【実施例】
【0256】
(実施例)
本発明の化合物、および本発明の化合物の製造において使用される中間体の製造は、以下の実施例および関連方法に示された方法を用いて製造され得る。これらの実施例に使用される方法および条件、ならびにこれらの実施例において製造された実在の化合物は、本発明の化合物がいかにして製造され得るかを示すことを意図するものであり、これらに限定することを意味しない。これらの実施例において使用される開始物質および試薬は、本明細書に記述された方法により製造されない場合、一般的には、購入されるか、あるいは化学文献に報告されるか、または化学文献に記述された方法を用いて製造され得る。本発明は、以下の実施例においてさらに明確にされる。実施例は例示のみを目的として提供されるということが理解されるべきである。上記の考察および例から、当業者であれば、本発明の本質的特徴を確認することができ、そして、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、変更および改変を行って本発明を様々な使用および条件に適応させることができる。結果として、本発明は、本明細書に記載の実例によって制限されるのではなく、むしろ添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0257】
記載の実施例において、フレーズ「乾燥させて、濃縮して」とは、一般的には、有機溶媒中の溶液を、硫酸ナトリウムまたは硫酸マグネシウムのいずれかの上で乾燥させ、その後の濾過および濾液から溶媒を(一般的には、減圧下にて、かつ製造される物質の安定性にとって適切な温度で)除去することをいう。
【0258】
カラムクロマトグラフィーは、一般的に、提示された溶媒または溶媒混合液を用いて、フラッシュクロマトグラフィー技術(Still,W.C. et al.,J. Org. Chem.,43:2923(1978))を用いて行なうか、またはプレパックシリカゲルカートリッジと共にIsco 中圧液体クロマトグラフィー装置(Teledyne Corporation)を用いて行った。分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、一般的には、カラムサイズおよび達成するべき分離に適切な溶出速度にて、メタノールまたはアセトニトリル/水(また0.05%または0.1%トリフルオロ酢酸、あるいは10mM 酢酸アンモニウムを含有する)の濃度を漸増させるグラジエントにより溶出して、分離される物質の量に適するサイズの逆相カラム(Waters SunFire C18,Waters XBridge C18,PHENOMENEX(登録商標) Axia C18,YMC S5 ODSなど)を用いて行なった。エナンチオマーまたはアトロプ異性体のキラル超臨界液体クロマトグラフィー分離は、個別ケースについて記述された条件を用いて行なわれた。質量スペクトルのデータを、エレクトロスプレーイオン化法を用いる液体クロマトグラフィー−質量スペクトル分析法により得た。
【0259】
Bruker-AXS APEX2 CCDシステムにおいて、CuKα線(λ=1.5418Å)を用いて、単結晶X線解析データを集めた。測定した強度データの指標化および処理を、APEX2ソフトウェア パッケージ/プログラム一式を用いて行った(APEX2 User Manual,v1.27;Bruker AXS,Inc.,WI 53711 USAを参照されたい)。必要であれば、データ収集の間に、Oxford cryo systeam クーラー(Cosier,J.et al.,J.Appl.Cryst.,19:105(1986))の冷気流中で結晶を冷却した。構造を直接法によって解析し、SHELXTL(APEX2 User Mannual,vl.27;Bruker AXS,Inc.,WI53711 USA)を用いて、実測の反射に基づいて精密化した。得られた原子パラメーター(座標および温度因子)を、フルマトリックス最小二乗によって精密化した。精密化において最小化された関数は、Σ
w(|F
o|−|F
c|)
2であった。RはΣ||F
o|−|F
c||/Σ|F
o|と定義され、一方でR
w=[Σ
w(|F
o|−|F
c|)
2/Σ
w|F
o|
2]
1/2(式中、wは実測強度における誤差に基づく適切な重み関数である)である。精密化のあらゆる段階にて、相違マップを試験した。水素を、等方性の温度ファクターを有する理想的な位置に導入したが、水素パラメーターは変化しなかった。単位格子パラメーターを、Stout et al.,X-Ray Strucure etermination:A Practical Guide,MacMillan(1968)に記述された方法に従って得た。
【0260】
化合物名を、CHEMDRAW(登録商標) Ultra,version 9.0.5(CambridgeSoft)を用いて決定した。以下の略語を使用した:
【表8】
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【0261】
中間体1
3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−フルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化66】
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中間体1A:2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−フルオロベンズアミド
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
方法1:ジオキサン(20mL)中の8−フルオロ−1H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2,4−ジオン(2.00g,11.04mmol)および3−ブロモ−2−メチルアニリン(4.11g,22.08mmol)の溶液を、密封反応容器内において110℃で4日間加熱した。冷却した混合液を、10%K
2CO
3水溶液で処理して、室温にて30分間攪拌した。混合溶液を、DCMで3回抽出して、有機相を合わせて、水で洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、エーテルで磨砕して、灰色固体(2.50g)を得た。母液を濃縮して、残留物を、再度エーテルで磨砕して、灰色固体(230mg)を得た。2つの固体を合わせて、2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−フルオロベンズアミドを灰色固体(2.73g,78%収率)として得た。質量スペクトルm/z323,325(M+H)
+.
【0262】
方法2.キシレン(50mL)中の8−フルオロ−1H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2,4−ジオン(3.00g,16.6mmol)の懸濁液を、3−ブロモ−2−メチルアニリン(3.08g,16.6mmol)で処理して、還流加熱した。6時間後に、混合溶液を、室温まで終夜冷却した。得られる懸濁液を、ヘキサンで希釈して、沈殿物を、濾過により回収して、ヘキサンで濯いで、風乾させて、2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−フルオロベンズアミド(4.50g,84%収率)を白色固体として得た。
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d) δ 7.69(d,J=7.9 Hz,1H),7.65(br. s.,1H),7.50-7.46(m,1H),7.32(d,J=8.1 Hz,1H),7.19-7.11(m,2H),6.73-6.64(m,1H),5.69(br. s.,2H),2.44(s,3H).
【0263】
中間体1:
THF(100mL)中の2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−フルオロベンズアミド(5.70g,17.6mmol)溶液を、室温にてビス(トリクロロメチル)カーボネート(トリホスゲン)(6.28g,21.2mmol)で処理して、15分間攪拌した。混合溶液をEtOAcで希釈して、飽和NaHCO
3水溶液で慎重に処理して、ガスの発生が止むまで室温にて攪拌した。分離した有機相を、飽和NaHCO
3水溶液、水およびブラインで順に洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、エーテルで磨砕して、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−フルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(6.00g,97%収率)をオフホワイトの固体として得た。質量スペクトル m/z 349,351(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 8.59(d,J=17.6 Hz,1H),7.99(d,J=8.1 Hz,1H),7.70(dd,J=7.8,1.2 Hz,1H),7.54 - 7.43(m,1H),7.28 - 7.21(m,2H),7.21 - 7.17(m,1H),2.28(s,3H).
【0264】
中間体2
8−フルオロ−1−メチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化68】
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中間体2A:3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−フルオロ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化69】
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DMF(25mL)中の3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−フルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体1](4.80g,13.8mmol)の溶液を、Cs
2CO
3(13.4g,41.2mmol)で処理した。懸濁液を、室温にて攪拌して、ヨードメタン(4.30mL,68.7mmol)を滴加処理して(迅速に)、室温にて1時間迅速に攪拌した。混合溶液を、EtOAcおよび水(200mL)で希釈した。有機相を、分離して、水およびブラインで順に洗い、次いで乾燥させて、濃縮して、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−フルオロ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオンを褐色ガラス様泡沫物(4.80g,96%収率)として得た。質量スペクトル m/z 363,365(M+H)
+.
【0265】
中間体2:
ジオキサン(65mL)中の3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−フルオロ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(4.80g,13.2mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(4.36g,17.2mmol)、酢酸カリウム(3.89g,39.6mmol)およびPdCl
2(dppf)DCM付加物(0.540g,0.661mmol)の混合溶液を、2時間還流加熱した。室温に冷却した後に、混合溶液を、CELITE(登録商標)を通して濾過して、固体をEtOAcで濯いだ。濾液をEtOAcで希釈して、水で洗い、乾燥し、濃縮した。残留物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(80g)に供して、EtOAc−ヘキサン(20〜50%のグラジエント)で溶出して、8−フルオロ−1−メチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(4.61g,85%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 411(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 8.14-8.08(m,1H),7.93(dd,J=7.5,1.3 Hz,1H),7.48(ddd,J=14.0,8.0,1.5 Hz,1H),7.34(t,J=7.6 Hz,1H),7.27-7.20(m,2H),3.88(d,J=7.9 Hz,3H),2.36(s,3H),1.36(s,12H).
【0266】
中間体3
4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
中間体3A:エチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−6−クロロ−9H−カルバゾール−2−カルボキシレート
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
CCl
4(10mL)およびDMF(2mL)中のエチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−9H−カルバゾール−2−カルボキシレート[米国特許第8,084,620号,中間体48−1に記述された方法に従って合成した](0.100g,0.277mmol)およびNCS(トルエンから再結晶化した;0.037g,0.277mmol)の混合溶液を、室温にて112時間攪拌した。混合溶液を濾過して、沈殿物を集めて、CCl
4で洗い、終夜真空にて乾燥させた。残留物を、シリカゲル(40g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、ヘキサンで溶出して、次いでEtOAc−ヘキサン(30%、次いで50%)により溶出して、エチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−6−クロロ−9H−カルバゾール−2−カルボキシレート(0.071g,65%収率)を、綿状の白色固体として得た。質量スペクトル m/z 395,397,(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 12.13(s,1H),8.77(d,J=8.6 Hz,1H),8.53(d,J=1.1 Hz,1H),8.36(br. s.,1H),8.29(s,1H),7.89(dd,J=8.4,1.5 Hz,1H),7.74(br. s.,1H),4.38(q,J=7.0 Hz,2H),1.38(t,J=7.0 Hz,3H).
【0267】
中間体3Aの別の製造物:
エチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−9H−カルバゾール−2−カルボキシレート(90g,249mmol)、CCl
4(2900mL)およびNMP(600mL)の混合溶液に、NCS(36.1g,271mmol)を加えた。反応混合溶液を、45℃2時間攪拌した。室温に冷却した後に、固体を、真空濾過により集めた。固体を、60℃で2時間メタノール(1L)中で攪拌して、次いで室温へ冷却した。固体を集めて、乾燥させて、エチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−6−クロロ−9H−カルバゾール−2−カルボキシレート(69.5g,167mmol,67%収率)(95%純度)を得る。
【0268】
濾液を、減圧濃縮して、CCl
4を除去した。次いで、NMP残留物に、水(2L)を加えた。得られる沈殿物を集めて、乾燥させて、追加の生成物(25%収率,75%純度)(13.7g)を得た。
【0269】
中間体3:
THF(200mL)中のエチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−6−クロロ−9H−カルバゾール−2−カルボキシレート(4.14g,10.5mmol)の溶液を、ドライアイスアセトン浴にて冷却して、30分かけて1.6M メチルリチウム/ヘキサン(45.8mL,73.2mmol)を滴加した。混合溶液を、−78℃で60分間攪拌し、次いで飽和NH
4Cl水溶液を少量ずつ用いて処理した。水を加えて、混合溶液を、EtOAcで2回抽出した。有機相を合わせて、水で2回洗った。全ての水相を合わせて、DCMで抽出して、この有機相を水で洗った。全ての有機相を合わせて、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAcから再結晶化して固体を得る。母液の濃縮物由来の残留物を、EtOAc−ヘキサン(0〜100%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(330g)でのクロマトグラフィーにより精製して、追加の固体を得た。2つの固体を合わせて、4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(3.13g,78%収率)を淡黄色固体として得た。質量スペクトル m/z 363,365,(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 11.71(s,1H),8.56(d,J=8.6 Hz,1H),8.29(br. s.,1H),8.17(s,1H),7.97(d,J=1.3 Hz,1H),7.66(br. s.,1H),7.42(dd,J=8.6,1.8 Hz,1H),1.52(s,6H).
【0270】
中間体3の別の製造物:
窒素下にて、THF(700mL)中のエチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−6−クロロ−9H−カルバゾール−2−カルボキシレート(58.56g,148mmol)の懸濁液を、アセトン/ドライアイス浴中で−15℃に冷却した。混合溶液を、内部温度が−15℃〜−10℃間に維持される変化量にて3M 塩化メチルマグネシウム/THF(395mL,1.19mol)を滴加した。5時間後に、混合溶液を、クラッシュアイス(約1.5L)および飽和NH
4Cl水溶液(500mL)を各々含有する3つの容器に注ぎ入れた。得られる混合溶液を、EtOAcで抽出して、有機相を合わせて、乾燥させて、濃縮した。残留物を、2つの別のバッチ由来の物質と合わせて、1つのエチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−6−クロロ−9H−カルバゾール−2−カルボキシレート(146mmol)から開始するものと、もう一方のエチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−6−クロロ−9H−カルバゾール−2−カルボキシレート(142mmol)から開始するものとを、アセトン(250mL)中で1時間攪拌した。沈殿物を、濾過により回収して、ヘキサンで洗い、乾燥させて、4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(134.56g)を固体として得た。濾液を濃縮して、残留物を、再度1時間アセトン中で攪拌して、沈殿物を形成させて、これを濾取して、ヘキサンで洗い、乾燥させて、更なる4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(7.36g)を、全量141.92g(88%収率)の固体として得た。第2の濾過による濾液を、その他のバッチ由来の不純物と共に合わせて、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(2x1.5kg)に供して、EtOAc−ヘキサン(40〜100%のグラジエント)で溶出して、追加の生成物を得た。
【0271】
中間体4
1−メチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
中間体4A:2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)ベンズアミド
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
方法1.トルエン(50mL)中の2−アミノ安息香酸(5.00g,36.5mmol)および塩化チオニル(8.68g,72.9mmol)の溶液を、60分間還流加熱した。混合溶液を、真空で濃縮して、残留物をTHF(50mL)に懸濁して、氷水浴中で冷却して、3−ブロモ−2−メチルアニリン(20.35g,109mmol)で処理した。得られる懸濁液を、2時間還流加熱した。冷却混合溶液を、10%K
2CO
3水溶液(50mL)で処理して、15分間しっかりと攪拌して、EtOAcで抽出した。有機相を乾燥させて、濃縮した。残留物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)ベンズアミド(4.70g,42%収率)を淡黄色固体として得た。質量スペクトル m/z 305,307(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 7.72(d,J=7.9 Hz,1H),7.67(br. s.,1H),7.54(dd,J=8.3,1.2 Hz,1H),7.48(dd,J=7.9,0.9 Hz,1H),7.36-7.31(m,1H),7.15(t,J=8.0 Hz,1H),6.81-6.73(m,2H),5.59(br. s.,2H),2.45(s,3H).
【0272】
方法2.キシレン(50mL)中の1H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2,4−ジオン(5.00g,30.7mmol)および3−ブロモ−2−メチルアニリン(5.70g,30.7mmol)の懸濁液を、8時間還流加熱した。溶媒を、留去して、残留物を、EtOAc−ヘキサン(0〜50%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(120g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)ベンズアミド(2.30g,24%収率)をオフホワイトの固体として得た。
【0273】
方法3.DMF(150mL)中の1H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2,4−ジオン(10.00g,61.3mmol)の懸濁液を、3−ブロモ−2−メチルアニリン(13.69g,73.6mmol)で処理して、終夜、還流加熱した。混合物を冷却して、水で希釈して、EtOAcで抽出した。全ての混合溶液を濾過して、灰色固体を除去して、濾液の各層を分離した。有機相を、水で洗浄して、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(0〜50%のグラジエント)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(330g)により精製して、2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)ベンズアミド(1.1g,6%収率)を褐色固体として得た。カラムからの第2の溶出物より、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体4B]を、褐色の固体(3.4g,17%収率)として得た。
【0274】
中間体4B:3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
THF(50mL)中の2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)ベンズアミド(2.00g,6.55mmol)の溶液を、ビス(トリクロロメチル)カーボネート[トリホスゲン](2.92g,9.83mmol)で処理して、60分間還流加熱した。混合溶液を冷却して、飽和NaHCO
3水溶液で処理して、EtOAcで抽出して、有機相を合わせて、飽和NaHCO
3、次いで水を用いて2回洗浄して、乾燥させて、濃縮した。残留物を、DCMで磨砕して、白色固体を得て、これを濾取した。濾液濃縮物由来の残留物を、DCMで磨砕して、追加の白色固体を得て、これを濾取した。2つの固体を合わせて、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(2.10g,97%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 331,333(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,MeOH-d
4)δ 8.07(dd,J=7.92,1.32 Hz,1H),7.65-7.75(m,2H),7.21-7.32(m,4H),2.20(s,3H).
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 9.38(br. s.,1H),8.19(dd,J=7.9,1.1 Hz,1H),7.76-7.69(m,1H),7.69-7.60(m,1H),7.35-7.17(m,3H),7.04-6.97(m,1H),2.28(s,3H).
【0275】
中間体4C:3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
DMF(70mL)中の3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(23.02g,69.5mmol)およびCs
2CO
3(34.0g,104mmol)の懸濁液を、氷水浴中で冷却して、ヨードメタン(5.22mL,83mmol)を用いて少量ずつ処理した。混合溶液を、室温に昇温させて、30分間攪拌した。混合溶液を濾過して、濾液を濃縮した。残留物を、EtOAcおよび水との層間に分配した。形成した沈殿物を、濾取した。固体を集めて、水で洗い、終夜真空下にて乾燥させて、白色固体を得た。濾液の有機相を分離して、10%LiCl水溶液で3回洗い、次いで水で2回洗い、乾燥させて、濃縮して、追加の固体を得た。2つの固体を合わせて、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(15.56g,92%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 345,347(M+H)
+.
【0276】
中間体4:
ジオキサン(500mL)およびDMSO(50mL)中の3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(36.39g,105mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(40.2g,158mmol)、PdCl
2(dppf)DCM付加物(4.30g,5.27mmol)および酢酸カリウム(31.0g,316mmol)の混合溶液を、24時間還流加熱した。追加のPdCl
2(dppf)DCM付加物(1.47g)を加えて、混合溶液を、6時間還流加熱した。混合溶液を冷却して、CELITE(登録商標)を通して濾過して、濾液を濃縮した。残留物をEtOAcで希釈して、水と共に振盪して、両方の相を、CELITE(登録商標)を通して濾過して、黒色沈殿物を除去した。濾液の有機相を分離して、水およびブラインで順に洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサンで溶出する(20〜100%のグラジエント)シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(330gカラムを2つ)により精製した。得られる固体を、EtOAcで磨砕して、固体を濾取した。濾液を濃縮して、EtOAcから再結晶化して、追加の固体を得た。この結晶化溶液の母液を、濃縮して、残留物を、シリカゲル(330g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、EtOAc−ヘキサン(20〜50%のグラジエント)で溶出して、追加の固体を得る。3つの固体を合わせて、1−メチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(21.2g,51%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 393(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,)δ 8.35(d,J=7.9 Hz,1H),7.64(ddd,J=8.5,7.3,1.5 Hz,1H),7.59(dd,J=7.4,1.4 Hz,1H),7.33-7.27(m,1H),7.24-7.17(m,1H),7.12(d,J=8.1 Hz,2H),3.55(s,3H),1.59(s,3H),1.39(s,12H).
【0277】
中間体5
8−クロロ−1−メチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化76】
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中間体5A:2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−クロロベンズアミド
【化77】
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キシレン(20mL)中の8−クロロ−1H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2,4−ジオン(4.00g,20.3mmol)および3−ブロモ−2−メチルアニリン(5.65g,30.4mmol)の懸濁液を、2.5時間還流加熱した。混合溶液を冷却すると、黄色沈殿物が形成した。混合溶液を、ヘキサンで希釈して、沈殿物を濾取して、ヘキサンで洗い、乾燥させて、2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−クロロベンズアミド(6.28g,91%収率)を黄色の固体として得た。質量スペクトル m/z 339,341(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 7.68(d,J=8.1 Hz,1H),7.61(br. s.,1H),7.52-7.43(m,3H),7.15(t,J=8.0 Hz,1H),6.70(t,J=7.8 Hz,1H),6.12(br. s.,2H),2.44(s,3H).
【0278】
中間体5B:3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−クロロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化78】
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THF(20mL)中の2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−クロロベンズアミド(780mg,2.30mmol)の溶液を、ビス(トリクロロメチル)カーボネート(1.02g,3.45mmol)で処理して、溶液を室温にて21時間攪拌した。混合溶液を、DCMで希釈して、飽和NaHCO
3水溶液、水およびブラインで順に洗った。有機相を乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(25〜50%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(80g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−クロロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(800mg,95%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 365,367(M+H)
+.
【0279】
中間体5C:3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−クロロ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
DMF(15mL)中の3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−クロロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(1.45g,3.97mmol)の溶液を、Cs
2CO
3(3.88g,11.9mmol)およびヨードメタン(2.48mL,39.7mmol)で処理して、室温にて1.5時間攪拌した。混合溶液を、水と、EtOAcおよびヘキサンの混合溶液で希釈した。有機相を、水で洗浄して、乾燥させて、濃縮した。残留物を、シリカゲル(80g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、EtOAc−ヘキサンで溶出し(5〜40%のグラジエント)、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−クロロ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(1.3g,81%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 379,391(M+H)
+.
【0280】
中間体5:
ジオキサン(20mL)中の3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−クロロ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(1.14g,3.00mmol)の溶液を、4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(0.915g,3.60mmol)、酢酸カリウム(0.884g,9.01mmol)およびPdCl
2(dppf)DCM付加物(0.123g,0.150mmol)で処理した。混合溶液を、加圧用反応バイアルで密封して、110℃で4時間加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、CELITE(登録商標)を通して濾過して、濾液を水で洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(20〜50%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(80g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、、8−クロロ−1−メチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(1.00g,78%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 427(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 8.23(dd,J=7.8,1.7 Hz,1H),7.93(dd,J=7.5,1.3 Hz,1H),7.76(dd,J=7.9,1.5 Hz,1H),7.37-7.31(m,1H),7.27-7.20(m,2H),3.94(s,3H),2.36(s,3H),1.36(s,15H).
【0281】
中間体6および7
8−クロロ−1−メチル−3−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(I−6)、および
8−クロロ−1−メチル−3−(R)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(I−7)
【化80】
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ラセミ体8−クロロ−1−メチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体5]の試料を、下記に従いキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:Regis WHELK-O(登録商標) R,R(3 x 25 cm,5μm);移動相:85mL/分にてCO
2−MeOH(60:40);試料調整:MeOH−MeCN(1:1)中で17mg/mL。カラムから溶出する第1のピークにより、Sエナンチオマーである8−クロロ−1−メチル−3−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体6]を得た。カラムから溶出する第2のピークにより、Rエナンチオマーである8−クロロ−1−メチル−3−(R)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体7]を得た。各エナンチオマーのアトロプ異性体についての質量スペクトルおよび
1H NMRは、中間体5に対するものと同じであった。
【0282】
中間体8
8−クロロ−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化81】
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ジオキサン(20mL)中の3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−クロロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体5B](1.00g,2.74mmol),4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(0.833g,3.28mmol)、酢酸カリウム(0.805g,8.21mmol)およびPdCl
2(dppf)DCM付加物(0.112g,0.137mmol)の混合溶液を、90℃で8時間加熱した。混合溶液を冷却して、濾過して、濃縮して、残留物を、DCMおよび水の層間に分配した。有機相を乾燥させて、濃縮して、残留物を、EtOAc−DCM(0〜10%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(120g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、8−クロロ−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(782mg,58%収率)を得た。質量スペクトル m/z 413(M+H)
+.
【0283】
中間体9
1,8−ジメチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化82】
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中間体9A:2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−メチルベンズアミド
【化83】
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THF(50mL)中の塩化チオニル(3.15g,26.5mmol)および2−アミノ−3−メチル安息香酸(2.00g,13.23mmol)の混合溶液を、2時間還流加熱した。混合溶液を冷却して、濃縮して、残留物を、THF(50mL)中の3−ブロモ−2−メチルアニリン(4.92g,26.5mmol)と共に合わせて、5時間還流加熱した。混合溶液を、室温に冷却して、10%K
2CO
3水溶液で処理して、室温にて30分間攪拌した。得られる混合溶液を、3回DCMで抽出して、有機相を合わせて、水で洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(0〜20%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(330g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−メチルベンズアミド(1.71g,40%収率)を黄色の固体として得た。質量スペクトル m/z 319,321(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 7.70(d,J=7.9 Hz,1H),7.64(br. s.,1H),7.50-7.40(m,2H),7.24(d,J=7.3 Hz,1H),7.14(t,J=8.0 Hz,1H),6.70(t,J=7.6 Hz,1H),5.67(br. s.,2H),2.44(s,3H),2.23(s,3H).
【0284】
中間体9B:3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化84】
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THF(20mL)中の2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−メチルベンズアミド(1.71g,5.36mmol)およびトリホスゲン(2.07g,6.96mmol)を、1時間還流加熱した。この混合溶液を、氷水浴上で冷やして、飽和NaHCO
3水溶液で処理した。ガスの発生が止むまで攪拌を継続した。得られる混合溶液を、3回DCMで抽出した。有機相を合わせて、水で洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、エーテルで磨砕して、白色固体を得て、濾取した。濃縮した濾液の2回目の磨砕により、追加の固体が生じ、これを濾取した。この濾液を濃縮して、EtOAc−ヘキサン(0〜100%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(40g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、追加の固体を得た。3つの固体を合わせて、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(1.69g,91%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 345,347(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d):δ 8.07(d,J=7.9 Hz,1H),7.70(dd,J=7.9,1.3 Hz,1H),7.54(d,J=7.3 Hz,1H),7.27-7.17(m,3H),2.41(s,3H),2.28(s,3H).
【0285】
中間体9C:3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−1,8−ジメチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
DMF(8mL)中の3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(470mg,1.36mmol)およびCs
2CO
3(1.33g,4.08mmol)の混合溶液を、ヨードメタン(0.85mL,13.6mmol)で処理して、室温にて1.5時間攪拌した。混合溶液を、EtOAcで希釈して、水と10%LiCl水溶液の2分割量にて順に洗った。水相を合わせて、EtOAcで抽出した。有機相を合わせて、10%LiCl水溶液および水で順に洗い、乾燥させて、濃縮して、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−1,8−ジメチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(510mg)を白色固体として得て、これをさらなる精製なしに使用した。質量スペクトル m/z 359,361(M+H)
+.
【0286】
中間体9:
中間体2の製造のために記述した方法と同じ方法を用いて、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−1,8−ジメチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(489mg,1.36mmol)を、白色固体の1,8−ジメチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(410mg,74%収率)に変換した。質量スペクトル m/z 407(M+H)
+.
【0287】
中間体10および11
8−フルオロ−1−メチル−3−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(I−10)、および
8−フルオロ−1−メチル−3−(R)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(I−11)
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
ラセミ体の8−フルオロ−1−メチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体2]の試料を、下記に従いキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:(R,R)-WHELK-O(登録商標) 1 (3 x 25 cm,5μm);移動相:200mL/分でCO
2−MeOH(70:30),100バール,30℃;試料調整:97.3mg/mL MeOH中:DCM(1:1);注射;4mL。カラムから溶出する第1のピークにより、(S)異性体の8−フルオロ−1−メチル−3−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体10]を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 411(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 8.14-8.08(m,1H),7.93(dd,J=7.5,1.3 Hz,1H),7.48(ddd,J=14.0,8.0,1.5 Hz,1H),7.34(t,J=7.6 Hz,1H),7.27-7.20(m,2H),3.88(d,J=7.9 Hz,3H),2.36(s,3H),1.36(s,12H).
