(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
発光ダイオード(LED)デバイスの第1のエリアをレーザーによってアブレートする工程を含む方法であって、前記LEDデバイスは、支持体上のナノワイヤのアレイを含み、前記レーザーアブレーションは、前記LEDデバイスの第1の電極を形成するために、前記ナノワイヤの第1の導電型の半導体ナノワイヤコアに電気的に接続された前記支持体の導電層を露出し、
前記方法は、前記LEDデバイスの第2の電極を形成する工程を更に含み、前記第2の電極は、前記ナノワイヤの第2の導電型の半導体ナノワイヤシェルに電気的に接続され、
前記第2の電極が、
前記導電層の下部の前記支持体の基板層を露出するための第2のエリアのレーザーアブレーションによって個々のLEDを除去し、
前記LEDデバイスの前記第2のエリアは絶縁材料によってほぼ完全に被覆され、前記ナノワイヤの間のエリアは前記絶縁材料によって被覆されず、それによって、前記ナノワイヤの前記シェルは露出されるように、傾斜した成膜によって前記LEDデバイス上に前記絶縁材料を成膜し、
前記ナノワイヤシェルと接触する第2の電極を形成するために、前記露出されたナノワイヤシェルに導電性材料が接触するように、前記LEDデバイスを覆う前記導電性材料を成膜し、
前記導電層を再び露出させ且つ前記第1の電極を再形成するために、前記第1のエリアで導電性材料及び絶縁材料を除去することによって、
形成されることを特徴とする方法。
前記レーザーアブレーションは、1μm×1μmのエリアで少なくとも200nm未満のピークバレー値の前記第1の電極の平坦度を提供するために実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
前記第1の導電型の半導体ナノワイヤコアは、動作中に光を発生する活性領域を提供するpn接合又はpin接合を形成するために、前記第2の導電型半導体シェルによって取り囲まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、電極のための面を提供するように発光ダイオード(LED)構造の複数の部分で所定の材料を除去するために、ナノワイヤLEDの選択された領域のレーザーアブレーションをする方法を提供する。本発明は、例えば本発明の方法を使用して製造できる構成を更に提供する。
【0009】
平坦な表面から現れたナノワイヤから作られたLEDは、ナノワイヤに対してコンタクトを製造する場合に難しい問題を生じる可能性がある。本明細書において更に詳細に説明されるように、例えばバッファ層のような導電層に達するまでLEDをエッチングする場合のようなエッチングのような方法の場合、下方の導電バッファ層を露出させるためにナノワイヤ及び絶縁マスク層を除去しなければならない。ナノワイヤのドライエッチングは、形状の大部分を下方のバッファ層まで平行移動しうる。この粗れた形状は、低抵抗の金属コンタクトの製造を困難にし、例えばすべてのエリアにGaNなどの導電緩衝膜を確実に存在させるため必要とされる、例えばn型GaNなどの導電バッファ層の厚さを増加させうる。厚くされたバッファ層は、コストの増加だけでなく、GaNとサファイア基板との間の熱膨張率(cte)の不一致によって、ウェハをより「湾曲」又は変形する。更に、粗れた形状を有する金属面へのワイヤボンディングが難しくなる可能性もある。例えばGaNに対して、標準的なフォトレジストパターニングと組み合わせて使用されうる実現可能なウェットエッチングは存在しない。
【0010】
ナノワイヤ及び/又は支持体層のレーザーアブレーションは、本発明の方法及び構成によって提供される代替である。アブレーションは、ナノワイヤの下方の所望の層、例えばGaN層のような導電バッファ層が維持されるように、制御に従ってナノワイヤ及び/又は支持体層を選択的にアブレートするためにウェハに対して照射されたレーザー、例えばパルスレーザーを使用することを含む。レーザーパルスのスポットサイズは、直径1〜200ミクロンに絞ることができる。例えば直径70ミクロンのn型コンタクト領域のような大きなコンタクト領域を規定するために、ウェハ上の照射領域を連続させるか又は重ね合わせることによって、スポットサイズは例えば30ミクロンであってよい。レーザーアブレーションで発生する破片の大部分はアブレーション処理中に単純な真空によって除去されるが、残留する破片は単純なスピン−リンス−ドライ(SRD)によって除去されうる。レーザーアブレーションの場合、パターンを規定するためにフォトレジストは使用されず、単純なビームステアリングが使用される。アブレーションはレーザーツールと、おそらくは破片の溶媒除去のツールと、しか含まないので(合わせて2つのツール)、フォトレジストの成膜、フォトレジストの露光、フォトレジストの現像、ドライエッチング、フォトレジストの灰化及びフォトレジストの溶媒除去(少なくとも5つのツール)を含むドライエッチングよりも低コストであり且つ複雑ではない。
【0011】
非導電性基板層などの下部層を露出させるために、ナノワイヤ、誘電体マスク層及び/又はバッファ層のすべてを除去するためにもレーザーアブレーションは使用されうる。これは、デバイスの各部分を隔離する方法を提供する。例えば、導電性材料を成膜する前に基板に至るまで材料を完全にアブレートすることによって、導体を成膜し、その後にダイの外側に対してコンタクトを製造するための平坦な面を提供できる。平坦な面とは、例えば1平方ミクロンの平面ごとに面の平面全体から1,000nm未満の変化しか示さない面である。例えば、Si
