(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に係る包装機は、容器フィルムを連続搬送しつつカバーフィルムを取着していく連続搬送タイプのものである。かかる包装機において、カバーフィルムは一定の速度で搬送され、一定のテンションをかけられた状態で容器フィルムに取着されていくため、レジマークの検出及び位置合わせを安定して行うことができる。
【0008】
しかしながら、容器フィルムを間欠搬送しつつカバーフィルムを取着していく間欠搬送タイプの包装機においては、カバーフィルムの搬送動作に加減速があり、カバーフィルムにかかるテンションも一定でない。
【0009】
そのため、仮に間欠搬送タイプの包装機において、カバーフィルムを搬送しながら位置調整を行う特許文献1に係る構成を採用した場合には、レジマークの検出誤差や位置合わせ誤差のばらつきが大きくなり、カバーフィルムの位置合わせ精度が低下するおそれがある。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、カバーフィルムの位置調整等を精度良く行うことのできるブリスター包装機を提供することを主たる目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0012】
手段1.ポケット部に被収容物が収容された帯状の容器フィルムを所定量ずつ間欠搬送する搬送手段と、
前記ポケット部を塞ぐように前記容器フィルムに対し帯状のカバーフィルムを取着する取着手段とを備えたブリスター包装機であって、
前記容器フィルムの1回の搬送量よりも短い所定間隔ごとに前記カバーフィルムに付されたマークを所定の検出位置において検出可能なマーク検出手段と、
前記マーク検出手段の検出結果を基に、前記カバーフィルムの搬送停止時における前記マークと前記検出位置との位置ずれ量を把握可能なマークずれ量把握手段と、
変位可能に設けられた変位部材を有し、該変位部材により前記カバーフィルムを延伸可能な延伸手段と、
前記マークずれ量把握手段により把握された前記マークの位置ずれ量を基に、前記変位部材を変位させる変位量を算出する変位量算出手段と、
前記変位量算出手段により算出された変位量を基に、前記変位部材を変位制御する延伸制御手段と、
前記カバーフィルムの延伸中において、前記マーク検出手段が前記検出位置にて前記マークを検出した場合に、前記延伸制御手段による前記変位部材の変位制御を停止可能な停止制御手段とを備えたことを特徴とするブリスター包装機。
【0013】
上記手段1によれば、間欠搬送タイプのブリスター包装機において、容器フィルムに対しカバーフィルムを取着するに際し、カバーフィルムを延伸することにより、カバーフィルムに付されたマークの位置を各ブリスターパックの所定位置に合わせることができる。
【0014】
特に本手段によれば、マークの位置ずれ量を把握し、これに応じてカバーフィルムを延伸させると共に、マーク検出手段によりマークを検出した場合に、カバーフィルムの延伸を停止する構成となっている。これにより、マークの位置合わせ、ひいてはカバーフィルムの位置調整を精度良く行うことができる。
【0015】
ここで単にマークの位置ずれ量に応じた分だけカバーフィルムを延伸させて、マークの位置合わせを完了することも考えられる。
【0016】
しかしながら、かかる場合、実際にマークが位置合わせされたか否か確認されておらず不確かで、実際にはマークが位置合わせされていないこともあり得る。例えばマークの位置ずれ量に応じて変位部材の変位量を適切に算出したとしても、製造環境等によって、変位部材の変位量が適切にカバーフィルムの延伸量に反映されず、マークが適切に位置合わせされないこともあり得る。
【0017】
尚、フィルム搬送中はフィルムの搬送速度(マークの通過速度)が速く、フィルム搬送中におけるマークの検出に関しては検出誤差が大きくなりやすいため、マークの位置ずれ量を的確に把握することも難しくなる。上記「発明が解決しようとする課題」で述べたように、間欠搬送タイプの包装機においては、このような不具合がより顕著になるおそれがある。
【0018】
また、間欠搬送タイプの包装機において、カバーフィルムの位置調整を行う方法としては、本手段のように、カバーフィルムの搬送動作が停止する度に、毎回カバーフィルムを延伸させ、マークの位置合わせを行う方法とは異なる方法も考えられる。
【0019】
例えば容器フィルムの1回の搬送量と略同一間隔でマークが付されたカバーフィルムを用いると共に、カバーフィルムの搬送動作が停止する毎にマークの有無を検出し、マークが検出された場合にはカバーフィルムを延伸することなく、そのままカバーフィルムの取着工程を行う一方、徐々にマークの位置ずれ量が累積し、該位置ずれ量が所定量(例えばマーク幅分)に達して、マークが検出されなくなった場合(マークが通過してしまった場合)にのみ、カバーフィルムを一定量(例えばマーク幅分)だけ延伸するような方法も考えられる。
【0020】
しかしながら、かかる方法では、カバーフィルムの搬送動作が停止する毎にマークを検出してはいるが、マークの有無を検出しているだけで、マーク幅分の位置ずれは許容されているため、マークの位置合わせ精度が低下するおそれがある。
【0021】
また、1回のカバーフィルムの延伸量が大きく、カバーフィルムに破断等の不具合が生じやすくなるおそれもある。
