(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
変動表示ゲームを表示可能な表示装置と、当該表示装置の前方において移動動作可能な可動部材と、当該表示装置および当該可動部材を制御可能な演出制御手段と、遊技を統括制御する遊技制御手段と、を備える遊技機において、
前記遊技制御手段は、前記変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として所定上限数まで記憶可能であり、
前記表示装置の表示領域には、第1の態様で前記始動記憶の記憶数を表示する第1始動記憶数表示領域と、当該第1の態様とは異なる第2の態様で当該始動記憶の記憶数を表示する第2始動記憶数表示領域と、が形成され、
前記可動部材が初期位置にあるときは、前記第1始動記憶数表示領域と前記第2始動記憶数表示領域の何れも視認可能であるとともに、当該可動部材が前記表示装置の前方の所定位置に移動したときは、当該第1始動記憶数表示領域と当該第2始動記憶数表示領域の何れか一方の始動記憶数表示領域を当該可動部材が覆った場合でも、他方の始動記憶数表示領域が視認可能となるように、当該第1始動記憶数表示領域と当該第2始動記憶数表示領域を前記表示領域に配置し、
前記第1始動記憶数表示領域と前記第2始動記憶数表示領域の何れか一方の始動記憶数表示領域の一部を前記可動部材が覆った場合でも、当該一方の始動記憶数表示領域における前記始動記憶の記憶数を非表示にしないことを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(
図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
【0011】
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
【0012】
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した入力操作手段としての演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
【0013】
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(
図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。
さらに、上記上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
【0014】
次に、
図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。
図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
【0015】
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0016】
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(
図38参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
【0017】
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(
図38参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(第1大入賞口)38が配設されている。
【0018】
第1特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉を有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、第1特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(
図38参照)により駆動される開閉扉によって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、第1特別変動入賞装置38の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(
図38参照)が配設されている。
【0019】
一方、センターケース40の左上には、下端部を支点として回動可能な可動片を備え特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する第2特別変動入賞装置(第2大入賞口)42が設けられ、該第2特別変動入賞装置42の内部には、当該第2大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ42a(
図38参照)が配設されている。
さらに、遊技領域32の下部、第1特別変動入賞装置38の下方には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
【0020】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特
図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特
図2表示器)52を備える。また、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部、遊技状態を報知する表示部、エラーを表示するエラー表示部、大当り時や小当り時のラウンド数(第1特別変動入賞装置38または第2特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部などからなるLED表示部53が設けられている。
【0021】
特
図1表示器(51)と特
図2表示器(52)における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0022】
遊技機10の裏面には、遊技機の各部に設けられたスイッチやセンサからの信号を受けるとともに、前面枠15およびセンターケース40に設けられている装飾ランプおよび各種モータなどの駆動源や表示装置41を制御する制御装置や、賞球を払い出すための払出ユニットが設けられている。また、制御装置は、主として遊技を制御する遊技制御基板(主基板)と表示装置41や装飾ランプ、演出用の役物装置(可動部材)の駆動源を制御する演出制御基板(サブ基板)とを備えている。従って、遊技制御基板と演出制御基板それぞれが制御手段であるとともに、これらを備える制御装置も制御手段とみなすことができる。
【0023】
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、第2特別変動入賞装置42、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は第1特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、第2特別変動入賞装置42、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は第1特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
【0024】
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(
図38参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50のLED表示部53の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示される。
【0025】
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられたLED表示部53の変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
【0026】
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
【0027】
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、LED表示部53の普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(
図38参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
【0028】
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(
図38参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
【0029】
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、一括表示装置50に設けられた特
図1表示器または特
図2表示器(変動表示装置)で第1または第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特
図1表示器若しくは特
図2表示器の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
【0030】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別図柄)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0031】
なお、一括表示装置50の特
図1表示器(51)、特
図2表示器(52)は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示領域を設けて表示するようにしても良いし、同一表示領域にて表示するようにしても良いが、各々独立して、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特
図1表示器、特
図2表示器を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
【0032】
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0033】
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38a,42aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0034】
次に、本実施形態の遊技機の遊技盤30の中央に設けられるセンターケース40と可動役物装置44の構造について説明する。
図3には、センターケース40と遊技盤30と可動役物装置44を組み立てる直前の斜視図が示されている。
図3に示すように、遊技盤30とセンターケース40および可動役物装置44の中央には、それぞれ表示装置を臨ませるための開口部30A,40A,44Aが形成され、センターケース40は遊技盤30の前方から遊技盤30の前面に、また可動役物装置44は遊技盤30の後方から遊技盤30の裏面、それぞれ接合されて一体的に組み付けられるようになっている。
【0035】
センターケース40は、その上部に、上方から開口部40Aへ遊技球が流入するのを防止する庇状の鎧部401が、また両側部には側方から開口部40Aへ遊技球が流入するのを防止する側壁部402,403が設けられている。また、センターケース40の下部には、遊技球が転動可能なステージ404および該ステージ上の遊技球を流下させる球出口405が設けられている。センターケース40の左側の側壁部402の上部には、前述したように、可動片を備える第2特別変動入賞装置(第2大入賞口)42が設けられている。また、センターケース40の右側側壁部403の下部には、可動役物装置44の右側部に設けられている補助演出役物46が臨む開口凹部406が設けられている。
【0036】
図4には、上記可動役物装置44の分解斜視図が示されている。
図4に示すように、可動役物装置44は、役物ユニット430と、その裏面側に設けられ該役物ユニット430を収納するフレーム状の役物収納枠部材420とからなり、該役物収納枠部材420によって役物ユニット430の裏面側に、液晶パネルおよびその駆動装置などからなる表示装置41としての表示ユニット410を一体に組み付けるように構成されている。
表示ユニット410は、液晶パネル411とその前面を覆う透明な前面保護プレート412とを備える。前面保護プレート412の右側縁に設けられている半円状の切欠き412aは、役物ユニット430の補助演出役物46を駆動するモータと干渉するのを防止するために設けられたものである。もともとこの部位は、前方にモータが配置されるので、保護プレートが不要である上、切欠き412aを設けることで役物ユニット441と表示ユニット410とを重ねた際にユニット全体の厚みを薄くすることができる。
【0037】
図5には、上記役物ユニット430の分解斜視図が示されている。
図5に示すように、役物ユニット430は、センターケース40の左側壁部402の上部に設けられた第2特別変動入賞装置(第2大入賞口)42より入賞した遊技球を遊技盤の背部下方へ誘導する球通路部材431と、当該ユニットの右側部に設けられる上述の補助演出役物46と、該ユニットの下部に設けられ上下動する下可動部材47aを有する下役物47と、左右方向に移動可能な第1可動部材48Aおよび第2可動部材48Bと、これらを上下から保持する可動部材移動ユニット440および下水平支持部材432と、該下水平支持部材432の前面を覆う下カバー部材433と、上記可動部材移動ユニット440や下水平支持部材432等を取り付けるための取付ベース部材434などから構成されている。取付ベース部材434の左右両側部前面には、遊技機前方より内部構造が見えないようにするための隔壁434a,434bがほぼ垂直方向に沿って形成されている。
【0038】
図6には、上記役物ユニット430を組み立てた状態の斜視図が示されている。
図6に示すように、役物ユニット430は、取付ベース部材434の左側部の上記隔壁434aより外側に上記球通路部材431が垂直方向に配設され、右側部に補助演出役物46を駆動する右役物モータ461が配設されている。右役物モータ461に設けられている軸462は、前記補助演出役物46の回動中心となる支持軸である。
図6に示すように、前述した第1可動部材48Aおよび第2可動部材48Bは、前後にずれて配置されており、第1可動部材48Aは第2可動部材48Bの前方を左右方向に、また第2可動部材48Bは第1可動部材48Aの後方を左右方向に移動可能、つまりすれ違い可能に構成されている。そして、第1可動部材48Aと第2可動部材48Bとの間には、スペーサとして機能する中部材435が設けられている。
【0039】
そして、上記可動部材移動ユニット440の上面には、上記第1可動部材48Aを移動させるための第1モータ441Aと第2可動部材48Bを移動させるための第2モータ441Bとが設けられている。後に詳しく説明するように、第1可動部材48Aと第2可動部材48Bは水平方向に配置されたスライドシャフトによって移動可能に垂下され、第1モータ441Aと第2モータ441Bの駆動力は、それぞれベルトによって第1可動部材48Aと第2可動部材48Bに伝達されるように構成されている。
図7には、
図6に示す役物ユニット430から球通路部材431と下カバー部材433を取り外した状態が示されている。
図7から分かるように、第1可動部材48Aの下端は取付ベース部材434の下部の中部材435の前面に沿って、また第2可動部材48Bの下端は中部材435の裏面に沿って移動するように、配置されている。
【0040】
また、
図7に示されているように、取付ベース部材434の前面左側の球通路部材431の背部となる位置には、球通路部材431を止着するためのボス部434bが設けられている。また、取付ベース部材434の下部の中部材435の前面には、下カバー部材433を適当な間隔をおいて平行に止着するためのボス部435bが設けられ、中部材435との下カバー部材433との隙間内を第1可動部材48Aの下端部が移動可能にされている。
さらに、取付ベース部材434の下面には、第1可動部材48Aおよび第2可動部材48Bから引き出され第1可動部材48Aおよび第2可動部材48Bに設けられているLEDランプに給電するための配線が接続される役物中継基板436が取り付けられている。
【0041】
また、中部材435の前面右側端部には、第1可動部材48Aが最も右側まで移動されていることを検出するための第1可動部材右位置検出部437Aが設けられている。一方、中部材435の前面左側端部には、第1可動部材48Aが最も左側まで移動されていることを検出するための第1可動部材左位置検出部438Aが設けられている。
図8には、第1可動部材右位置検出部437Aの詳しい構造が示されている。
図8に示されているように、第1可動部材48Aの下端には、左右方向に延びた下水平支持部481が固定され、該下水平支持部481の右端には、第1可動部材右位置検出片481aが設けられている。また、下水平支持部481の前面左側端部には、第1可動部材左位置検出片481bが設けられている。一方、中部材435の前面右側端部には、上記、第1可動部材右位置検出片481aを前後から挟むようなコの字状の透過型光電式センサ438Aが設けられている。
【0042】
図9には、
図7に示す役物ユニット430から中部材435と第1可動部材48Aを取り外した状態が示されている。
図9から分かるように、取付ベース部材434の下部の前面には、中部材435を止着するためのボス部434cが設けられている。また、取付ベース部材434の下部前面右側部には、第2可動部材48Bが最も右側まで移動されていることを検出するための第2可動部材右位置検出部438Bが設けられている。一方、取付ベース部材434の下部前面左側部には、第2可動部材48Bが最も右側まで移動されていることを検出するための第2可動部材左位置検出部437Bが設けられている。
【0043】
図10には、第2可動部材右位置検出部437Bの詳しい構造が示されている。
図10に示されているように、第2可動部材48Bの下端には、左右方向に延びた下水平支持部482が固定され、該下水平支持部482の左端には、第2可動部材左位置検出片482aが設けられている。また、下水平支持部482の前面右側端部には、第2可動部材右位置検出片482bが設けられている。一方、取付ベース部材434の下部前面左側部には、上記第2可動部材左位置検出片482aを前後から挟むようなコの字状の透過型光電式センサ439Bが設けられている。
上記各検出部のセンサの検出信号は、遊技機裏面の制御装置(演出制御基板)へ入力される。
【0044】
図11には、
図6に示す役物ユニット430を前方から見た正面図が示されている。
図11に示されているように、第1可動部材48Aはユニット上部に水平方向に配置された第1スライドシャフト442Aによって左右方向移動可能に垂下されている。また、前述したように、第1可動部材48Aおよび第2可動部材48Bは、前後にずれて配置されており、上記第1スライドシャフト442Aと同一高さ位置であってその後方には、第2可動部材48Bを左右方向移動可能に垂下する第2スライドシャフト442B(
図11では見えない)が設けられている。
【0045】
そして、上記第1可動部材48Aと第2可動部材48Bの上端部には、上記第1スライドシャフト442Aと第2スライドシャフト442Bにそれぞれ挿通可能な貫通穴を有する第1スライダー483Aと第2スライダー483Bがそれぞれ設けられている。
また、第1スライドシャフト442Aと第2スライドシャフト442Bの上方には、第1可動部材48Aと第2可動部材48Bを左右方向に移動させるための第1ベルト443Aと第2ベルト443Bがそれぞれ水平方向に配置され、移動ユニット440の上プレート444には、上記第1ベルト443Aを移動させるための第1モータ441Aと、第2ベルト443Bを移動させるための第2モータ441Bとが設けられている。なお、第1ベルト443Aと第2ベルト443Bは、互いに干渉するのを防止するために、上下にずらした状態に配置されている。
【0046】
図12には、
図9に示す役物ユニット430から移動ユニット440の上プレート444を取り外した状態が示されている。
図12から分かるように、取付ベース部材434の上部右側部に固定された右シャフト支持部材445Aと、取付ベース部材434の上部左側部に固定された左シャフト支持部材445Bとの間に、上記第1スライドシャフト442Aと第2スライドシャフト442Bとが水平状態で互いに平行に支持されている。
また、第1スライダー483Aの上面には上記第1ベルト443Aが捲回される第1プーリ446Aが、第2スライダー483Bの上面には上記第2ベルト443Bが捲回される第2プーリ446Bが、それぞれ回転可能に取り付けられている。一方、左シャフト支持部材445Bの上方であって取付ベース部材434の上部左側部には上記第1ベルト443Aが捲回される第1緩衝プーリ447Aが、右シャフト支持部材445Aの上方であって取付ベース部材434の上部右側部には上記第2ベルト443Bが捲回される第2緩衝プーリ447Bが、それぞれ回転可能に取り付けられている。
【0047】
第1プーリ446Aには、一対のギヤ448Aを介して前記第1モータ441Aの回転力が伝達され、該プーリが第1ベルト443Aを駆動して第1スライダー483Aを移動させる。また、第2プーリ446Bには、一対のギヤ448Bを介して前記第2モータ441Bの回転力が伝達され、該プーリが第2ベルト443Bを駆動して第2スライダー483Bを移動させる。
図13には、
図12に示す移動ユニット440を上方から見た状態が示されている。
図13から分かるように、第1緩衝プーリ447Aは、圧縮バネを内蔵したプーリ支持アーム449Aによって回転可能に支持されており、図示しないが、このプーリ支持アーム449Aの反対側(
図13では右端)の固定部449aは取付ベース部材434に固着されている。また、同様に、第2緩衝プーリ447Bは、圧縮バネを内蔵したプーリ支持アーム449Bによって回転可能に支持されており、図示しないが、このプーリ支持アーム449Bの反対側(
図13では左端)の固定部449bは取付ベース部材434に固着されている。
【0048】
図14には、移動ユニット440から第1可動部材48Aおよび第1スライドシャフト442Aと、第1モータ441Aおよび第1ベルト443A、第1プーリ446Aを取り外した第2可動部材48Bの駆動機構の斜視図が、また
図15には
図14の第2可動部材48Bの駆動機構を前方から見た正面図が示されている。さらに、
図16には、
図15に示されている第2可動部材48Bの駆動機構を上方から見た平面図が示されている。
【0049】
図17には、第2可動部材48Bを拡大した斜視図が示されている。
図17から分かるように、第2可動部材48Bは、全体として中央が内側へ膨んだ形状をなし、上端部に、第2スライドシャフト442Bに挿通可能なシャフト相通穴483bを有する第2スライダー483Bが設けられている。そして、この第2スライダー483Bの内側端部(
図17では右端)には、上方へ向かって突出し前記第2ベルト443Bを前後から挟持するためのベルト挟持部483Cと蓋部材484が設けられている。また、第2可動部材48Bの下端には前記下水平支持部482が固定され、該下水平支持部482の左端には、第2可動部材左位置検出片482aが設けられ、下水平支持部482の前面右側端部には、第2可動部材右位置検出片482bが設けられている。
【0050】
図18には、
図17の第2可動部材48Bを分解した状態の斜視図が示されている。
図18に示されているように、第2可動部材48Bは、該第2可動部材48Bの第2スライダー483B裏面に接合される蓋部材484と、前面に複数個の発光ダイオードLEDが実装され本体部の裏面側に装着されるLED基板486と、位置検出片482aおよび482bを備え下端部の下水平支持部482に係合される位置検出部材487とを備える。なお、第1可動部材48Aは第2可動部材48Bと左右対称的な形状を有する点が異なり、構造は同一であるので、第1可動部材48Aについては構造の説明を省略する。
【0051】
図19には、第2可動部材48Bの上端部の第2スライダー483Bを分解した状態の斜視図が示されている。
第2スライダー483Bは裏面が開口し内部が空洞となるように形成されており、
