(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6353071
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】雨除けシステム及びそれを有する電動自動車
(51)【国際特許分類】
B60J 7/00 20060101AFI20180625BHJP
【FI】
B60J7/00 A
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-560755(P2016-560755)
(86)(22)【出願日】2014年4月1日
(65)【公表番号】特表2017-509543(P2017-509543A)
(43)【公表日】2017年4月6日
(86)【国際出願番号】CN2014074538
(87)【国際公開番号】WO2015149278
(87)【国際公開日】20151008
【審査請求日】2017年3月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】516293808
【氏名又は名称】深▲せん▼市智輪電動車駆動技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】▲ゴン▼ 蜀剛
(72)【発明者】
【氏名】張 文
(72)【発明者】
【氏名】郭 亜楠
(72)【発明者】
【氏名】郭 之霊
(72)【発明者】
【氏名】梁 興平
【審査官】
上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−176213(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0126260(US,A1)
【文献】
特開2009−262906(JP,A)
【文献】
実開昭60−103017(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアが上に開いた後の雨除けに用いられる雨除けシステムであって、
車両フレーム前横梁に取り付けられた雨除け伸縮収納装置を含み、
前記雨除け伸縮収納装置は、ローラと、前記ローラに巻き取られる雨除けシートと、前記ローラの回転を駆動する駆動アセンブリと、を含み、
前記ローラと前記駆動アセンブリはいずれも前記車両フレーム前横梁に固定され、前記車両フレーム前横梁に支持板が接続され、
前記雨除けシステムは、前記支持板に設置され、前記ローラに巻き取られた前記雨除けシートを外に延伸するよう駆動する雨除けシート駆動装置を含み、
前記雨除けシートと前記ドアの間に前記雨除けシートの移動をガイドするガイドアセンブリが設置され、
前記雨除けシート駆動装置は動力アセンブリと収納アセンブリを含み、前記動力アセンブリと前記収納アセンブリはいずれも前記支持板に接続され、
前記動力アセンブリは通風ファンと送風主管を含み、前記送風主管の片端は前記通風ファンに接続され、他端は前記雨除けシートに接続され、前記送風主管に気体配分バルブが直接接続され、前記雨除けシート内にエアダクトが配置され、且つ前記雨除けシートに吸気口が設置され、前記送風主管の他端は前記吸気口に接続されることを特徴とする雨除けシステム。
【請求項2】
前記雨除けシートの両側と展開された片端の端にいずれも前記エアダクトが設置されており、各前記エアダクトは連通しており、前記吸気口は展開された片端の前記エアダクトの中点に設置され、前記送風主管は前記雨除けシートの末端から前記雨除けシートの対称軸にそって前記雨除けシートの展開する片端に向かって延伸し、且つ前記吸気口に接続されることを特徴とする請求項1に記載の雨除けシステム。
【請求項3】
前記収納アセンブリは、前記支持板に固定的に取り付けられた送風主管ガイド固定台座と、前記支持板でスライドできる送風主管ガイド伸縮台座と、前記支持板に固定され前記送風主管ガイド伸縮台座のスライドを駆動する送風主管駆動アセンブリと、を含み、前記送風主管ガイド固定台座と前記送風主管ガイド伸縮台座にいずれも複数の回転可能な送風主管ガイド軸がそれぞれ設置され、前記送風主管は前記送風主管ガイド軸に巻き付いていることを特徴とする請求項1に記載の雨除けシステム。
【請求項4】