【0022】
さらに、かかる方法では、カバーフィルムを延伸した状態で容器フィルムに取着される場合もあれば、延伸しない状態で取着される場合もあるため、カバーフィルムを取着する際に付与されるテンションが毎回変化してしまうこととなる。
【0023】
加えて、カバーフィルムを延伸することなく、カバーフィルムの取着工程を行う場合には、カバーフィルムを取着する際に付与されるテンションが弱く、容器フィルムに取着したカバーフィルムに皺がよるなど、シール不良が発生するおそれがある。特に間欠搬送タイプの包装機においては、カバーフィルムの搬送動作が停止した際に緩みなどが生じやすいため、このような不具合がより発生しやすくなるおそれがある。
【0024】
これに対し、本手段では、容器フィルムの1回の搬送量よりも短い所定間隔ごとにマークが付されたカバーフィルムを用いると共に、カバーフィルムの搬送動作を停止する度に、毎回カバーフィルムを延伸しつつカバーフィルムの取着工程を行う構成となっている。これにより、本手段では、毎回ほぼ一定位置にマークを位置合わせでき、マークの位置合わせ精度の向上を図ることができる。さらに、毎回ほぼ一定のテンションをカバーフィルムに付与した状態で、カバーフィルムの取着工程を行うことができるため、シール不良の発生を抑制すると共に、シール品質を均一にすることができる。
【0025】
手段2.前記変位量算出手段は、
前記マークずれ量把握手段により把握された前記マークの位置ずれ量に応じた前記変位部材の必要変位量(前記カバーフィルムを延伸する際、前記マークを前記検出位置まで移動するのに最低限必要な前記変位部材の必要変位量)に対し所定量を加算した量を前記変位量(目標変位量)として算出することを特徴とする手段1に記載のブリスター包装機。
【0026】
上述したようなマークの検出誤差などに起因して、マークの位置ずれ量に応じた変位部材の必要変位量にも誤差が生じ得るため、該必要変位量だけ変位部材を変位させ、カバーフィルムを延伸した場合であっても、マークが検出位置(マーク検出手段)まで到達せず、マークを検出位置に位置合わせできないおそれがある。
【0027】
これに対し、本手段2のように、変位部材の変位量(目標変位量)を必要変位量よりも少し多めに設定しておくことにより、カバーフィルムを延伸する際、毎回必ずマークを検出位置(マーク検出手段)まで到達させることが可能となる。結果として、マークの位置合わせ精度の向上を図ることができる。
【0028】
手段3.前記停止制御手段は、
前記マーク検出手段が前記検出位置にて前記マークのフィルム搬送方向一方側の端部((上流側又は下流側のエッジ部)を検出した場合に、前記延伸制御手段による前記変位部材の変位制御を停止可能に構成されていることを特徴とする手段1又は2に記載のブリスター包装機。
【0029】
上記手段3によれば、マークのフィルム搬送方向一方側の端部を毎回、検出位置(マーク検出手段)に位置合わせでき、マーク幅分の位置ずれも許容されなくなるため、マークの位置合わせ精度の向上を図ることができる。
【0030】
手段4.前記カバーフィルムを把持可能な把持手段を少なくとも前記変位部材の上流側に備えたことを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載のブリスター包装機。
【0031】
カバーフィルムを把持することなく、掛装させたローラの摩擦力等により延伸させる構成とすることも可能であるが、本手段4のように、把持手段を備えることにより、より効率良くかつ精度良くカバーフィルムの延伸を行うことができる。
【0032】
尚、カバーフィルムのうち、取着手段(シール装置)の下流側に位置する部位は既に容器フィルムに対し取着されており、カバーフィルムの下流側も把持された状態と同様に固定された状態となっているため、変位部材の下流側に関しては、必ずしも把持手段を備える必要はない。把持手段を変位部材の上流側だけに備えた構成とすれば、部品点数の削減や構成の簡素化を図ることができる。一方、把持手段を変位部材の下流側にも備えた構成とすれば、より効率良くかつ精度良くカバーフィルムの延伸を行うことができる。
【0033】
手段5.前記マーク検出手段は、前記カバーフィルムの搬送方向に対し位置調整可能に構成されていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載のブリスター包装機。
【0034】
上記手段5によれば、マーク検出手段の位置を最適位置に調整することが可能となるため、マークの位置合わせ精度のさらなる向上を図ると共に、シール品質のさらなる向上を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。まず製造対象となるブリスターパックの構成について詳しく説明する。
【0037】
図2(a),(b)に示すように、本実施形態におけるブリスターパック1は、1つのポケット部2を備えた容器フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして容器フィルム3に取着されたカバーフィルム4とを有している。
【0038】
ポケット部2には、被収容物5が1つずつ収容されている〔
図2(b)等参照〕。被収容物5としては、例えば電子部品、電子機器、食品、薬品、医療機器等が挙げられる。
【0039】
