤、融着などによって他の構成部材に固定されている場合には、固定されていない部分において測定するか、その固定部分を除去してから取り出す。その際、領域に付与された親水化剤への影響を最小限に抑える観点から、固定部分の除去方法として、溶剤の塗布やドライヤーによる熱風吹き付けのような、油剤の変質、喪失を招く恐れのある方法は採用しないことが好ましい。
【0039】
吸収性本体2を構成する表面シート21、裏面シート22、吸収体23及び防漏カフ24等としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品に従来用いられている各種のもの等を特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート21としては、単層又は多層構造の不織布や、開孔フィルム等を用いることができる。裏面シート22としては、透湿性の樹脂フィルム等を用いることができる。吸収体23の吸収性コア231としては、吸収性ポリマーの粒子及び繊維材料から構成されたものを用いることができ、吸収体23の被覆シート232としては、ティッシュペーパーや不織布等を用いることができる。また、防漏カフ24としては、撥水性の単層又は多層構造の不織布等を用いることができる。
【0040】
弾性体(防漏カフ形成用弾性体25、弾性体71、レッグ弾性体72等)としては、例えば、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等を挙げることができる。弾性体の形態としては、断面が矩形、正方形、円形、楕円形、若しくは多角形状等の糸状(糸ゴム等)、又は紐状(平ゴム等)のもの、弾性繊維層状のもの等を好ましく用いることができる。
【0041】
弾性体(防漏カフ形成用弾性体25、弾性体71、レッグ弾性体72等)を固定する弾性体固定用接着剤、及び外装体3及び吸収性本体2等を固定する本体固定用接着剤としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品に従来用いられている各種のホットメルト接着剤等を特に制限なく用いることができる。
【0042】
上述した本発明の一実施形態のおむつ1を使用した際の作用効果について説明する。
おむつ1では、図2及び図3に示すように、背側ウエストフラップFBの伸縮領域STにおいて、肌側不織布(内層シート5)における縦方向Xの外端縁5B1の位置から間隔を空けた位置に、汗を吸収可能な親水性領域4Tが配されている。そして、親水性領域4Tが、肌側不織布と別個独立した不織布から形成されておらず、疎水性の繊維からなる肌側不織布(内層シート5)の一部に、親水化剤を塗布して形成された領域である。その為、親水性領域4Tが配されていても、おむつ1の着用中に、背側ウエストフラップFBの伸縮領域STの剛性が高くなり難く、親水性領域4Tの端縁が着用者の皮膚を刺激することも無いので、肌の赤みを発症し難く、湿疹、汗疹、かぶれ等の皮膚トラブルを低減することが期待できる。また、おむつ1では、図3に示すように、背側ウエストフラップFBの伸縮領域STには、最も親水性領域4T側にある糸状弾性部材711の親水性領域4T側の内端縁と、内層シート5に形成された親水性領域4Tにおける縦方向Xの外端縁4TB1との間に弾性体不在領域NTが形成されている。弾性体不在領域NTは疎水領域であり、しかも、弾性体71の収縮による繊維の高密度化が起こり難いので、おむつ1の着用中に親水性領域4Tが多量の汗を吸収したとしても、体液が縦方向X外方に移行し難く、親水性領域4T内で汗を吸収でき、湿疹、汗疹、かぶれ等の皮膚トラブルを低減することが期待できる。このように親水性領域4T内で汗を吸収する観点から、親水性領域4Tと、親水性領域4Tに対応する位置に配される弾性体71との配置関係は、図3に示すように、1本の糸状弾性部材711に縦方向Xに隣り合う別の糸状弾性部材712が、親水性領域4Tにおける縦方向Xの背側領域B側の外端縁4TB1から股下領域C側に間隔を空けた位置に配されていることが好ましい。
