特許第6353550号(P6353550)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6353550同一のジェスチャーを用いた複数のディスプレイ属性の設定の変更
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6353550
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】同一のジェスチャーを用いた複数のディスプレイ属性の設定の変更
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20130101AFI20180625BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20180625BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20180625BHJP
【FI】
   G06F3/0484 170
   G06F3/01 570
   G06F3/0488
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-550296(P2016-550296)
(86)(22)【出願日】2015年2月6日
(65)【公表番号】特表2017-508209(P2017-508209A)
(43)【公表日】2017年3月23日
(86)【国際出願番号】JP2015000570
(87)【国際公開番号】WO2015118886
(87)【国際公開日】20150813
【審査請求日】2017年5月22日
(31)【優先権主張番号】14/174,166
(32)【優先日】2014年2月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パテール スネハ
(72)【発明者】
【氏名】オドナヒュー アンソニー
【審査官】 星野 昌幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−33058(JP,A)
【文献】 特開2013−164788(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/01
G06F3/048−3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ、
前記プロセッサに結合されるディスプレイ、
前記プロセッサに結合される検知装置、及び、
前記プロセッサに結合されるメモリ、
を有するシステムであって、
前記メモリは内部に記憶された命令を有し、
前記命令は、当該システムによって実行される場合に、当該システムに、
前記メモリ内に記憶されたコンテンツを含むデータを有するファイルにアクセスする操作、
第1属性についての設定及び第2属性についての設定に従って前記ディスプレイ上に前記コンテンツを表示する操作、
前記検知装置に対するユーザーによって生成された動きの検知に応じて、前記第2属性についての設定を変更することなく前記第1属性についての設定を変更する操作
前記検知装置と接触又は近接する動きの継続の検知に応じて、前記第1属性についての設定の変更を継続し、かつ、前記第1属性についての設定が閾値を超えるときに前記第2属性についての設定を異なる値へ変更する操作、並びに、
前記第2属性についての設定を異なる値へ変更する操作後、前記検知装置と接触又は近接する動きのさらなる継続の検知に応じて、前記第1属性についての設定を異なる値へ変更する操作、
を有する操作を実行させる、
システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記コンテンツが電子書籍(eブック)の少なくとも一部を含み、かつ、
計算システムはeブックリーダーを含む、
システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシステムであって、前記第1属性が複数の属性から選択可能である、システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のシステムであって、前記第1属性が輝度である、システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載のシステムであって、前記第2属性が、フォント色、背景色、日中モード、及び夜間モードからなる群から選択される、システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載のシステムであって、前記動きが、1本の指で前記検知装置を触るジェスチャー、2本の指で前記検知装置を触るジェスチャー、1本の指を前記検知装置に近接させて動かすジェスチャー、及び、2本の指を前記検知装置に近接させて動かすジェスチャーからなる群から選択されるユーザージェスチャーを含む、システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載のシステムであって、前記操作が、前記第1属性についての設定値を示すグラフィカル構成要素を表示する操作をさらに含む、システム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムであって、
前記操作が、
テキストと背景を含む電子ページをある輝度のレベルで表示する操作、
タッチスクリーンに接触又は近接した動きの検知に応じて、前記輝度のレベルを変更する操作、
前記輝度のレベルに閾値を超えさせる前記タッチスクリーンに接触又は近接した動きの検知に応じて、前記テキストの色と前記背景の色を変更する操作、
を含む、
システム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムであって、前記操作は、前記輝度のレベルが前記閾値未満に減少するときに、前記テキストの色を明るい色に変更し、かつ、前記背景色を暗い色に変更する操作をさらに含む、システム。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のシステムであって、前記操作は、前記輝度のレベルが前記閾値を超えて増大するときに、前記テキストの色を暗い色に変更し、かつ、前記背景色を明るい色に変更する操作をさらに含む、システム。
