特許第6353844号(P6353844)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6353844検査試料容器を無菌でブロー、充填及び密封する製造方法、関連システム並びに容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6353844
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】検査試料容器を無菌でブロー、充填及び密封する製造方法、関連システム並びに容器
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/26 20060101AFI20180625BHJP
   B29C 49/22 20060101ALI20180625BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20180625BHJP
   C12M 1/24 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   B29C49/26
   B29C49/22
   C12M1/00 D
   C12M1/00 G
   C12M1/24
【請求項の数】21
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-539701(P2015-539701)
(86)(22)【出願日】2013年10月22日
(65)【公表番号】特表2016-501742(P2016-501742A)
(43)【公表日】2016年1月21日
(86)【国際出願番号】US2013066060
(87)【国際公開番号】WO2014070514
(87)【国際公開日】20140508
【審査請求日】2016年10月7日
(31)【優先権主張番号】61/720,531
(32)【優先日】2012年10月31日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/790,244
(32)【優先日】2013年3月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502073946
【氏名又は名称】ビオメリュー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】ウェイホア ソニア ヴォルタース
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン クリストファー ライリー
(72)【発明者】
【氏名】スタンレー マイケル フィリパック
【審査官】 中山 基志
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/041471(WO,A1)
【文献】 特開昭58−071128(JP,A)
【文献】 特表平11−506933(JP,A)
【文献】 特表2002−520028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C49/00−49/80
C12M1/00−3/10
C12Q1/00−3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パリソンを形成する形成ステップと、
前記パリソンに流動可能な滅菌センサ材料を導入するセンサ材料導入ステップと、
前記センサ材料導入ステップの前、間又は後に、前記パリソンを容器の本体へとブロー成形するブロー成形ステップと、
前記センサ材料を硬化させて、前記センサ材料を前記容器の本体の内面に付着させる硬化ステップと、
前記容器を密封して、オートクレーブが不要な滅菌容器を形成する密封ステップと、
を含む培養容器の無菌製造方法。
【請求項2】
前記センサ材料導入ステップを、前記ブロー成形ステップの前、かつ前記培養容器がブローフィルシール機械に保持されている間に実施する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記センサ材料導入ステップを、前記ブロー成形ステップ後の、前記パリソンから形成される前記容器の本体の温度が高められた間、かつ前記容器の本体が滅菌環境内のブローフィルシール機械に保持されている間に実施する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記センサ材料は滅菌比色センサ材料であり、
前記方法は、温度が室温よりも高められた間に、ブロー成形した前記容器の本体の上部を締め付けて閉じる締付ステップを更に含み、
前記形成ステップ、前記センサ材料導入ステップ、前記硬化ステップ、及び前記締付ステップの全てを、滅菌環境内のブローフィルシール機械を用いて実施する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記流動可能なセンサ材料を前記パリソンに導入するときに、前記パリソンの温度は約25℃から約150℃の間である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記センサ材料導入ステップの後、かつ前記密封ステップの前に、滅菌された増殖培地を流動させる流動ステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記硬化ステップを、熱エネルギによって、及び/又は硬化剤をブロー成形した前記容器の本体に導入することによって実施し、それによって、前記容器の本体がブローフィルシール機械に保持されている間に、前記センサ材料を前記内面に接着させる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記センサ材料が液状エマルジョンシリコーンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
滅菌ストッパを前記容器の本体の上部に自動的に取付ける取付ステップと、
その後、前記ストッパが前記容器の本体の前記上部に取付けられたまま、滅菌ニードル及び/又は滅菌チューブを、前記ストッパを通して自動的に挿入する挿入ステップと、
前記ニードル又は前記チューブを用いて、前記容器の本体の内部容積に自動的に真空処理を施す真空処理ステップと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記取付ステップの前に、滅菌された増殖培地を前記容器の本体に導入する増殖培地導入ステップを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記取付ステップの後に、前記容器の本体内に真空処理を施して加圧された規定の滅菌ガス又はガス混合物を入れることを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記形成ステップと、前記センサ材料導入ステップと、前記ブロー成形ステップと、前記硬化ステップと、前記密封ステップとの全てを、前記容器の本体が滅菌環境内のブローフィルシール機械に保持されている間に実施する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記容器の本体内に滅菌微生物増殖培地を添加する増殖培地添加ステップと、
前記増殖培地添加ステップの後に、滅菌ストッパを前記容器の本体の上部に自動的に取付ける取付ステップと、
ブロー成形した前記容器の本体の上部を自動的に密封して滅菌環境を包囲する包囲ステップと、
前記容器の本体の上部を自動的にトリムするトリムステップと、
エラストマーの前記ストッパが前記容器の本体の前記上部に取付けられたまま、前記容器の本体内に真空状態を自動的に生み出す真空状態生成ステップと、
