【文献】
Journal of Medicinal Chemistry,2013年,Vol.56, No.24,pp.9874-9896
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
疼痛、神経障害性疼痛、喘息、骨粗鬆症、炎症、精神疾患、精神病、オンコロジー、脳炎、マラリア、アレルギー、免疫学的障害、関節炎、胃腸障害、精神障害、関節リウマチ、精神病又はアレルギーの治療又は予防のための、請求項14に記載の医薬組成物。
疼痛、神経障害性疼痛、喘息、骨粗鬆症、炎症、精神疾患、精神病、オンコロジー、脳炎、マラリア、アレルギー、免疫学的障害、関節炎、胃腸障害、精神障害、関節リウマチ、精神病又はアレルギーの治療又は予防用の医薬の調製のための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳動物の治療及び/又は予防に有用な有機化合物、特に、カンナビノイド受容体2の優先的インバースアゴニストである化合物に関する。
【0002】
本発明は、特に、式(I):
【化1】
[式中、
R
1は、アルキルスルファニル、シクロアルキルアルコキシ、ハロフェニル、又はハロゲンであり;
R
2は、フェニル、ハロフェニル、シクロアルキルアルコキシ、アルコキシアゼチジニル、2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプチル、(ハロアルキル)(ヒドロキシ)ピロリジニル、ハロ−5−アザスピロ[2.4]ヘプチル、(アルキル)(ハロ)アゼチジニル、又は(シクロアルキル)(ハロ)アゼチジニルであり;
R
3及びR
4の一方は、水素であり、そしてもう一方は、−(CR
5R
6)
m−(CH
2)
n−R
7であるか;
あるいはR
3及びR
4は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、アミノカルボニル−ジオキソ−チアゾリジニル又は(アミノカルボニル)(ハロ)ピロリジニルを形成し;
R
5及びR
6は、水素、アルキル、シクロアルキルアルキル及びアルキルスルファニルアルキルより独立して選択されるか;
あるいはR
5及びR
6は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、オキセタニルを形成し;
R
7は、アルコキシカルボニル、オキサゾール−2−イル、5−アルキル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、チアゾール−2−イル、5−ハロフェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、又はヒドロキシシクロアルキル、ハロアルキルアミノカルボニル、又はハロアゼチジニルカルボニルであり;
mは、0又は1であり;
nは、0又は1である]で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩もしくはエステルに関する。
【0003】
式(I)の化合物は、疼痛、神経障害性疼痛、喘息、骨粗鬆症、炎症、精神疾患、精神病、オンコロジー、脳炎、マラリア、アレルギー、免疫学的障害、関節炎、胃腸障害、精神障害、関節リウマチ、精神病及びアレルギーの治療又は予防において特に有用である。
【0004】
カンナビノイド受容体は、Gタンパク質結合受容体スーパーファミリーに属する細胞膜受容体のクラスの1つである。現在のところ、カンナビノイド受容体1(CB1)とカンナビノイド受容体2(CB2)と呼ばれる2種類のサブタイプが知られている。CB1受容体は、主に、中枢神経(すなわち、扁桃体、小脳、海馬)系で発現しており、末梢においては、その量はより少ない。CNR2遺伝子によりコードされるCB2は、大部分がマクロファージ及びT細胞のような免疫系の細胞(Ashton, J. C. et al. Curr Neuropharmacol 2007, 5(2), 73-80; Miller, A. M. et al. Br J Pharmacol 2008, 153(2), 299-308; Centonze, D., et al. Curr Pharm Des 2008, 14(23), 2370-42)及び消化管系(Wright, K. L. et al. Br J Pharmacol 2008, 153(2), 263-70)の末梢で発現している。CB2受容体はまた、脳内に広く分布しており、そこでは主に小膠細胞に見出されるが、神経細胞には見出されない(Cabral, G. A. et al. Br J Pharmacol 2008, 153(2): 240-51)。
【0005】
ここ十年間、CB2受容体リガンドへの関心が着実に高まっている(現在、30〜40件の特許出願/年)。様々な情報源からの証拠は、CB2受容体を介する脂質内在性カンナビノイドのシグナル伝達が、哺乳動物の保護装備一式の局面を表している(Pacher, P. Prog Lipid Res 2011, 50, 193)という見解を支持する。選択的CB2受容体アゴニスト又はインバースアゴニスト/アンタゴニストのいずれかによるその調節(疾患及びその段階に応じて)は、膨大な数の疾患のユニークな治療可能性を保持している。CB2インバースアゴニスト/アンタゴニストについて、疼痛(Pasquini, S. J Med Chem 2012, 55(11): 5391)、神経障害性疼痛(Garcia-Gutierrez, M.S. Br J Pharmacol 2012, 165(4): 951)、精神障害(Garcia-Gutierrez, M.S. Br J Pharmacol 2012, 165(4): 951)、精神病(Garcia-Gutierrez, M.S. Br J Pharmacol 2012, 165(4): 951)、骨粗鬆症及び炎症(Sophocleous, A. Calcif Tissue Int 2008, 82(Suppl. 1):Abst OC18)、精神疾患及び精神病(Garcia-Gutierrez, M.S. Br J Pharmacol 2012, 165(4): 951)、オンコロジー(Preet, A. Cancer Prev Res 2011, 4: 65)、脳炎及びマラリア(Zimmer, A. WO 2011045068)、アレルギー及び炎症(Ueda, Y. Life Sci 2007, 80(5): 414)、脳炎及びマラリア(Zimmer、WO 2011045068)、喘息(Lunn, C.A. J Pharmacol Exp Ther 2006, 316(2): 780)、免疫学的障害(Fakhfouri, G. Neuropharmacology 2012, 63(4): 653)、関節リウマチ(Chackalamannil, S. US 7776889)、関節炎(Lunn, C.A. J Pharmacol Exp Ther 2006, 316(2): 780)、及び胃腸障害(Barth, F. FR 2887550)を含む多くの病的状態のための治療機会が実証されている。
【0006】
本発明の化合物は、CB2受容体に結合して該受容体を調節し、かつより低いCB1受容体活性を有する。
【0007】
本明細書において、用語「アルキル」は、単独で又は組み合わされて、1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル基、特に、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル基、より特には、1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル基を示す。直鎖及び分岐鎖C1〜C8アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、異性体ペンチル、異性体ヘキシル、異性体ヘプチル及び異性体オクチルであり、特にメチル、エチル、プロピル、ブチル及びペンチルである。アルキルの特定の例は、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル及びペンチルである。メチル、エチル及びイソブチルは、式(I)の化合物におけるアルキルの特定の例である。
【0008】
用語「シクロアルキル」は、単独で又は組み合わされて、3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル環、特に、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル環を示す。シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルである。「シクロアルキル」の特定の例は、シクロプロピル及びシクロヘキシルである。
【0009】
用語「アルコキシ」は、単独又は組み合わされて、式:アルキル−O−(式中、用語「アルキル」は前記で示した意味を有する)の基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシを示す。特定の「アルコキシ」は、メトキシ及びエトキシである。
【0010】
用語「オキシ」は、単独で又は組み合わされて、−O−基を示す。
【0011】
用語「オキソ」は、単独で又は組み合わされて、=O基を示す。
【0012】
用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、単独で又は組み合わされて、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素、特にフッ素、塩素又は臭素、より特には、フッ素及び塩素を示す。用語「ハロ」は、別の基と組み合わされて、該基が、少なくとも1個のハロゲンで置換されていること、特に1〜5個のハロゲン、特に1〜4個のハロゲン、すなわち1、2、3又は4個のハロゲンで置換されていることを表す。
【0013】
用語「ヒドロキシル」及び「ヒドロキシ」は、単独で又は組み合わされて、−OH基を示す。
【0014】
用語「カルボニル」は、単独で又は組み合わされて、−C(O)−基を示す。
【0015】
用語「アミノ」は、単独で又は組み合わされて、第一級アミノ基(−NH
2)、第二級アミノ基(−NH−)、又は第三級アミノ基(−N−)を示す。
【0016】
用語「アミノカルボニル」は、単独で又は組み合わされて、−C(O)−NH
2、−C(O)−NH−又は−C(O)−N−基を示す。
【0017】
用語「スルファニル」は、単独で又は組み合わされて、−S−基を示す。
【0018】
用語「薬学的に許容し得る塩」は、遊離塩基又は遊離酸の生物学的効果及び特性を保持し、生物学的にも又はその他の点でも望ましくないことはないそれらの塩を指す。塩は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、特に塩酸と、そして、有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、N−アセチルシステインと形成される。加えてこれらの塩は、遊離酸に無機塩基又は有機塩基を付加させることにより調製してもよい。無機塩基から誘導される塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩が含まれるが、これらに限定されない。有機塩基から誘導される塩としては、第一級、第二級及び第三級アミン、天然の置換アミンを含む置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リシン、アルギニン、N−エチルピペリジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂の塩が含まれるが、これらに限定されない。式(I)の化合物はまた、両性イオンの形態で存在することができる。式(I)の化合物の特に好ましい薬学的に許容し得る塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸及びメタンスルホン酸の塩である。
【0019】
「薬学的に許容し得るエステル」は、一般式(I)の化合物を官能基で誘導化して、インビボで親化合物に変換し戻すことができる誘導体を提供し得ることを意味する。そのような化合物の例は、メトキシメチルエステル、メチルチオメチルエステル及びピバロイルオキシメチルエステルのような生理学的に許容し得かつ代謝的に不安定なエステル誘導体を含む。加えて、インビボで一般式(I)の親化合物を生成することができる代謝的に不安定なエステルと類似する、一般式(I)の化合物の任意の生理学的に許容し得る等価体も、本発明の範囲内である。
【0020】
出発物質又は式(I)の化合物の1つが、1つ以上の反応工程の反応条件下で安定でないか又は反応性である、1つ以上の官能基を含有するのであれば、適切な保護基(例えば、“Protective Groups in Organic Chemistry” by T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd Ed., 1999, Wiley, New York に記載されるような保護基)を、当技術分野において周知の方法を適用して、重要な工程の前に導入することができる。かかる保護基は、文献に記載される標準的な方法を使用して、合成の後半の段階で除去することができる。保護基の例は、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、9−フルオレニルメチルカルバマート(Fmoc)、2−トリメチルシリルエチルカルバマート(Teoc)、カルボベンジルオキシ(Cbz)及びp−メトキシベンジルオキシカルボニル(Moz)である。
【0021】
式(I)の化合物は、いくつかの不斉中心を含有することができ、かつ、光学的に純粋なエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、例えば、ラセミ体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体のラセミ体又はジアステレオ異性体のラセミ体の混合物の形態で存在することができる。
【0022】
用語「不斉炭素原子」は、4個の異なる置換基を有する炭素原子を意味する。Cahn-Ingold-Prelog順位則に従って、不斉炭素原子は、「R」又は「S」立体配置をとることができる。
【0023】
本発明は、特に、下記:
R
1が、シクロアルキルアルコキシ又はハロフェニルである、式(I)の化合物;
R
1が、シクロプロピルメトキシ又はクロロフェニルである、式(I)の化合物;
R
2が、フェニル、ハロフェニル、シクロアルキルアルコキシ又はアルコキシアゼチジニルである、式(I)の化合物;
R
2が、フェニル、クロロフェニル、シクロプロピルメトキシ又はメトキシアゼチジニルである、式(I)の化合物;
R
5及びR
6が、水素及びアルキルより独立して選択される、式(I)の化合物;
R
5及びR
6が、水素、メチル、エチル及びイソブチルより独立して選択される、式(I)の化合物;
R
7が、アルコキシカルボニル、オキサゾール−2−イル、チアゾール−2−イル又はアミノカルボニルである、式(I)の化合物;及び
R
7が、メトキシカルボニル、オキサゾール−2−イル、チアゾール−2−イル又はアミノカルボニルである、式(I)の化合物
に関する。
【0024】
本発明はさらに、下記:
メチル 2−[[5−(4−クロロフェニル)−6−メチルスルファニルピリジン−2−カルボニル]アミノ]−2−メチルプロパノアート;
メチル 2−[[5−(4−クロロフェニル)−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボニル]アミノ]−2−メチルプロパノアート;
5−(4−クロロフェニル)−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[2−(1,3−オキサゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
5−(4−クロロフェニル)−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[2−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[2−(1,3−オキサゾール−2−イル)プロパン−2−イル]−5−フェニルピリジン−2−カルボキサミド;
6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(メチルカルバモイル)ペンタン−3−イル]−5−フェニルピリジン−2−カルボキサミド;
6−(3−クロロフェニル)−5−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(メチルカルバモイル)ペンタン−3−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)−N−[2−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(3−クロロフェニル)−5−(シクロプロピルメトキシ)−N−[2−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
N−[(2S)−1−アミノ−3−シクロプロピル−1−オキソプロパン−2−イル]−6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)−N−[2−(1,3−チアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
N−[(2S)−1−アミノ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(3−クロロフェニル)−5−(シクロプロピルメトキシ)−N−[2−(1,3−チアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
N−[(2S)−1−アミノ−3−シクロプロピル−1−オキソプロパン−2−イル]−5,6−ビス(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボキサミド;
N−[(2S)−1−アミノ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド;
N−[(2S)−1−アミノ−4−メチルスルファニル−1−オキソブタン−2−イル]−6−クロロ−5−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボキサミド;
6−クロロ−5−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(メチルカルバモイル)ペンタン−3−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−クロロ−5−(シクロプロピルメトキシ)−N−[(1S)−2−シクロプロピル−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エチル]ピリジン−2−カルボキサミド;
3−[6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボニル]−1,1−ジオキソ−1,3−チアゾリジン−4−カルボキサミド;
エチル 2−[[6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボニル]アミノ]−2−エチルブタノアート;
6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[1−[5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−2−メチルプロパン−2−イル]−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド;
