(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
パチンコ台のフロントガラスの裏面側に貼着するパチンコ台フロントガラス保護フィルムであって、合成樹脂製の基材層と、この基材層の一方の面側に積層される粘着層とを備え、青色光を減衰させる手段を有し、
上記青色光減衰手段が、青色光により励起されて黄色光を発する黄色蛍光体を含むブルーライトカット材、又は青色光を吸収する光吸収剤を含むブルーライトカット材であり、
上記ブルーライトカット材が樹脂製のビーズであり、
上記ブルーライトカット材の単位面積当たりの含有量が0.001g/m2以上0.05g/m2以下、平均粒子径が1μm以上50μm以下であるパチンコ台フロントガラス保護フィルム。
波長380nmにおける光線透過率が10%以下で、波長400nmにおける光線透過率が50%以下で、波長490nmにおける光線透過率が90%以下である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のパチンコ台フロントガラス保護フィルム。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
【0024】
[第一実施形態]
<パチンコ台フロントガラス保護フィルム>
図1のパチンコ台フロントガラス保護フィルム1は、基材層2と、基材層2の一方の面側に積層される粘着層3とを備える。パチンコ台フロントガラス保護フィルム1は、基材層2が最裏面を形成し、粘着層3が最表面を形成する。パチンコ台フロントガラス保護フィルム1は、基材層2と粘着層3との2層構造体として形成されている。
【0025】
(基材層)
基材層2は、パチンコ台のフロントガラスの裏面側に配設される。基材層2は、青色光減衰手段として、青色光により励起されて黄色光を発する黄色蛍光体を含むブルーライトカット材を含有している。基材層2は、光線を透過させることのできる透明な合成樹脂を主成分として形成されている。ここで、透明は、有色透明、半透明とすることも可能であるが、光線透過率を高くするためには無色透明が好ましい。基材層2に用いられる合成樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロースアセテート、耐候性塩化ビニル等が挙げられる。なかでも、ポリエチレンテレフタレート又はポリカーボネートが好ましい。ポリエチレンテレフタレートは、透明性に優れ、強度を高くすることができる。ポリエチレンテレフタレートのなかでも、撓み性能が改善されたポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。ポリカーボネートは、透明度が高いので光の損耗を少なくすることができる。また、ポリカーボネートは、耐熱性を有するので、光源等の発熱による劣化等が生じ難い。基材層2は、上記主成分を好ましくは80質量%以上含み、より好ましくは90質量%以上含み、さらに好ましくは98質量%以上含む。なお、「主成分」とは、最も含有量の多い成分をいい、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。
【0026】
基材層2の平均厚みの下限としては、50μmが好ましく、100μmがより好ましく、150μmがさらに好ましい。一方、基材層2の平均厚みの上限としては、500μmが好ましく、450μmがより好ましく、400μmがさらに好ましい。基材層2の平均厚みが上記下限未満の場合、フィルムの強度、撓み防止性等の特性が低下するおそれがある。逆に、基材層2の平均厚みが上記上限を超える場合、当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1がパチンコ台のフロントガラスの裏面に配設された場合のパチンコ台の輝度が低下するおそれがある。なお、「平均厚み」とは、JIS−K−7130に規定される5.1.2のA−2法により測定した値の平均値をいう。
【0027】
ブルーライトカット材は、フィラーと、このフィラー中に含有される黄色蛍光体とを有する。
【0028】
上記フィラーとしては、無機フィラーと有機フィラーに大別される。この無機フィラーとしては、例えば元素周期律表第2族〜第6族から選ばれる元素(例えばケイ素、アルミニウム、亜鉛、チタン、ジルコニウム等)の酸化物、水酸化アルミニウム、硫化バリウム、マグネシウムシリケート又はこれらの混合物を用いることができる。また、有機フィラーとしては、例えばアクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド等を用いることができる。中でも、硬化した際の透明性が高いアクリル樹脂が好ましく、ポリメチルメタクリレート(PMMA)が特に好ましい。
【0029】
上記黄色蛍光体は、青色光により励起されて黄色光を発する。上記黄色蛍光体は、青色光の波長(380nm〜500nm)を長波長側(550nm〜610nm)に変換して黄色の光を発する。基材層2は、入射光の一部をそのまま(青色光のまま)透過させるとともに、黄色蛍光体の波長変換作用によって一部の光を黄色光に変換して透過させる。基材層2に含まれる黄色蛍光体としては、例えばYAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)が挙げられる。また、かかるYAG系蛍光体において、イットリウムの一部又は全部をLa又はLuに置換したものを用いて用いてもよく、アルミニウムの一部又は全部をIn又はScに置換したものを用いてもよい。
【0030】
上記ブルーライトカット材の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、球状、紡錘形状、針状、棒状、立方状、板状、鱗片状、繊維状などが挙げられ、なかでも光拡散性に優れる樹脂製のビーズが好ましい。
【0031】
上記ブルーライトカット材の平均粒子径の下限としては、1μmが好ましく、2μmがより好ましく、5μmがさらに好ましい。また、上記ブルーライトカット材の平均粒子径の上限は、50μmが好ましく、20μmがより好ましく、15μmがさらに好ましい。上記ブルーライトカット材の平均粒子径が上記下限未満であると、上記ブルーライトカット材によって基材層2の表面に形成される凹凸が小さくなり、粘着層3との接着性を効果的に向上できないおそれがある。逆に、上記ブルーライトカット材の平均粒子径が上記上限を超える場合、均一な光拡散が困難になるおそれがある。
【0032】
基材層2中の黄色蛍光体の含有量の下限としては、0.001質量%が好ましく、0.005質量%がより好ましく、0.01質量%がさらに好ましく、0.05質量%が特に好ましい。一方、基材層2中の黄色蛍光体の含有量の上限としては、0.5質量%が好ましく、0.4質量%がより好ましく、0.2質量%がさらに好ましく、0.1質量%が特に好ましい。基材層2中の黄色蛍光体の含有量が上記下限未満の場合、青色光の減衰効果が十分に得られないおそれがある。逆に、基材層2中の黄色蛍光体の含有量が上記上限を超える場合、黄色光が強くなり、色ムラを生じやすくなるとともに、色度の調整が困難になるおそれがある。
【0033】
基材層2におけるブルーライトカット材の単位面積あたりの含有量(固形分換算)の下限としては、0.001g/m
2が好ましく、0.005g/m
2がさらに好ましい。また、基材層2におけるブルーライトカット材の単位面積あたりの含有量(固形分換算)の上限としては、0.05g/m