前記ストッパを覆う外部キャップを、前記容器の本体の上部に自動的に追加する外部キャップ追加ステップと、
を更に含む方法であり、
自動的に前記増殖培地添加ステップ、及び前記取付ステップを滅菌環境で、前記ブロー成形ステップに用いるブローフィルシール機械に保持されている間、又は前記ブローフィルシール機械内に存在する間に実施し、
前記トリムステップ及び前記外部キャップ追加ステップを、前記ブローフィルシール機械外の滅菌環境で実施する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記パリソンは、オートクレーブ処理のオートクレーブ温度よりも低い温度定格を有するポリマー材料を含むことができる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
ブロー成形した密封後の前記容器の本体が、透光性である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つのブローピン、及び容器の本体の形状を画定する型キャビティを設けた型をそれぞれ備える複数のブロー成形ステーションを有する、少なくとも1つのブロー成形機と、
前記ブロー成形ステーションと流体連通する、少なくとも1つの滅菌パリソン成形材料の供給源と、
前記ブロー成形ステーションと流体連通する少なくとも1つの流体通路を有する、少なくとも1つの流動可能な滅菌センサ材料の供給源と、
(i)前記少なくとも1つのブロー成形機に、前記滅菌パリソン成形材料からパリソンを形成させ、(ii)前記パリソンが熱い間に、前記流動可能な滅菌のセンサ材料に前記流体通路内をそれぞれの前記ブロー成形ステーションまで流動させて、前記流動可能な滅菌センサ材料を前記パリソンに入れ、(iii)前記ブロー成形機に、前記パリソンを前記型キャビティでブロー成形させる、ように構成される、少なくとも1つのコントローラと、
を備える、培養試料容器を大量生産するためのシステムであり、
前記ブロー成形機は滅菌環境に存在する、システム。
【請求項17】
前記コントローラは、前記パリソンをブロー成形する前に、前記センサ材料を前記パリソンに入れて、前記パリソンをブロー成形している間、前記センサ材料は前記パリソン内に存在する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記コントローラは、前記パリソンがブロー成形されている間又はブロー成形された後に、前記センサ材料を前記パリソンに入れる、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
それぞれの成形ステーションまで延びる少なくとも1つの流体通路を有する、少なくとも1つの滅菌有機体増殖培地の供給源と、
それぞれのストッパを、前記ブロー成形ステーションの1つに保持されるそれぞれの容器の本体の上部へ送り込む自動的運搬システムを有する、少なくとも1つの滅菌のエラストマーストッパの供給源と、
を更に備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
滅菌ニードルに対応する流体通路を有する、少なくとも1つの真空源を更に備え、前記滅菌ニードルは、前記ブロー成形ステーションが容器の本体を保持している間に、前記ブローピンを通って下方に移動し、前記容器の本体に取付けられたそれぞれのストッパを通って延び、それによって前記容器の本体の内部容積を真空吸引するように構成される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
それぞれの成形ステーションまで延びて、滅菌ガスを、前記成形ステーションが保持する前記容器の本体の内部容積に流すように構成される流体通路を有する、加圧された滅菌ガス源を更に備える、請求項16に記載のシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願>
この出願は、2012年10月31日に出願した米国特許仮出願第61/720,531号の利益及び優先権を主張し、仮出願の全内容を参照により本明細書に援用するものとする。
【0002】
この発明は、特に生物試料を培養するのに適した、容器の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
血液及び他の生物学的試料を、採取又は培養するためのボトルが技術的に知られている(例えば特許文献1−7参照)。
【0004】
試料培養ボトル又は容器は典型的に、有機体の回収を容易にするためにヘッドスペースのガス組成を含む。血液培養容器は適切なガス不透過材料から製造され、ボトルの保存可能期間を通じて、ヘッドスペースのガス組成の完全性が維持されるようにする。一般的な分析のために、容器は理想的には耐用期間を通じて視覚的な透光性を、典型的には透明性を維持して、(i)容器の内容物のマニュアル観察又は電子的観察,(ii)容器使用時の充填レベルの測定,(iii)培養後又は増殖後の内容物の目視,及び(iv)微生物の増殖を検出する容器の内部センサの測定値取得、の1つ以上を可能とすべきである。
【0005】
ボトル内又はボトル外へのガスの拡散を制限する、数種類の血液培養ボトルが使用されている。その種類の一つは、エラストマーで封をしたガラスバイアルである。ガラスバイアル自体はガスバリア性をもたらす。しかしながら、ガラスバイアルは落下時に壊れて、ユーザが、ガラス破片を浴びることがあり、生物学的に危険な物質を浴びる可能性がある。さらに、ガラス製造の性質上、ガラスに検出できない微細なクラックが残り、バイアル内での微生物の増殖による圧力のためにボトルが破壊されたり、先と同様にユーザが生物学的に危険な物質を浴びたりすることがある。
【0006】
第2の種類の血液培養ボトルは、多層構造のプラスチックバイアルである(例えば特許文献7及び8参照)。この多層構造のプラスチックバイアルは、それぞれ異なる機能を持つ、2つのプラスチック材料から製造される。例えば、バイアルの内側層及び外側層を、製品の使用に要求される強度及び剛性をもたらす、ポリカーボネートから作ることができる。さらにポリカーボネートは、製品生産時のオートクレーブに必要な高温に耐えるとともに、透明性を保つことができる。しかしながら、ポリカーボネートは十分なガスバリア性をもたらすことができない。中間材料層を、製品に要求されるバスバリア性をもたらすナイロンから製造することができる。ナイロンは、蒸気にさらされた際や、オートクレーブされた際に、透明性を保つことができず、またナイロンは単独では血液培養ボトル生産時に必要なオートクレーブ温度に耐える剛性及び強度を持たない。多層構造のプラスチックバイアルは、ガラスバイアルに対する優位性を持つ。しかしながら、多層構造のプラスチックバイアルの製造方法は比較的複雑であり、その結果、多層構造のプラスチックバイアルは比較的高価になる。
【0007】
ここ最近は、オートクレーブ又はボトル滅菌処理を用いて、必要な清浄度又は滅菌度をもたらす、単一層のプラスチックボトルが提案されている(例えば特許文献9参照、特許文献9の全内容を参照により本明細書に援用するものとする)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,945,060号明細書
【特許文献2】米国特許第5,094,955号明細書
【特許文献3】米国特許第5,860,329号明細書
【特許文献4】米国特許第4,827,944号明細書
【特許文献5】米国特許第5,000,804号明細書
【特許文献6】米国特許第7,211,430号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2005/0037165号明細書
