(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、説明する。
【0011】
本発明は、成分(A)としてトラネキサム酸類を含む。
トラネキサム酸とは、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサン−1−カルボン酸の略称であり、トラネキサム酸類とは、トラネキサム酸、またはトラネキサム酸塩、トラネキサム酸エステル、トラネキサム酸アミド、またはトラネキサム酸の多量体などを意味する。
トラネキサム酸塩の塩を形成するための塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩等の金属塩、塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩等が挙げられる。トラネキサム酸エステルを形成するためのエステルとしては、ビタミンAエステル、ビタミンEエステル、ビタミンCエステル等のビタミンエステル、アルキルエステルが挙げられる。また、トラネキサム酸アミドを形成するためのアミドとしては、メチルアミド等が挙げられる。
【0012】
成分(A)の美白化粧料全体に対する含有量は、美白効果および使用感を向上させる観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、0.7質量%以上がさらに好ましく、0.9質量%以上がことさら好ましく、一方、美白化粧料自体の色つきの抑制と良好な使用感を得る観点から、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2.8質量%以下がさらに好ましく、2.5質量%以下がことさらに好ましい。
【0013】
本発明は、成分(B)としてカミツレエキスを含む。
カミツレエキスとは、カミツレから抽出された抽出物であり、抽出液、および抽出液を乾燥して乾燥粉末の形態としたもののいずれをも含むが、美白効果を向上させる観点から、抽出液として使用することが好ましい。
【0014】
カミツレとは、キク科(Asteraceae(Compositae))のジャーマンカミツレ(Matricaria recutita L.)が挙げられる。
【0015】
カミツレエキスをカミツレの花から抽出する方法としては、例えば、特開平10−194920号公報に開示の方法がある。抽出に使用する溶媒は特に限定されず、親油性溶媒、親水性溶媒が使用することができるが、美白効果を向上させる観点から、親油性溶媒が好ましい。親油性有機溶剤で抽出する場合、粉砕した乾燥カミツレ花に、カミツレ花に対して1〜100重量倍の親油性有機溶剤を加え、10〜90℃で1〜96時間攪拌抽出を行う。温度は、親油性有機溶剤の種類により適宜設定する。
【0016】
親油性有機溶剤で抽出する場合に用いられる溶剤としては、溶解度パラメータ(SP値)が15〜21の範囲にある油剤が好ましく、例えば、ミリスチン酸イソプロピル(SP値17.0)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(SP値17.7)、流動パラフィン(SP値16.4)、スクワラン(SP値16.2)等が挙げられ、これらの混合溶剤を用いてもよい。また、ヒマシ油、パーシック油、大豆油、ヒマワリ油等も用いることができる。
一般に、抽出に用いる親油性有機溶剤によって、抽出物に含まれる成分の種類と量が異なる。本発明において、親油性有機溶剤としてスクワランを用いた抽出物が、特に優れた美白効果を与えるので好ましい。
なお、SP値とは物質間の相溶性の尺度をいい、特開平10−194920号公報に記載の方法に基づき、Hansenの3次元溶解度パラメーターを計算することにより求められる。
【0017】
カミツレエキスには、カマズレン、ウンベリフェロン、7−メトキシクマリン、マトリシン、マトリカリン、タラキサステロール、ウペオール、アピイン、下記式(1)で表されるスピロエーテル化合物等の成分が含まれている。
【0019】
これら成分のうち、有効な美白効果を得る観点から、スピロエーテル化合物が好ましい。本発明の美白化粧料において、成分(B)カミツレエキス中のスピロエーテル化合物の含有量は、10〜500ppmが好ましい。また、成分(B)カミツレエキスは、1種以上を用いることができるが、その場合に全抽出物中のスピロエーテル化合物の総含有量は、10〜500ppmが好ましい。
【0020】
成分(B)の美白化粧料全体に対する含有量は、美白効果を向上させる観点、および、使用感と色つきを抑制する観点から、当該抽出物として、0.1〜5質量%が好ましく、0.2〜4質量%がより好ましく、0.3〜2質量%がさらに好ましい。
【0021】
固形分換算での成分(B)の美白化粧料全体に対する含有量は、良好な美白効果を得る観点から、0.04×10
−2質量%以上が好ましく、0.08×10
−2質量%以上がより好ましく、0.12×10
−2質量%以上がさらに好ましく、0.16×10
−2質量%以上がことさら好ましい。一方、外観安定性を得る観点から、3×10
−2質量%以下が好ましく、2×10
−2質量%以下がより好ましく、1.6×10
−2質量%以下がさらに好ましく、1×10
−2質量%以下がことさら好ましい。
【0022】
また、本発明の美白化粧料中のスピロエーテル化合物の含有量は、0.01〜25ppmであるのが好ましい。
【0023】
また、成分(A)に対する、固形分換算での成分(B)の質量比((B)(固形分)/(A))が、0.0001以上が好ましく、0.0002以上がより好ましく、0.0006以上がさらに好ましく、0.0008以上がさらにより好ましく、0.001以上がことさら好ましい。一方、0.1以下が好ましく、0.02以下がより好ましく、0.01以下がさらに好ましく、0.009以下がさらにより好ましく、0.007以下がことさら好ましい。また、0.0001〜0.1が好ましく、0.0002〜0.02がより好ましく、0.0006〜0.01がさらに好ましく、0.0008〜0.009がさらにより好ましく、0.001〜0.007がことさら好ましい。これにより、良好な美白効果と外観安定性が得られる。