3N
4マスク層、GaNバッファ層及びAl
2O
3基板層を含む支持体に配列されたナノワイヤを含むナノワイヤLEDの場合、Al
2O
3基板層に至るまでのすべての層を完全に又はほぼ完全にアブレートするためにレーザーアブレーションは使用されてよく、他の層、例えば酸化インジウムスズ(ITO)などの導電層を成膜するための平坦な表面を提供する。
【0012】
ナノテクノロジーの分野では、ナノワイヤは、横寸法(例えば、円筒形のナノワイヤの直径、角錐形又は六角形のナノワイヤの幅)がナノスケール又はナノメートル単位であるようなナノ構造として通常解釈されるが、縦寸法に制約はない。そのようなナノ構造は、通常ナノウィスカー、一次元ナノ要素、ナノロッド、ナノチューブなどとも呼ばれる。一般に、横断面が多角形であるナノワイヤは、少なくとも2つの次元を有すると考えられ、各次元は300nmを超えない。しかし、ナノワイヤは約1ミクロンまでの直径又は幅を有してもよい。ナノワイヤの一次元の性質は、独自の物理的特性、光学的特性及び電子的特性を提供する。例えば、量子力学効果を利用する(例えば、量子ワイヤを使用する)デバイスを形成するために、又は格子不整合が大きいために通常は組み合わせ不可能な組成の異なる材料のヘテロ構造を形成するために、それらの特性が利用できる。ナノワイヤという用語が示唆する通り、一次元の性質は細長い形状と関連付けられる場合が多い。言い換えれば、「一次元」は、2ミクロン未満の幅又は直径及び1ミクロンを超える長さを表す。ナノワイヤは種々の横断面形状を有してもよいので、直径は有効直径を表すことを意図する。有効直径とは、構造の横断面の長軸と短軸との平均である。
【0013】
上部、最上部、下部、下方などと言う場合、基板は最下部に位置しており且つナノワイヤは基板から上に向かって延設されるものと考える。垂直はナノワイヤの長いほうの延設部分に対して平行な方向を表し、水平は基板によって形成される平面と平行な方向を表す。この表記法は単に理解を容易にするために導入されただけであり、構体を特定の向きなどに限定すると考えられるべきではない。
【0014】
本発明の方法において、方法の1つ以上の工程で、LED構造からナノワイヤ及び/又は他の構造を除去することによって、電極を構成するための表面、好ましくは平坦な表面を提供するために、特にその電極からダイの外側への別のコンタクトが存在する場合、レーザーアブレーションが使用される。いくつかの実施形態において、表面自体が電極として機能してもよい。表面は、導電性材料、例えば本明細書において更に詳細に説明されるようなバッファ層であってもよいが、導電性材料、例えば導電層を配置するためのプラットフォームとして機能してもよい。導電性材料は、ナノワイヤの1つ以上の導電領域に電気的にコンタクトを形成する電極として機能し、ナノワイヤの各部分の間、例えばp型半導体とn型半導体との間で回路を完成するための構造を構成する。
【0015】
本発明の方法において、当該技術で知られている何らかの適切なナノワイヤLED構造が使用されてよい。
【0016】
ナノワイヤLEDは、通常、1つ以上のpn−接合又はp−i−n接合に基づく。pn接合とp−i−n接合との間の相違は、後者が広い活性領域を有する。広い活性領域は、i領域における再結合の高い確率を与える。各ナノワイヤは、第1の導電型(例えば、n型)のナノワイヤコアと、それを取り囲む第2の導電型(例えば、p型)のシェルとを含み、コア及びシェルによって、動作中に光を発生する活性領域を提供するpn接合又はpin接合が形成される。本明細書において、第1の導電型のコアはn型半導体コアであると説明され、第2の導電型のシェルはp型半導体シェルであると説明されるが、それらの導電型は逆にしてもよいことを理解すべきである。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に従って変更されたナノワイヤLED構造の基礎を概略的に示す。理論上、1つのナノワイヤLEDを形成する場合、1つのナノワイヤがあれば十分であるが、ナノワイヤは極小であるので、LED構造を形成するために何百、何千、何万、あるいはそれ以上の数のナノワイヤを並列させたアレイとしてナノワイヤが好ましくは配列される。例示の便宜上、本明細書においては、n型ナノワイヤコア2と、ナノワイヤコア2の少なくとも一部を取り囲むp型シェル3と、その中間に位置する活性層4とを有するナノワイヤ1から個別のLEDデバイスが構成されるものとして説明される。しかし、本発明の実施形態に関して、ナノワイヤLEDはこの構造に限定されない。例えば、ナノワイヤコア2、活性層4及びp型シェル3は、多数の層又はセグメントから構成されてもよい。別の実施形態において、コア2のみが2ミクロン未満の幅又は直径を有することによってナノ構造又はナノワイヤを備え、シェル3は1ミクロンを超える幅又は直径を有してもよい。
【0018】
ナノワイヤを製造する場合、高速及び低電力の電子機器の製造を容易にする特性を有することから、III−V族半導体が特に関心を集めている。ナノワイヤは任意の半導体材料を含み、ナノワイヤに適する材料は、GaAs(p)、InAs、Ge、ZnO、InN、GaInN、GaN、AlGaInN、BN、InP、InAsP、GaInP、InGaP:Si、InGaP:Zn、GaInAs、AlInP、GaAlInP、GaAlInAsP、GaInSb、InSb、Siを含むが、それらに限定されない。例えばGaPに対して使用可能なドナー不純物はSi、Sn、Te、Se、Sなどであり、同じ材料に対するアクセプタ不純物はZn、Fe、Mg、Be、Cdなどである。ナノワイヤ技術によってGaN、InN及びAlNなどの窒化物の使用が可能になったため、従来の技術では簡単に実現できなかった波長領域の光を発するLEDの製造が容易になったことに留意すべきである。商業的に特に重要である他の材料の組み合わせは、GaAs、GaInP、GaAlInP、GaPを含むが、それらに限定されない。典型的な不純物添加レベルは10
