(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内部に設けられた流路を通過するガスの流量を積算して表示すると共に、記憶手段に記憶され複数の設定それぞれが有効となっているか解除されているかを個々に示す複数の設定情報に応じて制御内容を変更するガスメータであって、
ガス漏れを検出して警報するガス警報器が正常に接続されているかを判断する接続判断手段と、
前記接続判断手段によりガス警報器が正常に接続されていると判断された場合に、外部から特定の設定を有効化する有効化情報を受け付けて前記特定の設定が有効である旨の設定情報を前記記憶手段に記憶させる設定受付手段と、
前記接続判断手段によりガス警報器が正常に接続されていないと判断された場合に、前記特定の設定が有効である旨の設定情報について、その設定を解除して前記記憶手段に記憶させる解除手段と、
前記解除手段による解除に先立って、前記記憶手段により記憶され前記特定の設定が有効である旨の設定情報を複製記憶する複製記憶手段と、
前記解除手段による解除の後に、前記接続判断手段により再度ガス警報器が正常に接続されていると判断された場合に、前記複製記憶手段により複製記憶しておいた設定情報を用いて前記記憶手段に設定情報を復帰記憶させる設定復帰手段と、
を備えることを特徴とするガスメータ。
前記複製記憶手段は、前記接続判断手段によりガス警報器が正常に接続されていないと判断された後、前記解除手段による解除前に、前記記憶手段により記憶され前記特定の設定が有効である旨の設定情報を複製記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載のガスメータ。
前記複製記憶手段は、前記特定の設定を含む複数の設定のいずれか1つ以上について、設定情報の有効状態又は解除状態が他方の状態に変更された場合、複製記憶した設定情報を消去する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のガスメータ。
内部に設けられた流路を通過するガスの流量を積算して表示すると共に、記憶手段に記憶され複数の設定それぞれが有効となっているか解除されているかを個々に示す複数の設定情報に応じて制御内容を変更するガスメータの制御方法であって、
ガス漏れを検出して警報するガス警報器が正常に接続されているかを判断する接続判断工程と、
前記接続判断工程においてガス警報器が正常に接続されていると判断された場合に、外部から特定の設定を有効化する有効化情報を受け付けて前記特定の設定が有効である旨の設定情報を前記記憶手段に記憶させる設定受付工程と、
前記接続判断工程においてガス警報器が正常に接続されていないと判断された場合に、前記特定の設定が有効である旨の設定情報について、その設定を解除して前記記憶手段に記憶させる解除工程と、
前記解除工程における解除に先立って、前記記憶手段により記憶され前記特定の設定が有効である旨の設定情報を複製記憶する複製記憶工程と、
前記解除工程による解除の後に、再度ガス警報器が正常に接続されているかを判断する第2接続判断工程と、
前記第2接続判断工程においてガス警報器が正常に接続されていると判断された場合に、前記複製記憶工程において複製記憶しておいた設定情報を用いて前記記憶手段に設定情報を復帰記憶させる設定復帰工程と、
を備えることを特徴とするガスメータの制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記ガスメータは、ガス警報器が正常に接続されていない状態であると判定されると、「拡張2」や「上限固定」といった設定が解除されてしまう。このため、ガス警報器の検満時における交換の際や停電時には、ガスメータによってガス警報器が正常に接続されていないと判定されて設定が解除されてしまい、再設定の手間を要してしまう。
【0007】
なお、この問題は、「拡張2」や「上限固定」といった設定に限るものではなく、ガス警報器が正常に接続されていると判断されたときに設定可能で、ガス警報器が正常に接続されていない状態であると判断されたときに解除される他の設定においても共通する問題である。
