(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明を、添付の図面を参照して記述するが、同様の参照番号は同様の要素に対応する。
【0034】
以下の記述のため、空間及び方向を示す用語は、図面において位置付けられたように本発明に関するものとする。しかしながら、本発明は、逆に明確に特定されない場合は、多様な代替的変形を想定していることを理解されたい。また、添付の図面に示し、以下の詳述に記述する具体的なコンポーネントは、単に本発明の模範的実施形態であることも理解されたい。従って、本明細書に開示する実施形態に関する具体的寸法及び他の物理的特徴は、限定されない。
【0035】
図1A〜7は、本発明と共同所有され、その開示内容全体が参考として本明細書で援用される、2008年10月10日に出願されたPCT出願番号US2008/079533に記述された尿中バクテリアの同定を行うためのシステムを開示している。
図1A,1B,2,3A,3B,4A〜4Cを参照すると、尿サンプル中のバクテリアの同定を行うためのシステムは、使い捨てカートリッジ12(
図1B及び2)と、サンプルプロセッサ14(
図3A,3B,6及び7)と、及び光学式分析装置16(
図4A,4B及び4C)とを含む。
図1A及び2に示すように、カートリッジ12は、4個の使い捨てコンポーネントを含有し、それらコンポーネントは、遠心分離管18、1mLの容積を有する第1のピペットチップ20、光学カップ又はキュベット22、及び0.5mLの容積を有する第2のピペットチップ24である。ここで記述する発明のシステムは、あらゆる液体中のバクテリアの同定化に適しており、尿中に含まれるバクテリアのサンプルに限定されないことを理解されたい。
【0036】
遠心分離管18は、18aで示す先細り端を有する細長い本体18bを有する容器である。一般に、遠心分離管18は最初に尿サンプルを含有し、第1のピペットチップ20は尿に溶解した構成要素を希釈するために使用され、第2のピペットチップ24は、光学分析のために、希釈した尿サンプルを光学カップ又はキュベット22に移し替えるために使用される。使い捨てカートリッジ12及びその使い捨てコンポーネント18,20,22及び24は、成形が容易で安価に製造されるプラスチック材料から作られる。
【0037】
更に
図2を参照すると、使い捨てコンポーネント18,20,22、及び24は、各々、使い捨てカートリッジ12の分離したそれぞれの位置30,32,34,及び36内に含有される。図示のように、第1のピペットチップ20を受容して担持するコンパートメント32の底面は閉鎖しており、第1のピペットチップ20からの液滴が使い捨てカートリッジ12下方の表面を汚染しないようにしてある。各コンポーネント18,20,22、及び24は、使い捨てカートリッジ12の上表面50によって支持される各コンポーネント18,20,22、及び24にそれぞれ取付けられた縁部40,42,46、及び48によって、そのそれぞれの位置30,32,34、及び36内に懸架される。
【0038】
図2及び4Aを参照すると、光学カップ又はキュベット22は、
図4Aの光学式分析装置において使用され得る。好ましくは、食塩水が、尿分析処理において光学システムを使用する時に特に重要であるバクテリアの完全性を保ちながらバックグラウンド蛍光を最小にするので、尿サンプルは食塩水で調製される。光学カップ又はキュベット22は、光学分析を補助するために反射被膜を含むことができる。光学カップ又はキュベット22は、ABSプラスチック材料、ガラス、又は金属材料、例えばアルミニウムから作製され、その後、反射材料をコーティング又は積層される。或いは、光学カップ又はキュベット22の製造において、反射材料層をプラスチック、ガラス、又は金属材料上に組み込んでもよい。
図2に最も良く示すように、光学カップ又はキュベット22は、光学分析を補助するために、22aで示す先細り端を含む。光学式分析装置16(
図4A,4B及び4C)内のUV光源は、カップ又はキュベット22内の尿サンプルの光学分析のため、カップ又はキュベット22の中間部で下方に向かうことを見込んでいる。
【0039】
幾つかの使い捨てカートリッジ12は、各々、4個の使い捨てコンポーネント18,20,22、及び24を含有し、その後、
図1Aの上部に示すマガジン26に挿入され、その後、
図3Aに示すようにサンプルプロセッサ14に装填される。マガジン26は、幾つかの使い捨てカートリッジ12を含有し、その内の幾つかは番号が付され、各カートリッジ12は、
図1Aにおいて28で示したように患者のサンプルと対になった固有のバーコードを有している。或いは、マガジン26を、その後、尿サンプルの光学分析用デバイスに挿入できる。好ましくは、サンプルプロセッサにおいて処理済み尿サンプルを得る際に使用される前記マガジン26は、処理済み尿サンプルの光学分析用デバイスにおいて使用される。
【0040】
図3A及び3Bのサンプルプロセッサ14は、遠心分離機31、幾つかの使い捨てカートリッジ12を含有するカルーセル15と、カルーセル15を支持する回転テーブル41と、光学キュベット22と、各使い捨てカートリッジ12の遠心分離管18(
図1A及び1B)を取り出し、遠心分離管18を遠心分離器31に挿入する回転グリッパー機構33と、ピペットチップ20(
図1B及び2)を使用して尿サンプル中の溶解物質を希釈し、ピペットチップ24を使用して光学カップ又はキュベット22(
図2)に希釈したサンプルを移し替えるために使用される2個の可動液体移動アーム35、35aと、及び、希釈のためにサンプルに送水するための注射器ポンプ式ディスペンサー液体システム37とを含有する。また、サンプルプロセッサ14は、回転テーブル41を有する引出し38を含み、引出し38がサンプルプロセッサ14に挿入されると、回転テーブル41がマガジン26を受容し、支持して回転させる。引出し38は、マガジン26を回転させるマガジン駆動機構(図示しない)を含有している。更に、サンプルプロセッサは、管18内のサンプルを遠心分離させるための遠心分離管18を受容するための遠心分離機31と、溶解物質を食塩水に希釈するための2個の可動液体移動アーム35及び35aと、及び、サンプルを希釈するため、サンプルに清浄水を送水するための注射器ポンプ式ディスペンサー液体システム37とを含む。
図3Aの右側に示す制御ユニット27は、サンプルプロセッサ14の換気、濾過、及び電力管理を行うための制御器を収納している。
【0041】
また、サンプルプロセッサ14は、カルーセル15をサンプルプロセッサ14に挿入するための引出し38と、カートリッジ12の同定用バーコードリーダ58と、ピペットシステム43と、及びピペットシステム43及びディスペンサー液体システム37を管理するための計量システム45とを含む。
【0042】
一般に、遠心分離管18は、濾過された尿の約2mLのサンプルを含有し、これはユーザによって遠心分離管に注入される。このサンプルは、その後、サンプルを遠心分離し、1.0mLの容積を有する第1のピペットチップ20を使用してデカンテーションを2回繰り返し、食塩水又は水を遠心分離管18に補充することによって、食塩水又は水で十分に希釈される。次に、0.5mLの容積を有する第2のピペットチップ24を使用して、遠心分離管18から約500μLの液体を抜き出し、その後、この500μLの液体を各指定された患者の光学カップ又はキュベット22に注入する。次に、この第2のピペットチップ24は、第1のピペットチップ20に挿入されることが出来、両ピペットチップ20,24を適切に処分することができる。2本のピペットチップの代わりに1本のピペットチップを使用して希釈及び抜出しを行ってもよいと考えられる。この処理は、手作業で行われてもよく、または自動的に行われてもよい。
【0043】
マガジン26の装填及び抜取は、回転テーブル41(
図1A)上に載置された幾つかの使い捨てカートリッジ12と共に達成される。手作業での引出しは、マガジン駆動機構(図示しない)を含有する。一旦マガジン26がサンプルプロセッサ14に挿入されると、回転テーブル41用の駆動機構(図示しない)がマガジン26を回転し、バーコードリーダ(
図4Aの要素58)がサンプルのリストを作成し、レベルセンサ(図示しない)は、サンプルが適切に投与されたことを確認し、第2のセンサ(図示しない)は、必要な使い捨てコンポーネント18,20,22、及び24(
図2)が全て各使い捨てカートリッジ12に含有されることを確認する。
【0044】
遠心分離機31(
図3A及び3B)への遠心分離管18(
図2)の移動をこれから記述する。遠心分離機31の遠心分離機蓋31aは、回転グリッパー機構ユニット33が遠心分離機31に接近し装填することができるように配向される。回転テーブル41の駆動機構は、各使い捨てカートリッジ12の遠心分離管18を回転グリッパー機構ユニット33に対する位置に合わせるように構成される。回転グリッパー機構33のグリッパー33aは、マガジン26から遠心分離機31へ移動させる遠心分離管18を選択する。遠心分離機ロータ(図示しない)は、遠心分離機31の空の遠心分離機ホルダを装填位置に合わせるように構成される。「θZグリッパー」ともいうグリッパー33aは、遠心分離管18を掴み取り遠心分離機31の空の遠心分離機ホルダに配置するための、回転且つ上下方向移動を行う放射状部材である。遠心分離機31の蓋31aは、遠心分離管18が全て遠心分離機31に収納された後に閉鎖される。
