(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
本実施形態の説明において示す方向は、特に断りのない限り、遊技者が遊技機10に正対して視たときの方向、すなわち図に示す遊技機10の正面図における方向とする。
また、以下の説明においては、特に断りのない限り、遊技機10には電源が投入され正常に動作していることを前提として説明する。
【0012】
<遊技機10の概要>
まず、本発明を実施する遊技機10の概要について、
図1、
図2、
図5、
図6を用いて説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図2は、
図1において破線で囲って示す手元領域IIの斜視図である。
図5は、遊技機10の電気構成を示す図である。
図6は、遊技機10の機能ブロック図である。
【0013】
遊技機10は、内部抽選手段、フラグ設定手段、停止操作検出手段、操作報知手段、前兆演出実行手段及び演出表示制御手段を備えており、図柄変動ゲームを実行する。
ここで、図柄変動ゲームとは、停止表示させた図柄の組合せによって遊技者にとって有利な特典の有無を報知する遊技であり、繰り返し実行され得る。図柄変動ゲームでは、例えば、リール65を回動させることによってリール65に表されている複数とおりの図柄を変動表示し、回動しているリール65を停止させることによって図柄の組合せを停止表示する。リール65は、
図1に示される、リール65L、リール65C及びリール65Rのことである。
【0014】
内部抽選手段は内部抽選部120に相当する(
図6参照)。内部抽選手段は、図柄変動ゲームにおいて成立しうる入賞役またはボーナス役を抽選する。内部抽選手段は、例えば、内部抽選用乱数に応じて、入賞役またはボーナス役を内部的に抽選する。内部抽選用乱数は、所定範囲(例えば、0から65535)の中からランダムに得られる数値である。
【0015】
入賞役とは、特定の図柄の組み合わせに対応し、入賞又は再遊技の特典を遊技者に付与する。入賞とは、メダルを獲得するために必要な特定の図柄の組合せが表示されることである。また、メダルとは、図柄変動ゲームを実行するために用いられる遊技媒体である。再遊技とは、メダルを投入せずに図柄変動ゲームを実行できる遊技状態である。
ボーナス役とは、ボーナス遊技の特典を遊技者に付与する役物または役物連続作動装置である。ボーナス遊技とは、第一種特別役物、第二種特別役物、またいずれかの特別役物に係る連続役物作動装置のいずれかが作動している遊技状態であり、通常の遊技状態に比べて入賞の確率が高くなる。
【0016】
フラグ設定手段はフラグ設定部130に相当する(
図6参照)。フラグ設定手段は、内部抽選手段による抽選において抽選された入賞役またはボーナス役に対応する当選フラグを設定する。当選フラグは、入賞役またはボーナス役に当選しているか否かを示すフラグである。当選フラグは、入賞役用及びボーナス役用に別々に設けられてもよいし、共用されてもよい。フラグ設定手段は、内部抽選手段による抽選で入賞役が当選した場合には、入賞役に当選したことを示す状態となるように当選フラグを設定する。フラグ設定手段は、ボーナス役が当選した場合には、ボーナス役に当選したことを示す状態となるように当選フラグを設定する。
【0017】
停止操作検知手段は、ストップボタン27及びストップボタン基板43に相当する(
図2及び
図5参照)。停止操作検知手段は、図柄変動ゲームにおいて図柄の組合せを停止表示させる契機になる停止操作を検知する。ストップボタン27は、
図2に示される、ストップボタン27L、ストップボタン27C、ストップボタン27Rのことである。ストップボタン27は、リール65ごとに対応してそれぞれ設けられ、遊技者の停止操作を受け付ける。ストップボタン基板43は、複数のストップボタン27の各々について、遊技者の停止操作が行われたか否かを検知することができる。
【0018】
操作報知手段は、演出表示装置63、スピーカ49、装飾LED36などを含む、いずれか一つ以上の出力装置に相当する(
図1及び
図6参照)。操作報知手段は、対応する図柄の組合せが停止表示可能となる条件として特定の停止操作が規定されている入賞役である操作規定役が上述の内部抽選部120によって抽選された場合の少なくとも一部において、抽選された操作規定役に対応する特定の停止操作を報知する。
操作規定役の例として、後段では、順押し転落リプレイ、中押し転落リプレイ、右押し転落リプレイ、順押しベル、中押しベル、右押しベルが挙げられている。この例では、順押し転落リプレイ及び順押しベルに対応する特定の停止操作は、リール65Lを最初に停止させる操作である。順押し転落リプレイに対応する図柄の組合せは、
図8(a)に例示されるものを含む。順押しベルに対応する図柄の組合せは、
図9(a)に例示されるものを含む。
但し、操作規定役に対応する特定の停止操作は、操作規定役に対応する図柄の組合せが停止表示可能となる条件とされれば、その具体的操作内容は制限されない。当該特定の停止操作は、例えば、各リール65を特定の順番で停止させる操作、特定の図柄を停止表示させる操作、特定のタイミングで行われる停止操作などである。各リール65を停止させる特定の順番は、最初、二番目又は最後に停止させるリール65のみが決められたものであってもよいし、全てのリール65の停止順が決められたものであってもよい。
また、操作報知手段による特定の停止操作の報知は、操作規定役が抽選された場合には必ず実行されてもよいし、操作規定役が抽選されかつ或る条件を満たした場合のみに実行されてもよい。
【0019】
ここで、「特定の停止操作を報知する」とは、遊技者に特定の停止操作をさせるようにアシストする(ナビゲートする)ことである。
例えば、操作報知手段が演出表示装置63として実現されている場合、演出表示領域62への表示出力により特定の停止操作が報知される。例えば、その表示出力は、リール65の停止順またはストップボタン27の押下順の提示、「7を狙え」といった停止表示させるべき図柄の組合せの提示、停止操作を行うべきタイミングの提示などである。
また、操作報知手段がスピーカ49として実現されている場合、音声出力により特定の停止操作が報知される。また、操作報知手段が装飾LED36として実現されている場合には、停止操作すべきストップボタン27を指し示すようなLED発光、停止操作すべきタイミングでのLED発光などにより特定の停止操作が報知される。
但し、特定の停止操作のアシストを行うことができれば、操作報知手段の実現形態は制限されない。
【0020】
前兆演出実行手段は、演出表示装置63、スピーカ49、装飾LED36などを含む、いずれか一つ以上の出力装置に相当する(
図1及び
図6参照)。前兆演出実行手段は、操作報知手段と同一の出力装置で実現されてもよいし、操作報知手段とは異なる出力装置で実現されてもよい。
前兆演出実行手段は、ボーナス役に対応する当選フラグであるボーナスフラグの設定を示唆する前兆演出を1以上の図柄変動ゲームに亘って実行する。
前兆演出実行手段が演出表示装置63として実現されている場合、表示出力により前兆演出が実行される。また、操作報知手段がスピーカ49として実現されている場合、音声出力により前兆演出が実行される。操作報知手段が装飾LED36として実現されている場合には、LED発光により前兆演出が実行される。
前兆演出実行手段により実行される前兆演出は、ボーナスフラグの設定を示唆する演出であれば、その演出内容は、制限されない。前兆演出は、ボーナスフラグの設定事実によらず実行され得る。また、前兆演出は、一つの図柄変動ゲーム内の任意の一部の期間のみで実行されてもよいし、複数の図柄変動ゲームを跨って実行されてもよい。
【0021】
演出表示制御手段は、サブ統括部210及び演出表示部220に相当する(
図6参照)。
演出表示制御手段は、前兆演出が実行される図柄変動ゲームにおいて操作報知手段が上述の特定の停止操作を報知した場合であって、その報知された特定の停止操作とは異なる停止操作を停止操作検知手段が検知した場合に、上述の前兆演出の実行期間を短縮し、ボーナスフラグが設定されているか否かに応じて、第一演出画面または第二演出画面を演出表示領域(演出表示装置63の演出表示領域62)に表示させる。
第一演出画面は、ボーナスフラグが設定されていることを報知する画面である。第一演出画面は、例えば、後述するボーナス告知画面である。
一方で、第二演出画面は、ボーナスフラグが設定されていないことを示唆する画面である。第二演出画面は、ボーナスフラグが未設定であることを遊技者が察知する可能性が少しでもある画面であればよい。ここでは、第二演出画面から遊技者がボーナスフラグ未設定を実際に察知するか否かについては問題視されない。第二演出画面は、例えば、後述する通常ステージ画面である。
ここで、前兆演出の実行期間の短縮とは、報知された停止操作とは異なる停止操作が検知されない場合、即ち、遊技者が報知された停止操作に従って停止操作を行っている場合に、実行される予定であった期間よりも短くすることである。前兆演出の実行期間の短縮は、遊技者が報知された停止操作に従って停止操作を行っている場合に実行される予定であった図柄変動ゲームの回数からの回数削減で実現することもできるし、報知された特定の停止操作とは異なる停止操作が検知された図柄変動ゲーム内での実行時間の短縮でも実現することができる。前兆演出の短縮は、例えば、前兆演出の中断、短縮された前兆演出パターンへの切り替えなどで実現することができる。
第一演出画面及び第二演出画面は、前兆演出の途中又は終了時に前兆演出の一環として表示されてもよいし、前兆演出の短縮終了後に表示されてもよい。即ち、第一演出画面又は第二演出画面を表示させた後に、短縮された前兆演出が継続されてもよい。
【0022】
上述のように、遊技機10に係る上述の構成では、前兆演出が実行される図柄変動ゲームにおいて、操作規定役が抽選された場合、その操作規定役に対応する特定の停止操作が報知される場合がある。そのような場合であって、遊技者が報知される停止操作に従わず、その停止操作とは異なる停止操作を行った場合には、前兆演出の実行期間が短縮され、かつ、ボーナスフラグが設定されているか否かに応じて、演出画面が変わる。
これにより、遊技者は、前兆演出の実行中に特定の停止操作が報知された場合に、敢えて報知された停止操作とは異なる停止操作をすることで、報知に従って停止操作をしていた場合よりも早く、ボーナスフラグが設定されているか否かを察知することができる。逆に言えば、遊技者は、報知された停止操作に従った停止操作をすることにより、報知に従わない場合よりも長く前兆演出を楽しむことができる。即ち、上述の構成によれば、ボーナス遊技の前兆演出の実行中に、遊技者のニーズに合わせてボーナスフラグの察知を早めることができる。
【0023】
以上に述べた本発明の実施に関する遊技機10を更に詳細に説明するため、以下に、遊技機10の構造、電気構成、機能構成、処理フロー等について、具体例を挙げて説明する。
【0024】
<遊技機10の構造について>
遊技機10の構造について、
図1から
図4を用いて説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図2は、
図1において破線で囲って示す手元領域IIの斜視図である。
図3は、前面扉20の裏面を示す図である。
図4は、前面扉20を除いた遊技機10を示す図である。
【0025】
遊技機10は、前面を開口した直方体状の外枠90と、外枠90の左縁側に対して回動開閉可能に軸支された前面扉20と遊技機本体部60と、を備えている。
より具体的には、外枠90の左縁側には三つのヒンジ部96(96a、96b、96c)が設けられており、上段ヒンジ部96aと下段ヒンジ部96cによって前面扉20が軸支され、上段ヒンジ部96aと中段ヒンジ部96bによって遊技機本体部60が軸支されている。
【0026】
前面扉20の前面側には、
図1または
図2に示すように、上部パネル21と、下部パネル22と、ベットボタン23と、メニュー選択ボタン24と、状態表示LED25と、スタートレバー26と、ストップボタン27と、メダル投入口31と、精算ボタン32と、メダル返却ボタン33と、ドアキー34と、メダル排出口35と、装飾LED36と、下皿37と、スピーカ口38と、が設けられている。
また、前面扉20の裏面側には、
図3に示すように、装飾LED基板41と、状態表示LED基板42と、ストップボタン基板43と、スタートレバーセンサ44と、ベットボタン基板45と、メニュー選択ボタン基板46と、メダルセレクタ47と、設定変更装置48と、スピーカ49と、投入メダル通路51と、払出メダル通路52と、返却メダル通路53と、が設けられている。
また、前面扉20の他にも
図4に示すように、遊技機10は、遊技機本体部60と、電源装置91と、メダル収納庫93と、メダル補助収納庫95と、を備えている。
【0027】
前面扉20を開扉するためには、ドアキー34に所定のキーを差し込んで、前面扉20と外枠90とをロックさせるロック機構(図示せず)を解除する必要がある。
前面扉20を開扉すると、
図4に示すように、遊技機本体部60の下方に電源装置91が備えられている。電源装置91は、遊技機10の各構成要素に対して電力供給するための装置であり、電源スイッチ92の操作によって起動または停止が制御される。
遊技者は、遊技機10の遊技に興じる際には、電源スイッチ92を操作して電源装置91を起動する必要がある。なお、遊技機本体部60は、電源装置91からの電力供給がオフになっても、オフ時に実行していた遊技状態を維持する機能を有していることが好ましい。ボーナス遊技のように遊技者に有利な展開で遊技が進行している最中に電力供給が停止した場合等に、遊技者を失望させないためである。
【0028】