図19に示されているように、第2スライダー483Bとその裏面に接合される蓋部材484との間に形成される空間内に、上記第2スライドシャフト442Bに上下から挟むように接触する2組のローラー841a,841b;841c,841dと、これらのローラーをそれぞれ回転自在に支持する2組のローラー軸842a,842b;842c,842dと、第2スライドシャフト442Bに前後から挟むように接触するガイド軸843a,843b;843c,843dとが収納されるようになっている。
【0052】
そして、蓋部材484Aの内面(
図19では前面)には、上記ローラー軸842a,842b;842c,842dの端部が係合されることでこれらを支承する係合凹部484a,484b;484c,484dが形成されている。また、蓋部材484の内面(
図19では前面)には、上記第2スライドシャフト442Bの上下に位置して対向する2組のシャフト接合片845a,845b;845c,845dが、前方へ突出するように形成されている。
図20には、
図19の第2スライダー483Bを組み立てて第2スライドシャフト442Bを挿通した状態における上記ローラー841a,841b;841c,841dおよびローラー軸842a,842b;842c,842d、シャフト接合片845a,845b;845c,845dと、第2スライドシャフト442Bとの関係が示されている。
【0053】
図20に示されているように、2組のローラー841a,841b;841c,841dは、2組のローラー軸842a,842b;842c,842dに係合され、第2スライドシャフト442Bを上下から挟むように接触している。
また、2組のシャフト接合片845a,845b;845c,845dに第2スライドシャフト442Bが挿通されるとともに、シャフト接合片845a,845b;845c,845dの先端面に接触するようにガイド軸843a,843cが垂直姿勢で配置され、シャフト接合片845a,845b;845c,845dの内側面に接触するようにガイド軸843b,843dが垂直姿勢で配置され、第2スライドシャフト442Bに前後から挟むような構造になっている。
上記のような構造を設けることで、第2可動部材48B上端の第2スライダー483Bが第2スライドシャフト442Bに沿って安定して移動することが可能となっている。さらに、上記ガイド軸843a,843c;843b,843dおよび第2スライドシャフト442Bはステンレス等の金属で、また上記ローラー841a,841b;841c,841dはポリアセタール等の合成樹脂で、また上記ローラー軸842a,842b;842c,842dはステンレス等の金属でそれぞれ形成されているため、スムーズなスライドや回転が可能となり、周りの樹脂材の摩耗を防ぐことができるという利点がある。
【0054】
図21には、第2スライダー483Bから蓋部材484を外した状態の裏面拡大図が示されている。
第2スライダー483Bは内部が空洞となるように形成されており、
図21に示されているように、第2スライダー483Bの裏面側には上記2組のローラー軸842a,842b;842c,842dの前端部がそれぞれ係合される係合凹部486a,486b;486c,486dが形成されている。また、第2スライダー483Bの裏面側左右両端部には、上記ガイド軸843a,843cが垂直姿勢で収納されるガイド軸収納部487a,487bが、またその近傍には、ガイド軸843b,843dの上下両端部に前面側から接触して蓋部材484へ向かって押圧するガイド軸押圧凸部488a,488b;488c,488dが形成されている。
さらに、第2スライダー483Bの上面より突出するように設けられた上記ベルト挟持部483cの上端には、ベルト443Bの複数の歯部と噛合可能な凹凸を有するベルト噛合部483dが設けられている。第1スライダー483Aも、第2スライダー483Bと左右対称的な形状を有する点が異なり、構造は同一であるので、第1スライダー483Aについては構造の説明を省略する。
【0055】
図22には、第2可動部材48Bの下端部に設けられる下水平支持部482の拡大斜視図が示されている。
図22に示されているように、下水平支持部482の左端には第2可動部材左位置検出片482aが、また、下水平支持部482の前面右側端部には第2可動部材右位置検出片482bが設けられている。また、下水平支持部482に設けられた位置検出部材487は断面がほぼL状に形成され、上方のLED基板486から引き出されたフラット配線ケーブル489Bが垂直片部487cに沿って配設され、水平片部487d上で折り畳まれて方向を変え、水平片部487dに沿って第2可動部材右位置検出片482bの方向へ延設され、途中に設けられたスリット状の破線引き出し部487eから下方へ引き出されるように構成されている。なお、位置検出部材487には複数のビス穴487fが設けられており、該ビス穴487fを介して図示しないビスによって位置検出部材487が第2可動部材48Bの下端部に固定されるようになっている。第1可動部材48Aの下端部の下水平支持部481(
図8参照)も同様の構造を有している。
【0056】
図23には、第2可動部材48Bから引き出されたフラット配線ケーブル489Bおよび第1可動部材48Aから引き出されたフラット配線ケーブル489Aと、取付ベース部材434(
図7参照)の下部に固定された役物中継基板436との関係が示されている。
第1可動部材48Aと第2可動部材48Bは、それぞれ表示装置41の右側から左側までもしくはその逆に移動可能であるため、
図23に示されているように、フラット配線ケーブル489Aと489Bは、第1可動部材48Aと第2可動部材48Bが各々初期位置にある場合には弛んだ状態になるように長さが設定されている。また、フラット配線ケーブル489Aと489Bの先端は、それぞれ役物中継基板436の下面側において、基板側の端子と電気的に接続されるように構成されている。
【0057】
図24には、第1可動部材48Aが左側へ移動し第2可動部材48Bが右側へ移動した場合における、フラット配線ケーブル489Aおよび489Bと役物中継基板436との関係が示されている。この場合、
図24(A)に示すように、フラット配線ケーブル489Aと489Bとは正面から見た場合に重なることになる。ただし、
図24(B)に示すように、フラット配線ケーブル489Aと489Bは、中部材435を挟んで前後にずれているので、第1可動部材48Aと第2可動部材48Bが逆方向へ移動したとしてもフラット配線ケーブル489Aと489Bとが干渉してしまうことはない。
しかも、フラット配線ケーブル489Aと489Bの先端が役物中継基板436の下面側にて基板側の端子に接続されているため、ケーブルが交差するように移動することでケーブルが変形したとしても、ケーブルの接続箇所に大きな力が働くのを回避することができ、可動部材が移動を繰り返すことでケーブルの接続箇所が切断される故障が発生するのを抑制することができる。
【0058】
次に、上記のような構成を有する可動役物装置44および表示装置41を使用した演出および表示の例について、
図25〜
図37を用いて説明する。先ず、表示装置41を使用した表示の例について説明する。
第1の表示例は、
図25(A)に示すように、表示装置41の表示領域の中央部に数字やアルファベットなどの識別図柄を複数個用いて実行する飾り特図変動表示ゲームを表示する領域を確保するとともに、表示領域の上部には特
図1始動記憶数(保留数)を表示する特
図1始動記憶数表示領域SM11及び特
図2始動記憶数(保留数)を表示する特
図2始動記憶数表示領域SM12と、遊技盤30の右下に設けられている一括表示装置50(
図2参照)の特
図1表示器51と同様な表示形態で特
図1変動表示ゲームの結果を表示する領域CG11及び特
図2表示器52と同様な表示形態で第2特図変動表示ゲームの結果を表示する領域CG12とを設けている。また、表示領域の上部であって上記特図ゲーム表示領域CG11及びCG12から少し離れた位置に、それらと同様な表示形態で特
図1及び特
図2の特図変動表示ゲームの結果を表示する特図ゲーム表示領域CG21及びCG22を設けている。
【0059】
上記のように、特図変動表示ゲームの結果を表示する領域を表示装置41の表示領域の上部に設けることで、遊技者は表示領域の中央に表示される演出を楽しみつつ遊技盤30の右下に設けられている一括表示装置50へ視点を移さずに本来の特図変動表示ゲームの結果を確認することができる。また、上記のように特図変動表示ゲームの結果を表示する領域を2組設けることで、例えば
図25(B)のように、第1可動部材48Aが移動して特図ゲーム表示領域CG21及びCG22を隠してしまったとしても、他方の特図ゲーム表示領域CG11及びCG12は前方から視認可能である。同様に、
図26(A)のように、第1可動部材48Aが移動して特図ゲーム表示領域CG11及びCG12を隠してしまったとしても、他方の特図ゲーム表示領域CG21及びCG22は前方から視認可能である。そのため、本来の特図変動表示ゲームの結果を確実に視認することができる。
【0060】
さらに、第1の表示例は、
図25(A)に示すように、表示装置41の表示領域の下部に、発生した始動記憶の数に応じて表示するマークの数を変化させるようにして特
図1始動記憶数(保留数)を表示する特
図1始動記憶数表示領域SM21および特
図2始動記憶数(保留数)を表示する特
図2始動記憶数表示領域SM22を設けてある。そのため、例えば
図26(B)のように、第1可動部材48Aが移動して表示領域上部の特図始動記憶数表示領域SM11およびSM12を隠してしまったとしても、表示領域下部の始動記憶数表示領域SM21は前方から視認可能であるため、始動記憶数をいつでも確認することができる。同様にして、
図26(A)のように、第1可動部材48Aが移動して表示領域下部の特図始動記憶数表示領域SM22を隠してしまったとしても、表示領域上部の始動記憶数表示領域SM11およびSM12は前方から視認可能である。
【0061】
次に、可動役物装置44を使用した演出例について説明する。
第1の演出例は、変動表示ゲーム実行中に、例えば
図25(B)のように、第1可動部材48Aを左方へ移動させて、表示装置41の表示領域を中央表示領域A0と右演出表示領域A1とに分割し、中央表示領域A1では飾り特図変動表示ゲームを表示する一方、右演出表示領域A1には
図26(A)のようにキャラクタC1を登場させて、
図26(B)のように、キャラクタC1が第1可動部材48Aを移動させているかのような演出を行うというものである。
【0062】
第2の演出例は、変動表示ゲーム実行中に、例えば
図27(A)のように、第1可動部材48Aを左方へ、また第2可動部材48Bを右方へ移動させて、表示装置41の表示領域を中央表示領域A0と右演出表示領域A1およびA2とに分割し、中央表示領域A0では飾り特図変動表示ゲームを表示する一方、右演出表示領域A1にはキャラクタC1を、また左演出表示領域A2にはキャラクタC2を登場させて、
図27(B)のように、キャラクタC1が第1可動部材48Aを左方へ移動させているような動きをさせるとともに、キャラクタC2が第2可動部材48Bを右方へ移動させているような動きをさせて中央表示領域A0が消滅するような演出を行う。そして、その後、
図28(A)のように、第1可動部材48Aと第2可動部材48Bがさらに移動してすれ違い、特図変動表示ゲームを表示する中央表示領域A0が再度出現して、
図28(B)のように、変動中の図柄が停止するような演出を行うというものである。
【0063】
上述のように、表示装置41の表示領域の表示内容と可動役物装置44の可動部材の移動が関連するような演出を行うことにより、遊技の興趣を高めることができる。
また、上記実施形態では、第1可動部材48Aと第2可動部材48Bとして、各々中央が内側へ膨出した形状をなすものを使用しているため、第1可動部材48Aと第2可動部材48Bが動作を開始する前においては、
図29(A)のように、表示装置41の表示領域の両側部が狭くなっていたものが、第1可動部材48Aと第2可動部材48Bが動作してそれぞれ反対側まで移動した場合には、
図29(B)のように、表示装置41の表示領域の両側部が広くなって拡大表示領域E1,E2を出現させることができる。これによって、第1可動部材48Aと第2可動部材48Bの作動後においては、大きな表示領域で迫力のある演出表示を実行することができるようになる。
【0064】
次に、表示装置41の表示領域上部に設けられる特
図1始動記憶数表示領域SM11および特
図2始動記憶数表示領域SM12と、特
図1変動表示ゲーム表示領域CG11および第2特図変動表示ゲーム表示領域CG12の最適な位置について説明する。
本実施形態においては、前述したように、センターケース40の左上の部分に第2特別変動装置(大入賞口2)42が設けられているとともに、センターケース40の右側部に補助演出役物46が設けられている。そして、この補助演出役物46は、
図30に示すように、前面に装飾が施され内部にランプを有する円盤463および該円盤463を保持するアーム部材464とからなる第3可動部材46Aと該可動部材を回動させる右役物モータ461(
図6参照)などを備え、回転軸462を中心にして円盤463が下方に位置する状態から
図30に実線で示すように円盤463が上方に位置する状態まで移動するように構成されている。
【0065】
そのため、
図30に示すように、表示装置41の表示領域の左上隅が第2特別変動装置42を構成する部材によって隠蔽されるとともに、表示領域の右上隅が移動した補助演出役物46の第3可動部材46Aによって隠蔽され、表示領域が狭められることとなる。つまり、表示領域上部は、演出効果を高めるキャラクタなどを表示する領域として使用するのは不向きである。そこで、本実施形態では、表示領域上部の第2特別変動装置42を構成する部材によって隠蔽された部分の側方の表示領域A3を、始動記憶数表示領域SM11およびSM12と変動表示ゲーム表示領域CG11,CG12およびCG21,CG22として利用するようにしている。これにより、表示領域全体を有効に利用した表示が可能になるという利点がある。
【0066】
以上の説明から、上記実施形態には、
変動表示ゲームを表示する表示装置(41)と、該表示装置の前方において動作可能な可動部材(48A,48B)と、該可動部材が所定位置にあることを検出する位置検出手段(437A,437B)と、前記表示装置および前記可動部材を制御可能な制御手段(300)とを備える遊技機において、
前記制御手段は、前記表示装置に表示される第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームを制御可能であり、
前記表示装置の表示領域の一部に、少なくとも第1変動表示ゲームの結果の一部を表示可能な第1結果表示領域(CG11,CG21)と、少なくとも第2変動表示ゲームの結果の一部を表示可能な第2結果表示領域(CG21,CG22)と、を一対にした結果表示領域を複数形成し、前記位置検出手段により前記可動部材が所定位置にあることを検出していない状態で、少なくとも1つ結果表示領域が遊技者から視認可能となるように、前記複数の結果表示領域の位置を設定するようにした発明が含まれることが分かる。
【0067】
そして、かかる発明によれば、可動部材が表示装置の前方において動作することで、いずれかの結果表示領域が可動部材によって隠される状態になったとしても、他の結果表示領域のいずれかは遊技者から視認可能であるため、すべての結果表示領域が可動部材によって隠される状態になるのを回避することが出来る。また、変動表示ゲーム中に、第1、2結果表示領域以外の表示領域から変動中の識別情報が消えるような演出を行ったとしても、第1、2結果表示領域の変動表示により遊技者は変動表示ゲーム中であることを認識することが出来る。これによって、表示領域の中央にて演出表示を行う場合に、遊技者は表示領域の演出を楽しみつつ視点を大きくずらすことなく変動表示ゲームの結果を容易に確認することが出来る。
ここで、第1結果表示領域と第2結果表示領域の表示形態は、本来の変動表示ゲームの表示器における結果の表示形態と同じ形態にすることが望ましい。また、第1、2結果表示領域の表示結果態様だけで、第1、2変動表示ゲームの表示結果を表示しても良いし、第1、2結果表示領域の表示結果態様と、表示領域中央部の識別情報の停止結果態様と、の組み合わせにより第1、2変動表示ゲームの表示結果を表示しても良い。これにより、変動表示ゲームの結果を遊技者が認識し易くすることが出来る。
【0068】
また、上記実施形態には、前記表示装置の上部に、前記可動部材を動作させる駆動機構(441A,441B;443A,443B;448A,448B)が設けられ、前記可動部材は前記表示装置上部の前記駆動機構により駆動される構成であるようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、表示装置の上部に可動部材を動作させる駆動機構を設けているので、可動部材を垂下させるように構成することができ、それによって可動部材の下端部がフリーになるため可動部材の動作をスムーズに行うことが出来る。
【0069】
また、上記実施形態には、前記表示装置の下部に前記可動部材のガイド部(432,435)が設けられ、前記可動部材は、電気的に発光可能な発光部材(486;LED)を備え、前記可動部材の下部が前記ガイド部に沿って左右方向に移動可能であり、前記発光部材からの配線(489A,489B)が前記可動部材の下方から延出されているようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、表示装置の上部には可動部材の駆動機構が設けられていてスペース的に余裕がないが、発光部材からの配線を可動部材の下方から延出させることによって、発光部材からの配線を表示装置の上方へ延出させる場合よりも効率良く配線処理を行うことが出来る。また、可動部材が移動しても可動部材の下方から延出された配線が可動部材の駆動機構と干渉することがないので、可動部材の動作をスムーズに行うことが出来る。
【0070】
さらに、上記実施形態には、前記可動部材は、前記表示装置の前方に移動した際に前後方向に重なるように複数設けるようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、複数の可動部材が表示装置の前方に移動した際に前後方向に重なるように配置されているため、複数の可動部材をすれ違うように移動させることができ、それによって従来の遊技機にはない斬新な演出を行うことが可能となり、遊技の興趣を高めることが出来る。
【0071】
(変形例1)
次に、可動役物装置44の変形例について説明する。
第1の変形例は、第1可動部材48Aと第2可動部材48Bの形状を上記実施形態とは異なる形状にしたものである。具体的には、
図31(A)のように、第1可動部材48Aと第2可動部材48Bの内側面を外側へ膨出するような円弧状とし、第1可動部材48Aと第2可動部材48Bをそれぞれ内側へ移動させて、第1可動部材48Aの左側面と第2可動部材48Bの右側面とが一致した際に、
図31(B)のように、表示装置41の表示領域の中央に例えば縦長楕円形をなすような1個の中央表示領域A0を形成させる。また、表示装置41の表示領域の右側には右演出表示領域A1を出現させ、表示装置41の表示領域の左側には左演出表示領域A2を出現させる。そして、中央表示領域A0では、
図31(A)→
図31(B)のように、その大きさに応じて表示するキャラクタの向き等を変化させる。
【0072】
さらに、第1可動部材48Aと第2可動部材48Bの外側面の同一高さ位置にそれぞれ複数の凹部H11,H12,H13;H21,H22,H23を形成しておき、中央側へ移動された第1可動部材48Aの左側面と第2可動部材48Bがすれ違った直後すなわち第1可動部材48Aの右側面と第2可動部材48Bの左側面とが一致した際に、
図32(A)のように、表示装置41の表示領域の中央に複数の区画表示領域DA1,DA2,DA3を形成させる。そして、出現した各区画表示領域DA1,DA2,DA3に、例えば「ま」、「さ」、「か」のような文字を表示させて、変動表示ゲームの進行を報知したり暗示したりするような演出を行えるようにしている。なお、第1可動部材48Aと第2可動部材48Bをさらに移動させて、表示装置41の表示領域の中央に表示領域A0が拡大した場合には、
図32(B)のように、キャラクタを
図32(A)のものから反転させたようなものを表示する演出を行うようにしてもよい。
【0073】
(変形例2)
第2の変形例は、前記スライダー483A,483Bの上面のベルト挟持部483cの構造を上記実施形態とは異なる構造にしたものである。具体的には、
図33(A)のように、スライダー483A,483Bのベルト挟持部483cの上面に突起483gを形成するとともに、裏面に接合されるベルト止着部材484’を逆L状に形成し、その角部に上記突起483gと係合可能な係合穴484gを設けてある。また、スライダー483A,483Bの裏面には止着穴483hが形成され、蓋部材484にはビス挿通孔484hが形成されている。
【0074】
なお、ベルト挟持部483cの上端裏面には、上記実施形態と同様に、ベルト443Aまたは443Bの複数の歯部と噛合可能な凹凸を有するベルト噛合部483dが設けられている。
この変形例では、
図33(B)のように、ベルト挟持部483cのベルト噛合部483dにベルト443Aまたは443Bに接合させてから、ベルト挟持部483cの上面に突起483gを係合穴484gに挿入させながら、蓋部材484をベルト挟持部483cの裏面に接合させる。その後、ビス490をビス挿通孔484hに挿入して先端を止着穴483hにねじ込むによって、
図33(C)のように、ベルト挟持部483cと蓋部材484との間にベルト443Aまたは443Bを挟持した状態で両者を結合することができるようになっている。
【0075】
(演出例)
次に、可動役物装置44を用いた演出の他の例について説明する。
第1の演出例は、可動役物装置44の第1可動部材48Aと第2可動部材48Bのうち一方を移動させてリーチ演出を行うもので、例えば
図34に示すように、(A)の変動中に、(B)のようにキャラクタAを登場させる。続いて、(C)のようにキャラクタBを登場させた後、(D)のように第1可動部材48Aを中央側へ移動させるとともにキャラクタAが可動部材を押しているかのような演出表示を行う。
その後、変動ゲームの結果が大当りの場合には、(E)のように第1可動部材48Aを完全に左側まで移動させてキャラクタAの勝利を表示し、(F)のように変動図柄を大当り図柄で停止させる。なお、変動ゲームの結果が外れの場合には、第1可動部材48Aが中央にある(D)の状態の後、第1可動部材48Aを右方へ移動させ、元の位置まで移動した時点でキャラクタAの負けを表示して変動図柄を外れ図柄で停止させるようにしてもよい。また、第1可動部材48Aの代わりに第2可動部材48Bを移動させて先ずキャラクタBを登場させるようなリーチ演出を行うようにしてもよい。
【0076】
第2の演出例は、連続して複数回の大当りが発生し易いような確率制御を行う遊技機において、可動役物装置44を用いた演出で何回目の大当りに挑戦中であるか遊技者が認識し易いようにするものである。
具体的には、例えば大当り5回を1セットとする確率制御を行う場合に、初回の大当りに挑戦中は
図35(A)のように、可動役物装置44の第1可動部材48Aと第2可動部材48Bを初期位置にした状態で変動表示ゲームを実行する。そして、1回目の大当りが発生し、大当り遊技が終了した後、2回目の大当りに挑戦中は
図35(B)のように、可動役物装置44の第1可動部材48Aと第2可動部材48Bを少し移動させた状態で変動表示ゲームを実行する。
また、3回目の大当りに挑戦中は
図36(C)のように、可動役物装置44の第1可動部材48Aと第2可動部材48Bを中央へ移動させた状態で変動表示ゲームを実行し、4回目の大当りに挑戦中は
図36(D)のように、可動役物装置44の第1可動部材48Aと第2可動部材48Bをすれ違って反対側の領域まで移動させた状態で変動表示ゲームを実行する。さらに、5回目の大当りに挑戦中は
図37のように、可動役物装置44の第1可動部材48Aと第2可動部材48Bを完全に反対側待機位置まで移動させた状態で変動表示ゲームを実行する。
【0077】
以上の説明から、上記実施形態には、
変動表示ゲームを表示可能な表示装置(41)と、該表示装置の前方において動作可能な可動部材(48A,48B)を備えた可動役物装置(44)と、前記表示装置および前記可動役物装置を制御可能な制御手段(300)を備える遊技機において、
前記可動部材が、前記表示装置の表示領域の外縁の一部と前後方向に重なり合う第1状態を検出可能な第1位置検出手段(437A)と、
前記可動部材が、前記表示装置の表示領域の他の外縁の一部と前後方向に重なり合う第2状態を検出可能な第2位置検出手段(438A)と、
を備え、
前記制御手段は、