【0008】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ガス警報器が正常に接続されていない状態であると判断されたときに解除される設定について再設定の手間を省略することが可能なガスメータ及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のガスメータは、内部に設けられた流路を通過するガスの流量を積算して表示すると共に、記憶手段に記憶され複数の設定それぞれが有効となっているか解除されているかを個々に示す複数の設定情報に応じて制御内容を変更するガスメータであって、ガス漏れを検出して警報するガス警報器が正常に接続されているかを判断する接続判断手段と、前記接続判断手段によりガス警報器が正常に接続されていると判断された場合に、外部から特定の設定を有効化する有効化情報を受け付けて前記特定の設定が有効である旨の設定情報を前記記憶手段に記憶させる設定受付手段と、前記接続判断手段によりガス警報器が正常に接続されていないと判断された場合に、前記特定の設定が有効である旨の設定情報について、その設定を解除して前記記憶手段に記憶させる解除手段と、前記解除手段による解除に先立って、前記記憶手段により記憶され前記特定の設定が有効である旨の設定情報を複製記憶する複製記憶手段と、前記解除手段による解除の後に、前記接続判断手段により再度ガス警報器が正常に接続されていると判断された場合に、前記複製記憶手段により複製記憶しておいた設定情報を用いて前記記憶手段に設定情報を復帰記憶させる設定復帰手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明のガスメータによれば、ガス警報器が正常に接続されていないと判断された場合に、特定の設定が有効である旨の設定情報について、その設定を解除するに先立って設定情報を複製記憶し、解除された後にガス警報器が再度正常に接続されていると判断された場合に、複製記憶しておいた設定情報を用いて記憶手段に設定情報を復帰記憶させる。このため、ガス警報器が未接続状態であると判断されて特定の設定が解除されてしまったとしても、その後、ガス警報器が正常に接続されれば、設定器やガス管理センターからの情報送信なしに特定の設定が有効である旨の設定情報が復帰することとなる。従って、ガス警報器が正常に接続されていない状態であると判断されたときに解除される設定について再設定の手間を省略することができる。
【0011】
このガスメータにおいて、前記複製記憶手段は、前記接続判断手段によりガス警報器が正常に接続されていないと判断された後、前記解除手段による解除前に、前記記憶手段により記憶され前記特定の設定が有効である旨の設定情報を複製記憶することが好ましい。
【0012】
このガスメータによれば、ガス警報器が正常に接続されていないと判断された後解除前に、特定の設定が有効である旨の設定情報を複製記憶するため、ガス警報器が正常に接続されている限り特定の設定が有効である旨の設定情報が複製記憶されることはない。このように、設定情報は必要時以外に複製記憶されることがなく不要な処理を省略すると共に、複製記憶された情報に基づく誤動作等の可能性を低減することができる。
【0013】
このガスメータにおいて、前記複製記憶手段は、予め定められた期間の経過後、複製記憶した設定情報を消去することが好ましい。
【0014】
このガスメータによれば、予め定められた期間の経過後、複製記憶した設定情報を消去するため、停電時や検満時など特定の設定が有効である旨の設定情報についてその設定が解除されるものの比較的短い時間でガス警報器が再接続される場合には、設定情報が記憶保持されており、ガスメータ自体を他の場所に移動させ設置するような場合など比較的長期に亘りガス警報器が再接続されない場合には、設定情報が消去されることとなる。よって、設定情報が復帰して欲しい場合と、ガスメータの移動設置時のように同じ設定を必要とするかは不明であり設定情報が復帰して欲しくない場合との切り分けをでき、一層利便性を向上させることができる。
【0015】
このガスメータにおいて、前記複製記憶手段は、前記特定の設定を含む複数の設定のいずれか1つ以上について、設定情報の有効状態又は解除状態が他方の状態に変更された場合、複製記憶した設定情報を消去することが好ましい。
【0016】
このガスメータによれば、複数の設定のいずれか1つ以上について、設定情報の有効状態又は解除状態が他方の状態に変更された場合、複製記憶した設定情報を消去するため、設定情報を複製記憶して保持している場合においても、手動(例えば設定器やガス管理センターからの設定操作)による設定を優先し、複製記憶した設定情報を消去することで、ガス警報器が再度正常接続されたときに、意図しない設定となってしまうことを防止することができる。
