(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6353889
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】循環式ファン構造
(51)【国際特許分類】
F04D 29/44 20060101AFI20180625BHJP
F24F 13/08 20060101ALI20180625BHJP
F24F 7/007 20060101ALI20180625BHJP
F24F 13/20 20060101ALI20180625BHJP
F24F 13/28 20060101ALI20180625BHJP
F24F 13/15 20060101ALI20180625BHJP
F04D 29/70 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
F04D29/44 Q
F24F13/08 A
F24F7/007 101
F24F13/20
F24F13/28
F24F13/15 C
F04D29/44 S
F04D29/70 L
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-231216(P2016-231216)
(22)【出願日】2016年11月29日
(65)【公開番号】特開2018-87530(P2018-87530A)
(43)【公開日】2018年6月7日
【審査請求日】2016年11月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】502349221
【氏名又は名称】台達電子工業股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100076831
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 捷雄
(72)【発明者】
【氏名】陳 育川
(72)【発明者】
【氏名】林 文祥
(72)【発明者】
【氏名】葉 仲偉
【審査官】
所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭55−150444(JP,A)
【文献】
特開2002−061596(JP,A)
【文献】
特開平11−182499(JP,A)
【文献】
実開昭60−182213(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/44
F04D 29/70
F24F 7/007
F24F 13/08
F24F 13/15
F24F 13/20
F24F 13/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動装置と、動翼部と、第1フレームと第2フレームを有し、前記第1フレームと前記第2フレームを組み立てることで収容空間を構成し、前記駆動装置と前記動翼部は前記収容空間内に設置し、前記第1フレームと前記第2フレームを組み立てた後、少なくとも1つの吸入口と1つの排出口が形成され、前記動翼部は前記吸入口部分に設置し、前記第1フレーム及び/または前記第2フレームは、前記排出口に隣接する部分を内向きに狭くすることで引き込み構造を形成し、前記引き込み構造は前記動翼部の軸方向に沿って内向きに狭くするように成したファンフレームと、前記第1フレームと前記第2フレームとの間に設置する複数の整流板とを備え、前記複数の整流板は前記引き込み構造に隣接する最も狭い場所から前記排出口に向けて延伸し、前記駆動装置は前記動翼部を駆動して回転させ、前記動翼部はハブと少なくとも1つのブレード群を備え、前記ブレード群は前記ハブの周縁を取り巻くように設置されることを特徴とする循環式ファン構造。
【請求項2】
前記第1フレームと前記第2フレームの前記排出口に隣接する部分を内向きに狭くすることによって、前記引き込み構造を形成し、その場合において、前記引き込み構造部分における前記第1フレームと第2フレームは同形状であると共に、両者の相対位置が対称の構造であり、且つ前記第1フレームと前記第2フレームにおける前記引き込み構造部分の形状は、少なくとも1つの平面、少なくとも1つの曲面、またはそれらの組合せから構成されることを特徴とする請求項1に記載の循環式ファン構造。