前記可動部材が第1状態または第2状態の何れの状態であっても前記表示装置の表示領域で複数の変動表示ゲームを実行可能であるようにした発明が含まれることが分かる。
そして、かかる発明によれば、可動部材が第1状態にある場合と可動部材が第2状態にある場合とで表示装置の表示領域の形状(輪郭)が変化することとなるが、制御手段は複数の変動表示ゲームに亘って、異なる形状(輪郭)の表示領域で演出を実行することが出来るので遊技の興趣が高まる。
【0078】
また、上記実施形態には、前記可動役物装置は、前記可動部材として、前記表示装置の表示領域の一方の側に位置し他方の側へ移動可能な第1可動部材(48A)と、前記表示装置の表示領域の他方の側に位置し一方の側へ移動可能な第2可動部材(48B)とを備え、
前記第1可動部材と前記第2可動部材は、前記表示装置の前方において前後方向に重なって交差可能に構成されているようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、複数の可動部材が表示装置において前後方向に重なって交差可能に設けられているため、複数の可動部材をすれ違うように移動させることができ、それによって従来の遊技機にはない斬新な演出を行うことが可能となり、遊技の興趣を高めることが出来る。
【0079】
また、上記実施形態には、前記可動役物装置は、前記第1可動部材を移動させる第1のベルト(443A)と、前記第2可動部材を移動させる第2のベルト(443B)とを備え、前記第1のベルトと前記第2のベルトは、それぞれ上下方向の異なる高さ位置に配設されているようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、第1可動部材と第2可動部材を、表示装置の前方において前後方向に重なって交差可能に構成しかつ第1可動部材を移動させる第1のベルトと第2のベルトを同一高さ位置に配設すると、第1のベルトと第2のベルトの干渉を防止するために前後方向に並べて配設しなくてはならないので、可動役物装置の前後方向の幅が大きくなってしまうが、第1のベルトと第2のベルトを上下方向の異なる高さ位置に配設することで、第1のベルトと第2のベルトを上下方向に重なり合うように配設することができ、それによって可動役物装置の前後方向に幅を少なくすることが出来、可動部材の移送機構をよりコンパクトに構成することが出来る。
【0080】
また、上記実施形態には、前記第1可動部材と前記第2可動部材はそれぞれ電気部品(LED)を備え、前記可動役物装置は、前記第1可動部材の前記電気部品へ給電するための第1配線ケーブル(489A)および前記第2可動部材の前記電気部品へ給電するための第2配線ケーブル(489B)と、前記第1配線ケーブルおよび第2配線ケーブルの始端部が接続される中継基板(436)と、を備え、
前記第1配線ケーブルと第2配線ケーブルは、それぞれ前記第1可動部材と前記第2可動部材の下端部から引き出され、前記第1可動部材と前記第2可動部材が各々初期位置にある場合には弛んだ状態になるように長さが設定され、前記第1可動部材と前記第2可動部材が移動する際には前後方向に重なって交差可能に配設されているようにした発明が含まれる。
【0081】
かかる発明によれば、第1配線ケーブルと第2配線ケーブルは、それぞれ第1可動部材と第2可動部材の下端部から引き出され、第1可動部材と第2可動部材が各々初期位置にある場合には弛んだ状態になるように長さが設定され、記第1可動部材と第2可動部材が移動する際には前後方向に重なって交差可能に配設されているので、第1可動部材が右端から左端へ、また第2可動部材が左端から右端へ大きく移動しても、第1配線ケーブルと第2配線ケーブルとが絡まってしまうのを防止することが出来る。
【0082】
図38は、本発明を適用して好適な実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図を示す。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
【0083】
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロック信号を生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置220で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0084】
電源装置220は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部221と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部222と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部223などを備える。
【0085】
この実施形態では、電源装置220は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部222及び制御信号生成部223は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施形態のように、電源装置220若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部222及び制御信号生成部223を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0086】
上記バックアップ電源部222は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部223は、例えば通常電源部221で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0087】
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置210内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0088】
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する遊技制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0089】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が16R(16ラウンド)当りや12R(12ラウンド)当り、2R(2ラウンド)当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、演出モードに応じて切り替えられるテーブルや、変動の後半のパターンを選択するための後半変動パターンテーブル、変動の前半のパターンを選択するための前半変動パターンテーブルが含まれている。
【0090】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示装置41が時期を異ならせて複数の表示結果(停止図柄)を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置41の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。
【0091】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
【0092】
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャルリーチ1、スペシャルリーチ2、スペシャルリーチ3等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャルリーチ1<スペシャルリーチ2<スペシャルリーチ3の順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0093】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置210や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロック信号を生成するクロックジェネレータを備えている。
【0094】
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理(
図46参照)における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは普電サポート状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
【0095】
払出制御装置210は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置210は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0096】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38a,42aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0097】
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0098】
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置220から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0099】
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38a,42aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
【0100】
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置210からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0101】
また、入力部120には、電源装置220からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置220からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0102】
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。
なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0103】
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置210へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置210及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。
また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を保証するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置210へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
【0104】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0105】
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0106】
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38,42を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38b,42bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
【0107】
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38b,42bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0108】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置220から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0109】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
【0110】
次に、
図39を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314と、現在時刻を計時するリアルタイムクロック回路316と、を備えている。リアルタイムクロック回路316は、電池などの内蔵電源を備え、電源遮断中も計時動作を継続できるように構成されている。
【0111】
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データ、コマンドリストが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には圧縮された音声データやフレーズ再生処理に必要なシーケンス、簡易アクセスのためのコマンド列等が記憶された音声ROM324が接続されている。
主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
【0112】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)305や、画像データを描画処理するための描画回路306、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する表示回路308などが設けられている。
【0113】
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
【0114】
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
【0115】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくる演出制御コマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
なお、本実施形態においては、演出制御コマンドは16ビットで構成されており、これを8ビットのデータバスとストローブ信号SSBTで送信するため、16ビットの演出制御コマンドを8ビットの前半コマンド(MODE)と後半コマンド(ACTION)とに分けて、ストローブ信号SSBTを2度立ち上げることで送信し、受信側ではSSBTの立ち上がりに同期してコマンドを取り込むようになっている。
【0116】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める役物装置等)44,46を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
【0117】
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた入力操作手段としての演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44,46内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチ44a、可動部材の位置検出センサ439A等のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
【0118】
電源装置220の通常電源部221は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部221に設けるようにしてもよい。
【0119】
電源装置220の制御信号生成部223により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施形態においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
【0120】
次に、遊技制御装置100において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、LED表示部53において、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、LED表示部53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
【0121】
なお、本実施形態においては、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、LED表示部53に、はずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、CPU111Aは、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
【0122】
また、遊技制御装置100のCPU111Aは、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、CPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御情報(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。また、一括表示装置50の特
図1表示器51や特
図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。従って、CPU111Aは、始動記憶に基づいて変動表示装置としての特
図1表示器51や特
図2表示器52における変動表示ゲームを実行制御する変動表示ゲーム実行制御手段として機能する。
【0123】
また、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
また、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特
図1表示器や特
図2表示器に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態(大当り)を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bまたは42bにより特別変動入賞装置38または42の開閉扉または可動片を開放方向へ回動させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
【0124】
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、16回又は12回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、2R当りや小当りが発生すると、大入賞口を例えば2回開放する制御を行う。なお、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特
図1表示器51や特
図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0125】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。確変状態は、次に特別遊技状態が発生するまで継続しても良いが、所定変動回数に限定して継続しても良い。従って、制御手段としての遊技制御装置100のCPU111Aは、特別遊技状態終了後の所定の変動表示遊技回数まで遊技の進行が有利になる特定遊技状態を発生可能な特定遊技状態制御手段として機能する。
【0126】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として普電サポート状態を発生可能となっている。
この普電サポート状態(電サポ)においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、普電サポート状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、普電サポート状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
【0127】
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、普電サポート動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
【0128】
なお、特別遊技状態の終了後の確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の普電サポート状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
本実施形態においては、上記のような変動表示ゲームの当り/はずれの判定および変動パターンの選択を、遊技制御装置100が、始動口36または普通変動入賞装置37への遊技球の入賞時に乱数カウンタから取得した乱数を、ROM111B内に予め格納されている選択テーブルを用いて判定することで行うようになっている。
【0129】
次に、上記のような遊技制御を実行する上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される処理について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に
図40及び
図41に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる
図42に示すタイマ割込み処理とからなる。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、
図40に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行なってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
【0130】
次に、払出制御装置(払出基板)210のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置210が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置210へ送ってしまい、払出制御装置210がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートに出力が無い状態にするオフデータを出力する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、払出制御装置210や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
【0131】
続いて、電源装置220内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内の停電検査領域のデータをチェックした後、停電復旧か否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電復旧である(ステップS11;Yes)と判定すると、ステップS12へ進みチェックサムと呼ばれるデータを算出する処理及び算出されたチェックサムが正常か異常かを判定する(ステップS13)。
また、ステップS9で初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合、ステップS11で停電復旧でない(ステップS11;No)と判定された場合及びステップS13でチェックサムが正常でない(ステップS13;No)と判定された場合は、
図41のステップS20へジャンプする。
【0132】
また、ステップS13でチェックサムが正常(ステップS13;Yes)と判定した場合は、
