(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6353531
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】風力発電装置のタワーのプレキャストコンクリート製セグメントの製造方法およびプレキャストコンクリートセグメントの型枠
(51)【国際特許分類】
B28B 23/00 20060101AFI20180625BHJP
F03D 13/20 20160101ALI20180625BHJP
【FI】
B28B23/00
F03D13/20
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-526552(P2016-526552)
(86)(22)【出願日】2014年7月11日
(65)【公表番号】特表2016-529134(P2016-529134A)
(43)【公表日】2016年9月23日
(86)【国際出願番号】EP2014064965
(87)【国際公開番号】WO2015007656
(87)【国際公開日】20150122
【審査請求日】2016年3月10日
(31)【優先権主張番号】102013213976.4
(32)【優先日】2013年7月17日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512197272
【氏名又は名称】ヴォッベン プロパティーズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】WOBBEN PROPERTIES GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 充
(72)【発明者】
【氏名】ペイショート、カルロス
【審査官】
小野 久子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−321710(JP,A)
【文献】
米国特許第03503584(US,A)
【文献】
英国特許出願公告第01250008(GB,A)
【文献】
国際公開第1995/016140(WO,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第00050798(EP,A1)
【文献】
実開昭56−169041(JP,U)
【文献】
特開平11−072110(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0324364(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28B21/00−23/22
B28B 7/00− 7/46
F03D13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側型枠(220)を配置すること、但し前記内側型枠は少なくとも1つの孔(240)と、前記孔(240)の領域で前記内側型枠の内側に配置された少なくとも1つの保持ユニット(400)を備えること、
コンクリートアンカー(300)の第1端部(310)または前記コンクリートアンカーの第1端部において取り外し可能要素(410)を、前記内側型枠(220)の外側から前記孔(240)を通って前記保持ユニット(400)に、前記コンクリートアンカー(300)を保持するため導入すること、
外側型枠(210)を配置すること、
コンクリートを前記内側および前記外側型枠(220,210)の間に打設すること、
前記第1端部(310)内において前記取り外し可能要素(410)または前記コンクリートアンカー(300)の前記第1端部を取り外すこと、および
前記内側および前記外側型枠(220,210)を取り外すこと、
ここで前記保持ユニット(400)は、互いに平行に配列された第1と第2の保持プレート(420)と、 スペーサプレート(440)と、第1および第2の保持要素(430)とを有しており、
前記第1および第2の保持要素はそれぞれ、第1弾性端部(433)、ラッチ部分(431)および第2端部(434)を有しており、
前記第1および第2の保持要素(430)の前記第1弾性端部(433)は、前記コンクリートアンカー(300)の前記第1端部(310)が第1方向に導入される時にスプリング動作し、前記第1および第2の保持要素のラッチ部分(431)は、前記第1方向とは反対の第2方向にロック動作すること、
を特徴とする風力発電装置のプレキャストコンクリート製タワーセグメントの製造方法。
【請求項2】
前記コンクリートアンカー(300)の前記第1端部(310)は、前記取り外し可能要素(410)が螺合する内ねじ(311)を有し、それを介して付属設備または装着部品が前記タワーセグメントに係止されること特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
少なくとも1つの孔(240)を備える内側型枠(220)と、
前記内側型枠に前記孔の領域に設けられる少なくとも1つの保持ユニット(400)と、を有し、
