特許第6353673号(P6353673)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6353673マイクロ外科手術器具と、マイクロ外科手術器具とともに使用するためのローディングユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6353673
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】マイクロ外科手術器具と、マイクロ外科手術器具とともに使用するためのローディングユニット
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20180625BHJP
【FI】
   A61B17/072
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-56547(P2014-56547)
(22)【出願日】2014年3月19日
(65)【公開番号】特開2014-184142(P2014-184142A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2017年2月9日
(31)【優先権主張番号】13/849,590
(32)【優先日】2013年3月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】スタニスロウ コスツルゼウスキー
【審査官】 近藤 利充
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−537792(JP,A)
【文献】 特表2006−501954(JP,A)
【文献】 特開2009−268911(JP,A)
【文献】 米国特許第08070034(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00 − 18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術器具との係合のために構成されているローディングユニットであって、該ローディングユニットは、
長手方向軸を規定する近位本体部分と、
該近位本体部分と機械的に協働して配置されているツールアセンブリであって、該ツールアセンブリは、締め付け部材と、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを含み、前記締め付け部材は、該アンビルアセンブリを係合するための頂部部分と、該カートリッジアセンブリを係合するための底部部分とを含み、作動そりの最上方表面よりも該底部部分の最下方表面の方が、該締め付け部材の該頂部部分に近く、該カートリッジアセンブリおよび該アンビルアセンブリのうちの少なくとも1つは、該カートリッジアセンブリと該アンビルアセンブリとの間に組織を係合するために、開いた位置と接近させられた位置との間で他方に対して移動可能であり、該カートリッジアセンブリは、その中に複数の締め具を収容するように構成されており、該ツールアセンブリの直径は、約8mm未満であるか、または約8mmと等しい、ツールアセンブリと
を含む、ローディングユニット。
【請求項2】
前記ツールアセンブリの直径は、約7mmと等しい、請求項1に記載のローディングユニット。
【請求項3】
前記近位本体部分の部分の直径は、前記ツールアセンブリの直径と実質的に等しい、請求項1に記載のローディングユニット。
【請求項4】
締め付け部材であって、該締め付け部材は、前記カートリッジアセンブリおよび前記アンビルアセンブリと機械的に協働して配置され、該締め付け部材は、垂直軸を規定する垂直部分を含み、該垂直部分は、前記長手方向軸に対して実質的に直角である、締め付け部材をさらに含む、請求項1に記載のローディングユニット。
【請求項5】
前記作動そりは、少なくとも部分的に前記カートリッジアセンブリ内で長手方向に並進可能であり、該作動そりは、少なくとも2つのカム作用表面を含み、第1のカム作用表面は、前記長手方向軸および前記垂直軸を通って延びている面に対して第1の角度で延び、該垂直軸は、該面の中にあり、第2のカム作用表面は、該面に対して第2の角度で延びている、請求項4に記載のローディングユニット。
【請求項6】
前記作動そりは、Vのようなプロフィールを含む、請求項5に記載のローディングユニット。
【請求項7】
前記第1の角度および前記第2の角度は、約15°と約40°との間である、請求項5に記載のローディングユニット。
【請求項8】
前記第1の角度および前記第2の角度は、約25°である、請求項5に記載のローディングユニット。
【請求項9】
前記カートリッジアセンブリの第1の組織接触表面の少なくとも大部分は、前記第1の角度に対して実質的に直角の角度で配置され、該カートリッジアセンブリの第2の組織接触表面の少なくとも大部分は、前記第2の角度に対して実質的に直角の角度で配置されている、請求項5に記載のローディングユニット。
【請求項10】
前記カートリッジアセンブリは、その中に複数の締め具を含み、該複数の締め具の各々は、前記垂直軸に対して平行でも直角でもない角度で該カートリッジアセンブリから射出されるように構成されている、請求項4に記載のローディングユニット。
【請求項11】
前記頂部部分の最上方表面と前記底部部分の最下方表面との間に規定される全体の高さは、約1mmと約2.5mmとの間である、請求項4に記載のローディングユニット。
【請求項12】
前記作動そりは、少なくとも部分的に前記カートリッジアセンブリ内で長手方向に並進可能である、、請求項4に記載のローディングユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
