(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも4つの軸受ボックススリーブが、鋼、鋳鉄、セラミック、および炭素繊維強化プラスチックからなる群から選択される材料から形成される、請求項1に記載のデバイス。
前記少なくとも4つの軸受ボックススリーブのうちの各々の1つが、前記少なくとも4つの開口のうちのそれぞれの1つに接着および/または圧入される、請求項1または2に記載のデバイス。
前記1つまたは複数の温度制御シールドが、鋼、ステンレス鋼、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、プラスチック、およびセラミックからなる群から選択される材料から形成される、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のデバイス。
前記1つまたは複数の温度制御シールドが、前記フレーム本体の内側部分をカバーする、または前記フレーム本体内に鋳造される請求項1ないし6のいずれか一項に記載のデバイス。
前記フレーム本体の温度を測定するための少なくとも1つの温度センサをさらに備え、前記少なくとも1つの温度センサが制御装置に接続され、前記制御装置が、前記1つまたは複数の温度制御シールドを制御して、前記少なくとも1つの温度センサと共に閉ループ制御を提供する、請求項1ないし7のいずれか一項に記載のデバイス。
構造本体を有するインゴット供給システムをさらに備え、前記インゴット供給システムの前記構造本体が、ミネラルキャスティング、鋼、または鋳鉄から形成される、請求項1ないし9のいずれか一項に記載のデバイス。
プレート、流体パイプ、電気コネクタ、ワイヤハーネス管、空気導管、およびセンサからなる群から選択される少なくとも1つの要素が、前記フレーム本体内に鋳造される、請求項1ないし11のいずれか一項に記載のデバイス。
前記フレーム本体を鋳造する前に、プレート、流体パイプ、電気コネクタ、およびセンサからなる群から選択される少なくとも1つの要素を前記鋳型内に提供することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
前記軸受ボックススリーブによって支持されるように、ワイヤガイドシリンダ用の軸受ボックスおよびワイヤガイドシリンダを取り付けることをさらに含む、請求項13または14に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
従来のワイヤ鋸切断デバイスは、一般に、鋸切断すべきインゴットまたは部片に対して単一の方向で移動される複数のワイヤを含む。ワイヤ鋸切断デバイスは、一般に、エレクトロニクス産業において、多結晶または単結晶シリコン、さらには新素材、例えばGaAs、InP、GGGや、水晶、合成サファイア、セラミック材料などの材料の薄いスライスを得るために、フェライト、水晶、およびシリカを含むインゴットを鋸切断するために使用される。それらの材料の価格は高いため、ダイヤモンドディスク鋸切断など他の技法よりもワイヤ鋸切断が魅力的なものになっている。
【0003】
ワイヤソーは、シリコンなど硬質材料の部片から、ブロックまたはブリック、薄いスライス、例えば半導体ウエハを切断するために使用される。そのようなデバイスでは、ワイヤは、スプールから供給され、ワイヤガイドシリンダによって案内されると共に張力付与される。鋸切断のために使用されるワイヤは、一般に、研磨材を設けられる。1つの選択肢として、研磨材は、スラリとして提供することができる。これは、切断すべき材料にワイヤが触れる直前に行うことができる。そうすることで、研磨剤は、材料を切断するためのワイヤによって切断位置に搬送される。別の選択肢として、研磨剤は、例えばダイヤモンドワイヤの場合のように、コーティングを有するワイヤ上に提供することができる。例えば、コーティングを有する金属ワイヤ上にダイヤモンド粒子を提供することができ、ダイヤモンド粒子は、ワイヤのコーティング内に埋め込まれる。それにより、研磨剤は、ワイヤにしっかりと接続される。ワイヤの交換、およびその張力の制御は、インゴットまたは部片が切断される鋸切断領域の外に位置されたワイヤ用いわゆる管理領域内で行われる。
【0004】
ワイヤは、ワイヤガイドによって案内され、および/または張力付与されて維持される。これらのワイヤガイドは、一般に、合成樹脂の層でカバーされ、非常に厳密な幾何形状およびサイズの溝を機械加工される。ワイヤは、ワイヤガイドの周りに巻き付けられて、ウエブまたはワイヤウエブを形成する。鋸切断プロセス中、ワイヤは、かなりの速度で移動される。通常、鋸切断すべき部片、例えば、支持ビームまたは支持ホールディングに接続されたインゴットは、ウエブに向けて付勢される。鋸切断中、鋸切断すべき部片は、ワイヤウエブを通して移動され、この移動の速度が、切断速度、および/または所与の時間量内で鋸切断することができる実効の切断面積を決定する。
【0005】
一般に、スライスの厚さを減少させるため、したがって消費される材料を減少させるために、より細いワイヤを使用する傾向がある。また、ダイヤモンドワイヤを使用することも望ましい。これらのより細いワイヤおよびダイヤモンドワイヤは、一般に損傷をより受けやすく、高い歪の下では、ワイヤは、より破断しやすいことがある。さらに、ワイヤソーのスループットを改良するために切断速度を高めることが望ましい。ウエブを通して部片を移動させるための最高速度、およびまた所与の時間量内での最大実効切断面積は、ワイヤ速度、鋸切断すべき材料の供給速度、鋸切断すべき材料の硬度、妨害的影響、望まれる精度などによって制限される。速度が増加されるとき、ワイヤに対する歪も一般に増加される。したがって、ワイヤの損傷、過剰な摩耗、故障、もしくは破断を避けるという上述した問題は、より高い鋸切断速度でより重大になる。
【0006】
様々な鋸切断品質、様々な鋸切断幅、ワイヤの振動、さらにはワイヤの破断を回避または減少するようにワイヤソーを操作することが非常に重要である。最悪の場合には、ワイヤの破断が生じ、これは、ワイヤソーの損壊を引き起こすことがあり、多くの場合には、切断物、すなわち鋸切断中のインゴットの損失をもたらす。しかし、動作中のそのような故障に加えて、機械のスループットが所有コストに関して重要である。スループットに関して考慮すべき1つの主要な側面は、特に、より細いワイヤと、より薄いウエハの切断とが引き続き望まれることに関連して、切断の品質である。多くの用途に関して、ウエハまたはスライスは、インゴットの断面積または直径に対して非常に小さい厚さである。多くの太陽光発電および半導体用途など特定の用途では、数マイクロメートルの不整でさえ、スライスを使用できなくするのに十分なものとなる。
【0007】