【特許文献8】米国特許第6,123,211号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2011/0081714号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した技術が存在するものの、コスト効率が高い検査試料容器及び製造方法が依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態は、成形後に滅菌のためのオートクレーブを必要としない、無菌のブロー、充填及び密封(ブローフィルシール)製造工程を用いる。
【0011】
本発明のある実施形態は、培養容器の無菌製造方法に向けたものである。この方法は、(a)パリソンを形成する形成ステップと、(b)パリソンに流動可能な滅菌材料を導入する材料導入ステップと、(c)材料導入ステップの前、間又は後に、パリソンを容器の本体へとブロー成形するブロー成形ステップと、(d)容器の上部を密封して内部の滅菌環境を維持する密封ステップと、を含む。
【0012】
ある実施形態では、パリソンを形成し、センサ材料を導入し、パリソンを容器の本体へとブロー成形した後、かつ、滅菌増殖培地を容器の本体内に添加し密封ステップを行う前に、硬化剤をブロー成形した容器の本体に導入することができる。
【0013】
流動可能なセンサ材料をパリソン内に導入するときに、パリソンの温度を約25℃から約150℃の間とすることができ、パリソンの材料によって当該温度を変えることができる。流動可能なセンサ材料を滅菌することができる。
【0014】
形成ステップは、パリソンを加熱した温度で押出すことを含むことができる。
【0015】
熱エネルギによって、並びに/又は、硬化剤をパリソン及び/若しくはブロー成形した容器の本体に導入することによって硬化を実施し、それにより、比色センサ材料を内面に接着させることができる。
【0016】
比色センサ材料は、液状エマルジョンシリコーン(「LES」)を含むことができる。
【0017】
この方法は、温度が室温よりも高められた間に、ブロー成形した容器の本体の上部を締め付けて閉じる締付ステップを含むことができる。形成ステップ、材料導入ステップ、硬化ステップ、及び締付ステップの全てを、滅菌環境内のブローフィルシール機械を用いて実施することができる。
【0018】
この方法は、滅菌ストッパを容器の本体の上部に取付ける取付ステップと、その後、ストッパが容器の本体の上部に取付けられたまま、ニードル及び/又はチューブを、ストッパを通して挿入する挿入ステップと、ニードル又はチューブを用いて、容器の本体の内部容積に真空処理を施す真空処理ステップと、を含むこともできる。
【0019】
この方法は、取付ステップの前に、滅菌された増殖培地を容器の本体に導入する増殖培地導入ステップを含むこともできる。
【0020】
この方法は、取付ステップの前又は後に、加圧された規定の滅菌ガス又はガス混合物を容器の本体に導入する滅菌ガス導入ステップを含むこともできる。
【0021】
この方法は、取付ステップの後、かつ真空処理ステップの前に、ブロー成形した容器の本体(パリソン)の上部の材料残余物をトリムして取り去り、ストッパを露出させることができる。
【0022】
この方法は、滅菌環境又はクリーンルームで、アルミニウムのキャップをストッパに適用し圧着することができる。
【0023】
この方法は、容器の本体内に滅菌微生物増殖培地を添加する増殖培地添加ステップと、容器の本体内に加圧された規定の滅菌ガス又はガス混合物を自動的かつ流動可能に導入する滅菌ガス導入ステップと、その後に、エラストマーストッパをブロー成形した容器の本体の上部に電気機械的に密封可能に取付けて、充填密封後の容器の本体を画定する取付ステップと、その後に、材料を融着することで、パリソンの上部を電気機械的に密封する密封ステップと、を含むことができる。
【0024】
この方法は、容器の本体の上部を電気機械的にトリムするトリムステップと、エラストマーストッパが容器の本体の上部に取付けられたまま、容器の本体内に真空状態を生み出す真空状態生成ステップと、ストッパを覆う圧着密封キャップを容器の本体の上部に電気機械的に追加する圧着密封キャップ追加ステップと、を含むことができる。トリムステップ及び圧着密封キャップ追加ステップを、ブローフィルシール機械外の滅菌環境で行うことができる。ストッパ及び圧着シールを有する容器の本体は、充填密封後に容器の本体をオートクレーブさせる必要無しに滅菌の内部容積を画定して、容器の本体の出荷の準備を完了することができる。
【0025】
パリソンを、オートクレーブ処理のオートクレーブ温度よりも低い温度定格を有するポリマー材料から形成することができる。
【0026】
ブロー成形した密封後の容器の本体を、透光性とすることができる。
【0027】
他の実施形態は、培養試料容器を大量生産するためのシステムに向けたものである。このシステムは、(a)少なくとも1つのブローピン、及び容器の本体の形状を画定する型キャビティを設けた型をそれぞれ備える複数のブロー成形ステーションを有する、少なくとも1つのブロー成形機と、(b)ブロー成形ステーションと流体連通する、少なくとも1つの滅菌パリソン成形材料の供給源と、(c)ブロー成形ステーションと流体連通する少なくとも1つの流体通路を有する、少なくとも1つの流動可能な滅菌センサ材料の供給源と、(d)(i)少なくとも1つのブロー成形機に、滅菌パリソン成形材料からパリソンを形成させ、その後、(ii)パリソンが熱い間に、流動可能な滅菌センサ材料に流体通路内をそれぞれのブロー成形ステーションまで流動させて、流動可能な滅菌センサ材料をパリソンに入れ、その後、(iii)ブロー成形機に、センサ材料が中に入ったパリソンを型キャビティでブロー成形させる、ように構成される少なくとも1つのコントローラと、を備える。
【0028】
このシステムは、それぞれの成形ステーションまで延びる少なくとも1つの流体通路を有する、少なくとも1つの滅菌有機体増殖培地の供給源と、それぞれのストッパを、ブロー成形ステーションの1つに保持されるそれぞれの容器の本体の上部へ送り込む電気機械的運搬システムを有する、少なくとも1つのエラストマーストッパの供給源と、を備えることができる。
【0029】
このシステムは、ニードルを備えた対応する流体通路を有する、少なくとも1つの真空源を更に備えることができ、このニードルは、ブロー成形ステーションが容器の本体を保持している間に、ブローピンを通って下方に移動し、容器の本体に取付けられたそれぞれのストッパを通って延び、それによって容器の本体の内部容積を真空吸引するように構成される。
【0030】
このシステムは、それぞれの成形ステーションまで延びて、滅菌ガスを成形ステーションが保持する容器の本体の内部容積に流すように構成される流体通路を有する、加圧された滅菌ガス源を備えることができる。
【0031】
更に他の実施形態は、培養容器に向けたものである。この培養容器は、内面を持つブロー成形された容器の本体を含み、この内面は当該内面に付着する比色センサ材料の層を有し、当該比色センサ材料は容器の底部上方にある距離だけ立ち上がり内壁下部の表面を覆う薄い層である。容器の本体は、137℃のオートクレーブ温度に15分間さらされた場合に、(i)半透明若しくは不透明になること、(ii)透過的になること、又は(iii)構造的な剛性が低下し、その結果、視覚的に透光性の培養容器として使用するのに適さなくなること、の少なくとも1つが起こり得る。
【0032】
なお、ある実施形態に関して説明する本発明の態様を、明記していなくても別の実施形態に組み込むことができる。すなわち、あらゆる実施形態、及び/又はあらゆる実施形態の構成を、任意の方法及び/又は組み合わせで結合することができる。出願人は、出願当初の特許請求の範囲を任意に変更する権利を有し、また任意の新たな請求項を状況に応じて提出する権利を有する。これらの権利には、出願当初の任意の請求項を補正して、他の任意の請求項における任意の構成に従属させること、及び/又は当該構成を組み込むことが、出願当初の特許請求の範囲に記載されていなくてもできる権利が含まれる。上述した、そして他の、本発明の目的及び/又は態様を、本明細書で以下詳細に説明する。