図41のステップS14へ移行して、RWM(リードライトメモリ:実施形態ではRAM)内の初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブ(格納)してから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS15)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS16)。ここで、高確率でないと(ステップS16;No)と判定した場合は、ステップS17,S18をスキップしてステップS19へ移行する。
【0133】
また、ステップS16で高確率であると(ステップS16;Yes)と判定した場合は、ステップS17で高確率の報知フラグ領域にオン情報をセーブしてから、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器58)をオン(点灯)させるONデータをセグメントに対応する領域(ポート136)に設定(ステップS18)してステップS19へ移行する。ステップS19では、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行なってステップS23へ進む。
【0134】
一方、ステップS9,S11,S13からステップS20へジャンプした場合には、先ずCPUが使用するRAM内の作業領域をリセットしてから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS21)。それから、ステップS22で電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行なってステップS23へ進む。ステップS23では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0135】
上記ステップS23のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS24)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、ステップS25で、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから、割込みを許可する(ステップS26)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値をCPU側で生成する各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0136】
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS27)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
【0137】
上記ステップS27の初期値乱数更新処理の後、電源装置220から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックして停電が発生したか否かの判定(ステップS28)を行い、停電が発生していない場合(ステップS28;No)には、ステップS27に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS27)の前に割り込みを許可する(ステップS26)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0138】
なお、上記ステップS27での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0139】
上記ステップS28において、停電が発生していると判定した場合(ステップS28;Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS29)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS30)、を行う。その後さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS31)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS32)、算出したチェックサムをRWMのバックアップ領域へセーブする処理(ステップS33)を行なった後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS34)を行なって、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0140】
次に、タイマ割込み処理について
図42のフローチャートを用いて説明する。
図42に示すタイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS41)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS42)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS43)を行う。
【0141】
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置210等に出力するコマンド送信処理(ステップS44)、乱数更新処理1(ステップS45)、乱数更新処理2(ステップS46)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS47)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS48)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS49)を行う。
【0142】
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS50)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS51)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS52)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS53)を行い、ステップS41で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS54)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS55)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
【0143】
次に、前述のタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理(ステップS44)の詳細について説明する。
図43に示すように、コマンド送信処理は、演出制御装置300に対する演出制御コマンド送信処理(ステップS71)と、払出制御装置210に対する払出コマンド送信処理(ステップS72)とからなる。
【0144】
次に、前述のコマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理(ステップS71)の詳細について説明する。
図44に示すように、演出制御コマンド送信処理においては、まず、送信コマンドをRWMに設定するときに「+1」されるライトカウンタの値と、RWMから送信コマンドを読み出すときに「+1」されるリードカウンタの値とを比較して、コマンドが設定されているかをチェックする(ステップS81)。具体的には、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一であればコマンドが設定されていないと判定し、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致していない場合には、未送信のコマンドが設定されていると判定する(ステップS82)。
【0145】
ステップS82で、コマンドが設定されていないと判定した場合(ステップS82;No)には、当該演出制御コマンド送信処理から抜け、ステップS82で、コマンドが設定されていると判定した場合(ステップS82;Yes)には、リードカウンタを更新(+1)する(ステップS83)。
次いで、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(MODE(上位バイト))からコマンドをロードする(ステップS84)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS85)。
さらに、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(ACTION(下位バイト))からコマンドをロードする(ステップS86)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS87)。
そして、演出制御コマンド出力処理(ステップS88)を行い、演出制御コマンド送信処理を終了する。
【0146】
次に、上述の演出制御コマンド送信処理における演出制御コマンド出力処理(ステップS88)の詳細について説明する。
図45(A)に示すように、演出制御コマンド出力処理においては、先ず、コマンド(MODE)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備して(ステップS91)、コマンドデータ出力処理(ステップS92)を実行する。その後、コマンド(ACTION)を出力し(ステップS93)、コマンド(ACTION)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備(ステップS94)してから、コマンドデータ出力処理(ステップS95)を実行する。
【0147】
次に、上述の演出制御コマンド出力処理におけるコマンドデータ出力処理(ステップS92、S95)の詳細について説明する。
図45(B)に示すように、コマンドデータ出力処理においては、先ず、ポートの直前の状態が失われないようにするため、演出制御コマンド出力のストローブ信号を含む出力ポート131のポート状態保持データをロードする(ステップS101)。それから、演出制御コマンドを出力ポート132へ出力(ステップS102)し、出力ポート131へはストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持してオフ状態(データの読取り無効を示す例えばロウレベル)のストローブ信号を付加して出力する(ステップS103)。そして、次のステップS104で、ストローブ信号をオフ状態にすべき時間(オフ時間)が終了したか否か判定する。ここで、オフ時間が終了していない(ステップS104;No)と判定するとステップS102へ戻って上記処理を繰り返す。
【0148】
一方、ステップS104で、オフ時間が終了した(ステップS104;Yes)と判定するとステップS105へ移行して、ストローブ信号のオン状態(データの読取り有効を示す例えばハイレベル)の時間を設定する。続いて、ステップS101でロードしたデータを保持するレジスタ上で、出力ポート131のストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持したままストローブ信号をオン状態に設定する(ステップS106)。それから、演出制御コマンドを出力(ステップS107)し、オン状態(ハイレベル)のストローブ信号を出力する(ステップS108)。
【0149】
そして、次のステップS109で、ストローブ信号をオン状態にすべき時間(オン時間)が終了したか否か判定する。ここで、オン時間が終了していない(ステップS109;No)と判定するとステップS107へ戻って上記処理を繰り返す。また、ステップS109で、オン時間が終了した(ステップS109;Yes)と判定するとステップS110へ移行して、オフ状態のストローブ信号を設定してから、オフ状態のストローブ信号を出力(ステップS111)して、当該コマンドデータ出力処理を終了する。ステップS107で演出制御コマンドを再度出力しているのは、ステップS107〜S109のループ処理中に停電が発生した場合に、出力中の演出制御コマンドが停電復帰後に出力されなくなるのを回避するためである。また、ノイズによって、コマンドコードが変わってしまうのを回避することもできる。なお、このステップS104及びステップS109は、各々の処理のみをループさせることも可能である。
【0150】
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS48)の詳細について説明する。この特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図46に示すように、特図ゲーム処理においては、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
【0151】
次に、特図ゲーム処理タイマが、既にタイムアップしたか、又は当該特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した後にタイムアップしたかをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA4)。
ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップA4;Yes)には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
【0152】
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
【0153】
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(12R大当りor156大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(12R大当りor16R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
【0154】
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
【0155】
その後、特
図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特
図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。
その後、特
図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特
図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行い、当該特図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップA4;No)には、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
【0156】
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。
図47に示すように、始動口スイッチ監視処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動入賞口36(始動口1)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。
なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
【0157】
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA113)、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。
普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
【0158】
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、普通変動入賞装置37(始動口2)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合も(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
【0159】
次に、前述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。
当該特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図48に示すように、特図始動口スイッチ共通処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
【0160】
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードして、当該ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA205)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA206;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA207)、処理をステップA208に移行する。一方、ステップA206にて、出力回数がオーバーフローしたと判定された場合は(ステップA206;Yes)、処理をステップA208に移行する。
【0161】
そして、ステップA208にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA208)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA209)を行う。
ステップA209にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA209;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特
図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA210)を行う。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA211)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA212)、コマンド設定処理(ステップA213)を行う。
【0162】
続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA214)を行った後、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA215)。そして、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して、当該大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA216)。次に、対応する変動パターン乱数1を抽出し、RWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブし(ステップA217)、次に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、RWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブし(ステップA218)、さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、RWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブした(ステップA219)後、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロードし、準備して(ステップA220)、特図保留情報判定処理(ステップA221)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理の詳細については後述する。
【0163】
一方、ステップA209にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA209;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA222)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA223;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA224)、コマンド設定処理(ステップA225)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA223にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合にも(ステップA223;No)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0164】
次に、上述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA221)の詳細について説明する。
特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図49に示すように、先ず、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であるか否かをチェックして(ステップA231)、始動口2スイッチ37aの入力でない(ステップA232;No)と判定すると、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中、即ち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態中)であるか否かを判定する処理(ステップA233)を行う。
【0165】
ここで、普通変動入賞装置37がサポート中でない(ステップA233;No)と判定すると、始動記憶に基づいて遊技機が大当り(特別遊技状態)中であるか否かを判定する処理(ステップA234)を行う。なお、転落抽選を行うものにおいて、始動記憶が転落抽選に当選である場合には、以降の大当り判定等は行わないようにしても良い。また、転落抽選に当選である場合、最大始動記憶数に対応する変動回数(4回転)は除くという条件付きで、以降の大当り判定等は行わないようにしても良い。
【0166】
ステップA234にて、大当り中でない(ステップA234;No)と判定すると、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA235)を行う。
一方、ステップA233にて、普通変動入賞装置37がサポート中であると判定されるか(ステップA233;Yes)、或いは、ステップA234にて、大当り中であると判定された場合(ステップA234;Yes)は、特図保留情報判定処理を終了する。
つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるときは、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わないこととなる。
【0167】
また、ステップA232にて、始動口2スイッチ37aの入力であると判定された場合(ステップA232;Yes)は、ステップA233、ステップA234の処理を行わずに、ステップA235に処理を移行して、それ以降の処理を行う。
つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
【0168】
そして、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合(ステップA236;No)には、はずれ情報テーブルを設定し(ステップA237)、ステップA245へ移行する。