18〜10
20の範囲である。しかし、当業者は上記の材料及び他の材料を周知しており、他の材料及び材料の組み合わせも可能であることを理解している。
【0019】
ナノワイヤLEDに好適な材料は、III族窒化物半導体(例えば、GaN、AlInGaN、AlGaN及びInGaNなど)又は他の半導体(例えば、InP、GaAs)のようなIII−V族半導体である。LEDとして機能するためには、各ナノワイヤ1のn側及びp側でコンタクトされなければならず、本発明は、LED構造のナノワイヤのn側及びp側でコンタクトすることに関連する方法及び組成を提供する。
【0020】
本明細書において説明される例示的な製造方法は、ナノワイヤ製造方法の教示のために本明細書に参照によって組み込まれる、例えばSeifert等の米国特許第7,829,443号明細書で説明されるように、コア−シェル型ナノワイヤを形成するためにコア上に半導体シェル層を成長させるようにナノワイヤコアを利用するのが好ましいが、本発明はそれに限定されないことに留意すべきである。例えば、別の実施形態において、コアのみがナノ構造(例えば、ナノワイヤ)を構成してよく、シェルは、典型的なナノワイヤシェルよりも大きい寸法を任意に有してもよい。更に、デバイスは、多くのファセットを含むように成形可能であり、異なる種類のファセットの面積比が制御されてもよい。このことは、図において「角錐」形ファセット及び垂直側壁ファセットによって例示される。支配的な角錐形ファセット又は側壁ファセットを備えるテンプレート上に発光層が形成されるように、LEDが製造されうる。発光層の形状とは関係なく、コンタクト層についても同じことが言える。
【0021】
図2は、ナノワイヤの支持体を提供する例示的な構造を示す。ナノワイヤ1の位置を規定し且つ底部境界面エリアを確定するために成長マスク、すなわち誘電体マスク層6(例えば、窒化シリコン誘電体マスク層などの窒化物層)を任意に使用して、成長基板5上にナノワイヤ1を成長させることによって、基板5は少なくとも処理中に基板5から突出するナノワイヤ1の支持体として機能する。ナノワイヤの底部境界面エリアは、誘電体マスク層6の各開口部の内側にあるコア2のエリアを含む。基板5は、本明細書に参照によって全内容が組み込まれるスウェーデン特許出願第SE1050700−2号(GLO ABに譲渡されている)に記載されるように、III−V族半導体又はII−VI族半導体、Si、Ge、Al
2O
3、SiC、石英、ガラスなどのような異なる材料を含んでいてもよい。基板に適する他の材料はGaAs、GaP、GaP:Zn、GaAs、InAs、InP、GaN、GaSb、ZnO、InSb、SOI(Silicon−On−Insulator)、CdS、ZnSe、CdTeを含むが、それらに限定されない。一実施形態において、ナノワイヤ1は成長基板5上で直接成長される。
【0022】
好ましくは、基板5は、各ナノワイヤ1のn側に接続する電流搬送層として機能するように更に構成される。これは、
図2に示されるように、Si基板5上のGaN及び/又はAlGaNバッファ層7のような、例えば基板5のナノワイヤ1に面する表面にIII族窒化物層を介して配置されたバッファ層7を含む基板5を使用することによって実現可能である。バッファ層7は、通常所望のナノワイヤ材料に適合され、従って製造処理中に成長テンプレートとして機能する。n型コア2の場合、バッファ層7もn型にドーピングされるのが好ましい。バッファ層7は、単一の層(例えば、GaN)を含んでもよいし、いくつかの部分層(例えば、GaN及びAlGaN)を含むか又はAl含有量の多いAlGaNからAl含有量の少ないAlGaN又はGaNまで漸次変化する傾斜層を含んでもよい。ナノワイヤの成長は、すべて参照によって本明細書に全内容が組み込まれる米国特許第7,396,696号明細書、米国特許第7,335,908号明細書及び米国特許第7,829,443号明細書並びに国際公開第201014032号、国際公開第2008048704号及び国際公開第2007102781号で説明される方法を利用することによって実現可能である。
【0023】
尚、ナノワイヤ1はいくつかの異なる材料を含んでもよいことに留意すべきである。(例えば、GaNのコア、InGaNの活性層及び活性層とは異なるIn対Ga比を有するInGaNのシェル)。一般に、本明細書において、基板5及び/又はバッファ層7はナノワイヤの支持体又は支持体層と呼ばれる。特定の実施形態において、基板5及び/又はバッファ層7の代わりに又はそれに加えて、導電層(例えば、ミラーコンタクト又は透明コンタクト)が支持体として使用されてもよい。従って、用語「支持体層」又は「支持体」は、これらの要素のうち1つ以上を含んでもよい。
【0024】
連続する(例えば、シェル)層の使用によって、最終的に形成される個別のデバイス(例えば、pnデバイス又はpinデバイス)は、角錐形又は先細の形状(すなわち、最上部又は先端部が細く、底面は広がっている形状)と、デバイスの長軸に対して垂直に円形又は六角形又は他の多角形の横断面を有する柱形状(例えば、先端部と底面の幅がほぼ同じ形状)との間の任意の形状を有してもよい。従って、シェルが完成した個別のデバイスは、種々の大きさを有してもよい。例えば、底面の幅が100nm〜2ミクロン未満のような100nm〜数(例えば、5)μmの範囲、高さが数百nm〜数(例えば、10)μmの範囲など、大きさは様々であってよい。