N−[3−(2−アミノ−2−オキソエチル)オキセタン−3−イル]−6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)−N−[3−(メチルカルバモイル)ペンタン−3−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[(1−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(2−フルオロエチルカルバモイル)ペンタン−3−イル]−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(3−フルオロアゼチジン−1−カルボニル)ペンタン−3−イル]−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(3−フルオロプロピルカルバモイル)ペンタン−3−イル]−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド;
(2S)−1−[6−(シクロプロピルメトキシ)−5−[3−ヒドロキシ−3−(トリフルオロメチル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−2−カルボニル]−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキサミド;
N−[(2S)−1−アミノ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−6−(シクロプロピルメトキシ)−5−[3−ヒドロキシ−3−(トリフルオロメチル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
N−[(2S)−1−アミノ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(2,2−ジフルオロ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)ピリジン−2−カルボキサミド;
(2S)−1−[6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(2,2−ジフルオロ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)ピリジン−2−カルボニル]−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキサミド;
N−[3−(2−アミノ−2−オキソエチル)オキセタン−3−イル]−6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(2,2−ジフルオロ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)ピリジン−2−カルボキサミド;
N−[(2S)−1−アミノ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−フルオロ−3−メチルアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド;
(2S)−1−[6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−フルオロ−3−メチルアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボニル]−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキサミド;
N−[3−(2−アミノ−2−オキソエチル)オキセタン−3−イル]−6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−フルオロ−3−メチルアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド;
N−[(2S)−1−アミノ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−5−(3−シクロプロピル−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボキサミド;
(2S)−1−[5−(3−シクロプロピル−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボニル]−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキサミド;
N−[3−(2−アミノ−2−オキソエチル)オキセタン−3−イル]−5−(3−シクロプロピル−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボキサミド;
(2S)−1−[6−(4−クロロフェニル)−5−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボニル]−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキサミド;
6−(4−クロロフェニル)−5−(シクロプロピルメトキシ)−N−[2−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
5−(3−シクロプロピル−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(3−フルオロプロピルカルバモイル)ペンタン−3−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;及び
N−[(2S)−1−アミノ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−6−(4−クロロフェニル)−5−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボキサミド
より選択される式(I)の化合物に関する。
【0025】
本発明は、さらに下記:
メチル 2−[[5−(4−クロロフェニル)−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボニル]アミノ]−2−メチルプロパノアート;
6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[2−(1,3−オキサゾール−2−イル)プロパン−2−イル]−5−フェニルピリジン−2−カルボキサミド;
6−(3−クロロフェニル)−5−(シクロプロピルメトキシ)−N−[2−(1,3−チアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;
N−[(2S)−1−アミノ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド;
3−[6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボニル]−1,1−ジオキソ−1,3−チアゾリジン−4−カルボキサミド;
エチル 2−[[6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボニル]アミノ]−2−エチルブタノアート;
N−[3−(2−アミノ−2−オキソエチル)オキセタン−3−イル]−6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド;
6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)−N−[3−(メチルカルバモイル)ペンタン−3−イル]ピリジン−2−カルボキサミド;及び
N−[(2S)−1−アミノ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−6−(4−クロロフェニル)−5−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボキサミド
より選択される式(I)の化合物に特に関する。
【0026】
特に指定のない限り、以下のスキーム中のR
1〜R
7は、上に定義したとおりの意味を有する。
【0027】
一般構造Iを有する化合物の合成は、例えば、以下のスキームに従って達成することができる。
【0028】
スキーム1による手順に従って、化合物AA(X=Cl、Br、I又はトリフルオロメタンスルホナート; R’=H、メチル、エチル、イソプロピル、tert.ブチル、又は、例えば、T.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3
rd editionに記載されている別の適切な保護基)を、出発物質として使用することができる。AAは、市販されているか、文献に記載されているか、当業者によって合成されることができるか、スキーム3及び6に記載されているように又は実験部分に記載されているように合成されることができるかのいずれかである。
【0029】
【化2】
【0030】
化合物ACは、AAから、式AB(Mは、例えば、トリフルオロホウ酸[BF
3]
−K
+、ボロン酸B(OH)
2又はボロン酸ピナコールエステル基である)の適切に置換されているアリール金属種、特にアリールボロン酸又はアリールボロン酸エステル基を、適切な触媒(特にパラジウム触媒、より特に酢酸パラジウム(II)/トリフェニルホスフィン混合物又は塩化パラジウム(II)−dppf(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)錯体)及び塩基(例えば、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム又はリン酸カリウム)の存在下、不活性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びジメトキシエタン)中、カップリングさせることにより調製されることができる(工程a)。
【0031】
当業者に周知の方法による、0℃〜用いる溶媒の還流温度の間の温度で、例えば、テトラヒドロフラン/エタノール又は別の適切な溶媒中、LiOH、NaOH又はKOH水溶液を使用した、一般式AC(R’≠H)のエステルのけん化は、一般式IIの酸へと導く(工程b)。
【0032】
化合物Iは、II及び式IIIの対応するアミンから適切なアミド結合形成反応により調製されることができる(工程c)。これらの反応は、当技術分野において公知である。例えば、N,N’−カルボニル−ジイミダゾール(CDI)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、1−[ビス(ジメチルアミノ)−メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム−3−オキシドへキサフルオロホスファート(HATU)、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール(HOBT)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)、及びO−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロ−ホスファート(HBTU)のようなカップリング試薬を用いて、かかる変換を実行することができる。簡便な方法は、例えば、不活性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド)中、室温で、HBTU及び塩基(例えば、N−メチルモルホリン)を使用することである。
【0033】
代替的に、一般式AA(R’≠H)のエステルを、当業者に周知の方法(例えば、0℃〜用いる溶媒の還流温度の間の温度でテトラヒドロフラン/エタノール又は別の適切な溶媒中、LiOH、NaOH又はKOH水溶液を使用すること)により、けん化して、一般式ADの酸を与えることができる(工程b’)。
【0034】
化合物AEを、AD及び式IIIの対応するアミンから適切なアミド結合形成反応により調製することができる(工程c’)。これらの反応は、当技術分野において公知である。例えば、N,N’−カルボニル−ジイミダゾール(CDI)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、1−[ビス(ジメチルアミノ)−メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム−3−オキシドへキサフルオロホスファート(HATU)、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール(HOBT)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)、及びO−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロ−ホスファート(HBTU)のようなカップリング試薬を用いて、かかる変換を実行することができる。好都合な方法は、例えば、不活性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド)中、室温で、HBTU及び塩基(例えば、N−メチルモルホリン)を用いることである。
【0035】
化合物Iは、AEから、式ABの適切に置換されているアリール金属種、特にアリールボロン酸又はアリールボロン酸エステルを、適切な触媒(特に、パラジウム触媒、より特に酢酸パラジウム(II)/トリフェニルホスフィン混合物又は塩化パラジウム(II)−dppf(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)錯体)及び塩基(例えば、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム又はリン酸カリウム)の存在下、不活性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びジメトキシエタン)中、カップリングさせることにより調製されることができる(工程a’)。
【0036】
アミンIIIは、市販されているか、文献に記載されているか、当業者によって又は実験部分に記載されているように合成することができるかのいずれかである。
【0037】
出発物質、式AA、AB又はIIIの化合物の1つが、1つ以上の反応工程の反応条件下で安定でないか又は反応性である、1つ以上の官能基を含有する場合、適切な保護基(P)(例えば、T.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3
rd editionに記載されているような)を、当技術分野において周知の方法を適用して、重要な工程の前に導入することができる。かかる保護基は、当技術分野において公知の標準的な方法を使用して、合成の後半の段階で除去されることができる。
【0038】
式AA〜AE、II又はIIIの1つ以上の化合物が、キラル中心を含有する場合、式Iのピコリンは、ジアステレオマー又はエナンチオマーの混合物として得られることができ、これは、当技術分野において周知の方法、例えば、(キラル)HPLC又は結晶化により分離されることができる。ラセミ化合物は、例えば、結晶化によりジアステレオマー塩を介して、又はキラル吸着剤もしくはキラル溶離剤のいずれかを使用する特定のクロマトグラフ的方法によってその対掌体を分離することにより、それらの対掌体に分離されることができる。
【0039】
スキーム2による手順に従って、化合物BA(R’=H、メチル、エチル、イソプロピル、tert.ブチル、又は例えば、T.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3
rd edition に記載されている別の適切な保護基)を、出発物質として使用することができる。BAは、市販されているか、文献に記載されているか、又は当業者によって合成されることができるかのいずれかである。
【0040】
【化3】
【0041】
化合物BBは、BAから、当業者に公知の条件下、適切な酸化剤での酸化により、例えば、ジクロロメタン中、周囲温度にて、3−クロロ過安息香酸での処理により、調製されることができる(工程a)。
【0042】
6−クロロ又は6−ブロモ−ピコリンAA’(X=Cl、Br)への化合物BBの変換は、例えば、追加の溶媒なしで、又は適切な溶媒(例えば、クロロホルム)中のいずれかで、20℃〜溶媒の沸点の間の温度で、三塩化ホスホリルもしくは三臭化ホスホリルで処理することによるか、あるいは文献で公知の他の条件を使用することによって達成されることができる(工程b)。
【0043】
6−クロロ−又はブロモ−ピコリンAA’(X=Cl、Br)は、塩基(例えば、水素化ナトリウム)の存在下、不活性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド)中又は無しで、室温〜溶媒の還流温度の温度範囲で、特に室温で、適切に置換されている第一級又は第二級アルコールBCと反応させることにより、化合物BDに変換されることができる(工程c)。
【0044】
化合物BDから、さらに、i)スキーム1の工程bに記載されているようなけん化(R’≠Hである、化合物BDの場合)(工程d);ii)スキーム1の工程cに記載されているようなアミド結合形成(工程e)により、化合物Iを生成することができる。
【0045】
代替的に、化合物AA’(R’=メチル、エチル、イソプロピル、tert.ブチル、又は例えば、T.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3
rd edition に記載されている別の適切な保護基)を、i)スキーム1の工程bに記載されているように、その酸同族体AA’(R’=H)に変換し;ii)スキーム1の工程cに記載されているように、アミンIIIでの処理により、対応するアミドに変換し;そしてiii)工程cに記載されているようにアルコールBCと反応させて、化合物Iに到達することができる。
【0046】
出発物質、式BA、BC又はIIIの化合物の1つが、1つ以上の反応工程の反応条件下で安定的ではないか又は反応性である、1つ以上の官能基を含有している場合、適切な保護基(P)(例えば、T.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3
rd edition に記載されているような)を、当技術分野において周知の方法を適用して、重要な工程の前に導入することができる。かかる保護基は、当技術分野において公知の標準的方法を使用して、合成の後半の段階で除去されることができる。
【0047】
式BA〜BD、AA’、II又はIIIの1つ以上の化合物が、キラル中心を含有する場合、式Iのピコリンは、ジアステレオマー又はエナンチオマーの混合物として得られることができ、これは、当技術分野において周知の方法、例えば、(キラル)HPLC又は結晶化により分離されることができる。ラセミ化合物は、例えば、結晶化によりジアステレオマー塩を介して、又はキラル吸着剤もしくはキラル溶離剤のいずれかを使用する特定のクロマトグラフ的方法による対掌体の分離により、それらの対掌体に分離されることができる。
【0048】
スキーム3による手順に従って、化合物CA(R’=H、メチル、エチル、イソプロピル、tert.ブチル、又は例えば、T.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3rd edition に記載されている別の適切な保護基)を出発物質として使用することができる。CAは、市販されているか(例えば、R’=メチルの場合:5−ブロモ−6−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルCAN 1214353-79-3)、文献に記載されているか、又は当業者によって合成されることができるかのいずれかである。
【0049】
【化4】
【0050】
化合物AA”は、CAから、式CB(Mは、例えば、トリフルオロホウ酸[BF
3]
−K
+、ボロン酸B(OH)