一方、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りである場合(ステップA236;Yes)には、始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックする(ステップA238)。
【0169】
そして、ステップA238におけるチェックの結果、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA239;Yes)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル1を準備して(ステップA240)、ステップA242へ移行する。また、始動口1スイッチ36aの入力でない(ステップA239;No)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル2を準備して(ステップA241)、ステップA242へ移行する。
【0170】
次いで、ステップA242では、大当り図柄乱数をチェックし、対応する入賞情報ポインタを取得する(ステップA242)。そして、大当り情報テーブルアドレステーブルを設定した(ステップA243)後、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得し、設定して(ステップA244)、ステップA245へ移行する。
ステップA245では、設定した情報テーブル(大当り情報テーブル、又は、はずれ情報テーブル)から図柄情報を取得し、取得した図柄情報を図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA246)。次に、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し(ステップA247)、取得した始動口入賞演出図柄コマンドを入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA248)。
【0171】
続いて、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備し(ステップA249)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備し(ステップA250)、特図情報設定処理(ステップA251)、後半変動パターン設定処理(ステップA252)、変動パターン設定処理(ステップA253)を行う。
そして、前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出し、準備し(ステップA254)、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として、準備して(ステップA255)、コマンド設定処理(ステップA256)を行う。
そして、始動口入賞演出図柄コマンドをロードし、準備して(ステップA257)、コマンド設定処理(ステップA258)を行い、特図保留情報判定処理を終了する。
【0172】
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図50に示すように、特図普段処理では、先ず、特
図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA271)。
そして、特
図2保留数が0である(ステップA272;Yes)と判定すると、特
図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA273)。
そして、特
図1保留数が0である(ステップA274;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA275)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA276;No)と判定すると、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする処理(ステップA277)を行う。
【0173】
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA278)、コマンド設定処理(ステップA279)を行う。
一方、ステップA275にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA276;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA277)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA278)され、コマンド設定処理(ステップA279)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA280に移行する。そして、特図普段処理移行設定処理1(ステップA280)を行って、特図普段処理を終了する。
【0174】
一方、ステップA272にて、特
図2保留数が0でない(ステップA272;No)と判定すると、特
図2変動開始処理(ステップA281)を行う。なお、ステップA281における特
図2変動開始処理の詳細については後述する。
その後、特
図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA282)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA274にて、特
図1保留数が0でない(ステップA274;No)と判定すると、特
図1変動開始処理(ステップA283)を行う。なお、ステップA283における特
図1変動開始処理の詳細については後述する。
その後、特
図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA284)を行って、特図普段処理を終了する。
【0175】
このように、ステップA271とステップA272における特
図2保留数のチェックを、ステップA273とステップA274における特
図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特
図2保留数が0でない場合には、特
図2変動開始処理(ステップA281)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
【0176】
次に、上述の特図普段処理における特
図1変動開始処理(ステップA283)の詳細について説明する。
特
図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、
図51(A)に示すように、先ず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA301)を行う。続いて、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ1にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ1設定処理(ステップA302)を行う。
次に、第1特図停止図柄(特
図1停止図柄)の設定に係る特
図1停止図柄設定処理(ステップA303)を行った後、第1特図停止図柄番号(特
図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA304)。
続いて、図柄情報領域から図柄情報をロードし(ステップA305)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA306)。
【0177】
次に、特
図1変動フラグを設定し、準備して(ステップA307)、特
図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA308)。
その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特
図1用)を準備して(ステップA309)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA310)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA311)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA312)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA313)を行って、特
図1変動開始処理を終了する。
【0178】
次に、上述の特図普段処理における特
図2変動開始処理(ステップA281)の詳細について説明する。
特
図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、
図51(B)に示すように、先ず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA321)を行う。続いて、第2特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ2にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ2設定処理(ステップA322)を行う。
次に、第2特図停止図柄(特
図2停止図柄)の設定に係る特
図2停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、第2特図停止図柄番号(特
図2停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA324)。
続いて、図柄情報領域から図柄情報をロードし(ステップA325)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA326)。
【0179】
次に、特
図2変動フラグを設定し、準備して(ステップA327)、特
図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA328)。
その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特
図2用)を準備して(ステップA329)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA330)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA331)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA332)を行う。その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA333)を行って、特
図2変動開始処理を終了する。
【0180】
図52(A)には、
図51(A)に示す特
図1変動開始処理における小当りフラグ1設定処理を示した。この小当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ領域1にはずれ情報をセーブし(ステップA341)、大当りフラグ1が大当りかチェックする処理(ステップA342)で、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされているかをチェックする。
そして、大当りである場合(ステップA343;Yes)、すなわち、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされている場合は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。また、大当りでない場合(ステップA343;No)、すなわち、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされていない場合は、大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA344)、特
図1判定データを準備する(ステップA345)。
【0181】
次に、小当り判定処理(ステップA346)を行い、小当りでない場合(ステップA347)は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。また、小当りである場合(ステップA347;Yes)は、小当りフラグ領域1に小当り情報をセーブし(ステップA348)、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
【0182】
図52(B)には、
図51(B)に示す特
図2変動開始処理における小当りフラグ2設定処理を示した。この小当りフラグ2設定処理では、まず、小当りフラグ領域2にはずれ情報をセーブし(ステップA351)、大当りフラグ2が大当りかチェックする処理(ステップA352)で、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされているかをチェックする。
そして、大当りである場合(ステップA353;Yes)、すなわち、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされている場合は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。また、大当りでない場合(ステップA353;No)、すなわち、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされていない場合は、大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA354)、特
図2判定データを準備する(ステップA355)。
【0183】
次に、小当り判定処理(ステップA356)を行い、小当りでない場合(ステップA357)は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。また、小当りである場合(ステップA357;Yes)は、小当りフラグ領域2に小当り情報をセーブし(ステップA358)、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。
【0184】
次に、前述の特図ゲーム処理(
図46)における特図表示中処理(ステップA11)の詳細について説明する。
図53に示すように、特図表示中処理では、先ず、特
図2変動開始処理(
図51B)における小当りフラグ2設定処理(ステップA322)の中で設定される特
図2の変動表示ゲームの結果が小当りであるか否かを示す小当りフラグ2をロードして(ステップA541)、RWMの小当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA542)を行う。次に、特
図1変動開始処理(
図51A)における小当りフラグ1設定処理(ステップA302)の中で設定される特
図1の変動表示ゲームの結果が小当りであるか否かを示す小当りフラグ1をロードして(ステップA543)、RWMの小当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA544)を行う。
【0185】
次に、特
図2変動開始処理(
図51B)における大当りフラグ2設定処理(ステップA321)にて設定される大当りフラグ2をロードして(ステップA545)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA546)を行う。続いて、ロードされた大当りフラグ2をチェックして(ステップA547)、大当りであるか否か判定する(ステップA548)。ここで、大当りである(ステップA548;Yes)と判定すると、ステップA554へ移行してRWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理を行ってから、第2特図変動表示ゲームの大当り(特
図2大当り)に関する試験信号をRWMにセーブし(ステップA555)、ステップA556へ処理を移行する。
【0186】
一方、ステップA548で、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA548;No)と判定すると、特
図1変動開始処理(
図51A)における大当りフラグ1設定処理(ステップA301)にて設定された大当りフラグ1をロードして(ステップA549)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA550)を行う。続いて、ロードされた大当りフラグ1をチェックして(ステップA551)、大当りであるか否か判定する(ステップA552)。ここで、大当りである(ステップA552;Yes)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特
図1大当り)に関する試験信号をRWMにセーブし(ステップA553)、ステップA556へ処理を移行する。また、ステップA552で大当りでない(No)と判定すると、ステップA572(
図54)へ移行する。
【0187】
そして、上述したステップA553における特
図1大当りに関する試験信号のセーブ、或いは、ステップA555における特
図2大当りに関する試験信号のセーブの後に移行したステップA556では、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理を行う。次に、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンド数上限値を取得し、当該ラウンド数上限値をRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA557)。続いて、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンドLEDポインタを取得し、当該ラウンドLEDポイントをRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA558)。
【0188】
その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA559)、コマンド設定処理(ステップA560)を行う。続いて、停止図柄情報設定処理にて設定される停止図柄情報に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA561)、コマンド設定処理(ステップA562)を行う。その後、停止図柄情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA563)、コマンド設定処理(ステップA564)を行う。
【0189】
次に、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号を外部へ出力させるための外部情報データをRWMにセーブする(ステップA565)。続いて、大入賞口開放情報判定フラグに対応するファンファーレ時間を設定して(ステップA567)、当該ファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマにセーブする(ステップA568)。その後、大入賞口への不正入賞数をリセットした後(ステップA569)、大入賞口不正監視期間フラグに不正監視期間外フラグをセーブし(ステップA570)、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA571)を実行して、当該特図表示中処理から抜ける。
【0190】
ここで、各種状態が切り替わるための情報としては、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報や、停電復旧時に演出制御装置300に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す情報など)等が挙げられる。
【0191】
また、上記ステップA552で大当りでない(No)と判定して移行した
図54のステップA572では、小当りフラグ1が小当りを示しているかチェックし、小当りでない(ステップA573;No)と判定すると、ステップA574へ進んで小当りフラグ2が小当りを示しているかチェックする。そして、ステップA573の判定で、小当りである(Yes)と判定した場合およびステップA575の判定で小当りである(Yes)と判定した場合には、時間短縮変動回数更新処理(ステップA576)を行う。この時間短縮変動回数更新処理については、
図55を用いて後に詳しく説明する。
【0192】
時間短縮変動回数更新処理(ステップA576)の後は、ファンファーレコマンドを準備し(ステップA577)、コマンド設定処理(ステップA578)を行う。続いて、停止図柄情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA579)、コマンド設定処理(ステップA580)を行う。その後、小当りファンファーレ中処理(
図46のステップA14)へ移行するための設定処理(ステップA581)を行い、当該特図表示中処理から抜ける。具体的には、設定テーブルに処理番号として「7」を設定する処理を行う。
一方、ステップA575の判定で小当りででない(No)と判定した場合は、時間短縮変動回数更新処理(ステップA582)を行ってから、特図普段処理(
図46のステップA7)へ移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理(ステップA583)を行い、当該特図表示中処理から抜ける。具体的には、設定したテーブルに処理番号として「0」を設定する処理を行う。
【0193】
次に、上述の特図表示中処理(
図53)における時間短縮変動回数更新処理(
図54のステップA576およびA582)の詳細について説明する。
時間短縮変動回数更新処理は、時短モード中に実際に実行された特図変動表示ゲームの数を計数するための処理であり、
図55に示すように、先ず、時短中であるか否かを判定する(ステップA611)。そして、時短中でない(ステップA611:No)と判定すると、時間短縮変動回数更新処理から抜ける。
一方、ステップA611で、時短中である(Yes)と判定すると、時短モード中の実際に実行された変動表示ゲームの回数を示す時短変動回数を更新(−1)する(ステップA612)。
【0194】
続いて、更新後の特定変動回数が「0」になったか否かを判定する(ステップA613)。そして、特定変動回数が「0」になっていない(ステップA613:No)と判定すると、時間短縮変動回数更新処理から抜ける。
また、上記ステップA613で、特定変動回数が「0」になった(Yes)と判定すると、ステップA614へ移行して時短終了時の確率情報を含む確率情報コマンドをRWM内の所定の領域にセットし、セットした送信バッファに設定するコマンド設定処理(ステップA615)を実行する。
その後、時短の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブ(ステップA616)し、時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA617)。続いて、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブ(ステップA618)し、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA619)。しかる後、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブ(ステップA620)し、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンドをセーブ(ステップA621)して時間短縮変動回数更新処理から抜ける。。
【0195】
次に、上述の特図ゲーム処理(
図46)における大当り終了処理(ステップA15)の詳細について説明する。
図56に示すように、大当り終了処理では、先ず、大当りが終了か否かを判定する(ステップA631)。そして、大当り終了でない(ステップA631:No)と判定すると、大当り終了処理から抜ける。
一方、ステップA631で、大当り終了である(Yes)と判定すると、大当り遊技後の特定遊技状態のセット回数を計数するセットカウンタが「0」か否かを判定する(ステップA632)。そして、セットカウンタが「0」でない(ステップA632:No)と判定すると、セットカウンタを更新(−1)する(ステップA633)してから、