【0024】
本発明は、成分(C)としてキサンタンガムを含む。
キサンタンガムは、美白化粧料の粘結剤として用いられていればよく、キサンタンガムの分子量および分子量分布は、特に限定されない。
【0025】
成分(C)の美白化粧料全体に対する含有量は、使用感を向上させる観点および外観安定性を保つ観点から、0.01質量%以上であり、0.03質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましい。一方、良好な使用感を得る観点から、成分(C)の美白化粧料全体に対する含有量は、2質量%以下であり、1.5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。
【0026】
本発明は、成分(D)としてN−ステアロイルグルタミン酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジン、N−アミジノプロリンおよびそれらの塩から選ばれる1種または2種以上を含む。
【0027】
N−ステアロイルグルタミン酸の塩を形成する塩としては、特に限定されないが、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩等の金属塩が挙げられる。
【0028】
2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジン、N−アミジノプロリンは、グアニジン誘導体である。
グアニジン誘導体の塩を形成するための酸としては、有機酸または無機酸のいずれでもよく、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、安息香酸、ソルビン酸、ニコチン酸、ウロカニン酸、ピロリドンカルボン酸等のモノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタミン酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸;グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、o,mまたはp−ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシ酸;メタンスルホン酸等の低級アルキルスルホン酸;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のアリールスルホン酸;塩酸等のハロゲン化水素酸;硫酸、硝酸、リン酸、炭酸等の無機酸が挙げられる。
2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジンまたはその塩は、例えば特開平8−92054号公報に記載の方法により、N−アミジノプロリンまたはその塩は、例えば特開平8−109120号公報に記載の方法に従って製造することができる。
【0029】
本発明の美白化粧料は、美白効果および使用感を向上させる観点と褐色化を抑制する観点から、N−ステアロイルグルタミン酸およびその塩から選ばれる少なくともいずれか1種が好ましく、N−ステアロイルグルタミン酸がより好ましい。
【0030】
成分(D)の美白化粧料全体に対する含有量は、良好な使用感を維持しつつ外観安定性を向上させる観点から、0.03質量%以上であり、0.04質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。一方、使用感と外観安定性を両立する観点から、成分(D)の美白化粧料全体に対する含有量は、6質量%以下であり、5.7質量%以下が好ましく、5.5質量%以下がより好ましい。なお、成分(D)が塩の場合は、塩を水素原子に変えた時の含有量とする。
【0031】
さらに、N−ステアロイルグルタミン酸またはその塩の美白化粧料全体に対する含有量は、美白効果を向上させる観点および使用感と色つき抑制を両立する観点から、0.04質量%以上が好ましく、0.08質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましく、一方、6質量%以下が好ましく、5.5質量%以下がより好ましく、5.2質量%以下がさらに好ましい。
【0032】
さらに、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジンまたはその塩の美白化粧料全体に対する含有量は、美白効果を向上させる観点および使用感と色つき抑制を両立する観点から、0.2質量%以上が好ましく、0.4質量%以上がより好ましく、0.7質量%以上がさらに好ましく、1質量%以上がことさら好ましく、一方、6質量%以下が好ましく、5.5質量%以下がより好ましく、5.2質量%がさらに好ましい。
【0033】
さらに、N−アミジノプロリンまたはその塩の美白化粧料全体に対する含有量は、美白効果の観点および使用感と色つき抑制を両立する観点から、0.4質量%以上が好ましく、0.7質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、1.5質量%以上がことさら好ましく、一方、6質量%以下が好ましく、5.5質量%以下がより好ましく、5.2質量%がさらに好ましい。
【0034】
本発明の美白化粧料において、成分(D)に対する、成分(A)と成分(C)の合計の質量比({(A)+(C)}/(D))は、美白効果を向上させる観点および使用感と色つき抑制を両立する観点から、0.1以上が好ましく、0.15以上がより好ましく0.2以上がさらに好ましく、0.25以上がことさら好ましく、一方、60以下が好ましく、30以下がより好ましく、10以下がさらに好ましく、5以下がことさら好ましい。また、0.1〜60が好ましく、0.15〜30がより好ましく、0.2〜10がさらに好ましく、0.25〜5がことさら好ましい。
【0035】
本発明の美白化粧料において、成分(A)〜(D)の合計の含有量は、外観安定性と使用感の両立の観点から、美白化粧料全体に対し、1〜15質量%が好ましく、1.5〜10質量%がより好ましく、2〜8質量%がさらに好ましく、2〜7質量%がさらにより好ましい。
