(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
本実施形態の説明において示す方向は、特に断りのない限り、遊技者が遊技機10に正対して視たときの方向、すなわち図に示す遊技機10の正面図における方向とする。
また、以下の説明においては、特に断りのない限り、遊技機10には電源が投入され正常に動作していることを前提として説明する。
【0013】
<遊技機10の概要>
まず、本発明を実施する遊技機10の概要について、
図1、
図2及び
図7を用いて説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図2は、
図1において破線で囲って示す手元領域IIの斜視図である。
図7は、遊技機10の機能ブロック図である。
【0014】
遊技機10は、複数のリール、回動制御手段、停止操作検出手段を備えている。
複数のリールは、複数とおりの図柄が表されており、
図1に例示される、リール65L、リール65C及びリール65Rに相当する。
回動制御手段は、複数のリールを回動させることによって図柄変動ゲームを実行する。回動制御手段は、
図7に例示される回動制御部140に相当する。
ここで、図柄変動ゲームとは、停止表示させた図柄の組合せによって遊技者にとって有利な特典の有無を報知する遊技であり、繰り返し実行され得る。図柄変動ゲームでは、リール65を回動させることによってリール65に表されている複数とおりの図柄を変動表示し、回動しているリール65を停止させることによって図柄の組合せを停止表示する。
【0015】
停止操作検出手段は、回動制御手段による当該リールの回動を停止させる契機となる遊技者の操作である停止操作を検知する。停止操作検出手段は、
図7に例示される停止操作センサ29に相当する。例えば、停止操作センサ29は、複数のリール65の各々に対して一つずつ設けられている各ストップボタン27(27L、27C、27R)に対する押下操作を停止操作としてそれぞれ検知することができる。ストップボタン27Lは、リール65Lを停止させるための停止操作を受け、ストップボタン27Cは、リール65Cを停止させるための停止操作を受け、ストップボタン27Rは、リール65Rを停止させるための停止操作を受ける。但し、停止操作検出手段は、各ストップボタン27を押下した後、その押下を解除する操作を停止操作として検知してもよい。
【0016】
本実施形態における回動制御手段は、当該図柄変動ゲームの実行中に、複数のリール65の中の二以上のリールに対する停止操作が停止操作検知手段によって許容時間内に検知された場合、複数のリール65又は当該二以上のリールの各々に割り当てられている優先順位に基づいて決定されるリールを停止させる。
例えば、回動制御手段は、複数のリール65又は検知された停止操作に対応する二以上のリールの各々に割り当てられている優先順位の中で、最高位の優先順位が割り当てられているリールを停止させる。このように、回動制御手段は、検知された停止操作に対応する二以上のリールを停止候補としてもよいし、全てのリール65を停止候補としてよい。回動制御手段は、このような停止候補の各リールに割り当てられている優先順位の中で、最高位の優先順位が割り当てられているリールを停止させる。
各リールに対する優先順位の割り当ては、出荷時に既に決定されており、予めメモリに格納されていてもよい。また、その割り当ては、メニューに対する遊技者の選択操作に応じて決定されてもよい。即ち、当該割り当ては、変更不可能状態で保持されていてもよいし、変更を強要することなくデフォルト値から変更可能な状態で保持されてもよい。
ここで、許容時間とは、二以上のリールに対する各停止操作の検知タイミングが回動制御部140により同時操作と判断され得る時間である。例えば、回動制御部140は、停止操作センサ29による停止操作の検知を契機に、停止操作されたリールの番号を確認し、複数のリール番号が確認された場合に、同時操作と判断することができる。このように、許容時間は、回動制御手段の処理性能や停止操作の検知の伝達速度などに対応して決められてもよい。
また、許容時間は、停止操作の検知タイミングからリール65の回動を停止させるまでの規定時間(190ms)より短い時間に設定される。より具体的には、当該許容時間は、停止操作センサ29による停止操作の検知タイミングからリール65の回動量が1コマに達するまでの時間(約36ms)より短い時間に設定される。後述の実施形態では、当該許容時間は約1.5msになっている。
以降の説明において、複数のストップボタン27又は複数のリール65に対して「同時に」停止操作を行うと表記した場合には、完全なる同時を含む当該許容時間内に停止操作を行うことを意味するものとする。
【0017】
上述のように、遊技機10に係る上述の構成では、許容時間内に二以上のリールに対する停止操作が検知された場合には、複数のリール又は検知された停止操作に対応する二以上のリールの各々に対して割り当てられている優先順位に基づいて決定されたリールが停止させられる。例えば、全てのリール65に対して同時に停止操作された場合、全てのリール65の優先順位に基づいて決定されるリール65が停止される。また、二つのリール65に対して同時に停止操作された場合、その二つのリール65の優先順位に基づいて決定されるいずれか一方のリール65が停止されてもよいし、全てのリール65の優先順位に基づいて決定される一つのリール65が停止されてもよい。即ち、停止操作されていないリール65が停止されてもよい。
これにより、遊技者が二以上のどの組合せのリールに対する停止操作をしたとしても、優先順位を判別することができ、いずれか一つのリールを停止させることができる。従って、遊技者の停止操作をムダにすることなく円滑に図柄変動ゲームが進行することができる。
【0018】
以上に述べた本発明の実施に関する遊技機10を更に詳細に説明するため、以下に、遊技機10の構造、電気構成、機能構成、処理フロー等について、具体例を挙げて説明する。
【0019】
<遊技機10の構造について>
遊技機10の構造について、
図1から
図5を用いて説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図2は、
図1において破線で囲って示す手元領域IIの斜視図である。
図3は、前面扉20の裏面を示す図である。
図4は、前面扉20を除いた遊技機10を示す図である。
図5は、有効ラインを示す図である。
【0020】
遊技機10は、前面を開口した直方体状の外枠90と、外枠90の左縁側に対して回動開閉可能に軸支された前面扉20と遊技機本体部60と、を備えている。
より具体的には、外枠90の左縁側には三つのヒンジ部96(96a、96b、96c)が設けられており、上段ヒンジ部96aと下段ヒンジ部96cによって前面扉20が軸支され、上段ヒンジ部96aと中段ヒンジ部96bによって遊技機本体部60が軸支されている。
【0021】
前面扉20の前面側には、
図1または
図2に示すように、上部パネル21と、下部パネル22と、ベットボタン23と、メニュー選択ボタン24と、状態表示LED25と、スタートレバー26と、ストップボタン27と、メダル投入口31と、精算ボタン32と、メダル返却ボタン33と、ドア錠34と、メダル排出口35と、装飾LED36と、下皿37と、スピーカ口38と、が設けられている。
また、前面扉20の裏面側には、
図3に示すように、装飾LED基板41と、状態表示LED基板42と、ストップボタン基板43と、スタートレバーセンサ44と、ベットボタン基板45と、メニュー選択ボタン基板46と、メダルセレクタ47と、設定変更装置48と、スピーカ49と、投入メダル通路51と、払出メダル通路52と、返却メダル通路53と、が設けられている。
また、前面扉20の他にも
図4に示すように、遊技機10は、遊技機本体部60と、電源装置91と、メダル収納庫93と、メダル補助収納庫95と、を備えている。
【0022】
前面扉20を開扉するためには、ドア錠34にドアキー(図示せず)を差し込んで、前面扉20と外枠90とをロックさせるロック機構(図示せず)を解除する必要がある。
前面扉20を開扉すると、
図4に示すように、遊技機本体部60の下方に電源装置91が備えられている。電源装置91は、遊技機10の各構成要素に対して電力供給するための装置であり、電源スイッチ92の操作によって起動または停止が制御される。
遊技者は、遊技機10の遊技に興じる際には、電源スイッチ92を操作して電源装置91を起動する必要がある。なお、遊技機本体部60は、電源装置91からの電力供給がオフになっても、オフ時に実行していた遊技状態を維持する機能を有していることが好ましい。ボーナス遊技のように遊技者に有利な展開で遊技が進行している最中に電力供給が停止した場合等に、遊技者を失望させないためである。