【請求項3】
前記第1フレームと前記第2フレームの前記排出口に隣接する部分を内向きに狭くすることによって、前記引き込み構造を形成し、その場合において、前記引き込み構造部分における前記第1フレームと第2フレームは同形状であると共に、両者の相対位置が非対称の構造であり、且つ前記第1フレームと前記第2フレームにおける前記引き込み構造部分の形状は、少なくとも1つの平面、少なくとも1つの曲面、またはそれらの組合せから構成されることを特徴とする請求項1に記載の循環式ファン構造。
【請求項4】
前記第1フレームと前記第2フレームの前記排出口に隣接する部分を内向きに狭くすることによって、前記引き込み構造を形成し、その場合において、前記引き込み構造部分における前記第1フレームと第2フレームの形状が異なると共に、両者の相対位置が非対称の構造であり、且つ前記第1フレームと前記第2フレームにおける前記引き込み構造部分の形状は、少なくとも1つの平面、少なくとも1つの曲面、またはそれらの組合せから構成されることを特徴とする請求項1に記載の循環式ファン構造。
【請求項5】
各前記整流板は、第1サブ整流板と第2サブ整流板とから構成され、前記第1サブ整流板と前記第1フレームは一体成形の構造であり、前記第2サブ整流板と前記第2フレームは一体成形の構造であり、且つ前記第1サブ整流板と前記第2サブ整流板はそれぞれ対応する係合部を有することによって、前記第1サブ整流板と前記第2サブ整流板を互いに連結して、1つの整流板を共同形成することを特徴とする請求項1に記載の循環式ファン構造。
【請求項6】
前記第1フレーム及び/または前記第2フレームに設置される少なくとも1つのドレン孔を更に備え、前記第1フレームと前記第2フレームは互いに対応して設置されると同時に、渦形流路を共同形成し、前記ドレン孔は前記渦形流路内の水分を排出するために用いられることを特徴とする請求項1に記載の循環式ファン構造。
【請求項7】
前記排出口に設置するフィルターを更に備え、前記フィルターの少なくとも一側は少なくとも1つのバンプを有し、前記第1フレーム及び/または前記第2フレームは前記バンプに相対応する少なくとも1つの位置決め孔を有し、前記位置決め孔と前記バンプは互いに係合することで、前記フィルターを前記排出口に固定することを特徴とする請求項1に記載の循環式ファン構造。
【請求項8】
フィルターを更に備え、前記第1フレームと前記第2フレームの前記排出口に隣接する部分は、少なくとも1つのフック構造を有することによって、前記フィルターを前記フック構造と前記複数の整流板との間に固定することを特徴とする請求項1に記載の循環式ファン構造。
【請求項9】
フィルターを更に備え、前記フィルターは補助孔を有し、前記補助孔は前記フィルターの網目以外の部分に設けられ、前記フィルターの取り外しの補助に用いられることを特徴とする請求項1に記載の循環式ファン構造。
【請求項10】
前記複数の整流板は、板状構造、または翼状構造であると同時に、前記複数の整流板の間隔、または角度は互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の循環式ファン構造。
【請求項11】
各整流板は、前記整流板の両端部に突設されると共に、前記第1フレーム及び前記第2フレームに接続されることで、前記整流板を可動構造にするための少なくとも1つのピボットを備えることを特徴とする請求項1に記載の循環式ファン構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、循環式ファン構造に関し、特に、ファンフレームの排出口に隣接する部分に空気の引き込み構造を配置した循環式ファン構造に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の循環式ファンの主な目的は、空気調節機から送り出された冷気や暖気を室内に送ることであり、空気調節機の送風能力が冷気や暖気を遠距離まで送ることができない場合、循環式ファンの助けによって、空気調節機の送風能力を高める必要がある。
【0003】
