(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記保持部は、前記被保持部が前記保持部に対して移動して装着される位置にプッシュラッチを備え、前記プッシュラッチは、棒状の前記被保持部の先端部分を挟持することを特徴とする請求項7に記載のレンジフード。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の従来技術では、正面側や側面側で金具等の部品が内面パネルから突出するので、内面パネルの清掃の際に邪魔になり清掃性を損ない、また、空気の吸込みにも悪影響があると考えられていた。
【0006】
そこで、本発明は、内面パネルの表側において突出部等の油脂分が付着する部分を無くすことで清掃性が向上し、整流板を容易に着脱できる一方で清掃時などに多少力が加えられても整流板の脱落を防止することができるレンジフードを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、フードの内面に設けられる内面パネルと、その内面パネルの前面に取り付けられる整流板と、その整流板を着脱自在に保持する保持部と、を備えるレンジフードであって、整流板は、保持部に保持される被保持部を含み、その被保持部が、保持部に対してこのレンジフードのほぼ正面/背面方向またはほぼ左側面/右側面方向に移動し、整流板が着脱され
、保持部は、被保持部を下方から支持する第1支持部と、被保持部を上方から支持する第2支持部とを備え、整流板の重心の一方側のみで被保持部を保持するレンジフードが提供される。
これによれば、
整流板を片持ちすることで整流板を容易に着脱できると共に、保持部がある程度の長さに亘って被保持部を保持するので、安定した保持が可能となる。
【0008】
上記課題を解決するために、フードの内面に設けられる内面パネルと、その内面パネルの前面に取り付けられる整流板と、その整流板を着脱自在に保持する保持部と、を備えるレンジフードであって、整流板は、保持部に保持される被保持部を含み、その被保持部が、保持部に対してこのレンジフードのほぼ正面/背面方向またはほぼ左側面/右側面方向に移動し、整流板が着脱され、保持部は、内面パネルの裏側に設けられ、整流板の重心の一方側のみで被保持部を保持し、被保持部は、保持部に対応する位置に設けられた内面パネルの孔を通して保持されるレンジフードが提供される。
これによれば、整流板を片持ちすることで整流板を容易に着脱できる
と共に、保持部がある程度の長さに亘って被保持部を保持するので、安定した保持が可能となる。また、保持部は内面パネルの裏側にあり、孔は被保持部により塞がれ、保持部が油脂分に触れることはないので、汚れることはないため保持部の清掃は不要となる。また、内面パネルには孔があるだけなので、清掃性に優れる。
【0010】
さらに、孔は、保持部の一部を構成し、被保持部を支持することを特徴としてもよい。
これによれば、内面パネルには孔があるだけなので清掃性に優れると共に、保持部の構造を簡略化できる。
【0011】
さらに、保持部は、内面パネルの頂部以外に位置する水平ではない非水平部に存することを特徴としてもよい。
これによれば、略水平方向に移動する被保持部が容易に着脱できる保持部を提供することができる。
【0012】
さらに、非水平部は、レンジフードの正面側から背面側へ下方に向けて設けられることを特徴としてもよい。
これによれば、面積の大きい非水平部を設けることにより、容易に着脱できる保持部を設ける位置の自由度が増大する。また、例えば、レンジフードの正面側および側面側において内面パネルに吊下げ金具がなく、かつ整流板に係止金具がないので、油脂分が付着する部分が少なく、清掃性が向上する。また、内面パネルと整流板との間において例えば正面側および側面側に吊下げ金具等が無いので、空気の吸込みに悪影響を与えない。
【0013】
さらに、上面が水平なフードを備えるレンジフードにおいて、非水平部は内面パネルの側面であることを特徴としてもよい。
これによれば、内面パネルの水平な部分に吊下げ金具がないので、例えば、レンジフードの正面側および側面側において内面パネルに吊下げ金具がなく、かつ整流板に係止金具がないので、油脂分が付着する部分が少なく、清掃性が向上する。また、内面パネルと整流板との間において例えば正面側および側面側に吊下げ金具等が無いので、空気の吸込みに悪影響を与えない。また、内面パネル裏面に金具を取り付けるための空間を設ける必要がなく、フードと内面パネルの距離を縮めることができ、フードのさらなる薄型化が可能となる。
【0014】
さらに、被保持部は、棒状であることを特徴としてもよい。
