特許第6353119号(P6353119)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6353119読取装置、商品販売データ処理装置、及びそのプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6353119
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】読取装置、商品販売データ処理装置、及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20180625BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20180625BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   G07G1/00 311D
   G07G1/12 331D
   G06T1/00 430G
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-94378(P2017-94378)
(22)【出願日】2017年5月11日
(62)【分割の表示】特願2014-2704(P2014-2704)の分割
【原出願日】2014年1月9日
(65)【公開番号】特開2017-152046(P2017-152046A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2017年5月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内藤 英浩
【審査官】 望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−216182(JP,A)
【文献】 特開平03−129591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 − 1/14
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の読み取り範囲に前記被写体を観測するためのモニタ光を照射して前記被写体からの反射光を検出する光学式検出手段と、
前記光学式検出手段が前記モニタ光の反射光を検出したことを条件として、前記撮像手段を動作させる制御手段と、
前記撮像手段が前記被写体を撮像する間、前記モニタ光を照射した状態で、前記読み取り範囲への前記モニタ光の到達を抑止するモニタ光制御手段と、
前記撮像手段により撮像された前記被写体の画像データを記憶部に取り込む画像取込手段と、
を備えることを特徴とする読取装置。
【請求項2】
前記モニタ光制御手段は、前記撮像手段が前記被写体を撮像する間、前記モニタ光の出力を低下させる、
ことを特徴とする請求項1記載の読取装置。
【請求項3】
前記モニタ光制御手段は、前記撮像手段が前記被写体を撮像する間、前記モニタ光の光路に遮断物を配置する、
ことを特徴とする請求項1記載の読取装置。
【請求項4】
商品を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の読み取り範囲にモニタ光を照射して前記商品からの反射光を検出する光学式検出手段と、
前記撮像手段により撮像された前記商品の画像データから画像を解析する画像取り込み手段と、
前記光学式検出手段が前記モニタ光の反射光を検出したことを条件として、前記撮像手段を動作させる制御手段と、
前記撮像手段が前記読み取り範囲の商品を撮像する間、前記モニタ光を照射した状態で、前記読み取り範囲への前記モニタ光の到達を抑止するモニタ光制御手段と、
複数の商品販売データを記憶する商品販売データ記憶手段と、
前記画像取り込み手段の解析結果に基づいて前記商品に対応する商品販売データを前記商品販売データ記憶手段から抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された商品販売データに基づいて前記撮像手段で撮像された商品の決済処理を行う決済手段と、
を備えることを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項5】
被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の読み取り範囲にモニタ光を照射して前記被写体からの反射光を検出する光学式検出手段と、
前記光学式検出手段が前記モニタ光の反射光を検出したことを条件として、前記撮像手段を動作させる制御手段と、
前記撮像手段が前記被写体を撮像する間、前記モニタ光を照射した状態で、前記読み取り範囲への前記モニタ光の到達を抑止するモニタ光制御手段と、
前記撮像手段により撮像された前記被写体の画像データを記憶部に取り込む画像取込手段と
コンピュータに実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、読取装置、商品販売データ処理装置、及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バーコードなどの被写体の読み取りを行うものとして読取装置がある。この読取装置は、透明ガラスよりなる読取窓に被写体を近づけることにより、被写体がCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)などの撮像素子によりデータとして読み込まれ、その後は画像データとして編集や加工が可能となる。読取装置は読取窓に被写体が近づけられると、その読取窓の奥に潜ませている撮像素子により、撮像素子の読み取り範囲にあるものつまり被写体をデータとして取り込む。