【0288】
このカラムから溶出する第2のピークにより、(R)異性体の8−フルオロ−1−メチル−3−(R)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体11]を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 411(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 8.13-8.08(m,1H),7.93(dd,J=7.5,1.3 Hz,1H),7.48(ddd,J=13.9,8.1,1.5 Hz,1H),7.37-7.31(m,1H),7.27-7.20(m,2H),3.88(d,J=7.9 Hz,3H),2.36(s,3H),1.36(s,12H).
【0289】
中間体10の別の製造物:
テトラヒドロフラン(400mL)中の8−フルオロ−3−(2−メチル−3−(S)−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体19](40g,101mmol)の溶液を、炭酸セシウム(99g,303mmol)およびヨードメタン(12.6mL,202mmol)で処理した。得られる濁った溶液を、室温にて終夜攪拌した。水(300mL)を加えて、反応混合溶液を、EtOAc(3x150mL)で抽出した。有機相を合わせて、ブラインおよび水で順に洗い、乾燥して、濃縮した。残留物を、EtOAcからの再結晶化により精製して、8−フルオロ−1−メチル−3−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(38g,92%収率)を白色固体として得た。
【0290】
中間体12
3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−メトキシ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
中間体12A:2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−メトキシベンズアミド
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
トルエン(20mL)中の3−ブロモ−2−メチルアニリン(482mg,2.59mmol)および8−メトキシ−1H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2,4−ジオン(500mg,2.59mmol)の混合溶液を、0℃で2M トリメチルアルミニウム/トルエン(3.24mL,6.47mmol)で処理した。混合溶液を、室温で10分間攪拌して、次いで70℃で終夜加熱した。混合溶液を、室温に冷却して、1N HCl水溶液で処理して、EtOActで3回抽出した。有機相を合わせて、飽和NaHCO
3水溶液および水を用いて順に洗い乾燥させて、濃縮した。残留物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(40g)に供して、EtOAc−ヘキサン(0〜100%のグラジエント)で溶出する2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−メトキシベンズアミド(302mg,35%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 335,337(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 7.72(d,J=7.3 Hz,2H),7.46(dd,J=8.0,0.8 Hz,1H),7.17-7.10(m,2H),6.90(dd,J=7.9,0.9 Hz,1H),6.72-6.66(m,1H),5.88(br. s.,2H),3.92(s,3H),2.43(s,3H).
【0291】
中間体12B:3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−メトキシキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
THF(20mL)中の2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−3−メトキシベンズアミド(302mg,0.901mmol)およびトリホスゲン(321mg,1.081mmol)の溶液を、室温で2時間攪拌した。混合溶液を、飽和NaHCO
3水溶液を用いて注意深く処理して、ガスの発生が止むまで攪拌した。混合溶液を、DCMで2回抽出して、有機相を合わせて、水で洗い、乾燥させて、濃縮して、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−メトキシキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(339mg)を得て、これをさらなる精製なしに使用した。質量スペクトル m/z 361,363(M+H)
+.
【0292】
中間体12C:3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−メトキシ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
THF(20mL)中の3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−メトキシキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(535mg,1.48mmol)、ヨードメタン(0.185mL,2.96mmol)およびCs
2CO
3(965mg,2.96mmol)の混合溶液を、室温にて終夜攪拌した。混合溶液を、濾過して、濃縮した。残留物を、DCMに溶解して、飽和NaHCO
3水溶液および水で順に洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(0〜100%のグラジエント)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(40gシリカ)により精製して、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−メトキシ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(442mg)を得た。質量スペクトル m/z 375,377(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 7.90(dd,J=7.2,2.3 Hz,1H),7.66(dd,J=8.0,1.2 Hz,1H),7.31-7.22(m,2H),7.22-7.19(m,1H),7.17-7.13(m,1H),3.97(s,3H),3.89(s,3H),2.23(s,3H).
【0293】
中間体12:
ジオキサン(20mL)中の3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−メトキシ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(380mg,1.01mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(309mg,1.22mmol)、酢酸カリウム(298mg,3.04mmol)およびPdCl
2(dppf)DCM付加物(41.4mg,0.051mmol)の混合溶液を、90℃で終夜加熱した。混合溶液を冷却して、濾過して、濾液を濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(20〜55%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(24g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、75%純度にて8−メトキシ−1−メチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(486mg,85%収率)を、更なる精製をせずに使用した。質量スペクトル m/z 423(M+H)
+.
【0294】
中間体13
3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−6−フルオロ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化91】
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中間体13A:2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−5−フルオロベンズアミド
【化92】
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トルエン(40mL)中の3−ブロモ−2−メチルアニリン(1.50g,8.06mmol)および6−フルオロ−1H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2,4−ジオン(1.46g,8.06mmol)の混合溶液を、氷水浴にて冷却して、2M トリメチルアルミニウム(トルエン中)(10.1mL,20.2mmol)で少量ずつ処理した。混合溶液を、室温で30分間攪拌して、次いで70℃で終夜加熱した。混合溶液を、0℃に冷却して、1M HCl水溶液で注意深く処理して、EtOActで3回抽出した。有機相を合わせて、飽和NaHCO
3水溶液および水を用いて順に洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、シリカゲル(120g)でのカラムクロマトグラフィーに供して、EtOAc−ヘキサン(5〜40%のグラジエント)で溶出して、2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−5−フルオロベンズアミド(0.893g,87%純度,30%収率)を得た。質量スペクトル m/z 323,325(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,MeOH-d
4)δ 7.54(1 H,dd,J=8.03,0.99 Hz),7.48(1 H,dd,J=9.68,3.08 Hz),7.33(1 H,d,J=7.26 Hz),7.16(1 H,t,J=7.92 Hz),7.04-7.12(1 H,m),6.83(1 H,dd,J=9.02,4.62 Hz),2.39(3 H,s).
【0295】
中間体13B:3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−6−フルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化93】
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THF(30mL)中の2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−5−フルオロベンズアミド(0.893g,2.76mmol)およびトリホスゲン(0.984g,3.32mmol)溶液を、室温で2時間攪拌した。混合溶液を、飽和NaHCO
3水溶液で処理して、ガスの発生が止むまで注意深く攪拌した。混合溶液を、DCMで2回抽出した。有機相を合わせて、水で洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、DCMで磨砕して、白色固体を得て、これを濾過により単離した。濾液を濃縮して、EtOAc−ヘキサンで溶出する(0〜80%のグラジエント)シリカゲルカラムクロマトグラフィー(40g)に供して、追加の固体を得た。2つの固体を合わせて、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−6−フルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(845mg,87%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 349,351(M+H)
+.
【0296】
中間体13C:3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−6−フルオロ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化94】
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THF(20mL)中の3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−6−フルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(742mg,2.13mmol)、ヨードメタン(0.159mL,2.55mmol)およびCs
2CO
3(1.039g,3.19mmol)の混合溶液を、室温にて終夜攪拌した。混合溶液を、濾過して、濃縮した。残留物を、DCMに溶解して、飽和NaHCO
3水溶液および水を用いて順に洗い、乾燥させて、濃縮して、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−6−フルオロ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(742mg,96%収率)を得た。質量スペクトル m/z 363,365(M+H)
+.
【0297】
中間体13:
ジオキサン(20mL)中の3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−6−フルオロ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(742mg,2.04mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(623mg,2.45mmol)、酢酸カリウム(602mg,6.13mmol)およびPdCl
2(dppf)DCM付加物(83mg,0.102mmol)の混合溶液を、90℃で終夜加熱した。混合溶液を冷却して、濾過して、この濾液を濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサンで溶出する(0〜40%のグラジエント)シリカゲル(120g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、6−フルオロ−1−メチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(866mg)を得て、これを更なる精製をせずに使用した。質量スペクトル m/z 411(M+H)
+.
【0298】
中間体14
7−メトキシ−1−メチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化95】
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中間体14A:2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−4−メトキシベンズアミド
【化96】
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トルエン(20mL)中の3−ブロモ−2−メチルアニリン(482mg,2.59mmol)、7−メトキシ−1H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2,4−ジオン(500mg,2.59mmol)の混合溶液を、トルエン(3.24mL,6.48mmol)中の2M トリメチルアルミニウムを用いて0℃で処理した。混合溶液を、室温にて10分間攪拌して、次いで70℃で終夜加熱した。冷却混合溶液を、1M HCl水溶液で処理して、3回EtOAcで抽出して、有機相を合わせて、飽和NaHCO
3水溶液および水を用いて連続的に洗い乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(0〜100%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(40g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、4:1の2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−4−メトキシベンズアミドと3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−7−メトキシキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(592mg)の混合溶液を得た。質量スペクトル m/z 335,337(M+H)
+.
【0299】
中間体14B:3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−7−メトキシキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化97】
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THF(30mL)中の2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−4−メトキシベンズアミド(596mg,1.78mmol)およびトリホスゲン(633mg,2.13mmol)の溶液を、室温で2時間攪拌した。混合溶液を、飽和NaHCO
3水溶液で処理して、ガスの発生が止むまで攪拌した。得られる混合溶液を、DCMで2回抽出して、有機相を合わせて、水で洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(0〜100%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(40g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−7−メトキシキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(440mg,68%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 361,363(M+H)
+.
【0300】
中間体14C:3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−7−メトキシ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化98】
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THF(30mL)中の3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−7−メトキシキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(440mg,1.22mmol)の溶液を、室温にてヨードメタン(303mg,2.13mmol)およびCs
2CO
3(869mg,2.67mmol)で処理した。前記混合溶液を、室温にて終夜攪拌して、次いで濾過して、濃縮した。残留物を、DCMに溶解して、飽和NaHCO
3水溶液および水を用いて順に洗い、乾燥させて、濃縮して、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−7−メトキシ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(502mg)を得て、これをさらなる精製なしに使用した。質量スペクトル m/z 375,377(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 8.21(d,J=8.8 Hz,1H),7.67(dd,J=7.9,1.3 Hz,1H),7.24-7.18(m,1H),7.17-7.13(m,1H),6.88(dd,J=8.8,2.2 Hz,1H),6.72(d,J=2.2 Hz,1H),3.99(s,3H),3.64(s,3H),2.24(s,3H).
【0301】
中間体14:
ジオキサン(20mL)中の3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−7−メトキシ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(390mg,1.04mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(317mg,1.25mmol)、酢酸カリウム(306mg,3.12mmol)およびPdCl
2(dppf)DCM付加物(42.4mg,0.052mmol)の混合溶液を、90℃で終夜加熱した。混合溶液を冷却して、濾過して、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(10〜55%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(40g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、7−メトキシ−1−メチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(504mg,76%純度,87%収率)を得て、さらなる精製なしに使用した。質量スペクトル m/z 423(M+H)
+.
【0302】
中間体15
7−フルオロ−1−メチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化99】
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中間体15A:2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−4−フルオロベンズアミド
【化100】
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キシレン(50mL)中の7−フルオロ−1H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2,4−ジオン(5.00g,27.6mmol)および3−ブロモ−2−メチルアニリン(5.14g,27.6mmol)の混合溶液を、8時間還流加熱した。混合溶液を冷却して、濾過した。固体を集めて、3回DCMで洗い、濾液を合わせて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(0〜45%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(330g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−4−フルオロベンズアミド(3.65g,41%収率)を得た。質量スペクトル m/z 323,325(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 7.65(1 H,d,J=8.14 Hz),7.45-7.57(3 H,m),7.14(1 H,t,J=8.03 Hz),6.39-6.50(2 H,m),5.80(2 H,br. s.),2.43(3 H,s).
【0303】
中間体15B:3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−7−フルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化101】
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THF(50mL)中の2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−4−フルオロベンズアミド(3.65g,11.3mmol)の溶液を、室温にてトリホスゲン(3.69g,12.4mmol)で処理した。溶液を、室温にて2時間攪拌して、次いで飽和NaHCO
3水溶液でゆっくりと処理して、ガスの発生がもはや観察されなくなるまで攪拌した。得られる混合溶液を、EtOAcで2回抽出した。有機相を合わせて、水、次いでブラインで2回洗浄して、乾燥させて、濃縮して、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−7−フルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(4.20g)を得て、これをさらなる精製なしに使用した。質量スペクトル m/z 349,351(M+H)
+.
【0304】
中間体15C:3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−7−フルオロ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化102】
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THF(20mL)中の3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−7−フルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(2.70g,7.73mmol)、ヨードメタン(0.580mL,9.28mmol)およびCs
2CO
3(3.78g,11.6mmol)の混合溶液を、室温にて3時間攪拌した。混合溶液を、濾過して、この濾液を、DCMで希釈して、水で洗った。水相を、DCMで抽出して、有機相を合わせて、乾燥して、濃縮して、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−7−フルオロ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(2.85g)を得て、これをさらなる精製をせずに使用した。質量スペクトル m/z 363,365(M+H)
+,385,387(M+Na)
+.
【0305】
中間体15:
ジオキサン(20mL)中の3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−7−フルオロ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(2.81g,7.74mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(2.36g,9.28mmol)、酢酸カリウム(1.52g,15.5mmol)およびPdCl
2(dppf)DCM付加物(0.190g,0.232mmol)の混合溶液を、90℃で8時間加熱した。追加のPdCl
2(dppf)DCM付加物(0.190g,0.232mmol)および酢酸カリウム(0.80g)を加えて、混合溶液を、90℃で更に7時間加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、飽和NaHCO
3水溶液および水を用いて順に洗った。水相を合わせて、EtOAcで抽出した。有機相を合わせて、CELITE(登録商標)をとおして濾過して、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(0〜40%のグラジエント)で溶出する、シリカゲル(220g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、7−フルオロ−1−メチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(1.76g,56%収率)を得た。質量スペクトル m/z 411(M+H)
+.
【0306】
中間体16
6,8−ジフルオロ−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
中間体16A:N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−3,5−ジフルオロ−2−ニトロベンズアミド
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
DCM(10mL)中の3,5−ジフルオロ−2−ニトロ安息香酸(522mg,2.57mmol)の溶液を、塩化オキサリル(0.337mL,3.86mmol)、次いでDMF(3滴)で処理した。得られる溶液を、室温にて60分間攪拌した。混合溶液を、濃縮して、残留物を、再度乾燥DCMで2回濃縮した。残留物を、DCM(10mL)に溶解して、3−ブロモ−2−メチルアニリン(478mg,2.57mmol)の滴加に続いて、TEA(0.537mL,3.86mmol)を滴加した。得られる混合溶液を、室温にて終夜攪拌した。混合溶液を、飽和NaHCO
3水溶液で処理して、白色沈殿物を形成させた。有機相を、水相から分離して、白色固体を、DCMで2回抽出して、次いで濾過した。固体を集めて、水で洗い、乾燥させた。有機相を合わせて、乾燥させて、濃縮して、残留物を、DCMで磨砕して、別の固体を得た。両方の固体を、DCMおよびMeOHと共に合わせて、濃縮して、N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−3,5−ジフルオロ−2−ニトロベンズアミド(821mg,86%収率)を得た。質量スペクトル m/z 371,373(M+H)
+ 393,395(M+Na)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 10.65(s,1H),7.98-7.90(m,1H),7.81(d,J=8.1 Hz,1H),7.55(d,J=7.9 Hz,1H),7.40(d,J=7.7 Hz,1H),7.21(t,J=7.9 Hz,1H),2.32(s,3H).
【0307】
中間体16B:2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−3,5−ジフルオロベンズアミド
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
MeOH(10mL)中のN−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−3,5−ジフルオロ−2−ニトロベンズアミド(821mg,2.21mmol)、NH
4Cl(1.18g,22.1mmol)および亜鉛(1.45g,22.1mmol)の混合溶液を、室温にて60分間攪拌した。混合溶液を、濾過して、この濾液を濃縮した。残留物をDCMに懸濁して、飽和NaHCO
3水溶液で洗った。不溶性沈殿物を含む有機相を、水相から分離して、濃縮して、2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−3,5−ジフルオロベンズアミド(760mg)を得て、これを更なる精製をせずに使用した。質量スペクトル m/z 341,343(M+H)
+,363,365(M+Na)
+.
【0308】
中間体16C:3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−6,8−ジフルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
THF(10mL)中の2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−3,5−ジフルオロベンズアミド(760mg,2.23mmol)の溶液を、トリホスゲン(722mg,2.43mmol)を少量ずつ用いて処理した。この溶液を、室温にて60分間攪拌して、次いで飽和NaHCO
3水溶液で滴加して、ガスの発生が観察されなくなるまで攪拌した。有機相を分離して、水で洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(0〜100%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(40g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−6,8−ジフルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(820mg)を得て、これを更なる精製をせずに使用した。質量スペクトル m/z 367,369(M+H)
+,389,391(M+Na)
+.
【0309】
中間体16:
ジオキサン(20mL)中の3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−6,8−ジフルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(1.43g,3.89mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(1.29g,5.06mmol)、酢酸カリウム(0.956g,9.74mmol)およびPdCl
2(dppf)DCM付加物(0.159g,0.195mmol)の混合溶液を、100℃で5時間加熱した。混合溶液を冷却して、濾過して、濾液を濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(0〜100%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(40g+12g充填済カラム)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、6,8−ジフルオロ−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(1.20g,74%収率)を得た。質量スペクトル m/z 415(M+H)
+.
【0310】
中間体17
8−フルオロ−3−(RS)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
ジオキサン(20mL)およびDMSO(4mL)中の3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−フルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体1](0.349g,1.00mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(0.305g,1.20mmol)、PdCl
2(dppf)DCM付加物(0.041g,0.050mmol)および酢酸カリウム(0.245g,2.50mmol)の攪拌した混合溶液を、5分間窒素によりバブリングして、次いで90℃で終夜加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcおよび水との層間に分配した。有機相を、飽和NaHCO
3水溶液、水およびブラインで順に洗い、乾燥し、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(20:80)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、8−フルオロ−3−(RS)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(0.326g,82%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 397(M+H)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 11.78(s,1H),7.80(d,J=7.2 Hz,1H),7.72(dd,J=7.4,1.5 Hz,1H),7.71-7.56(m,1H),7.45-7.35(m,1H),7.35-7.29(m,1H),7.29-7.16(m,1H),2.22(s,3H),1.33(s,12H).
【0311】
中間体18および19
8−フルオロ−3−(R)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(18)、および
8−フルオロ−3−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(19)
【化108】
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8−フルオロ−3−(RS)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体17]の試料を、下記のとおり超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALCEL(登録商標) OD-H(5 x 25 cm,5μm);移動相:300mL/分でCO
2−MeOH(70:30),100バール,40℃;試料調整:DCM−MeOH(44:56)中で103mg/mL;注入量:5.0mL。カラムから溶出する第1のピークにより、Rエナンチオマーである8−フルオロ−3−(R)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体18]を白色固体として得た。このカラムから溶出する第2のピークにより、Sエナンチオマーである8−フルオロ−3−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体19]を白色固体として得た。各エナンチオマーのアトロプ異性体に対する質量スペクトルおよび
1H NMRは、中間体17に対するものと同じであった。
【0312】
中間体20
8−フルオロ−1−メチル(d
3)−3−(RS)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化109】
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中間体20A:3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−フルオロ−1−メチル(d
3)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化110】
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DMF(45mL)中の3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−フルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体1](3.00g,8.59mmol)およびCs
2CO
3(5.60g,17.2mmol)の混合溶液を、ヨードメタン−d
3(0.80mL,12.9mmol)で処理して、混合溶液を室温にて1.75時間攪拌した。混合溶液を、速く攪拌した水(400mL)に注ぎ入れて、室温にて攪拌し、懸濁固体を形成させた。沈殿物を、濾過により回収して、水で洗浄して、真空下にて乾燥させて、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−フルオロ−1−メチル(d
3)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(3.05g,97%収率)をオフホワイトの固体として得た。質量スペクトル m/z 366,368(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 7.93(dt,J=7.9,0.7 Hz,1H),7.82-7.63(m,2H),7.45-7.18(m,3H),2.12(s,3H).
【0313】
中間体20:
ジオキサン(40mL)中の3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−8−フルオロ−1−メチル(d
3)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(3.00g,8.19mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(2.70g,10.7mmol)および酢酸カリウム(2.41g,24.6mmol)の混合溶液を、約2分間超音波処理しながらアルゴンを用いてバブリングして、次いでPdCl
2(dppf)DCM付加物(0.335g,0.410mmol)で処理した。混合溶液を、90℃で15.75時間加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、CELITE(登録商標)を通して濾過して、固体をEtOAcで洗った。濾液を合わせて、濃縮して、残留物を、EtOAc−ヘキサン(0〜40%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(330g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、8−フルオロ−1−メチル(d
3)−3−(RS)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(3.23g,95%収率)をオフホワイトの固体として得た。質量スペクトル m/z 414(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 8.14-8.07(m,1H),7.93(dd,J=7.4,1.4 Hz,1H),7.48(ddd,J=13.9,8.1,1.5 Hz,1H),7.37-7.31(m,1H),7.27-7.19(m,2H),2.36(s,3H),1.36(s,12H).
【0314】
中間体21および22
8−フルオロ−1−メチル(d
3)−3−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(21)、および
8−フルオロ−1−メチル(d
3)−3−(R)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(22)
【化111】
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8−フルオロ−1−メチル(d
3)−3−(RS)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体20]の試料を、次のとおりに超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:WHELK-O(登録商標) R,R(3 x 25 cm,5μm);移動相:200mL/分でCO
2−MeOH(70:30),100バール,30℃;試料調整:MeOH:DCM(1:1)で97.3mg/mL;注入量:4mL。カラムから溶出する第1のピークにより、Sエナンチオマーである8−フルオロ−1−メチル(d
3)−3−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体21]を白色固体として得た。このカラムから溶出する第2のピークにより、Rエナンチオマーである8−フルオロ−1−メチル(d
3)−3−(R)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体22]を白色固体として得た。各エナンチオマーのアトロプ異性体に対する質量スペクトルおよび
1H NMRを、中間体20に対するものと同じであった。
【0315】
8−フルオロ−1−メチル(d
3)−3−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体21]の別の合成法:
THF(100mL)中の8−フルオロ−3−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体19](5.42g,13.7mmol)の溶液を、氷水浴上で攪拌して、Cs
2CO
3(6.24g,19.2mmol)、次いでヨードメタン−d
3(1.02mL,16.4mmol)で処理して、混合溶液を室温にて16.25時間攪拌した。混合溶液を濾過して、固体をEtOAcで濯ぎ、濾液を合わせて、濃縮した。残留物を、EtOAcに溶解して、水およびブラインで順に洗い、乾燥させて、濃縮して、8−フルオロ−1−メチル(d
3)−3−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(5.538g,98%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 414(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 8.11(dq,J=7.8,0.8 Hz,1H),7.93(dd,J=7.5,1.3 Hz,1H),7.48(ddd,J=13.9,8.1,1.5 Hz,1H),7.38-7.30(m,1H),7.27-7.20(m,2H),2.36(s,3H),1.36(s,12H).
【0316】
中間体23
3−4−ブロモ−3−シアノ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド
【化112】
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中間体23A:4−ブロモ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−3−ヨード−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド
【化113】
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DMF(20mL)中の4−ブロモ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[米国特許第8,084,620号,実施例73−2に記述された方法に従って合成した](2.00g,5.76mmol)、N−ヨードスクシンイミド(1.69g,7.49mmol)およびピリジン(1.9mL,23.0mmol)の混合溶液を、65℃で2日間加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、10%LiCl水溶液、次いでブラインで2回洗った。水層を、EtOAcで抽出した。有機層を合わせて、乾燥させて、濃縮して、残留物を、EtOAc−ヘキサン (50%〜65%のグラジエント)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、4−ブロモ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−3−ヨード−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(0.609g,23%収率)を黄色の固体として得た。質量スペクトル m/z 473,475(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 11.66(s,1H),8.49(d,J=8.6 Hz,1H),8.38(s,1H),8.26(br. s.,1H),7.94(d,J=1.1 Hz,1H),7.58(br. s.,1H),7.40(dd,J=8.6,1.4 Hz,1H),5.09(s,1H)および1.51(s,6H).
【0317】
中間体23:
DMF(7mL)中の4−ブロモ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−3−ヨード−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(0.609g,1.29mmol)およびシアン化亜鉛(0.076g,0.644mmol)の混合溶液に、窒素を用いる排気/充填を3サイクル行なった。混合溶液を、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.074g,0.064mmol)で処理して、終夜95℃で加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、洗い、10%LiCl水溶液、次いでブラインで2回洗った。水層をEtOAcで抽出した。有機層を合わせて、乾燥させて、濃縮した。残留物を、磨砕して、DCMで超音波処理を行い、沈殿物を濾取して、4−ブロモ−3−シアノ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(0.400g,83%収率)を淡黄色固体として得た。質量スペクトル m/z 372,374(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 12.12(s,1H),8.55(d,J=8.6 Hz,1H),8.38(s,1H),8.31(br. s.,1H),8.03(s,1H),7.74(br. s.,1H),7.49(dd,J=8.6,1.1 Hz,1H)および1.52(s,6H).
【0318】
中間体24
5−ブロモ−6−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド(ラセミ体)
【化114】
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中間体24A:4−ブロモ−2,5−ジフルオロ安息香酸
【化115】
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乾燥ジエチルエーテル(10mL)中の1,4−ジブロモ−2,5−ジフルオロベンゼン(640mg,2.35mmol)の溶液を、ドライアイス−アセトン浴にて冷却して、2.5M n−ブチルリチウム/ヘキサン(1.04mL,2.59mmol)を用いて滴加した。溶液を、−78℃で30分間攪拌して、次いで一片のドライアイスで処理した。5分後に冷却浴を外して、混合溶液を、室温に昇温させながら更に30分間攪拌した。混合溶液を、EtOAcおよび水で希釈した。有機相を分離して、飽和NaHCO
3水溶液で2回洗った。水相を合わせて、1M HCl水溶液で酸性化して、DCMで2回抽出して、有機相を合わせて、乾燥させて、濃縮して、4−ブロモ−2,5−ジフルオロ安息香酸(297mg,53%収率)を白色固体として得た。
【0319】
中間体24B:4−ブロモ−5−フルオロ−2−ヒドラジン安息香酸の塩酸塩
【化116】
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N−メチル−2−ピロリジノン(2mL)中の4−ブロモ−2,5−ジフルオロ安息香酸(2.50g,10.6mmol)およびヒドラジン(3.81mL,121mmol)の混合溶液を、95℃で4時間加熱した。混合溶液を冷却して、激しく攪拌される6M HCl水溶液(400mL)に注ぎ入れ、これをNaCl−氷浴にて冷却した。得られる沈殿物を、濾取して、6M HCl水溶液(200mL)で洗い、真空下にて乾燥させて、4−ブロモ−5−フルオロ−2−ヒドラジン安息香酸 塩酸塩(1.88g,71%純度,44%収率)を黄色の固体として得て、これをさらなる精製をせずに使用した。
【0320】
4−ブロモ−5−フルオロ−2−ヒドラジン安息香酸塩酸塩の別の合成法:
37%HCl水溶液(42.7mL)および水(14.3mL)の混合溶液中で2−アミノ−4−ブロモ−5−フルオロ安息香酸(10.0g,42.7mmol)の懸濁液を、NaCl−氷浴で冷やして、硝酸ナトリウム(3.24g,47.0mmol)/水(15.7mL)の溶液を滴加した。滴加が完了した時に、この混合溶液を、30分間以上攪拌した。塩化錫(II)二水和物(28.9g,128mmol)/37%HCl水溶液(27.5mL)の溶液を滴加した。冷却浴を外して、混合溶液を室温にて45分間攪拌した。粘性の懸濁液を濾過して、沈殿物を集めて、水で完全に洗い、終夜減圧下で乾燥させた。固体を、超音波処理しながらMeOHで磨砕して、沈殿物を濾取して、MeOHで洗い、乾燥させた。濾液を濃縮して、残留物を、DCMで磨砕した。得られる固体を濾取して、乾燥させて、他の固体と合わせて、4−ブロモ−5−フルオロ−2−ヒドラジン安息香酸塩酸塩(5.37g,44%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 249,251(M+H)
+.
