(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6353791
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】バルブ装置
(51)【国際特許分類】
F16K 1/226 20060101AFI20180625BHJP
B21D 51/10 20060101ALI20180625BHJP
F16K 1/22 20060101ALI20180625BHJP
F02D 9/10 20060101ALI20180625BHJP
F16K 27/02 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
F16K1/226 M
B21D51/10
F16K1/22 H
F02D9/10 A
F16K27/02
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-4368(P2015-4368)
(22)【出願日】2015年1月13日
(65)【公開番号】特開2016-130546(P2016-130546A)
(43)【公開日】2016年7月21日
【審査請求日】2017年7月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】390010227
【氏名又は名称】株式会社三五
(74)【代理人】
【識別番号】100101535
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 好道
(74)【代理人】
【識別番号】100161104
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 浩康
(72)【発明者】
【氏名】五十川 康博
【審査官】
加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭53−34028(JP,U)
【文献】
実開昭53−12634(JP,U)
【文献】
特開2010−48391(JP,A)
【文献】
実開平2−96439(JP,U)
【文献】
実開昭55−161170(JP,U)
【文献】
実開昭60−49359(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/00− 1/54
F16K 27/00−27/12
F02D 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部を内側方向に曲折して形成したシール面を有するとともに、プレス成形により一体形成されたケースと、
前記シール面と当接する回動可能な弁体を有することを特徴とするバルブ装置。
【請求項2】
前記ケースに、一対の切欠部を周方向において対向する位置に形成し、該切欠部に前記弁体の弁軸を支持する軸受を設けたことを特徴とする請求項1記載のバルブ装置。
【請求項3】
両切欠き部間の周方向における一方の側に第1シール面が形成された第1曲折部の外側面と、その他方に形成した第2シール面が形成された第2曲折部の外側面を、同一平面上ではなく、段差を設けて略平行に形成したことを特徴とする請求項2記載のバルブ装置。
【請求項4】
両切欠き部間の周方向における一方の側に形成した第1シール面と当接する板状の第1弁体と、
両切欠き部間の周方向における他方の側に形成した第2シール面と当接する板状の第2弁体を、
段差を設けて略平行に設けたことを特徴とする請求項2記載のバルブ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排気系システムにおいては、排気熱等によりバタフライバルブが熱膨張し、その大きさが変化してもシールすることができるように、バタフライバルブの一方の面が当接する部分と、他方の面が当接する部分とで段差を設けた一対の段差部をケースの内周面に設けることにより、バタフライバルブを閉じた際に、バタフライバルブの大きさが変化しても、この段差部とバタフライバルブが確実に当接することにより精度よく流路を閉塞することができるバルブ構造が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−329028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来のバルブ構造では、ケースの内周面に段差部を設けているとともに、段差部はシール面の役割を果たすために一定以上の精度が必要となるため、鋳造か切削加工で製造されていた。
【0005】
このバルブ構造の製造コストを下げるために、プレス成型品の使用を考えた場合には、プレス加工では、ケースと段差部を同時に成形することができず、プレス成形で形成したケース内に切削加工により成形した段差部を取付けることが考えられる。