2が好ましく、0.015g/m
2がさらに好ましい。基材層2におけるブルーライトカット材の単位面積あたりの含有量(固形分換算)が上記下限未満の場合、青色光を全面に亘って略均一に減衰させることができないおそれがあるとともに、光拡散性が低下するおそれがある。逆に、基材層2におけるブルーライトカット材の単位面積あたりの含有量(固形分換算)が上記上限を超える場合、輝度の低下によって視認性が低下するおそれがある。なお、基材層2におけるブルーライトカット材の単位面積あたりの含有量は、基材層2の平均厚みと基材層2に含まれるブルーライトカット材の存在量(質量%)から計算した値をいう。
【0034】
基材層2の面内リタデーション値(Re)の上限としては、30nmが好ましく、20nmがより好ましく、10nmがさらに好ましい。また、基材層2の厚さ方向リタデーション値(Rth)の上限としては、250nmが好ましく、200nmがより好ましく、150nmがさらに好ましい。基材層2の面内リタデーション値(Re)及び厚さ方向リタデーション値(Rth)が上記上限を超える場合、画像の視認性が低下するおそれがある。なお、基材層2の面内リタデーション値(Re)及び厚さ方向リタデーション値(Rth)の下限は0とすることができる。また、「面内リタデーション値(Re)」とは、面内遅相軸方向の屈折率nxと面内遅相軸に直交する方向の屈折率nyとの差にフィルムの平均厚みdを乗算した値(Re=(nx−ny)×d)をいう。さらに、「厚さ方向リタデーション値(Rth)」は、Rth=((nx+ny)/2−nz)×d)で表され、nxは面内遅相軸方向の屈折率;nyは面内遅相軸に直交する方向の屈折率;nzは厚さ方向の屈折率;dはフィルムの平均厚みである。
【0035】
(粘着層)
粘着層3は、基材層2の一方の面に積層される。粘着層3は、基材層2をパチンコ台のフロントガラス裏面に貼着する。粘着層3は、タック力を有し、貼着後も張り替え容易に構成されている。
【0036】
粘着層3は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、エポキシ系樹脂等の粘着性樹脂を用いて形成することができる。これらの粘着性樹脂は、液状体、高粘性体、エラストマー状体等の各種性状のものを用いることができる。また、粘着層3は、これらの粘着性樹脂に加えて、高圧法低密度ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、合成ゴム、天然ゴム等のエラストマー、テルペン樹脂、石油樹脂等の粘着助剤等を混合することにより形成されてもよい。
【0037】
上記粘着性樹脂のなかでも、アクリル系樹脂、特に(メタ)アクリル酸エステル重合体(共重合体を含む。)が好ましい。
【0038】
上記(メタ)アクリル酸エステル重合体を合成するために用いられるアクリルモノマーやメタクリルモノマーとしては、例えば2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリート、n−ブチルアクリレート、エチルアクリレートが挙げられる。また、これらをモノマーに、アクリル酸、イタコン酸、ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、メチロールアクリルアミド、無水マレイン酸等の架橋性モノマーや、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、アクリルアミド、アクリルニトリル、メタクリルニトリル、酢酸ビニル、スチレン、フッ素アクリレート、シリコーンアクリレート等の高凝集モノマーや官能基含有モノマーを適宜添加してもよい。
【0039】
かかるモノマーを用いた重合処理としては、例えば溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合等の公知の重合方法を採用することができる。また、その際に重合方法に応じて熱重合開始剤や光重合開始剤等の重合開始剤を用いることによってアクリル酸エステル共重合体を得ることができる。
【0040】
架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤等が挙げられる。また、これらの架橋剤は1種単独で又は2種以上混合して用いることができる。
【0041】
上記イソシアネート系架橋剤としては、例えばトリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネートモノマー及びこれらイソシアネートモノマーをトリメチロールプロパン等と付加したイソシアネート化合物やイソシアヌレート化物、ビュレット型化合物、さらには公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなど付加反応させたウレタンプレポリマー型のイソシアネート等が挙げられる。
【0042】
上記エポキシ系架橋剤としては、例えばエチレングリコールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリジル−m−キシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリジルアミノフェニルメタン、トリグリシジルイソシアヌレート、m−N,N−ジグリシジルアミノフェニルグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N−ジグリシジルアニリン等が挙げられる。
【0043】
上記架橋剤の代わりに架橋モノマーを使用することもできる。この架橋モノマーとしては、アクリル系架橋モノマーを用いるのが好ましく、中でも、2官能(メタ)アクリレート、3官能(メタ)アクリレート、4官能(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、又は単官能〜4官能(メタ)アクリレートの2種以上が混合された混合物が好ましい。
【0044】
上記2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール400ジアクリレート及びトリプロピレングリコールジアクリレート等が挙げられる。
【0045】
上記3官能(メタ)アクリレートとしては、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート等のトリアクリレートや、それらのトリメタクリレート等が挙げられる。
【0046】
上記4官能(メタ)アクリレートとしては、例えばジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が挙げられる。
【0047】
上記架橋モノマーを使用した場合、各種架橋開始剤として、光開始剤又は熱重合開始剤を用いることができる。なかでも、この架橋開始剤としては光開始剤が好ましい。光開始剤としては、開裂型の光開始剤及び水素引抜型の光開始剤のいずれを用いることもでき、なかでも水素引抜型光開始剤が好ましい。水素引抜型光開始剤としては、例えばベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ジベンゾスベロン、2−エチルアントラキノン、イソブチルチオキサンソンや等のいずれか又はその誘導体、若しくはこれらの二種類以上の組み合わせからなる混合成分を用いることができる。