【請求項11】
第1属性についての設定と第2属性についての設定に従って、検知装置を含む、計算システムのディスプレイスクリーン上にコンテンツを表示する段階、
前記検知装置の接触又は近接する動きの検知に応じて、前記第1属性についての設定を異なる値に変更する段階
閾値に到達する前記第1属性についての設定値に応じて、前記第2属性についての設定を変更する段階、及び、
前記第2属性についての設定を異なる値へ変更する段階後、前記検知装置と接触又は近接する動きのさらなる継続の検知に応じて、前記第1属性についての設定を異なる値へ変更する段階、
を有する方法。
【請求項12】
実行されるときに計算システムに、
第1属性についての設定と第2属性についての設定に従って、検知装置を含む、計算システムのディスプレイスクリーン上にコンテンツを表示する段階、
前記検知装置の接触又は近接する動きの検知に応じて、前記第1属性についての設定を異なる値に変更する段階
閾値に到達する前記第1属性についての設定値に応じて、前記第2属性についての設定を変更する段階、及び、
前記第2属性についての設定を異なる値へ変更した後、前記検知装置と接触又は近接する動きのさらなる継続の検知に応じて、前記第1属性についての設定を異なる値へ変更する段階、
を有する方法を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項13】
第1属性についての設定と第2属性についての設定に従ってコンテンツを出力する手段、
検知装置に接触又は近接する動きの検知に応じて、前記第1属性についての設定を異なる値に変更する手段
閾値に到達する前記第1属性についての設定値に応じて、前記第2属性についての設定を変更する手段、及び、
前記第2属性についての設定を異なる値へ変更する段階後、前記検知装置と接触又は近接する動きのさらなる継続の検知に応じて、前記第1属性についての設定を異なる値へ変更する手段、
を有するシステム。
【請求項14】
第1属性についての設定と第2属性についての設定に従ってコンテンツを出力する段階、
検知装置に接触又は近接する動きの検知に応じて、前記第1属性についての設定を異なる値に変更する段階
閾値に到達する前記第1属性についての設定値に応じて、前記第2属性についての設定を変更する段階、及び、
前記第2属性についての設定を異なる値へ変更する段階後、前記検知装置と接触又は近接する動きのさらなる継続の検知に応じて、前記第1属性についての設定を異なる値へ変更する段階、
を有する方法。
【請求項15】
実行されるときに計算システムに、
第1属性についての設定と第2属性についての設定に従ってコンテンツを出力する段階
検知装置に接触又は近接する動きの検知に応じて、前記第1属性についての設定を異なる値に変更する段階
閾値に到達する前記第1属性についての設定値に応じて、前記第2属性についての設定を変更する段階、及び、
前記第2属性についての設定を異なる値へ変更する段階後、前記検知装置と接触又は近接する動きのさらなる継続の検知に応じて、前記第1属性についての設定を異なる値へ変更する段階、
を有する方法を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
タブレットコンピュータシステム、電子書籍(eブック)リーダー、スマートフォン、及び、他の種類の携帯装置の人気はますます高まっている。これらの種類の装置は、たとえば簡単に使用できて直観的なユーザーインターフェースを供し、かつ、ユーザーが現在表示されているものと直接相互作用することを可能にする高解像度タッチスクリーンのような共通する特徴を有する。
【0002】
eリーダーでは、たとえばeブックのページが描画及び表示される。表示されるページの電子版は、まさにそのページの従来の非電子版のように見える。
【0003】
eブックが従来の非電子書籍に勝る一の利点は、電子ページの特性が、たとえば周辺光条件のような因子を考慮することによってユーザーの嗜好を満足するように変更できることである。たとえばユーザーが、ディスプレイがより明るい又は明るくないことを好んでいる場合、そのユーザーは、輝度を上下する調節ができる。輝度は容易に調節可能で、たとえば2本の指をタッチスクリーン上若しくはその付近に設置し、続いてその指を上に動かす(スワイプする)ことで輝度を増大させ、又は、その指を下に動かす(スワイプする)ことで輝度を減少させることができる。
【0004】
一部のeブックリーダーを含む一部の種類の装置では、ユーザーは、通常は日中モードとして知られている第1モードと、通常は夜間モードとして知られている第2モードとの間での選択が可能である。日中モードでは、テキストは暗い色(通常は黒)で、かつ、背景は明るい色(通常は白又は白に近い色)である。夜間モードでは、テキストは明るい色(通常は白又は白に近い色)で、かつ、背景は明るい色(通常は黒)である。輝度のレベルは、上述したように日中モード又は夜間モードで調節され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
たとえば上述したような従来の携帯装置の課題は、ユーザーが、別個の組の行為を利用して輝度の調節及びモードの変更を行うことである。つまり輝度のレベルを変更するには、ユーザーは、自分の指を上下にスワイプすればよい。しかしモードを変更するには、ユーザーは、異なる動きを利用するか、又は、多数のさらなるステップを実行する必要がある。たとえばユーザーは、タッチスクリーンをタップしてメニュー(項目のリスト)を開き、そのメニューから適切な項目を選択することで他のメニューを開き、第2メニュー内の1つ以上の四角にチェックを入れるか又はチェックを外し、その後メニューを閉じてモードを変更する必要があるだろう。ユーザーが、前のモードが良かったと判断する場合、そのユーザーは、それらのステップを繰り返して変更を取り消して他のモードに戻す必要がある。よって、モードの変更に必要な多数の別個のステップに加えて、従来の装置の別な課題は、ユーザーが、その変更の効果を見る前にその変更を実施する必要があることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による実施形態は、ユーザーが同一かつ単一のジェスチャーを用いて輝度とモードの変更を行うことを可能にすることによって、これらの問題を解決する。
