特許第6353400号(P6353400)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6353400住宅用構造材としての木材の横転装置及び横転させて排出する装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6353400
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】住宅用構造材としての木材の横転装置及び横転させて排出する装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/248 20060101AFI20180625BHJP
   B27C 1/14 20060101ALI20180625BHJP
   B65G 47/24 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   B65G47/248 C
   B27C1/14 Z
   B65G47/24 H
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-93263(P2015-93263)
(22)【出願日】2015年4月30日
(65)【公開番号】特開2016-210535(P2016-210535A)
(43)【公開日】2016年12月15日
【審査請求日】2017年1月23日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 〔展示会名〕 宮川工機テクノフェア 〔開催日〕 平成26年10月30日から平成26年10月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】390017385
【氏名又は名称】宮川工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104514
【弁理士】
【氏名又は名称】森 泰比古
(72)【発明者】
【氏名】小原 好和
【審査官】 土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭57−131620(JP,A)
【文献】 実開平05−056403(JP,U)
【文献】 特開昭53−091265(JP,A)
【文献】 特開平05−310320(JP,A)
【文献】 特開平07−053031(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/248
B65G 47/24
B27C 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
L字を構成する垂直部と水平部とを備えるL字形受け台を備え、前記垂直部をL字の背面に向かって倒しつつ前記水平部を起立させる様に前記L字形受け台を90度回動させることにより、前記水平部で受けた木材を90度横転させる装置であって、以下の構成を備えていることを特徴とする住宅用構造材としての木材の横転装置。
(1)L字の屈曲部に対して、前記垂直部を倒す方向とは反対の方向へ移動する力を加えつつ前記木材の横転を実行させる様に、前記L字形受け台を回動させる受け台回動装置を備えていること
2A)前記L字形受け台は、前記垂直部の背面側に上端側を回動可能に連結された垂直部側リンク部材と、前記水平部の底面側に上端側を回動可能に連結された水平部側リンク部材と、前記垂直部側リンク部材及び前記水平部側リンク部材の下端側が回動可能に連結された本体とを備え、前記L字形受け台と前記本体との間に、前記垂直側リンク部材と前記水平側リンク部材とがハの字状になる様に支持されていること。
(2B)前記受け台回動装置は、モータ駆動によって回転するクランクアームと、前記クランクアームの自由端側に回動可能に連結されたコネクションロッドとを備え、前記クランクアーム及び前記コネクションロッドを介して、前記L字形受け台の屈曲部に対して横方向に移動させる力を加え得る手段として構成されていること
3A)上端側を前記屈曲部に対して連結されると共に、下端側を前記本体に対して回動可能に連結された第2リンク部材に対して回動可能に連結された屈曲部リンク部材を備えていること。
(3B)前記コネクションロッドの自由端側を、前記屈曲部リンク部材の中間位置に対して回動可能に連結し、前記受け台回動装置は、前記屈曲部リンク部材に対して、その下端側を中心に回動させる様に力を加えることにより、前記L字形受け台の屈曲部に対して横方向に移動させる力を加えて前記垂直部を倒す方向とは反対の方向へ移動させる手段として構成されていること。
【請求項2】
L字を構成する垂直部と水平部とを備えるL字形受け台を備え、前記垂直部をL字の背面に向かって倒しつつ前記水平部を起立させる様に前記L字形受け台を90度回動させることにより、前記水平部で受けた木材を90度横転させる装置であって、以下の構成を備えていることを特徴とする住宅用構造材としての木材の横転装置。
(1)L字の屈曲部に対して、前記垂直部を倒す方向とは反対の方向へ移動する力を加えつつ前記木材の横転を実行させる様に、前記L字形受け台を回動させる受け台回動装置を備えていること
2A)前記L字形受け台は、上端を前記垂直部の背面側に回動可能に連結された垂直部側リンク部材と、上端を前記水平部の底面側に回動可能に連結された水平部側リンク部材と、前記垂直部側リンク部材及び前記水平部側リンク部材の下端が回動可能に連結された本体により、前記垂直側リンク部材と前記水平側リンク部材とがハの字状になる様に支持されていること。
(2B)前記受け台回動装置は、前記L字形受け台の屈曲部に対して横方向に移動させる力を加えることにより、前記垂直部を倒す方向とは反対の方向へ移動させる手段として構成されていること