【0045】
遠心分離機31(
図6)は、約12,000Gで約2分間、遠心分離管18を高速回転するように自動運転される。遠心分離機31は、遠心分離機31が回転すると、約90度に各遠心分離管18を揺動するよう構成された管ホルダを含む。遠心分離機は、遠心分離後にマガジン内のカートリッジに正しい管が戻されるように、正確な位置決め及び位置追跡ができる。この動作によって、遠心分離管18の底部の尿サンプル中に存在するバクテリアの固体形成をもたらす。
【0046】
2個の使い捨てカートリッジ12の2つのサンプルから一度に上澄みを除去するための2本の液体移動アーム35、35a(
図3A及び3B)がある。2本の液体移動アーム35、35a(
図3A及び3B)が1mLの容積を有するピペットチップ20(
図2)を取った後、液体移動アーム35、35a(
図3A及び3B)は、各々遠心分離管18まで2往復するが、毎往復毎に管18から液体を抜き取り、この液体をサンプルプロセッサ14の廃棄口(図示しない)に排出し、サンプリングされている使い捨てカートリッジ上に位置するピペットチップ20を戻し、サンプルプロセッサ14のサンプリング位置に登録するために回転させられる次の使い捨てカートリッジ12内のサンプルについて処理を続行する。
【0047】
希釈のために水又は食塩水をサンプルに送水するための注射器ポンプ式ディスペンサー液体システム37を
図7に示す。先行段落で記述したように遠心分離管18からデカントされた廃棄液体は、システム37を介して清浄処理液体と置換される。2本の注射器ポンプが、この洗浄処理液体を、前ステップで廃棄液体を除去した遠心分離管18に排出する。最終補充ステップ中は、遠心分離管18内のバクテリアレベルを所要の濃度にするために、より少量の清浄処理液体を使用する。
【0048】
遠心分離管18内のサンプルが清浄水で十分に希釈された後、2本の液体移動アーム35、35a(
図3A及び3B)の一方が、遠心分離管18内の処理済みサンプルを各使い捨てカートリッジ12の光学カップ又はキュベット22に移動する。液体移動アーム35,35aの一方が、このプロセスにおいてここまで未使用の0.5mLの容積を有するピペットチップ24を把持する。より容積の小さいこのピペットチップ24は、遠心分離管18から約500μLの液体を抜き取るために使用され、また、指定の患者の各光学カップ又はキュベット22にこの液体を排出するのに使用される。容積のより小さいこのピペットチップ24は、その後、両ピペットチップ20,24の処分のため、液体移動アーム35又は35aを介して容積のより大きいピペットチップ20に挿入される。
【0049】
本明細書に記述する計量/デカンテーション、計量/補充、及び計量/液体移動処理では、遠心分離管18内の尿サンプル中のバクテリアを保持する溶解物質を好ましくは約1,000,000:1の希釈で得ることができる。これは、1)当業者に周知の手段によって、12,000Gで尿サンプルを遠心分離することと、2)第1のピペットチップ20を使用して液体の約95%をデカントすることと、3)デカントした溶液2)を食塩溶液と置換することと、及び、4)第1のピペットチップ20を使用して、ステップ1)、2)、及び3)を少なくとも5回繰り返すこととによって達成可能である。遠心分離管18内の最終的処理済みの尿サンプルは、その後、第2ピペットチップ24を介して光学カップ又はキュベット22にデカントされ得る。
【0050】
光学カップ又はキュベット22内の最終的処理済み尿サンプルは、その後、光学カップ又はキュベット22内の尿サンプルにおける微生物の同定及び/又は量を決定するための光学分析において使用できる。この情報は、前記米国特許出願公開第US2007/0037135号明細書に開示されているようなシステムを使用することによって得られる。
【0051】
1本の遠心分離管18のための上述の各ステップは、マガジン26内の各使い捨てカートリッジ12に対してサンプルプロセッサ14において行われる。各使い捨てカートリッジ12の廃棄液体は、サンプルプロセッサ14内の容器(図示しない)に処分されるか、排水管に直接接続されていることを理解されたい。次の一群の尿サンプルを処理するためのサンプルプロセッサ14の次回の稼働に備えてマガジン26が抜き取られると、使い捨ての廃棄物、即ち、使い捨てカートリッジ12及び使い捨てコンポーネント18,20,22、及び24は、マガジン26に残留しており、手作業で取り除かれる。
【0052】
以下のステップは、
図4A,4B、及び4Cの光学式分析装置16を介する分析のための調製において尿サンプルを処理するプロセスに含まれる。一般に、尿のサンプルは試験管に得られる。このサンプルは、10ミクロンのフィルタを通過させ、このフィルタから、2mLのサンプルを得、遠心分離管18に注入される。所望の希釈サンプル、即ち、尿サンプル内のバクテリアを保持しながら1,000,000:1に希釈した溶解物質は、この2mLのサンプルを約12,000Gで遠心分離することと、及び、この液体の95%をデカントすることとによって得られる。この後者のステップは、5回繰り返され、その度にデカントされた溶液が食塩溶液と置換される。食塩溶液は、バクテリアの完全性を維持しながら、光学式分析装置16に処理済みの尿サンプルが挿入されると影響を及ぼし始めるバックグラウンド蛍光を最小にするという点で、この処理のために選択される。
【0053】
図8A,8B、及び8Cを参照すると、通常112として示す使い捨てカートリッジの他の実施形態が示されており、この使い捨てカートリッジ112を、サンプル、例えば尿サンプル中の汚染物質、例えば微生物、例えばバクテリアを同定及び定量化するために使用できる。使い捨てカートリッジ112は、遠心分離管118、ピペットチップ120及び光学カップ又はキュベット122を含む幾つかの使い捨てコンポーネントを含有して担持する。特に
図8Bを参照すると、ピペットチップ120は、例えば0.1mL〜約10mL、好ましくは1mL〜2mLの所定の容積を有する。遠心分離管118は、118aで示す先細り端を有する細長本体118bを有する容器である。一般に、遠心分離管118は最初からサンプルを含有し、ピペットピップ120は、溶解したサンプル構成要素を希釈し、その後、光学分析のため光学カップ又はキュベット122に希釈した尿サンプルを移し替えるために使用可能である。使い捨てカートリッジ112及びその使い捨てコンポーネント118,120、及び122は、射出成型が容易で安価に製造されるABSプラスチック製でもよい。
【0054】
更に
図8A及び8Bを参照すると、使い捨てコンポーネント118,120、及び122は、各々、使い捨てカートリッジ112の仕切られたコンパートメント130,132、及び134内にそれぞれ含有される。図示のように、ピペットチップ120を受容して担持するコンパートメント132の底部は閉鎖されており、ピペットチップ120からの液滴が使い捨てカートリッジ112の下方の表面を汚染しないようにしてある。コンポーネント118及び120は、それぞれ、縁部140,142によってそれぞれのコンパートメント130,132に懸架される。縁部140及び142は、それぞれのコンポーネント118及び120に取付けられ、使い捨てカートリッジ112の上面150によって支持される。同様にして、光学カップ又はキュベット122は、光学カップ又はキュベット122のフランジ154によってそのコンパートメント134内に懸架され、フランジ154は使い捨てカートリッジ112の上面150によって支持される。コンパートメント130及び132は、通常、円筒形であり、実質的に遠心分離管118及びピペットチップ120の長さ方向に延出する。光学カップ又はキュベット122を位置決めして支持するためのコンパートメント134は、使い捨てカートリッジ112内に実質的に包囲されており、光学カップ又はキュベット122と同様の形状を有する。
【0055】
光学カップ又はキュベット122は容器であり、好ましくは、光学分析を補助する反射被膜又は層を含む。光学カップ又はキュベット122を
図9A及び9Bに示し、以下更に詳細に論じる。特に、光学カップ又はキュベット122の内表面は、反射材料でコーティングされる、又は反射材料の層を含有する。光学カップ又はキュベット122は、非反射材料、例えば、ABSプラスチック又はガラス製でもよく、或いは、金属材料、例えばアルミニウム製でもよい。後者の例において、即ち、光学カップ又はキュベット122が非反射材料製である場合、光学カップ又はキュベット122は反射材料でコーティングされるか積層され得る。或いは、光学カップ又はキュベットの製造において、反射材料の層をプラスチック又はガラス上に組み込んでもよい。
図9Aに最も良く示すように、光学カップ又はキュベット122は、サンプルの光学分析を補助するために、124で示す下部先細り領域を含み、光学分析において提供されるUV光源は、サンプルの光学分析のために光学カップ又はキュベット122に向かうことを見込んでおり、これに関しては更に以下に論じる。
【0056】