【0007】
一般的には、本発明による実施形態では、コンテンツは、計算システム−たとえばeブックリーダーだがそれに限定されない−のタッチスクリーン上に表示される。前記コンテンツは、第1属性についての設定(たとえば輝度のレベル)及び第2属性についての設定(たとえば日中モード又は夜間モード)に従って表示される。前記タッチスクリーンに近接する動き(たとえばスワイプ運動)に応じて、前記第1属性についての設定(「第1設定」)は異なる値に変更される。同一の動きが実行されている間に閾値を超える(たとえば輝度のレベルが閾値レベルに到達する)前記第1設定の値に応じて、前記第2属性についての設定(「第2設定」)は変更される(たとえばモードが変化する)。よって、動きは前記第1設定を変更するのに用いられて良く、前記第1設定が閾値−前記第2設定が変更される点である−に到達/閾値を超えるまで同一の動きが継続(又は連続して反復)され、かつ、その後も前記第1設定が所望の値に到達するまで前記同一の動きは継続/反復されてよい。
【0008】
たとえば一の実施形態では、たとえば2本指のスワイプのような多点ジェスチャーは、輝度及びモードを変更するプロセスを誘発する。一のそのような実施形態では、スワイプジェスチャーが開始されるとき、前記日中モードにおける最高レベルが表示される。前記スワイプジェスチャーがたとえば下方に向かって継続されることで、前記日中モードにおける輝度のレベルは減少する。前記の表示されたコンテンツの輝度は、ジェスチャーが行われるのと同時に変化する。前記スワイプジェスチャーが同一方向で継続されることで、日中モードにおける輝度のレベルはたとえば最低の設定(上述の閾値)に到達してよい。その点では、モードは、日中モードから夜間モードへ自動的に変化する。このとき前記の表示されたコンテンツは、夜間モードにおいて、夜間モードでの最高輝度で表示される。前記スワイプジェスチャーが同一方向で継続される場合、夜間モードにおける輝度のレベルは減少する。この点では、ユーザーは、夜間モードでの輝度を増大させるために前記スワイプジェスチャーの方向を反転させ、かつ/あるいは、日中モードへ戻して日中モードでの輝度を調節してよい。どの点でも、前記ユーザーは、前記スワイプジェスチャーの方向を反転させて現時点でのモードの範囲内で輝度を増大させることができる。
【0009】
代替方法として、上述したように開始点として日中モードにおける最高の輝度レベルを用いる代わりに、現時点でのモードにおける現時点での輝度のレベルが、開始点として用いられてもよい。また、2本指でのスワイプ以外の様々なジェスチャーが、輝度及びモードの変更に用いられて良い。様々なジェスチャーとはたとえば、1本指でのスワイプ又は(1本以上の指を用いた)連続タップだがこれらに限定されない。ある実施形態では、ユーザーは、どのジェスチャーが輝度及びモードの変更に用いられるのか、並びに、どのジェスチャーが他の属性の制御に用いられるのかを選択してよい。
【0010】
さらに本発明による実施形態は、輝度及びモード以外の複数の属性の組み合わせの変更に用いられてよい。
【0011】
一の実施形態では、ユーザーが属性を変更するプロセスを誘発するときにグラフィカル構成要素が表示される。前記第1属性についての設定値が変化するときに、前記グラフィカルな構成要素は変化する。上の例では、前記グラフィカル構成要素は、輝度のレベルを示す数値(たとえば0〜100%の値)であってよい。日中モードでは、前記スワイプジェスチャーが下方へ進められることで、前記数値は減少し、かつ、前記値が閾値(たとえばゼロ)に到達するときに、夜間モードへの変更が行われる。夜間モードへの変更後、前記数値は、該数値の最大値にリセットされ、かつ、前記スワイプジェスチャーが下方へ向かって継続される場合に減少する。前記スワイプジェスチャーが上方へ向かう場合、前記数値は増大する。任意の他の種類のグラフィカル構成要素が用いられても良い。また前記グラフィカル構成要素は、前記第2属性についての設定に従って変化してよい。たとえば、日中モードにおける輝度のレベルは太陽のような構成要素の輝度を変更することによって表され、かつ、夜間モードにおける輝度のレベルは月のような構成要素の輝度を変更することによって表されてよい。
【0012】
まとめると、本発明による実施形態では、一の動きは、タッチスクリーン装置を用いて描画されるコンテンツの複数の属性の組み合わせを制御/変更するのに用いられてよい。複数の操作が、単一のありふれた操作(たとえばスワイプジェスチャー)に置き換えられる。ユーザーは、なされている変更に関する即時的な視覚的フィードバックを受けることができる。よって表示されたコンテンツを変更する従来方法に係る遅延は緩和又は回避される。
【0013】
本開示の様々な実施形態の上記並びに他の目的及び利点は、様々な図面に表された実施形態の以下の詳細な説明を読んだ当業者によって理解される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本願明細書中に含まれてその一部を構成する添付図面は、本開示の実施形態を表し、かつ、詳細な説明と共に本開示の原理を説明する役割を果たす。図中の同様の番号は同様の構成要素を表す。
【0015】
図1】本開示による実施形態を実装可能な計算システムの例のブロック図である。
図2】本発明による実施形態における、ディスプレイスクリーンを示す計算システムの例の前面像を表している。
図3】本発明による実施形態において複数の属性(輝度及びモード)の組み合わせについての設定が変更される例を表している。
図4】本発明による実施形態において複数の属性(輝度及びモード)の組み合わせについての設定が変更される例を表している。
図5】本発明による実施形態において複数の属性(輝度及びモード)の組み合わせについての設定が変更される例を表している。
