(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ホスト車両の速度を自動的に調整するステップが、前記予測時刻における前記ホスト車両の前記予測位置が前記場所を超えている場合に前記ホスト車両の速度を増大するステップを含む、
請求項1に記載の方法。
前記ホスト車両の速度を自動的に調整するステップが、前記予測時刻における前記ホスト車両の前記予測位置が前記場所よりも手前である場合に前記ホスト車両の速度を低減するステップを含む、
請求項1に記載の方法。
前記制御ユニットが、前記ホスト車両の速度を、前記予測時刻における前記ホスト車両の前記予測位置が前記場所を超えている場合に前記ホスト車両の速度を増大するステップにより自動的に調整するように構成されている、
請求項5に記載のシステム。
前記制御ユニットが、前記ホスト車両の速度を、前記予測時刻における前記ホスト車両の前記予測位置が前記場所よりも手前である場合に前記ホスト車両の速度を低減するステップにより自動的に調整するように構成されている、
請求項5に記載のシステム。
前記制御ユニットが、前記ホスト車両が現在走行している車線において、前記ホスト車両の前方に検出された車両の位置に基づいて前記ホスト車両の速度を自動的に調整するように構成されている、
請求項5から7の何れか一項に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】アダプティブクルーズコントロールシステムを含むホスト車両を概略的に示す図である。
【
図2】
図1のアダプティブクルーズコントロールシステムに含まれる電子制御ユニットを概略的に示す図である。
【
図3】
図1のアダプティブクルーズコントロールシステムにより実行される、合流車両を考慮したアダプティブクルーズコントロールを実行する方法を示すフローチャートである。
【
図4】次のオンランプを有する車線を
図1のホスト車両が走行している様子を概略的に示す図である。
【
図5a】ホスト車両に含まれる正面向きの画像センサにより捕捉された、ホスト車両がオンランプ上を走行している(すなわち、ホスト車両が合流車両である)ときのサンプル画像である。
【
図5b】ホスト車両に含まれる正面向きの画像センサにより捕捉された、ホスト車両がオンランプに隣接した車線を走行している(すなわち、ホスト車両が合流車両でない)ときのサンプル画像である。
【
図6】
図1のアダプティブクルーズコントロールシステムにより実行される、次のオンランプ上での合流車両を考慮してホスト車両の速度を増大する車両速度制御を概略的に示す図である。
【
図7】
図1のアダプティブクルーズコントロールシステムにより実行される、次のオンランプ上での合流車両を考慮してホスト車両の速度を低減する車両速度制御を概略的に示す図である。
【
図8】
図1のアダプティブクルーズコントロールシステムにより実行される、合流車両を考慮してホスト車両の速度を増大すべきか又は低減すべきかを決定するための方法を示すフローチャートである。
【
図9】
図1のアダプティブクルーズコントロールシステムにより実行される、合流車両を考慮してホスト車両の速度を増大すべきか又は低減すべきかを決定するための方法を示すフローチャートである。
【
図10】
図1のアダプティブクルーズコントロールシステムにより実行される、ホスト車両がオンランプから交通車線に合流することを可能にするようにホスト車両の速度を増大するための車両速度制御を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態のいずれに関しても、詳細な説明の前に以下のことが理解されよう。本発明は、その適用において、以下の説明に記載され又は以下の図面に示される部品の構成及び配置の詳細に限定されることはない。本発明は、その他の実施形態であってもよく、また、様々な方法で実行されることができる。
【0010】
図1は、アダプティブクルーズコントロール(「ACC」)システム12を備えたホスト車両10を示す。ACCシステムは、従来のクルーズコントロールシステムと類似に動作する。特に、ACCシステムは、ステアリングホイール上又はこれに隣接して取り付けられることができるユーザインタフェース制御部(例えば、1以上のボタン又はレバー)により作動される。ユーザインタフェース制御部を用いることで、ユーザは、ACCシステムを有効及び無効にでき、車両の目標速度を設定でき、又は、以前に設定した目標速度を調整できる。加えて、ユーザは、ブレーキペダルを踏み又は作動させることによりクルーズコントロールシステムを無効にすることもできる。