【0023】
また、開扉した前面扉20の裏面側には設定変更装置48が設けられている。設定変更装置48は、遊技設定値を設定するための装置であり、設定キースイッチ48aと設定変更スイッチ48bと設定表示LED48cと設定キーカバー48dとを含む。設定キースイッチ48aは、設定キー(図示せず)を差し込んで操作することによって設定変更装置48を操作可能にすることができる。設定変更スイッチ48bは、設定キースイッチ48aに設定キーを差し込んだ状態において操作可能なスイッチであって、押下することによって遊技設定値を変更することができる。設定表示LED48cは、設定された遊技設定値を表示するためのLEDであり、本実施形態では7セグメントディスプレイになっている。設定キーカバー48dは、設定キースイッチ48aを覆うカバーであり、これをスライドさせて設定キースイッチ48aを開放することによって、設定キースイッチ48aに設定キーを差し込むことが可能になる。なお、
図3では、設定キーカバー48dが設定キースイッチ48aを覆っている状態を図示している。
ここで遊技設定値とは、遊技者にとって有利な特典(ボーナス遊技等)の付与されやすさを示す値であり、高い値ほど特典が付与されやすく、低い値ほど特典が付与されにくい。なお、遊技者は、遊技機10による遊技を開始する事前に、設定変更装置48を操作して遊技設定値を設定することが好ましい。遊技設定値を変更すると一般的に遊技状態がリセットされてしまうからである。
【0024】
前面扉20は、上部パネル21と下部パネル22とを前面側に有している。
上部パネル21は透明部材で形成されているので、遊技機10の前方に位置する遊技者は、上部パネル21の裏面側に配置されている遊技機本体部60を上部パネル21越しに視認することができる。
また、下部パネル22は、その表面に遊技機10の機種名や機種に関するキャラクター等が表記されており、後方に設置されたバックライト(図示せず)の点灯によって表記された機種名等が視認しやすくなる。
【0025】
遊技機本体部60は、遊技機10によって実行される遊技を制御する主要な構成要素を含んでいる。また、遊技機本体部60は、
図4に図示するとおり、その前面上部に演出表示領域62が形成されており、その前面下部に視認窓64が形成されている。
演出表示領域62は、遊技機本体部60に内蔵された演出表示装置63の表示画面であり、遊技機10の遊技に関する各種演出または各種情報を表示することができる。なお、当該演出表示装置63としては、例えば、液晶ディスプレイ型の表示装置やドットマトリクス型の表示装置などを採用することができる。演出表示領域62に表示される演出は、スピーカ49からの音声出力や装飾LED36の発光と連動しており、遊技者の興趣を好適に喚起させることができる。なお、演出表示装置63の構成によっては、演出表示領域62はタッチパネルであってもよく、遊技者による操作を受け付ける手段として機能してもよい。
視認窓64は、遊技機本体部60に内蔵された複数のリール65(65L、65C、65R)の前面側に形成された窓枠で、内部領域と外部領域とに区画されている。視認窓64の内部領域は空洞または透明部材によって形成されており、当該内部領域を介して各リール65の一部が視認可能になっている。また、視認窓64の外部領域は不透明部材(半透明部材や透明部材を着色した部材を含む)で形成されており、当該外部領域を介したリール65の視認を困難としている。
【0026】
リール65は、リール65L、リール65Cおよびリール65Rから構成されており、スタートレバー26に対する遊技者の操作(スタートレバー26がオン状態である旨の検知)に起因して回動を開始する。このとき、前回の図柄変動ゲームにおけるリール65の回動開始時から当該図柄変動ゲームにおけるリール65の回動開始時までの時間が所定の遅延時間、いわゆるウェイト時間を超えていることを要する。すなわち、ウェイト時間が経過する前にスタートレバー26が遊技者の操作を受け付けた場合、ウェイト時間が経過するまで待機した後にリール65は回動を開始する。なお、本実施形態におけるウェイト時間は4.1秒に設定されている。
なお、本実施形態における各リール65が回動している場合、原則としてリール65は上から下へと回動する。本明細書において、リールにおける上から下への回動を「順方向」、下から上への回動を「逆方向」と称する。
【0027】
本実施形態における図柄変動ゲームでは、リール65を回動させることによってリール65に表されている複数とおりの図柄を変動表示し、回動しているリール65を停止させることによって図柄の組合せを停止表示する。
図柄変動ゲームによって付与されうる特典には、入賞、再遊技、及びボーナス遊技が含まれる。
入賞とは、メダルを獲得するために必要な特定の図柄の組合せが表示されることである。また、メダルとは、図柄変動ゲームを実行するために用いられる遊技媒体である。再遊技とは、メダルを投入せずに図柄変動ゲームを実行できる遊技状態である。ボーナス遊技とは、第一種特別役物、第二種特別役物、またいずれかの特別役物に係る役物連続作動装置のいずれかが作動している遊技状態であり、通常の遊技状態に比べて入賞の確率が高くなる。本実施形態では、ボーナス遊技は、第一種特別役物に係る連続役物作動装置が作動している遊技状態(ビッグボーナス遊技状態とも表記される)及び第二種特別役物に係る連続役物作動装置が作動している遊技状態(レギュラーボーナス遊技状態とも表記される)のことである。
【0028】
リール65の回動制御は、リールセンサ66を用いて実行される。リールセンサ66は、リール65の回動量を検知するセンサである。ここで回動量とは、所定位置を基準とするリール65の回転角度である。
リールセンサ66は各リール65に一つずつ設けられている。具体的には、リール65Lに対してリールセンサ66Lが、リール65Cに対してリールセンサ66Cが、リール65Rに対してリールセンサ66Rが、設けられている。
なお、リール65の回動制御については、後に詳述する。
【0029】
リール65の内部には、リール照明基板67(67L、67C、67R)が設けられており、リール照明基板67に搭載されているLEDの点灯によってリール65に表している各図柄の視認を容易にしている。すなわち、リール照明基板67に搭載されているLEDは、リール65による図柄表示のバックライトとして機能している。
【0030】
スタートレバー26は、図柄変動ゲームにおける変動表示を開始させるための契機として、遊技者の操作を受け付けることができる。スタートレバー26に対する遊技者の操作とは、具体的には初期状態において前面扉20に対して略垂直に設けられているスタートレバー26をいずれかの方向に倒すことである。
スタートレバーセンサ44は、スタートレバー26がオン状態であるかオフ状態であるかを検知することができる。より具体的には、スタートレバーセンサ44は、前面扉20に対して略垂直であるスタートレバー26をオフ状態として検知し、いずれかの方向に倒されているスタートレバー26をオン状態として検知する。
【0031】
遊技不能である場合、スタートレバー26が遊技者の操作を受け付けたとしても図柄変動ゲームは開始されない。
ここで遊技不能である場合としては、(i)前面扉20が開扉している場合、(ii)メダル収納庫93の中にメダルが無い場合、(iii)貯留されているクレジットに相当するメダルを、精算ボタン32の押下に起因してメダル排出口35からメダルを排出する処理が行われている場合、等が挙げられる。
【0032】
また、本実施形態において、メダルが所定の投入枚数に達していない場合には、スタートレバー26が遊技者の操作を受け付けたとしても図柄変動ゲームが開始されない。所定の投入枚数に到達させるためには、以下の操作または処理の少なくとも一つ、または複数の組合せが必要である。
(i)メダル投入口31からメダルを投入して投入枚数を増やす。
(ii)遊技機10に貯留されているメダルを表すクレジットをベットボタン23の押下によって減算させて投入枚数を増やす。
(iii)前回の図柄変動ゲームにおいてリプレイが停止表示された場合、当該図柄変動ゲームにおいて再遊技処理が実行されて投入枚数が増える。この場合、遊技者が(i)や(ii)の操作を行わずとも、自動的に当該図柄変動ゲームにおける投入枚数が前回の図柄変動ゲームの投入枚数になる。
【0033】
ここでメダルの貯留とは、遊技者の所有するメダルの一部または全部に代えて、その数に相当する数値(クレジット)を遊技機10の内部で記憶する機能をいう。メダルが貯留される(クレジットが増大する)場合は、例えば(i)所定の投入枚数を超えてメダル投入口からメダルが投入された場合、(ii)図柄変動ゲームにおいて入賞し、当該入賞の特典としてメダルを獲得した場合、等が挙げられる。
【0034】