図6】本発明による実施形態において複数の属性(輝度及びモード)の組み合わせについての設定が変更される例を表している。
図7】本発明による実施形態における、コンピュータに実装された複数の属性(たとえば輝度及びモード)の設定を変更する方法の例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで本開示の様々な実施形態を詳細に参照する。様々な実施形態の例は添付図面に表されている。これらの実施形態に関連付けて説明されているが、本開示がこれらの実施形態に限定されることは意図されていないことに留意して欲しい。対照的に、本開示は、代替型、修正型、及び均等型を網羅することが意図される。これらの代替型、修正型、及び均等型は、「特許請求の範囲」の請求項に規定された本開示の技術的思想及び技術的範囲内に含まれ得る。さらに以降の本開示の詳細な説明では、本開示を完全に理解するため、多数の具体的詳細が明らかにされている。しかし本開示は、これらの具体的詳細なしでも実施可能であることに留意して欲しい。他の場合では、周知の方法、手順、成分、及び回路は、本開示の態様が曖昧になることを回避するように、詳細には説明されていない。
【0017】
この後に続く詳細な説明の一部は、手順、論理図、処理、及びコンピュータメモリ内部でのデータビットの操作を表す他の表記で与えられる。これらの説明及び表記は、データ処理の技術分野に属する通常の知識を有する者(以下、当業者と呼ぶ。)が、本開示の実体を他の当業者へ最も有効に伝えるために用いる手段である。本願においては、手順、論理ブロック、処理等は、望ましい結果となる複数のステップ又は命令の自己無撞着なシーケンスと考えられる。ステップとは、物理量の物理的操作を利用するものである。通常−必ずというわけではないが−これらの量は、コンピュータシステム内において格納、移送、結合、比較、さもなければ操作され得る電気又は磁気信号の形態をとる。これらの量が電気又は磁気信号の形態をとることは、トランザクション、ビット、値、要素、記号、文字、サンプル、画素等としてのこれらの信号を参照するのに広く用いられているという理由で、時として便利であることがわかる。
【0018】
しかし、上記及び同様の項のすべては、適切な物理量に関連付けられるもので、かつ、これらの量に適用される便利なラベルに過ぎないことに留意して欲しい。以降の議論から明らかなように具体的な言及がなければ、本開示全体を通して、たとえば「アクセス(すること)」、「取得(すること)」、「表示(すること)」、「描画(すること)」、「検知(すること)」、「変更(すること)」、「受信(すること)」等という語句を利用した議論は、コンピュータシステム又は同様の電子計算装置若しくはプロセッサ(たとえば図1の計算システム100)の行為又は処理(たとえば図7のフローチャート700)を指称する。コンピュータシステム又は同様の電子計算装置は、コンピュータシステムのメモリ、レジスタ、又は、他の情報記憶媒体装置、伝送装置若しくは表示装置内部で物理(電子)量として表されるデータを操作及び変換する。
【0019】
本願で説明された実施形態は、1つ以上のコンピュータ又は他の装置によって実行されるある形態のコンピュータ可読記憶媒体上に存在するコンピュータ可読命令−たとえばプログラムモジュール−の一般的な文脈において論じられて良い。限定ではない例示として、コンピュータ可読記憶媒体は、非一時的コンピュータ可読媒体及び通信媒体を含んで良い。非一時的コンピュータ可読媒体は、一時的な伝播信号を除くすべてのコンピュータ可読媒体を含んで良い。一般的には、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行し、あるいは、特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含む。様々な実施形態では、プログラムモジュールの機能は、必要に応じて結合又は分配されてよい。
【0020】
コンピュータ記憶媒体は、情報−たとえばコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータ−を記憶する任意の方法又は技術で実装される、揮発性及び不揮発性、取り外し可能及び取り外し不可の媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的に消去可能なプログラム可能メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、小型ディスクROM(CD−ROM)、デジタル多目的ディスク(DVDs)若しくは他の光記憶、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶若しくは他の磁気記憶装置、又は、所望の情報の記憶に用いられ得て、かつ、その情報を取得するようにアクセス可能な任意の他の媒体を含むが、これらに限定されない。
【0021】
通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、及びプログラムモジュールを実施可能で、かつ、任意の情報供給媒体を含む。限定ではない例示として、通信媒体は、有線媒体−たとえば有線ネットワーク又は直接配線接続−及び無線媒体−たとえば音響、高周波(RF)、赤外、及び他の無線媒体−を含む。上記の任意の組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれ得る。
【0022】
図1は、本発明による実施形態を実装可能な計算システム又は計算装置100の例のブロック図である。計算システム100は広範に、コンピュータ可読命令の実行が可能な任意の単一若しくは複数プロセッサ計算装置又はシステムを表す。計算システム100の例は、電子書籍(eブック)リーダー、ラップトップ、タブレット、又はハンドヘルドコンピュータを含むが、これらに限定されない。計算システム100は、たとえば携帯電話、スマートフォン、メディアプレーヤー、カメラ等の種類の計算装置であっても良い。実装に依存して、計算システム100は図1に示された構成要素のすべてを含まなくて良い。かつ/あるいは計算システム100は、図1に示された構成要素に加えてさらなる構成要素を含んでも良い。
