特許第6353947号(P6353947)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6353947
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】樹脂製容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/02 20060101AFI20180625BHJP
【FI】
   B65D1/02 211
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-54747(P2017-54747)
(22)【出願日】2017年3月21日
(62)【分割の表示】特願2012-264607(P2012-264607)の分割
【原出願日】2012年12月3日
(65)【公開番号】特開2017-105547(P2017-105547A)
(43)【公開日】2017年6月15日
【審査請求日】2017年4月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】吉良 剛
(72)【発明者】
【氏名】菊池 大輔
【審査官】 小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−284123(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0121409(US,A1)
【文献】 特開2010−076772(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3058345(JP,U)
【文献】 特開2005−247393(JP,A)
【文献】 特開平6−56138(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/02
B65D 23/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴部の上下方向中央部付近に凹部を設け、前記凹部が、底面と、該底面の上辺に連設する上側傾斜面と、該底面の下辺に連設する下側傾斜面とを備え、前記上側傾斜面と前記下側傾斜面とが、前記底面側ほど互いに近接するように傾斜する樹脂製容器において、
前記下側傾斜面の勾配が、前記上側傾斜面の勾配よりも小さく設定されており、且つ前記底面から前記下側傾斜面に亘る縦溝を設けてある樹脂製容器。
【請求項2】
前記凹部の底面に、横方向に延びる横溝を設けてある請求項1に記載の樹脂製容器。
【請求項3】
前記凹部の右側及び左側のそれぞれに、上下方向に延びる縦山部を設けてある請求項1又は2に記載の樹脂製容器。
【請求項4】
前記凹部の前記下側傾斜面には、少なくとも前記凹部が形成されている前記胴部の面において、波状に形成されている下側波状傾斜面が連設されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂製容器。
【請求項5】
前記凹部の前記上側傾斜面には、前記胴部の全周にわたって波状に形成された上側波状傾斜面が連設されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂製容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、胴部の上下方向中央部付近に凹部を設け、前記凹部が、底面と、該底面の上辺に連設する上側傾斜面と、該底面の下辺に連設する下側傾斜面とを備え、前記上側傾斜面と前記下側傾斜面とが、前記底面側ほど互いに近接するように傾斜する樹脂製容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の樹脂製容器としては、例えば、特許文献1に示す構成を備えるものが知られている。ここでは、内容量が2リットル程度の比較的容量の大きいペットボルトにおいて、消費者が飲用時に持ち易いように、胴部の上下方向中央部付近に、消費者の親指及び中指(又は、人指し指)のそれぞれを当てて掴むことのできる凹部が設けてある。
一方、近年、環境問題の意識が高まり、樹脂製容器においても軽量化が積極的に進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−88973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、軽量化により容器の肉厚が薄くなると容器そのものの強度が低下する。すなわち、凹部においては、容器の内容物により容器の内側から外側に力がかかり、そのため凹部が外側に膨らんでしまい、容器が持ち難くなる。
また、例えば流通時において容器の側面に衝撃や荷重が加えられると、凹部周辺においても変形が生じ易くなるという問題が生じていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、容器に設けた凹部などの変形が生じ難く、尚且つ軽量化が図れる樹脂製容器を提供することにある。
【0006】
本発明の樹脂製容器の第1特徴構成は、胴部の上下方向中央部付近に凹部を設け、前記凹部が、底面と、該底面の上辺に連設する上側傾斜面と、該底面の下辺に連設する下側傾斜面とを備え、前記上側傾斜面と前記下側傾斜面とが、前記底面側ほど互いに近接するように傾斜する樹脂製容器において、前記下側傾斜面の勾配が、前記上側傾斜面の勾配よりも小さく設定されており、且つ前記底面から前記下側傾斜面に亘る縦溝を設けてある点にある。
【0007】
〔作用及び効果〕
本構成のごとく、胴部の上下方向中央部付近に設けた凹部において、底面から下側傾斜面に亘る縦溝を設けることによって、容器を肉厚にすることなく凹部の強度を向上させることができ、凹部の変形を防止できる。
【0008】
第2特徴構成は、前記凹部の底面に、横方向に延びる横溝を設けてある点にある。
【0009】
〔作用及び効果〕
本構成のごとく、凹部の底面に、横方向に延びる横溝を設けることによって、凹部の強度をさらに向上させることができる。
【0010】
第3特徴構成は、前記凹部の右側及び左側のそれぞれに、上下方向に延びる縦山部を設けてある点にある。