技術分野
本開示は、一般に、組織を外科手術により接合するための器具に関し、より詳しくは、外科手術締め器具およびローディングユニットに関し、このローディングユニットは、比較的小さい直径を有するエンドエフェクターを含む。
【背景技術】
【0002】
関連技術の背景
組織を外科手術により接合するために使用される種々のタイプの外科手術器具は、当該分野において公知であり、例えば、切開、切除、吻合において組織または器官を閉じるために、胸部および腹部の手順において器官を閉塞するために、ならびに組織を電気外科的に融合または密封するために一般的に使用される。
【0003】
そのような外科手術器具の1つの例は、外科手術ステープル留め器具であり、それは、アンビルアセンブリと、外科手術締め具の並びを支持するためのカートリッジアセンブリと、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを接近させるための接近メカニズムと、カートリッジアセンブリから外科手術締め具を射出するための発射メカニズムとを含み得る。
【0004】
外科手術器具を用いて、外科医がアンビル部材とカートリッジ部材とを接近させることは、一般的である。次に、外科医は、器具を発射して、締め具を組織中に据え付け得る。さらに、外科医は、締め具の列(複数可)に隣接する組織、または締め具の列(複数可)の間の組織を切断するために、同じ器具または別個の器具を使用し得る。
【0005】
さらに、単回使用ローディングユニット(「SULU」)または使い捨てローディングユニット(「DLU」)は、外科手術ステープル留め器具の細長い部分または内視鏡部分に取り付けられ得る。そのようなローディングユニットは、例えば、外科手術ステープル留め器具が、より広い用途を有することを可能にする。ローディングユニットは、単回使用のために構成され得、および/または1回よりも多く使用されるように構成され得る。
【0006】
さらに、エンドエフェクターおよび/またはローディングユニットは、一般に、その中に含まれる種々の構成要素によってサイズが制限される。すなわち、代表的に利用可能なものよりも小さい直径を有するエンドエフェクターおよび/またはローディングユニットの必要性が存在し得るが、エンドエフェクターおよび/またはローディングユニットの直径は、代表的に、例えば、その中に含まれるステープルプッシャー、I−梁、作動そり、および締め具の、サイズ、幾何学的形状、および/または配向によって制限される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
概要
本開示は、外科手術器具との係合のために構成されているローディングユニットに関する。ローディングユニットは、近位本体部分とツールアセンブリとを含む。近位本体部分は、長手方向軸を規定する。ツールアセンブリは、近位本体部分と機械的に協働して配置されており、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを含む。カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちの少なくとも1つは、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとの間に組織を係合するために、開いた位置と接近させられた位置との間で他方に対して移動可能である。カートリッジアセンブリは、その中に複数の締め具を収容するように構成されている。ツールアセンブリの直径は、約8mm未満であるか、または約8mmと等しい。
【0008】
開示される実施形態において、ツールアセンブリの直径は、約7mmと等しい。
【0009】
開示される実施形態において、近位本体部分の部分の直径は、ツールアセンブリの直径と実質的に等しい。
【0010】
開示される実施形態において、ローディングユニットは、締め付け部材をさらに含み、この締め付け部材は、カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリと機械的に協働して配置されている。ここで、締め付け部材は、垂直軸を規定する垂直部分を含み、この垂直部分は、長手方向軸に対して実質的に直角である。ローディングユニットは、作動そりをさらに含むことがさらに開示され、この作動そりは、少なくとも部分的にカートリッジアセンブリ内で長手方向に並進可能である。作動そりは、少なくとも2つのカム作用表面を含み、第1のカム作用表面は、長手方向軸および垂直軸を通って延びている面(垂直軸は、この面の中にある)に対して第1の角度で延び、第2のカム作用表面は、この面に対して第2の角度で延びている。第1の角度および第2の角度は、約15°と約40°との間、または約20°と約35°との間であることがさらに開示される。作動そりは、Vのようなプロフィールを含むことがさらに開示される。カートリッジアセンブリの第1の組織接触表面の少なくとも大部分は、第1の角度に対して実質的に直角の角度で配置され、カートリッジアセンブリの第2の組織接触表面の少なくとも大部分は、第2の角度に対して実質的に直角の角度で配置されていることがさらに開示される。
【0011】
開示される実施形態において、カートリッジアセンブリは、その中に複数の締め具を含む。複数の締め具の各々は、垂直軸に対して平行でも直角でもない角度でカートリッジアセンブリから射出されるように構成されている。
【0012】
開示される実施形態において、締め付け部材は、アンビルアセンブリを係合するための頂部部分と、カートリッジアセンブリを係合するための底部部分とを含む。頂部部分の最上方表面と底部部分の最下方表面との間に規定される全体の高さは、約1mmと約2.5mmとの間であるか、または約2mmである。