本実施形態における容器フィルム3は、例えばPP(ポリプロピレン)やPVC(ポリ塩化ビニル)等の熱可塑性樹脂材料によって構成されている。また、容器フィルム3には、ポケット部2の開口部周縁から外方へ延出するようにフランジ部3aが形成されている。
【0040】
一方、カバーフィルム4は、アルミ蒸着合成樹脂フィルムに他種の合成樹脂フィルムをラミネートしたフィルムにより形成されており、容器フィルム3(フランジ部3a)に対し取着されている。
【0041】
カバーフィルム4の表面(容器フィルム3に取着される側とは反対側の面)には、被収容物5に関する情報などが印刷されている。例えば本実施形態では、
図2(a)に示すように、カバーフィルム4の表面に「ABC」の文字やバーコード等からなる図柄4aが印刷されている。
【0042】
後述するように、本実施形態のブリスターパック1は、帯状の容器フィルム3と帯状のカバーフィルム4とが取着されてなる帯状のブリスターフィルム35〔
図4参照〕からスクラップ35aを打抜く工程や、帯状のブリスターフィルム35から最終製品たるブリスターパック1を切り離す工程等を経て製造される。
図4では、便宜上、ブリスターフィルム35の部分に散点模様を付している。
【0043】
本実施形態に係るブリスターフィルム35は、
図4に示すように、そのフィルム幅方向(
図4上下方向)にブリスターパック1が5つ並ぶと共に、フィルム搬送方向(
図4右方向)の各ブリスターパック1間をスクラップ35aが繋ぎ、フィルム幅方向の各ブリスターパック1間をスクラップ35bが繋ぎ、フィルム幅方向両端をフィルム搬送方向に沿ってスクラップ35cが繋いだ構成となっている。
【0044】
帯状のカバーフィルム4には、予め各ブリスターパック1に対応して、上記図柄4aが所定間隔毎に印刷されている(
図3参照)。
図3は、取着前の帯状のカバーフィルム4を示す平面図である。
【0045】
加えて、帯状のカバーフィルム4には、予めフィルム幅方向一端側の外縁部(スクラップ35cとなる部位)において、レジマークRが所定間隔毎に印刷されている(
図3,4参照)。但し、
図4では、簡略化のため図柄4aを省略している。
【0046】
レジマークRは、容器フィルム3へカバーフィルム4を取着する際に、該カバーフィルム4の位置調整(ポケット部2に対する図柄4aの位置合わせ)を行うためのものである。
【0047】
本実施形態では、フィルム搬送方向における図柄4a及びレジマークRの印刷ピッチP1が、容器フィルム3の1回の搬送量(ブリスターパック1の形成ピッチ)P2よりも僅かに短く設定されている。例えば容器フィルム3の1回の搬送量P2に対し、レジマークR等の印刷ピッチP1が−0.5mm〜−1.0mm程度短くなるように設定されている。
【0048】
次に、上記ブリスターパック1を製造するためのブリスター包装機10の構成について説明する。
【0049】
図1に示すように、ブリスター包装機10では、帯状に形成された容器フィルム3の原反がロール状に巻回されて配置されている。該原反から引き出された容器フィルム3は、搬送手段としてのチェーンクリップコンベア11により下流側へ向け搬送されていく。
【0050】
チェーンクリップコンベア11は、容器フィルム3のフィルム幅方向両側に配置される無端チェーン11aと、該無端チェーン11aが掛装されるスプロケット11bと、該スプロケット11bを間欠的に回転駆動させるモータM1と、該モータM1の回転位置を検出可能なエンコーダE1と、該無端チェーン11aに所定間隔毎に設けられたクリップ(図示略)とを備えている。
【0051】
これにより、容器フィルム3は、フィルム幅方向両端部(スクラップ35cとなる部位)がクリップにより把持された状態で、その長手方向に沿って下流側へ(
図1の左方から右方へ)間欠的に搬送されることとなる。
【0052】
容器フィルム3の原反の下流側には、まず加熱装置12及びポケット部形成装置13が設けられている。加熱装置12及びポケット部形成装置13によって、本実施形態におけるポケット部形成手段が構成される。
【0053】
加熱装置12は、容器フィルム3を挟んで上下に配置される上型12a及び下型12bを備え、容器フィルム3のポケット部2の形成範囲を部分的に加熱可能に構成されている。
【0054】
ポケット部形成装置13は、ポケット部2の形状とおよそ相似的で小さいプラグ(図示略)を有した上型13aと、ポケット部2の形状に対応した成形凹部(図示略)を有した下型13bとを備えている。
【0055】
そして、まず容器フィルム3が加熱装置12により加熱され比較的柔軟になった状態において、上型13a及び下型13bが互いに接近する方向へ相対移動する。続いて、上型13aからプラグが突出し、ポケット部2の大まかな形状を形成する。最後に上型13aからエアを吹き付け、容器フィルム3を下型13bの成形凹部に押し付けることで、容器フィルム3の所定位置にポケット部2が成形される。尚、このポケット部2の成形は、容器フィルム3の間欠搬送動作間のインターバル中に行われる。
【0056】
ポケット部形成装置13の下流側には、ポケット部2に被収容物5を充填する充填手段としての充填装置14が設けられている。
【0057】
充填装置14の下流側には、検査手段としての第1検査装置A1が設けられている。第1検査装置A1は、例えばポケット部2における被収容物5の有無や、ポケット部2の成形不良、容器フィルム3の継ぎ目(継ぎテープ)の有無など、被収容物5や容器フィルム3に関する異常などを検査可能な公知の検査装置である。