【0321】
中間体24C:5−ブロモ−2−(エトキシカルボニル)−6−フルオロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボン酸
【化117】
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トルエン(90mL)中の4−ブロモ−5−フルオロ−2−ヒドラジン安息香酸塩酸塩(5.37g,18.8mmol)、エチル 3−オキソシクロヘキサンカルボキシレート(3.52g,20.7mmol)および酢酸(3.23mL,56.4mmol)の混合溶液を、110℃で20時間加熱した。溶媒を、減圧除去して、残留物を、トルエン(43mL)およびトリフルオロ酢酸(11mL)で希釈した。混合溶液を、90〜94℃で終夜攪拌した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、超音波処理して、沈殿物を濾取した。この濾液を濃縮して、超音波処理しながらEtOAcに再懸濁させて、沈殿物を得て、これも濾取して、EtOAcで洗った。固体を合わせて、MeOHで2回磨砕して、固体を得た。濾液を合わせて、濃縮して、残留物を、MeOHで磨砕して、追加の固体を得た。固体を合わせて、5−ブロモ−2−エトキシカルボニル−6−フルオロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボン酸(3.38g)を淡黄色固体として得た。質量スペクトル m/z 384,386(M+H)
+.
【0322】
中間体24D:エチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−6−フルオロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−2−カルボキシレート
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
THF(10mL)およびDCM(1.65mL)中の5−ブロモ−2−(エトキシカルボニル)−6−フルオロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボン酸(0.513g,1.34mmol)、EDC(0.384g,2.00mmol)およびHOBT(0.307g,2.00mmol)の混合溶液を、室温にて20分間攪拌した。水酸化アンモニウム(0.078mL,2.00mmol)を加えて、混合溶液を室温にて60分間攪拌した。混合溶液をEtOAcで希釈して、飽和NaHCO
3水溶液、次いでブラインで2回洗った。水層をEtOAcで抽出して、有機層を合わせて、乾燥させて、濃縮した。残留物を、超音波処理をしながらMeOH中で磨砕して、エチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−6−フルオロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−2−カルボキシレート(0.432g,84%収率)を黄色の固体として得た。質量スペクトル m/z 383,385(M+H)
+.
【0323】
中間体24:
THF(200mL)中のエチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−6−フルオロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−2−カルボキシレート(10.0g,26.1mmol)の溶液を、−78℃で、30分間かけて1.6M メチルリチウム/エーテル(49mL,78mmol)を用いて滴加処理した。混合溶液を、−78℃で45分間攪拌して、次いで25分間かけて追加のメチルリチウム溶液(33mL)を用いて処理した。混合溶液を、−78℃で更に90分間攪拌して、次いで飽和NH
4Cl水溶液で処理して、室温へ昇温させた。混合溶液を、EtOAcで希釈して、水およびブラインで順に洗った。水層を、EtOAcで抽出した。有機層を合わせて、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc(約100mL)に溶解して、シリカゲルパッドを上部に付けたCELITE(登録商標)パッドを通して濾過して、EtOAc(約1000mL)で更に洗った。濾液を濃縮して、ラセミ体5−ブロモ−6−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド(9.24g,96%収率)を淡黄色固体として得た。質量スペクトル m/z 369,371(M+H)
+.
【0324】
中間体24の別の合成法:
テトラヒドロフラン(200mL)中のエチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−6−フルオロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−2−カルボキシレート(10.0g,26.1mmol)の溶液に、−78℃で、メチルリチウム(エーテル中で1.6M)(3等量;49mL,78mmol)を30分かけて滴加した。反応混合溶液を、−78℃で45分間攪拌した。更に2当量のメチルリチウム(33mL)を、25分かけて加えて、反応混合溶液を、−78℃で更に1.5時間攪拌した。反応を、−78℃にて、飽和塩化アンモニウム水溶液を用いてクエンチして、室温へ昇温させた。混合溶液を、酢酸エチルで希釈して、水およびブラインで洗った。有機層を集めて、水層を、順に酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて、減圧下にて濃縮した。残留物を〜100mLの酢酸エチルに溶解して、酢酸エチル(〜1L)を用いて600mLのフリット漏斗内でシリカゲルパッドを上部に付けたCELITE(登録商標)パッドを通して濾過した。減圧濃縮により、5−ブロモ−6−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−3−カルボキサミド(9.24g,25.03mmol,96%収率)を淡黄色固体として得た。
【0325】
中間体25および26
(R)−5−ブロモ−6−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド(I−25)、および
(S)−5−ブロモ−6−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド(I−26)
【化119】
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ラセミ体5−ブロモ−6−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド[中間体24]の試料を、下記に従いキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) OD-H(3 x 25 cm,5μm);移動相:150mL/分でCO
2−MeOH(70:30),40℃。カラムから溶出する第1のピークにより、(R)−5−ブロモ−6−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド[中間体25]を得た。このカラムから溶出する第2のピークにより、(S)−5−ブロモ−6−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド[中間体26]を得た。2つのエナンチオマーの質量スペクトルおよび
1H NMRスペクトルは、同一であった。質量スペクトル m/z 369,371(M+H)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 10.96(s,1H),8.07(br. s.,1H),7.55(d,J=10.3 Hz,1H),7.50(br. s.,1H),4.24(s,1H),3.26(dd,J=15.8,4.4 Hz,1H),2.93(dd,J=17.1,4.6 Hz,1H),2.72(t,J=11.7 Hz,1H),2.48-2.40(m,1H),2.12(d,J=9.2 Hz,1H),1.70-1.62(m,1H)および1.32(qd,J=12.4,5.3 Hz,1H).
【0326】
中間体26を得るための別のSFC分離:
CHIRALPAK(登録商標) AD-H(3 x 25 cm,5μm);移動相:150mL/分にてCO
2−MeOH(55:45)、40℃。カラムから溶出する第1のピークにより、(S)−5−ブロモ−6−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド[中間体26]を得た。このカラムから溶出する第2のピークにより、(R)−5−ブロモ−6−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド[中間体25]を得た。
【0327】
中間体27
4−ブロモ−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド
【化120】
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中間体27A:4−ブロモ−7−エトキシカルボニル−3−フルオロ−9H−カルバゾール−1−カルボン酸
【化121】
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THF(45mL)中の5−ブロモ−2−(エトキシカルボニル)−6−フルオロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボン酸(2.87g,7.47mmol)および2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン(3.73g,16.4mmol)の溶液を、60℃で90分間加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAc(約50mL)で希釈して、60分間攪拌した。得られる沈殿物を、濾取して、EtOAcで洗い、乾燥させた。濾液を濃縮して、残留物を、超音波処理しながらMeOHで磨砕して、濾過して、沈殿物をMeOHで洗い、乾燥させた。2つの沈殿物を合わせて、4−ブロモ−7−エトキシカルボニル−3−フルオロ−9H−カルバゾール−1−カルボン酸(2.39g,84%収率)を淡黄色固体として得た。質量スペクトル m/z 380,382(M+H)
+.
【0328】
中間体26B:エチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−6−フルオロ−9H−カルバゾール−2−カルボキシレート
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
THF(30mL)およびDCM(5mL)中の4−ブロモ−7−(エトキシカルボニル)−3−フルオロ−9H−カルバゾール−1−カルボン酸(2.39g,6.29mmol)、EDC(1.81g,9.43mmol)およびHOBT(1.44g,9.43mmol)の混合溶液を、室温にて20分間攪拌した。水酸化アンモニウム(0.367mL,9.43mmol)を加えて、混合溶液を室温にて4時間攪拌した。混合溶液をEtOAcで希釈して、飽和NaHCO
3水溶液、次いでブラインで2回洗った。水層をEtOAcで抽出して、有機層を合わせて、乾燥させて、濃縮した。残留物を、超音波処理しながらMeOHで磨砕して、エチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−6−フルオロ−9H−カルバゾール−2−カルボキシレートを淡黄色固体(2.26g,95%収率)として得た。質量スペクトル m/z 379,381(M+H)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 12.02(s,1H),8.70(d,J=8.3 Hz,1H),8.51(d,J=1.1 Hz,1H),8.29(br. s.,1H),8.10(d,J=10.3 Hz,1H),7.87(dd,J=8.5,1.5 Hz,1H),7.74(br. s.,1H),4.37(q,J=6.9 Hz,2H)および1.37(t,J=7.1 Hz,3H).
1H NMR(500 MHz,MeOH-d
4)δ 8.77(d,J=8.2 Hz,1H),8.36(d,J=0.9 Hz,1H),7.83(d,J=8.2 Hz,1H),7.46(d,J=8.2 Hz,1H),4.12(q,J=7.0 Hz,2H),1.58-1.36(m,4H)および1.26(t,J=7.2 Hz,3H).
【0329】
エチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−6−フルオロ−9H−カルバゾール−2−カルボキシレートの別の合成法:
THF(2mL)およびMeCN(2mL)中のエチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−9H−カルバゾール−2−カルボキシレート[米国特許第8,084,620号,中間体48−1に記述された方法に従って合成した](0.100g,0.277mmol)および1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボーレート)[SELECTFLUOR(登録商標)](0.100g,0.554mmol)の混合溶液を、60℃で終夜加熱した。混合溶液を冷却して、濾過して、濾液を濃縮した。残留物を、逆相分取HPLCを用いて精製して、エチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−3−フルオロ−9H−カルバゾール−2−カルボキシレート(0.035g)を褐色の固体として得た。
【0330】
中間体27:
−78℃でTHF(9.0mL)中のエチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−6−フルオロ−9H−カルバゾール−2−カルボキシレート(0.500g,1.32mmol)の溶液を、10分かけて1.6M メチルリチウム/エーテル(2.47mL,3.96mmol)を滴加した。混合溶液を、−78℃で30分間攪拌して、追加のメチルリチウム溶液(1.65mL,2.64mmol)で処理して、混合溶液を−78℃で45分間以上攪拌した。混合溶液を、飽和NH
4Cl水溶液で処理して、室温に昇温させた。混合溶液を、EtOAcで希釈して、水およびブラインで順に洗った。水層をEtOAcで抽出して、有機層を合わせて、乾燥させて、濃縮して、淡黄色固体を得て、これを逆相分取HPLCにより生成した。適切な画分を、飽和NaHCO
3水溶液で中和して、濃縮した。残留物を、EtOAcおよび水の層間に分配して、有機層を、ブラインで洗った。水層をEtOAcで抽出して、有機層を合わせて、乾燥させて、濃縮して、4−ブロモ−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(0.240g,50%収率)を淡黄色固体として得た。質量スペクトル m/z 347,349(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 11.58(s,1H),8.50(d,J=8.6 Hz,1H),8.22(br. s.,1H),7.96(d,J=10.3 Hz,1H),7.94(d,J=1.1 Hz,1H),7.65(br. s.,1H),7.39(dd,J=8.5,1.5 Hz,1H),5.09(s,1H)および1.51(s,6H).
【0331】
4−ブロモ−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミドの別の合成法:
THF(300mL)中のエチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−6−フルオロ−9H−カルバゾール−2−カルボキシレート(10g,26.4mmol)の溶液を、氷水浴中で冷却して、3.0M 塩化メチルマグネシウム/THF(70.3mL,211mmol)を用いて滴加して処理した。溶液を、0℃で18時間攪拌した。混合溶液を、氷水浴中で冷却して十分に攪拌した飽和NH
4Cl水溶液(1000mL)に注ぎ入れた。得られる混合溶液を、水で希釈して、EtOAcで2回抽出した。有機相を合わせて、水、次いでブラインで2回洗浄して、乾燥し、濃縮した。残留物を、EtOAc−DCM(20〜100%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(330g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、4−ブロモ−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(6.36g,65%収率)を得た。
【0332】
中間体28
4−ブロモ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−3−メチル−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド
【化123】
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中間体28A:5−ブロモ−2−ヨード−4−メチルアニリン
【化124】
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DCM(100mL)中の3−ブロモ−4−メチルアニリン(5.00g,26.9mmol)、N−ヨードスクシンイミド(4.53g,20.2mmol)およびビス(ピリジン)ヨードニウムテトラフルオロボーレート(2.70g,7.26mmol)を、室温にて終夜攪拌した。混合溶液を、DCMで希釈して、飽和NaHSO
3水溶液および水で順に洗い、乾燥し、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(順に、1%、2%および3%)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、5−ブロモ−2−ヨード−4−メチルアニリン(5.27g,63%収率)を黄色の固体として得た。質量スペクトル m/z 312,314(M+H)
+.
1H NMR(500 MHz,CDCl
3)δ 7.49(d,J=0.6 Hz,1H),6.94(s,1H),4.17-3.91(br.s,2H)および2.25(s,3H).
【0333】
中間体28B:2−アミノ−4−ブロモ−5−メチルベンゾニトリル
【化125】
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DMF(80mL)中の5−ブロモ−2−ヨード−4−メチルアニリン(5.25g,16.8mmol)およびシアン化亜鉛(0.988g,8.41mmol)の混合溶液を、窒素による排気/充填を3サイクル行なった。混合溶液を、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.972g,0.841mmol)で処理して、90℃で終夜加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、10%LiCl水溶液(2回)およびブラインで順に洗った。水層をEtOAcで抽出して、有機層を合わせて、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(1%、2.5%、5%および50%で順に)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、褐色固体を得た。残留物を、MeOHを用いて磨砕して更に精製して、3回固体を得た。この濾液を、再度、EtOAc−ヘキサン(5%,次いで10%)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製した。得られる固体を、別の固体生成物と合わせて、2−アミノ−4−ブロモ−5−メチルベンゾニトリル(2.95g,83%収率)を、褐色の固体として得た。質量スペクトル m/z 211,213(M+H)
+.
【0334】
中間体28C:2−アミノ−4−ブロモ−5−メチル安息香酸
【化126】
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EtOH(21mL)および2M NaOH水溶液(34.9mL,69.9mmol)の混合液中の2−アミノ−4−ブロモ−5−メチルベンゾニトリル(2.95g,14.0mmol)の混合溶液を、終夜還流加熱した。室温に冷却した後に、エタノールを減圧除去して、水性残留物を、水で希釈した。pHを、濃HCl水溶液で約5に調整した後に、混合溶液を30分間攪拌して、沈殿物を濾取して、水で洗った。得られる湿性固体を、EtOAcに溶解して、ブラインで洗い、乾燥させて、濃縮して、2−アミノ−4−ブロモ−5−メチル安息香酸(2.92g,91%収率)を淡黄色固体として得た。質量スペクトル m/z 212,214(M+H)
+.
【0335】
中間体28D:4−ブロモ−2−ヒドラジン−5−メチル安息香酸塩酸塩
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
37%HCl水溶液(12.7mL)および水(4.3mL)の混合溶液中で2−アミノ−4−ブロモ−5−メチル安息香酸(2.92g,12.7mmol)の懸濁液を、NaCl−氷浴に冷却して、硝酸ナトリウム水溶液(0.963g,14.0mmol)/水(4.5mL)をゆっくと滴加した。得られる混合溶液を、45分間攪拌して、次いで塩化錫(II)二水和物(8.59g,38.1mmol)/37%HCl水溶液(8.2mL)の溶液を用いてゆっくりと滴加した。冷却浴を外して、混合溶液を室温にて60分間攪拌した。混合溶液を濾過して、沈殿物を集めて、水で洗い、乾燥させた。固体を、磨砕して、MeOH中で超音波処理して、混合溶液を濃縮した。残留物を磨砕して、DCMで超音波処理して、沈殿物を濾取して、DCMで洗い、4−ブロモ−2−ヒドラジニル−5−メチル安息香酸塩酸塩(2.17g,61%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 245,247(M+H)
+.
【0336】
中間体28E:5−ブロモ−2−(エトキシカルボニル)−6−メチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボン酸
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
トルエン(40mL)中の4−ブロモ−2−ヒドラジニル−5−メチル安息香酸塩酸塩(2.17g,7.71mmol)、エチル 3−オキソシクロヘキサンカルボキシレート(1.44g,8.48mmol)および酢酸(1.32mL,23.1mmol)の混合溶液を、油浴中にて117℃で5時間加熱した。混合溶液を、濃縮して、真空乾燥させて、残留物を、トルエン(18mL)およびTFA(4.5mL)で希釈した。混合溶液を、90℃で終夜加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、超音波処理して、沈殿物を濾取して、EtOAcで洗い、黄色固体を得る。濾液を濃縮して、残留物を、超音波処理にてEtOAc中に懸濁した。この沈殿物を、濾取して、最初の沈殿物と合わせた。固体を、MeOHで磨砕して、5−ブロモ−2−(エトキシカルボニル)−6−メチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボン酸を淡黄色固体(1.60g,55%収率)として得た。質量スペクトル m/z 380,382(M+H)
+.
【0337】
中間体28F:4−ブロモ−7−(エトキシカルボニル)−3−メチル−9H−カルバゾール−1−カルボン酸
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
THF(45mL)中の5−ブロモ−2−(エトキシカルボニル)−6−メチル−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボン酸(1.60g,4.21mmol)および2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン(2.10g,9.26mmol)の溶液を、60℃で60分間加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAc(約70mL)で希釈して、15分攪拌して、沈殿物を濾取して、EtOAcで洗い、乾燥させた。濾液を濃縮して、残留物を、MeOHで磨砕して、濾過して、沈殿物を集めて、MeOHで洗った。2つの固体を合わせて、4−ブロモ−7−(エトキシカルボニル)−3−メチル−9H−カルバゾール−1−カルボン酸を淡黄色固体(1.40g,88%収率)として得た。質量スペクトル m/z 376,378(M+H)
+.
【0338】
中間体28G:エチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−6−メチル−9H−カルバゾール−2−カルボキシレート
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
THF(30mL)およびDCM(5mL)中の4−ブロモ−7−(エトキシカルボニル)−3−メチル−9H−カルバゾール−1−カルボン酸(1.40g,3.72mmol)、EDC(1.070g,5.58mmol)およびHOBT(0.855g,5.58mmol)の混合溶液を、室温にて60分間攪拌した。水酸化アンモニウム(0.217mL,5.58mmol)を加えて、混合溶液を、室温にて終夜攪拌した。混合溶液を、EtOAcで希釈して、飽和NaHCO
3水溶液で洗った。相分離は生じなかったため、この混合溶液を濾過して、固体を集めて、水およびEtOAcで順に洗い、MeOHで磨砕して、乾燥させた。EtOAc−水の濾液を、分離して、有機相をブラインで洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、MeOHで磨砕して、この得られる固体を、最初の固体と合わせて、エチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−6−メチル−9H−カルバゾール−2−カルボキシレート(1.27g,91%収率)をオフホワイトの固体として得た。質量スペクトル m/z 375,377(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 11.88(s,1H),8.77(d,J=8.6 Hz,1H),8.48(d,J=0.9 Hz,1H),8.20(br. s.,1H),7.84(dd,J=8.5,1.4 Hz,1H),7.59(br. s.,1H),4.37(q,J=7.0 Hz,2H),2.55(s,3H)および1.37(t,J=7.0 Hz,3H).
【0339】
中間体28:
THF(12mL)中のエチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−6−メチル−9H−カルバゾール−2−カルボキシレート(0.500g,1.33mmol)の溶液を、エーテル(2.50mL,4.00mmol)中で1.6M メチルリチウムを用いて、−78℃で10分間かけて滴加処理した。混合溶液を、−78℃で30分間攪拌して、次いで追加のメチルリチウム溶液(1.67mL,2.67mmol)で処理した。30分以上、追加のメチルリチウム溶液(1.67mL,2.67mmol)を加えて、攪拌を45分間継続させた。次いで、混合溶液を、飽和NH
4Cl水溶液で処理して、室温に昇温させた。混合溶液を、EtOAcで希釈して、水およびブラインで順に洗った。水層をEtOAcで抽出して、有機層を合わせて、乾燥させて、濃縮して、オフホワイトの固体を得た。固体を磨砕して、MeOHで超音波処理して、濾取した。濾液を、逆相分取HPLCにより精製した。適切な画分を、飽和NaHCO
3水溶液で処理して、濃縮した。残留物を、EtOAcと水との層間に分配した。有機相を、ブラインで洗い、この水層をEtOAcで抽出した。有機層を合わせて、乾燥させて、濃縮して、残留物を、最初の固体と合わせて、4−ブロモ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−3−メチル−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(0.409g,85%収率)を褐色の固体として得た。質量スペクトル m/z 343,345(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 11.42(s,1H),8.56(d,J=8.6 Hz,1H),8.12(br. s.,1H),7.91-7.89(m,2H),7.48(br. s.,1H),7.36(dd,J=8.3,1.7 Hz,1H),5.06(s,1H),2.53(s,3H)および1.51(s,6H).
【0340】
中間体29
5−ブロモ−6−クロロ−2−(RS)−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド(ラセミ体混合物)
【化131】
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中間体29A:4−ブロモ−5−クロロ−2−ヒドラジニル安息香酸 塩酸塩
【化132】
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硝酸ナトリウム(3.03g,43.9mmol)/水(14.8mL)の溶液を、2−アミノ−4−ブロモ−5−クロロ安息香酸(10.0g,39.9mmol)/37%HCl水溶液(39.9mL)および水(13.3mL)の冷却した懸濁液(−10℃,NaCl−氷浴)に、温度が0℃を超えないような速度で滴加した。得られる懸濁液を、0℃で15分間攪拌して、次いで塩化錫(II)水和物(22.7g,120mmol)/37%HCl水溶液(17mL)の溶液で処理した。得られる混合溶液を、室温まで昇温させて、60分間攪拌した。沈殿物を、濾過により回収して、水で洗い、終夜風乾させて、4−ブロモ−5−クロロ−2−ヒドラジン安息香酸塩酸塩(12.86g,96%収率)をオフホワイトの固体として得た。質量スペクトル m/z 365,267(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 9.05(br. s.,1H),7.95(s,1H),7.55(s,1H).
【0341】
中間体29B:5−ブロモ−6−クロロ−2−(エトキシカルボニル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボン酸
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
トルエン(188mL)中の4−ブロモ−5−クロロ−2−ヒドラジン安息香酸 塩酸塩(12.89g,37.6mmol)、エチル 3−オキソシクロヘキサンカルボキシレート(7.03g,41.3mmol)および酢酸(6.45mL,113mmol)の懸濁液を、105℃で終夜加熱した。16時間後に、さらに酢酸(6mL)およびエチル 3−オキソシクロヘキサンカルボキシレート(2.00g)を加えて、混合溶液を、110℃で4.5時間加熱した。混合溶液を、濃縮して、残留物を、トルエン(100mL)およびTFA(20mL)と共に合わせた。懸濁液を、90℃で終夜攪拌した。混合溶液を冷却して、濃縮して、残留物を、EtOAcに懸濁した。得られる固体を、濾取して、EtOAcで洗い、風乾させて、5−ブロモ−6−クロロ−2−(エトキシカルボニル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボン酸(11.0g,73%収率)を黄色の固体として得た。質量スペクトル m/z 400,402(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 13.44(br. s.,1H),11.24(s,1H),7.69(s,1H),4.12(qd,J=7.1,2.3 Hz,2H),3.23-2.81(m,5H),2.23-2.09(m,1H),1.91-1.75(m,1H),1.22(t,J=7.0 Hz,3H).
【0342】
中間体29C:エチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−6−クロロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−2−カルボキシレート
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
中間体24Dを製造するために使用した方法の後に、5−ブロモ−6−クロロ−2−(エトキシカルボニル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボン酸を、淡褐色固体のエチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−6−クロロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−2−カルボキシレート(8.54g,78%収率)に変換させた。質量スペクトル m/z 399,401(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 13.44(br. s.,1H),11.24(s,1H),7.69(s,1H),4.12(qd,J=7.1,2.3 Hz,2H),3.23-2.81(m,5H),2.23-2.09(m,1H),1.91-1.75(m,1H),1.22(t,J=7.0 Hz,3H).
【0343】
中間体29:
THF(200mL)中のエチル 5−ブロモ−8−カルバモイル−6−クロロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−2−カルボキシレート(7.03g,17.6mmol)の溶液を、ドライアイス−アセトン浴において冷却して、1.6M メチルリチウム/THF(66.0mL,106mmol)を少量ずつ用いて40分間かけて処理した。60分間後に、混合溶液を、−78℃で、飽和NH
4Cl水溶液を用いて、10分間室温へ温めながら攪拌した。混合溶液を、DCMで3回抽出して、有機相を合わせて、水およびブラインで順に洗い、乾燥し、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(0〜100%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(120g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、5−ブロモ−6−クロロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド(4.66g)を黄色の固体として得た。質量スペクトル m/z 385,387(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 11.08(s,1H),8.13(br. s.,1H),7.76(s,1H),7.50(br. s.,1H),3.28(d,J=5.5 Hz,1H),2.94(dd,J=17.1,4.7 Hz,1H),2.79-2.66(m,1H),2.49-2.39(m,1H),2.14(d,J=9.5 Hz,1H),1.66(td,J=11.4,4.1 Hz,1H),1.33(qd,J=12.4,5.2 Hz,1H),1.15(s,6H).
【0344】
中間体30および31
(R)−5−ブロモ−6−クロロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド(I−30)、および
(S)−5−ブロモ−6−クロロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド(I−31)
【化135】
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ラセミ体の5−ブロモ−6−クロロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド[中間体29](2.35g)の試料を、下記のとおりにキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) IA(3 x 25 cm,5μm);移動相:CO
2−MeOH(50:50),124mL/分,100バール,45℃にて;試料調整:MeOH−DMSO(4:1)中の39mg/mL;注入量:2.33mL。カラムから溶出する第1のピークにより、(R)異性体の(R)−5−ブロモ−6−クロロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド[中間体30](1.15g)を黄色の固体として得た。質量スペクトル m/z 385,387(M+H)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 11.07(s,1H),8.12(br. s.,1H),7.75(s,1H),7.57-7.45(m,1H),4.23(s,1H),3.27(d,J=4.7 Hz,1H),2.93(dd,J=17.2,4.7 Hz,1H),2.78-2.67(m,1H),2.48-2.39(m,1H),2.16-2.08(m,1H),1.69-1.59(m,1H),1.37-1.26(m,1H),1.14(s,6H).
【0345】
このカラムから溶出する第2のピークにより、(S)異性体の(S)−5−ブロモ−6−クロロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド[中間体31](0.92g)を、オフホワイトの固体として得た。質量スペクトル m/z 385,387(M+H)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 11.06(s,1H),8.12(br. s.,1H),7.74(s,1H),7.49(br. s.,1H),4.23(s,1H),3.27(d,J=5.0 Hz,1H),2.93(dd,J=17.1,4.6 Hz,1H),2.72(t,J=11.8 Hz,1H),2.48-2.37(m,1H),2.12(d,J=9.2 Hz,1H),1.69-1.59(m,1H),1.38-1.24(m,1H),1.14(s,6H).