4)前記本体は、前記L字形受け台を先端側の上方に備え、元側を中心に回動可能に設置され、前記先端と元との中間部付近に対して元側斜め下側から押し上げ力を付与し得る様にピストンロッドを前進させ得る流体シリンダが連結されると共に、前記ピストンロッドを後退させたときは先端が下がると共に全体として元側に移動した状態となり、前記ピストンロッドを前進させたときはほぼ水平で全体として先端側に移動した状態となる様に、元側端と中間部付近のそれぞれに連結した剛性部材で揺動可能に吊り下げられると共に、これら剛性部材による吊り下げ位置の間の位置で下側揺動部材により下側からも支持されていること。
【請求項3】
L字を構成する垂直部と水平部とを備えるL字形受け台を備え、前記垂直部をL字の背面に向かって倒しつつ前記水平部を起立させる様に前記L字形受け台を90度回動させることにより、前記水平部で受けた木材を90度横転させる装置であって、以下の構成を備えていることを特徴とする住宅用構造材としての木材の横転装置。
(1)L字の屈曲部に対して、前記垂直部を倒す方向とは反対の方向へ移動する力を加えつつ前記木材の横転を実行させる様に、前記L字形受け台を回動させる受け台回動装置を備えていること。
(5A)前記受け台回動装置は、元側を中心に回動可能に設置され、元側端と中間部付近のそれぞれに連結した剛性部材で揺動可能に吊り下げられると共に、これら剛性部材による吊り下げ位置の間の位置で下側揺動部材により下側からも支持された本体を備え、前記本体に対してハの字状となる様に、それぞれの下端側を回動可能となる様に連結された垂直部側リンク部材と水平部側リンク部材とを備え、前記垂直部側リンク部材の上端側を前記L字形受け台の垂直部に対して回動可能に連結すると共に、前記水平部側リンク部材の上端側を前記L字形受け台の水平部に対して回動可能に連結することにより、前記L字形受け台を前記本体の先端側上方に備えさせた構成を有すること。
(5B)前記受け台回動装置及び前記L字形受け台を、コンベアに対して木材長さ方向に間隔をあけて複数台設置すると共に、前記複数台の受け台回動装置を連動させて動作させる様に、前記コンベアによる木材長さ方向と平行に伸びる連結フレームにより前記複数台の受け台回動装置の本体同士を元先の中間部で連結すると共に、前記連結フレームに対して元側斜め下側から押し上げ力を付与し得る様にピストンロッドを前進させ得る流体シリンダを連結し、前記コンベアによる木材長さ方向と平行に伸びる駆動軸を横転モータによって回転させることにより、前記各受け台回動装置がそれぞれ備えるL字形受け台に横転動作を実行させるためのクランクアームとコネクションロッドとを、前記複数台の受け台回動装置のそれぞれに対応する様に、前記駆動軸に間隔をあけて設置したこと。
【請求項4】
L字形受け台を90度横転させることによって木材を横転させる装置であって、以下の構成を備えていることを特徴とする住宅用構造材としての木材の横転装置。
(6A)前記L字形受け台を先端側の上方に備える本体と、該本体の中程に対して元側斜め下側から押し上げ力を付与し得る様に連結されたピストンロッドを備える流体シリンダとを備え、前記本体を、前記ピストンロッドを後退させたときは先端が下がると共に全体として元側に移動した状態となり、前記ピストンロッドを前進させたときはほぼ水平で全体として先端側に移動した状態となる様に、前記本体を、元側端と中程のそれぞれに連結した剛性部材で揺動可能に吊り下げる様に支持したこと。
(6B)前記L字形受け台は、水平側プレートと、垂直側プレートと、前記水平側プレートが前記垂直側プレートの下端から前記本体の元側に向かって延びる様に、これら水平側プレートと垂直側プレートとをL字の谷側の面に固定したL字形プレートとを備えていること。
(6C)前記L字形プレートに対し、L字の屈曲部から前記本体の元側の斜め下側に向かって延びる様に第1リンク部材の上端側を回動可能に連結すると共に、該第1リンク部材の下端側に対し、前記本体の先端側に一端を揺動可能に連結された第2リンク部材の他端を連結したこと。
(6D)前記本体には、前記第1リンク部材よりも前記本体の元側において回転駆動されるクランクアームを備えさせると共に、該クランクアームに一端を連結されたコネクションロッドの他端を、前記第1リンク部材の中程の、上端側及び下端側の連結部の間を等分する位置よりも上端側に寄った位置に対して連結したこと。
(6E)前記L字形プレートに対し、垂直部から前記本体の先端側の斜め下側に向かって延びる様に第3リンク部材の上端側を連結し、水平部から前記本体の元側の斜め下側に向かって延びる様に第4リンク部材の上端側を連結すると共に、前記本体に対して前記第3リンク部材及び前記第4リンク部材の下端側を連結したこと。
【請求項5】
木材を縦方向に搬送する縦送りコンベアと、木材を横方向に搬送する横送りコンベアと、L字形受け台を90度横転させることによって木材横転装置とを備え、木材プレカット加工設備における加工済み木材の排出位置に設置される装置であって、以下の構成を備えていることを特徴とする住宅用構造材としての木材を横転させて排出する装置。
(7A)前記縦送りコンベアとして、縦送り方向の中心を一致させると共に、互いの間に所定のスペースを開ける様に、複数台の縦送りコンベアユニットを設置したこと。
(7B)前記横送りコンベアとして、前記縦送りコンベアユニット同士の間のスペースに対して先端を挿入する様に設置された複数台の横送りコンベアユニットと、当該横送りコンベアユニットを、待機時は前記縦送りコンベアユニットの木材支持面よりも下方に控えた状態とし、横送り実行時には前記縦送りコンベアユニットの木材支持面よりも上方に持ち上がった状態とする昇降装置とを備えていること。
(7C)前記木材横転装置として、前記縦送りコンベアユニット同士の間のスペースに対して先端を挿入する様に設置された複数台の木材横転ユニットを備えていること。