【0058】
第1検査装置A1は、各ブリスターパック単位で上述したような所定の検査を実行し、該ブリスターパック1の良否判定を行い、その判定結果を後述する制御装置100を介して不良品排出機構18などへ出力する。
【0059】
一方、帯状に形成されたカバーフィルム4の原反は、前記容器フィルム3とは別にロール状に巻回されて配置されている。該原反から引き出されたカバーフィルム4は、送りローラ15を介して、第1検査装置A1の下流側に設けられたシール装置16へと案内されている。
【0060】
シール装置16は、自身の下面が所定のシール温度に加熱される上型16aと、ポケット部2に対応する凹部(図示略)の形成された下型16bとを備えており、両型16a、16bが上下動可能かつ圧接可能に構成されている。シール装置16によって、本実施形態における取着手段が構成される。
【0061】
そして、上型16a及び下型16b間に、ポケット部2に対して被収容物5が充填された容器フィルム3、及び、ポケット部2を塞ぐようにして容器フィルム3の上方に重ねられたカバーフィルム4が送り込まれ、両フィルム3、4が両型16a、16bによって圧接されることで、容器フィルム3のフランジ部3aにカバーフィルム4が貼着(熱接着)されることとなる。これにより、被収容物5が充填されたポケット部2をカバーフィルム4で密封した状態の帯状のブリスターフィルム35が製造される。尚、カバーフィルム4の取着は、容器フィルム3及びカバーフィルム4の間欠搬送動作間のインターバル中に行われる。
【0062】
また、カバーフィルム4の原反と送りローラ15の間には、容器フィルム3へカバーフィルム4を取着する際に、該カバーフィルム4の位置調整を行うためのフィルム位置調整機構50が設けられている。尚、フィルム位置調整機構50の詳細については後述する。
【0063】
シール装置16の下流側には、検査手段としての第2検査装置A2が設けられている。第2検査装置A2は、例えばシール不良や、カバーフィルム4の継ぎ目(継ぎテープ)の有無など、カバーフィルム4に関する異常などを検査可能な公知の検査装置である。
【0064】
第2検査装置A2は、各ブリスターパック単位で上述したような所定の検査を実行し、該ブリスターパック1の良否判定を行い、その判定結果を後述する制御装置100を介して不良品排出機構18などへ出力する。
【0065】
第2検査装置A2の下流側には、ブリスターフィルム35から上記スクラップ35aを打抜くスクラップ打抜手段としてのスクラップ打抜装置17が設けられている。
【0066】
スクラップ打抜装置17は、ブリスターフィルム35から上記スクラップ35aを打抜くためのパンチ17aと、該パンチ17aが挿入される打抜孔を有するダイ17bと、ダイ17bの下方に設けられ、打抜かれたスクラップ35aを貯留するためのスクラップ用ホッパ17cとを備えている。パンチ17a及びダイ17bは、それぞれ図示しない駆動機構により上下動可能に構成されている。
【0067】
スクラップ打抜装置17の下流側には、不良排出手段としての不良品排出機構18が設けられている。不良品排出機構18は、第1検査装置A1又は第2検査装置A2によって不良判定された場合に、該不良判定されたブリスターパック1を含む不良部位をブリスターフィルム35から排除するためのものである。
【0068】
不良品排出機構18は、ブリスターフィルム35から不良部位を切り離すためのフィルム幅方向一対のカッタ18aと、ブリスターフィルム35から切り離された不良部位を貯留するための不良品ホッパ18bとを備えている。
【0069】
一対のカッタ18aは、それぞれ図示しない駆動機構により、ブリスターフィルム35を切断可能な下方位置(切断位置)と、ブリスターフィルム35から離間する上方位置(退避位置)との間を上下動可能に構成されている。
【0070】
不良品排出機構18の下流側には、ブリスターフィルム35からブリスターパック1及びスクラップ35bを切り離すブリスターパック切離手段としての切断装置(スリッタ装置)19が設けられている。
【0071】
本実施形態に係る切断装置19は、ブリスターパック1とスクラップ35b,35cとの境界線35d(
図4参照)をブリスターフィルム35の搬送に伴いフィルム搬送方向に沿って切断する。
【0072】
切断装置19は、搬送される帯状のブリスターフィルム35の上側に設けられた上回転刃(ラウンドカッタ)19aと、ブリスターフィルム35の下側に設けられた下回転刃(ラウンドカッタ)19bとが互いに重なり合い逆方向に回転することで、両回転刃19a,19b間にて各境界線35dを切断する構成となっている。
【0073】
切断装置19の下方には、ブリスターフィルム35から切り離される良品の各ブリスターパック1が落下する位置に対応してコンベア21が設けられている。かかるコンベア21によって、良品のブリスターパック1は完成品用ホッパ22へと移送され、一旦貯留される。
【0074】
また、切断装置19の下方には、ブリスターフィルム35から切り離されるスクラップ35bが落下する位置に対応して、当該スクラップ35bを貯留するためのスクラップ用ホッパ23が設けられている。
【0075】
切断装置19の下流側には、ブリスターパック1等の切離しにより残ったスクラップ35cを裁断する裁断装置25が配設されている。そして、スクラップ35cは、裁断装置25において所定寸法に裁断され、スクラップ用ホッパ27に貯留される。