【0003】
この読取装置は、セルフPOS端末などの商品販売データ処理装置にも組み込まれて、使用されている。
上記商品販売データ処理装置は、買いもの客が商品の例えばバーコード情報を読取装置の読取窓にかざすと、撮像素子による読み取りを開始する。読み取ったバーコード情報は商品販売データを蓄積したファイル内の情報と照合し、この照合により得られた商品情報や請求金額等を表示画面に表示する。買いもの客は表示内容に誤りがないことを確認すると、コイン投入口から請求金額の支払いを行い、レシートを受けとって購入商品の決済を完了する。
昨今ではバーコードの読み取りだけでなく、商品そのものをオブジェクトとして認識する課題技術が進み、オブジェクト認識に好適な読取装置の提案が数多く出されている。赤外線を撮像素子の読み取り範囲に向けて被写体の検出用として照射するオブジェクト認識の読取装置も知られている。
しかしながら、撮像素子の読み取り範囲に向けて被写体の検出用として照射する赤外線の光が撮像画像に写り込むという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、撮像素子の読み取り範囲に向けて被写体の検出用として照射する赤外線の光が撮像画像に写り込むのを抑止する読取装置、商品販売データ処理装置、及びそのプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の読取装置は、被写体を撮像する撮像手段と、上記撮像手段の読み取り範囲に被写体を観測するためのモニタ光(被写体を観測するためのモニタ光とは、例えば被写体の有無を検出するための赤外線の光り或は被写体の距離を測定するための赤外線の光などを差す)を照射して上記被写体からの反射光を検出する光学式検出手段(例えば赤外線センサなど)と、上記光学式検出手段が上記モニタ光の反射光を検出したことを条件として、上記撮像手段を動作させる制御手段と、上記撮像手段が上記被写体を撮像する間、前記モニタ光を照射した状態で、上記読み取り範囲への上記モニタ光の到達を抑止するモニタ光制御手段と、上記撮像手段により撮像された上記被写体の画像データを記憶部に取り込む画像取込手段と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1の実施形態にかかる読取装置の構成を模式的に示した図である。
図2図2は、読取装置の制御ブロック図である。
図3図3は、実施例1の、赤外線センサの発光素子の駆動回路図である。
図4図4は、モニタ光制御信号の制御方法を説明するためのタイミングチャートである。
図5図5は、実施例2の、赤外線センサの発光素子の駆動回路図である。
図6図6は、モニタ光制御信号の制御方法を説明するためのタイミングチャートである。
図7図7は、シャッターとモニタ光の光路との位置関係を示した図である。
図8図8は、商品販売データ処理装置として使用するセルフPOSの概観斜視図である。
図9図9は、セルフPOSの機能的構成を示すブロック図である。
図10図10は、セルフPOSの制御部において実行される本実施形態のプログラムの処理フローである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本実施形態では、被写体を撮像する撮像手段として撮像装置の詳細を示す。また、撮像手段の読み取り範囲に被写体を観測するためのモニタ光を照射してその反射光を検出する光学式検出手段として赤外線センサの詳細を示す。また、撮像手段が被写体を撮像する間、読み取り範囲へのモニタ光の到達を抑止するモニタ光制御手段として赤外線センサ制御部と赤外線センサの駆動回路等の詳細を示し、撮像手段により撮像された被写体の画像データを記憶部に取り込む画像取込手段として画像取込部の詳細を示す。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる読取装置の構成を模式的に示した図である。
図1は、読取装置の内部構造が分りやすいように、読取装置の天井板と筐体の一部を取り除き、上面図で表している。
図1の読取装置1は、主に、赤外線センサ10と、照明装置11と、撮像装置12と、制御ボード13と、各装置10〜13を内部に収容して保護する箱型の筐体14と、筐体14の前面(図1において左側に位置する面)の開口部15に設けた読取窓16などにより構成されている。
【0009】
赤外線センサ10は、赤外線を発する発光素子10−1と赤外線を感知する受光素子(不図示)とを備える。発光素子10−1としては例えば発光ダイオードを使用し、受光素子としては例えばフォトダイオードやフォトトランジスタを使用する。そして、それぞれを発光面と受光面とを読取窓16に向けて配置する。
照明装置11は、読取窓16にかざされた商品を均一に照らす照明器具である。例えば白色の発光ダイオードで構成したものを使用し、発光面を読取窓16に向けて配置する。
【0010】