また、開扉した前面扉20の裏面側には設定変更装置48が設けられている。設定変更装置48は、遊技設定値を設定するための装置であり、設定キースイッチ48aと設定変更スイッチ48bと設定表示LED48cと設定キーカバー48dとを含む。設定キースイッチ48aは、所定のキーを差し込んで操作することによって設定変更装置48を操作可能にすることができる。なお、設定キースイッチ48aに差し込む所定のキーは、ドアキー34に差し込む所定のキーとは同一であってもよいし、異なるキーであってもよい。設定変更スイッチ48bは、設定キースイッチ48aに所定のキーを差し込んだ状態において操作可能なスイッチであって、押下することによって遊技設定値を変更することができる。設定表示LED48cは、設定された遊技設定値を表示するためのLEDであり、本実施形態では7セグメントディスプレイになっている。設定キーカバー48dは、設定キースイッチ48aを覆うカバーであり、これをスライドさせて設定キースイッチ48aを開放することによって、設定キースイッチ48aに所定のキーを差し込むことが可能になる。なお、
図3では、設定キーカバー48dが設定キースイッチ48aを覆っている状態を図示している。
ここで遊技設定値とは、遊技者にとって有利な特典(ボーナス遊技等)の付与されやすさを示す値であり、高い値ほど特典が付与されやすく、低い値ほど特典が付与されにくい。なお、遊技者は、遊技機10による遊技を開始する事前に、設定変更装置48を操作して遊技設定値を設定することが好ましい。遊技設定値を変更すると一般的に遊技状態がリセットされてしまうからである。
【0029】
前面扉20は、上部パネル21と下部パネル22とを前面側に有している。
上部パネル21は透明部材で形成されているので、遊技機10の前方に位置する遊技者は、上部パネル21の裏面側に配置されている遊技機本体部60を上部パネル21越しに視認することができる。
また、下部パネル22は、その表面に遊技機10の機種名や機種に関するキャラクター等が表記されており、後方に設置されたバックライト(図示せず)の点灯によって表記された機種名等が視認しやすくなる。
【0030】
遊技機本体部60は、遊技機10によって実行される遊技を制御する主要な構成要素を含んでいる。また、遊技機本体部60は、
図4に図示するとおり、その前面上部に演出表示領域62が形成されており、その前面下部に視認窓64が形成されている。
演出表示領域62は、遊技機本体部60に内蔵された演出表示装置63の表示画面であり、遊技機10の遊技に関する各種演出または各種情報を表示することができる。なお、当該演出表示装置63としては、例えば、液晶ディスプレイ型の表示装置やドットマトリクス型の表示装置などを採用することができる。演出表示領域62に表示される演出は、スピーカ49からの音声出力や装飾LED36の発光と連動しており、遊技者の興趣を好適に喚起させることができる。なお、演出表示装置63の構成によっては、演出表示領域62はタッチパネルであってもよく、遊技者による操作を受け付ける手段として機能してもよい。
視認窓64は、遊技機本体部60に内蔵された複数のリール65(65L、65C、65R)の前面側に形成された窓枠で、内部領域と外部領域とに区画されている。視認窓64の内部領域は空洞または透明部材によって形成されており、当該内部領域を介して各リール65の一部が視認可能になっている。また、視認窓64の外部領域は不透明部材(半透明部材や透明部材を着色した部材を含む)で形成されており、当該外部領域を介したリール65の視認を困難としている。
【0031】
リール65は、リール65L、リール65Cおよびリール65Rから構成されており、スタートレバー26に対する遊技者の操作(スタートレバー26がオン状態である旨の検知)に起因して回動を開始する。このとき、前回の図柄変動ゲームにおけるリール65の回動開始時から当該図柄変動ゲームにおけるリール65の回動開始時までの時間が所定の遅延時間、いわゆるウェイト時間を超えていることを要する。すなわち、ウェイト時間が経過する前にスタートレバー26が遊技者の操作を受け付けた場合、ウェイト時間が経過するまで待機した後にリール65は回動を開始する。なお、本実施形態におけるウェイト時間は4.1秒に設定されている。
なお、本実施形態における各リール65が回動している場合、原則としてリール65は上から下へと回動する。本明細書において、リールにおける上から下への回動を「順方向」、下から上への回動を「逆方向」と称する。
【0032】
本実施形態における図柄変動ゲームでは、リール65を回動させることによってリール65に表されている複数とおりの図柄を変動表示し、回動しているリール65を停止させることによって図柄の組合せを停止表示する。
図柄変動ゲームによって報知されうる特典には、入賞、再遊技、またはボーナス遊技等の有利遊技状態が含まれる。ボーナス遊技以外の有利遊技状態としては、後に詳述するアシストタイム(AT)、リプレイタイム(RT)、アシストリプレイタイム(ART)が挙げられる。
【0033】
リール65の回動制御は、リールセンサ66を用いて実行される。リールセンサ66は、リール65の回動量を検知するセンサである。ここで回動量とは、所定位置を基準とするリール65の回転角度である。
リールセンサ66は各リール65に一つずつ設けられている。具体的には、リール65Lに対してリールセンサ66Lが、リール65Cに対してリールセンサ66Cが、リール65Rに対してリールセンサ66Rが、設けられている。
なお、リール65の回動制御については、後に詳述する。
【0034】
リール65の内部には、リール照明基板67(67L、67C、67R)が設けられており、リール照明基板67に搭載されているLEDの点灯によってリール65に表している各図柄の視認を容易にしている。すなわち、リール照明基板67に搭載されているLEDは、リール65による図柄表示のバックライトとして機能している。
【0035】
スタートレバー26は、図柄変動ゲームにおける変動表示を開始させるための契機として、遊技者の操作を受け付けることができる。スタートレバー26に対する遊技者の操作とは、具体的には初期状態において前面扉20に対して略垂直に設けられているスタートレバー26をいずれかの方向に倒すことである。
スタートレバーセンサ44は、スタートレバー26がオン状態であるかオフ状態であるかを検知することができる。より具体的には、スタートレバーセンサ44は、前面扉20に対して略垂直であるスタートレバー26をオフ状態として検知し、いずれかの方向に倒されているスタートレバー26をオン状態として検知する。
【0036】
遊技不能である場合、スタートレバー26が遊技者の操作を受け付けたとしても図柄変動ゲームは開始されない。
ここで遊技不能である場合としては、(i)前面扉20が開扉している場合、(ii)メダル収納庫93の中にメダルが無い場合、(iii)貯留されているクレジットに相当するメダルを、精算ボタン32の押下に起因してメダル排出口35からメダルを排出する処理が行われている場合、等が挙げられる。
【0037】
また、本実施形態において、メダルが所定の投入枚数に達していない場合には、スタートレバー26が遊技者の操作を受け付けたとしても図柄変動ゲームが開始されない。所定の投入枚数に到達させるためには、以下の操作または処理の少なくとも一つ、または複数の組合せが必要である。
(i)メダル投入口31からメダルを投入して投入枚数を増やす。
(ii)遊技機10に貯留されているメダルを表すクレジットをベットボタン23の押下によって減算させて投入枚数を増やす。
(iii)前回の図柄変動ゲームにおいてリプレイが停止表示された場合、当該図柄変動ゲームにおいて再遊技処理が実行されて投入枚数が増える。この場合、遊技者が(i)や(ii)の操作を行わずとも、自動的に当該図柄変動ゲームにおける投入枚数が前回の図柄変動ゲームの投入枚数になる。
【0038】
ここでメダルの貯留とは、遊技者の所有するメダルの一部または全部に代えて、その数に相当する数値(クレジット)を遊技機10の内部で記憶する機能をいう。メダルが貯留される(クレジットが増大する)場合は、例えば(i)所定の投入枚数を超えてメダル投入口からメダルが投入された場合、(ii)図柄変動ゲームにおいて入賞し、当該入賞の特典としてメダルを獲得した場合、等が挙げられる。
【0039】
上記のメダル投入口31の裏面側には、メダルセレクタ本体47aとメダルブロッカ47bとメダル通過センサ47cとを含むメダルセレクタ47が設けられており、メダル投入口31から投入されたメダルはメダルセレクタ47によって受付可能なメダルと受付不能なメダルとに選別される。
例えば、待機状態(電源が投入されているが図柄変動ゲームが実行されていない状態)である場合等はメダル受付可能であるため、メダルセレクタ本体47aはソレノイドを有するメダルブロッカ47bを作動させる。メダルブロッカ47bが作動すると、投入メダル通路51の中途に突起部(図示せず)が埋没するので、投入メダル通路51はメダル通過を許容する状態になる。このとき、メダル投入口31からメダルが投入されると、当該メダルは投入メダル通路51に流下し、投入メダル通路51の中途に設けられているメダル通過センサ47cによって検知され、収納メダル通路54を通過してメダル収納庫93の中に収納される。
また、図柄変動ゲームの実行中やクレジットが上限値に達した場合等は、メダル受付不能であるため、メダルセレクタ本体47aはメダルブロッカ47bの作動を停止させる。メダルブロッカ47bの作動が停止されると、投入メダル通路51の中途に突起部(図示せず)が突出してメダルの通過を阻害するので、投入されたメダルは投入メダル通路51の中途であって、かつメダル通過センサ47cに検知されない位置に滞留する。投入メダル通路51に滞留しているメダルは、自重によりまたはメダル返却ボタン33の操作により返却メダル通路53に落下してメダル排出口35を経由して下皿37に排出される。
【0040】
また、クレジットの上限値を超えてメダルが付与された場合、付与されたメダル数に相当するメダルがメダル収納庫93からメダル排出口35を経由して下皿37に排出される。
【0041】
上記のベットボタン23として、遊技機10はベットボタン基板45に搭載されている最大ベットボタン23aと単一ベットボタン23bとを有している。最大ベットボタン23aは1回の押下でクレジットを最大で3つ減算して投入枚数を増やすことができ、単一ベットボタン23bは1回の押下でクレジットを1つ減算して投入枚数を増やすことができる。また、ベットボタン23を押下しても、その図柄変動ゲームにおけるクレジットの減算値が所定の投入枚数に達している場合には、それを超えてクレジットを減算させることはできない。
また、ベットボタン基板45には最大ベットボタン23aと単一ベットボタン23bが押下された旨を検知するセンサ(図示せず)が、それぞれに対して設けられており、このセンサの検知に応じて上記の処理が行われる。
【0042】
また、遊技機10は、上記のベットボタン23の左側に、メニュー選択ボタン24を備える。メニュー選択ボタン24は、メニュー選択ボタン基板46に搭載されている十字キーボタン24aと十字キーボタン24aの中央に位置する決定ボタン24bによって構成されている。
ここでメニューとは、演出表示領域62に表示される遊技機10の操作方法や遊技の解説情報等を示す画面をいい、遊技者はメニュー選択ボタン24を操作することによって当該画面を閲覧することができる。例えば、待機状態において決定ボタン24bを押下すると、メニューの一覧とカーソルが演出表示領域62に表示される。遊技者が十字キーボタン24aを操作することによって任意のメニューを示す位置までカーソルを移動し、カーソルがいずれかのメニュー示している場合に遊技者が決定ボタン24bを押下すると当該メニューが演出表示領域62に表示される。
【0043】
また、遊技機10は、上記のベットボタン23の右側に、投入されたメダル数や貯留されているメダル数等を表示する状態表示LED25を備える。状態表示LED25は、状態表示LED基板42に搭載されている複数のLEDまたは7セグメントディスプレイによって構成されている。
状態表示LED25のうち投入枚数表示LED25aは、3つのLEDによって構成されており、投入枚数が一枚増えるごとに、点灯するLEDの数が一つずつ増える。
状態表示LED25のうち貯留枚数表示LED25bは、7セグメントディスプレイによって構成されており、貯留されているメダルの数(クレジット)を数字で表す。
状態表示LED25のうち獲得枚数表示LED25cは、7セグメントディスプレイによって構成されており、入賞によって獲得したメダルの数を数字で表す。
状態表示LED25のうち再遊技表示LED25dは、1つのLEDによって構成されており、前回の図柄変動ゲームにおいてリプレイが停止表示された次の図柄変動ゲームにおいて点灯する。
状態表示LED25のうち遊技開始表示LED25eは、1つのLEDによって構成されており、当該LEDの点灯によって図柄変動ゲームの開始可能条件が成立している旨を表す。
状態表示LED25のうち投入可能表示LED25fは、1つのLEDによって構成されており、当該LEDの点灯によってメダルの投入が可能である旨を表す。
【0044】
ストップボタン27は、回動しているリール65が停止するための契機となる遊技者の操作を、遊技者から受け付ける。なお、ストップボタン27は、リール65が回動を開始した後に成立する停止可能条件を契機として、停止操作を受け付けることができる。
ストップボタン27に対する遊技者の操作とは、具体的にはストップボタン27を押下することである。また、ここで停止可能条件とは図柄変動ゲームにおける停止表示を実行するための前提条件であり、具体的には、すべてのリール65(65L、65C、65R)の速度が所定速度に到達している場合に停止可能条件が成立する。
【0045】
複数のストップボタン27(27L、27C、27R)は、ストップボタン基板43に搭載されており、各リール65に対して一つずつ設けられている。具体的には、ストップボタン27Lは、リール65Lを停止させるための停止操作を受け付ける。ストップボタン27Cは、リール65Cを停止させるための停止操作を受け付ける。ストップボタン27Rは、リール65Rを停止させるための停止操作を受け付ける。
また、ストップボタン基板43には、ストップボタン27L、ストップボタン27C、ストップボタン27Rが押下された旨を検知するセンサ(図示せず)が、それぞれに対して設けられており、このセンサの検知に応じて各リール65の停止制御が行われる。