【0013】
開示される実施形態において、ローディングユニットは、作動そりをさらに含み、この作動そりは、少なくとも部分的にカートリッジアセンブリ内で長手方向に並進可能である。締め付け部材は、アンビルアセンブリを係合するための頂部部分と、カートリッジアセンブリを係合するための底部部分とを含む。底部部分の最下方表面は、作動そりの最上方表面よりも締め付け部材の頂部部分に近い。
【0014】
本開示はまた、外科手術器具のツールアセンブリとともに使用するためのカートリッジアセンブリに関する。カートリッジアセンブリは、少なくとも部分的にその中に配置されている複数の締め具と、作動そりとを含み、この作動そりは、第1の長手方向軸に沿って、カートリッジアセンブリの中で長手方向に並進するために構成されている。複数の締め具の各々は、第1の長手方向軸に対して非直角の角度で射出されるように構成されている。
【0015】
開示される実施形態において、作動そりは、Vのようなプロフィールを含み、この作動そりは、第1の角度で配置されている第1のカム作用表面と、第2の角度で配置されている第2のカム作用表面とを含む。カートリッジアセンブリが第1の組織接触表面と第2の組織接触表面とを含むことがさらに開示される。第1の組織接触表面の少なくとも大部分は、第1の角度に対して実質的に直角の角度で配置されている。カートリッジアセンブリの第2の組織接触表面の少なくとも大部分は、第2の角度に対して実質的に直角の角度で配置されている。
【0016】
本開示はまた、外科手術器具に関し、この外科手術器具は、ハンドルアセンブリと、ハンドルアセンブリから遠位方向に延びている細長い本体部分と、細長い本体部分の遠位端との係合のために構成されているローディングユニットとを含む。ローディングユニットは、長手方向軸を規定する近位本体部分と、近位本体部分と機械的に協働して配置されているツールアセンブリとを含む。ツールアセンブリは、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを含む。カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちの少なくとも1つは、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとの間に組織を係合するために、開いた位置と接近させられた位置との間で他方に対して移動可能である。カートリッジアセンブリは、その中に複数の締め具を収容するように構成されている。ツールアセンブリの直径は、約8mm未満であるか、または約8mmと等しい。
【0017】
開示される実施形態において、外科手術器具は、締め付け部材をさらに含み、この締め付け部材は、カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリと機械的に協働して配置されている。締め付け部材は、垂直軸を規定する垂直部分を含み、この垂直部分は、長手方向軸に対して実質的に直角である。
【0018】
開示される実施形態において、カートリッジアセンブリは、その中に複数の締め具を含み、複数の締め具の各々は、垂直軸に対して平行でも直角でもない角度でカートリッジアセンブリから射出されるように構成されている。
【0019】
開示される実施形態において、外科手術器具は、作動そりを含み、この作動そりは、少なくとも部分的にカートリッジアセンブリ内で長手方向に並進可能である。作動そりは、少なくとも2つのカム作用表面を含む。第1のカム作用表面は、長手方向軸および垂直軸を通って延びている面(垂直軸は、この面の中にある)に対して第1の角度で延び、第2のカム作用表面は、この面に対して第2の角度で延びている。第1の角度および第2の角度は、約15°と約40°との間、または約20°と約35°との間であることがさらに開示される。
【0020】
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
外科手術器具との係合のために構成されているローディングユニットであって、該ローディングユニットは、
長手方向軸を規定する近位本体部分と、
該近位本体部分と機械的に協働して配置されているツールアセンブリであって、該ツールアセンブリは、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを含み、該カートリッジアセンブリおよび該アンビルアセンブリのうちの少なくとも1つは、該カートリッジアセンブリと該アンビルアセンブリとの間に組織を係合するために、開いた位置と接近させられた位置との間で他方に対して移動可能であり、該カートリッジアセンブリは、その中に複数の締め具を収容するように構成されており、該ツールアセンブリの直径は、約8mm未満であるか、または約8mmと等しい、ツールアセンブリと
を含む、ローディングユニット。
(項目2)
上記ツールアセンブリの直径は、約7mmと等しい、上記項目に記載のローディングユニット。
(項目3)
上記近位本体部分の部分の直径は、上記ツールアセンブリの直径と実質的に等しい、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目4)
締め付け部材であって、該締め付け部材は、上記カートリッジアセンブリおよび上記アンビルアセンブリと機械的に協働して配置され、該締め付け部材は、垂直軸を規定する垂直部分を含み、該垂直部分は、上記長手方向軸に対して実質的に直角である、締め付け部材をさらに含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目5)
