特許第6353067号(P6353067)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6353067タレットを備える回転式タブレットプレス機及び回転式タブレットプレス機の部品の改良された調整を提供する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6353067
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】タレットを備える回転式タブレットプレス機及び回転式タブレットプレス機の部品の改良された調整を提供する方法
(51)【国際特許分類】
   B30B 11/08 20060101AFI20180625BHJP
   F16C 35/07 20060101ALI20180625BHJP
   F16C 19/16 20060101ALI20180625BHJP
   B28B 5/08 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   B30B11/08 Z
   F16C35/07
   F16C19/16
   B28B5/08
【請求項の数】20
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-553524(P2016-553524)
(86)(22)【出願日】2014年2月20日
(65)【公表番号】特表2017-512653(P2017-512653A)
(43)【公表日】2017年5月25日
(86)【国際出願番号】IB2014000180
(87)【国際公開番号】WO2015124958
(87)【国際公開日】20150827
【審査請求日】2017年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】514308782
【氏名又は名称】ヘーエーアー プロセス エンジニアリング ナームロゼ フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130133
【弁理士】
【氏名又は名称】曽根 太樹
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ボージュレール
(72)【発明者】
【氏名】イボ バン デン モーテル
(72)【発明者】
【氏名】フレディ ジェラール リュック バンデンブルック
(72)【発明者】
【氏名】ヨリス バンデルプッテン
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ ロバン
(72)【発明者】
【氏名】フレデリク デトベル
【審査官】 塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−239798(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0029915(US,A1)
【文献】 特表2012−525979(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3007207(JP,U)
【文献】 特開2003−139144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 11/00−11/34
B21D 28/36
B28B 5/08
F16C 19/16
F16C 35/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転式タブレットプレス機であって、
圧縮セクション(6)を含むハウジング(2)と、
型ディスク(40)、頂部パンチガイド(20)、底部パンチガイド(30)、及び複数のパンチ(25,35)を含むタレット(10)であって、前記タレットが、軸線方向(α)及び半径方向(r)を規定し、前記パンチが、前記タレットのピッチ(p)を規定する予め定められた半径に配置され、前記タレットが、前記回転式タブレットプレス機の使用状態において前記圧縮セクションの中に位置決めされる、タレットと、
多数の補助的な構成要素と、を備える、回転式タブレットプレス機において、