使い捨てカートリッジ112は、好ましくは射出成型され、ABSプラスチック、好ましくは非反射の黒色のプラスチック製である。使い捨てカートリッジ112は、上記に論じられた遠心分離管118、ピペットチップ120、及び光学カップ又はキュベット122を位置決めして支持するためのコンパートメント130,132、及び134を含む。コンパートメント130及び132は、概して円筒形状であり、使い捨てカートリッジ112内に遠心分離管118及びピペットチップ120をしっかりと支持するために、遠心分離管118及びピペットチップ120の円筒形を受容するようにしてある。しかしながら、光学カップ又はキュベット122を位置決めして支持するためのコンパートメント134は、特に、光学カップ又はキュベット122が矩形の場合、光学カップ又はキュベット122と同一の形状に成形される必要はない。本例において、使い捨てカートリッジ112に光学カップ又はキュベット122を支持するためのコンパートメント134は、概して、使い捨てカートリッジ112の上面150に位置する矩形開口158(
図8A)を含み、光学カップ又はキュベット122の上部フランジ154は、使い捨てカートリッジ112の上面150に係合して支持され、光学カップ又はキュベット122は使い捨てカートリッジに懸架される。或いは、光学カップ又はキュベット122を位置決めして支持するためのコンパートメント134は、完全に包囲されてもよく、矩形の光学カップ又はキュベット122と類似の形状を有してもよい。
【0057】
上記に論じ且つ
図8Cに示すように、使い捨てコンポーネント118,120,及び122をそれぞれ含有する幾つかの使い捨てカートリッジ112は、マガジン126に挿入され、次に、マガジン126は、
図3Aに示すプロセッサのようなサンプルプロセッサ14に挿入され得る。各使い捨てカートリッジ112は、患者の最初のサンプルと対になった固有のバーコード128を有することができる。或いは、マガジン126は、その後、サンプルの光学分析のために
図4Aに示す光学式分析装置16などのデバイスに挿入され得る。好ましくは、サンプルプロセッサ内で処理された尿サンプルを得るために使用される同一のカルーセルが、処理済みサンプルの光学分析用デバイスで使用される。
【0058】
図8D,8E、及び8Fは、取付クリップ113,115、及び117が設けられた、本発明の一実施形態に係る使い捨てコンポーネント118,120及び122を除いた使い捨てカートリッジ112を示す。これらの取付クリップ113,115,117は、カートリッジ112の本体側部114の底縁部に沿って水平方向に延出する。
図8D及び8Eに示すように、取付クリップ115は、垂直に延出する位置合わせ部材116を含んでもよい。この垂直延出部材116を、カートリッジ112がマガジン126に挿入されている間、位置合わせのために使用できる。取付クリップ113,115,117は、
図8Cに示すように、マガジン126内のカートリッジ開口と協働するようにして、この開口にスナップフィット配置を行い、この開口内にカートリッジ112を取り付けるよう構成される。従って、この実施形態において、マガジン126内のカートリッジ開口は、カートリッジ112のクリップ113,115,117及び位置合わせ部材116と協働するよう構成された適切なクリップ開口(図示しない)を含むことができる。
【0059】
概して、遠心分離管118は、まず、例えば濾過した試料のサンプルを1mL〜約2mL含有する。このサンプルは、その後、サンプルを遠心分離し、ピペットチップ120を使用してデカンテーションを2回繰り返し、遠心分離管118を食塩水又は水で補充することによって、食塩溶液又は水で十分に希釈され得る。ピペットチップ120は、次に、遠心分離管118から所定量の液体、例えば100〜500μLの液体を抜き出し、その後、この量の液体を各指定された患者の光学カップ又はキュベット122に排出するために使用され得る。
【0060】
前段落において本明細書に記述された計量/デカンテーション、計量/補充、及び計量/液体移動処理は、遠心分離管18内のサンプル、例えば生体サンプル内の汚染物、例えばバクテリア、を保持しながら、サンプル中の溶解物質を好ましくは約1,000,000:1の希釈で得るため使用可能である。これは、1)当業者に周知の手段によって、12,000Gでサンプルを遠心分離すること、2)ピペットチップ120を使用して液体の約95%をデカントすることと、3)ステップ2)のデカントした溶液を食塩溶液と置換することと、及び、4)ピペットチップ120を使用してステップ1)、2)、及び3)を少なくとも5回繰り返すこととによって達成可能である。遠心分離管118内の最終的処理済みの尿サンプルを、その後、ピペットチップ120を介して光学カップ又はキュベット122にデカントすることができる。
【0061】
光学カップ又はキュベット122内の最終的処理済みサンプルは、その後、サンプル内の微生物の同定及び/又は量を決定するための光学分析において使用可能である。この情報は、前記米国特許出願公開第US2007/0037135号明細書に開示されているようなシステムを使用することによって得ることができる。
【0062】
図9A及び9Bは、ウェル156及びウェル156内に担持される液体サンプルを受容するためのウェル156に隣接した矩形開口158を有する矩形容器123を含む、通常122で示す光学カップ又はキュベットを図解する。上述のように、光学カップ又はキュベット122は、ガラス又はプラスチック、好ましくは射出成形プラスチック製でもよい。液体サンプルは、例えば、生体、化学又は毒物サンプル、例えば尿サンプルでもよく、このサンプルは、サンプル中の生物又は微生物、例えばバクテリア、の種類及び量を光学的に分析されるものである。容器123のウェル156は、離間した側壁160及び162、離間した端壁164及び166及び床168によって形成される。離間側壁160及び162及び離間端壁164及び166は、矩形開口158に隣接したフランジ170を形成する。
図9A及び9Bに示すように、端壁166は、上領域172及び端壁166の上領域172の内側方向且つ端壁166の上領域172及び矩形開口158に対して下方に延出する先細り下領域124を有し、床168の長さが矩形開口158の長さよりも短くなっている。
【0063】
特に9Aを参照すると、また、光学カップ又はキュベット122は、端壁164、床168、端壁166の上領域172及び端壁166の先細り下領域124の全長に延出し、端壁164、床168、端壁166の上領域172及び端壁166の先細り下領域124の内表面を被覆するリボンライナー174を含む。リボンライナー174は、全側面から液体サンプルと接触するので、「ウエット」リボンライナーとも呼ばれる。リボンライナー174は、好ましくは、反射材料、例えばアルミニウム製である。リボンライナー174は、ウェル156内にリボンライナー174を据え付ける前に、端壁164、床168、端壁166の先細り下領域124及び端壁166の上領域172によって形成される形状に適合するように予め成形され得る一片の型打ちアルミニウムから作製されてもよい。
【0064】
光学カップ又はキュベット122は、サンプルの光学分析に使用される入射光によって励起される可能性のある物質からの汚染物質の浸出を最小にすることが知られている材料から作製されてもよい。上述したように、光学カップ又はキュベット122は、射出成形され、例えばABSプラスチック又はガラスなどの材料から作製されてもよい。光学カップ又はキュベット122の容器123内のサンプル又は試料の光学分析に提供されるUV光源は、試料の光学分析のためにウェル156の先細り領域124に向けられ、端壁166の先細り下領域124を含むリボンライナー174に反射することを見込んでいる。上記に論じられたように、光学カップ又はキュベット122の材料、リボンライナー174の反射材料及び端壁166の先細り下領域124は、相乗的に作用して、UV光反射を強化し、サンプル内の生物又は微生物、例えばバクテリアの同定及び定量化のためにサンプルの蛍光発光をより効果的に収集し、同時に、バックグラウンド蛍光を最小化にし、及び/又は容器又は容器のウエット表面からのサンプル液体の汚染を最小にする。光学カップ又はキュベット122からのサンプルの蛍光発光の収集は、以下でより詳細に論じられる。
【0065】
図9Bは、代替案として、端壁164、床168、端壁166の先細り下領域124及び端壁166の上領域172からだけでなく側壁160及び162からの集光がサンプルの光学分析に必要である場合に、光学カップ又はキュベット122が、フルライナー176を含み得ることを図解する。このフルライナー176は、側壁160及び162、端壁164、床168、端壁166の先細り下領域124及び端壁166の上領域172の内表面を実質的にクラッディング又は被覆するように成形及び形成される。
図9Bのフルライナー176は、光学式分析装置のUV光に関して、
図9Aの光学カップ又はキュベット122のウェル156内のリボンライナー174と同様に機能する。
【0066】
図9Aのリボンライナー174及び