前記送風主管駆動アセンブリは、牽引ワイヤと、導車固定台座と、送風主管駆動モータと、を含み、前記導車固定台座と前記送風主管駆動モータは対向して前記支持板に設置され、且つ前記送風主管ガイド固定台座と前記送風主管ガイド伸縮台座はいずれも前記導車固定台座と前記送風主管駆動モータの間に設けられ、前記送風主管ガイド固定台座に取り付け板が固定的に接続され、前記導車固定台座は前記取り付け板に固定して取り付けられ、前記導車固定台座と前記送風主管駆動モータにはいずれも牽引ワイヤ導車が設置され、前記牽引ワイヤは前記牽引ワイヤ導車を避け、両端はいずれも前記送風主管ガイド伸縮台座に接続されることを特徴とする請求項3に記載の雨除けシステム。
【請求項5】
前記牽引ワイヤの片端はバネによって前記送風主管ガイド伸縮台座に接続されることを特徴とする請求項4に記載の雨除けシステム。
【請求項6】
前記取り付け板と前記支持板にはいずれもレールが設置され、前記送風主管ガイド伸縮台座の上下端にはいずれもローラが設置され、前記ローラは相応して前記レールに接続されることを特徴とする請求項4に記載の雨除けシステム。
【請求項7】
ドアが上に開いた後の雨除けに用いられる雨除けシステムであって、
車両フレーム前横梁に取り付けられた雨除け伸縮収納装置を含み、
前記雨除け伸縮収納装置は、ローラと、前記ローラに巻き取られる雨除けシートと、前記ローラの回転を駆動する駆動アセンブリと、を含み、
前記ローラと前記駆動アセンブリはいずれも前記車両フレーム前横梁に固定され、前記車両フレーム前横梁に支持板が接続され、
前記雨除けシステムは、前記支持板に設置され、前記ローラに巻き取られた前記雨除けシートを外に延伸するよう駆動する雨除けシート駆動装置を含み、
前記雨除けシートと前記ドアの間に前記雨除けシートの移動をガイドするガイドアセンブリが設置され、
前記駆動アセンブリは、それぞれ前記ローラの両端に接続されるローラ駆動モータと、前記ローラと前記ローラ駆動モータを接続するベルトと、を含み、前記ローラ駆動モータと前記ローラは平行に前記車両フレーム前横梁に設置されることを特徴とする雨除けシステム。
【請求項8】
ドアが上に開いた後の雨除けに用いられる雨除けシステムであって、
車両フレーム前横梁に取り付けられた雨除け伸縮収納装置を含み、
前記雨除け伸縮収納装置は、ローラと、前記ローラに巻き取られる雨除けシートと、前記ローラの回転を駆動する駆動アセンブリと、を含み、
前記ローラと前記駆動アセンブリはいずれも前記車両フレーム前横梁に固定され、前記車両フレーム前横梁に支持板が接続され、
前記雨除けシステムは、前記支持板に設置され、前記ローラに巻き取られた前記雨除けシートを外に延伸するよう駆動する雨除けシート駆動装置を含み、
前記雨除けシートと前記ドアの間に前記雨除けシートの移動をガイドするガイドアセンブリが設置され、
前記ガイドアセンブリは、前記ドアのスライドレールと、片端が前記雨除けシートに接続され、他端が前記スライドレールに接続される雨除けレバーと、を含み、前記雨除けレバーと前記スライドレールが接続する片端にローラが設置されていることを特徴とする雨除けシステム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の雨除けシステムを含むことを特徴とする電動自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車の雨除けシステムの技術分野に属し、特に伸縮可能な雨除けシステム及びそれを有する電動自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー危機、環境問題が日々深刻化するにつれ、従来の石油エネルギーの代わりに持続的で、汚染がなく、クリーンエネルギーで代替することは全体的な流れになっており、石油エネルギーの消費と環境に対する汚染が比較的大きい交通ツール(飛行機、汽船、自動車など)は、常に改善の研究に励んできた。
【0003】