撮像装置12は、集光レンズ12−1、撮像素子12−2、および画像制御ボード12−3を備える。集光レンズ12−1は、読取窓16にかざされた商品の像を撮像素子12−2上に結像するもので、凸レンズなどにより構成されるものである。撮像素子12−2は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)などのイメージセンサであり、マトリックス状に配列された光電素子で結像光を光電変換し、露光によりコンデンサなどに溜めた電子を出力して電気信号を生成する。画像制御ボード12−3は、撮像素子12−2の撮像をタイミング信号により開始または停止させるものである。画像制御ボード12−3は、撮像動作時は、撮像素子12−2から出力された画像の電気信号を増幅し、さらにA/D変換を施すなどの所定の信号処理を行い、画像のデジタルデータ(画像データ)を生成し、1フレームごとにバッファに記憶する。
【0011】
読取窓16は、低反射率の透明なガラス板で、筐体14の開口部15に筐体14と密着して設けられている。
赤外線センサ10は、図1に示すように発光素子10−1の発光面を読取窓16に向け、また受光素子の受光面も読取窓16に向けて配置する。これにより、発光素子10−1の発光面から発した赤外線の光(被写体を観測するための光りであるので、以下、モニタ光と称することにする)は、読取窓16を通過し、読取窓16の外側(つまり筐体14内部から読取窓16ごしに見える筐体14外側の一定領域)を照らせるようになっている。
【0012】
図1においてモニタ光の照射範囲を破線Aで示した。なお、この照射範囲は、例えば平均輝度を超えるような比較的高い輝度の光が通過する範囲である。読取窓16に商品Mがかざされると、商品Mからのモニタ光の反射光が読取窓16を通じて筐体14の内部に入射し、赤外線センサ10の不図示の受光素子でその反射光を感知する。
【0013】
また、読取窓16に商品Mがかざされたときには、商品Mに均一の照明光が当たり、商品Mからの反射光が集光レンズ12−1により撮像素子12−2上に結像する。図1に、商品Mを撮像素子12−2上に結像させることが可能な範囲(撮像素子12−2による読み取り範囲)を破線Bで示した。商品Mは読取窓16の外側でしかかざせないため、読取窓16の外側の範囲が撮像素子12−2の実質的な読み取り範囲となる。この範囲に商品が収まると、その像が撮像素子12−2によって読み取られ画像データが生成される。なお、商品Mが読取装置1から図1に示すような距離にある場合には、矢印Xの線分で示す範囲が撮像素子12−2による読み取り範囲となる。モニタ光は撮像素子12−2の読み取り範囲に向けて照射されるため、撮像素子12−2による読み取り範囲にモニタ光の照射範囲が図のYの線分で示す範囲で重なっている。
【0014】
図2は、読取装置の制御ブロック図である。
図2には、図1の読取装置1の赤外線センサ10と、照明装置11と、集光レンズ12−1を有する撮像装置12と、制御ボード13に搭載される主制御部20のブロック図を示している。主制御部20は、撮像制御部200と、画像取込部201と、赤外線センサ制御部202と、照明制御部203とを備え、各部10〜12を制御する。
【0015】
撮像制御部200は、撮像動作の開始や停止を示すタイミング信号(以下撮像タイミング信号とする)を生成し、この信号を撮像装置12に出力して撮像素子12−2の撮像開始や撮像停止を制御する。具体的には次のように制御する。撮像タイミング信号を2つの電圧レベル(LOWレベルおよびHIGHレベル)で構成し、これを撮像装置12に出力する。撮像タイミング信号がLOWレベルからHIGHレベルの信号に切り替わると、撮像素子12−2は撮像動作を開始し、HIGHレベルからLOWレベルの信号に切り替わると、撮像素子12−2は撮像動作を停止する。
【0016】
本実施の形態では、後述する赤外線センサ制御部202からの検出信号をトリガにして、撮像制御部200が、撮像タイミング信号をHIGHレベルに切替えて撮像開始を指示する。なお、読取装置1がスタンバイモードに有る場合は、赤外線センサ制御部202からの検出信号により、読取装置1が先ずスタンバイモードから復帰し、その後撮像制御部200が撮像タイミング信号をHIGHレベルに切替える。また、撮像制御部200は、後述する画像取込部201からの処理の終了信号をトリガにして、撮像タイミング信号をLOWレベルに切替えて撮像終了を指示する。
【0017】
画像取込部201は、撮像装置12から1フレームごとに画像データを取得し、内部メモリに展開するなどして画像解析処理を行い、詳しくは述べないが、例えば商品の特徴量の情報を抽出するなどして認識処理を行う。認識処理が終了すると上記終了信号を撮像制御部200に出力する。
【0018】
赤外線センサ制御部202は、撮像制御部200で生成した撮像開始や撮像停止の撮像タイミング信号に合わせてモニタ光制御信号を生成し、発光素子10−1のモニタ光を制御する。例えば、撮像タイミング信号中の撮像開始を示す信号の立ち上がりをトリガにしてモニタ光をOFFし、撮像停止を示す立下りをトリガにしてモニタ光をONにする。
【0019】
なお、このモニタ光制御信号は、モニタ光のON及びOFFのみならず、モニタ光の出力の変更や、モニタ光の光路を遮るシャッター開閉や、モニタ光の照射方向を読み取り範囲の外に向けるための赤外線センサの向き(発光素子面の向き)の変更など、読み取り範囲へのモニタ光の到達を抑止するための制御信号である。
【0020】
