特許第6353161号(P6353161)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6353161
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 23/04 20060101AFI20180625BHJP
   D06F 39/12 20060101ALI20180625BHJP
   D06F 39/14 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   D06F23/04
   D06F39/12 A
   D06F39/14 Z
【請求項の数】16
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-510496(P2017-510496)
(86)(22)【出願日】2016年6月30日
(65)【公表番号】特表2017-528210(P2017-528210A)
(43)【公表日】2017年9月28日
(86)【国際出願番号】KR2016007040
(87)【国際公開番号】WO2017003220
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2017年2月21日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0092775
(32)【優先日】2015年6月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】リ チホン
(72)【発明者】
【氏名】キム ウソン
(72)【発明者】
【氏名】キム ホンチョル
【審査官】 村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/069607(WO,A2)
【文献】 特開2003−126585(JP,A)
【文献】 特開2000−238827(JP,A)
【文献】 特開2002−248950(JP,A)
【文献】 特開2007−130359(JP,A)
【文献】 特開平09−182708(JP,A)
【文献】 特開2001−105888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 23/04
D06F 39/12
D06F 39/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を収容する空間を提供するタブボディーと、
前記タブボディーの上面を覆い、投入口を提供するタブカバーと、
前記タブボディーの内部に位置し、衣類を収容する空間を提供するドラムと、
前記投入口を開閉するドアと、
前記ドアを前記タブカバーに回転可能に結合させるヒンジと、
前記ドアの一部を前記タブカバーに着脱可能に結合させる固定部と、
前記ドアと前記投入口のいずれか一つに備えられ、前記ドアが前記投入口を閉鎖したときに前記投入口を密閉するシーリング部と、を含み、
前記固定部が備えられた方向に位置する前記シーリング部の部分は前記ヒンジが備えられた方向に位置する前記シーリング部の部分の直径とは違う直径を有することを特徴とする、衣類処理装置。
【請求項2】
前記シーリング部は断面がO字形に形成され、前記固定部が備えられた方向に位置する前記シーリング部の部分は前記ヒンジが備えられた方向に位置する前記シーリング部の部分の直径より大きい直径を有する、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記シーリング部は断面がC字形に形成され、前記固定部が備えられた方向に位置する前記シーリング部の部分は前記ヒンジが備えられた方向に位置する前記シーリング部の部分の直径より大きい直径を有する、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
水を収容する空間を提供するタブボディーと、
前記タブボディーの上面を覆い、投入口を提供するタブカバーと、
前記タブボディーの内部に位置し、衣類を収容する空間を提供するドラムと、
前記投入口を開閉するドアと、
前記ドアを前記タブボディーに回転可能に結合させるヒンジと、
前記ドアの一部を前記タブボディーに着脱可能に結合させる固定部と、
前記ドアと前記投入口のいずれか一つに備えられ、前記ドアが前記投入口を閉鎖したときに前記投入口を密閉させるシーリング部と、を含み、
前記シーリング部は、
C字形の断面を有するシーリングボディーと、
前記シーリングボディーから伸びて前記投入口に挿入される挿入部と、を含み、
前記ヒンジが位置する方向に備えられた前記挿入部の部分は、前記シーリングボディーから、前記ドアが前記投入口を開放したときに前記ドアまたは前記シーリングボディーに残留する水を前記投入口内に案内するための長さに伸びることを特徴とする、衣類処理装置。
【請求項5】
前記シーリング部は断面の中心を通過する水平線を基準に非対称に構成される、請求項4に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記シーリング部は、