【0023】
最も基本的な構成では、計算システム100は、少なくとも1つのプロセッサ102と少なくとも1つのメモリ104を有する。プロセッサ102は一般的に、データの処理若しくは命令の解釈及び実行が可能な任意の種類又は形態の処理ユニットを表す。ある実施形態では、プロセッサ102は、ソフトウエアアプリケーション又はモジュールから命令を受信して良い。これらの命令は、プロセッサ102に、本願で説明及び/又は表された1つ以上の典型的実施形態の機能を実行させ得る。
【0024】
メモリ104は一般的に、データ及び/若しくは他のコンピュータ可読命令の記憶が可能な任意の種類又は形態の揮発性又は不揮発性記憶装置又は媒体を表す。ある実施形態では、計算システム100は、揮発性メモリユニット(たとえばメモリ104)と不揮発性記憶装置(図示されていない)の両方を有して良い。
【0025】
計算システム100はまた、プロセッサ102により操作可能なように該プロセッサ102に結合する表示装置106をも有する。表示装置106は一般的に、ユーザーと計算システムとの間の使いやすいインターフェースを供するグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を表示するように構成される。
【0026】
計算システム100はまた、プロセッサ102と操作可能なように結合する入力装置108をも有する。入力装置108は、ユーザーからの入力を受信し、かつ、この情報をプロセッサ102へ送信するように構成された検知装置(「タッチスクリーン」)を含んで良い。「タッチスクリーン」という用語は、ユーザー入力を検知し得る任意の種類又は形態の検知装置−接触を要しないものも含む−を含むものとして広く受け入れられて用いられている。つまり、一部のタッチスクリーンは、該タッチスクリーンの表面付近での(接触していない)ユーザーの指又はスタイラスを検知し得る。プロセッサ102は、該プロセッサのプログラムに従って検知された入力を解釈する。入力装置108は、表示装置106と一体化されてもよいし、あるいは、別個の部品であってもよい。図示された実施形態では、入力装置108は、表示装置106を覆うように、あるいは表示装置106の前方に設けられたタッチスクリーンである。入力装置108及び表示装置106は、ここではタッチスクリーンディスプレイ107と総称される。ユーザーの入力の検知に用いられ得る多くの異なる技術−たとえば限定ではないが容量検知に基づく技術及び抵抗検知に基づく技術−が存在する。
【0027】
図1の通信インターフェース122は、典型的な計算システム100と1つ以上の追加の装置との間での通信を容易にし得る任意の種類若しくは形態の通信装置又はアダプタを広範に表す。たとえば通信インターフェース122は、計算システム100と、さらなる計算システムを含むプライベート又はパブリックネットワークとの間での通信を容易にし得る。通信インターフェース122の例には、限定ではないが有線ネットワークインターフェース(たとえばネットワークインターフェースカード)、無線ネットワークインターフェース(たとえば無線ネットワークインターフェースカード)、モデム、及び、任意の他の適切なインターフェースが含まれる。一の実施形態では、通信インターフェース122は、ネットワークへの直接リンクを介したリモートサーバーへの直接接続−たとえばインターネット−を供する。通信インターフェース122は間接的に、任意の他の適切な接続を介してそのような接続を供してもよい。通信インターフェース122はまた、外部バス又は通信チャネルを介して、計算システム100と1つ以上のさらなるネットワーク又は記憶装置との間での通信を容易にするように構成されるホストアダプタをも表してよい。
【0028】
図1に表されているように、計算システム100はまた、少なくとも1つの入出力(I/O)装置110をも有してよい。I/O装置110は一般的に、コンピュータ若しくは人間が生成した入力又は出力を計算システム100に対して供給/受信可能な任意の種類又は形態の入力装置を表す。I/O装置110の例には、キーボード、ポインティング若しくはカーソル制御装置(たとえばマウス)、音声認識装置、又は任意の他の入力装置が含まれるが、これらに限定されない。
【0029】
多くの他の装置又はサブシステムは、計算システム100に接続されてよい。逆に、図1に表されたすべての部品及び装置は、本願で説明された実施形態を実施するために存在する必要はない。上述の装置及びサブシステムはまた、図1に示されたものとは異なった方法で相互接続されてもよい。計算システム100はまた、任意の数のソフトウエア、ファームウエア、及び/又はハードウエア構成を採用してよい。たとえば本願で論じられた典型的実施形態は、コンピュータ可読媒体上のコンピュータプログラム(コンピュータソフトウエア、ソフトウエアアプリケーション、コンピュータ可読命令、又はコンピュータ制御論理とも呼ばれる)として符号化されてよい。
【0030】
コンピュータプログラムを含むコンピュータ可読媒体は、計算システム100にロードされてよい。続いてコンピュータ可読媒体上に記憶されたコンピュータプログラムの全部又は一部はメモリ104内に記憶されてよい。プロセッサ102によって実行されるとき、計算システム100へロードされたコンピュータプログラムによって、プロセッサ102は、本願で説明及び/又は表された典型的実施形態の機能を実行する(手段となる)。それに加えて又はその代わりに、本願で説明及び/又は表された典型的実施形態は、ファームウエア及び/又はハードウエアで実装されてよい。
【0031】
図2は、本発明による実施形態における、ディスプレイスクリーンを示す計算システム100の例の前面像を表している。図2の例では、タッチスクリーンディスプレイ107は、描画されたコンテンツの項目202を含む。他の構成要素が、タッチスクリーンディスプレイ107内部で同時に表示されてもよい。
【0032】
一の実施形態では、描画されたコンテンツ202は、eブックからのページを表す電子ページを含む。図2の例では、電子ページはテキストのみを含む。しかし本発明はそのように限定されず、電子ページはテキスト及び/又は画像を含んでよい。