【0011】
ACCシステムが作動され、且つ目標速度が設定されたならば、ACCシステムは車両の速度をモニタする。車両の速度が目標速度よりも低い速度に落ちた場合、ACCシステムは、車両速度が目標速度に達するまで車両を加速させる。或いは、車両速度が目標速度を超える速度に増大した場合、ACCシステムは、車両速度が目標速度に達するまでブレーキ力を加えることにより、又は、「スロットル入力」(“throttle input”)を減らすことにより、車両を減速させる。
【0012】
車両を目標速度に維持することに加え、ACCシステムは、車両の周囲に位置する他の物体、例えば、同じ車線における、ユーザの車両(すなわちホスト車両)の前にいる車両を検出するための検出装置を使用する。例えば、ユーザがホスト車両のACCシステムを作動させて、目標速度を毎時60マイル(mph)(96.54km/h)に設定し、そして、ホスト車両が、ホスト車両と同一の走行車線内の、よりゆっくりと移動している目標車両に接近した場合、ACCシステムはホスト車両を減速させる。また、ACCシステムは、ホスト車両の速度を、ホスト車両と目標車両との間の予め定められた距離を維持するようにも制御する。この予め決められた距離は、ユーザの選択、検知された気象条件、検知された道路条件、及び、他の因子に基づき得る。従って、ACCシステムは、ホスト車両の速度を、1)予め決められた距離を維持するために必要な速度、及び、2)ユーザ設定による目標速度のうちの小さい方になるように制御する。ホスト車両が車線を変更するか、又は、目標車両が車線を変更するか若しくはそれ以外の状況で目標車両がもはやACCシステムにより検出されず、且つ、新しい目標車両が予め決められた距離内に検出されない場合、ACCシステムは、ホスト車両を加速させて目標速度を維持する。
【0013】
再び
図1を参照すると、ACCシステム12は、電子制御装置(「ECU」)14を含み、ECU14は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、又は、類似のデバイスを含む。また、ACCシステム12は、撮像装置16、距離検出装置18、1以上のユーザインタフェース制御部19、及び、車両速度センサ20も含む。幾つかの実施形態において、ECU14は、撮像装置16、距離検出装置18、ユーザインタフェース制御部19、及び、車両速度センサ20と、バス、例えば、コントローラエリアネットワーク(「CAN」)バスを介して通信している。部品間のその他の接続、(有線、無線、直接的又は間接的)も可能である。また、幾つかの実施形態において、ECU14を距離検出装置18に組み込むこともできる。
【0014】
撮像装置16は、ホスト車両10に取り付けられた少なくとも1つの正面向きビデオカメラを含む。従って、撮像装置16は、ホスト車両10のほぼ前方の領域の画像を得る。撮像装置16は、捕捉された画像を処理して、合流車線又はその他の情報を識別又は分類し、そして、識別された車線に関連する情報又は信号(例えば、車線の位置、車線がホスト車両の現在の車線と合流する地点など)をECU14に送信するように構成されることができる。或いは、撮像装置16により捕捉された画像を、さらに処理するためにECU14に送信することもできる。また、幾つかの実施形態において、撮像装置16及び/又はECU14は、任意選択的に、以前に識別された合流車線を識別し又は検証するためにナビゲーションシステム(例えば、全地球測位システム(「GPS」)からの情報を使用するように構成されることもできる。例えば、撮像装置16及び/又はECU14は、画像分析を向上させるためにナビゲーションの情報を利用できる。これは、例えば、検知された合流車線に、誤判定の発生を低減するために確率を割り当ることにより行われる。
【0015】
また、幾つかの実施形態において、撮像装置16が、ホスト車両10に取り付けられた2つ以上のイメージセンサ(例えば、複数の静止画及び/又は動画(ビデオ)カメラ)を含むことが理解されよう。例えば、幾つかの実施形態において、複数のビデオカメラが、ホスト車両10周囲の約360度の画像を捕捉するために用いられる。
【0016】