【0048】
光開始剤の添加量は、特に制限されるものではないが、一般的には上記粘着性樹脂100質量部に対し0.1質量部以上5質量部以下の割合の範囲内で調整するのが好ましい。
【0049】
なお、粘着層3には、上記成分のほか、酸化防止剤、老化防止剤、吸湿剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、ガラス繊維やガラスビーズ等の各種の添加剤を適宜配合してもよい。
【0050】
粘着層3の平均厚みの下限としては、10μmが好ましく、15μmがより好ましく、20μmがさらに好ましい。また、粘着層3の平均厚みの上限としては、40μmが好ましく35μmがより好ましく、30μmがさらに好ましい。粘着層3の平均厚みが上記下限未満の場合、粘着力が十分に得られないおそれがある。逆に、粘着層3の平均厚みが上記上限を超える場合、当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1がパチンコ台に貼着された場合のパチンコ台の輝度が低下するおそれがある。
【0051】
粘着層3の粘着力の下限としては、20N/25mmが好ましく、30N/25mmがより好ましく、35N/25mmがさらに好ましく、40N/25mmが特に好ましい。また、粘着層3の粘着力の上限としては、100N/25mmが好ましく、80N/25mmがより好ましく、60N/25mmがさらに好ましい。粘着層3の粘着力が上記下限未満の場合、当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1の剥離強度が十分に得られないおそれがある。逆に、粘着層3の粘着力が上記上限を超える場合、当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1をフロントガラスから剥がす場合に、容易かつ確実に剥離できないおそれがある。なお、粘着層3の粘着力は、JIS K6854−1「接着剤、はく離接着強さ試験方法、第1部:90度はく離」に規定される試験方法に準拠し、剥離スピード50mm/分で測定した剥離接着強さをいう。
【0052】
(パチンコ台フロントガラス保護フィルムの性質)
当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1の全光線透過率の下限としては、80%が好ましく、85%がより好ましく90%がさらに好ましい。当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1の全光線透過率が上記下限未満の場合、当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1をパチンコ台のフロントガラス裏面に貼着した場合の画像の視認性が低下するおそれがある。なお、当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1の全光線透過率の上限としては、100%とすることができる。
【0053】
当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1の波長380nmにおける光線透過率の上限としては、10%が好ましく、8%がより好ましく、6%がさらに好ましい。また、当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1の波長400nmにおける光線透過率の上限としては、50%が好ましく、47%がより好ましく、45%がさらに好ましい。さらに、当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1の波長490nmにおける光線透過率の上限としては、90%が好ましく、87%がより好ましく、85%がさらに好ましい。当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1の波長380nm、400nm及び490nmにおける光線透過率が上記上限を超える場合、視認者の目の疲れ等を十分に緩和できないおそれがある。なお、当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1の波長380nmにおける光線透過率の下限としては、例えば2%とすることができ、波長400nmにおける光線透過率の下限としては、例えば30%とすることができ、波長490nmにおける光線透過率の下限としては、例えば70%とすることができる。当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1の波長380nm、400nm及び490nmにおける光線透過率が上記下限未満の場合、色ムラを生じやすくなるとともに、色度の調整が困難になるおそれがある。
【0054】
当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1のヘイズ値の上限としては、5%が好ましく、3%がより好ましく、1%がさらに好ましい。当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1のヘイズ値が上記上限を超える場合、画像の視認性が低下するおそれがある。なお、「ヘイズ値」は、JIS K7136に準じた値である。
【0055】
<製造方法>
当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1の製造方法としては、基材層2を構成するシート体を形成する工程(STEP1)と、基材層2を構成するシート体の一方の面に粘着層3を積層する工程(STEP2)とを有する。
【0056】
基材層2を構成するシート体を形成する工程(STEP1)としては、特に限定されないが、例えばブルーライトカット材が混合された溶融状態の熱可塑性樹脂をTダイから押出成形し、続いてその押出成形体を層長手方向及び層幅方向に延伸してシート体を形成する方法が挙げられる。Tダイを用いた周知の押出成形法としては、例えば、ポリッシングロール法やチルロール法が挙げられる。また、シート体の延伸方法としては、例えば、チューブラーフィルム二軸延伸法やフラットフィルム二軸延伸法等が挙げられる。
【0057】
基材層2を構成するシート体の一方の面に粘着層3を積層する工程(STEP2)としては、基材層2を構成するシート体の一方の面に粘着剤溶液を塗布して乾燥させる方法や、粘着剤溶液を予めセパレータの片面に塗布して乾燥させておいたうえ、基材層2を構成するシート体と貼り合わせる方法等が挙げられる。
【0058】
<利点>