上記のメダル投入口31の裏面側には、メダルセレクタ本体47aとメダルブロッカ47bとメダル通過センサ47cとを含むメダルセレクタ47が設けられており、メダル投入口31から投入されたメダルはメダルセレクタ47によって受付可能なメダルと受付不能なメダルとに選別される。
例えば、待機状態(電源が投入されているが図柄変動ゲームが実行されていない状態)である場合等はメダル受付可能であるため、メダルセレクタ本体47aはソレノイドを有するメダルブロッカ47bを作動させる。メダルブロッカ47bが作動すると、投入メダル通路51の中途に突起部(図示せず)が埋没するので、投入メダル通路51はメダル通過を許容する状態になる。このとき、メダル投入口31からメダルが投入されると、当該メダルは投入メダル通路51に流下し、投入メダル通路51の中途に設けられているメダル通過センサ47cによって検知され、収納メダル通路54を通過してメダル収納庫93の中に収納される。
また、図柄変動ゲームの実行中やクレジットが上限値に達した場合等は、メダル受付不能であるため、メダルセレクタ本体47aはメダルブロッカ47bの作動を停止させる。メダルブロッカ47bの作動が停止されると、投入メダル通路51の中途に突起部(図示せず)が突出してメダルの通過を阻害するので、投入されたメダルは投入メダル通路51の中途であって、かつメダル通過センサ47cに検知されない位置に滞留する。投入メダル通路51に滞留しているメダルは、自重によりまたはメダル返却ボタン33の操作により返却メダル通路53に落下してメダル排出口35を経由して下皿37に排出される。
【0035】
また、クレジットの上限値を超えてメダルが付与された場合、付与されたメダル数に相当するメダルがメダル収納庫93からメダル排出口35を経由して下皿37に排出される。
【0036】
上記のベットボタン23として、遊技機10はベットボタン基板45に搭載されている最大ベットボタン23aと単一ベットボタン23bとを有している。最大ベットボタン23aは1回の押下でクレジットを最大で3つ減算して投入枚数を増やすことができ、単一ベットボタン23bは1回の押下でクレジットを1つ減算して投入枚数を増やすことができる。また、ベットボタン23を押下しても、その図柄変動ゲームにおけるクレジットの減算値が所定の投入枚数に達している場合には、それを超えてクレジットを減算させることはできない。
また、ベットボタン基板45には最大ベットボタン23aと単一ベットボタン23bが押下された旨を検知するセンサ(図示せず)が、それぞれに対して設けられており、このセンサの検知に応じて上記の処理が行われる。
【0037】
また、遊技機10は、上記のベットボタン23の左側に、メニュー選択ボタン24を備える。メニュー選択ボタン24は、メニュー選択ボタン基板46に搭載されている十字キーボタンと十字キーボタンの中央に位置する決定ボタンによって構成されている。
ここでメニューとは、演出表示領域62に表示される遊技機10の操作方法や遊技の解説情報等を示す画面をいい、遊技者はメニュー選択ボタン24を操作することによって当該画面を閲覧することができる。例えば、待機状態において決定ボタンを押下すると、メニューの一覧とカーソルが演出表示領域62に表示される。遊技者が十字キーボタンを操作することによって任意のメニューを示す位置までカーソルを移動し、カーソルがいずれかのメニュー示している場合に遊技者が決定ボタンを押下すると当該メニューが演出表示領域62に表示される。
【0038】
また、遊技機10は、上記のベットボタン23の右側に、投入されたメダル数や貯留されているメダル数等を表示する状態表示LED25を備える。状態表示LED25は、状態表示LED基板42に搭載されている複数のLEDまたは7セグメントディスプレイによって構成されている。
状態表示LED25のうち投入枚数表示LED25aは、3つのLEDによって構成されており、投入枚数が一枚増えるごとに、点灯するLEDの数が一つずつ増える。
状態表示LED25のうち貯留枚数表示LED25bは、7セグメントディスプレイによって構成されており、貯留されているメダルの数(クレジット)を数字で表す。
状態表示LED25のうち獲得枚数表示LED25cは、7セグメントディスプレイによって構成されており、入賞によって獲得したメダルの数を数字で表す。
状態表示LED25のうち再遊技表示LED25dは、1つのLEDによって構成されており、図柄変動ゲームにおいてリプレイが停止表示されると点灯する。
状態表示LED25のうち遊技開始表示LED25eは、1つのLEDによって構成されており、当該LEDの点灯によって図柄変動ゲームの開始可能条件が成立している旨を表す。
状態表示LED25のうち投入可能表示LED25fは、1つのLEDによって構成されており、当該LEDの点灯によってメダルの投入が可能である旨を表す。
【0039】
複数のストップボタン27(27L、27C、27R)は、回動しているリール65が停止するための契機となる遊技者の操作を、遊技者から受ける。ストップボタン27に対する遊技者の停止操作とは、具体的にはストップボタン27を押下することである。複数のストップボタン27は、ストップボタン基板43に搭載されており、各リール65に対して一つずつ設けられている。
【0040】
ストップボタン基板43には、停止操作センサ29が設けられている。停止操作センサ29は、ストップボタン27L、ストップボタン27C、ストップボタン27Rが押下された旨をそれぞれ検知することができる。また、停止操作センサ29は、各ストップボタン27の押下継続状態及び解除状態を検知することもできる。本実施形態では、停止操作センサ29は、各ストップボタン27が押下されていない状態(OFF状態)から押下された状態(ON状態)に変わったことを停止操作として検知する。但し、停止操作センサ29は、ON状態からOFF状態に変わったことを停止操作として検知してもよい。停止操作センサ29による停止操作の検知及びその停止操作に対応するリール65の番号(又はストップボタン27の番号)は、検知信号により停止操作センサ29からメイン基板100に伝達される。
停止操作センサ29による停止操作の検知に応じて、対応するリール65の回動が停止する。例えば、停止操作後、190ms以内に対応するリール65が停止する。
リール65の停止位置は、ストップボタン27の押下時におけるリール65の位置を基準として最大4コマまで移動しうる。ストップボタン27を押下してからリール65が停止するまでの制御を、一般的にはすべり制御という。
ここでコマとは、リール65の外周に示されている図柄の一つに対して与えられている領域であり、一つの当該領域または一つの当該領域の上下方向の寸法をいう。本実施形態において、リール65の外周は21コマに等分されており、各コマにそれぞれ一つずつ図柄が配列されている。
なお、本実施形態においてリール65の停止とは、所定のコマを基準に1コマ未満の変動幅でリール65が揺動している状態も含むものとする。
【0041】
遊技者は、ストップボタン27を任意の順番で押下することで、各リール65を停止させることができる。また、二つのストップボタン27又は全て(三つ)のストップボタン27が同時に押下された場合でも、いずれか一つのリール65が停止する。
ここでの「同時」とは、完全な同時に加えて、遊技機10(回動制御部140)が同時操作と判断し得る時間間隔の停止操作も含む。
【0042】
また、各ストップボタン27は、LEDランプ(ストップボタンLED28)をそれぞれ内包し、その周囲を光透過性の部材で覆う構成となっている。そして、ストップボタン27は、ストップボタンLED28の点灯色で停止可能条件の成立の可否を遊技者に報知する。本実施形態では、ストップボタンLED28(ストップボタンLED28L、28C及び28R)は、各ストップボタン27に内包されているが、ストップボタンLED28とストップボタン27との対応関係が把握可能な状態で、ストップボタンLED28の外側に配置されていてもよい。
【0043】
視認窓64の内部領域は縦方向に3コマ分の寸法となっている。また、各リール65は視認窓64の内部領域の上下方向に3個の図柄が収まるように停止制御され、遊技者は当該3個の図柄を視認窓64の内部領域を介して視認できるようになっている。すなわち、リール65が左右方向に3つ配置されているので、各リール65が停止している場合において、遊技者が3個の図柄×3リール=9個の図柄を視認可能になっている。
【0044】
上述のように各リール65が停止制御されるとき、各リール65において停止する図柄のうち上段・中段・下段に停止する図柄が形成する略直線(
図5において一点鎖線で示す)をそれぞれラインL1・ラインL2・ラインL3と称す。
また、リール65Lの上段と、リール65Cの中段と、リール65Rの下段に停止する図柄が形成する略直線(