これによれば、保持部および被保持部が存する側においても、整流板と内面パネルの間に空気を吸込む隙間を十分に確保できる。
【0015】
さらに、保持部は、被保持部が保持部に対して移動して装着される位置にプッシュラッチを備え、そのプッシュラッチは、棒状の被保持部の先端部分を挟持することを特徴としてもよい。
これによれば、仮に整流板に振動が生じても、容易に抜け落ちることを防止することができると共に、使用者が容易に整流板を着脱できる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、内面パネルの表側における突出部等の油脂分が付着する部分を無くすことで清掃性が向上し、整流板を容易に着脱できる一方で清掃時などに多少力が加えられても整流板の脱落を防止することができるレンジフードを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、図面を参照しながら、本発明に係る各実施例について説明する。
<第一実施例>
図1乃至
図3を参照して、本実施例におけるレンジフード1を説明する。レンジフード1は、ファン4を内蔵する送風ボックス3の下部に、内面に内面パネル10を有する薄型のフード2を備える。フード2は、送風ボックス3の接続部付近であって、フード2のほぼ中央部に、ファン4により発生した空気の流れを吸い込む吸込口を備える。吸込口と対応する位置に、内面パネル10は開口部11を有し、そこには油分を捕集するためのフィルタ(図示せず)が備えられる。
【0019】
レンジフード1は、開口部11の空気の流れの上流側となる前面に整流板20を備え、油煙等を含む空気の流れを整流し、油分の捕集効率を高める。上昇してきた油煙等を含む空気は、整流板20と内面パネル10で受け止められ、内面パネル10と整流板20との間の隙間を通って、開口部11に吸込まれると共にフィルタで油分が回収され、室外などへ排出される。
【0020】
レンジフード1のフード2の上面2Uは、送風ボックス3以外の部分において、レンジフード1が設置された場合にほぼ水平となり、フード2の上下方向の厚さは、正面側と、側面側の正面側寄りの部分において特に薄く、デザイン性に優れている。フード2の背面側の面と送風ボックス3の背面側の面は面一となっており、レンジフード1の背面側の面は、キッチン等の壁面に接するように設置される。もちろん、本発明に係るレンジフードは、送風ボックス3は側面側の面で面一となっていて側面側の面で壁面に接するように設置されるものでもよいし、送風ボックス3はフード2の中央部に位置して、壁面に接することなく天井に設置されるものであってもよい。
【0021】
レンジフード1の内面パネル10は、開口部11の周りにおいて、設置された時にはほぼ水平となるようにフード2の上面2Uとほぼ平行に設けられる水平部12を備える。フード2の上面2Uを形成する部材と水平部12を形成する部材との距離は非常に小さいため、デザイン性に優れる薄型フードを有するレンジフードに貢献する。内面パネル10は、水平部12の周囲に、わずかにフード外側に広がるように下方へ延在する非水平部13を備える。従って、水平部12は内面パネル10の上面を、非水平部13は内面パネル10の側面を形成する。
【0022】
非水平部13は、正面側、左右側面側、および背面側の、内面パネル10の4つの側面をなすが、本実施例においては、背面側の非水平部13が2つの孔14を有する。もちろんこれに限定されず、孔は、正面側の側面や左右側面側の側面にあってもよい。また、孔は1つであっても、2以上の複数であってもよい。内面パネル10の側面が矩形である場合、孔は複数の場合、すべての孔が1つの側面(非水平部13)のみに設けられる。内面パネル10のすべての側面(非水平部13)は、整流板20の周縁と隙間を構成して、その隙間から油煙等を含む空気が吸引される。
【0023】
孔14付近の内面パネル10の裏側に、即ち、内面パネル10とフード2の上面2Uなどによって形成される空間に、整流板20を着脱自在に保持する保持部30が設けられる。保持部30は、後述する孔14から挿入される整流板20の被保持部22を保持するため、孔14に対応する位置に設けられる。保持部30は、本実施例では、内面パネル10の背面側側面の裏側に設けられるが、孔14が背面側側面に設けられるためであり、孔と同様、孔に対応する位置に設けられる限り、どの側面の裏側に備えられてもよい。
【0024】
レンジフード1の整流板20は、