【0076】
また、ブリスター包装機10には制御装置100が設けられている(
図1参照)。制御装置100は、演算手段としてのCPUや、各種プログラムを記憶するROM、各種データを一時的に記憶するRAM、表示手段及び操作手段を構成するタッチパネルなどを備えている。制御装置100は、フィルム位置調整機構50など、ブリスター包装機10内の各種機構との間で各種信号の入出力等を行うことにより、これらを監視及び制御する機能を有する。
【0077】
尚、図示は省略するが、ブリスター包装機10には、上記各種装置の他に、フィルム継ぎ装置などが設けられている。フィルム継ぎ装置は、ロール状に巻かれた容器フィルム3やカバーフィルム4の原反がセットされる位置に設けられている。フィルム継ぎ装置は、供給中のフィルム3,4の終端部分と、次に供給される新たなフィルム3,4の始端部分とに跨るように継ぎテープを貼付けることにより、両フィルム3,4を継ぎ、フィルム3,4を連続的に供給する機能を有する。尚、このように継ぎテープが貼付けられたフィルム3,4の継ぎ目部分は不良部位であり、不良品排出機構18による排出の対象となる。
【0078】
さて、ブリスター包装機10の概略は以上のとおりであるが、以下においては、上記フィルム位置調整機構50の構成について
図5を参照しつつ詳しく説明する。
【0079】
フィルム位置調整機構50は、カバーフィルム4の搬送経路に沿って上流側より順に、カバーフィルム4を把持するための把持手段としての把持機構51と、カバーフィルム4を延伸するための延伸手段としての延伸機構52と、レジマークRを検出するためのマーク検出手段としてのマークセンサ53とを備えている。フィルム位置調整機構50は制御装置100により制御される。
【0080】
把持機構51は、カバーフィルム4の原反から引き出されたカバーフィルム4が掛装される把持用ローラ55と、該把持用ローラ55に対し圧接可能に設けられたフィルムクランプ56と、該フィルムクランプ56を駆動するクランプ駆動機構(流体圧シリンダ等)57とを備えている。
【0081】
把持用ローラ55は、所定位置に対し自由回転可能に軸支されると共に、搬送されるカバーフィルム4に従動して回転可能となるよう構成されている。
【0082】
フィルムクランプ56は、クランプ駆動機構57によって、把持用ローラ55から離間した退避位置(
図5参照)と、把持用ローラ55に圧接する圧接位置との間を略水平方向にスライド変位可能に設けられている。フィルムクランプ56が把持用ローラ55に圧接することで、該把持用ローラ55に掛装されたカバーフィルム4を把持可能となる。
【0083】
延伸機構52は、把持用ローラ55から導かれたカバーフィルム4が掛装される変位部材としての延伸用ローラ60と、該延伸用ローラ60を支持する支持部61と、該支持部61を介して延伸用ローラ60を駆動する延伸駆動手段としてのサーボモータ62と、延伸用ローラ60の下流側においてカバーフィルム4が掛装されるガイドローラ63とを備えている。
【0084】
延伸用ローラ60は、支持部61に対し自由回転可能に軸支されると共に、搬送されるカバーフィルム4に従動して回転可能となるよう構成されている。
【0085】
支持部61は、図示しないガイドレールに沿って、略水平方向にスライド変位可能に設けられている。
【0086】
サーボモータ62は、その駆動軸(図示略)に対しボールねじ64が連結されている。ボールねじ64は、支持部61に形成されたネジ孔(図示略)に対し螺合されている。これにより、サーボモータ62の回転駆動に伴い、延伸用ローラ60をスライド変位させることができる。
【0087】
後述するように、延伸用ローラ60の変位量は、制御装置100により適宜調整される。延伸用ローラ60が、把持機構51及びガイドローラ63から離間する方向(
図5右方向)へ、所定の基準位置から変位することで、カバーフィルム4を延伸可能となる。
【0088】
ガイドローラ63は、上記送りローラ15の上方位置において自由回転可能に軸支されると共に、搬送されるカバーフィルム4に従動して回転可能となるよう構成されている。
【0089】
マークセンサ53は、ガイドローラ63と送りローラ15の間の上下方向(フィルム搬送方向)所定位置が検出位置Kとなるように配置されている。
【0090】
次に、上記のように構成されたブリスター包装機10によってブリスターパック1を製造する手順及び作用効果について説明する。但し、ポケット部2を形成するポケット部形成工程、及び、ポケット部2に被収容物5を充填する充填工程を終えた後の工程、主として容器フィルム3に対しカバーフィルム4を取着するフィルム取着工程について詳しく説明する。
【0091】
シール装置16において前回のフィルム取着工程が終了し、新たなフィルム取着工程が開始されると、制御装置100は、
図6のフローチャートに示すように、まずチェーンクリップコンベア11を駆動させ、容器フィルム3の間欠搬送を開始する(ステップS1)。これに追従するように、カバーフィルム4の間欠搬送も開始される。
【0092】
尚、本実施形態では、シール装置16の下流側に位置し容器フィルム3に対し既に取着された部位(ブリスターフィルム35)によって引っ張られるようにして、取着前のカバーフィルム4が原反から引き出されるように構成されている。勿論、これに限らず、チェーンクリップコンベア11等と同期して動く繰出しローラ等により、カバーフィルム4が所定量ずつ繰出される構成としてもよい。
