特許第6353752号(P6353752)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6353752
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】カメラ装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/225 20060101AFI20180625BHJP
   G03B 17/02 20060101ALI20180625BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20180625BHJP
   G03B 17/08 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   H04N5/225 430
   H04N5/225 200
   G03B17/02
   H05K7/20 B
   G03B17/08
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-190528(P2014-190528)
(22)【出願日】2014年9月18日
(65)【公開番号】特開2016-63431(P2016-63431A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2017年5月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118898
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 立昌
(72)【発明者】
【氏名】万代 晴彦
【審査官】 高野 美帆子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/137267(WO,A1)
【文献】 特開2012−200141(JP,A)
【文献】 特開昭59−165443(JP,A)
【文献】 実開平05−041197(JP,U)
【文献】 特開2003−327048(JP,A)
【文献】 特開平4−225341(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222−5/257
G03B 17/02
G03B 17/08
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面窓部とその周囲に設けられる側壁とを有する金属製のケースと、
前記側壁の内面に当接支持されて前記ケース内に配備されるレギュレーターと、
前記レギュレーターからの出力によって駆動し前記ケース内に配置される駆動部と、
前記前面窓部の範囲内に光入射口を備え前記前面窓部を内側から気密に塞ぐように前記ケースに押圧支持される樹脂支持板と、
前記光入射口に対応するレンズ枠を含み前記樹脂支持板の後側に装着されるカメラユニットとを備えることを特徴とするカメラ装置。
【請求項2】
前記前面窓部は、周囲にシール材が装着された透明板を介して前記樹脂支持板によって塞がれることを特徴とする請求項1記載のカメラ装置。
【請求項3】
前記レギュレーターは、面積が広い面を前記側壁の内面に押圧する取り付け具によって前記ケースに取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のカメラ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用や屋外設置用など外部環境下に設置されるカメラ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車載用のバックビューモニターや屋外に設置される監視装置などのカメラ装置は、カメラユニットを保護するための防水・防塵機能を有するカバーを備えている(下記特許文献1参照)。また、このようなカメラ装置は、自動操作や遠隔操作を行うために、バッテリ電源よって駆動するモータなどの駆動部を備えており、駆動部への電気供給はバッテリー電源の電圧を所定電圧に降下させるレギュレーターを介して行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−46331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カメラ装置のカバー内にレギュレーターを内蔵する場合、レギュレーターから発生する熱を如何にしてカバーの外に放出するかが問題になる。従来のカメラ装置は、カバー自体を熱伝導性の高い金属製(例えば、アルミダイキャスト)としてこのカバーにレギュレーターを取り付けることで、カバーを放熱体として機能させている。このような従来のカメラ装置によると、カバー全体が金属製の厚肉成形であるため高重量になる問題があり、また、金属製カバーの内部に反射防止のための塗装が必要であったり、カメラユニットを装着するためのねじ切りを2次加工で形成する必要があるので、製造工程が煩雑でコストアップになる問題がある。
【0005】
また、金属製のカバーの厚みによって、前面開口とカメラユニットとの距離をある程度長くする必要があるので、広角なカメラユニット採用することができず、更には、金属製のカバーは色の選択範囲が狭いのでデザイン性に劣り、商品価値を高め難いという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、軽量化・低コスト化が可能で、広角なカメラユニットを装備可能であり、商品価値を高めることができるカメラ装置を提供すること、等が本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明によるカメラ装置は、以下の構成を具備するものである。