(7D)前記複数台の木材横転ユニットのそれぞれが、前記L字形受け台を先端側の上方に備える本体を有し、各木材横転ユニットの本体の中程を前記縦送り装置に沿って連結する連結フレームと、該連結フレームに対して前記本体の元側の斜め下側から押し上げ力を付与し得る様にピストンロッドを連結された流体シリンダとを備え、各木材横転ユニットの本体を、前記ピストンロッドを後退させたときは先端が下がると共に全体として元側に移動した状態となり、前記ピストンロッドを前進させたときはほぼ水平で全体として先端側に移動した状態となる様に、前記本体を、元側端と中程のそれぞれに連結した剛性部材で揺動可能に吊り下げる様に支持すると共に、これら剛性部材による吊り下げ位置の間の位置で下側揺動部材により下側からも支持したこと。
(7E)前記各木材横転ユニットにおいて、
前記L字形受け台として、水平側プレートと、垂直側プレートと、前記水平側プレートが前記垂直側プレートの下端から前記本体の元側に向かって延びる様に、これら水平側プレートと垂直側プレートとをL字の谷側の面に固定したL字形プレートとを備え、
前記L字形プレートに対し、L字の屈曲部から前記本体の元側の斜め下側に向かって延びる様に第1リンク部材の上端側を回動可能に連結すると共に、該第1リンク部材の下端側に対し、前記本体の先端側に一端を揺動可能に連結された第2リンク部材の他端を連結し、
前記本体には、前記第1リンク部材よりも前記本体の元側において回転駆動されるクランクアームを備えさせると共に、該クランクアームに一端を連結されたコネクションロッドの他端を、前記第1リンク部材の中程の、上端側及び下端側の連結部の間を等分する位置よりも上端側に寄った位置に対して連結し、
前記L字形プレートに対し、垂直部から前記本体の先端側の斜め下側に向かって延びる様に第3リンク部材の上端側を連結し、水平部から前記本体の元側の斜め下側に向かって延びる様に第4リンク部材の上端側を連結すると共に、前記本体に対して前記第3リンク部材及び前記第4リンク部材の下端側を連結した構成を備えると共に、
前記垂直側プレートは、加工対象となり得る最大寸法の木材の材成の1/2よりも大きい高さを有していること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木造住宅用のプレカット加工設備において加工面の変更や搬入・搬出等に際して木材を横転させるための木材横転装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、木造住宅用のプレカット加工設備において、L字形の受け台を用いた木材横転装置が知られている(例えば、特許文献1,2)。
【0003】
特許文献1に記載された装置は、L字形の受け台及び垂直なガイドをローラ面から突出させ、受け台で木材を押し上げることによって木材の重量を受けて受け台自体をガイドの方向へと傾斜させて木材を横転させ、受け台からローラ面上へと転がりだした木材をガイドがバネ力を利用して傾斜しながら受け止める機構を採用している。
【0004】
特許文献2に記載された装置は、対面する一対のL字形の受け台を上昇させ、双方の水平部で木材を持ち上げると共に、一方の受け台(以下、「受け台A」という)を外方向へ45度回転させることによって当該受け台Aで木材を掬い上げつつ45度回転させた状態とし、次に、他方の受け台(以下、「受け台B」という)を受け台Aが受けている木材を受け得る位置へと外方向に回転させ、その後、受け台Aを内方向へ回転させて元の状態に復帰させることによって木材が受け台Bにだけ受け止められた状態とし、この状態で受け台Bを内方向へと45度回転させることにより、木材を合計90度回転した状態とする機構を採用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平5−56403号(0006、図2
【特許文献2】特開2010−37024(0008〜0014、図1図12
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の装置は、L字形の受け台で木材を持ち上げるときに木材の自重によって受け台が傾斜するのを利用して木材を転げ出させるものであるため、受け台で木材を一気に押し上げないとうまく横転しない可能性がある。また、横架材の様に材長や梁成が異なる種々の木材を取り扱う場合、安定した横転を実行できない可能性がある。そして、木材を一気に押し上げて転がすことから、これを受け止めるローラやガイドに強い衝撃が加わる恐れもある。
【0007】
特許文献2に記載の装置は、受け台A,Bに複雑な動作をさせなければならず、木材のこぼれ落ち等を生じない様にするには、横転動作を低速で実行しなければならず、工程に時間がかかるという問題が生じる。また、梁成の大きな木材を取り扱おうとすると受け台から木材がこぼれ落ちる可能性もある。
【0008】
本発明は、これら従来技術の問題点に鑑み、L字形の受け台から木材をこぼれ落とすことなく迅速かつ確実に横転させることを目的としてなされた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためになされた本願第1発明住宅用構造材としての木材の横転装置は、L字形受け台を90度横転させることによって木材を横転させる装置であって、以下の構成を備えていることを特徴とする。
(1)L字の屈曲部に対して、前記垂直部を倒す方向とは反対の方向へ移動する力を加えつつ前記木材の横転を実行させる様に、前記L字形受け台を回動させる受け台回動装置を備えていること。
(2A)前記L字形受け台は、前記垂直部の背面側に上端側を回動可能に連結された垂直部側リンク部材と、前記水平部の底面側に上端側を回動可能に連結された水平部側リンク部材と、前記垂直部側リンク部材及び前記水平部側リンク部材の下端側が回動可能に連結された本体とを備え、前記L字形受け台と前記本体との間に、前記垂直部側リンク部材と前記水平部側リンク部材とがハの字状になる様に支持されていること。
(2B)前記受け台回動装置は、モータ駆動によって回転するクランクアームと、前記クランクアームの自由端側に回動可能に連結されたコネクションロッドとを備え、前記クランクアーム及び前記コネクションロッドを介して、前記L字形受け台の屈曲部に対して横方向に移動させる力を加え得る手段として構成されていること。