図9Bのフルライナー176は、光学カップ又はキュベット122内のUV光の反射にとって所望の表面粗度を得るために研磨してもよい。研磨処理は、一括研磨処理によって、反射材料、即ちアルミニウムが型打ち及び形成処理前の未加工のシート形状であるか、それともライナー174及び176が形成され光学カップ又はキュベット122に挿入されるかのどちらかの場合、ウェットリボンライナー174又はフルウエットライナー176を形成するために使用される反射材料に対して行ってもよい。即ち、反射材料は、型打ち及び形成処理前か、又は型打ちされた部品が研磨される前かのどちらかに研磨してもよい。
【0067】
図9Cは、
図9Aのウェットリボンライナー174が、圧着処理によって光学カップ又はキュベット122に固定され得る状態を図解する。本例において、ウェットリボンライナー174の一端178は、端壁166によって形成されたフランジ154の部分の外縁周囲及びその下に沿うように屈曲され、端178は、当業者に周知の圧着処理によってフランジ154に締着される。
図9Cには図示しないが、リボンライナー174の反対側の端は、端壁164によって形成されたフランジ部154の部分の外縁周囲と次にその下に沿うように屈曲され、次に圧着処理によってフランジ154に締着されることを理解されたい。
【0068】
更に、図示しないが、本例において、
図9Bのフルライナー176は光学カップ又はキュベット122に組み込まれ、このライナー176が圧着処理によってフランジ154に締着されてもよいことを理解されたい。フルライナー176は、順送金型で型打ち及び屈曲し、光学カップ又はキュベット122に設置するため単一化され得る。両ライナー174及び176はリールに巻回されてもよく、光学カップ又はキュベット122は自動製造処理において容易に組立可能である。即ち、ライナー174及び176をリールに巻回し、機械にリールを供給し、ライナーを光学カップ又はキュベット122に挿入できるようにしてもよい。
【0069】
図9A及び9Bは、容器123のウェル156に挿入又は設置するために製造、形成及び成形された別部品としての光学カップ又はキュベット122用反射材料を図解している。本発明は、ライナー174及び176の代わりに、光学カップ又はキュベット122が、
図10の参照番号180で示す反射材料の薄層でコーティングされることを想定している。本実施形態において、光学カップ又はキュベット122は、所望の表面粗度を有するよう射出成形され、その後、真空金属化処理又は電気めっき処理のどちらかによって、反射材料例えば純アルミニウムの薄層180をコーティングされる。業界では、ある深さを有する容器の内表面をコーティングするのは困難であると言われている。本例において、光学カップ又はキュベット122の容器123のウェル156内のコーティングの所望の被覆率及び均一性を達成するために、特注の溶接棒を提供する必要がある。反射材料180のコーティングは、
図9Bのフルライナー176と同様に、容器123の側壁160及び162、端壁164及び166並びに床168の内表面に完全に沿って延出してもよく、また、このコーティングは、
図9Aのリボンライナー174と同様に、端壁164、床168、端壁164の先細り下領域124及び端壁166の上領域172の内表面に部分的に沿って延出してもよい。
【0070】
図11A,11B、及び11Cは、光学カップ又はキュベット122の容器123内にリボンライナー174を固定するための更なるシステムを図解する。具体的には、
図11Aは、リボンライナー174を、当業者に周知の方法によってリボンライナー174及びフランジ170を貫いて挿入された一方向保持タブ175によって端壁164によって形成されたフランジ170の部分に固定できることを図解している。例えば、この一方向保持タブのため、容器123は、小さい「歯」を有する杭を有し、ライナーは穴又は開口を有し、一旦ライナーが杭上に位置決めされると、杭の「歯」は、ライナーの動きを防止し、ひいては、容器123から滑脱するのを防止する。図示しないが、リボンライナー174の反対側の端も同様にして端壁166によって形成されたフランジ170の部分に取付けられることを理解されたい。
【0071】
図11Bは、具体的に、熱かしめピン182及び184によって、リボンライナー174の一端が、端壁164によって形成されたフランジ170の部分に固定され得ること、及びリボンライナー174の反対側の端が、端壁166によって形成されたフランジ170の部分に固定され得ることを示している。また、熱かしめピン182,184も当業者に周知である。例えば、概して、熱かしめピン182,184は、通常、滑らかであり、一旦リボンライナー174がピン182,184上に位置決めされると、熱を使用してピンの端を変形し、リボンライナー174が容器123から滑脱するのを防止する。
【0072】
図11Cは、具体的に、リボンライナー174の一端を、スナップ機構186によってフランジ170に近接した端壁164内に固定できることを示している。このスナップ機構186は、道具を使用して成形材料を剥離することによって端壁164に形成してもよい。リボンライナー174がアルミニウム製の場合、アルミニウムは柔軟でスナップ機構186に容易に嵌合可能なので、リボンライナー174をスナップ機構186にしっかりと保持できる。
図11Cには示さないが、端壁166もまた、光学カップ又はキュベット122の容器123内にリボンライナー174の反対側の端を固定するために同様のスナップ機構186を含むことを理解されたい。
【0073】
図12は、上部品190及び下部品192を含む二部品構造を有する光学カップ又はキュベット188を図解している。図示のように、上部品190は、フランジ196に隣接した矩形開口194を有する矩形本体193を有し、ひいては、離間した側壁198及び199並びに端壁200及び201によって形成される。図示しないが、上部分190は更に、底面が完全に開口しており、圧入部202を有する。下部分192は、離間した側壁206及び207並びに端壁208及び209、並びに床210によって形成された矩形開口204を有する。下部分192の端壁209は、光の方向を転換するための先細り領域212を有する。先細り領域212は、矩形開口194から下方に延出し、床210まで下方に延出し、それによって矩形開口204の長さよりも床210の長さを短くする。
【0074】
上部品190及び下部品192の両者は、下部材192の矩形開口204に嵌合する圧入部202によって互いに接合され、これら2個の部品190及び192は、超音波突き合わせ溶接処理、超音波せん断溶接処理、圧入処理、スナップ嵌合処理、及び、接着処理中2個の部品190及び192を固定するために圧入又はスナップ嵌合のいずれかを使用する溶剤接着処理からなる群から選択された方法によって互いに接着されてもよい。本例において、下部品192は、下部品192の離間した側壁206及び207、端壁208及び209並びに床210の所望の臨界光学内表面を、
図10を参照して上記に論じたように、深いウェル156を有する光学カップ又はキュベット122を使用する際のいくつかの不利益と比較して費用対効果の高い方法で、好ましくは真空金属化処理によって、アルミニウムなどの反射材料180によってコーティングできるように、十分に浅くなっている。上部品190は、サンプルが光学カップ又はキュベット188から流出するのを防ぐスカート又はスロッシングシールド(slosh shield)と見なされてもよい。
【0075】
理解されると思うが、本発明の光学カップ又はキュベット122及び188の上部フランジは、サンプルを処理してサンプルを光学的に分析するためにマガジン126において使用される使い捨てカートリッジ112の上表面150上に光学カップ又はキュベット122,188を支持するために使用されてもよい。また、光学カップ又はキュベット122及び188の反射表面は、光学分析からのUV光が下方に向けられカップ又はキュベットに到達し、以下に詳細に論じられるように反射表面及び先細り領域に反射し、試料内、例えば尿試料内の、例えば生物又は微生物、例えばバクテリア、の同定及び定量化のため試料を光学的に分析するために必要な情報を得る際に必要な蛍光発光をより効率的及び効果的に生成するようにしてある。
【0076】
PCT出願番号US2008/079533に開示されているような、
図4A,4B、及び4Cの光学式分析装置16をこれから記述する。これらの図面は、
図1A,1B、及び2に図解された実施形態に従うカートリッジ12を示すが、
図9A〜9C,10,11A〜11C及び12のカップ又はキュベットデザイン122及び/又は188と共に
図8A及び8Fの他のカートリッジを光学式分析装置16と共に利用することもできることが認識される。
図4Aを参照すると、光学式分析装置16は、光学システム44(
図4B及び4Cにより詳細に示す)、熱制御ユニット(図示しない)、光学カップ又はキュベット22が分析対象の処理済み尿サンプルを含有する使い捨てカートリッジ12を受容するための複数のホルダ56を含有するマガジン54を受容、支持、及び回転する回転テーブル52を有する引出し51、及びバーコードリーダ58(
図4A)を含む。
【0077】
理解できると思うが、光学分析のために処理済み尿サンプルを含有する光学カップ又はキュベット22,122又は128を有するカートリッジ12又は112は、マガジン54のホルダ56に収納される。