【0017】
本発明のガスメータの制御方法は、内部に設けられた流路を通過するガスの流量を積算して表示すると共に、記憶手段に記憶され複数の設定それぞれが有効となっているか解除されているかを個々に示す複数の設定情報に応じて制御内容を変更するガスメータの制御方法であって、ガス漏れを検出して警報するガス警報器が正常に接続されているかを判断する接続判断工程と、前記接続判断工程においてガス警報器が正常に接続されていると判断された場合に、外部から特定の設定を有効化する有効化情報を受け付けて前記特定の設定が有効である旨の設定情報を前記記憶手段に記憶させる設定受付工程と、前記接続判断工程においてガス警報器が正常に接続されていないと判断された場合に、前記特定の設定が有効である旨の設定情報について、その設定を解除して前記記憶手段に記憶させる解除工程と、前記解除工程における解除に先立って、前記記憶手段により記憶され前記特定の設定が有効である旨の設定情報を複製記憶する複製記憶工程と、前記解除工程による解除の後に、再度ガス警報器が正常に接続されているかを判断する第2接続判断工程と、前記第2接続判断工程においてガス警報器が正常に接続されていると判断された場合に、前記複製記憶工程において複製記憶しておいた設定情報を用いて前記記憶手段に設定情報を復帰記憶させる設定復帰工程と、を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明のガスメータの制御方法によれば、ガス警報器が正常に接続されていないと判断された場合に、特定の設定が有効である旨の設定情報について、その設定を解除するに先立って設定情報を複製記憶し、解除された後にガス警報器が再度正常に接続されていると判断された場合に、複製記憶しておいた設定情報を用いて記憶手段に設定情報を復帰記憶させる。このため、ガス警報器が未接続状態であると判断されて特定の設定が解除されてしまったとしても、その後、ガス警報器が正常に接続されれば、設定器やガス管理センターからの情報送信なしに特定の設定が有効である旨の設定情報が復帰することとなる。従って、ガス警報器が正常に接続されていない状態であると判断されたときに解除される設定について再設定の手間を省略することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ガス警報器が正常に接続されていない状態であると判断されたときに解除される設定について再設定の手間を省略することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は以下に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るガスメータの機能構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係るガスメータ1は、いわゆるマイコンを搭載したマイコンガスメータであって、内部に設けられた流路を通過するガスの流量を積算して液晶表示部(図示せず)等に表示するものである。
【0022】
このようなガスメータ1は、通信I/F部10と、制御部20と、設定記憶部(記憶手段)30とを備えている。
【0023】
通信I/F部10は、ガスメータ1が外部と通信するための接続部位であり、設定器やガス管理センターなどから信号(通信電文)を受信する。
【0024】
制御部20は、ガスメータ1の全体を制御するものであり、特に本実施形態においては
複数の設定それぞれが有効となっているか解除されているかを個々に示す複数の設定情報が設定記憶部30に記憶され、この設定情報に応じて制御内容を変更するようになっている。設定記憶部30は、設定器やガス管理センターなどから通信電文に応じた設定情報を記憶するものである。このような制御部20及び設定記憶部30はマイコンで構成することができる。
【0025】
また、制御部20は、接続判断部(接続判断手段)21と、設定受付部(設定受付手段)22と、解除部(解除手段)23とを備えている。
【0026】