【0346】
中間体30の化合物を、過剰量の1,2−ジクロロエタン/EtOAc/酢酸中に溶解させて、室温にて溶媒をゆっくりと蒸発させて、二酢酸溶媒和物を得ることにより製造した結晶の単結晶X線解析により、中間体30の絶対配置を確認した。単位格子定数:a=11.690(2)Å,b=7.0901(9)Å,c=14.427(3)Å,α=90°,β=110.607(5)°,γ=90°;体積=1119.2(3)Å
3;体積/単位格子中の分子数=560Å
3;空間群:P2
1;中間体30の分子数/非対称ユニット(Z'):1;密度,calc g−cm
−3:1.501。室温での分率原子座標を表8に示し、構造図を
図1に示す。
【表9】
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【0347】
中間体32
5−メトキシ−2−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン
【化136】
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中間体32A:エチル 2−(3−メトキシピリジン−2−イル)アセテート
【化137】
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0℃でTHF(2mL)中のジイソプロピルアミン(0.385mL,2.70mmol)の攪拌溶液を、1.6M n−ブチルリチウム/ヘキサン(1.69mL,2.70mmol)を用いてゆっくりと処理した。混合溶液を、15分間攪拌して、次いで5分間かけてTHF(5mL)中の3−メトキシ−2−ピコリン(0.133g,1.08mmol)および炭酸ジエチル(0.262mL,2.16mmol)の攪拌溶液に−78℃で加えた。45分以上の攪拌した後に、冷却浴を外して、攪拌を、終夜室温にて継続させた。混合溶液を、飽和NH
4Cl水溶液で処理して、EtOAcで希釈した。有機相を、分離して、飽和NaHCO
3水溶液およびブラインで順に洗い、乾燥し、濃縮した。残留物を、50%EtOAc−ヘキサンで溶出するシリカゲル(12g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、エチル 2−(3−メトキシピリジン−2−イル)アセテート(0.17g,81%収率)を油状物として得た。質量スペクトル m/z 196(M+H)
+.
【0348】
中間体32B:ナトリウム 2−(3−メトキシピリジン−2−イル)アセテート
【化138】
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室温にて、THF(2.5mL)中のエチル2−(3−メトキシピリジン−2−イル)アセテート(0.17g,0.871mmol)の攪拌した溶液を、3M NaOH水溶液(0.581mL,1.74mmol)で処理した。7時間後に、混合溶液を、濃縮して、THFを除去して、水性残留物を、ドライアイスで凍結させて、凍結乾燥して、ナトリウム 2−(3−メトキシピリジン−2−イル)アセテートを白色固体として得た。定量的収率を算定し、物質を更なる精製をせずに使用した。質量スペクトル m/z 168(M+H)
+.
【0349】
中間体32C:N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−2−(3−メトキシピリジン−2−イル)アセトアミド
【化139】
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DMF(4.0mL)中のナトリウム 2−(3−メトキシピリジン−2−イル)アセテート(0.166g,0.871mmol)、3−ブロモ−2−メチルアニリン(0.118mL,0.958mmol)、DIEA(0.608mL,3.48mmol)およびHATU(0.397g,1.05mmol)の混合溶液を、室温にて攪拌した。1時間後に、混合溶液をEtOAcで希釈して、10%LiCl水溶液、次いでブラインで2回洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−2−(3−メトキシピリジン−2−イル)アセトアミド(0.213g,73%収率)を淡黄色固体として得た。質量スペクトル m/z 335,337(M+H)
+.
【0350】
中間体32D:2−(3−メトキシピリジン−2−イル)−N−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)アセトアミド
【化140】
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DMSO(7mL)およびジオキサン(35mL)中のN−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−2−(3−メトキシピリジン−2−イル)アセトアミド(4.00g,11.9mmol)および4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(3.48g,13.7mmol)の混合溶液を、アルゴンにて5分間バブリングして、次いで酢酸カリウム(2.93g,29.8mmol)で処理した。バブリングを、2分間継続させて、次いで混合溶液を、PdCl
2(dppf)DCM付加物(0.487g,0.597mmol)で処理した。反応容器を密封して、90℃で終夜加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、水およびブラインで順に洗った。水層を合わせて、EtOAcで抽出して、有機層を合わせて、乾燥させて、濃縮した。残留物を、60%EtOAc−ヘキサンを用いてシリカゲルプラグを通して濾過して、濾液を濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサンを用いて溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2−(3−メトキシピリジン−2−イル)−N−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)アセトアミド(5.1g,82%収率)を褐色の固体として得た。
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 9.65(br. s.,1H),8.20(dd,J=4.3,1.7 Hz,1H),8.14(d,J=8.1 Hz,1H),7.54(d,J=7.3 Hz,1H),7.24-7.17(m,3H),4.01(s,2H),3.88(s,3H),2.45(s,3H),1.35(s,12H).
【0351】
中間体32:
トルエン(19mL)中の2−(3−メトキシピリジン−2−イル)−N−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)アセトアミド(1.45g,3.78mmol)およびCDI(2.45g,15.1mmol)の混合溶液を、110℃で3時間加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcと水との層間に分配した。有機層を、水およびブラインで順に洗った。乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサンを用いて溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、5−メトキシ−2−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン(0.571g,37%収率)を黄色の固体として得た。質量スペクトル m/z 409(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 7.96(d,J=7.0 Hz,1H),7.91(dd,J=7.4,1.2 Hz,1H),7.33(t,J=7.6 Hz,1H),7.22(dd,J=7.8,1.2 Hz,1H),6.39-6.30(m,2H),6.24(s,1H),3.93(s,3H),2.34(s,3H),1.34(s,12H).
【0352】
中間体33
5−クロロ−2−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン(ラセミ体混合物)
【化141】
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中間体33A:ジエチル 2−(3−クロロピリジン−2−イル)マロネート
【化142】
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DMSO(42mL)中の3−クロロ−2−フルオロピリジン(5.00g,38.0mmol)、ジエチルマロネート(14.6g,91mmol)およびCs
2CO
3(29.7g,91mmol)の混合溶液を、100℃で7時間加熱した。室温にて終夜攪拌後に、混合溶液をEtOAcで希釈して、水、次いでブラインで2回洗った。水層を合わせて、EtOAcで抽出して、有機相を合わせて、乾燥させて、濃縮して、粗製ジエチル2−(3−クロロピリジン−2−イル)マロネートを無色油状物として得て、これを更なる精製をせずに使用した。質量スペクトル m/z 272(M+H)
+.
【0353】
中間体33B:エチル 2−(3−クロロピリジン−2−イル)アセテート
【化143】
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DMSO(40mL)中のジエチル 2−(3−クロロピリジン−2−イル)マロネート(10.32g,38mmol)、塩化ナトリウム(5.55g,95mmol)および水(3.42mL,190mmol)の混合溶液を、145℃で/8時間加熱した。混合溶液を、室温に冷却して、EtOAcで希釈して、水、その後ブラインで2回洗った。有機相を乾燥させて、濃縮して、粗エチル 2−(3−クロロピリジン−2−イル)アセテートを得て、さらなる精製をせずに使用した。質量スペクトル m/z 200(M+H)
+.
【0354】
中間体33C:ナトリウム 2−(3−クロロピリジン−2−イル)アセテート
【化144】
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THF(76mL)中のエチル 2−(3−クロロピリジン−2−イル)アセテート(7.59g,38mmol)の溶液を、室温にて、3M NaOH水溶液(25.3mL,76mmol)を用いて処理した。混合溶液を、室温にて終夜攪拌して、濃縮して、THFを除去した。水性残留物を、ドライアイスで凍結させて、凍結乾燥して、ナトリウム 2−(3−クロロピリジン−2−イル)アセテートをオフホワイトの固体として得て、これをさらなる精製をせずに使用した。質量スペクトル m/z 172(M+H)
+.
【0355】
中間体33D:N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−2−(3−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド
【化145】
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DMF(127mL)中のナトリウム 2−(3−クロロピリジン−2−イル)アセテート(7.39g,38mmol)、3−ブロモ−2−メチルアニリン(4.7mL,38.4mmol)、DIEA(13.3mL,76mmol)およびHATU(14.6g,38.4mmol)の混合溶液を室温にて攪拌した。90分後に、混合溶液を、EtOAcで希釈して、10%LiClで2回洗い、次いでブラインで洗った。水層を合わせて、EtOAcで抽出して、有機相を合わせて、乾燥させて、少量になるまで濃縮した。先のバッチからの結晶を種晶として用いて、溶液を終夜置いて、沈殿物を得て、これを濾取して、50%EtOAc−ヘキサンを用いて洗い、白色固体を得た。濾液を濃縮して、同様に3度再結晶化して、追加の固体を得た。固体を合わせて、N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−2−(3−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド(11.43g,89%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 339,341(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 9.76(br. s.,1H),8.52(d,J=3.5 Hz,1H),7.92(d,J=7.9 Hz,1H),7.80(dd,J=8.1,1.1 Hz,1H),7.36(d,J=7.9 Hz,1H),7.32-7.23(m,1H),7.06(t,J=8.0 Hz,1H),4.16(s,2H),2.39(s,3H).
【0356】
中間体33E:2−(3−クロロピリジン−2−イル)−N−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)アセトアミド
【化146】
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DMSO(5mL)およびジオキサン(25mL)中のN−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−2−(3−クロロピリジン−2−イル)アセトアミド(4.0g,11.78mmol)および4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(3.29g,12.96mmol)の混合溶液を、アルゴンを用いて7分間バブリングして、その後酢酸カリウム(2.89g,29.4mmol)を加えた。アルゴンのバブリングを、7分間続けて、この後にPdCl
2(dppf)DCM付加物(0.481g,0.589mmol)を加えた。混合溶液を、90℃で7時間加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、CELITE(登録商標)を通して濾過した。濾液を、水およびブラインで順に洗った。水層を合わせて、EtOAcで抽出して、有機相を合わせて、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAcから再結晶化して、白色固体を得た。母液を濃縮して、残留物を、EtOAcから再結晶化した。2つの固体を合わせて、2−(3−クロロピリジン−2−イル)−N−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)アセトアミド(3.88g,85%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 387(M+H)
+.
【0357】
中間体33:
トルエン(2mL)中の2−(3−クロロピリジン−2−イル)−N−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)アセトアミド(0.192g,0.497mmol)およびCDI(0.322g,1.986mmol)の混合溶液を、110℃で加熱した。5時間後に、混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、水およびブラインで順に洗った。水層を合わせて、EtOAcで抽出して、有機相を合わせて、乾燥させて、濃縮した。残留物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製した。EtOAc−ヘキサンを用いて溶出して、ラセミ体5−クロロ−2−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン(0.133g,65%収率)を黄褐色固体として得た。質量スペクトル m/z 413(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 8.26(dt,J=7.6,0.9 Hz,1H),7.94(dd,J=7.5,1.3 Hz,1H),7.36(t,J=7.6 Hz,1H),7.27-7.18(m,2H),6.36(t,J=7.3 Hz,1H),6.31(s,1H),1.57(s,3H),1.36(s,12H).
【0358】
中間体34および35
5−クロロ−2−(R)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン(I−34)、および
5−クロロ−2−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン(I−35)
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
ラセミ体5−クロロ−2−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン[中間体33]の試料を、下記に従いキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:WHELK-O(登録商標) R,R(3 x 25 cm,5μm);移動相:200mL/分でCO
2−MeOH(55:45),100バール,35℃;試料調整:MeCN−DCM(1:4)中で96mg/mL;注入量:5mL。カラムから溶出する第1のピークにより、5−クロロ−2−(R)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン[中間体34]を得た。このカラムから溶出する第2のピークにより、5−クロロ−2−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン[中間体35]を得た。各エナンチオマーのアトロプ異性体に対する質量スペクトルおよび
1H NMRは、中間体33についての方法と同じであった。
【0359】
別法として、ラセミ体5−クロロ−2−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン[中間体33]の試料を、下記に従いキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:WHELK-O(登録商標) R,R(3 x 25 cm,5μm);移動相:200mL/分でCO
2−CH
3CN(55:45),100バール,35℃;試料調整:MeCN−DCM(1:4)中で96mg/mL;注入量:5mL。カラムから溶出する第1のピークにより、5−クロロ−2−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン[中間体35]を得た。この物質を、THFに溶解して、ヘキサンで希釈して、沈殿物を濾取することにより更に精製できる。
【0360】
中間体35の絶対配置を、化合物を過剰アセトンに溶解して、室温にて溶媒をゆっくりと蒸発させて製造した結晶の単結晶X線解析により確認した。単位格子定数:a=19.6161(8)Å,b=9.1411(4)Å,c=12.7541(6)Å,α=90°,β=113.165(2)°,γ=90°;空間群:C2;中間体35の分子数/非対称ユニット(Z'):1;密度,calc g−cm
−3:1.304。室温での分率原子座標を表9に示し、構造図を
図2に示す。
【0361】
【表10】
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【0362】
中間体36
6−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−5H−チアゾロ[3,2−c]ピリミジン−5,7(6H)−ジオン
【化148】
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中間体36A:N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−2−(チアゾール−2−イル)アセトアミド
【化149】
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DMF(15mL)中の3−ブロモ−2−メチルアニリン(0.764mL,6.20mmol)、1,3−チアゾール−2−イル酢酸(0.74g,5.17mmol)およびDIEA(1.63mL,9.30mmol)の混合溶液を、HATU(2.36g,6.20mmol)で処理した。終夜攪拌した後に、混合溶液をEtOAcで希釈して、洗い、10%LiCl水溶液、その後ブラインを用いて2回洗い、水層を合わせて、EtOAcで抽出した。有機層を合わせて、乾燥させて、濃縮して、残留物を、EtOAc−ヘキサンを用いて溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−2−(チアゾール−2−イル)アセトアミド(0.681g,42%収率)を白色固体として得た。
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 9.84-9.65(m,1H),7.91(d,J=7.9 Hz,1H),7.84(d,J=3.3 Hz,1H),7.42-7.35(m,2H),7.07(t,J=8.0 Hz,1H),4.18(s,2H),2.38(s,3H).
【0363】
中間体36B:N−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−2−(チアゾール−2−イル)アセトアミド
【化150】
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DMSO(1.6mL)およびジオキサン(8mL)中のN−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−2−(チアゾール−2−イル)アセトアミド(0.53g,1.70mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(0.476g,1.87mmol)および酢酸カリウム(0.418g,4.26mmol)の混合溶液を、5分間窒素にてバブリングして、PdCl
2(dppf)DCM付加物(0.070g,0.085mmol)を加えた。窒素で更に5分間バブリングした後に、混合溶液を、90℃で7時間加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、CELITE(登録商標)を通して濾過した。濾液を、水およびブラインで順に洗い、乾燥して、濃縮した。残留物を、50%EtOAc−ヘキサンにより溶出するシリカゲル(40g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、N−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−2−(チアゾール−2−イル)アセトアミド(0.45g,74%収率)を、オフホワイトの固体として得た。質量スペクトル m/z 359(M+H)
+.
【0364】
中間体36:
トルエン(6.5mL)中のN−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−2−(チアゾール−2−イル)アセトアミド(0.45g,1.26mmol)およびCDI(0.815g,5.02mmol)の混合溶液を、110℃で2時間加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcおよび水との層間に分配した。有機層を、ブラインで洗い、水層を合わせて、EtOAcで抽出した。有機層を合わせて、乾燥させて、濃縮した。残留物を、70%EtOAc−ヘキサンで溶出するシリカゲル(40g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、わずかに不純物を含む6−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−5H−チアゾロ[3,2−c]ピリミジン−5,7(6H)−ジオンを、褐色固体(34%収率)として得た。この物質を、更なる精製なしに使用した。質量スペクトル m/z 385(M+H)
+.
【0365】
中間体37
ラセミ体の5−フルオロ−2−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン
【化151】
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中間体37A:ジエチル 2−(3−フルオロピリジン−2−イル)マロネート
【化152】
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DMSO(19mL)中の2,3−ジフルオロピリジン(2.00g,17.4mmol)、Cs
2CO
3(13.59g,41.7mmol)およびジエチルマロネート(6.68g,41.7mmol)の混合溶液を、100℃で4.5時間加熱した。混合溶液を、氷上に注ぎ、EtOAcで希釈して、有機相を分離して、水およびブラインで順に洗い、乾燥し、濃縮した。残留物を、シリカゲル(80g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、EtOAc−ヘキサンで溶出して(順に10%、20%および30%)、ジエチル 2−(3−フルオロピリジン−2−イル)マロネート(2.68g,60%収率)を淡く色づいた油状物として得た。
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 8.42(dt,J=4.6,1.3 Hz,1H),7.43(ddd,J=9.4,8.3,1.4 Hz,1H),7.30(dt,J=8.5,4.3 Hz,1H),5.09(d,J=1.1 Hz,1H),4.30(q,J=7.0 Hz,4H),1.33-1.26(m,6H).
【0366】
中間体37B:エチル 2−(3−フルオロピリジン−2−イル)アセテート
【化153】
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DMSO(15mL)中のジエチル 2−(3−フルオロピリジン−2−イル)マロネート(2.68g,10.5mmol)、塩化ナトリウム(0.675g,11.6mmol)および水(0.378mL,21.0mmol)の混合溶液を、145℃で4.5時間加熱した。混合溶液を、冷却して、EtOAcで希釈して、水およびブラインで順に洗った。有機相を乾燥させて、濃縮して、エチル 2−(3−フルオロピリジン−2−イル)アセテートを淡く色づいた油状物(1.90g,99%収率)として得て、これを更なる精製なしに使用した。質量スペクトル m/z 184(M+H)
+.
【0367】
中間体37C:ナトリウム 2−(3−フルオロピリジン−2−イル)アセテート
【化154】
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THF(26mL)中のエチル 2−(3−フルオロピリジン−2−イル)アセテート(1.90g,10.4mmol)の攪拌した溶液を、3M NaOH水溶液(6.9mL,20.7mmol)で処理して、室温にて終夜攪拌した。混合溶液を、濃縮して、THFを除去して、残留する水溶液を凍結させて、凍結乾燥させて、ナトリウム 2−(3−フルオロピリジン−2−イル)アセテート(推定100%収率)を白色固体として得て、これを更なる精製なしに使用した。質量スペクトル m/z 156(M+H)
+.
【0368】
中間体37D:N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−2−(3−フルオロピリジン−2−イル)アセトアミド
【化155】
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DMF(30mL)中のナトリウム 2−(3−フルオロピリジン−2−イル)アセテート(1.847g,10.37mmol)、3−ブロモ−2−メチルアニリン(1.41mL,11.4mmol)、DIEA(5.4mL,31.1mmol)およびHATU(4.73g,12.4mmol)の混合溶液を、室温にて1.25時間攪拌した。混合溶液を、EtOAcで希釈して、10%LiCl水溶液、次いでブラインで2回洗った。水層を合わせて、EtOAcで抽出して、有機相を合わせて、乾燥させて、濃縮した。残留物を、熱EtOAcに溶解して、冷却させて、得られる白色固体を濾取して、60%EtOAc−ヘキサンで洗った。濾液を合わせて、濃縮して、残留物を、同じ方法を用いて2回再結晶化させた。最終の濾液の濃縮による残留物を、EtOAc−ヘキサンを用いて溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、固体を得て、これを再結晶化したバッチと合わせて、N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−2−(3−フルオロピリジン−2−イル)アセトアミド(2.03g,61%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 323,325(M+H)
+.
【0369】
中間体37E:2−(3−フルオロピリジン−2−イル)−N−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)アセトアミド
【化156】
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ジオキサン(40mL)中のN−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−2−(3−フルオロピリジン−2−イル)アセトアミド(4.20g,13.6mmol)および4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(3.80g,14.9mmol)の混合溶液を、窒素で10分間バブリングさせた。酢酸カリウム(3.33g,34.0mmol)を、混合溶液に加えて、バブリングを、更に5分間継続させて、PdCl
2(dppf)DCM付加物(0.555g,0.679mmol)を加えた。混合溶液を、100℃で終夜加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、水およびブラインで順に洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、DCM−メチル t−ブチルエーテルを用いて溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2−(3−フルオロピリジン−2−イル)−N−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)アセトアミド(3.80g,76%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 371(M+H)
+.
【0370】
中間体37:
トルエン(97mL)中の2−(3−フルオロピリジン−2−イル)−N−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)アセトアミド(9.01g,24.3mmol)およびCDI(15.78g,97mmol)の混合溶液を、120℃で7時間加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、水およびブラインで順に洗った。水層を合わせて、EtOAcで抽出した有機相を合わせて、乾燥させて、濃縮した。残留物を、シリカゲル(220g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、EtOAc−ヘキサン(20〜100%のグラジエント)で溶出する5−フルオロ−2−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン(6.26g,65%収率)を黄色の固体として得た。質量スペクトル m/z 397(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 8.11(dd,J=7.6,0.8 Hz,1H),7.94(dd,J=7.5,1.3 Hz,1H),7.35(t,J=7.5 Hz,1H),7.23(dd,J=7.8,1.4 Hz,1H),6.85-6.76(m,1H),6.35(td,J=7.4,5.0 Hz,1H),6.09(s,1H),2.36(s,3H),1.36(s,12H).
【0371】
中間体38および39
5−フルオロ−2−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン(1つのアトロプ異性体)
【化157】
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ラセミ体5−フルオロ−2−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン[中間体37](7.5g)の試料を、下記のとおりにキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALCEL(登録商標)OD-H(5x 25 cm,5μm);移動相:280mL/分にてCO
2−MeOH(76:24),100バール,40℃;試料調整:62.5mg/mL DCM−MeOH(1:1)中で;注入量:0.83mL。カラムから溶出する第1のピークにより、5−フルオロ−2−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン[中間体38](3.2g,キラル純度99.3%)の単一のアトロプ異性体を黄色の固体として得た。このカラムから溶出する第2のピークにより、5−フルオロ−2−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン[中間体39](2.98g,キラル純度98.6%)の別のアトロプ異性体を黄色の固体として得た。双方のエナンチオマーに対して質量スペクトルおよび
1H NMRは、中間体37についてのものと同じであった。
【0372】
中間体40
(Z)−4−((2−クロロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)イミノ)−1−メチル−1H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2(4H)−オン
【化158】
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中間体40A:N−(3−ブロモ−2−クロロフェニル)−2−(メチルアミノ)ベンズアミド
【化159】
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3−ブロモ−2−クロロアニリン[米国特許第8,242,260号に記述した方法に従って製造した](240mg,1.162mmol)およびトルエン(10mL)の混合溶液を、0℃で、トルエン(0.99mL,1.98mmol)中の2M トリメチルアルミニウムでゆっくりと処理した。混合溶液を、室温まで昇温させて、15分間攪拌した。1−メチル−1H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2,4−ジオン(300mg,1.52mmol)/トルエン(4mL)中の部分的に懸濁した溶液を、ゆっくりと加えた。得られる混合溶液を、50℃で4時間加熱して、0℃に冷却して、ガスの発生が観察されなくなるまで1M HCl水溶液を滴加処理した。混合溶液を、室温へ温めながら2時間攪拌して、次いでEtOAcで抽出した。有機相を、NaHCO
3およびブラインで順に洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(0〜30%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(80g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、N−(3−ブロモ−2−クロロフェニル)−2−(メチルアミノ)ベンズアミド(110mg,28%収率)を黄色の固体として得た。質量スペクトル m/z 339,341(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 10.00(s,1H),7.78(dd,J=7.9,1.5 Hz,1H),7.67(dd,J=8.1,1.5 Hz,1H),7.57(dd,J=8.0,1.4 Hz,1H),7.53(d,J=1.3 Hz,1H),7.38(ddd,J=8.4,7.1,1.4 Hz,1H),7.32(t,J=8.0 Hz,1H),6.70(d,J=8.4 Hz,1H),6.68-6.61(m,1H),2.79(d,J=5.1 Hz,3H).
【0373】
中間体40B:(Z)−4−((3−ブロモ−2−クロロフェニル)イミノ)−1−メチル−1H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2(4H)−オン
【化160】
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THF(15mL)中のN−(3−ブロモ−2−クロロフェニル)−2−(メチルアミノ)ベンズアミド(150mg,0.442mmol)の溶液を、0℃に冷却して、トリホスゲン(197mg,0.663mmol)で処理した。混合溶液を室温にて1時間攪拌して、次いで0℃に冷却して、ガスの発生が止むまで水で処理した。混合溶液を、濃縮して、残留物を、EtOAcに溶解して、飽和NaHCO
3水溶液、水およびブラインを用いて順に洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(0〜50%のグラジエント)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、(Z)−4−((3−ブロモ−2−クロロフェニル)イミノ)−1−メチル−1H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2(4H)−オン(130mg,81%収率)を、肌色の固体として得た。
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 8.33(dd,J=7.8,1.4 Hz,1H),7.72-7.61(m,1H),7.41(dd,J=7.9,1.5 Hz,1H),7.36-7.28(m,1H),7.16-7.08(m,2H),7.07-7.01(m,1H),3.55(s,3H).
【0374】
中間体40:
ジオキサン(4mL)中の(Z)−4−((3−ブロモ−2−クロロフェニル)イミノ)−1−メチル−1H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2(4H)−オン(130mg,0.356mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(117mg,0.462mmol)および酢酸カリウム(87mg,0.889mmol)の混合溶液を、10分間窒素バブリングした。混合溶液を、PdCl
2(dppf)DCM付加物(14.5mg,0.018mmol)で処理して、90℃で終夜加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcおよび水との層間に分配した。有機相を乾燥させて、濃縮して、残留物を、EtOAc−ヘキサン(0〜50%のグラジエント)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、(Z)−4−((2−クロロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)イミノ)−1−メチル−1H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2(4H)−オン(120mg,82%収率)を黄色の固体として得た。質量スペクトル m/z 413(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 8.40-8.30(m,1H),7.67-7.58(m,1H),7.48-7.44(m,1H),7.27(s,4H),7.16-7.07(m,2H),3.55-3.47(m,3H),1.40-1.37(m,12H).
【0375】
中間体41
3−(2−クロロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−8−フルオロ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
中間体41A:2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−クロロフェニル)−3−フルオロベンズアミド
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
3−ブロモ−2−クロロアニリン[米国特許第8,242,260号に記述した方法に従って製造した](600mg,2.91mmol)およびトルエン(10mL)の混合溶液を、0℃に冷却して、2M トリメチルアルミニウム/トルエン(2.47mL,4.94mmol)を用いてゆっくりと処理した。混合溶液を、室温まで昇温させて、15分間攪拌した。混合溶液を、8−フルオロ−1H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2,4−ジオン(684mg,3.78mmol)で処理して、50℃で16時間加熱した。混合溶液を、0℃に冷却して、ガスの発生が止むまで、1M HCl水溶液を滴加して処理し、室温まで2時間昇温させた。混合溶液を、EtOAcで3回抽出した。有機相を合わせて、飽和NaHCO
3水溶液およびブラインで順に洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(0〜30%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(24g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2−アミノ−N−(3−ブロモ−2−クロロフェニル)−3−フルオロベンズアミド(350mg,35%収率)を淡黄色固体として得た。質量スペクトル m/z 343,345(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 8.46(dd,J=8.4,1.3 Hz,1H),8.42(br. s.,1H),7.43(dd,J=8.0,1.4 Hz,1H),7.34(d,J=8.1 Hz,1H),7.22(t,J=8.3 Hz,1H),7.15(ddd,J=11.0,8.0,1.2 Hz,1H),6.69(td,J=8.0,5.1 Hz,1H),5.72(br. s.,2H).