ここで挙げたストップボタン27は遊技者の任意の順番で押すことも可能であるが、所定の押し順でストップボタン27を押下しないとペナルティが課される場合もありうる。
【0046】
すべてのストップボタン27について停止可能条件が一旦は同時に成立するが、一のストップボタン27を押下すると所定の時間だけ停止可能条件が解除され、他のストップボタン27の停止操作を受け付けなくなる。そして、当該時間が経過した後に他のストップボタン27に対して再び停止可能条件が成立し、他のストップボタン27の停止操作を受け付けることが可能となる。このとき、停止操作受付済みの一のストップボタン27については停止可能条件が成立しない。
停止可能条件は以上のように成立するので、遊技者はストップボタン27の停止操作を当該時間未満の間隔で行えない。
なお、本実施形態におけるストップボタン27は、LEDランプ(図示せず)を内包し、その周囲を透過性の部材で覆う構成となっている。そして、ストップボタン27は、LEDランプの点灯色で停止可能条件の成立の可否を遊技者に報知する仕様となっている。
【0047】
ストップボタン27で受け付けた停止操作に起因して、当該停止操作を受け付けたストップボタン27に対応するリール65が停止する。リール65の停止位置は、ストップボタン27の押下時におけるリール65の位置を基準として最大4コマまで移動しうる。ストップボタン27を押下してからリール65が停止するまでの制御を、一般的にはすべり制御という。
ここでコマとは、リール65の外周に示されている図柄の一つに対して与えられている領域であり、一つの当該領域または一つの当該領域の上下方向の寸法をいう。本実施形態において、リール65の外周は21コマに等分されており、各コマにそれぞれ一つずつ図柄が配列されている。
なお、本実施形態においてリール65の停止とは、所定のコマを基準に1コマ未満の変動幅でリール65が揺動している状態も含むものとする。
【0048】
視認窓64の内部領域は縦方向に3コマ分の寸法となっている。また、各リール65は視認窓64の内部領域の縦方向に3個の図柄が収まるように停止制御され、遊技者は当該3個の図柄を視認窓64の内部領域を介して視認できるようになっている。すなわち、リール65が横方向に3つ配置されているので、各リール65が停止している場合において、遊技者が3個の図柄×3リール=9個の図柄を視認可能になっている。
【0049】
上述のように各リール65が停止制御されるとき、各リール65において停止する図柄のうち上段・中段・下段に停止する図柄が形成する略直線(
図1において一点鎖線で示す)をそれぞれラインL1・ラインL2・ラインL3と称す。
また、リール65Lの上段と、リール65Cの中段と、リール65Rの下段に停止する図柄が形成する略直線(
図1において一点鎖線で示す)をラインL4と称す。リール65Lの下段と、リール65Cの中段と、リール65Rの上段に停止する図柄が形成する略直線(
図1において一点鎖線で示す)をラインL5と称す。
【0050】
各リール65の回動中(図柄変動ゲームの実行中)は、遊技者の関心を惹きつけて遊技興趣を喚起させるため、演出表示領域62に表示される画像、スピーカ49から出力される音声または装飾LED36の点灯や滅灯等によって構成される多様な演出が実行される。
【0051】
各スピーカ49の前方にはスピーカ口38が設けられている。より具体的には、遊技機の正面から見て右上(
図3においては左上)に位置するスピーカ49aの前方にはスピーカ口38aが設けられている。遊技機の正面から見て左上(
図3においては右上)に位置するスピーカ49bの前方にはスピーカ口38bが設けられている。遊技機の正面から見て左下(
図3においては右下)に位置するスピーカ49cの前方にはスピーカ口38cが設けられている。遊技機の正面から見て右下(
図3においては左下)に位置するスピーカ49dの前方にはスピーカ口38dが設けられている。
各スピーカ口38には多数の空洞が設けられており、スピーカ49から出力される音声を適切に出力することができる。
【0052】
装飾LED36は、演出表示領域62または視認窓64を囲うような配置で配置されている。より具体的には、演出表示領域62の右上側には、装飾LED基板41aに搭載されている装飾LED36aと装飾LED基板41bに搭載されている装飾LED36bとが配置されている。また、演出表示領域62の右下側には、装飾LED基板41cに搭載されている装飾LED36cが配置されている。また、視認窓64の右下側には、装飾LED基板41dに搭載されている装飾LED36dが配置されている。また、視認窓64の左下側には、装飾LED基板41eに搭載されている装飾LED36eが配置されている。また、演出表示領域62の左下側には、装飾LED基板41fに搭載されている装飾LED36fが配置されている。また、演出表示領域62の左上側には、装飾LED基板41gに搭載されている装飾LED36gと装飾LED基板41hに搭載されている装飾LED36hとが配置されている。
各装飾LED36は、単色で点灯してもよいし、複数色で点灯可能であってもよい。
【0053】
図柄変動ゲームの結果として入賞に対応する図柄の組合せが所定の有効ラインに停止表示された場合、当該入賞に対して規定されている枚数のメダルが付与される。ここで有効ラインとは、図柄変動ゲームの結果である特典の有無に係る図柄の組合せが停止表示される位置である。本実施形態における有効ラインは、上述のラインL2(リール65Lの中段とリール65Cの中段とリール65Rの中段)のみである。すなわち、本実施形態における図柄変動ゲームにおいてラインL2を除く他のラインに停止表示される図柄の組合せは特典の有無を表すものではない。
なお、当然ながら、有効ラインには、入賞に対応する図柄の組合せのみならず、上述の再遊技やボーナス遊技に対応する図柄の組合せも停止表示されうる。
【0054】
遊技機10は、付与されたメダルの払出処理の実行中にクレジットが上限値に達した場合、上限値を超える分に相当する枚数のメダルをメダル収納庫93から払い出す。また、遊技機10は、精算ボタン32を押下した場合、押下した時点におけるクレジットに相当する枚数のメダルをメダル収納庫93から払い出す。
メダル収納庫93に収容されているメダルを払い出す処理は、メダル収納庫93に内蔵されている払出機構(図示せず)によって実行される。より具体的には、払出機構は、メダル収納庫93に収容されているメダルから払出枚数分のメダルを取得し、メダル払出口94から払出メダル通路52に向けて排出させる。払出メダル通路52に排出されたメダルは、メダル排出口35を経由して下皿37に排出される。
【0055】
なお、メダル収納庫93からメダルが溢れ出すことを防止するため、メダル収納庫93の脇にはメダル収納庫93に収容されているメダルの一部が流下するメダル補助収納庫95が設けられている。
また、メダル補助収納庫95に収容されているメダルが所定以上に達することを検知する収納庫エラーセンサ(図示せず)が設けられており、この検知に応じて遊技機10はメダル収納庫93やメダル補助収納庫95に収容されているメダルを回収するように促すエラーを報知する。このエラーの報知のために、上述の演出表示領域62や装飾LED36やスピーカ49が用いられてもよい。
【0056】
<遊技機10の電気構成および機能構成>
次に、本実施形態における遊技機10の電気構成および機能構成について、主に
図5または
図6を用いて説明する。ただし、先に説明した
図1から
図4に図示される構成要素についても言及するので適宜参照されたい。
なお、
図5は、遊技機10の電気構成を示す図である。また、
図6は、遊技機10の機能ブロック図である。
【0057】
遊技機10は、主要な構成要素としてメイン基板100とサブ基板200とを内蔵している。
図5においてメイン基板100またはサブ基板200は単一の電子基板であるかのように図示しているが、必ずしも単一の電子基板である必要はない。すなわち、メイン基板100またはサブ基板200は、複数の電子基板を組み合わせて実現されてもよい。
【0058】
メイン基板100は、各種センサ40から入力された制御情報に基づいて状態表示LED基板42に含まれる各LEDの表示を制御したり、払出制御基板97を制御してメダル収納庫93にメダルを払い出させたり、サブ基板200に出力するコマンドを生成したりする。メイン基板100には、CPU101、ROM102またはRAM103等の電子部品が実装されている。メイン基板100は、これらの電子部品や各種センサ40等の間で授受するデータや制御信号を処理することによって、遊技に関する各種機能を実現している。ここで、各種センサ40には、上述のスタートレバーセンサ44、ストップボタン基板43に搭載されているセンサ(図示せず)、ベットボタン基板45に搭載されているセンサ(図示せず)、メダル通過センサ47c等が含まれる。
サブ基板200は、メイン基板100から入力されたコマンドに基づいて装飾LED基板41、スピーカ49または演出表示装置63等を制御する。サブ基板200も、CPU201、ROM202またはRAM203等の電子部品が実装され、情報処理によって各種機能を実現している点においてはメイン基板100と同様である。
【0059】
メイン基板100によって実現される機能構成には、
図6に示すように、遊技状態制御部110、内部抽選部120、フラグ設定部130、回動制御部140、図柄表示判定部150および指令生成部160が含まれる。
また、サブ基板200によって実現される機能構成には、
図6に示すように、サブ統括部210、演出表示部220、音声出力部230およびLED発光部240が含まれる。
なお、
図6に図示する構成要素は、メイン基板100またはサブ基板200に含まれる機能構成のすべてとは限らず、ここに図示されない機能構成が存在してもよい。
【0060】
遊技状態制御部110(遊技状態制御手段)は、遊技機10によって実行される遊技(図柄変動ゲーム)に係る遊技状態を管理しており、少なくとも以下の処理を実行する。
【0061】
例えば、遊技状態制御部110は、遊技実行が可能であるか否かを監視しており、遊技不能である場合に遊技を停止(中断)させる。ここで遊技不能である場合としては、(i)前面扉20が開扉している場合、(ii)メダル収納庫93の中にメダルが無い場合、(iii)貯留されているクレジットに相当するメダルを、精算ボタン32の押下に起因してメダル排出口35からメダルを排出する処理が行われている場合、等が挙げられる。
【0062】
また、遊技状態制御部110は、クレジットを記憶し、その増減を管理する。
より詳細には、遊技状態制御部110は、最大ベットボタン23aまたは単一ベットボタン23bの押下が検知された場合、記憶しているクレジットから所定の値を減算する。
また、遊技状態制御部110は、停止表示されている図柄の組合せが図柄表示判定部150によって入賞と判定された場合、その入賞の特典として割り当てられているメダル数に相当する値を、記憶しているクレジットに加算する。この加算処理において、記憶しているクレジットが上限値に到達するとき、遊技状態制御部110は、払出制御基板97に働きかけて、超過したメダル数に相当するメダルをメダル収納庫93に払い出させる。また、遊技状態制御部110は、精算ボタン32の押下が検知されたとき、払出制御基板97に働きかけて、記憶しているクレジットに相当するメダルをメダル収納庫93に払い出させる。
【0063】
また、遊技状態制御部110は、状態表示LED基板42に表示される条件、およびストップボタン27に対する停止操作の受付可能条件(上述の停止可能条件)を管理している。ここで、状態表示LED基板42に表示される条件には、メダルの投入枚数、貯留されているメダルの数(クレジット)入賞によって獲得したメダル数、再遊技の有無、図柄変動ゲームの開始可能条件、メダル投入の可能条件が含まれる。
【0064】
また、遊技状態制御部110は、設定変更装置48によって設定される遊技設定値を管理している。遊技設定値は、内部抽選部120によって抽選される入賞役の当選確率、または、サブ基板200によって制御される各種演出の発生確率、等に影響を与える。
【0065】
また、遊技状態制御部110は、通常遊技状態にも、またはボーナス遊技等の遊技者にとって有利な有利遊技状態にも、移行させうる。遊技状態制御部110によって移行されうる有利遊技状態には、第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動している遊技状態、第二種特別役物に係る役物連続作動装置が作動している遊技状態、AT、RT、ARTが行われる遊技状態が含まれる。詳細には後述するが、遊技状態制御部110は、ATに係る遊技状態をATモードの設定値により管理し、RTに係る遊技状態をRTモードの設定値により管理する。
【0066】
内部抽選部120は、スタートレバー26の操作(開始操作)の検知を契機として、予め定められている複数とおりの入賞役またはボーナス役の当否を抽選によって判定する。より詳細には、内部抽選部120は、乱数を取得し、ROM102に予め格納されている抽選テーブル(例えば、
図13及び
図14)を参照して、取得された乱数がいずれの入賞役またはボーナス役に対応付いているかを判定する。
【0067】
本実施形態において、内部抽選部120によって抽選される入賞役及びボーナス役を
図7に例示する。
図7は、本実施形態における入賞役及びボーナス役と、入賞役及びボーナス役に対応するくじ番号とを示す図である。
ここで、くじ番号とは、入賞役及びボーナス役の各々に対応付けられて定められている識別番号である。
また、上位役とはボーナス役(本実施形態ではRBBまたはCBB)に係る当選の有無を示しており、下位役とは入賞役(入賞または再遊技(いわゆる小役))に係る当選の有無を示している。