【0093】
上記フィルム搬送により、シール装置16(上下両型16a,16b間)に対し、ポケット部2に被収容物5が充填された容器フィルム3、及び、ポケット部2を塞ぐように容器フィルム3の上方に重ねられたカバーフィルム4が送り込まれていくこととなる。
【0094】
制御装置100は、両フィルム3,4の搬送動作中、マークセンサ53を監視し、検出位置Kにてカバーフィルム4のレジマークRを検出したか否かを判定する(ステップS2)。ここでレジマークRが検出されない場合は、本処理を繰り返し行う。
【0095】
尚、本実施形態では、マークセンサ53によって、レジマークRの上流側エッジ部(レジマークRのフィルム搬送方向上流側の端部)が検出された場合に、レジマークRの検出有りと判定する。勿論、これに限らず、レジマークRの下流側エッジ部(レジマークRのフィルム搬送方向下流側の端部)が検出された場合に、レジマークRの検出有りと判定する構成としてもよい。
【0096】
そして、レジマークRが検出されると、制御装置100は、エンコーダE1の値を基に、両フィルム3,4の搬送量の計測を開始する。つまり、検出位置KとレジマークRの位置ずれ量の計測を開始する(ステップS3)。
【0097】
その後、両フィルム3,4の搬送が停止すると(ステップS4)、検出位置KとレジマークRの位置ずれ量の計測を停止し、この値を記憶する(ステップS5)。これにより、カバーフィルム4の搬送停止時におけるレジマークRと検出位置Kとの位置ずれ量を把握することができる。従って、上記ステップS3〜S5の処理を実行する制御装置100の機能により、本実施形態におけるマークずれ量把握手段が構成されることとなる。
【0098】
続いて、制御装置100は、レジマークRの位置ずれ量を基に、延伸用ローラ60を変位させる変位量を算出する(ステップS6)。但し、本実施形態では、レジマークRの位置ずれ量に応じた延伸用ローラ60の必要変位量(レジマークRを検出位置Kまで移動するのに最低限必要な延伸用ローラ60の変位量)に対し所定量を加算した量を前記変位量(目標変位量)として算出する。従って、上記ステップS6の処理を実行する制御装置100の機能により、本実施形態における変位量算出手段が構成されることとなる。
【0099】
次に、制御装置100は、把持機構51を駆動させ、フィルムクランプ56を把持用ローラ55に圧接させることにより、カバーフィルム4を把持する(ステップS7)。尚、本実施形態では、延伸機構52の下流側において、カバーフィルム4を把持する把持手段が設けられていないが、上述したように、カバーフィルム4は、シール装置16の下流側に位置する部位が既に容器フィルム3に対し取着されているため、カバーフィルム4の下流側も把持された状態と同様に固定された状態となっている。
【0100】
続いて、制御装置100は、延伸用ローラ60を把持機構51等から離間する方向へ移動させる延伸動作を開始する(ステップS8)。かかるステップS8の処理を実行する制御装置100の機能により、本実施形態における延伸制御手段が構成されることとなる。
【0101】
これにより、把持機構51により把持された上流側部位と、シール装置16の下流側において容器フィルム3に取着された下流側部位との間のカバーフィルム4を延伸させる。
【0102】
制御装置100は、カバーフィルム4の延伸中、マークセンサ53を監視し、検出位置Kにてカバーフィルム4のレジマークRを検出したか否かを判定する(ステップS9)。
【0103】
上記同様、本実施形態では、マークセンサ53によって、レジマークRの上流側エッジ部(レジマークRのフィルム搬送方向上流側の端部)が検出された場合に、レジマークRの検出有りと判定する。勿論、これに限らず、レジマークRの下流側エッジ部(レジマークRのフィルム搬送方向下流側の端部)が検出された場合に、レジマークRの検出有りと判定する構成としてもよい。
【0104】
そして、レジマークRが検出されると、制御装置100は、延伸用ローラ60の動作(サーボモータ62)を停止させ、カバーフィルム4の延伸を停止する(ステップS11)。これにより、レジマークRの上流側エッジ部が検出位置Kに位置合わせされた状態となる。また、目標変位量までにレジマークRが検出されない場合は、目標変位量分延伸を行った状態(ステップ10)で延伸を停止し、位置合わせ不良品として制御装置100に記憶される。従って、かかるステップS11の処理を実行する制御装置100の処理機能により、本実施形態における停止制御手段が構成されることとなる。
【0105】
尚、本実施形態では、延伸用ローラ60の変位量が必要変位量に達する直前、すなわちレジマークRの上流側エッジ部が検出位置Kに近づいた段階で、サーボモータ62の回転速度がそれまでよりも低速になるように設定されている。これにより、検出位置KにてレジマークRが検出されてから延伸用ローラ60(サーボモータ62)が完全に停止するまでの間にレジマークRが移動する量を極力少なくすることができる。結果として、レジマークRを瞬時に停止させることが可能となり、レジマークRをより精度良く位置合わせすることができる。
【0106】