図4に示すように、整流板20の概観を形成し内面パネル10やフィルタからの油分の滴下を受けて油溜まりとなる板部21と、板部21の周囲に内面パネル10側へ立ち上がり、整流板20からの油分滴下を防止する立ち上り部23と、保持部30に保持される被保持部22から構成される。板部21は、整流板20がレンジフード1に取り付けられた時には、水平部12とほぼ平行であり、水平となる。被保持部22は、棒状をなし、その棒状の一端側のほぼ半分程度が板部21や立ち上り部23に取り付けられて固定され、他端側が、レンジフード1に取り付けられた場合に整流板20の背面側となる一辺から突出する。なお、本実施例では、2つの被保持部22を備えるが、2つの孔14に対応したものであり、孔の数次第でいくつであってもよい。
【0025】
被保持部22の突出した他端は、内面パネル10の孔14に対応して設けられ、孔14に挿入できるように形成されている。被保持部22の突出した他端側の少なくとも孔14に挿入される部分は、孔14の大きさや形状に適合すると共に、整流板20がレンジフード1に取り付けられた時には、板部21と同様、水平となる。本実施例では、孔14は丸孔であり、被保持部22はその丸孔の径より小さい丸棒で形成されている。また、2つの被保持部22の突出した他端側の少なくとも孔14に挿入される部分は互いに平行であり、その間隔は、2つの孔14の間隔と等しい。その結果、被保持部22の孔14に挿入される部分は、孔14に円滑に挿入することができ、整流板20の着脱が容易になる。
【0026】
本実施例では、被保持部22が棒状で、孔14も棒状の被保持部22を挿入できる程度の孔として形成されているが、これに限定されることはなく、例えば、被保持部が面状をなし、孔がその面状の被保持部に対応したスリット状の孔であってもよい。しかし、被保持部の他端側は、整流板20の周縁と内面パネル10の側面に跨るものとなるので、本実施例のように被保持部22が棒状であることが好ましい。これによれば、保持部30および被保持部22が存する側(本実施例では背面側)の、整流板20と内面パネル10の間の隙間においても、整流板20と内面パネル10の間に空気を吸込む隙間を十分に確保できる。
【0027】
整流板20がレンジフード1に取り付けられる場合、被保持部22は、孔14にその先端部分221が差し込まれる。被保持部22は、その後、孔14の奥(内面パネル10の裏側)にある保持部30に対して背面方向に向かって奥の方まで移動し、整流板20の周縁が内面パネル10の側面のすべてと適度な隙間を形成する辺りで、整流板20が装着される。逆に、整流板20がレンジフード1から取り外される場合、被保持部22は、装着されていた位置から保持部30に対して正面方向に向かって移動し、被保持部22の先端部分221が孔14から抜け出ることで取り外される。
【0028】
本実施例では、孔14および保持部30が、内面パネル10の背面側の側面(非水平部13)にあるので、上述した方向で着脱されるが、例えば、孔および保持部が、正面側の側面(非水平部13)にある場合は、被保持部が保持部に対して正面方向に向かって移動することで装着され、背面方向に向かって移動することで取り外される。また、孔および保持部が、内面パネルの右側面側の側面にある場合、被保持部が保持部に対して右側面方向に向かって移動することで装着され、左側面に向かって移動することで取り外される。
【0029】
保持部30を詳述する。保持部30は、孔14の下縁の近傍に設けられた第1支持部301と、孔14から第1支持部301より離れた位置に設けられた第2支持部302とを備える。整流板20がレンジフード1に取り付けられた状態では、第1支持部301は、被保持部22を下方から支持し、第2支持部302は、被保持部22を上方から支持する。整流板20がレンジフード1に取り付けられる場合、被保持部22の先端部分221は、孔14に差し込まれた後、第1支持部301を通過し、さらに第2支持部302を通過したところで、装着される。
【0030】
なお、保持部30が棒状の被保持部22を周囲から保持する管状部品から構成され、第1支持部301と第2支持部302の間にも、これらの支持部が連続して存在してもよいことは言うまでもない。この場合、管状部品の最も孔に近い部分が被保持部22を下方から支持していれば、そこが第1支持部となり、管状部品の最も孔から遠い部分が被保持部22を上方から支持していれば、そこが第2支持部となる。
【0031】
このように、被保持部22を保持部30に対して移動させて装着することで、整流板20を容易に着脱できると共に、保持部30が有る程度の長さに亘って被保持部22を保持するので、安定した保持が可能となる。
【0032】
また、保持部30は、第2支持部302よりさらに孔14から離れて、被保持部22が保持部30に対して移動して装着される位置にプッシュラッチ31を備えてもよく、そのプッシュラッチ31は、棒状の被保持部22の先端部分221を挟持する。これによれば、仮に整流板20に振動が生じても、容易に抜け落ちることを防止することができると共に、使用者が容易に整流板20を着脱できる。