距離検出装置18は、反射された電波を検出する、ホスト車両10に取り付けられた1以上のレーダ装置を含むことができる。レーダ装置は、ホスト車両10の周囲に(例えば、予め決められた距離内に)位置する物体を検出するために用いられる。例えば、距離検出装置18は、1以上の正面向きレーダ装置(例えば、上記のアダプティブクルーズコントロールを実行するために用いられる)、ホスト車両10の1以上のコーナー部に取り付けられた1以上のレーダ装置、1以上の後ろ向きレーダ装置、又はこれらのレーダ装置の組合せを含むことができる。しかし、距離検出装置18が、ホスト車両10周囲の物体を検出するように構成された様々な配置のレーダ装置を含み得ることが理解されよう。また、距離検出装置18は、ホスト車両10周囲の物体を検出するための、レーダ以外の技術も使用できる。例えば、幾つかの実施形態において、距離検出装置18は、レーダ装置に加えて、又はこれの代替として、ホスト車両10周囲に位置する物体を検出及び範囲探索(range)するために(例えば、約360度の距離測定を実行するために)光波を使用するライダー装置を含むことができる。以下に、より詳細に述べるように、ECU14は、距離検出装置18からのデータを用いて、次のオンランプにおける合流車両を検出する。
【0017】
車両速度センサ20は、ホスト車両10の現在の速度を検出するための車輪速度センサ又はその他のセンサを含むことができる。ACCシステム12が、付加的センサ、例えば、ヨーレートセンサ(単数又は複数)及びステアリング角度センサ(単数又は複数)を含むことができることが理解されるべきである。これらのセンサは、ACC制御(例えばコース予測)を実行するためにシステム12(例えばECU14)により用いられる。
【0018】
ユーザインタフェース制御部19は、ホスト車両10内に(例えば、ステアリングホイール上又はこれに隣接して)取り付けられた1以上のボタン又はレバーを含む。先に述べたように、ホスト車両10のユーザは、制御部19を用いて、ACCの機能を有効及び無効にでき、ホスト車両10の目標速度を設定でき、又は、以前に設定した目標速度を調整できる。さらに、ECU14は、ホスト車両10のブレーキペダル10と通信できる。特に、先に述べたように、ユーザが、ブレーキペダルを踏み又は作動させることで、ECU14により実行されるACC機能を無効にできる。
【0019】
図1に示されているように、ECU14は、また、車両10に含まれる1以上のトルク装置22(例えば、1以上のエンジンアクチュエータ及び/又は電気モータ)並びにブレーキ(制動)システム24とも(例えば、CANバスを介して)通信する。エンジンアクチュエータ(単数又は複数)22は、エンジントルクを増減させるためのアクチュエータを含む。例えば、先に述べたように、ECU14は、ホスト車両の速度を目標速度まで増大するためにエンジン出力を増大させることができる。同様に、ECU14は、ホスト車両の速度を、目標速度又は目標速度よりも低い速度に減少させるために(例えば、ホスト車両10の前方に車両が検出された場合)、エンジン出力を低減できる。幾つかの実施形態において、エンジンアクチュエータ(単数又は複数)22は、エンジンアクチュエータの動作を制御するエンジンコントローラを含む。また、ホスト車両の速度を低減するために、ACCシステム12は、ブレーキシステム24に、1以上の車両ブレーキ(例えば摩擦ブレーキ、回生ブレーキ、又はこれらの組合せ)を適用するように命令することもできる。
【0020】
図2に示されているように、一実施形態において、ECU14は、プロセッサ30、非一時的コンピュータ可読媒体32、及び、入力/出力インタフェース34を含む。コンピュータ可読媒体32は、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)及び/又は、読み出し専用メモリ(「ROM」)を含むことができる。入力/出力インタフェース34は、ECU14の外部の装置及びシステムと情報を(例えば、CANバスを介して)送受信する。特に、先に述べたように、ECU14は、撮像装置16、距離検出装置18、車両速度センサ20、エンジンアクチュエータ(単数又は複数)22、及び、ブレーキシステム24と、入力/出力インタフェース34を通じてCANバスを介して通信している。
【0021】
プロセッサ30は、情報を受信し(例えば、媒体32及び/又は入力/出力インタフェース34から)、そしてこの情報を、1以上の命令又はモジュールを実行することにより処理する。命令又はモジュールはコンピュータ可読媒体32に記憶される。また、プロセッサ30は、情報(例えば、バスから受信された情報、又は、プロセッサ30により実行された命令又はモジュールにより発生した情報)も媒体32に記憶する。単一のプロセッサ、入力/出力インタフェース、及びコンピュータ可読媒体モジュールのみが
