(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6353652
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】打ち抜き切断装置
(51)【国際特許分類】
B26D 7/18 20060101AFI20180625BHJP
B26F 1/00 20060101ALI20180625BHJP
B26F 1/40 20060101ALI20180625BHJP
B26F 1/44 20060101ALI20180625BHJP
B26D 7/02 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
B26D7/18 C
B26F1/00 H
B26F1/40 B
B26F1/44 H
B26D7/02 A
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-264102(P2013-264102)
(22)【出願日】2013年12月20日
(65)【公開番号】特開2015-120209(P2015-120209A)
(43)【公開日】2015年7月2日
【審査請求日】2016年11月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】391035430
【氏名又は名称】東洋製罐グループエンジニアリング株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003768
【氏名又は名称】東洋製罐グループホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】特許業務法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊地 朝帆
(72)【発明者】
【氏名】畑沢 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】藤田 萩乃
【審査官】
貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭55−130345(JP,A)
【文献】
実開昭62−188399(JP,U)
【文献】
特開平3−142200(JP,A)
【文献】
特開昭64−58497(JP,A)
【文献】
特開2007−168058(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/18
B26D 7/02
B26F 1/00
B26F 1/40
B26F 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被切断材を所定形状の成形品に打ち抜き切断するための打ち抜き切断装置であって、
切断刃が取り付けられた切断型と、前記切断刃を受ける受け台と、前記受け台を昇降する昇降機構とを備え、
前記受け台が、ガイドレールに案内されて前記成形品を前記受け台上に保持しながら搬送する搬送機構を有するとともに、
前記被切断材を打ち抜き切断する際に、前記受け台が前記ガイドレールから浮き上がった状態となるように、前記昇降機構により上昇させた前記受け台の下方に移動して前記受け台を支持する荷重受けブロックを有することを特徴とする打ち抜き切断装置。
【請求項2】
前記受け台が、前記受け台の上面に穿設された吸引孔から吸引して、前記受け台上に供給された前記被切断材を固定し、前記被切断材から打ち抜かれた成形品を前記受け台上に保持する吸引機構を有する請求項1に記載の打ち抜き切断装置。
【請求項3】
前記搬送機構が、スライダ型電動シリンダを駆動手段として備え、
前記スライダ型電動シリンダのスライダに台座を固定するとともに、前記台座に垂直に立設されたガイドピンを前記受け台に穿設された挿通孔に挿通することにより、前記受け台が、前記台座を介して前記スライダ型電動シリンダに取り付けられている請求項1又は2に記載の打ち抜き切断装置。
【請求項4】
前記台座には前記昇降機構の動作を妨げない逃げ部が設けられている請求項3記載の打ち抜き切断装置。
【請求項5】
前記切断刃がトムソン刃である請求項1乃至4に記載の打ち抜き切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂シート、フィルム、紙、段ボールなどの被切断材を、所定形状に打ち抜き切断するための打ち抜き切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂シート、フィルム、紙、段ボールなどの被切断材を所定形状に打ち抜き切断する手法として、トムソン刃による打ち抜き加工が知られている。
トムソン刃による打ち抜き加工にあっては、切断刃として、帯状のトムソン刃を折り曲げ加工して打ち抜き形状に形成し、これを切断型に固定する。そして、トムソン刃の刃先が被切断材の表面に平行になるように切断型を配置するとともに、被切断材を受け台上に載置し、この状態から切断型を下降させて、トムソン刃の刃先の全長を被切断材に対して押し付けて被切断材を打ち抜き切断する(例えば、特許文献1,2など参照)。
【0003】