【0025】
バッファ層7は、ナノワイヤ1のn側に接触するための構造を提供する。
【0026】
上述のLED構造の例示的な一実施形態の説明は、本発明の方法及び構成を説明するための基礎として役立つだろう。しかし、本発明から逸脱することなく、当業者には明らかであるような必要な変更を加えた上で、何らかの適切なナノワイヤLED構造又は他の適切なナノワイヤ構造が本発明の方法及び構成で使用されてもよい。
【0027】
特定の実施形態において、本発明は、LEDの1つの導電型の半導体に対して電気的コンタクトを提供する方法を提供し、これは、レーザーアブレーションによってLEDの層の選択的除去を使用して実現可能である。
【0028】
一実施形態において、本発明は、支持体上のナノワイヤのアレイを含む発光ダイオード(LED)デバイスの第1のエリアに対してレーザーアブレーションすることを含む方法を提供し、レーザーアブレーションは、LEDデバイスの第1の電極を形成するために、ナノワイヤの第1の導電型の半導体ナノワイヤコアに電気的に接続された支持体の導電層を露出する。レーザーアブレーションは、電極のための平坦な表面を形成でき、例えば、特定の実施形態において、1ミクロン×1ミクロンのエリア内でz高さが少なくとも100nm未満の平坦度を有する電極表面を有する。方法はLEDデバイスの第2の電極を形成することを更に含んでもよい。第2の電極は任意の適切な手段によって構成されてもよい。特定の実施形態において、第2の電極は、ナノワイヤの第2の導電型の半導体ナノワイヤシェルに電気的に接続される。ナノワイヤシェルは、例えばp型の導電型の半導体を含んでもよく、ナノワイヤコアは、例えばn型の導電型の半導体を含んでもよく、ナノワイヤシェルとナノワイヤコアとは共に、動作中に光を発生する活性領域を提供するpn接合又はpin接合を形成する。
【0029】
第1の電極は、窒化ガリウム又は窒化アルミニウムガリウムを含むバッファ層のようなバッファ層と接触する金属膜又はTCO膜を含んでもよく、本明細書において更に詳細に説明されるように、ナノワイヤのアレイの製造中、ナノワイヤコアはこのバッファ層から成長されている。支持体は誘電体マスク層を更に含んでもよく、コアはマスク層の開口部を通してバッファ層から突出し、シェルはマスク層の上に配置される。
【0030】
第2の電極は、透明導電性酸化物層、例えば酸化インジウムスズ(ITO)のような、p型ナノワイヤシェルに電気的に接続されたITO層を含んでもよい。第2の電極は任意の適切な方法によって形成されてもよい。特定の実施形態において、支持体の基板層を露出させるためにLEDデバイスの第2のエリアに対してレーザーでアブレートすること、LEDデバイスの第2のエリアは絶縁材料によってほぼ完全に被覆され、ナノワイヤの間のエリアは絶縁材料によって被覆されず、それによって、ナノワイヤのシェルは露出されるが、レーザーによってアブレートされた平坦な領域は絶縁膜によって被覆されるように、傾斜した成膜によってLEDデバイス上に絶縁材料を成膜すること、及びナノワイヤシェルと接触する第2の電極を形成するために、露出されたナノワイヤシェルに導電性材料が接触するように、LEDデバイスを覆う導電性材料を成膜することによって、第2の電極は形成される。これは、注入されたGaNの外側層を絶縁性にする水素などのイオン種の傾斜した注入によって実現されてもよい。これらの実施形態において、方法は、導電性材料を再び露出させ且つ第1の電極を再形成するために、第1のエリアで導電性材料及び絶縁材料を除去することを更に含んでもよい。
【0031】
一実施形態において、n−GaNバッファ層を露出するために、ナノワイヤ及びマスク層は除去される。一実施形態におけるレーザーアブレーションは、ナノワイヤ及び他の構造を制御に従って選択的にアブレートすることによって、ナノワイヤの下方の所望の層、例えばn型不純物添加GaN層のような導電バッファ層を露出するために、ウェハに向けられたパルスレーザーを使用することを含む。レーザーパルスのスポットの大きさは、10〜200ミクロン、例えば30ミクロンの直径の円に絞ることができる。例えば30ミクロンの十分に小さなスポットサイズでも、複数回のレーザーを照射することによって、例えば70ミクロンのn型領域のような広いコンタクト領域を規定でき、その場合、照射部分は互いに連続するか又は重なり合うので、個々のレーザーパルスの元の大きさよりも広いアブレートされたゾーンを形成できる。レーザーアブレーションからの破片は、アブレーションと同時に低圧真空によって除去可能である、又は、アブレーション後に単純なスピン−リンス−ドライ(SRD)によって除去可能である。レーザーアブレーションの場合、パターンを規定するためにフォトレジストは使用されず、単純なビームステアリングが使用される。非導電性基板層のような下部の層を更に露出させるためにナノワイヤ、誘電体マスク層及び/又はバッファ層を完全に除去するためにも、レーザーアブレーションが使用できる。これは、デバイスの各部分を隔離する方法を提供する。例えば、導電性材料の成膜前に基板に至るまで材料をアブレーションによって完全に除去することは、ダイの他の部分との間に短絡を起こす危険がまったくない機械的強度に優れた平坦表面を提供する。例えば、Si3N4マスク層、GaNバッファ層及びAl2O3基板層を含む支持体上に配列されたナノワイヤを含むナノワイヤLEDの場合、Al2O3基板層に至るまでのすべての層を完全に又はほぼ完全にアブレートし、他の層、酸化インジウムスズ(ITO)のような例えば導電層を成膜するための平坦な表面を提供するために、レーザーアブレーションが使用できる。あるいは、それらの層のうち1つ以上の層を選択的にアブレートし、アブレートされなかった層を残してもよい。