図62〜
図65に示すような選択テーブルを使用して更新後のセットカウンタの値(セット回数)と大当り図柄に対応した状態に設定(ステップA634)して大当り終了処理から抜ける。
また、ステップA632でセットカウンタが「0」である(Yes)つまり最終のセット(5セット目)であると判定すると、ステップA635へ移行して選択テーブルを使用して大当り図柄に対応した状態(5回目)に設定してから、次回のセット開始の大当りに備えてセットカウンタを「5」に設定(ステップA636)して大当り終了処理から抜ける。
【0196】
〔演出制御装置の処理〕
次に、上記演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311によって実行される制御について説明する。
主制御用マイコン311による制御処理は、
図57に示す1stメイン処理と、所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われるコマンド受信割込み処理(
図58)とからなる。1stメイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。
図57に示すように、1stメイン処理においては、先ず、割込みを禁止する処理(ステップB1)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB2)を行い、1stCPU311の初期化処理(ステップB3)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB4)を行い、乱数初期化処理(ステップB5)を行う。その後、各種割込みのタイマを起動する処理(ステップB6)を行い、割込みを許可する(ステップB7)。その後、主制御用マイコン311は、メインループ処理ステップB8〜B18を行う。
【0197】
このメインループ処理では、先ず、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB8)を行う。そして、演出操作ボタンSW25aからの信号の立ち上がりエッジを検出して入力データを作成する入力処理(ステップB9)、遊技制御装置100から送信されたコマンドを受信割込み処理で受信バッファに取り込んで情報を読み込む遊技制御コマンド解析処理(ステップB10)を行う。
この遊技制御コマンド解析処理では、遊技制御装置100から送信された遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドをシーン制御のために区分けし確定する処理を行う。遊技制御装置100から送信される一つのコマンドは、第1コマンド(MODE)と、第2コマンド(ACTION)との一対のデータにより構成されている。
【0198】
そして、受信した第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾しない場合(例えば、MODE→ACTIONの順に受信した場合)に正しくコマンドを受信したと判定し、第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾する場合(例えば、ACTION→ACTIONの順やMODE→MODE→MODEの順に受信した場合)にコマンドの受信が異常であると判定するようになっている。
続いて、表示や装飾のランプや役物等の動作確認をするためのテストモード処理(ステップB11)、特図変動表示ゲームに関する処理を行うシーン制御処理(ステップB12)、遊技機のエラー監視を行う遊技機エラー監視処理を実行する(ステップB13)。
【0199】
さらに、内部レジスタに書き込むことで2ndCPU312へコマンドを送出して特図変動表示ゲームにおける演出に関する設定を行う演出コマンド編集処理(ステップB14)、音声の出力に関する処理(スピーカ19a、19bの駆動処理)であるサウンド制御処理(ステップB15)、前面枠に設けられた枠装飾装置18の制御に関する処理である装飾制御処理(ステップB16)を行う。そして、センターケース40に設けられた役物等を駆動させる盤演出モータ/SOL制御回路334の制御に関するモータ/SOL制御処理(ステップB17)、飾り特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)等の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB18)を行い、ウォッチドッグタイマをクリアする処理(ステップB8)に戻り、ステップB8〜B18の処理(ループ処理)を繰り返し実行する。
【0200】
図58には、本実施形態の演出制御装置300によって実行される割込み制御のうち1stCPUによるコマンド受信処理の手順の一例が示されている。
図58に示すように、このコマンド受信割込み処理では、先ず、遊技制御装置100から送信されたコマンドのポートの値を取り込む処理(ステップB21)を行う。そして、MODEコマンドの待機中であるか否かの判定(ステップB22)を行う。
ここで、MODEコマンドの待機中である場合(ステップB22;Yes)は、さらにデータストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定(ステップB23)し、データストローブ信号SSTBがONの状態である場合(ステップB23;Yes)は、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定(ステップB24)する。
【0201】
そして、受信したコマンドがMODEコマンドである場合(ステップB24;Yes)は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB25)を行い、算出後のアドレスに当該コマンドをMODEコマンドとしてセーブする処理(ステップB26)を行う。
続いて、タイムアウト監視タイマに初期値を設定し、当該タイマをスタートさせる処理(ステップB27)を行った後、ACTIONコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB28)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、ステップB23において、データストローブ信号SSTBがONの状態でない(No)と判定した場合、又はステップB24において、受信したコマンドがMODEコマンドでない(No)と判定した場合は、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB37)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB38)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0202】
また、ステップB22において、MODEコマンド待機中でない場合、即ち、ACTIONコマンド待機中の場合(ステップB22;No)は、タイムアウト監視タイマがタイムアウトとなったか否かを判定する(ステップB29)。
ここで、タイムアウトとなっていない場合(ステップB29;No)は、データストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定(ステップB30)し、データストローブ信号SSTBがONの状態である(Yes)と判定した場合は、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定する(ステップB31)。
【0203】
そして、受信したコマンドがMODEコマンドでない場合(ステップB31;No)は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB32)を行い、算出後のアドレスに当該コマンドをACTIONコマンドとしてセーブする処理(ステップB33)を行う。
続いて、受信済みコマンド数の値を+1更新する処理(ステップB34)を行った後、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB37)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB38)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0204】
また、ステップB29において、タイムアウト(Yes)となった場合、又はステップB30において、データストローブ信号SSTBがONの状態でない場合(ステップB30;No)は、ステップB35へ移行し、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB35)を行い、算出されたアドレスのコマンドバッファにセーブされているMODEコマンドを破棄する処理(ステップB36)を行う。
それから、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB37)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB38)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。また、ステップB31において、受信したコマンドがMODEコマンドである(Yes)と判定した場合は、ステップB25へ移行し、それ以降の処理を行う。
【0205】
次に、2ndCPU312による制御について説明する。2ndCPU312による制御処理には、
図59に示す2ndメイン処理と、
図61に示す所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われるVブランク割込み処理がある。
図59には、実施形態の演出制御装置によって実行される演出制御のうち2ndCPUによる2ndメイン処理の手順の一例が示されている。
2ndメイン処理においては、先ず、2ndCPU312の初期化処理(ステップB41)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB42)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB43)を行い、VDP313の初期化処理(ステップB44)を行う。その後、各種割込みを許可する処理(ステップB45)を行い、各種制御処理の初期化処理(ステップB46)を行う。
【0206】
次いで、VDP313による画像描画を許可する処理(ステップB47)を行った後、後述するVブランク割込み処理にてセットされるシステム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB48)を行う。
その後、システム周期待ちフラグが「1」であるか否かを判定(ステップB49)し、システム周期待ちフラグが「1」でない場合(ステップB49;No)は、Vブランク割込み処理にてシステム周期待ちフラグがセットされるまで、ステップB49の処理を繰り返し行う。
一方、システム周期待ちフラグが「1」である場合(ステップB49;Yes)は、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB50)を行ってから、通常ゲーム処理(ステップB51)を行い、ステップB48へ戻り、ステップB48〜B51の処理(ループ処理)を繰り返し実行する。
【0207】
図60には、
図59の2ndメイン処理中に実行される通常ゲーム処理(ステップB51)の手順の一例が示されている。
この通常ゲーム処理では、先ず、1stCPUから受信したコマンドを特定し区分けする受信コマンドチェック処理(ステップB511)を行う。
続いて、確率状態(通常確率/高確率)や客待ちなどの遊技状態、演出モード、リーチシーンに応じた背景表示設定を行う背景処理(ステップB512)、変動表示ゲームにおける図柄変動に関する表示制御を行うリール制御/表示処理(ステップB513)、始動記憶領域に記憶されている事前演出情報に基づいて保留表示を変化させて先読み演出を行う保留表示処理(ステップB514)、客待ちデモ画面表示を行う客待ちデモ処理(ステップB515)、予告キャラクタ等の設定や表示の優先順位を設定して表示内容を決定するシーン制御/表示処理(ステップB516)、画像ROMに格納されている画像データをRAMに転送して表示装置への表示を行わせる表示システム処理(ステップB517)を行い、通常ゲーム処理を終了する。
演出制御装置300が上記のような処理を実行することによって、表示装置41等における特図変動表示ゲームやそれに伴う演出表示、始動記憶表示による電サポ当りや大当りの先読み表示が可能となる。
【0208】
図61には、実施形態の演出制御装置300によって実行される演出制御のうち2ndCPUによるVブランク割込み処理の手順の一例が示されている。なお、
図61に示すVブランク割込み処理は、例えば16.6ms(フレーム周期33msの1/2)毎の周期的なVブランク割込み信号が2ndCPU312に入力されることで開始される。
Vブランク割込み処理が開始されると、先ず、フレームカウンタの値を+1更新する処理(ステップB81)を行い、当該フレームカウンタの値が規定値以上であるか判定(ステップB82)する。
【0209】
ここで、フレームカウンタの値が規定値未満の場合(ステップB82;No)は、Vブランク割込み処理を終了し、フレームカウンタの値が規定値以上の場合(ステップB82;Yes)は、ステップB83へ移行し、システム周期待ちフラグが「0」であるか判定(ステップB83)する。
そして、ステップB83で、システム周期待ちフラグが「0」でない(No)と判定した場合はVブランク割込み処理を終了し、システム周期待ちフラグが「0」である(Yes)と判定した場合は、ステップB84へ移行し、VDP313が表示装置41へ表示する描画を完了したか判定(ステップB84)する。
【0210】
このステップB84で、VDP313が描画を完了していない(No)と判定した場合はVブランク割込み処理を終了し、VDP313が描画を完了した(Yes)と判定した場合は、ステップB85へ移行し、表示フレームバッファを切り替える処理を行い、VDP313に切り替えられた表示フレームバッファへの描画開始を指示する(ステップB86)。上記規定値を例えば「2」に設定することによって、基本的には2回のVブランク割込みに1回、フレームの切り替えが行われるようにすることができる。
次いで、VDP313が描画を開始したことを示すVDP描画中フラグをセットする処理(ストップB87)を行った後、フレームカウンタを0クリアする処理(ステップB88)、システム周期待ちフラグに「1」をセットする処理(ステップB89)を順次行い、当該Vブランク割込み処理を終了する。
【0211】
次に、
図56の大当り終了処理のステップA634,A635で選択テーブルを用いて設定を行うことで実行される大当りセット制御に関わる発明である第3、第4発明の実施形態について説明する。
本出願に係る第3、第4発明の実施形態においては、特図変動表示ゲームで初回大当りが発生すると、その後5回の大当りが発生しそれが終了するまで、大当り遊技および大当り遊技後の制御状態(特定遊技状態)の内容を初回の大当り停止図柄に応じて設定するようにしている。
具体的には、
図62(A)の選択テーブルのように、初回の大当り停止図柄A〜Eに応じて、各セットの大当り遊技後に実行する電サポを伴う変動表示ゲーム数を設定する。
図62(A)の選択テーブルに従うと、例えば初回の大当り停止図柄が「図柄A」の場合には、大当り「1回目」の後は電サポ数が50回、大当り「2回目」の後は電サポ数が100回、大当り「3回目」の後は電サポ数が50回、大当り「4回目」の後は電サポ数が100回、大当り「5回目」の後は電サポ数が100回となるように、普図変動表示ゲームの制御が行われることとなる。
【0212】
図62(B)の選択テーブルは、初回の大当り停止図柄A〜Eに応じて、各セットの大当り遊技後に高確率で実行する変動表示ゲーム数(ST回数)を示している。
図62(B)のテーブルに従うと、例えば初回の大当り停止図柄が「図柄A」の場合には、大当り「1回目」の後はST回数が30回、大当り「2回目」の後はST回数が100回、大当り「3回目」の後はST回数が20回、大当り「4回目」の後はST回数が100回、大当り「5回目」の後はST回数が100回となるように、特図変動表示ゲームの制御が行われることとなる。
従って、制御手段としての遊技制御装置100は、最初に発生した特別結果態様の種類に応じて、特別遊技状態終了後に特定遊技状態が継続する変動表示遊技回数を事前決定する特定遊技回数決定手段として機能するとともに、最初に発生した特別遊技状態後、特別遊技状態発生毎に前記特定遊技回数決定手段により事前決定された変動表示遊技回数になるまで特定遊技状態を継続する特定遊技実行手段として機能する。
【0213】
なお、
図62(A)の選択テーブルによる大当り停止図柄A〜Eに応じた電サポ回数の設定と、
図62(B)の選択テーブルによる大当り停止図柄A〜Eに応じた電サポ回数の設定は、同時に実行しても良いが、それぞれ独立して実行するようにしても良い。また、
図62(A)の電サポ回数の選択テーブルの内容と
図62(B)のST回数の選択テーブルの内容を同じにして、両方を同時に設定可能にした場合には、普電サポート中だけ高確率状態になるような制御が可能となる。なお、この場合、高確率状態での確率は、例えば通常の10倍アップとしても良い。
【0214】
また、
図62(A)や
図62(B)の選択テーブルの停止図柄A〜Eは、遊技盤の中央に設けられる表示装置41に表示される例えば3つの識別図柄の変動を伴う飾り特図変動表示ゲームでの停止図柄である。一方、前述したように本発明の実施形態の遊技機においては、遊技盤の右下に特図表示器51,52が設けられており、ここで行われる本特図の変動表示ゲームでは例えば7セグメントのLEDを使用した1つの識別図柄の変動が行われるため、大当りの停止図柄の種類を多く確保することが困難である。そのため、この特図表示器51,52の停止図柄に着目した場合には、1種類の停止図柄すなわち1つの特別結果態様の種類に応じて、複数の特定遊技状態(普電サポート状態や高確率状態)が継続する変動表示遊技回数(電サポ回数やRT回数)が設定されることとなる。
【0215】
図63(A)の選択テーブルは、初回の大当り停止図柄A〜Eに応じて、各セットの大当りで実行する実質ラウンド数を示している。ここで、実質ラウンド数とは、特別変動入賞装置(大入賞口1,2)38、42の開放により実際に入賞球が発生するように大入賞口1,2の開放制御を行うラウンド数のことを意味する。これにより、例えば、
図63(A)の図柄Cでセット数が「1回目」の場合、実質ラウンド数が「8R」となっていることから、12R大当り(16R大当り)が発生してもそのうち4ラウンド(8ラウンド)は、大入賞口1または2が開放されたとしても開放時間が短いことで実際には入賞球が発生しないような開放制御が行われることとなる。
なお、
図63(A)の選択テーブルでは、初回の大当り停止図柄A〜Eに応じて各セットのラウンド数や特定遊技状態の内容を決定するようにしているが、
図63(A)の選択テーブルで初回の大当り停止図柄A〜Eに応じて各回の特別遊技状態の種類を決定し、各回の大当り遊技後の特定遊技状態の内容(電サポ回数やST回数等)は初回または直前に発生した特別遊技状態の種類に基づいて順次決定するようにしても良い。
【0216】
図63(B)の選択テーブルは、初回の大当り停止図柄A〜Eに応じて、各セットの大当り遊技後の確率状態が高確率(確変)へ移行する割合を示している。
図63(B)の選択テーブルに従うと、例えば初回の大当り停止図柄が「図柄E」であった場合には、各回の割合が「100%」であることから、毎回必ず高確率(確変)へ移行することとなる。
図63(B)のテーブルによる確率設定は、
図62(A)の電サポの選択テーブルによる設定または
図62(B)の選択テーブルによるST回数の設定と組み合わせてもよいし、単独で適用しても良い。単独で適用した場合には、設定された高確率状態または通常確率状態は次の大当り発生まで継続されることとなる。
また、
図63(B)の選択テーブルによる設定に
図62(A)の電サポの選択テーブルによる設定を組み合わせた場合、普電サポート中だけ高確率状態としてもよいし、大当り遊技後選択された回数まで普電サポート付きの高確率状態とし、その後は普電サポートなしの高確率状態とする制御も可能である。
【0217】
また、
図63(B)の選択テーブルの「図柄A」の「3回目」と「4回目」を見ると、それぞれ「1回目」と「2回目」と同じ割合になっている。この場合、「2回目」の当りの際に、最初の当りの図柄である「A」で停止するように制御しても良い。これにより、遊技者は「3回目」と「4回目」の大当り後遊技の際に「1回目」と「2回目」と同じような確率状態になることを予測することができる。
また、
図63(B)の選択テーブルの「図柄D」の「2回目」は確変移行割合が「50%」である。ここで、変動を開始したゲームの始動記憶が確変大当りである場合には、変動中に特殊な演出を実行して確変大当りの報知を行うとともに、次の大当りの確変移行割合(60%)を報知するようにしても良い。
さらに、
図63(B)の選択テーブルでは、「5回目」の大当りの確変移行割合が停止図柄ごとに異なっているが、例えば全て50%のように、同じ割合に設定するようにしても良い。
【0218】
図64(A)の選択テーブルは、初回の大当り停止図柄A〜Eに応じて、各セットの大当り遊技後に実行する通常確率(低確率)で実行する変動表示ゲーム数を示している。
図64(A)の選択テーブルに従うと、例えば初回の大当り停止図柄が「図柄A」の場合には大当り「1回目」の後は通常確率(低確率)で100回、初回の大当り停止図柄が「図柄C」の場合には大当り「1回目」の後は通常確率(低確率)で50回、初回の大当り停止図柄が「図柄E」の場合には大当り「1回目」の後は通常確率(低確率)で4回、それぞれ特図変動表示ゲームが実行され、その後高確率で特図変動表示ゲームが実行されることとなる。
なお、
図64(A)の選択テーブルを適用する場合、例えば通常確率(低確率)状態での大当り確率が1/1000で、高確率(確変)状態での大当り確率を1/200に設定することが考えられる。
【0219】
図64(B)の選択テーブルは、初回の大当り停止図柄A〜Eに応じて、各セットの大当り遊技後の天井回数を示している。ここで、「天井回数」とは、当りが発生しない特図変動表示ゲームが連続して所定回数実行された場合には、次の特図変動表示ゲームでは大当りを発生する制御を行うというものである。
図64(B)の選択テーブルに従うと、例えば初回の大当り停止図柄が「図柄E」の場合には、各回の大当りの後にそれぞれ4回外れの特図変動表示ゲームが実行されると、その次の特図変動表示ゲームでは大当りが発生することとなる。なお、「図柄E」の場合には、4回ではなく0回としても良い。これにより、初回の大当り停止図柄が「図柄E」の場合には、その後大当りが5回連続して発生するようになる。なお、4回であっても、最大始動記憶数が4個であれば、ほぼ確実に大当りが5回連続して発生することになる。
【0220】
図65の選択テーブルは、初回の大当り停止図柄A〜Eに応じて、各セットの大当り遊技後の高確率(確変)状態において、特図変動表示ゲームが実行される毎に通常確率(低確率)状態へ転落させるか否かの抽選を行い、その抽選によって転落する割合を示している。
図65の選択テーブルに従うと、例えば初回の大当り停止図柄が「図柄E」であった場合には、各回の割合が「1/500」であることから、毎回1/500の確率で低確率状態へ転落することとなる。
なお、
図65の選択テーブルを適用する場合、例えば通常確率(低確率)状態での大当り確率が1/300で、高確率(確変)状態での大当り確率を1/30に設定することが考えられる。
以上、初回の大当り停止図柄A〜Eに応じて、各セットの大当り遊技後に発生する特定遊技状態の例について図面を用いて説明したが、上述した例の他にも、例えば始動記憶に対応した変動表示ゲームが実行される前に始動記憶情報に基づいてゲームの結果を判断して予告を行う先読み機能を設けた場合に、大当りが何回目かによって先読み予告を行うモードへ移行するか先読み予告をしないモードへ移行するかを決定するようにしても良い。
【0221】
図66には、大当り遊技後に所定ゲーム数だけ電サポ(時短を含む)付きで変動表示ゲームを実行する場合に、サポ中と通常(サポなし)中の変動時間の設定を、各セット(大当り回数)ごとに時間設定値の異なる選択テーブルを使用して行うようにした場合の遊技の進行の例が示されている。