接続判断部21は、ガス漏れを検出して警報するガス警報器が正常に接続されているかを判断するものである。このような接続判断部21は、ガス警報器がそもそも接続されていない未接続状態であるか否か、及び、ガス警報器のコンセントプラグが抜けているプラグ抜け状態であるか否かを判断するようになっている。なお、これら双方の状態が、ガス警報器が正常に接続されていない状態(以下接続NG状態という)である。
【0027】
詳細に説明すると、接続判断部21は、ガス警報器に対して所定時間(例えば1分)毎に問い合わせ信号を送信している。ガス警報器が正常に接続されている場合、ガス警報器は問い合わせ信号に応じて返信をする。よって、接続判断部21は、この返信がない場合(より好ましくは複数回(例えば11回)連続してない場合)に、未接続状態であると判断する。すなわち、接続判断部21は、接続NG状態であると判断する。
【0028】
また、ガス警報器は、コンセントプラグが抜けた場合に、警報器内部のコンデンサに充電されていた電力を利用して、プラグが抜けた旨の信号をガスメータ1に送信する。さらに、ガスメータ1の接続判断部21は、上記所定時間とは異なる第2所定時間(例えば10分)毎に確認信号を送信する。そして、確認信号に応じた返信がない場合(より好ましくは複数回(例えば4回)連続してない場合)、且つ、プラグが抜けた旨の信号を入力していた場合に、接続判断部21は、プラグ抜け状態であると判断する。すなわち、接続判断部21は、接続NG状態であると判断する。
【0029】
一方、上記に該当しない場合、接続判断部21は、ガス警報器が正常に接続されている状態(以下接続OK状態という)であると判断する。
【0030】
設定受付部22は、接続判断部21により接続OK状態であると判断された場合に、外部(設定器やガス管理センター)から特定の設定を有効化する有効化情報を受け付けて特定の設定が有効である旨の設定情報を設定記憶部30に記憶させるものである。
【0031】
ここで、特定の設定とは、例えば「拡張2(特定の設定の一例)」や「上限固定(特定の設定の一例)」である。すなわち、「拡張2」や「上限固定」は、複数の流量区分毎における流量の継続時間が遮断判定時間以上となる場合に遮断弁を作動させて流路を遮断する使用時間遮断機能における設定であり、遮断判定時間を長期化したり無効化したりする遮断判定時間に関する設定である。このような設定を有効化するとガスメータ1は不安全方向に機能してしまうこととなる。よって、このような設定については、接続判断部21により接続OK状態であると判断された場合に限り、すなわちガス警報器とガスメータ1とが正常に接続されて安全性が確保できる場合に限り有効化可能となる。
【0032】
従って、不安全方向に機能しない「下限値以下固定」などの設定情報は、接続判断部21による接続OK状態であるか否かの判断結果によらず、設定受付部22により受け付けられて設定記憶部30に記憶させられる。
【0033】
より詳細に説明すると、設定器やガス管理センターからは、上記の特定の設定を含む複数の設定に関する電文が一括して送信される。このため、設定受付部22は、送信された電文内に、特定の設定を有効化又は解除する情報があるか否かを判断し、無い場合には接続判断部21により接続OK状態であると判断されたか否かに拘わらず、その電文を受け付ける。一方、設定受付部22は、特定の設定を有効化又は解除する情報があるか否かを判断し、あると判断した場合には接続OK状態でない限り、特定の設定を有効化又は解除する情報のみを受け付けない。このため、この場合には不安全方向に機能しない「下限値以下固定」の設定を有効化する有効化情報と不安全方向に機能する「拡張2」の設定を有効化する有効化情報とが含まれていたとすると、「拡張2」の有効化情報を受け付けず「下限値以下固定」の有効化情報を受け付ける。よって、「下限値以下固定」の設定のみが有効化されることとなる。
【0034】
解除部23は、接続判断部21により接続NG状態であると判断された場合に、特定の設定が有効である旨の設定情報について、その設定を解除して設定記憶部30に記憶させるものである。すなわち、解除される設定情報は、ガスメータ1を不安全方向に機能させてしまう「拡張2」及び「上限固定」等の設定情報である。よって、ガスメータ1を不安全方向に機能させない「下限値以下固定」などの設定情報については解除対象とならない。
【0035】