【0043】
上記効果を一層確実に奏されるようにする観点から、おむつ1は、以下の一又は二以上の構成を有することが好ましい。
【0044】
おむつ1では、肌側不織布(内層シート5)の親水性領域4Tにおける縦方向Xの背側領域B側の外端縁4TB1が、図3に示すように、吸収体23の縦方向(X方向)の背側領域B側の後端部23Bの外端縁23B1とおむつ1の背側領域Bの縦方向Xの外端縁1Bとで挟まれた領域内に対応する部分に配されていることが好ましい。このように、吸収体23の外端縁23B1よりも縦方向X外方で且つおむつ1の背側領域B側の外端縁よりも縦方向X内方に、親水性領域4Tが配されていれば、汗を特にかきやすいウエスト伸縮部G1において、効率的に親水性領域4Tで汗を吸汗することができる。
【0045】
おむつ1では、弾性体71は、1本の糸状弾性部材711以外に、糸状弾性部材711に隣り合う別の糸状弾性部材712を有し、糸状弾性部材711及び別の糸状弾性部材712が、肌側不織布(内層シート5)における縦方向Xの背側領域B側の外端部5Bの外端縁5B1の位置と、親水性領域4Tにおける縦方向Xの背側領域B側の外端縁4TB1とで挟まれた領域内に対応する部分に配されていることが好ましい。このように、複数の弾性体71(糸状弾性部材711及び別の糸状弾性部材712)が、肌側不織布(内層シート5)における親水性領域4Tの縦方向Xの外端縁4TB1よりも外方の疎水性領域に配されていると、該疎水性領域における複数の弾性体71の収縮により、縦方向Xに粗密構造が形成され易く、弾性体71の収縮によって形成された繊維の高密度化部分が、着用者の肌側に寄り易く、肌側不織布(内層シート5)の外端部5Bの外端縁5B1からの体液の漏れを防止することができる。
【0046】
おむつ1では、肌側不織布(内層シート5)の親水性領域4Tにおける縦方向Xの股下領域C側の内端部の内端縁4TC1が、図3に示すように、吸収体23における縦方向Xの背側領域B側の外端縁23B1とおむつ1の背側領域Bの縦方向Xの外端縁1Bとで挟まれた領域内に対応する部分に配されていることが好ましい。尚、親水性領域4Tの縦方向Xの股下領域C側の内端縁4TC1が、吸収体23を有する吸収性本体2における縦方向Xの背側領域B側の外端縁とおむつ1の背側領域Bの縦方向Xの外端縁とで挟まれた領域内に対応する部分に配されていることが更に好ましい。このように、親水性領域4Tの内端縁4TC1が、吸収体23の外端縁23B1よりも縦方向X外方の離れた位置に配されていると、おむつ1の使用中に吸収体23に吸収された体液が、親水性領域4Tと吸収体23との間の領域を構成する疎水性の繊維(肌側不織布を構成する疎水性の繊維)によって親水性領域4Tに拡散することを防止できる。
【0047】
おむつ1では、弾性体71が複数本の糸状(帯状を含む)弾性体71であるところ、図3に示すように、1本の糸状弾性部材711以外の別の1本の糸状弾性部材713が、肌側不織布(内層シート5)の親水性領域4Tにおける縦方向Xの股下領域C側の内端部の内端縁4TC1と、吸収体23における縦方向Xの背側領域B側の外端縁23B1とで挟まれた領域内に対応する部分に配されていることが好ましい。このように糸状弾性部材713が親水性領域4Tと吸収体23との間に配置されていると、親水性領域4Tと吸収体23とを一層隔てることができ、おむつ1の使用中に吸収体23に吸収された体液の漏れを誘発し難い。
【0048】