前記シーリングボディーを前記ドアに固定させるボディー固定部と、
前記シーリングボディーから前記挿入部の外側に伸び、前記投入口に密着できるよう備えられる突出部と、をさらに含む、請求項に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記固定部が備えられた方向に位置する前記シーリングボディーの自由端間の距離は前記ヒンジが備えられた方向に位置する前記シーリングボディーの自由端間の距離より長い、請求項に記載の衣類処理装置。
【請求項8】
前記固定部が備えられた方向に位置する前記シーリングボディーの部分は前記ヒンジが備えられた方向に位置する前記シーリングボディーの部分の厚さより大きい厚さを有する、請求項に記載の衣類処理装置。
【請求項9】
出入口を備えたキャビネットと、
前記タブボディーを収容する空間を提供し、前記出入口を通じて前記キャビネットから引出し可能に構成されるドローアと、をさらに含む、請求項に記載の衣類処理装置。
【請求項10】
前記ドローアが前記キャビネットから引き出されるとき、前記ドアが前記出入口と干渉することを防止するガイドをさらに含む、請求項に記載の衣類処理装置。
【請求項11】
前記ガイドは前記キャビネットの内部に回転可能に備えられるホイールを含み、
前記ドローアの上面から前記ホイールの最下端までの距離は前記ドローアの上面から前記出入口までの距離より短い、請求項10に記載の衣類処理装置。
【請求項12】
前記ドローアが前記キャビネットの内部に挿入されて既設定の基準位置に到逹したか又は前記ドローアが前記キャビネットの内部に挿入された状態で前記ドアが前記投入口を開放したかの少なくとも一つを判断する位置感知部をさらに含む、請求項に記載の衣類処理装置。
【請求項13】
前記ドローアが前記キャビネットの内部に挿入されたが前記基準位置に到逹しなかったことを使用者に通知するか、あるいは前記ドローアが前記キャビネットの内部に挿入された状態で前記ドアが前記投入口を開放したことを使用者に通知する表示部をさらに含む、請求項12に記載の衣類処理装置。
【請求項14】
前記表示部は、文字又は記号を表示するか、音を発生させるか、あるいは光を発散するように構成される、請求項13に記載の衣類処理装置。
【請求項15】
前記表示部は、LCD、スピーカー又はランプの少なくとも一つを含む、請求項14に記載の衣類処理装置。
【請求項16】
前記シーリングボディーに備えられ、前記シーリングボディーの断面がC字形になるようにする開口部をさらに含み、
前記開口部は前記シーリングボディーが形成する面のうち前記投入口が位置する方向の反対方向に位置する、請求項4に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣類処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、衣類処理装置は衣類(洗濯対象物、乾燥対象物)を洗濯する装置、衣類を乾燥する装置、衣類の洗濯及び乾燥を一緒に遂行することができる装置を含む概念である。
【0003】
従来の衣類処理装置は、装置の前面に備えられた投入口を通じて衣類を装置に投入するフロントローディング方式と、装置の上面に備えられた投入口を通じて衣類を装置に投入するトップローディング方式に区分された。
【0004】
トップローディング方式の従来の衣類処理装置は、キャビネット、上面に投入口が備えられ、キャビネットの内部に備えられるタブ、タブの内部に回転可能に備えられたドラム、及び投入口を開閉するドアを含むように構成されることができた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ドローアがキャビネットの内部に挿入された状態でドアが投入口を開放しても、ドローアがキャビネットから引き出されることができる衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0006】
また、本発明は、投入口を密閉させる効果に優れたシーリング部を含む衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0007】
また、本発明は、ドローアがキャビネットに収容された状態でドアが開かれるとき、これを感知する衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0008】
また、本発明は、ドアが投入口を閉鎖したとき、これを固定することができる手段を提供する衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0009】
また、本発明は、シーリング部がドアに均一に付着することができる衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0010】
また、本発明は、シーリング部がドアに堅固に付着することができる衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0011】