2又はボロン酸ピナコールエステル基)の適切に置換されているアリール金属種、例えば、有機トリフルオロホウ酸カリウム塩を、パラジウム触媒(例えば、酢酸パラジウム(II)/ブチル−1−アダマンチルホスフィン)及び塩基(例えば、炭酸セシウム)の存在下、不活性溶媒(例えば、トルエン)中、50℃〜溶媒の沸点の間の温度で、カップリングさせるか、あるいは、アリールボロン酸又はアリールボロン酸エステルを、適切な触媒(特に、パラジウム触媒、より特に酢酸パラジウム(II)/トリフェニルホスフィン混合物又は塩化パラジウム(II)−dppf(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)錯体)及び塩基(例えば、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム又はリン酸カリウム)の存在下、不活性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル又はジメトキシエタン)中、カップリングさせることにより調製されることができる(工程a)。場合により、化合物CBはまた、アミンであることができ、これを当業者に周知の方法によって、例えば、パラジウム触媒(例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム/ジメチルビスジフェニル−ホスフィノキサンテン)及び塩基(例えば、炭酸セシウム)を使用して、溶媒(例えば、1,4−ジオキサン)中、優先的には溶媒の沸点で、CAにカップリングさせる。
【0051】
化合物AA”から、さらに、i)スキーム2の工程cに記載されているように化合物BCと反応させて化合物BDを形成すること;ii)スキーム1の工程bに記載されているようなけん化;及びiii)スキーム1の工程cに記載されているようなアミド結合形成により、化合物Iを生成することができる。
【0052】
さらに、化合物CAは、スキーム2の工程cに記載されているように、化合物BCでの処理により、化合物CCに変換されることができる(工程b)。
【0053】
それに続く化合物BDへの化合物CCの変換は、AA”へのCAの変換について説明したように達成されることができる(工程a)。
【0054】
化合物BDからさらに、i)スキーム1の工程bに記載されているようなけん化; ii)スキーム1の工程cに記載されているようなアミド結合形成により、化合物Iを生成することができる。
【0055】
代替的に、化合物CC(R’=メチル、エチル、イソプロピル、tert.ブチル、又は例えばT.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3
rd edition に記載されている別の適切な保護基)を、i)スキーム1の工程bに記載されているように、その酸同族体CC(R’=H)に変換し; ii)スキーム1の工程cに記載されているように、アミンIIIでの処理により対応するアミドCDに変換し;そしてiii)工程aに記載されているように、CBと反応させて、化合物Iに到達することができる。
【0056】
さらに、化合物Iはまた、下記の反応順序を適用して合成されることもできる:i)スキーム1の工程bに記載されているように、その酸同族体CC(R’=H)への化合物CA(R’=メチル、エチル、イソプロピル、tert.ブチル、又は例えば、T.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3
rd edition に記載されている別の適切な保護基)のけん化;ii)スキーム1の工程cに記載されているように、アミンIIIで処理することによる、対応するアミドへの変換;iii)工程aに記載されているように、化合物CBとの反応;及びiv)工程cに記載されているように化合物BCとの反応。場合により、工程iii)及び工程iv)は、入れ替えることができる。
【0057】
出発物質、式CA、CB又はBCの化合物の1つが、1つ以上の反応工程の反応条件下で安定的ではないか又は反応性である、1つ以上の官能基を含有している場合、適切な保護基(P)(例えば、T.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3
rd edition に記載されているような)を、当技術分野において周知の方法を適用して、重要な工程の前に導入することができる。かかる保護基は、当技術分野において公知の標準的方法を使用して、合成の後半の段階で除去されることができる。
【0058】
式CA、CB又はBCの1つ以上の化合物が、キラル中心を含有する場合、式AA’及びBDのピコリンは、ジアステレオマー又はエナンチオマーの混合物として得られることができ、これは、当技術分野において周知の方法、例えば、(キラル)HPLC又は結晶化により分離されることができる。ラセミ化合物は、例えば、結晶化によりジアステレオマー塩を介して、又はキラル吸着剤もしくはキラル溶離剤のいずれかを使用する特定のクロマトグラフ的方法による対掌体の分離により、それらの対掌体に分離されることができる。
【0059】
スキーム4による手順に従って、化合物DA(X=Cl、Br、I又はトリフルオロメタンスルホナート; R’=H、メチル、エチル、イソプロピル、tert.ブチル、又は例えばT.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3
rdedition に記載されている別の適切な保護基)を、出発物質として使用することができる。DAは、市販されているか、文献に記載されているか、又は当業者に公知の他の方法によって合成されることができるかのいずれかである。
【0060】
【化5】
【0061】
化合物BAは、DAから、式CB(Mは、例えば、トリフルオロホウ酸[BF
3]
−K
+、ボロン酸B(OH)
2又はボロン酸ピナコールエステル基である)の適切に置換されているアリール金属種、例えば、有機トリフルオロホウ酸カリウム塩を、パラジウム触媒(例えば、酢酸パラジウム(II)/ブチル−1−アダマンチルホスフィン)及び塩基(例えば、炭酸セシウム)の存在下、不活性溶媒(例えば、トルエン)中、50℃〜溶媒の沸点の間の温度でカップリングさせるか、あるいは、アリールボロン酸又はアリールボロン酸エステルを、適切な触媒(特にパラジウム触媒、より特に酢酸パラジウム(II)/トリフェニルホスフィン混合物又は塩化パラジウム(II)−dppf(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)錯体)及び塩基(例えば、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム又はリン酸カリウム)の存在下、不活性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びジメトキシエタン)中、カップリングさせることにより調製されることができる(工程a)。場合により、化合物CBはまた、アミンであることができ、これを、当業者に周知の方法によって、例えば、パラジウム触媒(例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム/ジメチルビスジフェニル−ホスフィノキサンテン)及び塩基(例えば、炭酸セシウム)を使用して、溶媒(例えば、1,4−ジオキサン)中、優先的には、溶媒の沸点で、DAにカップリングさせる。加えて、化合AA’は、当業者に周知の方法を適用して、例えば、溶媒(例えば、スルホラン)中、0℃〜溶媒の沸点の間の温度で、チオールのナトリウム塩を用いて、チオールAB(Mは、Hである)との反応により、チオエーテルACへ変換されることができる。
【0062】
化合物BBは、BAから、スキーム2の工程aに記載されているように、適切な酸化剤での酸化により調製されることができる(工程b)。
化合物BBから6−クロロ−又は6−ブロモ−ピコリンAA’(X=Cl、Br)への変換は、スキーム2の工程Bに記載されたように行うことができる(工程c)。
【0063】
化合物ACは、AA’から、式AB(Mは、例えば、トリフルオロホウ酸[BF
3]
−K
+、ボロン酸B(OH)
2又はボロン酸ピナコールエステル基である)の適切に置換されているアリール金属種、特に、アリールボロン酸又はアリールボロン酸エステルを、適切な触媒(特にパラジウム触媒、より特に酢酸パラジウム(II)/トリフェニルホスフィン混合物又は塩化パラジウム(II)−dppf(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)錯体)及び塩基(例えば、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム又はリン酸カリウム)の存在下、不活性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びジメトキシエタン)中、カップリングさせることにより調製されることができる(工程d)。化合物ACから、さらに、i)スキーム1の工程bに記載されているようなけん化(工程e);ii)スキーム1の工程cに記載されているようなアミド結合形成(工程f)により、化合物Iを生成することができる。
【0064】
出発物質、式DA、CB、AB又はIIIの化合物の1つが、1つ以上の反応工程の反応条件下で安定的ではないか又は反応性である、1つ以上の官能基を含有している場合、適切な保護基(P)(例えば、T.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3
rd edition に記載されているように)を、当技術分野において周知の方法を適用して、重要な工程の前に導入することができる。かかる保護基は、当技術分野において公知の標準的方法を使用して、合成の後半の段階で除去されることができる。
【0065】
式DA、CB、BA、BB、AA’、AB、AC、II又はIIIの1つ以上の化合物が、キラル中心を含有する場合、式Iのピコリンは、ジアステレオマー又はエナンチオマーの混合物として得られることができ、これは、当技術分野において周知の方法、例えば、(キラル)HPLC又は結晶化により分離されることができる。ラセミ化合物は、例えば、結晶化によりジアステレオマー塩を介して、又はキラル吸着剤もしくはキラル溶離剤のいずれかを使用する特定のクロマトグラフ的方法による対掌体の分離により、それらの対掌体に分離されることができる。
【0066】
本発明はまた、式(I)の化合物の調製方法であって、式(A):
【化6】
[式中、R
1〜R
4は、上記に定義されているとおりである]で示される化合物の、NHR
3R
4、アミド結合形成カップリング剤及び塩基の存在下での反応を含む、式(I)の化合物の調製方法に関する。
【0067】
アミド結合形成カップリング剤の例は、N,N’−カルボニル−ジイミダゾール(CDI)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、1−[ビス(ジメチルアミノ)−メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム−3−オキシドへキサフルオロホスファート(HATU)、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール(HOBT)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)及びO−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロ−ホスファート(HBTU)である。
【0068】
適切な塩基の例は、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン又は4−(ジメチルアミノ)−ピリジンのような第三級アミン塩基である。
【0069】
反応温度は、例えば、室温である。
【0070】
簡便な方法は、例えば不活性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド)中、室温で、TBTU及び塩基(例えば、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン)を用いることである。
【0071】
本発明の別の実施態様は、本発明の化合物及び治療上不活性な担体、希釈剤又は賦形剤を含有する医薬組成物又は医薬、ならびにかかる組成物及び医薬を調製するための本発明の化合物を使用する方法を提供する。一例として、式(I)の化合物は、周囲温度、適切なpH及び所望の純度で、生理学的に許容し得る担体、すなわち、ガレヌス投与形態(a galenical administration form)に用いられる用量及び濃度でレシピエントに非毒性である担体と混合することにより製剤化され得る。製剤のpHは、主に、特定の用途及び化合物の濃度に依存するが、好ましくは、約3〜約8の範囲である。一例として、式(I)の化合物は、酢酸緩衝液中、pH5で製剤化される。別の実施態様において、式(I)の化合物は無菌である。当該化合物は、例えば、固体又は非晶質組成物として、凍結乾燥製剤として、又は水溶液として保存され得る。
【0072】
組成物は、医療実施基準(good medical practice)に合致するように製剤化、調薬及び投与される。この状況において考慮される要因は、処置される特定の障害、処置される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与計画及び医師に公知の他の要因を含む。
【0073】
本発明の化合物は、経口、局所(口腔及び舌下を含む)、直腸、膣内、経皮、非経口、皮下、腹腔内、肺内、皮内、髄腔内及び硬膜外及び鼻腔内、ならびに局所処置が望まれる場合、病巣内投与を含む、任意の適切な手段によって投与され得る。非経口注入は、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内又は皮下投与を含む。
【0074】
本発明の化合物は、任意の簡便な投与剤形、例えば、錠剤、粉剤、カプセル剤、液剤、分散剤、懸濁剤、シロップ剤、スプレー剤、坐剤、ゲル剤、乳剤、パッチ剤などで投与され得る。そのような組成物は、医薬品で慣用の成分、例えば、希釈剤、担体、pH調整剤、甘味料、増量剤及びさらなる活性剤を含有し得る。
【0075】
典型的な製剤は、本発明の化合物と、担体又は賦形剤とを混合することによって調製される。好適な担体及び賦形剤は、当業者に周知であり、例えば、Ansel, Howard C., et al., Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems. Philadelphia: Lippincott, Williams & Wilkins, 2004; Gennaro, Alfonso R., et al. Remington: The Science and Practice of Pharmacy. Philadelphia: Lippincott, Williams & Wilkins, 2000; and Rowe, Raymond C. Handbook of Pharmaceutical Excipients. Chicago, Pharmaceutical Press, 2005 に詳述されている。製剤はまた、薬物(すなわち、本発明の化合物又はその医薬組成物)の洗練された体裁を提供するために又は医薬品(すなわち、医薬)の製造を補助するために、1つ以上の緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁化剤、防腐剤、抗酸化剤、混濁剤(opaquing agent)、流動促進剤、加工助剤、着色剤、甘味料、芳香剤、香味料、希釈剤及び他の公知の添加物を含み得る。
【0076】
したがって、本発明はまた下記:
治療活性物質としての使用のための、式(I)の化合物;
式(I)の化合物及び治療上不活性な担体を含む、医薬組成物;
疼痛、神経障害性疼痛、喘息、骨粗鬆症、炎症、精神疾患、精神病、オンコロジー、脳炎、マラリア、アレルギー、免疫学的障害、関節炎、胃腸障害、精神障害、関節リウマチ、精神病又はアレルギーの治療又は予防のための、式(I)の化合物の使用;
疼痛、神経障害性疼痛、喘息、骨粗鬆症、炎症、精神疾患、精神病、オンコロジー、脳炎、マラリア、アレルギー、免疫学的障害、関節炎、胃腸障害、精神障害、関節リウマチ、精神病又はアレルギーの治療又は予防用の医薬の調製のための、式(I)の化合物の使用;
疼痛、神経障害性疼痛、喘息、骨粗鬆症、炎症、精神疾患、精神病、オンコロジー、脳炎、マラリア、アレルギー、免疫学的障害、関節炎、胃腸障害、精神障害、関節リウマチ、精神病又はアレルギーの治療又は予防のための、式(I)の化合物;ならびに
疼痛、神経障害性疼痛、喘息、骨粗鬆症、炎症、精神疾患、精神病、オンコロジー、脳炎、マラリア、アレルギー、免疫学的障害、関節炎、胃腸障害、精神障害、関節リウマチ、精神病又はアレルギーの治療又は予防のための方法であって、有効量の式(I)の化合物を、それを必要としている患者に投与することを含む、方法
に関する。
【0077】
本発明は、これより、限定性を持たない以下の実施例により説明される。
【0078】
実施例
略語
BINAP=2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル; bp=沸点; DIEA=N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン; DMF=ジメチルホルムアミド; DMSO=ジメチル−スルホキシド; dppf=1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン; EI=電子衝撃; EtOAc=酢酸エチル; HATU=2−(3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル)−1,1,3,3−テトラメチルイソウロニウムヘキサフルオロホスファート(V); HBTU=O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロ−ホスファート; HPLC=LC=高速液体クロマトグラフィー; iPrOAc=酢酸イソプロピル; ISP=イオンスプレー、ESI(エレクトロスプレー)に相当する; MS=質量分析; NMM=N−メチルモルホリン; NMRデータは、内部テトラメチルシランに対するppm(δ)として報告され、試料溶媒(特に断りない限りd
6−DMSO)からの重水素ロック信号を基準とする; カップリング定数(J)は、ヘルツ(Hertz)単位である; m−CPBA=メタ−クロロペルオキシ安息香酸; mp=融点; MTBE=2−メトキシ−2−メチルプロパン; Rt=保持時間; TBTU=O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−テトラフルオロボラート; TEMPO=2,2,6,6−テトラ−メチルピペリジン1−オキシルラジカル; THF=テトラヒドロフラン; tlc=薄層クロマトグラフィー。
【0079】
実施例1
メチル 2−[[5−(4−クロロフェニル)−6−メチルスルファニルピリジン−2−カルボニル]アミノ]−2−メチルプロパノアート
【化7】
【0080】
a) メチル 5−(4−クロロフェニル)−1−オキシド−ピリジン−1−イウム−2−カルボキシラート
【化8】
メチル 5−(4−クロロフェニル)ピリジン−2−カルボキシラート(CAN 86574-76-7、4.5g、18.2mmol)を、アルゴン雰囲気下、ジクロロメタン(50mL)に溶解して褐色の溶液を与えた。3−クロロペルオキシ安息香酸(4.92g、28.5mmol)を撹拌下、5回に分け1時間かけて加えた。反応混合物をアルゴン下、18時間撹拌した。さらなる3−クロロペルオキシ安息香酸(2.35g、13.6mmol)を加え、撹拌を24時間続けた。反応混合物を冷10% Na
2SO
3水溶液500mLに注ぎ、CH
2Cl
2(2×500mL)で抽出した。有機層を飽和NaHCO
3水溶液(1×500mL)、及びブライン(1×400mL)で洗浄した。有機層を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で容量30mLに濃縮した。ヘプタン(50mL)を撹拌下、加えた。固体が沈殿した。撹拌を0.5時間続け、固体を濾別し、ヘプタン 30mLで洗浄し、減圧下で乾燥させて、標記化合物(3.45g、72%)を、オフホワイトの固体として得た。LC-MS (UVピーク面積/ESI) 91%, 264.0420[MH
+].
