【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、対向する組織係合表面、および前記表面間で展開可能な複数の組織貫通ファスナを伴う、2つの脚を有する、圧縮体を含む、閉鎖装置とともに使用するための、閉鎖装置アプリケータを提供する。かかる圧縮体は、同時係属の共有に係る出願である、米国特許出願公開第2007/0260278号において説明され、この完全な開示は、参照することによって本明細書に先に組み込まれる。しかしながら、本発明のアプリケータはまた、類似の構造を有する他の閉鎖装置との使用も見出すであろう。
【0013】
本発明の閉鎖装置アプリケータは、シャフトと、シャフトの近位端に取り付けられるハンドルと、シャフトの遠位端に旋回可能に取り付けられる一対のジョーとを備える。各ジョーは、複数の後退可能なスタッドを有し、ジョーは、スタッドが、閉鎖装置内の個々のファスナに係合した状態で、組織閉鎖装置の脚を着脱可能に係合および保持するように適合される。ハンドルは、第1のトリガと、第2のトリガとを含む。典型的に、シャフトを形成する連結アセンブリは、ハンドルをジョーに接合し、第1のトリガおよび第2のトリガは、ジョーを閉鎖するために、およびファスナを展開するように、ファスナに対して、スタッドを同時に係合するために、ハンドルに向かって一緒に後退させられる。次いで、第2のトリガは、スタッドをファスナから係脱するように、第1のトリガに対して後退させられてもよく、第1および第2のトリガは、ジョーを開放するように、一緒にハンドルから離れさせられる。ジョーが完全に閉鎖される(以下に説明されるように「クリッカ」を介して)場合、およびスタッドが後退させられる前の不慮の開放を防止するように、ジョーが係止される場合、聴覚的確認が与えられる。
【0014】
上に説明されるように、別個のトリガを提供することは、それが、ジョーの閉鎖および開放が、スタッド後退から分離されることを可能にするため、有利である。特に、以下に説明されるように、相互係止具を提供することによって、閉鎖装置アプリケータは、(1)ファスナ展開を伴うジョー閉鎖、(2)スタッドの後退、および(3)ジョーの開放を、順に提供するように構成することができる。ファスナが展開される前にスタッドを後退すること、またはファスナが後退させられる前にジョーを開放することは、手技の失敗の著しいリスクをもたらす。ステップの特定の順序付けは、連結アセンブリの具体的な構造、ならびに装置が適切に展開された場合の相互係止具および聴覚的フィードバックの包含によって提供される。
【0015】
具体的な実施例において、連結アセンブリは、トリガをジョーおよびスタッドに接合するシャフトを一緒になって規定する、固定されたロッドに沿って配置される、一対のスリーブを備える。典型的に、スリーブは同軸であり、第1のトリガは、ジョーを閉鎖するように、第1のスリーブを移動させるように接続され、第2のトリガは、スタッドを係脱するように、第2のスリーブに接続される。通常、第1のトリガは、ハンドル上に旋回可能に載置され、第2のトリガは、第1のトリガ上に旋回可能に載置される。
【0016】
他の具体的な実施形態において、第1のトリガは、第1のレバーによって、第1のスリーブに結合され、第2のトリガは、第2のレバーによって、第2のスリーブに結合される。好ましくは、相互係止具は、相互係止具が、第1および第2のトリガが、ジョーを閉鎖するように一緒に後退させられる場合に、係合され、かつ第2のトリガが、スタッドを後退させるように、第1のトリガに対して後退させられる場合に、解放されるように、第1のトリガとハンドルとの間に配置される。相互係止具は、スタッドが、第2のトリガを使用して後退させられる前の、ジョーの偶発的な開放を防止する。
【0017】
本発明の第2の態様において、左心耳上で圧縮体を閉鎖するための閉鎖装置は、シャフトと、シャフトの遠位端に旋回可能に接続される一対のジョーと、シャフトの近位端に取り付けられるハンドルと、ジョーを閉鎖し、左心耳上で圧縮体を展開するように、ジョーに結合される、ハンドル上のトリガ機構とを備える。左心耳への肋間貫通を介して、ジョー上に支持される圧縮体の導入を促進するために、ジョーは、シャフトの軸に対して、10°から20°、典型的に15°の範囲内の角度で配置される平面内で、開放および閉鎖するように構成される。この角度は、シャフトが、患者の身体の前後平面に対して、対応する角度で導入されることを可能にし、前後平面は、矢状面に垂直である。この改善は、先の同時係属出願第2007/0260278号において開示される設計を使用した場合、肋間送達プロトコルにおいて、軸方向に整列された平面において配向される展開ジョーは、位置付けることが困難であろうという、本明細書における本発明者による発明に起因した。特に、角度付けられたジョーは、盲管を含まないように、左心房壁における口を完全に閉鎖することができるように、閉鎖部材が、左心耳の基部にわたって整列されることを可能にする。
【0018】
本発明のなおさらなる態様において、システムは、同時係属の共有に係る第US2007/0260278号において説明されるもの、および上に説明される装置アプリケータのうちのいずれかといった、閉鎖装置を備える。
【0019】