従来の循環式ファンは遠心式送風機の応用であり、その構造は、多翼インペラと渦形流路から組成されるものであり、気流が排出口から吹き出す時、気流が分散されて、送風距離が比較的に小さく、且つ気流は一方の側に傾くため、送風効果が好ましくない。よって、上記課題を如何にして克服し、循環式ファンの送風能力を高めるかが本分野における重要な課題の1つである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記課題に鑑て、本発明の目的は、ファンフレームの排出口に隣接する部分に引き込み構造を配置した循環式ファン構造を提供することによって、循環式ファンの気流を更に集中させると同時に、送風距離を増大させることにある。更に、複数の整流板を備える設計によって、気流を正しく誘導し、排出口部分の気流を更に均一にすることで、循環式ファンの送風能力を高めることができる循環式ファン構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達するために、本発明に基づいた循環式ファン構造は、駆動装置と、動翼部と、ファンフレームと、複数の整流板と、を備える。駆動装置は、動翼部を駆動して回転させ、動翼部はハブと少なくとも1つのブレード群を備え、ブレード群はハブの周縁を取り巻くように設置される。ファンフレームは、第1フレームと第2フレームを有し、第1フレームと第2フレームを組み立てることで収容空間を構成し、駆動装置と動翼部は前記収容空間内に設置する。第1フレームと第2フレームを組み立てた後、少なくとも1つの吸入口と1つの排出口が形成され、動翼部は前記吸入口部分に設置し、第1フレーム及び/または前記第2フレームは、排出口に隣接する部分を
動翼部の軸方向に沿って内向きに狭くすることで引き込み構造を形成する。複数の整流板は、第1フレームと第2フレームとの間に設置されると共に、引き込み構造に隣接する最も狭い場所から前記排出口に向けて延伸する。
【0006】
一実施例において、第1フレームと第2フレームの排出口に隣接する部分を内向きに狭くすることによって、引き込み構造を形成し、その場合において、引き込み構造部分における第1フレームと第2フレームは同形状であると共に、両者の相対位置が対称の構造であり、且つ第1フレームと第2フレームにおける引き込み構造部分の形状は、少なくとも1つの平面、少なくとも1つの曲面、またはそれらの組合せから構成されることを特徴とする。
【0007】
一実施例において、第1フレームと第2フレームの排出口に隣接する部分を内向きに狭くすることによって、引き込み構造を形成し、その場合において、引き込み構造部分における第1フレームと第2フレームは同形状であると共に、両者の相対位置が非対称の構造であり、且つ第1フレームと第2フレームにおける引き込み構造部分の形状は、少なくとも1つの平面、少なくとも1つの曲面、またはそれらの組合せから構成されることを特徴とする。
【0008】
一実施例において、第1フレームと第2フレームの排出口に隣接する部分を内向きに狭くすることによって、引き込み構造を形成し、その場合において、引き込み構造部分における前記第1フレームと第2フレームの形状が異なると共に、両者の相対位置が非対称の構造であり、且つ第1フレームと第2フレームにおける引き込み構造部分の形状は、少なくとも1つの平面、少なくとも1つの曲面、またはそれらの組合せから構成されることを特徴とする。
【0009】
一実施例において各整流板は、第1サブ整流板と第2サブ整流板とから構成され、第1サブ整流板と第1フレームは一体成形の構造であり、第2サブ整流板と第2フレームは一体成形の構造であり、且つ第1サブ整流板と第2サブ整流板はそれぞれ対応する係合部を有することによって、第1サブ整流板と第2サブ整流板を互いに連結して、1つの整流板を共同形成することを特徴とする。
【0010】
一実施例において、循環式ファン構造は、第1フレーム及び/または第2フレームに設置される少なくとも1つのドレン孔を更に備え、第1フレームと第2フレームは互いに対応して設置されると同時に、渦形流路を共同形成し、ドレン孔は渦形流路内の水分を排出するために用いられることを特徴とする。
【0011】
一実施例において、循環式ファン構造は、排出口に設置するフィルターを更に備え、フィルターの少なくとも一側は少なくとも1つのバンプを有し、第1フレーム及び/または第2フレームはバンプに相対応する少なくとも1つの位置決め孔を有し、位置決め孔とバンプは互いに係合することで、フィルターを前記排出口に固定することを特徴とする。