【0081】
b) 6−クロロ−5−(4−クロロフェニル)ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
【化9】
オキシ塩化リン(7.85g、4.69mL、51mmol)を、クロロホルム(4mL)中のメチル 5−(4−クロロフェニル)−1−オキシド−ピリジン−1−イウム−2−カルボキシラート(実施例1a、1.5g、5.69mmol)の溶液に加えた。反応混合物を80℃で18時間撹拌し、氷冷飽和 K
2CO
3水溶液(150mL)に注ぎ、CH
2Cl
2(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×100mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、70g、ヘプタン中の0%〜100% 酢酸イソプロピル)により精製し、得られた物質をiPrOAc/ヘプタン 9:1 10mLでトリチュレートした。固体を濾別し、減圧下で乾燥させて、標記化合物(777mg、48%)を無色の固体として得た。LC-MS (UVピーク面積/ESI) 91%, 282.008[MH
+].
【0082】
c) 5−(4−クロロフェニル)−6−メチルスルファニル−ピリジン−2−カルボン酸
【化10】
ナトリウムチオメトキシド(62.1mg、886μmol)を、スルホラン(1.5mL)中の6−クロロ−5−(4−クロロフェニル)ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(実施例1b、50mg、177μmol)の溶液にアルゴン雰囲気下、加えた。混合物を周囲温度で24時間撹拌し、氷水/酢酸イソプロピル 1/1に注ぎ入れ、1N HClで酸性化した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾別し、減圧下で濃縮して、粗標記化合物(51mg、定量)を黄色の固体として得て、これをさらなる精製をせずに次の反応工程で使用した。
【0083】
d) メチル 2−[[5−(4−クロロフェニル)−6−メチルスルファニルピリジン−2−カルボニル]アミノ]−2−メチルプロパノアート
DMF(1.5mL)中の5−(4−クロロフェニル)−6−メチルスルファニル−ピリジン−2−カルボン酸(実施例1c、52mg、186μmol)、メチル 2−アミノイソブチラート(CAN 13257-67-5、79mg、670μmol)、HATU(255mg、670μmol)及びDIEA(87mg、116μL、670μmol)の溶液を、周囲温度で3日間撹拌した。混合物を酢酸イソプロピルに注ぎ、水、飽和Na
2CO
3水溶液及び1N HClで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾別し、減圧下で濃縮して、黄色の油状物を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50g、ヘプタン中の0%〜100% 酢酸イソプロピル)により精製して、標記化合物(64mg、92%)を無色のロウ状の固体として与えた。MS (ISP): 379.2 [MH
+].
【0084】
実施例2
メチル 2−[[5−(4−クロロフェニル)−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボニル]アミノ]−2−メチルプロパノアート
【化11】
【0085】
a) 5−(4−クロロフェニル)−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸
【化12】
窒素雰囲気下、DMF(5mL)中の5−ブロモ−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(CAN 1415898-37-1、100mg、0.37mmol)、4−クロロフェニルボロン酸(CAN 1679-18-1、57mg、0.40mmol)、Pd(dppf)Cl
2×CH
2Cl
2(14mg、0.02mmol)、Na
2CO
3(2N、291mg、3mmol)の溶液を、100℃で一晩反応させた。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチル(20mL)で抽出した。水層を濃HClによりpH2に調整し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、ブライン(6×20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を石油エーテル/酢酸エチル=4/1を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(0.05g、49%)を黄色の固体として与えた。
【0086】
b) メチル 2−[[5−(4−クロロフェニル)−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボニル]アミノ]−2−メチルプロパノアート
DMF(5mL)中の5−(4−クロロフェニル)−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(実施例2a、100mg、0.325mmol)の溶液に、NMM(131mg、1.3mmol)及びHBTU(247mg、0.65mmol)を周囲温度で加えた。混合物を周囲温度で1時間撹拌した。メチル 2−アミノイソブチラート(CAN 13257-67-5、41mg、0.352mmol)を混合物に加えた。溶液を周囲温度で一晩撹拌し、水(15mL)で希釈し、EtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×10mL)及びブライン(10mL)で洗浄し、蒸発乾固した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル=8:1で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(0.4g、30%)を白色の固体として得た。 LC-MS: 403.1 [MH
+].
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 8.47 (bs, 1H), 7.81 (d, 1H, J=7.5 Hz), 7.74 (d, 1H, J=7.5 Hz), 7.56 (dd, 2H, J
1=6.6 Hz, J
2 =1.8 Hz), 7.41 (dd, 2H, J
1=6.9 Hz, J
2=2.1 Hz), 4.30 (d, 2H, J=5.1 Hz), 3.80 (s, 3H), 1.72 (s, 6H), 1.40 - 1.20 (m, 1H), 0.64 - 0.60 (m, 2H), 0.42 - 0.38 (m, 2H).
【0087】
実施例3
5−(4−クロロフェニル)−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[2−(1,3−オキサゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化13】
実施例2bに記載された手順と同様にして、5−(4−クロロフェニル)−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(実施例2a)を、2−オキサゾール−2−イルプロパン−2−アミン(CAN 1211519-76-4)と縮合させて、標記化合物(83mg、32%)を無色の油状物として得た。 LC-MS: 411.9 [MH
+].
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 8.74 (s, 1H), 7.80 - 7.71 (m, 2H), 7.57 - 7.53 (m, 3H), 7.42 - 7.39 (m, 2H), 7.10 (s, 1H), 4.31 (d, 2H, J=6.9 Hz), 1.91 (s, 6H), 1.35 - 1.25 (m, 1H), 0.64 - 0.59 (m, 2H), 0.42 - 0.38 (m, 2H).
【0088】
実施例4
5−(4−クロロフェニル)−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[2−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化14】
実施例2bに記載された手順と同様にして、5−(4−クロロフェニル)−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(実施例2a)を、2−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)プロパン−2−アミン(CAN 1153831-97-0)と縮合させて、標記化合物(88mg、48%)を白色の固体として得た。 LC-MS: 427.1 [MH
+].
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 8.58 (bs, 1H), 7.80 (d, 1H, J=7.5 Hz), 7.73 (d, 1H, J=7.5 Hz), 7.56 (d, 2H, J=8.4 Hz), 7.41 (dd, 2H, J
1=6.6 Hz, J
2=1.8 Hz), 4.30 (d, 2H, J=7.2 Hz), 2.60 (s, 3H), 1.89 (s, 6H), 1.40 - 1.20 (m, 1H), 0.64 - 0.62 (m, 2H), 0.40 - 0.37 (m, 2H).
【0089】
実施例5
6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[2−(1,3−オキサゾール−2−イル)プロパン−2−イル]−5−フェニルピリジン−2−カルボキサミド
【化15】
【0090】
a) 6−(シクロプロピルメトキシ)−5−フェニル−ピリジン−2−カルボン酸
【化16】
実施例2aに記載された手順と同様にして、5−ブロモ−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(CAN 1415898-37-1、2g、7mmol)を、フェニルボロン酸(CAN 98-80-6、1.07g、9mmol)と反応させて、標記化合物(1.3g、66%)を白色の固体として与えた。 LC-MS: 270.1 [MH
+].
【0091】
b) 6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[2−(1,3−オキサゾール−2−イル)プロパン−2−イル]−5−フェニルピリジン−2−カルボキサミド
実施例2bに記載された手順と同様にして、6−(シクロプロピルメトキシ)−5−フェニル−ピリジン−2−カルボン酸(実施例5a)を、2−オキサゾール−2−イルプロパン−2−アミン(CAN 1211519-76-4)と縮合させて、標記化合物(41mg、29%)を白色の固体として得た。LC-MS: 378.2 [MH
+].
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 8.75 (s, 1H), 7.81 - 7.74 (m, 2H), 7.64 - 7.61 (m, 3H), 7.46 - 7.34 (m, 4H), 7.11 (s, 1H), 4.32 (d, 2H, J=6.9 Hz), 1.91 (s, 6H), 1.43 - 1.37 (m, 1H), 0.65 - 0.59 (m, 2H), 0.43 - 0.39 (m, 2H).
【0092】
実施例6
6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(メチルカルバモイル)ペンタン−3−イル]−5−フェニルピリジン−2−カルボキサミド
【化17】
実施例2bに記載された手順と同様にして、6−(シクロプロピルメトキシ)−5−フェニル−ピリジン−2−カルボン酸(実施例5a)を、2−アミノ−2−エチル−N−メチル−ブタンアミド(CAN 1415898-90-6)と縮合させて、標記化合物(29mg、20%)を白色の固体として得た。 LC-MS: 396.1 [MH
+].
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): 8.98 (bs, 1H), 7.81 (dd, 2H, J
1=12.0 Hz, J
2=7.5 Hz), 7.65 (dd, 2H, J
1=8.4 Hz, J
2=1.2 Hz), 7.49 - 7.37 (m, 3H), 6.21 (bs, 1H), 4.38 (d, 2H, J=6.9 Hz), 2.93 (d, 3H, J=4.5 Hz), 2.67 - 2.57 (m, 2H), 1.82 - 1.72 (m, 2H), 1.40 - 1.25 (m, 1H), 0.87 (t, 6H, J=7.5 Hz), 0.68 - 0.62 (m, 2H), 0.42 - 0.38 (m, 2H).
【0093】
実施例7
6−(3−クロロフェニル)−5−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(メチルカルバモイル)ペンタン−3−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化18】
【0094】
a) 5−(シクロプロピルメトキシ)−1−オキシド−ピリジン−1−イウム−2−カルボン酸
【化19】
30% H
2O
2(15mL)を、酢酸(20mL)中の5−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(CAN 1266787-40-9、0.44g、2.28mmol)の溶液に加えた。混合物を60℃で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、粗標記化合物(0.2g、42%)を与え、これをさらなる精製をせずに次の反応工程で使用した。 LC-MS: 210.1 [MH
+].
1H NMR (300 MHz, CD
3OD): δ 8.24 - 8.13 (m, 2H), 7.37 - 7.11 (m, 1H), 3.97 - 3.90, (m, 2H), 1.21 - 1.86 (m, 1H), 0.61 - 0.55 (m, 2H), 0.34 - 0.29 (m, 2H).