作動そりであって、該作動そりは、少なくとも部分的に上記カートリッジアセンブリ内で長手方向に並進可能であり、該作動そりは、少なくとも2つのカム作用表面を含み、第1のカム作用表面は、上記長手方向軸および上記垂直軸を通って延びている面に対して第1の角度で延び、該垂直軸は、該面の中にあり、第2のカム作用表面は、該面に対して第2の角度で延びている、作動そりをさらに含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目6)
上記作動そりは、Vのようなプロフィールを含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目7)
上記第1の角度および上記第2の角度は、約15°と約40°との間である、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目8)
上記第1の角度および上記第2の角度は、約25°である、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目9)
上記カートリッジアセンブリの第1の組織接触表面の少なくとも大部分は、上記第1の角度に対して実質的に直角の角度で配置され、該カートリッジアセンブリの第2の組織接触表面の少なくとも大部分は、上記第2の角度に対して実質的に直角の角度で配置されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目10)
上記カートリッジアセンブリは、その中に複数の締め具を含み、該複数の締め具の各々は、上記垂直軸に対して平行でも直角でもない角度で該カートリッジアセンブリから射出されるように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目11)
上記締め付け部材は、上記アンビルアセンブリを係合するための頂部部分と、上記カートリッジアセンブリを係合するための底部部分とを含み、該頂部部分の最上方表面と該底部部分の最下方表面との間に規定される全体の高さは、約1mmと約2.5mmとの間である、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目12)
作動そりであって、該作動そりは、少なくとも部分的に上記カートリッジアセンブリ内で長手方向に並進可能であり、上記締め付け部材は、上記アンビルアセンブリを係合するための頂部部分と、該カートリッジアセンブリを係合するための底部部分とを含み、該底部部分の最下方表面は、該作動そりの最上方表面よりも該締め付け部材の該頂部部分に近い、作動そりをさらに含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目13)
外科手術器具のツールアセンブリとともに使用するためのカートリッジアセンブリであって、該カートリッジアセンブリは、
少なくとも部分的にその中に配置されている複数の締め具と、
作動そりであって、該作動そりは、第1の長手方向軸に沿って、該カートリッジアセンブリの中で長手方向に並進するために構成されている、作動そりと
を含み、該複数の締め具の各々は、該第1の長手方向軸に対して非直角の角度で射出されるように構成されている、
カートリッジアセンブリ。
(項目14)
上記作動そりは、Vのようなプロフィールを含み、該作動そりは、第1の角度で配置されている第1のカム作用表面と、第2の角度で配置されている第2のカム作用表面とを含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載のカートリッジアセンブリ。
(項目15)
第1の組織接触表面および第2の組織接触表面であって、該第1の組織接触表面の少なくとも大部分は、上記第1の角度に対して実質的に直角の角度で配置され、上記カートリッジアセンブリの該第2の組織接触表面の少なくとも大部分は、上記第2の角度に対して実質的に直角の角度で配置されている、第1の組織接触表面および第2の組織接触表面をさらに含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載のカートリッジアセンブリ。
(項目16)
外科手術器具であって、該外科手術器具は、
ハンドルアセンブリと、
該ハンドルアセンブリから遠位方向に延びている細長い本体部分と、
カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを含むツールアセンブリであって、該カートリッジアセンブリおよび該アンビルアセンブリのうちの少なくとも1つは、該カートリッジアセンブリと該アンビルアセンブリとの間に組織を係合するために、開いた位置と接近させられた位置との間で他方に対して移動可能であり、該カートリッジアセンブリは、その中に複数の締め具を収容するように構成されており、該ツールアセンブリの直径は、約8mm未満であるか、または約8mmと等しい、ツールアセンブリと
を含む、外科手術器具。
(項目17)
締め付け部材であって、該締め付け部材は、上記カートリッジアセンブリおよび上記アンビルアセンブリと機械的に協働して配置され、該締め付け部材は、垂直軸を規定する垂直部分を含み、該垂直部分は、上記長手方向軸に対して実質的に直角である、締め付け部材をさらに含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
(項目18)
上記カートリッジアセンブリは、その中に複数の締め具を含み、該複数の締め具の各々は、上記垂直軸に対して平行でも直角でもない角度で該カートリッジアセンブリから射出されるように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
(項目19)