図5において一点鎖線で示す)をラインL4と称す。リール65Lの下段と、リール65Cの中段と、リール65Rの上段に停止する図柄が形成する略直線(
図5において一点鎖線で示す)をラインL5と称す。
【0045】
各リール65の回動中(図柄変動ゲームの実行中)は、遊技者の関心を惹きつけて遊技興趣を喚起させるため、演出表示領域62に表示される画像、スピーカ49から出力される音声または装飾LED36の点灯や滅灯等によって構成される多様な演出が実行される。
【0046】
各スピーカ49の前方にはスピーカ口38が設けられている。より具体的には、遊技機の正面から見て右上(
図3においては左上)に位置するスピーカ49aの前方にはスピーカ口38aが設けられている。遊技機の正面から見て左上(
図3においては右上)に位置するスピーカ49bの前方にはスピーカ口38bが設けられている。遊技機の正面から見て左下(
図3においては右下)に位置するスピーカ49cの前方にはスピーカ口38cが設けられている。遊技機の正面から見て右下(
図3においては左下)に位置するスピーカ49dの前方にはスピーカ口38dが設けられている。
各スピーカ口38には多数の空洞が設けられており、スピーカ49から出力される音声を適切に出力することができる。
【0047】
装飾LED36は、演出表示領域62または視認窓64を囲うような配置で配置されている。より具体的には、演出表示領域62の右上側には、装飾LED基板41aに搭載されている装飾LED36aと装飾LED基板41bに搭載されている装飾LED36bとが配置されている。また、演出表示領域62の右下側には、装飾LED基板41cに搭載されている装飾LED36cが配置されている。また、視認窓64の右下側には、装飾LED基板41dに搭載されている装飾LED36dが配置されている。また、視認窓64の左下側には、装飾LED基板41eに搭載されている装飾LED36eが配置されている。また、演出表示領域62の左下側には、装飾LED基板41fに搭載されている装飾LED36fが配置されている。また、演出表示領域62の左上側には、装飾LED基板41gに搭載されている装飾LED36gと装飾LED基板41hに搭載されている装飾LED36hとが配置されている。
各装飾LED36は、単色で点灯してもよいし、複数色で点灯可能であってもよい。
【0048】
図柄変動ゲームの結果として入賞に対応する図柄の組合せが所定の有効ラインに停止表示された場合、当該入賞に対して規定されている枚数のメダルが付与される。ここで有効ラインとは、図柄変動ゲームの結果である特典の有無に係る図柄の組合せが停止表示される位置である。本実施形態における有効ラインは、図柄変動ゲームの開始可能条件の一つである掛け数(メダル投入数)によって決まる(
図5参照)。具体的には、掛け数が1枚の場合、上述のラインL2が有効ラインとなり、掛け数が2枚の場合、上述のラインL1、L2及びL3が有効ラインとなり、掛け数が3枚の場合、上述のラインL1、L2、L3、L4及びL5が有効ラインとなる。すなわち、図柄変動ゲームにおいて有効ライン以外のラインに停止表示される図柄の組合せは特典の有無を表すものではない。
なお、当然ながら、有効ラインには、入賞に対応する図柄の組合せのみならず、再遊技やボーナス遊技に対応する図柄の組合せも停止表示されうる。
【0049】
遊技機10は、付与されたメダルの払出処理の実行中にクレジットが上限値に達した場合、上限値を超える分に相当する枚数のメダルをメダル収納庫93から払い出す。また、遊技機10は、精算ボタン32を押下した場合、押下した時点におけるクレジットに相当する枚数のメダルをメダル収納庫93から払い出す。
メダル収納庫93に収容されているメダルを払い出す処理は、メダル収納庫93に内蔵されている払出機構(図示せず)によって実行される。より具体的には、払出機構は、メダル収納庫93に収容されているメダルから払出枚数分のメダルを取得し、メダル払出口94から払出メダル通路52に向けて排出させる。払出メダル通路52に排出されたメダルは、メダル排出口35を経由して下皿37に排出される。
【0050】
なお、メダル収納庫93からメダルが溢れ出すことを防止するため、メダル収納庫93の脇にはメダル収納庫93に収容されているメダルの一部が流下するメダル補助収納庫95が設けられている。
また、メダル補助収納庫95に収容されているメダルが所定以上に達することを検知する収納庫エラーセンサ(図示せず)が設けられており、この検知に応じて遊技機10はメダル収納庫93やメダル補助収納庫95に収容されているメダルを回収するように促すエラーを報知する。このエラーの報知のために、上述の演出表示領域62や装飾LED36やスピーカ49が用いられてもよい。
【0051】
<遊技機10の電気構成および機能構成>
次に、本実施形態における遊技機10の電気構成および機能構成について、主に
図6または
図7を用いて説明する。ただし、先に説明した
図1から
図5に図示される構成要素についても言及するので適宜参照されたい。
なお、
図6は、遊技機10の電気構成を示す図である。また、
図7は、遊技機10の機能ブロック図である。
【0052】
遊技機10は、主要な構成要素としてメイン基板100とサブ基板200とを内蔵している。
図6においてメイン基板100またはサブ基板200は単一の電子基板であるかのように図示しているが、必ずしも単一の電子基板である必要はない。すなわち、メイン基板100またはサブ基板200は、複数の電子基板を組み合わせて実現されてもよい。
【0053】
メイン基板100は、各種センサ40から入力された制御情報に基づいて状態表示LED基板42やストップボタン基板43に含まれる各LEDの表示を制御したり、メダル収納庫93にメダルを払い出させたり、サブ基板200に出力するコマンドを生成したりする。メイン基板100には、CPU101、ROM102またはRAM103等の電子部品が実装されている。メイン基板100は、これらの電子部品や各種センサ40等の間で授受するデータや制御信号を処理することによって、遊技に関する各種機能を実現している。ここで、各種センサ40には、上述のスタートレバーセンサ44、ストップボタン基板43に搭載されている停止操作センサ29、ベットボタン基板45に搭載されているセンサ(図示せず)、メダル通過センサ47c等が含まれる。
サブ基板200は、メイン基板100から入力されたコマンドに基づいて装飾LED基板41、スピーカ49または演出表示装置63等を制御する。サブ基板200も、CPU201、ROM202またはRAM203等の電子部品が実装され、情報処理によって各種機能を実現している点においてはメイン基板100と同様である。
【0054】
メイン基板100によって実現される機能構成には、
図7に示すように、遊技状態制御部110、内部抽選部120、フラグ設定部130、回動制御部140、図柄表示判定部150および指令生成部160が含まれる。
また、サブ基板200によって実現される機能構成には、
図7に示すように、サブ統括部210、演出表示部220、音声出力部230およびLED発光部240が含まれる。
なお、
図7に図示する構成要素は、メイン基板100またはサブ基板200に含まれる機能構成のすべてとは限らず、ここに図示されない機能構成が存在してもよい。
【0055】
遊技状態制御部110は、遊技機10によって実行される遊技(図柄変動ゲーム)に係る遊技状態を管理しており、例えば、次のような処理を実行する。
遊技状態制御部110は、遊技実行が可能であるか否かを監視しており、遊技不能である場合に遊技を停止(中断)させる。ここで遊技不能である場合としては、(i)前面扉20が開扉している場合、(ii)メダル収納庫93の中にメダルが無い場合、(iii)貯留されているクレジットに相当するメダルを、精算ボタン32の押下に起因してメダル排出口35からメダルを排出する処理が行われている場合、等が挙げられる。
【0056】
また、遊技状態制御部110は、クレジットを記憶し、その増減を管理する。
より詳細には、遊技状態制御部110は、最大ベットボタン23aまたは単一ベットボタン23bの押下が検知された場合、記憶しているクレジットから所定の値を減算する。
また、遊技状態制御部110は、停止表示されている図柄の組合せが図柄表示判定部150によって入賞と判定された場合、その入賞の特典として割り当てられているメダル数に相当する値を、記憶しているクレジットに加算する。この加算処理において、記憶しているクレジットが上限値に到達するとき、遊技状態制御部110は、超過したメダル数に相当するメダルをメダル収納庫93に払い出させる。また、遊技状態制御部110は、精算ボタン32の押下が検知されたとき、記憶しているクレジットに相当するメダルをメダル収納庫93に払い出させる。
【0057】