図66において、「#1」は平均変動時間の短いテーブルを使用して変動時間を決定し、「#3」は平均変動時間の長いテーブルを使用して変動時間を決定し、「#2」は平均変動時間が普通(#1と#3の中間)であるテーブルを使用して変動時間を決定することを意味している。
図66に示されている例では、1回目の大当り後の電サポ中は平均変動時間の短いテーブル#1を使用して変動時間を決定し、通常(サポなし)中は平均変動時間の長いテーブル#3を使用して変動時間を決定する。また、3回目の大当り後の電サポ中は平均変動時間の短いテーブル#1を使用して変動時間を決定し、通常(サポなし)中は平均変動時間が短いテーブル#1を使用して変動時間を決定する。そして、4回目の大当り後の電サポ中は平均変動時間のを使用して変動時間を決定し、通常(サポなし)中は平均変動時間が中間のテーブル#2を使用して変動時間を決定することとなる。
【0222】
これにより、遊技者は変動時間から何セット目を実行しているかを、おおよそ推測することができるようになる。所定の条件の成立で、何セット目を実行しているかを報知するようにしても良い。この報知の仕方としては、専用のランプでもよいし、表示装置41に表示する演出の内容から分かるようにしても良い。
なお、大当り遊技後に実行する変動時間の決定に使用する選択テーブルの順序は毎回セット単位で同じでも良いが、変動時間の設定を各セットの大当り回数ごとに、#1,#2,#3のいずれの選択テーブルを使用して行うかを、前述した実施形態と同様に、初回大当りの停止図柄に応じて決定するようにするようにしても良い。また、変動時間の決定に使用する選択テーブルは、変動表示ゲームの開始時における保留数(始動記憶数)に応じて切り替えるようにしても良い。
【0223】
図67には、変動時間の決定に使用する選択テーブルの例が示されている。このうち、
図67(A)は平均変動時間の短いテーブル#1の例、
図67(B)は平均変動時間が普通のテーブル#2の例、
図67(C)は平均変動時間の長いテーブル#3の例である。
図67では、(A)および(C)のように、平均変動時間の短いテーブル#1と平均変動時間の長いテーブル#3は保留数が0〜4である場合に共通に使用し、平均変動時間が普通のテーブル#2は、(B)のように、保留数が0〜2の場合と3〜4の場合とで切り替えるようになっている。
【0224】
図68には、大当り遊技後に所定ゲーム数だけ電サポ(時短を含む)付きで変動表示ゲームを実行する場合に、電サポ中と通常(サポなし)中とで表示装置41で実行する演出モードを変えるようにした場合の遊技の進行の例が示されている。
図68において、「モードA」は
図69(A)のような背景画像を表示することを、また「モードB」は
図69(B)のような背景画像を表示することを意味している。このように、電サポ中と通常(サポなし)中とで演出モードを変えることで、遊技者は電サポ中なのか通常(サポなし)中なのかを容易に把握することができる。
【0225】
図70(A)には、大当り遊技後に所定ゲーム数だけ電サポ(時短を含む)付きで変動表示ゲームを実行する場合に、通常(サポなし)中に、各セットの大当り回数に応じて表示装置41で実行する演出モードのシーンを変えるようにした場合の遊技の進行の例が示されている。また、
図70(B)は大当り中に表示する演出のシーンを変える例を示す。
図71には、演出のシーンの進行例が示されている。このように、大当り回数に応じて演出のシーンを変えることで、遊技者は通常(サポなし)中または大当り中に表示されるシーンから、何回目の大当り後の遊技中であるかを容易に把握することができる。なお、
図70(A)の「通常中」期間ではなく、「サポ中」期間に、各セットの大当り回数に応じて表示装置41で実行する演出モードのシーンを変えるようにしても良い。
【0226】
次に、上記のような演出モードやシーンの遷移制御を可能にするため演出制御装置300により実行される処理について説明する。
図72には、
図57に示す1stメイン処理におけるシーン制御処理(ステップB12)の具体的な手順の一例を示す。このシーン制御処理は、演出制御装置300が遊技制御装置100からの各種コマンドに応じて表示装置41における画像表示制御を行う処理である。
このシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB61)、テストモード中である場合(ステップB61;Yes)は、シーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB61;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB62)。
【0227】
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB62;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB63)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB64)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB64)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB64;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB65)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。
【0228】
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB62;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB64;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)へ移行する。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。例えば電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB68)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB69)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB70)を行う。
【0229】
また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB71)を行う。この変動中処理(ステップB71)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。
【0230】
また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB72)を行う。また、大入賞口開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB73)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB74)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB75)を行う。
【0231】
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB76)を実行し、その後始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特
図1保留数コマンド、特
図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB77)を実行する。
その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンド(確率情報コマンド(低確率、高確率))を受信し該コマンドに基づいて確率情報報知演出を設定する処理や確率情報報知演出を終了させる処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB78)を行ってシーン制御処理から抜ける。
【0232】
図73は、
図72のシーン制御処理中に実行される変動中処理(B71)の手順の一例が示されている。
この変動中処理では、先ず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB121)。演出リクエストフラグは、有効なコマンドを受信した場合に設定されるフラグであって、このフラグがある場合は受信したコマンドに基づく処理を行う。
具体的には、演出リクエストフラグがある場合(ステップB121;Yes)は、演出ボタン25の入力に関する情報である演出ボタン関連情報をクリアする(ステップB122)。次に、盤演出装置44(
図39参照)の可動役物を作動させるための可動体リクエストフラグをセット(ステップB123)した後、変動回数管理処理(ステップB124)を実行する。
【0233】
その後、変動パターン情報設定処理(ステップB125)を実行してから、ステップB126へ進んで乱数シード初期化処理を行って、演出リクエストフラグをクリアし(ステップB127)、当該変動中処理から抜ける。
一方、上記ステップB121で、演出リクエストフラグがない(No)と判定した場合は、ステップB128へ移行して更新タイマの値が0であるかを判定する。この場合、更新タイマはシーンシーケンステーブルに従い管理されるシーンの実行時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとは、実行されていたシーンが終了したことを意味する。
この更新タイマの値が0でない場合(ステップB128;No)は、変動中処理から抜ける。また、この更新タイマの値が0である(ステップB128;Yes)と判定した場合は、最終シーンであるか否かを判定する(ステップB129)。そして、最終シーンである(ステップB129;Yes)と判定した場合は、ステップB130へ進んでエンディング終了を設定して、変動中処理を終了する。また、ステップB129で、最終シーンでない(ステップB129;No)と判定した場合は、ステップB131へ進んで次のシーンのデータを設定して、変動中処理を終了する。
【0234】
以上の説明から、上記実施形態には、
所定条件の成立により変動表示遊技を実行し、該変動表示遊技が特別結果態様となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な制御手段(100)を備える遊技機において、
前記制御手段は、
前記特別遊技状態終了後の所定の変動表示遊技回数まで遊技の進行が有利になる特定遊技状態を発生可能な特定遊技状態制御手段と、
最初に発生した特別結果態様の種類に応じて、特別遊技状態終了後に特定遊技状態が継続する変動表示遊技回数を事前決定する特定遊技回数決定手段と、
前記最初に発生した特別遊技状態後、特別遊技状態発生毎に前記特定遊技回数決定手段により事前決定された変動表示遊技回数になるまで特定遊技状態を継続する特定遊技実行手段と、を備えるようにした発明が含まれることが分かる。
【0235】
ここで、「最初に発生した特別結果態様」とは、例えば所定セット数の特別遊技状態(大当り遊技)および特定遊技状態の終了後に実行された変動表示ゲームで最初に発生した特別結果態様であり、実行されたセット数を記憶するRAMがクリアされた場合には、RAMクリア後に実行された変動表示ゲームで最初に発生した特別結果態様である。
また、「特定遊技状態」とは、例えば確変制御や時短制御あるいは電サポ制御のような遊技の進行が有利になる制御状態を意味する。
上記のような発明によれば、特別遊技状態(大当り遊技)の終了後に例えば確変制御や時短制御あるいは電サポ制御のような遊技の進行が有利になる特定遊技状態を設けた場合に、最初に発生した特別結果態様の種類に応じて特別遊技状態の終了後に特定遊技状態が継続する変動表示遊技回数を事前決定するので、特別結果態様に応じて特定遊技状態が継続する変動表示遊技回数が変化することとなるため、大当り遊技の終了後の遊技の興趣を高めることができる。
【0236】
また、上記実施形態には、前記特定遊技回数決定手段は、前記特別遊技状態が所定回数に達した場合は、所定回数に達した時の特別結果態様の種類に応じて、再度所定回数までの特別遊技状態終了後に特定遊技状態が継続する変動表示遊技回数を事前決定するようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、大当り遊技の終了後の遊技の興趣をさらに高めることができる。また、特別遊技状態が所定回数に達するまで遊技を続ける意欲を高めることができる。
【0237】
また、上記実施形態には、前記特定遊技回数決定手段は、1つの特別結果態様の種類に応じて、複数の特定遊技状態が継続する変動表示遊技回数を設定可能であるようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、1つの特別結果態様の種類に応じて、複数の特定遊技状態が継続する変動表示遊技回数を設定可能であるので、遊技者は特別結果態様の種類だけでは特定遊技状態において可能な変動表示遊技回数が分かりづらくなり、長時間にわたって期待を抱かせることが可能となり遊技の興趣を高めることが出来る。
【0238】
さらに、上記実施形態には、前記制御手段は、通常確率で特別遊技状態が発生可能な通常確率状態と、前記通常確率よりも特別遊技状態の発生確率が高い高確率状態と、を発生可能であり、所定の特別結果態様の発生により、所定回数の特別遊技状態の発生まで高確率状態を継続可能であるようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、所定の特別結果態様の発生により、所定回数の特別遊技状態の発生まで高確率状態を継続可能であるので、遊技の興趣を高めることが出来る。
【0239】
また、上記実施形態には、前記制御手段は、通常確率で特別遊技状態が発生可能な通常確率状態と、前記通常確率よりも特別遊技状態の発生確率が高い高確率状態と、を発生可能であり、前記特定遊技状態制御手段は、前記特定遊技状態中は高確率状態を継続可能であるようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、特定遊技状態中は高確率状態を継続可能であるので、遊技意欲を高めることができる。
【0240】
さらに、前述の説明から、前記実施形態には、
所定条件の成立により変動表示遊技を実行し、該変動表示遊技が特別結果態様となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な制御手段(100)を備える遊技機において、
前記制御手段は、
通常確率で特別遊技状態が発生可能な通常確率状態と、前記通常確率よりも特別遊技状態の発生確率が高い高確率状態と、を発生可能であり、
前記特別遊技状態終了後の所定の変動表示遊技数まで高確率状態である特定遊技状態を発生可能な特定遊技状態制御手段と、
最初に発生した特別結果態様の種類に応じて、所定回数までの特別遊技状態終了後に特定遊技状態が継続する変動表示遊技数を事前決定する特定遊技回数決定手段と、
前記最初に発生した特別遊技状態後、特別遊技状態発生毎に前記特定遊技回数決定手段により事前決定された変動表示遊技回数になるまで特定遊技状態を継続する特定遊技実行手段と、
を備えるようにした発明が含まれることが分かる。
【0241】
ここで、「最初に発生した特別結果態様」とは、例えば所定セット数の特別遊技状態(大当り遊技)および特定遊技状態の終了後に実行された変動表示ゲームで最初に発生した特別結果態様であり、実行されたセット数を記憶するRAMがクリアされた場合には、RAMクリア後に実行された変動表示ゲームで最初に発生した特別結果態様である。
上記のような発明によれば、特別遊技状態(大当り遊技)の終了後に所定の変動表示遊技回数になるまで高確率状態である特定遊技状態を設けた場合に、最初に発生した特別結果態様の種類に応じて特別遊技状態の終了後に特定遊技状態が継続する変動表示遊技回数を事前決定するので、特別結果態様に応じて高確率状態である特定遊技状態が継続する変動表示遊技回数が変化することとなるため、大当り遊技の終了後の遊技の興趣を高めることができる。
【0242】
また、上記実施形態には、前記特定遊技回数決定手段は、最初に発生した特別結果態様の種類に応じて2回目以降の特定遊技状態における高確率状態の発生割合を決定するようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、最初に発生した特別結果態様の種類に応じて2回目以降の特定遊技状態における高確率状態の発生割合を決定するので、特別遊技状態(大当り遊技)ごとに特別遊技状態の終了後の特定遊技状態が高確率状態になるか通常確率状態になるか変化するため、遊技の興趣を高めることができる。
【0243】
また、上記実施形態には、前記特定遊技回数決定手段は、前記特別遊技状態の発生が前記所定回数まで到達した場合は、当該到達時の特別遊技状態の種類に応じて、再度、所定回数までの特別遊技状態終了後に特定遊技状態が継続する変動表示遊技数を事前決定するようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、大当り遊技の終了後の遊技の興趣をさらに高めることができる。また、特別遊技状態が所定回数に達するまで遊技を続ける意欲を高めることができる。
【0244】
さらに、上記実施形態には、前記特定遊技状態制御手段は、
所定条件の成立により前記高確率状態から通常確率状態へ転落可能な転落抽選手段と、
最初に発生した特別結果態様の種類に応じて、所定回数までの特別遊技状態終了後に前記高確率状態から通常確率状態に転落する転落割合を事前決定する転落割合決定手段と、を備えるようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、転落抽選手段を備え、最初に発生した特別結果態様の種類に応じて、所定回数までの特別遊技状態終了後に前記高確率状態から通常確率状態に転落する転落割合を事前決定するので、特別遊技状態(大当り遊技)ごとに特別遊技状態の終了後に高確率状態から通常確率状態に転落するかしないかが変化するため、大当り遊技の終了後の遊技におけるハラハラドキドキ感を高めることができる。
【0245】
[変形例]
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態においては、
図62〜
図65に示すような複数の選択テーブルを用いてセット単位で各回(各セット)の大当り遊技後の制御状態の設定を行っているため、設定の組合せが多くなり制御状態が多様化して遊技の興趣が高くなるが、制御装置による設定処理は複雑になる。
第1の変形例においては、
図74(A)に示すような一つの選択テーブルを使用して設定を行うことで、初回の大当り停止図柄A〜Eに応じて、各セットの大当り遊技後の制御状態を多様化できるようにしたものである。
【0246】
図74(B)には、初回の大当り停止図柄が「図柄E」の場合に
図74(A)の選択テーブルに従って各セットの大当り遊技後の制御状態を設定した場合の遊技の進行例が示されている。
本変形例によれば、初回の大当り停止図柄に応じて各セットの大当り遊技後の制御状態の変遷が異なることになる。そのため、一つの選択テーブルで大当り遊技後の制御状態を多様化することができ、制御装置の負担を軽減することができるとともに、遊技者は制御状態から、何回目の大当り後の遊技中であるかを推測することができる。
【0247】
図75には、第2の変形例で使用される選択テーブルの例が示されている。
上述した実施形態や第1の変形例においては、初回大当り後に実行される大当りのセット回数が例えば5回のように固定されている。第2の変形例は、大当りのセット回数を、初回大当りの停止図柄に応じて、例えば
図75のように、初回の大当り停止図柄が「図柄A」の場合には2セット、停止図柄が「図柄B」の場合には5セット、停止図柄が「図柄C」の場合には3セット、停止図柄が「図柄D」の場合には8セット、停止図柄が「図柄E」の場合には10セットのように、セット数を変える制御を行うようにしたものである。
【0248】
図76には、第3の変形例における大当りのセット制御の例が示されている。
第3の変形例は、
図76(A)に示すように、初回の大当り停止図柄A〜Eに応じて、各セットの大当り遊技後に始動記憶(保留)情報の先読みによるいわゆる先読み予告を実行するか否かを設定するようにしたものである。具体的には、例えば、初回の大当り停止図柄が「図柄A」の場合には、大当り1回目は「先読み予告有り」、大当り2回目〜5回目は「先読み予告なし」のように設定し、停止図柄が「図柄B」の場合には、大当り1回目は「先読み予告なし」、大当り2回目は「先読み予告有り」、大当り3回目は「先読み予告なし」、大当り4回目は「先読み予告有り」、大当り5回目は「先読み予告なし」、のように設定する。
【0249】
図76(B)には、初回の大当り停止図柄が「図柄D」の場合に
図76(A)の表に従って各セットの大当り遊技後の先読み制御状態を設定した場合の遊技の進行例が示されている。
本変形例によれば、初回の大当り停止図柄に応じて各セットの大当り遊技後の先読み制御状態の変遷が異なることとなる。そのため、遊技者は先読み予告の有無と変遷の仕方から、何回目の大当り後の遊技中であるかを推測することができ、先読み予告を伴う大当りが発生するまでは遊技を継続するという遊技意欲を高めることができる。
【0250】
図77には、第4の変形例における大当りのセット制御の例が示されている。
第4の変形例は、大当り中にストーリーのある演出を各セットに分割した順次行う場合に、初回の大当り停止図柄A〜Eに応じて、各セットの大当り中に表示するストーリーの進行度を変えるようにしたものである。具体的には、例えば、初回の大当り停止図柄が「図柄A」の場合には、1回目〜5回目の大当り中、ほぼ均等にストーリーを進行させる。また、停止図柄が「図柄B」の場合には、1回目の大当り中と2回目の大当り中は、ゆっくりとストーリーを進行させ、3〜5回目の大当り中は、すばやくストーリーを進行させる。停止図柄が「図柄C」の場合は、1回目の大当り中のみゆっくりとストーリーを進行させ、2〜5回目の大当り中は、すばやくストーリーを進行させる。
本変形例によれば、初回の大当り停止図柄に応じて各セットの大当り中に表示するストーリーの進行度が異なることとなる。そのため、遊技者はストーリーの進行具合から、何回目の大当りであるかを推測することができる。なお、この変形例は、前述した実施形態や変形例と組み合わせて適用することができる。
【0251】
図78には、第5の変形例で使用される選択テーブルの例が示されている。
第5の変形例においては、
図78に示すような選択テーブルを使用して制御状態の設定を行うことで、初回の大当り停止図柄A〜Eに応じて、各セットの大当り遊技後の制御状態を多様化するとともに、初回の大当り停止図柄が所定の図柄(例えばA,C,D)であった後に、日をまたぐと朝一の変動表示ゲーム実行後に、例えば「あと3回当るといいことがあるよ!」ような報知を行うようにしたものである。
本変形例によれば、朝一の変動表示ゲームの実行により遊技者にとって有利となり得る情報が提供される場合があるため、遊技者は朝から遊技を行う意欲が高くなり、遊技店にとって好ましい効果が得られる。なお、遊技機には、リセットボタンが設けられており、リセットボタンがオンされると初期状態に戻るため上記のような報知がなされなくなる。そこで、営業開始後所定時間は、遊技盤前面のLEDを点灯または非点灯とすることで、遊技機が初期状態にされているか否かを報知するようにしても良い。
なお、朝一の変動に限定されず、営業中に所定の時間もしくは時間帯になると上述したような報知を行うようにしても良い。演出制御装置300は、リアルタイムクロック回路316(
図39参照)を備えているため、このような日時による演出制御の実行が可能である。
【0252】
以上の説明から、上記実施形態には、
始動入賞により発生する変動表示ゲームの始動権利に基づいて、大当りに当選したか否かを判定する当り抽選を実行し、前記抽選結果が前記大当りとなる場合に、大入賞口を所定の態様で開放することにより遊技者に利益を付与する制御手段を備える遊技機において、
前記制御手段は、
前記抽選結果に対応する変動表示ゲームを実行させるための変動パターンを設定する変動パターン設定手段と、
前記変動パターン設定手段により設定された変動パターンに従って変動表示ゲームを実行する変動表示手段と、