石油に対する依存を減らすため、5つの市場に電気エネルギーをエネルギーとした電動自動車が現れた。従来の電動自動車において、ドアが横で開くものもあれば、上の方に開放式に開くものもあり、開いた後、車内全体が曝露され、何のカバーもない状態になる。横にドアが開く電動自動車にとって、車体のルーフは風や雨を避けることが出来る。しかしドアが上に開く開放式自動車にとって、通常運転の際、ドアは雨除けの作用を果たすが、ドアが上に開いた後、ドアは雨除けの働きをせず、車内が簡単に濡れ、電動自動車の正常運転に不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は上記従来技術の欠陥を克服することにあり、素早く延伸でき、雨除け効果に優れ、操作しやすく、ドアが上に開く電動自動車の正常使用を確保すると同時に電動自動車のランクをアップさせ、より気配りができる雨除けシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術的解決手段は以下の通りである。ドアが上に開いた後の雨除けに用いられる雨除けシステムであって、車両フレーム前横梁に取り付けられた雨除け伸縮収納装置を含み、前記雨除け伸縮収納装置は、ローラと、前記ローラに巻き取られる雨除けシートと、前記ローラの回転を駆動する駆動アセンブリと、を含み、前記ローラと前記駆動アセンブリはいずれも前記車両フレーム前横梁に固定され、前記車両フレーム前横梁に支持板が接続され、前記雨除けシステムは、前記支持板に設置され、前記ローラに巻き取られた前記雨除けシートを外に延伸するよう駆動する雨除けシート駆動装置を含み、前記雨除けシートと前記ドアの間に前記雨除けシートの移動をガイドするガイドアセンブリが設置されている。
【0006】
具体的には、前記雨除けシート駆動装置は動力アセンブリと収納アセンブリを含み、前記動力アセンブリと前記収納アセンブリはいずれも前記支持板に接続される。
【0007】
具体的には、前記動力アセンブリは通風ファンと送風主管を含み、前記送風主管の片端は前記通風ファンに接続され、他端は前記雨除けシートに接続され、前記送風主管に気体配分バルブが直接接続され、前記雨除けシート内にエアダクトが配置され、且つ前記雨除けシートに吸気口が設置され、前記送風主管の他端は前記吸気口に接続される。
【0008】
具体的には、前記雨除けシートの両側と展開された片端の端にいずれも前記エアダクトが設置されており、各前記エアダクトは連通しており、前記吸気口は展開された片端の前記エアダクトの中点に設置され、前記送風主管は前記雨除けシートの末端から前記雨除けシートの対称軸にそって前記雨除けシートの展開する片端に向かって延伸し、且つ前記吸気口と接続する。
【0009】
具体的には、前記収納アセンブリは、前記支持板に固定的に取り付けられた送風主管ガイド固定台座と、前記支持板でスライドできる送風主管ガイド伸縮台座と、前記支持板に固定され前記送風主管ガイド伸縮台座のスライドを駆動する送風主管駆動アセンブリとを含み、前記送風主管ガイド固定台座と前記送風主管ガイド伸縮台座にいずれも複数の回転可能な送風主管ガイド軸がそれぞれ設置され、前記送風主管は前記送風主管ガイド軸に巻き付いている。
【0010】
具体的には、前記送風主管駆動アセンブリは牽引ワイヤと、導車固定台座と、送風主管駆動モータと、を含み、前記導車固定台座と前記送風主管駆動モータは対向して前記支持板に設置され、且つ前記送風主管ガイド固定台座と前記送風主管ガイド伸縮台座はいずれも前記導車固定台座と前記送風主管駆動モータの間に設けられ、前記送風主管ガイド固定台座に取り付け板が固定的に接続され、前記導車固定台座は前記取り付け板に固定して取り付けられ、前記導車固定台座と前記送風主管駆動モータにはいずれも牽引ワイヤ導車が設置され、前記牽引ワイヤは前記牽引ワイヤ導車を避け、両端はいずれも前記送風主管ガイド伸縮台座に接続される。
【0011】
具体的には、前記牽引ワイヤの片端はバネによって前記送風主管ガイド伸縮台座に接続される。
【0012】
具体的には、前記取り付け板と前記支持板にはいずれもレールが設置され、前記送風主管ガイド伸縮台座の上下端にはいずれもローラが設置され、前記ローラは相応して前記レールに接続される。
【0013】
具体的には、前記駆動アセンブリは、それぞれ前記ローラの両端に接続されるローラ駆動モータと、前記ローラと前記ローラ駆動モータを接続するベルトと、を含み、前記ローラ駆動モータと前記ローラは平行に前記車両フレーム前横梁に設置される。
【0014】
具体的には、前記ガイドアセンブリは、前記ドアのスライドレールと、片端が前記雨除けシートに接続され、他端が前記スライドレールに接続される雨除けレバーと、を含み、前記雨除けレバーと前記スライドレールが接続する片端にローラが設置される。