また、RBBとは本実施形態における第一種特別役物に係る役物連続作動装置を示しており、CBBとは本実施形態における第二種特別役物に係る役物連続作動装置を示している。本実施形態において、第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動している状態をRBB作動状態と表記し、第二種特別役物に係る役物連続作動装置が作動している状態をCBB作動状態と表記する。
例えば、くじ番号「0」は、ボーナス役も小役も非当選である場合に対応している。また、くじ番号「1」は、ボーナス役が非当選であって通常リプレイの当選である場合に対応している。また、くじ番号「13」は、RBBが当選であって小役が非当選である場合に対応している。また、くじ番号「15」は、RBBも通常リプレイも当選である場合に対応している。
このように、本実施形態の遊技機10は、小役にもボーナス役にも同一の図柄変動ゲームで当選しうる(同時抽選しうる)遊技性を実現できる。
【0068】
フラグ設定部130は、内部抽選部120によって抽選された入賞役またはボーナス役が成立しうる旨を示す当選フラグを設定する。ここで入賞役またはボーナス役が成立するとは、内部抽選部120によって抽選された入賞役またはボーナス役に対応している図柄の組合せが、図柄変動ゲームの結果として有効ライン上に停止表示されることをいう。
なお、以下の説明において、内部抽選部120によって抽選された入賞役またはボーナス役に対応する当選フラグが設定されることを「入賞役の当選」または「ボーナス役の当選」と表現する場合があるが、この表現は入賞役またはボーナス役の成立条件の一部である当選フラグの設定が行われており、当該入賞役またはボーナス役の成立が許容されている状態を意味する。
【0069】
回動制御部140は、リールモータ68を駆動することによってリール65の回動を制御する。回動制御部140の制御には、図柄変動ゲームにおける図柄の変動表示および停止表示を制御する場合(通常回動制御)と、フリーズ演出における図柄の変動表示および停止表示を制御する場合(特別回動制御)と、がある。
ここでフリーズ演出とは、少なくとも一つのリール65が回動しているにも関わらず、回動している当該リール65に対応するストップボタン27が遊技者の操作を受け付けない状態をいう。フリーズ演出において行われる図柄の変動表示や停止表示は図柄変動ゲームではなく、フリーズ演出が直接的に図柄変動ゲームの結果に影響をおよぼすことはない。
【0070】
より詳細には、回動制御部140は、図柄の変動表示の実行期間において、各リール65を所定速度で回動させるようにリールモータ68にパルス信号を出力する。リールモータ68は、ステッピングモータであり、回動制御部140が出力するパルス信号を入力することによって、断続的に可変な回動態様で各リール65を回動させることができる。
なお、リール65の回動角度(移動コマ数)は、回動制御部140が出力したパルス信号の長さに比例して増大する。また、リール65の回動速度は、回動制御部140が出力したパルス信号の周波数に比例して増大する。
【0071】
図柄表示判定部150は、図柄変動ゲームにおいて有効ライン上(本実施形態ではラインL2)に停止表示された図柄の組合せが、いずれの入賞役またはボーナス役に対応しているか否かを判定する。
図8から
図11に示す図は、本実施形態における入賞役またはボーナス役に対応している図柄の組合せの一例である。
例えば、
図8(a)は、通常リプレイ(
図7に示すくじ番号「1」)に対応している図柄の組合せの一例であり、ラインL2に三つのリプレイ図柄が停止表示され、特典として再遊技が付与される。
また、
図8(b)は、チャンスリプレイ(
図7に示すくじ番号「2」)に対応している図柄の組合せの一例であり、ラインL2にリプレイ図柄・リプレイ図柄・ベル図柄の順番で停止表示され、特典として再遊技が付与されると共にARTの遊技状態に移行する。
【0072】
図8(c)は、順押し転落リプレイ(
図7に示すくじ番号「3」)、中押し転落リプレイ(
図7に示すくじ番号「4」)または右押し転落リプレイ(
図7に示すくじ番号「5」)に対応している図柄の組合せの一例であり、ラインL2にリプレイ図柄・リプレイ図柄・スイカ図柄が停止表示され、特典として再遊技が付与される。また、
図8(c)の図柄の組合せが停止表示された図柄変動ゲームがアシストタイム(AT)である場合には、アシストタイムから離脱し得る。但し、順押し転落リプレイ、中押し転落リプレイまたは右押し転落リプレイの当選フラグが設定されている場合には、後述するように、第一停止リール(最初に停止するリール65)がどのリールであるかによって、
図8(a)に示す、通常リプレイに対応する図柄の組合せも停止表示されうる。
ここで順押し転落リプレイとは、その当選フラグが設定されており、かつ第一停止リール(最初に停止するリール65)がリール65Cまたはリール65Rである場合に、
図8(c)に示す図柄の組合せが停止表示されうる入賞役(リプレイ役)である。なお、順押し転落リプレイの当選フラグが設定されている場合に第一停止リールがリール65Lであった場合には、通常リプレイに対応している図柄の組合せ(
図8(a)参照)が停止表示され、転落リプレイこぼし役に対応する特典として再遊技が付与される。
ここで中押し転落リプレイとは、その当選フラグが設定されており、かつ第一停止リールがリール65Lまたはリール65Rである場合に、
図8(c)に示す図柄の組合せが停止表示されうる入賞役であり、特典として再遊技が付与されるリプレイ役である。なお、中押し転落リプレイの当選フラグが設定されている場合に第一停止リールがリール65Cであった場合には、通常リプレイに対応している図柄の組合せ(
図8(a)参照)が停止表示され、転落リプレイこぼし役に対応する特典として再遊技が付与される。
ここで右押し転落リプレイとは、その当選フラグが設定されており、かつ第一停止リールがリール65Lまたはリール65Cである場合に、
図8(c)に示す図柄の組合せが停止表示されうる入賞役であり、特典として再遊技が付与されるリプレイ役である。なお、右押し転落リプレイの当選フラグが設定されている場合に第一停止リールがリール65Rであった場合には、通常リプレイに対応している図柄の組合せ(
図8(a)参照)が停止表示され、転落リプレイこぼし役に対応する特典として再遊技が付与される。
ここで、
図8(a)に示す図柄の組合せは、通常リプレイ及び転落リプレイこぼし役に対応する図柄の組合せということもできる。また、以降、順押し転落リプレイ、中押し転落リプレイ及び右押し転落リプレイを総称して転落リプレイと表記する場合もある。
【0073】
図9(a)は、共通ベル(
図7に示すくじ番号「10」)に対応している図柄の組合せの一例であり、ラインL2に三つのベル図柄が停止表示され、特典としてベル役に応じた枚数のメダル(例えば6枚)が付与される。
また、
図9(a)は、順押しベル(
図7に示すくじ番号「7」)、中押しベル(
図7に示すくじ番号「8」)、または右押しベル(
図7に示すくじ番号「9」)に対応している図柄の組合せの一例でもある。より詳細には、
図9(a)は、順押しベルの当選フラグが設定されている図柄変動ゲームにおいて第一停止リールをリール65Lとした場合に停止表示されうる図柄の組合せであり、中押しベルの当選フラグが設定されている図柄変動ゲームにおいて第一停止リールをリール65Cとした場合に停止表示されうる図柄の組合せであり、右押しベルの当選フラグが設定されている図柄変動ゲームにおいて第一停止リールをリール65Rとした場合に停止表示されうる図柄の組合せである。
【0074】
なお、順押しベルの当選フラグが設定されている図柄変動ゲームにおいて第一停止リールをリール65Cまたはリール65Rとした場合、中押しベルの当選フラグが設定されている図柄変動ゲームにおいて第一停止リールをリール65Lまたはリール65Rとした場合、または右押しベルの当選フラグが設定されている図柄変動ゲームにおいて第一停止リールをリール65Lまたはリール65Cとした場合には、
図9(b)に示す図柄の組合せが停止表示され、特典としてベルこぼし役に応じた枚数のメダル(例えば1枚)が付与される。これらの場合には、有効ラインを除くライン(ラインL1)に、三つのベル図柄が揃うように停止表示される。
ここで、
図9(b)に示す図柄の組合せは、言い換えれば、ベルこぼし役に対応する図柄の組合せということもできる。また、以降、順押しベル、中押しベル及び右押しベルは、総称して、押し順ベルと表記する場合もある。
【0075】
図10(a)は、スイカ(
図7に示すくじ番号「11」)に対応している図柄の組合せの一例であり、ラインL4に三つのスイカ図柄が揃うように停止表示される。ただし、本実施形態における有効ラインはラインL2であるため、図柄表示判定部150においては、ラインL2上のベル図柄・スイカ図柄・リプレイ図柄からなる図柄の組合せによってスイカ役の入賞が判定され、特典としてスイカ役に応じた枚数のメダル(例えば10枚)が付与される。
図10(b)は、チェリー(
図7に示すくじ番号「12」)に対応している図柄の組合せの一例であり、リール65Lの下段にチェリー図柄が停止表示される。ただし、本実施形態における有効ラインはラインL2であるため、図柄表示判定部150においては、ラインL2上のBAR図柄・BAR図柄・スイカ図柄からなる図柄の組合せによってチェリー役の入賞が判定され、特典としてチェリー役に応じた枚数のメダル(例えば1枚)が付与される。
【0076】
図11(a)は、RBB(
図7に示すくじ番号「13」)に対応している図柄の組合せの一例であり、ラインL2に三つの赤7図柄が揃うように停止表示され、特典としてボーナス遊技状態に移行する(第一種特別役物に係る役物連続作動装置を作動させる)。
図11(b)は、CBB(
図7に示すくじ番号「14」)に対応している図柄の組合せの一例であり、ラインL2に青7図柄・青7図柄・赤7図柄が停止表示され、特典としてボーナス遊技状態に移行する(第二種特別役物に係る役物連続作動装置を作動させる)。
【0077】
図11(c)は、フェイクリプレイ(
図7に示すくじ番号「6」)に対応している図柄の組合せの一例であり、ラインL2にベル図柄・赤7図柄・赤7図柄が停止表示され、特典として再遊技が付与される。より詳細には、
図11(c)は、フェイクリプレイの当選フラグが設定されている図柄変動ゲームにおいて第一停止リールをリール65Rとした場合に停止表示されうる図柄の組合せである。
なお、フェイクリプレイの当選フラグが設定されている図柄変動ゲームにおいて第一停止リールをリール65Lまたはリール65Cとした場合には、
図8(a)に示す図柄の組合せが停止表示され、特典として再遊技が付与される。
【0078】
上述のRBBに対応する当選フラグ、またはフェイクリプレイに対応する当選フラグが設定されている図柄変動ゲームの少なくとも一部において、リール65R・リール65C・リール65Lの順に赤7図柄をラインL2上に停止表示させるように指示する演出(以下、7を狙え演出と称す)が実行される。
この演出が実行された場合であってRBBに対応する当選フラグが設定されている場合には、
図11(a)に示すように停止表示される。また、この演出が実行された場合であってフェイクリプレイに対応する当選フラグが設定されているとき場合には、
図11(c)に示すように停止表示される。
すなわち、
図11(c)は「7を狙え演出」における失敗パターンとして設けられた停止表示に相当する。
【0079】
指令生成部160は、メイン基板100からサブ基板200に伝送するコマンドを生成する。指令生成部160によって生成されるコマンドには、サブ基板200によって実行される、各演出の決定条件や、停止操作の報知に係る情報等が含まれる。本実施形態では、当該コマンドには、報知制御部211が実行すべき停止操作の報知制御の指示番号、ATモード及びRTモードの設定値が含まれる。
【0080】
サブ統括部210は、メイン基板100から伝送されたコマンドに基づいて演出表示部220、音声出力部230またはLED発光部240を制御する。
演出表示部220は、演出表示装置63を制御する機能を有し、メイン基板100によって実行される図柄変動ゲームと連動して表示出力による演出を演出表示装置63に実行させる。
音声出力部230は、スピーカ49を制御する機能を有し、メイン基板100によって実行される図柄変動ゲームと連動して音声出力による演出をスピーカ49に実行させる。
LED発光部240は、装飾LED基板41に搭載されているLEDを制御する機能を有し、メイン基板100によって実行される図柄変動ゲームと連動して発光出力による演出をLEDに実行させる。
【0081】
本実施形態において、サブ統括部210は、遊技者の停止操作の報知を制御する報知制御部211を有している。
報知制御部211は、受信されたコマンドに含まれる指示番号に基づいて、その指示番号に対応する停止操作を促す出力がなされるように、演出表示部220を制御する。この制御により、演出表示部220は、演出表示装置63の演出表示領域62に、その指示番号に対応する停止操作を促す表示を出力させる。また、報知制御部211は、演出表示部220に加えて、その指示番号に対応する停止操作を促す音声又は発光を出力するように、音声出力部230又はLED発光部240を制御することもできる。
【0082】
また、サブ統括部210は、受信されたコマンドに含まれるRTモード及びATモードの各設定値に基づいて、前兆演出、ボーナス告知演出などの演出の実行を制御する。例えば、サブ統括部210は、ATモード及びRTモードの各設定値により、前兆演出の開始若しくは終了、又はボーナス告知演出の実行を演出表示部220、音声出力部230またはLED発光部240に指示する。前兆演出、ボーナス告知演出などの表示出力の具体的な制御方法については、後述する。
【0083】
<アシストタイムとリプレイタイムについて>
上述したアシストタイム(AT)およびリプレイタイム(RT)について、詳細に述べる。
本実施形態におけるATとは、報知制御部211の制御による停止操作の報知が発生する確率が、通常遊技状態に比べて高く設定された有利遊技状態であって、ボーナス遊技状態ではない遊技状態をいう。