このように、解除部23がガスメータ1を不安全方向に機能させてしまう「拡張2」及び「上限固定」等の特定の設定について設定が有効となっている場合に、その設定を解除することにより、接続NG状態であり、且つガスメータ1が不安全方向で機能しているという事態を防止して、安全性の向上を図っている。
【0036】
しかし、解除部23を備える関係上、ガス警報器の検満時における交換の際や停電時には、接続NG状態と判定されて特定の設定が有効である旨の設定情報について、その設定が解除されてしまい、再設定の手間を要してしまうことがあった。すなわち、このような場合には、「拡張2」及び「上限固定」等の設定について有効状態を維持したいことが通常であり、解除されてしまうと再設定しなければならず、非常に手間であった。
【0037】
そこで、本実施形態においてガスメータ1は、複製記憶部(複製記憶手段)40を備える共に、制御部20に設定復帰部(設定復帰手段)24を備えている。
【0038】
複製記憶部40は、解除部23の解除に先立って、設定記憶部30により記憶されている設定情報を複製記憶するものである。なお、複製記憶部40は、解除対象となっていない「下限値以下固定」等の情報について複製記憶してもよいし、しなくともよい。なお、以下の説明では「下限値以下固定」等の情報について複製記憶しないものとして説明する。
【0039】
設定復帰部24は、解除部23により設定情報が解除された後に、接続判断部21により再度接続OK状態であると判断された場合に、複製記憶部40により複製記憶しておいた設定情報を用いて設定記憶部30に設定情報を復帰記憶させるものである。このように構成することで、解除された設定情報は設定記憶部30に再度呼び戻される形となり、設定器やガス管理センターからの通信電文なしに特定の設定が有効である旨の設定情報を復帰させることができる。
【0040】
なお、複製記憶部40における設定情報の複製記憶のタイミングは、解除部23の解除よりも前であればよく、例えば特定の設定について有効化されて設定記憶部30に記憶された直後であってもよい。しかし、複製記憶のタイミングは、接続判断部21により接続NG状態であると判断された後、解除部23の解除前であることが好ましい。これにより、必要時以外には複製記憶部40に設定情報が複製記憶されることなく、不要な処理を省略する等できるからである。
【0041】
さらに、複製記憶部40は、接続NG状態であると判断された後、解除部23の解除前に、複製記憶した設定情報を、予め定められた期間の経過後、消去することが好ましい。これにより、停電時や検満時など設定情報が解除されるものの、比較的短い時間でガス警報器が再接続される場合には設定情報が記憶保持されており、ガスメータ1自体を他の場所に移動させ設置するような場合など比較的長期に亘りガス警報器が再接続されない場合には設定情報が解除されることとなる。よって、設定情報が復帰して欲しい場合と、ガスメータ1の移動設置時のように同じ設定を必要とするかは不明であり設定情報が復帰して欲しくない場合との切り分けをでき、一層利便性を向上させることができる。
【0042】
加えて、複製記憶部40は、特定の設定を含む複数の設定のいずれか1つ以上について、設定の有効状態又は解除状態が他方の状態に変更された場合、複製記憶した設定情報を消去することが好ましい。これにより、設定情報を複製記憶して保持している場合においても、手動(例えば設定器やガス管理センターからの設定操作)による設定を優先し、設定情報を消去することで、ガス警報器が再度正常接続されたときに、意図しない設定となってしまうことを防止することができるからである。
【0043】
図2〜
図5は、本実施形態に係るガスメータ1の制御方法を示すフローチャートであり、
図2はガス警報器の正常接続の判断に関する処理を示している。まず、
図2に示すように、制御部20の接続判断部21は、接続判断処理を実行する(S1)。この処理においては、上記したようにして未接続状態であるか否か、及びプラグ抜け状態であるか否かを判断するための信号送信等が行われる。
【0044】
そして、接続判断部21は、接続OK状態であるかを判断する(S2)。接続OK状態であると判断した場合(S2:YES)、制御部20は、接続フラグをオンし(S3)、
図2に示す処理は終了する。一方、接続OK状態でなく接続NG状態であると判断した場合(S2:NO)、制御部20は、接続フラグをオフし(S4)、
図2に示す処理は終了する。
【0045】
なお、