図4Aは、光学式分析装置16に搭載されている回転テーブル52上に設置されたマガジン54を図解している。引出し51は、マガジン54の装填又は抜取のために手作業で引き出される。引出し51は、熱制御ユニット(図示しない)及び駆動機構(図示しない)を含む。マガジン54及び引出し51の位置合わせ機能によって、マガジン54が回転テーブル52上に装填されると、オペレータが駆動機構及び熱制御ユニット上に適切にマガジン54を配向することができる。一旦引出し51及びマガジン54が手作業で光学式分析装置16に挿入されると、駆動機構がマガジン54を回転し、この時、バーコードリーダステーション58(
図4A)はサンプルのリストを作成する。レベルセンサ(図示しない)は、各光学カップ又はキュベット22が正しいサンプル容量を含有することを確認する。ユーザインターフェースが光学カップ又はキュベット22内のサンプルが全て分析されたことを示した時、オペレータは光学式分析装置16にアクセスすることが出来、光学式分析装置16のいずれかのコンポーネントが移動している時又は光学システム44のUV光源が入っている時は、引出し51を開けることはできない。
【0078】
図4Aは、光学式分析装置16内に位置決めされた、回転テーブル52上のマガジン54を図解している。光学式分析装置16は、更に、光学システム44に対して正確に引出し51を位置決めする機械的ロックシステム(図示しない)を含む。駆動機構は、マガジン54を自動回転させ、各カートリッジ12が、バーコードリーダステーション58に、及び光学システム44と正確に位置合わせするように位置決めされるように構成される。第2の機械的ロックシステム(図示しない)を使用して、光学分析のために光学システム44に対して適切に位置決めされた状態で各光学カップ又はキュベット22を固定する。
【0079】
図4Aは、光学カップ又はキュベット22のための熱制御を図解している。好ましくは、各光学カップ又はキュベット22の温度を、蛍光信号を増加しつつバクテリアの代謝を遅らせる温度にまで低下させる。熱電クーラー(TEC)である熱制御ユニット47が、マガジン54の下の回転テーブル52上に位置する大きな熱質量60を冷却する。熱質量60(
図4A)は、光学カップ又はキュベット22に直接接続している。
【0080】
他の実施形態において、本発明は、使い捨てカートリッジに担持された光学カップ又はキュベット22内のサンプルの温度を冷却及び制御するためのシステムと、本発明のキュベット又は光学カップとを含む。本発明のシステムは、蛍光信号が温度の変化に従って変化し、その結果不適切な試料分析になるサンプルの光学分析において際立った用途を見出し得る。
【0081】
図13は、空気を冷却し、次にサンプルを冷却するために配送される水を配送するためのシステムの概略図を示している。より具体的には、光学式分析装置16は、複数の使い捨てカートリッジ(図示しない)を支持し、ひいてはサンプルを含有する光学カップ又はキュベット(図示しない)を支持するカルーセル15を包囲するためのハウジング72を含む。チューブシステム74は、ターンテーブル80の外周を包囲し、ターンテーブル80周りに水を担持する上部フィン付きチューブ76及び下部フィン付きチューブ78を含む。
図13の左側に位置する矢印A1によって示されるように、熱電(TE)クーラー(図示しない)からの冷却水(chilled water)は、上部フィン付きチューブ76に配送され、
図13の右側に位置する矢印A2に示すように、冷水(cool water)は、約0.5〜1.0ガロン/分の速度で上部フィン付きチューブ76からTEクーラー又は冷却装置へ配送される。上部フィン付きチューブ76に配送された冷却水の温度は、サンプルを冷却するのに所望の温度の±0.1℃に維持される。これは、矢印A2で示すTE冷却装置に配送された冷水の温度を検出し、この情報を使用して矢印A1で示すTE冷却装置から配送された冷却水の水温を、サンプルを適度に冷却して所望の温度に維持するために必要な温度に調整することによって達成される。幾つかの太い黒矢印A3は、それぞれ、下部フィン付きチューブ78を包囲する空気が上方のフラットパックファン82(即ち、薄型ファン)に吸い込まれることを示し、幾つかの太い黒矢印A4は、それぞれ、フラットパックファン82からの空気が、ターンテーブル80内及び上方のターンテーブル80の開口84内に移動し、また、矢印A5で示すように、カルーセル15の開口を通過することを示している。
【0082】
図14に最も良く示すように、カルーセル15の上表面86は、複数の区画を有し、その幾つかは参照番号88で示されている。各区画88は、セルを形成し、開口90を有する。ターンテーブル80の開口84から移動しているフラットパックファン82によって分配される冷気は、開口90を通過し、区画88の各セル内に移動する。
図15に最も良く示すように、カルーセル15の下表面92は、インナーハブ94、インナーハブ94から延出する多数の放射状リブ96、及び放射状リブ96に接続しカルーセル15の上表面86に載置された区画88に冷気を配送するための複数の開口90を含むアウターリング98を有する。開口90は、0.156インチの孔でよい。カルーセル15は、48個前後のコンパートメント又は区画88を有し、各コンパートメント又は区画88は開口90を有し、開口90を通過してコンパートメント又は区画88に配送されている冷気の噴射の空気流量は、約15〜20立方フィート/分の範囲である。
【0083】
図14及び15を参照すると、カルーセル15を形成する各区画88は、
図2及び3Aにおけるようなカートリッジ112と同様に、使い捨てカートリッジ112を支持することが理解される。各使い捨てカートリッジ112は、遠心分離管118、ピペットチップ120、及びサンプルを担持するための使い捨て光学カップ又はキュベット122(
図14)を含有する。遠心分離管118及びピペットチップ120は、概して、
図13の光学式分析装置16においてサンプル内の汚染物質、例えば生物、を光学分析するために使い捨て光学カップ又はキュベット122内のサンプルを調製及び処理するために使用される。各カートリッジはコンパートメント内に受容される。
図14に見られるように、各コンパートメントは、クリップ113,115、及び117を受容する下部凹縁部を含む。また、位置合わせ部材116は、使い捨てカートリッジ112を受容するそれぞれのコンパートメントを画定する隣接する壁の一方と連携するように構成され、水平位置合わせのため、位置合わせ部材は一方のコンパートメント壁と接触し、他方のコンパートメント壁は位置合わせ部材116の反対の壁114に接触するようにする。位置合わせ部材116は、任意であり、
図8Eに透視で示される。
【0084】
好ましくは、ターンテーブル80はアルミニウム製であり、使い捨てカートリッジ112及び光学カップ又はキュベット122は、射出成形透明プラスチックである。
【0085】
図13及び16を再び参照すると、光学式分析装置16において、区画88から構成されているカルーセル15は、光学システム(図示しない)の下方で、光学カップ又はキュベット122(
図14)を一つ一つ検出して位置決めするターンテーブル80によって支持される。
図13を参照して記述された本発明の冷却システムは、光学カップ又はキュベット122内のサンプルを所望の温度に冷却するよう動作することが意図されている。例えば、各サンプルは、
図13の冷却システムの始動から約5分以内に、周囲温度から所望の温度、例えば18℃前後に冷却され、その温度は、サンプルの光学分析が完了するまで、所望温度の±0.5℃以内に制御される。ターンテーブル80はアルミニウムなので、使い捨てカートリッジ112及び光学カップ又はキュベット122はプラスチックであり、光学カップ又はキュベット122は使い捨てカートリッジ112内に支持され、ひいては、カルーセル15の区画88内に支持され、サンプルの急速冷却において、対流冷却を使用して、開口90を通過して区画88内に移動する噴射冷気を補助する。
【0086】
本発明の更なる実施形態は、
図13〜15を参照して上述及び図解したターンテーブルと類似のターンテーブルを想定する。アルミニウムブロックは、ターンテーブルの下方に置かれ、
図13〜15を参照して上述された同様の方法でサンプルを冷却し、その後サンプルの温度を冷却するために、TE冷却装置又はクーラーからターンテーブルへ冷却空気(chilled air)を、及びターンテーブルひいてはカルーセルからTE冷却装置へ冷気(cool air)を伝達するための、ターンテーブルと関連する複数の通路を有する。
【0087】
光学式分析装置16の光学システム44をこれから記述する。光学システムは、
図4Bにより詳細に示す。光学システム44は、3個の分離したユニット、即ち、励起ユニット44(a)、集光ユニット44(b)及び分光計を含有する。励起は、好ましくはLED(発光ダイオード)である紫外(UV)光源によって行われる。一連の5個のLEDモジュールが励起ユニット44(a)を提供し、各サンプルカップ又はキュベット22,122又は188に対して同じ順序で適用される5つの異なる励起波長で各サンプルカップ又はキュベット22,122又は188に励起信号を順次提供する。励起時間は1波長当たり約14秒である。励起発光は、キュベット22,122又は188内のサンプルの上表面に向けられるようにレンズ及びフィルタ44(d)を介して方向付けられる。各励起波長の形状を狭くする又は制御するため、狭帯域幅フィルタが使用される。これらのフィルタは、励起波長Eを下方のサンプルカップ又はキュベット22に向かわせ、蛍光発光Fがカセットの同位置から上方の集光ユニットに向かって反射して戻される。蛍光発光は、フィルタ配置によって分離されて方向付けられる。