【0095】
b) 6−ブロモ−5−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸
【化20】
5−(シクロプロピルメトキシ)−1−オキシド−ピリジン−1−イウム−2−カルボン酸(実施例7a、(3.0g、14.3mmol)を、ジクロロメタン(10mL)中のPOBr
3(30g)の溶液に加えた。混合物を40℃で一晩撹拌した。氷水を加え、混合物をジクロロメタン(3×100mL)で抽出し、有機層を合わせた。溶媒を除去し、1N NaOH溶液を加え、混合物をジクロロメタン(2×40mL)で洗浄した。水層を1N HClで酸性化し、ジクロロメタン(3×100mL)で抽出し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮して、粗標記化合物(1.0g、32%)を与えた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 8.07 - 8.04 (m, 1H), 7.15 - 7.13 (m, 1H), 3.99 - 3.96, (m, 2H), 1.37 - 1.32 (m, 1H), 0.74 - 0.68 (m, 2H), 0.47 - 0.42 (m, 2H).
【0096】
c) 6−(3−クロロフェニル)−5−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸
【化21】
実施例2aに記載された手順と同様にして、6−ブロモ−5−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(実施例7b、0.3g、1.1mmol)を、3−クロロフェニルボロン酸(CAN 63503-60-6、0.21g、1.3mmol)と反応させて、標記化合物(60mg、18%)を与えた。 LC-MS: 304.0 [MH
+].
【0097】
d) 6−(3−クロロフェニル)−5−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(メチルカルバモイル)ペンタン−3−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
実施例2bに記載された手順と同様にして、6−(3−クロロフェニル)−5−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(実施例7d)を、2−アミノ−2−エチル−N−メチル−ブタンアミド(1415898-90-6)と縮合させて、標記化合物(5mg、9%)を白色の固体として得た。LC-MS: 430.2 [MH
+].
1H NMR (300 MHz, CD
3OD): δ 9.45 (bs, 1H), 8.21 - 8.07 (m, 2H), 8.01 (d, 1H, J=8.7 Hz), 7.60 (d, 1H, J=8.7 Hz), 7.51 - 7.41 (m, 2H), 4.05 (d, 2H, J=6.9 Hz), 2.82 (s, 3H), 2.70 - 2.50 (m, 2H), 1.90 - 1.75 (m, 2H), 1.40 - 1.20 (m, 2H), 0.78 (t, 6H, J=7.5 Hz), 0.70 - 0.65 (m, 2H), 0.45 - 0.40 (m, 2H).
【0098】
実施例8
6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)−N−[2−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化22】
【0099】
a) 6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸
【化23】
窒素雰囲気下、3−メトキシアゼチジン(38mg、0.44mmol)、BINAP(23mg、0.037mmol)、Pd
2(dba)
3(17mg、0.02mmol)及びCs
2CO
3(240mg、0.735mmol)を、トルエン(4mL)中の5−ブロモ−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(CAN 1415898-37-1、100mg、0.37mmol)の溶液に加えた。反応混合物を110℃で一晩撹拌し、次に減圧下で濃縮した。残留物を水に溶解し、酢酸エチル(30mL)で抽出した。水層を1N HClの添加によりpH2に調整した。得られた沈殿物を濾過により回収し、減圧下で乾燥させた。石油エーテル/酢酸エチル=1/2を用いるシリカゲルクロマトグラフィー精製により、標記化合物(35mg、34%)を黄色の固体として与えた。LC-MS: 265.2 [MH
+].
【0100】
b) 6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)−N−[2−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
実施例2bに記載された手順と同様にして、6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例8a)を、2−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)プロパン−2−アミン(CAN 1153831-97-0)と縮合させて、標記化合物(47mg、33%)を無色の油状物として得た。 LC-MS: 402.2 [MH
+].
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ8.25 (bs, 1H), 7.59 (d, 1H, J=8.1 Hz), 6.55 (d, 1H, J=7.8 Hz), 4.35 - 4.15 (m, 5H), 3.90 - 3.80 (m, 2H), 3.33 (d, 3H, J=1.2 Hz), 2.56 (s, 3H), 1.83 (s, 6H), 1.40 - 1.20 (m, 1H), 0.65 - 0.61 (m, 2H), 0.39 - 0.36 (m, 2H).
【0101】
実施例9
6−(3−クロロフェニル)−5−(シクロプロピルメトキシ)−N−[2−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化24】
実施例2bに記載された手順と同様にして、6−(3−クロロフェニル)−5−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(実施例7d)を、2−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)プロパン−2−アミン(CAN 1153831-97-0)と縮合させて、標記化合物(20mg、29%)を白色の固体として得た。LC-MS: 427.2 [MH
+].
1H NMR (300 MHz, CD
3OD): δ8.11 (d, 1H, J=1.8 Hz), 8.02 - 7.95 (m, 2H), 7.58 (d, 1H, J=8.7 Hz), 7.50 - 7.40 (m, 2H), 4.04 (d, 2H, J=6.9 Hz), 2.58 (s, 3H), 1.82 (s, 6H), 1.40 - 1.20 (m, 2H), 0.68 - 0.64 (m, 2H), 0.44 - 0.40 (m, 2H).
【0102】
実施例10
N−[(2S)−1−アミノ−3−シクロプロピル−1−オキソプロパン−2−イル]−6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
【化25】
実施例2bに記載された手順と同様にして、6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例8a)を、(2S)−2−アミノ−3−シクロプロピル−プロパンアミド(CAN 156077-93-9)と縮合させて、標記化合物(40mg、36%)を白色の固体として得た。LC-MS: 389.1 [MH
+].
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 8.05 (d, 1H, J=7.8 Hz), 7.66 (d, 1H, J=7.5 Hz), 6.57 (d, 1H, J=7.8 Hz), 6.50 (bs, 1H), 5.45 (bs, 1H), 4.64 (dd, 1H, J
1=13.8 Hz, J
2=6.6 Hz), 4.35 - 4.25 (m, 3H), 4.14 (d, 2H, J=7.2 Hz), 3.95 - 3.85 (m, 2H), 3.34 (s, 3H), 1.95 - 1.65 (m, 2H), 1.35 - 1.20 (m, 1H), 0.90 - 0.75 (m, 1H), 0.64 - 0.15 (m, 8H).
【0103】
実施例11
6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)−N−[2−(1,3−チアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化26】
【0104】
a) 6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
【化27】
窒素雰囲気下、トルエン(50mL)中の化合物 メチル 5−ブロモ−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボキシラート(CAN 1415899-20-5、0.51g、1.8mmol)、2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタンエタンジオアート(CAN 1254966-66-9、0.29mg、1.8mmol)、Pd
2(dba)
3(33mg、0.035mmol)、BINAP(45mg、0.07mmol)及びCs
2CO
3(1.76mg、5.4mmol)の混合物を、110℃で一晩撹拌した。濃縮の後、残留物を水(30mL)とEtOAc(30mL)とに分配した。水相をEtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(30mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物を与え、これを、石油エーテル−酢酸エチル(1:1)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、標的化合物(0.4g、73%)を黄色の固体として与えた。LC-MS: 305.1 [MH
+].
【0105】
b) 6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)ピリジン−2−カルボン酸
【化28】
THF/H
2O(15mL)中の6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(実施例11a、0.4g、1.3mmol)及びLiOH×H
2O(0.17g、3.9mmol)の混合物を、周囲温度で3時間撹拌した。有機溶媒の除去の後、水(10mL)を残留物に加え、混合物をEtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、標的化合物(0.38g、99%)を与えた。LC-MS: 291.2 [MH
+].
【0106】
c) 6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)−N−[2−(1,3−チアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
実施例2bに記載された手順と同様にして、6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例11b)を、2−チアゾール−2−イルプロパン−2−アミン(CAN 1082393-38-1)と縮合させて、標記化合物(20mg、15%)を白色の固体として得た。 LC-MS: 415.1 [MH
+].
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ8.65 (bs, 1H), 7.68 (d, 1H, J=3.0 Hz), 7.63 (d, 1H, J=7.8 Hz), 7.25 (s, 1H), 6.56 (d, 1H, J=7.8 Hz), 4.84 (s, 4H), 4.25 - 4.15 (m, 6H), 1.93 (s, 6H), 1.40 - 1.25 (m, 1H), 0.69 - 0.63 (m, 2H), 0.42 - 0.37 (m, 2H).
【0107】
実施例12
N−[(2S)−1−アミノ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
【化29】
実施例2bに記載された手順と同様にして、6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例11b)を、(2S)−2−アミノ−4−メチル−ペンタンアミド(CAN 687-51-4)と縮合させて、標記化合物(76mg、71%)を明黄色の固体として得た。LC-MS: 403.2 [MH
+].
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ7.72 (d, 1H, J=8.1 Hz), 7.64 (d, 1H, J=7.8 Hz), 6.56 (d, 1H, J=7.8 Hz), 6.46 (bs, 1H), 5.41 (bs, 1H), 4.84 (s, 4H), 4.62 - 4.55 (m, 1H), 4.21 - 4.05 (m, 6H), 1.90 - 1.60 (m, 3H), 1.31 - 1.25 (m, 1H), 0.94 (t, 6H, J=6.6 Hz), 0.68 - 0.62 (m, 2H), 0.40 - 0.35 (m, 2H).
【0108】
実施例13
6−(3−クロロフェニル)−5−(シクロプロピルメトキシ)−N−[2−(1,3−チアゾール−2−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化30】
実施例2bに記載された手順と同様にして、6−(3−クロロフェニル)−5−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(実施例7d)を、2−チアゾール−2−イルプロパン−2−アミン(CAN 1082393-38-1)と縮合させて、標記化合物(20mg、28%)を白色の固体として得た。LC-MS: 428.1 [MH
+].
1H NMR (300 MHz, CD
3OD): δ 8.16 (d, 1H, J=1.8 Hz), 8.06 - 8.03 (m, 1H), 7.98 (d, 1H, J=8.4 Hz), 7.72 (d, 1H, J=3.3 Hz), 7.60 (d, 1H, J=8.7 Hz), 7.51 - 7.44 (m, 3H), 4.05 (d, 2H, J=6.9 Hz), 1.93 (s, 6H), 1.40 - 1.20 (m, 1H), 0.70 - 0.60 (m, 2H), 0.45 - 0.40 (m, 2H).
【0109】
実施例14
N−[(2S)−1−アミノ−3−シクロプロピル−1−オキソプロパン−2−イル]−5,6−ビス(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボキサミド
【化31】
【0110】
a) 5,6−ビス(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸
【化32】
水素化ナトリウム(2.4g、0.1mol)を、シクロプロピルメタノールの氷冷溶液(20mL)に30分以内で加えた。メチル 5−ブロモ−6−クロロ−ピリジン−2−カルボキシラート(CAN 1214353-79-3、5g、0.02mol)を加えた。反応混合物を100℃に2時間加熱した。周囲温度に冷却した後、反応混合物を水の添加によりクエンチした。溶媒を減圧下で除去し、水を加え、1N HClを用いてpHを3にした。得られた沈殿物を濾過により回収し、溶液を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3×30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。蒸発による溶媒の除去の後、粗生成物を石油エーテル/酢酸エチル=1:1で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(4.7g、86%)を白色の固体として与えた。LC-MS: 264.2 [MH
+].
【0111】
b) N−[(2S)−1−アミノ−3−シクロプロピル−1−オキソプロパン−2−イル]−5,6−ビス(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボキサミド
実施例2bに記載された手順と同様にして、5,6−ビス(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(実施例14a)を、(2S)−2−アミノ−3−シクロプロピル−プロパンアミド(CAN 156077-93-9)と縮合させて、標記化合物(20mg、28%)を白色の固体として得た。LC-MS: 374.2 [MH
+].
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 8.21 (d, 1H, J=7.8 Hz), 7.60 - 7.25 (m, 2H), 7.34 (d, 1H, J=8.1 Hz), 7.11 (bs, 1H), 4.44 (dd, 1H, J
1=13.2 Hz, J
2=7.5 Hz), 4.24 (d, 2H, J=7.2 Hz), 3.89 (d, 2H, J=6.9 Hz), 1.80 - 1.65 (m, 1H), 1.60 - 1.45 (m, 1H), 1.40 - 1.20 (m, 2H), 0.75 - 0.50 (m, 4H), 0.50 - 0.30 (m, 5H), 1.50 - 1.25 (m, 2H).
【0112】
実施例15
N−[(2S)−1−アミノ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
【化33】
実施例2bに記載された手順と同様にして、6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例8a)を、(2S)−2−アミノ−4−メチル−ペンタンアミド(CAN 687-51-4)と縮合させて、標記化合物(90mg、81%)を白色の固体として得た。LC-MS: 391.2 [MH
+].
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ7.75 (d, 1H, J=8.4 Hz), 7.60 (d, 1H, J=7.8 Hz), 7.11 (bs, 1H), 8.21 (d, 1H, J=7.8 Hz), 6.76 (bs, 1H), 4.66 - 4.59 (m, 1H), 4.30 - 4.00 (m, 5H), 3.90 - 3.80 (m, 2H), 3.32 (s, 3H), 1.90 - 1.60 (m, 3H), 1.35 - 1.20 (m, 1H), 1.00 - 0.85 (m, 6H), 0.63 - 0.57 (m, 2H), 0.37 - 0.32 (m, 2H).