(3A)上端側を前記屈曲部に対して連結されると共に、下端側を前記本体に対して回動可能に連結された第2リンク部材に対して回動可能に連結された屈曲部リンク部材を備えていること。
(3B)前記コネクションロッドの自由端側を、前記屈曲部リンク部材の中間位置に対して回動可能に連結し、前記受け台回動装置は、前記屈曲部リンク部材に対して、その下端側を中心に回動させる様に力を加えることにより、前記L字形受け台の屈曲部に対して横方向に移動させる力を加えて前記垂直部を倒す方向とは反対の方向へ移動させる手段として構成されていること。
また、上記目的を達成するためになされた本願第2発明の住宅用構造材としての木材の横転装置は、L字を構成する垂直部と水平部とを備えるL字形受け台を備え、前記垂直部をL字の背面に向かって倒しつつ前記水平部を起立させる様に前記L字形受け台を90度回動させることにより、前記水平部で受けた木材を90度横転させる装置であって、以下の構成を備えていることを特徴とする。
(1)L字の屈曲部に対して、前記垂直部を倒す方向とは反対の方向へ移動する力を加えつつ前記木材の横転を実行させる様に、前記L字形受け台を回動させる受け台回動装置を備えていること。
(2A)前記L字形受け台は、上端を前記垂直部の背面側に回動可能に連結された垂直部側リンク部材と、上端を前記水平部の底面側に回動可能に連結された水平部側リンク部材と、前記垂直部側リンク部材及び前記水平部側リンク部材の下端が回動可能に連結された本体により、前記垂直側リンク部材と前記水平側リンク部材とがハの字状になる様に支持されていること。
(2B)前記受け台回動装置は、前記L字形受け台の屈曲部に対して横方向に移動させる力を加えることにより、前記垂直部を倒す方向とは反対の方向へ移動させる手段として構成されていること。
(4)前記本体は、前記L字形受け台を先端側の上方に備え、元側を中心に回動可能に設置され、前記先端と元との中間部付近に対して元側斜め下側から押し上げ力を付与し得る様にピストンロッドを前進させ得る流体シリンダが連結されると共に、前記ピストンロッドを後退させたときは先端が下がると共に全体として元側に移動した状態となり、前記ピストンロッドを前進させたときはほぼ水平で全体として先端側に移動した状態となる様に、元側端と中間部付近のそれぞれに連結した剛性部材で揺動可能に吊り下げられると共に、これら剛性部材による吊り下げ位置の間の位置で下側揺動部材により下側からも支持されていること。
さらに、上記目的を達成するためになされた本願第3発明の住宅用構造材としての木材の横転装置は、L字を構成する垂直部と水平部とを備えるL字形受け台を備え、前記垂直部をL字の背面に向かって倒しつつ前記水平部を起立させる様に前記L字形受け台を90度回動させることにより、前記水平部で受けた木材を90度横転させる装置であって、以下の構成を備えていることを特徴とする木材横転装置。
(1)L字の屈曲部に対して、前記垂直部を倒す方向とは反対の方向へ移動する力を加えつつ前記木材の横転を実行させる様に、前記L字形受け台を回動させる受け台回動装置を備えていること。
(5A)前記受け台回動装置は、元側を中心に回動可能に設置され、元側端と中間部付近のそれぞれに連結した剛性部材で揺動可能に吊り下げられると共に、これら剛性部材による吊り下げ位置の間の位置で下側揺動部材により下側からも支持された本体を備え、前記本体に対してハの字状となる様に、それぞれの下端側を回動可能となる様に連結された垂直部側リンク部材と水平部側リンク部材とを備え、前記垂直部側リンク部材の上端側を前記L字形受け台の垂直部に対して回動可能に連結すると共に、前記水平部側リンク部材の上端側を前記L字形受け台の水平部に対して回動可能に連結することにより、前記L字形受け台を前記本体の先端側上方に備えさせた構成を有すること。
(5B)前記受け台回動装置及び前記L字形受け台を、コンベアに対して木材長さ方向に間隔をあけて複数台設置すると共に、前記複数台の受け台回動装置を連動させて動作させる様に、前記コンベアによる木材長さ方向と平行に伸びる連結フレームにより前記複数台の受け台回動装置の本体同士を元先の中間部で連結すると共に、前記連結フレームに対して元側斜め下側から押し上げ力を付与し得る様にピストンロッドを前進させ得る流体シリンダを連結し、前記コンベアによる木材長さ方向と平行に伸びる駆動軸を横転モータによって回転させることにより、前記各受け台回動装置がそれぞれ備えるL字形受け台に横転動作を実行させるためのクランクアームとコネクションロッドとを、前記複数台の受け台回動装置のそれぞれに対応する様に、前記駆動軸に間隔をあけて設置したこと。
また、上記目的を達成するためになされた本願第4発明の住宅用構造材としての木材の横転装置は、L字形受け台を90度横転させることによって木材を横転させる装置であって、以下の構成を備えていることを特徴とする。
(6A)前記L字形受け台を先端側の上方に備える本体と、該本体の中程に対して元側斜め下側から押し上げ力を付与し得る様に連結されたピストンロッドを備える流体シリンダとを備え、前記本体を、前記ピストンロッドを後退させたときは先端が下がると共に全体として元側に移動した状態となり、前記ピストンロッドを前進させたときはほぼ水平で全体として先端側に移動した状態となる様に、前記本体を、元側端と中程のそれぞれに連結した剛性部材で揺動可能に吊り下げる様に支持したこと。
(6B)前記L字形受け台は、水平側プレートと、垂直側プレートと、前記水平側プレートが前記垂直側プレートの下端から前記本体の元側に向かって延びる様に、これら水平側プレートと垂直側プレートとをL字の谷側の面に固定したL字形プレートとを備えていること。
(6C)前記L字形プレートに対し、L字の屈曲部から前記本体の元側の斜め下側に向かって延びる様に第1リンク部材の上端側を回動可能に連結すると共に、該第1リンク部材の下端側に対し、前記本体の先端側に一端を揺動可能に連結された第2リンク部材の他端を連結したこと。
(6D)前記本体には、前記第1リンク部材よりも前記本体の元側において回転駆動されるクランクアームを備えさせると共に、該クランクアームに一端を連結されたコネクションロッドの他端を、前記第1リンク部材の中程の、上端側及び下端側の連結部の間を等分する位置よりも上端側に寄った位置に対して連結したこと。