【0015】
本発明は電動自動車も提供し、上記の雨除けシステムが含まれる。
【発明の効果】
【0016】
本発明が提供する雨除けシステムは、雨除けシート駆動装置がローラに巻き取っている雨除けシートを駆動して展開させることができ、風や雨除けの機能を実現でき、同時に、ローラシャフトの回転を駆動する駆動アセンブリが設置され、雨除けシート駆動装置との共同作用により、展開された雨除けシートをローラに巻き取り、且つ、雨除けシートの移動にガイド機能を提供するガイドアセンブリを設置することにより、雨除けシートの素早く、正確な展開又は収納を実現でき、使用の信頼性を高める。このように設置することで、ドアを開けた際に雨除けシステムが、運転手及び乗客に雨除けの利便性を提供し、運転の快適さを向上させる。
【0017】
上記雨除けシステムを使用する電動自動車は、安全で、しっかりと雨除け及び風よけの機能を提供し、電動自動車が雨の日でも正常運転できるようにし、同時に、雨除けシステムの設置も車両全体の配置を向上させ、ランクが高く、より気配りができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施例の雨除けシステムの収縮状態での全体立体概略図である。
【
図2】本発明の実施例の雨除けシステムの展開状態での全体立体概略図である。
【
図3】本発明の実施例の雨除けシステムの正面図である。
【
図4】
図3におけるC−C位置の断面概略図である。
【
図5】
図4におけるD−D位置の断面概略図である。
【
図6】本発明の実施例の雨除けシステムの展開状態での平面図である。
【
図7】
図1におけるA位置の局部拡大概略図である。
【
図8】
図2におけるB位置の局部拡大概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の技術的解決手段及び利点をより明らかにするために、以下、添付する図面及び実施例を参照し本発明についてさらに説明する。本明細書に記載する実施例は、あくまでも本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定することを意図しない。
【0020】
図1、
図2、
図3及び
図7に示す通り、本発明の実施例が提供する雨除けシステム8は、ドアが上に開いたあとの雨除けに用いられる。車両フレーム前横梁の雨除け伸縮収納装置81を含み、雨除け伸縮収納装置81は、ローラ811と、ローラ811に巻き取られる雨除けシート812と、ローラ811の回転を駆動する駆動アセンブリ813と、を含み、ローラ811と駆動アセンブリ813はいずれも車両フレーム前横梁に固定される。雨除けに必要な面積が広いため、雨除けシート812の展開も比較的大きな面積を必要とするが、雨除けシート812が占める面積と車両の外観の美しさを向上させるため、雨除けシート812が必要でない場合は巻き上げているように設置し、これによって必要の際に伸縮して開くことができる。従って、雨除け伸縮収納装置81がローラ811と、雨除けシート812とローラ811の回転を駆動する駆動アセンブリ813と、を含み、雨除けシート812の片端はローラ811に固定的に接続し、他端は自由端であり、自由に伸縮できるように設置することで、駆動アセンブリ813はローラ811の回転を駆動し、雨除けシート812の巻き取りや展開機能を使用し、構造のコンパクト性と車両全体のランクを向上させる。車両フレーム前横梁に支持板82が接続され、該雨除けシステム8は支持板82に設置され、ローラ811に巻き取られた雨除けシート812を外に延伸するよう駆動する雨除けシート駆動装置83を含み、雨除けシート812とドアの間に雨除けシート812の移動をガイドするガイドアセンブリ84も設置されている。雨除けシート812の延伸駆動は雨除けシート駆動装置83によって実現するものであって、車両フレーム前横梁に設置された駆動アセンブリ813は雨除けシート812を展開したとき、雨除けシート812を出し、補助機能を提供する。雨除けシート812の巻き取りは駆動アセンブリ813によって実現するものであり、この時雨除けシート駆動装置83は巻き戻し補助の役割を果たす。同時に、雨除けシート812とドアの間に設置されるガイドアセンブリ84は、雨除けシート812を展開又は巻き取る際にガイド作用を提供し、雨除けシート812が順調に展開又は巻き取られることを確保し、且つ雨除けシート812が既定の形で展開又は巻き戻せるようにさせ、使用の信頼性を確保する。