【0012】
一実施例において、循環式ファン構造は、フィルターを更に備え、第1フレームと第2フレームの排出口に隣接する部分は、少なくとも1つのフック構造を有することによって、フィルターをフック構造と前記複数の整流板との間に固定することを特徴とする。
【0013】
一実施例において、循環式ファン構造は、フィルターを更に備え、フィルターは補助孔を有し、補助孔は前記フィルターの網目以外の部分に設けられ、フィルターの取り外しの補助に用いられることを特徴とする。
【0014】
一実施例において、前記複数の整流板は、板状構造、または翼状構造であると同時に、前記複数の整流板の間隔、または角度は互いに異なる構造であることを特徴とする。
【0015】
一実施例において、各整流板は、整流板の両端部に突設されると共に、第1フレーム及び第2フレームに接続されることで、整流板を可動構造にするための少なくとも1つのピボットを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
上記より、本発明の循環式ファン構造は、ファンフレームの排出口に隣接する部分に引き込み構造を配置することで、気流の集中を高めて送風距離を増すことができ、且つ複数の整流板の所定の配置によって、整流板の間隔の密度と各整流板の角度を調整し、気流分配を調整すると同時に、気流の方向を改善し、排出口部分の気流を更に均一にすることで、循環ファンの送風能力を高める効果を達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施例の循環式ファン構造の立体図である。
【
図2A】
図1に示される循環式ファン構造の分解図である。
【
図2B】本発明のもう1つの実施例の循環式ファン構造の分解図である。
【
図3A】
図1に示される循環式ファン構造の直線A−Aに沿った断面図である。
【
図3B】本発明のもう1つの実施例の循環式ファン構造の断面図である。
【
図4】引き込み構造の各種異なる態様の概略図である。
【
図5】引き込み構造の各種異なる態様の概略図である。
【
図6】引き込み構造の各種異なる態様の概略図である。
【
図7A】本発明のもう1つの実施例の循環式ファン構造の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
関連する図面を参照しながら、本発明の好ましい実施例に係る循環式ファン構造を以下の通りに説明し、このうち同じ部材は同じ符号を付して説明する。
【実施例】
【0019】
図1、
図2A、
図2B及び
図3Aを同時に参照されたい。
図1は本発明の好ましい実施例の循環式ファン構造の立体図である。
図2Aと
図2Bは
図1に示される循環式ファン構造のそれぞれ異なった実施態様を示す分解図である。
図3Aは
図1に示される循環式ファン構造の直線A−Aに沿った分解図(
図2Aの実施態様に対応)である。
【0020】
本発明の循環式ファン構造Fは、駆動装置1と、動翼部2と、ファンフレーム3と、複数の整流板4を備える。駆動装置1は動翼部2を駆動し回転させる。動翼部2は、ハブ21と、少なくとも1つのブレード群22を備える。ブレード群22はハブ21の周縁を取り巻くように設置される。ファンフレーム3は、第1フレーム31と第2フレーム32を有し、第1フレーム31と第2フレーム32を組み立てることで収容空間Sを形成し、駆動装置1と動翼部2は収容空間S内に設置される。第1フレーム31と第2フレーム32を組み立てることにより、少なくとも1つの吸入口33と1つの排出口34が構成され、動翼部2は吸入口33に臨む位置に設置され、第1フレーム31及び/または第2フレーム32の、排出口34に隣接する部分を、少なくとも部分的に内向きに狭くすることで引き込み構造Nが形成される。複数の整流板4は、第1フレーム31と前記第2フレーム32との間に設置し、前記複数の整流板4は、引き込み構造Nに隣接する最も狭い場所から排出口34に向けて延伸する。ここで、引き込み構造Nに隣接する最も狭い場所とは、引き込み構造Nの最も狭い場所、またはその付近の位置を指す。
【0021】
本実施例において、循環式ファン構造Fは、ファンフレーム3の排出口34に隣接する部分に引き込み構造Nを配置することで、気流の集中を高めて送風距離を増すと同時に、流れ場の設計変更に応じて、引き込み構造Nを異なる態様の配置及び形状に設計することができる。例えば、