当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1は、青色光減衰手段を有するので、青色光の出射を抑制することができる。また、当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1は、基材層2をフロントガラス裏面に貼着する粘着層3を有するため、この粘着層3によってパチンコ台のフロントガラスの裏面に容易に貼着できる。また、当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1は、パチンコ台のフロントガラスの裏面側の傷付き防止性を一定程度高めることができるとともに、粘着層3を介してフロントガラスに貼着されるので、仮に当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1に傷等が生じた場合であっても、別の当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1に容易に取替えることでパチンコ台のフロントガラスの裏面側の傷付きを好適に防止することができる。さらに、当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1は、粘着層3によってパチンコ台のフロントガラスの裏面側に貼着されるものであるため、このフロントガラスが破損した場合でも、ガラスの破片は粘着層に貼着された状態に保たれる可能性が高い。それゆえ、当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1は、ガラスの破片が飛散するのを抑制することができる。
【0059】
当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1は、上記青色光減衰手段として、基材層2に上記黄色蛍光体を含むブルーライトカット材を含有するので、このブルーライトカット材に入射した青色光を減衰させるとともに、表面側又は裏面側からの入射光を適度に拡散させることで優れた防眩性を発揮することができる。また、かかる構成によると、基材層2表面にブルーライトカット材に起因した微細凹凸形状を形成することができ、基材層2の表面積を増大することができる。それゆえ、この基材層2に積層される他の層(粘着層3等)との接触面積が増大され、強固な状態で他の層を積層することができる。
【0060】
当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1は、上記ブルーライトカット材が樹脂製のビーズであることによって、このブルーライトカット材によって光線を好適に拡散させ、防眩性を向上することができる。
【0061】
[第二実施形態]
<パチンコ台フロントガラス保護フィルム>
図2のパチンコ台フロントガラス保護フィルム11は、基材層12と、基材層12の一方の面に積層される粘着層3とを備える。パチンコ台フロントガラス保護フィルム11は、基材層12が最裏面を形成し、粘着層3が最表面を形成する。パチンコ台フロントガラス保護フィルム11は、基材層12と粘着層3との2層構造体として形成されている。粘着層3は、
図1のパチンコ台フロントガラス保護フィルム1と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。また、パチンコ台フロントガラス保護フィルム11の全光線透過率、波長380nmにおける光線透過率、波長400nmにおける光線透過率及び波長490nmにおける光線透過率並びにヘイズ値については、
図1のパチンコ台フロントガラス保護フィルム1と同様である。
【0062】
(基材層)
基材層12は、パチンコ台のフロントガラスの裏面側に配設される。基材層12は、青色光減衰手段として、青色光を吸収する光吸収剤を含むブルーライトカット材を含有している。基材層12は、光線を透過させることのできる透明な合成樹脂を主成分として形成されている。基材層12を形成する主成分としては、
図1のパチンコ台フロントガラス保護フィルム1の基材層2の主成分と同様である。また、基材層12の平均厚み、面内リタデーション値(Re)及び厚さ方向リタデーション値(Rth)としては、
図1のパチンコ台フロントガラス保護フィルム1の基材層2と同様である。
【0063】
ブルーライトカット材は、フィラーと、このフィラー中に含有される光吸収剤とを有する。上記フィラーとしては、
図1のパチンコ台フロントガラス保護フィルム1の基材層2に含まれるフィラーと同様である。
【0064】
上記光吸収剤としては、青色光を吸収する青色光吸収剤が用いられる。かかる青色光吸収剤としては、例えばインジゴ系色素、キノフタロン系色素、キノン系色素、クマリン系色素、クロロフィル系色素、ジフェニルメタン系色素、スピロピラン系色素、チアジン系色素、トリフェニルメタン系色素等が挙げられる。
【0065】
上記ブルーライトカット材の形状、粒子径及び基材層12におけるブルーライトカット材の単位面積あたりの含有量としては、
図1のパチンコ台フロントガラス保護フィルム1の基材層2に含有されるブルーライトカット材と同様である。
【0066】
基材層12中の青色光吸収剤の含有量の下限としては、0.001質量%が好ましく、0.005質量%がより好ましく、0.01質量%がさらに好ましく、0.05質量%が特に好ましい。一方、基材層12中の青色光吸収剤の含有量の上限としては、0.5質量%が好ましく、0.4質量%がより好ましく、0.2質量%がさらに好ましく、0.1質量%が特に好ましい。基材層12中の青色光吸収剤の含有量が上記下限未満の場合、青色光の減衰効果が十分に得られないおそれがある。逆に、基材層12中の青色光吸収剤の含有量が上記上限を超える場合、色ムラを生じやすくなるとともに、色度の調整が困難になるおそれがある。
【0067】
<製造方法>
当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム11の製造方法としては、基材層12を構成するシート体を形成する工程(STEP11)と、基材層12を構成するシート体の一方の面に粘着層3を積層する工程(STEP12)とを有する。基材層12を構成するシート体を形成する工程(STEP11)は、STEP1と同様の手順で行われる。また、基材層12を構成するシート体の一方の面に粘着層3を積層する工程(STEP12)は、STEP2と同様の手順で行われる。
【0068】
<利点>
当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム11は、青色光減衰手段を有するので、青色光の出射を抑制することができる。また、当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム11は、基材層12をフロントガラス裏面に貼着する粘着層3を有するため、粘着層3によってパチンコ台のフロントガラスの裏面に容易に貼着できる。また、当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム11は、粘着層3を介してフロントガラスに貼着されるので、仮に当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム11に傷等が生じた場合であっても、別の当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム11に容易に取替えることでパチンコ台のフロントガラスの裏面側の傷付きを好適に防止することができる。さらに、当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム11は、粘着層3によってパチンコ台のフロントガラスの裏面側に貼着されるものであるため、このフロントガラスが破損した場合でも、ガラスの破片は粘着層に貼着された状態に保たれる可能性が高い。それゆえ、当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム11は、ガラスの破片が飛散するのを抑制することができる。
【0069】