このようなトムソン刃による打ち抜き加工において、被切断材から打ち抜き切断された部分を取り出すには、例えば、特許文献1に開示された装置では、被切断材であるフィルム基材を下敷きシートとともに搬送して打ち抜き加工を行い、フィルム基材から打ち抜き切断された成形品を下敷きシートに載置された状態で搬出している。また、特許文献2に開示された装置では、被切断材から打ち抜き切断する部分を完全に打ち抜かずに、微小接続部でつながった状態で搬送しながら当該部分を引きちぎって排出している。
【0004】
また、このようなトムソン刃による打ち抜き加工において、上下動する上昇降台と下昇降台とを対設させ、下昇降台の上面に雄型、上昇降台の下面に吸着盤をそれぞれ取付け、吸着盤の下面の抜き刃取付板に上昇降台が降下したとき、上昇した雄型に成形品を押しつけて個々の成形品に打ち抜くトムソン刃14を取付け、また、上昇降台に吸着盤を成形品の進行方向に直交して移動させる移動手段、吸着盤には打ち抜いた成形品を吸引して吸着し、圧空を送って放出する通気路を設けたトムソン刃を用いた連続打ち抜き機が開示されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−207936号公報
【特許文献2】特開2004−160780号公報
【特許文献3】特開2002−113696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1,2にあっては、被切断材上に形成された成形品をトリミングして製品とする打ち抜き加工を行っているため、打ち抜き加工後に追加工を行う次工程(装置)に搬送することは考慮されていない。一方、特許文献3にあっても、トムソン刃等の打ち抜き荷重による次工程に成形品を搬送する搬送手段へのダメージ、打ち抜き切断された成形品を所定位置のテーブルに移動、停止した後の追加工を行う次工程(装置)への搬送時の成形品の捲れ、位置ずれ、或いは追加工を行う次工程への搬送、位置決め等に対しては全く考慮されていない。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、トムソン刃等の打ち抜き荷重による次工程に成形品を搬送する搬送手段へのダメージを低減し、被切断材から打ち抜き切断された成形品を、捲れ、位置ずれを生じること無く、次工程で精度良く位置決めされるように搬送する搬送機構を備えた打ち抜き切断装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る打ち抜き切断装置は、被切断材を所定形状の成形品に打ち抜き切断するための打ち抜き切断装置であって、切断刃が取り付けられた切断型と、前記切断刃を受ける受け台と
、前記受け台を昇降する昇降機構とを備え、前記受け台が、ガイドレールに案内されて前記成形品を前記受け台上に保持しながら搬送する搬送機構を有するとともに、前記被切断材を打ち抜き切断する際に、前記受け台が前記ガイドレールから浮き上がった状態となるように、
前記昇降機構により上昇させた前記受け台の下方に移動して前記受け台を支持する荷重受けブロックを有する構成としてある。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、トムソン刃等の打ち抜き荷重による次工程に成形品を搬送する搬送手段へのダメージが低減され、被切断材から打ち抜き切断された成形品を、捲れ、位置ずれを生じることなく次工程で精度良く位置決めされるように搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る打ち抜き切断装置の概略を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る打ち抜き切断装置が備える受け台の概略を示す平面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る打ち抜き切断装置によって被切断材を打ち抜き切断する工程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0012】
本実施形態に係る打ち抜き切断装置1は、例えば長尺フィルムからなる被切断材Sを所定形状に打ち抜き切断するためのものであり、切断刃としてのトムソン刃21が取り付けられた切断型2と、トムソン刃21を受ける受け台3とを備えている(
図5(a)参照)。トムソン刃21は、帯状の刃を折り曲げ加工して所定の打ち抜き形状に形成したものであり、切断型2の受け台3との対向面に取り付けられている。
【0013】
また、打ち抜き切断装置1には、
図1(b)に示すように、フィードローラ60とニップローラ61とからなる送り機構6が、切断型2、受け台3を間に挟んで被切断材Sの供給方向の上流側と下流側にそれぞれ設けられている。被切断材Sを打ち抜き切断するにあたり、被切断材Sは、このような送り機構6によって、弛みの無い緊張状態で受け台3上に間欠的に供給される。
【0014】
切断型2は、油圧シリンダなどの駆動機構20によって昇降可能とされ、切断型2に取り付けられたトムソン刃21の刃先が、被切断材Sの表面に平行になるように、受け台3の上方に配置されている。これにより、切断型2を下降させて、受け台3上でトムソン刃21の刃先の全長を被切断材Sに対して押し付けることによって、被切断材Sから所定の打ち抜き形状の成形品S
0(
図5f参照)が打ち抜かれる。