また、赤外線センサ制御部202は、赤外線センサ10の受光素子からの出力をモニタする。そして被写体を感知したことを知らせる出力を検出すると、撮像制御部200に検出信号を出力する。一方、受光素子からの被写体を感知したことを知らせる出力が一定時間ないと、読取装置1はスタンバイモードに入り、赤外線センサ10や赤外線検出機能など必要なものを除く全ての電子部品への電力の供給を停止する。
【0021】
赤外線センサ制御部202が被写体を感知したことを知らせる出力を検出したときに、読取装置1が既にスタンバイモードにある場合は、先ず、主制御部20がスタンバイモードから復帰し、その後、撮像制御部200で赤外線センサ制御部202からの検出信号を検出する。
【0022】
照明制御部203は、撮像制御部200で生成される撮像タイミング信号に合わせて照明装置11へ点灯及び消灯を示す制御信号を送り、照明装置11を制御する。例えば、撮像タイミング信号中の撮像開始を示す信号の立ち上がりをトリガにして照明装置11に点灯開始を示す信号を送り、撮像タイミング信号中の撮像終了を示す信号の立ち下りをトリガにして照明装置11に消灯を示す信号を送る。こうすることで、照明装置11の発光及び消灯を制御する。
【0023】
次に、上記モニタ光制御信号の制御対象ごとに実施例で説明する。
(実施例1)
実施例1では、モニタ光の出力を低下させて発光量を抑えることにより、読み取り範囲へのモニタ光の到達を抑止する赤外線センサの制御例を示す。
図3は、実施例1の、赤外線センサ10の発光素子10−1の駆動回路図である。
図3の駆動回路は、赤外線発光ダイオードD、NPN型バイポーラトランジスタTr、および3つの抵抗R1〜R3で構成されている。
抵抗R1は発光ダイオードDを少ない出力で発光させるためのものである。
抵抗R2は発光ダイオードDを流れる電流値を制御するためのものである。
抵抗R3はNPN型バイポーラトランジスタTrのベース(B)の電流を制御するためのものである。
【0024】
この回路で上記モニタ制御信号は入力端子Pに入力される。
入力端子Pに出力抑制信号を示す0Vの電圧を印加すると、NPN型バイポーラトランジスタTrのベース(B)に電流は流れず、コレクタ(C)とエミッタ(E)間に電流は流れない。従って、抵抗R1により決まる少ない電流が発光ダイオードに流れ込み、低出力のモニタ光を得る。
【0025】
一方、入力端子Pに出力開放信号を示す電源電圧を印加すると、NPN型バイポーラトランジスタTrのベース(B)に所定のベース電流が流れ、コレクタ(C)とエミッタ(E)間に電流が流れるようになる。従って、抵抗R1に並列接続された抵抗R2により発光ダイオードDに流れ込む電流が増大し、低出力から高出力のモニタ光へと切り替わる。ただし、この場合定格内の電流が流れるように抵抗R2の値を選択する。
【0026】
なお、撮像画像に対するモニタ光の影響が無視できない場合は、商品などの被写体を撮像して得た撮像画像(または撮像データ)において、モニタ光の写りこみの影響を無視できる程度にまでモニタ光の出力を下げる必要がある。この出力レベルは、予めモニタ光の写りこみテストをして、画像データの解析に支障のない出力レベルを利用する。例えば、発光ダイオードの出力レベルを一定にして被写体となる商品にモニタ光を照射し、その照射光を商品に当てたまま撮像を行う。この手順を出力レベルを段階的に下げながら複数回繰り返し、生成された画像データにおける商品の認識率を画像データごとに算出する。そして認識率が高い出力レベル(例えば80%を超える出力レベル)を発光ダイオードの低い方の出力レベルとして採用し、抵抗R1、R2の値を決める。
【0027】
図4は、上記モニタ光制御信号の制御方法を説明するためのタイミングチャートである。タイミングチャートの横軸は時間軸を表し、縦軸は入力端子Pの入力電圧を示す。
図4にはモニタ光制御信号SD1と、この信号との比較のため撮像タイミング信号SD2を並べて配置している。なお、撮像タイミング信号SD2の縦軸は2つの状態つまり撮像中(HIGHレベル)と撮像停止(LOWレベル)を示している。
【0028】
図4に示すように、モニタ光制御信号SD1は、撮像タイミング信号SD2の変化に追随して、各時点で撮像タイミング信号SD2の信号レベルと反対の信号レベルをとる。
本実施例では、赤外線センサ制御部202は、撮像制御部200から出力される撮像タイミング信号をインバータなどにより反転させて取り込み、最大電圧値を電源電圧とし、最小電圧値を0Vとする電圧レベル変換を施して発光素子10−1の入力端子Pに信号を出力する。
【0029】
図4を詳細に見てゆくと、撮像タイミング信号SD2は時刻t0から時刻t1まではLOWレベル(つまり撮像停止の状態)をとり、このときモニタ光制御信号SD1は電源電圧レベル(つまり高出力発光)をとる。時刻t1から時刻t2までは撮像タイミング信号SD2はHIGHレベルをとり(つまり撮像中であり)、一方のモニタ光制御信号SD1はグランド電圧レベル(つまり低出力発光)をとる。そして、時刻t2から時刻t3までは撮像タイミング信号SD2はLOWレベル(つまり撮像停止の状態)をとり、一方のモニタ光制御信号SD1は電源電圧レベル(つまり高出力発光)をとる。その後も、時刻t4と時刻t5のそれぞれのタイミングで各信号SD1、SD2は信号レベルを反転させる。
【0030】