図2に示されているが、ECU14が、複数の処理ユニット、メモリモジュール、及び/又は、入力/出力インタフェースを含むことができると理解されよう。また、幾つかの実施形態において、以下に記載するECU14の機能を、複数の制御装置間で分配することもできる。
【0022】
コンピュータ可読媒体32に記憶された命令は、プロセッサ30により実行されるときに、特定の機能を提供する。一般的に、命令は、プロセッサ30により実行されるときに、撮像装置16、距離検出装置18、及び、車両速度センサ20からの情報を使用し、これにより、アダプティブクルーズコントロールを実行して、合流状況におけるホスト車両10の速度を自動的に制御する。
【0023】
例えば、
図3は、ACCシステム12により実行される合流車両を考慮したアダプティブクルーズコントロールを実行する方法50を示す。
図3に示されているように、ACCシステム12が作動されて目標速度が設定されたとき、ECU14はホスト車両10の現在の速度をモニタする(ブロック52)。特に、ECU14は、車両速度センサ20からデータを受信して、そのデータを、現在の速度を決定するために処理する。従来のクルーズコントロールにより行われているように、ECU14は、現在の速度を目標速度と比較する(ブロック54)。現在の速度が目標速度よりも低速の場合、ECU14は、ホスト車両の速度を増大する(例えば、エンジン出力を増大させるためにエンジンアクチュエータ(単数又は複数)22と通信することにより)(ブロック56)。或いは、現在の速度が目標速度よりも高速の場合、ECU14はホスト車両の速度を低減する(例えば、エンジンアクチュエータ(単数又は複数)22及び/又はブレーキシステム24と通信することにより)(ブロック58)。
【0024】
また、ECU14は、撮像装置16から画像データも受信する(ブロック60)。例えば、
図4に示されているように、撮像装置16は、撮像装置16がホスト車両10の前方及び側方に位置する領域の画像(又は複数の画像)を捕捉することを可能にする視野61を有することができる。先に述べたように、撮像装置16は、次のオンランプがあるかどうかを識別するために捕捉画像を処理する(ブロック62)ように構成されることができる。特に、撮像装置16は、ホスト車両10が現在走行している車線と、隣接する車線との間の合流場所(例えばオンランプ)の目印となっているレーンマーク(車線マーク)を識別するために撮影画像を処理することができる。例えば、撮像装置16は、見当たらない車線が続く地点又は合流場所へと収束する二重線(例えば、白線)を検出するように構成されることができる。また、撮像装置16は、境界を検知するために黄線を検出できる。例えば、
図5a及び
図5bは、撮像装置16により収集されたサンプル画像データを示す。この画像は、両方の車線がまだ存在することを示すレーンマークがその後に全く無いか又は限定されている地点又は合流場所66へと収束する二重白線64を含む。先に述べたように、撮像装置16は、次のオンランプを識別するために、GPSシステムからのデータを任意選択的に使用することもできる。
【0025】
撮像装置16が画像データにおいて合流ラインを検出した場合、撮像装置16は、ホスト車両10に隣接して位置する合流車線68を、合流ラインに基づいて画定する(例えば、ホスト車両10の右側又は左側)。例えば、
図4に示されている状況に関し、識別された合流車線68はホスト車両10の右側にある。しかし、撮像装置16は、ホスト車両10の両側の合流車線を検出するために用いられうることが理解されよう。
図4に示されているように、合流車線68は、ホスト車両10が現在走行している車線72に合流車線68が合流する合流場所70を有する。撮像装置16は、識別された合流車線68に関する信号をECU14に送信する(例えば、合流車線68の位置(例えば、ホスト車両10の右側又は左側)、ホスト車両10と合流車線68との間の距離、合流場所70の、ホスト車両10に対する位置など)。或いは、先に述べたように、ECU14は、撮像装置16から画像データを受信し、そして、この画像データを、合流車線68及び合流場所を識別するために処理するように構成されることができる。
【0026】