【0033】
また、本実施例では、第1支持部301が孔14の下縁の近傍に設けられたが、即ち、第1支持部301は孔14とは異なるものであるが、孔が、保持部の一部を構成し、被保持部を支持することとしてもよい。例えば、孔の下縁は、第1支持部として、被保持部22を下方から支持してもよい。これによれば、内面パネルには孔があるだけなので清掃性に優れると共に、保持部自体は第1支持部を有さないので保持部の構造を簡略化できる。
【0034】
上述したように、保持部30の全体または保持部30の一部は、内面パネル10の裏側に設けられ、被保持部22は、内面パネル10の孔14を通して保持される。これによれば、保持部30は、内面パネル10の裏側にあり、孔14が被保持部22により塞がれることでほぼ閉鎖空間内に配置されることとなり、保持部30が油脂分に触れることはないため、汚れることはない。その結果、保持部30の清掃は不要となる。また、内面パネル10には孔14があるだけなので、清掃性に優れる。
【0035】
通常、内面パネル10の表面や、内面パネル10と整流板20との間の隙間に存在する物は、油分が付着し易く汚れが溜まり易く、また、フード前方からの吸込量を背面側よりも比較的多くしているためにフード前方においては汚れがより多く付着する。しかし、本実施例では、孔14が位置する非水平部13は、内面パネルの背面側の側面である。そうすると、背面側以外の正面側や側面側には、整流板20や内面パネル10には整流板20を支持するような吊下げ金具のようなものは何も存在しない。従って、内面パネル10の水平部12にそのようなものがないので、レンジフード1の正面側および側面側において内面パネル10に吊下げ金具等がなく、かつ整流板20に係止金具等がないため、油脂分が付着する部分が存在せず、清掃性が向上する。また、内面パネル10と整流板20との間において正面側および側面側に吊下げ金具等が無いので、空気の吸込みに悪影響を与えない。また、内面パネル10の裏面10U(特に水平部12の裏面)に金具を取り付けるための空間を設ける必要がなく、フード2の上面2Uを形成する部材と内面パネル10(特に水平部12)の距離を縮めることができ、フード2のさらなる薄型化が可能となり、デザイン性に優れる薄型フードを有するレンジフードに貢献する。
【0036】
<第一実施例の変形例>
図5を参照し、本変形例におけるレンジフード1’を説明する。上記実施例にかかるレンジフード1の内面パネル10は、開口部11の周りにおいて、設置された時にはほぼ水平となるようにフード2の上面2Uとほぼ平行に設けられる水平部12を備える。本変形例にかかるレンジフード1’の内面パネル10’は、水平部は有さず、開口部11の周りにおいてもわずかであるが正面側から背面側に下方へ向けた非水平部13’を備える。これによれば、最も油分が付着し易い内面パネル10’の正面側付近に付着した油分が背面側へ流れて行き、その油分が開口部11の正面側縁端で整流板20に滴下することで、油分を整流板20で回収し易くなる。
【0037】
孔14と保持部30は、レンジフード1と同様、緩やかな傾斜の非水平部13’の周囲にわずかにフード外側に広がるように下方へ延在する非水平部13に設けられることが好ましい。非水平部13’に孔が設けられると、孔の形状が楕円状となり、孔の径が大きくなり、油脂分が内面パネル10の裏側に入り込むことがあるからである。
【0038】
図6を参照し、使用者が整流板20をレンジフード1’に装着する場合の手順について説明する。(A)は、整流板20がレンジフード1’に取り付けられる前の状態を示している。使用者は、整流板20を取り付けるため、板部21などを掴み整流板20全体重量を支えながら、孔14をめがけて被保持部22の先端部分221を背面側の方であってやや上方へ向けて(DM方向)移動させる。
【0039】
(B)は、(A)の移動をさせた後、被保持部22の先端部分221が孔14に挿入された時を示す。この段階では、被保持部22が孔14の下縁で支えられるので、使用者は、整流板20全体重量を支える必要はなく、整流板20の一部の重量を支えながら、被保持部22の先端部分221がより孔14の奥の方へ、即ち背面側の方であってやや上方へ向けて(DM方向)へ移動させる。
【0040】