前記保持ユニット(400)は、コンクリートアンカー(300)の第1端部(310)または前記コンクリートアンカーの前記第1端部(310)における取り外し可能要素(410)を、前記内側型枠(220)の外側から前記孔(240)を通って前記保持ユニット(400)に導入したとき、前記コンクリートアンカー(300)を保持するように構成されており、
ここで前記保持ユニット(400)は、互いに平行に配列された第1と第2の保持プレート(420)と、 スペーサプレート(440)と、第1および第2の保持要素(430)とを有しており、
前記第1および第2の保持要素はそれぞれ、第1弾性端部(433)、ラッチ部分(431)および第2端部(434)を有しており、
前記第1および第2の保持要素(430)の前記第1弾性端部(433)は、前記コンクリートアンカー(300)の前記第1端部(310)が第1方向に導入される時にスプリング動作し、前記第1および第2の保持要素のラッチ部分(431)は、前記第1方向とは反対の第2方向にロック動作すること、を特徴とする風力発電装置のプレキャストコンクリート製タワーセグメント用型枠。
【請求項4】
前記保持ユニット(400)は、前記取り外し可能要素(410)または前記コンクリートアンカー(300)の前記第1端部(310)が一方向に導入され、反対方向にブロックされるよう構成されることを特徴とする請求項3記載の型枠。
【請求項5】
前記保持ユニット(400)は、前記取り外し可能要素(410)または前記コンクリートアンカー(300)の第1端部(310)を導入するためにスプリング動作し、反対方向にロック動作することを特徴とする請求項3または4記載の型枠。
【請求項6】
風力発電装置のプレキャストコンクリート製タワーセグメントの製造の際にコンクリートアンカー(300)を保持する保持ユニット(400)であって、
保持ユニット(400)を内側型枠(220)に固定する少なくとも1つの固定部分(425)と、
コンクリートアンカー(300)が、第1方向に導入を許容しかつ第1方向と反対の第2方向に抜けることを防止可能な少なくとも1つの弾性保持要素(430)と、を有し、
ここで前記保持ユニット(400)は、互いに平行に配列された第1と第2の保持プレート(420)と、 スペーサプレート(440)と、第1および第2の保持要素(430)とを有しており、
前記第1および第2の保持要素はそれぞれ、第1弾性端部(433)、ラッチ部分(431)および第2端部(434)を有しており、
前記第1および第2の保持要素(430)の前記第1弾性端部(433)は、前記コンクリートアンカー(300)の第1端部(310)が第1方向に導入される時にスプリング動作し、前記第1および第2の保持要素のラッチ部分(431)は、前記第1方向とは反対の第2方向にロック動作することを特徴とする保持ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力発電装置のタワーのプレキャストコンクリート製セグメントの製造方法およびプレキャストコンクリートセグメントの型枠に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば風力タービンのタワーは、コンクリート製タワーに関する限り、例えば、複数のコンクリートセグメントから構成される。各コンクリートセグメントは互いに積層され、鋼ケーブルまたは鉄コードによって互いに支え合う。
【0003】
風力発電装置のコンクリートセグメントの製造の際、内側型枠と外側型枠が配置される。これらの間に、金属ケージまたはコンクリートセグメントの静的挙動を改善する補強部材が設けられる。内側型枠と外側型枠を構築した後、内側型枠と外側型枠の間の容積にコンクリートが打設される。コンクリート硬化後、外側型枠を外して、さらなる処理のためにコンクリートを輸送することができる。
【0004】
例えば、はしご等の様々な付属設備を風力発電装置のタワー内に備え付ける必要がある。これらの付属設備は、当然、強固に(コンクリートセグメントの)タワー壁にまたはタワー壁内に取り付ける必要がある。取り付けは、その結果がタワーの静的挙動に負の影響を及ぼさないように行う必要もある。
【0005】
付属設備は、孔が適切な位置に開けられ、付属設備が例えばダウエルピンによってタワー壁内または上に留められることによって装着される。
【0006】
優先権の基礎となる独国出願において、独国特許商標庁は以下の文献を検索した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】DE 16 84 221公報
【特許文献2】US 6,315,077 B1公報
【特許文献3】US 7,108,101 B1公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、費用対効果のより高いコンクリートセグメントの製造を可能にする風力発電装置のタワー用のプレキャストコンクリート製セグメントの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本課題は第1の視点に基づく方法によって達成される。