当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム11は、上記青色光減衰手段として、基材層12に上記光吸収剤を含むブルーライトカット材を含有するので、このブルーライトカット材に入射した青色光を減衰させるとともに、表面側又は裏面側からの入射光を適度に拡散させることで優れた防眩性を発揮することができる。また、かかる構成によると、基材層12表面にブルーライトカット材に起因した微細凹凸形状を形成することができ、基材層12の表面積を増大することができる。それゆえ、この基材層12に積層される他の層(粘着層3等)との接触面積が増大され、強固な状態で他の層を積層することができる。
【0070】
[第三実施形態]
<パチンコ台フロントガラス保護フィルム>
図3のパチンコ台フロントガラス保護フィルム21は、基材層22と、基材層22の一方の面に積層される粘着層23と、基材層22の他方の面に積層されるハードコート層24とを備える。パチンコ台フロントガラス保護フィルム21は、ハードコート層24が最裏面を形成し、粘着層23が最表面を形成する。パチンコ台フロントガラス保護フィルム21は、基材層22と、粘着層23と、ハードコート層24との3層構造体として形成されている。パチンコ台フロントガラス保護フィルム21の全光線透過率、波長380nmにおける光線透過率、波長400nmにおける光線透過率及び波長490nmにおける光線透過率並びにヘイズ値については、
図1のパチンコ台フロントガラス保護フィルム1と同様である。
【0071】
(基材層)
基材層22は、パチンコ台のフロントガラスの裏面側に配設される。基材層22は、光線を透過させることのできる透明な合成樹脂を主成分として形成されている。基材層22を形成する主成分としては、
図1のパチンコ台フロントガラス保護フィルム1の基材層2の主成分と同様である。また、基材層22の平均厚み、面内リタデーション値(Re)及び厚さ方向リタデーション値(Rth)としては、
図1のパチンコ台フロントガラス保護フィルム1の基材層2と同様である。
【0072】
(粘着層)
粘着層23は、基材層22をパチンコ台のフロントガラス裏面に貼着する。粘着層23は、タック力を有し、貼着後も張り替え容易に構成されている。粘着層23は、青色減衰手段としてブルーライトカット材を含んでいる。上記ブルーライトカット材としては、
図1のパチンコ台フロントガラス保護フィルム1の基材層2に含有されるブルーライトカット材及び
図2のパチンコ台フロントガラス保護フィルム11の基材層12に含有されるブルーライトカット材が挙げられる。また、粘着層23の形成材料としては、
図1のパチンコ台フロントガラス保護フィルム1の粘着層3の形成材料と同様である。
【0073】
粘着層23の平均厚みとしては、
図1のパチンコ台フロントガラス保護フィルム1の粘着層3の平均厚みと同様である。粘着層23の平均厚みが上記範囲内である場合、十分な粘着力が得られるとともに、単位面積あたりのブルーライトカット材の含有量の調整が容易となり、青色光を全面に亘って略均一に減衰させるとともに、このブルーライトカット材に入射した光線を好適に拡散させることができる。また、粘着層23の粘着力としては、
図1のパチンコ台フロントガラス保護フィルム1の粘着層3の粘着力と同様である。
【0074】
粘着層23中に黄色蛍光体が含有される場合、粘着層23中の黄色蛍光体の含有量としては、
図1のパチンコ台フロントガラス保護フィルム1の基材層2に含まれる黄色蛍光体の含有量と同様である。また、粘着層23中に青色光吸収剤が含有される場合、粘着層23中の青色光吸収剤の含有量としては、
図2のパチンコ台フロントガラス保護フィルム11の基材層12に含まれる青色光吸収剤の含有量と同様である。
【0075】
粘着層23におけるブルーライトカット材の単位面積あたりの含有量(固形分換算)としては、
図1のパチンコ台フロントガラス保護フィルム1の基材層2におけるブルーライトカット材の単位面積あたりの含有量(固形分換算)と同様である。
【0076】
(ハードコート層)
ハードコート層24を形成する材料としては、特に限定されるものではなく、樹脂のみから形成されてもよく、その中にシリカ微粒子、重合開始剤等が含有されてもよい。
【0077】
ハードコート層24を形成する樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂や、活性エネルギー線硬化樹脂等が挙げられる。
【0078】
ハードコート層24は、例えば、活性エネルギー線硬化樹脂の重合性モノマーや重合性オリゴマーを含む塗布組成物を基材層2の一方の面上に塗布し、重合性モノマーや重合性オリゴマーを架橋反応及び/又は重合反応させることにより形成することができる。
【0079】
かかる活性エネルギー線硬化性の重合性モノマーや重合性オリゴマーの官能基としては、紫外線、電子線又は放射線重合性のものが好ましく、紫外線重合性官能基が特に好ましい。紫外線重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等のエチレン性不飽和重合性官能基等を挙げることができる。
【0080】
上記塗布組成物としては、特に限定されないが、アクリルモノマー又はウレタンアクリレートオリゴマーを主成分とするものが好ましい。ハードコート層24は、これらのモノマー又はオリゴマーを主成分とする組成物から形成されることで、硬度を高めることができる。なかでも、ハードコート層24は、ウレタンアクリレートと(メタ)アクリレートとを共に含有する組成物から形成されることが特に好ましい。
【0081】
ハードコート層24を形成するウレタンアクリレート及び(メタ)アクリレートの合計含有量の下限としては、45質量%が好ましく、50質量%がより好ましく、60質量%がさらに好ましい。また、ハードコート層24を形成するウレタンアクリレート及び(メタ)アクリレートの合計含有量の上限としては、99質量%が好ましく、95質量%がより好ましく、90質量%がさらに好ましい。ハードコート層24を形成するウレタンアクリレート及び(メタ)アクリレートの合計含有量が上記下限未満であると、柔軟性、耐摩耗性、耐擦傷性等が低下するおそれがある。逆に、ハードコート層24を形成するウレタンアクリレート及び(メタ)アクリレートの合計含有量が上記上限を超えると、光重合の開始が遅くなり生産性が低下するおそれがある。これに対し、ハードコート層24を形成するウレタンアクリレート及び(メタ)アクリレートの合計含有量が上記範囲内であると、生産性を高めつつ、柔軟性、耐摩耗性、耐擦傷性等を好適に保つことができる。
【0082】
上記ウレタンアクリレートとしては、特に限定されるものではなく、モノマー又はオリゴマーのいずれであってもよい。また、ウレタンアクリレートの官能基数としては、特に限定されるものではなく、単官能であっても多官能であってもよいが、2官能以上6官能以下であることが好ましく、2官能以上3官能以下であることがさらに好ましい。ハードコート層24は、ウレタンアクリレートの官能基数を上記範囲内とすることで、硬度と伸び率とのバランスを好適に保つことができる。ウレタンアクリレートは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0083】