(C)は、(B)の背面側への移動の過程おいて被保持部22の先端部分221が第1支持部301を通りすぎた時を示す。第1支持部301は、被保持部22を下から指示している。これまでは使用者は整流板20を背面側の方であってやや上方に向けて移動させてきたが、この段階では、使用者は、整流板20をほぼ水平に取り付けるため、整流板20の正面側の一辺を持ち上げるように(DM方向)移動させる。なお、整流板20の正面側の一辺から先端部分221までの距離は、内面パネル10の正面側側面(非水平部13)から背面側側面(非水平部13)までの距離とほぼ等しい。これにより、整流板20の着脱を円滑に行うことができる。
【0041】
(D)は、(C)の移動の後、整流板20の板部21がほぼ水平になった状態を示す。こうすることにより、被保持部22の先端部分221が、第2支持部302の方へ向くことで、被保持部22がさらに背面側の方へ移動し易くなる。使用者は、被保持部22をさらに孔14の奥の方へ、即ち背面側の方へ(DM方向)へ移動させる。そうすると、被保持部22は、保持部30に対して、背面側の方へ移動する。
【0042】
(E)は、(D)の移動の後、整流板20がレンジフード1’に完全に取り付けられて装着された状態を示す。この段階では、被保持部22の先端部分221は、(D)の移動の過程において第2支持部302を通りすぎ、移動方向において第2支持部302よりさらに奥の方(背面側)にあったプッシュラッチ31に挟持される。被保持部22は、保持部30に、第1支持部301に下から支持され、かつ、第2支持部302に上から支持されることにより、保持される。
【0043】
整流板20の重心CGは、被保持部22の重量は板部21の重量に比べればかなり少ないので、図示するように、板部21のほぼ中心当たりに位置する。整流板20の重心CGにおける重量G0は、保持部30の第1支持部301が支点となり下からG1の力で支持され、かつ第2支持部302が力点となり上からG2の力で支持される。換言すれば、保持部30は、整流板20の重心CGを一方側(その背面側)のみで被保持部22を保持する。これによれば、整流板20を片持ちすることで、整流板20を容易に着脱できる。なお、整流板20は、2つの被保持部22を通して2つの保持部30により保持されており、整流板20の重心CGは、正面視において、その2つの保持部30のほぼ中間に位置する。従って、保持部30は、整流板20の重心CGを、被保持部22の保持部30に対する移動方向において一方側で被保持部22を保持する。
【0044】
<第二実施例>
図7および
図8を参照して、本実施例のレンジフード1Aについて説明する。なお、重複記載を避けるため、上記実施例と異なる点を中心に説明する。レンジフード1Aは、フード2Aの背面側部分と送風ボックス3Aの中にファン4Aを内蔵し、フード2Aの正面側は、比較的薄く形成されているので、フード2A全体としては、正面側は薄く、背面側は厚い形をなす。フード2Aの背面側の面と送風ボックス3Aの背面側の面は面一となっており、レンジフード1Aの背面側の面は、キッチン等の壁面に接するように設置される。
【0045】
レンジフード1Aの内面パネル10Aは、最も高い位置に存しフード2Aの上面を形成する部材とほぼ接するように設けられる頂部15Aと、頂部15Aより正面側から背面側へ下方に向けて設けられ、内面パネルの大半を占める非水平部13Aと、頂部15Aより背面側から正面側に下方へ向けて設けられ、正面側の油煙等を捕集する非水平部013Aを有する。非水平部13Aは、ファン4Aに連通する開口部11Aを有し、そこには油分を捕集するためのフィルタ(図示せず)が備えられる。
【0046】
レンジフード1Aは、開口部11Aの空気の流れの上流側となる前面に整流板20Aを備え、油煙等を含む空気の流れを整流し、油分の捕集効率を高める。上昇してきた油煙等を含む空気は、整流板20Aと内面パネル10Aで受け止められ、内面パネル10Aと整流板20Aとの間の隙間を通って、開口部11Aに吸込まれると共にフィルタで油分が回収され、室外などへ排出される。
【0047】
非水平部13Aは、開口部11Aと背面との間に2つの孔14Aを有する。もちろんこれに限定されず、孔は、開口部11Aと正面との間にあってもよい。孔14A付近の内面パネル10Aの裏面10UAに、整流板20Aを着脱自在に保持する保持部30Aが設けられる。保持部30Aは、孔14Aから挿入される整流板20Aの被保持部22Aを保持するため、孔14Aに対応する位置に設けられる。
【0048】
整流板20Aは、整流板20Aの概観を形成する板部21Aと、保持部30Aに保持される被保持部22Aを有する。整流板20Aの板部21Aは、レンジフード1Aに取り付けられた時には、非水平部13Aとほぼ平行をなすように取り付けられる。被保持部22Aは、棒状をなし、その棒状の一端側のほぼ半分程度が板部21Aに取り付けられて固定され、他端側が、レンジフード1Aに取り付けられた場合にほぼ水平となるような角度で形成されている。