作動そりであって、該作動そりは、少なくとも部分的に上記カートリッジアセンブリ内で長手方向に並進可能であり、該作動そりは、少なくとも2つのカム作用表面を含み、第1のカム作用表面は、上記長手方向軸および上記垂直軸を通って延びている面に対して第1の角度で延び、該垂直軸は、該面の中にあり、第2のカム作用表面は、該面に対して第2の角度で延びている、作動そりをさらに含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
(項目20)
上記第1の角度および上記第2の角度は、約15°と約40°との間である、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
(項目21)
外科手術器具であって、該外科手術器具は、
カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリであって、該カートリッジアセンブリおよび該アンビルアセンブリのうちの少なくとも1つは、該カートリッジアセンブリと該アンビルアセンブリとの間に組織を係合するために、開いた位置と接近させられた位置との間で他方に対して移動可能であり、
該カートリッジアセンブリは、その中に複数の締め具を収容するように構成されている、カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリと、
ウェッジの形状を有する作動そりと、
該作動そりによって係合されるために、該カートリッジアセンブリに配置されている複数のプッシャーと、
該カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリを通って並進可能である締め付け部材と、
そりバーであって、該そりバーは、該カートリッジアセンブリを通って並進可能であり、該作動そりを、該カートリッジアセンブリを通って遠位方向に移動させるように構成されており、その結果、該作動そりは、該プッシャーを係合する、そりバーと
を含む、外科手術器具。
(項目22)
上記締め付け部材は、上記アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリを上記接近させられた位置に持ってくるために、上記アンビルアセンブリを係合するための上方部分と、上記カートリッジアセンブリを係合するための下方部分とを有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
(項目23)
上記下方部分は、カートリッジチャネルの上方部分を係合する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
(項目24)
上記接近させられた位置にある場合、上記カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの直径は、約8mm未満であるか、または約8mmと等しい、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
(項目25)
上記カートリッジアセンブリは、上記締め付け部材の一方の側において2列の上記締め具を規定し、該締め付け部材の他方の側において2列を規定する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
(項目26)
上記プッシャーは、各々、2つのプッシャープレートを有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
(項目27)
上記締め付け部材は、ナイフ刃を有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
(項目28)
上記アンビルアセンブリおよび上記カートリッジアセンブリのうちの少なくとも1つは、非直角の角度を有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
【0021】
(摘要)
外科手術器具との係合のために構成されているローディングユニットが開示される。ローディングユニットは、近位本体部分とツールアセンブリとを含む。近位本体部分は、長手方向軸を規定する。ツールアセンブリは、近位本体部分と機械的に協働して配置されており、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを含む。カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリのうちの少なくとも1つは、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとの間に組織を係合するために、開いた位置と接近させられた位置との間で他方に対して移動可能である。カートリッジアセンブリは、その中に複数の締め具を収容するように構成されている。ツールアセンブリの直径は、約8mm未満であるか、または約8mmと等しい。
【0022】
本開示の外科手術器具およびローディングユニットの種々の実施形態は、図面を参照して本明細書中に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本開示の実施形態に従う、第1のハンドルアセンブリを含む外科手術器具の斜視図である。
図2図2は、本開示の実施形態に従う、第2のハンドルアセンブリを含む外科手術器具の斜視図である。
図3図3および図4は、本開示に従う、ローディングユニットの斜視図である。
図4図3および図4は、本開示に従う、ローディングユニットの斜視図である。
図5図5は、図3および図4のローディングユニットの斜視図であり、関節運動させられた位置に配置されているエンドエフェクターを例示している。