を備え、
前記変動パターン設定手段は、
複数の変動パターンが設定されている変動パターン決定用テーブルを参照し、所定条件の成立に関連して取得した変動パターン決定用乱数値に対応する変動パターンを前記複数の変動パターンの中から選択するように構成され、
前記変動パターン決定用テーブルには、リーチ変動態様を伴う変動パターンを選択可能なリーチ有り変動パターン決定用テーブルと、リーチ変動態様を伴う変動パターンを選択不能なリーチ無し変動パターン決定用テーブルとがあり、
変動表示ゲームの実行回数が所定回数に達するまでは前記リーチ有り変動パターン決定用テーブルを参照して変動パターンを設定し、変動表示ゲームの実行回数が所定回数以上になると、前記リーチ無し変動パターン決定用テーブルを参照して変動パターンを設定可能であるようにした発明が含まれることが分かる。
【0253】
ここで、「変動表示ゲームの実行回数」とは前回の大当り遊技終了後に実行された変動表示ゲームの回数であり、変動表示ゲームの実行回数を記憶するRAMがクリアされた場合には、RAMクリア後に実行された変動表示ゲームの回数である。実行回数を記憶するRAMのバックアップ電源を設けた場合には、変動表示ゲームの実行回数は翌日に持ち越すことが可能である。
上記のような発明によれば、変動表示ゲームの実行回数が所定回数に達するまではリーチ変動態様を伴う変動表示ゲームが実行され、変動表示ゲームの実行回数が所定回数以上になるとリーチ変動なしの変動表示ゲームが実行されるので、遊技の興趣を高めることができる。しかも、外れとなる変動表示ゲームの実行回数が所定回数に達すると大当りを発生する機能を設けた遊技機と異なり、トータルの大当り確率が設計値よりも高くなってしまうこともない。
【0254】
また、上記実施形態には、前記制御手段は、外れリーチ変動態様を伴う変動表示ゲームの実行回数を計数する外れリーチ回数計数手段を備え、
前記変動パターン設定手段は、前記外れリーチ回数計数手段により計数された外れリーチの実行回数が所定回数に達した場合、少なくとも前記抽選結果が大当りとならない場合に参照する前記変動パターン決定用テーブルとして、前記リーチ無し変動パターン決定用テーブルまたはリーチ変動態様を伴う変動パターンが選択される割合の低いリーチ低変動パターン決定用テーブルを設定するリーチ天井モード制御手段を備えるようにした発明が含まれる。
【0255】
かかる発明によれば、外れリーチ回数が所定回数に達した場合、リーチ無し変動パターン決定用テーブルまたはリーチ低変動パターン決定用テーブルにより変動パターンが選択されるので、それ以降は、当りの場合しかリーチが発生しない、または外れリーチの発生頻度が大幅に減少するため、所定回転数以上でリーチが発生すると大当りが発生もしくは大当りの発生確率が高くなることになり、大当り確率は変わらず、天井機能(リーチ天井機能)を楽しむことが出来、遊技の興趣が高まる。
【0256】
また、上記実施形態には、前記変動パターン決定用テーブルは、通常の変動パターンテーブルよりもリーチ変動態様を伴う変動パターンが選択される割合の高いリーチ高変動パターン決定用テーブルを含み、
前記制御手段は、外れとなる変動表示ゲームの実行回数を計数する変動回数計数手段を備え、
前記変動パターン設定手段は、前記変動回数計数手段より計数された外れ変動表示ゲームの実行回数が所定回数に達した場合は、前記抽選結果が前記大当りとならない場合に参照する前記変動パターン決定用テーブルとして、前記リーチ高変動パターン決定用テーブルに設定するようにした発明が含まれる。
【0257】
かかる発明によれば、変動表示ゲームの実行回数が所定回数に達した場合は、リーチ高変動パターン決定用テーブルを参照して変動パターンが決定されるためリーチの発生が多くなり、特にリーチ天井機能を設けた遊技機において、なかなかリーチが発生せずリーチ天井に到達できないイライラ感を解消することが出来る。
【0258】
さらに、上記実施形態には、前記制御手段は、通常確率で前記大当りが発生可能な通常確率状態と、前記通常確率よりも前記大当りの発生確率が高い高確率状態と、を発生可能であり、
前記リーチ天井モード制御手段は、少なくとも前記高確率状態の場合に、高確率状態であるか通常確率であるかを曖昧に報知する曖昧モード中に前記リーチ天井モードを発生可能であるようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、曖昧モード中に、外れリーチの発生頻度が非常に少ないリーチ天井モードを発生可能であるので、遊技者はリーチ天井モードに到達して長時間スランプに嵌る可能性が低くなる。なお、前記曖昧モードにおけるゲーム数には上限を設けるようにしても良い。
【0259】
また、上記実施形態には、前記制御手段は、前記リーチ天井モード中に変動表示ゲームの仮停止状態を含む擬似連演出を発生可能であるようにした発明が含まれる。
天井条件が成立した場合、その後、変動表示ゲームが大当りとなるまではリーチなし状態が続くため遊技が単調になる。上記のような発明によれば、そのような場合に、擬似連演出を多く発生するようにしたので、大当りとなるときも擬似連演出から大当りが導出されるようになる。また、リーチ演出はできなくても、長い変動時間で遊技を行う場合、通常変動のみであると単調になるが、擬似連演出を伴う変動表示ゲームが実行されることで、遊技が単調になってしまうのを解消することが出来る。
【0260】
さらに、上記実施形態には、前記リーチ高変動パターン決定用テーブルは、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が多くなるように構成した発明が含まれる。
外れリーチの変動表示ゲームの実行回数が所定回数に達した場合に移行する天井モードで、変動パターンを決定するテーブルとしてリーチ無しテープを設定するように制御する場合、リーチ発生で大当りとなるため遊技者は天井モードではリーチ待ちとなる。そのため、上記発明のように、リーチ高変動パターン決定用テーブルが変動時間が短い変動パターンが選択される割合が多くなるように構成することにより、リーチが発生するまでに実行される変動表示ゲームの変動時間を短くすることができ、それにより変動効率が上がり遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
【0261】
(第5発明)
次に、本出願に係る第5発明の実施形態について説明する。第5発明は、上記第3、第4発明に係る大当りのセット制御におけるいずれか1つあるいは全てのセットの中の演出制御として適用することができる。
第5発明の第1の実施形態は、リーチを伴う変動表示ゲームであって結果が外れとなる外れリーチが所定回数以上発生した場合(リーチ天井条件成立)には、それまでのリーチ演出の代わりにあたかも複数のゲームが実行されているように見えるいわゆる擬似連演出を行うようにするものである。
そのため、演出制御装置300は、
図79に示すようなリーチ計数処理を実行する。なお、このリーチ計数処理は、例えば
図59の2ndメイン処理のステップB51の通常ゲーム処理の中で行うようにすることができる。
【0262】
図79のリーチ計数処理においては、先ずこれから実行しようとする変動表示ゲームがリーチを発生するものであるか否か判定する(ステップB521)。ここで、リーチが発生しない(ステップB521:No)と判定すると、当該リーチ計数処理から抜ける。一方、ステップB521で、リーチが発生する(Yes)と判定すると、次のステップB522へ進み、リーチ発生回数を計数するリーチカウンタを更新(+1)する。なお、このリーチカウンタは大当りが発生するとクリアされる。リーチか否かは、遊技制御装置100から送信されて来るコマンドに含まれる変動時間がある程度以上長いか否かで判断することができる。
【0263】
ステップB522に続いて、リーチカウンタの値が所定値以上になったか否か判定する(ステップB523)。ここで、リーチカウンタの値が所定値以上になっていない(ステップB523:No)と判定すると、当該リーチ計数処理から抜ける。また、ステップB523で、リーチカウンタの値が所定値以上になった(Yes)と判定すると、次のステップB524へ進み、変動パターン選択テーブルとして擬似連演出を行うためにリーチ無し変動パターン決定用のテーブルをセットして、リーチ計数処理から抜ける。
これにより、例えば通常の外れリーチの変動表示ゲームは
図81(A)のように1回だけリーチ状態を経由して進行するものが、
図81(B)のように、変動中に仮停止をしてから再変動する擬似連演出が実行されるようになる。外れリーチが何度も続くと遊技者は遊技に失望して遊技意欲を次第に無くして行くが、上記のように外れリーチが所定回数以上発生した場合には、擬似連演出を行うことで遊技者のゲームに対する期待感を高め、遊技意欲を長く継続させることができるようになる。
【0264】
なお、上記のような制御は、演出制御装置300側の処理でなく、遊技制御装置100からの指令によって行うようにすることもできる。
図80には、その場合の遊技制御装置100による処理(特定変動計数処理)の一例が示されている。この特定変動計数処理は、例えば
図51の特
図1変動開始処理または特
図2変動開始処理の中で行うようにすることができる。
図80の特定変動計数処理においては、先ず特定変動が発生したか否か判定する(ステップA521)。ここで、特定変動が発生しない(ステップA521:No)と判定すると、当該特定変動計数処理から抜ける。一方、ステップA521で、特定変動が発生する(Yes)と判定すると、次のステップA522へ進み、特定変動発生回数を計数する特定変動カウンタを更新(+1)する。なお、この特定変動カウンタは大当りが発生するとクリアされる。
【0265】
ステップA522に続いて、特定変動カウンタの値が所定値以上になったか否か判定する(ステップA523)。ここで、特定変動カウンタの値が所定値以上になっていない(ステップA523:No)と判定すると、当該リーチ計数処理から抜ける。また、ステップA523で、特定変動カウンタの値が所定値以上になった(Yes)と判定すると、次のステップA524へ進み、変動パターン選択テーブルとして擬似連演出を行わせるためにリーチ無し変動パターン決定用のテーブルをセットして、特定変動計数処理から抜ける。
これにより、遊技者のゲームに対する期待感を高め、遊技意欲を長く継続させることができるようになる。なお、ステップA524で設定するリーチ無し変動パターン決定用のテーブルは、結果がすべて外れとなるものでも良いが、そのようにすると、擬似連演出が実行されても結局外れとなることが遊技者に分かってしまい、期待感が低下することとなるので、低確率で当りが発生するテーブルを使用するようにしても良い。つまり、リーチが天井回数に達したら、大当り判定用乱数が外れても変動パターン乱数で再度大当りの判定を行うようにしても良い。
【0266】
(他の実施形態)
第2の実施形態は、
図82に示すように、変動表示ゲーム(リーチ無しを含む)の実行回数が所定回数(天井回数)に達することで天井条件が成立した場合には、大当り判定用のテーブルを通常よりも大当りの発生確率の高いテーブルに切り替えることによって大当りの発生し易い天井モードへ移行する制御を行うようにしたものである。これにより、長時間にわたって大当りが発生しないことによる遊技者の興趣の低下、遊技意欲の減退を抑制することができる。なお、発生した天井モードは大当りの発生で終了し、通常状態に復帰するように制御される。
【0267】
ところで、この第2の実施形態を適用した場合、天井条件の成立で大当りが発生し易くなるものの必ず大当りが発生することが保証されるものではない。従って、天井モードへ移行しても長時間大当りが発生しない事態も考えられる。そこで、天井条件が成立した場合には、変動パターン判定用のテーブルを、天井条件の成立まで使用されるリーチ発生が普通にあるテーブル(リーチ有り変動パターン決定用テーブル)からリーチが発生しないテーブル(リーチ無し変動パターン決定用テーブル)すなわち平均的な変動時間の短い変動パターンを選択するテーブルに切り替えるようにしてもよい。これにより、天井モードでリーチが発生すると大当りになることを意味する。
【0268】
なお、前述した第1実施形態のように、演出制御装置300または遊技制御装置100に外れリーチの変動表示ゲームの実行回数を計数する外れリーチ計数手段を設けて、外れリーチの変動表示ゲームの実行回数(リーチ回数)が所定回数に達した場合(リーチ天井条件成立)に、上記のようなテーブル切替えを行うリーチ天井モードへ移行するようにしても良い。なお、リーチ天井モードでゲーム結果が外れの場合に使用する変動パターン選択用のテーブルは、リーチが全く発生しないテーブルではなく少しはリーチが発生可能なテーブルであってもよい。
さらに、変動表示ゲームの実行回数(変動回数)が所定回数に達した場合には、外れ時の変動パターンを決定する変動パターン決定用テーブルとして、通常の変動パターン決定用テーブルよりもリーチ変動態様を伴う変動パターンが選択される割合の高いテーブル(リーチ高変動パターン決定用テーブル)を使用するようにしても良い(この場合、必ず、リーチ回数<変動回数となる)。これにより、リーチ天井モードを設けた遊技機において、なかなかリーチが発生せず天井に到達できないイライラ感を解消することが出来る。
【0269】
また、
図83に示すように、第1の天井回数と第2の天井回数を設定して、第1の天井回数に到達したら大当り判定用のテーブルとして上述したような大当りの発生確率の高いテーブルを使用する天井モードへ移行し、天井モード中に大当りが発生せずに第2の天井回数に到達したら通常状態に復帰するような制御を行うようにしても良い。
さらに、天井モードへの移行条件として、単なる変動表示ゲーム実行回数のみでなく、他の条件を付加したり、条件成立で必ず天井モードへ移行するのではなく、所定の確率で天井モードへ移行したりするような制御を行うようにしても良い。
図84には、そのような制御を行う場合に、遊技制御装置100によって実行する天井モード設定処理の一例が示されている。
【0270】
図84の天井モード設定処理においては、先ず現在の制御状態が高確率状態でありながら高確率状態であることを曖昧にしか報知しない曖昧モードが発生したか判定する(ステップA531)。なお、曖昧モードは、変動表示ゲームの結果が所定の当り(例えば大当り、2R確変当り、小当り等)であった場合に発生するように設定される。この曖昧モードは、所定数の変動表示ゲームの実行によって終了するつまり上限値を設けるようにしても良い。
上記ステップA531で、曖昧モードでない(No)と判定すると、当該天井モード設定処理から抜ける。一方、ステップA531にて、曖昧モードである(Yes)と判定すると、ステップA532へ進んで、制御状態が高確率状態であるか否か判定する。そして、高確率状態である(ステップA532;Yes)と判定すると、ステップA533へ進んで所定の割合で天井モードを発生させる処理をして、天井モード設定処理から抜ける。また、ステップA532で、高確率状態でない(No)と判定すると、高確率状態である場合よりも低い割合で天井モードを発生させる選択テーブルを使用して天井モードを発生させる処理(ステップA534)をして、天井モード設定処理から抜ける。そして、天井モードでは、リーチが発生すると大当りとなる制御を行う。
【0271】
これにより、曖昧モードでかつ高確率状態である場合には、天井モードが発生し易くなって天井モードで天井条件が成立すると大当りが発生することとなり、天井モードが発生した際の遊技者の期待感を高めることができる。また、高確率状態で長時間大当りが発生しない状況が続くのを回避することができる。
さらに、曖昧モードで低確率状態である場合にも、多少は天井モードが発生するので、遊技の興趣を高めることができる。なお、曖昧モードで低確率状態である場合には、天井モードが発生し天井条件が成立したとしても外れリーチの変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
なお、この天井モード設定処理では、曖昧モードに入ると所定回転数まではリーチ無しモードとし、所定回転数後はリーチ有りモードとなるように制御しても良い。
【0272】
(変形例)
第1の変形例は、所定の条件の成立で天井モードを発生させる制御を行うものにおいて、天井モード中と天井モードでないモード(通常モード)中とで、変動時間を決定するために使用する選択テーブルを、
図85(A),(B)に示すように切り替えるようにする。そして、かかるテーブルで長い変動時間が選択された場合(大当りを含む)には、変動表示ゲームにおいて擬似連演出を行うようにしたものである。この場合、変動時間が長くなるほど(仮停止の回数が多くなるほど)2連、3連の擬似連演出を行うようにしても良い。
変動表示ゲームの実行回数が所定回数に達した場合に移行する天井モードで変動パターンを決定するテーブルとしてリーチ無しテープを設定するように制御する場合、リーチ発生で即大当りとなるため遊技者は天井モードではリーチ待ちとなる。そのため、天井モード中に使用する変動パターン決定用の選択テーブルを変動時間が短い変動パターンが選択される割合が多くなるように構成することにより、リーチが発生するまでに実行される変動表示ゲームの変動時間を短くすることができ、それにより変動効率が上がり遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
【0273】
図86(A)には、天井モード中に外れとなる変動表示ゲームにおける擬似連演出の進行の例が、
図86(B)には天井モード中に大当りとなる変動表示ゲームにおける擬似連演出の進行の例が示されている。
図86(A)のガセ擬似連演出は複数の変動表示ゲームにまたがって実行するように制御すると良い。また、
図86(B)に示すように、大当りとなる変動表示ゲームにおいては複数回擬似連を繰り返してからリーチが発生するように制御すると良い。
この変形例では、天井モード中は
図85(B)のテーブルを使用することで短い変動時間が選択される確率が高く(90%)されることから、始動記憶の消化が迅速に行われる一方、擬似連演出の発生も少なくなるので、擬似連演出の発生したときの大当りとなる確率が通常モード中よりも相対的に高くなり、遊技者の期待感を高めることができる。また、外れとなる場合にもガセの擬似連演出を行うことで、擬似連演出が即大当りとはならないので、遊技者にハラハラドキドキ感を与えることができる。
【0274】
(その他の変形例)
図87および
図88には、別の変形例が示されている。この変形例は、前述したように、天井モードへ移行するとリーチ無し変動パターンテーブルを使用して変動パターンを決定するようにした場合に、
図87に示すように、高確率状態で天井モードに移行している場合には、リーチが発生すると、大当りの発生または低確率状態への転落のいずれかとなるように制御するようにしたものである。
図88には、このような制御を可能にするため遊技制御装置100によって実行される天井モードリーチ発生処理の手順の一例を示す。この処理は、変動表示ゲームの開始処理の中で実行するようにすることができる。
【0275】
図88の天井モードリーチ発生処理では、先ず高確率状態の天井モード中であるか否か判定する(ステップA541)。ここで、高確率状態の天井モード中でない(ステップA541:No)と判定すると当該天井モードリーチ発生処理から抜ける。また、ステップA541で、高確率状態の天井モード中である(Yes)と判定すると、ステップA542へ進み、これから実行しようとする変動表示ゲームの結果が大当りまたは転落であるか否か判定する。このステップA542で、大当りまたは転落でない(No)と判定すると、当該天井モードリーチ発生処理から抜ける。一方、ステップA542で、大当りまたは転落である(Yes)と判定すると、ステップA543へ進み、所定時間以上の変動時間を設定して当該天井モードリーチ発生処理から抜ける。
【0276】
図89および
図90には、さらに別の変形例が示されている。
このうち、
図89の変形例は、天井条件が成立して天井モードへ移行した場合に、低確率の状態から高確率(普電サポートなし)の状態へ切り替えるようにしたものである。天井モードの高確率状態は、普電サポートが有るものでも良い。また、天井モードへ移行した場合には、普電サポートがない状態(低確率)から普電サポートが有る状態(低確率)へ切り替えるようにしても良い。
次に、
図90の変形例は、大当り遊技終了後に所定ゲーム数(例えば70回)の間だけ高確率状態の変動表示ゲームを実行するものにおいて、前半(例えば20回)は前記実施形態で説明した天井モードでのリーチ無し変動パターンテーブルを使用して、外れとなる変動表示ゲームの変動パターンを決定する制御を行い、その後はリーチ有り変動パターンテーブルを使用して変動パターンを決定する制御を行い、終了前の数ゲームは変動時間の長い変動パターンが選択される割合が高いテーブルを使用して変動パターンを決定する制御を行うようにしたものである。
【0277】
図91〜
図94には、さらに別の変形例が示されている。
この変形例は、
図91に示すように、大当り遊技終了後に所定ゲーム数(例えば70回)の間だけ高確率状態の変動表示ゲームを実行するものにおいて、前半はリーチ有り変動パターンテーブルを使用して変動パターンを決定する制御を行い、その後は前記実施形態で説明した天井モードのリーチ無し変動パターンテーブルを使用して変動パターンを決定する制御を行う。
また、
図92に示すように、高確率状態(ST)を発生した大当りの停止図柄に応じて、所定の回転数で強制的にリーチを伴う変動パターンを選択するようにしている。
【0278】
図93には、このような制御を可能にするため遊技制御装置100によって実行される処理(回転数変動パターン決定処理)の手順の一例を示す。この処理は、変動表示ゲームの開始処理の中で実行するようにすることができる。
図93の回転数変動パターン決定処理では、先ず所定の回転数になったか否か判定する(ステップA551)。ここで、所定の回転数になっていない(ステップA551:No)と判定すると当該回転数変動パターン決定処理から抜ける。また、ステップA551で、所定の回転数になった(Yes)と判定すると、ステップA552へ進み、変動パターンを決定するテーブルを、変動時間の長い変動パターン(すべてリーチを伴う変動パターン)が選択される割合が高いテーブルに変更してその中から変動時間を決定する。そして、この変動時間の長い変動パターンはすべてリーチを伴う変動パターンすることで、所定の回転数になった場合にはリーチを伴う変動表示ゲームが実行されるようにすることができる。
【0279】
図94には、演出制御装置300の処理によって、
図91に示すように、ST期間の前半はリーチ有り変動パターンテーブルを使用して変動パターンを決定する制御を行い、その後は前記実施形態で説明した天井モードではリーチ無し変動パターンテーブルを使用して変動パターンを決定する制御を行うために実行される処理(リーチ計数処理)の手順の一例を示す。
図94のリーチ計数処理では、先ず外れリーチのゲーム数が例えば5回以上になったか否か判定する(ステップB561)。ここで、5回以上になっていない(ステップB561:No)と判定すると、ステップB562へ進み、変動パターンを決定するテーブルを、リーチを伴う変動パターンを含むテーブルに設定してリーチ有りモードとなる。また、ステップB561で、外れリーチのゲーム数が5回以上になった(Yes)と判定すると、ステップB563へ進み、リーチを伴う変動パターンを含まないテーブルに設定してリーチ無しモードとなる。
また、
図92のように所定の回転数でハズレとなるリーチを発生するようにしておくと、リーチを5回以上発生させるのに多くの回転数を必要としない。更に、そのとき高確率状態である場合には、大当りが発生する前にリーチ無しモードになる可能性が高くなり、遊技の興趣を高めることが出来る。
【0280】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、今回開示した実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。例えば、前記実施形態では、表示装置41とは別個に本来の変動表示ゲームを実行する特図表示器51,52を設けて表示装置41では飾り特図変動表示ゲームを表示するようにしたものを説明したが、特図表示器51,52を設けずに表示装置41で本来の変動表示ゲームを実行するように構成しても良い。
さらに、前記実施形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用したものを説明したが、本発明はパチンコ遊技機に限定されず、アレンジボール遊技機、雀球遊技機、及びスロットマシンなどの遊技機にも適用可能である。