【0032】
本発明の方法において、任意の適切なレーザーが使用されてもよい。レーザーの一例は、ピコ秒のパルスを発生可能な再生増幅器プラットフォームを備えるモジュラーファイバレーザーであるコヒーレントTaliskerレーザーである。特定の実施形態において、レーザーアブレーションはパルスレーザーを使用して実行される。スポットサイズは、直径30〜140ミクロンのように1〜150ミクロンの範囲であってもよく、例えば30〜130ミクロンであってもよい。しかし、使用されるレーザーに匹敵し且つLED構造のアブレーション及び電極の形成に関して所期の結果を提供するどのようなスポットサイズが使用されてもよい。各パルスのエネルギーは、0.10〜0.80J/cm
2のように0.05〜0.100J/cm
2の範囲であってもよく、例えば0.13〜0.71J/cm
2であってもよい。所望の層を除去するために1つのレーザーパルスだけでも十分であるが、同一の領域に対して複数のパルスが必要とされる場合もある。アブレートされる領域を規定する場合、パルス照射は重なり合っていいてもよいし、連続していてもよいし、又は各照射の間に空間があってもよい。
【0033】
レーザーツールは、円の側方形状の形で光のパルスを供給するが、他の形状も可能である。ミラーを使用することによって、次の光パルスを異なる場所に位置決めできる。第2のパルスの場所は、第1のパルスの場所と重なり合ってもよいし、重なり合わなくてもよい。355nm、532nm及び1,024nmの波長のレーザーが好適である。レーザーの周波数は約10〜約1,000kHzの間であり、約200kHzであるのが好ましい。パルスのエネルギー(J/cm
2)、パルスの間隔又はその欠落及び光の波長は、アブレートされる材料及び所望のアブレーションの深さに基づいて選択される。アブレートされる表面材料は光エネルギーを吸収することが望ましく、その吸収率は材料及び波長によって異なる。必要とされるエネルギー(J/cm
2)及びアブレートされる形状の大きさに応じて、パルスのスポットを変化させることも可能である。一般に、スポットサイズは、アブレートされる形状の大きさと同様であるか又はそれより小さいはずである。ディスプレイのように、より小さなスポットサイズは、より微細な形状の解像度を可能にする。しかし、小さいスポットサイズは、形状を「書く」のに長い時間を必要とする。特定の材料がエネルギーを強力に吸収しない場合又は層を相当に深くまでアブレートしなければならない場合、レーザーパルスを複数回通過させるか又はレーザーパルスのループを使用することが要求されてもよい。これは、同一のエリアに対して パルスが複数回印加される場合に起こる。
【0034】
図3A〜
図3Gに示される例示的な実施形態において、支持体上に配列された先細形状のナノワイヤのような複数のナノワイヤ1を含むLED構造8に対して、以下に説明する工程が実行され、ナノワイヤは、第1の導電型の半導体コア2と、第2の導電型のシェル3とを含み、コア2及びシェル3は、動作中に光を発生する活性領域(
図1及び
図2の中間活性層4、
図3には図示せず)を提供するpn接合又はpin接合を形成するように構成される。固体支持体は、底部基板層5と、ナノワイヤコア2と電気的に接触するバッファ層7と、ナノワイヤシェル3をバッファ層から絶縁する誘電体マスク層6とを含む。
図3Aを参照。
【0035】
一実施形態において、側壁が直線状であるナノワイヤの場合、CVD、スパッタリング又は傾斜した成膜、あるいはそれらの組み合わせによってTCO成膜が実行される。
【0036】
図3Bに示されるように、ナノワイヤ及び誘電体マスク層をアブレートするために、周囲(例えば、周辺)エリア9及び中央(例えば、活性発光)エリア10でレーザーアブレーションが実行され、これによって、中央エリア及び周辺エリアでバッファ層7が露出したまま残され且つ中央エリアと周辺エリアとの間にナノワイヤ10のリングが損なわれることなく残される。例示的な寸法を挙げると、周辺エリアの一辺は例えば820ミクロンであり且つ周辺エリアの内側の中央エリアの一辺は280ミクロンであってもよいが、所期の電極を実現するために、任意の適切な寸法が使用されてもよい。
図3Cは、中央エリア10で更にレーザーアブレーションされ(周辺エリア9ではされない)、バッファ層7を除去し、基板層5を露出した状態を示す。更にアブレートされるエリアの例示的な寸法は、例えば直径70ミクロンの円であってもよいが、所期の電極を実現するために、任意の適切な寸法が使用されてもよい。
図3Dに示されるように、傾斜した成膜によって、例えばすべての側面に成膜するための回転によって、Al
2O
3などの絶縁材料12が成膜される。その結果、ナノワイヤの間のエリアは第1の側から及び第2の側からの成膜角度に対しては陰に入るので成膜されないが、周辺エリアのバッファ層7及び中央エリアの基板層5を含む構造の残る部分は絶縁体12の層によって被覆される。傾斜した成膜によって成膜可能な任意の適切な絶縁材料が使用されてもよい。傾斜した成膜は、蒸着又はスパッタリングのような当該技術では周知の方法によって実現されてもよい。傾斜した成膜の更なる詳細は、本明細書に参照によって全内容が組み込まれる2012年10月26日出願、名称「Nanowire Sized Opto−electronic Structure and Method for Modifying selected Portions of Same」、代理人書類番号9308‐017Pの同時係属米国特許出願第61/718,884号に提示されている。