【0036】
本発明の美白化粧料は、上記成分(A)〜(D)を、通常の方法により混合することにより、製造することができる。各成分をそれぞれ独立に、同時に、あるいは混合して加え、撹拌して、均一にすることにより、製造することができる。
【0037】
本発明の美白化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲において、上記必須成分の他に通常化粧品や医薬部外品、医薬品等に用いられる各種任意成分を必要に応じて適宜配合することができる。このような任意成分としては、例えば油剤、界面活性剤、増粘剤、水、エタノール、保湿剤、防腐剤、薬効成分、粉体、紫外線吸収剤、色素、香料、殺菌剤、制汗剤、清涼剤、酸化防止剤、乳化安定剤、pH調整剤等が挙げられる。
【0038】
油剤としては、例えば、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン、ミツロウ、カルナウバロウ、オリーブ油、ラノリン、高級アルコール、炭化水素、高級アルコールと脂肪酸との合成エステル油、シリコーン油等が挙げられる。これらの中で、使用感および外観安定性を向上させる観点から、高級アルコール、シリコーン油から選ばれる1種以上が好ましい。また、炭素数12〜22の高級アルコールが好ましく、炭素数14〜22の高級アルコールがより好ましい。
油剤の美白化粧料全体に対する含有量は、使用感および外観安定性を向上させる観点から、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。
【0039】
界面活性剤としては、非イオン界面活性剤が好ましく、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。これらの中でも、特にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましい。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のエチレンオキサイドの付加モル数は、使用感および外観安定性を向上させる観点から、25〜70が好ましく、30〜60がより好ましく、40〜60がさらに好ましい。具体的には、ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油やポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油が好ましい。
界面活性剤の美白化粧料全体に対する含有量は、使用感および外観安定性を向上させる観点から、0.01〜2質量%が好ましく、0.05〜1%がより好ましく、0.1〜0.8質量%がさらに好ましい。
【0040】
増粘剤としては、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、カルボキシルビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、高重合ポリオキシエチレンが挙げられ、これらの中では、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体を含有することが好ましい。
増粘剤の美白化粧料全体に対する含有量は、使用感および外観安定性を向上させる観点から、0.1〜0.6質量%が好ましく、0.2〜0.5質量%がより好ましく、0.3〜0.4質量%がさらに好ましい。
【0041】
本発明の美白化粧料は、さらに、水を含むことが好ましい。水は、美白化粧料全体に対し、60〜90質量%含むことが好ましい。
【0042】
本発明の美白化粧料は、一般に皮膚に塗布する形の化粧料であれば特に限定されず、通常の皮膚化粧料の他、下地化粧料としても利用可能である。剤型としては、一般に用いられるものであり、水溶液、O/W型エマルション等が挙げられ、具体的には、乳液、化粧水、パック、ジェル等が挙げられる。
【0043】
本発明の美白化粧料は、皮膚、好ましくは頭皮を除く皮膚、より好ましくは顔、身体、手足等のいずれかに塗布することにより、使用することができる。
【0044】
以上、本発明の実施形態について述べたが、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【実施例】
【0045】
<2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジン・コハク酸塩の製造>
200mlの2口フラスコに、2−(2−アミノエトキシ)エタノール21.0g(0.200mol)、コハク酸11.8g(0.100mol)を入れ、90℃の油浴で加熱し、窒素流通して水を留去しながら、シアナミドの50質量%水溶液16.8g(0.200mol)を3時間かけ滴下した。滴下後更に、20時間加熱(90℃)を行った後、エタノールから結晶化させ、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジンの1/2・コハク酸塩22.8g(白色粉末、0.11mol、収率55%)を得た。
【0046】
<N−アミジノ−L−プロリンの製造>
1リットルフラスコに、L−プロリン118.58g(1.03mol)をいれ、90℃加熱により蒸留水200mlに溶解させた。50質量%シアナミド水溶液86.6g(1.03mol)を2時間かけて滴下し、さらに20時間加熱(90℃)を続けた。その後、蒸留水250ml加え、室温(25℃)下に放置した。析出物を濾過、洗浄し、N−アミジノ−L−プロリンを得た。
【0047】
<実施例1>