また、本発明は、ドローアがキャビネットに収容された状態でドアが開放されれば使用者が即時措置することができるように知らせることができる手段を備えた衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0012】
また、本発明は、投入口が閉曲線形(円形、楕円形、多角形など)に形成されるとともにシーリング部材が中空バー状に形成される場合、シーリング部材の両端に別個の接着面を備えない衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0013】
また、本発明は、シーリング部材の両端を接着する必要がなくてシーリング部材の全領域の弾性力が一定になる衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0014】
また、本発明は、投入口を開閉するドアの周囲にヒンジを中心に回転するドアの後方部分とドアの前方部分で厚さが違うシーリング部材を提供し、ドアが投入口から分離すされれば弾性力によって易しく開かれるようにする衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
その他の利点、目的、特徴は一部が以下の詳細な説明に開示され、一部が以下の説明から当業者に明らかになるか実施によって分かるであろう。前記目的及び他の利点は明細書及び請求項だけではなく図面に具体的に開示した構造から実現及び達成することができる。
【0016】
本発明は、上述した課題を解決するために、水を収容する空間を提供するタブボディー、前記タブボディーの上面をなすタブカバー、前記タブカバーに貫設された投入口、前記タブボディーの内部に回転可能に備えられ、前記投入口を通じて供給される衣類を収容する空間を提供するドラム、前記投入口を開閉するドア、前記ドアを前記タブカバーに回転可能に結合させるヒンジ、前記ドアを前記タブカバーに着脱可能に結合させる固定部、及び前記ドアと前記投入口のいずれか一つに備えられ、前記ドアが前記投入口を閉鎖したときに前記投入口を密閉させるシーリング部を含み、前記固定部が備えられた方向に位置する前記シーリング部の部分は前記ヒンジが備えられた方向に位置する前記シーリング部の部分の直径とは違う直径を有する衣類処理装置を提供する。
【0017】
本発明は、上述した課題を解決するために、前記シーリング部は断面が‘O’字形に形成され、前記固定部が備えられた方向に位置する前記シーリング部の部分は前記ヒンジが備えられた方向に位置する前記シーリング部の部分の直径より大きい直径を有することができる。
【0018】
本発明は、上述した課題を解決するために、前記シーリング部は断面が‘C’字形に形成され、前記固定部が備えられた方向に位置する前記シーリング部の部分は前記ヒンジが備えられた方向に位置する前記シーリング部の部分の直径より大きい直径を有することができる。
【0019】
本発明は、上述した課題を解決するために、水を収容する空間を提供するタブボディー、前記タブボディーの上面をなすタブカバー、前記タブカバーに貫設された投入口、前記タブボディーの内部に回転可能に備えられ、前記投入口を通じて供給される衣類を収容する空間を提供するドラム、前記投入口を開閉するドア、及び前記ドアと前記投入口のいずれか一つに備えられ、前記ドアが前記投入口を閉鎖したときに前記投入口を密閉させ、断面がC字形に形成されるシーリング部を含む衣類処理装置を提供する。
【0020】
前記シーリング部はC字形の断面を有し、前記投入口の上部に位置するシーリングボディー、及び前記シーリングボディーから伸びて前記投入口に挿入される挿入部を含むことができる。
【0021】
本発明は、前記シーリングボディーを前記ドアに固定させるボディー固定部、及び前記シーリングボディーが前記投入口方向に押圧されるときに前記挿入部を前記投入口に密着させることができるように前記シーリングボディーに備えられる突出部をさらに含むことができる。
【0022】
本発明は、前記ドアを前記タブの上面に回転可能に結合させるヒンジ、及び前記ドアを前記タブの上面に着脱可能に結合させる固定部をさらに含み、前記固定部が備えられた方向に位置する前記シーリングボディーの自由端間の距離は前記ヒンジが備えられた方向に位置する前記シーリングボディーの自由端間の距離より長くてもよい。
【0023】
前記固定部が備えられた方向に位置する前記シーリングボディーの部分は前記ヒンジが備えられた方向に位置する前記シーリングボディーの部分の厚さより大きい厚さを有することができる。
【0024】
前記ヒンジに平行な領域に備えられた挿入部の部分前記ドアが前記投入口を開放したときに前記ドアに残留する水を前記投入口に案内するのに必要な長さを有することができる。
【0025】
本発明は、出入口を備えたキャビネット、及び前記タブボディーを収容する空間を提供し、前記出入口を通じてキャビネットから引出し可能に構成されるドローアをさらに含むことができる。
【0026】