図6図6は、図2における線6−6を通って得られるエンドエフェクターの部分の半径方向の断面図である。
図7図7は、図3および図4のローディングユニットの種々の内部構成要素の斜視図である。
図8図8は、図7に示されるローディングユニットの部分の斜視図である。
図9図9は、図3および図4のローディングユニットの種々の内部構成要素の斜視図である。
図10図10は、図9に示されるローディングユニットの部分の斜視図である。
図11図11は、ローディングユニットの部分の組み立て図である。
図12図12は、図11に示されるローディングユニットの部分を例示している。
図13図13は、図11に示されるローディングユニットの部分を例示している。
図14図14は、本開示のローディングユニットの部分の斜視図である。
図15図15は、図14に示されるローディングユニットの部分を例示している。
図16図16は、図8における線16−16に沿って示される場合の、ローディングユニットの部分の長手方向の切断図である。
図17図17は、ローディングユニットの部分の長手方向の断面図である。
図18図18は、図17に示されるローディングユニットの部分を例示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明
本開示の外科手術器具、本開示の外科手術器具との使用のためのローディングユニット、および本開示の外科手術器具との使用のためのカートリッジアセンブリの実施形態が、図面を参照して詳細に記載され、図面において、類似の参照数字は、数枚の図の各々において、対応する要素を表す。当該分野において一般的であるように、用語「近位」は、使用者または操作者、例えば、外科医または医師により近い部分または構成要素を指し、用語「遠位」は、使用者からより遠くに離れた部分または構成要素を指す。
【0025】
本開示の外科手術器具は、図1および図2において、参照数字100と示される。一般的に、外科手術器具100は、ハンドルアセンブリ110と、ハンドルアセンブリ110から遠位方向に延びている細長い本体部分120と、細長い本体部分120の遠位端に隣接して配置されているローディングユニット200とを含む。図1は、第1のハンドルアセンブリ110(例えば、動力式ハンドルアセンブリ)を含む外科手術器具100を例示し、図2は、第2のハンドルアセンブリ110を含む外科手術器具100を例示している。例えば、モーター駆動、液圧式、ラチェットなどのような他のタイプのハンドルが使用され得ることも想定される。本明細書中で用いられる場合、「ハンドルアセンブリ」は、全てのタイプのハンドルアセンブリを包含する。ローディングユニット200は、例えば、外科手術器具100がより広い用途を有することを可能にするために、外科手術ステープル留め器具100の内視鏡部分120に取り付け可能である。本明細書中で用いられる場合、「ローディングユニット」は、単回使用ローディングユニット(「SULU」)および使い捨てローディングユニット(「DLU」)の両方を包含する。さらに、または代替的に、外科手術器具100は、カートリッジを有し得、このカートリッジは、器具の再使用可能な顎において、取り外し可能で交換可能である。
【0026】
外科手術ステープル留め器具とともに使用するためのローディングユニットの例は、Bolanosらに対する共有に係る米国特許第5,752,644号に開示され、その内容全体は、これにより、本明細書中で参考として援用される。内視鏡外科手術ステープル留め器具のさらなる詳細は、Millimanらに対する共有に係る米国特許第6,953,139号において詳細に記載され、その内容全体は、これにより、本明細書中で参考として援用される。
【0027】
本開示に従う外科手術器具100において、発射ロッドは、ハンドルアセンブリ110の作動を通して遠位方向に移動させられて、締め具600を配備する。図1に例示される実施形態を参照すると、スイッチ112の少なくとも部分的な作動は、発射ロッドを長手方向に並進させる。図2に例示される実施形態を参照すると、静止したハンドル134に対する移動可能なハンドル132の少なくとも部分的な作動は、発射ロッドを長手方向に並進させる。発射ロッドの並進は、ナイフバー140の並進およびそりバー150の並進をもたらす(例えば、図17および図18を参照のこと。図18を特に参照すると、ナイフバー140は、近位セクション140aと遠位セクション140bとを含み、これらは、一緒につながれている)。さらに、ナイフバー140の並進は、締め付け部材500の並進をもたらして、少なくとも1つの顎部材を他方に対して接近させ、そりバー150の並進は、作動そり520の並進をもたらして、締め具600がカートリッジアセンブリ400のポケット401から射出されることをもたらす。
【0028】
図3図5を参照すると、本開示のローディングユニット200が示されている。ローディングユニット200は、長手方向軸「A−A」を規定する近位本体部分210と、1対の顎部材(すなわち、アンビルアセンブリ300およびカートリッジアセンブリ400)を含むツールアセンブリまたはエンドエフェクター220とを含む。近位本体部分210は、外科手術器具100の内視鏡部分120に取り外し可能に取り付けるように構成されている。より詳しくは、ローディングユニット200の挿入先端202は、外科手術ステープル留め器具100の内視鏡部分120の遠位端の中に線形に挿入される。挿入先端202のナブ204は、内視鏡部分120の遠位端に隣接して形成されるスロットを通って線形に移動する。その後、ローディングユニット200は、ナブ204が内視鏡部分120内のスロットを通って横切って移動するように、長手方向軸「A−A」の周りに回転させられる。さらに、ローディングユニット200と内視鏡部分120との係合中、ハンドル部分110の発射ロッドは、ローディングユニット200のナイフバー140を係合する。