【0021】
本発明の提供する雨除けシステム8は、ローラ811と、ローラ811の回転を駆動する駆動アセンブリ813と、雨除けシート駆動装置83との共同作用により、雨除けシート812の展開又は巻き戻しを実現し、これによって運転手に雨や風よけの働きをし、運転の快適性を確保する。同時に、雨除けシート812とドアの間に設置されるガイドアセンブリ84は、雨除けシート812を展開又は巻き取る際にガイド作用を提供し、雨除けシート812が順調に展開又は巻き取られることを確保し、且つ雨除けシート812が既定の形で展開又は巻き戻せるようにさせ、使用の信頼性を確保する。雨除けシート駆動装置83は雨除けシート812の展開を駆動し、機能が安定し、反応が速く、使用する際の要求を満たし、雨除けシステム8全体をしっかり使用できるよう確保する。
【0022】
具体的には、
図1と
図2に示すように、雨除けシート駆動装置83は動力アセンブリ831と収納アセンブリ832を含み、動力アセンブリ831と収納アセンブリ832はいずれも支持板82に接続される。支持板82と車両フレーム前横梁は垂直に接続され、且つ支持板82に設置される動力アセンブリ831と収納アセンブリ832はいずれもローラ811の中点位置にあり、これにより動力アセンブリ831は雨除けシート812を駆動しやすく、展開する際均一に受力し、バランスを保てるようにでき、動かなくなるようなことがなくなる。同時に、車種と雨除けの要求に応じるため、雨除けシート812の展開過程の移動軌道は直線移動ではなく、移動軌道は一定のカーブを保った偏向移動であるため、動力アセンブリ831はスプロケット−チェーン構造、又はローラ−牽引ワイヤ構造、通風ファン−送風主管構造などで牽引軌道の変化が可能な構造を提供できる。しかし雨除けシート812の展開をリードする過程において、牽引部品(例えばチェーン、牽引ワイヤ又は送風主管)の長さは変化しているため、従って、以上の如何なる構造を使用しようが、いずれも長さが充分な牽引部品を提供し、使用要求に応じる必要がある。本実施例は動力アセンブリ831の後方に収納アセンブリ832を設置し、指定の長さを用意した牽引部品を収納することに用いられ、雨除けシート812の展開をリードする際に牽引部品の長さ要求を満たすようにし、同時に構造全体のコンパクト性を確保し、牽引部品が順調に回収又は展開できるようにする。
【0023】
具体的には、
図1から
図6に示すように、動力アセンブリ831は通風ファン8311と送風主管8312を含み、送風主管8312の片端は通風ファン8311に接続され、他端は雨除けシート812に接続され、送風主管8311に気体配分バルブ8313が直接接続され、雨除けシート812内にエアダクト8315が配置され、且つ雨除けシート812に吸気口8314が設置され、送風主管8312の他端は吸気口8314に接続される。雨除けシート812は二層防水布で出来ており、且つ二層の防水布の間にエアダクト8315が配置され、本実施例において、送風主管8312とエアダクト8315はいずれもソフトで、塑性変形可能なパイプであり、これによって雨除けシート812をローラ811に巻き取りやすくさせ、送風主管8312を収納アセンブリ832に巻き取りやすくさせる。雨除けシート812を展開する必要がある際、通風ファン8311が作業し、生成した高圧気体は送風主管8312によって輸送され、且つ気体配分バルブ8313の配分によって、吸気口8314からエアダクト8315に入り、高圧ガスが雨除けシート812内に入る際、気体の圧力を利用し、巻き上げた状態の雨除けシート812を展開させる駆動力が発生し、この時の駆動アセンブリ813と収納アセンブリ832も同時に作業し、いずれも巻き上げた状態にある雨除けシート812と送風主管8312を送り出し、共同作用し、雨除けシート812を外に展開、延伸させ、雨除けシート812表面がスムーズであることを確保する。雨除けシート812を巻き取る際、この時通風ファン8311は空気の提供を停止し、駆動アセンブリ813と収納アセンブリ832が同時に作業し、駆動アセンブリ813はローラ811を反対方向に回転するよう駆動し、雨除けシート812を巻き上げ、エアダクト8315の高圧気体は気体配分バルブ8313によって排出され、収納アセンブリ832は余分な送風主管8312を回収し、次回使用する際に順調に展開駆動できるようにする。