このようにモニタ光制御信号SD1を撮像タイミング信号SD2に追随させ、各時点でモニタ光制御信号SD1の信号レベルを撮像タイミング信号SD2の信号レベルとは反対の状態をとるようにする。
【0031】
このようにすることにより、赤外線センサ10は次のように作用する。
グランド電圧レベルから電源電圧レベルへの信号の切替えでは、発光素子10−1が動作上最適な電流値で駆動する。このようにして赤外線センサ10は、モニタ光の商品検出に必要な出力を得る。また、電源電圧レベルからグランド電圧レベルへの信号の切替えでは、発光素子10−1が低い電流値で駆動する。このようにして撮像時におけるモニタ光の影響を排除する。
【0032】
続いて、このタイミングチャートに沿って読取装置1での動きを見てゆく。
時刻t0から時刻t1は撮像タイミング信号SD2がLOWレベルなので撮像素子12−2は撮像を停止している。これは読み取り範囲(図1の読み取り範囲B)に商品がないことを意味する。
【0033】
赤外線センサ制御部202は、この間、モニタ光制御信号SD1として電源電圧レベルの信号を赤外線センサ10へ出力する。これにより赤外線センサ10は高出力で駆動し、商品の検出が可能な出力レベルのモニタ光を上記読み取り範囲に照射する。
【0034】
時刻t1は、上記読み取り範囲に商品が入ったときの状態である。商品が上記読み取り範囲に入ると、商品からの、モニタ光の反射した光を、赤外線センサ10の受光素子10−2が感知し、赤外線センサ制御部202でその検出信号を受信する。赤外線センサ制御部202は、検出信号レベルが所定レベルを超えるとき商品が上記読み取り範囲にあると判断し、撮像制御部200へ検出信号を出力する。撮像制御部200は、撮像タイミング信号SD2をHIGHレベルに切り替える。これと略同時に、赤外線センサ制御部202は、モニタ光制御信号SD1をグランド電圧レベルに切り替える。
【0035】
つまり、撮像装置12は時刻t1になると撮像を開始し、この撮像中、赤外線センサ10は発光素子10−1から低出力のモニタ光を照射する。
【0036】
時刻t2は、例えば画像取込部201が商品の画像認識処理の終了を撮像制御部200に通知することにより、撮像制御部200が撮像タイミング信号SD2をLOWレベルに切り替える。赤外線センサ制御部202は、撮像制御部200の撮像タイミング信号SD2の切替えに追随してモニタ光制御信号SD1を電源電圧レベルに切替える。
つまり、撮像装置12は時刻t2になると撮像を停止し、この間、赤外線センサ10は発光素子10−1から読み取り範囲に向けて高出力のモニタ光を照射する。
【0037】
以後も同様の方式で撮像タイミング信号SD2とモニタ光制御信号SD1の信号レベルを切替える。
【0038】
以上のように本実施例では発光ダイオードに流れる電流値を変えることによりモニタ光の出力を低下させた。しかし、この方法に限らず他の方法を用いても良い。例えば、発光ダイオードをPWM(Pulse Width Modulation)信号で駆動し、PWM信号のデューティー比(パルス幅)を替えることにより、つまり高出力で発光させる場合はデューティー比を100%に設定して発光ダイオードを光らせ、低出力で発光させる場合はデューティー比を例えば10%以下にして発光ダイオードを光らせる。このようにすることにより、発光ダイオードの発光時間が減少するので、平均の発光量を低下させることができ、その結果、モニタ光の出力が低下する。
【0039】
以上のように本実施例では撮像時にモニタ光の出力を低下させ、撮像素子の読み取り範囲へのモニタ光の到達を抑止できる。これにより撮像データへのモニタ光の写り込みを排除するまたは大幅に低減することができる。
【0040】
(実施例2)
実施例2では、モニタ光を消すことにより、読み取り範囲へのモニタ光の到達を抑止する赤外線センサの制御例を示す。
図5は、実施例2の、赤外線センサ10の発光素子10−1の駆動回路図である。
図5の駆動回路は、赤外線発光ダイオードD1、NPN型バイポーラトランジスタTr1、および2つの抵抗R4、R5で構成されている。
【0041】
抵抗R4は発光ダイオードD1を定格の電流および電圧で駆動させるためのものである。
抵抗R5はNPN型バイポーラトランジスタTr1のベース(B)の電流を制御するためのものである。
【0042】
上記モニタ制御信号は入力端子P1に入力される。
入力端子P1に出力抑制信号を示す0Vの電圧を印加すると、NPN型バイポーラトランジスタTr1のベース(B)に電流は流れず、コレクタ(C)とエミッタ(E)間に電流は流れない。従って、発光ダイオードD1は電流が流れないため、発光しない。
【0043】
一方、入力端子P1に出力開放信号を示す電源電圧を印加すると、NPN型バイポーラトランジスタTr1のベース(B)にベース電流が流れ、コレクタ(C)とエミッタ(E)間に電流が流れるようになる。従って、発光ダイオードD1は、定格の電流が流れて発光する。
【0044】
図6は、上記モニタ光制御信号の制御方法を説明するためのタイミングチャートである。タイミングチャートの横軸は時間軸を表し、縦軸は入力端子P1の入力電圧を示す。
図6にはモニタ光制御信号SD3と、この信号との比較のため撮像タイミング信号SD2を並べて配置している。なお、撮像タイミング信号SD2の縦軸は2つの状態つまり撮像中(HIGHレベル)と撮像停止(LOWレベル)を示している。
【0045】
なお、図6のタイミングチャートは図4のタイミングチャートと重なる部分が多いので、ここでは異なる部分のみ説明する。