前面窓部とその周囲に設けられる側壁とを有する金属製のケースと、前記側壁の内面に当接支持されて前記ケース内に配備されるレギュレーターと、前記レギュレーターからの出力によって駆動し前記ケース内に配置される駆動部と、前記前面窓部の範囲内に光入射口を備え前記前面窓部を内側から気密に塞ぐように前記ケースに押圧支持される樹脂支持板と、前記光入射口に対応するレンズ枠を含み前記樹脂支持板の後側に装着されるカメラユニットとを備えることを特徴とするカメラ装置。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るカメラ装置の全体構成を示した説明図((a)が斜視図、(b)が側面図)である。
図2】本発明の実施形態に係るカメラ装置の分解斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係るカメラ装置のケース内構造を示した説明図((a)が平面図、(b)が(a)におけるX−X断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1図3は、本発明の実施形態に係るカメラ装置の全体構成を示している。カメラ装置1は、前面窓部2Aとその周囲に設けられる側壁2Bとを有する金属製のケース2を備えている。ケース2は、カメラユニット6を保護するために設けられるものであり、前面側が前面窓部2Aで大きく開口しており、その前面窓部2Aが透明板8と樹脂支持板5によって内側から塞がれている。ここでは透明板8と樹脂支持板5を別部材にしているが、二色成形によって光入射口5Aを透明樹脂で形成した樹脂支持板5を用いることで、ここでの透明板8を省略することが可能である。
【0010】
図示の例では、図2及び図3(b)に示すように、前面窓部2Aの閉塞に防水性を持たせるために、周囲にシール材7が装着された透明板8を介した樹脂支持板5によって前面窓部2Aを塞いでいる。樹脂支持板5は光入射口5Aを備えており、それ以外は遮光性を有している。樹脂支持板5の表面には樹脂成型によってシボが施されており、これによって反射防止面が形成されている。樹脂支持板5は、前面窓部を内側から塞ぐようにケース2に押圧支持されている。樹脂支持板5に形成された取付孔5Bに取り付けねじ5Cを挿入してケース2に結合することで、樹脂支持板5をケース2に押圧支持することができる。
【0011】
前面窓部2Aが光入射口5Aを有する樹脂支持板5で塞がれたケース2内には、レギュレーター3が配備されている。レギュレーター3は外部に設けられるバッテリー(図示省略)の電圧を所定電圧に降下させて出力するものであり、特にカメラ装置1が車載用の場合には、不安定な車両のバッテリー電源から安定した電圧を出力することができる。
【0012】
レギュレーター3は、ケース2の側壁2Bの内面2B1に沿って縦置きされた状態で配備されており、レギュレーター3における面積が広い面が内面2B1に押圧されて当接するように、取り付け具9によってケース2に取り付けられている。このように取り付けられたレギュレーター3は、金属製のケース2の側壁2Bを放熱体として発生した熱を効率的に放熱することができる。これによって、ケース2の前面側にレギュレーター3から放出された熱が伝わることを抑止することができ、この前面側に熱に弱い樹脂支持板5を配備することが可能になる。取り付け具9は、ばね性を有する板材であって、このバネ性によってレギュレーター3が側壁2Bの内面2B1に確実に押圧されている。
【0013】
ケース2内には、レギュレーター3からの出力によって駆動する駆動部4が配置されている。駆動部4は、図示の例では、ケース2の前面窓部2Aを開閉するシャッター部材10を開閉動作させるものであるが、これに限らずカメラ装置1の撮像方向の変更などを行う動作部を駆動させるものであってもよい。駆動部4は、駆動回路板4Aとモーター4Bを備えており、側壁2Bの他の内面に向いて配置されている。シャッター部材10は、ケース2の側壁2Bの外面に沿って配備される腕部10Aを備えており、この腕部10Aにモーター4Bによって回転駆動される回転軸11が接続されている。シャッター部材10はカメラ装置1の非使用時には前面窓部2Aの前方を覆っており、カメラ装置1の使用時に前面窓部2Aの前方を開放する。
【0014】
ケース2内で前面窓部2Aを塞ぐ樹脂支持板5には、光入射口5Aに対応するレンズ枠6Aを含むカメラユニット6が支持されている。カメラユニット6は樹脂支持板5が備える装着孔5Dにねじ止めなどで装着される。このように、樹脂支持板5にカメラユニット6を装着することで、金属製のケース2を2次加工することが不要になり、簡易にカメラユニット6を装着することが可能になる。また、樹脂支持板5は薄厚に成形することができるので、広い前面窓部2Aから光入射口5Aを介してカメラユニット6に光を取り込むことができる。これによってカメラユニット6を広角化することが可能になる。なお、ケース2におけるカメラユニット6の後方側には、図示省略した後部ケースが取り付けられるか、或いはケース2を他の筐体に装着することでケース2内の気密性が確保される。
【0015】
このようなカメラ装置1は、レギュレーター3をケース2内に内蔵するに際して、熱を発するレギュレーター3をケース2における側壁2Bの内面2B1に当接させることで、前面側に樹脂支持板5を配備することを可能にしている。これによって前面窓部2Aの閉塞或いは防水を軽量の樹脂支持板5によって行うことができるようになり、カメラ装置1全体の軽量化が可能になる。また、樹脂支持板5にカメラユニット6を支持することで、反射防止の塗装やねじ切りの2次加工を排除することができるので、製造工程の簡略化や製造コストの低減化が可能になる。更には、樹脂支持板5のカラーを任意に選択することで高いデザイン性のカメラ装置1を提供することが可能になる。
【符号の説明】
【0016】
1:カメラ装置,2:ケース,2A:前面窓部,2B:側壁,2B1:内面,
3:レギュレーター,4:駆動部,4A:駆動回路基板,4B:モーター,
5:樹脂支持板,
5A:光入射口,5B:取付孔,5C:取り付けねじ,5D:装着孔,
6:カメラユニット,6A:レンズ枠,
7:シール材,8:透明板,9:取り付け具,
10:シャッター部材,10A:腕部,11:回転軸
図1
図2
図3