ワイヤ鋸切断技術は、光起電力タイプの基板を形成するプロセスで好んで使用されている。光電池(PV)または太陽電池は、太陽光を直流(DC)電力に変換するデバイスである。典型的なPV電池は、特に厚さが約0.185mm未満のp型シリコンウエハ、基板、またはシートを含み、p型基板の上にn型シリコン材料の薄層が配設される。一般に、シリコン基板ベースの太陽エネルギー技術は、PV太陽電池の使用による太陽電気のコストを減少させるために2つの主要なストラテジに従う。一方の手法は、単一接合デバイスの変換効率(すなわち単位面積当たりのパワー出力)を高めることであり、他方の手法は、太陽電池の製造に関わるコストを下げることである。変換効率による実効のコスト減少は、根本的な熱力学的および物理的限界によって制限されるので、可能な利得の量は、基本的な技術進歩に依存する。商業的に実現可能な太陽電池を作製するための他のストラテジは、太陽電池を形成するのに必要な製造コストを下げることにある。
【0008】
これらの課題に合うように、一般に、以下の太陽電池処理要件が満たされる必要がある。1)基板製造機器に関する所有コスト(CoO)が改良される必要がある(例えば、高いシステムスループット、高い機械稼働時間、安価な機械、安価な材料費)。2)プロセスサイクル当たりに処理される面積を増加させる必要がある(例えば、W
p当たりの処理を減少させる)。および3)形成される層およびフィルムスタック形成プロセスの品質を良好に制御し、非常に効率的な太陽電池を製造するのに十分なものにする必要がある。したがって、太陽電池用途のための薄いシリコン基板を高い費用対効果で形成および製造する必要がある。
【0009】
上記のことに鑑みて、より細いワイヤを用いて、より高い生産率で、ウエハの全体の厚さのばらつきをより良くして、より薄いウエハの切断を可能にすることが望ましい。本明細書で述べる実施形態の目的は、改良されたワイヤソーデバイスによって、これらの要求の少なくともいくつかを提供する、またはこれらの側面のすべてではないにせよ1つまたは複数を改良することである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の様々な実施形態を詳細に参照する。それらの実施形態の1つまたは複数の例を図面に例示する。以下の図面の説明において、同じ参照番号は、同じ構成要素を表す。一般に、個々の実施形態に関する相違点のみを説明する。各例は、本発明の説明として提供され、本発明の限定としては意図されていない。さらに、一実施形態の一部として例示または説明する特徴は、さらなる実施形態を生み出すために、他の実施形態において、または他の実施形態と共に使用することができる。本説明は、そのような修正形態および変形形態を含むものと意図される。
【0017】
本明細書で述べるとき、本明細書において理解されるワイヤソーデバイスは、クロッパ、スクエアラ、またはウエハ切断ワイヤソーでよい。しかし、典型的には、ウエハ切断ワイヤソーは、高いスループットで望ましい歩留まりを得るのに必要とされる精度により、最も難しい問題を伴う。
【0018】
以下の説明では、「インゴット供給システム」または単に「供給システム」は、鋸切断すべき部片、例えばインゴットの位置を制御するためのシステムと理解することができる。特に、この制御は、インゴット供給システムの制御装置によって行うことができる。
【0019】
一般に、本開示において、鋸切断のプロセスは、切断のプロセスに対応する。したがって、すべての適切な文法上の活用形での動詞「鋸切断する」は、すべての適切な文法上の活用形での動詞「切断する」と同じ意味を有するものとして使用される。
【0020】
本開示において、用語「運動学的メカニズム構造」は、典型的には少なくとも2つの本体を接続する少なくとも2つの要素のアレンジメントであって、それら少なくとも2つの要素が互いに接続され、少なくとも2つの要素の少なくとも1つが、そのアレンジメントの少なくとも2つの要素の1つまたは複数の他の要素に対して、例えば連節部の周りでの回転および/または軸に沿った並進によって可動であるようなアレンジメントと定義される。
【0021】
本開示において、用語「パラレル運動学的メカニズム構造」は、典型的には少なくとも2つの本体の少なくとも1つが2つ以上の異なる位置で「パラレル運動学的メカニズム構造」に接続されるような「運動学的メカニズム構造」と定義される。それにより、パラレル運動学的メカニズム構造の1つの要素の移動は、典型的には、運動学的メカニズム構造の少なくとも一部(例えば、運動学的メカニズム構造の別の要素)の移動に変わる。
【0022】
一般に、本明細書で述べる任意の特定の実施形態に限定せずに、用語「切断面」は、切断方向を含む。典型的には、切断面の向きは、切断プロセス全体を通じて一定である。典型的には、切断面の向きは、ワイヤソーのワイヤの向きに対応する。本開示において、用語「切断方向」は、切断物が切断プロセス中に進む方向と定義される。典型的には、切断方向は、垂直方向である。それにより、切断のために硬質材料がワイヤまたはワイヤウエブを通して付勢されるときに、典型的にはワイヤウエブ内のワイヤが湾曲するので、「切断面」または「切断方向」に言及するとき、この用語は、平易化された用語である。しかし、当業者は、これを認識し、平易化されていることがあるにも関わらず、そのような用語を明確に理解できるはずである。
【0023】
さらに、本開示において、用語「作業領域」は、ワイヤソーのワイヤがまたがる領域と定義され、典型的には、ワイヤのウエブは、ワイヤの層とも呼ばれる。典型的には、作業領域は、鋸切断すべき単一部片、典型的にはインゴットが切断中にワイヤソーのワイヤと相互作用する領域である。
【0024】
本明細書で述べる典型的な実施形態によれば、切断ヘッドを有するワイヤソーデバイスが提供される。切断ヘッドは、ミネラルキャスティングで形成されるフレーム本体、すなわち構造フレームを有する。軸受ボックススリーブおよび温度制御シールド、例えば温度制御式の熱シールドが、ミネラルキャスティングから形成されたフレーム本体に組み込まれる。
【0025】
図1Aおよび
図1Bは、ワイヤソーデバイス100の一部を、2つの異なる断面で概略図として示す。ワイヤソーデバイスの切断ヘッドのフレーム本体110が提供される。
図1Aの断面図は、2つの開口102を有するフレーム本体の一部が図示されるようなものである。回転軸103に関して提供される開口が、軸103に沿って延びるワイヤガイドシリンダのために提供される。少なくとも2つのさらなる開口が、ワイヤガイドシリンダのさらなる軸方向位置での支持のためにフレーム本体に提供される(
図1Aの断面には図示せず)。したがって、フレーム本体110は、1組のワイヤガイドシリンダを受け取るように構成された少なくとも4つの開口を有する。
図1Aには、2つの軸受ボックススリーブ130が示されている。開口に対応して、さらなる軸受ボックススリーブが提供され、ワイヤガイドシリンダのさらなる軸方向位置に対応する。したがって、本明細書で述べる実施形態によれば、少なくとも4つの軸受ボックススリーブを提供することができる。いくつかの実施形態によれば、少なくとも4つの軸受ボックススリーブを、それぞれ、少なくとも4つの開口の1つに接着および/または圧入することができる。軸受ボックススリーブは、リング形状を有し、軸受ボックスの高精度での取付けのために提供することができる。ミネラルキャスティングフレーム本体と共に、軸受ボックススリーブを提供して、ワイヤガイドシリンダの同心性、平行性、および/または垂直性に関する高い精度を得ることができる。
【0026】
図1Bは、