図2Bに示すように、引き込み構造N
32を第2フレーム32にだけ独立配置したり、或いは、図示は省略するが、第1フレーム31にだけ引き込み構造N
31を独立配置したりすることができる。また、
図2A及び
図3Aに示すように、引き込み構造N
31を第1フレーム31に設け、同時に引き込み構造N
32を第2フレーム32に併存させるように配置することで、第1フレーム31及び第2フレーム32の、排出口34に隣接する部分を内向きに狭くすることによって、前記引き込み構造Nを引き込み構造N
31とN
32とで共同形成するように成すこともできる。
【0022】
以下、
図4、
図5、
図6を用いて、引き込み構造Nの各種の異なる変化態様を説明する。引き込み構造Nの形状は少なくとも1つの平面、少なくとも1つの曲面、またはそれらの組合せから構成され、第1フレーム31及び第2フレーム32の排出口34に隣接する部分を少なくとも部分的に内向きに狭くすることで、引き込み構造Nを共同形成するものであり、引き込み構造Nの形状及び相対位置の配置は流体力学に基づいた設計により、さまざまな異なる態様に変更することができる。
【0023】
図4(a)から
図4(d)に示す各種実施例は、引き込み構造Nの上下の引き込み構造N
31とN
32とが同形状であると同時に、それらの相対位置が対称の構造である場合を示している。即ち、第1フレーム31の引き込み構造N
31と第2フレーム32の引き込み構造N
32は同形状であると同時に、互いに対称位置に設置され、且つ引き込み構造N
31、N
32により最も狭くなる場所は同じ垂直ラインに位置する。つまり、第1フレーム31の引き込み構造N
31と第2フレーム32の引き込み構造N
32の形状及び相対位置は、互いにミラー対称の関係である。
【0024】
図5(a)から
図5(d)に示す各種実施例は、引き込み構造Nの上下の引き込み構造N
31とN
32とが同形状であると同時に、それらの相対位置が非対称の構造である場合を示している。即ち、第1フレーム31の引き込み構造N
31と第2フレーム32の引き込み構造N
32は同形状であると同時に、互いに非対称位置に設置され、且つ引き込み構造N
31、N
32により最も狭くなる場所は異なる垂直ラインに位置する。つまり、第1フレーム31の引き込み構造N
31と第2フレーム32の引き込み構造N
32の形状及び相対位置は、ミラー対称の状態から互いに平行な方向へずれた関係である。
【0025】
図6(a)から
図6(d)に示す各種実施例は、引き込み構造Nの上下の引き込み構造N
31とN
32とが異なる形状であると同時に、それらの相対位置が非対称の構造である場合を示している。即ち、第1フレーム31の引き込み構造N
31と第2フレーム32の引き込み構造N
32は異なる形状であると同時に、互いに非対称位置に設置され、且つ引き込み構造N
31、N
32により最も狭くなる場所は同じ垂直ラインに位置したり、または異なる垂直ラインに位置するようにしたものである。
【0026】
上記引き込み構造Nを、上記の如く、異なる態様の配置及び形状に設計することで、循環式ファン構造Fの気流を更に集中させるとともに、送風距離を増加させ、送風能力を高める効果を達することができる。
【0027】
図2A、
図2B及び
図7A、
図7Bを同時に参照されたい。これらの実施例の循環式ファン構造Fは、整流板4の形状及び配置を異なる設計にすることによって、循環式ファン構造Fの気流分配を調整すると同時に、気流の方向を改善することができる。
【0028】
図2Aと
図2Bに示す実施例においては、前記複数の整流板4と第1フレーム31、または第2フレーム32は一体成形の構造である。整流板4は流体力学に基づいた設計により、その断面形状を板状構造、または翼状構造にすることができる。更にまた、前記複数の整流板4の間隔、または角度を調整することによって、前記複数の整流板4の間隔、または角度を、互いに異なるようにすることもできる。
【0029】
また、
図3Bに示す態様では、前記複数の整流板4は、第1フレーム31と第2フレーム32との間に可動なように設置された構造である。即ち、各整流板4は、整流板4の両端部に突設されると共に、第1フレーム31及び前記第2フレーム32に接続されることで、整流板4を可動構造(回動可能)にするための少なくとも1つのピボット43を備える。