【0046】
図6に示すように、モニタ光制御信号SD3は図4のモニタ光制御信号SD1において「高出力」が「点灯」に変わり、「低出力」が「消灯」に変わったものである。モニタ光制御信号SD3がとるレベル値はモニタ光制御信号SD1のレベル値と同じであるが、発光素子の駆動回路の違いから発光状態が異なっている。
【0047】
図6に示すように、撮像中の時刻t1から時刻t2と、時刻t3から時刻t4において発光ダイオードは発光せず、消灯の状態をとる。
実施例2では、撮像素子により撮像が行われている間はモニタ光の照射を完全に止めることになる。従って、実施例2の構成では、撮像素子の読み取り範囲へのモニタ光の到達を完全に抑止できる。これにより撮像データへのモニタ光の写り込みを完全に排除することができる。
【0048】
(実施例3)
実施例3では、モニタ光の光路に遮断物を配置することにより、読み取り範囲へのモニタ光の到達を抑止する赤外線センサの制御例を示す。
図7は、シャッターとモニタ光の光路との位置関係を示した図である。なお図7のシャッター機構は簡略的に示したものである。
【0049】
図7においてシャッター機構は、シャッター収納部700と、シャッター収納部700において進退自在に移動できる磁性体のシャッター(遮光板)701と、シャッター収納部700と遮光板701の一端に取り付けられた引っ張りばね702と、遮光板701の進行方向上に配置された電磁石703とで構成されている。遮光板701はモニタ光を完全に覆うことのできるように所定の面積を有するものを使用している。また電磁石703はONとOFFの信号により、駆動と停止を制御する。
【0050】
図7(a)は、電磁石703に電流が流れていないときのもので、遮光板701は引っ張りばね702によりシャッター収納部700に収められる。
図7(b)は、電磁石703に電流を流したときのもので、遮光板701は電磁石703の磁力によりひきつけられ、モニタ光の光路(図7の破線で示す範囲A1)をその位置で完全に遮断する。このとき、引っ張りばね702は付勢し、電磁石703の電流をきると、引っ張りばね702の付勢力により遮光板701がシャッター収納部700に収まり、図7(a)の状態に戻る。
【0051】
図7に示すシャッター機構では、電磁石703を駆動するためのON信号と解除するためのOFF信号を、赤外線センサ制御部からONとOFFのモニタ光制御信号として出力すればよい。
【0052】
本実施例では、1枚の遮光板と1個の電磁石を用いてシャッター機構を構成した。しかし、その他にも、2枚の遮光幕の走行によってシャッターを制御するフォーカルプレーンシャッターや、複数のシャッター羽を円形に組み合わせて光路を遮蔽するレンズシャッターや、電圧の制御により分子配列を変えて光の透過と遮蔽を制御する液晶シャッタなどを利用しても良い。
【0053】
また、本実施例では発光素子を固定し、遮断物を動かす構成としたが、これに限らず、遮断物を固定し発光素子を動かす、或いは遮断物および発光素子を共に動かす構成としても良い。発光素子を動かす場合は、モニタ光の光路を撮像素子の撮像領域から外すようにすると良い。
【0054】
実施例3では、撮像素子により撮像が行われている間はモニタ光の光路を遮光板で遮断することになる。従って、実施例3の構成では、撮像素子の読み取り範囲へのモニタ光の到達を抑止できる。これにより撮像データへのモニタ光の写り込みを完全に排除することができる。
【0055】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、第1の実施形態の読取装置の主制御部の機能を、商品販売データ処理装置の制御部により実現する好適な例を示す。
図8は、商品販売データ処理装置として使用するセルフPOSの概観斜視図である。
【0056】
図8のセルフPOS8は、本体80の上部に、タッチ入力式のディスプレイ81を備える。ディスプレイ81はタッチセンサを画面に重ねて設けた液晶表示器である。ディスプレイ81は商品情報を入力するための入力画面や、読取装置で読み取った商品の商品候補や商品情報を確認するための確認画面や、その他商品の合計金額や預かり金額、釣銭額等を確認するための会計画面を表示する。
【0057】
ディスプレイ81の下方には利用者の正面に向けて読取窓82を配置させた読取装置83が収納されている。読取窓82からその一部を覗かせる読取装置83内部には、読取窓82に商品がかざされたことを検出する赤外線センサ84がその発光面および受光面を読取窓82側に向けて配置されている。
【0058】
読取装置83は第1の実施形態に示す読取装置と同様の構造を有するものである。従って読取窓82に商品をかざすと、読取装置83は商品そのものを内蔵の撮像素子で撮像し、撮像データを本体80の制御部へ送信する。
【0059】
なお、図8には示されていないが、読取装置83の内部には読取窓82にかざされた商品に均一に光をあてるための照明装置が配置されている。
セルフPOS8は本体80の正面右側にハンドスキャナ85を備えている。
本体80の天板にはポールを備え、そのポールの上部に、セルフPOS8での操作に異常があった場合や店員を呼び出す場合等に点灯する警告灯86が取り付けられている。
【0060】