識別された合流車線68に基づいて、ECU14は、合流車両80が合流車線68内に存在するかどうかを識別する(ブロック74)。特に、ECU14は、距離検出装置18から受信したデータ(ブロック76)を使用して、別の車両(本文以下「合流車両」と称する)が合流車線に存在するかどうかを識別する。例えば、ECU14は、距離検出装置18からのデータを使用して、1つの車両が、ホスト車両10の予め定められた距離範囲内の左側にいるか右側にいるかを(ホスト車両10のどちら側に合流車線68が識別されるかに依存して)識別する。幾つかの実施形態において、ECU14は、レーダセンサ18から直接にレーダデータを受信するのではなく、レーダ装置18からのレーダデータを処理する別の制御ユニットから受信する。例えば、ECU14は、合流車両80が合流車線68にいるかどうかを判断するために、盲点検出制御ユニットからの情報を使用できる。
【0027】
ECU14が合流車線68において合流車両80を識別した場合(ブロック74)、ECU14は、ホスト車両10の速度を、識別された合流車両80に基づいて自動的に調整する(ブロック78)。例えば、
図6に示されているように、ホスト車両10の速度は、合流車両80との衝突を回避するために増大されることができる。或いは、
図7に示されているように、ホスト車両10の速度を、合流車両80との衝突を回避するために低減できる。ECU14は、ホスト車両の速度を増大すべきか低減すべきかを決定するために、様々なアルゴリズムを適用できる。例えば、ECU14は、合流車両80の速度(例えば、ホスト車両10に対する)を測定するように構成されることができる。合流車両80がホスト車両10よりも低速で走行している(例えば、合流車両80の相対速度がゼロよりも小さい)場合、ECU14はホスト車両の速度を上げることができる。或いは、合流車両80がホスト車両10と同一速度又はそれより高速で走行している(例えば、合流車両80の相対速度がゼロ以上である)場合、ECU14はホスト車両の速度を低減できる。
【0028】
図8は、ホスト車両10の速度を自動的に調整するための別の方法を示す。
図8に示されているように、合流車両80が合流車線68にて検出された場合、ECU14は、合流車両80の速度及び/又は位置(例えば、ホスト車両10に対する相対速度及び/又は位置)を測定する(ブロック90)。ECU14は、この情報を用いて、ホスト車両の速度を自動的に調整できる。特に、
図8に示されているように、ECU14は、合流車両の速度及び位置を用いて、合流車両80が合流場所70に到達するときの予測時刻を決定するように構成されることができる(ブロック92)。また、ECU14は、前記予測時刻におけるホスト車両10の予測される位置も、ホスト車両の現在の速度(例えば、車両速度センサ20から得られる)及び位置(例えば、合流場所からの距離)に基づいて決定する(ブロック94)。特に、ECU14は、合流車両80がホスト車両の現在の走行車線72と合流するときにホスト車両10がどこにいることになるかを判断する。前記予測時刻における合流車両80の位置(合流場所70)と、前記予測時刻におけるホスト車両10の予測位置との間の距離が、予め決められた閾値距離よりも大きい場合(ブロック96)、ECU14は、合流車両80が合流場所70にきたときにホスト車両10と合流車両80との間に十分な距離があるであろうと判断する。従って、ECU14は、ホスト車両の現在の速度を調整しない(ブロック98)。
【0029】
或いは、前記予測時刻における合流車両80の位置(合流場所70)と、前記予測時刻におけるホスト車両10の予測位置との間の距離が、予め決められた閾値距離以下である場合(ブロック96)、ECU14は、ホスト車両の速度が調整される必要があると判断する。特に、前記予測時刻におけるホスト車両10の予測位置が、合流場所70よりも前方(すなわち、合流場所70を超えた位置)の場合(ブロック99)、ECU14は、合流車両80が合流場所70に到達したとき、ホスト車両10が合流車両80よりも前方に位置することになると判断する。従って、この状況において、ECU14は、ホスト車両10を合流車両80よりも前方に配置させて衝突を回避するために、ホスト車両の速度を自動的に増大させる(ブロック100)。或いは、前記予測時刻におけるホスト車両10の予測位置が合流場所70よりも後方である場合(ブロック99)、ECU14は、合流車両80が合流場所70に到達したときにホスト車両10が合流車両80よりも後方に位置することになると判断する。従って、ECU14は、合流車両80よりも後方にホスト車両10を配置させて衝突を回避するために、ホスト車両の速度を自動的に低減させる(ブロック102)。
【0030】
図9は、ホスト車両10の速度を自動的に調整するための別の方法を示す。