図1Aと比較して異なる軸方向位置での対応する断面を示し、2つのワイヤガイドシリンダ321、322を示す。
図1Aに示されるフレーム本体が、
図1Bでは点線でのみ図示されており、フレーム本体が
図1Bの断面では異なる形状を有することがあることを示す。ワイヤは、第1のスプール9から、ワイヤガイドシリンダ321、322をわたって第2のスプール9に巻かれる。それにより、ワイヤウエブ319が形成される。ワイヤウエブは、典型的には、互いに本質的に平行に提供された複数のワイヤを含み、ワイヤは、ワイヤガイドシリンダ321、322の溝内で案内される。スプール9とワイヤウエブの間、典型的にはスプールと切断ヘッドとの間に、典型的には、ワイヤ管理ユニットが提供される。ワークピースを例えば薄いウエハに切断するために、インゴットまたは別のワークピース317、例えばシリコンインゴットが、矢印11によって示されるようにワイヤウエブを通して付勢される。
【0027】
図1Aに示されるように、本明細書で述べる実施形態によれば、1つまたは複数の温度制御シールド120を有する温度制御シールドアレンジメントが提供される。温度制御シールドは、フレーム本体の内側部分をカバーすることができ、またはフレーム本体内に鋳造することができる。
図1Aでの破線125によって示されるように、本明細書で述べる他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、温度制御シールドアレンジメントは、1つまたは複数の制御シールド120、すなわち、1つの区分化された温度制御シールド、または複数の区分化された温度制御シールドを含むことができる。破線125によって示される区分化は、例えば、1つの軸103の上方の部分、または1つの軸103の下方の部分を個別に、および/または他の部分とは別の様式で加熱または冷却することができるように提供される。したがって、生じる可能性がある温度不均一性を補償または減少することができる。切断ヘッドの特有の設計および/または用途に応じて考慮することができる典型的な不均一性に応じて、異なる形状および数の温度制御シールド、および/または異なる形状の温度制御シールドセグメントを提供することができる。
【0028】
本明細書で述べる実施形態によれば、フレーム本体は、ミネラルキャスティングから形成される。さらに、ミネラルキャスティングフレーム本体は、少なくとも4つの軸受ボックススリーブおよび1つまたは複数の温度制御シールドと組み合わされる。したがって、少なくともミネラルキャスティングフレーム本体と、1つまたは複数の温度制御シールドと、軸受ボックススリーブとのハイブリッド構造を、切断ヘッドとして提供することができる。ここで、例えば、少なくとも4つの軸受ボックススリーブは、鋼、鋳鉄、セラミック、および炭素繊維強化プラスチックからなる群から選択される材料から形成される。
【0029】
本明細書で述べる他の実施形態と組み合わせることができるさらなる実施形態によれば、1つまたは複数の温度制御シールドは、冷却および加熱される1つまたは複数の熱シールド、特に1つまたは複数のプレートでよい。例えば、1つまたは複数のプレートは、流体冷却、特に水冷することができる。いくつかの実装形態によれば、1つまたは複数の温度制御シールドは、鋼、ステンレス鋼、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、プラスチック、およびセラミックからなる群から選択される材料から形成することができる。
【0030】
上述したように、軸受ボックスボアは、鋼または本明細書で述べる他の材料から形成することができ、ミネラルキャスティングに接着することができる。ハイブリッド構造が形成されるミネラルキャスティングフレーム本体に関して、これは、同心性、平行性、および/または垂直性に関して高い精度で行うことができる。さらなる実装形態によれば、1つまたは複数の熱シールドは、水冷/加熱されるプレート、例えばステンレス鋼プレートから形成することができ、これらのプレートは、プロセスチャンバ(切断ヘッド)の内部をカバーし、またはフレーム本体内に鋳造することができる。いくつかの追加または代替の修正形態によれば、少なくとも管路をフレーム本体内に鋳造することができる。
【0031】
切断ヘッドのフレーム本体のためにミネラルキャスティングを提供することは、鋳造の融通性の向上(例えば、より複雑な形状、内部配管、およびパイピング)を可能にする。冷却構造/デバイスを実装することができ、これらは、発熱構成要素の近くに提供することができ、例えば、機械構造の温度を安定させることができる。さらに、ミネラルキャスティング製造方法は、通常の(金属)鋳造材料に比べて高い精度および厳しい公差を可能にする。例えば、軸受ボックスボア同心性のより高い位置決め精度を実現することができる。さらに、追加または代替の利益として、ミネラルキャスティングの良好な減衰特性を使用することができ、ワイヤウエブによって誘発される高周波数振動を減少させることができる。例えば、これは、機械の近くでの雑音レベルをほぼなくすことができる。
【0032】
図2Aおよび
図2Bは、フレーム本体110を有する切断ヘッドの斜視図である。ここで、
図2Aは、ワイヤガイドシリンダ321、322、および対応する構成要素のいくつかを含まずに図示されており、
図2Bは、ワイヤガイドシリンダ321、322、および対応する構成要素のいくつかを含んで図示されている。さらに、本明細書で述べる実施形態のいくつかの詳細および特徴をより簡単に説明できるように、異なる視野角で図示されている。フレーム本体110は、前部112と後部111とを有することができる。開口102は、前部および後部に提供される。軸受ボックススリーブ130は、開口102内に、典型的には接着および/または圧入によって提供される。後部111および前部112は、例えば、ベース部分113に接続され、接続部分113によって接続される。前部と、後部と、ベース部分と、接続部分とは、ミネラルキャスティングによって鋳造され、すなわち一体形成される。接続部分114は、切断ヘッド内部に提供される処理領域に向けてインゴットを供給するために、例えば上部に開口を残す。
【0033】
本明細書で述べる他の実施形態と組み合わせることができる様々な実施形態によれば、フレーム本体は、複数の開口291および切欠き292を有することができる。切欠きは、処理領域へのより簡単なアクセスのため、または、接続部分114間で上部にある開口と同様に、ワイヤソーデバイスの他の構成要素を挿入するために提供することができる。開口291は、例えばボルト、ねじ、または他の手段によって切断ヘッドをワイヤソーデバイスの他の構成要素に接続するために提供することができ、様々な構成要素を切断ヘッドに接続するために使用することができる。例えば、以下により詳細に述べるようなセンサを接続することができ、やはり以下により詳細に述べるように、スラリ送達システムの構成要素(キャスティング内に組み込まれていない場合)を接続することができ、および/またはインゴット供給システムを接続することができる。
【0034】