【0037】
図3Eは、電極として機能する高導電率層13、例えば蒸着又はCVDなどの任意の適切な手段によって成膜されたITOの層が構造全体を覆い均一に成膜された状態を示す。ITOの使用は、上部層の高い透過度を提供し、従って、トップエミッション型LED構造を構成するのに効果的であることが理解されるだろう。トップエミッション型LED構造が望まれる場合、高導電率層として、他の任意の適切な高導電率且つ高透過度の材料が使用されてもよい。透明な上部コンタクト層の場合、酸化インジウムスズ(ITO)、あるいは他の透明化合物又は高導電率及び高透過率を有する高ドープ半導体が使用されてもよい。高導電率層13は、ナノワイヤの外側のシェル3と接触しているが、内側のコア2から絶縁されているので、第2の導電型のシェルと接続する第1の電極を構成する。
図3Fに示されるように、その後、例えばナノワイヤ14及びエリア9から層13及び12を除去して、第1の導電型のコア2を露出させるために、ナノワイヤのリングの外側部分にあるナノワイヤ14がアブレートされ且つナノワイヤの第1の導電型のコア2と電気的に接触するバッファ層7に至るまで周辺エリア9がアブレートされるように、構造に対して別のアブレーション工程が実行され、その場合、導電性物質を成膜する必要なく、バッファ層はナノワイヤのコアを接続するための第2の電極として機能できる。
【0038】
これらの工程の結果、第2の導電型の半導体と電気的に接触する(例えば、層13を介して、層12によって露出されたp型シェル3の領域と接触する)中央エリアの平坦なコンタクト領域15と、第1の導電型の半導体と電気的に接触する周辺エリアの平坦なコンタクト領域16とを有するLEDが形成される。
【0039】
図3Gに示されるように、PRパターン、Al成膜のような金属成膜及びリフトオフを使用することによって、第1の電極及び第2の電極の上に、金属コンタクトパッド17A、17B、例えばAlパッドのような導電性パッドが配置されてもよい。半導体上の金属コンタクトに使用するのに適する材料は、Al、Ag、Cu、Ti、Au又はPdである。それ以外に適する材料はNi、TiN、Ta、Pt、TaN、Co、Mn、Cr、W及びMoを含むが、それらに限定されない。しかし、上記の金属の合金が使用されてもよく、あるいはそれらの金属の組み合わせが種々のスタックとして使用されてもよい。金属及び金属合金の特性は、導電率が高いこと及び材料系全体への適合性が高いことである。高ドープ半導体材料などの非金属コンタクト材料も使用されてよい。金属及び金属合金の特性は、導電率が高いこと及び材料系全体への適合性が高いことである。
【0040】
好適な実施形態において、マスク工程を省略するために、n層及びp層両方に対する金属コンタクトは同一である。好適な金属コンタクトはAl/Ti/Auのスタックである。別の実施形態において、nコンタクト17AにはAl/Ti/Auが使用され、pコンタクト17BにはTi/Auが使用される。
【0041】
図4は、本発明の別の実施形態を示す。本実施形態の方法は、p側コンタクトエリア10を形成するためにレーザーアブレーションによってナノワイヤ群を除去し(
図4、工程1)、続いて、ナノワイヤ1の間を除き、p側コンタクトエリア10を覆い及びナノワイヤ1の上部に絶縁材料12(例えば、Al
2O
3)を傾斜した成膜をすること(工程2)を含む。次に、工程3において、デバイス全体(ナノワイヤ1の間を含む)を覆うようにITO又は別のp側電極材料13が形成される。次に、n型バッファ層7を露出させるために、ITO層13、ナノワイヤ1、絶縁材料12及びマスク層6をアブレートすることによって、n側コンタクトエリア9が形成される(工程4)。次に、
図3Gに示される工程と同様に、n側コンタクトエリア9及びp側コンタクトエリア10に、リフトオフ又は金属成膜及びフォトリソグラフィによるパターニングによって、N側コンタクト17B及びP側コンタクト17Aが形成される。次に、これらのコンタクトにワイヤボンドが機械的に固着される。ワイヤボンディング処理は、ワイヤと共に金のボールを金属コンタクトに押圧することを含む。この押圧は、ナノワイヤを破砕し、変形させかねない大きな力によるものなので、ナノワイヤを除去し、平坦な面を押圧するのが好ましい。
【0042】
図5は、ナノワイヤ1のデバイスのITO層の上部にある金属パッド17BのSEM画像である。
図5Aは、レーザーアブレーション工程中にナノワイヤ1が除去される領域501に金属パッド17Bが形成されるようにレーザーアブレーション処理を使用して製造されたデバイスを示す。
図5Bでは、レーザーアブレーション処理をせずに、ナノワイヤ1の上部に金属パッド17Bが形成される。
【0043】
図6及び
図7A〜
図7Dは、本発明の更に別の2つの実施形態を示し、詳細には、レーザーアブレーション処理を含んでもよい方法を示す。