【0024】
具体的には、
図2と
図6に示すように、雨除けシート812の両側と展開された片端の端にいずれもエアダクト8315が設置されており、各エアダクト8315は連通しており、吸気口8314は展開された片端のエアダクト8315の中点に設置され、送風主管8312は雨除けシート812の末端から雨除けシート812の対称軸にそって雨除けシート812の展開する片端に向かって延伸し、且つ吸気口8314と接続する。このように設置することで、送風主管8312は高圧気体1を雨除けシート812に送り込み、且つエアダクト8315の配分によって、始めはローラ811に巻き上げられた雨除けシート812がバランスよく、素早く展開できるようにさせ、雨除けの機能を実現する。雨除けシート812の両側と展開端の端にはいずれもエアダクト8315が設置され、このような対称的な設置は、生成した駆動力のバランスを確保できるだけでなく、雨除けシート812に充分な駆動力を提供し、雨除けシート812が順調に展開できることを確保する。
【0025】
具体的には、
図1から6に示すように、収納アセンブリ832は、支持板82に固定的に取り付けられた送風主管ガイド固定台座8321と、支持板82でスライドできる送風主管ガイド伸縮台座8322と、支持板82に固定され送風主管ガイド伸縮台座8322のスライドを駆動する送風主管駆動アセンブリとを含み、送風主管ガイド固定台座8321と送風主管ガイド伸縮台座8322にいずれも複数の回転可能な送風主管ガイド軸8324がそれぞれ設置され、送風主管8312は送風主管ガイド軸8324に巻き付いている。このように設置することで、送風主管駆動アセンブリの駆動により、送風主管ガイド伸縮台座8322は支持板82で繰り返し移動でき、送風主管ガイド固定台座8321と送風主管ガイド伸縮台座8322の間に巻き取られた送風主管8312を展開又は収納することにより、異なる使用要求に応じることができる。且つ、送風主管ガイド固定台座8321と送風主管ガイド伸縮台座8322にいずれも複数の回転可能な送風主管ガイド軸8324がそれぞれ設置され、送風主管8312を送風主管ガイド軸8324に巻き取る。回転する送風主管ガイド軸8324の摩擦抵抗が小さく、これによって、送風主管ガイド軸8324が送風主管8312で展開又は収納する際にガイド作用を提供し、送風主管8312の展開又は収納が便利になる。
【0026】
具体的には、
図1から
図6に示すように、送風主管駆動アセンブリはスプロケット−チェーン構造、歯車−ラック構造、或はガイドスクリュー構造、又はローラ−牽引ワイヤ構造であることが可能である。本実施例において、送風主管駆動アセンブリは牽引ワイヤ83231、導車固定台座83232と送風主管駆動モータ83233を含み、導車固定台座83232と送風主管駆動モータ83233は対向して支持板82に設置され、且つ送風主管ガイド固定台座8321と送風主管ガイド伸縮台座8322はいずれも導車固定台座83232と送風主管駆動モータ83233の間に設けられ、送風主管ガイド固定台座8321に取り付け板83234が固定的に接続され、導車固定台座83232は取り付け板83234に固定して取り付けられ、導車固定台座83232と送風主管駆動モータ83233はいずれも牽引ワイヤ導車83235が設置され、牽引ワイヤ83231は牽引ワイヤ導車83235を避け、両端はいずれも送風主管ガイド伸縮台座8322に接続される。送風主管ガイド固定台座8321を支持板82に固着させ、且つ支持板82には取り付け板83234が固定的に接続され、その後導車固定台座83232を取付け板83234の片端に固定的に取付け、送風主管駆動モータ83233を取り付け板83234他端の支持板82に取付け、これによって、送風主管ガイド伸縮台座8322は送風主管ガイド固定台座8321と送風主管駆動モータ83233の間で移動することができる。牽引ワイヤ83231は両端とも送風主管ガイド伸縮台座8322に接続されているため、送風主管駆動モータ83233が前進回転でも逆回転でも、牽引ワイヤ83231の牽引により、送風主管ガイド伸縮台座8322を連動できる。導車固定台座83232と送風主管駆動モータ83233にはいずれも牽引ワイヤ導車83235が設置されており、牽引ワイヤ83231の運動にガイド作用を提供でき、送風主管ガイド伸縮台座8322の牽引が便利になり、雨除けシート812の展開又は収納が順調に完了できることを確保する。
