特許第6353586号(P6353586)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6353586
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】ケーブル被覆体のストリップ装置
(51)【国際特許分類】
   H02G 1/12 20060101AFI20180625BHJP
   B26D 3/00 20060101ALI20180625BHJP
   B26D 7/14 20060101ALI20180625BHJP
   B26F 3/08 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   H02G1/12 065
   H02G1/12 078
   B26D3/00 603Z
   B26D7/14
   B26F3/08
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-109018(P2017-109018)
(22)【出願日】2017年6月1日
【審査請求日】2017年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】594018832
【氏名又は名称】株式会社岩崎電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
(74)【代理人】
【識別番号】100142376
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】那須 博顯
【審査官】 松尾 俊介
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−086419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/12
B26D 3/00
B26D 7/14
B26F 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルの被覆体から前記被覆体の一部を分離する被覆体分離部を備えるケーブル被覆体のストリップ装置であって、
前記被覆体分離部が、
前記被覆体にスリットを形成するスリット形成部と、
前記スリット形成部に沿って配置されセパレータのうち前記スリットの底部に対向する箇所を焼き切るセパレータ焼切部とを有し、
前記セパレータ焼切部が、
前記セパレータを焼き切るためのエネルギを供給するエネルギ源部と、
前記エネルギ源部から前記エネルギの供給を受けると前記セパレータに熱を供給する熱供給部と、
前記熱供給部を前記セパレータに準拠して移動させる準拠移動部とを有し、
前記熱供給部が、
突起の対を有する支持体と、
前記突起の対の間に渡され前記エネルギの供給を受けて発熱する線材とを有しており、
前記準拠移動部が、
前記線材に張力を付与する張力付与部と、
前記線材を前記セパレータに押し付ける押付部とを有していることを特徴とするケーブル被覆体のストリップ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル被覆体のストリップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1はケーブル被覆体のストリップ装置を開示する。このストリップ装置は、一方の被覆円周方向刃体と、被覆抜き方向刃体と、他方の被覆円周方向刃体と、加熱部と、ケーブルガイド部と、移動操作部とを備える。一方の被覆円周方向刃体は、ケーブルの被覆体の円周方向にスリットを刻む。被覆抜き方向刃体は、抜き方向刃部を有する。抜き方向刃部は、ケーブルの被覆体の抜き方向にスリットを刻む。他方の被覆円周方向刃体は、ケーブルの被覆体の円周方向にスリットを刻む。加熱部は、一方及び他方の被覆円周方向刃体と被覆抜き方向刃体とのそれぞれの刃部を加熱する。ケーブルガイドは、ケーブルをスリット形成位置に案内して位置決めすると共に、被覆抜き方向刃体の抜き方向刃部を被覆体のセンターに案内する。移動操作部は、少なくとも一方の被覆円周方向刃体と被覆抜き方向刃体とを、ケーブルの被覆体側に往復動させる。
【0003】