本明細書で述べる他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、切断ヘッドまたはフレーム本体110に温度センサを設けることができる。温度センサは、例えば、それぞれ切断ヘッドまたはフレーム本体110の様々な位置に提供することができる。温度センサは、様々な位置で温度を測定することができ、制御装置によって温度制御シールドに接続することができる。
図2Aに、温度制御シールド120および220−1が図示されている。
図2Bには、異なる視野角で、温度制御シールド220−1および220−2が図示されている。したがって、1つまたは複数の温度センサは、フレーム本体の温度を制御して安定化するように適合させることができる。構造フレームの全体的な温度変動を補償または減少させることができる。例えば、温度制御および安定化は、温度制御シールド、例えば熱シールドへの、またはそこからの水の流量および温度を変えることによって行われる。
【0035】
本明細書で述べる他の実施形態と組み合わせることができるさらなる実施形態によれば、提供すべきさらなるセンサは、振動センサでよい。ミネラルキャスティングの減衰特性は、いくつかの実施形態の1つの例示的な利益であるが、システム振動の監視を有益に使用して、システム条件を監視し、例えばワイヤソーデバイスの動作を制御することができる。
【0036】
図2Bは、切断ヘッドに提供されるワイヤガイドシリンダ321および322を示す。軸受ボックススリーブ130の内部に軸受ボックス230が提供され、軸受ボックス230は、ワイヤガイドシリンダを支持して、ワイヤガイドシリンダをそれらの軸の周りで回転させることができるようにする。ドライブ221および222が、ワイヤガイドシリンダを回転させる。
【0037】
本明細書で述べる他の実施形態と組み合わせることができる様々な実施形態によれば、温度制御シールド120、220−1、および220−2は、フレーム本体110の内部に提供することができ、またはフレーム本体110内に鋳造することができる。
【0038】
本明細書で述べる他の実施形態と組み合わせることができる本明細書で述べる実施形態によれば、フレーム本体の温度を測定するための少なくとも1つの温度センサが提供され、ここで、少なくとも1つの温度センサが制御装置に接続され、制御装置は、1つまたは複数の温度制御シールドを制御して、特に少なくとも1つの温度センサと共に閉ループ制御を提供する。
図2Aには、温度センサ250が図示されている。典型的には、これらのセンサは、点線によって示されるように、フレーム本体内に鋳造することができる。代替形態では、センサの1つまたは複数をフレーム本体の表面に提供することができる。
【0039】
図2Aでは、例示として、センサ250の1つが制御装置252に接続されている。すべての温度センサを制御装置に接続することもでき、例えば複数の温度センサの温度測定結果をより簡単に相関させるために、いくつかまたはすべてのセンサを共通の制御装置に接続することもできることを理解されたい。
【0040】
閉ループ制御の一例として、
図2Aでは、制御装置252が弁253を制御し、それにより、温度制御シールド220−1への冷却流体の流量が制御される。したがって、温度センサ250と、制御装置252と、弁253と、温度制御シールドの少なくとも1つとが、閉ループを形成する。さらなる実施形態によれば、制御装置によって1つまたは複数の弁を制御することができる。本明細書で述べる他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、制御装置は、流体の流量および/または温度を変えるように構成することができる。
【0041】
上記のことに鑑みて、ワイヤソーデバイスを操作する方法は、以下のことを含むことができる:ミネラルキャスティングフレーム本体の一領域、特に本明細書で述べる実施形態によるワイヤソーデバイスの温度を測定すること;および、測定された温度に応じて、切断ヘッドのフレーム本体内またはフレーム本体上に提供された温度制御シールド内での温度制御流体の流量および/または温度を変えること。1つの任意選択の修正形態によれば、振動が測定され、測定された振動に応じて少なくとも1つの動作条件を変えることがさらに可能である。
【0042】
図3に、直線運動学的メカニズム構造を含むインゴット供給システム300を含むワイヤソーデバイス100の一実施形態の概略側面図が例示されている。典型的には、ワイヤソーデバイスは、ワイヤ324、325をワイヤ移動方向で輸送および案内するためのワイヤガイドシリンダ321、322を有するワイヤガイドを含む。ワイヤ323は、ワイヤガイド(本明細書では、ガイドシリンダとも呼ぶ)に巻き付けられることがある。通常、ガイドシリンダは、一定のピッチで溝を設けられ、平行なワイヤまたはワイヤウエブの水平ネット(本明細書では、ワイヤの層319とも呼ぶ)を形成する。ワイヤガイドは、ドライブによって回転され、ドライブにより、ワイヤウエブ全体が、例えば5m/s以上、例えば10〜30m/sの比較的高速で移動する。
【0043】
望まれる場合には、いくつかのノズル、例えば高流量ノズルが、移動するワイヤをスラリと共に供給することができる。本明細書で理解されるスラリは、典型的には懸濁された研磨粒子(炭化ケイ素の粒子)を含む液体キャリアを表す。上述したように、切断アクション中、ワイヤウエブを通してインゴットを押す、または付勢することができる。代替として、インゴットは静止していてもよく、ワイヤウエブが、インゴットを通して押される。ワイヤ供給スプールは、典型的には、所要の新たなワイヤを提供し、ワイヤ巻取りスプールが、典型的には、使用されたワイヤを保管する。
【0044】
一般に、本明細書で述べるワイヤソーデバイスの実施形態は、インゴット供給システムのフレーム305を含み、フレーム305は、例えば
図1A〜
図2Bのフレーム本体110に接続することができ、フレーム本体110には、ワイヤガイドシリンダ321、322が取り付けられ、ワイヤガイドシリンダ321、322の回転軸は互いに平行に配設される。さらに、典型的には、アクチュエータアセンブリ315、352が、ワイヤ323の層319に対してインゴット317を付勢するために使用される。
【0045】
図3に例示されるように、ワイヤ323は、供給スプール326から受け取られ、次いで、ワイヤガイド、例えばワイヤガイドシリンダ321、322の周りに巻き付けられて、鋸切断領域内に平行なワイヤの少なくとも1つの層319、すなわちワイヤウエブを形成する。次いで、ワイヤ323は、巻取りスプール327など適切な受取りデバイスに戻される。典型的には、ガイドシリンダの少なくとも1つがドライブモータに結合され、ドライブモータは、鋸切断領域318内に配設されたワイヤ323を単一方向で、または特に往復運動で移動させるように適合される。ワイヤガイドは、1つまたは複数の軸受によって支持されることがある。ワイヤは、ワイヤ張力付与システム(図示せず)に結合させることができ、ワイヤ張力付与システムは、1つのガイドシリンダを他のガイドシリンダに対して移動させることによって、ワイヤ323に所望の張力を提供するように適合される。典型的には、ワイヤソー制御システムは、ワイヤ張力の制御を提供することができる。
【0046】