(6E)前記L字形プレートに対し、垂直部から前記本体の先端側の斜め下側に向かって延びる様に第3リンク部材の上端側を連結し、水平部から前記本体の元側の斜め下側に向かって延びる様に第4リンク部材の上端側を連結すると共に、前記本体に対して前記第3リンク部材及び前記第4リンク部材の下端側を連結したこと。
加えて、上記目的を達成するためになされた本願第5発明の木材を横転させて排出する装置は、木材を縦方向に搬送する縦送りコンベアと、木材を横方向に搬送する横送りコンベアと、L字形受け台を90度横転させることによって木材横転装置とを備え、木材プレカット加工設備における加工済み木材の排出位置に設置される装置であって、以下の構成を備えていることを特徴とする。
(7A)前記縦送りコンベアとして、縦送り方向の中心を一致させると共に、互いの間に所定のスペースを開ける様に、複数台の縦送りコンベアユニットを設置したこと。
(7B)前記横送りコンベアとして、前記縦送りコンベアユニット同士の間のスペースに対して先端を挿入する様に設置された複数台の横送りコンベアユニットと、当該横送りコンベアユニットを、待機時は前記縦送りコンベアユニットの木材支持面よりも下方に控えた状態とし、横送り実行時には前記縦送りコンベアユニットの木材支持面よりも上方に持ち上がった状態とする昇降装置とを備えていること。
(7C)前記木材横転装置として、前記縦送りコンベアユニット同士の間のスペースに対して先端を挿入する様に設置された複数台の木材横転ユニットを備えていること。
(7D)前記複数台の木材横転ユニットのそれぞれが、前記L字形受け台を先端側の上方に備える本体を有し、各木材横転ユニットの本体の中程を前記縦送り装置に沿って連結する連結フレームと、該連結フレームに対して前記本体の元側の斜め下側から押し上げ力を付与し得る様にピストンロッドを連結された流体シリンダとを備え、各木材横転ユニットの本体を、前記ピストンロッドを後退させたときは先端が下がると共に全体として元側に移動した状態となり、前記ピストンロッドを前進させたときはほぼ水平で全体として先端側に移動した状態となる様に、前記本体を、元側端と中程のそれぞれに連結した剛性部材で揺動可能に吊り下げる様に支持すると共に、これら剛性部材による吊り下げ位置の間の位置で下側揺動部材により下側からも支持したこと。
(7E)前記各木材横転ユニットにおいて、
前記L字形受け台として、水平側プレートと、垂直側プレートと、前記水平側プレートが前記垂直側プレートの下端から前記本体の元側に向かって延びる様に、これら水平側プレートと垂直側プレートとをL字の谷側の面に固定したL字形プレートとを備え、
前記L字形プレートに対し、L字の屈曲部から前記本体の元側の斜め下側に向かって延びる様に第1リンク部材の上端側を回動可能に連結すると共に、該第1リンク部材の下端側に対し、前記本体の先端側に一端を揺動可能に連結された第2リンク部材の他端を連結し、
前記本体には、前記第1リンク部材よりも前記本体の元側において回転駆動されるクランクアームを備えさせると共に、該クランクアームに一端を連結されたコネクションロッドの他端を、前記第1リンク部材の中程の、上端側及び下端側の連結部の間を等分する位置よりも上端側に寄った位置に対して連結し、
前記L字形プレートに対し、垂直部から前記本体の先端側の斜め下側に向かって延びる様に第3リンク部材の上端側を連結し、水平部から前記本体の元側の斜め下側に向かって延びる様に第4リンク部材の上端側を連結すると共に、前記本体に対して前記第3リンク部材及び前記第4リンク部材の下端側を連結した構成を備えると共に、
前記垂直側プレートは、加工対象となり得る最大寸法の木材の材成の1/2よりも大きい高さを有していること。
【0010】
本発明の木材横転装置によれば、垂直部をL字の背面に向かって倒す際に屈曲部を倒れ方向とは反対方向へ移動させる。この結果、水平部に受けられた木材は、垂直部側の下端角部を倒れ方向とは反対方向へ移動させつつ横転させられることとなる。従って、木材に対しては背面方向へ滑り出そうとする力以外に背面とは反対方向へと移動しようとする力も加わることとなり、90度横転したときに背面方向へ大きく滑り出したり、転がり出たりすることがない。また、倒れ方向とは反対方向へと背面側下端角部が移動させられる結果、横転前の位置から大きく背面側に移動させることなく90度横転させることができる。この様に、木材の滑り出しや転がり出しを防止できることから横転動作を迅速に実行することも可能となる。
【0012】
(2A),(2B)の構成をも備える木材横転装置によれば、L字形受け台は、本体に対して、垂直側リンク部材と水平側リンク部材とがハの字状になる様に支持されているので、屈曲部を倒れ方向と反対方向に移動させると水平部が起立しつつ垂直部が背面に倒れる回動動作をL字形受け台に生じさせることができる。このとき、屈曲部は倒れ方向と反対方向に移動することで、木材を大きく背面側に移動させることなく、さらには、滑り落ちたり転がり落ちたりさせることなく90度横転させることができる。
【0014】
(3A),(3B)の構成をも備える木材横転装置によれば、屈曲部リンク部材を倒れ方向と反対の方向に回動させる様に力を加えると、L字形受け台の垂直部が背面方向に倒れつつ水平部を起立させる回動を実行することができる。
【0016】