また、本実施形態におけるRTとは、通常遊技状態に比べて、再遊技の当選確率が高い遊技状態をいう。通常遊技状態では、RTモードが0又は1に設定され、RTでは、RTモードが2、3又は4に設定される。このRTモードの詳細については後述する。
また、ATとRTの双方に滞在している遊技状態をアシストリプレイタイム(ART)という。
【0084】
本実施形態では、遊技状態制御部110(遊技状態制御手段)は、ATモードの設定値及びRTモードの設定値の更新を行うことにより、遊技状態の移行を行う。即ち、遊技状態制御部110は、通常遊技状態及び特定の停止操作が報知される頻度が通常遊技状態より高い操作報知遊技状態(AT)のうち、一方から他方へ移行することができる。更に、遊技状態制御部110は、通常遊技状態及び内部抽選部120(内部抽選手段)によって再遊技が抽選される確率が通常遊技状態より高い高確率遊技状態のうち、一方から他方へ移行することができる。
【0085】
ATモードの設定値は、ATに滞在しているか否か及びAT滞在中の次のような詳細状態を示す。
・ATモード「0」=ATではない状態。AT未作動状態とも表記される。
・ATモード「1」=ATに滞在しておりかつ報知制御部211による指示が発生し得る状態。AT(1)作動状態とも表記される。
・ATモード「3」=ATに滞在しているが、報知制御部211による指示が発生しない状態。AT(3)作動状態とも表記される。
本実施形態では詳述されないが、ATの演出終了後、余韻としてAT状態が続く状態が他のATモードとして管理されてもよい。
【0086】
指令生成部160は、ATモードの設定値を参照することにより、AT(1)作動状態であると判断した場合には、AT指示抽選を行う。指令生成部160は、AT指示抽選により決定された指示番号を含むコマンドを生成する。AT指示抽選では、内部抽選部120による抽選結果を含む所定条件に従って、指示番号が決定される。
【0087】
図12は、停止操作報知に係る指示番号のリスト例を示す。
図12の例によれば、指示番号「0」は、停止操作の非報知の指示を示す。報知制御部211は、サブ統括部210により受信されたコマンドに指示番号「0」が含まれる場合、遊技者の停止操作の報知を行わない。
指示番号「1」、「2」及び「3」は、図柄変動ゲームにおいて最初に操作すべきストップボタン27L、27Cまたは27Rを報知する指示を示す。具体的には、指示番号「1」は、左押しの操作、即ちリール65Lに対応するストップボタン27Lの押下操作の報知を示し、指示番号「2」は、中押しの操作、即ちリール65Cに対応するストップボタン27Cの押下操作の報知を示し、指示番号「3」は、右押しの操作、即ちリール65Rに対応するストップボタン27Rの押下操作の報知を示す。
指示番号「4」は、「7を狙え演出」に係る停止操作の報知を示す。本実施形態では「7を狙え演出」に係る停止操作の報知は、ストップボタン27R・27C・27Rの順で押下する操作を報知する。
【0088】
本実施形態では、報知制御部211は、受信されたコマンドに指示番号「1」、「2」、「3」及び「4」が含まれる場合、演出表示領域62に、その指示番号に対応する停止操作を促す表示が出力されるように、演出表示部220を制御する。加えて、報知制御部211は、その指示番号に対応する停止操作を促す音声または発光がスピーカ49または装飾LED基板41に搭載されたLEDから出力されるように、音声出力部230またはLED発光部240を制御することもできる。本実施形態では、演出表示領域62への表示出力により停止操作が報知されたが、演出表示領域62への表示出力ではなく、音声またはLED発光により停止操作が報知されてもよい。
【0089】
図13は、左押しの操作の報知例を示し、
図14は、中押しの操作の報知例を示し、
図15は、右押しの操作の報知例を示し、
図16は、「7を狙え演出」に係る停止操作の報知例を示す。
本実施形態では、受信されたコマンドに指示番号「1」が含まれる場合、演出表示部220は、演出表示領域62におけるリール65Lの近傍に、リール65Lを最初に停止させるべきことを示す表示301を出力し、演出表示領域62におけるリール65C及び65Rの近傍に、最初に停止させるべきではないことを示す表示302を出力するように、演出表示装置63に指示する(
図13参照)。
演出表示部220は、受信されたコマンドに指示番号「2」が含まれる場合、演出表示領域62におけるリール65Cの近傍に、リール65Cを最初に停止させるべきことを示す表示301を出力し、演出表示領域62におけるリール65L及び65Rの近傍に、最初に停止させるべきではないことを示す表示302を出力するように、演出表示装置63に指示する(
図14参照)。
演出表示部220は、受信されたコマンドに指示番号「3」が含まれる場合、演出表示領域62におけるリール65Rの近傍に、リール65Rを最初に停止させるべきことを示す表示301を出力し、演出表示領域62におけるリール65L及び65Cの近傍に、最初に停止させるべきではないことを示す表示302を出力するように、演出表示装置63に指示する(
図15参照)。
表示301は、最初に停止させるリール65又はそのために押下すべきストップボタン27を遊技者に認識させ得る表示であれば、その表示内容は制限されない。表示301は、第一停止アシスト表示と表記することもできる。表示302は、該当するリール65を最初に停止させるべきでないこと又はそのリール65に対応するストップボタン27を最初に押下すべきでないことを遊技者に認識させ得る表示であれば、その表示内容は制限されない。表示302は、押し順不問表示と表記することもできる。
演出表示部220は、受信されたコマンドに指示番号「3」が含まれる場合、演出表示領域62に「7を狙え!」の表示304と、リール65R・65C・65Lの順で停止させるべきことを促す表示305とを出力するように、演出表示装置63に指示する(
図16参照)。
【0090】
本実施形態では、RTモードの設定値は、RTに滞在しているか否か及びRT滞在中の次のような詳細状態を示す。
・RTモード「0」=RTではない状態。RT(0)未作動状態とも表記される。
・RTモード「1」=RTではない状態。RT(1)未作動状態とも表記される。
・RTモード「2」=ボーナス役に対応する当選フラグが設定されておらずかつRTに滞在している状態である。RT(2)未作動状態とも表記される。
・RTモード「3」=RBBに対応する当選フラグが設定されておりかつRTに滞在している状態。RT(3)未作動状態とも表記される。
・RTモード「4」=CBBに対応する当選フラグが設定されておりかつRTに滞在している状態。RT(4)未作動状態とも表記される。
【0091】
本実施形態では、このようなRTモードの設定値により内部抽選部120の抽選に用いられる抽選テーブルが特定される。RT(2)未作動状態、RT(3)未作動状態及びRT(4)未作動状態(RT作動状態と総称される場合もある)で用いられる抽選テーブルでは、RT(0)未作動状態及びRT(1)未作動状態(RT未作動状態と総称される場合もある)で用いられる通常遊技状態の抽選テーブルよりも、再遊技を特典とする入賞役(通常リプレイ、チャンスリプレイ、転落リプレイ、フェイクリプレイ等)の当選確率が高く設定される。なお、RT(2)未作動状態、RT(3)未作動状態及びRT(4)未作動状態で用いられる各抽選テーブルでは、再遊技を特典とする入賞役の当選確率は同一に設定されてもよいし、相違するように設定されてもよい。
【0092】
図17及び
図18は、抽選テーブルを例示する図である。具体的には、
図17に示される抽選テーブルは、RTモード毎に、入賞役及びボーナス役に割り振られている置数パターンを格納し、
図18に示される抽選テーブルは、RBB作動状態及びCBB作動状態における置数パターンを格納する。
ここで置数とは、内部抽選部120の抽選に用いられる抽選テーブルにおいて、入賞役及びボーナス役のそれぞれに対応付けられている乱数の数を示す値である。例えば、その抽選テーブルにおいて用いられる乱数の総数が65536通りである抽選において、2000の置数が割り当てられている入賞役は、2000/65536≒約3%の確率で抽選される。
内部抽選部120は、RBB作動状態時またはCBB作動状態時には、
図18に例示される抽選テーブルを参照して抽選を行う。なお、本実施形態において、ボーナス遊技状態の図柄変動ゲームの開始可能条件の一つである掛け数(メダル投入数)は2枚であるため、
図18は、掛け数が2枚の場合の抽選テーブルを示す。
一方で、RBB作動状態またはCBB作動状態でない場合には、内部抽選部120は、
図17に例示される列(フィールド)の中の、RTモードの設定値に対応する列を参照する。なお、本実施形態では、ボーナス遊技状態を除く遊技状態の図柄変動ゲームの開始可能条件の一つである掛け数(メダル投入数)は1枚又は3枚であり、
図17には、掛け数が3枚の場合に参照される抽選テーブルが示されている。
内部抽選部120は、通常遊技状態のうちRT(0)未作動状態の場合には、RT0の列に対応する抽選テーブルを参照し、通常遊技状態のうちRT(1)未作動状態の場合には、RT1の列に対応する抽選テーブルを参照する。また、内部抽選部120は、RTにおいては、RTモードに対応するRT2、3又は4の列に対応する抽選テーブルを参照する。
また、ボーナス遊技状態で共通ベル(
図7のくじ番号「10」)に対応する図柄の組合せが停止表示された場合、その特典として払い出されるメダルの枚数は15枚であり、ボーナス遊技状態を除く遊技状態でその共通ベルに対応する図柄の組合せが停止表示された場合、メダル数は6枚である。
図17及び
図18では、抽選テーブルが二つのテーブル形式で示されているが、抽選テーブルは、1つのテーブル形式であってもよいし、RTモード毎にそれぞれ設けられた複数のテーブル形式であってもよい。本実施形態の説明では、
図17に示されるRTモード毎の列(各フィールド)及び
図18に示されるRBB作動状態及びCBB作動状態の各列(各フィールド)をそれぞれ個々の抽選テーブルと呼ぶ。
【0093】
<遊技状態の遷移について>
次に、
図19及び
図20を用いて、ATモード及びRTモードに係る遊技状態の遷移について説明する。
図19は、RBB作動状態を含む、ATモード及びRTモードに係る遊技状態の遷移図であり、
図20は、CBB作動状態を含む、ATモード及びRTモードに係る遊技状態の遷移図である。遊技機10での、ATモード及びRTモードに係る遊技状態の遷移図が、図面を見やすくするために、
図19及び
図20に分けて図示されている。
【0094】
まずは、
図19で示される状態遷移について説明する。
状態STS0は、通常遊技状態である。状態STS0において、RTモード及びATモードは、RT(0)未作動状態(RTモード=0)及びAT未作動状態(ATモード=0)に設定されている。状態STS0に滞在している間、内部抽選部120は、RT(0)未作動状態に対応する抽選テーブル(
図17の「RT0」)を参照して、抽選を行う。
状態STS0(通常遊技状態)において、ベルこぼし役に対応する図柄の組合せ(例えば、
図9(b))が停止表示された場合、遊技状態制御部110は、RTモードをRT(1)未作動状態(RTモード=1)に変更する。これにより、遊技状態は、状態STS0から状態STS1に遷移し、内部抽選部120は、参照する抽選テーブルをRT(1)未作動状態に対応する抽選テーブル(
図17の「RT1」)に切り替える。この状態遷移は、通常遊技状態内の遷移である。
ところで、状態STS0では、AT未作動状態であるため、報知制御部211の制御による停止操作の報知は行われない。よって、状態STS0において、押し順ベルの当選フラグが設定された場合には、ベルこぼし役に対応する図柄の組合せが停止表示される可能性が高くなる。遊技者は、そのような操作規定役の当選フラグが設定されたとしても、通常の場合と同様の手順(例えば、順押し)で停止操作を行うからである。
【0095】
状態STS1において、RTモード及びATモードは、RT(1)未作動状態(RTモード=1)及びAT未作動状態(ATモード=0)に設定されている。状態STS1滞在中に、チャンスリプレイに対応する図柄の組合せ(例えば、
図8(b))が停止表示された場合、遊技状態制御部110は、RTモードをRT(2)未作動状態(RTモード=2)に変更すると共に、ATモードをAT(1)作動状態(ATモード=1)に変更する。これにより、遊技状態は、状態STS1から状態STS2に遷移し、通常遊技状態からART作動状態へ遷移する。
【0096】
状態STS2は、RT(2)未作動状態及びAT(1)作動状態であり、ART作動状態である。内部抽選部120は、参照する抽選テーブルをRT(2)未作動状態に対応する抽選テーブル(
図17の「RT2」)に切り替える。この抽選テーブルの切り替えにより、状態STS1では抽選され得なかった転落リプレイ及びフェイクリプレイが抽選され得る状態となると共に、通常遊技状態よりも再遊技の当選確率が高くなる。
また、AT未作動状態からAT(1)作動状態に遷移したため、遊技状態制御部110は、ATゲーム数抽選を行い、この抽選結果、決定されたゲーム数をAT残ゲーム数に設定する。ATゲーム数抽選では、遊技状態制御部110は、AT(1)作動状態を継続し得る図柄変動ゲームの回数を決定する。AT残ゲーム数は、AT(1)作動状態を継続し得る図柄変動ゲームの残りの回数を示す。
更に、サブ統括部210は、AT未作動状態からAT(1)作動状態に遷移したと判断すると、演出表示部220などに前兆演出を開始させる。
【0097】
状態STS2滞在中に、ベルこぼし役に対応する図柄の組合せ(例えば、
図9(b))または転落リプレイ役に対応する図柄の組合せ(例えば、
図8(c))が停止表示された場合、遊技状態制御部110は、RTモードをRT(2)未作動状態(RTモード=2)からRT(1)未作動状態(RTモード=1)に変更し、かつ、ATモードをAT(1)作動状態(ATモード=1)からAT未作動状態(ATモード=0)に変更する。これにより、遊技状態は、状態STS2から状態STS1に遷移する。この状態遷移は、ARTモードから通常遊技状態への転落を示す。