本発明は、前記ドローアが前記キャビネットから引き出されるとき、前記ドアが前記出入口と干渉することを防止するガイドをさらに含むことができる。
【0027】
前記ガイドは、前記キャビネットの内部に回転可能に備えられるホイールを含み、前記ドローアの上面から前記ホイールの最下端までの距離は前記ドローアの上面から前記出入口までの距離より短くてもよい。
【0028】
本発明は、前記ドローアが前記キャビネットの内部に挿入されて既設定の基準位置に到逹したか又は前記ドローアが前記キャビネットの内部に挿入された状態で前記ドアが前記投入口を開放したかの中で少なくとも一つを判断する位置感知部をさらに含むことができる。
【0029】
本発明は、前記ドローアが前記キャビネットの内部に挿入されたが前記基準位置に到逹しなかったことを使用者に通知するかあるいは前記ドローアが前記キャビネットの内部に挿入された状態で前記ドアが前記投入口を開放したことを使用者に通知する表示部をさらに含むことができる。
【0030】
前記表示部は、文字又は記号を表示する装置、音を発生させる装置、及び光を発散する装置の少なくとも一つでなることができる。
【0031】
本発明は、前記シーリングボディーに備えられ、前記シーリングボディーの断面がC字形になるようにする開口部をさらに含み、前記開口部は、前記シーリングボディーが形成する面のうち前記投入口が位置する方向の反対方向に位置することができる。
【0032】
前記のような一般的な説明及び以降の詳細な説明は例示及び説明のためのもので、請求範囲で主張するような本発明の更なる説明を提供しようとするものであることが理解可能である。
【発明の効果】
【0033】
また、制御部は、使用者が入力部331aを介して制御命令の実行を指示しても、第2磁力感知部99が感知した磁力の大きさが第2基準磁力以上になるまで使用者が選択した制御命令の実行を遅延させることができる。
【0034】
前記説明から分かるように、本発明は、ドローアがキャビネットの内部に挿入された状態でドアが投入口を開放してもドローアがキャビネットから引き出されることができるようにする衣類処理装置を提供することができる。
【0035】
また、本発明は、投入口を密閉させる効果に優れたシーリング部を備えた衣類処理装置を提供することができる。
【0036】
また、本発明は、ドローアがキャビネットに収容された状態でドアが開かれるとき、これを感知する衣類処理装置を提供することができる。
【0037】
また、本発明は、ドアが投入口を閉鎖したとき、これを固定することができる手段を提供する衣類処理装置を提供することができる。
【0038】
また、本発明は、シーリング部がドアに均一に付着することができる衣類処理装置を提供することができる。
【0039】
また、本発明は、シーリング部がドアに堅固に付着することができる衣類処理装置を提供することができる。
【0040】
また、本発明は、ドローアがキャビネットに収容された状態でドアが開放されれば、使用者が直ちに措置することができるように知らせることができる手段を備えた衣類処理装置を提供することができる。
【0041】
また、本発明は、投入口が閉曲線形(円形、楕円形、多角形など)に形成されるとともにシーリング部材が中空バー状に形成される場合、シーリング部材の両端に別個の接着面を備えない衣類処理装置を提供することができる。
【0042】
また、本発明は、シーリング部材の両端を接着する必要がなくてシーリング部材の全領域の弾性力が一定になる衣類処理装置を提供することができる。
【0043】
また、本発明は、投入口を開閉するドアの周囲にヒンジを中心に回転するドアの後方部分とドアの前方部分で厚さが違うシーリング部材を提供し、ドアが投入口から分離すされれば弾性力によって易しく開かれるようにする衣類処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】衣類処理装置の一例を示す図である。
図2】衣類処理装置の一例を示す図である。
図3】ドローア、タブ及びドラムの結合構造を示す図である。
図4】シーリング部の一例を示す図である。
図5】ガイドの一例を示す図である。
図6】ガイドの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1及び図2に示したように、衣類処理装置100は、キャビネット2、キャビネットから引出し可能に備えられるドローア3、ドローアの内部に備えられ、水を収容するタブ4、及びタブの内部に回転可能に備えられ、衣類を収容するドラム5を含むことができる。
【0046】
キャビネット2は衣類処理装置の外観をなす手段であってもよく、単にドローア3を収容するための空間であってもよい。いずれの場合にも、キャビネット2の前面にはドローア3が挿入される出入口21が備えられることが好ましい。
【0047】
出入口21は、キャビネット2の一面に備えられる開放面211、開放面211の縁部に沿って備えられるフランジ213を含むことができる。
【0048】
ドローア3は、出入口21を通じてキャビネット2の内部に挿入されるドローアボディー31、ドローアボディー31の前面に固定され、開放面211を開閉するドローアパネル33、及びドローアボディー31の上面をなすドローアカバー35を含む。