流体シリンダのピストンロッドを前進させると本体が先端を上方に回動させつつ全体として先端側へと揺動し、流体シリンダのピストンロッドを後退させると本体が先端を下方に回動させつつ全体として元側へと揺動する。この結果、水平状態へと本体を回動させるとき、L字形受け台は先端方向へ回り込む様にして起立する。L字形受け台は、垂直部を背面側に倒す様に回動して木材を横転させるから、横転前の状態において木材の背面が垂直部から離れていても、横転の最中に早い段階で当接する。従って、最大材幅の木材に対して干渉を起こさない様にしておけばよい。横転を完了した後は、流体シリンダのピストンロッドを後退させると、本体は、全体として元側に揺動しつつ先端を下方に回動させる様にして退避する。従って、これにより、L字形受け台は、横転させた木材から離れながら下方へ回動することとなり、干渉することなく退避することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、L字形の受け台から木材をこぼれ落とすことなく迅速かつ確実に横転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施例1の木材排出位置に設置される木材横転装置を示す斜視図である。
図2】実施例1の木材排出位置に設置される木材横転装置を示す平面図である。
図3】実施例1の木材横転装置を示す斜視図である。
図4】実施例1の木材横転装置の要部を示す斜視図である。
図5】実施例1の木材横転装置の構造を示す左側面図である。
図6】実施例1の木材横転装置の動作を示す左側面図である。
図7】実施例1の木材横転装置の動作を示す左側面図である。
図8】実施例1の木材横転装置におけるL字形受け台の動作を示す左側面図である。
図9】実施例1の木材横転装置の動作を示す左側面図である。
図10】実施例1の木材横転装置の動作を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明を適用した実施例を説明する。
【実施例1】
【0020】
本実施例の木材横転装置1は、図1図2に示す様に、ローラ式コンベア10とキャタピラ式コンベア20が設置されたプレカット加工設備の木材排出位置に設置される。なお、以下の説明において前後を区別するときは、図2における下側を「前」、上側を「後」と称する。
【0021】
ローラ式コンベア10は複数台のローラユニット11〜16を直列に並べたものとなっている。これら複数のローラユニット11〜16は、木材を縦送りできる様に中心を一致させると共に、ユニット同士の間に所定のスペースを開けて一列に設置されている。各ローラユニット11〜16は、いずれもフリーローラとなっており、縦送り装置(図示略)によって搬送されて来る木材をローラ面で下から支持して縦方向に移動させることが可能となっている。
【0022】
キャタピラ式コンベア20は複数台のキャタピラユニット21〜25を並列に並べたものとなっている。これら複数のキャタピラユニット21〜25は、ローラユニット11〜16の間に先端を挿入する様にして木材を横送りできる様に設置されている。また、各キャタピラユニット21〜25は、先端側を連結ロッド26で連結されている。この連結ロッド26は、左右に間隔をあけて設置された2本の油圧シリンダCYL21,CYL22によって昇降する機構を構成している。油圧シリンダCYL21,CYL22は、通常時は連結ロッド26を下降させた状態とし、木材横転装置1による横転が完了した後に連結ロッド26を上昇させて各キャタピラユニット21〜25の先端部で木材を持ち上げてローラ式コンベア10から受け取る動作を実行する。さらに、各キャタピラユニット21〜25の元側に備えられているスプロケット27は駆動軸28を共通とし、横送りモータMT20によって駆動される構成となっている。
【0023】
木材横転装置1は、複数の横転ユニット31〜35を並列に並べたものとなっている。これら複数の横転ユニット31〜35は、各キャタピラユニット21〜25の左右いずれかの側においてキャタピラユニット21〜25に沿わせる様に設置されている。
【0024】
木材横転装置1は、図2図5に示す様に、キャタピラユニット21〜25と平行に延びる前後ベースフレーム41と、前後ベースフレーム41の前端部から立設された門型コラム42と、門型コラム42の後端面中程に固定されて左右方向に延びる前端フレーム43と、門型コラム42よりも前方側において前後ベース41と直交する様に左右方向に延びる様に設置された左右ベースフレーム44とからなるフレーム体40を備えている。そして、各横転ユニット31〜35は、前端フレーム43の上面に固定された回動用ブラケット51に対して後端部を回動可能に取り付けられると共に、門型コラム42を挟んで左右方向に刺し通す様に渡された角形フレーム36によって一体化されている。
【0025】
また、両端の横転ユニット31,35の内側に位置する門型コラム42の後側上部には昇降用前側ブラケット52が取り付けられると共に、この昇降用前側ブラケット52の後方に対応する位置の角形フレーム36の上面にも昇降用後側ブラケット53が取り付けられている。そして、これら昇降用の前後のブラケット52,53間は、両端ピン接合となる様に上部リンクバー54で連結されている。また、左右ベースフレーム44の上面には、昇降用後側ブラケット53に対応する様に下側揺動部材56が取り付けられている。昇降用後側ブラケット53は、この下側揺動部材56に対しても下部リンクバー57で連結されている。
【0026】
下側揺動部材56の上端には、横転ユニット昇降用の油圧シリンダCYL31,CYL32のピストンロッドが連結されると共に、ピストンロッドと平行になる様に設置されたラックバー58も連結されている。このラックバー58は、左右方向に延びるピニオン軸59に取り付けられたピニオンギヤ59aに噛み合わされている。ラックバー58は、ピストンロッドの動作に対して下側揺動部材56の揺動動作を安定させる役割を果たしている。
【0027】
各横転ユニット31〜35は、角形フレーム36が刺し通される様に取り付けられた本体60と、この本体60の後端側(先端側)に取り付けられたL字形受け台70とを備えている。
【0028】
本体60は、左右2枚の側板61を所定間隔を開けて連結した剛性枠62を構成している。この剛性枠62は、その前端(元側)を回動用ブラケット51に対してH字形揺動部材63を介して連結されている。そして、各横転ユニット31〜35は、油圧シリンダCYL31,CYL32のピストンロッドが後退しているときは、図5(A)に示す様に、H字形揺動部材63の下端が元側に移動し、剛性枠62は全体として元側に揺動して先端を下げた状態となり、油圧シリンダCYL31,CYL32のピストンロッドが前進しているときは、図5(C)に示す様に、H字形揺動部材63の下端が先端側に移動し、剛性枠62は、全体として先端側に揺動してほぼ水平となる様に構成されている。