ウレタンアクリレートの伸び率の下限としては、20%が好ましく、25%がより好ましく、30%がさらに好ましい。また、ウレタンアクリレートの伸び率の上限としては、80%が好ましく、75%がより好ましく、70%がさらに好ましい。ウレタンアクリレートの伸び率が上記下限未満であると、成型時に割れが発生するおそれがある。逆に、ウレタンアクリレートの伸び率が上記上限を超えるとハードコート層24の耐久性が低下するおそれがある。これに対し、ウレタンアクリレートの伸び率が上記範囲内であると、耐久性を向上させるとともに成型時等の割れの発生を防止することができる。なお、「伸び率」とは、JIS K5600に準じて測定した値のことをいう。
【0084】
ウレタンアクリレートから形成される樹脂のガラス転移温度の下限としては、40℃が好ましく、60℃がより好ましい。また、ウレタンアクリレートから形成される樹脂のガラス転移温度の上限としては、100℃が好ましく、80℃がより好ましい。ウレタンアクリレートから形成される樹脂のガラス転移温度が上記範囲内であることにより、常温下でのハードコート層24の硬度及び耐久性を向上させることができる。
【0085】
ハードコート層24を形成するウレタンアクリレートの含有量の下限としては、10質量%が好ましく、15質量%がより好ましく、20質量%がさらに好ましい。また、ハードコート層24を形成するウレタンアクリレートの含有量の上限としては、90質量%が好ましく、85質量%がより好ましく、80質量%がさらに好ましい。ハードコート層24を形成するウレタンアクリレートの含有量が上記下限未満であると、柔軟性が低下し、割れを発生するおそれが高くなる。逆に、ハードコート層24を形成するウレタンアクリレートの含有量が上記上限を超えると、耐摩耗性及び塗膜硬度が低下するおそれがある。これに対し、ハードコート層24を形成するウレタンアクリレートの含有量が上記範囲内であると、耐摩耗性及び塗膜硬度を好適に保ちつつ、適度な柔軟性を保持し、割れの発生を抑制することができる。
【0086】
上記(メタ)アクリレートとしては、特に限定されるものではなく、モノマー又はオリゴマーのいずれであってもよい。かかる(メタ)アクリレートの官能基数としては、特に限定されるものではなく、単官能であっても多官能であってもよい。なお、ハードコート層24は、3官能以上の(メタ)アクリレートを使用することにより耐久性を向上することができる。また、かかる(メタ)アクリレートは、極性基を有する分子構造でもよいし低極性の分子構造でもよい。(メタ)アクリレートは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0087】
(メタ)アクリレートの極性基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基等を挙げることができる。
【0088】
水酸基を含有する(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシル基含有エステル等が挙げられる。
【0089】
カルボキシル基を含有する(メタ)アクリレートとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸の他、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。
【0090】
アミノ基を含有する(メタ)アクリレートとしては、例えば(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノエステル等が挙げられる。
【0091】
アミド基を含有する(メタ)アクリレートとしては、例えば(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのアクリルアミド類等が挙げられる。
【0092】
また、低極性の分子構造の(メタ)アクリレートとしては、例えば(メタ)アクリル酸脂環式エステル又は(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
【0093】
かかる(メタ)アクリル酸脂環式エステルとしては、例えばシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0094】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えばラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールアクリレートが挙げられる。
【0095】
ハードコート層24を形成する(メタ)アクリレートの含有量の下限としては、5質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、15質量%がさらに好ましい。また、ハードコート層24を形成する(メタ)アクリレートの含有量の上限としては、85質量%が好ましく、80質量%がより好ましく、75質量%がさらに好ましい。ハードコート層24を形成する(メタ)アクリレートの含有量が上記下限未満であると、耐摩耗性及び塗膜硬度が低下するおそれがある。逆に、ハードコート層24を形成する(メタ)アクリレートの含有量が上記上限を超えると、成型時に割れが発生するおそれが高くなる。これに対し、ハードコート層24を形成する(メタ)アクリレートの含有量が上記範囲内であると、耐摩耗性及び塗膜硬度を好適に保ちつつ、適度な柔軟性を保持し、割れの発生を抑制することができる。
【0096】
上記重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)チタニウム、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。なお、これらの化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。
【0097】
ハードコート層24の他方の面の鉛筆硬度の下限としては、2Hが好ましく、3Hがより好ましい。ハードコート層24の他方の面の鉛筆硬度が上記下限未満の場合、パチンコ台のフロントガラス裏面側の破損及び傷付きを的確に防止できないおそれがある。
【0098】
ハードコート層24の平均厚みの下限としては、1μmが好ましく、3μmがより好ましく、5μmがさらに好ましい。また、ハードコート層24の平均厚みの上限としては、50μmが好ましく、40μmがより好ましく、30μmがさらに好ましい。
【0099】
<製造方法>
当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム21の製造方法としては、基材層22を構成するシート体を形成する工程(STEP21)と、基材層22を構成するシート体の一方の面に粘着層3を積層する工程(STEP22)と、基材層22を構成するシート体の他方の面にハードコート層24を積層する工程(STEP23)とを有する。
【0100】
基材層22を構成するシート体を形成する工程(STEP21)としては、例えば溶融状態の熱可塑性樹脂をTダイから押出成形し、続いてその押出成形体を層長手方向及び層幅方向に延伸してシート体を形成する方法が挙げられる。Tダイを用いた周知の押出成形法としては、例えば、ポリッシングロール法やチルロール法が挙げられる。また、シート体の延伸方法としては、例えば、チューブラーフィルム二軸延伸法やフラットフィルム二軸延伸法等が挙げられる。
【0101】