図3に示される実施形態では、ある時点で、ただ1つのインゴット317のみが、ワイヤソーデバイス100内部に位置決めされて鋸切断される。しかし、本明細書で述べる単一のワイヤソーデバイスの実施形態は、複数のワイヤソーデバイスを含むワイヤソーシステムの一部を形成することもある。典型的には、1つ、2つ、3つ、または4つのインゴットが、1つまたは複数の作業領域内で同時に切断される。
【0047】
ワイヤ経路が、ループ毎に、1つまたは複数のインゴットを作業領域でスライスし、ガイドシリンダによってさらなる作業領域に輸送され、または再び同じ作業領域に輸送される。典型的には、ワイヤウエブは、上側作業領域で1つまたは複数のインゴットをスライスし、次いで、下側作業領域に輸送され、下側作業領域で1つまたは複数のインゴットをスライスする。2つの作業領域を有する典型的な実施形態は、
図8に図示されている。その後、ワイヤは、通常は、上側作業領域に輸送されて戻される。次の作業領域に輸送されるのではなく、鋸切断中に移動方向が変えられる場合、ワイヤは、元の作業領域に輸送されて戻されることがある。
【0048】
ワイヤウエブは、鋸切断プロセスが行われる領域として定義される複数の作業領域を含むことがあることを理解すべきである。したがって、本明細書で述べる典型的な実施形態によれば、ワイヤウエブは、1つまたは複数のワイヤによって形成される複数の作業領域を有することができる。例えば、本明細書で述べる典型的な実施形態によれば、ワイヤソーは、2つの水平向きのワイヤウエブを含むことができ、例えば2つまたは4つの水平向きの作業領域を含む。この場合、鋸切断は、作業領域を画定するワイヤウエブ(
図4参照)を通して、典型的には垂直方向にインゴットを押すことによって行われる。
【0049】
図4は、インゴット317の斜視図を示し、インゴット317は、ワイヤソーデバイス100の鋸切断領域内に配設された(1つまたは複数の)ワイヤ323の層319に対してインゴット317を付勢する供給システム300の移動により、部分的に鋸切断されている。典型的には、ワイヤ323の層319の隣接するワイヤ間のピッチは、ワイヤガイドシリンダの周辺にある刻設された溝によって画定され、このピッチが、鋸切断されるスライス331の厚さを決定する。スライス331は、スロットまたは鋸切断ギャップ332によって互いに分離される。典型的には、ワイヤ323は、0.08〜0.2mmの間の直径を有するばね鋼ワイヤを含むことがあり、それにより、硬質材料、またはより特定的には、例えばシリコン、セラミック、III−V族およびII−VI族の元素からの化合物、GGG(ガドリニウムガリウムガーネット)、サファイアなどの組成物からなるインゴットを、望ましくは厚さ約300μm以下のスライス、または次世代基板に関しては典型的には180μm以下のスライスに鋸切断する。典型的には、研磨剤が使用され、研磨剤は、一般に、ダイヤモンド、炭化ケイ素、アルミナ、またはインゴット鋸切断プロセスを改良するために使用される他の有用な材料などの生成物である。研磨剤は、ワイヤ323に固定されることがあり、または自由な形態でもよく、すなわちスラリなど、研磨粒子を輸送する働きをする液体(例えば、PEG)中に懸濁されていてもよい。
【0050】
鋸切断は、上側作業領域と下側作業領域で同時に行うことが可能である。ワイヤソーは、さらに、2つの垂直に配置されたウエブ(図示せず)を含むことがある。いくつかの実施形態によれば、垂直に配置されたウエブは、水平向きの作業領域間でワイヤを輸送するために使用される。作業領域間での輸送中、ワイヤを冷却することができる。他の実施形態によれば、作業領域は、垂直向きである。
【0051】
本明細書で述べる実施形態によれば、ワイヤソーは、半導体材料、例えばシリコンや水晶などの硬質材料を高速で切断するために使用される。ワイヤ速度、すなわちワイヤソーを通ってワイヤが移動する速度は、例えば10m/s以上でよい。典型的には、ワイヤ速度は、10〜15m/sの範囲内でよい。しかし、例えば、20m/s、25m/s、または30m/sなど、より高いワイヤ速度が望ましいこともある。いくつかの実施形態によれば、ワイヤの移動は、一方向のみであり、すなわち常に順方向である。他の実施形態によれば、移動は、逆方向での移動を含むことがあり、特に、移動は、ワイヤの前後移動でよく、ワイヤの移動方向が繰り返し変えられる。
【0052】
ワイヤを所望のワイヤ速度で巻き解くために、未使用のワイヤを有する供給スプール326は、数千rpmまでの回転速度で回転する。例えば、1000〜2500rpmが、ワイヤを巻き解くために提供されることがある。
【0053】
本明細書で述べる他の実施形態と組み合わせることができる実施形態では、ワイヤは、デバイスのタイプに応じて異なる直径を有することがある。スクエアラに関する実施形態では、ワイヤ直径は、約250μm〜約450μmでよく、例えば300μm〜350μmでよい。ウエハ切断ワイヤソーに関する実施形態では、ワイヤ直径は、80μm〜180μmでよく、より典型的には100μm〜140μmでよい。
【0054】
本明細書で述べる他の実施形態と組み合わせることができるさらなる実施形態によれば、切断のために採用されるワイヤは、ダイヤモンドワイヤである。ダイヤモンドワイヤを使用することによって、研磨剤としてスラリを有する従来の鋼ワイヤに比べて、スループットを2倍以上に増加させることができる。鋸切断すべき材料が、移動するワイヤに対して相対的に移動される速度は、材料供給速度と呼ばれることがある。本明細書で述べる実施形態での材料供給速度は、ウエハ切断ワイヤソーに関しては、2μm/s〜20μm/s、典型的には約6μm/s〜10μm/sの範囲内でよく、スクエアラに関する実施形態については、10μm/s〜50μm/s、典型的には約28μm/s〜36μm/sの範囲内でよい。代替として、本明細書で述べる実施形態での材料供給速度は、ワイヤ切断ワイヤソーに関しては20μm/s超でよく、スクエアラに関する実施形態に関しては50μm/s超でよい。
【0055】
通常、ワイヤソー全体を通って移動した後、ワイヤは、鋸切断プロセス前のその初期直径に比べて減少された直径で、ワイヤソーの操作領域から出る。ワイヤの摩耗は、プロセスに依存する。特に、切断速度が高ければ高いほど、生じる温度が高くなり、ワイヤ摩耗が大きくなる。さらに、ワイヤはインゴット内部で加熱され、鋸切断中に、すなわち典型的にはウエハ内部で摩耗が生じる。したがって、ワイヤは、インゴットを切断しながら加熱する。インゴットの外で、ワイヤは、スラリ、空気、ガイドシリンダ、またはさらなるワイヤガイドなど、その周囲と熱を交換することによって冷却する。その結果、切断ワイヤの直径、したがってその機械的特性が、時間および温度の関数として切断プロセス中に変化するにつれて、ワイヤによってインゴットに作用する切断力、およびそれに関連してワイヤの摩耗特性が切断プロセス中に変化し、インゴットの望ましくない不均質な切断表面を生じる。
【0056】