特許文献1に開示されているストリップ装置によれば、ケーブル内の芯線に傷を付けることなく被覆体をストリップすることができる。特許文献1に開示されているストリップ装置によれば、スリットの刻まれた部分を引き抜くことが可能になるのでケーブルの傷の有無を確認する検査行為を省略できる。特許文献1に開示されているストリップ装置によれば、容易にストリップ作業が行える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−014045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたストリップ装置には、セパレータの切断が不十分になりやすいという問題点がある。セパレータは、被覆体の内周面と芯線との間に配置されている合成樹脂製の薄い層である。セパレータの切断が不十分であると、被覆体の端面と芯線との間からセパレータの一部が飛び出す原因になる。飛び出したセパレータはケーブルが接続された後にそのケーブルにおける接続不良の原因になる。
【0006】
本発明は、このような問題を解消するものである。その目的は、ケーブルの被覆体に加えセパレータをストリップできるケーブル被覆体のストリップ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
図面を参照して本発明のケーブル被覆体のストリップ装置を説明する。なお、この欄で図中の符号を使用したのは、発明の内容の理解を助けるためであって、内容を図示した範囲に限定する意図ではない。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある局面に従うと、ケーブル被覆体のストリップ装置10は、被覆体分離部20を備える。被覆体分離部20は、ケーブル300の被覆体310からその被覆体310の一部を分離する。被覆体分離部20は、スリット形成部30と、セパレータ焼切部32とを有する。スリット形成部30は、被覆体310にスリット350を形成する。セパレータ焼切部32は、スリット形成部30に沿って配置される。セパレータ焼切部32は、セパレータ312のうちスリット350の底部に対向する箇所を焼き切る。
【0009】
被覆体分離部20によりケーブル300の被覆体310からその被覆体310の一部が分離される。これによりケーブル300の被覆体310がストリップできる。被覆体分離部20のうちセパレータ焼切部32は、セパレータ312のうちスリット形成部30によって形成されたスリット350の底部に対向する箇所を焼き切る。これにより、セパレータ焼切部32は、セパレータ312を切断できる。その結果、本発明にかかるケーブル被覆体のストリップ装置10は、被覆体310に加えセパレータ312をストリップできる。
【0010】
述したセパレータ焼切部32が、エネルギ源部62と、熱供給部64と、準拠移動部66とを有している。エネルギ源部62は、セパレータ312を焼き切るためのエネルギを供給する。熱供給部64は、エネルギ源部62からエネルギの供給を受けるとセパレータ312に熱を供給する。準拠移動部66は、熱供給部64をセパレータ312に準拠して移動させる。
【0011】
準拠移動部66が熱供給部64をスリット350の底に準拠して移動させることにより、熱供給部64がセパレータ312に準拠せず移動する場合に比べ、熱供給部64がセパレータ312に加える力の変動を抑え得る。セパレータ焼切部32がセパレータ312を焼き切るものなので、ケーブル300の芯線314に対してこれに傷が付くような力を加える必要はない。熱供給部64がセパレータ312に加える力の変動を抑えられ、かつ、セパレータ焼切部32がセパレータ312を焼き切るので、その力によってケーブル300の芯線314に損傷が招じる恐れを軽減できる。
【0012】
述した熱供給部64が、突起90の対を有する支持体80と、線材82とを有している。線材82は、突起90の対の間に渡される。線材82は、エネルギの供給を受けて発熱する。この場合、準拠移動部66が、張力付与部102と押付部106とを有している。張力付与部102は、線材82に張力を付与する。押付部106は、線材82をセパレータ312に押し付ける。
【0013】
張力付与部102が線材82に張力を付与し、かつ、押付部106が線材82をセパレータ312に押し付けると、線材82は、セパレータ312から受ける反力によってたわむ。線材82がたわむことにより、それがたわまない場合に比べ、押付部106の押付に伴う線材82から芯線314への力を抑えることができる。その力が抑えられるので、その力によってケーブル300の芯線314に損傷が招じる恐れを軽減できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかるケーブル被覆体のストリップ装置によれば、ケーブルの被覆体に加えセパレータをストリップできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態にかかるケーブル被覆体のストリップ装置の外観図である。