【0033】
当業者にとって、以下の図面及び詳細な説明の記載を検討することで、本発明の実施形態に係る他のシステム及び/又は方法が明らかとなるであろう。このような更なるシステム、方法、及び/又は装置のすべてが、この詳細な説明に含まれ、本発明の範囲内であり、添付の特許請求の範囲によって保護されることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の実施形態に係る典型的な培養容器の断面図である。
図2】本発明の実施形態に係る典型的な培養容器の上部の部分断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る培養容器を製造することができる典型的な工程のフローチャートである。
図4】本発明の特定の実施形態に係る培養容器を製造することができる典型的な工程のフローチャートである。
図5A】本発明の実施形態に係るブロー成形工程を用いる、容器の製造に関連する典型的な処理ステップ及び構成要素の概略図である。
図5B】本発明の実施形態に係るブロー成形工程を用いる、容器の製造に関連する典型的な処理ステップ及び構成要素の概略図である。
図5C】本発明の実施形態に係るブロー成形工程を用いる、容器の製造に関連する典型的な処理ステップ及び構成要素の概略図である。
図6】本発明の実施形態に係る培養ボトルを大量生産する製造システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
添付の図面と関連する、以下の本発明の典型的な実施形態の詳細な説明から、本発明の他の構成がより容易に理解されるであろう。
【0036】
本発明の実施形態を示す添付図面を参照して、本発明を以下より完全に説明する。しかしながら、本発明を他の様々な形態で具現化することができる。本発明を本明細書で説明する実施形態に限定して解釈すべきではなく、むしろ、完全かつ徹底的に開示を行うとともに、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるために、実施形態を提供する。
【0037】
各図にわたって、同様の符号は同様の構成要素を指す。図面を明瞭にするため、ある線の厚さ、層、部品、構成要素又は構成を誇張することがある。他の箇所で特定しない限り、破線は任意的な構成又は工程を示す。ある実施形態に対して示し議論する1つ以上の構成を、たとえ他の実施形態で明確に説明又は図示していなくても、当該他の実施形態に含めることができる。
【0038】
本明細書で用いる用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で用いる「a」、「an」又は「the」は、他の箇所で文脈上表明しない限り、単数のものだけでなく複数のものも含むことを意図する。さらに、本明細書で使用する「備える」及び/又は「備えている」という用語は、言及する構成、整数、ステップ、工程、構成要素、及び/又は部品が存在することを特定するが、他の構成、整数、ステップ、工程、構成要素、部品、及び/又はこれらの組み合わせの存在や付加を除外するものではない。本明細書で使用する「及び/又は」という用語は、列挙した関連項目の1つ以上の任意かつあらゆる組み合わせを含む。本明細書で使用する、「XからYの間」及び「約XからYの間」等の表現は、X及びYを含むと解釈すべきである。本明細書で使用する、「約XからYの間」等の表現は、「約Xから約Yの間」を意味する。本明細書で使用する、「約XからYまで」等の表現は、「約Xから約Yまで」を意味する。
【0039】
他の箇所で定義しない限り、本明細書で用いる(専門用語及び科学用語を含む)あらゆる用語は、当業者が一般に理解する意味を持つ。さらに、一般に使用される辞書で定義された用語等は、明細書及び関連技術のコンテクストに一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されない限り、理想化された意味又は過度に形式的な意味に解釈されるべきではない。簡潔性及び/又は明瞭性の観点から、周知の作用又は構造を、詳細に説明しないことがある。
【0040】
例えば、『「上に」存在する』、『に「取付けられる」』、『と「接続する」』、『と「連結する」』、又は『と接触する』等と記載される構成要素を、ある構成要素の上に直接存在させ、直接取付け、直接接続し、直接連結し、又は直接接触させることができ、また介在する構成要素を存在させることもできる。その一方、例えば、ある構成要素に対し、他の構成要素が、『「上に直接」存在する』、『に「直接取付けられる」』、『と「直接接続する」』、『と「直接連結する」』、又は『と直接接触する』と記載される場合には、介在する構成要素は存在しない。当業者は、ある構造又は構成が、他の構成に「隣接する」との記載では、ある構造又は構成が、他の構成と重なり合う部分を有することがある、又は他の構成の基礎となることがあることも、理解するであろう。
【0041】
図面に示されるような、ある構成要素又は構成と、他の構成要素又は構成との関係の説明を容易にするために、「下に」、「下方に」、「下方の」、「上方に」、「上方の」等の空間的な相対表現を、本明細書中で使用することがある。空間的な相対表現は、使用中又は動作中の装置に対して図面で描かれる方向に加えて、他の方向も含むことを理解するであろう。例えば、図中の装置を逆さまにした場合に、ある構成要素又は構成の「下に」又は「真下に」存在すると説明した他の構成要素は、ある構成要素又は構成の「上方に」存在するであろう。したがって、典型的な表現「下方に」は、上方及び下方の両方を含むことができる。装置は別の角度(90°回転させた方向又は他の方向)を向くことができ、本明細書で用いる空間的な相対記述語をしかるべく解釈することができる。同様に、本明細書では、他の箇所で明示しない限り、「上方へ」、「下方へ」、「垂直方向の」、「水平方向の」等の用語を、説明のみを目的として使用する。
【0042】
「第1の」、「第2の」等の用語を本明細書で用いて、様々な構成要素、部品、領域、層、及び/又は部分を限定することなく説明できることが理解されるであろう。これらの用語は、ある構成要素、部品、領域、層、又は部分を、他の領域、層又は部分と区別するためにのみ用いられる。したがって、以下で議論する第1の構成要素、部品、領域、層、又は部分を、本発明の教示から離れることなく、第2の構成要素、部品、領域、層、又は部分と呼ぶことができる。他の箇所で明示しない限り、一連の工程(又はステップ)は、特許請求の範囲又は図面で提示した順序に限定されない。
【0043】
用語「約」は、指定された数又は値から±20%のばらつきを含むことができることを意味する。
【0044】
用語「試料」は、内容物の検査又は分析を受ける対象物を指す。試料は、食料試料、環境試料(水、空気、土壌等)、又は生物試料とすることができる。検査を、商業生産施設で製造される食品の、EPA(アメリカ合衆国環境保護庁)に対する、意図的にせよ無意識にせよ人工の、環境毒素又有害物質に関する品質管理とすることができる。また医療(臨床診断)目的の検査をすることができる。
【0045】
用語「生物試料」は、人体組織、動物組織、血液、血漿、血清、血液分画、関節液、尿、精液、唾液、便、脳脊髄液、胃内容物、膣分泌物、組織ホモジネート、骨髄穿刺液、骨ホモジネート、痰、洗浄、吸引物、スワブ、スワブすすぎ液、(血小板、血清、血漿、白血球細胞分画等の)血液製剤、ドナー臓器、組織標本等を指す。ある実施形態では、検査される生物試料は、血液検体、尿、脳脊髄液、洗浄、粘液、又は、他の分析のための固体試料若しくは液体試料であり、これらの試料は、病原菌、微生物、毒素、及び/若しくは気泡材料、又は他の興味がある成分を有することができる。本発明の実施形態は、動物医療、人体医療、又は人体及び/若しくは実験動物の研究に適切となり得る。一般に、既知の任意の検査資料(生物試料又は標本等)を使用することができる。例えば検査資料を、1つ以上の微生物因子を含んでいると疑う、臨床試料又は非臨床試料とすることができる。他の試験例には、食品、飲料、薬剤、化粧品、水(飲料水、非飲料水及び排水等)、海水バラスト、空気、土壌、下水、植物原料(種子、葉、茎、根、花及び果実等)及び生物兵器試料を含むことができるが、これらに限定されない。