【0030】
図7Aと
図7Bに示す態様では、前記複数の整流板4は組み合せ式の構造であり、且つ第1フレーム31と第2フレーム32とに一体成形された構造である。各整流板4は、第1サブ整流板41と第2サブ整流板42とから構成され、第1サブ整流板41と第1フレーム31は一体成形の構造であり、第2サブ整流板42と第2フレーム32は一体成形の構造である。第1サブ整流板41と第2サブ整流板42は、それぞれ対応する係合部411と421とを有することによって、第1サブ整流板41と第2サブ整流板42を互いに連結させて、1つの整流板4を共同形成する。
【0031】
図2A、
図2B及び
図3Aに示した実施例において、循環式ファン構造Fは、第1フレーム31と第2フレーム32に設けられる少なくとも1つのドレン孔5を更に備え、第1フレーム31と第2フレーム32は互いに対応して設置されると同時に、渦形流路35を共同形成し、ドレン孔5は渦形流路35内の水分を排出することで、ファンフレーム3内部に水が溜まるのを避けることができる。また、製造工程の設計に応じて、ドレン孔5を、第1フレーム31または第2フレーム32の一方に設置する(図示しない)ことができる。
【0032】
図1、
図2A、
図2B及び
図8に示すように、循環式ファン構造Fはフィルター6を更に備え、フィルター6は排出口34に設置されると同時に、排出口34に合わせて用いられる。フィルター6の少なくとも一側は少なくとも1つのバンプ61を有し、且つ第1フレーム31、及び/または第2フレーム32はバンプ61に相対応する少なくとも1つの位置決め孔36を有し、フィルター6を取り付ける時、位置決め孔36とバンプ61を互いに係合することで、フィルター6を排出口34に合せて固定することができる。
【0033】
ファンフレーム3の体積を増やさないことを前提に、排出口34に設置するフィルター6を更に安定的に固定するために、第1フレーム31と第2フレーム32の排出口34に隣接する部分に、少なくとも1つのフック構造37を設けることができる。このような設計にすることによって、フィルター6をフック構造37と前記複数の整流板4との間に固定することができる。また、フィルター6は補助孔62を更に備え、この補助孔62はフィルター6の網目以外の部分に設けられ、フィルター6の取り外しの補助に用いられる。ユーザーは指で補助孔62を外側に向けて引くことで、フィルター6を取り外すことができる。
【0034】
上記をまとめると、本発明の循環式ファン構造は、ファンフレームの排出口に隣接する部分に引き込み構造を配置することで、気流の集中を高めて送風距離を増すことができ、且つ複数の整流板の所定の配置によって、整流板の間隔の密度と各整流板の角度を調整し、気流分配を調整すると同時に、気流の方向を改善し、排出口部分の気流を更に均一にすることで、循環ファンの送風能力を高める効果を達することができる。
【0035】
上記実施例は例示的なものであって、本発明を限定するためのものではない。本発明の技術的思想および範囲から逸脱することなく行われる等価の修正または変更は、いずれも別紙の特許請求の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は以上の如く構成したため、ファンフレームの排出口に隣接する部分に引き込み構造を配置した循環式ファン構造を提供することによって、循環式ファンの気流を更に集中させることができると同時に、送風距離を増大させることができる。更に、複数の整流板を備える設計によって、気流を正しく誘導し、排出口部分の気流を更に均一にし、循環式ファンの送風能力を高めることのできる循環式ファン構造を提供し得るものである。
【符号の説明】
【0037】
1 駆動装置
2 動翼部
21 ハブ
22 ブレード群
3 ファンフレーム
31 第1フレーム
32 第2フレーム
33 吸入口
34 排出口
35 渦形流路
36 位置決め孔
37 フック構造
4 整流板
41 第1サブ整流板
411、421係合部
42 第2サブ整流板
43 ピボット
5 ドレン孔
6 フィルター
61 バンプ
62 補助孔
F 循環式ファン構造
S 収容空間
N、N
31、N
32 引き込み構造