セルフPOS8は本体80の中央に、ポイントカードやクレジットカードを挿入するためのカード挿入口87を備えている。カード挿入口87の左隣にはレシート発行用のレシート発行口88を備えている。本体80の内部にプリンタを搭載しており、このプリンタで印字したレシートをレシート発行口88から出力する。
【0061】
セルフPOS8は本体80の中段部分に、精算用の紙幣の入金や釣り紙幣の受け取りを行うための紙幣入出金口89、精算時に硬貨を投入するための硬貨投入口90、釣り硬貨を受け取るための硬貨取出口91等を備えている。
セルフPOS8は本体80の正面右側に未精算の商品を置くための商品載置台92を備え、正面左側に精算済みの商品を置くための商品載置台93を備える。
【0062】
商品載置台93の上面にポールが立設し、このポールの上部に、精算済みの商品を一時的に置いておくための一時置き台94を備える。また、一時置き台94の手前には、袋を掛けるための袋掛けフック95を備える。商品載置台93の内部には、商品載置台93と袋掛けフック95と一時置き台94とに加わる重量を計量する計量器96を備える。
【0063】
次に、セルフPOS8の機能的構成について説明する。
図9は、セルフPOSの機能的構成を示すブロック図である。セルフPOS8は、CPUと、記憶手段として機能するROMおよびRAM(いずれも不図示)等から構成されるコンピュータ構成の制御部800を備えている。ROMは、CPUが実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAMは、CPUが各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶する。
【0064】
制御部800には、各種インタフェースやバスBLを介して、通信I/F801、カードリーダ802、ハンドスキャナ803、タッチパネル804、ディスプレイ805、警告灯806、入出金ユニット807、プリンタ808、計量器809、HDD810、以下の読取装置等の機器が接続されている。
【0065】
読取装置は、第1に実施形態で示した読取装置と同様に、撮像装置811と、赤外線センサ812と、照明装置813と、制御部800の撮像制御部800−1と、画像取込部800−2と、赤外線センサ制御部800−3と、照明制御部800−4によって構成されるものである。
【0066】
撮像装置811は、レンズ、撮像素子、および撮像制御ボード等により構成されている。
赤外線センサ812は、発光部と受光部を備える。発光部として赤外線発光ダイオード、受光部として赤外線フォトダイオードなどが使用される。
照明装置は白色の発光ダイオードが使用される。
【0067】
制御部800は、これら各機器801〜813を制御し、セルフPOS8のシステム全体を制御する。
カードリーダ802は、カード挿入口87に挿入されたポイントカードやクレジットカードの情報を読み取り、制御部800に通知する。
ハンドスキャナ803は、商品のバーコード情報を読み取り、制御部800に通知する。
【0068】
タッチパネル804は、ディスプレイ81に表示された各種画面に従って客が選択した選択ボタンや入力した情報を制御部800に通知する。
ディスプレイ805は、商品情報を入力するための入力画面や、読取装置で読み取った商品の商品候補や商品情報を確認するための確認画面や、その他商品の合計金額や預かり金額、釣銭額等を確認するための会計画面を表示する。
警告灯806はセルフPOS8での操作に異常があった場合や店員を呼び出す場合等に点灯する。
【0069】
入出金ユニット807は、紙幣入出金口89、硬貨投入口90、および硬貨取出口91等における紙幣や硬貨の入出金を管理する。
プリンタ808は、会計処理後にレシートを印刷し、これをレシート発行口88に導く。
計量器809は、商品載置台93と袋掛けフック95と一時置き台94とに加わる重量を計量し、計算結果を制御部800に通知する。
【0070】
HDD810は、不図示の商品マスタ(商品販売データ)を格納している。商品マスタは、商品コードに対応させて、商品名、単価、商品の重量範囲が設定された設定重量範囲等の各種商品情報を記憶している。
【0071】
制御部800は、通信I/F801を介してLAN(Local Area Network)等のネットワークNTで接続されたストアサーバ900やセルフチェックの各処理を補助する店員(アテンダント)用のアテンダント端末(不図示)と相互に通信を行うことができる。ストアサーバ900は店舗内に設置された1台または複数台のセルフPOS8で行われる商品販売登録処理等の管理を全般的に行う。
ストアサーバ900は、通信I/F801およびネットワークNTを介してセルフPOS8とデータ通信を行い、商品マスタのデータを更新したり、編集したりすることができる。
【0072】
次に、セルフPOS8のより詳細な機能的構成について説明する。セルフPOS8の制御部800は、ROMに格納された本実施形態のプログラムをRAMに展開して実行することにより、図に示すように、撮像制御部800−1と、画像取込部800−2と、赤外線センサ制御部800−3と、照明制御部800−4として機能する。
図10は、セルフPOS8の制御部800において実行される本実施形態のプログラムの処理フローである。
【0073】
先ず、ユーザによりセルフPOS8の電源が押されるなどして、基本プログラムが起動し、イニシャライズなどの初期設定処理が行われるなどして、本プログラムが立ち上がる。