図5は、ワイヤソーデバイス100の一部分の斜視図を示す。フレーム構造110が提供され、インゴット供給システム300がそこに取り付けられている。供給システム300は、第1の端部と第2の端部を有する3つのアーム343でのパラレル運動学的メカニズム構造と、2つ以上のアクチュエータ352とを含むことができる。アームの第1の端部は、例えばヒンジ継手によって支持テーブル312に回転可能に接続することができ、アームの第2の端部は、例えばヒンジ継手によってアクチュエータ352に回転可能に接続される。図示されていない実施形態によれば、パラレル運動学的メカニズム構造は、4つのアームを含むことがあり、2つのアームが支持テーブルの左側に配置され、他の2つのアームが支持テーブルの右側に配置される。
【0057】
ワークピース317は、取付けプレート312によって支持テーブル312に取り付けられる。
図5に示されるアームの1つは、支持テーブルの左側に取り付けられ、アーム343の1つ、例えば
図5での幅の広いアームは、支持テーブルの右側に取り付けられる。さらなるアーム343が、支持テーブル312の上側または上部に取り付けられる。
【0058】
典型的には、アクチュエータは、並進軸、典型的には垂直軸に沿った移動を実現するように構成される。典型的には、アクチュエータは、ワイヤソーのインゴット供給システム300のフレーム305に提供されるガイドレール361によって案内される。ガイドレールは、典型的には、切断方向の軸に沿って、特に垂直方向に配置される。さらに、アクチュエータは、それぞれが個別に移動することができるように構成される。したがって、アクチュエータ352を移動させることによって、アーム343と、支持テーブル312、および支持テーブルに接続されたインゴット317とを、例えば取付けプレート376によって移動させることができる。インゴット供給システムの移動のさらなる詳細を、
図6Aを参照して述べる。
【0059】
図5で、および本明細書で述べる他の実施形態と組み合わせることができる本明細書で述べるいくつかの実施形態によれば、インゴット供給システムのフレーム305は、切断ヘッドのフレーム本体110に取り付けられる。代替として、インゴット供給システムのフレーム305と、フレーム本体とを一体形成することができる。
【0060】
本明細書で述べる他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、インゴット供給システムのフレーム305も、ミネラルキャスティングから形成することができる。それにより、精度、減衰特性、および/または融通性のある製造に関するミネラルキャスティングの利益を、インゴット供給システムに関しても提供することができる。これは、フレーム305とフレーム本体110が一体形成されるか、それとも一体に取り付けられるかの選択肢には関係ない。
【0061】
したがって、ミネラルキャスティングを、ワイヤソーの1つまたは複数の構造部品に関して使用することができる。インゴット供給システム(時として上側切断ヘッドと呼ぶ)は、追加として、ミネラルキャスティングから形成された構造フレーム305を含むことができる。しかし、いくつかの実施形態によれば、インゴット供給システムフレーム305は、鋳鉄から形成されることもある。特に、ミネラルキャスティングから形成されるインゴット供給システムフレームに関して、またある程度は鋳鉄フレームに関しても、インゴット供給システムのフレームに、温度制御および安定化のための一体型の水冷/加熱回路を提供することができる。フレーム305および/または回路およびパイプを切断ヘッド構造フレームと結合させることができる。
【0062】
構造部品の温度制御および安定化は、多少の発熱を伴う様々なプロセスステップで、切断中に熱膨張を回避することを可能にする。さらに、温度安定化された構造は、切断前の加温時間を必要としない。したがって、ワイヤソーデバイスの非生産時間を最小限に短縮することができる。
【0063】
様々な実施形態によれば、インゴット供給システムは、パラレル運動力学的機構を有するロッキングテーブルまたは供給システム(例えば
図5および
図6参照)を用いて、または用いずに、直線インゴット供給機構(例えば
図3参照)を含むことができる。
【0064】
図6Aは、インゴット供給システム300のさらなる実施形態を含むワイヤソーデバイス100の斜視図を示す。
図6Aに例示的に示されるように、供給システム300は、第1の端部と第2の端部を有する3つのアーム343に、パラレル運動学的メカニズム構造350を含み、また、2つ以上のアクチュエータ352を含む。
図6Aに例示されるように、アームの第1の端部は、例えばヒンジ継手によって支持テーブル312に回転可能に接続され、アームの第2の端部は、例えばヒンジ継手によってアクチュエータ352に回転可能に接続される。図示されていない実施形態によれば、パラレル運動学的メカニズム構造は、最大で4つのアームを含むことがあり、2つのアームが支持テーブルの左側に配置され、他の2つのアームが支持テーブルの右側に配置される。
【0065】
典型的には、アクチュエータは、並進軸、典型的には垂直軸に沿った移動を実現するように構成される。典型的には、アクチュエータは、ワイヤソーのインゴット供給システム300のフレーム305に提供されるガイドレール(
図5での361参照)によって案内され、ここで、ガイドレールは、典型的には、切断方向の軸に沿って、特に垂直方向に配置される。また、アクチュエータは、例えば供給方向に垂直な別の方向に配置することもできる。さらに、アクチュエータは、それぞれが個別に移動することができるように構成される。したがって、アクチュエータ352を移動させることによって、アーム343と、支持テーブル312と、および支持テーブルに接続されたインゴット317とを、例えば取付けプレート376によって移動させることができる。
【0066】
例えば、すべての3つのアクチュエータが同じ速度で同じ方向に移動しているとき、インゴットは、
図6Aの図で下方向に、特にワイヤソーのワイヤに向けて、典型的には切断方向の軸に沿って付勢される。アクチュエータの少なくとも1つが、他のアクチュエータに比べて異なる速度でおよび/または異なる方向に移動している場合、インゴットの回転移動を実現することができる。したがって、アクチュエータの互いに対する、およびレールに対する相対運動を使用して、切断面内、例えば
図6Aのz−x平面内でインゴット317を移動させることができ、および/または、例えばワイヤ323の層に対してある角度を有するインゴット317の傾きを提供することもできる。
【0067】
さらに、
図6Aに示されるように、支持テーブルは、典型的には、角柱形の部品を含み、角柱形の部品の矩形表面は、典型的には取付けプレート376を含むベース部分と、ベース部分とは反対側に位置された先端部分とを形成する。典型的には、3つのアーム343の1つが、角柱形の部品の先端部分に回転可能に接続され、他の2つのアームが、角柱形の部品のベース部分に、特に
図6Aに示されるようにベース部分の両側に回転可能に接続される。典型的には、角柱形の部品のベース部分に回転可能に接続された2つのアームの一方は、他方のアームに比べて大きな幅を有する。ここで、幅は、回転可能な接続の回転軸の方向によって定義される。したがって、運動学的メカニズム構造のより高い剛性を実現することができる。
【0068】
さらに、本明細書で述べる供給システムの他の実施形態と同様に、