(第1の視点)風力発電装置のプレキャストコンクリート製タワーセグメントの製造方法は、内側型枠を配置すること、但し前記内側型枠は少なくとも1つの孔と、前記孔の領域で前記内側型枠の内側に配置された少なくとも1つの保持ユニットを備えること、コンクリートアンカーの第1端部または前記コンクリートアンカーの第1端部において取り外し可能要素を、前記内側型枠の外側から前記孔を通って前記保持ユニットに、前記コンクリートアンカーを保持するため導入すること、外側型枠を配置すること、コンクリートを前記内側および前記外側型枠の間に打設すること、前記第1端部内において前記取り外し可能要素または前記コンクリートアンカーの前記第1端部を取り外すこと、および前記内側および前記外側型枠を取り外すこと、
ここで前記保持ユニットは、互いに平行に配列された第1と第2の保持プレートと、 スペーサプレートと、第1および第2の保持要素とを有しており、前記第1および第2の保持要素はそれぞれ、第1弾性端部、ラッチ部分および第2端部を有しており、前記第1および第2の保持要素の前記第1弾性端部は、前記コンクリートアンカーの前記第1端部が第1方向に導入される時にスプリング動作し、前記第1および第2の保持要素のラッチ部分は、前記第1方向とは反対の第2方向にロック動作すること、を特徴とする。
(第2の視点)第1の視点に記載の製造方法によって製造可能な風力発電装置のタワー用プレキャストコンクリートセグメント。
(第3の視点)風力発電装置のプレキャストコンクリート製タワーセグメント用型枠は、少なくとも1つの孔を備える内側型枠と、前記内側型枠に前記孔の領域に設けられる少なくとも1つの保持ユニットと、を有し、前記保持ユニットは、コンクリートアンカーの第1端部または前記コンクリートアンカーの前記第1端部における取り外し可能要素を、前記内側型枠の外側から前記孔を通って前記保持ユニットに導入したとき、前記コンクリートアンカーを保持するように構成され
ており、ここで前記保持ユニットは、互いに平行に配列された第1と第2の保持プレートと、 スペーサプレートと、第1および第2の保持要素とを有しており、前記第1および第2の保持要素はそれぞれ、第1弾性端部、ラッチ部分および第2端部を有しており、前記第1および第2の保持要素の前記第1弾性端部は、前記コンクリートアンカーの前記第1端部が第1方向に導入される時にスプリング動作し、前記第1および第2の保持要素のラッチ部分は、前記第1方向とは反対の第2方向にロック動作する。
(第4の視点)風力発電装置のプレキャストコンクリート製タワーセグメントの製造の際にコンクリートアンカーを保持する保持ユニットであって、保持ユニットを内側型枠に固定する少なくとも1つの固定部分と、コンクリートアンカーが、第1方向に導入を許容しかつ第1方向と反対の第2方向に抜けることを防止可能な少なくとも1つの弾性保持要素と、を有
し、ここで前記保持ユニットは、互いに平行に配列された第1と第2の保持プレートと、 スペーサプレートと、第1および第2の保持要素とを有しており、前記第1および第2の保持要素はそれぞれ、第1弾性端部、ラッチ部分および第2端部を有しており、前記第1および第2の保持要素の前記第1弾性端部は、前記コンクリートアンカーの第1端部が第1方向に導入される時にスプリング動作し、前記第1および第2の保持要素のラッチ部分は、前記第1方向とは反対の第2方向にロック動作する。
なお、本願の特許請求の範囲に付記した図面参照符号は、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。
【0010】
したがって、プレキャストコンクリート製タワーセグメントの製造方法が提供される。内側型枠は少なくとも1つの孔と少なくとも1つの保持ユニットを内側型枠の内側(内壁側)に孔の領域に備え、該内側型枠が配設される。コンクリートアンカーの第1端部またはコンクリートアンカーの第1端部において取り外し可能要素の第1端部が、内側型枠の外側から孔を通って保持ユニットに、コンクリートアンカーの保持のため導入される。外側型枠が配置される。コンクリートが内外型枠の間に導入ないし打設される。第1端部ないしコンクリートアンカーの第1端部取り外し可能要素が取り外され、プレキャストコンクリートが脱型される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の他の視点によれば、保持ユニットは、取り外し可能要素またはコンクリートアンカーの第1端部が一方向に導入され、反対方向にはブロックされるように構成される。
【0012】
本発明の別の視点によれば、保持ユニットは、取り外し可能要素を導入するときにはスプリング動作し、反対方向へはロック動作する。
【0013】
本発明の他の視点によれば、コンクリートアンカーの第1端部は内ねじを有し、取り外し可能な端部は内ねじに螺合して、取付部品または付属設備がタワーセグメントに係止(固定)可能となる。
【0014】