図9に示されているように、合流車両80が合流車線68にて検出された場合、ECU14は、合流車両80と合流場所70との間の距離(D(mv))を測定する(ブロック110)。また、ECU14は、ホスト車両10と合流場所70との間の距離(D(hv))も測定する(ブロック112)。ECU14は、これらの測定された距離を用いて、どちらの車両が合流場所70のより近くにいるかを判断する(ブロック114)。ホスト車両10が合流場所70のより近くにいる場合(すなわち、D(hv)<D(mv))、ECU14は、ホスト車両の速度を自動的に増大させる(ブロック116)。或いは、合流車両80が合流場所70のより近くにいる場合(すなわち、D(hv)>D(mv))、ECU14はホスト車両の速度を自動的に低減させる(ブロック118)。
【0031】
幾つかの実施形態において、
図9に示されているように、ECU14がホスト車両の速度を自動的に増減する場合、ECU14は速度増減の量を限定する。例えば、ECU14がホスト車両の速度を増大させる(ブロック116)よりも前に、ECU14は、ホスト車両の現在の速度が目標速度と予め決められた閾値との合計よりも大きいかどうかを決定する(ブロック120)ように構成されることができる。現在の速度がこの合計よりも大きいならば、ECU14は速度調整を行わない(ブロック122)。同様に、ECU14がホスト車両の速度を低減させる(ブロック118)よりも前に、ECU14は、ホスト車両の現在の速度が目標速度と所定の閾値との差よりも小さいかどうかを決定する(ブロック124)ように構成されることができる。現在の速度がこの差引値よりも小さいならば、ECU14は速度調整を行わない(ブロック122)。このように、ECU14は、これらの査定を、ホスト車両10の速度が非安全、非快適、又は違法な速度に設定されないことを保証するために実行できる。
図9に示されているように、幾つかの実施形態において、ECU14は、合流場所と前記2つの車両との間の距離を連続的に更新する。従って、ECU14は、両方の車両の速度変化を考慮することができる。
【0032】
幾つかの実施形態において、
図6に示されているように、1つの車両が、ホスト車両の現在走行中の車線においてホスト車両10より前にいる場合がある(すなわち、先行車両)。このような状況において、ECU14は、ホスト車両10の速度を自動的に調整するときに先行車両の位置及び/又は速度を(例えば、距離検出装置18により得られたデータに基づいて)考慮するように構成されることができる。特に、ECU14は、先行車両を考慮に入れて、ホスト車両10を先行車両から予め決められた安全な距離に維持するように構成されることができる。例えば、先行車両がオンランプ付近で交通渋滞のために減速するような状況において、ECU14は、先行車両を優先させる(すなわち、ホスト車両と先行車両との間の予め決められた距離を維持する)ように、及び、合流車両のオンランプからの合流を可能にするために加速を試みないように構成されることができる。
【0033】
幾つかの実施形態において、ホスト車両10は、人間−機械インタフェース(「HMI」)を含む。HMIは、ECU14の上述の機能(又はそれらの一部)が、様々な状況、例えば、センサの故障又は環境影響(例えば、雪、豪雨など)により不能になるか又は制限された場合、ホスト車両10のユーザに警告する。HMIは、ホスト車両10の計測群又はパネルに取り付けられることができ、ユーザに、視覚的及び/聴覚的警告を用いて警告できる。
【0034】
このように、本発明の実施形態は、特には、合流状況に対処するためにアダプティブクルーズコントロール又は自律的車両制御を実行するためのシステム及び方法を提供する。特に、本発明のシステム及び方法は、ホスト車両周辺に位置する合流車線及び合流場所を識別するために画像データを使用し、また、合流車両が合流車線内にいる場合にそれを識別するためにレーダデータを使用する。合流車両が合流車線にいる場合、本発明のシステム及び方法は、ホスト車両の速度を、合流車両との衝突を防止するために自動的に調整する。本明細書に記載されているシステム及び方法は、ホスト車両10が、以下の両方の場合に利用できることが理解されよう。すなわち、別の車両がホスト車両の現在の走行車線に合流する場合(
図5b、
図6及び
図7を参照)と、別の車両の現在の走行車線に合流する車線にホスト車両10がいる場合(
図5a及び
図10を参照)とである。
【0035】
本発明の様々な特徴及び利点を、以下の特許請求の範囲に記載する。