組織構造を閉鎖するための本発明による方法は、圧縮体を、少なくとも2つのコンプライアントな組織係合表面が、組織構造の両側に係合する状態で、左心耳といった組織構造上に位置付けるステップを含む。圧縮体を保持する、一対のジョーに結合される、第1のトリガは、ジョーを閉鎖し、組織係合表面間で、および組織構造を通って、複数のファスナを展開するように、引っ張られる。次いで、第2のトリガは、ジョー上の複数のスタッドを、ファスナとの接触から係脱するように引っ張られ、第1のトリガは、ジョーを開放し、圧縮体を解放するように、解放される。好ましくは、少なくとも第1および第2のトリガは、スタッドが解放されるまで、ジョーの開放を防止するように、選択的に相互係止され得る。
【0020】
左心耳の基部を閉鎖するための本発明によるさらなる方法は、シャフトを、肋間切開を通って、左心耳に向かって、挿入するステップを含む。圧縮体を支持するジョーは、左心耳上に位置付けられ、ジョーは、シャフトの軸に対して、10°から20°、典型的に15°の範囲内の角度で配置される平面内で、起動可能である。次いで、ジョーは、左心耳上で圧縮体を展開するように閉鎖される。角度付けられたジョーの利点は、上述されている。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
閉鎖装置と使用するための閉鎖装置アプリケータであって、該閉鎖装置は、対向する組織係合表面を有する2つの脚を有する圧縮体と、該表面の間で展開可能な複数の組織貫通ファスナとを含み、
該アプリケータは、
シャフトと、
該シャフトの近位端に取り付けられたハンドルであって、第1のトリガおよび第2のトリガを有するハンドルと、
該シャフトの遠位端に旋回可能に取り付けられた一対のジョーであって、各ジョーは、複数の後退可能なスタッドを有し、該ジョーは、該スタッドが該閉鎖装置の該ファスナを係合することによって、該閉鎖装置を着脱可能に保持するように適合されている、一対のジョーと、
該ハンドルを該一対のジョーに接合する連結アセンブリと
を備え、
該第1のトリガおよび該第2のトリガは、該ハンドルに向かって一緒に後退させられることにより、該ジョーを閉鎖し、かつ、該ファスナを展開し、
該第2のトリガは、該第1のトリガに対して後退させられることにより、該スタッドを該ファスナから係脱させ、
該第1のトリガおよび該第2のトリガは、一緒に該ハンドルから離れさせられることにより、該ジョーを開放する、
アプリケータ。
(項目2)
前記連結アセンブリは、前記シャフトに沿って配置された一対のスリーブを備え、該一対のスリーブは、前記トリガを前記ジョーおよびスタッドに接合する、項目1に記載のアプリケータ。
(項目3)
前記スリーブは、同軸である、項目2に記載のアプリケータ。
(項目4)
前記第1のトリガは、前記ジョーを閉鎖するために、第1のスリーブを移動させるように接続され、前記第2のトリガは、前記スタッドを係脱するために、第2のスリーブに接続されている、項目3に記載のアプリケータ。
(項目5)
前記第1のトリガは、前記ハンドル上に旋回可能に載置されている、項目4に記載のアプリケータ。
(項目6)
前記第2のトリガは、前記第1のトリガ上に旋回可能に載置されている、項目5に記載のアプリケータ。
(項目7)
前記第1のトリガと、前記第1のスリーブとの間に結合された第1のレバーと、前記第2のトリガと、前記第2のスリーブとの間に結合された第2のレバーとをさらに備えている、項目6に記載のアプリケータ。
(項目8)
前記第1のトリガと前記ハンドルとの間の相互係止具をさらに備え、該相互係止具は、該第1のトリガおよび前記第2のトリガが、一緒に後退させられる場合に係合され、該第2のトリガが、該第1のトリガに対して後退させられる場合に解放される、項目1に記載のアプリケータ。
(項目9)
前記ジョーは、前記シャフトの軸に対して、10°から20°の範囲内の角度で配置された平面内で、開放および閉鎖する、項目1に記載のアプリケータ。
(項目10)
前記連結アセンブリは、前記第2のトリガと前記スタッドとの間で接続されたワイヤを備え、該ワイヤは、前記ジョーと前記シャフトとの間の角度に従っている、項目9に記載のアプリケータ。
(項目11)
左心耳の上で圧縮体を閉鎖するための閉鎖装置であって、該装置は、
シャフトと、
該シャフトの遠位端に旋回可能に接続された一対のジョーと、
該シャフトの近位端に取り付けられたハンドルと、
該ハンドル上のトリガ機構であって、該左心耳の上で該ジョーを閉鎖し、該圧縮体を展開するために、該ジョーに結合されたトリガ機構と
を備え、
該ジョーは、該シャフトの軸に対して、10°から20°の範囲内の角度で配置された平面内で、開放および閉鎖する、装置。
(項目12)
閉鎖装置と、項目1から10のうちのいずれか1項に記載のアプリケータとを備えている、システム。
(項目13)
組織構造を閉鎖する方法であって、該方法は、
圧縮体を該組織構造上に位置付けることであって、少なくとも2つのコンプライアントな組織係合表面が、該構造の両側を係合する、ことと、
該ジョーを閉鎖し、該組織係合表面の間かつ該組織構造を通して複数のファスナを展開するために、該圧縮体を保持する一対のジョーに結合された第1のトリガを引っ張ることと、
該ジョーの複数のスタッドを、該ファスナとの接触から係脱するために、第2のトリガを引っ張ることと、
該ジョーを開放し、該圧縮体を解放するために、該第1のトリガを解放することと
を含む、方法。
(項目14)
左心耳の基部を閉鎖する方法であって、該方法は、
肋間切開を通して、該左心耳に向かいシャフトを挿入することと、
圧縮体を支持するジョーを該左心耳の上に位置付けることであって、該ジョーは、該シャフトの軸に対して、10°から20°の範囲内の角度で配置された平面内で、起動可能である、ことと、
該左心耳の上で該圧縮体を展開するために、該ジョーを閉鎖することと
を含む、方法。