おむつ1では、図3に示すように、背側ウエストフラップFBを構成する不織布は、内層シート5、外層シート6及び外層の折り返し部分6Eであり、疎水性の繊維からなる肌側不織布が内層シート5である。また、おむつ1では、親水性領域4Tを備える肌側不織布(内層シート5)よりも肌対向面側に、外層シート6の折り返し部分6Eが配されている。このような構成のおむつ1では、親水性領域4Tを備える肌側不織布(内層シート5)よりも肌対向面側に配される外層シート6の折り返し部分6Eが、疎水性の繊維からなる疎水性不織布であることが好ましい。尚、外層の折り返し部分6Eが疎水性不織布であれば、外層シート6も疎水性不織布となっている。このように、親水性領域4Tよりも肌対向面側に疎水性不織布が配されていれば、外層の折り返し部分6Eを介して汗を吸汗した親水性領域4Tが着用者の肌に直接触れることがなく、親水性領域4Tから肌へ体液が戻り難いので、肌を膨潤させ難く、かぶれ等の皮膚トラブルを低減することが期待できる。尚、親水性領域4Tが外層の折り返し部分6Eを介して汗を吸汗し易い観点から、肌側不織布(内層シート5)と疎水性不織布からなる外層の折り返し部分6Eとは、肌側不織布の備える親水性領域4Tに配された熱融着部で固定されていることが好ましい。即ち、不織布(内層シート5)と疎水性の外層の折り返し部分6Eとは、親水性領域4Tにて、散点状に配置された複数の熱融着による接合部(熱融着部)で固定されていることが好ましい。このような熱融着部は、ヒートシール、超音波シール、高周波シール等の各種公知の方法を用いて形成することができる。
【0049】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されず適宜変更可能である。以下に示す他の実施形態の使い捨ておむつにおいては、図3に示すおむつ1と同じ部位には同じ番号を付して説明する。
【0050】
例えば、上述したおむつ1は、図3に示すように、背側ウエストフラップFBを構成する不織布として、内層シート5、外層シート6及び外層の折り返し部分6Eが該当し、弾性体71よりも着用者の肌に近い側の不織布として、内層シート5及び外層シート6の折り返し部分6Eが該当し、そして、疎水性の繊維からなる肌側不織布として、内層シート5が該当しているが、図4に示すおむつ1のように、疎水性の繊維からなる肌側不織布が外層シート6の折り返し部分6Eであってもよい。具体的に、図4に示すおむつ1では、親水性領域4Tは、肌側不織布である外層の折り返し部分6Eに形成されており、親水性領域4Tにおける縦方向Xの股下領域C側の内端部の内端縁4TC1が、外層の折り返し部分6Eにおける縦方向Xの股下領域C側の内端部の内端縁6EC1よりも、背側領域Bの縦方向Xの外端縁1B側に配されている。更に、図4に示すおむつ1では、外層の折り返し部分6Eに形成された親水性領域4Tの股下領域C側の内端縁4TC1が、吸収体23における縦方向Xの背側領域B側の外端縁23B1よりも、背側領域Bの縦方向Xの外端縁1B側に配されている。図4に示すおむつ1によれば、図3に示すおむつ1と同様の効果を奏すると共に、特に親水性領域4Tが外層の折り返し部分6Eに形成されているので、表面シート21や裏面シート22が背側領域Bの縦方向Xの外端縁1B側に延長している場合であっても汗を吸汗しやすく、吸汗領域が広くなるとの効果を奏する。
【0051】
また、上述したおむつ1は、図3に示すように、背側ウエストフラップFBを構成する不織布として、内層シート5、外層シート6及び外層の折り返し部分6Eが該当しているが、図5に示すおむつ1では、内層シート5、外層シート6及び外層の折り返し部分6E以外に、内層シート5における背側領域Bの縦方向Xの外端縁1Bから肌対向面側に折り返された内層の折り返し部分5Eが該当している。図5に示すおむつ1では、弾性体71よりも着用者の肌に近い側の不織布として、内層シート5、内層の折り返し部分5E及び外層の折り返し部分6Eが該当し、そして、疎水性の繊維からなる肌側不織布として、内層の折り返し部分5Eが該当している。具体的に、図5に示すおむつ1では、親水性領域4Tは、肌側不織布である内層の折り返し部分5Eに形成されており、親水性領域4Tにおける縦方向Xの股下領域C側の内端部の内端縁4TC1が、内層の折り返し部分5Eにおける縦方向Xの股下領域C側の内端部の内端縁5EC1よりも、背側領域Bの縦方向Xの外端縁1B側に配されている。更に、図5に示すおむつ1では、内層の折り返し部分5Eに形成された親水性領域4Tの股下領域C側の内端縁4TC1が、吸収体23における縦方向Xの背側領域B側の外端縁23B1よりも、背側領域Bの縦方向Xの外端縁1B側に配されている。