図4Cは、光学システム44の位置決めを図解する。上記したように、機械的ロックの機能が、サンプルカップ又はキュベット22が正確に位置合わせされるように、駆動機構を位置決めする。この正確な位置合わせによって、蛍光測定を可能にする光学システム44に対する蛍光発光の反射を可能にする。光学素子(図示しない)は、蛍光発光を集束して測定用分光器に向かわせるために利用される。
【0088】
更に、集光ユニットは、カップ又はキュベット122内のサンプルの蛍光発光を集束して分光計に向かわせるための光学素子を含む。
【0089】
光学システム44(
図4B及び4C)は、電荷結合素子(CCD)光子検出器を有するツェルニーターナー(Czerny−Turner)分光計を含んでもよく、それによって、蛍光光子は、その後、幾つかのミラーによって反射され、CCDデバイスに接触する。発光蛍光は、ある期間、積分することによって、CCDデバイス上で監視される。また、ツェルニーターナー分光計が、光子利用効率を向上するために、入口スリットに隣接した付加的円柱レンズ及びCCDデバイスによって改良されることも想定している。更に、
図5に概略的に図解するように、鏡面凸状の「ホーン」Hを分光計SMのスリットSの入口に備えられ、更なる光子にスリットSを通過させる。
【0090】
図4Aを参照すると、光学システム44に入射する光を最小にするために、光密筐体又はハウジング64を含み、CCDデバイスのカメラは、カメラチップから光学システム44の筐体又はハウジング64に伝熱するための熱電クーラー(TEC)(図示しない)を含む。
【0091】
光学システムの分光計についてこれから記述する。本発明の分光計用コンポーネントは、試料内の汚染物質、例えばバクテリア、の存在を同定及び定量化する光学式分析装置に使用される光学カップ又はキュベットに隣接する集光システムから放射する照明ビームを受光するように配置される。
【0092】
図16を参照すると、本発明の分光計300は、複数のレンズを有する集光ユニット232及び尿サンプルを含有する光学カップ又はキュベット188と共に使用される。分光計300は、集光ユニット232及び光学カップ又はキュベット188の経路と同一の照明ビームの移動経路に、集光ユニット232に直ぐ隣接して位置する分光計スリット302、及び前記スリット302に直ぐ隣接して位置する第1の円柱レンズ304を含む。第1のコリメートミラー306及び第2のコリメートミラー308は、第1の円柱レンズ304の左端に位置し、格子310は、集光ユニット232の底部に位置する。第2の円柱レンズ312及びCCDセンサ314は、
図16の格子310の左側に位置する。
【0093】
上記の方法で光源(図示しない)から光学カップ又はキュベット188に照明ビームが入射し、光学カップ又はキュベット188から集光ユニット232のレンズを通過して蛍光発光する。集光ユニット232から、蛍光ビームが分光計スリット302及び第1の円柱レンズ304を通過して移動する。第1の円柱レンズ304から、蛍光ビームが第1の光学経路に沿って第1の光コリメートミラー306に向かって移動する。ビームは、コリメートミラー306から反射され、格子310を通して第2の光学経路上を移動する。格子310の蛍光ビームは、格子310から反射した複数の分光ビームに分光され、第3の光学経路に沿って第2のコリメートミラー308に向かって移動する。これらの分光ビームは第2のコリメートミラー308に衝突し、第2のコリメートミラー308が、第4の光学経路に沿って第2の円柱レンズ312に向かって分光ビームを集中させて通過させる。第2の円柱レンズ312から、分光ビームがCCDセンサ314に受光される。光学カップ又はキュベット188内の尿サンプルの光学分析のために、CCDセンサ314によってスペクトル情報が取得される。
【0094】
第1のミラー306、第2のミラー308及び格子310は、好ましくは球面状であり3インチの直径を有する。格子310は、好ましくは、1200行/mm(lpm)及び300nm波長域に対して10.4°のブレーズ角を有する平面回折格子である。このような適切な格子は、Newport Corporation社が製品番号53−030Rとして製造しており、そこから得られる。
【0095】
この種類の格子310の格子応答を
図17に図解するが、線L1はS面を表わし、線L2はP面を表わし、線L3はS面とP面の平均を表わす。
図17のグラフから理解できるように、最良の吸収効率は、300〜400nm波長域で発生し、この領域が本発明の分光計300に必要な格子にとって対象となる領域である。
【0096】
図16を参照すると、第1の円柱レンズ304及び第2の円柱レンズ312は、溶融シリカから製作され、既成の又は商用オフザシェルフ(COTS)と呼ばれるコンポーネントである。分光計スリット302に隣接して位置する第1の円柱レンズ304は、スリット302から約10.7mm離れており、CVI社製の型番CLCX−15.00−10.2−UVであり、CCDセンサ314に隣接して位置する第2の円柱レンズ312は、CVI社製の型番RCX−400 25.4−15.3−UVである。
【0097】
更に
図16を参照すると、分光計スリット302に隣接した第1のコリメートミラー306は、約400mの公称半径を有し、第2のコリメートミラー308は、約350mの公称半径を有する。照明ビームの300〜420nmのスペクトルをCCDセンサ314のチップに合わせるために、第1のコリメートミラー306及び第2のコリメートミラー308の焦点距離の比率は調節される。
【0098】
CCDセンサ314は、約25mm幅及び6mm長さの、浜松ホトニクス社製の型番S7031‐1008チップでもよい。CCDセンサ314は、好ましくは、熱電クーラー(TEC)を使用する単段冷却ユニットである。本発明にとって重要な波長域である300〜400nmの帯域幅に関して、好適なCCDセンサ314用チップの量子効率は約50%である。
【0099】
更に
図16を参照すると、分光計スリット302のスリットの寸法は、公称で2.8mm幅及び5mm長さである。半値全幅(FWHM)で10nmの光源帯域及び波長を有する光源出力の三角形関数を使用して、CCDセンサ314平面での
図16のシステムのスペクトル幅は、半値全幅で12.5nmである。
図16の分光計300の受光角は、約0.4NA(ナノオングストローム)である。
【0100】
本発明の配置300において、第1の円柱レンズ304は、分光計スリット302を抜ける蛍光ビームの更なる放射を捕捉し、その後、
図16の光学システムに放射を通過させる傾向がある。CCDセンサ314平面に極近接した第2の円柱レンズ312は、長さ約6mmのCCD平面の画素に前記放射を集める傾向がある。本発明のレンズ304及び312と同様のレンズを含まない従来の分光計と比較して、第1の円柱レンズ304及び第2の円柱レンズ312の組み合わせが
図20の分光計300のスループットを向上させるということが本発明者の見解である。
【0101】
図16の分光計300は、概して、第1の円柱レンズ304及び第2の円柱レンズ312を特に付加したクロスツェルニーターナーレイアウト(Crossed-Czerny-Turner layout)に類似であり、300nm〜420nmの範囲内の波長を使用するために低解像度(10nm未満)だが高感度の分光計を作り出す。CCDセンサ314平面は25mm長の検出器を表している。
【0102】
サンプルプロセッサ14は、サンプルプロセッサ14に存在する空気ろ過における換気のためのHEPA(ヘパ)空気ろ過システムを有する。
【0103】
更に、LED強度を監視して発光蛍光を励起蛍光の強度と関連付けることを想定される。特に、光学式分析装置16によって得られた情報を使用して、以下により詳細に記述する、本発明と同一所有され、その開示内容全体が参考として本明細書で援用される、米国特許出願公開第US2007/0037135号明細書の
図5〜9と同様のグラフを生成してもよい。これらのグラフは、サンプルカップ又はキュベット22内のバクテリアの濃度、蛍光強度、発光波長及び励起波長を示す。
【0104】
サンプル内の汚染物質を同定及び定量化する光学式分析装置16に使用される光学カップ又はキュベット122内で光を励起し集束するための照明装置を
図18〜21に示し、以下により詳細に論じる。
【0105】
周知の測定システムは、米国特許第7,277,175(B2)号に示され、これは、液体サンプルの特性の波長選択的測定のためのシステム及び方法を開示している。より具体的には、このシステムは、光源、光学的伝送システム、少なくとも2個の光学システム、サンプル保持アセンブリ、フィルタアセンブリ、透過システム及び検出器を含む。フィルタアセンブリは、フィルタホイールに含有された一群のフィルタでもよい。このシステムは、少量の液体サンプルの特性を測定するために提供され、このシステムは、信号対ノイズ比を増加するために、測定位置に近接した光学トレインに選択的波長フィルタを挿入可能にする。しかしながら、このシステムは、尿試料内のバクテリアを光学的に分析するために増加した信号対ノイズ比を有する小型の光学式読取装置を提供しない。
