【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明に係るガラスチョップドストランドの製造装置の特徴構成は、
上流から供給されるガラスストランドを下流に搬送するゴムロールと、
前記ゴムロールの表面に当接して回転しながら前記ガラスストランドを切断するカッターロールと、
を備えたガラスチョップドストランドの製造装置であって、
前記ゴムロール及び前記カッターロールは、以下の式(1)で表される前記ゴムロールに対する前記カッターロールのスリップ率S:
S(%) = ( v1/v2 − 1 ) × 100 ・・・ (1)
v1:カッターロールの外周面の周速
v2:ゴムロールの外周面の周速
が、常に正の値で変動するように夫々回転することにある。
【0009】
本構成のガラスチョップドストランドの製造装置は、スリップ率Sが常に正の値で変動するように設定されていることから、カッターロールをゴムロールより速い周速で回転させながら、カッターロールの切断刃をゴムロールの表面に対してずらした状態(ゴムロールの表面の同じ箇所にカッターロールの切断刃が食い込まない状態)で当接させることができる。その結果、カッターロールの切断刃がゴムロールの表面の同じ箇所を傷つけることが抑制され、ゴムロールの表面に深い溝が形成されることを防止することができる。
【0010】
本発明に係るガラスチョップドストランドの製造装置において、
前記スリップ率Sは、周期的に変動するように設定されていることが好ましい。
【0011】
本構成のガラスチョップドストランドの製造装置は、スリップ率Sが周期的に変動するように設定されていることから、カッターロールをゴムロールより速い周速で回転させながら、カッターロールの切断刃をゴムロールの表面に対して回転前後方向に周期的にずらした状態で当接させることができる。その結果、ゴムロールの表面に深い溝が形成されることを確実に防止することができる。
【0012】
本発明に係るガラスチョップドストランドの製造装置において、
前記スリップ率Sは、ランダムに変動するように設定されていることが好ましい。
【0013】
本構成のガラスチョップドストランドの製造装置は、スリップ率Sがランダムに変動するように設定されていることから、カッターロールをゴムロールより速い周速で回転させながら、カッターロールの切断刃をゴムロールの表面に対して回転前後方向にランダムにずらした状態で当接させることができる。その結果、ゴムロールの表面に深い溝が形成されることを確実に防止することができる。
【0014】
本発明に係るガラスチョップドストランドの製造装置において、
前記スリップ率Sは、一定の範囲をランダムな時間周期で変動するように設定されていることが好ましい。
【0015】
本構成のガラスチョップドストランドの製造装置は、スリップ率Sが一定の範囲をランダムな時間周期で変動するように設定されていることから、切断刃にかかる負荷を軽減するとともに、カッターロールの切断刃をゴムロールの表面に対して回転前後方向にランダムにずらした状態で当接させることができる。その結果、ゴムロールの表面に深い溝が形成されることを確実に防止することができる。
【0016】
本発明に係るガラスチョップドストランドの製造装置において、
前記スリップ率Sは、ランダムな範囲を一定の時間周期で変動するように設定されていることが好ましい。
【0017】
本構成のガラスチョップドストランドの製造装置は、スリップ率Sがランダムな範囲を一定の時間周期で変動するように設定されていることから、切断刃にかかる負荷を軽減するとともに、カッターロールの切断刃をゴムロールの表面に対して回転前後方向にランダムにずらした状態で当接させることができる。その結果、ゴムロールの表面に深い溝が形成されることを確実に防止することができる。
【0018】
本発明に係るガラスチョップドストランドの製造装置において、
前記スリップ率Sは、一定の規則で変動するように設定されていることが好ましい。
【0019】
本構成のガラスチョップドストランドの製造装置は、スリップ率Sが一定の規則で変動するように設定されていることから、切断刃にかかる負荷を確実に軽減しながら、ゴムロールの表面に深い溝が形成されることを効果的に抑制することができる。
【0020】
本発明に係るガラスチョップドストランドの製造装置において、
前記スリップ率Sは、基準となるスリップ率S´から±1%の範囲で変動するように設定されていることが好ましい。
【0021】
本構成のガラスチョップドストランドの製造装置は、スリップ率Sが基準となるスリップ率S´から±1%の範囲で変動するように設定されていることから、切断刃への負荷を効果的に軽減しながら、ゴムロールの表面に深い溝が形成されることを確実に抑制することができる。
【0022】
本発明に係るガラスチョップドストランドの製造装置において、
前記スリップ率Sは、シーケンス制御によって変動することが好ましい。
【0023】
本構成のガラスチョップドストランドの製造装置は、スリップ率Sがシーケンス制御によって変動することから、スリップ率Sの変動操作を自動で実行することができ、その結果、ガラスチョップドストランドの製造効率を向上させることができる。
【0024】
上記課題を解決するための本発明に係るガラスチョップドストランドの製造方法の特徴構成は、
上流から供給されるガラスストランドをゴムロールにより下流に搬送する搬送工程と、
前記ゴムロールの表面にカッターロールを当接させた状態で、当該カッターロールを回転させながら前記ガラスストランドを切断する切断工程と、
を包含するガラスチョップドストランドの製造方法であって、
前記切断工程の実行中に、前記ゴムロール及び前記カッターロールは、以下の式(1)で表される前記ゴムロールに対する前記カッターロールのスリップ率S:
S(%) = ( v1/v2 − 1 ) × 100 ・・・ (1)
v1:カッターロールの外周面の周速
v2:ゴムロールの外周面の周速
が、常に正の値で変動するように夫々回転することにある。
【0025】
本構成のガラスチョップドストランドの製造方法は、切断工程において、スリップ率Sが常に正の値で変動するように設定されていることから、カッターロールをゴムロールより速い周速で回転させながら、カッターロールの切断刃をゴムロールの表面に対してずらした状態で当接させることができる。その結果、カッターロールの切断刃がゴムロールの表面の同じ箇所を傷つけることが抑制され、ゴムロールの表面に深い溝が形成されることを防止することができる。