前記回転式タブレットプレス機が、前記タレットに接続されるとともに前記回転式タブレットプレス機の少なくとも一つの補助的な構成要素(11〜16)に対する支持を提供する、ベアリングアセンブリ(50)を備え、前記ベアリングアセンブリが、ベアリング(51)と、少なくとも一つの前記補助的な構成要素のための支持手段(60)と、を備え、前記ベアリング(51)が前記半径方向(r)において前記タレットの前記ピッチ(p)の外側に位置決めされることにより、前記タレットに対する基準点が提供されることを特徴とする回転式タブレットプレス機。
【請求項2】
前記ベアリングアセンブリ(50)が、前記タレットの前記軸線方向(α)及び前記半径方向(r)における支持を提供する、請求項1に記載の回転式タブレットプレス機。
【請求項3】
前記ベアリング(51)が、ボールベアリング、四点接触ボールベアリング、又は予荷重ベアリング、を設ける、請求項1又は2に記載の回転式タブレットプレス機。
【請求項4】
前記支持手段(60)が使用中に回転するのを防止する回転止め要素(62)が設けられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転式タブレットプレス機。
【請求項5】
前記ベアリングアセンブリ(50)が、ベアリング(51)と、ベアリングハウジング(52,53)と、支持フランジ(61)と、を備え、前記ベアリングハウジングが、前記タレットの外側を向く周囲部に接続される内側ベアリングハウジング部分(52)と、前記支持フランジ(61)に接続される外側ベアリングハウジング部分(53)と、を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転式タブレットプレス機。
【請求項6】
前記内側ベアリングハウジング部分(52)が、前記タレットの外側を向く周囲部を構成する段部(31,32)において前記下側パンチガイド(30)に接続される、請求項5に記載の回転式タブレットプレス機。
【請求項7】
前記ベアリングアセンブリ(50,60)が、前記タレットの内側を向く周囲部に接続されるベアリング(51)を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転式タブレットプレス機。
【請求項8】
前記ベアリング(51)が、前記下側パンチガイド(30)から垂れ下がるフランジ(33)に接続される、請求項7に記載の回転式タブレットプレス機。
【請求項9】
前記ベアリングアセンブリ(50,60)が、前記頂部パンチガイド(20)に接続される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転式タブレットプレス機。
【請求項10】
前記ベアリングアセンブリ(50,60)が、前記型ディスク(40)に接続される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転式タブレットプレス機。
【請求項11】
少なくとも一つの前記補助的な構成要素(11〜16)が、前記補助的な構成要素(11〜16)の接続を断つことなく、前記タレット(10)と共に前記ハウジング(2)の前記圧縮セクション(6)からの取り外しを可能にするために、前記支持手段に取り付けられる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の回転式タブレットプレス機。
【請求項12】
少なくとも一つの前記補助的な構成要素が、前記タレット(10)の一つ又は複数のフィーダ(12)を備える、請求項11に記載の回転式タブレットプレス機。
【請求項13】
少なくとも一つの前記補助的な構成要素がカバー(16)を備える、請求項1〜12のいずれか一項に記載の回転式タブレットプレス機。
【請求項14】
前記カバー(16)が、軽量で透明な材料で作成されている、請求項13に記載の回転式タブレットプレス機。
【請求項15】
前記カバー(16)が、一部品、又は、限定された数の部品で作成されている、請求項13又は14に記載の回転式タブレットプレス機。
【請求項16】
前記カバー(16)には、ロック手段が設けられる、請求項13〜15のいずれか一項に記載の回転式タブレットプレス機。
【請求項17】
封止材(57)が前記タレット(10)と前記支持手段(60)との間に設けられる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の回転式タブレットプレス機。
【請求項18】
回転式タブレットプレス機の少なくとも一つの補助的な構成要素の調整を提供するための方法であって、
前記回転式タブレットプレス機に、圧縮セクションを含むハウジングと、型ディスク、頂部パンチガイド、及び底部パンチガイドを含む回転式タレットと、を提供するステップであって、該タレットが軸線方向及び半径方向を規定する、ステップと、