上記のように、レジマークRが位置合わせされると、制御装置100は、シール装置16(上下両型16a、16b)を駆動させ、容器フィルム3に対しカバーフィルム4を取着するシール処理を実行する(ステップS12)。
【0107】
シール処理の完了後、制御装置100は、シール装置16の上下両型16a、16bを離間させると共に、把持機構51のフィルムクランプ56を把持用ローラ55から離間させ、カバーフィルム4を開放する(ステップS13)。これにより、フィルム取着工程が終了する。尚、延伸用ローラ60は、ステップS13のカバーフィルム4を開放する時に
基準位置へ戻るように駆動制御される。
【0108】
上記フィルム取着工程を経て形成されたブリスターフィルム35は、スクラップ打抜工程(スクラップ打抜装置17)へと移送される。
【0109】
スクラップ打抜装置17では、ブリスターフィルム35の搬送中、パンチ17aがブリスターフィルム35から上方へ離間した待機位置に位置すると共に、ダイ17bがブリスターフィルム35から下方へ離間した待機位置に位置している。
【0110】
そして、間欠搬送されるブリスターフィルム35が所定位置に停止されると、パンチ17aが降下すると共に、ダイ17bが上昇する。続いてパンチ17aがさらに降下し、ブリスターフィルム35を押し込みつつ、ダイ17bの打抜孔に入り込むと、該ブリスターフィルム35からスクラップ35aが打抜かれる。その後、パンチ17a及びダイ17bが、ブリスターフィルム35から離間することで、スクラップ35aの打抜き工程が終了する。これにより、
図4に示すように、スクラップ35aが1箇所ずつ順次打ち抜かれていくこととなる。
【0111】
ブリスターフィルム35に不良部位がない通常時、不良品排出機構18は作動せず、スクラップ35aが打ち抜かれたブリスターフィルム35は、そのまま不良品排出機構18を通過し、切断装置19へと移送される。
【0112】
一方、不良品排出機構18に対し上記第1検査装置A1又は第2検査装置A2から所定のブリスターパック1の不良判定結果が入力されると、不良品排出機構18では、一対のカッタ18aを降下させ、スクラップ35aを打ち抜いて形成された孔部(良品判定されたブリスターパック1と不良判定されたブリスターパック1との間のスクラップ35aを打ち抜いて形成された孔部)に対しカッタ18aの先端を挿入する。
【0113】
続いて、ブリスターフィルム35の搬送動作に伴い、該ブリスターフィルム35をフィルム搬送方向に沿って切断する。本実施形態では、ブリスターパック1とスクラップ35cとの境界線35dに沿って切断する。
【0114】
尚、不良品排出機構18は、次に良品判定された部位が移送されてくるまで、すなわち不良判定された部位が続く限り、カッタ18aを降下させた切断位置にて維持する。そして、不良判定されたブリスターパック1と良品判定されたブリスターパック1との間のスクラップ35aを打ち抜いて形成された孔部がカッタ18aの位置まで移送されてくると、切断を終了し、カッタ18aを上方の退避位置へと離間させる。その後、不良部位が切り離されたブリスターフィルム35は切断装置19へと移送される。
【0115】
切断装置19では、ブリスターパック1とスクラップ35b,35cとの境界線35dがフィルム搬送方向に沿って切断される。これにより、ブリスターフィルム35からブリスターパック1が切り離され、ブリスターパック1の製造が完了する。
【0116】
以上詳述したように、本実施形態では、間欠搬送タイプのブリスター包装機10において、容器フィルム3に対しカバーフィルム4を取着するに際し、カバーフィルム4を延伸することにより、カバーフィルム4に付されたレジマークRの位置を各ブリスターパック1の所定位置に合わせることができる。
【0117】
また、本実施形態によれば、レジマークRの位置ずれ量を把握し、これに応じてカバーフィルム4を延伸させると共に、マークセンサ53によりレジマークRを検出した場合に、カバーフィルム4の延伸を停止する構成となっている。これにより、レジマークRの位置合わせ、ひいてはカバーフィルム4の位置調整を精度良く行うことができる。
【0118】
特に本実施形態では、容器フィルム3の1回の搬送量P2よりも短い所定間隔P1ごとにレジマークRが付されたカバーフィルム4を用いると共に、カバーフィルム4の搬送動作を停止する度に、毎回カバーフィルム4を延伸しつつカバーフィルム4の取着工程を行う構成となっている。
【0119】
これにより、本実施形態では、毎回ほぼ一定位置(検出位置K)にレジマークRの上流側エッジ部を位置合わせでき、マーク幅分の位置ずれも許容されなくなるため、レジマークRの位置合わせ精度の向上を図ることができる。
【0120】
さらに、毎回ほぼ一定のテンションをカバーフィルム4に付与した状態で、カバーフィルム4の取着工程を行うことができるため、シール不良の発生を抑制すると共に、シール品質を均一にすることができる。
【0121】
加えて、本実施形態では、延伸用ローラ60を変位させる変位量を算出するにあたり、レジマークRの位置ずれ量に応じた延伸用ローラ60の必要変位量(レジマークRを検出位置Kまで移動するのに最低限必要な延伸用ローラ60の変位量)に対し所定量を加算した量を変位量(目標変位量)として算出する。
【0122】
このように、延伸用ローラ60の変位量(目標変位量)を必要変位量よりも少し多めに設定しておくことにより、カバーフィルム4を延伸する際、毎回必ずレジマークRを検出位置Kまで到達させることが可能となる。結果として、レジマークRの位置合わせ精度の向上を図ることができる。