図5に示すおむつ1によれば、図3に示すおむつ1と同様の効果を奏すると共に、特に親水性領域4Tが内層の折り返し部分5Eに形成されている。その為、内層の折り返し部分5Eに形成されている親水性領域4Tと疎水性の外層の折り返し部分6Eとを、散点状に配置された複数の熱融着による接合部(熱融着部)で固定しやすく、その上で疎水性不織布である外層の折り返し部分6Eが親水性領域4Tよりも肌対向面側に配されることとなり、外層の折り返し部分6Eを介して汗を吸汗しやすく、また汗を吸汗した親水性領域4Tが着用者の肌に直接触れることがなく、親水性領域4Tから肌へ体液が戻り難いので、より肌を膨潤させ難く、かぶれ等の皮膚トラブルを低減することが期待できる。尚、図5に示すおむつ1では、背側ウエストフラップFBを構成する不織布として、内層シート5、内層の折り返し部分5E、外層シート6及び外層の折り返し部分6Eを有しているが、外層の折り返し部分6Eを有さない形態であってもよい。即ち、背側ウエストフラップFBを構成する不織布が、内層シート5、内層の折り返し部分5E、及び外層シート6のみを有する形態であってもよい
【0052】
また、上述したおむつ1は、図3に示すように、背側ウエストフラップFBを構成する不織布が、内層シート5、外層シート6及び外層の折り返し部分6Eを有しているが、図6に示すおむつ1では、外層の折り返し部分6Eを有さず、内層シート5及び外層シート6のみを有する形態となっている。図6に示すおむつ1では、弾性体71よりも着用者の肌に近い側の不織布として、内層シート5が該当し、そして、疎水性の繊維からなる肌側不織布として、内層シート5が該当している。具体的に、図6に示すおむつ1では、親水性領域4Tは、肌側不織布である内層シート5に形成されており、親水性領域4Tにおける縦方向Xの背側領域B側の外端部の外端縁4TB1が、内層シート5の背側領域B側の外端部5Bの外端縁5B1よりも股下領域C側に配されている。また、親水性領域4Tにおける縦方向Xの股下領域C側の内端部の内端縁4TC1が、吸収体23における縦方向Xの背側領域B側の外端縁23B1よりも、背側領域Bの縦方向Xの外端縁1B側に配されている。図6に示すおむつ1によれば、図3に示すおむつ1と同様の効果を奏すると共に、特に親水性領域4Tが内層シート5に形成されているので、背側ウエストフラップFBの伸縮領域STの部材が少なく厚みが小さいために、よりやわらかく、また通気性が高く吸汗した汗をすばやく蒸発できる。
【0053】
また、上述したおむつ1は、図3に示すように、弾性体71が1本の糸状弾性部材711を含んで全て糸状(帯状を含む)の弾性体であるが、図7に示すおむつ1では、弾性体71が、1本の糸状弾性部材711と、それ以外が、フィルム状、或いは、弾性繊維からなる弾性繊維層状の弾性部材714とから構成されている。また、上述したおむつ1は、図3に示すように、背側ウエストフラップFBを構成する不織布が、内層シート5、外層シート6及び外層の折り返し部分6Eを有しているが、図7に示すおむつ1では、内層シート5を有さず、外層シート6及び外層の折り返し部分6Eのみを有する形態となっている。図7に示すおむつ1では、弾性体71よりも着用者の肌に近い側の不織布として、外層の折り返し部分6Eが該当し、そして、疎水性の繊維からなる肌側不織布として、外層の折り返し部分6Eが該当している。具体的に、図7に示すおむつ1では、親水性領域4Tは、肌側不織布である外層の折り返し部分6Eに形成されており、親水性領域4Tにおける縦方向Xの背側領域B側の外端部の外端縁4TB1が、背側領域Bの縦方向Xの外端縁1Bよりも股下領域C側に配されている。また、親水性領域4Tにおける縦方向Xの股下領域C側の内端部の内端縁4TC1が、外層の折り返し部分6Eにおける縦方向Xの股下領域C側の内端部の内端縁6EC1よりも、背側領域Bの縦方向Xの外端縁1B側に配されており、更に、吸収体23における縦方向Xの背側領域B側の外端縁23B1よりも、背側領域Bの縦方向Xの外端縁1B側に配されている。