図6Aに例示される供給システムの実施形態は、ウエハの切断中に運動学的メカニズム構造に作用する力を測定するためのセンサ401、402、403、404を含む。典型的には、
図6Aに示されるセンサ401および402などセンサの一部を、パラレル運動学的メカニズム構造の各アーム343に提供することができる。代替として、センサ401、402、403、404は、F1、F2、およびF3によって例示的に示されるアーム343に伝達される力を測定することができるように構成および配置される。
図6Aに図示される実施形態では、角柱形の部品のベース部分に回転可能に接続された2つのアームの一方が、他方のアームに比べて大きな幅を有する。ここで、幅は、回転可能な接続の回転軸の方向によって定義される。より大きい幅を有するアームは、典型的には、2つ以上のセンサを含む。
図6Aには特に図示されていないが、センサは、ウエハ切断中に運動学的メカニズム構造に作用する力の垂直および水平力成分を測定するのに適した、運動学的メカニズム構造の他の位置に配置されることもある。例えば、力センサは、支持テーブル312および/または取付けプレート376および/または垂直スライドに提供することができる。
【0069】
図6Bは、本明細書で述べる実施形態によるワイヤソーデバイスで利用することができるインゴット供給システムを含むワイヤソーデバイスの斜視図を示す。
図6Bに例示的に図示されるように、供給システム300は、直線運動学的メカニズム構造350と、運動学的メカニズム構造350による直線運動の生成のためのアクチュエータとして作用するモータ315と、運動学的メカニズム構造に作用する力を測定するための複数のセンサ401、402、403、404、405とを含む。典型的には、運動学的メカニズム構造に作用する力は、切断中に、インゴット317に作用する力を運動学的メカニズム構造に伝達することにより生じる。インゴットは、取付けプレート376など一時支持体によって支持テーブル312上にインゴットを取り付けることによって、運動学的メカニズム構造350に結合される。
【0070】
図6Bに図示されるように、直線運動学的メカニズム構造350は、ねじの原理に基づく。特に、モータ315は、運動学的メカニズム構造のねじ軸を駆動させることができるように構成される。
図6Bに例示的に図示されるように、ねじ軸は、対応するナットと係合し、ナットは、運動学的メカニズム構造のさらなる要素に接続され、このさらなる要素は、直線方向で移動することができるように配置される。典型的には、
図6Bに示されるように、さらなる要素は、エルボー要素として構成される。エルボー要素は、ワイヤソーのフレームに接続され、それにより、典型的には切断方向の軸に沿った並進移動、典型的には垂直移動を実現することができる。典型的には、エルボー要素とフレームとの接続は、スライドメカニズムを使用することによって実現される。
【0071】
一般に、ガイドレールは、ワイヤソーのフレーム305に装着することができ、対応するスライド要素(図示せず)は、運動学的メカニズム構造のさらなる要素、例えばエルボー要素に装着することができる。本明細書で述べる任意の実施形態によれば、ワイヤソーおよび/またはインゴット供給システムのフレームは、ミネラルキャスティングから形成される。ガイドレールは、典型的には、切断方向の軸に沿った運動学的メカニズム構造の案内移動を実現するために採用される。典型的には、少なくとも2つのガイドレールと、少なくとも2つのスライド要素、典型的には少なくとも4つのスライド要素とが使用される。
図6Bに例示的に図示されるように、典型的には、ガイドレールは、切断方向で平行に配置される。典型的には、ねじ軸およびスライド要素は、運動学的メカニズム構造に作用する力、特に力の力成分を測定するためのセンサ401、402、403、404、405を設けられる。典型的には、スライド要素に提供されるセンサの一部は、切断中に運動学的メカニズム構造に作用する力の水平力成分(符号F
1およびF
2によって例示的に示される)を測定するように配置および構成される。それに対応して、典型的には、
図6Bに例示されるセンサ405など少なくとも1つのセンサは、切断中に運動学的メカニズム構造に作用する力の垂直力成分(符号F
3によって例示的に示される)を測定するように配置および構成される。
図6Bに図示される実施形態によれば、垂直力を測定するためのセンサは、ねじ軸に提供される。
図6Bには特に図示していないが、センサは、切断中に運動学的メカニズム構造に作用する力の垂直および水平力成分を測定するのに適した、運動学的メカニズム構造の他の位置に配置されることもある。例えば、力センサは、支持テーブル312および/または取付けプレート376および/またはガイドレールに提供することができる。
【0072】
異なる代替形態によれば、切断ヘッドは、異なるインゴットサイズ(直径または正方形状)に適合するように、2つ、3つ、または4つのワイヤガイドを含むことができる。このことは、
図7および
図8を参照してより容易に理解することができる。
図7は、3つのワイヤガイドシリンダ321、322、および821を備える実施形態を例示する。ワイヤは、スプール9からスプール9に供給され、それによりワイヤウエブ319を生成する。ワイヤ移動方向が、一方のスプールから他方のスプールへの2つの方向の任意の方向でよく、または両方向でもよいことに鑑みて、2つのスプールは、ワイヤウエブ、すなわち切断領域にワイヤを提供するか、それともワイヤウエブからワイヤを受け取るかについてのスプールの特性に関して、特定的には示されていない。
図7で見ることができるように、ワイヤウエブ319の下に提供される空間801は、2つのワイヤガイドシリンダ321および322のみによって形成されるワイヤウエブに比べて、第3のワイヤガイドシリンダ821によって拡大される。したがって、より大きなインゴットサイズを鋸切断することができる。
【0073】
図8は、4つのワイヤガイドシリンダ321、322、821、および822を備える実施形態を示す。ワイヤは、スプール9からスプール9に供給され、それによりワイヤウエブ319を生成する。上側ワイヤウエブ319の下に提供される空間801Bは、2つのワイヤガイドシリンダ321および322のみによって形成されるワイヤウエブに比べて、また、典型的には、3つのワイヤガイドシリンダによって形成されるワイヤウエブに比べても、第3および第4のワイヤガイドシリンダ821および822によって拡大される。したがって、より大きなインゴットサイズを鋸切断することができる。さらに、ワイヤガイドシリンダ821とワイヤガイドシリンダ822との間にさらなるワイヤウエブ819が提供される。それにより、さらなる作業領域を提供することができる。したがって、インゴットまたはワークピースは、上側ワイヤウエブ319および下側ワイヤウエブ819で鋸切断することができる。
【0074】
上述したように、ミネラルキャスティングフレーム本体によってワイヤソーデバイスの構造部品、特に切断ヘッドのフレーム本体を提供する好ましい効果の1つは、鋳鉄の減衰特性の改良である。