【0033】
一般的には、様々な属性が描画されたコンテンツ202に関連付けられる。これらの属性には以下が含まれる。ただしこれらに限定されない。
電子ページ内部のテキストのフォントサイズ
電子ページ内部のテキストの行間隔
マージン(電子ページの左側、右側、上側、及び下側マージンからその電子ページ内でのコンテンツまでの距離)
黒と白を含む電子ページの背景色
(明るい背景に対する)黒と(暗い背景に対する)白を含むフォント色(テキストの(複数の)色)
フォント字体(たとえばアリアルのようなテキスト中に用いられる(複数の)フォントの種類、並びに、ボールド、下線、及び/又はイタリックのような効果)
背景の輝度とテキスト/画像の輝度を含むタッチスクリーンディスプレイ107の輝度、及び、
タッチスクリーンディスプレイのコントラスト
【0034】
設定は属性に関連付けられてよい。値は設定に関連付けられてよい。輝度を例として用いると、設定は輝度のレベルであってよい。輝度のレベルは数値を用いて示されてよい。
【0035】
本願で用いられているように、操作モード(たとえば日中モード又は夜間モード)もまた属性であり、かつ、選択された操作モード(たとえば日中モードでの操作又は夜間モードでの操作)はその属性についての設定である。他の属性についての設定は、選択された操作モードに従って計算システム100によって自動的に選択されてよい。たとえば背景色とテキストの色は、計算システム100が日中モードで動作しているのか又は夜間モードで動作しているのかに依存して選択されてよい。日中モードでは、明るい背景色(たとえば白)が、対照的な暗いテキストの色(たとえば黒)と併用されてよい。夜間モードでは、暗い背景色(たとえば黒)が、対照的な明るいテキストの色(たとえば白)と併用されてよい。
【0036】
本発明による実施形態では、異なる複数の属性の組み合わせは、タッチスクリーンディスプレイ107上若しくはその付近での単一な(略)連続の動き、移動、又はジェスチャーを用いて変更されてよい。動き/ジェスチャーは、ユーザーが自分の指をタッチスクリーン107と接触させるか、又は、近接させた状態で行われてよい。一般的には、ユーザーのジェスチャーは、タッチスクリーンディスプレイ107の検知距離の範囲内で行われる。後述するように、計算システム100は、ジェスチャーを検出し、かつ、それに応じて複数の属性の組み合わせについての設定を自動的に変更して良い。また計算システム100は、新たな設定を用いることによって描画されたコンテンツ202を自動的に再書式設定してもよい。
【0037】
動き/ジェスチャーの種類には、1本以上の指をタッチスクリーンディスプレイ107に(略)接触させること、及び、スワイプジェスチャーにおいて(複数の)指を一の方向又は他の方向(たとえば描画されたコンテンツ202の方位に対して上方又は下方)に動かすことが含まれる。スワイプジェスチャーは、かなりの部分のジェスチャーが同一で、かつ、本質的に連続となる期間内において、次々に互いに十分近づける一連のスワイプを含んでよい。スワイプジェスチャーの終了又は中止は、長期間にわたって検知範囲を外れるように指を動かす(たとえば指がタッチスクリーンディスプレイ107から離される、すなわち遠ざけられる。)こと、又は、前のスワイプから十分経過後すぐにスワイプ運動を繰り返さない(計算システム100は、いつスワイプジェスチャーが行われるのかを認識できるようにプログラムされてよい。)ことによって示される。
【0038】
1本指スワイプ又は2本指スワイプ以外の様々な異なるジェスチャーが、複数の属性の組み合わせを変更するのに用いられてよい。そのようなジェスチャーには(1本以上の指を用いた)繰り返しのタップが含まれるが、これに限定されない。前記繰り返しのタップでは、タップは、かなりの部分のジェスチャーが同一で、かつ、本質的に連続となる期間内において、互いに十分近い。本願の実施形態では、ユーザーは、どのジェスチャーが複数の属性の組み合わせの変更に用いられるのか、及び、どのジェスチャーが他の複数の属性を制御するのに用いられるのかを選択してよい。
【0039】
有利となるように、これらの種類の動き/ジェスチャーは直観的で、かつ、多くの人たちにとって十分にありふれたものである。しかもこれらの種類の動き/ジェスチャーは、ツールバー等を開くことを要せず、かつ、ドロップダウンメニュー、スライダーバー等の使用を要せずに行われてよい。本質的には、直観的でありふれた行為(たとえばスワイプジェスチャー)が、複数の属性の組み合わせを変更するのに用いられてよい。
【0040】
一般的には、本発明による実施形態では、コンテンツ202は、第1属性についての設定(たとえば輝度のレベル)、及び、第2属性についての設定(たとえば日中モード又は夜間モード)に従ってタッチスクリーン107上に表示される。タッチスクリーンに近接する動き(たとえばスワイプ運動)の検知に応じて、第1属性についての設定(「第1設定」)は異なる値に変更される。動きが行われている間に閾値を超える(たとえば輝度のレベルが閾値レベルに到達する)第1設定の値に応じて、第2属性についての設定(「第2設定」)は変更される(たとえばモードが変化する。)。よって、単一の連続な動き(上述したように連続とみなせる動き)は前記第1設定を変更するのに用いられて良く、前記第1設定が閾値−前記第2設定が変更される点である−を超えるまで同一の動きが継続され、かつ、その後も前記第1設定が所望の値に到達するまで前記同一の動きは継続されてよい。
【0041】
図3、4、5、及び6は、本発明による実施形態において、複数の属性(輝度及びモード)の組み合わせについての設定が変更される例を表している。最初に図3を参照すると、計算システム100の一例の前面図が示されている。図3の例では、上述したように、タッチスクリーンディスプレイ107は、コンテンツ202の描画されたアイテムを含む。
【0042】
コンテンツ202は、コンテンツの第1属性についての設定(第1設定)に従い、かつ、第2属性についての設定(第2設定)にも従ってタッチスクリーンディスプレイ107上に描画される。この例では、第1属性は輝度で、第1設定は輝度のレベルの現時点での値で、第2属性はモードで、かつ、第2設定は現時点でのモード(日中又は夜間)である。