図2図1のA−A矢視図である。
図3図1のB−B矢視図である。
図4】本発明の一実施形態にかかる熱供給部および準拠移動部の構成を示す概念図である。
図5】本発明の一実施形態にかかる被覆体およびセパレータのストリップの手順を示す第1の概念図である。
図6】本発明の一実施形態にかかる被覆体およびセパレータのストリップの手順を示す第2の概念図である。
図7】本発明の一実施形態にかかる被覆体およびセパレータのストリップの手順を示す第3の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0017】
[構成の説明]
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態にかかるケーブル被覆体のストリップ装置10の外観図である。図1に基づいて、本実施形態にかかるケーブル被覆体のストリップ装置10の構成が説明される。本実施形態にかかるケーブル被覆体のストリップ装置10は、被覆体分離部20と、ケーブル把持部22と、図示されない制御部とを有する。被覆体分離部20は、ケーブル300の被覆体310からその被覆体310の端部を分離する。ケーブル把持部22は、ケーブル300を把持する。ケーブル把持部22には、図示されない貫通孔が形成されている。ケーブル300はその貫通孔を貫通させられる。ケーブル把持部22は、その貫通孔の内周面に配置された図示されないケーブル固定体を有する。本実施形態の場合、そのケーブル固定体がケーブル300に押付けられることにより、ケーブル300は固定される。その結果、ケーブル300はケーブル把持部22に把持される。制御部は、作業者の操作にしたがって被覆体分離部20とケーブル把持部22とを制御する。
【0018】
被覆体分離部20は、スリット形成部30と、セパレータ焼切部32と、連結材34と、駆動部36とを有する。スリット形成部30は、ケーブル300の被覆体310にスリット350を形成する。セパレータ焼切部32は、スリット形成部30に沿って配置される。セパレータ焼切部32は、セパレータ312のうちスリット350の底部に対向する箇所を焼き切る。連結材34は、スリット形成部30とセパレータ焼切部32とを連結する。これにより、スリット形成部30の後述される回転中心とセパレータ焼切部32の後述される回転中心とが同軸上に配置されることとなる。駆動部36は、スリット形成部30とセパレータ焼切部32と連結材34とをケーブル300の中心軸に沿って移動させる。
【0019】
図2は、図1のA−A矢視図である。図1図2とに基づいて、本実施形態にかかるスリット形成部30の構成が説明される。本実施形態にかかるスリット形成部30は、基板40と、刃体42と、刃体移動部44と、刃体移動部用駆動モータ46と、刃体移動部用伝動ベルト48とを有する。基板40は、刃体移動部44を保持する。本実施形態の場合、基板40を4本の連結材34が貫通する。本実施形態の場合、スリット形成部30は、3枚の刃体42を有する。刃体42は、ケーブル300の被覆体310を切る。刃体移動部44は、刃体42をケーブル300に近づけたり離したりする。刃体移動部44は、刃体42がケーブル300の周りを回転するようにその刃体42を移動させる。刃体移動部44の中心にはケーブル300が貫通する孔50が形成されている。本実施形態においては、この孔50の中心が本実施形態におけるスリット形成部30の回転中心となっている。刃体42がケーブル300の被覆体310に押し当てられた状態で刃体移動部44がその刃体42を回転させると、その切刃はその被覆体310を切る。これにより、被覆体310にスリット350が形成されることとなる。刃体移動部用駆動モータ46はトルクを発生させる。刃体移動部44はそのトルクによって駆動される。刃体移動部用伝動ベルト48は、刃体移動部用駆動モータ46が発生させたトルクを刃体移動部44に伝える。
【0020】