本発明は、内側型枠(内)の適切な位置に孔(複数)を設け、また外側型枠の取り付け前(例えばコンクリートセグメント強化用鉄筋格子の取り付け後)、内側型枠の内側で孔内に保持ユニットを設けるという考えに関する。これは、保持ユニットを内側型枠の内側に溶接することによって実行できる。コンクリートアンカーの第1端部は、内側型枠に設けた孔を通って保持ユニットに導入することができ、ここでコンクリートアンカーが保持される。次に外側型枠を配置することができ、コンクリートが内外型枠間の容積に導入できる。コンクリート硬化後、外側型枠を取り外すことができる。次にコンクリートセグメントを内側型枠から持ち上げることができる。内側型枠はそこで任意に残留してもよく、保持ユニットは内側型枠に任意に残留してもよく、取り外されてもよい。
【0015】
コンクリートアンカーの自由端部には、取り外し可能要素を、例えば保持ユニットと係合してそれにより保持ユニットに保持されるボルトの形式で設けることができる。取り外し可能要素は内側型枠の取り外し前に取り外すことができる。次いで内側型枠は1つまたは複数の保持ユニットと一緒に取り外すことができる。このようにして、コンクリートセグメントにはコンクリートセグメントの内側に複数の孔が残り、これらの孔は夫々コンクリートアンカーを介してコンクリート型枠に強固に接続(ないし結合)される。
【0016】
本発明のさらなる改良は従属項の主題を形成している。
本発明において、以下の形態が可能である。
(形態1)第1の視点のとおり。
(形態2)前記保持ユニットは、取り外し可能要素または前記コンクリートアンカーの第1端部が一方向に導入され、反対方向にはブロックされるように構成される。
(形態3)前記保持ユニットは、前記取り外し可能要素の導入時にスプリング動作し、反対方向へはロック動作することを特徴とする。
(形態4)前記コンクリートアンカーの前記第1端部は、前記取り外し可能要素が螺合する内ねじを有し、それを介して付属設備または装着部品が前記タワーセグメントに係止される。
(形態5)第2の視点のとおり。
(形態6)第3の視点のとおり。
(形態7)前記保持ユニットは、前記取り外し可能要素または前記コンクリートアンカーの前記第1端部が一方向に導入され、反対方向にブロックされるよう構成される。
(形態8)前記保持ユニットは、前記取り外し可能要素または前記コンクリートアンカーの第1端部を導入するためにスプリング動作し、反対方向にロック動作する。
(形態9)第4の視点のとおり。
【0017】
以下図面を参照しながら本発明の有利で例示的な実施例を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明による一風力発電装置を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施例による風力発電装置のタワーのタワーセグメントのプレキャストコンクリート部分を模式的に示す断面図である。
【
図3】
図3は、第2実施例によるプレキャストコンクリート製タワーセグメントの詳細を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図4Aおよび4Bは、第2実施例による保持ユニットの2つの異なる模式図であり、
図4Cは、
図4Aおよび4Bの保持ユニットを模式的に示す断面図である。
【
図5】
図5は、第2実施例によるプレキャストコンクリート製タワーセグメントの詳細を示す断面の斜視図である。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明による風力発電装置を模式的に示す図である。風力発電装置100は、タワー102とナセル104を有する。3枚のロータブレード108とスピナ110を備えるロータ106がナセル104上に設けられる。運転時、ロータ106は風力によって回転運動するように設定され、これによってナセル104内で発電機のロータも回転する。ロータブレード108のピッチ角は、各ロータブレード108の根元にあるピッチモータによって調節(変更)できる。タワー102は、複数のタワーセグメントまたはタワーセクション200から組み立てられている。
【0020】
図2は、第1(例示的)実施例による製造中の風力発電装置のタワー用のプレキャストコンクリート製タワーセグメントの断面図である。コンクリートタワーセグメントを製造するため、内側型枠220は、少なくとも1つの保持ユニット400が内側型枠内にないし内側型枠の内側に少なくとも1つの孔240の領域に配設ないし固定されている。これは例えば溶接によって実装される。コンクリートアンカー300はその第1端部310が、内側型枠220内の孔240を通じて外側から案内されて、保持ユニット400に嵌入してそこに保持される。外側型枠210の設置後、内外型枠220,210の容積にコンクリート230が充填される。金属ケージまたは補強具は内外型枠220,210の間に設けることができ、プレキャストコンクリート部分(部材)の機械的強度を改善する。内外型枠220,210間にコンクリートを充填するとき、コンクリートはコンクリートアンカー300も囲む。コンクリートタワーセグメントのコンクリートが十分に硬化したとき、外内型枠210,220が取り外される。コンクリートアンカー300はコンクリート230によって確実に保持(確保)され、取付部品をコンクリートアンカー300に固定(係止)することができる。