【0043】
輝度とモードの変更プロセスを開始するため、ユーザーは、(タッチスクリーンディスプレイ107の検知範囲内において)タッチスクリーンディスプレイ107上又はその付近に自分の指を設置し、かつ、そのプロセスに係るジェスチャーを実行する。この例では、2本指のスワイプジェスチャーは、輝度とモードを変更するのに用いられる。2本指のスワイプジェスチャーは、以降の図において構成要素302として表される(構成要素302は正しい縮尺で描かれておらず、かつ、ディスプレイ107上の描画された構成要素としては実際には現れない。)。
【0044】
一の実施形態では、グラフィカル構成要素304は、ユーザーが輝度とモードを変更するプロセスを誘発するときに現れる。グラフィカル構成要素304は、第1設定についての現時点での値(現時点での輝度のレベル)を表し、かつ、第1設定の値の変更に伴って変化する。図3の例では、グラフィカル構成要素304は、現時点での輝度のレベルを示す数値(たとえば0〜100%の値)を含む。しかし本発明はそのように限定されない。非数値構成要素を含む様々な種類のグラフィカル構成要素が用いられて良い。たとえば、太陽のような構成要素が日中モードを表すのに用いられてよく、かつ、太陽光線の長さが日中モードにおける輝度のレベルを表すのに用いられてよい。同様に、月のような構成要素が夜間モードを表すのに用いられてよく、かつ、月の状態が夜間モードにおける輝度のレベルを表すのに用いられてよい。一般的には、グラフィカル構成要素304は、現時点での輝度のレベルが輝度の範囲内のどこに位置するのかを示すのに用いられる。その結果ユーザーは、輝度のレベルが最大レベル及び/又は最小レベルに対してどの程度近いのかを知る。
【0045】
一の実施形態では、ユーザーが、スワイプジェスチャーを行うことによって輝度とモードを変更するプロセスを誘発するとき、輝度のレベルは自動的に日中モードにおける高いレベルに変化する。換言すると、図3の例で示されているように、輝度とモードを変更するプロセスが開始されるときに輝度のレベルが100%未満である場合、輝度のレベルは100%にまで増大する。しかし本発明にはそのように限定されない。たとえば開始点として日中モードにおける最高レベルの輝度を用いる代わりに、現時点でのモード(日中モード又は夜間モード)における現時点での輝度(100%未満であってよい)が開始点として用いられてよい。
【0046】
以降の例では、輝度は、表示されているコンテンツの方位に対して下方にスワイプすることで減少し、かつ、上方にスワイプすることで増大する。しかしこれはユーザーの嗜好に依存して反転されてよい。下方の動きが輝度を増大させるのに用いられ、かつ、上方の動きが輝度を減少させるのに用いられてよい。一般的には、設定を変更するジェスチャーの使用はユーザーの嗜好に従ってカスタマイズされてよく、かつ、各異なるジェスチャーは各異なる意味を有してよい。つまりユーザーは、複数の属性のどの組み合わせがどのジェスチャーに関連付けられるのかを特定してよい。たとえばユーザーは、(たとえばドロップダウンメニューによって)属性のリストにアクセスし、かつ、そのリストから複数の属性の組み合わせを選択してよい。選択された複数の属性について、ユーザーは、(たとえば他のドロップダウンメニューによって)ジェスチャーのリストにアクセスし、かつ、選択された複数の属性に関連するジェスチャーを選択してよい。それに応じて、計算システム100(図1)は、選択されたジェスチャーに応じて選択された複数の属性についての設定を変更するように自動的にプログラムされる。
【0047】
図4では、輝度のレベルは、スワイプジェスチャーが下方へ向けて進められることで減少する。表示されたコンテンツの輝度は、ジェスチャーが行われるのと同時に変化する。またグラフィカル構成要素304は、輝度のレベルの減少(たとえば数値の減少)に伴って変化する。これは、輝度の増大する任意の点でのジェスチャーの方向を反転してよい。
【0048】
スワイプジェスチャーが下方へ向けて進められることで、夜間モードにおける輝度のレベルは閾値(たとえばその設定についての最少のとりえる値だが、これに限定されない)に到達する。その点では、図5に示されているように、モードは日中モードから夜間モードへ自動的に変化し、かつ、表示されたコンテンツはこの時点では、夜間モードにおける最高レベルの輝度で表示されている。図5に示されているように、グラフィカル構成要素304もまたそれに従って更新される。
【0049】
図6に示されているように、スワイプジェスチャーが同一方向へ向かうように継続される場合、夜間モードにおける輝度のレベルは減少する。
【0050】
ユーザーは、夜間モードにおける輝度を増大させるため、かつ/あるいは、日中モードにおける輝度へ戻すため、かつ/あるいは、日中モードにおける輝度を調節するため、任意の点でのスワイプジェスチャーの方向を反転させてよい。
【0051】
図3図6の例は輝度とモードを用いているが、本発明はそれに限定されない。本発明による実施形態は、輝度とモード以外の複数の属性の組み合わせを変更するのに用いられてよい。一の実施形態では、単一のユーザーの動きが、たとえばフォントの色、背景色、又はフォントサイズのような第1属性とたとえば第2属性としてのモードとの組み合わせを変更するのに用いられてよい。本発明による実施形態はまた、eブックリーダー以外の装置上で電子ページ以外のコンテンツ−たとえばビデオだがこれに限定されない−と併用されてもよい。たとえば、本発明による一の実施形態は、携帯電話−たとえばスマートフォン又は通常のフィーチャーフォン−上で用いられてよい。そのような実施形態によると、着信音が、音量レベルについての設定及び着信音モードについての設定(たとえば通常モード又はマナーモード)に従って出力される。携帯電話のタッチスクリーンと接触又は近接する動きの検知に応じて、音量レベルについての設定は異なる値(たとえば低い値)に変更される。同一の動きが実行されている間に閾値(たとえば最小値)を超える音量レベルの値に応じて、着信音についての設定が変更される。つまり携帯電話の着信音モードは通常モードからマナーモードへ変化する。