【0049】
ドローアパネル33はドローアボディー31の前面に固定されるから、ドローアボディー31をキャビネット2から引き出すハンドルの役目もすることができる。
【0050】
ドローアパネル33が開放面211を閉鎖する位置まで移動すれば、ドローアパネル33はフランジ213に接触するであろう。よって、フランジ213はドローアボディー31をキャビネットの内部に設定された基準位置に位置させる手段であるだけでなくドローアパネル33がキャビネット2に挿入されることを防止する手段でもある。
【0051】
ドローアパネル33には、衣類処理装置100の作動に関連した制御命令を入力するとともに衣類処理装置の作動に関連したメッセージを使用者に表示するコントロールパネル331が備えられることができる。コントロールパネル331には、制御命令が入力される入力部331a、及び制御命令を含めた衣類処理装置の作動に関連した信号を表示する表示部331bが備えられることができる。表示部331bは、文字又は記号を表示する装置、音を発生させる装置及び光を発散する装置(ランプなど)の中で少なくともどの一つを含むことができる。
【0052】
ドローアボディー31は、開放面211を通じてキャビネット2に挿入されることができるとともにタブ4を収容する空間を提供することができる限り、どんな形状にも形成されることができるが、図1は六面体状のドローアボディー31を一例として示すものである。
【0053】
ドローアカバー35には、ドローアボディー31の内部を外部と連通させる第1貫通ホール351及び第2貫通ホール353が備えられる。第1貫通ホール351は衣類の出入のために備えられ、第2貫通ホール353は衣類の洗濯に必要な水を供給するために備えられるもので、その詳細な説明は後述する。
【0054】
図2に示したように、タブ4は、ドローアボディー31の内部に位置し、水を収容するタブボディー41、及びタブボディー41の上面をなすタブカバー43を含む。タブボディー41は上面が開放した円筒状に形成されることができる。
【0055】
タブカバー43は、タブボディー41の内部をタブボディーの外部と連通させる投入口431、及びタブボディー41の内部に水を流入させる供給口433を含むことができる。
【0056】
投入口431はドローアカバーに備えられた第1貫通ホール351の下側に備えられなければならなく、供給口433はドローアカバーの第2貫通ホール353に連通するように構成されることが好ましい。
【0057】
投入口431はタブボディー41の内部に衣類を供給するかあるいはタブボディー41内部の衣類をタブボディーの外部に引き出すための手段である。投入口431はドローアカバー53又はタブカバー43のいずれか一つに回転可能に備えられるドア45によって開閉される。
【0058】
図3はドア45がタブカバー43に結合された場合を示すものである。この場合、ドア45は、ヒンジ453を介してタブカバー43に回転可能に結合されるフレーム451、フレームに備えられるウィンドウ455、及びフレーム451をタブカバー43に着脱可能に結合させるハンドル457を含むことができる。
【0059】
ドローア3がキャビネット2から引き出された場合、使用者がタブボディー41の内部を確認することができるようにウィンドウ455は透明素材でなることが好ましい。
【0060】
図4(a)及び図4(b)に示したように、ハンドル457はハンドル軸457bを介してフレーム451に回転可能に結合され、ハンドル457は固定部47を介してタブカバー43に着脱可能に固定される。
【0061】
固定部47は、ハンドル457とタブカバー43のいずれか一方に突設される第1締結部(例えば、フック)471、及びハンドル457とタブカバー43の他方に備えられ、第1締結部471が着脱可能に収容される第2締結部(例えば、フック収容溝)473を含むことができる。
【0062】
投入口431を介してタブボディー41内部の水がタブボディー41の外部に排出されることを防止するために、フレーム451とタブカバー43のいずれか一つには、ドア45が投入口431を閉鎖したときにフレーム451と投入口431の間の空間を密閉させるシーリング部49がさらに備えられることができる。
【0063】
シーリング部49は、フレーム451に固定され、フレーム451と投入口431の縁部の間の空間を密閉するシーリングボディー491、及びシーリングボディー491から延設されて投入口431に挿入される挿入部495を含むことができる。
【0064】
シーリングボディー491は内部が空いている中空バー(hollow bar)形状に形成されることもでき、C字形の断面を有するように形成されることもできる。いずれの場合にも、シーリングボディー491はゴムのような弾性体でなることが好ましい。
【0065】