図2に示す処理はガスメータ1の電源がオフされるまで繰り返し実行される。
【0046】
図3は、設定情報の記憶等に関する処理を示している。
図3に示すように、ガスメータ1の制御部20は、通信電文が入力されたかを判断する(S11)。通信電文が入力されていないと判断した場合(S11:NO)、入力されたと判断されるまで、この処理が繰り返される。
【0047】
通信電文が入力されたと判断した場合(S11:YES)、制御部20は、通信電文に特定の設定を変更する旨の情報が含まれているかを判断する(S12)。すなわち、制御部20は、ガスメータ1を不安全方向に機能させてしまう「拡張2」及び「上限固定」等の設定に関する情報が含まれているかを判断する。
【0048】
特定の設定を変更する旨の情報が含まれていると判断した場合(S12:YES)、制御部20は、接続フラグがオン状態であるかを判断する(S13)。オン状態であると判断した場合(S13:YES)、設定受付部22は、入力した通信電文による設定の変更を受け付けて設定記憶部30に記憶させる(S14)。すなわち、特定の設定を有効化する有効化情報が含まれていた場合には、特定の設定が有効である旨の設定情報が記憶させられることとなる。そして、
図3に示す処理は終了する。
【0049】
一方、オン状態でないと判断した場合(S13:NO)、制御部20は、特定の設定以外の設定を変更する情報が含まれているかを判断する(S15)。すなわち、制御部20は、「下限値以下固定」等の設定に関する情報が含まれているかを判断する。特定の設定以外の設定を変更する情報が含まれていると判断した場合(S15:YES)、制御部20は、「下限値以下固定」等の設定の変更を受け付けて設定記憶部30に記憶させる(S14)。そして、
図3に示す処理は終了する。
【0050】
一方、特定の設定以外の設定を変更する情報が含まれていないと判断した場合(S15:NO)、入力した通信電文は特定の設定のみを変更するものであることから、設定受付部22は、通信電文自体を受け付けない。よって、ステップS14における記憶処理は実行されることなく、
図3に示す処理は終了する。
【0051】
ところで、通信電文に特定の設定を変更する旨の情報が含まれていないと判断した場合(S12:NO)、制御部20は、「下限値以下固定」などの設定に関する通信電文であると判断し、ステップS14における記憶処理を経て、
図3に示す処理は終了する。
【0052】
図4は、解除及び複製記憶等の処理を示している。
図4に示すように、まず制御部20は接続フラグがオフ状態であるかを判断する(S21)。接続フラグがオフ状態でないと判断した場合(S21:NO)、
図4に示す処理は終了する。
【0053】
接続フラグがオフ状態であると判断した場合(S21:YES)、制御部20は、設定記憶部30に解除対象の設定情報が記憶されているかを判断する(S22)。すなわち、制御部20は、「拡張2」及び「上限固定」等の特定の設定が有効である旨の設定情報が記憶されているかを判断することとなる。
【0054】
特定の設定が有効である旨の設定情報が記憶されていると判断した場合(S22:YES)、制御部20は、設定記憶部30に記憶されている設定情報を、複製記憶部40に複製記憶させる(S23)。その後、解除部23は、その設定情報について設定を解除し(S24)、
図4に示す処理は終了する。
【0055】
一方、特定の設定が有効である旨の設定情報が記憶されていないと判断した場合(S22:NO)、制御部20は、複製記憶部40に設定情報が複製記憶されているかを判断する(S25)。すなわち、ステップS23の処理を経て、特定の設定が有効である旨の設定情報が複製記憶されていたかを判断する。
【0056】
特定の設定が有効である旨の設定情報が複製記憶されていないと判断した場合(S25:NO)、
図4に示す処理は終了する。特定の設定が有効である旨の設定情報が複製記憶されていると判断した場合(S25:YES)、制御部20は、設定情報が複製記憶されてから(すなわちステップS23の処理から)所定期間(予め定められた期間)経過したかを判断する(S26)。
【0057】
所定期間経過したと判断した場合(S26:YES)、制御部20は、複製記憶部40に複製記憶されている設定情報を消去する(S27)。その後、
図4に示す処理は終了する。
【0058】