前記タレットを、前記回転式タブレットプレス機の使用状態において前記圧縮セクションの中に提供するステップと、
ベアリングアセンブリを提供するステップと、
前記ベアリングアセンブリを前記タレットに接続するステップと、
少なくとも一つの補助的な構成要素を前記ベアリングアセンブリに接続するステップと、を含み、
前記ベアリングアセンブリが、前記タレットを基準にして少なくとも一つの前記補助的な構成要素を調整するための基準点を提供することを特徴とする方法。
【請求項19】
前記軸線方向及び前記半径方向に支持が提供される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも一つの前記補助的な構成要素が、前記タレットから前記補助的な構成要素の接続を断つことなく、前記タレットと共に前記ハウジングの前記圧縮セクションから取り外される、請求項18又は19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮セクションを含むハウジングと、型ディスク、頂部パンチガイド、底部パンチガイド、及び複数のパンチを含むタレットであって、タレットが軸線方向及び半径方向を規定し、パンチがタレットのピッチを規定する予め定められた半径に配置され、タレットが、回転式タブレットプレス機の使用状態において圧縮セクションの中に位置決めされる、タレットと、多数の補助的な構成要素と、を備える、回転式タブレットプレス機に関する。本発明はさらに、回転式タブレットプレス機の少なくとも一つの補助的な構成要素の調整を提供するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる回転式タブレットプレス機において、タレットは、回転式タブレットプレス機の使用状態において、すなわち、タブレットプレス機が運転中であるときに、圧縮セクションの中に位置決めされる。タレットは、頂部パンチガイドと底部パンチガイドとの間に固定された型ディスクを含む多数の部品又は構成要素を備える。代替的に、型ディスクは、一部品又は二部品のタレットにおいて、頂部及び/又は底部パンチガイドと一体化される。タレットは、駆動手段に連結されたスピンドルによって回転駆動され、そうして、タレット全体が作業中に回転する。粉末又は顆粒の材料が、プレス機ハウジングに接続されたフィーダによって回転式タブレットプレス機の型穴内に供給される。回転は、すなわち、頂部及び底部パンチガイド内に収容されたパンチが往復運動させられて材料をタブレットに圧縮することを必然的に伴う。
【0003】
製造中における、例えば、一つの材料から別の材料へ、又は、一つのタブレットの大きさ若しくは形状から別の大きさ若しくは形状へ、又は、一つのプレスセクションから複数のプレスセクションへの切り替え、或いは、単一層から多層(例えば二層若しくは幾つかの層)製造へ、及び/又は、乾燥被覆タブレットへ及び乾燥被覆タブレットからの切り替えを行うために、タレット全体及び補助的な構成要素が伝統的に取り外されて、タレットを洗浄するか、又は、タレットのパンチ及び型を交換するか、又は、種々の構成要素(例えば、単一層から二層へ切り換える)を導入するか若しくは取り外す。その後、タレット及び補助的な構成要素が、圧縮セクションの中に戻されて位置決めされ、恐らく調整される。
【0004】
しかしながら、この処置は、多数の欠点を有する。第一に、種々の補助的な構成要素は、タレットが取り外され得る前に、プレス機から取り外される必要があり、このことが次いで、切り替え時間に影響を及ぼす。第二に、補助的な構成要素はさらに、タレットがプレス機ハウジングの中に戻されて位置決めされた場合にしか導入できない。
【0005】
このことを解決するために、タレットと一緒に補助的な構成要素を取り外す解決策が提案されている。先行技術のタブレットプレス機の例が、EP1050399A2と、CourtoyのEP1423260B1及び交換可能な圧縮モジュール(Exchangeable Compression Module(ECM))のコンセプトを使用する市場で入手可能なタブレットプレス機MODUL(登録商標)をもたらすWO03/020499A1と、に記載されている。しかしながら、タレットが一つのプレス機から別のプレス機へ移されるときに、再調整がそのため必要とされ、再び切り替え時間を増加させるかもしれない。提案された解決策であっても、補助的な構成要素は、プレス機ハウジング、特にそのフレームを基準にされ、構成要素の位置は、タレットがプレス機の内部に導入されたときしか調整できない。