ただ、投入口431が閉曲線形(円形、楕円形、多角形など)に形成され、シーリングボディー491が中空バー状に形成される場合、シーリングボディー491には接着面が形成されるしかない欠点がある。中空バー状のシーリングボディー(断面O字形のシーリングボディー)は直線形にのみ製作されるしかないので、中空バー状のシーリングボディー491を閉曲線形に形成するためには、断面O字形のシーリングボディーを一定の長さで切断した後、両端を接着剤のような手段で接着しなければならないからである。
【0066】
ところが、シーリングボディー491の一部領域が接着剤を介して接着されれば、接着剤に接着された領域の弾性力と他の領域の弾性力が互いに違ってシーリング部49の効果が低下する問題が発生し得る欠点がある。したがって、シーリング部49はO字形の断面よりはC字形の断面を有するように形成されることが好ましい。
【0067】
シーリングボディー491がC字形の断面を有するというのはシーリングボディーの断面が閉曲線を形成しないことを意味する。すなわち、シーリングボディー491は開口部499を介してシーリングボディーの内部と外部が連通するから、C字形の断面を有することになる。
【0068】
開口部499はシーリングボディー491がなす面のうち投入口431の反対方向に位置する面に備えられることが好ましい。開口部499が投入口431に向かう方向に位置すれば、ドア45の開放時、ドアに残留する洗濯水がタブ4に移動することができずに開口部499に残留することになる問題が発生し得るからである。
【0069】
その上、シーリングボディー491の断面がC字形に形成されれば、投入口431が閉曲線形に形成されても投入口431の形状と同一の閉曲線形のシーリングボディー491を接着なしで成形することができるので、接着面が備えられたシーリングボディーによって発生する問題を防止することができる。
【0070】
シーリングボディー491の断面がC字形に形成される場合、ハンドルの固定部47が備えられた方向に位置するシーリングボディーの自由端の間の距離L1はヒンジ453が備えられた方向に位置するシーリングボディーの自由端の間の距離L3より長く設定されることが好ましい。使用者が固定部47を分離させることだけでドア45が投入口431から分離できるようにすることによって使用者の便宜を向上させるためである。
【0071】
シーリングボディー491の断面がO字形に形成される場合、上述した効果はハンドルの固定部47が備えられた方向に位置するシーリングボディーの直径R1がヒンジ453が備えられた方向に位置するシーリングボディーの直径R2より長く形成されることによって具現されるであろう。
【0072】
上述した構造を有するシーリングボディー491はボディー固定部493を介してドアのフレーム451に結合されることができる。
【0073】
挿入部495は、投入口431に挿入されて投入口431の密閉力を高めることができる限り、どんな形状にも形成されることができる。ただ、挿入部495のうち、ヒンジ453に平行な領域に備えられた挿入部の長さL4は残りの領域に備えられた挿入部の長さL3より長く形成されることが好ましい。ドア45が投入口431を開放したとき、ドア45に残留する水が投入口431を通じてタブボディー41に流入することができるようにするためである。
【0074】
また、シーリング部49には、シーリングボディー491が投入口431の方向に押圧されるとき、挿入部495を投入口431に密着させる突出部497をさらに含むことができる。このために、突出部497はシーリングボディー491に備えられるとともに挿入部495とシーリングボディー491の下部に位置する自由端の間に位置することが好ましい。
【0075】
上述した構造を有するタブ4はタブ支持部6を介してドローアボディー31に結合される。図2に示したように、タブ支持部6は、ドローアボディー31に備えられる第1支持部61、タブボディー41に備えられる第2支持部63、及び第1支持部と第2支持部を連結する連結部65を含むことができる。
【0076】
連結部65は、第1支持部61に装着される第1連結部651、第2支持部63を支持する第2連結部653、及び第1連結部と第2連結部を連結するバー(bar)655を含むことができる。
【0077】
第1連結部651は第1支持部61の内部に装着されるとともに第1支持部61の内部で運動することができる形状に形成され、第2連結部653は第2支持部63を支持するとともに第2支持部63の内部で運動することができる形状に形成されることが好ましい。
【0078】
図2は第1連結部651及び第2連結部653が球形に形成された場合を一例として示すものであり、図3は各支持部61、63に接触する面が半球形に形成された連結部651、653を一例として示すものである。
【0079】
図2に示したように、バー655はキャビネット2の底面に対して直角をなすように形成されることができる(つまり、キャビネットの高さ方向Zに平行に形成されるか、あるいはドローアの底面に直角をなすように形成されることができる)。
【0080】
少なくとも三つ以上のタブ支持部6がタブボディー41をドローアボディー31に結合させるように構成され、バー655がキャビネットの底面に対して直角をなすように構成されるので、バー655がZ軸に対して所定角度で傾くように備えられる場合に比べ、タブカバー43とドローアカバー35の間の間隔を増やすことができる。