【0015】
また、受け台3の上面には吸引孔30が穿設されており、図示しないバキューム装置が、ホース7を介して当該吸引孔30に連通する通気口31に接続されている(
図2及び
図3参照)。これにより、受け台3には、受け台3の上面に穿設された吸引孔30から吸引して、受け台3上に供給された被切断材Sを固定し、その状態でトムソン刃21を押し付けて被切断材Sを打ち抜き切断した後に、打ち抜かれた成形品S
0を、捲れ、或いは位置ずれを生じること無く、そのままの状態で受け台3上に保持する吸引機構が設けられる。
【0016】
また、受け台3は、例えば高精度のリニアガイドからなるガイドレール8に案内されて移動して、受け台3上で打ち抜かれた成形品S
0を、打ち抜かれた状態のまま、受け台3上に保持しながら搬送する搬送機構を有している。そして、被切断材Sを打ち抜き切断する際には、切断型2の打ち抜き荷重を受ける受け台3の負荷が、ガイドレール8にダメージを与えることがないように、受け台3がガイドレール8から浮き上がった状態となるように、受け台3を荷重受けブロック5に支持させる。このため、受け台3の下方には、エアシリンダなどを備えた昇降機構4が設置されており、昇降機構4を上昇させて受け台3を持ち上げつつ、その下方に荷重受けブロック5を受け台3に摺接することなく移動させ、次いで、昇降機構4を下降させることによって、受け台3が荷重受けブロック5に着座し支持されるようにしてある。
【0017】
受け台3を次工程に移動するための駆動手段は特に限定されないが、図示する例では、スライダ型電動シリンダ(例えば、ロボシリンダ(登録商標)9を駆動手段として備え、このスライダ型電動シリンダ9のスライダに固定された台座91を介して受け台3を取り付けてある。台座91には、受け台3を昇降させる昇降機構4の動作を妨げないように逃げ部92が設けられているとともに、受け台3の四隅に穿設された挿通孔32に挿通されるガイドピン93が垂直に立設されている。台座91に立設されたガイドピン93を受け台3に穿設された挿通孔32に挿通することにより、受け台3が台座91を介してスライダ型電動シリンダ9に取り付けられ、これによって、受け台3を昇降させる際の水平方向の位置ズレを抑止しつつ、スライダ型電動シリンダ9による受け台3の移動を可能にしている。
【0018】
次に、このような打ち抜き切断装置1によって、被切断材Sを所定形状に打ち抜き切断する工程について説明する。
なお、
図5は、打ち抜き切断工程を示す説明図であり、作図上、
図5(a)、(f)のみ符号を示す。
【0019】
受け台3がガイドレール8に案内されて搬送先から戻ってくると、被切断材Sを受け台3上に間欠的に供給する(
図5(a)参照)。そして、昇降機構4により受け台3を上昇させ(
図5(b)参照)、荷重受けブロック5を受け台3の下方に移動する(
図5(c)参照)。次いで、昇降機構4を下降させて受け台3を荷重受けブロック5に支持させて、受け台3をガイドレール8から浮き上がった状態とする(
図5(d)参照)。
このとき、受け台3の四隅に穿設された挿通孔32には、駆動手段としてのスライダ型電動シリンダ9のスライダに固定された台座91に垂直に立設されたガイドピン93が挿通されており、受け台3を昇降させる際の水平方向の位置ズレが抑止できるようにしてある。
【0020】
このような工程において、昇降機構4により受け台3が上昇したときに、受け台3の上面に穿設された吸引孔30から吸引して被切断材Sを受け台3の上面に固定し、その状態で切断型2を下降させて、受け台3上でトムソン刃21を被切断材Sに押し付ける(
図5(e)参照)。これにより、被切断材Sが打ち抜き切断され、被切断材Sから所定の打ち抜き形状の成形品S
0が打ち抜かれ、成形品S
0は、そのままの状態で受け台3上に保持される。
【0021】
その後、切断型2を上昇させて(
図5(f))、これとともに昇降機構4により受け台3を上昇させてから(
図5(g)参照)、荷重受けブロック5を移動して受け台3の下方から退避させる(
図5(h)参照)。
【0022】
荷重受けブロック5が退避した後、昇降機構4を下降させることによって、受け台3をスライダ型電動シリンダ9のスライダに固定された台座91に支持させる(
図5(i)参照)。そして、スライダ型電動シリンダ9を駆動して、受け台3をガイドレール8に案内させて搬送先へと移動させる。
【0023】
このとき、受け台3の上面に吸引して保持された成形品S
0は、薄く柔軟なフィルムであっても、被切断材Sから打ち抜かれた状態のまま捲れ、位置ずれを生じること無く所定の方向に搬送される。このため、当該成形品S
0を、次工程で精度良く位置決めされるように搬送することができる。
【0024】
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、合成樹脂シート、フィルム、紙、段ボールなどの被切断材を、所定形状に打ち抜き切断するための打ち抜き切断装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0026】
1 打ち抜き切断装置
2 切断型
21 切断刃
3 受け台
30 吸引孔
32 挿通孔
4 昇降機構
5 荷重受けブロック
8 ガイドレール
9 スライダ型電動シリンダ
91 台座
92 逃げ部
93 ガイドピン
S 被切断材
S0 成形品