【0006】
しかし、この段差部を切削加工で製造することから、製造コストを一定以上、下げることができないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題点を解決したバルブ装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために、本発明は、端部を内側方向に曲折して形成したシール面を有するとともに、プレス成形により一体形成されたケースと、
前記シール面と当接する回動可能な弁体を有することを特徴とするものである。
【0009】
また、前記ケースに、一対の切欠部を周方向において対向する位置に形成し、該切欠部に前記弁体の弁軸を支持する軸受を設けてもよい。
【0010】
また、両切欠き部間の周方向における一方の側に第1シール面が形成された第1曲折部の外側面と、その他方に形成した第2シール面が形成された第2曲折部の外側面を、同一平面上ではなく、段差を設けて略平行に形成してもよい。
【0011】
また、両切欠き部間の周方向における一方の側に形成した第1シール面と当接する板状の第1弁体と、
両切欠き部間の周方向における他方の側に形成した第2シール面と当接する板状の第2弁体を、
段差を設けて略平行に設けてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、端部を内側方向に曲折して形成したシール面を有するケースを、プレス成形により一体形成したことにより、ケースとシール面とをプレス成形で製造することができるようになり、ケースを鋳造や切削加工を用いて製造したものと比較して、安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施例1に係るバルブ装置の正面図。
【
図4】本発明の実施例1に係るバルブ装置を組み付けた状態の一例の縦断面図。
【
図5】本発明の実施例1に係るバルブ装置を組み付けた状態の他例の縦断面図。
【
図10】本発明の実施例2に係るバルブ装置の縦断面図。
【
図11】本発明の実施例3に係るバルブ装置の縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態を図に示す実施例に基づいて説明する。
[実施例1]
図1は、本発明の実施例1に係るバルブ装置1の正面図、
図2は、
図1の上面図、
図3は
図1のA−A線断面図である。
【0015】
バルブ装置1は、例えば、
図4に示すように、そのケース2における筒状の本体部2aの外周部に上流側流路管3を嵌合接続するとともに、ケース2の本体部2aの内周部に下流側流路管4を嵌合接続することにより、流路の途中にバルブ装置1を設けて流路の開閉を行うバルブとして使用することができ、また、
図5に示すように、第1流路管7の内部にバルブ装置1を設け、バルブ装置1のケース2の本体部2aに第2流路管8を接続して、第2流路管8の開閉を行うバルブとしても使用することもできるものである。
【0016】
バルブ装置1は、金属管或いは金属板をプレス加工により一体形成した筒状のケース2を有し、ケース2の両端部には開口部2b,2cが形成されている。ケース2の一方の開口部2b側端部には、
図3,
図6〜
図9に示すように、内側に曲折して形成された曲折部11が設けられ、この曲折部11は本体部2aとともにプレス加工により一体に形成されている。また、曲折部11は、曲げ部とその先の平面(後述するシール面21,22)とで構成されている。なお、曲折部11を、曲げ部のみで構成するようにしてもよい。
【0017】
ケース2の
図9における両側部には、
図6〜
図9に示すように、一対の切欠部12,12が、ケース2の軸芯を挟んで対向した位置に形成されている。切欠部12,12は、
図6〜
図9に示すように、一方の開口部2bに開口するとともに、ケース2の軸芯と並行して、その他端側2dを指向するように、略U字状に設けられ形成されている。そして、ケース2の周方向における、2つの切欠部12,12間に亘って2つの曲折部11a,11bが形成されている。
【0018】
ケース2の筒状の本体部2aは、内部に中空部が形成されていればよく、その本体部2aの軸芯と直交する縦断面形状は、真円や楕円状、四角形状等の多角形状など任意の形状に形成することができる。本実施例では本体部2aを円筒状に形成した。ケース2は、プレス加工であれば任意の成形方法を用いて形成することができ、例えば、管状体の端部にプレス加工によって曲折部11を形成してもよいし、あるいは、板状部材から絞り成形等によって管状に形成してもよい。また、切欠部11の形状は、一方の開口部2bに開口していれば、上記の略U字状に限定されず、任意の形状とすることができる。