【0113】
実施例16
N−[(2S)−1−アミノ−4−メチルスルファニル−1−オキソブタン−2−イル]−6−クロロ−5−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボキサミド
【化34】
【0114】
a) 6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(トリフルオロメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸及び6−クロロ−5−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸
【化35】
DMSO(16mL)中の6−クロロ−5−(トリフルオロメトキシ)−2−ピリジンカルボン酸(CAN 1221171-90-9、1.0g、4.14mmol)の溶液に、粉末水酸化カリウム(929mg、16.6mmol)及びシクロプロピルメタノール(335μL、4.14mmol)を加えた。室温で16時間の撹拌の後、さらなるシクロプロピルメタノール(335μL、4.14mmol)を加え、混合物を50℃で4時間撹拌した。冷却した後、混合物を1N 水酸化ナトリウム溶液/氷/水(50mL)に加え、MTBE(100mL)で洗浄した。有機相を1N 水酸化ナトリウム溶液(20mL)で抽出した。水相を合わせ、2N HCl(50mL)で酸性化し、MTBE(2×150mL)で抽出した。有機相を氷水/ブライン(1:1、2×150mL)で洗浄し、合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物は褐色の油状物としての標記化合物の1:1の混合物であり、これを静置して凝固させた。LC-MS (UVピーク面積/ESI) 51.2%, 278.0628 [MH
+]及び 48.8%, 228.0425 [MH
+].
【0115】
b) N−[(2S)−1−アミノ−4−メチルスルファニル−1−オキソブタン−2−イル]−6−クロロ−5−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボキサミド
DMF(4mL)中の6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(トリフルオロメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸と6−クロロ−5−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸との混合物(実施例16a、100mg)、(2S)−2−アミノ−4−(メチルチオ)−ブタンアミド塩酸塩(1:1)(CAN 16120-92-6、73.3mg、0.397mmol)、DIEA(309μL、1.8mmol)及びTBTU(127mg、0.397mmol)の溶液を、室温で20時間撹拌した。粗反応混合物を減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中の0%〜100% 酢酸エチル)により精製して、標記化合物(32mg、25%)を明−黄色の固体として与えた。LC-MS (UVピーク面積/ESI) 96%, 358.0988 [MH+].
【0116】
実施例17
6−クロロ−5−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(メチルカルバモイル)ペンタン−3−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化36】
【0117】
a) 6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(トリフルオロメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸及び6−クロロ−5−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸
【化37】
DMSO(16mL)中の6−クロロ−5−(トリフルオロメトキシ)−2−ピリジンカルボン酸(CAN 1221171-90-9、1.0g、4.14mmol)の溶液に、粉末水酸化カリウム(929mg、16.6mmol)及びシクロプロピルメタノール(335μL、4.14mmol)を加えた。室温で16時間の撹拌の後、さらなるシクロプロピルメタノール(335μL、4.14mmol)を加え、混合物を50℃で4時間撹拌した。冷却後、混合物を1N 水酸化ナトリウム溶液/氷/水(50mL)に加え、MTBE(100mL)で洗浄した。有機相を1N 水酸化ナトリウム溶液(20mL)で抽出した。水相を合わせ、2N HCl(50mL)で酸性化し、MTBE(2×150mL)で抽出した。有機相を氷水/ブライン(1:1、2×150mL)で洗浄し、合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物は褐色の油状物としての標記化合物の1:1の混合物であり、これを静置して凝固させた。LC-MS (UVピーク面積/ESI) 51.2%, 278.0628 [MH
+]及び48.8%, 228.0425 [MH
+].
【0118】
b) 6−クロロ−5−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(メチルカルバモイル)ペンタン−3−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
DMF(2mL)中の6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(トリフルオロメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸と6−クロロ−5−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸との混合物(実施例17a、50mg)、2−アミノ−2−エチル−N−メチル−ブタンアミド(CAN 1415898-90-6、0.198mmol)、DIEA(154μL、0.9mmol)及びTBTU(63.7mg、0.198mmol)の溶液を、室温で20時間撹拌した。粗反応混合物を減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘプタン中の0%〜100% 酢酸エチル)により精製して、標記化合物(18mg、28%)をオフホワイトの固体として与えた。LC-MS (UVピーク面積/ESI) 98%, 354.1581 [MH+].
【0119】
実施例18
6−クロロ−5−(シクロプロピルメトキシ)−N−[(1S)−2−シクロプロピル−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エチル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化38】
DMF(2mL)中の6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(トリフルオロメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸と6−クロロ−5−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸との混合物(実施例16a、50mg)、(αS)−α−(シクロプロピルメチル)−5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−メタンアミン(CAN 1415898-68-8、0.198mmol)、DIEA(154μL、0.9mmol)及びTBTU(63.7mg、0.198mmol)の溶液を、室温で20時間撹拌した。粗反応混合物を減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン中0%〜100% 酢酸エチル)により精製して、標記化合物(20mg、29%)を黄色の油状物として与えた。LC-MS (UVピーク面積/ESI) 89%, 377.1377 [MH+].
【0120】
実施例19
3−[6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボニル]−1,1−ジオキソ−1,3−チアゾリジン−4−カルボキサミド
【化39】
【0121】
a) 3−tert−ブトキシカルボニル−1,1−ジオキソ−1,3−チアゾリジン−4−カルボン酸メチルエステル
【化40】
m−CPBA(698mg、4.04mmol)を、ジクロロメタン(4mL)中のO3−tert−ブチル O4−メチルチアゾリジン−3,4−ジカルボキシラート(CAN 63664-10-8、0.5g、2.02mmol)の氷冷溶液に加えた。懸濁液を周囲温度で2時間撹拌した。さらなるm−CPBA(349mg、2.02mmol)を加え、撹拌を周囲温度で一晩続けた。反応混合物を氷水/飽和NaHCO
3水溶液(50mL)に注ぎ入れた。層を分離し、水層をジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を氷水/ブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、黄色の油状物を与え、これを、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/AcOEt、120分で0〜20%)により精製して、標記化合物(362mg、64%)を無色の油状物として得た。MS (ESI) 180.1 [MH-Boc
+].
【0122】
b) 3−tert−ブトキシカルボニル−1,1−ジオキソ−1,3−チアゾリジン−4−カルボン酸
【化41】
THF(3.5mL)及び水(1.05mL)中の3−tert−ブトキシカルボニル−1,1−ジオキソ−1,3−チアゾリジン−4−カルボン酸メチルエステル(実施例19a、0.35g、1.25mmol)及び水酸化リチウム水和物(63.1mg、1.5mmol)の溶液を、周囲温度で20時間撹拌した。反応混合物を氷/0.1N HCl(25mL)に注ぎ入れ、EtOAc(2×25mL)で抽出した。合わせた抽出物を氷/ブライン(25mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過した。減圧下での溶媒の除去により、標記化合物(306mg、92%)を無色の泡状物として与えた。MS (ESI) 264.05 [M-H
-].
【0123】
c) tert−ブチル 4−カルバモイル−1,1−ジオキソ−1,3−チアゾリジン−3−カルボキシラート
【化42】
カルボニルジイミダゾール(520mg、3.21mmol)を、DMF(1mL)中の3−tert−ブトキシカルボニル−1,1−ジオキソ−1,3−チアゾリジン−4−カルボン酸(実施例19b、304mg、1.15mmol)の氷冷懸濁液に加えた。混合物を周囲温度で2時間撹拌した。水浴を使用して冷却下、NH
3ガスを溶液中に周囲温度で10分間泡立て入れた。撹拌を周囲温度で一晩続けた。混合物を氷/水/1N HCl 30mLに注ぎ入れ、EtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた抽出物を氷/ブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、標記化合物(197mg、65%)を白色の固体として与えた。MS (ESI) 263.1 [M-H
-].
【0124】
d) 1,1−ジオキソ−1,3−チアゾリジン−4−カルボキサミド塩酸塩
【化43】
ジオキサン中の塩化水素の4M 溶液(4.73mL、18.9mmol)を、ジクロロメタン(10mL)中のtert−ブチル 4−カルバモイル−1,1−ジオキソ−1,3−チアゾリジン−3−カルボキシラート(実施例19c、500mg、1.89mmol)の氷冷溶液に加えた。混合物を周囲温度で4日間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、標記化合物(388mg、定量)を白色の固体として与えた。MS (ESI): 198.99 [M-H
-].
【0125】
e) 3−[6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボニル]−1,1−ジオキソ−1,3−チアゾリジン−4−カルボキサミド
THF(3mL)中の6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例8a、30mg、108μmol)、1,1−ジオキソ−1,3−チアゾリジン−4−カルボキサミド塩酸塩(実施例19d、26mg、129μmol)、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボラート(33mg、119μmol)及びDIEA(42mg、55μL、323μmol)の溶液を、周囲温度で24時間撹拌した。蒸発により黄色の油状物を与え、これを氷冷飽和NaHCO
3水溶液(75mL)及び酢酸エチル(75mL)に溶解した。層を分離し、水層をEtOAc(75mL)で抽出した。合わせた抽出物を氷水/0.1N HCl(75mL)及び氷水/ブライン(75mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過した。溶媒の除去の後、黄色の固体を得て、これをEtOAcから再結晶化させて、標記化合物(15mg、33%)をオフホワイトの固体として得た。MS (ISP): 425.5 [MH
+].
【0126】
実施例20
エチル 2−[[6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボニル]アミノ]−2−エチルブタノアート
【化44】
ジクロロメタン(1mL)中の6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例8a、20.4mg、73.3μmol)、DIPEA(23.7mg、32.0μL、183μmol)及び4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリン−4−イウムクロリド(22.3mg、277μmol)の溶液を、周囲温度で30分間撹拌した。エチル 2−アミノ−2−エチル−ブタノアート塩酸塩(CAN 1135219-29-2、14.3mg、73.3μmol)を加え、反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。ジクロロメタン(8mL)を加え、混合物を1M NaHCO
3水溶液(3×10mL)、水(10mL)及びブライン(15mL)で洗浄した。有機相をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。ヘプタン:EtOAc(4:1)を用いるカラムフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、10g)により、標記化合物(25.6mg、83.2%)を無色の油状物として与えた。LC-MS (ESI): 420.7 [MH
+].
【0127】
実施例21
6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[1−[5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−2−メチルプロパン−2−イル]−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
【化45】
【0128】
a) tert−ブチル 4−(2−(4−フルオロベンゾイル)ヒドラジニル)−2−メチル−4−オキソブタン−2−イルカルバマート
【化46】
4−フルオロベンゾヒドラジド(CAN 456-06-4、2.13g、13.8mmol)を、DMF(100mL)中の3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタン酸(CAN 129765-95-3、3g、13.8mmol)、DIPEA(5.35g、7.23mL、41.4mmol)及びHBTU(5.24g、13.8mmol)の溶液に加えた。反応混合物を周囲温度で18時間撹拌し、その後、減圧下で濃縮した。EtOAc(150mL)を加え、溶液を、飽和NaHCO
3水溶液(2×50mL)、1M HCl(2×50mL)及びブライン(2×50mL)で洗浄した。水層をEtOAc(100mL)で逆抽出した。有機層を合わせ、MgSO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をクロマトグラフィー(シリカゲル、300g、EtOAc:ヘプタン 1:1)により精製して、標記化合物(1.29g、26%)を無色の油状物として得た。MS (ISP): 354.3 [MH
+].
【0129】
b) tert−ブチル N−[2−[5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−1,1−ジメチル−エチル]カルバマート
【化47】
DIPEA(1.42g、1.91mL、11.0mmol)及びヘキサクロロエタン(1.12g、4.75mmol)を、アセトニトリル(60mL)中のtert−ブチル 4−(2−(4−フルオロベンゾイル)ヒドラジニル)−2−メチル−4−オキソブタン−2−イルカルバマート(実施例21a、1.29g、3.65mmol)及びトリフェニルホスフィン(1.44g、5.48mmol)の溶液に加えた。反応混合物を周囲温度で18時間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。ジクロロメタン(100mL)を加え、混合物を水(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄した。水層をジクロロメタン(100mL)で逆抽出した。合わせた抽出物をMgSO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50g、ヘプタン中の0%〜100% EtOAc)により精製して、標記化合物(0.988g、81%)を白色の固体として得た。 MS (ISP): 336.3 [MH
+].
【0130】
c) 1−[5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−2−メチル−プロパン−2−アミン塩酸塩
【化48】
ジオキサン(30mL)中のtert−ブチル N−[2−[5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−1,1−ジメチル−エチル]カルバマート(実施例21b、0.98g、2.92mmol)の溶液に、ジオキサン中のHClの4M 溶液(3.65mL、14.6mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で5日間撹拌した。さらなる、ジオキサン中の4M HCl溶液(15mL)を加え、周囲温度での撹拌を3日間続けた。tBuOMe(25mL)を加え、沈殿物を濾別し、減圧下で乾燥させて、標記化合物(620mg、78%)を与えた。MS (ISP): 236.2 [MH-Cl
+].