【0049】
被保持部22Aの他端は、内面パネル10Aの孔14Aに対応して設けられ、孔14Aに挿入できるように形成されている。被保持部22Aの他端側の少なくとも孔14Aに挿入される部分は、孔14の大きさや形状に適合する。本実施例では、被保持部22Aは丸棒であり、孔14Aは、その丸棒を挿入できる程度の上下方向(正面背面方向)に少し長円の楕円である。
【0050】
整流板20Aがレンジフード1Aに取り付けられる場合、被保持部22Aは、孔14Aにその先端部分221Aが差し込まれる。被保持部22Aは、その後、孔14Aの奥(内面パネル10Aの裏面10UA)にある保持部30Aに対して背面方向に向かって奥の方まで移動し、整流板20Aの周縁が内面パネル10Aの非水平部13Aと適度な隙間を形成する辺りで、整流板20Aが装着される。逆に、整流板20Aがレンジフード1Aから取り外される場合、被保持部22Aは、装着されていた位置から保持部30Aに対して正面方向に向かって移動し、被保持部22Aの先端部分221Aが孔14Aから抜け出ることで取り外される。
【0051】
保持部30Aは、孔14Aの下縁の近傍に設けられた第1支持部301Aと、孔14Aから第1支持部301Aより離れた位置に設けられた第2支持部302Aとを備える。整流板20Aがレンジフード1Aに取り付けられた状態では、第1支持部301Aは、被保持部22Aを下方から支持し(G1)、第2支持部302Aは、被保持部22Aを上方から支持し(G2)、整流板20Aの全体重量(G0)を支える。整流板20Aがレンジフード1Aに取り付けられる場合、被保持部22Aの先端部分221Aは、孔14Aに差し込まれた後、第1支持部301Aを通過し、さらに第2支持部302Aを通過したところで、装着される。このように、被保持部22Aを保持部30Aに対して移動させて装着することで、整流板20Aを容易に着脱できると共に、保持部30Aが有る程度の長さに亘って被保持部22Aを保持するので、安定した保持が可能となる。
【0052】
また、保持部30Aは、第2支持部302Aよりさらに孔14Aから離れて、被保持部22Aが保持部30Aに対して移動して装着される位置にプッシュラッチ31Aを備えてもよく、そのプッシュラッチ31Aは、棒状の被保持部22Aの先端部分221Aを挟持する。これによれば、仮に整流板20Aに振動が生じても、容易に抜け落ちることを防止することができると共に、使用者が容易に整流板20Aを着脱できる。
【0053】
上述したように、保持部30Aは、内面パネル10Aの裏側に設けられ、被保持部22Aは、内面パネル10Aの孔14Aを通して保持される。これによれば、保持部30Aは、内面パネル10Aの裏側にあり、孔14Aが被保持部22Aにより塞がれることでほぼ閉鎖空間内に配置されることとなり、保持部30Aが油脂分に触れることはないため、汚れることはない。その結果、保持部30Aの清掃は不要となる。また、内面パネル10Aには孔14Aがあるだけなので、清掃性に優れる。
【0054】
通常、内面パネル10Aの表面や、内面パネル10Aと整流板20Aとの間の隙間に存在する物は、油分が付着し易く汚れが溜まり易く、また、フード前方からの吸込量を背面側よりも比較的多くしているためにフード前方においては汚れがより多く付着する。しかし、本実施例では、孔14Aが位置するのは、レンジフード1Aの正面側から背面側へ下方に向けて設けられる非水平部13Aの背面側である。これによれば、面積の大きい非水平部13Aを設けることにより、容易に着脱できる保持部30Aの設ける位置の自由度が増大する。また、正面側や側面側において、整流板20Aや内面パネル10Aには整流板20Aを支持するような吊下げ金具のようなものは何も存在しない。従って、レンジフード1Aの正面側および側面側において内面パネル10Aに吊下げ金具等がなく、かつ整流板20Aに係止金具等がないので、油脂分が付着する部分が存在せず、清掃性が向上する。また、内面パネル10Aと整流板20Aとの間において正面側および側面側に吊下げ金具等が無いので、空気の吸込みに悪影響を与えない。また、保持部30Aは、内面パネル10Aの頂部15A以外に位置する水平ではない非水平部13Aに存することで、ほぼ水平方向に移動する被保持部22Aが容易に着脱できる。
【0055】
<第二実施例の変形例>
図9および