【0376】
中間体41B:3−(3−ブロモ−2−クロロフェニル)−8−フルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
トリホスゲン(453mg,1.53mmol)を、0℃で、THF(10mL)中のアミノ−N−(3−ブロモ−2−クロロフェニル)−3−フルオロベンズアミド(350mg,1.019mmol)の溶液に一度に加えた。混合溶液を室温にて1時間攪拌して、次いで0℃に冷却して、ガスの発生がもはや観察されなくなるまで水で処理した。混合溶液を、濃縮して、残留物を、EtOAcに溶解して、飽和NaHCO
3水溶液、水およびブラインで順に洗い、乾燥し、濃縮した。残留物を、シリカゲル(24g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、EtOAc−ヘキサン(0〜50%のグラジエント)で溶出する3−(3−ブロモ−2−クロロフェニル)−8−フルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(320mg,85%収率)を黄色の固体として得た。質量スペクトル m/z 369,371(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 8.54(br. s.,1H),7.97(d,J=8.1 Hz,1H),7.77(dd,J=6.8,2.6 Hz,1H),7.46(ddd,J=9.8,8.3,1.2 Hz,1H),7.36-7.29(m,2H),7.24(td,J=8.0,4.8 Hz,1H).
【0377】
中間体41C:3−(3−ブロモ−2−クロロフェニル)−8−フルオロ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化164】
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ヨードメタン(0.102mL,1.62mmol)を、3−(3−ブロモ−2−クロロフェニル)−8−フルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(300mg,0.812mmol)、DMF(5mL)およびCs
2CO
3(529mg,1.62mmol)の混合溶液にゆっくりと加えた。混合溶液を、室温にて2時間攪拌して、次いでEtOAcで希釈して、水およびブラインで順に洗い、乾燥し、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(0〜30%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(24g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−(3−ブロモ−2−クロロフェニル)−8−フルオロ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(280mg,90%収率)を黄色の固体として得た。質量スペクトル m/z 383,385(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 8.09(dq,J=7.8,0.8 Hz,1H),7.79-7.71(m,1H),7.49(ddd,J=13.9,8.1,1.5 Hz,1H),7.32-7.29(m,2H),7.29-7.22(m,2H),3.88(s,1.5 H),3.86(s,1.5H).
【0378】
中間体41:
3−(3−ブロモ−2−クロロフェニル)−8−フルオロ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(150mg,0.391mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(129mg,0.508mmol)、酢酸カリウム(96mg,0.978mmol)およびジオキサン(8mL)の混合溶液を、窒素で10分間バブリングして、PdCl
2(dppf)DCM付加物(16mg,0.020mmol)で処理した。混合溶液を、90℃で16時間加熱して、冷却して、EtOAcと水との層間に分配した。有機相を乾燥させて、濃縮して、残留物を、EtOAc−ヘキサン(0〜50%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(12g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−(2−クロロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−8−フルオロ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(52mg,31%収率)を白灰色のガラス様固体として得る。質量スペクトル m/z 431(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 8.14-8.05(m,1H),7.90-7.82(m,1H),7.51-7.35(m,3H),7.26-7.19(m,1H),3.86(d,J=8.1 Hz,3H),1.36(s,12H).
【0379】
中間体42
3−(2−クロロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−8−フルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化165】
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ジオキサン(8mL)中の3−(3−ブロモ−2−クロロフェニル)−8−フルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体41B](990mg,2.68mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(884mg,3.48mmol)および酢酸カリウム(657mg,6.70mmol)の混合溶液を、窒素で10分間バブリングした。PdCl
2(dppf)DCM付加物(109mg,0.134mmol)を加えて、混合溶液を、90℃で終夜加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、濾過して、濾液を濃縮した。残留物を、MeOH−DCM(0〜5%のグラジエント)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−(2−クロロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−8−フルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(710mg,64%収率)を褐色固体として得た。質量スペクトル m/z 416(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 8.55-8.38(m,1H),8.06-7.93(m,1H),7.90-7.75(m,1H),7.51-7.38(m,3H),7.26-7.13(m,1H),1.26(br. s.,12H)
【0380】
中間体43
7−フルオロ−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化166】
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中間体8を製造するために用いた方法を使用して、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−7−フルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体15B]を、7−フルオロ−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオンに変換した。質量スペクトル m/z 397(M+H)
+.
【0381】
中間体44
1−(4−フルオロフェニル)−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化167】
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中間体44A:メチル 3−(4−メトキシベンジルアミノ)−2−(フェニルセラニル)プロパノエート
【化168】
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DCM(116mL)中のフェニルハイポブロモセレノイト(5.54g,23.5mmol)および塩化亜鉛(II)(1.27g,9.29mmol)の懸濁液を、メチルアクリレート(2.09mL,23.2mmol)で処理した。混合溶液を、室温で30分間攪拌して、(4−メトキシフェニル)メタンアミン(6.4mL,48.8mmol)で処理して、粘性懸濁液を形成させた。16時間攪拌した後に、混合溶液を濾過して、沈殿物を集めて、EtOAcで洗い、濾液を合わせて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(0〜50%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(120g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル 3−(4−メトキシベンジルアミノ)−2−(フェニルセラニル)プロパノエート(3.68g,42%収率)を淡褐色油として得た。質量スペクトル m/z 380(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 7.53-7.49(m,2H),7.39-7.28(m,3H),7.18(d,J=8.6 Hz,2H),6.88-6.82(m,2H),3.89(dd,J=8.8,5.9 Hz,1H),3.73(s,3H),3.61(s,2H),3.55(s,3H),2.93-2.78(m,2H).
【0382】
中間体44B:1−ブロモ−3−イソシアナト−2−メチルベンゼン
【化169】
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トリホスゲン(2.25g,7.58mmol)/トルエン(27mL)中の溶液を、氷水浴中で冷却して、トルエン(5.4mL)中の3−ブロモ−2−メチルアニリン(3.00g,16.1mmol)およびDIEA(5.6mL,32.2mmol)の溶液を用いてゆっくりと処理した。得られる懸濁液を、室温で2時間攪拌した。沈殿物を濾去して、EtOAcで洗った。濾液を合わせて、EtOAcで希釈して、ブラインで洗い、乾燥させて、濃縮して、1−ブロモ−3−イソシアナト−2−メチルベンゼン(3.68g,98%収率)を褐色油状物として得て、これを精製せずに用いた。
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 7.49(dd,J=8.1,0.9 Hz,1H),7.31(dd,J=7.9,0.7 Hz,1H),7.15(td,J=8.0,0.7 Hz,1H),2.38(s,3H).
【0383】
中間体44C:3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−1−(4−メトキシベンジル)−5−(フェニルセラニル)ジヒドロピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化170】
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DMF(49mL)中のメチル 3−((4−メトキシベンジル)アミノ)−2−(フェニルセラニル)プロパノエート(3.68g,9.73mmol)、1−ブロモ−3−イソシアナト−2−メチルベンゼン(2.27g,10.7mmol)およびK
2CO
3(0.672g,4.86mmol)の混合溶液を、65℃で5時間加熱した。混合溶液を冷却して、水とEtOAcとの層間に分配した。この有機相をブラインで洗い、乾燥させて、濃縮して、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−1−(4−メトキシベンジル)−5−(フェニルセラニル)ジヒドロピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(5.43g)を、淡褐色固体として、これを更なる精製をせずに使用した。質量スペクトル m/z 557,559,561(M+H)
+.
【0384】
中間体44D:3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−1−(4−メトキシベンジル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化171】
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THF(97mL)中の3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−1−(4−メトキシベンジル)−5−(フェニルセラニル)ジヒドロピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(5.43g,9.73mmol)の溶液を、30%過酸化水素水溶液(5.0mL,48.6mmol)で処理して、混合溶液を室温にて30分間攪拌した。水を加えて、混合溶液を、EtOAcで抽出した。有機相を、ブラインで洗浄して、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(25〜70%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(220g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−1−(4−メトキシベンジル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(2.10g,54%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 401,403(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 7.95(d,J=7.9 Hz,1H),7.70-7.65(m,1H),7.32-7.28(m,2H),7.25-7.22(m,2H),6.96-6.91(m,2H),5.86(d,J=7.9 Hz,1H),4.89(d,J=2.4 Hz,2H),3.74(s,3H),2.02(s,3H).
【0385】
中間体44E:3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化172】
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TFA(5.5mL)中の3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−1−(4−メトキシベンジル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(0.87g,2.17mmol)の溶液を、トリフルオロメタンスルホン酸(0.55mL)で処理して、混合溶液を、室温にて終夜攪拌した。混合溶液を、氷上にゆっくりと注ぎ入れて、室温へ温めながら攪拌した。沈殿物を、濾過により回収して、水で洗い、乾燥させて、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(0.62g,96%収率)を、紫色の固体として得た。質量スペクトル m/z 281,283(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 11.36(d,J=4.4 Hz,1H),7.67(dd,J=6.5,2.8 Hz,1H),7.60(dd,J=7.7,5.9 Hz,1H),7.27-7.21(m,2H),5.72(dd,J=7.7,1.3 Hz,1H),2.07(s,3H).
【0386】
中間体44F:3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−1−(4−フルオロフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【化173】
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乾燥DCM(25mL)中の酢酸銅(II)(0.543g,2.99mmol)、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(0.42g,1.49mmol)、(4−フルオロフェニル)ボロン酸(0.418g,2.99mmol)および活性化モレキュラーシーブ(750mg)の攪拌した懸濁液を、ピリジン(0.363mL,4.48mmol)で処理して、室温にて終夜攪拌した。混合溶液を、DCMで希釈して、CELITE(登録商標)を通して濾過して、この固体を、DCMおよびTHFで洗った。濾液を合わせて、水で洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(20〜40%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(40g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−1−(4−フルオロフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(0.36g,43%収率)を黄色のガラス様固体として得た。質量スペクトル m/z 375,377(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 7.91(d,J=7.9 Hz,1H),7.68(dd,J=7.9,1.3 Hz,1H),7.60-7.51(m,2H),7.40-7.22(m,4H),5.95(d,J=7.9 Hz,1H),2.21-2.12(m,3H).
【0387】
中間体44:
ジオキサン(4.4mL)中の3−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−1−(4−フルオロフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(250mg,0.666mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(186mg,0.733mmol)、酢酸カリウム(131mg,1.33mmol)およびPdCl
2(dppf)DCM付加物(16mg,0.020mmol)の混合溶液を、110℃で加熱した。3時間後に、追加のPdCl
2(dppf)DCM付加物を加えて、混合溶液を、110℃で6時間以上加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、CELITE(登録商標)をとおして濾過して、固体をEtOAcで洗った。濾液を合わせて、飽和NaHCO
3水溶液およびブラインで順に洗い、乾燥し、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(25〜100%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(24g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、純粋でない1−(4−フルオロフェニル)−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(217mg)を、黄色のガラス様固体として得て、これを更なる精製をせずに使用した。質量スペクトル m/z 423(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 7.90(d,J=7.9 Hz,1H),7.69(dd,J=7.0,1.8 Hz,1H),7.61-7.52(m,2H),7.40-7.26(m,4H),5.94(d,J=7.9 Hz,1H),2.24(s,3H),1.32(s,12H).
【0388】
中間体45
4−ブロモ−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシエチル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド
【化174】
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中間体45A:ジエチル 2−(3−オキソシクロヘキシル)マロネート
【化175】
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THF(30mL)中のシクロへキサン−2−エノン(3.05mL,30mmol)およびジエチルマロネート(4.58mL,30.0mmol)の溶液を、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(4.52mL,30.0mmol)で処理して、50℃で16時間加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcに注ぎいれて、1M HCl水溶液およびブラインで順に洗った。水層を合わせて、EtOAcで抽出して、有機相を合わせて、乾燥させて、濃縮して、ジエチル 2−(3−オキソシクロヘキシル)マロネート(8.0g)を油状物として得て、これを更なる精製をせずに使用した。質量スペクトル m/z 257(M+H)
+.
【0389】
中間体45B:5−ブロモ−2−(1,3−ジエトキシ−1,3−ジオキソプロパン−2−イル)−6−フルオロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボン酸
【化176】
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酢酸(120mL)中のジエチル 2−(3−オキソシクロヘキシル)マロネート(15.26g,59.5mmol)および4−ブロモ−5−フルオロ−2−ヒドラジン安息香酸塩酸塩[中間体24B](17.0g,59.5mmol)の溶液を、2時間還流加熱して、次いで室温にて終夜攪拌した。この形成した沈殿物を、濾取して、白色固体を得た。濾液を濃縮して、EtOAc−ヘキサン(0〜100%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(80g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製した。得られる油状生成物を、EtOAc、エーテルおよびヘキサンの混合溶液から結晶化して、追加の固体を得て、これを最初の固体と合わせて、5−ブロモ−2−(1,3−ジエトキシ−1,3−ジオキソプロパン−2−イル)−6−フルオロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボン酸(10.5g,49%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 470,472(M+H)
+.
【0390】
中間体45C:ジエチル 2−(5−ブロモ−8−カルバモイル−6−フルオロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−2−イル)マロネート
【化177】
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THF(5mL)中の5−ブロモ−2−(1,3−ジエトキシ−1,3−ジオキソプロパン−2−イル)−6−フルオロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボン酸(0.981g,2.09mmol)、EDC(0.600g,3.13mmol)およびHOBT(0.383g,2.50mmol)の混合溶液を、室温にて60分間攪拌した。混合溶液を、NH
4OH(1.74mL,12.5mmol)で処理して、室温にて終夜攪拌した。混合溶液をEtOAcで希釈して、飽和Na
2CO
3水溶液およびブラインで順に洗った。水層を合わせて、EtOAcで抽出して、有機相を合わせて、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(0〜100%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(40g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、ジエチル 2−(5−ブロモ−8−カルバモイル−6−フルオロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−2−イル)マロネート(440mg,45%収率)を、淡黄色固体として得た。質量スペクトル m/z 469,471(M+H)
+.
【0391】
中間体45D:ジエチル 2−(5−ブロモ−8−カルバモイル−6−フルオロ−9H−カルバゾール−2−イル)マロネート
【化178】
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THF(30mL)中のジエチル 2−(5−ブロモ−8−カルバモイル−6−フルオロ−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−2−イル)マロネート(2.26g,4.82mmol)および2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン(2.30g,10.1mmol)の溶液を、3時間還流加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、飽和Na
2CO
3水溶液およびブラインで順に洗った。水層を合わせて、EtOAcで抽出して、有機相を合わせて、乾燥させて、部分濃縮した。形成した白色固体を濾取した。濾液を、シリカゲルのパッドを通して濾過して、EtOAcで溶出し、濾液を濃縮して、追加の固体を得た。2つの固体を合わせて、ジエチル 2−(5−ブロモ−8−カルバモイル−6−フルオロ−9H−カルバゾール−2−イル)マロネート(1.86g,83%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 465,467(M+H)
+.
【0392】
中間体45E:エチル 2−(5−ブロモ−8−カルバモイル−6−フルオロ−9H−カルバゾール−2−イル)アセテート
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
DMSO(6mL)中のジエチル 2−(5−ブロモ−8−カルバモイル−6−フルオロ−9H−カルバゾール−2−イル)マロネート(1.30g,2.80mmol)、塩化ナトリウム(0.28g,7.01mmol)および水(0.25mL,14.01mmol)の混合溶液を、150℃で20時間加熱した。混合溶液を冷却して、水に注ぎ入れて、沈殿物を形成させる。沈殿物を、濾取して、乾燥させて、次いでDCMで磨砕した。固体を濾取して、乾燥させて、エチル 2−(5−ブロモ−8−カルバモイル−6−フルオロ−9H−カルバゾール−2−イル)アセテート(930mg,84%収率)を灰色固体として得た。質量スペクトル m/z 393,395(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 11.70(s,1H),8.54(d,J=8.4 Hz,1H),8.25(br. s.,1H),8.00(d,J=10.1 Hz,1H),7.72(s,1H),7.69(br. s.,1H),7.19(dd,J=8.4,1.5 Hz,1H),4.11(q,J=7.0 Hz,2H),3.82(s,2H),1.21(t,J=7.2 Hz,3H).
【0393】
中間体45:
THF(10mL)中のエチル 2−(5−ブロモ−8−カルバモイル−6−フルオロ−9H−カルバゾール−2−イル)アセテート(500mg,1.27mmol)の溶液を、水素化ホウ素リチウム(139mg,6.36mmol)で処理して、室温にて終夜攪拌した。混合溶液を、飽和NH
4Cl水溶液で処理して、15分攪拌した。混合溶液を、水で希釈して、EtOAcで2回抽出した。有機相を合わせて、乾燥させて、濃縮して、残留物を、EtOAc−ヘキサン(30〜100%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(40g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、4−ブロモ−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシエチル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(310mg,69%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 351,353(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 11.58(s,1H),8.50(d,J=8.4 Hz,1H),8.24(br. s.,1H),7.98(d,J=10.3 Hz,1H),7.72-7.63(m,2H),7.15(dd,J=8.4,1.3 Hz,1H),4.68(t,J=5.3 Hz,1H),3.73-3.64(m,2H),2.90(t,J=7.0 Hz,2H).
【0394】
実施例1および2
3−クロロ−4−(R)−(3−(R)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(1)、および
3−クロロ−4−(R)−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(2)
【化180】
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製造物1A:3−クロロ−4−(3−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)
THF(2mL)中の4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体3](100mg,0.262mmol)、8−フルオロ−1−メチル−3−(RS)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体2](161mg,0.393mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(15mg,0.013mmol)および2M K
3PO
4水溶液(0.26mL,0.524mmol)の混合溶液を、加圧用反応バイアル内で90℃で2.5時間加熱した。混合溶液を冷却して、濃縮して、残留物を、DCM−MeOH−NH
4OH(90:9:1〜97:2.7:0.3のグラジエント)を用いて溶出するシリカゲル(40g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製した。得られる不純生成物を、再度、EtOAc−ヘキサン(50〜100%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(40g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−クロロ−4−(3−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)(110mg,68%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 567(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 10.46(s,1H),8.17-8.10(m,1H),7.76(s,1H),7.69(d,J=1.1 Hz,1H),7.59-7.53(m,1H),7.48(ddt,J=13.9,8.1,1.8 Hz,1H),7.39(dd,J=12.4,7.8 Hz,2H),7.28-7.19(m,2H),6.97(t,J=8.5 Hz,1H),3.87-3.93(m,3H),1.87(d,J=1.8 Hz,3H),1.65(s,3H),1.65(s,3H).
【0395】
実施例1および2:
3−クロロ−4−(3−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(90mg)の4つのアトロプ異性体混合物の試料を、下記のとおりにキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) AD-H(3 x 25 cm,5μm);移動相:120mL/分でCO
2−IPA(55:45);試料調整:10mg/mL;注入量:1mL。このカラムから溶出する第2のピークにより、3−クロロ−4−(R)−(3−(R)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[実施例1]を白色固体として得た。異性体純度を、97.7%であると決定した。質量スペクトル m/z 567(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 10.46(s,1H),8.15(d,J=7.3 Hz,1H),7.75(s,1H),7.69(d,J=1.1 Hz,1H),7.59-7.54(m,1H),7.49(ddd,J=13.9,8.0,1.7 Hz,1H),7.43-7.36(m,2H),7.28-7.19(m,2H),6.97(d,J=8.4 Hz,1H),3.89(d,J=7.9 Hz,3H),1.88(s,3H),1.65(s,6H).
【0396】
カラムから溶出する第4のピークにより、3−クロロ−4−(R)−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[実施例2]を白色固体として得た。異性体純度を、99.5%であると決定した。質量スペクトル m/z 567(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 10.46(s,1H),8.13(d,J=7.3 Hz,1H),7.75(s,1H),7.69(d,J=1.3 Hz,1H),7.59-7.53(m,1H),7.48(ddd,J=13.9,8.0,1.7 Hz,1H),7.39(dd,J=11.1,7.8 Hz,2H),7.27-7.21(m,2H),6.99(d,J=8.4 Hz,1H),3.91(d,J=7.9 Hz,3H),1.88(s,3H),1.66(s,6H).
【0397】
実施例2の化合物を過剰量のメタノールに溶解して、室温にて溶媒をゆっくりと蒸発させて、メタノール溶媒和物(結晶形態M−1)を得ることにより製造された結晶の単結晶X線解析により、実施例2の絶対配置を確認した。単位格子定数:a=9.75Å,b=14.21Å,c=21.26Å,α=90.0°,β=90.0°,γ=90.0°;空間群:P2
12
12
1;実施例2の分子数/非対称ユニット:1;体積/単位格子中の分子数=736Å
3;密度(計算値)=1.391g/cm
3。203Kでの分率原子座標を表2に示し、構造図を
図3に示す。
【0398】
実施例3
3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−4−(R)−(2−メチル−3−(1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(単一のアトロプ異性体)
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
製造物3A:3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−4−(2−メチル−3−(1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)
THF(2mL)中の4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体3](100mg,0.262mmol)、1−メチル−3−(RS)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体4](154mg,0.393mmol)、2M K
3PO
4水溶液(0.26mL,0.524mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(15mg,0.013mmol)の混合溶液を、圧力用反応バイアル内において、90℃で4時間加熱した。混合溶液を冷却して、濃縮して、残留物を、DCM:MeOH:NH
4OH(90:9:1〜97:2.7:0.3のグラジエント)で溶出するシリカゲル(40g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製した。得られる不純生成物を、再度EtOAc−ヘキサン(50〜100%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(40g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−4−(2−メチル−3−(1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)(105mg,68%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 549(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 10.46(s,1H),8.33(ddd,J=11.8,7.9,1.4 Hz,1H),7.80-7.74(m,2H),7.69(t,J=1.7 Hz,1H),7.58-7.52(m,1H),7.41(d,J=7.5 Hz,1H),7.38-7.30(m,3H),7.24(ddd,J=13.9,8.4,1.7 Hz,1H),6.98(dd,J=12.8,8.4 Hz,1H),3.67-3.76(m,3H),1.88(d,J=1.8 Hz,3H),1.65(s,3H),1.65(s,3H).
【0399】
実施例3:
3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−4−(2−メチル−3−(1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミドのアトロプ異性体の混合物の試料を、下記に従いキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) IB(2 x 25 cm,5μm);移動相:55mL/分でCO
2−MeOH(65:35)。カラムから溶出する第3のピークにより、3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−4−(R)−(2−メチル−3−(1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミドの単一のアトロプ異性体を白色固体として得た。キラル純度を、97.7%であると決定した。質量スペクトル m/z 549(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 10.45(s,1H),8.32(dd,J=8.0,1.7 Hz,1H),7.80-7.73(m,2H),7.69(d,J=1.1 Hz,1H),7.59-7.53(m,1H),7.44-7.31(m,4H),7.26(dd,J=8.4,1.5 Hz,1H),7.01(d,J=8.4 Hz,1H),3.72(s,3H),1.89(s,3H),1.66(s,6H).
【0400】
実施例4
3−クロロ−4−(R)−(3−(1,8−ジメチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(単一のアトロプ異性体)
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
製造物4A:3−クロロ−4−(3−(1,8−ジメチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)
THF(2mL)および水(500μl)中の4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体3](100mg,0.262mmol)、1,8−ジメチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体9](138mg,0.341mmol)、Cs
2CO
3(171mg,0.524mmol)およびPdCl
2(dppf)DCM付加物(10.7mg,0.013mmol)の混合溶液を、60℃で18時間加熱した。混合溶液を冷却して、濃縮して、残留物を、EtOAc−ヘキサン(30〜100%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(40g)でのクロマトグラフィーによりにより精製して、3−クロロ−4−(RS)−(3−(RS)−(1,8−ジメチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体の混合溶液)(97mg,57%収率)を淡黄色固体として得た。質量スペクトル m/z 563(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 10.45(s,1H),8.21-8.15(m,1H),7.75(d,J=0.9 Hz,1H),7.69(d,J=1.5 Hz,1H),7.59-7.51(m,2H),7.44-7.40(m,1H),7.36(dd,J=7.7,1.1 Hz,1H),7.26-7.19(m,2H),6.98(t,J=7.9 Hz,1H),3.80(d,J=9.9 Hz,3H),2.70(d,J=5.7 Hz,3H),1.88(s,3H),1.64-1.66(m,6H).
【0401】
実施例4:
4つのアトロプ異性体の3−クロロ−4−(3−(1,8−ジメチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(90mg)の混合溶液の試料を、下記のとおりにキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標)AD-H(3 x 25 cm,5 μm);移動相:85mL/分でCO
2−IPA(55:45);試料調整:MeOH中で18mg/mL;注入量:2.5mL。カラムから溶出する第4のピークにより、3−クロロ−4−(R)−(3−(1,8−ジメチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(17mg)の単一のアトロプ異性体を白色固体として得た。キラル純度を、99%以上であると決定した。質量スペクトル m/z 563(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 10.45(s,1H),8.17(dd,J=7.8,1.2 Hz,1H),7.75(s,1H),7.69(d,J=1.1 Hz,1H),7.58-7.51(m,2H),7.42(dd,J=7.9,1.1 Hz,1H),7.36(dd,J=7.7,1.1 Hz,1H),7.27-7.19(m,2H),6.99(d,J=8.4 Hz,1H),3.81(s,3H),2.71(s,3H),1.87(s,3H),1.65(s,6H).
【0402】
実施例5および6
3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−4−(R)−(3−(R)−(7−メトキシ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド、および
3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−4−(R)−(3−(S)−(7−メトキシ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド
(単一のアトロプ異性体)
【化183】
[この文献は図面を表示できません]
THF(3mL)および水(0.50mL)中の4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体3](200mg,0.524mmol)、7−メトキシ−1−メチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体14](221mg,0.524mmol)、Cs
2CO
3(512mg,1.57mmol)およびPdCl
2(dppf)DCM付加物(21.4mg,0.026mmol)の混合溶液を、60℃で終夜加熱して、次いで90℃で4時間加熱した。混合溶液を冷却して、濃縮して、残留物を、EtOAc−ヘキサン(50〜100%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(40g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−4−(3−(7−メトキシ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)(164mg,92%収率)を得た。この物質を、下記に従いキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標)AD-H(3 x 25 cm,5 μm);移動相:85mL/分でCO
2−IPA(60:40);試料調整:MeOH中で20.3mg/mL;注入量:0.75mL。
【0403】
カラムから溶出する第3のピークにより、3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−4−(R)−(3−(7−メトキシ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[実施例5](14mg)の単一のアトロプ異性体を得た。キラル純度を、99%以上であると決定した。質量スペクトル m/z 579(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 10.43(s,1H),8.24(d,J=8.8 Hz,1H),7.73(s,1H),7.65(d,J=1.1 Hz,1H),7.55-7.49(m,1H),7.44-7.34(m,1H),7.35-7.31(m,1H),7.19(dd,J=8.5,1.7 Hz,1H),6.94(d,J=8.4 Hz,1H),6.85(dd,J=8.8,2.2 Hz,1H),6.69(d,J=2.2 Hz,1H),3.95(s,3H),3.63(s,3H),1.85(s,3H),1.62(s,6H).
【0404】
カラムから溶出する第4のピークにより、別の単一のアトロプ異性体の3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−4−(R)−(3−(7−メトキシ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[実施例6](28mg)を得た。キラル純度を、99%以上であると決定した。質量スペクトル m/z 579(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 10.41(s,1H),8.21(d,J=8.8 Hz,1H),7.71(s,1H),7.66(d,J=1.1 Hz,1H),7.55-7.49(m,1H),7.41-7.36(m,1H),7.35-7.31(m,1H),7.22(dd,J=8.4,1.5 Hz,1H),6.97(d,J=8.4 Hz,1H),6.84(dd,J=9.0,2.2 Hz,1H),6.70(d,J=2.2 Hz,1H),3.95(s,3H),3.65(s,3H),1.85(s,3H),1.63(s,6H).