【0046】
用語「滅菌」及びその派生語は、注目する装置又は材料が、臨床、健康、消費者製品等の意図する用途で適切となるため、分析される試料中の、毒素、病原体、微生物又は他の対象汚染物質の存在検査で、少なくとも規定の保存可能期間の間、実質的に(完全ではないにせよ)汚染物質が含まれないようにする、規定の(食料又は医療の)滅菌ガイドラインに適合し又は上回ることを意味する。試料を容器に入れたまま分析することができる。試料を運搬及び/又は培養した後、分析のために容器内に移すことができる。
【0047】
用語「無菌」は、用語「滅菌」と互換的に使用する。ある実施形態では、無菌の処理又は製造は、例えば、米国保健・福祉省の食品医薬品局による、Guidance for Industry - Sterile Drug Products Produced by Aseptic Processing - Current Good Manufacturing Practice(2004年9月)に関連する、GMP(適正製造規範)業界ガイドラインに適合する。用語「滅菌環境」とはこのGMPに適合する環境を指し、適切なクリーンルームを用いて無菌環境を画定することができる。
【0048】
本発明の実施形態を、無菌ブローフィルシール機械のため、及び/又はブローフィルシール後の組立ステップのために、クリーンルーム状態が維持される任意の状況で使用することができる。ブローフィルシール後の組立ステップとは例えば、容器をブローフィルシール機械に保持しながら行う、トリム、真空圧着密封、又は真空処理を施した後のトリム圧着密封等である。ある実施形態では、クリーンリームは、米国連邦規格「FED-STD-209B」に示される、クラス1、クラス10、クラス100、クラス1,000、クラス10,000又はクラス100,000の条件に適合することができる(FED-STD-209B(1973年4月24日、1992年改訂)「Clean Room and Work Station Requirements, Controlled Environment」を参照し、その全内容を参照により本明細書に援用する)。
【0049】
用語「パリソン」は、材料のプリフォームを指し、パリソンは引き続き、当業者が周知の従来型ブロー成形工程(典型的には押出ベースの方法)により、加圧されたガスを用いて、周囲の型で画定される形状にブロー成形される。
【0050】
用語「自動」とは、手作業ではなく、自動化された電気機械設備を用いて工程を実施することを意味する。
【0051】
図面を参照して、図1は、典型的な試料培養容器10を示す。容器10は、典型的には内部容積10v及び外壁10wを有し、最外幅寸法(W)が高さ寸法(H)よりも小さい、細長の容器である。ある実施形態では、高さ(H)は幅(W)の2倍よりも大きく、 H > 2W である。ある実施形態では、容器10は、最大外径が約1−2インチであり、高さが約2−5インチの管状体である。ある特定の実施形態では、容器10は、外径が約1.36インチ(34.6ミリメートル)で、高さが約4.68インチ(119ミリメートル)である。
【0052】
容器10の形状を、標準的な培養ボトル(例えば血液培養ボトル)の形状とすることができる。しかしながら、培養ボトル(例えば血液培養ボトル)の説明は、例示を目的とするものであり、限定を目的とするものではない。容器10は、容器10の内容物の患者データ及び/又は試験パラメータを、自動的に読み取るためのバーコードラベル(図示せず)を備えることができる。ある実施形態では、容器10の上部は、狭窄部又は首部12を含むことができる。容器10は、セルフ(再)シールの穿刺可能な材料及び/又は隔壁18pを任意に有する、エラストマーストッパ18を含むこともできる。
【0053】
容器10は、(空気ではない)対象ガス又はガス混合物を収容できるヘッドスペース16を有することができる。後述する製造時に、ヘッドスペース16のガス17を容器10内へ導入することができる。ヘッドスペース16を様々なミリリットルの領域とすることができ、ヘッドスペース16に様々な(滅菌)ガス17を使用することができる。典型的には、ヘッドスペースの容積は、約20ミリリットルから約100ミリリットルの間である。ヘッドスペース16及びガス17の一例は、約50ミリリットルのヘッドスペース、100%の酸素ガスである。他の例は、約30ミリリットルのヘッドスペース、約20%の二酸化炭素と約80%の酸素である。更に他の例では、約30ミリリットルのヘッドスペース、100%の窒素である。更に他の例では、約70ミリリットルのヘッドスペース、約2.5%の二酸化炭素と約42.4%の窒素と約55%の酸素である。このように、容器に導入するガスを、酸素、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、又はこれらのガスの組み合わせとすることができる。3−20水銀柱インチ(例えば約4.5水銀柱インチ、約8水銀柱インチ又は約17水銀柱インチ)の真空の容器に、ガスを導入することができる。
【0054】
ある実施形態では、図2に示すように、ストッパ18を覆う、アルミニウム又は他の適切な材料等のキャップ25を、容器10の上部に配置することができる。キャップ25は典型的にはストッパ18に圧着している。
【0055】
ある実施形態では、容器10は、内容物を光学的に(比色又は蛍光等によって視覚的に)検出するために、容器10の底部に形成又は配置された内部センサ21(例えば液状エマルジョンシリコーン(「LES」)センサ)を有することもできる。例えば容器10内の微生物の増殖の有無を検出する。容器10は、透光性の材料の本体を含むことができる。本体10bは、試験時に、実質的に透明又は十分に半透明であり、容器の内容物を視覚的に検出できる壁10wを有することができる。様々なセンサ技術が、技術的に利用可能であり、適切となり得る。ある可能な実施形態では、検出ユニットは、特許文献1−2、米国特許第5,162,229号明細書、米国特許第5,164,796号明細書、米国特許第5,217,876号明細書、米国特許第5,795,773号明細書、及び米国特許第5,856,175号明細書(これら文献の全内容を参照により本明細書に援用するものとする)に記載された比色測定を行う。容器が有益であるかは、これらの特許明細書で説明されるような比色測定を行えるかによって決まる。あるいは、検出を微生物の内部蛍光を用いて行うことができ、及び/又は培地の光学散乱の変化を検出することができる(例えば2009年7月22日に出願した同時係属中の米国出願第12/460,607号の明細書、発明の名称「Method and System for Detection and/or Characterization of a Biological Particle in a Sample」を参照。この明細書の全内容を参照により本明細書に援用するものとする)。更に他の実施形態では、培地中、又は容器のヘッドスペース中の、揮発性有機化合物の発生を検出又は感知することで、検出を行うことができる。
【0056】
ボトル内の有機体の有無を分析する典型的な分析機器には、特許文献1−2、米国特許第6,709,857号明細書、米国特許第5,770,394号明細書、米国特許出願公開第2011/0124028号明細書及び国際公開第94/26847号パンフレットに記載される機器が含まれる。これらの明細書の全内容を参照により本明細書に援用するものとする。援用した米国特許出願公開第2011/0124028号明細書でより詳細に説明されるように、自動検出システムは、1つ以上の測定、読み取り、走査及び/又は標本容器の画像取得を行うための、1台以上のワークフローステーションを備えることができ、それにより、情報を提供することができる。この情報は、容器の種類、容器のロット番号、容器の使用期限、患者情報、試料の種類、試験の種類、充填レベル及び重量測定結果等である。