【0054】
また、図7に示すおむつ1では、1本の糸状弾性部材711が親水性領域4Tの形成された肌側不織布(外層の折り返し部分6E)における縦方向Xの背側領域B側の外端部、言い換えれば、おむつ1の背側領域Bの縦方向Xの外端縁1Bと、親水性領域4Tの縦方向(X方向)の背側領域B側の外端縁4TB1との間の位置に配されている。図7に示すおむつ1によれば、図3に示すおむつ1と同様の効果を奏すると共に、背側ウエストフラップFBの伸縮領域STの襞が少なく厚みが小さいために、より保温性が低く涼しい、またより体にフィットし易い。
【0055】
本発明の吸収性物品は、上述の図3図7のおむつ1に何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。また、上述の図3図7のおむつ1における各構成要件は、本発明の趣旨を損なわない範囲で、適宜組み合わせて実施できる。
【0056】
また、上述した使い捨ておむつ1においては、図2に示すように、背側ウエストフラップFBにのみ、伸縮領域STを構成する肌側不織布(内層シート5)に親水化剤を塗布した親水性領域4Tを配しているが、腹側ウエストフラップFAにも親水性領域4Tを配していてもよい。
【0057】
また、上述した使い捨ておむつ1においては、図2に示すように、外装体3が腹側領域A、股下領域C及び背側領域Bにわたる砂時計状等の連続した形状のパンツ型使い捨ておむつであるが、外装体3が、腹側外装体、背側外装体及び股下外装体に別部材として区分された分割型のパンツ型使い捨ておむつであってもよい。
【0058】
また、上述した使い捨ておむつ1においては、図1に示すように、外装体3を有するパンツ型使い捨ておむつであるが、展開型の使い捨ておむつであってもよい。
【0059】
上述した実施形態に関し、さらに以下の使い捨ておむつを開示する。
【0060】
<1>
着用者の腹側に配される腹側領域および着用者の背側に配される背側領域と、それらの間に位置する股下領域とを備えると共に、該腹側領域から該背側領域に延びる縦方向と該縦方向に直交する横方向とを備え、前記腹側領域と前記背側領域とに亘って吸収体を有し、該吸収体の縦方向の前後端部それぞれから外方に位置して横方向に延びる腹側ウエストフラップ及び背側ウエストフラップを有する使い捨ておむつであって、
前記背側ウエストフラップには、横方向に伸長状態で配された弾性体による伸縮領域が形成されており、
前記背側ウエストフラップは、前記伸縮領域において、該背側ウエストフラップを構成する不織布の内、前記弾性体よりも着用者の肌に近い側に、疎水性の繊維からなる肌側不織布を備え、
前記肌側不織布は、該肌側不織布における縦方向の前記背側領域側の外端縁の位置から前記股下領域側に間隔を空けた位置に、横方向に延びる親水性領域を備え、
前記伸縮領域を構成する前記弾性体は、少なくとも1本の糸状弾性部材を有し、該1本の糸状弾性部材が前記背側領域の縦方向の外端縁と前記親水性領域の縦方向の前記背側領域側の外端縁との間に配されており、
前記背側ウエストフラップの前記伸縮領域には、前記1本の糸状弾性部材の内、最も前記親水性領域側にある糸状弾性部材の前記親水性領域側の内端縁と、前記親水性領域における縦方向の前記背側領域側の外端縁との間に弾性体不在領域が形成されている、使い捨ておむつ。
【0061】
<2>
前記肌側不織布の前記親水性領域における縦方向の前記背側領域側の外端縁が、前記吸収体における縦方向の前記背側領域側の外端縁と該背側領域の縦方向の外端縁とで挟まれた領域内に対応する部分に配されている、前記<1>に記載の使い捨ておむつ。
<3>
前記伸縮領域を構成する前記弾性体は、前記1本の糸状弾性部材以外に、該糸状弾性部材に隣り合う別の糸状弾性部材を有し、該1本の糸状弾性部材、及び該別の糸状弾性部材が、前記肌側不織布における縦方向の前記背側領域側の外端縁の位置と、前記親水性領域における縦方向の前記背側領域側の外端縁とで挟まれた領域内に対応する部分に配されている、前記<1>又は<2>に記載の使い捨ておむつ。