【0006】
プレス機の内部における構成要素の調整は、特に幾つかの構成要素がタレット及びハウジングそれ自体に存在する多層構成の場合に、及び、さらにインテークシステムが型穴の内部にコアを設置することを必要とする乾燥被覆タブレットの場合に、プレス機内の制限されたアクセス性に起因して容易なことではない。これは、プレス機ハウジングの洗浄を必要とせず、ゆえに素早い切り替えを容易にすることを保証するために、圧縮ゾーンを抑制しつつECMのないラインを洗浄する可能性を提供した先行技術の装置の場合にもいえる。しかしながら、アクセス性及び洗浄性は、特に、多層製造の場合のように幾つかの構成要素が存在するとき、必ずしも容易になるものではない。
【0007】
しかしながら、前述した先行技術のタブレットプレス機の全てにおいて、良好に機能する解決策を提供するが、回転式タブレットプレス機の全ての部品が適切な機能を確保するために正確に位置決めされることを保証することは、難題である。
【発明の概要】
【0008】
この背景により、本発明の目的は、序文に述べた種類の回転式タブレットプレス機を提供することにより、アクセス性及び洗浄性だけでなく、調整の精度及び効率性を増大させることである。
【0009】
第一の態様において、この目的及びさらなる目的は、回転式タブレットプレス機が、タレットに接続されるとともに回転式タブレットプレス機の少なくとも一つの補助的な構成要素に対する支持を提供する、ベアリングアセンブリを備え、ベアリングアセンブリが、ベアリングと、少なくとも一つの補助的な構成要素のための支持手段と、を備え、ベアリングが半径方向においてタレットのピッチの外側に位置決めされることをさらに特徴とする、回転式タブレットプレス機によって達成される。
【0010】
かかるベアリングアセンブリを提供することによって、プレス機のハウジングではなく、タレットに対する基準点を得ることが可能になる。そうして、補助的な構成要素が、タブレットプレス機の関連部品、すなわち、タレットに対して明確に規定された位置を有する。かかる構成要素の位置はさらに、ハウジングの圧縮セクションの外側におけるタレットに対して較正されてもよく、このことが処置をさらにより容易にする。タレットのピッチの外側におけるベアリングの位置は、簡単化及び最適な精度を保証する。調整及び基準点の提供は、タブレットシュート、抽出ノズル、カム、スクレーパ、コアインテーク装置などを含むが限定されない種々の補助的な構成要素に関連する。容易な調整及び基準化から利益を得る他の補助的な構成要素としては、カバー及び関連する封止材を含み得る。
【0011】
ベアリングアセンブリは、原則的に、軸線方向又は半径方向のいずれかのみにおいて支持を提供し得る。しかしながら、好適な実施形態では、ベアリングアセンブリが、タレットの軸線方向及び半径方向における支持を提供する。タレットが直立位置にあるときに、タレット及び次いで型テーブルに対する補助的な構成要素の軸線方向の位置、すなわち、垂直位置だけでなく、型プレート及び型からの半径方向の位置及び距離に対する基準を提供することは、プレス機ハウジングの外側のかかる補助的な構成要素の位置の確認及び調整を容易にする。タレットに対するベアリングアセンブリの固定された軸線方向及び半径方向の位置のために、タレットに対するあらゆる構成要素の位置は、ベアリングアセンブリ上の所望の位置に取り付けられると、軸線方向及び半径方向の双方において明確に規定される。ゆえに、半径方向及び軸線方向の双方において支持が与えられる。要求される精度は、あらゆる方向においてあらゆる補助的な構成要素にとって必ずしも等しくない。例えば、ベアリングアセンブリがフィーダの軸線方向の位置のための基準を形成することは、特に有利である。半径方向における支持及び基準化は、スクレーパ及びレキュパレーションフィンガといった特定の構成要素において、これら構成要素が慣例的に軸線方向で型テーブルの頂部に浮遊自在であり、軸線方向の移動がヒンジ要素によって又は特別なボルトによる接続によって可能にされるために、特に有利である。半径方向及び軸線方向の位置の双方における支持が重要である補助的な構成要素の例は、抽出ノズル、エジェクションフィンガ、乾燥被覆タブレットの製造に場合におけるコアインテークシステム、及び、底部カムである。
【0012】
ベアリングは、原則的に、この目的のために適した任意の考えられるベアリングでよいが、好適な実施形態では、ボールベアリング、好ましくは、高い精度及び高い耐荷重を保証するために、より好ましくは予荷重され得る四点接触ボールベアリングである。