【0081】
したがって、本発明に備えられたタブ支持部6は、タブボディー41がドローアボディー31の内部で振動してもタブカバー43がドローアカバー35に衝突する可能性を最小化することができる。
【0082】
一方、バー655がドローアの底面に対して直角をなすように構成されれば、第1支持部61と第2支持部63の中で少なくとも一つはドローアボディー31に着脱可能に構成されることが好ましい。
【0083】
タブ支持部6が少なくとも三つ以上備えられ、第1支持部61と第2支持部63が共にドローアボディー31から分離できないように構成されれば、タブボディー41をドローアボディー31に固定する作業者は、第2支持部63が第1支持部61と干渉しないようにドローアボディー31にタブボディー41を挿入した後、第2支持部63が第1支持部61を通過する垂直線上に位置するようにタブボディー41を回転させることによってこそ第1連結部651を第1支持部61に結合することができる。
【0084】
ところが、タブ支持部のバー655がドローアの底面に対して直角をなすように構成される特徴は、タブボディー41の外周面とドローアボディー31の内周面の間の間隔Sを最小化して衣類処理装置100の体積を最小化することができるが、上述した過程によって進む第1連結部651と第1支持部61の組立性を悪化させ得る。このような欠点は、第1支持部61がドローアボディー31に着脱可能に備えられることによって解決可能である。
【0085】
タブ4の内部に備えられるドラム5は上部に開放面(ドラム開放面)53が備えられた円筒状のドラムボディー51でなることができる。ドラム開放面53は投入口431の下側に位置するので、投入口431を通じて供給される衣類はドラム開放面53を通じてドラムボディー51に供給されるであろう。一方、ドラムボディー51の底面57と円周面55には、ドラムボディー51の内部をタブボディー41と連通させる多数のドラム貫通ホール59が備えられることができる。
【0086】
ドラムボディー51は駆動部によってタブボディー41の内部で回転する。駆動部は、タブボディー41の外部に位置するとともにタブボディーの底面に固定されるステーターM1、ステーターが提供する回転磁界(rotating field)によって回転するローターM2、及びタブボディー41の底面を貫くように備えられ、ドラムの底面57とローターM3を連結する回転軸M3を含むことができる。この場合、回転軸M3はタブボディー41の底面に対して直角をなすように構成されることができる。
【0087】
上述した構造を有する衣類処理装置100は、給水部7を介してタブ4に水を供給し、排水部8を介してタブ4に収容された水をキャビネット2の外部へ排出する。
【0088】
図2に示したように、給水部7は、タブカバーに備えられた供給口433に連結された第1給水管71、キャビネットの外部に位置する給水源に連結された第2給水管73、及びタブカバー43に固定され、第1給水管と第2給水管を連結する連結管75を含むことができる。
【0089】
第1給水管71はドローアカバー35に備えられた第2貫通ホール353を介して供給口433と連結管75を連結し、タブ4の振動時に第1給水管71が連結管75から分離されることを防止するために波形管でなることができる(図3参照)。
【0090】
また、ドローア3がキャビネット2から引き出されるとき、第2給水管73が連結管75から分離されることを防止するために、第2給水管73も波形管でなることができる。第2給水管73は制御部によって制御される給水バルブ77によって開閉される。
【0091】
他の実施例において、給水部7はキャビネットの外部に位置する給水源とタブカバーに備えられた供給口433を連結する単一給水管でなることができる。この場合、給水管は波形管でなることが好ましい。
【0092】
排水部8は、ドローアボディー31に固定される排水ポンプ81、タブボディー41の内部の水を排水ポンプ81に案内する第1配水管83、及び排水ポンプ81から排出される水をキャビネット2の外部に案内する第2配水管85を含むことができる。この場合、第2配水管85は波形管でなることができる。
【0093】
上述した衣類処理装置100は、ドローア3がキャビネット2の内部に位置する状態でドア45が開かれれば、ドローア3をキャビネット2から引き出しにくい問題が発生し得る。すなわち、キャビネット2の内部でドア45が開かれれば、ドローア3がキャビネット2から引き出されるときにドア45がキャビネットの出入口21と干渉するため、ドローア3が引き出されることができない問題が発生し得る。
【0094】
このような問題を解決するために、本発明の衣類処理装置100には、ドローアがキャビネットから引き出されるときにドアが出入口と干渉することを防止するガイド95をさらに含むことができる。
【0095】
図5を参照すると、ガイド95はキャビネット2の内部に回転可能に備えられる少なくとも一つのホイール953、955を含むことができる。この場合、ドローアの上面からホイールの最下端までの距離H2はドローアの上面から出入口21までの距離H1より短く設定されることが好ましい。