<4>
前記肌側不織布の前記親水性領域における縦方向の前記股下領域側の内端縁が、前記吸収体における縦方向の前記背側領域側の外端縁と該背側領域の縦方向の外端縁とで挟まれた領域内に対応する部分に配されている、前記<1>〜<3>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<5>
前記伸縮領域を構成する前記弾性体は、複数本の糸状弾性部材で構成され、
前記1本の糸状弾性部材以外の別の1本の糸状弾性部材が、前記肌側不織布の前記親水性領域における縦方向の前記股下領域側の内端縁と、前記吸収体における縦方向の前記背側領域側の外端縁とで挟まれた領域内に対応する部分に配されている、前記<4>に記載の使い捨ておむつ。
<6>
前記背側ウエストフラップを構成する不織布は、前記使い捨ておむつの非肌対向面を形成する外層シートと、該外層シートの肌対向面に対向配置された内層シートとを有し、さらに、該外層シートにおける前記背側領域の縦方向の外端縁から肌対向面側に折り返された外層の折り返し部分、又は、該内層シートにおける前記背側領域の縦方向の外端縁から肌対向面側に折り返された内層の折り返し部分を有し、
前記親水性領域は、前記肌側不織布である前記外層の折り返し部分、又は、前記内層の折り返し部分に形成されており、
前記親水性領域における縦方向の前記股下領域側の内端縁が、前記外層の折り返し部分又は前記内層の折り返し部分における縦方向の前記股下領域側の内端縁よりも、前記背側領域の縦方向の外端縁側に配されている、前記<1>〜<5>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<7>
前記親水性領域を備える前記肌側不織布よりも肌対向面側に、疎水性の繊維からなる疎水性不織布が配されている、前記<1>〜<6>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<8>
前記肌側不織布と前記疎水性不織布とが、該肌側不織布の備える前記親水性領域に配された熱融着部で固定されている、前記<7>に記載の使い捨ておむつ。
【0062】
<9>
前記親水性領域は、前記肌側不織布と別個独立した不織布から形成されておらず、疎水性の繊維からなる該肌側不織布の一部に、親水化剤を塗布して形成された領域である、前記<1>〜<8>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<10>
前記親水性領域は、背側ウエストフラップの横方向の全長に亘って配されている、前記<1>〜<9>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<11>
前記親水性領域は、その縦方向の長さ(L1)が、10mm以上、好ましくは20mm以上であり、そして、100mm以下、好ましくは90mm以下である、前記<1>〜<10>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<12>
前記糸状弾性部材が、前記親水性領域の形成された前記肌側不織布における縦方向の前記背側領域側の外端部に配されている前記<1>〜<11>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<13>
前記弾性体不在領域は、前記背側ウエストフラップの横方向の全長に亘って形成されている、前記<1>〜<12>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<14>
前記弾性体不在領域は、その縦方向の長さ(L2)が、3mm以上、好ましくは4mm以上であり、そして、15mm以下、好ましくは13mm以下である、前記<1>〜<13>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<15>