【0057】
容器10は、病原菌又は微生物の増殖を促進及び/又は増強する、増殖培地又は培養培地14を更に含むことができる。微生物を培養するために増殖培地又は培養培地を使用することは、周知である。適切な増殖培地又は培養培地は、微生物を増殖させるために適切な栄養条件及び環境条件をもたらす。適切な増殖培地又は培養培地には、標本容器10内で増殖させる微生物が必要とする、あらゆる栄養素を含めるべきである。微生物を増殖させるのに十分な(種ごとに変わる)時間間隔が経過した後、病原菌又は微生物の増殖の有無を評価するために、容器10を自動検出システム内で試験することができる。この試験を連続的に行うことができ、又は、容器の内容物で微生物が増殖したことを可及的速やかに電子的に判断して、この試験を断続的に行うことができる。
【0058】
容器10は、後述のようにブロー成形される、本体10bを含む。(例えば熱可塑性材料の)本体10bを、成形されたポリマーとすることができ、ポリマー(プラスチック)材料の単一層から製造することができる。容器の本体10bを形成するために用いる材料を、適切な保存可能時間をもたらす通常の環境圧で、容器の本体が視覚的に透光性であり実質的に不透過的であるように選択することができる。従来の容器と異なり、容器の本体10bは、オートクレーブを行うのに必要な特性(耐高温性、耐圧性及びオートクレーブ蒸気への耐性等)が不要である。有益な材料の例には、ポリカーボネート、ポリオレフィン(ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)若しくは環状オレフィン(COC)等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)若しくはポリエチレンナフタレート(PEN)等)、ポリアミド(ナイロン)、又は他のプラスチック技術で周知の材料が含まれるが、これらに限定されるものではない。非晶質ナイロン等の非晶質プラスチックは、高透明性を示し、同様に適切となり得る。
【0059】
成形されたポリマー材料は、オートクレーブ処理のオートクレーブ温度よりも低い温度定格を有することができる。例えばこの成形体がオートクレーブ温度にさらされた場合には、成形体が不透明になり、透過性が不適切になり、過度に軟弱若しくは柔軟になり、又は機械的、化学的及び/若しくは光学的性能パラメータが不所望に悪化するおそれがある。ここで、用語「透過的」は、酸素透過率が0.2 cc/day/atm よりも大きいことを指す。密封された容器10をオートクレーブすると、ポリマー材料が有する温度定格がオートクレーブ温度よりも低いため、透過性が不適切となるおそれはある。酸素透過率を評価するために、密封された容器を、1気圧、相対湿度(「RH」)40%かつ室温20℃の試験条件で保持することができる。酸素透過率を、ASTM F-1307を使用して、MOCON酸素透過率測定装置OX-TRAN(登録商標)2/61で測定することができ、又は、他の適切な装置及びプロトコルで測定することができる。
【0060】
容器の本体10bは、ガスバリア材料の外部フィルム(収縮包装フィルム又は熱可塑性ポリマーフィルム等)を備えることができる。
【0061】
容器の本体10bを表面処理することができ、また容器の本体10bは、ガスバリア材料の外部コーティング(及び/又は内部コーティング)を含むことができる。化学気相成長法、プラズマ処理、流し塗り、浸し塗り又は吹付け塗りを用いてコーティングを施すことができる。コーティングの材料を、ポリウレタン、エポキシ、炭素、パリレン、シリカ、ポリビニルアルコール(PVOH)、又はポリ二塩化ビニリデン(PVDC)を含む材料とすることができる。
【0062】
図3は、本発明の実施形態に係る試料容器を製造するために使用でき、従来のブローフィルシール処理を改善して経済的な培養容器を作る、典型的な工程を示す。ブローフィル処理の例は、米国特許第4,584,823号明細書、米国特許第4,995,519号明細書、米国特許第5,090,581号明細書、米国特許第5,356,052号明細書、米国特許第6,383,166号明細書、米国特許第6,860,405号明細書、米国特許第7,028,862号明細書に記載されており、これらの文献の全内容を参照により本明細書に援用するものとする。ステップのいくつか又は全てを滅菌環境で(1部屋以上のクリーンルームで)実施することができる。
【0063】
一般的に言えば、本発明の実施形態は、それぞれの培養容器の全製造処理を、ブローフィルシール処理機械350(図6)により無菌で実施する、ブローフィルシール方法及びシステムを提供する。この方法及びシステムは、パリソンを形成するステップと、液状エマルジョンシリコーンを導入するステップと、容器をブロー成形するステップと、液状エマルジョンシリコーンを硬化させるステップと、増殖培地を導入するステップと、ゴムストッパーを取付けるステップと、真空状態を生み出すステップと、成形した容器の本体の上部を締め付けて内容物を密封するステップと、その後、ポリマーの当該本体の締め付けた上部を除去するステップと、圧着シールを取付けて容器の上部を密封するステップと、のみを含む。
【0064】
ある実施形態では、ストッパを容器の本体の上部に付け、柔軟なポリマーの首部を締め付けて閉じた後の処理の一部を、機械350(図6)の外側の滅菌環境500で実施することができる。滅菌環境500を機械350と同じ室内に存在させることも、異なる室内に存在させることもできる。
【0065】
したがって、ある実施形態では、パリソンを形成するステップと、液状エマルジョンシリコーンを導入するステップと、容器をブロー成形するステップと、液状エマルジョンシリコーンを硬化させるステップと、培地を導入するステップと、ゴムストッパーを取付けるステップと、真空状態を生み出すステップとを、機械350(図6)で実施することができ、(真空処理を施す前又は後の、首部がまだ熱い間に)容器の本体の首部を締め付けて閉じることができる。続いて、機械350と同じ室内又は異なるクリーンリーム内とすることができる滅菌環境で、密封した容器の本体の上部をトリムして圧着シール(アルミニウムのキャップ等)を付けて容器を密封し、使用/出荷するための準備を完了させることができる。
【0066】
また、ある実施形態では、ブローフィルシールには、パリソンを形成するステップと、液状エマルジョンシリコーンを導入するステップと、容器をブロー成形するステップと、液状エマルジョンシリコーンを硬化させるステップと、培地を導入するステップと、ゴムストッパーを取付けるステップとを含むことができ、これらのステップのすべてを機械350で実施することができる。その後、(例えば図6の機械350と同じ室内の)滅菌環境500で、又は異なる滅菌環境若しくは異なるクリーンルームで、密封した容器の本体の上部をトリムすることができ、真空状態を生み出すことができ、例えばアルミニウムのキャップを用いて容器の上部を圧着密封することができる。
【0067】
図3に示すように、培養容器が、その上部で、エラストマー(ゴム等)のストッパを保持し、培養増殖培地と、エラストマーストッパの下方の容器のヘッドスペース内の制御された体積の非空気ガスとを取り囲む、画定された形状となるように、無菌のブローフィルシール処理を用いて培養容器10を形成することができる(ブロック100)。処理ステップ100の一部又は全部を実施するブローフィルシール機械350(図6)を、滅菌環境500内に存在させることができる。ストッパを、予め形成された(かつ予め滅菌された)固形のストッパから形成することができ、又は、現場でそれぞれの型から形成することができる。容器の材料は、オートクレーブ温度に耐える必要はなく、成形した後に視覚的に透明又は半透明な、滅菌ポリマー材料とすることができる(ブロック102)。