【0131】
d) 6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[1−[5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−2−メチルプロパン−2−イル]−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
実施例20に記載された手順と同様にして、6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例8a、20.8mg、74.7μmol)を、1−[5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−2−メチル−プロパン−2−アミン塩酸塩(実施例21c、20.3mg、74.7μmol)と縮合させて、標記化合物(22.8mg、62%)を無色の油状物として得た。LC-MS (ESI): 496.7 [MH
+].
【0132】
実施例22
N−[3−(2−アミノ−2−オキソエチル)オキセタン−3−イル]−6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
【化49】
実施例20に記載された手順と同様にして、6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例8a、20.2mg、72.6μmol)を、2−(3−アミノオキセタン−3−イル)アセトアミド塩酸塩(対応する遊離塩基のCAN 1417638-25-5、22.1mg、79.8μmol)と縮合させて、標記化合物(24mg、85%)を白色の粉末として与えた。LC-MS (ESI): 391.1984 [MH
+].
【0133】
実施例23
6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)−N−[3−(メチルカルバモイル)ペンタン−3−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化50】
実施例20に記載された手順と同様にして、6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例8a、19.7mg、70.8μmol)を、2−アミノ−2−エチル−N−メチル−ブタンアミド塩酸塩(CAN 1432507-42-0、21.5mg、77.9μmol)と縮合させて、標記化合物(23.3mg、81%)を白色の粉末として与えた。LC-MS (ESI): 405.5 [MH
+].
【0134】
実施例24
6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[(1−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
【化51】
実施例20に記載された手順と同様にして、6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例8a、21.7mg、78.0μmol)を、1−(アミノメチル)シクロヘキサノール塩酸塩(CAN 19968-85-5、23.7mg、85.8μmol)と縮合させて、標記化合物(19.8mg、65%)を無色の油状物として与えた。LC-MS (ESI): 390.7 [MH
+].
【0135】
実施例25
6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[(1−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
【化52】
【0136】
a) tert−ブチル N−[1−エチル−1−(2−フルオロエチルカルバモイル)プロピル]カルバマート
【化53】
実施例20に記載された手順と同様にして、2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−エチル−ブタン酸(CAN 139937-99-8、100mg、432μmol)を、2−フルオロエタンアミン塩酸塩(CAN 460-08-2、43.0mg、432μmol)と縮合させて、標記化合物(71mg、59%)を白色の粉末として与えた。LC-MS (ESI): 277.6 [MH
+].
【0137】
b) N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン塩酸塩
【化54】
ジエチルエーテル中の塩化水素の2M 溶液(1.03mL、2.06mmol)中のtert−ブチル N−[1−エチル−1−(2−フルオロエチルカルバモイル)プロピル]カルバマート(71mg、257μmol)の溶液を、周囲温度で14時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン塩酸塩(63mg、定量)を与え、これをさらなる精製をせずに次の反応工程で使用した。 LC-MS (ESI): 177.3 [MH
+].
【0138】
c) 6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[(1−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
実施例20に記載された手順と同様にして、6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例8a、20mg、71.9μmol)を、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン塩酸塩(23.2mg、31.4μL、180μmol)と縮合させて、標記化合物(21.2mg、54%)を与えた。LC-MS (ESI): 435.3 [M-H
-].
【0139】
実施例26
6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(3−フルオロアゼチジン−1−カルボニル)ペンタン−3−イル]−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
【化55】
【0140】
a) tert−ブチル N−[1−エチル−1−(3−フルオロアゼチジン−1−カルボニル)プロピル]カルバマート
【化56】
実施例20に記載された手順と同様にして、2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−エチル−ブタン酸(CAN 139937-99-8、150mg、649μmol)を、3−フルオロアゼチジン塩酸塩(CAN 617718-46-4、72.3mg、649μmol)と縮合させて、標記化合物(72mg、39%)を与えた。LC-MS (ESI): 289.2 [MH
+].
【0141】
b) 2−アミノ−2−エチル−1−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)ブタン−1−オン塩酸塩
【化57】
実施例25bに記載された手順と同様にして、tert−ブチル N−[1−エチル−1−(3−フルオロアゼチジン−1−カルボニル)プロピル]カルバマート(72mg、250μmol)を、ジエチルエーテル中の塩化水素の2M 溶液で処理して、標記化合物(56mg、定量)を得て、これをさらなる精製をせずに次の反応工程で使用した。 LC-MS (ESI): 189.1 [遊離アミン, M-H
+].
【0142】
c) 6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(3−フルオロアゼチジン−1−カルボニル)ペンタン−3−イル]−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
実施例20に記載された手順と同様にして、6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例8a、20mg、71.9μmol)を、2−アミノ−2−エチル−1−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)ブタン−1−オン塩酸塩(16.1mg、71.9μmol)と縮合させて、標記化合物(5.8mg、18%)を与えた。LC-MS (ESI): 449.3 [MH
+].
【0143】
実施例27
6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(3−フルオロプロピルカルバモイル)ペンタン−3−イル]−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
【化58】
【0144】
a) tert−ブチル N−[1−エチル−1−(3−フルオロプロピルカルバモイル)プロピル]カルバマート
【化59】
実施例20に記載された手順と同様にして、2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−エチル−ブタン酸(CAN 139937-99-8、150mg、649μmol)を、3−フルオロプロパン−1−アミン塩酸塩(CAN 64068-31-1、73.6mg、649μmol)と縮合させて、標記化合物(128mg、68%)を白色の粉末として与えた。LC-MS (ESI): 191.2 [M-Boc+2H]
+.
【0145】
b) 2−アミノ−2−エチル−1−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)ブタン−1−オン塩酸塩
【化60】
実施例25bに記載された手順と同様にして、tert−ブチル N−[1−エチル−1−(3−フルオロプロピルカルバモイル)プロピル]カルバマート(44mg、152μmol)を、ジエチルエーテル中の塩化水素の2M 溶液で処理して、標記化合物(43mg、定量)を得て、これをさらなる精製をせずに次の反応工程で使用した。 LC-MS (ESI): 191.1 [MH
+].
【0146】
c) 6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(3−フルオロプロピルカルバモイル)ペンタン−3−イル]−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
実施例20に記載された手順と同様にして、6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例8a、20mg、71.9μmol)を、2−アミノ−2−エチル−N−(3−フルオロプロピル)ブタンアミド(16.3mg、71.9μmol)と縮合させて、標記化合物(17.4mg、54%)を与えた。LC-MS (ESI): 451.5 [MH
+].
【0147】
実施例28
(2S)−1−[6−(シクロプロピルメトキシ)−5−[3−ヒドロキシ−3−(トリフルオロメチル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−2−カルボニル]−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキサミド
【化61】
【0148】
a) メチル 6−(シクロプロピルメトキシ)−5−[3−ヒドロキシ−3−(トリフルオロメチル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−2−カルボキシラート
【化62】
5mLの梨型フラスコ中、メチル 5−ブロモ−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボキシラート(CAN 1415899-20-5、100mg、350μmol)、3−(トリフルオロメチル)ピロリジン−3−オール塩酸塩(CAN 1334147-81-7、67mg、350μmol)及び炭酸セシウム(285mg、874μmol)を、トルエン(4mL)と合わせて、白色の懸濁液を与えた。混合物を排気し、アルゴンでパージした。酢酸パラジウム(II)(3.92mg、17.5μmol)及びラセミ体−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(15.2mg、24.5μmol)を加えた。反応混合物を80℃に加熱し、2日間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、Celiteを通して濾過した。濾液を蒸発させて、黄色の油状物を与え、これを分取TLC(シリカゲル、2.0mm、ヘプタン/EtOAc 1:1、CH
2Cl
2/EtOAc 1:1 100mLで溶離)により精製して、標記化合物(65mg、75%)を白色の固体として与えた。MS (ESI): 347.2 [MH
+].
【0149】
b) 6−(シクロプロピルメトキシ)−5−[3−ヒドロキシ−3−(トリフルオロメチル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−2−カルボン酸
【化63】
実施例11bに記載された手順と同様にして、メチル 6−(シクロプロピルメトキシ)−5−[3−ヒドロキシ−3−(トリフルオロメチル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−2−カルボキシラート(95mg、264μmol)を、水酸化リチウム水和物を用いてけん化して、標記化合物(84mg、92%)をオフホワイトの固体として与えた。MS (ESI): 347.2 [MH
+].
【0150】
c)(2S)−1−[6−(シクロプロピルメトキシ)−5−[3−ヒドロキシ−3−(トリフルオロメチル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−2−カルボニル]−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキサミド
THF(1600μL)中の6−(シクロプロピルメトキシ)−5−[3−ヒドロキシ−3−(トリフルオロメチル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−2−カルボン酸(15mg、43.3μmol)、(S)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキサミド塩酸塩(CAN 426844-51-1、8.08mg、43.3μmol)、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボラート(13.0mg、47.6μmol)及びDIEA(16.8mg、22.2μL、130μmol)の混合物を、周囲温度で1日間撹拌し、氷水に注ぎ入れ、1N HCl(20mL)でpH2に酸性化した。混合物をEtOAc(2×30mL)で抽出し、有機層を氷水/ブライン(20mL)で洗浄した。有機層を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、黄色の油状物を与え、これを分取HPLCにより精製して、標記化合物(6.2mg、30%)を明黄色の固体として得た。MS (ESI): 479.3 [MH
+].
【0151】
実施例29
N−[(2S)−1−アミノ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−6−(シクロプロピルメトキシ)−5−[3−ヒドロキシ−3−(トリフルオロメチル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化64】
実施例28cに記載された手順と同様にして、6−(シクロプロピルメトキシ)−5−[3−ヒドロキシ−3−(トリフルオロメチル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−2−カルボン酸(実施例28b、15mg、43.3μmol)を、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボラート及びDIEAの存在下、(S)−2−アミノ−4−メチルペンタンアミド塩酸塩(CAN 687-51-4、7.22mg、43.3μmol)と縮合させて、標記化合物(15mg、76%)を黄色の油状物として与えた。 MS (ESI): 459.4 [MH
+].
【0152】
実施例30
N−[(2S)−1−アミノ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(2,2−ジフルオロ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
【化65】
【0153】
a) メチル 6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(2,2−ジフルオロ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)ピリジン−2−カルボキシラート
【化66】
実施例28aに記載された手順と同様にして、メチル 5−ブロモ−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボキシラート(CAN 1415899-20-5、70mg、246μmol)を、1,1−ジフルオロ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン塩酸塩(CAN 1215071-12-7、42mg、246μmol)と反応させて、標記化合物(65mg、78%)を黄色の油状物として与えた。 MS (ESI): 339.3 [MH
+].
【0154】
b) 6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(2,2−ジフルオロ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)ピリジン−2−カルボン酸
【化67】
実施例11bに記載された手順と同様にして、メチル 6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(2,2−ジフルオロ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)ピリジン−2−カルボキシラート(69mg、204μmol)を、水酸化リチウム水和物を用いてけん化して、標記化合物(67mg、定量)をオフホワイトの固体として与えた。MS (ESI): 325.2 [MH
+].
【0155】
c) N−[(2S)−1−アミノ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(2,2−ジフルオロ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
実施例28cに記載された手順と同様にして、6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(2,2−ジフルオロ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)ピリジン−2−カルボン酸(15.3mg、47.2μmol)を、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボラート及びDIEAの存在下、(S)−2−アミノ−4−メチルペンタンアミド塩酸塩(CAN 687-51-4、7.86mg、47.2μmol)と縮合させて、標記化合物(11mg、53%)を無色の油状物として与えた。MS (ESI): 437.3 [MH
+].
【0156】
実施例31
(2S)−1−[6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(2,2−ジフルオロ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)ピリジン−2−カルボニル]−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキサミド
【化68】
実施例28cに記載された手順と同様にして、6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(2,2−ジフルオロ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例30b、15.3mg、47.2μmol)を、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボラート及びDIEAの存在下、(S)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキサミド塩酸塩(CAN 426844-51-1、8.8mg、47.2μmol)と縮合させて、標記化合物(13mg、59%)を白色の固体として与えた。MS (ESI): 457.3 [MH
+].
【0157】
実施例32
N−[3−(2−アミノ−2−オキソエチル)オキセタン−3−イル]−6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(2,2−ジフルオロ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
【化69】
実施例28cに記載された手順と同様にして、6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(2,2−ジフルオロ−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例30b、15.3mg、47.2μmol)を、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボラート及びDIEAの存在下、2−(3−アミノオキセタン−3−イル)アセトアミド(CAN 1417638-25-5、6.14mg、47.2μmol)と縮合させて、標記化合物(9mg、43%)を白色の固体として与えた。 MS (ESI): 437.3 [MH
+].