【0096】
ホイール953、955はキャビネット2に直接回転可能に固定されることもでき、キャビネット2に固定されるケース951に回転可能に固定されることもできる。
【0097】
出入口21が開放面211とフランジ213を含む場合、ガイド95は、ドローア3がキャビネット2から引き出されるときにドア45がフランジ213と干渉することを防止するように構成されなければならない。この場合、ドローアカバー35からホイールの最下端までの距離H2はドローアカバー35からフランジ213までの距離より短く設定されることが好ましい。
【0098】
図6を参照すると、ホイールは、ドローア3の引き出し方向に互いに所定距離だけ離隔して備えられる第1ホイール953及び第2ホイール955を含むことができる。第1ホイール953は第1軸9531を介してケース951に回転可能に固定され、出入口21の方向に位置する第2ホイール955は第2軸9551を介してケース951に回転可能に固定されることができる。
【0099】
ドローアの上面から各ホイール953、955の最下端までの距離は同一に設定されることもでき、互いに違って設定されることもできる。後者の場合、ドローア3の上面から第2ホイール955(出入口21に近い位置に備えられたホイール)の最下端までの距離はドローア3の上面から第1ホイール953の最下端までの距離より短く設定されることが好ましい。
【0100】
また、ドローア3の上面から第2ホイール955の最下端までの距離は固定部に備えられた第1締結部471を第2締結部473に結合可能な長さに設定されることもできる。ドローア3がキャビネット2から引き出されるかキャビネットに挿入される度にガイド95によってドア45がタブカバー43に固定されるようにすることにより、ドア45によってドローア3がキャビネット2から引き出されることができない問題が発生しないようにするためである。
【0101】
ドア45がキャビネット2の内部で投入口431を開放すれば、タブボディー41内部の水が投入口431を通じてタブボディーの外部に排出されることができる。このような問題が発生することを防止するために、ドア45が投入口431を開放したかを判断する位置感知部をさらに含むことができる。
【0102】
第1位置感知部97は、キャビネット2とドア45のいずれか一方に備えられ、磁力を発生させる第1磁力発生部973、及びキャビネットとドアの他方に備えられ、第1磁力発生部973が提供する磁力の大きさを感知する第1磁力感知部971を含むことができる。
【0103】
図5は第1磁力発生部973がドア45に固定された永久磁石でなり、第1磁力感知部971がケース951に固定されて永久磁石の磁力の大きさを感知するセンサーでなる場合を一例として示すものである。
【0104】
第1位置感知部97が備えられた衣類処理装置100において、第1磁力感知部971が感知した磁力の大きさが既設定の第1基準磁力未満であれば、制御部はドローア3がキャビネット2の内部に位置する状態であるだけでなくドア45が投入口431を閉鎖した状態であると判断することができる。
【0105】
このような状態で、第1磁力感知部971が感知した磁力の大きさが第1基準磁力以上になれば、制御部はキャビネット2の内部に位置するドア45が投入口431を開放したと判断することができる。
【0106】
キャビネット2の内部に位置するドア45が投入口431を開放したと判断されれば、制御部は表示部331bなどによってドアがキャビネット2の内部で開放したことを使用者に通知(文字信号、記号、音信号、ランプ発光など)することが好ましい。
【0107】
ドローア3がキャビネット2の内部に挿入されたかを判断する第2位置感知部99をさらに含むことができる。
【0108】
第2位置感知部99は、ドローア3とキャビネット2の一方に備えられ、磁力を発生させる第2磁力発生部993、及びドローア3とキャビネット2の他方に備えられ、第2磁力発生部993が提供する磁力の大きさを感知する第2磁力感知部991を含むことができる。
【0109】
第2磁力感知部991及び第2磁力発生部993はドローアパネル33が出入口21を閉鎖したかを判断することができる位置にそれぞれ備えられることが好ましい。図5は第2磁力発生部993がドローアカバー35の前方に固定された永久磁石でなり、第2磁力感知部991がケース951に固定され、永久磁石の磁力の大きさを感知するセンサーでなる場合を一例として示すものである。
【0110】
ドローア3がキャビネット2に全く挿入されていない状態で作動すれば、ドラム5の回転時に発生する振動によってドローア3がキャビネット2から引き出される問題が発生し得る。
【0111】
このような問題を防止するために、制御部は、第2磁力感知部99が感知した磁力の大きさが既設定の第2基準磁力より小さければ、表示部によってこれを使用者に通知(文字信号、記号、音信号、ランプ発光など)することができる。
図1
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
図5
図6