【0021】
コンクリートアンカー300の第1端部310には、取り外し可能要素410、例えばコンクリートアンカー300を保持するために、保持ユニット400に導入可能なネジボルト410を設けることができる。取り外し可能要素(例えばネジボルト)が取り外された後、コンクリートセグメントが、そこに内側型枠220が残っている状態で(保持ユニット400が取り外されていない)脱型され、その結果、プレキャストコンクリート部分200のみが少なくとも1つのコンクリートアンカー300を備えて残留する。コンクリートアンカー300の第1端部310は、例えば付属設備また取付部品がそれに風力発電装置のタワーの内側に固定(係止)可能に構成できる。これは例えば(内)ねじを備えることによって達成できる。
【0022】
コンクリート硬化後、コンクリートアンカー300は十分に強固にプレキャストコンクリート製タワーセグメントにアンカーされ、付属設備および装着部品をコンクリートアンカーないしその第1端部310に固定することができる。
【0023】
本発明の保持ユニット400は内側型枠220の内側(内壁面)に、ボアまたは孔240の領域内で固定(ないし固着)される。保持ユニット400は、コンクリートアンカーの第1端部310あるいは第1端部上または内に設けられた取り外し可能要素410は、コンクリートアンカーが保持ユニット400によって固定(係止)されるように、すなわちコンクリートアンカーが保持ユニットに保持されるように、保持ユニット400に導入可能に構成される。この固定(係止)は、例えばコンクリートアンカーの第1端部310の取り外し可能要素410を孔240を貫通して保持ユニット400に挿入することによって実行される。コンクリートアンカー300が取り外し可能要素410を経由して保持ユニット400に導入された後、コンクリートアンカー300は確実に固定(係止)され、続いて、コンクリート230が内外型枠間に打設できる。
【0024】
保持ユニット400を内側型枠220の内側に備えることによって、一人で内側型枠の外からコンクリートアンカー300の位置決めができるため、唯一人によってコンクリートアンカー300の位置決めができる。保持ユニット400は、任意にコンクリートアンカーの第1端部310の導入が可能であるが、反対方向への移動を阻止(ブロック)するように構成することもできる。
【0025】
保持ユニット400は、任意に、コンクリートアンカーを導入するときにはスプリング機能を有し、コンクリートアンカーの取り外しに対してはロック機能を有する。
【0026】
本発明の保持ユニットは、プレキャストコンクリート製タワーセグメントの製造に際し、コンクリートアンカーが他の方法により固定されることを要することなく、コンクリートアンカーをその位置に保持するように機能する。
【0027】
図3は、第2実施例によるプレキャストコンクリート製タワーセグメントの詳細を模式的に示す断面図である。第2実施例によるプレキャストコンクリート製タワーセグメントは、
図2の第1実施例によるプレキャストコンクリート製タワーセグメントに基づくものとすることができる。保持ユニット400は内側型枠220の内側に例えば溶接によって固定される。保持ユニット400は、特に内側型枠220内の孔240の周りに設けられる。取り外し可能要素410を持つ第1端部310を備えるコンクリートアンカー300は、孔240を通じて保持ユニット400内へ導入される。保持ユニット400は取り外し可能要素410を保持かつロックし、その結果コンクリートアンカー300をもはや取り外すことができない。
【0028】
保持ユニット400は、互いに平行に配置されてボルト426によって互いに固定(ないし係留)可能な二枚のプレート420を有することができる。プレート420は第1端部に2つの固定部分425を有し、保持ユニット400を内側型枠220に固定(固着)可能としている。固定は例えば溶接によって達成できる。切欠き423および任意に取付容易化部分422a,422bが、2つの固定部分425,425の間に設けられる。切欠き423は、出るコンクリートが切欠き423を通じて流下可能となるように設けられる。取付容易化部分422a,422bは取り付け(組立て)を容易化する。
【0029】
各プレート420は第2端部に切欠き424を有する。切欠き424は、取り外し可能要素410が好ましくはコンクリートの硬化後にコンクリートアンカーがもはや移動不能状態で組立工により取り外すことができるように設けられる。
【0030】
コンクリートアンカー300は第1端部310および第2端部320を有する。第1端部310は(内)ねじを有し、内側型枠220に接して設けられる。第2端部320はコンクリート230内へ突出する。取付部品および付属設備は、第1端部310の内ねじ311によってタワーセグメント200の内側に固定(螺着)できる。
【0031】