【0029】
このとき、図5(C)に矢印で示した様に、剛性枠62は、図において時計周りに回動しながら先端方向へと揺動する。この図5(C)の状態から油圧シリンダCYL31,CYL32をピストンロッド後退状態とするときは、図5(A)に点線矢印で示した様に、剛性枠62は、反時計周りに回動しつつ全体として元側へと揺動する。剛性枠62が単純な回動ではなく、前後方向への揺動を伴う回動を行うのは、中程と元側端とを吊り下げた状態としていることによる。
【0030】
また、各横転ユニット31〜35は、ピストンロッド後退状態においては、図5(A)に示す様に、L字形受け台70がローラ面よりも下方に沈んだ状態となり、ピストンロッド前進状態にあるときは、図5(C)に示す様に、L字形受け台70がローラ面よりも上方に飛び出した状態となる様にも構成されている。
【0031】
L字形受け台70は、加工対象となり得る最大寸法の横架材の材幅に対してほぼ同程度の寸法を有する水平側プレート71と、最大寸法の横架材の材成の1/2よりも大きい寸法を有する垂直側プレート72とを、2枚のL字形プレート73の谷側の面に対して垂直側プレート72の下端から前方(元側)に向かって水平側プレート71が延びる様に固定した構成とされている。なお、本実施例においては、垂直側プレート72の高さを、最大寸法の横架材の材成の2/3の高さとしている。
【0032】
また、L字形プレート73に対し、L字の屈曲部から後方斜め下側に向かって延びる様に第1リンク部材74の上端側を回動可能に連結すると共に、第1リンク部材74の下端側に対し、剛性枠62の先端部に一端を揺動可能に連結された第2リンク部材75の他端を連結している。さらに、L字形プレート73に対し、垂直部から後方(先端側)の斜め下側に向かって延びる様に第3リンク部材76の上端側を連結し、水平部から前方(元側)の斜め下側に向かって延びる様に第4リンク部材77の上端側を連結すると共に、剛性枠62に対して第3リンク部材76及び第4リンク部材74の下端側を連結している。
【0033】
また、剛性枠62の中程には、各横転ユニット31〜35に対して共通の駆動軸81が挿入されている。この駆動軸81は横転モータMT30によって駆動され、各横転ユニット31〜35のそれぞれの側板61間の中心に位置する様に取り付けられている駆動ギヤ82を回転させる。各横転ユニット31〜35には、この駆動ギヤ82の回転をチェーン83を介して伝達される従動ギヤ84が備えられている。この従動ギヤ84は、駆動ギヤ82よりも大径とされると共に、回転中心から延びるクランクアーム85が取り付けられている。そして、このクランクアーム85には、コネクションロッド86の一端が連結されている。
【0034】
このコネクションロッド86の他端は、第1リンク部材74の中央よりも上方寄りの位置に対して連結されている。本実施例では、第1リンク部材74の上端連結位置と下端連結位置の間の長さを4:6に分ける位置をコネクションロッド86との連結部としている。
【0035】
ここで、第3,第4リンク部材76,77は、鋼板を屈曲させる様にして枠体状に形成されている。特に、第4リンク部材77には、コネクションロッド86を挿通させるための窓77aが開口されている。コネクションロッド86は、この窓77aとの干渉を避けつつ動作できる様に、挿通位置付近を上方に湾曲させた形状とされている。
【0036】
次に、本実施例の木材横転装置1の動作について説明する。図6に示す様に、加工及び印字が完了した横架材Wをローラ式コンベア10の上へと搬送する。このとき、キャタピラ式コンベア20はローラRの上面よりも下方に控えた待機状態にある。木材横転装置1も、油圧シリンダCYL31,CYL32がピストンロッド後退状態となっていて、剛性枠62の先端を下方に下げた状態とされている。この結果、L字形受け台70も後方(先端側)へと傾斜してローラRの上面よりも下方に控えた状態となっている。
【0037】
次に、図7に示す様に、木材横転装置1の油圧シリンダCYL31,CYL32をピストンロッド前進状態へと駆動する。これにより、下側揺動部材56の上端が後方(先端側)へと押し出され、下部リンクバー57が下端を押し上げられつつ前方(元側)に向かって回動する。これにより、昇降用前側ブラケット53が持ち上げられる。この結果、上部リンクバー54が上方へと回動し、剛性枠63を水平状態へと回動させる。このとき、H字型揺動部材63が下端を後方(先端側)へと振り出す様に揺動することによって、一連の動作をスムーズに実行させている。
【0038】
こうして剛性枠62を水平状態へと回動すると、L字形受け台70は、水平側プレート72が水平になりつつローラRの上面へと上昇する。この結果、横架材WはL字形受け台70の水平側プレート71によって重量を支えられつつローラRの上面から持ち上げられる。このとき、垂直側プレート72が垂直になり、横架材Wの側面を保持し得る状態となっている。
【0039】
こうしてローラRから浮き上がる様に横架材Wを持ち上げた後、横転モータMT30を駆動してクランクアーム85を180度回転させる。この間のL字形受け台70における動きを図8に基づいて説明する。
【0040】
横転モータMT30を駆動する前は、図8(A)に示す様に、クランクアーム85は先端を後方(図示左側)に向けた水平状態になっている。横転モータMT30を駆動すると、クランクアーム85は、図において矢印Aで示した様に、時計周りに回転し始める(以下、回転・回動の方向は図における時計周りか反時計周りかで説明する)。この結果、コネクションロッド86が元側を矢印Bに示す様に前方(図示右側)斜め上に向かって持ち上げる様に移動され始める。
【0041】