【0106】
本発明は、光学分析のためにコリメート光を生成してサンプルに向ける小型のキャリッジトレイン配置を有する光学式読取装置を含む、改良された光学システムを提供すると共に、改善したサンプル分析のために、増加した信号対ノイズ比を提供する。
図18を参照すると、本発明の光学式読取装置214は、照明装置216、照明ビームを生成するための光源218、第1の光学システム220、第2の光学システム221、アンカーシュー222、及び第2の光学システム221とアンカーシュー222との間に位置するフィルタホイール223を含む。光源218は、キセノン、LED、ジュウテリウムなどである。フィルタホイール223は
図18に示すが、線形可変フィルタが使用されてもよい。第1の光学システム220は、ターニングミラー及びフィルタ(図示しない)を支持するためのハウジング226を有するキャリッジ224を含む。第2の光学システム221は、ターニングミラー及びフィルタ(図示しない)を支持するためのハウジング230を有するキャリッジ228を含む。
図18に示すように、第1の光学システム220のキャリッジ224は、第2の光学システム221のハウジング230内まで延出し、第1の光学システム220を第2の光学システム221に接続する。第2の光学システム221のキャリッジ228は、フィルタホイール223内、第2の光学システム221のハウジング230内、及びアンカーシュー222内に延出し、第2の光学システム221をアンカーシュー222に接続する。アンカーシュー222は、液体サンプルを含有する光学カップ又はキュベットを受容するための、
図21に示すように、スロット222aの右側に位置するターニングミラー(図示しない)、及び複数のレンズを含有するスロット222a上方に位置する集光デバイス232(更なる詳細については以下に論じる)を含む。
【0107】
当業者には一般的に周知のように、フィルタはスペクトルの特定領域の光のみを透過するために使用され、また光線の全又は相対エネルギー分布を変更又は修正するために使用される。ターニングミラーは、光が移動する方向を変更するために様々な位置点に存在する。レンズは光を集束又は分散し、それによって異なる光学効果を可能にするために使用される。スリットは、概して特定の形状を有する開口である。スリットを通過する光は格子へ移動し、検出用CCDカメラなどのデバイス内に移動する。
【0108】
図18の照明装置216は、更にフィルタホイール223を含む。上述の米国特許第7,277,175(B2)号の第4欄10〜23行に開示されているように、フィルタホイールは、一群のフィルタを含み、予め選択されたフィルタは、コリメート電磁放射の光路に設置される。予め選択されたフィルタは、実質的に所定の波長領域における透過を選択する。フィルタは、通常、測定対象の所望のサンプル及び電磁放射とサンプルの相互作用から生じる吸収(又は発光)帯に基づいて予め選択される。生体サンプルに関して、電磁放射の吸収は、200nm〜800nmの範囲、主に230nm、260nm及び280nmの波長(λ)を中心とする。
【0109】
集光デバイス232に使用されるレンズは、商用オフザシェルフ(COTS)コンポーネントでもよい。
【0110】
図19は、現在のレンズ配置によって生成される光源から試料へのビーム路の理論的シミュレーションを示す、参照番号234で示す典型的な照明ビームを図解している。
図19において、ランプ又は光源(図示しない)が、第1のレンズシステムH,I,J及びKの左に位置し、第2のレンズシステムは、
図19において右端に位置するシステムの照明シューアパーチャ(shoe aperture)(図示しない)に出力を有する第1のレンズシステムから約8インチ離れている。本発明において、
図19のこの照明ビーム234の長さは、
図18の照明装置216によって減少され、照明装置216はフィルタホイール223を組み込んでいる。フィルタホイール223は、複数の狭帯域フィルタ、即ち、紫外線領域のフィルタを担持してもよい。本例において、
図18の光源218からの放射は、260nm〜300nmの範囲の波長に制限され得る。或いは、フィルタホイール223は、全光スペクトル及び関連する波長を提供するフィルタを担持してもよい。また、上記に論じたように、フィルタホイール223の代わりに線形可変(linear varying)フィルタを使用してもよい。
図18の照明装置216の第1の光学システム220及び第2の光学システム221におけるターニングミラー(図示しない)は、主に紫外帯域を反射するカスタムフィルタである。
【0111】
図20は、
図18の照明装置216の第1の光学システム220及び第2の光学システム221におけるターニングミラーとして使用される、Newport Corporation社が製造するNewport薄膜であるカスタムフィルタのグラフを図解している。図解したように、これらのカスタムフィルタは、200nmから380nmの範囲の波長にある紫外線領域において、約100という比較的高い反射率を生じ、可視光(VIS)及び放射(IR)範囲、即ち、約400nm〜608nmで低い反射率、即ち、68〜10未満である。従って、フィルタは、VIS、近赤外(NIR)、及び/又は遠赤外阻止(FIR rejecting)フィルタでもよい。
【0112】
上記に詳細に論じられ、
図1A,1B,及び2のカートリッジ12に使用される、光学カップ又はキュベット22(PCT出願US2008/079533)は、細長円筒形本体及び下部先細り端を有する。このデザインでは、光学式分析装置の紫外(UV)光源は、生体サンプルの光学分析のために、キュベット中間の下方及びこの下部先細り端内へ向けられる。
図12A〜12C,13,14A〜14Cに示す光学カップ又はキュベット122及び
図15に示すカップ又はキュベット188は、カップ又はキュベット122,188内の透過光線の蛍光感知を最適化するよう設計される。
【0113】
図21は、
図18の照明装置216のアンカー又はインジェクションシュー222及び集光デバイス232の側面図の概略図であり、上記に論じたように、光学カップ又はキュベット122は、アンカーシュー222のスロット222a内に位置決めされる。
【0114】
再び
図9A,9B,10,及び21を参照すると、本発明の光学式読取装置に使用可能な光学カップ又はキュベット122の一例が示されている。光学カップ又はキュベット122は、下部先細り領域124及び内部反射表面を有する矩形容器123を含む。容器123は、更に、2枚の平行に離間した側壁160,162、2枚の離間した端壁164,166、及び水平床168を含み、第1の端壁166は水平床168に隣接した先細り領域124を含む。光学カップ又はキュベット122の水平床168の幅は約7mmであり、側壁160,162、及び第2の端壁164の深さは約18mmであり、第1の端壁166の深さは約11mmであり、水平床168の長さは約16mmであり、先細り領域124の長さは約7mmである。先細り領域124は、第1の端壁166に対して約45°傾いている。
【0115】
更に
図21を参照すると、光学カップ又はキュベット122の内表面は反射性で、好ましくは、高品質の表面仕上げを有する、又は50オングストローム未満の微細粗度を有するアルミニウム製である。光学カップ又はキュベット122は、低浸出の蛍光信号材料、例えば、プラスチック又はガラス製でもよい。光学カップ又はキュベット122は射出成形プラスチックでもよく、その後、蒸着アルミニウムを使用した金属化ステップを施してもよい。このアプローチにより、一括処理コーティングによって低コストの機械加工が可能なる。本発明に使用される光学カップ又はキュベット122を製造するための更なるアプローチは、上記に論じたように第1の端壁164、下部先細り領域124、床168及び第2の端壁166の形状を形成する容器123の内表面長さに沿って、
図9Aに示すように、アルミホイルライナーリボン174を使用することである。光学カップ又はキュベット122に含有される液体サンプルの体積は、約955μLでもよい。
【0116】
再び
図21を参照するが、線L1は入射する照明ビームを表わす。この照明ビームは、
図22の照明装置216によって生成され、照明ビームをほぼコリメートするスリット(図示しない)を通過する。スリットは、断面が約4×4mmの正方形であり、アンカーシュー222内に位置している。照明ビームは、上記に論じたように、アンカーシュー222に位置するターニングミラー235を使用して、光学カップ又はキュベット122へ反射する。ビームL2が衝突する第1の表面は、光学カップ又はキュベット122の下部先細り領域124の45°内表面である。反射したビームL3は、線L4によって表わされる液体の体積内で光学カップ又はキュベット122を横断する。第2の端壁164の反射内表面に衝突すると、ビームは45°下部先細り領域124の反射内表面に戻り、光学カップ又はキュベット122から上方のアンカーシュー222の方へ蛍光を発光する。ビームの拡大は、本発明の光学式読取装置214(