【0052】
図7は、本発明による実施形態における、コンピュータに実装された複数の属性(たとえば輝度とモード)の設定を変更する方法の例のフローチャート700である。フローチャート700は、(たとえば図1の計算システム100を用いることによって)ある形態のコンピュータ可読記憶媒体上に存在するコンピュータが実行可能な命令として実装される。
【0053】
一の実施形態において、図7のブロック702では、メモリに記憶されたファイルがアクセスされる。ファイルは、タッチスクリーン107(図1)上に描画可能なコンテンツを含むデータを有する。あるいはその代わりにコンテンツは、他の装置から計算システム100へ転送されてもよい。
【0054】
図7のブロック704では、コンテンツは、第1属性についての設定(たとえば輝度のレベル)と第2属性についての設定(たとえば日中モード又は夜間モードのようなモード)に従って表示される。
【0055】
ブロック706では、タッチスクリーン107(図1)に対するユーザーによって生成された動きの検知に応じて、第1属性についての設定は変更される一方で、第2属性についての設定は必ずしも変更されない。換言するとたとえば、輝度のレベルが変更され得る一方で、計算システム100は日中モードのままである。一の実施形態では、グラフィカル構成要素(たとえば図3のグラフィカル構成要素304)は、ユーザーが生成した動きの検知に応じて表示されることで、輝度のレベル、又は、最大レベル及び/若しくは最小レベルに対する輝度のレベルを示す。
【0056】
図7のブロック708では、タッチスクリーンに近接する動きの継続の検知に応じて、第1属性についての設定は変化し続ける。第1属性についての設定が変化することで、グラフィカル構成要素304もまた、存在する場合には、変化する。第1属性についての設定が閾値に到達する場合及び/又は閾値を超える場合、第2属性についての設定は異なる値に変化する。換言すると、たとえば輝度のレベルが日中モードにおける最低値又は他の特定された値に到達する場合、ディスプレイは夜間モードに変更される。日中モードから夜間モードへ変化する結果、コンテンツのテキストの色が(たとえば黒から白のように暗い色から明るい色へ)変化し、かつ、背景色が(たとえば白から黒のように明るい色から暗い色へ)変化する。
【0057】
まとめると、本発明による実施形態によって、ユーザーは、より迅速かつ直観的に表示されたコンテンツを変更することが可能となる。一の動きは、複数の属性(たとえば輝度と日中/夜間モード)の組み合わせの制御/変更に用いられてよい。複数の操作が、単一のありふれた操作(たとえばスワイプジェスチャー)に置き換えられる。またユーザーは、なされている変更に関する即時的な視覚的フィードバックを受けることができる。
【0058】
本開示は、具体的なブロック図、フローチャート、及び例を用いて様々な実施形態を明らかにしているが、本願で説明及び/若しくは表されたブロック図の構成要素、フローチャートのステップ、操作、並びに/又は、構成要素は、広範なハードウエア、ソフトウエア、又はファームウエア設定(又はこれらの組み合わせ)を用いることによって個別的及び/又は集団的に実装されてよい。それに加えて、他の構成要素内部に含まれる構成要素の開示は例とみなされなければならない。なぜなら同一の機能を実現するために、多くの他のアーキテクチャが実装可能だからである。
【0059】
本願で説明及び/又は例示されたプロセスパラメータとステップのシーケンスは単なる例として与えられている。たとえば本願で説明及び/又は例示されたステップが特定の順序で示されあるいは論じられているが、これらのステップは必ずしも、例示又は議論された順序で実行される必要はない。たとえば本願で説明及び/又は例示された様々な典型的方法はまた、本願で説明及び/又は例示された1つ以上のステップを省略し、あるいは、開示されたステップに加えてさらなるステップを含んでもよい。
【0060】
様々な実施形態が、本願において十分機能する計算システムの文脈で説明及び/又は例示されたが、これらの典型的実施形態の1つ以上は、様々な形態のプログラム製品として配布されてよく、それは実際の配布に用いられるコンピュータ可読媒体の具体的種類によらない。本願で開示された実施形態はまた、あるタスクを実行するソフトウエアモジュールを用いて実装されてもよい。これらのソフトウエアモジュールは、コンピュータ可読記憶媒体上若しくは計算システム内に記憶されたスクリプト、バッチ、又は他の実行可能ファイルを含んでよい。これらのソフトウエアモジュールは、本願で開示された1つ以上の典型的実施形態を実行するように計算システムを設定してよい。本願で開示されている1つ以上のソフトウエアモジュールは、クラウドコンピューティング環境で実装されてよい。クラウドコンピューティング環境は、インターネットを介して様々なサービス及びアプリケーションを提供し得る。これらのクラウド系サービス(たとえばサービスとしてのソフトウエア、サービスとしてのプラットフォーム、サービスとしてのインフラストラクチャ等)は、ウエブブラウザ又は他の遠隔インターフェースを介してアクセス可能である。本願で説明された様々な機能は、遠隔デスクトップ環境又は任意の他のクラウド系コンピューティング環境を介して供されてよい。
【0061】
説明目的の上記記載は、具体的実施形態を参照しながら説明された。しかし上の議論は、排他的すなわち本発明を開示された厳密な形態に限定することは意図されていない。多くの修正型及び変化型が上記教示の観点から可能である。実施形態は、本発明の原理とその実際の応用を最も良く説明することで、当業者が本発明及び様々な実施形態と想定される具体的利用に適した様々な修正型を最も良く利用できるために選択及び説明された。
【0062】
そのように本発明の実施形態は説明される。本開示が特定の実施形態において説明されてきたが、本発明はそのような実施形態に限定されるように解釈されず、むしろ以降の特許請求の範囲に従って解釈されなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7