また、遊技状態制御部110は、状態表示LED基板42に表示される条件及びストップボタン27に対する停止操作の停止受付可能条件を管理している。ここで、状態表示LED基板42に表示される条件には、メダルの投入枚数、貯留されているメダルの数(クレジット)入賞によって獲得したメダル数、再遊技の有無、図柄変動ゲームの開始可能条件、メダル投入の可能条件が含まれる。
ここで、停止受付可能条件とは、図柄変動ゲームにおける停止表示の契機となる停止操作(遊技者によるストップボタン27の押下)を受け付けるための条件である。本実施形態における停止受付可能条件は、停止されていない全てのリール65(65L、65C、65R)の速度が所定速度に到達していることを前提条件として判定され、最大ベットボタン23a、単一ベットボタン23b、精算ボタン32、スタートレバー26及び既に停止しているリール65に対応するストップボタン27が操作されていないことなどを以て、成立する。このように、本実施形態では、説明の便宜のため、全てのリール65の回動速度が所定速度に到達していることは、当該停止受付可能条件の判定の前提条件に位置付けているが、すべてのリール65の速度が所定速度に到達していることが停止受付可能条件に含められてもよい。
【0058】
また、遊技状態制御部110は、設定変更装置48によって設定される遊技設定値を管理している。遊技設定値は、内部抽選部120によって抽選される入賞役の当選確率、または、サブ基板200によって制御される各種演出の発生確率、等に影響を与える。
【0059】
更に、遊技状態制御部110は、通常遊技状態とボーナス遊技等の遊技者にとって有利な有利遊技状態との間の移行も行う。遊技状態制御部110によって移行されうる有利遊技状態には、第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動している遊技状態、第二種特別役物に係る役物連続作動装置が作動している遊技状態が含まれる。
【0060】
内部抽選部120は、スタートレバー26の操作(開始操作)の検知を契機として、予め定められている複数とおりの入賞役またはボーナス役の当否を抽選によって判定する。より詳細には、内部抽選部120は、乱数を取得し、ROM102に予め格納されている抽選テーブルを参照して、取得された乱数がいずれの入賞役またはボーナス役に対応付いているかを判定する。
抽選テーブルは、入賞役及びボーナス役に割り振られている置数パターンを格納する。抽選テーブルは、遊技状態毎にそれぞれ設けられていてもよい。ここで置数とは、内部抽選部120の抽選に用いられる抽選テーブルにおいて、入賞役及びボーナス役のそれぞれに対応付けられている乱数の数を示す値である。例えば、その抽選テーブルにおいて用いられる乱数の総数が65536通りである抽選において、2000の置数が割り当てられている入賞役は、2000/65536≒約3%の確率で抽選される。
ここで、入賞役とは、特定の図柄の組み合わせに対応し、入賞又は再遊技の特典を遊技者に付与する。ボーナス役とは、ボーナス遊技の特典を遊技者に付与する役物または役物連続作動装置である。本実施形態におけるボーナス役は、ビッグボーナス(BB)役及びレギュラーボーナス(RB)役を含む。
【0061】
本実施形態において、内部抽選部120によって抽選される入賞役及びボーナス役を
図8に例示する。
図8は、本実施形態における入賞役及びボーナス役と、入賞役及びボーナス役に対応するくじ番号とを示す図である。
ここで、くじ番号とは、入賞役及びボーナス役の各々に対応付けられて定められている識別番号である。
また、上位役とはボーナス役(本実施形態ではBBまたはRB)に係る当選の有無を示しており、下位役とは入賞役(入賞または再遊技(いわゆる小役))に係る当選の有無を示している。
また、本実施形態におけるBBとは第一種特別役物に係る役物連続作動装置を示しており、本実施形態におけるRBとは第二種特別役物に係る役物連続作動装置を示している。
例えば、くじ番号「0」は、ボーナス役も小役も非当選である場合に対応している。また、くじ番号「1」は、ボーナス役が非当選であってリプレイの当選である場合に対応している。また、くじ番号「5」は、BBが当選であって小役が非当選である場合に対応している。また、くじ番号「7」は、BBもリプレイも当選である場合に対応している。
このように、本実施形態の遊技機10は、小役にもボーナス役にも同一の図柄変動ゲームで当選しうる(同時当選しうる)遊技性を実現できる。
【0062】
フラグ設定部130は、内部抽選部120によって抽選された入賞役またはボーナス役が成立しうる旨を示す当選フラグを設定する。当選フラグは、入賞役またはボーナス役に当選しているか否かを示すフラグである。ここで入賞役またはボーナス役が成立するとは、内部抽選部120によって抽選された入賞役またはボーナス役に対応している図柄の組合せが、図柄変動ゲームの結果として有効ライン上に停止表示されることをいう。
なお、以下の説明において、内部抽選部120によって抽選された入賞役またはボーナス役に対応する当選フラグが設定されることを「入賞役の当選」または「ボーナス役の当選」と表現する場合があるが、この表現は入賞役またはボーナス役の成立条件の一部である当選フラグの設定が行われており、当該入賞役またはボーナス役の成立が許容されている状態を意味する。
当選フラグは、入賞役用及びボーナス役用に別々に設けられてもよいし、共用されてもよい。フラグ設定部130は、内部抽選部120による抽選で入賞役が当選した場合には、入賞役に当選したことを示す状態となるように当選フラグを設定する。フラグ設定手段は、ボーナス役が当選した場合には、ボーナス役に当選したことを示す状態となるように当選フラグを設定する。
【0063】
回動制御部140は、リールモータ68を駆動することによってリール65の回動を制御する。本実施形態における回動制御は、図柄変動ゲームにおける図柄の変動表示および停止表示の制御である。但し、回動制御部140の制御には、フリーズ演出における図柄の変動表示および停止表示の制御が含まれてもよい。ここでフリーズ演出とは、少なくとも一つのリール65が回動しているにも関わらず、回動している当該リール65に対する停止操作を受け付けない状態をいう。フリーズ演出において行われる図柄の変動表示や停止表示は図柄変動ゲームではなく、フリーズ演出が直接的に図柄変動ゲームの結果に影響をおよぼすことはない。
【0064】
図柄の変動表示の制御では、回動制御部140は、図柄の変動表示の実行期間において、各リール65を所定速度で回動させるようにリールモータ68にパルス信号を出力する。リールモータ68は、ステッピングモータであり、回動制御部140が出力するパルス信号を入力することによって、断続的に可変な回動態様で各リール65を回動させることができる。
なお、リール65の回動角度(移動コマ数)は、回動制御部140が出力したパルス信号の長さに比例して増大する。また、リール65の回動速度は、回動制御部140が出力したパルス信号の周波数に比例して増大する。
【0065】
停止表示の制御では、回動制御部140は、停止操作センサ29による停止操作の検知に応じて、停止操作を受け付け、その停止操作に対応するリール65の回動を停止させる。具体的には、回動制御部140は、ストップボタン27Lに対する停止操作の検知に応じて、リール65Lを停止させ、ストップボタン27Cに対する停止操作の検知に応じて、リール65Cを停止させ、ストップボタン27Rに対する停止操作の検知に応じて、リール65Rを停止させる。
【0066】
回動制御部140は、停止操作センサ29からの検知信号に基づいて、停止操作センサ29による停止操作の検知及びその停止操作に対応するリール65(又はストップボタン27)の番号を知ることができる。例えば、回動制御部140は、当該停止信号に基づいて、停止操作の検知を知る。更に、回動制御部140は、停止操作が検知されたストップボタン27の番号又は対応するリール65の番号が設定されたメモリ領域(レジスタ)を参照することで、停止操作に対応するリール65の番号を知ることができる。回動制御部140によるそれら情報の認識方法は、このような手法に制限されない。
【0067】
回動制御部140は、リール65の回動開始後の停止受付可能条件の成立を契機として、ストップボタン27に対する遊技者による停止操作を受け付ける。
ここで、停止操作を受け付けるとは、ストップボタン27に対して行われた停止操作に応じて、いずれか一つのリール65の停止制御が実行されることである。停止操作を受け付けるか否かの判定は、本実施形態では回動制御部140により実行される。その判定は、ストップボタン27、停止操作センサ29、ストップボタン基板43、遊技状態制御部110などにより実行されてもよい。例えば、停止操作の受け付け不可の状態では、ストップボタン27が押下できないよう固定されてもよい。また、停止操作の受け付け不可の状態では、停止操作センサ29が操作を検知しないように制御されてもよい。