これにより、本実施形態では、サブ統括部210は、演出表示部220などに前兆演出を終了させる。この制御は、上述の「前兆演出の実行期間の短縮」に相当する。このとき、指令生成部160によるAT指示抽選も行われなくなり、報知制御部211による停止操作の報知の制御も停止される。
ここで、サブ統括部210は、前兆演出を終了させずに、前兆演出の実行期間を短縮するように制御してもよい。例えば、サブ統括部210は、演出表示部220などに前兆演出の短縮を指示し、その指示を受けた演出表示部220などが、短縮用の前兆演出コンテンツをメモリから読みだすなどして、前兆演出の実行期間の短縮が実現され得る。
【0098】
状態STS2から状態STS1への状態遷移は、AT残ゲーム数が零になった場合にも実行される。遊技状態制御部110は、ATゲーム数抽選の結果により設定されたAT残ゲーム数を図柄変動ゲーム毎にデクリメント(−1)する。遊技状態制御部110は、その減算によりAT残ゲーム数が零になった場合に、RTモードをRT(2)未作動状態(RTモード=2)からRT(1)未作動状態(RTモード=1)に変更し、かつ、ATモードをAT(1)作動状態(ATモード=1)からAT未作動状態(ATモード=0)に変更する。
【0099】
状態STS2滞在中に、RBBの当選フラグが設定された場合、遊技状態制御部110は、RTモードをRT(2)未作動状態(RTモード=2)からRT(3)未作動状態(RTモード=3)に変更する。これにより、遊技状態は、状態STS2から状態STS3へ遷移する。この状態遷移では、AT(1)作動状態は、状態STS2から継続されるため、前兆演出も継続して実行される。内部抽選部120は、参照する抽選テーブルをRT(3)未作動状態に対応する抽選テーブル(
図17の「RT3」)に切り替える。
状態STS3は、RT(3)未作動状態かつAT(1)作動状態であり、ART作動状態である。状態STS3は、状態STS2からに加えて、状態STS0、STS1及びSTS5からも遷移され得る。状態STS0または状態STS1において、RBB及びチャンスリプレイの両方の当選フラグ(
図7のくじ番号「17」)が設定され、かつ、チャンスリプレイに対応する図柄の組合せが停止表示された場合、遊技状態制御部110は、RTモードをRT(3)未作動状態(RTモード=3)に設定すると共に、ATモードをAT(1)作動状態に設定する。また、状態STS5において、チャンスリプレイの当選フラグが設定され、かつ、チャンスリプレイに対応する図柄の組合せが停止表示された場合、遊技状態制御部110は、RTモードをRT(3)未作動状態(RTモード=3)のまま維持させながら、ATモードをAT(1)作動状態に設定する。状態STS0、STS1またはSTS5から状態STS3への状態遷移の場合には、報知制御部211による停止操作の報知の制御が新たに開始され、サブ統括部210により前兆演出も新たに開始される。
【0100】
状態STS3滞在中に、ベルこぼし役に対応する図柄の組合せ(例えば、
図9(b))または転落リプレイ役に対応する図柄の組合せ(例えば、
図8(c))が停止表示された場合、遊技状態制御部110は、ATモードをAT(1)作動状態(ATモード=1)からAT(3)作動状態(ATモード=3)に変更する。これにより、遊技状態は、状態STS3から状態STS4に遷移する。
この遷移に伴い、サブ統括部210は、演出表示部220などに前兆演出を終了させ、ボーナス告知演出を実行させる。この制御は、上述の「前兆演出の実行期間の短縮」に相当する。サブ統括部210は、前兆演出の途中でボーナス告知演出を実行させてもよい。また、サブ統括部210は、前兆演出を終了させずに、前兆演出の実行期間を短縮するように制御してもよい。そのボーナス告知演出により、RBBの当選フラグが設定されていることが遊技者に報知されることになる。
状態STS3から状態STS4への状態遷移は、AT残ゲーム数が零になった場合にも実行される。遊技状態制御部110は、AT残ゲーム数が零になり、ATモードがAT1実行状態(ATモード=1)であり、かつ、RTモードがRT(3)未作動状態(RTモード=3)である場合、ATモードをAT(3)作動状態(ATモード=3)に変更する。
【0101】
状態STS5は、RT(3)未作動状態(RTモード=3)かつAT未作動状態(ATモード=1)である。状態STS5は、状態STS0及び状態STS1から、RBBの当選フラグの設定を条件に、遷移される。
状態STS3、STS4またはSTS5に滞在しておりかつRBBに対応する図柄の組合せが停止表示された場合、RBB作動状態STS6に遷移する。このRBB作動状態STS6の遷移により、内部抽選部120は、参照する抽選テーブルをRBB作動状態STS6に対応する抽選テーブル(
図18の「RBB」)に切り替える。
そして、RBB作動状態が終了すると、通常遊技状態(RT(0)未作動状態及びAT未作動状態)に遷移する。
【0102】
次に、
図20で示される状態遷移について説明する。
図20に示される遊技状態の遷移において、状態STS0、STS1及びSTS2の間の遷移は、
図19と同様である。
【0103】
状態STS2滞在中に、CBBの当選フラグが設定された場合、遊技状態制御部110は、RTモードをRT(2)未作動状態(RTモード=2)からRT(4)未作動状態(RTモード=4)に変更する。これにより、遊技状態は、状態STS2から状態STS12へ遷移する。この状態遷移では、AT(1)作動状態は、状態STS2から継続されるため、前兆演出も継続して実行される。内部抽選部120は、参照する抽選テーブルをRT(4)未作動状態に対応する抽選テーブル(
図17の「RT4」)に切り替える。
状態STS12は、RT(4)未作動状態かつAT(1)作動状態であり、ART作動状態である。状態STS12は、状態STS2からに加えて、状態STS0、STS1及びSTS11からも遷移され得る。状態STS0または状態STS1において、CBB及びチャンスリプレイの両方の当選フラグ(
図7のくじ番号「18」)が設定され、かつ、チャンスリプレイに対応する図柄の組合せが停止表示された場合、遊技状態制御部110は、RTモードをRT(4)未作動状態(RTモード=4)に設定すると共に、ATモードをAT(1)作動状態に設定する。また、状態STS11において、チャンスリプレイの当選フラグが設定され、かつ、チャンスリプレイに対応する図柄の組合せが停止表示された場合、遊技状態制御部110は、RTモードをRT(4)未作動状態(RTモード=4)のまま維持させながら、ATモードをAT(1)作動状態に設定する。状態STS0、STS1またはSTS11から状態STS12への状態遷移の場合には、報知制御部211による停止操作の報知の制御が新たに開始され、サブ統括部210により前兆演出も新たに開始される。
【0104】
状態STS12滞在中に、ベルこぼし役に対応する図柄の組合せ(例えば、
図9(b))または転落リプレイ役に対応する図柄の組合せ(例えば、
図8(c))が停止表示された場合、遊技状態制御部110は、ATモードをAT(1)作動状態(ATモード=1)からAT(3)作動状態(ATモード=3)に変更する。これにより、遊技状態は、状態STS12から状態STS13に遷移する。
この遷移に伴い、サブ統括部210は、演出表示部220などに前兆演出を終了させ、ボーナス告知演出を実行させる。この制御は、上述の「前兆演出の実行期間の短縮」に相当する。サブ統括部210は、前兆演出の途中でボーナス告知演出を実行させてもよい。また、サブ統括部210は、前兆演出を終了させずに、前兆演出の実行期間を短縮するように制御してもよい。そのボーナス告知演出により、CBBの当選フラグが設定されていることが遊技者に報知されることになる。
状態STS12から状態STS13への状態遷移は、AT残ゲーム数が零になった場合にも実行される。遊技状態制御部110は、AT残ゲーム数が零になり、ATモードがAT1実行状態(ATモード=1)であり、かつ、RTモードがRT(4)未作動状態(RTモード=4)である場合、ATモードをAT(3)作動状態(ATモード=3)に変更する。
【0105】
状態STS11は、RT(4)未作動状態(RTモード=4)かつAT未作動状態(ATモード=1)である。状態STS11は、状態STS0及び状態STS1から、CBBの当選フラグの設定を条件に、遷移される。
状態STS11、STS12またはSTS13に滞在しておりかつCBBに対応する図柄の組合せが停止表示された場合、CBB作動状態STS14に遷移する。このCBB作動状態STS14の遷移により、内部抽選部120は、参照する抽選テーブルをCBB作動状態STS14に対応する抽選テーブル(
図18の「CBB」)に切り替える。
そして、CBB作動状態が終了すると、通常遊技状態(RT(0)未作動状態及びAT未作動状態)に遷移する。
【0106】
図19及び
図20に示されるように、本実施形態では、AT未作動状態からAT(1)作動状態に遷移した場合、即ち、通常遊技状態からAT作動状態に移行した場合に、前兆演出が開始される。言い換えれば、前兆演出の開始に伴い、報知制御部211の制御による停止操作の報知指示が発生する確率が、通常遊技状態に比べて高くなる。
また、本実施形態では、AT作動状態に、RBBまたはCBBの当選フラグが設定されている状態と設定されていない状態とがあり得る(状態STS2、STS3及びSTS12)。
このような作用は次のように実現できる。通常遊技状態に滞在している図柄変動ゲームにおいて特定の入賞役に対応する当選フラグもしくはボーナスフラグが設定された場合、または特定の入賞役に対応する図柄の組合せが停止表示された場合の少なくとも一方を契機として、遊技状態制御部110(遊技状態制御手段)によって通常遊技状態から操作報知遊技状態(AT)に移行されると共に、演出表示装置63(前兆演出実行手段)によって前兆演出が開始され、開始された前兆演出が複数回の図柄変動ゲームにわたって実行されうる。
これにより、本実施形態では、前兆演出の開始条件とATへの移行条件とが共通していると共に、前兆演出の実行時におけるボーナス役の当選状況が二通り(当選または非当選)存在する。そして、同じ前兆演出の実行状態(AT作動状態)において、ベルこぼし役若しくは転落リプレイ役に対応する図柄の組合せが表示された場合又はAT残ゲーム数が零になった場合であっても、ボーナス役の当選フラグの設定の有無により、異なる状態(状態STS4若しくは状態STS1又は状態STS13若しくは状態STS1)への遷移が行われる。
従って、本実施形態によれば、遊技者は、前兆演出毎に、ボーナスフラグの察知を早めるか否かを選択することができる。例えば、何度も見た前兆演出では、停止操作の報知に敢えて従わず、ボーナスフラグの察知を早め、初めて見た前兆演出や好きな前兆演出では、報知に従った停止操作をすることで、その前兆演出の観賞を楽しむといった楽しみ方をすることを可能とする。
【0107】
また、本実施形態では、状態STS1から状態STS2への遷移、状態STS1から状態STS3又は状態STS12への遷移、状態STS0から状態STS3又は状態STS12への遷移の少なくとも一部の条件が共通している。この条件は、チャンスリプレイ役に対応する図柄の組合せの停止表示である。また、状態STS1から状態STS3又は状態STS12への遷移及び状態STS0から状態STS3又は状態STS12への遷移の条件は完全に共通している。そして、それら状態遷移では、RTモードがステップアップされ、再遊技が抽選される確率がより高い抽選テーブルへの切り替えが行われる。抽選テーブルR2、R3及びR4は、抽選テーブルR0及びR1よりも、遊技が抽選される確率が高く設定されている。更に、それら状態遷移が前兆演出開始の契機とされる。
このような作用は次のように実現できる。通常遊技状態に滞在している図柄変動ゲームにおいて特定の入賞役に対応する当選フラグもしくはボーナスフラグが設定された場合、または特定の入賞役に対応する図柄の組合せが停止表示された場合の少なくとも一方を契機として、遊技状態制御部110(遊技状態制御手段)によって通常遊技状態から高確率遊技状態に移行されると共に、演出表示装置63(前兆演出実行手段)によって前兆演出が開始され、開始された前兆演出が複数回の図柄変動ゲームにわたって実行されうる。
このように、本実施形態によれば、同じ条件を契機として、再遊技が抽選される確率がより高い抽選テーブルへの切り替え及び前兆演出の開始が行われる。これにより、前兆演出が、ボーナスフラグの設定の示唆に加えて、再遊技の当選確率の増加にもなるため、前兆演出を遊技者にとってより魅力的なものとすることができる。
【0108】
また、本実施形態では、状態STS2から状態STS1への遷移において、前兆演出が終了されるとともに、RTから通常遊技状態へ降格する。
このような作用は次のように実現できる。操作報知遊技状態(AT)に滞在している図柄変動ゲームにおいて前兆演出が実行されており、かつボーナスフラグが非設定である場合であって、報知された特定の停止操作とは異なる停止操作が検知されたとき、遊技状態制御部110(遊技状態制御手段)によって高確率遊技状態(RT)から通常遊技状態に移行されると共に、サブ統括部210及び演出表示部220(演出表示制御手段)によって第二演出画面(例えば、ステージ演出画面DR3)が演出表示領域62に表示される。
これにより、本実施形態によれば、再遊技が抽選される確率がより低くなるのと、前兆演出の終了とが同期しているため、遊技者の前兆演出の再開の期待度を向上させ、前兆演出自体の魅力を向上させることができる。
【0109】
<演出画面の遷移について>
次に、本実施形態における演出画面の遷移について
図21及び
図22を用いて説明する。
図21は、ステージ演出画面の遷移の例を示す概念図である。
図22は、前兆演出画面からの画面遷移の例を示す概念図である。
サブ統括部210は、メイン基板100から受信されるコマンドに基づいて、演出表示部220に指示することにより、
図21及び
図22に示されるような演出画面の表示制御を行う。
【0110】
具体的には、サブ統括部210は、AT未作動状態(ATモード=0)の場合、例えば、