本プログラムでは、先ず、本体装置80の電源OFFの処理が実行されたかどうかを判定する(ステップS1)。YES判定の場合本プログラムの処理を終了する。
ステップS1でNO判定の場合、赤外線センサ812の受光素子から所定の検出信号があるか否かを判定する(ステップS2)。この判定では、例えば受信素子が所定レベル以上の光を検知したときに所定の検出信号があると判定する。
【0074】
ステップS2でNO判定の場合、カウンタを「+1」加算して、経過時間をカウントアップする(ステップS3)。
続いて所定カウントに到達したか否かを判定する(ステップS4)。
ステップS4でNO判定の場合、ステップS1からの処理を繰り返し、ステップS3でカウンタを更に「+1」加算する。
【0075】
これにより、カウントが増え続け、所定カウント数に達すると、ステップS4でYES判定となり、読取装置83をスタンバイモードに切替える(ステップS5)。
その後、本体装置80の電源OFFの処理が実行されたかどうかを判定し(ステップS6)、YES判定の場合は本プログラムを終了する。
【0076】
ステップS6でNO判定の場合、赤外線センサ812の受光素子から所定の検出信号があるか否かを判定する(ステップS7)。この判定も、ステップS2と同様に、例えば受光素子が所定レベル以上の光を検知したときに所定の検出信号があると判定する。
ステップS7でNO判定の場合、ステップS6からの処理を繰り返す。
ステップS7でYES判定の場合、スタンバイモードから復帰して(ステップS8)、カウンタを「0」にリセットする(ステップS9)。
【0077】
ステップS9に続く処理は、ステップS2でYES判定のときに続く処理と同じである。
つまり、モニタ光をOFFにして(ステップS10)、撮像信号をHIGHレベルに切替える(ステップS11)。このとき、撮像信号がONになり、撮像が開始される。
【0078】
続いて、画像取込部800−2から通知があるか否かを判定する(ステップS12)。この判定は、画像取込部800−2からの画像解析処理が終了したことを知らせる信号を受信することにより通知があったと判定する。
ステップS12でYES判定になると、撮像信号をLOWレベルにし(ステップS13)、モニタ光をONにする(ステップS14)。つまり、このタイミングで撮像を停止し、モニタ光を照射する。
【0079】
その後はステップS1の処理に戻り、ステップS1から同様に処理を繰り返す。
以上のように本実施形態のプログラムを実行することにより、セルフPOSは次のように作用する。
商品の撮像中にモニタ光を照射しないため、商品に均一に当てた照明光の反射光のみからなる画像データを取得できるようになる。つまり画像情報の一部欠落や誤った情報の取得がなくなり、過不足なく商品画像をデータ化することができる。これにより、後段の画像解析処理において、商品の正しい判定ができるようになるため、商品の読取処理の効率化が図れるようになる。
【0080】
よって、制御部800は、画像取込部800−2の画像解析処理により認識された商品のオブジェクトに基づいて、このオブジェクトに対応する商品販売データをHDD810の商品マスタから抽出し、ディスプレイ805に商品候補や商品情報と共に確認画面を表示する。ユーザはその商品候補の中から商品に一致するものを選択し、入力する。制御部800は、選択された商品の金額等表示する会計画面をディスプレイ805に表示し、商品の決済処理をする。決済処理としては、紙幣入出金口89や硬貨投入口90から入出金ユニット807へ現金を投入し、お釣りを硬貨取出口91から受け取る現金決済処理や、カードリーダ802からポイントカードやクレジットカードの情報を読み取り、制御部800に通知して、商品決済するカード決済処理などがある。
以上のように本実施形態では、撮像素子の読み取り範囲へのモニタ光の到達を抑止できる。これにより撮像データへのモニタ光の写り込みを排除することができる。
【0081】
本実施形態のセルフPOSで使用する各種プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供し、セルフPOS等のフラッシュROMなどに読み込ませて実行してもよい。
【0082】
また、当該プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。
【0083】
上述した各実施形態では、商品検出のためにまたはスタンバイモードのONとOFFのトリガに使用する赤外線センサの照射光の影響を解決したが、これに限らず被写体を観測するための光を照射するものであれば、その他の形態に適用して良い。例えば商品との距離測定のための赤外線センサの照射光の影響を解決することに適用すれば、同様の効果が得られる。
【0084】
以上の各実施形態において、読取装置および商品販売データ処理装置についていくつかの構成を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0085】
1 読取装置
10 赤外線センサ
10−1 発光素子
11 照明装置
12 撮像装置
12−1 集光レンズ
12−2 撮像素子
12−3 画像制御ボード
13 制御ボード
14 筐体
15 開口部
16 読取窓
【先行技術文献】
【特許文献】
【0086】
【特許文献1】特開2012−216182号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10