【0029】
図6を参照すると、締め付け部材500は、Iの形をした断面を含み、この締め付け部材500は、アンビルアセンブリ300を係合するように構成されている頂部部分502と、カートリッジアセンブリ400を係合するように構成されている底部部分504と、垂直部分503とを含み、この垂直部分503は、頂部部分502と底部部分504とを接続し、その遠位表面において切断エッジ506を含み得る。より詳しくは、締め付け部材500の底部部分504とカートリッジアセンブリ400との間の係合は、アンビルアセンブリ300およびカートリッジアセンブリ400の互いに対する相対的な位置を維持することを助ける。
【0030】
作動そり520にさらに関して、作動そり520の遠位方向の並進は、その後、複数のプッシャー540を係合し、プッシャー540がカートリッジアセンブリ400のそれぞれの組織接触表面410に向かって移動することをもたらし、アンビルアセンブリ300に向かって締め具600を射出することをもたらす。締め具600の射出後、ステープル留めされた組織を切断するために、締め付け部材500の切断エッジ506が、その遠位面に含まれ得る。
【0031】
図6図18を参照すると、ローディングユニット200のさらなる詳細が例示されている。一般に、本明細書中に開示されるローディングユニット200の特徴は、約12mmの直径を有する器具と比較される場合、ローディングユニット200が比較的小さい直径(例えば、7mm〜8mm)を有することを可能にする。ローディングユニット200の直径は、アンビルアセンブリ300の半径方向に最も外側の壁とカートリッジアセンブリ400の半径方向に最も外側の壁との間で測定される(図6を参照のこと)。そのような低プロフィールは、ローディングユニット200が同様の直径を有するトロカールの中に挿入されることを可能にする。認識され得るように、これらの低プロフィールローディングユニット200は、例えば、小児科の外科手術および/または他の薄い組織の場所において有用である。さらに、例示される実施形態において、ローディングユニット200の近位本体部分210の近位部分212は、より大きい直径の細長い部分120(例えば、約12mm)を有する外科手術器具の細長い部分を係合するようなサイズおよび構成にされており、従って、より広い用途を可能にする。
【0032】
図6を特に参照すると、ローディングユニット200の半径方向の断面が、遠位端から示されている。示されるように、プッシャー540、締め具600、アンビルアセンブリ300の組織接触表面310、およびカートリッジアセンブリの組織接触表面410は、面C−Cに対して非直角の角度で配置されている(図8)。面C−Cは、長手方向軸A−Aを通って、および垂直軸B−Bを通って延びており、垂直軸B−Bは、締め付け部材500の垂直部分503によって規定される。さらに、垂直軸B−Bは、面C−C内にある。これらの非直角の角度、および締め付け部材500の相対的な低プロフィール(より大きい(例えば、12mm)器具の締め付け部材と比較される場合)は、例えば、ローディングユニット200が小さい直径を有することを可能にすることを助ける。締め付け部材500の全体の高さは、約1mmと約2.5mmとの間であるか、または約2mmであることが想定される。
【0033】
図6をさらに参照すると、ならびに図11図13および図17図18をさらに参照すると、ローディングユニット200のさらなる詳細が示されている。図17および図18を特に参照すると、ローディングユニット200の断面が示されており、この断面は、ナイフバー140、そりバー150、アンビルアセンブリ300、カートリッジアセンブリ400、締め付け部材500、および作動そり520を含む。図6および図12を特に参照すると、カートリッジアセンブリ400は、カートリッジ408(2つの半体を含む)とカートリッジチャネル409とを含む。カートリッジ408は、カートリッジチャネル409内に配置されている。
【0034】
使用において、発射ロッドの遠位方向の並進は、上で議論されるように、ナイフバー140を遠位方向に並進させる。さらに、ナイフバー140の遠位方向の並進は、ナイフバー140の突出部143(図17を参照のこと)が、そりバー150の近位面151と接触することをもたらし、それにより、そりバー150の遠位方向の並進をもたらす。そりバー150が遠位方向に移動する場合、そりバー150の遠位面152は、カートリッジアセンブリ400のカム作用表面402と接触し、それにより、カートリッジアセンブリ400がアンビルアセンブリ300に向かって移動することをもたらす。さらに、ナイフバー140が遠位方向に移動する場合、締め付け部材500の頂部部分502は、アンビルアセンブリ300内のスロット304内で遠位方向に前進させられ、締め付け部材500の底部部分504は、カートリッジアセンブリ400のカートリッジチャネル409内のスロット414内で遠位方向に前進させられて、顎部材を互いに対して安定にすることを助け、顎部材の間に一定のギャップを維持することを助ける。従って、所定の量の発射ロッドの遠位方向の移動は、顎部材の接近および安定化をもたらす。
【0035】