水バランス、エタノール6、グリセリン5、水酸化カリウム0.175、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.35、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油0.3、パラオキシ安息香酸メチル0.3、トラネキサム酸2、キサンタンガム0.2を80℃下で加熱混合する(水相)。メチルポリシロキサン2、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール6、セタノール0.3、ステアリルアルコール0.2、N−ステアロイルグルタミン酸5、カミツレエキス2(スクワラン1.992、カミツレ抽出物(固形分)0.008)、香料0.035を80℃下で加熱混合する(油相)。80℃下で水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかきまぜながら30℃まで冷却して美白化粧料を得た。なお、単位は、質量%であり、以下の実施例、比較例においても同様である。
【0048】
<実施例2〜4,9,10,比較例1〜3>
成分(A)〜(C)、及びN−ステアロイルグルタミン酸を、表1に示す質量%にした以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4,10,11,比較例1〜3の美白化粧料をそれぞれ得た。
【0049】
<実施例5>
水バランス、エタノール6、グリセリン5、水酸化カリウム0.175、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.35、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油0.3、パラオキシ安息香酸メチル0.3、トラネキサム酸2、キサンタンガム0.2、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジン・コハク酸塩5、を80℃下で加熱混合する(水相)。メチルポリシロキサン2、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール6、セタノール0.3、ステアリルアルコール0.2、カミツレエキス2(スクワラン1.992、カミツレ抽出物0.008)、香料0.035を80℃下で加熱混合する(油相)。80℃下水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかきまぜながら30℃まで冷却して美白化粧料を得た。
【0050】
<実施例6,7>
2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジン・コハク酸塩を、表1に示す質量%にした以外は、実施例5と同様にして、実施例6,7の美白化粧料をそれぞれ得た。
【0051】
<実施例8>
水バランス、エタノール6、グリセリン5、水酸化カリウム0.175、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.35、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油0.3、パラオキシ安息香酸メチル0.3、トラネキサム酸2、キサンタンガム0.2、N−アミジノ−L−プロリン5、を80℃下で加熱混合する(水相)。メチルポリシロキサン2、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール6、セタノール0.3、ステアリルアルコール0.2、カミツレエキス2(スクワラン1.992、カミツレ抽出物(固形分)0.008)、香料0.035を80℃下で加熱混合する(油相)。80℃下で水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかきまぜながら30℃まで冷却して美白化粧料を得た。
【0052】
<比較例4>
N−アミジノ−L−プロリンを、表1に示す質量%にした以外は、実施例8と同様にして、実施例9、比較例4の美白化粧料をそれぞれ得た。
【0053】
<評価方法>
(1)外観安定性
表1に示す各化粧料組成物について、調製後25℃に冷却して1時間経過した製剤1と、30mlのガラス容器に、30g計量、密閉し、遮光60℃、相対湿度3Rh%で1ヵ月保存した製剤2をそれぞれ用意した。
製剤1と製剤2について、分光色差計(日本電色社製SE2000)を用いて、25℃の条件下、色差ΔE*を測定した。測定する際に製剤1,2は、それぞれ、該分光色差計付属の標準セル(高さ1.5cm、外径3.5cm、厚さ2mmの丸セル)に、9.8ml充填した。
ΔEは、CIELAB色座標L*、a*、b*の保存前後の差ΔL*、Δa*、Δb*を用い、以下の式のように定義した。
ΔE*=((ΔL*)
2+(Δa*)
2+(Δb*)
2)
1/2
褐色化度は色差ΔE*を指標とした。結果を表1,2に示す。ΔE*が小さいほど褐色化度は小さく、外観安定性に優れることを示す。
【0054】
(2)使用感
専門パネラー5名により、手の甲を洗顔料で水洗した後、タオルで軽く水分を拭き取り、表1に示す各化粧料組成物0.1mLを手の甲に塗布し、手をこすり合わせた際の使用感(べたつき感)を下記基準にて3段階評価し、その平均点(少数点以下四捨五入)を求めた。結果を、表1に示す。
3:べたつかない
2:わずかにべたつくが、使用上問題ない範囲である
1:べたつく
【0055】
【表1】
【0056】
表1中の成分は、以下の通りである。
・トラネキサム酸:トラネキサム酸(第一三共社製)
・カミツレエキス(油溶性):カミツレKSQ(丸善製薬社製)、抽出物(固形分)含有量0.4質量%、スクワラン99.6質量%、スピロエーテル370ppm
・キサンタンガム:エコーガムT(DSP五協フード&ケミカル社製)
・N−ステアロイルグルタミン酸:アミソフトHA−P(味の素社製)
・パラオキシ安息香酸メチル:パラオキシ安息香酸メチル(エーピーアイコーポレーション社製)
・ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(EO=60):エマノーンCH−60(花王社製)
・アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体:PEMULEN TR−1(Lubrizol Advanced Materials,Inc.社製)
【0057】
【表2】