【0068】
全てのリール65が回動している状態では、停止受付可能条件は、全てのストップボタン27に対して一旦成立する。停止操作が受け付けられると、所定の時間だけ、全ての停止受付可能条件が解除され、全てのストップボタン27に対する停止操作が受け付けられなくなる。当該所定の時間の経過後、回動しているリール65に対応する残りのストップボタン27のために、再び、停止受付可能条件が成立し、当該残りのストップボタン27に対する停止操作の受け付けが可能となる。
停止受付可能条件がこのように成立するので、遊技者はストップボタン27の停止操作を当該所定時間未満の間隔では行えなくなっている。
【0069】
また、回動制御部140は、二つ又は三つ(全て)のストップボタン27に対する停止操作が上述の許容時間内に検知された場合であっても、その停止操作を受け付け、いずれか一つのリール65を停止させることができる。許容時間の意味は、上述したとおり、二以上のリールに対する各停止操作の検知タイミングが回動制御部140により同時操作と判断され得る時間である。
本実施形態では、停止操作センサ29により停止操作が検知されると、所定のメモリ領域(レジスタ)の、その停止操作に係るリールの番号に対応するビットが立つようになっている。回動制御部140は、停止操作センサ29による停止操作の検知を契機に、当該所定のメモリ領域を参照する。この参照時に、複数のリール番号が確認された場合に、回動制御部140は、二以上のリール65の同時停止操作と判断する。当該所定のメモリ領域は、参照後、初期化される。よって、本実施形態では、当該許容時間は、回動制御部140が、停止操作センサ29により停止操作が検知されたことを知ってから、当該所定のメモリ領域を参照するまでの時間である。
以降の説明において、複数のストップボタン27又は複数のリール65に対して「同時に」停止操作を行うと表記した場合には、完全なる同時を含む当該許容時間内に停止操作を行うことを意味するものとする。
なお、回動制御部140は、停止操作センサ29による停止操作の検知タイミングより190ms以内にリール65の回動を停止しなければならないので、同時停止操作を許容する当該許容時間は190msに比べて十分に短い時間であることが望ましい。より具体的には、当該許容時間は、停止操作センサ29による停止操作の検知タイミングからリール65の回動量が1コマに達するまでの時間(約36ms)より小さいことが好ましく、本実施形態に係る当該許容時間は約1.5msになっている。
【0070】
回動制御部140は、二以上のリール65の同時停止操作が発生したと判断すると、停止操作された二以上のリール65の中の、いずれか一つのリール65を停止させる。このとき、回動制御部140は、停止操作された各リール65に割り当てられている優先順位に基づいて、最高位の優先順位が割り当てられている一つのリール65を停止対象に決定する。このように、本実施形態において、回動制御部140は、図柄変動ゲームの実行中に、複数のリール65の中の二以上のリールに対する停止操作が停止操作センサ29によって許容時間内に検知された場合、検知された停止操作に対応する当該二以上のリールのうち、割り当てられている優先順位がより高いリール65を停止させる。
これにより、本実施形態によれば、遊技者は、全てのリール65の中のどの組み合わせの複数のリール65を同時に停止操作したとしても、その停止操作がなされた複数のリール65の中の最高位の優先順位が割り当てられているリール65を停止させることができる。従って、遊技者の停止操作をムダにすることなく円滑に図柄変動ゲームを進行することができる。
なお、本実施形態では、同時停止操作されたリール65に、既に停止しているリール65が含まれている場合には、停止受付可能条件が成立しないため、その同時停止操作は受け付けられないこととなる。
【0071】
本実施形態では、全てのリール65の各々について異なる優先順位が予め決められており、各リール65と優先順位との関係がROM102に格納されている。例えば、リール65L、リール65C、リール65Rの順に、第一優先順位、第二優先順位、第三優先順位と決められている。即ち、本実施形態で決められる優先順位は、遊技者が、スタートレバー26(開始操作部)から近い順に複数のストップボタン27(停止操作部)を操作した場合の順序に従って、決められている。この例によれば、スタートレバー26(開始操作部)に近い順にストップボタン27(停止操作部)を操作する、いわゆる「順押し」で優先順序が割り当てられているので、遊技者にとって意図される又は好ましいリールが停止制御される。しかしながら、優先順位の決め方は、このような例に限定されない。
【0072】
図柄表示判定部150は、図柄変動ゲームにおいて有効ライン上に停止表示された図柄の組合せが、いずれの入賞役またはボーナス役に対応しているか否かを判定する。
図9及び
図10に示す図は、本実施形態における入賞役またはボーナス役に対応している図柄の組合せの一例である。
【0073】
例えば、
図9には、ベル役に対応している図柄の組合せの一例(PT1)、スイカ役に対応している図柄の組合せの一例(PT2)及びチェリー役に対応している図柄の組合せの一例(PT3)が示されている。
図8の例において、ベル役のくじ番号は「2」であり、スイカ役のくじ番号は「3」であり、チェリー役のくじ番号は「4」である。
これら入賞役に対応している図柄の組合せが有効ラインに停止表示されると、特典として、掛け数及び入賞役に応じた枚数のメダルが15枚を限度として付与される。例えば、有効ラインに三つのベル図柄が停止表示された場合、掛け数が1枚又は2枚のときには、15枚のメダルが付与され、掛け数が3枚のときには、8枚のメダルが付与される。なお、通常遊技状態の掛け数は、1枚、2枚又は3枚であり、ボーナス遊技状態(BB遊技状態またはRB遊技状態の掛け数は、2枚である。つまり、ボーナス遊技状態において有効ラインL1、L2又はL3に三つのベル図柄が停止表示された場合、特典として15枚のメダルが付与される。
【0074】
図10には、ビッグボーナス(BB)役に対応している図柄の組合せの二例(PT11及び12)、レギュラーボーナス(RB)役に対応している図柄の組合せの二例(PT13及び14)及びリプレイ役に対応している図柄の組合せの一例(PT15)が示されている。
図8の例において、BB役のくじ番号は「5」であり、RB役のくじ番号は「6」であり、リプレイ役のくじ番号は「1」である。
リプレイ役に対応している図柄の組合せが有効ラインに停止表示されると、特典として再遊技が付与される。BB役に対応している図柄の組合せが有効ラインに停止表示されると、特典としてBB遊技状態に移行する(第一種特別役物に係る役物連続作動装置を作動させる)。RB役に対応している図柄の組合せが有効ラインに停止表示されると、特典としてRB遊技状態に移行する(第二種特別役物に係る役物連続作動装置を作動させる)。
【0075】
指令生成部160は、メイン基板100からサブ基板200に伝送するコマンドを生成する。指令生成部160によって生成されるコマンドには、サブ基板200によって実行される、各演出の決定条件等が含まれる。
【0076】
サブ統括部210は、メイン基板100から伝送されたコマンドに基づいて演出表示部220、音声出力部230またはLED発光部240を制御する。
演出表示部220は、演出表示装置63を制御する機能を有し、メイン基板100によって実行される図柄変動ゲームと連動して表示出力による演出を演出表示装置63に実行させる。
音声出力部230は、スピーカ49を制御する機能を有し、メイン基板100によって実行される図柄変動ゲームと連動して音声出力による演出をスピーカ49に実行させる。
LED発光部240は、装飾LED基板41に搭載されているLEDを制御する機能を有し、メイン基板100によって実行される図柄変動ゲームと連動して発光出力による演出をLEDに実行させる。
【0077】
<図柄変動ゲームの処理フロー>
次に、本実施形態における図柄変動ゲームの処理フローについて、主に
図11から
図13を用いて説明する。ただし、先に説明した
図1から
図7に図示される構成要素についても言及するので適宜参照されたい。
【0078】
図11は、本実施形態における図柄変動ゲームのメインフローを示すフローチャートである。なお、本実施形態では
図11に図示される一連の処理を実行することをもって一回の図柄変動ゲームとする。
【0079】
遊技状態制御部110は、遊技機10が正常に起動中である場合、当該図柄変動ゲームにおける遊技状態や遊技設定値に関する情報を取得し、取得された情報に応じた遊技状態や遊技設定値に基づいて図柄変動ゲームを開始する(ステップS102)。