【0013】
好ましくは、支持手段には使用中に回転するのを防止する回転止め要素が設けられる。回転止め要素は、搭載を容易にするためにプレス機のハウジングに接続されてもよい。
【0014】
一つの機構的に簡単で信頼性のある実施形態において、ベアリングアセンブリが、ベアリングと、ベアリングハウジングと、支持フランジと、を備え、ベアリングハウジングが、タレットの外側を向く周囲部に接続される内側ベアリングハウジング部分と、支持フランジに接続される外側ベアリングハウジング部分と、を含む。この実施形態のさらなる発展において、内側ベアリングハウジング部分は、タレットの外側を向く周囲部を構成する段部において下側パンチガイドに接続される。
【0015】
代替的に、ベアリングアセンブリは、タレットの内側を向く周囲部に接続されるベアリングを備え、該ベアリングは、ベアリングアセンブリの周囲部の範囲を低減する。この実施形態のさらなる発展において、ベアリングは、下側パンチガイドから垂れ下がるフランジに接続される。
【0016】
多くの補助的な構成要素が伝統的に下方から支持されるために最も都合が良い、タレットの底部レベルにおけるベアリングアセンブリの位置決めの代替として、ベアリングアセンブリは、頂部パンチガイド又は型ディスクに接続されてもよい。このことは、最大限の柔軟性を保証する。
【0017】
少なくとも一つの補助的な構成要素は、補助的な構成要素(単数又は複数)の接続を断つことなく、タレットと共にハウジングの圧縮セクションからの取り外しを可能にするために、支持手段に取り付けられることが好ましい。タレットに接続した取り外しは、素早い切り替えを提供し、搭載されると、タレットに対する補助的な構成要素の位置が、常時、固定されたままになる。プレス機に依存した再調整の必要なしに異なるプレス機において同じタレットを使用できる。例えば、特定の構成要素の位置を、工場において既に規定することさえできる。タレットを、次の製造工程のためにプレス機から外して完全に準備することができ、その結果として、素早い切り替えをもたらす。単一層から多層へ又はその逆への変更であっても、プレス機から外して準備できる。特定の構成要素の位置合わせが必要とされる場合、全ての部品に対する良好なアクセスのために、これを比較的容易に行うことができる。
【0018】
好適な実施形態において、少なくとも一つの補助的な構成要素は、タレットの一つ又は複数のフィーダを含む。タレットに対するフィーダ(単数又は複数)の位置の精度に対する要件は、特に断固としている。タレットが直立位置にあるとき、タレットに対する補助的な構成要素の軸線方向の位置、すなわち、垂直位置の基準化の実施可能性は、その位置がプレス機の良好な作動を保証して粉末損失を最少化するように十分に制御されなければならないので、プレス機のフィーダにとって特に関心がある。今まで、フィーダの軸線方向又は垂直方向の位置は、常に、プレス機ハウジングに接続された支持部によって規定されていた。その場合には、型テーブルに対するフィーダの位置は、タレットがプレス機ハウジングの内部に搭載される場合のみ調整及び最適化ができた。しかしながら、特に、多数の構成要素がタブレットプレス機の周りに配置される多層タブレット構成の場合には、プレス機ハウジングの内部において、アクセス性が制限された。
【0019】
容易な調整及び基準化から利益を得る他の補助的な構成要素は、カバーを含み得る。
【0020】
カバーは、軽量で、好ましくは透明な材料で作成されてもよく、該材料は、カバーの扱いを容易にする低減した重量を保証し、好ましいさらなる発展において、圧縮領域の良好な可視化を必然的に伴う。
【0021】
カバーは、一部品で作成されてもよいし、又は、限定された数の部品から組み立てられてもよく、構造の複雑性及び関連する製造ミス、漏れ、及び、劣悪な耐洗浄性のリスクを低減する。次いで、これは、先行技術のECM設計と比較したときに封止材の数を低減することを可能にし、そうして、有毒生成物の漏れに伴う潜在的なリスクを低減する。カバーはタレットと一緒に圧縮セクションから取り外されてもよいので、タレットがタブレットプレス機の外側にあるときには、恐らくカバーは容易に取り外され、アクセス性を増大して洗浄を容易にする。簡単なカバーのコンセプトはさらに、交換可能な型ディスクを組み込む構成と相性が良く、カバーが取り外されると、タレットの上側部分を持ち上げることができ、型ディスクを別のものと交換することができる。さらに、カバーは、カバーとベアリングアセンブリの支持手段との間のきつい密封を保証するためのロック手段が設けられてもよい。