図4Aは、第2実施例による保持ユニットのプレートの平面図である。プレート420はその一端部に複数の係止部分425を有し、それらの間に取付容易化のための切欠き423と切欠き422a,422bを有する。切欠き424がプレート420の第2端部に設けられる。プレート420はボルト426用に複数の開口ないし孔421も有する。
【0032】
図4Bは、第2実施例による保持ユニットのプレートの平面図である。保持ユニットプレート420は、平行に配列された2つの保持プレート420、スペーサプレート440および2つの保持要素430を有する。保持要素は、第1弾性端部433、ラッチ部分431および第2端部434を有する。第2端部434は2つのボルトによって(そのうち一方のボルトは遊び開口432に挿通)保持され、第1端部433は1つのボルトによって保持される。
【0033】
図5は、本発明による一保持ユニットを示す断面の斜視図である。
図5の図示では、(2つの)プレート420の1つを省いている。
図5中、コンクリートアンカー300はその第1および第2端部310,320とともに図示され、取り外し可能要素410が第1端部310に係止(固定)されている。取り外し可能要素410は、例えばネジボルトの形式で実装でき、コンクリートアンカーの第1端部310でその(内)ねじ311と螺合される。コンクリートアンカーの取付時、第1端部は取り外し可能要素410とともに、孔240を通じて、内側型枠220に固着された保持ユニット400に導入される。2つのラッチ部分431によって、保持ユニット400は取り外し可能要素410の外ねじと係合(螺合)して、取り外し可能要素を導入位置で保持する。2つのラッチ部分431はそれぞれ、ラッチ動作がスプリング動作(可動動作)を許容するようにスプリング433と結合される。ラッチ部分431の構造に起因して、コンクリートアンカー300は取り外し可能要素410とともに、保持ユニットへ導入されることだけが可能であるが、戻ることはできない。
【0034】
本発明の一視点によれば、保持ユニット400はクランプジョーの形式で構成できる。クランプジョーは、内側型枠に内側から固定ないし溶接することができる。保持ユニット400の位置は、内側型枠220内のホールないし孔240の位置によって決定される。内側型枠220がそれに固定された保持ユニット400とともに設置された後、作業者はコンクリートアンカー300を、六角ソケットボルト状の取り外し可能要素410とともに、内側型枠220の外から孔240を通じてクランプジョー400内に導入することができる。任意に、コンクリートアンカーは、例えば40度、回転することができ、その結果、ボルトの外ねじはラッチ部分431上の鼻部(突部)と係合して、コンクリートアンカーは係止のために内側型枠内へ引き込まれる。内外型枠間の容積がコンクリート230で充填された後、六角ソケットボルト410を緩めて保持ユニットないしクランプジョーから外すことができ、内側型枠220から取り外すことができる。
【0035】
本発明によれば、風力発電装置のプレキャストコンクリート製タワーセグメントの製造に際し、補強ケージを任意にクレーンによって内側コア上に内側型枠ともに設定または配置することができる。コンクリートアンカー(例えば波状アンカーまたはソケット状ダニエルピン)は内ねじボルトを備え、本発明による保持ユニットに導入または圧入することができ、保持ユニットが内側型枠の内側に固定される。本発明によれば、コンクリートアンカーを、例えばタワー梯子、ケーブルホルダ等を固定(係止)するために用いることができる。次いで外側型枠を(ケージが内側コア上(の外側)に配置された後)配置することができ、またすべてのコンクリートアンカーを位置決めし、ねじ回し(螺合)可能にすることができる。次いでコンクリートが型枠内に打設できる。コンクリート硬化後、ねじピンないし取り外し可能要素は本発明による保持ユニットから緩められ(ねじを緩めて外され)、コンクリートセグメントと内側型枠の間にはもはや接続状態が存在しなくなる。次に外側型枠を解放および取り外しすることができ、コンクリートセグメントには外側から自由にアクセスできるようになる。次に完成したコンクリートセグメントを例えばクレーンによって内側型枠から持ち上げることができ、さらに次の処理(加工)のために搬送することができる。
【符号の説明】
【0036】
100 風力発電装置
102 タワー
104 ナセル
106 ロータ
108 ロータブレード
110 スピナ
200 タワーセグメント(タワーセクション)、プレキャストコンクリート部分
210 外側型枠
220 内側型枠
230 コンクリート
240 孔(ボア)、ホール
300 コンクリートアンカー
310 第1端部
311 内ねじ、ねじ
320 第2端部
400 保持ユニット、クランプジョー
410 取り外し可能要素、ネジボルト(六角(ソケット)ボルト)
420 プレート、保持ユニットプレート
421 孔、開口
422a,422b 取付容易化部分、切欠き
423 切欠き
424 切欠き
425 固定部分
426 ボルト
430 保持要素
431 ラッチ部分
432 第2端部の開口
433 第1弾性端部、第1端部、スプリング
434 第2端部
440 スペーサプレート