【0027】
具体的には、
図1と
図2に示すように、牽引ワイヤ83231の片端はバネ83236によって送風主管ガイド伸縮台座8322に接続される。送風主管駆動モータ83233は牽引ワイヤ83231によって送風主管ガイド伸縮台座8322の移動を牽引し、送風主管駆動モータ83233が回転し始めた時、送風主管ガイド伸縮台座8322が移動するよう連動した時の突然の移動を回避するため、牽引ワイヤ83231と送風主管ガイド伸縮台座8322と接続する任意の端にバネ83236を接続させ、これによって、バネ83236はクッションの機能を果たし、送風主管ガイド伸縮台座8322が安定して移動し、突然の移動が発生しなくなる。
【0028】
具体的には、
図4と
図5に示すように、取り付け板83234と支持板82にはいずれもレール834が設置され、送風主管ガイド伸縮台座8322の上下端はいずれもローラ835が設置され、ローラ835は相応してレール834に接続される。このように設置することによって、送風主管ガイド伸縮台座8322が安定して、スムーズに移動できるようにし、雨除けシート812を展開又は収納する際の信頼性を確保する。
【0029】
具体的には、
図2と
図7に示すように、駆動アセンブリ813は、それぞれローラ811の両端に接続されるローラ駆動モータ8131と、ローラ811とローラ駆動モータ8131を接続するベルト8132とを含み、ローラ駆動モータ8131とローラ811は平行に車両フレーム前横梁に設置される。ローラ811の両端にはそれぞれローラ駆動モータ8131が設置され、ローラ811に雨除けシート812を展開又は巻き取ることに充分な動力を与え、雨除けシート812の展開や巻き取りが順調に行うことを確保し、同時に回転力のバランスを確保する。ローラ駆動モータ8131とローラ811を平行に設置することは、伝動が便利なだけでなく、同時にベルト8132もローラ駆動モータ8131が急に回転し始めた際にクッションの働きをすることができ、移動の安定性を確保する。もちろん、使用要求を満たす前提で、ローラ駆動モータ8131とローラ811は同軸に設置し、ローラ駆動モータ8131が直接ローラ811の回転を連動することも可能であり、この時、余分なベルトを設置して連動する必要がなく、コストを節約できる。
【0030】
具体的には、
図2と
図8に示すように、ガイドアセンブリ84はドアのスライドレール841と片端が雨除けシート812に接続され、他端がスライドレール841に接続される雨除けレバー842が含まれ、雨除けレバー842とスライドレール841が接続する片端にローラ843が設置される。スライドレール841の断面は「三日月」型になっており、ローラ843をスライドレール841内に設置することにより、スライドレール841に沿って自由に移動できるだけでなく、雨除けシート812の展開又は巻き取りにガイド機能を提供し、且つ「三日月」型のスライドレール841は内部のローラ843が滑り出すことを回避でき、他にローラ843のストッパを必要としない。雨除けレバー842は伝動ガイドの作用だけでなく、同時に雨除けシート812が展開した後、雨除けシート812展開後の形を固定する働きもする。
【0031】
本発明は電動自動車も提供し、上記の雨除けシステム8が含まれる。雨除けシステム8は展開又は巻き取りを起動する動きが素早く、使用信頼度が高い。上記の雨除けシステム8を使用する電動自動車は、雨の日にドアを開けた際に、運転手に風や雨除けの機能を提供し、ヒューマニゼーションレベルが高く、電動自動車が雨の日に正常使用できることを確保する。同時に、雨除けシステム8を設置することにより、車両全体のランクをアップさせる。
【0032】
上述した内容はあくまでも本発明による好ましい実施形態であり、本発明の限定にはならない。本発明の精神及び原則の範囲内である限り、いかなる修正、同等置換、改良などのすべては本発明による保護範囲内に含まれる。
【0033】
(付記)
(付記1)
ドアが上に開いた後の雨除けに用いられる雨除けシステムであって、