【0022】
好ましくは、封止材は、タレットと支持手段との間に設けられる。
【0023】
第二の態様において、少なくとも一つの補助的な構成要素の調整を提供するための方法が創案される。
【0024】
さらなる詳細及び利点は、残りの従属形式の請求項から、及び、好適な実施形態の詳細な説明から、及び、後説する方法を行うための例から現れる。
【0025】
以下では、本発明は、実施形態の例示及び概略図を参照することによってより詳細に説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】回転式タブレットプレス機の斜視全体図を示す。
図2】本発明の実施形態における回転式タブレットプレス機の詳細の、拡大縮尺における斜視図を示す。
図3】下から見た、図2に示す実施形態の詳細の斜視図を示す。
図4図2及び図3の実施形態におけるタレット、支持プレート、及び、ベアリングの部分を通る、拡大縮尺における断面図を示す。
図5】本発明による回転式タブレットプレス機のさらなる実施形態の詳細の斜視図を示す。
図6】本発明による回転式タブレットプレス機のさらなる実施形態の詳細の斜視図を示す。
図7a】回転式タブレットプレス機のさらなる実施形態の概略的な軸線方向の断面図を示す。
図7b】回転式タブレットプレス機のさらなる実施形態の概略的な軸線方向の断面図を示す。
図8】タレットの底部に位置決めされた支持プレートを伴うタレットの詳細を含む回転式タブレットプレス機の依然さらなる実施形態の概略的な軸線方向の断面図を示す。
図9】タレットの型ディスクに位置決めされた支持プレートを伴うタレットの詳細を含む回転式タブレットプレス機の依然さらなる実施形態の概略的な軸線方向の断面図を示す。
図10】タレットの頂部に位置決めされた支持プレートを伴うタレットの詳細を含む回転式タブレットプレス機の依然さらなる実施形態の概略的な軸線方向の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
概して1で示される回転式タブレットプレス機の第一の実施形態を示す図1の概略全体図をまず参照すると、回転式タブレットプレス機1は、フレーム3及び外側ライニング4を備えるプレス機ハウジング2を有する。プレス機ハウジング2は、三つのセクションからなり、これらセクションは、互いに重ねて設置され、隔壁によって分離される。駆動セクション5を示す下側セクションは、プレス機の底部フレーム7によって、圧縮セクション6を示す中央セクションから分離されており、圧縮セクション6は、プレス機の頂部フレーム9によって、付属セクション8を示す上側セクションから分離されている。図1は、さらに、機械部品の過剰な汚染を防止するために存在する蓋21、22、及び、23を示している。
【0028】
本発明に関連する部品のみを詳細に記載することに留意されたい。回転式タブレットプレス機の作動に関する詳細な情報のため、前述したWO03/020499A1及びWO2009/112886A1(Courtoy)を参照する。
【0029】
それ自体既知の方法で、ハウジング2はタレット10を収容しており、タレットの部品が図2及び図3においてより詳細に示されている。タブレットプレス機の作動中において、タレット10は、ハウジング2の圧縮セクション6の中に位置決めされるが、図1に示すように、例えば、部品などの洗浄、切り替えを可能にするために、圧縮セクション6から取外されてもよい。
【0030】
タレット10は、頂部パンチガイド20と、底部パンチガイド30と、頂部パンチガイド20と底部パンチガイド30との間の型ディスク40と、を備える。図示された実施形態において、型ディスク40は、実質的に、板形状であり、タブレットを所望の形状及び大きさに成形するのに適した対応する数の型(図示せず)を収容する多数の穴41を有する。
【0031】
さらに、図7の概略図を参照すると、穴41は、タレット10のピッチpを規定する予め定められた半径に配置される。穴41は、型ディスク40の外側境界近傍の周方向線に沿って均等に分布され、各々の穴41は、タレットによって規定されてタレットの垂直回転軸線と同心の軸線方向αに平行な軸線に配置される。穴41は、図7に示されるように、型45を受容してもよい。頂部及び底部パンチ25及び35は、それぞれ、頂部パンチガイド20及び底部パンチガイド30に形成された対応するガイド穴においてガイドされる。パンチ25,35は、タレットの中に相互に収容され、それにより、各々のパンチの第一端部は、型又は穴の中に材料を圧縮するために、そのガイド穴における関連するパンチの変位によって、対応する型に、又は、型が存在しない場合には穴それ自体に進入できる。