【0123】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0124】
(a)製造対象となるブリスターパック1の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、異なる構成を採用してもよい。
【0125】
例えば上記実施形態におけるブリスターパック1は、1つのポケット部2を備えた構成となっているが、これに限らず、1つのブリスターパックに複数のポケット部が形成された構成としてもよい。また、ブリスターパック1やポケット部2の大きさや形状等も上記実施形態に限定されるものではなく、異なる構成を採用してもよい。
【0126】
また、ブリスターフィルム35の構成は上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、ブリスターパック1をブリスターフィルム35の幅方向に5枚同時に製造する構成となっているが、これに代えて、例えばブリスターフィルム35の幅方向に2枚だけ製造する構成としてもよく、また幅方向に1枚ずつ製造する構成としてもよい。
【0127】
(b)容器フィルム3やカバーフィルム4の材質や層構造等は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0128】
例えば上記実施形態では、容器フィルム3がPPやPVC等の熱可塑性樹脂材料により形成されているが、これに限らず、例えば容器フィルム3が、PET等の樹脂材料は勿論のこと、アルミラミネートフィルムなど、アルミニウムを主材料とした金属材料により形成された構成としてもよい。
【0129】
また、上記実施形態では、カバーフィルム4の表面のみに図柄4aが印刷されているが、これに代えて又は加えて、カバーフィルム4の裏面に図柄が印刷された構成としてもよい。
【0130】
また、上記実施形態では、図柄4a及びレジマークRが予め印刷されたカバーフィルム4を用いているが、これに限らず、ブリスター包装機10内に印刷機構を設け、該印刷機構により、カバーフィルム4に対し図柄4a及びレジマークR等を印刷する構成としてもよい。
【0131】
(c)把持手段の構成は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、延伸機構52の上流側にのみ把持手段(把持機構51)を備えた構成となっているが、加えてシール装置16の下流側にもチャック等の把持手段を備えた構成としてもよい。
【0132】
また、上記実施形態に係る把持機構51は、カバーフィルム4が掛装される把持用ローラ55と、該把持用ローラ55に対し圧接可能に設けられたフィルムクランプ56とから構成されている。これに限らず、チャック等により把持手段を構成してもよい。
【0133】
(d)延伸手段の構成は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、延伸用ローラ60をサーボモータ62により変位させる構成となっている。これに限らず、例えば延伸用ローラ60を流体圧シリンダ等により所定のストッパ部材に規制されるまで変位可能とすると共に、該ストッパ部材の位置を可変とすることで、延伸用ローラ60の変位量を調整可能な構成としてもよい。また、変位部材も延伸用ローラ60に限定されず、他の構成を採用してもよい。
【0134】
(e)マーク検出手段の構成は上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、マークセンサ53(検出位置K)がガイドローラ63と送りローラ15の間に配置されている。これに限らず、送りローラ15の下流側など、他の異なる位置に配置された構成としてもよい。レジマークRの位置合わせの精度を向上させる点においては、シール装置16に対し、より近い位置に配置されることが好ましい。
【0135】
また、マークセンサ53がカバーフィルム4の搬送方向に対し位置調整可能な構成としてもよい。
【0136】
(f)上記実施形態では、延伸用ローラ60を変位させる変位量を算出するにあたり、レジマークRの位置ずれ量に応じた延伸用ローラ60の必要変位量(レジマークRを検出位置Kまで移動するのに最低限必要な延伸用ローラ60の変位量)に対し所定量を加算した量を変位量(目標変位量)として算出する構成となっている。
【0137】
これに限らず、レジマークRの位置ずれ量に応じた延伸用ローラ60の必要変位量を、延伸用ローラ60を変位させる変位量とする構成としてもよい。
【解決手段】ブリスター包装機は、カバーフィルム4の位置調整を行う位置調整機構50を備えている。位置調整機構50は、容器フィルム3に対しカバーフィルム4を取着するに際し、カバーフィルム4を延伸することにより、カバーフィルム4に付されたレジマークの位置合わせを行う。この際、レジマークの位置ずれ量を把握し、これに応じてカバーフィルム4を延伸させると共に、マークセンサ53により検出位置Kにてレジマークを検出した場合に、カバーフィルム4の延伸を停止する。また、容器フィルム3の1回の搬送量よりも短い所定間隔ごとにレジマークが付されたカバーフィルム4を用いると共に、カバーフィルム4の搬送動作を停止する度に、毎回カバーフィルム4を延伸する。