【0068】
成形した材料の上部の外側をトリムして、エラストマーストッパを露出させることができる(ブロック105)。ストッパを通して真空ピン又は真空ニードルを挿入して、容器内に真空状態を生み出すことができる(ブロック110)。ストッパを覆うキャップを容器に取付ける(圧着密封する)ことができる(ブロック115)。充填後又は密封後のオートクレーブステップは不要であり(ブロック120)、容器は即時出荷又は使用可能となる(ブロック118)。パリソンをそれぞれの型キャビティ内に配置する前、配置した後又は配置している間に、滅菌された液状エマルジョンシリコーン又は他のセンサ材料を、パリソン内に流動可能に入れることができる(ブロック103)。センサ材料を入れた後に、滅菌増殖培地も導入することができる。ステップ105、110及び115を、別個の滅菌環境で、又はブローフィルシール機械350の外で実施することができる。
【0069】
図4は、周知のブローフィル装置を用いて多数の容器を一度に作ることができる、本発明の実施形態に係る無菌のブローフィルシール処理の典型的な工程を示す。ポリマー材料を射出又は押出してパリソンとする(ブロック200)。予め滅菌された液状エマルジョン比色材料(液状エマルジョンシリコーン(LES)等)を熱い又は加熱されたパリソン内に(少なくともパリソン内の下部に)流動可能に入れることができる(ブロック205)。ある実施形態では、液状エマルジョンシリコーンを導入するときに、パリソンのレベルを(室温よりも)高めることができる。ある実施形態では、液状センサ材料をパリソン内に流動可能に導入するときに、パリソンの温度を約25℃から約150℃の間とすることができる。その後、パリソンをそれぞれの型に吹き込み、それぞれの型キャビティの形状に膨張させて、成形された容器を形成することができる(ブロック210)。その後、成形した容器を冷却して、比色材料(液状エマルジョンシリコーン等)を容器内で硬化(凝固)させることができ(ブロック215)、典型的には成形した容器の底部の内面に直接付着、直接接着及び/又は直接接合させることができる。パリソンをブロー成形する処理において、ブロー成形と実質的に同時に、液状エマルジョンシリコーンを流動させ硬化させることができる。あるいは、ブロー成形後の短い時間枠内に硬化を行うことができる。接着促進剤を必要とすることなく、センサ材料を容器の内面(典型的には少なくとも内面の下部又は底部)に付着させることができる(ブロック216)。パリソンが関連する型に保持されている間に、予め滅菌された培地をそれぞれの膨張させたパリソンに入れることができる(ブロック220)。型を開いた後に培地を容器に入れることもできる。加圧されたガス供給源又はガス源から規定の滅菌ガスを、(例えば真空状態が生み出されている)それぞれの容器のヘッドスペース内に流すことができる(ブロック225)。滅菌エラストマーストッパを、(任意に型内に依然として保持することができる)容器の上端部内に又は上端部上に、挿入することができる(ブロック230)。
【0070】
容器の上部を締め付けて、ストッパの上方を閉じることができる。容器の上部の締め付けた部分をトリムすることができ(ブロック250)、圧着シールのキャップを容器に付けることができる(ブロック260)。これらのステップを、ブローフィルシール機械で実施することも、ブローフィルシール機械の外、かつ同一又は異なる滅菌環境500内で実施することもできる。
【0071】
(ブロック250に対する破線で示すように)使用する滅菌ガス又は真空状態を容器内に導入する前又は後に、ブローフィルシール機械で、又はこの機械の外ではあるが滅菌環境で、ストッパを取付けることができる。パリソンを押出ヘッド及び/又はブローピンに取付けたまま、ストッパを導入することができる。
【0072】
ポリマー材料は、熱可塑性材料を含むことができる(ブロック201)。材料を例えば、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエチレン及びナイロンの1つ以上を含む材料の、1つ又はこれらの組み合わせとすることができる(ブロック202)。容器の材料は、1つ以上のポリマー材料の添加剤を含むことができる。添加剤は例えば、透明性向上剤、核剤、処理剤、脱酸素剤及び/又はガスバリア性ポリマーを含むことができる。容器の材料は、実質的に不透過的とすることができ、生物学的に危険な試料を内容物として保持するのに適切である(ブロック203)。容器の材料を視覚的に透光性とすることができ、典型的には透明とすることができる。
【0073】
液状エマルジョンをパリソンに入れるときに、パリソンを実質的に硬質又は半硬質とすることができる(ブロック206)。用語「半硬質」は、環境条件にさらされたときに、構造体が自己支持形であること、又は構造体が形状を保つこと、(しかしながら圧力を構造体に加えたときに構造体は曲がり又はたわむことができること)を意味する。培地は、微生物の増殖を促進又は増強する培養増殖培地を含むことができる(ブロック222)。培地は、好気性生物用又は嫌気性生物用の増殖培地を含むことができる(ブロック223)。
【0074】
(ブローフィルシール機械で、又は滅菌環境で処理するために当該機械から取り去った後に、)成形した材料の上部の外側をトリムして、エラストマーストッパを露出させることができる(図3のブロック105)。ストッパを通して真空ピン又は真空ニードルを挿入して、容器内に真空状態を生み出すことができる(図3のブロック110)。このブロックを、容器の上部を締め付け閉じる前、かつ、容器がブローフィル機械350(図6)に存在する間に、実施することができる。また、このブロックを、容器の上部を締め付け閉じた後に、ブローフィル機械350(図6)外の滅菌環境で、実施することができる。(任意に、)その後ストッパを覆うキャップを容器に取付ける(典型的には圧着密封する)ことができる(図3のブロック115)。充填後又は密封後のオートクレーブステップは不要であり(図3のブロック120)、容器は即時出荷又は使用可能となる。
【0075】
(使用する)ストッパ、センサ材料及び増殖培地を、例えば滅菌処理、オートクレーブ、電子ビーム(eBeam)、ガンマ線照射、エチレンオキシド又は蒸気化過酸化水素等の従来の滅菌技術を用いて、予め滅菌することができる。さらに、充填後又は密封後に、オートクレーブを行うことなく、アルコールで拭いたり、気化した過酸化水素(VHP)で表面除染したりすること等で、容器10の外面を滅菌することができるが、かかる処理は必須ではない。
【0076】
図5A図5Cは、本発明の実施形態に係る培養容器10を製造するために用いることができる典型的な工程を示す。図5Aに示すように、パリソン10pを成形機350で形成し、続いて型キャビティ350cでブロー成形して容器の本体の形状10bを形成する。成形機350は、押出ヘッド360及びブローピン365を備えることができる。成形機350を滅菌環境500(適切なクラスのクリーンルーム等)に置くことができる。図5Aにも示すように、パリソンが熱い(周りより温度が高い)間に、センサ材料21をブローピン365を通じてパリソン10p内へ流動可能に導入して、その後図5Bに示すように嵌合可能な型キャビティを閉じる。センサ材料21を硬化させて、膨張した形状の容器の内面に付着させる。センサ材料21は、底部を覆う内部コーティングとなることができ、内部側壁の少なくとも一部を連続又は非連続に覆うこともできる。図5Bは、型キャビティ350cが閉じているとき、かつ容器の本体を形成(ブロー成形又は膨張)した後に、増殖培地314を導入できることを示す。他の実施形態では、センサ材料を導入した後、かつブロー成形ステップの前に、増殖培地314を導入することができる(図示せず)。更に他の実施形態では、増殖培地は不要である。