このとき、第1リンク部材74は、コネクションロッド86との連結部を中心に時計周りの回動を開始する。これにより、図8(B)に示す様に、図示右側端を第1リンク部材74に対して連結された第2リンク部材75は、剛性枠62に連結された先端部(図示左側の端部)を中心として矢印Cで示す様に後方(図示左方向)の斜め下に向かって回動させ始める。また、屈曲部を第1リンク部材74に対して連結されたL字形プレート73は、矢印Dに示す様に、その屈曲部を斜め上方に持ち上げられる結果、全体として反時計方向へと回動し始める。このL字形プレート73の反時計周りの回動に伴い、L字形プレート73の垂直側の辺の中程に上端を連結された第3リンク部材76は、矢印Eで示す様に図示右側に向かって上端を下げる方向に回動し始め、L字形プレート73の水平側の辺の端部付近に上端を連結された第4リンク部材77も、矢印Fで示す様に図示右側に向かって上端を持ち上げる方向に回動し始める。
【0042】
こうして、L字形プレート73は、屈曲部を図示右側斜め上に持ち上げつつ、垂直側プレート72を図示左側に向かって倒し、水平側プレート71を図示左側に向かって起き上がらせる動作を実行する。この間、屈曲部は倒れ方向とは反対の方向へ向かって移動される。クランクアーム85が180度回転すると、図8(C)に示す様に、垂直側プレート72が水平となり、水平側プレート71が垂直となる様に、90度横転した状態となる。このとき、第3リンク部材76は、クランクアーム85が90度から180度へと回転する間は、矢印Gで示す様に、反時計周りに回動する。
【0043】
こうして、図9に示す様に、横架材Wを90度横転させる。そして、図10に示す様に、油圧シリンダCYL21,CYL22を駆動してキャタピラ式コンベア20の先端を起きあがらせて横転状態の横架材Wを木材横転装置1から受け取る。
【0044】
こうして横架材Wの横転及び受け渡しが完了したら、木材横転装置1の油圧シリンダCYL31,CYL32を駆動して剛性枠62を初期状態の先端下がりの位置へと下降させる。このとき、剛性枠62は反時計周りに回動しつつ全体として元側に揺動するので、L字形受け台70は横架材Wから離間しつつ下方へと回動し、干渉を避けることができている。こうして剛性枠62を初期状態へと戻したら、横転モータMT30を逆転させてL字形受け台70を初期状態へと復帰させる。なお、同じ方向へさらに180度回転させてもよい。
【0045】
そして、横送りモータMT20を回転させ、横転させた横架材Wを横送りによって排出する。この際、印字面は下になっていないから、横送りによって擦れて見えなくなるといったことがない。
【0046】
以上説明した様に、本実施例によれば、剛性枠62の先端を上方に回動させるとき、剛性枠62は全体として先端方向へと揺動する。これによってローラ式コンベア10の上に載っている横架材Wを後方から回り込む様にしてL字形受け台70で掬い上げることができる。
【0047】
また、横転モータMT30を駆動してクランクアーム85を回転させてコネクションロッド86を後退させると、第1リンク部材74がL字形プレート73の屈曲部を前方へ移動させつつL字形受け台70の全体を後方へと倒す。これにより、横架材Wの下側角部をL字の屈曲部に密着させつつ横転させることができる。
【0048】
なお、L字形受け台70においては、加工対象となり得る最大寸法の横架材の材幅と同程度の寸法を有する水平側プレート71と、最大寸法の横架材の材成の1/2よりも大きい高さを有する垂直側プレート72とを備えさせているので、横転動作中における横架材Wの重心は常に、受け台のL字の谷部の中にあり、横転動作中に重心バランスを失うこともない。
【0049】
これらの作用により、横転の際の動作速度を速めることが可能となる。また、剛性枠62を、その中程と前端(元側端)とを揺動可能に吊り下げて支持する構成を採用したので、剛性枠62を待機状態へと復帰させる際における干渉も回避することができている。
【0050】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例に限られることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々の態様にて実施することができる。
【0051】
例えば、木材横転装置1を駆動する前に、キャタピラ式コンベア20でローラ式コンベア10上の木材を掬い上げた後に木材横転装置1を駆動する様にしても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0052】
木造住宅用の木材プレカット工場において利用することができる。
【符号の説明】
【0053】
1・・・木材横転装置、10・・・ローラ式コンベア、11〜16・・・ローラユニット、20・・・キャタピラ式コンベア、21〜25・・・キャタピラユニット、26・・・連結ロッド、27・・・スプロケット、28・・・駆動軸、31〜35・・・横転ユニット、36・・・角形フレーム、40・・・フレーム体、41・・・前後ベースフレーム、42・・・門型コラム、43・・・前端フレーム、44・・・左右ベースフレーム、51・・・回動用ブラケット、52・・・昇降用前側ブラケット、53・・・昇降用後側ブラケット、54・・・上部リンクバー、56・・・下側揺動部材、57・・・下部リンクバー、58・・・ラックバー、59・・・ピニオン軸、59a・・・ピニオンギヤ、60・・・本体、61・・・側板、62・・・剛性枠、63・・・H字形揺動部材、70・・・L字形受け台、71・・・水平側プレート、72・・・垂直側プレート、73・・・L字形プレート、74・・・第1リンク部材、75・・・第2リンク部材、76・・・第3リンク部材、77・・・第4リンク部材、77a・・・窓、81・・・駆動軸、82・・・駆動ギヤ、83・・・チェーン、84・・・従動ギヤ、85・・・クランクアーム、86・・・コネクションロッド、CYL21,CYL22・・・油圧シリンダ、CYL31,CYL32・・・油圧シリンダ、MT20・・・横送りモータ、MT30・・・横転モータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10