基材層22を構成するシート体の一方の面に粘着層3を積層する工程(STEP22)としては、基材層22を構成するシート体の一方の面にブルーライトカット材を混合した粘着剤溶液を塗布して乾燥させる方法や、ブルーライトカット材を混合した粘着剤溶液を予めセパレータの片面に塗布して乾燥させておいたうえ、基材層22を構成するシート体と貼り合わせる方法等が挙げられる。
【0102】
基材層22を構成するシート体の他方の面にハードコート層24を積層する工程(STEP23)としては、例えば基材層22を構成するシート体の他方の面に活性エネルギー線硬化樹脂を塗布し、乾燥させ、活性エネルギー線照射させる方法が挙げられる。活性エネルギー線硬化樹脂の塗布方法としては、基材層22を構成するシート体の他方の面に活性エネルギー線硬化樹脂を均一に塗布することができる方法であれば特に限定されず、例えばスピンコート法、スプレー法、スライドコート法、ディップ法、バーコート法、ロールコーター法、スクリーン印刷法等、種々の方法が挙げられる。また、ハードコート層24の製造に当たっては、必要に応じて、前処理として、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下におけるプラズマ処理等の表面改質処理を行ってもよい。
【0103】
<利点>
当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム21は、基材層22の他方の面側に積層されるハードコート層24を備えているので、フロントガラス裏面側の破損及び傷付きを好適に防止することができる。
【0104】
当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム21は、上記青色光減衰手段として、粘着層23に上記黄色蛍光体又は上記光吸収剤を含むブルーライトカット材を含有するので、このブルーライトカット材に入射した青色光を減衰させるとともに、表面側又は裏面側からの入射光を適度に拡散させることで優れた防眩性を発揮することができる。また、粘着層23のような比較的厚みの小さい層にブルーライトカット材を含ませることで、単位面積あたりのブルーライトカット材の含有量の調整が容易となり、青色光を全面に亘って略均一に減衰させるとともに、このブルーライトカット材に入射した光線を好適に拡散させることができる。
【0105】
[第四実施形態]
<パチンコ台フロントガラス保護フィルム>
図4のパチンコ台フロントガラス保護フィルム31は、基材層22と、基材層22の一方の面に積層される粘着層32と、基材層22の他方の面に積層されるハードコート層33とを備える。パチンコ台フロントガラス保護フィルム31は、ハードコート層33が最裏面を形成し、粘着層32が最表面を形成する。パチンコ台フロントガラス保護フィルム31は、基材層22と、粘着層32と、ハードコート層33との3層構造体として形成されている。基材層22は、
図3のパチンコ台フロントガラス保護フィルム21と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。また、パチンコ台フロントガラス保護フィルム11の全光線透過率、波長380nmにおける光線透過率、波長400nmにおける光線透過率及び波長490nmにおける光線透過率並びにヘイズ値については、
図1のパチンコ台フロントガラス保護フィルム1と同様である。
【0106】
(粘着層)
粘着層32は、基材層22をパチンコ台のフロントガラス裏面に貼着する。粘着層32は、タック力を有し、貼着後も張り替え容易に構成されている。粘着層32の形成材料としては、
図1のパチンコ台フロントガラス保護フィルム1の粘着層3の形成材料と同様である。また、粘着層32の平均厚みとしては、
図1のパチンコ台フロントガラス保護フィルム1の粘着層3の平均厚みと同様である。さらに、粘着層32の粘着力としては、
図1のパチンコ台フロントガラス保護フィルム1の粘着層3の粘着力と同様である。
【0107】
(ハードコート層)
ハードコート層33は、青色光減衰手段としてブルーライトカット材を含んでいる。ハードコート層33を形成する材料としては、
図3のパチンコ台フロントガラス保護フィルム21のハードコート層24の形成材料と同様である。上記ブルーライトカット材としては、
図1のパチンコ台フロントガラス保護フィルム1の基材層2に含有されるブルーライトカット材及び
図2のパチンコ台フロントガラス保護フィルム11の基材層12に含有されるブルーライトカット材が挙げられる。ハードコート層24裏面の鉛筆硬度としては、
図3のパチンコ台フロントガラス保護フィルム21のハードコート層24裏面の鉛筆硬度と同様である。
【0108】
ハードコート層33の平均厚みとしては、
図3のパチンコ台フロントガラス保護フィルム21のハードコート層24の平均厚みと同様である。ハードコート層24の平均厚みが上記範囲内である場合、単位面積あたりのブルーライトカット材の含有量の調整が容易となり、青色光を全面に亘って略均一に減衰させるとともに、このブルーライトカット材に入射した光線を好適に拡散させることができる。
【0109】
ハードコート層24中に黄色蛍光体が含有される場合、ハードコート層24中の黄色蛍光体の含有量としては、
図1のパチンコ台フロントガラス保護フィルム1の基材層2に含まれる黄色蛍光体の含有量と同様である。また、ハードコート層24中に青色光吸収剤が含有される場合、ハードコート層24中の青色光吸収剤の含有量としては、
図2のパチンコ台フロントガラス保護フィルム11の基材層12に含まれる青色光吸収剤の含有量と同様である。
【0110】
ハードコート層24におけるブルーライトカット材の単位面積あたりの含有量(固形分換算)としては、
図1のパチンコ台フロントガラス保護フィルム1の基材層2におけるブルーライトカット材の単位面積あたりの含有量(固形分換算)と同様である。
【0111】
<製造方法>
当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム31の製造方法としては、基材層22を構成するシート体を形成する工程(STEP31)と、基材層22を構成するシート体の一方の面に粘着層32を積層する工程(STEP32)と、基材層22を構成するシート体の他方の面にハードコート層33を積層する工程(STEP33)とを有する。
【0112】
基材層22を構成するシート体を形成する工程(STEP31)は、STEP21と同様の手順で行われる。基材層22を構成するシート体の一方の面に粘着層32を積層する工程(STEP32)は、STEP2と同様の手順で行われる。
【0113】
基材層22を構成するシート体の他方の面にハードコート層33を積層する工程(STEP33)としては、例えば基材層22の他方の面にブルーライトカット材が混合された活性エネルギー線硬化樹脂を塗布し、乾燥させ、活性エネルギー線照射させる方法が挙げられる。活性エネルギー線硬化樹脂の塗布方法としては、STEP23と同様である。
【0114】
<利点>
当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム31は、上記青色光減衰手段として、ハードコート層33に上記黄色蛍光体又は上記光吸収剤を含むブルーライトカット材を含有するので、このブルーライトカット材に入射した青色光を減衰させるとともに、表面側又は裏面側からの入射光を適度に拡散させることで優れた防眩性を発揮することができる。また、ハードコート層33のような比較的厚みの小さい層にブルーライトカット材を含ませることで、単位面積あたりのブルーライトカット材の含有量の調整が容易となり、青色光を全面に亘って略均一に減衰させるとともに、このブルーライトカット材に入射した光線を好適に拡散させることができる。