図21に例示されるステージ演出画面DR1が表示されるように、演出表示部220に指示する。演出表示部220は、サブ統括部210からの指示に基づいて、ステージ演出画面DR1を演出表示装置63の演出表示領域62に表示させる。
サブ統括部210は、或る条件に基づいて、ステージ移行を演出表示部220に指示する。演出表示部220は、この指示に基づいて、ステージ演出画面DR1からステージ演出画面DR3へ表示を切り替える。この切り替え時に、演出表示部220は、ステージ移行画面DR2を介するよう制御する。これにより、AT未作動状態において、或る条件が成立すると、ステージ演出画面DR1、ステージ移行画面DR2、ステージ演出画面DR3へと順に画面が移行される。ステージ演出画面DR1及びDR3並びにステージ移行画面DR2は、例えば、アニメーション(動画)である。
【0111】
サブ統括部210は、AT(1)作動状態(ATモード=1)に遷移した(状態STS2又は状態STS3へ遷移した)と判断すると、前兆演出画面DR4が表示されるように、演出表示部220に指示する。なお、
図22では、順押し操作が報知されている状態の前兆演出画面が例示されている。報知制御部211は、指示番号「1」(
図12参照)を含むコマンドを受信すると、
図22に例示されるような順押し操作を促す表示を演出表示装置63に出力させる。
【0112】
サブ統括部210は、AT(1)作動状態からAT未作動状態に遷移した(状態STS2から状態STS1へ遷移した)と判断すると、ステージ移行を演出表示部220に指示する。演出表示部220は、この指示に基づいて、前兆演出を終了し、前兆演出画面DR4からステージ演出画面DR3へ表示を切り替える。この切り替え時に、演出表示部220は、
図21と同様に、ステージ移行画面DR2を介するよう制御する。
AT(1)作動状態からAT未作動状態への遷移は、上述したとおり、ベルこぼし役又は転落リプレイ役に対応する図柄の組合せが表示された場合及びAT残ゲーム数が零になった場合に実行される。前者は、報知された停止操作とは異なる停止操作が検知された場合であり、後者は、複数回の図柄変動ゲームに亘って実行される前兆演出が終了した場合である。サブ統括部210は、このどちらの場合も同様に、前兆演出画面DR4、ステージ移行画面DR2(第三演出画面及び第四演出画面)、ステージ演出画面DR3の順で表示出力を切り替える。但し、前者の場合と後者の場合とに表示されるステージ移行画面DR2は、表示態様の少なくとも一部が共通している画面であれば、完全に同一でなくてもよい。
上述の処理は、次のように表現することもできる。即ち、演出表示装置63(前兆演出実行手段)は、複数回の図柄変動ゲームにわたって前兆演出を表示出力することができ、当該複数回の図柄変動ゲームの中途で実行される一の図柄変動ゲームにおいて特定の停止操作が報知されて、報知された特定の停止操作とは異なる停止操作が検知されたとき、当該一の図柄変動ゲームで前兆演出を終了する。そして、サブ統括部210及び演出表示部220(演出表示制御手段)は、上記複数回の図柄変動ゲームを終えて前兆演出が終了する場合には(AT残ゲーム数が零になった場合には)、第四演出画面(例えば、ステージ移行画面DR2)を演出表示領域62に表示させた後に、第二演出画面(例えば、ステージ演出画面DR3)を演出表示領域62に表示させ、中途で実行される上記一の図柄変動ゲームで前兆演出が終了する場合には、第四演出画面の表示態様と少なくとも一部が共通している第三演出画面(例えば、ステージ移行画面DR2)を演出表示領域62に表示させた後に、第二演出画面(例えば、ステージ演出画面DR3)を演出表示領域62に表示させる。
このように、本実施形態では、前兆演出が、設定されたゲーム数で終えた(完走した)場合にも、中途で終えた場合にも、同じ画面遷移が行われる。よって、遊技者が誤操作で報知された操作とは異なる停止操作を行ってしまい、前兆演出が中途で終わったとしても、そのことを遊技者に気付き難くすることができる。結果、誤って操作してしまった遊技者のショックを和らげることができ、ひいては、遊技者の興趣の低下を防ぐことができる。
【0113】
一方で、サブ統括部210は、AT(1)作動状態からAT(3)作動状態に遷移した(状態STS3から状態STS4へ遷移した)と判断すると、ボーナス告知を演出表示部220に指示する。演出表示部220は、この指示に基づいて、前兆演出を終了し、前兆演出画面DR4からボーナス告知画面DR5へ表示を切り替える。この切り替え時には、ステージ移行画面DR2は表示されない。
ここでのボーナス告知画面DR5は、ボーナスフラグの設定を報知する画面であるため、上述の第一演出画面の一具体例に相当する。また、ステージ演出画面DR3は、前兆演出画面DR4から切り替えられた通常時に表示される画面であるため、ボーナスフラグの非設定を示唆する画面であるといえる。よって、ステージ演出画面DR3は、上述の第二演出画面の一具体例に相当する。
【0114】
この画面遷移で示されるように、本実施形態では、前兆演出が実行される図柄変動ゲームにおいて、演出表示装置63(操作報知手段)が特定の停止操作を報知した場合であって、報知された特定の停止操作とは異なる停止操作がストップボタン27(停止操作検知手段)で行われた場合に、報知制御部211は、ボーナスフラグが非設定であればステージ移行画面DR2(第三演出画面)を演出表示領域62に表示させた後に、ステージ演出画面DR3(第二演出画面)を演出表示領域62に表示させる。
このように、ボーナスフラグが非設定である場合に、前兆演出画面DR4からいきなりステージ演出画面DR3に切り替わるよりも、ステージ移行画面DR2を経由させることで、遊技者の興趣の低下を軽減することができる。これにより、たとえ意図せず誤操作した場合であっても、遊技者の興趣低下を軽減することができる。
【0115】
また、本実施形態では、操作報知遊技状態(AT)に滞在している図柄変動ゲームにおいて前兆演出が実行されており、かつボーナスフラグが非設定である場合であって、報知された特定の停止操作とは異なる停止操作が検知されたとき、遊技状態制御部110(遊技状態制御手段)によって操作報知遊技状態(AT)から通常遊技状態に移行されると共に、サブ統括部210及び演出表示部220(演出表示制御手段)によって第二演出画面(例えば、ステージ演出画面DR3)が演出表示領域62に表示される。
これにより、AT(1)作動状態からAT未作動状態に遷移するのに伴って、前兆演出が終了し、前兆演出画面DR4からステージ演出画面DR3へ表示が切り替わる。このように、遊技者にとって有利な遊技状態であるATの終了(転落)と前兆演出の終了とが同期しているため、ボーナス役の当選やATの継続が無いにも関わらず無用に遊技者の期待感を煽ることがない。
【0116】
<図柄変動ゲームの処理フロー>
次に、本実施形態における図柄変動ゲームの処理フローについて、主に
図23から
図28を用いて説明する。ただし、先に説明した
図1から
図6に図示される構成要素についても言及するので適宜参照されたい。
【0117】
図23は、本実施形態における図柄変動ゲームのメインフローを示すフローチャートである。なお、本実施形態では
図23に図示される一連の処理を実行することをもって一回の図柄変動ゲームとする。
【0118】
遊技状態制御部110は、遊技機10が正常に起動中である場合、当該図柄変動ゲームにおける遊技状態や遊技設定値に関する情報を取得し、取得された情報に応じた遊技状態や遊技設定値に基づいて図柄変動ゲームを開始する(ステップS102)。
なお、ステップS102において取得される遊技状態を示す情報には、リプレイ役に対応する当選フラグの有無、ボーナス遊技状態の有無(RBBやCBBの設定の有無)、およびRTモードの設定値やATモードの設定値が含まれる。
【0119】
ここで、前回の図柄変動ゲームにおいてリプレイ役(再遊技)に対応している当選フラグが設定されている場合(ステップS104のYES)、遊技状態制御部110は再遊技処理を実行する(ステップS110)。そして、遊技状態制御部110は、図柄変動ゲームの開始可能条件を成立させて(ステップS112)、スタートレバーセンサ44による検知を待機する(ステップS114のNO)。
ここで再遊技処理とは、特典として付与された再遊技に起因して、図柄変動ゲームの開始可能条件の少なくとも一部を成立させる処理をいう。
【0120】
前回の図柄変動ゲームにおいてリプレイ役に対応している当選フラグが設定されていない場合(ステップS104のNO)、遊技状態制御部110は、ベットボタン23の押下またはメダル投入口31からのメダル投入(メダル通過センサ47cによる検知)を待機する(ステップS106のNO)。これらに応じて投入枚数が増加した場合(ステップS106のYES)、投入数が所定数に達するまで待機する(ステップS108のNO)。ここで所定数とは、本実施形態においては、ボーナス遊技状態においては2であり、ボーナス遊技状態を除く遊技状態においては1または3である。なお、本実施形態における所定数は一例であり、適宜変更してもよい。
【0121】
メダルの投入数が所定数に達したとき(ステップS108のYES)、遊技状態制御部110は、図柄変動ゲームの開始可能条件を成立させて(ステップS112)、スタートレバーセンサ44による検知を待機する(ステップS114のNO)。
スタートレバーセンサ44による検知が行われたとき(ステップS114のYES)、AT残ゲーム数が零を超える場合には(ステップS116のYES)、遊技状態制御部110は、AT残ゲーム数を1減算する(ステップS118)。
また、スタートレバーセンサ44による検知が行われたとき(ステップS114のYES)、AT残ゲーム数が零である場合には(ステップS116のNO)、ステップS118の処理を行わずに次の処理に移行する。
【0122】
続いて、内部抽選部120は、内部抽選を実行し(ステップS120)、フラグ設定部130は、ステップS120において抽選された入賞役またはボーナス役に対応している当選フラグを設定する(ステップS122)。このとき、内部抽選部120は、RTモードの設定値に基づいて、参照すべき抽選テーブル(
図17参照)を特定する。
ここで、ATモードが1である場合には(ステップS124のYES)、指令生成部160は、
図12に例示される指示番号を決定するAT指示抽選を実行する(ステップS126)。指令生成部160は、ステップS126で決定された指示番号(
図12参照)を含むコマンドを生成して、生成されたコマンドをサブ基板200(報知制御部211)に出力する(ステップS128)。
また、ATモードが1ではない場合(ステップS124のNO)、上述のステップS126およびステップS128の処理を行わずに、次の処理に移行する。
【0123】
サブ基板200において、報知制御部211は、ステップS128で出力されたコマンドに含まれる指示番号に従って、停止操作の報知演出を実行する。この報知演出により、例えば、
図13、
図14、
図15又は
図16に例示される報知演出が表示出力される。なお、指示番号が0の場合には、報知演出は実行されない。
【0124】
上述の一連の処理が終了した時点でウェイト時間が経過しているならば(ステップS130のYES)、そのまま図柄変動ゲームにおける変動表示が実行される(ステップS132)。
また、当該時点でウェイト時間が経過していないのであれば(ステップS130のNO)、ウェイト時間が経過するまで待機した後に、図柄変動ゲームにおける変動表示が実行される(ステップS132)。
【0125】
ステップS132の処理について、
図24を用いて、より詳細に説明する。
図24は、図柄変動ゲームにおける変動表示の処理手順を示すフローチャートである。
回動制御部140は、すべてのリール65(65L、65C、65R)が所定速度で順方向に回動するように、リールモータ68にパルス信号を出力する(ステップS152)。
また、回動制御部140は、すべてのリール65の回動速度が所定速度に到達するまでは停止可能条件を否定しつつ待機する(ステップS154のNO)。また、回動制御部140は、すべてのリール65の回動速度が所定速度に到達したとき(ステップS154のYES)は停止可能条件を成立させる(ステップS156)。
なお、ステップS156における停止可能条件の成立は、すべてのリール65について同時に行われる。
【0126】
回動制御部140は、停止可能条件を成立させた状態で、いずれかのストップボタン27の押下が検知されるまで待機する(ステップS158のNO)。最初の停止操作(第一停止操作)が検知されたとき(ステップS158のYES)、回動制御部140は、第一停止操作に対応しているリール65を停止させる(ステップS160)。
ここでステップS160の停止処理において、最大4コマまでリール65が移動しうる制御(すべり制御)を行うため、ストップボタン27の押下が検知されてからリール65が停止するまでにはタイムラグが生じうる。なお、当該タイムラグは190ms以下になるように設定されている。
【0127】
回動制御部140は、停止可能条件を成立させた状態で、次の停止操作(第二停止操作)が検知されるまで待機する(ステップS162のNO)。また、第二停止操作が検知されたとき(ステップS162のYES)、回動制御部140は、第二停止操作に対応しているリール65を停止させる(ステップS164)。
回動制御部140は、停止可能条件を成立させた状態で、最後の停止操作(第三停止操作)が検知されるまで待機する(ステップS166のNO)。また、第三停止操作が検知されたとき(ステップS166のYES)、回動制御部140は、第三停止操作に対応しているリール65を停止させる(ステップS168)。
なお、ステップS164またはステップS168の停止処理において、すべり制御が行われるのは、第一停止操作のときと同様である。
【0128】
再び、
図23のフローチャートの説明に戻る。ステップS132の処理が終了した場合(図柄の組合せが停止表示された場合)、図柄表示判定部150による判定処理と、その判定結果に応じた特典の付与などの関連処理が実行される(ステップS134)。