なお、ステップS102において取得される遊技状態を示す情報には、再遊技の設定、ボーナス遊技状態の設定などが含まれる。
【0080】
ここで、前回の図柄変動ゲームにおいて再遊技が設定されている場合(ステップS104のYES)、遊技状態制御部110は再遊技処理を実行する(ステップS110)。そして、遊技状態制御部110は、図柄変動ゲームの開始可能条件を成立させて(ステップS112)、スタートレバーセンサ44による検知を待機する(ステップS114のNO)。
ここで再遊技処理とは、特典として付与された再遊技に起因して、図柄変動ゲームの開始可能条件の少なくとも一部を成立させる処理をいう。
【0081】
前回の図柄変動ゲームにおいて再遊技が設定されていない場合(ステップS104のNO)、遊技状態制御部110は、ベットボタン23の押下またはメダル投入口31からのメダル投入(メダル通過センサ47cによる検知)を待機する(ステップS106のNO)。これらに応じて投入枚数が増加した場合(ステップS106のYES)、投入数が所定数に達するまで待機する(ステップS108のNO)。ここで所定数とは、本実施形態においては、ボーナス遊技状態においては2であり、ボーナス遊技状態を除く遊技状態においては1、2または3である。なお、本実施形態における所定数は一例であり、適宜変更してもよい。
【0082】
メダルの投入数が所定数に達したとき(ステップS108のYES)、遊技状態制御部110は、図柄変動ゲームの開始可能条件を成立させて(ステップS112)、スタートレバーセンサ44による検知を待機する(ステップS114のNO)。
スタートレバーセンサ44による検知が行われたとき(ステップS114のYES)、内部抽選部120は、内部抽選を実行し(ステップS120)、フラグ設定部130は、ステップS120において抽選された入賞役またはボーナス役に対応している当選フラグを設定する(ステップS122)。
【0083】
続いて、回動制御部140は、前回の図柄変動ゲームから所定のウェイト時間の経過を待って(ステップS130のNO)、所定のウェイト時間の経過後(ステップS130のYES)、今回の図柄変動ゲームにおける変動表示を実行する。所定のウェイト時間は、最短遊技時間に応じて設定される。変動表示の実行において、回動制御部140は、すべてのリール65(65L、65C、65R)が所定速度で順方向に回動するように、リールモータ68にパルス信号を出力する(ステップS132)。
その後、回動制御部140は、すべてのリール65の回動速度が所定速度に到達するまで待つ(ステップS134のNO)。回動制御部140は、すべてのリール65の回動速度が所定速度に到達したとき(ステップS134のYES)、回胴停止受付の処理を実行する(S136)。この回胴停止受付処理により、全てのリール65の回動が停止し、図柄の組合せが停止表示される。
【0084】
ここで、回動制御部140による回胴停止受付処理(
図11のステップS136)を
図12を用いてより詳細に説明する。
図12は、図柄変動ゲームにおける回胴停止受付処理の手順を示すフローチャートである。
【0085】
回動制御部140は、最初の停止操作(第一停止操作)を受け付けるまで待機する(ステップS150のNO)。具体的には、回動制御部140は、停止受付可能条件が成立している状態で、停止操作センサ29により少なくとも一つのストップボタン27の押下が検知されると、第一停止操作を受け付ける(ステップS150のYES)。本実施形態では、最大ベットボタン23a、単一ベットボタン23b、精算ボタン32及びスタートレバー26が操作されていないことなどを以て、当該停止受付可能条件が成立する。停止受付可能条件が成立すると、ストップボタンLED28が点灯する。
【0086】
回動制御部140は、第一停止操作を受け付けると(ステップS150のYES)、すべてのストップボタンLED28を消灯する(ステップS152)。この消灯によりすべてのストップボタン27に対する停止操作が受け付け不可能状態となる。
続いて、回動制御部140は、第一停止操作が同時停止操作であるか否かを判定する(ステップS154)。本実施形態では、回動制御部140は、停止操作センサ29によるストップボタン27の押下の検知を契機に所定のメモリ領域を参照し、複数のリール番号が確認された場合に、二以上のリール65の同時停止操作と判定する。本実施形態では、上述したとおり、停止操作センサ29により停止操作が検知されると、所定のメモリ領域(レジスタ)の、その停止操作に係るリールの番号に対応するビットが立つようになっている。確認されたリール番号で示される複数のリール65が同時(許容時間内)に停止操作されたリール65に該当する。回動制御部140は、リール番号の確認後、そのメモリ領域を初期化することで、次の停止操作にそなえる。
回動制御部140は、同時停止操作の場合には(ステップS154のYES)、確認された複数のリール番号に基づいて、同時に停止操作された各リール65に割り当てられている優先順位をそれぞれ読み出す(ステップS156)。リール65と優先順位との関係は、例えば、予めROM102に格納されている。例えば、リール65Lとリール65Rとの同時停止操作が確認された場合、回動制御部140は、リール65Lの優先順位「1」とリール65Rの優先順位「3」を読みだす。
【0087】
回動制御部140は、読みだされた優先順位に基づいて、最高位の優先順位が割り当てられているリール65を停止対象に決定する(ステップS158)。上述の例によれば、回動制御部140は、リール65Lの優先順位「1」とリール65Rの優先順位「3」とに基づいて、優先順位「1」のリール65Lを停止対象に決定する。
一方、同時停止操作でない場合、即ち、確認されたリール番号が一つのリール65を示す場合(ステップS154のNO)、回動制御部140は、ステップS156を実行せず、停止操作されたリール65を停止対象に決定する(ステップS158)。
【0088】
続いて、回動制御部140は、第一停止処理を実行する(ステップS160)。具体的には、回動制御部140は、(ステップS158)で停止対象に決定されたリール65の減速を開始させる(ステップS160)。ここでステップS160の停止処理において、最大4コマまでリール65が移動しうる制御(すべり制御)を行うため、ストップボタン27の押下が検知されてからリール65が停止するまでにはタイムラグが生じうる。なお、当該タイムラグは190ms以下になるように設定されている。第一停止処理の実行において、回動制御部140は、対応するリール65の停止後、停止受付可能条件の成立を契機に、停止されたリール65以外のリール65に対応するストップボタンLED28を点灯させる。
【0089】
回動制御部140は、次の停止操作(第二停止操作)を受け付けるまで待機する(ステップS162のNO)。具体的には、回動制御部140は、停止受付可能条件が成立している状態で、停止操作センサ29により少なくとも一つのストップボタン27の押下が検知されると、第二停止操作を受け付ける(ステップS162のYES)。本実施形態では、最大ベットボタン23a、単一ベットボタン23b、精算ボタン32、スタートレバー26及び第一停止操作で停止しているリール65に対応するストップボタン27が操作されていないことなどを以て、当該停止受付可能条件が成立する。
【0090】
回動制御部140は、第二停止操作を受け付けると(ステップS162のYES)、すべてのストップボタンLED28を消灯する(ステップS164)。この消灯によりすべてのストップボタン27に対する停止操作が受け付け不可能状態となる。なお、第二停止操作の受付時には、既に一つのリール65が停止されているため、停止されているリール65に対応するストップボタンLED28は既に消灯されている。
続いて、回動制御部140は、第二停止操作が同時停止操作であるか否かを判定する(ステップS166)。この判定方法は、ステップS154と同様である。
回動制御部140は、同時停止操作の場合には(ステップS166のYES)、確認された複数のリール番号に基づいて、同時に停止操作された各リール65に割り当てられている優先順位をそれぞれ読み出す(ステップS168)。
【0091】
回動制御部140は、読みだされた優先順位に基づいて、最高位の優先順位が割り当てられているリール65を停止対象に決定する(ステップS170)。
一方、同時停止操作でない場合、即ち、確認されたリール番号が一つのリール65を示す場合(ステップS166のNO)、回動制御部140は、ステップS168を実行せず、停止操作されたリール65を停止対象に決定する(ステップS170)。