図3は、図1のB−B矢視図である。図4は、本実施形態にかかる熱供給部64および準拠移動部66の構成を示す概念図である。図1図3図4とに基づいて、本実施形態にかかるセパレータ焼切部32の構成が説明される。本実施形態にかかるセパレータ焼切部32は、基板60と、エネルギ源部62と、熱供給部64と、準拠移動部66と、準拠移動用駆動モータ68と、準拠移動用伝動ベルト70とを有する。基板60は、熱供給部64を保持する。本実施形態の場合、基板60を4本の連結材34が貫通する。この連結材34は、スリット形成部30の基板40を貫通したものと同一である。エネルギ源部62は、セパレータ焼切部32にセパレータ312を焼き切るためのエネルギを供給する。本実施形態の場合、エネルギ源部62は電力を供給する。本実施形態の場合、セパレータ焼切部32は、3組の熱供給部64を有する。熱供給部64は、エネルギ源部62からエネルギの供給を受けると熱を発生させる。準拠移動部66は、熱供給部64をセパレータ312に準拠して移動させる。本実施形態の場合、「セパレータに準拠して移動させる」とは、セパレータ312の凹凸に応じて移動させることを意味する。上述されたように、セパレータ312は被覆体310の内周面と芯線314との間に配置されている合成樹脂製の薄い層である。芯線314の表面には凹凸がある。これにより、セパレータ312の表面には凹凸が生じる。本実施形態にかかる準拠移動部66は、そのようにして生じる凹凸に応じて熱供給部64を移動させる。準拠移動用駆動モータ68はトルクを発生させる。準拠移動部66はそのトルクによって駆動される。準拠移動用伝動ベルト70は、準拠移動用駆動モータ68が発生させたトルクを準拠移動部66に伝える。
【0021】
図4に基づいて、本実施形態にかかる熱供給部64の構成が説明される。本実施形態の場合、熱供給部64は、支持体80と、線材82とを有する。本実施形態の場合、支持体80は、その外周に溝が形成されている板状の部材である。本実施形態の場合、支持体80の端部には突起90の対が形成されている。これらの突起90の対の外周にも溝が形成されている。線材82は、突起90のその溝に嵌まっている。線材82は、突起90の対の間に渡される。本実施形態の場合、線材82の一端は支持体80に固定されている。線材82の素材は特に限定されないが、例えば、周知の鉄−クロム−アルミニウム合金であってもよい。線材82は、エネルギの供給を受けて発熱する。そのエネルギは、エネルギ源部62から電力として供給される。このため、線材82はエネルギ源部62に接続されている。
【0022】
図3図4とに基づいて、本実施形態にかかる準拠移動部66の構成が説明される。本実施形態の場合、準拠移動部66は、回転部100と、張力付与部102と、絶縁端子104と、押付部106とを有する。回転部100は、熱供給部64の線材82がケーブル300の周りを回転するようにその熱供給部64を移動させる。回転部100の中心にはケーブル300が貫通する孔110が形成されている。本実施形態においては、この孔110の中心が本実施形態におけるセパレータ焼切部32の回転中心となっている。熱供給部64の線材82がケーブル300の被覆体310のセパレータ312に押し当てられた状態で回転部100がその熱供給部64を回転させると、その熱供給部64はセパレータ312を焼き切る。張力付与部102は、線材82に張力を付与する。絶縁端子104は、線材82に張力付与部102を接続する。絶縁端子104は、線材82に張力付与部102を接続する。絶縁端子104は、線材82と張力付与部102との間を絶縁する。本実施形態においては、張力付与部102は、コイルばねを有する。本実施形態の場合、このコイルばねと線材82の他端とが絶縁端子104によって接続されている。これより、このコイルばねが線材82を引くこととなる。このコイルばねが線材82を引くので、線材82に張力が付与される。押付部106は、線材82をセパレータ312に押し付ける。
【0023】
[動作の説明]
図5乃至図7は、本実施形態にかかるケーブル被覆体のストリップ装置10による被覆体310およびセパレータ312のストリップの手順を示す概念図である。図5乃至図7に基づいて、被覆体310のストリップの手順が説明される。
【0024】
まず、作業者は、ケーブル300にケーブル把持部22の貫通孔と刃体移動部44の孔50と回転部100の孔110とを貫通させる。ケーブル300は予め真っ直ぐに伸ばされている。次に、作業者は、ケーブル把持部22にケーブル300を把持させる。ケーブル300が把持されると、作業者は、3枚の刃体42を刃体移動部44の孔50の中心に向かって進ませる。これにより、刃体42がケーブル300の被覆体310に押し当てられた状態となる。刃体42が進むと、作業者は、ケーブル300の周りを回転するようにその刃体42を移動させる。その刃体42が回転すると、図5に示されるように、被覆体310にスリット350が形成される。なお、図5には3枚の刃体42のうち2枚が示されている。図5には3組の熱供給部64のうち1組が示されている。
【0025】