【0032】
各々のパンチ25,35の第二端部は、タレットの回転によってパンチの軸線方向の変位をもたらすために、プレス機ハウジングに対して、それぞれ、固定して配置された頂部及び底部カムと周知の方法で協働する。これらカムは、タレットの周囲の部分に沿って、かつ、穴又は型内の材料の圧縮を行うべき周囲位置において、延在するに過ぎず、頂部及び底部予圧ローラと、頂部及び底部主圧ローラとが、それぞれ、ポンチの変位を引き継ぐ。代替的に、圧縮カムが、予圧及び/又は主圧用の圧縮ローラの代わりに使用されてもよい。
【0033】
多数の補助的な構成要素が設けられる。かかる補助的な構成要素のリストは、完全ではないが、型穴から、タブレットの形状に圧縮された材料を導き出すために所定の角度でタレット10から突出するタブレットシュート11と、型ディスク40と頂部パンチガイド20との間に延在していて、自身から型ディスクに粉末又は顆粒を供給するフィーダ12と、垂直、すなわち、タレットの軸線方向に延在していて、自身から粉末又は顆粒がタレット10に進入してフィーダ12に供給される粉末入口管13と、を含む。さらに、過剰な粉末をかき取るのに適していて、それにより、所望量の粉末のみが型ディスク内に存在することを保証するスクレーパ14aと、吸入機構にほこりを抽出するための抽出管へ接続された抽出ノズル14bと、エジェクションフィンガ15と、が図示されている。図2及び図3において特に参照されない、さらなる補助的な構成要素、例えばレキュパレーションフィンガ及びカム(図示せず)も存在してよい。他の要素がタブレットプレス機に存在してよく、所望の設定に従ってタブレットプレス機を制御するための手段が設けられてもよい。
【0034】
図示された実施形態において、片面回転式タブレットプレス機1は、単一層タブレットの製造に適している。しかしながら、幾つかのフィーダ、スクレーパ、圧縮ローラ、エジェクションステーション、コアインテーク要素などと共に、複数の圧縮ステーションを伴う構成、多層の構成、及び、乾燥被覆タブレット製造用の構成が可能である。
【0035】
回転式タブレットプレス機1は、概略的に50で示されていてタレット10に接続されるとともに、タレットの軸線方向において回転式タブレットプレス機の少なくとも一つの補助的な構成要素に対する支持を提供する、ベアリングアセンブリを備える。さらに詳細に後述するように、ベアリングアセンブリは、ベアリング51と、少なくとも一つの補助的な構成要素のための概略的に60で示された支持手段と、を備える。ベアリング51は、半径方向rにおいてタレットのピッチpの外側に位置決めされる。本出願との関連において、用語「ベアリングアセンブリ」は、ベアリングと、そのハウジングと、タレットに対してベアリングを搭載するのに必要とされる要素と、ベアリングに対する補助的な構成要素の接続を可能にするのに必要とされる要素と、を備える構造を包含すべきである。多数の同心列のパンチの場合には、「ピッチの外側」という特徴は、最外列のパンチのピッチの外側を意味するものと解釈すべきであることに留意されたい。
【0036】
図4により詳細に示されるように、一実施形態における支持手段60は、環状の支持フランジ61を備える。
【0037】
ベアリングアセンブリ50は、軸線方向においてタレットに対する一つ以上の補助的な構成要素の基準点を提供する。また、半径方向における位置が確立される。図2及び図3に示される実施形態において、環状の支持フランジ61に接続される、突出する支持セクション62は、フィーダ12を支持するために設けられる。支持セクション62は、プレス機ハウジングに接続される対応物(図示せず)と相互作用する回転止め要素としても機能する。
【0038】
補助的な構成要素又は複数の構成要素、例えば、前述した補助的な構成要素11〜15は、タレットから補助的な構成要素又は複数の構成要素の接続を断つことなく、タレット10と共にハウジング2の圧縮セクション6からの取り外しを可能にするために、支持手段に取り付けられる。
【0039】