一方、所定期間経過していないと判断した場合(S26:NO)、制御部20は、設定情報を変更する旨の通信電文があったかを判断する(S28)。設定情報を変更する旨の通信電文があったと判断した場合(S28:YES)、制御部20は、複製記憶部40に記憶されている設定情報を消去し(S27)、
図4に示す処理は終了する。設定情報を変更する旨の通信電文がなかったと判断した場合(S28:NO)、複製記憶部40に記憶されている設定情報は消去されることなく、
図4に示す処理は終了する。
【0059】
図5は、設定復帰に関する処理を示している。
図5に示すように、まず制御部20は、接続フラグがオン状態であるかを判断する(S31)。オン状態でないと判断した場合(S31:NO)、
図5に示す処理は終了する。
【0060】
一方、オン状態であると判断した場合(S31:YES)、制御部20は、複製記憶部40に設定情報が複製記憶されているかを判断する(S32)。設定情報が複製記憶されていないと判断した場合(S32:NO)、
図5に示す処理は終了する。
【0061】
設定情報が複製記憶されていると判断した場合(S32:YES)、制御部20は、複製記憶部40に複製記憶されている設定情報を、設定記憶部30に復帰記憶させる(S33)。すなわち、制御部20は、解除部23により解除された設定情報を復帰させる。
【0062】
その後、制御部20は、複製記憶部40に複製記憶されている設定情報を消去し(S34)、
図5に示す処理は終了する。
【0063】
このようにして、本実施形態に係るガスメータ1及び制御方法によれば、ガス警報器が正常に接続されていないと判断された場合に、特定の設定が有効である旨の設定情報について、その設定を解除するに先立って設定情報を複製記憶し、解除された後にガス警報器が再度正常に接続されていると判断された場合に、複製記憶しておいた設定情報を用いて設定記憶部30に設定情報を復帰記憶させる。このため、ガス警報器が未接続状態であると判断されて特定の設定が解除されてしまったとしても、その後、ガス警報器が正常に接続されれば、設定器やガス管理センターからの情報送信なしに特定の設定が有効である旨の設定情報が復帰することとなる。従って、ガス警報器が正常に接続されていない状態であると判断されたときに解除される設定について再設定の手間を省略することができる。
【0064】
また、ガス警報器が正常に接続されていないと判断された後解除前に、特定の設定が有効である旨の設定情報を複製記憶するため、ガス警報器が正常に接続されている限り特定の設定が有効である旨の設定情報が複製記憶されることはない。このように、設定情報は必要時以外に複製記憶されることがなく不要な処理を省略すると共に、複製記憶された情報に基づく誤動作等の可能性を低減することができる。
【0065】
また、予め定められた期間の経過後、複製記憶した設定情報を消去するため、停電時や検満時など特定の設定が有効である旨の設定情報についてその設定が解除されるものの比較的短い時間でガス警報器が再接続される場合には、設定情報が記憶保持されており、ガスメータ自体を他の場所に移動させ設置するような場合など比較的長期に亘りガス警報器が再接続されない場合には、設定情報が消去されることとなる。よって、設定情報が復帰して欲しい場合と、ガスメータの移動設置時のように同じ設定を必要とするかは不明であり設定情報が復帰して欲しくない場合との切り分けをでき、一層利便性を向上させることができる。
【0066】
また、複数の設定のいずれか1つ以上について、設定情報の有効状態又は解除状態が他方の状態に変更された場合、複製記憶した設定情報を消去するため、設定情報を複製記憶して保持している場合においても、手動(例えば設定器やガス管理センターからの設定操作)による設定を優先し、複製記憶した設定情報を消去することで、ガス警報器が再度正常接続されたときに、意図しない設定となってしまうことを防止することができる。
【0067】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
【0068】
例えば、
図5のステップS34に示すように、複製記憶部40に複製記憶されている設定情報を、設定記憶部30に復帰させた場合、複製記憶部40に複製記憶されている設定情報は消去されているが、消去されず記憶保持されてもよい。この場合、設定記憶部30に復帰されてから所定期間経過後に消去されるようにしてもよい。