前記親水性領域と、該親水性領域に対応する位置に配される前記弾性体との配置関係は、1本の糸状弾性部材に縦方向に隣り合う別の糸状弾性部材が、前記親水性領域における縦方向の背側領域側の外端縁から股下領域側に間隔を空けた位置に配されている、前記<1>〜<14>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<16>
前記親水性領域の縦方向の前記股下領域側の内端縁が、前記吸収体を有する吸収性本体における縦方向の前記背側領域側の外端縁と前記使い捨ておむつの前記背側領域の縦方向の外端縁とで挟まれた領域内に対応する部分に配されている、前記<1>〜<15>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<17>
前記肌側不織布と、疎水性不織布からなる前記外層の折り返し部分とは、該肌側不織布の備える前記親水性領域に配された熱融着部で固定されている、前記<5>に記載の使い捨ておむつ。
【0063】
<18>
疎水性の繊維からなる肌側不織布が前記外層シートの折り返し部分である、前記<5>に記載の使い捨ておむつ。
<19>
前記親水性領域は、前記肌側不織布である前記外層の折り返し部分に形成されており、
前記親水性領域における縦方向の前記股下領域側の内端部の内端縁が、前記外層の折り返し部分における縦方向の前記股下領域側の内端部の内端縁よりも、前記背側領域の縦方向の外端部側に配されている、前記<5>に記載の使い捨ておむつ。
<20>
前記親水性領域は、前記肌側不織布である前記内層の折り返し部分に形成されており、
前記親水性領域における縦方向の前記股下領域側の内端部の内端縁が、前記内層の折り返し部分における縦方向の前記股下領域側の内端部の内端縁よりも、前記背側領域の縦方向の外端部側に配されている、前記<5>に記載の使い捨ておむつ。
<21>
前記背側ウエストフラップ及び腹側ウエストフラップを構成する不織布は、前記使い捨ておむつの非肌対向面を形成する外層シートと、該外層シートの肌対向面に対向配置された内層シートとを有し、
前記背側ウエストフラップ及び前記腹側ウエストフラップは、前記内層シートと前記外層シートとが、散点状に配置された複数の熱融着による接合部にて接合固定されて形成されており
前記伸縮領域はウエスト伸縮部及び胴回り下部伸縮部を有し、
腹側領域及び前記背側領域それぞれの前記ウエスト伸縮部から胴回り下部伸縮部に亘る領域に、前記内層シートと前記外層シートとの前記接合部が、縦方向に沿って一列をなすように間欠的に配されており、その複数の接合部からなる接合部列が、横方向に間隔を開けて複数列配されている、前記<1>〜<20>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<22>
前記接合部で固定された前記内層シートと前記外層シートとの間に、横方向に伸長した状態で配され且つ縦方向に間欠的に配された複数の前記弾性体を有している、前記<21>に記載の使い捨ておむつ。
<23>
前記腹側領域及び前記背側領域それぞれの前記ウエスト伸縮部から前記胴回り下部伸縮部に亘る領域に、複数本の前記弾性体が、それぞれ、複数の前記接合部列それぞれの前記接合部どうし間の隙間を通って、横方向に伸長状態で配されている、前記<21>又は<22>に記載の使い捨ておむつ。
<24>
前記外層シートにおける前記背側領域の縦方向の外端縁から肌対向面側に折り返された外層の折り返し部分を有し、
横方向に隣接する前記接合部列どうしの間の前記外層シートが外方に膨らむように変形し、前記外層の折り返し部分及び前記内層シートが内方に膨らむように変形してギャザー部が形成されている、前記<21>〜<23>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<25>
前記使い捨ておむつは、吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配されて該吸収性本体を固定する外装体とを備え、
前記外装体は前記腹側ウエストフラップ及び前記背側ウエストフラップを有し、