図18)の光学システムによって制御され、概して、アンカーシュー222へ戻ってきた時点で断面約5×5mmとなるようにすればよい。
【0117】
光学カップ又はキュベット122を考慮すると、光学カップ又はキュベット122内のビームは、サンプルの液体体積内を横断する間は光学カップ又はキュベット122の底部又は床168を照明しないように方向付けられることを理解されたい。スロット222a上方に位置する集光デバイス232は、236,238,240、及び242で示す複数のレンズを含有し、
図21の発光蛍光線を表わす線L5,L6及びL7によって示すように、光学カップ又はキュベット122の床168及び光学カップ又はキュベット122内の液体を観察する。サンプルの液体体積の約47%が蛍光集光デバイス232によって読み取られる。光学カップ又はキュベット122の床168の照明を排除することによって、及び光学カップ又はキュベット122(
図9A及び9B)の側壁160,162及び端壁164,166ではなく、床168のみを観察するように集光デバイス232を制限することによって、集光デバイス232に観察されるような光学カップ又はキュベット122のバックグラウンド蛍光を最小化又はほぼ排除することができる。光線追跡モデリングは、1000倍以下のノイズ(1000x less noise)にすることは理論的に達成可能であることを示している。これは、より高い信号対ノイズ比を達成するのに非常に有利である。光学カップ又はキュベット122からの蛍光ノイズを排除することによって、信号はより際立ち、より高い忠実度及び感度が達成できる。照明ビームの透過及び発光蛍光の測定は、サンプル毎に一斉に発生してもよく、或いは、サンプル内への照明は、蛍光の測定中に停止してもよい。
【0118】
以下の式は、SN比(信号対ノイズ比)計算を詳述する。
【0120】
Sは信号を表わす。Bfはバックグラウンド蛍光を表わし、Brは試料内の液体水に鑑み発生するラマンバックグラウンドを表わす。先行技術の光学式読取装置に関して、蛍光からの1.5e6ノイズ光子及び信号からの1e4光子を超える信号対ノイズ比(SN比)は約8.1である。本発明のデザインにおいて、信号が約1.2e4光子にまで増加することを期待する一方で、ノイズが1.5e4ノイズ光子にまで減少することが期待される。これらの結果を考慮すると、本発明によって生成されるSN比は約73であることが見込まれる。
【0121】
上記に論述したように、光学式分析装置16は、尿サンプル内のバクテリアの種類を同定するために使用される結果を提供する。これにより、光学式分析装置16をコンピュータモジュール(図示しない)に結合し、コンピュータモジュールに蛍光発光などの光学式分析装置16の取得情報を供給できる。コンピュータモジュールは、尿サンプルの蛍光励起発光マトリクスに対して多変量分析を行い、上記の米国特許出願公開第US2007/0037135号明細書に開示された方法と同様の方法で尿サンプルを同定及び定量化する。ここで、本システムは、励起光源を含む蛍光励起モジュール、光源を受け取るようサンプルを位置決めするためのサンプルインターフェースモジュール、蛍光発光モジュール及び検出デバイスを含む。上述のコンピュータモジュールは、蛍光モジュールに結合される。多変量分析は、尿サンプルの同定及び定量化のための拡張部分最小二乗分析を含んでもよい。
【0122】
また、更に、「均質化チューブ(homogenitor tube)」を使用して異なるLEDパッケージの出力を均一なUV光源に混合することを想定している。本発明において使用される典型的な「均質化チューブ」は、当業者に周知のものと同様である。
【0123】
液体サンプルは、例えば、サンプル内の生物又は微生物、例えばバクテリアの種類及び量に関して光学的に分析される生体、化学又は毒物サンプルなど、例えば尿サンプルでもよいと、当業者には理解されるだろう。
別の態様に係る光学分析における複数の光学カップ内のサンプルの温度を冷却及び制御するシステムにおいて、
各々が光学式分析装置による光学分析対象のサンプルを含有する使い捨て光学カップを支持する複数の使い捨てカートリッジを支持するためのカルーセルであって、各々が前記使い捨てカートリッジの一つと関連する複数の開口を有するカルーセルと、
各々が前記カルーセル内の開口の一つと関連する複数の開口を有するターンテーブルと、
熱電クーラーと、
前記サンプルの温度を冷却して制御するために前記ターンテーブルの複数の開口を通して冷却空気を循環するための前記ターンテーブルに関連するファンと、を備える。
好適には、前記システムにおいて、前記ターンテーブルはアルミニウム製であり、前記光学カップ及び前記使い捨てカートリッジはプラスチック製であり、前記アルミニウム製のターンテーブル及び前記プラスチック製の使い捨てカートリッジ及び前記光学カップを経由する対流冷却が発生して前記光学カップ内のサンプルを急速に冷却する。
好適には、前記システムにおいて、前記サンプルの温度を冷却して制御するためのシステムは光学式分析装置内に位置する。
好適には、前記システムにおいて、前記光学式分析装置内の前記サンプルの温度を冷却して制御するための前記システムは、周囲温度から所望の温度に前記サンプルを冷却し、且つ前記光学式分析装置での前記サンプルの処理が完了するまで前記サンプルの温度を所望の温度に実質的に維持するように構成される。
別の態様に係る光学式分析装置における複数の光学カップ内のサンプルの温度を冷却して制御するためのシステムは、
各々が光学式分析装置による光学分析対象の前記サンプルを含有する使い捨て光学カップを支持する複数の使い捨てカートリッジを支持するためのカルーセルであって、各々が使い捨てカートリッジの一つと関連する複数の開口を有するカルーセルと、
各々が前記カルーセル内の開口の一つと関連する複数の開口を有するターンテーブルと、
前記サンプルを冷却して前記サンプルの温度を制御するために、熱電クーラーから前記ターンテーブルへ冷却空気を運搬するための、且つ前記ターンテーブルから前記熱電クーラーへ冷気を運搬するための、前記ターンテーブルに関連する複数の通路を有する、前記ターンテーブル下方に位置するアルミニウムブロックと、を備える。
好適には、前記別の態様のシステムにおいて、前記ターンテーブルはアルミニウム製であり、前記光学カップ及び前記使い捨てカートリッジはプラスチック製であり、前記アルミニウム製のターンテーブル及び前記プラスチック製の使い捨てカートリッジ及び前記光学カップを経由する対流冷却が発生して前記光学カップ内のサンプルを急速に冷却する。
好適には、前記別の態様のシステムにおいて、前記サンプルの温度を冷却して制御するためのシステムは光学式分析装置内に位置する。
好適には、前記別の態様のシステムにおいて、前記光学式分析装置内の前記サンプルの温度を冷却して制御するための前記システムは、所望の温度に前記サンプルを冷却し、且つ前記光学式分析装置での前記サンプルの処理が完了するまで前記サンプルの温度を所望の温度に実質的に維持するように構成される。
別の態様に係る光学カップに含有される生体液体サンプル中の汚染物質の存在を分析するための光学式読取装置内で使用するための分光計は、
前記生体液体サンプルを含有する前記光学カップから照明ビームを受光するための集光レンズシステムと、
前記光学カップから出た後に第1の光路を移動する前記照明ビームが通過する前記集光レンズシステムに隣接配置された分光計スリットと、
前記第1の光路の前記照明ビームを受光するための前記分光計スリットに隣接配置された第1の円柱レンズと、
前記第1の円柱レンズを通過する前記照明ビームをコリメート光にするため、且つ第2の光路内に前記照明ビームを反射するため少なくとも第1のミラーを含むミラーシステムと、
前記第1のミラーから反射された前記照明ビームを受光し、前記照明ビームをスペクトル成分に分光して複数の分光ビームを形成し、第3の光路に沿って前記分光ビームを反射するための前記第2の光路に位置する平面回折格子と、
前記ミラーシステムに対して位置決めされる前記第2の円柱レンズと、
前記ミラーシステムは前記複数の分光ビームを受光するため及び第4の光路の前記第2の円柱レンズに向かって前記複数の分光ビームを集束するための少なくとも第2のミラーを更に含み、
前記サンプル中の汚染物質の存在を分析するための前記第2の円柱レンズを通過する前記複数の分光ビームを受光するための前記第2の円柱レンズに隣接配置されたCCDデバイスを備える。
別の態様に係る光学分析に使用するための生体サンプルを保持するための光学カップは、
前記生体サンプルを含有する容器を備え、
前記容器は、前記生体サンプルを受容するための開口、及び前記開口に対して内側下方に延出する下部先細り領域を有し、
前記下部先細り領域は、前記開口を通った照明ビームを受け取るために、および、前記生体サンプルを通った前記照明ビームを反射させるために、形成された表面を有する。
【0124】
本発明は、好適な実施形態を参照して記述された。先行の詳細な記述を読み理解した時、明白な変更及び修正に想到する人々もいると思われる。本発明はそのような変更及び修正の全てを含むと解釈されることを意図している。