図4に示される実施形態において、ベアリングアセンブリ50は、ベアリング51と、ベアリングハウジング52,53と、支持フランジ61と、を備え、ベアリングハウジングは、タレットの外側を向く周囲部に接続された内側ベアリングハウジング部分52と、支持フランジ61に接続された外側ベアリングハウジング部分53と、を含む。内側ベアリングハウジング部分52は、タレットの外側を向く周囲部を構成する段部31,32において下側パンチガイド30に接続される。内側ベアリングハウジング部分52は、ボルト55によって代表される締結手段によって底部パンチガイド30に接続され、外側ベアリングハウジング部分53は、ボルト54によって支持フランジ61に接続される。封止材56,58は、周囲からベアリング51自体を密封する。最後に、封止材57が、タレット10と支持手段60との間に設けられ、粉末及び洗浄流体による汚染に対してベアリングアセンブリを保護する。
【0040】
ベアリング51は、耐荷重及び精度に関する要求を満足できる任意の種類のベアリングでよい。図4に示される実施形態において、ベアリング51は、四点接触ボールベアリング、好ましくは予荷重ベアリングの全体像として図示されている。考えられるベアリングの他の種類は、ローラベアリング(円錐又は円柱)と、クロスローラベアリングと、ニードルベアリングと、コンバインドベアリングと、プレーンベアリングと、を含む。
【0041】
図5及び図6を参照して、回転式タブレットプレス機のさらなる実施形態を記載する。この記載において、図2及び図3に示した実施形態と比べた相違点のみを詳細に記載し、第一の実施形態から僅かな逸脱が生じ得るとしても、同一又は類似の機能を有する要素は、同じ参照番号を携える。
【0042】
図示される実施形態において、カバー16が、支持手段の一部を形成する支持プレート64に取り付けられる。カバー16は、図6において概略的に示されるように透明な材料で作成され、好ましくは、軽量の材料で作成される。しかしながら、カバーは、不透明な材料でも作成でき、一つ又は幾つかの透明な部分又は窓を有することができる。カバー16は、支持プレートに接続して設置され、封止材64aによって支持プレートに対して密封する。図示されないが、カバーと支持プレートとの間の堅固な密封を保証するために、ロック手段が設けられてもよい。図示される実施形態において、カバー16はさらに、タレット10の頂部にわたって延在するとともに、カバーの内部への管材料、又は、フィーダホイールを駆動するシャフト伝動装置、センサケーブル、頂部カム、及び、周囲に連通して圧縮チャンバからタブレットプレス機の周囲への流出を防止するように配置される逆止弁といった他の要素を受容するための一つ以上の開口16aを備える。カバーとこれら要素との間の隙間を密封するために、封止材を設けることができる。カバー16の場合には、カバー16が設置される、支持プレート60のようなプレート状の支持要素を設けることが、最も都合が良い。これは、必ずしも追加のプレートではなく、延在した支持フランジとすることもできるし、又は、さらに半径方向に伸長したベアリングハウジングとすることもできる。結局のところ、図示される実施形態において、封止材24が、タレット10の頂部パンチガイドとカバー16との間を密封する。
【0043】
カバー16は、一体化部品として、又は、限定された数の別個のカバー部品として、タレット及び支持プレートから取り外すことができる。タレットが依然としてタブレットプレス機の内部にあるときには、カバーを部分的に又はさらに完全に取り外すことも選択肢である。
【0044】
図7aに示す代替的な実施形態において、ベアリングアセンブリ50,60は、タレットの内側を向く周囲部に、すなわち、下側パンチガイド30から垂れ下がるフランジ33に、接続されたベアリング51を備える。
【0045】
図7bのさらに代替的な実施形態において、ベアリング51は、底部パンチガイド30の底面に取り付けられるとともに、ダボピン65によって中心にくるように位置決めされる。この実施形態の他の詳細は、図7aに示した実施形態のものと実質的に対応する。
【0046】
図8から図10において、タレットに対するベアリングアセンブリの三つの異なる位置が示されている。
【0047】
図8は、ベアリングアセンブリ50,60が底部パンチガイド30に接続された際の、図2から図3図4、及び、図5から図6の実施形態に実質的に対応する。
【0048】
図9の実施形態では、ベアリングアセンブリ50,60が型ディスク40に接続されている。
【0049】
最後に、図10の実施形態では、ベアリングアセンブリ50,60が頂部パンチガイド20に接続されている。
【0050】
本発明は、図示されるとともに前述された実施形態に限定されない。添付した請求の範囲から逸脱することなく、幾つかの組み合わせ及び変更が行われてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9
図10