【0077】
ストッパ18を取付ける前又は後に、パリソン10pの残余物(又は「フラッシング」)10r(図5B)をトリムすることで、容器の本体10bの上部にアクセスできる。(典型的にはストッパ18を取付けた後に、)ブローフィルシール機械350で、成形されたポリマーの容器の上部を締め付けて閉じることができる。
【0078】
図5Cは、ストッパ18を容器の本体10bに取付けることができ、任意に真空源320が、ニードル、ピン又は他の部材322を用いて、容器の本体と連絡して所望の真空吸引を行うことができることを示す。この工程中に、型350cを開閉することができる。同様に、ストッパ18を取付ける前又は後に、ブローピン365、ニードル又は他の導入器を用いて、ガス源317(図6)から、加圧した滅菌ガス混合物又は滅菌ガス17(図1)を、容器の本体10bへ導入することができる。機械350が容器の本体を保持し、かつ型キャビティ350cが閉じている又は開いているときに(典型的には型キャビティ350cは閉じている)、滅菌ガス又は滅菌ガス混合物17を導入することができる。
【0079】
典型的には予め形成した固体のストッパを準備するが、ストッパを現場のそれぞれの型で形成することができる。
【0080】
図5B及び図5Cは、内部にセンサ材料を有する容器の本体をパリソンからブロー成形し、続いてセンサ材料を硬化させることにより、センサ21を従来の培養ボトルとは異なる構造にできることを示す。例えば、センサ材料は薄い層を形成することができ、この層は容器の本体の内面を距離「D」立ち上がることができ、典型的には、Dは約0.1ミリメートルから約10ミリメートルの間である。センサ材料21を、変色を検出するために、容器の底部の内面を覆わせることができる。用語「薄い」は、センサ材料が付着する容器の壁の厚さよりも、層の厚さが小さいことを指す。センサ材料の層の厚さを、約0.1ミリメートルから50ミリメートルの間とすることができ、典型的には約1ミリメートルから10ミリメートルの間とする。
【0081】
図6は、容器10を大量生産するための自動化システムを示す。図示するように、システム300は、一連の工程(及びタイミング)を制御して、バルブ「V」、流体ポンプ、コンプレッサ、及び/又は容器を製造する自動化大量生産/商業処理を促進する他の装置を同期させるように構成される(少なくとも1つのプロセッサを有する)少なくとも1つのコントローラ310を備える。この自動化大量生産/商業処理とは、センサエマルジョン材料を加熱された又は熱いパリソン等に流動可能に導入した後に、パリソンに向けてそれぞれの型を閉じる工程等のブロー成形工程を含む。1つ以上の滅菌されたマニフォルド300mは、加圧された滅菌ガスの滅菌されたコンテナ又は供給源317と、他の材料の滅菌されたコンテナ又は供給源とを、成形機350に接続することができる。他の材料のコンテナ又は供給源には例えば、パリソン(ブロー成形される容器)の材料のホッパー又は他の供給源10m、滅菌の又は滅菌された増殖培地のコンテナ314、滅菌の又は滅菌された液状エマルジョンシリコーン又は他のセンサ培地のコンテナ321、及び真空源320が含まれる。成形機350は、少なくとも2つ(典型的には3つ以上)の成形ステーション350a及び350bを含むことができる。成形ステーション350a及び350bは、それぞれの型キャビティと連絡して成形された容器を形成する関連ブローピン365を有する、当業者が既知の押出ヘッド360を共用することができ、又は押出ヘッドをそれぞれの成形ステーションの専用とできる。
【0082】
システム300全体を1つ以上の滅菌環境500に存在させることができるが、少なくとも機械350を滅菌環境に配置して、他の構成要素に、滅菌の閉鎖された搬送路又は供給路を持たせることも考えられる。いくつかの工程(トリム、圧着密封等)を機械350の外で実施する場合には、カート又は他の滅菌閉鎖コンテナを用いて、異なる滅菌環境又は異なるクリーンルーム(図示せず)へ運ぶことができる。
【0083】
それぞれのパリソン内へ流動可能に導入される一部又はそれぞれの構成要素用の流体通路は、ブローピン365を備えることができる。ブローピン365は例えば、ブローフィル工程の所望の時間に加圧された空気をパリソンに入れる金属チューブである。したがって、真空源320に関連する、ニードル、経路を有するピン、又は他の真空導入器322は、ピン365を通り、ストッパ内へ又はストッパを通って下方に延びることができる。このステップの前に、ピンを通じてストッパを送り込むことができ、又は異なる機構を用いてストッパを挿入することができる。電気機械的運搬システム1318を有する少なくとも1つのエラストマーストッパ供給源を用いて、ストッパを設けることができる。電気機械的運搬システム1318は、それぞれのストッパを適切な姿勢で送り込み、成形ステーション350a及び350bの型キャビティに保持される、それぞれの容器の本体10bの上部にストッパを密封に取付ける。
【0084】
ピンの経路又は他の流体通路を用いて、ガス供給源317からの滅菌ガス17、滅菌されたセンサ材料供給源321からのセンサ材料(エマルジョン材料等)21及び滅菌された培地供給源314からの滅菌された増殖培地14を、流動可能に導入することができる。
【0085】
システム300をクリーンルーム500に収容することができる。システム300は、流体通路に存在し、大気又は他の構成要素に対して工程中に開くことができるフィルタを備えることができる。クラス100,000、クラス10,000、クラス1,000又はクラス100等の所望の清浄度レベル又はクラスまで濾過するように、このフィルタを構成して、閉塞状態を促進することができる。ブローフィルシール機械350の外の異なる場所でキャップ25を付ける場合には、キャップ25を滅菌環境又はクリーンルームで付けることができる。
【0086】
容器10の使用例の一つは、中に微生物が含まれている疑いがある試験試料(血液試料等)を培養して、試験試料中の微生物の増殖を検出する際に使用することである。この方法は、(a)微生物の増殖を促進又は増強する、培養培地又は増殖培地14を備える標本容器10を設けるステップと、(b)試験試料又は標本を容器に導入するステップと、(c)標本容器の試験試料を(例えばボトルをインキュベーション器具に配置することで)インキュベートするステップと、(d)標本容器の微生物の増殖を、手作業で又は自動的に監視するステップと、を含む。
【0087】
容器10の他の使用例は、工業品質、環境品質又は安全性を、評価又は監視するために、試験試料(食料試料又は環境試料等)を培養して、試験試料中の微生物の増殖を検出することである。この方法は、(a)微生物の増殖を促進又は増強する、培養培地又は増殖培地14を備える標本容器10を設けるステップと、(b)試験試料又は標本を容器に導入するステップと、(c)標本容器の試験試料を(例えばボトルをインキュベーション器具に配置することで)インキュベートするステップと、(d)標本容器の微生物の増殖を、手作業で又は自動的に監視するステップと、を含む。
【0088】
上述の説明は、本発明の実施形態の例示であり、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明の例示的な実施形態をいくつか説明したが、この例示的な実施形態における多数の変形例を、本発明の新規の教示又は効果から実質的に離れることなく実施できることを、当業者は容易に理解するであろう。したがって、かかる変形例の全ては、特許請求の範囲で定められる本発明の範囲に含まれることを意図する。本発明は、特許請求の範囲によって定められ、特許請求の範囲の均等物を含む。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6