【0115】
[第五実施形態]
<パチンコ台>
図5のパチンコ台41は、透明な合成樹脂製の透明基板42と、透明基板42の表面側に取り付けられる遊技盤43と、遊技盤43の表面側に配設されるフロントガラス44と、透明基板42の裏面側に配設される複数のLEDからなる光源45とを備える。また、パチンコ台41は、フロントガラス44の裏面側に当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1が粘着層3によって貼着されている。パチンコ台41において、フロントガラス44は、枠体の開口に取り付けられており、この枠体はケーシングに対して開閉自在に構成されている。また、遊技盤43は、中央領域に液晶表示部を有し、この液晶表示部の周縁に図柄表示部を有する。この液晶表示部は、光源45からの光線を受けてユーザのプレイ状況に応じた変動画像を表示する。また、この図柄表示部は、複数のLEDが配設されて所定の画像パターンを表示する。
【0116】
<利点>
当該パチンコ台41は、当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1が青色光減衰手段を有するので、青色光の出射を抑制することができる。また、当該パチンコ台41は、当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1の粘着層3をフロントガラス44に容易に貼着することができるとともに、仮に当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1に傷等が生じた場合であっても、別の当該パチンコ台フロントガラス保護フィルム1に容易に取替えることでフロントガラス44の裏面側の傷付きを好適に防止することができる。さらに、当該パチンコ台41は、フロントガラス44が破損した場合でも、ガラスの破片が飛散するのを抑制することができる。
【0117】
[その他の実施形態]
なお、本発明のパチンコ台フロントガラス保護フィルム及びパチンコ台は、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。例えば、当該パチンコ台フロントガラス保護フィルムは、必ずしも基材層と粘着層との2層構造体又は基材層と粘着層とハードコート層との3層構造体として形成されていなくてもよく、基材層と粘着層との間、又は基材層とハードコート層との間に他の層を有していてもよい。当該パチンコ台フロントガラス保護フィルムは、青色光減衰手段として、必ずしもブルーライトカット材が用いられなくてもよい。当該パチンコ台フロントガラス保護フィルムは、青色光減衰手段として、青色光によって励起されて黄色光を発する黄色蛍光体又は青色光を吸収する光吸収剤が含まれることによって、青色光の出射を好適に抑制することができる。当該パチンコ台は、
図2乃至
図4のパチンコ台フロントガラス保護フィルムを備えるものであってもよい。
【0118】
当該パチンコ台フロントガラス保護フィルムは、ロール状に巻回されたロール体として形成されてもよく、また粘着層の表面に剥離紙が積層された状態で保持されてもよい。
【0119】
当該パチンコ台フロントガラス保護フィルムは、上記ハードコート層に代えて基材層の裏面側に自己修復性コート層が配設されてもよい。以下に自己修復性コート層について説明する。
【0120】
自己修復性コート層は、ポリウレタン系樹脂を主成分として形成されている。自己修復性コート層に用いるポリウレタン系樹脂としては、熱硬化性ポリウレタン樹脂又は熱可塑性ポリウレタン樹脂が挙げられる。自己修復コート層は、上記熱硬化性ポリウレタン樹脂及び熱可塑性ポリウレタン樹脂を、単独で、又は混合して用いることができる。
【0121】
上記熱硬化性ポリウレタン樹脂は、ポリオール類とポリイソシアネートからなる主原料のうち、原料の少なくとも一部に官能基数が3以上である化合物を使用することによって得られるポリウレタン樹脂である。一方、上記熱可塑性ポリウレタン樹脂は、官能基数が2である化合物のみを用いて得られるポリウレタン樹脂である。なかでも自己修復性コート層の形成材料としては、耐薬品性、耐汚染性、耐久性の観点から熱硬化性ポリウレタン樹脂が好ましい。
【0122】
ポリウレタン系樹脂の原料に用いるポリオール類としては、例えば、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等が挙げられる。これらの中でも耐久性、コスト、強度、自己修復性のバランスが優れるポリエステル系のポリオールが好ましく、環状エステル(特にカプロラクトン)を開環して得られるポリエステル系ポリオールが特に好ましい。また、ポリオールの官能基数は、平均として1より大きいことを要するが、強度、伸張性、自己修復性のバランスの観点から、2〜3であることが好ましい。また上記ポリオール類はトリオール単体、2種以上のトリオール混合物、又はトリオールとジオールの混合物が好ましい。また上記ポリオール類は、鎖延長剤を含んでいてもよい。この鎖延長剤としては、短鎖ポリオール、短鎖ポリアミン等を挙げることができる。これらの中でも、透明性、柔軟性、反応性の観点から短鎖ポリオールが好ましく、短鎖ジオールが特に好ましい。上記ポリオール類の水酸基価は特に限定されないが、原料ポリオール中の平均水酸基価としては100〜600が好ましく、200〜500がより好ましい。なお、上記平均水酸基価は鎖延長剤を含めて計算した平均水酸基価である。
【0123】
ポリウレタン系樹脂の原料に用いるポリイソシアネートとしては、耐黄変性を有する無黄変性ポリイソシアネートが好ましい。無黄変性ポリイソシアネートは、芳香核に直接結合したイソシアネート基を有しないポリイソシアネートであり、具体的には例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
【0124】
上記ポリウレタン系樹脂の原料は、単独で使用してもよいし、複数を混合して使用してもよい。また、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等の安定剤、ウレタン化触媒、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、界面活性剤、シランカップリング剤等の添加剤を添加してもよい。
【0125】
自己修復性コート層の平均厚みとしては、上記ハードコート層の平均厚みと同様とすることができる。
【0126】
自己修復性コート層は、自己修復コート層の形成材料を基材層を構成するシート体の他方の面に塗布し、乾燥、硬化させることで形成することができる。
【0127】
自己修復性コート層の形成材料を基材層を構成するシート体の他方の面に塗布する方法としては、グラビアコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法等の公知の方法が挙げられる。
【0128】
当該パチンコ台フロントガラス保護フィルムは、上記自己修復コート層を有することによって、裏面側から衝撃が加わった場合に自己修復性コート層に応力が働き、軟質樹脂の流動によって高い自己修復性が発揮され、耐擦傷性等を向上することができる。