車両フレーム前横梁に取り付けられた雨除け伸縮収納装置を含み、
前記雨除け伸縮収納装置は、ローラと、前記ローラに巻き取られる雨除けシートと、前記ローラの回転を駆動する駆動アセンブリと、を含み、
前記ローラと前記駆動アセンブリはいずれも前記車両フレーム前横梁に固定され、前記車両フレーム前横梁に支持板が接続され、
前記雨除けシステムは、前記支持板に設置され、前記ローラに巻き取られた前記雨除けシートを外に延伸するよう駆動する雨除けシート駆動装置を含み、
前記雨除けシートと前記ドアの間に前記雨除けシートの移動をガイドするガイドアセンブリが設置されていることを特徴とする雨除けシステム。
【0034】
(付記2)
前記雨除けシート駆動装置は動力アセンブリと収納アセンブリを含み、前記動力アセンブリと前記収納アセンブリはいずれも前記支持板に接続されることを特徴とする付記1に記載の雨除けシステム。
【0035】
(付記3)
前記動力アセンブリは通風ファンと送風主管を含み、前記送風主管の片端は前記通風ファンに接続され、他端は前記雨除けシートに接続され、前記送風主管に気体配分バルブが直接接続され、前記雨除けシート内にエアダクトが配置され、且つ前記雨除けシートに吸気口が設置され、前記送風主管の他端は前記吸気口に接続されることを特徴とする付記2に記載の雨除けシステム。
【0036】
(付記4)
前記雨除けシートの両側と展開された片端の端にいずれも前記エアダクトが設置されており、各前記エアダクトは連通しており、前記吸気口は展開された片端の前記エアダクトの中点に設置され、前記送風主管は前記雨除けシートの末端から前記雨除けシートの対称軸にそって前記雨除けシートの展開する片端に向かって延伸し、且つ前記吸気口に接続されることを特徴とする付記3に記載の雨除けシステム。
【0037】
(付記5)
前記収納アセンブリは、前記支持板に固定的に取り付けられた送風主管ガイド固定台座と、前記支持板でスライドできる送風主管ガイド伸縮台座と、前記支持板に固定され前記送風主管ガイド伸縮台座のスライドを駆動する送風主管駆動アセンブリと、を含み、前記送風主管ガイド固定台座と前記送風主管ガイド伸縮台座にいずれも複数の回転可能な送風主管ガイド軸がそれぞれ設置され、前記送風主管は前記送風主管ガイド軸に巻き付いていることを特徴とする付記3に記載の雨除けシステム。
【0038】
(付記6)
前記送風主管駆動アセンブリは、牽引ワイヤと、導車固定台座と、送風主管駆動モータと、を含み、前記導車固定台座と前記送風主管駆動モータは対向して前記支持板に設置され、且つ前記送風主管ガイド固定台座と前記送風主管ガイド伸縮台座はいずれも前記導車固定台座と前記送風主管駆動モータの間に設けられ、前記送風主管ガイド固定台座に取り付け板が固定的に接続され、前記導車固定台座は前記取り付け板に固定して取り付けられ、前記導車固定台座と前記送風主管駆動モータにはいずれも牽引ワイヤ導車が設置され、前記牽引ワイヤは前記牽引ワイヤ導車を避け、両端はいずれも前記送風主管ガイド伸縮台座に接続されることを特徴とする付記3に記載の雨除けシステム。
【0039】
(付記7)
前記牽引ワイヤの片端はバネによって前記送風主管ガイド伸縮台座に接続されることを特徴とする付記6に記載の雨除けシステム。
【0040】
(付記8)
前記取り付け板と前記支持板にはいずれもレールが設置され、前記送風主管ガイド伸縮台座の上下端にはいずれもローラが設置され、前記ローラは相応して前記レールに接続されることを特徴とする付記6に記載の雨除けシステム。
【0041】
(付記9)
前記駆動アセンブリは、それぞれ前記ローラの両端に接続されるローラ駆動モータと、前記ローラと前記ローラ駆動モータを接続するベルトと、を含み、前記ローラ駆動モータと前記ローラは平行に前記車両フレーム前横梁に設置されることを特徴とする付記1から8のいずれか1つに記載の雨除けシステム。
【0042】
(付記10)
前記ガイドアセンブリは、前記ドアのスライドレールと、片端が前記雨除けシートに接続され、他端が前記スライドレールに接続される雨除けレバーと、を含み、前記雨除けレバーと前記スライドレールが接続する片端にローラが設置されていることを特徴とする付記1から8のいずれか1つに記載の雨除けシステム。
【0043】
(付記11)
付記1から10のいずれか1つに記載の雨除けシステムを含むことを特徴とする電動自動車。