図10を参照して、本変形例のレンジフード1A’について説明する。なお、重複記載を避けるため、上記実施例と異なる点を中心に説明する。レンジフード1A’の内面パネル10A’は、最も高い位置に存しフード2A’の上面を形成する部材とほぼ接するように設けられる頂部15A’と、頂部15A’から正面側から背面側へ下方に向けて、途中で大きく屈曲して背面側は垂直に近い角度で設けられる非水平部13A’と、頂部15A’から背面側から正面側に下方へ向けて設けられ、正面側の油煙等を捕集する非水平部013A’を有する。非水平部13A’は、ファン4A’に連通する開口部11A’を有し、そこには油分を捕集するためのフィルタ(図示せず)が備えられる。
【0056】
レンジフード1A’は、開口部11A’の空気の流れの上流側となる前面に整流板20A’を備え、油煙等を含む空気の流れを整流し、油分の捕集効率を高める。上昇してきた油煙等を含む空気は、整流板20A’と内面パネル10A’で受け止められ、内面パネル10A’と整流板20A’との間の隙間を通って、開口部11A’に吸込まれると共にフィルタで油分が回収され、室外などへ排出される。
【0057】
非水平部13A’は、開口部11A’と背面との間であって、背面側の垂直に近い角度で設けられる部分に2つの孔14A’を有する。孔14A’付近の内面パネル10A’の裏面10UA’に、整流板20A’を着脱自在に保持する保持部30A’が設けられる。保持部30A’は、孔14A’から挿入される整流板20A’の被保持部22A’を保持するため、孔14A’に対応する位置に設けられる。
【0058】
整流板20A’は、整流板20A’の概観を形成する板部21A’と、保持部30A’に保持される被保持部22A’を有する。整流板20A’の板部21A’は、レンジフード1A’に取り付けられた時には、開口部11A’とは正面側で大きい隙間、背面側で小さい隙間を形成するように取り付けられる。また、板部21A’は、内面パネル10A’の屈曲に対応するように大きく湾曲している。
【0059】
被保持部22A’は、棒状をなし、その棒状の一端側のほぼ半分程度が板部21A’に取り付けられて固定され、他端側が、レンジフード1A’に取り付けられた場合にほぼ水平となるような角度で形成されている。被保持部22A’の他端は、内面パネル10A’の孔14A’に対応して設けられ、孔14A’に挿入できるように形成されている。被保持部22A’の他端側の少なくとも孔14A’に挿入される部分は、孔14’の大きさや形状に適合する。本実施例では、孔14A’は丸孔であり、被保持部22A’はその丸孔の径より小さい丸棒で形成されている。
【0060】
整流板20A’がレンジフード1A’に取り付けられる場合、被保持部22A’は、孔14A’にその先端部分221A’が差し込まれる。被保持部22A’は、その後、孔14A’の奥(内面パネル10A’の裏面10UA’)にある保持部30A’に対して背面方向に向かって奥の方まで移動し、整流板20A’が装着される。逆に、整流板20A’がレンジフード1A’から取り外される場合、被保持部22A’は、装着されていた位置から保持部30A’に対して正面方向に向かって移動し、被保持部22A’の先端部分221A’が孔14A’から抜け出ることで取り外される。
【0061】
保持部30A’は、孔14A’の下縁の近傍に設けられた第1支持部301A’と、孔14A’から第1支持部301A’より離れた位置に設けられた第2支持部302A’とを備える。整流板20A’がレンジフード1A’に取り付けられた状態では、第1支持部301A’は、被保持部22A’を下方から支持し(G1)、第2支持部302A’は、被保持部22A’を上方から支持し(G2)、整流板20A’の全体重量(G0)を支える。整流板20A’がレンジフード1A’に取り付けられる場合、被保持部22A’の先端部分221A’は、孔14A’に差し込まれた後、第1支持部301A’を通過し、さらに第2支持部302A’を通過したところで、装着される。このように、被保持部22A’を保持部30A’に対して移動させて装着することで、整流板20A’を容易に着脱できると共に、保持部30A’が有る程度の長さに亘って被保持部22A’を保持するので、安定した保持が可能となる。
【0062】
上述したように、保持部30A’は、内面パネル10A’の裏側に設けられ、被保持部22A’は、内面パネル10A’の孔14A’を通して保持される。これによれば、保持部30A’は、内面パネル10A’の裏側にあり、孔14A’が被保持部22A’により塞がれることでほぼ閉鎖空間内に配置されることとなり、保持部30A’が油脂分に触れることはないため、汚れることはない。その結果、保持部30A’の清掃は不要となる。また、内面パネル10A’には孔14A’があるだけなので、清掃性に優れる。
【0063】