【0405】
実施例7
3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−4−(R)−(3−(8−メトキシ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド
(単一のアトロプ異性体)
【化184】
[この文献は図面を表示できません]
THF(3mL)および水(0.50mL)中の4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体3](200mg,0.524mmol)、8−メトキシ−1−メチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体12](221mg,0.524mmol)、Cs
2CO
3(512mg,1.57mmol)PdCl
2(dppf)DCM付加物(21.4mg,0.026mmol)の混合溶液を、圧力用反応バイアル内において、60℃で終夜加熱して、次いで90℃で4時間加熱した。混合溶液を冷却して、DCMおよびMeOHで希釈して、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(20〜55%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(24g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−4−(3−(8−メトキシ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(136mg,41%収率)の4つのアトロプ異性体混合物を得た。この物質を、下記に従いキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) AD-H(3 x 25 cm,5μm);移動相:85mL/分でCO
2−IPA(55:45);試料調整:MeOH中で17mg/mL;注入量:1.0mL。カラムから溶出する第4のピークにより、3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−4−(R)−(3−(8−メトキシ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(26mg,20%収率)の単一のアトロプ異性体を得た。キラル純度を、99%以上であると決定した。質量スペクトル m/z 579(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 10.42(s,1H),7.90(dd,J=7.2,2.3 Hz,1H),7.71(s,1H),7.66(d,J=1.1 Hz,1H),7.55-7.49(m,1H),7.40-7.36(m,1H),7.35-7.31(m,1H),7.25-7.19(m,3H),6.97(d,J=8.4 Hz,1H),3.94(s,3H),3.91(s,3H),1.85(s,3H),1.63(s,6H).
【0406】
実施例8
3−クロロ−4−(R)−(3−(6−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(単一のアトロプ異性体)
【化185】
[この文献は図面を表示できません]
THF(3mL)および水(1mL)中の4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体3](200mg,0.524mmol)、6−フルオロ−1−メチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体13](215mg,0.524mmol)、Cs
2CO
3(512mg,1.57mmol)およびPdCl
2(dppf)DCM付加物(21.4mg,0.026mmol)の混合溶液を、60℃で終夜加熱して、次いで90℃で4時間加熱した。混合溶液を冷却して、濃縮して、残留物を、EtOAc−ヘキサン(50〜100%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(40g)でのカラムクロマトグラフィーにより、2回精製して、3−クロロ−4−(3−(6−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(129mg,39%収率)の4つのアトロプ異性体混合物を得た。この物質を、下記に従いキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標)AD-H(3 x 25 cm,5 μm);移動相:85mL/分にてCO
2−MeOH−MeCN(65:17.5:17.5);試料調整:MeOH中で15.4mg/mL;注入量:0.5mL。カラムから溶出する第3のピークにより、3−クロロ−4−(R)−(3−(6−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(33mg)の単一のアトロプ異性体を得た。異性体純度を、98%以上であると決定した。質量スペクトル m/z 567(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 10.44(br. s.,1H),8.29(dd,J=8.1,6.4 Hz,1H),7.73(s,1H),7.66(s,1H),7.56-7.49(m,1H),7.36(dd,J=15.2,7.3 Hz,2H),7.22(d,J=6.8 Hz,1H),7.04-6.92(m,3H),3.65(s,3H),1.84(s,3H),1.63(s,6H).
【0407】
実施例9
3−クロロ−4−(R)−(3−(7−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド
(単一のアトロプ異性体)
【化186】
[この文献は図面を表示できません]
THF(3mL)および水(0.50mL)中の4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体3](200mg,0.524mmol)、7−フルオロ−1−メチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体15](215mg,0.524mmol)、Cs
2CO
3(512mg,1.57mmol)およびPdCl
2(dppf)DCM付加物(21.4mg,0.026mmol)の混合溶液を、90℃で4時間加熱した。混合溶液を冷却して、濃縮して、残留物を、EtOAc−ヘキサン(0〜40%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(220g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−クロロ−4−(3−(7−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(164mg,53%収率)の4つのアトロプ異性体混合物を得た。この物質を、下記に従いキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:Lux Cel2(3 x 25 cm,5 μm);移動相:85mL/分にてCO
2−MeOH−MeCN(62:19:19);試料調整:MeOH中の30mg/mL;注入量:0.5mL。カラムから溶出する第3のピークから単離した物質を、以下のとおりに再度キラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) AS(3 x 25 cm,5 μm);移動相:85mL/分にてCO
2−MeOH−MeCN(68:16:16);試料調整:MeOH中で11.4mg/mL;注入量:3.5mL。カラムから溶出する第1のピークにより、単一のアトロプ異性体の3−クロロ−4−(R)−(3−(7−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(25mg,15%収率)を白色固体として得た。異性体純度を、98%以上であると決定した。質量スペクトル m/z 567(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 10.46(s,1H),8.31(dd,J=8.6,6.2 Hz,1H),7.76(s,1H),7.68(d,J=1.1 Hz,1H),7.58-7.52(m,1H),7.38(ddd,J=14.1,7.8,1.0 Hz,2H),7.24(dd,J=8.4,1.5 Hz,1H),7.06-6.95(m,3H),3.67(s,4H),1.86(s,3H),1.65(s,6H).
【0408】
実施例10
3−クロロ−4−(RS)−(3−(RS)−(6,8−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド
(4つのアトロプ異性体混合物)
【化187】
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反応用バイアル内において、4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体3](10mg,0.026mmol)、6,8−ジフルオロ−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体16](14.1mg,0.034mmol)、1,1'−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(12.8mg,0.020mmol)およびTHF(2mL)の混合溶液を、2M K
3PO
4水溶液(0.039mL,0.079mmol)で処理した。バイアルを密封して、窒素による排気/充填を3サイクル行なった。混合溶液を、室温にて終夜攪拌した。混合溶液の相を分離して、水相をEtOAcで2回抽出して、有機相を合わせて、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(80〜100%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(40g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製した。単離した物質を、MeOHで磨砕して、濾過後に固体を得た。濾液を濃縮して、シリカ(40g)でのカラムクロマトグラフィーに供して、DCM−MeOH−NH
4OH(90:9:1−97:2.7:0.3のグラジエント)で溶出して、別の固体を得た。2つの固体を合わせて、3−クロロ−4−(3−(6,8−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)(164mg,71%収率)を淡黄色固体として得た。質量スペクトル m/z 571(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(500 MHz,MeOH-d
4)δ 8.04(d,J=2.0 Hz,1H),7.70-7.68(m,1H),7.65(dd,J=7.2,3.2 Hz,1H),7.57-7.52(m,1H),7.43-7.34(m,3H),7.18-7.07(m,1H),6.90(dd,J=8.4,3.0 Hz,1H),1.84(s,3H),1.62-1.56(m,6H).
【0409】
実施例11
3−クロロ−4−(R)−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル(d
3)−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド
(単一のアトロプ異性体)
【化188】
[この文献は図面を表示できません]
THF(33mL)中の4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体3](3.08g,8.07mmol)および8−フルオロ−1−メチル(d
3)−3−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体21](4.00g,9.68mmol)の溶液を、2M K
3PO
4水溶液(8.25mL,16.5mmol)で処理した。混合溶液を、超音波浴で攪拌しながら約4分間アルゴンでバブリングして、1,1'−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(447mg,0.686mmol)で処理した。反応容器を密封して、アルゴンによる排気-充填を6サイクル行なった。混合溶液を、50℃で16.5時間攪拌して、次いで室温に冷却した。混合溶液をEtOAcで希釈して、水で洗った。水相を、EtOAcで2回抽出した。有機相を合わせて、ブラインで洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(40〜100%のグラジエント)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(330g)により精製して、3−クロロ−4−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル(d
3)−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(2つのジアステレオマーの混合物)(3.877g,78%収率)を淡黄褐色固体として得た。
【0410】
この方法により製造した物質(5.01g)を、下記のとおりにキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標)AS-H(3 x 25 cm,5 μm);移動相:160mL/分にてCO
2−MeOH(70:30),40℃;試料調整:2:1 MeOH−ジクロロメタン中で22.75mg/mL;注入量:1.4mL。カラムから溶出する第1のピークを含む画分を集めて、濃縮して、残留物を少量のメタノールで超音波処理した。沈殿物を、濾過により回収して、メタノールで濯いで、乾燥して、3−クロロ−4−(R)−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル(d
3)−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(2.029g)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 570(M+H-H
2O)
+,610(M+Na)
+.
1H NMR(400 MHz,MeOH-d
4)δ 8.12-8.03(m,2H),7.74(d,J=1.1 Hz,1H),7.67-7.53(m,2H),7.46(dd,J=7.9,1.1 Hz,1H),7.39-7.29(m,2H),7.17(dd,J=8.5,1.7 Hz,1H),6.96-6.87(m,1H),1.81(s,3H),1.61(d,J=1.3 Hz,6H). [α]
D:+85.1°(c 2.38,CHCl
3). DSC融点は、開始温度=255.6℃(加熱速度=10℃/分)。
【0411】
実施例11の化合物を、1:1:1のメタノール/アセトニトリル/アセトンに溶解して、室温にて溶媒をゆっくりと蒸発させて、メタノール溶媒和物(結晶形態M−1)を得ることにより製造した結晶の単結晶X線解析により、実施例11の絶対配置を確認した。単位格子定数:a=9.78Å,b=14.26Å,c=21.38Å,α=90.0°,β=90.0°,γ=90.0°;空間群:P2
12
12
1;実施例11の分子数/非対称ユニット:1;体積/単位格子中の分子数=746Å
3;密度(計算値)=1.381g/cm
3。室温での分率原子座標を表5に示し、構造図を
図4に示す。実施例11を過剰量のアセトン水溶液に溶解させて、この溶媒を室温にてゆっくりと蒸発させて、一水和物(結晶形態H−1)を得ることにより製造した結晶の単結晶X線解析により、絶対配置をさらに確認した。単位格子定数:a=9.41Å,b=14.51Å,c=21.12Å,α=90.0°,β=90.0°,γ=90.0°;空間群:P2
12
12
1;実施例11の分子数/非対称ユニット:1;体積/単位格子中の分子数=721Å
3;密度(計算値)=1.396g/cm
3。室温での分率原子座標を表3に示す。
【0412】
実施例12
3−クロロ−4−(R)−(3−(R)−(8−フルオロ−1−メチル(d
3)−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(単一のアトロプ異性体)
【化189】
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バイアル内においてTHF(1.6mL)および水(0.40mL)中の4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体3](76mg,0.20mmol)、8−フルオロ−1−メチル(d
3)−3−(R)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体22](75mg,0.18mmol)およびCs
2CO
3(118mg,0.363mmol)の混合溶液を、超音波処理しながら1分間アルゴンでバブリングした。混合溶液を、PdCl
2(dppf)DCM付加物(7.4mg,0.009mmol)で処理して、バイアルを密封して、45℃で19時間加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcおよび水で希釈した。層を分離して、水層をEtOAcで再度抽出した。有機層を合わせて、ブラインで洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、シリカゲル(12g)でのカラムクロマトグラフィーに供して、EtOAc−ヘキサン(60%〜100%のグラジエント)で溶出した。得られる不純生成物を、MeCN−水(0.1%TFAを含有する)(10〜100%のグラジエント,30mL/分)で溶出する逆相HPLC (Luna Axia 5μ C
18 30 x 100 mm)により精製した。適切な画分を、飽和NaHCO
3水溶液で処理して、懸濁水溶液に濃縮した。沈殿物を、濾取して、水で洗い、真空下にて乾燥させて、2つのアトロプ異性体混合物である3−クロロ−4−(3−(R)−(8−フルオロ−1−メチル(d
3)−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(60.9mg,57%収率)を白色固体として提供した。この物質を、下記に従いキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) AD-H(5 x 25 cm,5 μm);移動相:250mL/分,35℃にてCO
2−IPA(60:40);試料調整:MeOH中で7.5mg/mL;注入量:2.5mL。カラムから溶出する第2ピークの濃縮物から得られる残留物を、更にEtOAc−ヘキサン(40%〜100%のグラジエント)で溶出するシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(4g)により精製して、3−クロロ−4−(R)−(3−(R)−(8−フルオロ−1−メチル(d
3)−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(19.7mg,68%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 570(M+H-H
2O)
+,610(M+Na)
+.
1H NMR(400 MHz,MeOH-d
4)δ 8.11-8.04(m,2H),7.74(d,J=1.1 Hz,1H),7.66-7.53(m,2H),7.46(dd,J=7.9,1.1 Hz,1H),7.38-7.28(m,2H),7.14(dd,J=8.5,1.7 Hz,1H),6.90(d,J=8.6 Hz,1H),1.80(s,3H),1.60(d,J=0.9 Hz,6H).
【0413】
実施例13
3−クロロ−4−(3−(8−フルオロ−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)
【化190】
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ジオキサン(10mL)および水(2.5mL)中の4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体3](0.360g,0.943mmol)、8−フルオロ−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体17](0.392g,0.990mmol)、PdCl
2(dppf)DCM付加物(0.039g,0.047mmol)およびCs
2CO
3(0.615g,1.89mmol)の混合溶液を、100℃で終夜加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、水で洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(0〜50%、次いで70%(1%MeOHを含有)のグラジエント)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−クロロ−4−(3−(8−フルオロ−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)(0.361g,67%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 354(M+H-H
2O)
+,394(M+Na)
+.
1H NMR(500 MHz,MeOH-d
4)δ 8.09(d,J=1.1 Hz,1H),7.95(d,J=8.0 Hz,1H),7.81-7.69(m,1H),7.64-7.54(m,2H),7.48(dd,J=7.8,1.1 Hz,1H),7.43-7.29(m,1H),7.31-7.24(m,1H),7.18(dd,J=8.3,1.7 Hz,1H),7.16-7.07(m,1H),6.92(dd,J=8.6,5.3 Hz,1H),1.94-1.71(m,3H),1.65-1.50(m,6H).
【0414】
実施例14
3−クロロ−4−(R)−(3−(R)−(8−フルオロ−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド
(単一のアトロプ異性体)
【化191】
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3−クロロ−4−(3−(8−フルオロ−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[実施例13](250mg)の4つのアトロプ異性体混合物の試料を、下記のとおりにキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) AD-H(5 x 25 cm,5 μm);移動相:CO
2−IPA(60:40),220mL/分,35℃,100バール;試料調整:MeOH中の21mg/mL;注入量:3.0mL。カラムから溶出する第3のピークは、3−クロロ−4−(R)−(3−(R)−(8−フルオロ−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(単一のアトロプ異性体)(24mg)を白色固体として得た。キラル純度を、95%以上であると決定した。質量スペクトル m/z 553(M+H-H
2O)
+,593(M+Na)
+.
1H NMR(400 MHz,MeOH-d
4)δ 8.09(s,1H),7.95(d,J=7.9 Hz,1H),7.74(d,J=1.1 Hz,1H),7.60-7.54(m,2H),7.54-7.43(m,1H),7.37(d,J=7.5 Hz,1H),7.28(d,J=4.6 Hz,1H),7.11(dd,J=8.6,1.5 Hz,1H),6.91(d,J=8.6 Hz,1H),2.00-1.76(m,3H),1.69-1.52(m,6H).
【0415】
実施例15および16
3−シアノ−4−(S)−(3−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド
(単一のアトロプ異性体)
【化192】
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製造物15A:3−シアノ−4−(3−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)
4−ブロモ−3−シアノ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体23](0.400g,1.08mmol)、8−フルオロ−1−メチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体2](0.573g,1.40mmol)、Cs
2CO
3(0.700g,2.15mmol)およびジオキサン(5mL)の混合溶液を、窒素を用いる排気-充填を3サイクル行なった。混合溶液を、PdCl
2(dppf)DCM付加物(0.053g,0.064mmol)で処理して、窒素を用いる排気-充填を2サイクル以上行なった。混合溶液を、88℃で2日間加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、水およびブラインで順に洗い、乾燥し、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(順次50%、75%、85%および100%)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製した。得られる不純生成物を、逆相分取HPLCにより精製して、3−シアノ−4−(3−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)(0.200g,32%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 576(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 11.96(s,1H),8.45(s,1H),8.35(br. s.,1H),8.00-7.94(m,1H),7.92(s,1H),7.77-7.68(m,2H),7.60-7.52(m,2H),7.41(dd,J=6.6,2.2 Hz,1H),7.38-7.29(m,1H),7.13(t,J=10.1 Hz,1H),6.85(t,J=8.1 Hz,1H),5.05(d,J=2.0 Hz,1H),3.74(dd,J=8.1,2.6 Hz,3H),1.73(s,3H)および1.48-1.43(m,6H).
【0416】
実施例15および16:
3−シアノ−4−(3−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)の試料を、下記のとおりにキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) AD-H(3 x 25 cm,5μm);移動相:150mL/分,45℃にてCO
2−IPA(65:35)。このカラムから溶出する第2のピークにより、3−シアノ−4−(S)−(3−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミドの1つの単一アトロプ異性体[実施例15]を得た。キラル純度を、94%以上であると決定した。カラムから溶出する第4のピークにより、3−シアノ−4−(S)−(3−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミドの別の単一のアトロプ異性体[実施例16]を得た。キラル純度を、99%であると決定した。各々の単一アトロプ異性体の質量スペクトルは、4つのアトロプ異性体混合物のものと同じである。
【0417】
実施例17
3−フルオロ−4−(3−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド
(4つのアトロプ異性体混合物)
【化193】
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ジオキサン(8.0mL)および水(2.0mL)中の4−ブロモ−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体27](0.080g,0.219mmol)、8−フルオロ−1−メチル−3−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体2](0.094g,0.230mmol)、PdCl
2(dppf)DCM付加物(9.0mg,11.0μmol)およびCs
2CO
3(0.143g,0.438mmol)の混合溶液を、100℃で終夜加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、濾過した。濾液を水で洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、逆相分取HPLCにより精製して、次いでEtOAc−ヘキサン(50%〜100%のグラジエント)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−フルオロ−4−(3−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)(0.018g,15%収率)をオフホワイトの固体として得た。質量スペクトル m/z 551(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(500 MHz,MeOH-d
4)δ 7.66(d,J=10.4 Hz,1H),7.51(s,1H),7.47-7.34(m,3H),7.29(t,J=7.2 Hz,2H),7.22-7.11(m,1H),7.09-6.97(m,1H),6.90(t,J=8.1 Hz,1H),3.81-3.63(m,3H),2.06(br. s.,3H)および1.77-1.58(m,6H).
【0418】
実施例18
3−フルオロ−4−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド
(2つのアトロプ異性体の混合溶液)
【化194】
[この文献は図面を表示できません]
4−ブロモ−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体27](0.100g,0.274mmol)、8−フルオロ−1−メチル−3−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体10](0.146g,0.356mmol)、2M K
3PO
4水溶液(0.41mL,0.821mmol)およびTHF(2.0mL)の混合溶液に、窒素を用いる排気-充填を3サイクル行なった。混合溶液を、1,1'−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(8.9mg,0.014mmol)で処理して、窒素を用いる排気-充填を2サイクル以上行なった。混合溶液を、室温にて終夜攪拌した。混合溶液をEtOAcで希釈して、水およびブラインで順に洗い、乾燥し、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(順に50%、62%、75%および85%)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−フルオロ−4−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(2つのアトロプ異性体の混合物)(0.084g,53%収率)をオフホワイトの固体として得た。質量スペクトル m/z 551(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 11.39(s,1H),8.21(br. s.,1H),7.99-7.92(m,3H),7.84(s,1H),7.73(ddt,J=14.4,8.0,1.4 Hz,1H),7.59(br. s.,1H),7.54-7.47(m,3H),7.40(dd,J=7.2,1.7 Hz,1H),7.34(tt,J=7.9,4.0 Hz,1H),7.04(ddd,J=11.5,8.6,1.5 Hz,1H),6.88(t,J=8.0 Hz,1H),4.99(d,J=2.2 Hz,1H),3.74(dd,J=8.2,1.0 Hz,3H),1.77(s,3H)および1.49-1.42(m,6H).
【0419】
3−フルオロ−4−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(2つのアトロプ異性体混合物)の別の合成法:
4−ブロモ−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体27](0.050g,0.137mmol)、8−フルオロ−1−メチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体10](0.073g,0.178mmol)、Cs
2CO
3(0.089g,0.274mmol)およびジオキサン(0.8mL)の混合溶液を、窒素を用いる排気-充填を3サイクル行なった。混合溶液を、PdCl
2(dppf)DCM付加物(6.7mg,8.21μmol)で処理して、窒素を用いる排気-充填を2サイクル行い、52℃で終夜加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、水およびブラインで順に洗い、乾燥して、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(順に50%、62%および75%)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−フルオロ−4−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(2つのアトロプ異性体の混合物)(0.034g,42%収率)を白色固体として得た。
【0420】
実施例19
3−フルオロ−4−(R)−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド
(単一のアトロプ異性体)
【化195】
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3−フルオロ−4−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(2つのアトロプ異性体の混合物)[実施例18]の試料を、下記に従いキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) AS-H(3 x 25 cm,5μm);移動相:120mL/分,40℃,100バールにてCO
2−MeOH(70:30);試料調整:MeOH中で3.6mg/mL;注入量:2.0mL。カラムから溶出する第1のピークにより、3−フルオロ−4−(R)−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミドを得た。キラル純度を、99.4%以上であると決定した。質量スペクトル m/z 551(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 11.39(s,1H),8.21(br. s.,1H),8.00-7.92(m,2H),7.84(s,1H),7.73(ddd,J=14.4,8.0,1.4 Hz,1H),7.59(br. s.,1H),7.55-7.47(m,2H),7.40(dd,J=7.2,1.4 Hz,1H),7.33(td,J=8.0,4.0 Hz,1H),7.05(dd,J=8.3,1.4 Hz,1H),6.89(d,J=8.3 Hz,1H),4.99(s,1H),3.74(d,J=8.0 Hz,3H),3.17(d,J=5.3 Hz,3H),1.77(s,3H)および1.46(d,J=4.2 Hz,6H).
【0421】
実施例20
3−フルオロ−4−(3−(8−フルオロ−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)
【化196】
[この文献は図面を表示できません]
4−ブロモ−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体27](0.104g,0.285mmol)、8−フルオロ−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体17](0.147g,0.370mmol)、Cs
2CO
3(0.186g,0.570mmol)およびジオキサン(1.6mL)の混合溶液に、窒素による排気−充填を3サイクル行なった。混合溶液を、PdCl
2(dppf)DCM付加物(14mg,0.017mmol)で処理して、窒素による排気−充填を2サイクル以上行なった。混合溶液を、88℃で終夜加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、水およびブラインで順に洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、逆相分取HPLCにより精製した。適切な画分を飽和NaHCO
3水溶液で処理して、濃縮して、水性残留物をEtOAcで抽出した。有機層を、ブラインで洗った。水層を合わせて、EtOAcで抽出して、有機層を合わせて、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(順次50%、65%および75%)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−フルオロ−4−(3−(8−フルオロ−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)(0.029g,18%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 537(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 11.81(br. s.,1H),11.39(d,J=1.4 Hz,1H),8.21(br. s.,1H),7.95(dd,J=10.7,2.1 Hz,1H),7.86-7.80(m,2H),7.64(t,J=9.2 Hz,1H),7.59(br. s.,1H),7.53-7.50(m,2H),7.42-7.38(m,1H),7.26-7.20(m,1H),7.07-6.99(m,1H),6.97-6.88(m,1H),4.98(d,J=9.7 Hz,1H),1.81-1.75(m,3H)および1.48-1.41(m,6H).
【0422】
実施例21および22
3−フルオロ−4−(R)−(3−(R)−(8−フルオロ−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド、および
3−フルオロ−4−(R)−(3−(S)−(8−フルオロ−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド
(単一のアトロプ異性体)
【化197】
[この文献は図面を表示できません]
3−フルオロ−4−(3−(8−フルオロ−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)[実施例20]の試料を、下記に従いキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) AD-H(3 x 25 cm,5μm);移動相:40℃,100バール,180mL/分でCO
2−IPA(75:25)。カラムから溶出する第3ピークにより、3−フルオロ−4−(R)−(3−(R)−(8−フルオロ−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[実施例21]を得た。キラル純度を、98%であると決定した。質量スペクトル m/z 537(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 11.83(br. s.,1H),11.38(s,1H),8.21(br. s.,1H),7.95(d,J=10.8 Hz,1H),7.83(d,J=1.1 Hz,1H),7.81(d,J=8.0 Hz,1H),7.65-7.57(m,2H),7.54-7.47(m,2H),7.39(dd,J=6.7,1.9 Hz,1H),7.20(br. s.,1H),7.03-6.99(m,1H),6.99-6.94(m,1H),4.97(s,1H),1.77(s,3H)および1.44(d,J=5.3 Hz,6H).
【0423】
カラムから溶出する第4のピークにより、3−フルオロ−4−(R)−(3−(S)−(8−フルオロ−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[実施例22]を提供した。キラル純度を、95%であると決定した。質量スペクトル m/z 537(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 11.80(br. s.,1H),11.39(s,1H),8.21(br. s.,1H),7.95(d,J=10.8 Hz,1H),7.85-7.78(m,2H),7.59(br. s.,2H),7.54-7.46(m,2H),7.38(d,J=6.1 Hz,1H),7.19(br. s.,1H),7.05(dd,J=8.5,1.5 Hz,1H),6.90(d,J=8.3 Hz,1H),4.99(s,1H),1.77(s,3H)および1.46(d,J=4.7 Hz,6H).
【0424】
3−フルオロ−4−(R)−(3−(R)−(8−フルオロ−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[実施例21]の製造のための別法:
4−ブロモ−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体27](0.118g,0.323mmol)、8−フルオロ−3−(R)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体18](0.166g,0.420mmol)、2M K
3PO
4水溶液(0.485mL,0.969mmol)およびTHF(2.0mL)の混合溶液に、窒素による排気−充填を3サイクル行なった。混合溶液を、1,1'−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(11mg,0.016mmol)で処理して、窒素による排気−充填を2サイクル以上行なった。混合溶液を、室温にて終夜攪拌して、EtOAcで希釈して、水およびブラインで順に洗い、乾燥し、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(順に50%、62%、75%および85%)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−フルオロ−4−(3−(R)−(8−フルオロ−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(2つのアトロプ異性体の混合物)(0.117g,65%収率)を、オフホワイトの固体として得た。この物質の試料を、下記に従いキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) AD-H(3 x 25 cm,5μm);移動相:45℃,180mL/分でCO
2−MeOH(70:30);試料調整:30mg/mL;注入量:1.0mL。このカラムから溶出する第2のピークにより、3−フルオロ−4−(R)−(3−(R)−(8−フルオロ−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミドを得た。キラル純度を、99.9%以上であると決定した。質量スペクトル m/z 537(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 11.83(br. s.,1H),11.38(s,1H),8.21(br. s.,1H),7.95(d,J=10.8 Hz,1H),7.83(d,J=1.1 Hz,1H),7.81(d,J=8.0 Hz,1H),7.65-7.57(m,2H),7.54-7.47(m,2H),7.39(dd,J=6.7,1.9 Hz,1H),7.20(br. s.,1H),7.03-6.99(m,1H),6.99-6.94(m,1H),4.97(s,1H),1.77(s,3H)および1.44(d,J=5.3 Hz,6H).