前記外装体は、前記使い捨ておむつの非肌対向面を形成する外層シートと、該外層シートの肌対向面に対向配置された内層シートとを有し、
前記使い捨ておむつは、前記外装体の前記腹側領域の両側縁部及び該外装体の前記背側領域の両側縁部に、前記内層シートと前記外層シートとが弾性体固定用接着剤を介して接合された一対の外側固定領域を有している、前記<1>〜<24>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
【0064】
<26>
前記弾性体は、一対の前記外側固定領域それぞれにおいて、前記内層シートと前記外層シートとの間に固定されている一方、一対の該外側固定領域間においては、該内層シート及び該外層シートの何れにも固定されていない、前記<25>に記載の使い捨ておむつ。
<27>
前記使い捨ておむつは、前記吸収性本体の縦方向に沿う両側部の近傍に、前記内層シートと前記外層シートとが弾性体固定用接着剤を介して接合された一対の本体側固定領域を有している、前記<25>又は<26>に記載の使い捨ておむつ。
<28>
前記弾性体は、前記外側固定領域と前記本体側固定領域とのそれぞれにおいて、前記内層シートと前記外層シートとの間に固定されている一方、該外側固定領域と該本体側固定領域との間においては、該内層シート及び該外層シートの何れにも固定されていない、前記<25>〜<27>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<29>
前記親水性領域が、前記背側ウエストフラップ及び前記腹側ウエストフラップに形成されている、前記<1>〜<28>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<30>
前記背側ウエストフラップを構成する不織布は、前記使い捨ておむつの非肌対向面を形成する外層シートと、該外層シートの肌対向面に対向配置された内層シートとを有し、
前記親水性領域は、前記肌側不織布である前記内層シートに形成されており、
前記親水性領域における縦方向の前記背側領域側の外端部の外端縁が、前記内層シートの前記背側領域側の外端部の外端縁よりも前記股下領域側に配されている前記<1>〜<29>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<31>
前記背側ウエストフラップを構成する不織布は、前記使い捨ておむつの非肌対向面を形成する外層シートと、該外層シートの肌対向面に対向配置された内層シートとを有し、さらに、該外層シートにおける前記背側領域の縦方向の外端縁から肌対向面側に折り返された外層の折り返し部分、又は、該内層シートにおける前記背側領域の縦方向の外端縁から肌対向面側に折り返された内層の折り返し部分を有し、
前記親水性領域は、前記肌側不織布である前記外層の折り返し部分に形成されており、
前記親水性領域における縦方向の前記背側領域側の外端部の外端縁が、前記背側領域の縦方向の外端部の外端縁よりも股下領域側に配されている、前記<1>〜<29>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
【符号の説明】
【0065】
1 パンツ型使い捨ておむつ
1B 背側領域における縦方向の外端
2 吸収性本体
21 表面シート
22 裏面シート
23 吸収体
24 防漏カフ
25 防漏カフ形成用弾性体
3 外装体
4T 親水性領域
親水性領域における縦方向の背側領域側の外端縁
5 内層シート
5E 内層の折り返し部分
6 外層シート
6E 外層の折り返し部分
71 弾性体
711 糸状弾性部材
72 レッグ弾性体
8 接合部
8L 接合部列
9 疎水性のシート
A 腹側領域、B 背側領域、C 股下領域
ST 伸縮領域
FA 腹側ウエストフラップ
FB 背側ウエストフラップ
NT 弾性体不在領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7