続いて、回動制御部140は、第二停止処理を実行する(ステップS172)。具体的には、回動制御部140は、(ステップS170)で停止対象に決定されたリール65の減速を開始させる(ステップS172)。なお、ステップS172の第二停止処理において、すべり制御が行われるのは、第一停止処理(ステップS160)のときと同様である。第二停止処理の実行において、回動制御部140は、対応するリール65の停止後、停止受付可能条件の成立を契機に、停止されたリール65以外のリール65に対応するストップボタンLED28を点灯させる。
【0092】
回動制御部140は、最後の停止操作(第三停止操作)を受け付けるまで待機する(ステップS174のNO)。具体的には、回動制御部140は、停止受付可能条件が成立した状態で、停止操作センサ29により残りの一つのストップボタン27の押下が検知されると、第三停止操作を受け付ける(ステップS174のYES)。本実施形態では、最大ベットボタン23a、単一ベットボタン23b、精算ボタン32、スタートレバー26及び第一停止操作及び第二停止操作で停止しているリール65に対応するストップボタン27が操作されていないことなどを以て、当該停止受付可能条件が成立する。
【0093】
回動制御部140は、第三停止操作を受け付けると(ステップS174のYES)、すべてのストップボタンLED28を消灯する(ステップS176)。この消灯によりすべてのストップボタン27に対する停止操作が受け付け不可能状態となる。なお、第三停止操作の受付時には、既に二つのリール65が停止されているため、停止されている二つのリール65に対応する二つのストップボタンLED28は既に消灯されている。
回動制御部140は、第三停止処理を実行する(ステップS178)。具体的には、回動制御部140は、検知された停止操作に対応するリール65の減速を開始させる(ステップS178)。なお、ステップS178の第三停止処理において、すべり制御が行われるのは、第一停止処理(ステップS160)のときと同様である。
【0094】
再び、
図11のフローチャートの説明に戻る。ステップS136の処理が終了した場合(図柄の組合せが停止表示された場合)、図柄表示判定部150による判定処理と、その判定結果に応じた特典の付与などの関連処理が実行される(ステップS140)。
【0095】
ステップS140の処理について、
図13を用いてより詳細に説明する。
図13は、図柄変動ゲームにおける図柄表示判定処理及び関連処理の手順を示すフローチャートである。
図柄表示判定部150は、ステップS160、S172及びS178の各処理で停止した各リール65の停止パターンを判別し、有効ラインに停止している図柄の組合せに対応する入賞役又はボーナス役を判定する(ステップS202、S206、S210、S214)。
【0096】
図柄表示判定部150がBB役に対応する図柄の組合せが停止表示されていると判定すると(ステップS202のYES)、遊技状態制御部110は、次の図柄変動ゲームにおいて第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動するよう設定する(ステップS204)。
図柄表示判定部150がRBに対応する図柄の組合せが停止表示されていると判定すると(ステップS202のNOかつステップS206のYES)、遊技状態制御部110は、次の図柄変動ゲームにおいて第二種特別役物に係る役物連続作動装置が作動するよう設定する(ステップS208)。
図柄表示判定部150が、停止表示されている図柄の組合せがリプレイ役に対応すると判定している場合(ステップS206のNOかつステップS210のYES)、遊技状態制御部110は、再遊技の設定を行う(S212)。
図柄表示判定部150がメダルを獲得するために必要な特定の図柄の組合せが停止表示されている(入賞した)と判定すると(ステップS210のNOかつステップS214のYES)、遊技状態制御部110は、その入賞の特典として割り当てられているメダル数に相当する値を、記憶しているクレジットに加算する(ステップS216)。
【0097】
再び、
図11のフローチャートの説明に戻る。
指令生成部160は、ステップS140の処理結果(図柄表示判定の結果)を含むコマンドを生成して、生成されたコマンドをサブ基板200に出力する(ステップS142)。
サブ統括部210は、ステップS142で出力されたコマンドに基づいて演出を実行する。例えば、サブ統括部210は、所定の演出画面を演出表示領域62に表示出力させる。
【0098】
また、ステップS140の処理に起因してメダルの払出処理が必要な場合、すなわちステップS216で付与されたメダルの数を加算するとクレジットが上限値を超過する場合(ステップS144のYES)、超過した分のメダルをメダル収納庫93に払い出させて(ステップS146)、当該一連の処理は終了となる。
また、ステップS140の処理に起因したメダルの払出処理が不要な場合(ステップS144のNO)、ステップS146の処理を行わずに、そのまま当該一連の処理は終了となる。
【0099】
<変形例>
上述の実施形態では、特に明記しなかったが、各リール65に割り当てられている優先順位は変更されない。例えば、遊技状態制御部110により遊技状態が移行された場合であっても、各リール65に割り当てられている優先順位が維持される。
ここで、上述の実施形態では、遊技状態制御部110による遊技状態の移行として、ビッグボーナス遊技状態またはレギュラーボーナス遊技状態とそれ以外の遊技状態との間の移行が例示された。しかしながら、遊技状態制御部110(遊技状態制御手段)は、それ以外の遊技状態を管理することもできる。遊技状態制御部110によって移行されうる有利遊技状態には、ボーナス遊技に加えて、アシストタイム(AT)、リプレイタイム(RT)またはアシストリプレイタイム(ART)が行われる遊技状態が含まれてもよい。
遊技状態制御部110がこのような遊技状態への移行も行う場合であっても、その移行時に、各リール65に割り当てられている優先順位は維持される。
【0100】
上述の実施形態では、停止操作センサ29により停止操作が検知されると、所定のメモリ領域(レジスタ)の、その停止操作に係るリールの番号に対応するビットが立つようになっており、回動制御部140が、停止操作センサ29による停止操作の検知を契機に、そのメモリ領域を参照することで、二以上のリール65の同時停止操作か否かを判定した。しかしながら、同時停止操作の判定はこのような例に制限されない。例えば、回動制御部140は、停止操作センサ29による停止操作の検知を知ってから許容時間、他の停止操作の検知を待つようにしてもよい。
【0101】
また、上述の実施形態では、同時停止操作されたリール65に、既に停止しているリール65が含まれている場合には、停止受付可能条件が成立せず、その停止操作は受け付けられなかった。しかしながら、同時停止操作されたリール65に、既に停止しているリール65が含まれている場合であっても、同時停止操作された全てのリール65が停止している場合を除き、その同時停止操作が受け付けられてもよい。この場合、同時停止操作された複数のリール65の中の未だ停止されていないリール65の中から、各リール65の優先順位に基づいて、いずれか一つのリール65が停止されればよい。
【0102】
本実施形態は次のような技術思想を包含する。
(1)複数とおりの図柄が表されている複数のリールと、前記複数のリールを回動させることによって図柄変動ゲームを実行する回動制御手段と、前記回動制御手段による前記リールの回動を停止させる契機となる遊技者の操作である停止操作を検知する停止操作検知手段と、を備え、前記図柄変動ゲームの実行中に、前記複数のリールの中の二以上のリールに対する前記停止操作が前記停止操作検知手段によって許容時間内に検知された場合、前記回動制御手段は、前記複数のリール又は前記二以上のリールの各々に割り当てられている優先順位に基づいて決定されるリールを停止させる遊技機。
(2)前記図柄変動ゲームの実行中に、前記二以上のリールに対する前記停止操作が前記停止操作検知手段によって前記許容時間内に検知された場合、前記回動制御手段は、検知された前記停止操作に対応する前記二以上のリールのうち割り当てられている優先順位がより高いリールを停止させる(1)に記載の遊技機。
(3)前記停止操作として操作され、前記複数のリールの各々に対応している複数の停止操作部と、前記回動制御手段による前記複数のリールの回動を開始させる契機となる開始操作として操作される開始操作部と、を備え、前記優先順位で示される優先順序が、遊技者が前記開始操作部から近い順に前記複数の停止操作部を操作した場合の順序に等しい(1)または(2)に記載の遊技機。
(4)複数とおりの異なる遊技状態のいずれかに滞在させる遊技状態制御手段を備え、前記遊技状態制御手段による前記遊技状態の移行時に、前記優先順位が維持される(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機。