【0425】
3−フルオロ−4−(R)−(3−(S)−(8−フルオロ−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[実施例22]の製造のための別法:
実施例21の別の製造方法に使用された方法と同じ方法に従って、4−ブロモ−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体27](0.118g,0.323mmol)および8−フルオロ−3−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体19](0.166g,0.420mmol)を、オフホワイトの固体として3−フルオロ−4−(3−(S)−(8−フルオロ−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(2つのアトロプ異性体混合物)(0.119g,66%収率)に変換した。この物質の試料を、下記に従いキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) AS-H(3 x 25 cm,5 μm);移動相:180mL/分,45℃にてCO
2−MeOH(75:25);試料調整:10mg/mL;注入量:1.0mL。このカラムから溶出する第2のピークにより、3−フルオロ−4−(R)−(3−(S)−(8−フルオロ−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミドを得た。キラル純度を、99.9%以上であると決定した。
【0426】
実施例23
3−クロロ−4−(3−(3−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジオキソ−2,3−ジヒドロピリミジン−1(6H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド
(4つのアトロプ異性体混合物)
【化198】
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トルエン(5.3mL)およびエタノール(1.8mL)中の4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体3](135mg,0.354mmol)、1−(4−フルオロフェニル)−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体44](164mg,0.389mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(20mg,0.018mmol)の混合溶液を、アルゴンにて数分間バブリングした。この混合溶液を、2M Na
2CO
3水溶液(354μl,0.707mmol)で処理して、アルゴンで再度バブリングして、90℃で16時間加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcおよび水との層間に分配した。有機相を乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(25〜100%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(24g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−クロロ−4−(3−(3−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジオキソ−2,3−ジヒドロピリミジン−1(6H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)(103mg,49%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 579(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 11.52(d,J=4.5 Hz,1H),8.29(br. s.,1H),8.13(d,J=2.5 Hz,1H),7.91(dd,J=7.9,6.4 Hz,1H),7.85-7.80(m,1H),7.64-7.54(m,3H),7.53-7.45(m,2H),7.36(dt,J=11.9,8.7 Hz,2H),7.25(ddd,J=7.3,4.3,1.2 Hz,1H),7.03-6.83(m,1H),6.73-6.47(m,1H),5.97(dd,J=7.9,3.5 Hz,1H),5.04-4.92(m,1H),1.75(d,J=1.5 Hz,3H),1.47-1.33(m,6H).
【0427】
実施例24
3−クロロ−4−(R)−(3−(3−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジオキソ−2,3−ジヒドロピリミジン−1(6H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド
(単一のアトロプ異性体)
【化199】
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3−クロロ−4−(3−(3−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジオキソ−2,3−ジヒドロピリミジン−1(6H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)[実施例23](103mg)の試料を、下記のとおりにキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) AD-H(3 x 25 cm,5 μm);移動相:85mL/分にてCO
2−IPA(60:40);試料調整:1:1のMeCN−MeOH中で6.1mg/mL;注入量:1.0mL。カラムから溶出する第4のピークを、EtOAc−ヘキサン(60〜80%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(4g)でのカラムクロマトグラフィーにより更に精製して、3−クロロ−4−(R)−(3−(3−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジオキソ−2,3−ジヒドロピリミジン−1(6H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(16mg,13%収率)の単一のアトロプ異性体をオフホワイトの固体として得た。質量スペクトル m/z 579(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(400 MHz,MeOH-d
4)δ 8.06(s,1H),7.78(d,J=7.9 Hz,1H),7.73(d,J=1.1 Hz,1H),7.57-7.50(m,3H),7.47-7.43(m,1H),7.32(dd,J=7.5,1.1 Hz,1H),7.27(t,J=8.7 Hz,2H),7.11(dd,J=8.5,1.7 Hz,1H),6.88(d,J=8.4 Hz,1H),6.01(d,J=7.9 Hz,1H),1.84(s,3H),1.58(d,J=3.1 Hz,6H).
【0428】
実施例25
6−クロロ−5−(3−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−2−(S)−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)
【化200】
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THF(4.3mL)および水(1.1mL)中の(S)−5−ブロモ−6−クロロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド[中間体31](100mg,0.259mmol)、8−フルオロ−1−メチル−3−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体2](112mg,0.272mmol)、Cs
2CO
3(169mg,0.519mmol)およびPdCl
2(dppf)DCM付加物(16.9mg,0.021mmol)の混合溶液を、50℃で17.5時間加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、水およびブラインで順に洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、シリカゲル(24g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、EtOAc−ヘキサン(50〜80%のグラジエント)で溶出する。不純生成物を、分取HPLCにより更に精製して、6−クロロ−5−(3−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−2−(S)−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)(76mg,50%収率)を得た。質量スペクトル m/z 589(M+H)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 10.89(s,1H),8.13(br. s.,1H),7.94(d,J=7.9 Hz,1H),7.76-7.68(m,2H),7.46(br. s.,1H),7.40-7.28(m,3H),7.22-7.16(m,1H),4.21-4.13(m,1H),3.77-3.64(m,3H),2.95-2.82(m,1H),2.40(d,J=16.3 Hz,1H),1.94-1.70(m,3H),1.70-1.61(m,3H),1.58-1.48(m,1H),1.16-1.02(m,7H).
【0429】
実施例26
6−クロロ−5−(R)−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−2−(S)−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド(単一のアトロプ異性体)
【化201】
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6−クロロ−5−(3−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−2−(S)−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)[実施例25](76mg)の試料を、下記のとおりにキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) OD-H(3 x 25 cm,5 μm);移動相:180mL/分,35℃,100バールにてCO
2−MeOH(70:30);試料調整:MeOH−DCM(4:1)中の8.35mg/mL;注入量:3.0mL。カラムから溶出する第1のピークを、EtOAc−ヘキサン(50〜80%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(4g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、6−クロロ−5−(R)−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−2−(S)−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド(33.6mg,47%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 589(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,MeOH-d
4)δ 8.06-7.99(m,1H),7.69(s,1H),7.60(ddd,J=14.3,8.1,1.4 Hz,1H),7.40(d,J=7.5 Hz,1H),7.34-7.27(m,2H),7.24(dd,J=7.5,1.1 Hz,1H),3.85(d,J=7.9 Hz,3H),2.90(dd,J=16.5,5.1 Hz,1H),2.56(dd,J=16.4,12.0 Hz,1H),2.10-2.02(m,1H),2.00-1.84(m,2H),1.77(s,3H),1.75-1.68(m,1H),1.28(d,J=3.1 Hz,1H),1.22(d,J=2.2 Hz,6H).
【0430】
実施例27
6−フルオロ−5−(R)−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−2−(R)−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド(単一のアトロプ異性体)
【化202】
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製造物27A:6−フルオロ−5−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−2−(R)−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド(2つのアトロプ異性体の混合物)
(R)−5−ブロモ−6−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド(単一のエナンチオマー)[中間体25](5.00g,13.5mmol)、8−フルオロ−1−メチル−3−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体10](6.94g,16.9mmol)、2M K
3PO
4水溶液(20.3mL,40.6mmol)およびTHF(60mL)の混合溶液に、窒素による排気/充填を3サイクル行なった。この混合溶液を、1,1'−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(441mg,677μmol)で処理して、窒素による排気/充填を2サイクル行なった。混合溶液を、室温にて終夜攪拌した。混合溶液を、EtOAcで希釈して、順に水およびブラインで洗い、乾燥し、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(順に50%、62%、75%および85%)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、6−フルオロ−5−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−2−(R)−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド(2つのアトロプ異性体の混合物)(6.77g,87%収率)をオフホワイトの固体として得た。質量スペクトル m/z 573(M+H)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 10.79-10.74(m,1H),8.05(br. s.,1H),7.98-7.93(m,1H),7.76-7.69(m,1H),7.57-7.51(m,1H),7.43(br. s.,1H),7.40-7.26(m,4H),4.19-4.13(m,1H),3.74-3.68(m,3H),2.94-2.84(m,1H),2.49-2.35(m,2H),1.92-1.80(m,3H),1.76-1.68(m,3H),1.62-1.52(m,1H)および1.12-1.06(m,6H).
【0431】
実施例27:
6−フルオロ−5−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−2−(R)−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド(2つのアトロプ異性体の混合物)の試料を、下記のとおりにキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) AS-H(3 x 25 cm,5 μm);移動相:120mL/分,35℃,100バールで、CO
2−MeOH(70:30);試料調整:MeOH中で9mg/mL;注入量:1.7mL。カラムから溶出する第1のピークにより、6−フルオロ−5−(R)−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−2−(R)−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミドを得た。キラル純度を、99.5%以上であると決定した。質量スペクトル m/z 573(M+H)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 10.76(s,1H),8.05(br. s.,1H),7.96(d,J=7.8 Hz,1H),7.72(ddd,J=14.3,8.0,1.2 Hz,1H),7.55(d,J=10.8 Hz,1H),7.44(br. s.,1H),7.40-7.36(m,1H),7.35-7.28(m,3H),4.18(s,1H),3.72(d,J=8.0 Hz,3H),2.89(dd,J=16.9,4.4 Hz,1H),2.45-2.37(m,1H),2.02-1.93(m,1H),1.91-1.82(m,2H),1.57(td,J=11.7,3.6 Hz,1H)および1.15-1.11(m,1H).
【0432】
実施例28
6−フルオロ−5−(R)−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−2−(S)−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド(単一のアトロプ異性体)
【化203】
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実施例27を製造するために使用した方法に従い、(S)−5−ブロモ−6−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド(単一のエナンチオマー)[中間体26](0.045g,0.122mmol)および8−フルオロ−1−メチル−3−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体10](0.065g,0.158mmol)を、黄色の固体として6−フルオロ−5−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−2−(S)−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド(2つのアトロプ異性体の混合物)(0.035g,49%収率)に変換した。実施例27を分離するために使用した条件を用いて、キラル超臨界液体クロマトグラフィーによるこの物質の試料の分離により、6−フルオロ−5−(R)−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−2−(S)−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド(カラムから溶出するための第1のピークとして)を得た。キラル純度を、99.5%以上であると決定した。相対配置および絶対配置を、X線結晶学的技法により決定した。質量スペクトル m/z 573(M+H)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 10.77(s,1H),8.05(br. s.,1H),7.94(dd,J=7.9,1.2 Hz,1H),7.56-7.52(m,1H),7.43(br. s.,1H),7.40-7.36(m,1H),7.35-7.30(m,2H),7.28(dd,J=7.5,1.4 Hz,1H),4.15(s,1H),3.75-3.70(m,3H),2.90(dd,J=16.8,4.6 Hz,1H),2.47-2.39(m,1H),1.93-1.82(m,3H),1.74(s,3H),1.57(td,J=11.7,4.2 Hz,1H),1.16-1.11(m,1H)および1.10(d,J=1.9 Hz,6H). [α]
D:+63.8°(c 2.1,CHCl
3). DSC融点開始温度=202.9℃(加熱速度=10℃/分)。
【0433】
実施例28の化合物を過剰量のメタノールに溶解させて、室温にて溶媒をゆっくりと蒸発させてジメタノール溶媒和物(結晶形態M2−1)を得ることにより製造した結晶の単結晶X線解析により、実施例28の絶対配置を確認した。単位格子定数:a=9.24Å,b=7.97Å,c=22.12Å,α=90.0°,β=94.1°,γ=90.0°;空間群:P2
1;実施例28の分子数/非対称ユニット:1;体積/単位格子中の分子数=813Å
3;密度(計算値)=1.301g/cm
3。173Kでの分率原子座標を表6に示し、構造図を
図5に示す。
【0434】
実施例28の別の合成法:
(S)−5−ブロモ−6−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド[中間体11](5.00g,13.54mmol)、8−フルオロ−1−メチル−3−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体10](6.67g,16.25mmol)、リン酸カリウム塩(III)(水中で2M)(20.31mL,40.6mmol)およびテトラヒドロフラン(25mL)の混合液を、窒素による排気−充填を3サイクル行なった。混合溶液を、1,1'−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウム二塩酸塩(0.441g,0.677mmol)で処理して、混合溶液に、窒素による排気−充填を2サイクル以上行なった。混合溶液を、室温にて終夜攪拌して、次いでEtOAcで希釈して、順に水およびブラインで洗い、乾燥し、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(順に50%、62%、75%および85%)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、6−フルオロ−5−(3−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3−(S)−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−2−(S)−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミド(6.58g,85%収率)を白色固体として得た。
【0435】
この方法により製造した物質(40.03g,69.9mmol)を、キラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離して、(2S,5R)−6−フルオロ−5−(3−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−2−(S)−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボキサミドを得た。更なる精製を、メタノールにこの物質を懸濁させて、5分間超音波処理を行い、固体を濾取し、集めた固体をメタノールで洗い、減圧下に室温で乾燥させて、白色固体(22.0g,90%収率)を得た。
【0436】
実施例29
4−(R)−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−3−メチル−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド
(単一のアトロプ異性体)
【化204】
[この文献は図面を表示できません]
4−ブロモ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−3−メチル−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体28](0.091g,0.252mmol)、8−フルオロ−1−メチル−3−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体10](0.134g,0.327mmol)、2M K
3PO
4水溶液(0.378mL,0.756mmol)およびTHF(2.0mL)の混合溶液を、窒素による排気/充填を3サイクル行なった。混合溶液を、1,1'−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(8.2mg,0.013mmol)で処理して、更に窒素による排気−充填を2サイクル行なった。混合溶液を、室温にて終夜攪拌して、次いでEtOAcで希釈して、水およびブラインで順に洗い、乾燥させて、濃縮した。残留物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、EtOAc−ヘキサンで溶出して(順に50%、62%、75%および85%)、4−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−3−メチル−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(2つのアトロプ異性体の混合物)(0.087g,59%収率)を淡黄色固体として得た。質量スペクトル m/z 547(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 11.20(s,1H),8.10(br. s.,1H),7.97(ddd,J=7.9,7.2,1.0 Hz,1H),7.90(s,1H),7.78(s,1H),7.76-7.68(m,1H),7.53-7.48(m,1H),7.44(dd,J=7.9,1.2 Hz,1H),7.40(br. s.,1H),7.36-7.30(m,1H),7.23(dd,J=7.4,1.2 Hz,1H),6.98(ddd,J=12.0,8.4,1.5 Hz,1H),6.68(t,J=7.9 Hz,1H),4.94(d,J=3.1 Hz,1H),3.73(dd,J=8.2,3.5 Hz,3H),2.17(s,3H),1.66(s,3H)および1.48-1.41(m,6H).
【0437】
この物質の試料を、下記に従いキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) AD-H(3 x 25 cm,5 μm);移動相:150mL/分,40℃でCO
2−MeOH(65:35);試料調整:MeOH中で15mg/mL;注入量:1.5mL。このカラムから溶出する第2のピークにより、4−(R)−(3−(S)−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−3−メチル−9H−カルバゾール−1−カルボキサミドを得た。キラル純度を、99%以上であると決定した。質量スペクトル m/z 547(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 11.19(s,1H),8.10(br. s.,1H),7.97(dd,J=7.9,1.0 Hz,1H),7.90(s,1H),7.78(d,J=1.1 Hz,1H),7.72(ddd,J=14.3,8.0,1.5 Hz,1H),7.53-7.48(m,1H),7.44(dd,J=7.8,1.1 Hz,1H),7.40(br. s.,1H),7.33(td,J=8.0,4.2 Hz,1H),7.23(dd,J=7.5,1.1 Hz,1H),6.99(dd,J=8.5,1.5 Hz,1H),6.69(d,J=8.6 Hz,1H),4.94(s,1H),2.20-2.14(m,3H),1.66(s,3H)および1.45(d,J=3.6 Hz,6H).
【0438】
実施例30および31
4−(R)−(3−(5−クロロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(単一のアトロプ異性体)
【化205】
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製造物30A:4−(3−(5−クロロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)
4−ブロモ−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体27](0.098g,0.268mmol)、5−クロロ−2−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン[中間体33](0.144g,0.349mmol)、Cs
2CO
3(0.175g,0.537mmol)およびジオキサン(1.6mL)の混合溶液を、窒素による排気/充填を3サイクル行なった。混合溶液を、PdCl
2(dppf)DCM付加物(0.013g,0.016mmol)で処理して、窒素による排気/充填を2サイクル行なった。混合溶液を、52℃で終夜加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、順に水およびブラインで洗い、乾燥して、濃縮した。残留物を、逆相分取HPLCにより精製した。適切な画分を、飽和NaHCO
3水溶液で処理して、濃縮した。残留物を、EtOAcと水との層間に分配して、有機層をブラインで洗った。水層を、EtOAcで抽出して、有機層を合わせて、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(順に50%、65%および75%)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより2回精製して、4−(3−(5−クロロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)(0.013g,8%収率)を黄色の固体として得た。質量スペクトル m/z 571,573(M+H)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 11.39(d,J=5.3 Hz,1H),8.30-8.24(m,1H),8.21(br. s.,1H),7.95(dd,J=10.5,1.7 Hz,1H),7.84(s,1H),7.60(d,J=7.2 Hz,2H),7.55-7.47(m,2H),7.42-7.39(m,1H),7.04-6.99(m,1H),6.93(d,J=8.6 Hz,0.6H),6.84(d,J=8.6 Hz,0.4H),6.57(td,J=7.3,3.5 Hz,1H),6.00(d,J=8.6 Hz,1H),4.98(s,1H),1.78(d,J=1.9 Hz,3H)および1.45(d,J=3.9 Hz,6H).
【0439】
実施例30および31:
4−(3−(5−クロロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)の試料を、下記のとおりにキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) AD-H(3 x 25 cm,5μm);移動相:120mL/分,45℃,100バールでCO
2−IPA(55:45);試料調整:MeOH中で5.6mg/mL;注入量:1.7mL。このカラムから溶出する第2のピークにより、4−(R)−(3−(5−クロロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[実施例30]の1つの単一アトロプ異性体を得た。キラル純度を、97.5%以上であると決定した。質量スペクトル m/z 571(M+H)
+。カラムから溶出する第4のピークにより、4−(R)−(3−(5−クロロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[実施例31]の別の単一のアトロプ異性体を得た。キラル純度を、99.5%以上であると決定した。質量スペクトル m/z 553(M+H-H
2O)
+.
【0440】
実施例32および33
3−クロロ−4−(R)−(3−(R)−(5−クロロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(32)、および
3−クロロ−4−(R)−(3−(S)−(5−クロロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(33)
(単一のアトロプ異性体)
【化206】
[この文献は図面を表示できません]
THF(8mL)および水(2mL)中の4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体3](1.11g,2.91mmol)、5−クロロ−2−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン[中間体33](1.00g,2.42mmol)およびCs
2CO
3(1.58g,4.85mmol)の混合溶液を、アルゴンにて3分間バブリングした。混合溶液を、PdCl
2(dppf)DCM付加物(0.099g,0.121mmol)で処理して、60℃で終夜加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、水およびブラインで順に洗った。水層を合わせて、少量のMeOHを含有するDCMで抽出した。有機層を合わせて、乾燥させて、褐色の沈殿物が形態するまで濃縮して、この沈殿物を濾去した。濾液を濃縮して、EtOAc−DCM(順に70%、80%および100%)で溶出するシリカゲル(120g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−クロロ−4−(3−(5−クロロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)(993mg,69%収率)を黄色の固体として得た。この物質を、下記に従いキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) AD-H(3 x 25 cm,5 μm);移動相:150mL/分,45℃,100バールでCO
2−IPA(50:50);試料調整:MeOH中で5.6mg/mL−DCM(1:1);注入量:3mL。このカラムから溶出する第2のピークにより、3−クロロ−4−(R)−(3−(R)−(5−クロロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[実施例32]を得た。質量スペクトル m/z 587(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 11.50(s,1H),8.27(s,2H),8.14(s,1H),7.84(d,J=1.1 Hz,1H),7.59(d,J=6.8 Hz,1H),7.56-7.46(m,2H),7.29(dd,J=7.4,1.2 Hz,1H),7.01(dd,J=8.4,1.5 Hz,1H),6.64(d,J=8.6 Hz,1H),6.55(t,J=7.3 Hz,1H),5.98(s,1H),5.75(s,1H),4.98(s,1H),1.71(s,3H),1.46-1.42(m,6H).
【0441】
カラムから溶出する第4のピークにより、3−クロロ−4−(R)−(3−(S)−(5−クロロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[実施例33]を得た。質量スペクトル m/z 569(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 11.49(s,1H),8.34-8.24(m,2H),8.14(s,1H),7.84(d,J=1.1 Hz,1H),7.60(d,J=6.6 Hz,1H),7.56-7.46(m,2H),7.28(dd,J=7.4,1.4 Hz,1H),6.99(dd,J=8.5,1.7 Hz,1H),6.72(d,J=8.4 Hz,1H),6.57(t,J=7.3 Hz,1H),5.99(s,1H),5.75(s,1H),4.98(s,1H),1.71(s,3H),1.45-1.42(m,6H). [α]
D:+332.34°(c 2.0,CHCl
3).
【0442】
実施例33の別の製造方法:
THF(342mL)および水(85mL)中の4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体3](50.5g,132mmol)、5−クロロ−2−(S)−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン[中間体35](60.1g,146mmol)およびCs
2CO
3(86g,265mmol)の混合溶液を、5分間窒素によりバブリングし、次いでPdCl
2(dppf)DCM付加物(11.9g,14.57mmol)で処理した。窒素によるバブリングを5分以上継続して、この混合溶液を、62℃で窒素下にて20時間加熱した。混合溶液を、室温に冷却して、MeOH(300mL)を攪拌しながら加えて、その後15分後に、水(2L)を加えて、錆び茶色のガム状物を得た。上清を除いて、ガム状残留物を、水で2回洗浄して、次いで1時間攪拌しながらEtOAc(2L)に懸濁した。混合溶液を濾過して、濾液を約1〜1.5Lまで濃縮して、ヘプタン(3L)で処理した。混合溶液を2日間攪拌して、沈殿物を濾取して、ヘプタンで洗い、真空下にて乾燥させて、黄色固体(104g)を得た。固体を、THFに溶解して、CELITE(登録商標)上で吸収して、真空乾燥させて、シリカゲルプラグ上に重層して、ヘプタン/EtOAc(10:90)で溶出して、橙黄色油状物(74.87g)を得た。材料を、シリカゲルカラム(3kg)クロマトグラフィーに供して、EtOAc−ヘキサン(40〜90%のグラジエント)で溶出して、3−クロロ−4−(3−(S)−(5−クロロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(2つのアトロプ異性体の混合物)(44g,51%収率)を黄色泡沫物として得た。残留パラジウムを除去するために、残留物を、EtOAc(約300mL)に溶解して、10% N−アセチル−L−システイン水溶液(500mL)と共に終夜攪拌した。有機層を、10% N−アセチル−L−システイン溶液(500mL)と共に6時間再度処理して、次いで5%NH
4OH(2回)およびブラインで連続して洗い、乾燥させて、黄色の泡状物(43g)に濃縮した。この物質を、下記に従いキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) AS-H(2 x 50 cm,10 μm);移動相:140mL/分,40℃,100バールでCO
2−MeOH(55:45);試料調整:MeOH−DCM(1:1)中で56mg/mL;注入量:3.33mL。カラムから溶出する第1のピークにより、3−クロロ−4−(R)−(3−(S)−(5−クロロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[実施例33](18.3g,24%収率)を黄色の固体として得た。
【0443】
実施例33の化合物を過剰量のメタノールに溶解させて、室温にて溶媒をゆっくりと蒸発させて、ジメタノール溶媒和物(結晶形態M2−1)を得ることにより製造した結晶の単結晶X線解析により、実施例33の絶対配置を確認した。単位格子定数:a=7.41Å,b=9.74Å,c=44.55Å,α=90.0°,β=90.0°,γ=90.0°;空間群:P2
12
12
1;実施例33の分子数/非対称ユニット:1;体積/単位格子中の分子数=3214Å
3;密度(計算値)=1.346g/cm
3。173Kでの分率原子座標を表7に示し、構造図を
図6に示す。
【0444】
実施例34
3−クロロ−4−(3−(5−フルオロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド
(4つのアトロプ異性体混合物)
【化207】
[この文献は図面を表示できません]
THF(3mL)および水(0.75mL)中の4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体3](0.076g,0.200mmol)、5−フルオロ−2−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン[中間体37](0.072g,0.182mmol)およびCs
2CO
3(0.118g,0.363mmol)の混合溶液を、窒素にて2分間バブリングして、その後PdCl
2(dppf)DCM付加物(7.4mg,9.09μmol)で処理した。窒素によるバブリングを30秒間継続させて、反応容器を密封した。混合溶液を、室温にて終夜攪拌して、次いでEtOAcで希釈して、水およびブラインで順に洗った。水層を合わせて、DCMで抽出した。有機層を合わせて、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサンを用いて溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−クロロ−4−(3−(5−フルオロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)(0.049g,43%収率)を黄色の固体として得た。質量スペクトル m/z 571(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 11.52-11.48(m,1H),8.27(br. s.,1H),8.15-8.09(m,2H),7.84(s,1H),7.59(br. s.,1H),7.56-7.46(m,2H),7.30-7.26(m,1H),7.03-6.97(m,1H),6.72(d,J=8.4 Hz,1H),6.60-6.51(m,2H),5.85(s,1H),4.98(s,1H),1.71(s,3H),1.46-1.42(m,6H).
【0445】
実施例35および36
3−クロロ−4−(R)−(3−(5−フルオロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(単一のアトロプ異性体)
【化208】
[この文献は図面を表示できません]
3−クロロ−4−(3−(5−フルオロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)[実施例34](690mg)の試料を、下記のとおりにキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) IB(2 x 25 cm,5 μm);移動相:50mL/分,45℃,100バールでCO
2−MeOH(63:37)。カラムから溶出する第1のピークにより、3−クロロ−4−(R)−(3−(5−フルオロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[実施例35]の1つの単一アトロプ異性体を得た。質量スペクトル m/z 571(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 11.50(s,1H),8.27(br. s.,1H),8.14(s,1H),8.11(d,J=7.5 Hz,1H),7.84(d,J=1.1 Hz,1H),7.59(br. s.,1H),7.56-7.51(m,1H),7.49-7.46(m,1H),7.29(dd,J=7.5,1.3 Hz,1H),7.23(dd,J=10.3,7.5 Hz,1H),7.01(dd,J=8.4,1.5 Hz,1H),6.65(d,J=8.6 Hz,1H),6.54(td,J=7.4,5.2 Hz,1H),5.85(s,1H),4.98(s,1H),1.71(s,3H),1.48-1.41(m,6H).
【0446】
カラムから溶出する第3のピークにより、3−クロロ−4−(R)−(3−(5−フルオロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[実施例36]の別の単一アトロプ異性体を得た。質量スペクトル m/z 553(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 11.49(s,1H),8.27(br. s.,1H),8.14(s,1H),8.10(d,J=7.7 Hz,1H),7.83(s,1H),7.59(br. s.,1H),7.56-7.45(m,2H),7.30-7.20(m,2H),6.99(d,J=8.6 Hz,1H),6.72(d,J=8.6 Hz,1H),6.56(td,J=7.5,5.3 Hz,1H),5.85(s,1H),4.98(s,1H),1.71(s,3H),1.45-1.42(m,6H).