【0019】
曲折部11の周方向における両切欠部12,12間の一方の側(
図3の上側)が第1曲折部11aを構成し、他方の側(
図3の下側)が第2曲折部11bを構成する。また、第1曲折部11aの内側面は、平面状の第1シール面21を構成し、第2曲折部11bの外側面は、平面状の第2シール面22を構成している。
【0020】
第1曲折部11aと、第2曲折部11bは、夫々、
図3の図面に示すように、ケース2の軸芯に対して傾斜し、かつ、弁軸14の延在方向に一定の平面により構成されている。また、第1曲折部11aの外側面と、第2曲折部11bの外側面は、
図3,
図7に示すように、同一平面上には形成されておらず、夫々の平面が所定の距離離間して、略平行に形成されている。これにより、第1シール面21と第2シール面22とは、
図3,
図7に示すように、同一平面上には形成されておらず、段差を有して略平行に形成されている。この段差は、後述する弁体13の板厚分に設定されている。ケース2の他方の端面2dはケース2の軸芯に対して直交するように形成されている。
【0021】
両切欠部12,12には、夫々、弁体13に固設された弁軸14を支軸する軸受15,15が固設されており、これにより、1枚の平板で形成された弁体13は、ケース2に回動可能(開閉可能)に設けられている。
【0022】
上記の構成により、
図3に示すように、弁体13が閉じた際には、弁体13の一方の面13aは、第1シール面21と当接し、弁体13の他方の面13bは、第2シール面22と当接し、ケース2の一方の開口部2bを閉塞するようになっている。また、シール面21,22は、弁体13が閉じた際の弁体13のストッパと、シールの役割を兼ねている。
【0023】
また、上記従来技術のバルブ構造では、弁体がケースの中央部に配置され、ケースには弁軸を挿通する穴のみが形成されているだけのために、ケースに弁軸を挿通したのちにケース内において弁軸に弁体を取り付ける必要があるが、本発明では、ケース2に、一対の切欠部12,12を形成し、この切欠部12,12に軸受15,15を固設したことにより、予め、弁体13と弁軸14と軸受15を一体に組み付けたものを、切欠部12に取り付けることで、バルブ装置1を製造することができるため、上記従来技術のバルブ構造と比較して、組付け作業性が向上し、生産性が向上する。
【0024】
また、プレス成形により、ケース2の一方の開口部2b側端部を、内側に曲折して曲折部11を形成することにより、上記発明が解決しようとする課題における段差部を切削加工で製造するものと比較して、安価に製造することができる。
【0025】
また、ケース2に、一対の切欠部12,12を形成し、曲折部11の周方向における両切欠部12,12間の一方の側に第1シール面21を、他方の側に第2シール面22を形成したことで、切欠部12,12が、第1シール面21と第2シール面22の段差部とすることができるために、第1シール面21と第2シール面22とを、段差を設けて略平行な位置に容易に形成することができる。
【0026】
[実施例2]
上記実施例1においては、第1曲折部11aの外側面と、第2曲折部11bの外側面を、段差が生じるように略平行に形成したが、
図10に示すように、第1曲折部11aの外側面と、第2曲折部11bの外側面が略同一平面上に位置するように形成し、第1シール面21と当接する板状の第1弁体25と、第2シール面22と当接する板状の第2弁体26を、同一平面上に形成することなく、夫々の平面が所定の距離離間して略平行になるように、すなわち、段差を設けて略平行に形成してもよい。
【0027】
なお、第1弁体25と第2弁体26は、
図10に示すように、一体に形成してもよいし、別体で構成し、第1弁体25と第2弁体26を弁軸14に、その周方向にオフセット配置するように設けて、段差が生じるようにしてもよい。
【0028】
その他の構造は、上記実施例1と同様であるのでその説明を省略する。
【0029】
本実施例2においても、上記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
【0030】
[実施例3]
上記実施例1,2では、第1曲折部11aと、第2曲折部11bは、夫々、ケース2の軸芯に対して傾くように形成したが、
図11に示すように、ケース2の軸芯に直交するように形成してもよい。
【0031】
その他の構造は、上記実施例1,2と同様であるのでその説明を省略する。
【0032】
本実施例3においても、上記実施例1,2と同様の作用、効果を奏する。
【符号の説明】
【0033】
1 バルブ装置
2 ケース
11a 第1曲折部
11b 第2曲折部
12 切欠部
13 弁体
14 弁軸
15 軸受
21 第1シール面
22 第2シール面
25 第1弁体
26 第2弁体