【0129】
ステップS134の処理について、
図25から
図28を用いてより詳細に説明する。
図25から
図28は、図柄変動ゲームにおける図柄表示判定及び関連処理の手順を示すフローチャートである。
図柄表示判定部150は、ステップS160、S164及びS168の各処理で停止した各リール65の停止パターンを判別し、有効ラインに停止している図柄の組合せに対応する入賞役又はボーナス役を判定する(ステップS202、S206、S220、S224、S250、S254、S270)。
図柄表示判定部150がRBBに対応する図柄の組合せが停止表示されていると判定すると(ステップS202のYES)、遊技状態制御部110は、次の図柄変動ゲームにおいて第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動するよう設定する(ステップS204)。
図柄表示判定部150がCBBに対応する図柄の組合せが停止表示されていると判定すると(ステップS202のNOかつステップS206のYES)、遊技状態制御部110は、次の図柄変動ゲームにおいて第二種特別役物に係る役物連続作動装置が作動するよう設定する(ステップS208)。
【0130】
図柄表示判定部150がメダルを獲得するために必要な特定の図柄の組合せが停止表示されている(入賞した)と判定すると(ステップS206のNOかつステップS220のYES)、遊技状態制御部110は、その入賞の特典として割り当てられているメダル数に相当する値を、記憶しているクレジットに加算する(ステップS222)。
【0131】
図柄表示判定部150が、停止表示されている図柄の組合せが入賞の中でもベルこぼし役に対応すると判定している場合(ステップS224のYES)、更に次のような処理が実行される。
まず、遊技状態制御部110は、AT残ゲーム数を確認し、AT残ゲーム数が零を超えている場合(ステップS226のYES)、AT残ゲーム数に零を設定する(ステップS228)。更に、遊技状態制御部110は、RTモード及びATモードの設定を行う。
具体的には、遊技状態制御部110は、RTモードの設定値が2である場合(ステップS230のYES)、RTモードを1(RT(1)未作動状態)に設定し(ステップS232)、ATモードを0(AT未作動状態)に設定する(ステップS234)。遊技状態制御部110は、RTモードの設定値が3又は4の場合(ステップS230のNOかつステップS238のYES)、ATモードを3(AT(3)作動状態)に設定し(ステップS240)、RTモードの設定値が0の場合(ステップS242のYES)、RTモードを1に設定する(ステップS244)。
【0132】
図柄表示判定部150が、停止表示されている図柄の組合せがリプレイ役に対応すると判定している場合(ステップS220のNOかつステップS250のYES)、遊技状態制御部110は、再遊技の設定を行い(S252)、当該リプレイ役が転落リプレイかチャンスリプレイかに応じて、次のような処理を実行する。
遊技状態制御部110は、停止表示されている図柄の組合せが転落リプレイ役に対応すると判定されている場合(ステップS254のYES)、AT残ゲーム数の設定の後、RTモード及びATモードの設定を行う。AT残ゲーム数の設定では、遊技状態制御部110は、AT残ゲーム数が零を超えている場合(ステップS256のYES)、AT残ゲーム数に零を設定する(ステップS258)。遊技状態制御部110は、RTモードの設定値が2である場合(ステップS260のYES)、RTモードを1(RT(1)未作動状態)に設定し(ステップS262)、ATモードを0(AT未作動状態)に設定する(ステップS264)。遊技状態制御部110は、RTモードの設定値が3又は4の場合(ステップS266のYES)、ATモードを3(AT(3)作動状態)に設定する(ステップS268)。
遊技状態制御部110は、停止表示されている図柄の組合せがチャンスリプレイ役に対応すると判定されている場合(ステップS254のNOかつステップS270のYES)、RTモードの設定値が1である場合に(ステップS272のYES)、次のような処理を実行する。遊技状態制御部110は、RTモードの設定値を2に設定し(ステップS274)、ATモードの設定値を1に設定する(ステップS276)。更に、遊技状態制御部110は、ATゲーム数抽選を行い(ステップS278)、その抽選により決定されるゲーム数をAT残ゲーム数に設定する(ステップS280)。
【0133】
遊技状態制御部110は、ベルこぼし役以外で入賞したと判定されている場合(ステップS224のNO)、入賞役又はボーナス役に対応する図柄の組合せが停止表示されていないと判定された場合(ステップS250のNO)などに、RBB及びCBBの当選フラグの設定を確認する。遊技状態制御部110は、RBBの当選フラグが設定されている場合(ステップS290のYES)、RTモードを3(RT(3)未作動状態)に設定し(ステップS292)、CBBの当選フラグが設定されている場合(ステップS296のYES)、RTモードを4(RT(4)未作動状態)に設定する(ステップS298)。
更に、遊技状態制御部110は、ATモードが1であり(ステップS300のYES)、かつ、AT残ゲーム数が零の場合(ステップS302のYES)、RTモードに応じて、次のようにATモード及びRTモードを設定する。遊技状態制御部110は、RTモードが3又は4の場合(ステップS304のYES)、ATモードを3(AT(3)作動状態)に設定し(ステップS306)、RTモードがそれ以外(基本的には2)の場合(ステップS304のNO)、RTモードを1(RT(1)未作動状態)に設定し(ステップS308)、ATモードを零(AT未作動状態)に設定する(ステップS310)。
最後に、遊技状態制御部110は、ATモードが3である場合(ステップS312のYES)、ボーナス告知設定を行い(ステップS314)、ATモードがそれ以外(1又は0)である場合(ステップS312のNO)、ステージ移行設定を行う(ステップS316)。ボーナス告知設定は、ボーナス告知演出の画面が演出表示装置63に表示出力されるように設定する処理であり、ステージ移行設定は、前兆演出からステージ演出に画面移行されるように設定する処理である。ここでの設定がステップS136においてメイン基板100からサブ基板200に送られるコマンドに反映される。
【0134】
再び、
図23のフローチャートの説明に戻る。
指令生成部160は、ステップS134の処理結果(図柄表示判定の結果)を含むコマンドを生成して、生成されたコマンドをサブ基板200に出力する(ステップS136)。
サブ統括部210は、ステップS136で出力されたコマンドに基づいて演出を実行する。例えば、サブ統括部210は、ステージ演出画面、ステージ移行画面又は前兆演出画面を演出表示領域62に表示出力させる。
【0135】
また、ステップS134の処理に起因してメダルの払出処理が必要な場合、すなわちステップS222で付与されたメダルの数を加算するとクレジットが上限値を超過する場合(ステップS138のYES)、超過した分のメダルを払出制御基板97に払い出させて(ステップS140)、当該一連の処理は終了となる。
また、ステップS132の処理後にメダルの払出処理が不要な場合(ステップS138のNO)、ステップS138の処理を行わずに、そのまま当該一連の処理は終了となる。
【0136】
<変形例>
上述の実施形態では、図柄表示判定(ステップS134)における、停止表示された図柄の組合せ(
図9(b)及び
図8(c))の判定により、報知された特定の停止操作とは異なる停止操作がなされたことが確認される。しかしながら、報知された特定の停止操作とは異なる停止操作の検知は、最初に押下されたストップボタン27と報知された特定の停止操作との比較により行われてもよい。
また、上述の実施形態では、ボーナス告知画面DR5が表示される際には、前兆演出が終了しているが、ボーナス告知画面DR5の表示後も短縮された前兆演出が継続されてもよい。この場合、前兆演出画面DR4を継続しながら、それに重畳して又は一時的な切り替えで、ボーナス告知画面DR5が表示されてもよい。
【0137】
本実施形態は次のような技術思想を包含する。
(1)図柄変動ゲームを実行する遊技機であって、前記図柄変動ゲームにおいて成立しうる入賞役またはボーナス役を抽選する内部抽選手段と、前記内部抽選手段による抽選において抽選された前記入賞役または前記ボーナス役に対応する当選フラグを設定するフラグ設定手段と、前記図柄変動ゲームにおいて図柄の組合せを停止表示させる契機になる停止操作を検知する停止操作検知手段と、対応する図柄の組合せが停止表示可能となる条件として特定の停止操作が規定されている前記入賞役である操作規定役が前記内部抽選手段によって抽選された場合の少なくとも一部において、抽選された前記操作規定役に対応する前記特定の停止操作を報知する操作報知手段と、前記ボーナス役に対応する前記当選フラグであるボーナスフラグの設定を示唆する前兆演出を1以上の図柄変動ゲームに亘って実行する前兆演出実行手段と、前記前兆演出が実行される前記図柄変動ゲームにおいて前記操作報知手段が前記特定の停止操作を報知した場合であって、報知された前記特定の停止操作とは異なる前記停止操作を前記停止操作検知手段が検知した場合に、前記前兆演出の実行期間を短縮し、前記ボーナスフラグが設定されているか否かに応じて、当該ボーナスフラグの設定を報知する第一演出画面または前記ボーナスフラグの非設定を示唆する第二演出画面を演出表示領域に表示させる演出表示制御手段と、を備える遊技機。
(2)前記前兆演出が実行される前記図柄変動ゲームにおいて前記操作報知手段が前記特定の停止操作を報知した場合であって、報知された前記特定の停止操作とは異なる前記停止操作を前記停止操作検知手段が検知した場合に、前記演出表示制御手段は、前記ボーナスフラグが非設定であれば前記第一演出画面とも前記第二演出画面とも異なる第三演出画面を前記演出表示領域に表示させた後に、前記第二演出画面を前記演出表示領域に表示させる(1)に記載の遊技機。
(3)前記前兆演出実行手段は、複数回の前記図柄変動ゲームにわたって前記前兆演出を実行することができ、設定した複数回の前記図柄変動ゲームの中途で実行される一の図柄変動ゲームにおいて前記特定の停止操作が報知されて、報知された前記特定の停止操作とは異なる前記停止操作が検知されたとき、前記一の図柄変動ゲームで前記前兆演出を終了し、前記演出表示制御手段は、前記複数回の前記図柄変動ゲームを終えて前記前兆演出が終了する場合には、第四演出画面を前記演出表示領域に表示させた後に、前記第二演出画面を前記演出表示領域に表示させ、前記一の図柄変動ゲームで前記前兆演出が終了する場合には、前記第四演出画面の表示態様と少なくとも一部が共通している前記第三演出画面を前記演出表示領域に表示させた後に、前記第二演出画面を前記演出表示領域に表示させる(2)に記載の遊技機。
(4)通常遊技状態及び前記操作報知手段によって前記特定の停止操作が報知される頻度が前記通常遊技状態より高い操作報知遊技状態のうち、一方から他方へ移行することができる遊技状態制御手段を備え、前記通常遊技状態に滞在している前記図柄変動ゲームにおいて特定の入賞役に対応する前記当選フラグもしくは前記ボーナスフラグが設定された場合、または前記特定の入賞役に対応する図柄の組合せが停止表示された場合の少なくとも一方を契機として、前記遊技状態制御手段によって前記通常遊技状態から前記操作報知遊技状態に移行されると共に、前記前兆演出実行手段によって前記前兆演出が開始され、開始された前記前兆演出が複数回の前記図柄変動ゲームにわたって実行されうる(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機。
(5)通常遊技状態及び前記操作報知手段によって前記特定の停止操作が報知される頻度が前記通常遊技状態より高い操作報知遊技状態のうち、一方から他方へ移行することができる遊技状態制御手段を備え、前記操作報知遊技状態に滞在している前記図柄変動ゲームにおいて前記前兆演出が実行されており、かつ前記ボーナスフラグが非設定である場合であって、前記操作報知手段によって報知された前記特定の停止操作とは異なる前記停止操作を前記停止操作検知手段が検知したとき、前記遊技状態制御手段によって前記操作報知遊技状態から前記通常遊技状態に移行されると共に、前記演出表示制御手段によって前記第二演出画面が前記演出表示領域に表示される(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。
(a)通常遊技状態または前記内部抽選手段によって前記入賞役として再遊技が抽選される確率が前記通常遊技状態より高い高確率遊技状態のうち、一方から他方へ移行することができる遊技状態制御手段を備え、前記通常遊技状態に滞在している前記図柄変動ゲームにおいて特定の前記入賞役に対応する前記当選フラグもしくは前記ボーナスフラグが設定された場合、または前記特定の入賞役に対応する図柄の組合せが停止表示された場合の少なくとも一方を契機として、前記遊技状態制御手段によって前記通常遊技状態から前記高確率遊技状態に移行されると共に、前記前兆演出実行手段によって前記前兆演出が開始され、開始された前記前兆演出が複数回の前記図柄変動ゲームにわたって実行されうる(1)から(5)のいずれか一つに記載の遊技機。
(b)通常遊技状態または前記内部抽選手段によって前記入賞役として再遊技が抽選される確率が前記通常遊技状態より高い高確率遊技状態のうち、一方から他方へ移行することができる遊技状態制御手段を備え、前記操作報知遊技状態に滞在している前記図柄変動ゲームにおいて前記前兆演出が実行されており、かつ前記ボーナスフラグが非設定である場合であって、前記操作報知手段によって報知された前記特定の停止操作とは異なる前記停止操作を前記停止操作検知手段が検知したとき、前記遊技状態制御手段によって前記高確率遊技状態から前記通常遊技状態に移行されると共に、前記演出表示制御手段によって前記第二演出画面が前記演出表示領域に表示される(1)から(5)のいずれか一つに記載の遊技機。