図6に示されるように、レーザーアブレーション、又は被覆及びエッチングのいずれかの方法によって、後にpコンタクトエリア10になる場所からナノワイヤ1が除去される(工程1)。この処理は、後の工程でnからpへの短絡が形成されるのを防止し、後のワイヤボンディングのために、エリア10を平坦にする。次に、ウェハ上に誘電体材料601が成膜される(工程2)。誘電体材料601は、スピンオン法、化学気相成長又は物理気相成長によって成膜可能である。好適な方法は、スピンオングラス、すなわちSOGとしても知られるガラス(SiO
2)のスピンオン成膜である。ホウ素添加SiO
2(BSG)、リン添加SiO
2(PSG)、ホウ素及びリン添加SiO
2(BPSG)、Si−C−O−Hのような低誘電率誘電体、HfO
2のAl
2O
3のような高誘電率誘電膜及び他の適切な誘電体のような他の誘電体膜が使用されてもよい。好適な一実施形態において、ナノワイヤは約2.5μmの高さであり、誘電体は、底部の平坦な面で測定した場合、約1,000〜6,000Åの厚さ、最も好ましくは約3,000Åである。次に、パッドエリアにフォトレジストのマスク(図示せず)が塗布され、被覆されていないエリア602で、ウェットエッチング又はドライエッチングによって誘電体材料601が除去される(工程3)。プラズマ損傷を回避するために、希釈フッ化水素酸(HF)によるウェットエッチングが好ましい。次に、酸化インジウムスズ(ITO)のような透明導電性酸化物(TCO)膜13が成膜される(工程4)。アルミニウム添加酸化亜鉛のような他のTCO膜も使用可能である。この膜は、蒸着又はスパッタリングのような物理的方法、CVD、又はそれらの方法の組み合わせによって成膜可能である。pGaNを損傷しないという好適なスパッタリング法によって成膜するのが最も好ましい。ITO膜は、約100Å〜約10,000Åの厚さであってもよく、最も好ましい厚さは8,000Åである。
【0044】
次の工程(工程5)において、メサパターンをフォトレジストによって被覆するために、標準的なリソグラフィが使用され、デバイスを規定し且つ隔離するために、後にnコンタクトエリア9になる場所及びメサ縁部の周辺で膜が除去される。次に、デバイスの側壁及び露出され、一部がエッチングによって除去されているナノワイヤ1をパシベートするために、誘電体材料603(例えば、SOG)が成膜される。nコンタクトエリア9及びpコンタクトエリア10を除くすべての構造を覆うマスク(例えば、レジスト)を成膜するために、標準的なフォトリソグラフィが使用される。このようにして露出されたnコンタクトエリア9及びpコンタクトエリア10から誘電体603を除去するために、それらのコンタクトエリア9及び10はウェットエッチング又はドライエッチングされ、nGaNバッファ層7及びITO13がそれぞれ露出される(工程6)。次に、Al、Ti及びAuから構成される金属コンタクトスタックが蒸着によって成膜される。次に、金属と共にフォトレジストマスクがウェハからリフトオフされ、N金属コンタクト17A及びP金属コンタクト17Bが残る(工程7)。
【0045】
図7A〜
図7Dは、一実施形態に係るナノワイヤLEDデバイス700を形成するための処理工程を示す俯瞰図である。
図7Aにおいて、パッドエリア709、710からアブレーション又はエッチングによってナノワイヤが除去されるが、領域701のナノワイヤはアブレート又はエッチングされていない。領域701、709及び710を含めて、デバイスの全面に誘電体材料703(例えば、SiO
2)が成膜される。領域709及び710と、ナノワイヤ701の周辺部分とを被覆するために、標準的なリソグラフィが使用されてもよい。
図7Bに示されるように、誘電体材料703を除去して、領域705のナノワイヤを露出するために、被覆されていない領域705がエッチングされてもよい。領域701、709及び710を含めて、デバイスの全面に酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電性酸化物(TCO)材料707が成膜される。領域701及び710を被覆するために、標準的なリソグラフィが使用されてもよい。
図7Cに示されるように、領域709のTCO材料707及び誘電体材料703を除去して、その下方のnGaN層7を露出させるために、被覆されていない領域709がエッチングされてもよい。TCO層707及び領域701のナノワイヤの全面、領域710のTCO層707及び誘電体層703の全面、並びに領域709の露出されたnGaN層7の全面を含めて、デバイスの全面に追加の誘電体材料711が成膜されてもよい。領域709のn金属コンタクトエリア713及び領域710のp金属コンタクトエリア715を除くデバイス700の全体を被覆するために、標準的なリソグラフィが使用されてもよい。n金属コンタクトエリア713の追加の誘電体層711を除去して、nGaN層7を露出させるため及びp金属コンタクトエリア715の追加の誘電体層711を除去して、TCO層707を露出させるために、被覆されていない金属コンタクトエリア713、715がマスクを介してエッチング(例えば、ウェットエッチング)されてもよい。フォトレジストマスク(図示せず)及び金属コンタクトエリア713、715を覆うように、金属コンタクト材料(例えば、Al、Ti及びAuを含む金属コンタクトスタック)が成膜されてもよい。次に、
図7Dに示されるように、金属コンタクトエリア713、715にN金属コンタクト17A及びP金属コンタクト17Bを残して、金属と共にフォトレジストマスクがデバイス700からリフトオフされてもよい。
【0046】