【0447】
実施例37
3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−4−(3−(5−メトキシ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)
【化209】
[この文献は図面を表示できません]
THF(2mL)および水(0.5mL)中の4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体3](0.051g,0.135mmol)、5−メトキシ−2−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン[中間体32](0.050g,0.122mmol)およびCs
2CO
3(0.080g,0.245mmol)の混合溶液を、窒素にて2分間バブリングして、次いでPdCl
2(dppf)DCM付加物(5.0mg,6.12μmol)で処理した。窒素によるバブリングを30秒間継続させて、反応容器を密封した。混合溶液を、60℃で終夜加熱した。混合溶液を冷却して、DCMおよびMeOHで希釈し、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサンを用いて溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−4−(3−(5−メトキシ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)(32.8mg,44%収率)を黄色の固体として得た。質量スペクトル m/z 583(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 11.51-11.47(m,1H),8.27(br. s.,1H),8.14(d,J=1.5 Hz,1H),7.93(d,J=7.5 Hz,1H),7.83(s,1H),7.59(br. s.,1H),7.55-7.45(m,3H),7.30-7.25(m,1H),7.03-6.97(m,1H),6.71(d,J=8.1 Hz,1H),6.56(q,J=7.6 Hz,1H),5.90(s,1H),4.98(s,1H),3.91(s,3H),1.69(s,3H),1.45-1.42(m,6H).
【0448】
実施例38および39
3−クロロ−4−(R)−(3−(5,7−ジオキソ−5H−チアゾロ[3,2−c]ピリミジン−6(7H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(単一のアトロプ異性体)
【化210】
[この文献は図面を表示できません]
THF(3.0mL)および水(0.75mL)中の4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体3](0.139g,0.364mmol)、6−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−5H−チアゾール[3,2−c]ピリミジン−5,7(6H)−ジオン[中間体36](0.127g,0.331mmol)およびCs
2CO
3(0.215g,0.661mmol)の混合溶液を、アルゴンを用いて3分間バブリングして、次いでPdCl
2(dppf)DCM付加物(0.013g,0.017mmol)で処理した。混合溶液を、アルゴンを用いて30秒以上バブリングして、反応容器を密封した。混合溶液を、50℃で5時間攪拌した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、水およびブラインで順に洗った。水層を合わせて、EtOAcで抽出して、有機層を合わせて、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサン(90%,次いで100%)で溶出するシリカゲル(80g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−クロロ−4−(3−(5,7−ジオキソ−5H−チアゾロ[3,2−c]ピリミジン−6(7H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)を、褐色固体(62.7mg,32%収率)として得た。この物質を、下記に従いキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) AD-H(3 x 25 cm,5 μm);移動相:85mL/分でCO
2−MeOH(60:40);試料調整:MeOH−DMSO中の9mg/mL;注入量:2mL。カラムから溶出した第3のピークにより、3−クロロ−4−(R)−(3−(5,7−ジオキソ−5H−チアゾロ[3,2−c]ピリミジン−6(7H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミドの1つの単一アトロプ異性体[実施例38]を得た。質量スペクトル m/z 559(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 11.50(s,1H),8.27(br. s.,1H),8.14(s,1H),7.83(d,J=0.9 Hz,1H),7.69(dd,J=4.6,0.7 Hz,1H),7.59(br. s.,1H),7.54-7.49(m,1H),7.47-7.43(m,1H),7.26(dd,J=7.4,1.2 Hz,1H),7.03(d,J=4.6 Hz,1H),6.99(dd,J=8.6,1.5 Hz,1H),6.62(d,J=8.4 Hz,1H),6.28(s,1H),4.98(s,1H),1.70(s,3H),1.45-1.42(m,6H).
【0449】
カラムから溶出した第4のピークにより、3−クロロ−4−(R)−(3−(5,7−ジオキソ−5H−チアゾロ[3,2−c]ピリミジン−6(7H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミドの別の単一アトロプ異性体[実施例39]を得た。質量スペクトル m/z 541(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 11.49(s,1H),8.27(br. s.,1H),8.13(s,1H),7.83(d,J=0.9 Hz,1H),7.73-7.65(m,2H),7.59(br. s.,1H),7.54-7.43(m,2H),7.26(dd,J=7.5,1.3 Hz,1H),7.05(d,J=4.6 Hz,1H),6.98(dd,J=8.5,1.7 Hz,1H),6.71(d,J=8.6 Hz,1H),6.28(s,1H),1.70(s,3H),1.43(d,J=2.9 Hz,6H).
【0450】
実施例40および41
3−フルオロ−4−(R)−(3−(5−フルオロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(単一のアトロプ異性体)
【化211】
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製造物40A:3−フルオロ−4−(R)−(3−(5−フルオロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(2つのアトロプ異性体の混合物)
ジオキサン(4mL)および水(1mL)中の4−ブロモ−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体27](0.200g,0.548mmol)、5−フルオロ−2−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン[中間体37](0.260g,0.657mmol)およびCs
2CO
3(0.357g,1.10mmol)の混合溶液を、窒素を用いて2分間バブリングして、次いでPdCl
2(dppf)DCM付加物(0.022g,0.027mmol)で処理した。窒素によるバブリングを30秒間継続させて、反応容器を密封した。混合溶液を、60℃で終夜加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcで希釈して、水およびブラインで順に洗った。水層を合わせて、DCMで抽出して、有機層を合わせて、乾燥させて、濃縮した。残留物を、EtOAc−ヘキサンを用いて溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−フルオロ−4−(3−(5−フルオロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)(0.194g,63%収率)を、黄色の固体として得た。
【0451】
実施例40および41:
3−フルオロ−4−(3−(5−フルオロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)の試料を、下記のとおりにキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) OD-H(5 x 25 cm,5 μm);移動相:120mL/分,50℃,100バールでCO
2−IPA(55:45);試料調整:MeOH−CHCl
3(1:1)中で6.8mg/mL;注入量:1mL。カラムから溶出する第1のピークにより、3−フルオロ−4−(R)−(3−(5−フルオロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミドの1つの単一のアトロプ異性体[実施例40]を得た。質量スペクトル m/z 555(M+H)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 11.40(s,1H),8.21(br. s.,1H),8.12(d,J=7.5 Hz,1H),7.95(d,J=10.8 Hz,1H),7.84(d,J=1.1 Hz,1H),7.60(br. s.,1H),7.56-7.46(m,2H),7.41(dd,J=7.4,1.4 Hz,1H),7.23(dd,J=10.2,7.4 Hz,1H),7.02(dd,J=8.6,1.5 Hz,1H),6.88-6.82(m,1H),6.56(td,J=7.4,5.2 Hz,1H),5.86(s,1H),4.98(s,1H),1.77(s,3H),1.47-1.42(m,6H).
【0452】
カラムから溶出する第3のピークにより、3−フルオロ−4−(R)−(3−(5−フルオロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミドの別の単一アトロプ異性体[実施例41]を得た。質量スペクトル m/z 537(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(400 MHz,DMSO-d
6)δ 11.41(s,1H),8.29-8.17(m,1H),8.13(d,J=7.3 Hz,1H),7.96(d,J=10.8 Hz,1H),7.85(d,J=1.1 Hz,1H),7.65-7.57(m,1H),7.57-7.47(m,2H),7.43(d,J=1.5 Hz,1H),7.28-7.21(m,1H),7.02(d,J=1.5 Hz,1H),6.90-6.83(m,1H),6.64-6.53(m,1H),5.87(s,1H),4.99(s,1H),1.78(s,3H),1.48-1.44(m,6H).
【0453】
3−フルオロ−4−(R)−(3−(5−フルオロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミドの別の製造物(単一のアトロプ異性体)[実施例41]:
4−ブロモ−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体27](6.00g,16.4mmol)、5−フルオロ−2−(2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−1,3(2H)−ジオン(単一のエナンチオマー)[中間体38](7.81g,19.7mmol)、2M K
3PO
4水溶液(24.6mL,49.3mmol)およびTHF(70mL)の混合溶液を、窒素による排気/充填を3サイクル行なった。混合溶液を、1,1'−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(0.535g,0.821mmol)で処理して、窒素による排気/充填を2サイクル行なった。混合溶液を、室温にて終夜攪拌した。混合溶液をEtOAcで希釈して、水およびブラインで順に洗い、乾燥させた。水層を濾過して、固体を集めて、有機層に加えた。有機層を濃縮して、残留物を、EtOAc−ヘキサン(順に50%、62%、75%、85%および100%)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−フルオロ−4−(3−(5−フルオロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(2つのアトロプ異性体の混合物)(8.55g,94%収率)を黄色の固体として得た。この物質の試料(同じ物質の別のバッチを合わせた)を、下記のとおりにキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALPAK(登録商標) IC(3 x 25 cm,5 μm);移動相:165mL/分,45℃,100バールでCO
2−MeOH(50:50);試料調整:MeOH−THF−DMSO(2:1:1)中の55mg/mL;注入量:3mL。カラムから溶出する第1のピークにより、3−フルオロ−4−(R)−(3−(5−フルオロ−1,3−ジオキソ−1H−ピリド[1,2−c]ピリミジン−2(3H)−イル)−2−メチルフェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[実施例41]の単一のアトロプ異性体を得た。
【0454】
実施例42
3−クロロ−4−(2−クロロ−3−(1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)
【化212】
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4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体3](36mg,0.094mmol)、(Z)−4−((2−クロロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)イミノ)−1−メチル−1H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2(4H)−オン[中間体40](42.8mg,0.104mmol)、EtOH(1mL)、トルエン(1mL)および2M Na
2CO
3水溶液(0.16mL,0.311mmol)の混合溶液を、5分間窒素によりバブリングした。混合溶液を、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(8.7mg,7.55μmol)で処理して、反応容器を密封して、90℃で16時間加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcと水との層間に分配して、有機相を乾燥させて、濃縮した。残留物を、MeOH−DCM(1%TEAを含有)(0〜5%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(4g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製した。得られる物質を、MeCN−水(0.1%TFAを含有する)(20〜100%のグラジエント,30mL/分)で溶出する分取HPLC(PHENOMENEX(登録商標) Axia C
18 30 x 100 mm)を用いて更に精製した。適切な画分を、飽和NaHCO
3水溶液で処理して、濃縮した。残留物を、EtOAcと水との層間に分配して、有機相をブラインで洗い、乾燥させて、濃縮して、3−クロロ−4−(2−クロロ−3−(1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)(2.5mg,4%収率)を白色固体としてを得た。質量スペクトル m/z 569(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 8.38-8.23(m,1H),7.73(d,J=1.5 Hz,2H),7.70-7.66(m,1H),7.64(s,1H),7.60-7.55(m,1H),7.51-7.45(m,1H),7.37-7.28(m,2H),7.26-7.20(m,1H),7.10-6.78(m,1H),3.70(s,2H),3.67(s,1H),1.65(s,4H),1.64(s,2H).
【0455】
実施例43
3−クロロ−4−(R)−(2−クロロ−3−(1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(単一のアトロプ異性体)
【化213】
[この文献は図面を表示できません]
3−クロロ−4−(2−クロロ−3−(1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)[実施例42](110mg)の試料を、下記のとおりにキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:Lux Cel-4(3 x 25 cm,5μm);移動相:85mL/分でCO
2−MeOH(60:40);試料調整:MeOH−アセトン(9:1)中の6.7mg/mL、注入量:3.0mL。カラムから溶出する第4のピークは、3−クロロ−4−(R)−(2−クロロ−3−(1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミドの単一のアトロプ異性体(20mg,18%収率)を黄色の固体として得た。質量スペクトル m/z 569(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 10.44(s,1H),8.41-8.17(m,1H),7.78-7.72(m,2H),7.68(s,1H),7.65-7.60(m,1H),7.59-7.54(m,1H),7.46(d,J=7.5 Hz,1H),7.34-7.28(m,2H),7.25(s,1H),7.01(d,J=8.6 Hz,1H),3.70(s,3H),1.64(s,6H).
【0456】
実施例44
3−クロロ−4−(2−クロロ−3−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド
(4つのアトロプ異性体混合物)
【化214】
[この文献は図面を表示できません]
4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体3](30mg,0.079mmol)、3−(2−クロロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−8−フルオロ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体41](40.6mg,0.094mmol)、EtOH(1mL)、トルエン(1mL)および2M Na
2CO
3水溶液(0.13mL,0.26mmol)の混合溶液を、5分間窒素によりバブリングした。混合溶液を、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(7.3mg,6.29μmol)で処理して、反応容器を密封し、90℃で16時間加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcと水との層間に分配して、有機相を乾燥させて、濃縮した。残留物を、MeOH−DCM(1%TEAを含有する)(0〜5%のグラジエント)で溶出するシリカゲル(12g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製した。得られる物質を、MeCN−水(0.1%TFAを含有する)(20〜100%のグラジエント,10分,30mL/分)により溶出する分取HPLC(PHENOMENEX(登録商標) Axia C
18 30 x 100 mm)を用いて更に精製した。適切な画分を飽和NaHCO
3水溶液で処理して、濃縮した。残留物を、EtOAcと水との層間に分配して、有機相を、ブラインで洗い、乾燥させて、濃縮して、3−クロロ−4−(2−クロロ−3−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)(6mg,11%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 587(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 10.46(s,1H),7.74(s,1H),7.68(s,1H),7.66-7.61(m,1H),7.59-7.54(m,1H),7.51-7.46(m,2H),7.27-7.17(m,2H),7.06-6.88(m,1H),3.88(dd,J=11.6,8.0 Hz,3H),1.64(s,6H).
19F NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ -121.34.
【0457】
実施例45
3−クロロ−4−(R)−(2−クロロ−3−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(単一のアトロプ異性体)
【化215】
[この文献は図面を表示できません]
3−クロロ−4−(2−クロロ−3−(1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)[実施例44](100mg)の試料を、下記のとおりにキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:Lux Cel-4(3 x 25 cm,5 μm);移動相:85mL/分,50℃,100バールでCO
2−MeOH(60:40);試料調整:MeOH−アセトン(1:1)中で6.7mg/mL;注入量:3.0mL。カラムから溶出する第4のピークにより、3−クロロ−4−(R)−(2−クロロ−3−(1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(9.3mg)の単一のアトロプ異性体を黄色の固体として得た。質量スペクトル m/z 569(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 10.45(s,1H),8.11(d,J=7.3 Hz,1H),7.73(s,1H),7.72(d,J=9.0 Hz,1H),7.68(d,J=1.1 Hz,1H),7.67-7.61(m,1H),7.56(dd,J=7.9,1.8 Hz,1H),7.54-7.52(m,1H),7.51-7.42(m,2H),7.26-7.19(m,2H),7.00(d,J=8.6 Hz,1H),3.90(d,J=8.1 Hz,3H),1.64(s,6H).
19F NMR(376 MHz,クロロホルム-d)δ -121.33.
【0458】
実施例46
4−(2−クロロ−3−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)
【化216】
[この文献は図面を表示できません]
4−ブロモ−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体27](40mg,0.110mmol)、3−(2−クロロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−8−フルオロ−1−メチルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体41](47mg,0.110mmol)、Cs
2CO
3(107mg,0.329mmol)、ジオキサン(8mL)および水(2mL)の混合溶液を、窒素を用いて10分間バブリングした。混合溶液を、PdCl
2(dppf)DCM付加物(7.2mg,8.76μmol)で処理して、60℃で終夜加熱した。混合溶液を冷却して、EtOAcおよび水との層間に分配した。有機相を乾燥させて、濃縮した。残留物を、MeOH−DCM(0〜5%のグラジエント)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、4−(2−クロロ−3−(8−フルオロ−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)−3−フルオロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)(20mg,31%収率)を白色固体として得た。質量スペクトル m/z 569(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ 10.46(s,1H),7.74(s,1H),7.68(s,1H),7.66-7.61(m,1H),7.59-7.54(m,1H),7.51-7.46(m,2H),7.27-7.17(m,2H),7.06-6.88(m,1H),3.88(dd,J=11.6,8.0 Hz,3H),1.64(s,6H).
19F NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ -121.34,-127.34.
【0459】
実施例47
3−クロロ−4−(R)−(2−クロロ−3−(8−フルオロ−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(単一のアトロプ異性体)
【化217】
[この文献は図面を表示できません]
4−ブロモ−3−クロロ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド[中間体3](103mg,0.269mmol)、3−(2−クロロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−8−フルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン[中間体42](140mg,0.336mmol)、THF(5mL)、2M K
3PO
4水溶液(0.504mL,1.01mmol)の混合溶液を、窒素を用いて15分間バブリングした。混合溶液を、1,1'−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(17.5mg,0.027mmol)で処理して、室温にて終夜攪拌した。混合溶液を、濃縮して、残留物をEtOAcおよび水との層間に分配した。有機相を乾燥させて、濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製した。適切な画分を、飽和NaHCO
3水溶液で処理して、濃縮した。水性残留物を、EtOAcで抽出した。有機相を、水およびブラインで順に洗い、乾燥させて、濃縮して、3−クロロ−4−(2−クロロ−3−(8−フルオロ−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド(4つのアトロプ異性体混合物)(30mg,15%収率)を得た。この物質を、下記に従いキラル超臨界液体クロマトグラフィーにより分離した:カラム:CHIRALCEL(登録商標) OJ-H(3 x 25 cm,5 μm);移動相:85mL/分にてCO
2−MeOH−MeCN(65:17.5:17.5);試料調整:MeOH−CHCl
3(1:1)中で6.8mg/mL;注入量:3.0mL。カラムから溶出する第1のピークにより、3−クロロ−4−(R)−(2−クロロ−3−(8−フルオロ−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミドの単一のアトロプ異性体を得た。質量スペクトル m/z 573(M+H-H
2O)
+.
1H NMR(500 MHz,DMSO-d
6)δ 11.63-11.48(m,1H),8.39-8.25(m,1H),8.17-8.12(m,1H),7.99-7.92(m,1H),7.88-7.85(m,1H),7.85-7.81(m,1H),7.81-7.76(m,1H),7.76-7.70(m,1H),7.70-7.62(m,2H),7.57-7.46(m,1H),7.32-7.20(m,1H),7.13-6.99(m,1H),6.77-6.63(m,1H),5.10-4.98(m,1H),1.47-1.45(m,6H).
19F NMR(400 MHz,クロロホルム-d)δ -129.63.
【0460】
表10の化合物を、記載した中間体または記載した方法と同様の方法により製造した中間体を用いて、上記した方法と同様の方法により製造した。
【0461】
表10
【表11-1】
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【表11-2】
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【表11-3】
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【表11-4】
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【表11-5】
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【表11-6】
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【表11-7】
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【0462】
比較例75
7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−4−(2−メチル−3−(4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)−9H−カルバゾール−1−カルボキサミド
【化218】
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【0463】
比較例75は、米国特許第8,084,620号に実施例76〜15として開示されており、その中で記載された方法に従って製造された。
【0464】
比較例76
7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−3−メチル−4−(2−メチル−3−(4−オキソキナゾリン−3(4H)−イル)フェニル)−9H−ピリド[3,4−b]インドール−1−カルボキサミド
【化219】
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【0465】
比較例76は、実施例38としてWO2011/159857に開示されており、その中で記載された方法に従って製造された。
【0466】
生物学的アッセイ
本発明の化合物の薬理特性を、多くの生物学的アッセイにより確認できる。以下に記載した生物学的アッセイの実施例は、本発明の化合物を用いて実施された。
【0467】
ヒト組み換えBtk酵素アッセイ
V底384ウェルプレートに、試験化合物、ヒト組み換えBtk(1nM、インビトロジェン株式会社)、蛍光標識ペプチド(1.5μM)、ATP(20μM)、およびアッセイ緩衝液[20mM HEPES(pH7.4)、10mM MgCl
2、0.015% Brij 35界面活性剤および4mM DTT/1.6% DMSO溶液]を加えて、最終体積を30μLとした。室温で60分間インキュベートした後、各サンプルにEDTA(45μl、35mM)を加えて反応を終了させた。反応混合物を、蛍光基質およびリン酸化産物の電気泳動分離によって、Caliper LABCHIP(登録商標)3000(Caliper,Hopkinton,MA)で分析した。阻害データを、100%阻害として酵素を欠く対照反応および0%阻害として阻害剤を欠く対照反応と比較して算出した。用量反応曲線を作成して、キナーゼ活性の50%を阻害するのに必要な濃度(IC
50)を算出した。化合物を、DMSO溶液に10mMにて溶解し、11種類の濃度で評価した。
【0468】
ラモスFLIPRアッセイ
RPMI(フェノールレッドを欠く)(インビトロゲン11835−030)および50mMのHEPES(インビトロゲン15630−130)[0.1% BSA(シグマA8577)を含有する]中で2×10
6細胞/ml密度のラモスRA1B細胞(ATCC CRL−1596)を、1.5容量のカルシウムローディングバッファー(プロベネシド高感度アッセイのためのBDバルクキット、#640177)に加えて、暗所にて室温で1時間インキュベートした。色素染色した(Dye−loaded)細胞を、ペレットとして沈降させ(ベックマンGS−CKR、1200rpm、室温、5分)、室温で、50mM HEPESおよび10%FBSとともに、RPMI(フェノールレッドを欠く)中に再懸濁させて、密度を1×10
6細胞/mlとした。150μl アリコート(150,000/ウェル)を、ポリ−D−リジンでコートされた96ウェルのアッセイプレート(BD35 4640)に播種し、遠心分離を短時間行なった(ベックマンGS−CKR800rpm、止めることなく5分間)。次いで、0.4% DMSO/RPMI(フェノールレッドを欠く)、50mM HEPES、10% FBS中に希釈した化合物希釈物(50μl)をウェルに加えて、プレートを、暗所にて室温で1時間インキュベートした。上記と同様にアッセイプレートを、遠心分離を短時間行なった後に、カルシウムレベルを測定した。
【0469】
FLIPR1(Molecular Devices)を用いて、ヤギ抗−ヒトIgM(Invitrogen AHI0601)を2.5μg/mLまで加えることにより細胞を刺激した。細胞内カルシウム濃度の変化を180秒間測定し、阻害パーセント率を、刺激単独の存在下で観測される最大カルシウムレベルと比較して決定した。
【0470】
Jak2チロシンキナーゼアッセイ
Jak2チロシンキナーゼに対して活性を有する化合物は、臨床試験においてヒト患者の血小板減少症、貧血および好中球減少症の病因となることが観察されている(例えば、Pardanani,A.,Leukemia,26:1449-1451(2012)を参照されたい)。Jak2シグナル伝達は、EPOおよびTPOを介しておこり、各々赤血球および血小板増殖を制御している。従って、Jak2チロシンキナーゼを阻害することにより、臨床における副作用へと至る可能性がある。Jak2チロシンキナーゼの阻害に関連があるオフターゲットの副作用を最小とするために、Jak2チロシンキナーゼよりも改善された選択性を有するBtk阻害剤が望まれている。
【0471】
アッセイを、V底384ウェルプレート中で行った。最終アッセイ体積は30μlであり、これは15μlの酵素および基質(蛍光標識ペプチドおよびATP)ならびに試験化合物/アッセイ緩衝液[100mM HEPES(pH7.4),10mM MgCl
2,25mM β−グリセロールリン酸塩,0.015% Brij 35界面活性剤および4mM DTT]の添加により調製された。この反応を、Jak2チロシンキナーゼを基質および試験化合物と合わせることにより開始した。反応混合物を、室温で60分間インキュベーションして、35mMのEDTA(45μl)を各試料に加えることにより停止させた。反応混合物を、蛍光基質およびリン酸化生成物を電気泳動的に分離することにより、Caliper LABCHIP(登録商標) 3000で分析した。100%阻害としての酵素不含対照反応と、0%阻害としてのビヒクルのみの反応とを比較することにより阻害データを算出した。アッセイにおける試薬の最終濃度は、ATPが30μM;Jak2蛍光ペプチドが1.5μM;Jak2が1nM;およびDMSOが1.6%であった。用量応答曲線を作成し、キナーゼ活性を50%阻害するのに必要な濃度(IC
50)を決定した。化合物を、ジメチルスルホキシド(DMSO)中に10mMにて溶かし、11種類の濃度でそれぞれ2回評価した。IC
50値を非線形回帰分析により導き出した。
【0472】
B細胞上でのBCR刺激性のCD69発現の全血アッセイ
全血アッセイにおける、ヒトB細胞上のCD69発現を抑制するBtk阻害化合物の効力は、臨床において有効用量を予測するため、かつ副作用の可能性を最小とするために有用である。全血CD69発現アッセイにおいて活性が高いBtk阻害化合物は、活性が低い化合物よりも、必要な用量は少なく、望ましくない副作用を起こしにくいと考えられる(Uetrecht,Chem. Res. Toxicol.,12:387-395(1999);Nakayama,Drug Metabolism and Disposition,37(9):1970-1977(2009);Sakatis,Chem. Res. Toxicol.(2012))。
【0473】
BCRにより刺激されたB細胞を測定するために、ACD−Aのヒト全血を、種々の濃度の試験化合物で処理して、37℃で18時間攪拌しながらAffiniPure F(ab')
2フラグメントのヤギ抗ヒトIgM(Jackson 109-006-1299−内毒素不含)(30μg/mL)およびヒトIL−4(PeproTech 200-04)(10ng/mL)で刺激した。この細胞を、ヒトγグロブリン(Jackson 009-000-002)にてブロッキングして、FITC−コンジュゲートマウス抗ヒトCD20(BD Pharmingen 555622)およびPE−コンジュゲートマウス抗ヒトCD69 モノクローナル抗体(BD Pharmingen 555531)を用いて染色して、分解し、固定して洗った。FACS分析により測定したように、CD20−ポジティブB細胞集団のゲーティング後に、CD69発現の量を平均蛍光強度(MFI)にて定量した。
【0474】
B細胞上でのBCR刺激性のCD69発現の全血アッセイにおいて、Btk阻害化合物の高い効力は、低いCD69 IC
50値により表される。
【0475】
【表12-1】
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【表12-2】
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【表12-3】
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【0476】
実施例1〜74により例示されたような本発明の化合物は、米国特許第8,084,620号およびWO2011/159857各々に開示された比較例75および76と比較して、有利であることが判った。本発明の化合物は、Jak2阻害活性よりも高いBtk阻害活性ならびにBtk阻害活性の改善されたキナーゼ選択性を併せ持つ驚くべき利点を示す。表11に示したように、報告した試験において、実施例1〜74は、Jak2/Btk IC
50値の比により特徴づけられるとおり、Jak2阻害活性よりも高いBtk阻害活性およびBtk阻害活性の改善されたキナーゼ選択性を併せ持つ驚くべき利点を有する。Jak2キナーゼよりもBtkキナーゼに対する高い選択性は、Jak2/Btk IC
50値の比としてより大きな値によって示される。実施例1〜74は、5nM以下のBtk IC
50値を有し、かつ150以上のJak2/Btk IC
50値の比を有する。これに対し、比較例75および76は、2.6〜6.9nMのBtk IC
50値を有し、かつ各々92および29というJak2/Btk IC
50値の比を有した。
【0477】
さらに、実施例1〜74に例示されるような本発明の化合物は、比較例75と比べて、全血BCRにより刺激されるCD69発現アッセイにおいて効力も改善した。表11に示したとおり、報告した試験において、実施例1〜74は、Btk阻害活性、Jak2阻害活性よりも高いBtk阻害活性の改善されたキナーゼ選択性および全血BCRにより刺激されたCD69発現アッセイにおいて改善された効力を併せもつ驚くべき利点を示す。実施例1〜74は、5nM未満のBtkIC
50値、150以上のJak2/Btk IC
50値の比ならびに260nM以下のCD69 IC
50値を有した。これに対して、比較例75は、2.6nMのBtk IC
50値、92のJak2/Btk IC
50値の比ならびに650nMのCD69IC
50値を有した。
表3に示したように、報告した試験において、実施例1〜33は、Jak2/Btk IC
50値の比により特徴づけられるとおり、Jak2阻害活性を超えるBtk阻害活性およびBtk阻害活性の改善されたキナーゼ選択性を併せ持つ驚くべき利点を示す。