発射ロッドおよび従ってナイフバー140の引き続きの前進は、作動そり520の近位面522へのそりバー150の引き続きの前進をもたらし、作動そり520の遠位方向の移動をもたらす。作動そり520が遠位方向に前進する場合、その角度を付けたカム作用表面524(図6および図12を参照のこと)は、プッシャー540のカム作用表面と接触し、従って、プッシャー540が締め具600を係合することをもたらし、その後、(例えば、顎部材の間に保持される組織を通して)アンビルアセンブリ300のそれぞれのポケット320に向けて締め具600を射出することをもたらす。(例えば、図6において)示されるように、作動そり520は、実質的にVの形をしたプロフィールを含む。(例えば、図12において)示されるように、各プッシャー540は、コネクター542によって相互接続されている2つの長手方向に間隔が空けられた締め具接触部分またはプッシャープレート544を含む。さらに、発射ロッドの引き続きの前進はまた、ナイフバー140および締め付け部材500の引き続きの前進をもたらし、その結果、締め付け部材500の頂部部分502がアンビルアセンブリ300のスロット304内を移動し続け、締め付け部材500の底部部分504がカートリッジチャネル409のスロット414内を移動し続ける。さらに、締め付け部材500の切断エッジ506は、締め付け部材500に含まれる場合、顎部材の間に配置されている(および上で議論されるように、組織が締められた後の)組織を切断する。そりカムは、ほぼ同時に4列のステープル全てを発射して、ナイフが組織を切断する直前にナイフスロットの両側における組織を密封するように望ましく配置されている。
【0036】
示されるように、および上で議論されるように、ローディングユニット200の種々の特徴は、ローディングユニットおよび顎部材の小さい直径(例えば、7mm)を可能にするようなサイズおよび配向にされている。特に、作動そり520のカム作用表面524、プッシャー540、ポケット401、および締め具600は、(長手方向軸A−Aを通って延びている)垂直軸B−Bに対して第1の非直角の角度(例えば、約15°と約40°との間、または約20°と約35°との間)で配置されている。さらに、アンビルアセンブリ300の組織接触表面310およびカートリッジアセンブリ400の組織接触表面410は、それぞれ、対応する第2の非直角の角度で配置され、その結果、組織接触表面310は、組織接触表面410に対して、それぞの表面の各々の全長の少なくとも大部分に沿って、実質的に平行であり、第1の非直角の角度および第2の非直角の角度は、互いに対して実質的に直角である(すなわち、締め具600は、例えば、アンビル300の組織接触表面310の角度と実質的に直角である角度で配置されている)。さらに、締め付け部材500は、作動そり520のカム作用表面524とプッシャー540との間の角度によって形成される空間内に配置されている(図6を参照のこと)。
【0037】
次に図5図7図8図11図13、および図16を参照すると、外科手術器具100の関節運動機構が示されている。関節運動機構は、ローディングユニット200のエンドエフェクター220が近位本体部分210に対して旋回できることを可能にする(図5を参照のこと)。関節運動機構は、細長い本体部分120に隣接して配置されている関節運動レバー700(図1および図2を参照のこと)と、関節運動レバー700と機械的に協働して配置されている関節運動リンクと、関節運動リンクと係合可能である関節運動ロッド710であって、この関節運動ロッド710は、ローディングユニット200の近位本体部分210を通って延び、エンドエフェクター220の近位部分222の関節運動ピン223と係合する、関節運動ロッド710と、ローディングユニット200の近位本体部分210とエンドエフェクター220との間に配置されている旋回アセンブリ720とを含む。図13を特に参照すると、旋回アセンブリ720は、リンク722を含み、このリンク722は、近位本体部分210のスタビライザー724とエンドエフェクター220の近位部分222のリンクピン224(図16)とを旋回可能に連結する。さらに、1対のクリップ730は、近位本体部分210とエンドエフェクター220との間に延びている。図8に示されるように、ナイフバー140は、クリップ730の間に延びている。特定の実施形態において、クリップは、ブローアウトプレートとして機能し、このプレートは、デバイスに固定されている端を有する。
【0038】
使用において、第1の方向(例えば、反時計回り)への関節運動レバー700の回転は、関節運動リンクおよび関節運動ロッド710の遠位方向の移動をもたらし、従って、エンドエフェクター220が、近位本体部分210に対して第1の方向(例えば、図5における矢印「C」)に旋回することをもたらし、第2の方向(例えば、時計回り)への関節運動レバー700の回転は、関節運動リンクおよび関節運動ロッド710の近位移動をもたらし、従って、エンドエフェクター200が、近位本体部分210に対して第2の方向(例えば、矢印「C」の逆)に旋回することをもたらす。
【0039】
本開示は、本明細書中で議論されるように、外科手術器具100、ローディングユニット200および/またはカートリッジアセンブリ400を用いる方法も含む。
【0040】
上の記載は、多くの詳細を含むが、これらの詳細は、本開示の範囲において限定するものと解釈されるべきではなく、単に、その種々の実施形態の例示と解釈されるべきである。従って、上の記載は、限定するものではなく、単に種々の実施形態の例証と解釈されるべきである。当業者は、ここに添付される特許請求の範囲の趣旨および範囲内で他の改変を想定する。
【符号の説明】
【0041】
100 外科手術器具
200 ローディングユニット
210 近位本体部分
300 アンビルアセンブリ
400 カートリッジアセンブリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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