ナノワイヤLEDは、ナノワイヤの上部から発光するか又はナノワイヤの底部から発光するかのいずれかであるか、あるいは上部及び底部の双方から発光する。ボトムエミッション型ナノワイヤLEDの場合、上部コンタクト材料は、銀又はアルミニウムのような反射層であってもよいが、トップエミッション型ナノワイヤLEDの場合、先の実施例で説明したように、上部コンタクト材料は透明である必要がある。金属の中でも、銀は、光スペクトルの可視領域の中で最良の反射係数を示すが、何らかの構造の内側に被覆せずに通常の大気中で使用した場合、腐食による損傷を受けやすい。被覆層として、Si
3N
4、SiO
2、Al
2O
3又は他の任意の安定した誘電体を使用できる。アルミニウムは、可視領域内で銀より幾分低い反射率を有するが、乾燥した大気環境の中で非常に優れた耐食性を示す。デバイスの信頼性を向上するために、先に説明したような更に別の誘電体被覆構造が望まれる場合もある。透明な上部コンタクト層の場合、先に説明したような酸化インジウムスズ(ITO)、あるいは高導電率及び高透過率を有する他の透明化合物又は高ドープ半導体が使用されてもよい。これは、一般に吸光度の高い金属であるにもかかわらず、薄いためにほぼ透明である50AのNiのような非常に薄い金属を使用することを含む。
【0047】
ナノワイヤLEDのコンタクト形成に関して本発明を説明したが、電界効果トランジスタ、ダイオード、特に、光検出器、太陽電池、レーザーなどの吸光又は発光を含むデバイスのようなナノワイヤを利用する他の半導体デバイスに関しても同様にしてコンタクトを形成できること、及び特にどのようなナノワイヤ構造に対してもレーザーアブレーション法を実現できること又はプレーナデバイスでもレーザーアブレーション法を使用できることを理解すべきである。
【0048】
本発明は、LED構造を更に提供する。
【0049】
特定の実施形態において、本発明は、基板層と、バッファ層と、誘電体マスク層とを含む支持体上に配列された複数のナノワイヤを含むLED構造を提供し、構造は、(i)基板及びバッファ層を含み、バッファ層は第1の電極層として機能するナノワイヤによって被覆されていない第1の電極領域と、(ii)(a)基板、絶縁層及び絶縁層上の第2の電極層を含み、ナノワイヤによって被覆されていない中央エリアと、(b)基板、バッファ層、マスク層、及び、バッファ層と電気的に接触する第1の導電型の半導体ナノワイヤコアと、コアを取り囲む第2の導電型の半導体シェルとを備え、コア及びシェルは、動作中に光を発生する活性領域を提供するpn接合又はpin接合を形成するように構成され、且つシェルは、マスク層によってバッファ層から絶縁され、ナノワイヤのうち少なくとも一部のナノワイヤ上の絶縁層を更に含み、絶縁層は、中央エリアの絶縁層と連続し、且つ第2の電極層は、中央エリアの電極層と連続し且つナノワイヤのシェルと接触する複数のナノワイヤを含む周辺エリアと、を含む第2の電極領域とを含む。
【0050】
LED構造は、第1の領域の中央エリアの電極層と電気的に接触する金属パッド、例えばAlを含む金属パッドのような導電性コンタクトパッドを更に含んでもよい。
【0051】
LED構造は、第2の領域のバッファ層と電気的に接触する金属パッド、例えばAlを含む金属パッドのような金属コンタクトパッドを更に備えてもよい。
【0052】
LED構造の特定の実施形態において、第1の導電型はn型を含み、第2の導電型はp型を含み且つ電極層はp電極層を含む。
【0053】
特定の実施形態において、支持体層は、例えば反射を提供するためのAg底面層などの反射層を含む支持体層のように反射性である。本明細書において説明されるように、他の適切な反射材料が使用されてもよい。他の実施形態において、支持体層は透明である。
【0054】
特定の実施形態において、本発明は、(i)基板と、バッファ層と、誘電体マスク層とを備える支持体層の上の、バッファ層と電気的に接触する第1の導電型の半導体ナノワイヤコアと、コアを取り囲む第2の導電型の半導体シェルとを含み、コア及びシェルは、動作中に光を発生する活性領域を提供するpn接合又はpin接合を形成するように構成され、且つシェルはマスク層によってバッファ層から絶縁された複数のデバイスと、(ii)第1の導電型のコアと接触する第1の電極と、(iii)第2の導電型のシェルと接触する第2の電極とを含み、第1の電極が平坦であり、及び/又は、第2の電極の少なくとも一部が平坦である発光ダイオード(LED)構造を提供する。本明細書において使用される場合の用語「平坦」は、エッチングによって取得される断面形状とは異なるように取得される断面形状を示すことを意図する。本明細書において説明されるように、一実施形態において、レーザーアブレーションはコンタクトを形成するためのよりよい手段である。また、「平坦」は、1μm×1μmのエリアで少なくとも200nm未満のピークバレー値の面を含む。本明細書において説明される本発明の平坦面は、1μm×1μmのエリアで約50nmのピークバレー値、1μm×1μmのエリアで約200nmのピークバレー値及び1μm×1μmのエリアで500nmのピークバレー値を含む。
【0055】
本明細書で引用されるすべての文献及び特許は、個々の文献又は特許が特定して且つ個別に参照として組み込まれると指示されたかのように参照として本明細書に組み込まれており且つ引用されたそれらの文献と関連して方法及び/又は材料を開示し且つ説明するために本明細書に取り入れられている。どの文献の引用も、本出願の出願日以前に開示されたための引用であり、そのような先行発明があることによって本発明の日付がその文献に先行する権利を持たないことの承認であると解釈されるべきではない。更に、提示される文献の公表の日付は、独自に確認される必要がある実際の公表の日付とは異なる場合もある。