【0158】
実施例33
N−[(2S)−1−アミノ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−フルオロ−3−メチルアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
【化70】
【0159】
a) メチル 6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−フルオロ−3−メチル−アゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキシラート
【化71】
実施例28aに記載された手順と同様にして、メチル 5−ブロモ−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボキシラート(CAN 1415899-20-5、59mg、207μmol)を、3−フルオロ−3−メチルアゼチジン塩酸塩(CAN 1427379-42-7、26mg、207μmol)と反応させて、標記化合物(53mg、87%)を黄色の油状物として与えた。MS (ESI): 295.3 [MH
+].
【0160】
b) 6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−フルオロ−3−メチル−アゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸
【化72】
実施例11bに記載された手順と同様にして、メチル 6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−フルオロ−3−メチル−アゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキシラート(53.8mg、183μmol)を、水酸化リチウム水和物を用いてけん化して、標記化合物(55mg、定量)をオフホワイトの固体として与えた。MS (ESI): 281.2 [MH
+].
【0161】
c) N−[(2S)−1−アミノ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−フルオロ−3−メチルアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
実施例28cに記載された手順と同様にして、6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−フルオロ−3−メチル−アゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸(15.3mg、54.6μmol)を、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボラート及びDIEAの存在下、(S)−2−アミノ−4−メチルペンタンアミド塩酸塩(CAN 687-51-4、9.1mg、54.6μmol)と縮合させて、標記化合物(19mg、87%)を明黄色の油状物として与えた。MS (ESI): 393.3 [MH
+].
【0162】
実施例34
(2S)−1−[6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−フルオロ−3−メチルアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボニル]−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキサミド
【化73】
実施例28cに記載された手順と同様にして、6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−フルオロ−3−メチル−アゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例33b、15.3mg、54.6μmol)を、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボラート及びDIEAの存在下、(S)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキサミド塩酸塩(CAN 426844-51-1、10.2mg、54.6μmol)と縮合させて、標記化合物(20mg、88%)を白色の固体として与えた。 MS (ESI): 413.3 [MH
+].
【0163】
実施例35
N−[3−(2−アミノ−2−オキソエチル)オキセタン−3−イル]−6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−フルオロ−3−メチルアゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
【化74】
実施例28cに記載された手順と同様にして、6−(シクロプロピルメトキシ)−5−(3−フルオロ−3−メチル−アゼチジン−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例33b、15.3mg、54.6μmol)を、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボラート及びDIEAの存在下、2−(3−アミノオキセタン−3−イル)アセトアミド(CAN 1417638-25-5、7.1mg、54.6μmol)と縮合させて、標記化合物(10mg、48%)をオフホワイトの固体として与えた。MS (ESI): 393.3 [MH
+].
【0164】
実施例36
N−[(2S)−1−アミノ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−5−(3−シクロプロピル−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボキサミド
【化75】
【0165】
a) メチル 5−(3−シクロプロピル−3−フルオロ−アゼチジン−1−イル)−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボキシラート
【化76】
実施例28aに記載された手順と同様にして、メチル 5−ブロモ−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボキシラート(CAN 1415899-20-5、60mg、210μmol)を、3−シクロプロピル−3−フルオロアゼチジン塩酸塩(CAN 936548-77-5、31.8mg、210μmol)と反応させて、標記化合物(61mg、91%)を黄色の油状物として与えた。MS (ESI): 321.3 [MH
+].
【0166】
b) 5−(3−シクロプロピル−3−フルオロ−アゼチジン−1−イル)−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸
【化77】
実施例11bに記載された手順と同様にして、メチル 5−(3−シクロプロピル−3−フルオロ−アゼチジン−1−イル)−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボキシラート(56.7mg、177μmol)を、水酸化リチウム水和物を用いてけん化して、標記化合物(60mg、定量)をオフホワイトの固体として与えた。MS (ESI): 307.2 [MH
+].
【0167】
c) N−[(2S)−1−アミノ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−5−(3−シクロプロピル−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボキサミド
実施例28cに記載された手順と同様にして、5−(3−シクロプロピル−3−フルオロ−アゼチジン−1−イル)−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(15.1mg、49.3μmol)を、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボラート及びDIEAの存在下、(S)−2−アミノ−4−メチルペンタンアミド塩酸塩(CAN 687-51-4、8.21mg、49.3μmol)と縮合させて、標記化合物(15mg、72%)を無色の油状物として与えた。MS (ESI): 419.3 [MH
+].
【0168】
実施例37
(2S)−1−[5−(3−シクロプロピル−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボニル]−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキサミド
【化78】
実施例28cに記載された手順と同様にして、5−(3−シクロプロピル−3−フルオロ−アゼチジン−1−イル)−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(実施例36b、15.1mg、49.3μmol)を、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボラート及びDIEAの存在下、(S)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキサミド塩酸塩(CAN 426844-51-1、9.2mg、49.3μmol)と縮合させて、標記化合物(21mg、95%)を白色の固体として与えた。MS (ESI): 439.3 [MH
+].
【0169】
実施例38
N−[3−(2−アミノ−2−オキソエチル)オキセタン−3−イル]−5−(3−シクロプロピル−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボキサミド
【化79】
実施例28cに記載された手順と同様にして、5−(3−シクロプロピル−3−フルオロ−アゼチジン−1−イル)−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(実施例36b、15.1mg、49.3μmol)を、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボラート及びDIEAの存在下、2−(3−アミノオキセタン−3−イル)アセトアミド(CAN 1417638-25-5、6.42mg、49.3μmol)と縮合させて、標記化合物(12mg、56%)を無色の油状物として与えた。MS (ESI): 419.3 [MH
+].
【0170】
実施例39
(2S)−1−[6−(4−クロロフェニル)−5−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボニル]−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキサミド
【化80】
実施例28cに記載された手順と同様にして、6−(4−クロロフェニル)−5−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(CAN 1364677-94-0、26mg、86μmol)を、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボラート及びDIEAの存在下、(S)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボキサミド塩酸塩(CAN 426844-51-1、16mg、86μmol)と縮合させて、標記化合物(15mg、39%)を白色の固体として与えた。LC-MS (ESI): 436.1249.
【0171】
実施例40
6−(4−クロロフェニル)−5−(シクロプロピルメトキシ)−N−[2−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)プロパン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化81】
実施例28cに記載された手順と同様にして、6−(4−クロロフェニル)−5−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(CAN 1364677-94-0、34mg、112μmol)を、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボラート及びDIEAの存在下、2−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)プロパン−2−アミン塩酸塩(CAN 1240526-27-5、19.9mg、112μmol)と縮合させて、標記化合物(46mg、96%)を明橙色の油状物として与えた。MS (ESI): 427.2 [MH
+].
【0172】
実施例41
5−(3−シクロプロピル−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−6−(シクロプロピルメトキシ)−N−[3−(3−フルオロプロピルカルバモイル)ペンタン−3−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化82】
実施例28cに記載された手順と同様にして、5−(3−シクロプロピル−3−フルオロ−アゼチジン−1−イル)−6−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(実施例36b、10mg、33μmol)を、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボラート及びDIEAの存在下、2−アミノ−2−エチル−N−(3−フルオロプロピル)ブタンアミド塩酸塩(CAN 1613239-88-5、8mg、36μmol)と縮合させて、標記化合物(5mg、32%)を白色の固体として与えた。MS (ESI): m/e=479.3 [MH
+].
【0173】
実施例42
N−[(2S)−1−アミノ−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−6−(4−クロロフェニル)−5−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボキサミド
【化83】
実施例28cに記載された手順と同様にして、6−(4−クロロフェニル)−5−(シクロプロピルメトキシ)ピリジン−2−カルボン酸(CAN 1364677-94-0、35mg、115μmol)を、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボラート及びDIEAの存在下、(S)−2−アミノ−4−メチルペンタンアミド塩酸塩(CAN 687-51-4、19mg、115μmol)と縮合させて、標記化合物(30mg、63%)を白色の固体として与えた。MS (ESI): 416.2 [MH
+].
【0174】
実施例43
薬理試験
下記の試験は、式Iの化合物の活性を決定するために実施した。
【0175】
放射性リガンド結合アッセイ
カンナビノイドCB1受容体に対する本発明の化合物の親和性は、ヒトCNR1又はCNR2受容体を発現するヒト胎児腎臓(HEK)細胞の推奨量の膜標本(PerkinElmer)を使用し、放射性リガンドとして、それぞれ、1.5nM又は2.6nMの[3H]−CP−55,940(Perkin Elmer)を併用して決定した。結合は、結合緩衝液(CB1受容体の場合:50mM トリス、5mM MgCl
2、2.5mM EDTA、及び0.5% (wt/vol)脂肪酸不含BSA、pH7.4; CB2受容体の場合:50mM トリス、5mM MgCl
2、2.5mM EGTA、及び0.1%(wt/vol)脂肪酸不含BSA、pH7.4)中、総容量0.2mlで、30℃にて、振とうしながら1時間実施した。反応は、0.5% ポリエチレンイミンでコートした精密濾過プレート(UniFilter GF/B filter plate; Packard)に通して急速濾過することにより停止した。結合した放射能をKiについて、非線形回帰分析(Activity Base, ID Business Solution, Limited)を使用して分析し、[3H]CP55,940のKd値は、飽和実験から決定した。式(I)の化合物は、CB2受容体に対して優れた親和性を示す。
【0176】
式(I)で示される化合物は、上記アッセイ(Ki)において0.5nM〜10μMの活性を有する。式(I)の特定の化合物は、上記アッセイ(Ki)において0.5nM〜3μMの活性を有する。式(I)の他の特定の化合物は、上記アッセイ(Ki)において0.5nM〜100nMの活性を有する。
【0177】
cAMPアッセイ
ヒトCB1又はCB2受容体を発現するCHO細胞を、実験の17〜24時間前に、透明平底の黒色96ウェルプレート(Corning Costar #3904)において、10% ウシ胎仔血清を含有する1×HTを補充したDMEM(Invitrogen No. 31331)中に、50.000細胞/ウェルで播種し、加湿インキュベーター内にて、5% CO
2、37℃でインキュベートする。成長培地を、1mM IBMXを含有するクレブス−リンガー重炭酸緩衝液に交換し、30℃で30分間インキュベートした。化合物を最終アッセイ容量100μLまで加え、30℃で30分間インキュベートした。cAMP−Nano−TRF検出キット(Roche Diagnostics)を使用して、50μLの溶解試薬(トリス、NaCl、1.5% Triton X100、2.5% NP40、10% NaN
3)及び50μLの検出液(20μM mAb Alexa700−cAMP 1:1、及び48μM ルテニウム−2−AHA−cAMP)を加えてアッセイを停止し、室温で2時間振とうした。時間分解エネルギー転移は、励起源としてND:YAGレーザーを搭載したTRFリーダー(Evotec Technologies GmbH)により測定する。355nmでの励起と遅延100ns及びゲート100nsでの発光において、730nm(帯域幅30nm)又は645nm(帯域幅75nm)で、それぞれ総照射時間10秒でプレートを2回測定する。FRETシグナルは、以下のように算出される:FRET=T730−Alexa730−P(T645−B645)(式中、P=Ru730−B730/Ru645−B645)、ここで、T730は、730nMで測定される試験ウェルであり、T645は、645nmで測定される試験ウェルであり、B730及びB645は、それぞれ、730nm及び645nmの緩衝液コントロールである。cAMP含量は、10μM〜0.13nM cAMPの標準曲線の関数から決定する。
【0178】
EC
50値は、Activity Base分析(ID Business Solution, Limited)を用いて決定した。このアッセイから生成した様々なカンナビノイド・アゴニストの参照化合物に対するEC
50値は、科学文献の公表値と一致した。
【0179】
前述のアッセイにおいて、本発明による化合物は、0.5nM〜10μMであるヒトCB2 EC
50を有する。本発明による特定の化合物は、0.5nM〜1μMのヒトCB2 EC
50を有する。本発明によるさらに特定の化合物は、0.5nM〜100nMのヒトCB2 EC
50を有する。それらは、放射性リガンド及びcAMPアッセイの両方、又はこれら2つのアッセイのうちの1つのいずれかにおいて、ヒトCB1受容体に対して少なくとも10倍の選択性を呈する。
【0180】
本発明の代表的な化合物について得られた結果を、以下の表に示す:
【0181】
【表1】
【0182】
実施例A
下記の成分を含有するフィルムコーティング錠は慣用の方法により製造することができる:
【表2】
【0183】
有効成分を篩にかけ、微結晶性セルロースと混合し、混合物を水中のポリビニルピロリドンの溶液で顆粒化する。次に、顆粒をデンプングリコール酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムと混合し、圧縮して、それぞれ120又は350mgの核を生成する。上記のフィルムコートの水溶液/懸濁液を用いて核をコーティングする。
【0184】
実施例B
下記の成分を含有するカプセル剤は慣用の方法により製造することができる:
【表3】
【0185】
成分を篩にかけ、混合し、サイズ2のカプセルに充填する。
【0186】
実施例C
注射液剤は下記の組成を有することができる:
【表4】
【0187】
有効成分を、ポリエチレングリコール400と注射用水(一部)の混合物に溶解する。酢酸の添加により、pHを5.0に調整する。水の残量を加えて、容量を1.0mlに調整する。溶液を濾過し、適切な過剰量を使用してバイアルに充填し、滅菌する。