図9は、鋳鉄に関する第1のグラフ901と、ミネラルキャスティングに関する第2のグラフ902とを示し、フレーム本体の減衰を例示するために、数マイクロメートルの振動振幅が時間の関数として図示されている。どちらのグラフも同じ振幅スケールおよび同じ時間スケールを示す。ミネラルキャスティング曲線902の減衰は、鋳鉄曲線901の減衰よりもかなり速い振動振幅の減少をもたらすことが分かる。減少された振動レベルは、切断のより良い精度、したがってワイヤソーデバイスの歩留まりの改良をもたらす。なぜなら、例えば、減少された振動により、鋸切断されるウエハに関する公差をより容易に実現することができるからである。
【0075】
本明細書で述べる実施形態によれば、ミネラルキャスティング材料を使用する利益の1つまたは複数は、以下のように提供することができる:切断プロセスは、機械構造およびワイヤウエブでの振動レベルの制御により改良することができる。このことは、フレーム本体および供給システムのフレームなどの機械構造部品での振動レベルを減少させるためにミネラルキャスティングの減衰特性を利用することによって、および/または振動監視を利用することによって実現することができる。例えば、ワイヤソーデバイスは、機械フレームに振動センサを含むことができる。
図10は、フレーム本体110を図示し、振動センサ1050が図示されている。このセンサは、フレーム本体110に提供することができ、またはフレーム本体110内に鋳造することができる。本明細書で述べる他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、フレーム本体の振動を監視するように構成された1つまたは複数の振動センサを提供することができる。
【0076】
図10は、ミネラルキャスティングフレーム本体内に含めることができるさらなる要素を図示する。本明細書で述べる他の実施形態と組み合わせることができる様々な実施形態によれば、これらの要素のうちの1つまたは複数を含めることができる。例えば、様々な空気導管1002を提供することができる。追加または代替として、ワイヤハーネス用の管1006をフレーム本体内に提供することができる。ワイヤハーネスを使用して、センサ、(例えばスラリ送達システム用の)弁、または他の構成要素を制御装置に接続することができる。さらなる追加または代替として、温度制御シールドに水を提供するために水パイプ104を提供することができる。これらの水パイプは、特に、ワイヤソーデバイスの動作中にアクセス熱を発生させることがある軸受に近い領域に水を案内することができる。本明細書で述べられる他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、プレート、流体パイプ、電気コネクタ、ワイヤハーネス管、空気導管、およびセンサからなる群から選択される少なくとも1つの要素が、フレーム本体内に鋳造される。
【0077】
したがって、いくつかの実施形態は、ミネラルキャスティングの向上された鋳造の融通性(例えば、より複雑な形状、ならびに内部配管および/またはパイピング)を使用することができる。いくつかの実施形態は、発熱構成要素(例えば軸受)の近くに冷却構造および/または冷却デバイスを実装し、機械構造内の温度を安定化させる。
【0078】
さらに、いくつかの実施形態は、通常の(金属)鋳造材料に比べて、より高い精度およびより厳密な公差を有するミネラルキャスティング製造方法を使用することができる。例えば、軸受ボックスボア同心性のより高い位置決め精度を実現することができる。
【0079】
さらに、いくつかの実施形態は、ミネラルキャスティングの良好な減衰特性を使用することができ、ワイヤウエブによって誘発される高周波数振動を減少させることができる。また、機械の近くでの雑音レベルをほぼなくすことができる。
【0080】
図11は、ワイヤソーデバイスを製造する方法の一実施形態を例示する流れ図を示す。ステップ501で、温度制御シールドアレンジメントが鋳型内に提供される。ステップ502で、鋳型内で、少なくとも4つの開口を有する切断ヘッドのフレーム本体が鋳造され、キャスティングは、ミネラルフィラーおよびバインダを用いて行われる。ステップ503で、少なくとも4つの軸受ボックススリーブが、4つの開口にそれぞれ提供される。異なる実施形態では、軸受ボックススリーブが接着、圧入、または接着して圧入される。さらなる任意選択の実装形態によれば、フレーム本体を鋳造する前に、プレート、流体パイプ、電気コネクタ、およびセンサからなる群から選択される少なくとも1つの要素を鋳型内に配置することができる。
【0081】
本明細書で述べた実施形態は、ミネラルキャスティングによって製造されるワイヤソーデバイスの構造部品に関連していた。特に、切断ヘッドのフレーム本体、インゴット供給システムのフレーム、または切断ヘッドとインゴット供給システム(上側切断ヘッド)との一体構成要素のフレーム本体は、ミネラルキャスティングによって提供することができる。典型的には、本明細書で述べる実施形態によれば、1つまたは複数の構造フレームをミネラルキャスティングによって提供することができる。それにより、例えば、1つまたは複数の温度制御シールドおよび軸受ボックススリーブと組み合わせてハイブリッド構造を提供することができる。
【0082】
本明細書で述べる実施形態によれば、ワイヤソーデバイスは、ミネラルキャスティングから形成されるフレーム本体を有し、かつ軸受ボックススリーブおよび温度制御シールドを有する切断ヘッドを含む。異なる実装形態によれば、例えば、フレーム本体に4つの開口が存在することがある。それにより、2つのワイヤガイドシリンダに関して構成された実施形態が提供される。代替として、フレーム本体に6つの開口が存在することもある。それにより、3つのワイヤガイドシリンダに関して構成された実施形態が提供される。さらに、フレーム本体に8つの開口が存在することもある。それにより、4つのワイヤガイドシリンダに関して構成された実施形態が提供される。本明細書で述べる実施形態によれば、そのようなフレーム本体に、フレームを有するインゴット供給システムを設けることができる。インゴット供給システムのフレームと、切断ヘッドのフレーム本体とは別個でよく、またはそれらを一体形成することもできる。特に、インゴット供給システムのフレームが別個である実施形態に関して、切断ヘッド実装の実施形態の1つを、本明細書で開示されるインゴット供給システムの実施形態の1つと組み合わせることができる。様々なインゴット供給システムを、例えば、
図3、
図5、
図6A、および
図6Bに関してより詳細に述べる。それにより、様々な組合せの選択肢を提供することによって、共通の構成要素に基づいて様々なワイヤソーデバイスを製造するためのモジュール性を提供することができる。それにより、さらなる実装形態として、ワイヤガイドシリンダの数の変更に加えて、またはその代替として、異なる長さのワイヤガイドシリンダを有する切断ヘッドおよび/またはインゴット供給システムを提供することもできる。
【0083】
上の説明では、本発明のいくつかの実施形態を対象としたが、本発明の他のおよびさらなる実施形態を、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく開発することができ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定される。