被覆体310にスリット350が形成されると、作業者は、被覆体分離部20の駆動部36にスリット形成部30およびセパレータ焼切部32を移動させる。この移動により、被覆体310はスリット350を境として引きちぎられる。被覆体310のうち引きちぎられた箇所はバリ360となる。その際、セパレータ312は引き伸ばされる。この移動に伴い、図6に示されるように、刃体42が在った箇所に熱供給部64が来る。なお、図6には3枚の刃体42のうち2枚が示されている。図6には3組の熱供給部64のうち1組が示されている。
【0026】
刃体42が在った箇所に熱供給部64が来ると、作業者は、刃体42をケーブル300から離れさせ、かつ、熱供給部64をケーブル300のスリット350の底部に押付ける。予め、熱供給部64の線材82には電力が供給されている。これにより、線材82は発熱している。発熱した線材82がスリット350の底部に押付けられることにより、被覆体310のバリ360とセパレータ312とは焼き切られる。これにより、セパレータ焼切部32は、セパレータ312のうちスリット350の底部に対向する箇所を焼き切ることとなる。バリ360とセパレータ312とが焼き切られることにより、図7に示されるように、被覆体310とセパレータ312との端面は整形される。なお、図7には3枚の刃体42のうち1枚が示されている。図7には3組の熱供給部64のうち1組が示されている。
【0027】
バリ360とセパレータ312とが焼き切られると、作業者は、熱供給部64をケーブル300から離れさせる。熱供給部64がケーブル300から離れると、作業者は、被覆体310のうち被覆体分離部20によって分離された部分を除去する。
【0028】
[効果の説明]
本実施形態にかかるケーブル被覆体のストリップ装置10においては、セパレータ焼切部32が、被覆体310のバリ360ごとセパレータ312を焼き切る。これにより、セパレータ焼切部32は、被覆体310の端部に加えセパレータ312の端部を除去可能にする。
【0029】
熱供給部64がセパレータ312に加える力の変動を抑えられるので、その力によってケーブル300の芯線314に損傷が招じる恐れを軽減できる。
【0030】
しかも、線材82がたわむので、それがたわまない場合に比べ、押付部106の押付に伴う線材82から芯線314への力を抑えることができる。その力が抑えられるので、その力によってケーブル300の芯線314に損傷が招じる恐れを軽減できる。
【0031】
今回開示された実施形態はすべての点で例示である。本発明の範囲は上述した実施形態に基づいて制限されるものではない。もちろん、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更をしてもよい。
【0032】
例えば、熱供給部64の構成は上述したものに限定されない。準拠移動部66の構成も上述したものに限定されない。この場合、エネルギ源部は電磁誘導によって熱供給部にエネルギを供給するものであってもよい。熱供給部は電力に代えて他の種類のエネルギの供給を受けてもよい。そのようなエネルギの例には熱エネルギがある。この場合、エネルギ源部は熱供給部を加熱するためのヒータを有していてもよい。
【0033】
た、セパレータ焼切部はスリット350の底ごとセパレータ312を焼き切るものであってもよい。この場合、刃体42は被覆体310を引きちぎらない。また、セパレータ焼切部は刃体42に表層のみを切られたセパレータ312を焼き切るものであってもよい。
【符号の説明】
【0034】
10…ケーブル被覆体のストリップ装置
20…被覆体分離部
22…ケーブル把持部
30…スリット形成部
32…セパレータ焼切部
34…連結材
36…駆動部
40,60…基板
42…刃体
44…刃体移動部
46…刃体移動部用駆動モータ
48…刃体移動部用伝動ベルト
50,110…孔
62…エネルギ源部
64…熱供給部
66…準拠移動部
68…準拠移動用駆動モータ
70…準拠移動用伝動ベルト
80…支持体
82…線材
90…突起
100…回転部
102…張力付与部
104…絶縁端子
106…押付部
300…ケーブル
310…被覆体
312…セパレータ
314…芯線
350…スリット
360…バリ
【要約】
【課題】ケーブル300の被覆体310に加えセパレータ312をストリップする。
【解決手段】ケーブル被覆体のストリップ装置10は、被覆体分離部20を備える。被覆体分離部20は、ケーブル300の被覆体310からその被覆体310の端部を分離する。被覆体分離部20は、スリット形成部30と、セパレータ焼切部32とを有する。スリット形成部30は、被覆体310にスリットを形成する。セパレータ焼切部32は、スリット形成部30に沿って配置される。セパレータ焼切部32は、セパレータ312を焼き切る。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7