通常、内面パネル10A’の表面や、内面パネル10A’と整流板20A’との間の隙間に存在する物は、油分が付着し易く汚れが溜まり易く、また、フード前方からの吸込量を背面側よりも比較的多くしているためにフード前方においては汚れがより多く付着する。しかし、本変形例では、孔14A’が位置するのは、レンジフード1A’の正面側から背面側へ下方に向けて設けられる非水平部13A’の背面側である。これによれば、面積の大きい非水平部13A’を設けることにより、容易に着脱できる保持部30A’の設ける位置の自由度が増大する。また、正面側や側面側において、整流板20A’や内面パネル10A’には整流板20A’を支持するような吊下げ金具のようなものは何も存在しない。従って、レンジフード1A’の正面側および側面側において内面パネル10A’に吊下げ金具等がなく、かつ整流板20A’に係止金具等がないので、油脂分が付着する部分が存在せず、清掃性が向上する。また、内面パネル10A’と整流板20A’との間において正面側および側面側に吊下げ金具等が無いので、空気の吸込みに悪影響を与えない。また、保持部30A’は、内面パネル10A’の頂部15A’以外に位置する水平ではない非水平部13A’に存することで、ほぼ水平方向に移動する被保持部22A’が容易に着脱できる。
【0064】
<他の実施例>
図11を参照して、他の実施例について説明する。同図(A)に示すように、レンジフード1Xは、ファンを内蔵する送風ボックス3Xの下部に、内面に内面パネル10Xを有する薄型のフード2Xを備える。フード2Xは、送風ボックス3Xの接続部付近であって、フード2Xのほぼ中央部に、ファンにより発生した空気の流れを吸い込む吸込口を備える。吸込口と対応する位置に、内面パネル10Xは開口部11Xを有し、そこには油分を捕集するためのフィルタ(図示せず)が備えられる。レンジフード1Xは、開口部11Xの空気の流れの上流側となる前面に整流板20Xを備え、油煙等を含む空気の流れを整流し、油分の捕集効率を高める。
【0065】
内面パネル10Xは、開口部11Xの周りにおいて、設置された時にはほぼ水平となるようにフード2Xの上面とほぼ平行に設けられる水平部12Xを備える。また、内面パネル10Xは、水平部12Xの周囲に、わずかにフード外側に広がるように下方へ延在する非水平部13Xを備える。
【0066】
背面側の非水平部13Xは、内面パネル10Xの表面に保持部30Xを備える。保持部30Xは、被保持部22Xを保持するために受け入れ可能なように形成されている。整流板20Xは、板部21Xと保持部30Xに保持される被保持部22Xを含む。板部21Xは、整流板20Xがレンジフード1Xに取り付けられた時には、水平部12Xとほぼ平行であり、水平となる。被保持部22Xは、棒状をなし、その棒状の一端側が板部21Xに取り付けられて固定され、他端側が、レンジフード1Xに取り付けられた場合に整流板20Xの背面側となる一辺から突出する。
【0067】
被保持部22Xの突出した他端は、保持部30Xに対応して設けられ、保持部30Xに係合するように形成されている。整流板20Xがレンジフード1Xに取り付けられる場合、被保持部22Xの先端部分を、背面側の保持部30Xの方へ移動させ、下方へ下ろすことで保持部30Xに差し込む。このようにすることで、整流板20Xは、レンジフード1Xに装着される。
【0068】
また、同図(B)に示すように、背面側の非水平部13Yは、孔14Yを備え、内面パネル10Yの裏面に保持部30Yを備える。保持部30Yは、被保持部22Yを保持するために受け入れ可能なように形成されている。整流板20Yは、板部21Yと保持部30Yに保持される被保持部22Yを含む。
【0069】
被保持部22Yは、棒状をなし、その棒状の一端側が板部21Yに取り付けられて固定され、他端側が、レンジフード1Yに取り付けられた場合に整流板20Yの背面側となる一辺から突出する。被保持部22Yの突出した他端は、孔14Yに対応して設けられ、保持部30Yに係合するように形成されている。整流板20Yがレンジフード1Yに取り付けられる場合、被保持部22Yの先端部分を、背面側の保持部30Yの方へ移動させ、孔14Yを通過させ、下方へ下ろすことで保持部30Yに差し込む。このようにすることで、整流板20Yは、レンジフード1Yに装着される。
【0070】
なお、本発明は、例示した実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。即ち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に関し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状等の限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。