【0011】
〔作用及び効果〕
本構成のごとく、凹部の右側及び左側のそれぞれに、上下方向に延びる縦山部を設けることによって、凹部の強度をさらにより一層向上させることができる。
【0012】
第4特徴構成は、前記凹部の前記下側傾斜面には、少なくとも前記凹部が形成されている前記胴部の面において、波状に形成されている下側波状傾斜面が連設されている点にある。
【0013】
〔作用及び効果〕
本構成によれば、容器の胴部に衝撃や荷重が加えられた場合であっても、波状の下側波状傾斜面とすることで、応力集中を抑制でき、凹部周辺、ひいては凹部の変形を抑制できる。
【0014】
第5特徴構成は、前記凹部の前記上側傾斜面には、前記胴部の全周にわたって波状に形成された上側波状傾斜面が連設されている点にある。
【0015】
〔作用及び効果〕
本構成によれば、容器の胴部に衝撃や荷重が加えられた場合であっても、波状の上側波状傾斜面とすることで、応力集中を抑制でき、凹部周辺、ひいては凹部の変形を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る樹脂製容器の斜視図である。
図2】本発明に係る樹脂製容器の正面図である。
図3】本発明に係る樹脂製容器の側面図である。
図4図2中の矢視線IV−IVの縦断面図である。
図5図2中の矢視線V−Vの横断面図である。
図6】本発明に係る樹脂製容器の凹部付近の拡大図である。
図7図2中の矢視線VII−VIIの横断面図である。
図8図2中の矢視線VIII−VIIIの横断面図である。
図9】本発明に係る樹脂製容器の底部の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る樹脂製容器の好適な実施の形態として、飲料等の液体が充填されるプラスチックボトルを図面に基づいて説明する。
〔実施形態〕
まず、本明細書で用いる各種の用語について以下のとおり定義する。
本明細書中において「上下方向」とは、図1のプラスチックボトル1(以下、ボトル1と略称する)の中心軸X−Xの方向を意味する。特に図1図3において、上方とは、図面の上端側を指し、下方とは図面の下端側を指す。
「横方向」又は「水平方向」とは、中心軸X−X方向に直交する方向を意味する。周方向とは、横断面形状の輪郭に沿う方向を意味する。
「径方向」とは、中心軸X−X上の任意の一点を円の中心として考えた場合におけるその円の半径方向を意味する。
「高さ」又は「幅」とは、中心軸X−X方向に沿う長さを意味する。
「深さ」とは、径方向に沿う長さを意味する。
「横断面形状」とは、中心軸X−Xに直交する平面(横断面)におけるボトル1の断面形状を意味する。
【0018】
図1図4に示すように、本実施形態に係るボトル1は、上方から順に、キャップが着脱自在な口部2と、口部2に連設される肩部3と、肩部3に連設される胴部4と、胴部4に連設され最下部に位置する底部37とを備えて構成されており、飲料等を貯留する空間が内側に形成される。
【0019】
ボトル1は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を主材料として、二軸延伸ブロー成形法などの公知の成形法によって製造することができる。
【0020】
尚、ボトル1には、例えば、飲料水、茶、果汁、コーヒー、ココア、清涼飲料水、アルコール飲料、乳飲料、スープなどの飲料や、ソースや醤油などの液体調味料などの液体を充填することができる。またボトル1の内容量については、特に限定されるものではなく、充填する液体の種類等に応じて、数ミリリットル単位から数百ミリリットル単位の比較的小容量のものから、数リットル単位の比較的大容量のものに至るまで、任意に設定して良いが、例えば、内容量が1リットル〜2リットルの飲料用ボトルが好適である。
【0021】
(口部)
図1図4に示すように、口部2は、上端が開口する円筒で構成される部分であり、飲料等の注ぎ口として機能する。口部2の外周面には雄ネジ部2aが形成されており、図示しないキャップが着脱自在に螺合固定される。
【0022】
(肩部)
肩部3は、口部2の下端から胴部4の上端にかけて徐々に拡径してなる、全体的に丸みを帯びた略四角錘状に構成される部分である。
【0023】
(胴部)
胴部4は、上方から順に、直胴部5と、くびれ部11と、クッション部27とを備えて構成される。
【0024】
図7に示すように、本実施形態における胴部4は、全体的に丸みを帯びた略長方形の横断面形状を有する。胴部4の横断面形状では、2つの長辺35のそれぞれが、ボトル1の正面及び背面の側に対向配置され、2つの短辺36のそれぞれが、ボトル1の右側面及び左側面の側に対向配置される。そして、長辺35と短辺36とが、円弧状の4隅を介して連設される。
【0025】
〔直胴部〕
図1図4に示すように、直胴部5は、全体的に丸みを帯びた略直方体状の部分であり、その外周面には飲料等の銘柄や中味等を表示するラベルを設けることができる。直胴部5には、複数の第1溝6が上下方向に等間隔で設けられており、隣接する第1溝6の間に凸部9が形成されている。これらの第1溝6と凸部9は、直胴部5の全周にわたって設けられており、ボトル1の側面強度を補強する補強リブとしての機能を有する。
【0026】
図5に示すように、第1溝6には、直胴部5の内側に突出する突出部7と、非突出部8とが周方向に交互に形成されている。そのため、第1溝6の深さは、直胴部5の全周にわたって一定ではなく起伏して変化するものとなる。
【0027】
突出部7は、山状に内側に突出する第1突出部7aと、突出度が第1突出部7aより小
さい第2突出部7bとを備える。第1突出部7aは、直胴部5の正面、背面、右側面、及び左側面のそれぞれの横方向の中心部に設けられる。第2突出部7bは、第1突出部7aの左右両側に連設される。隣接する第2突出部7b同士は、非突出部8を介して連設される。非突出部8は、直胴部5の横断面形状における4隅に設けられる。
【0028】
第1突出部7a、第2突出部7b、及び非突出部8は、直胴部5の正面及び背面のそれぞれの横方向中心を通る中心線Y−Yを対称の軸として、或いは直胴部5の右側面及び左側面のそれぞれの横方向中心を通る中心線Z−Zを対称の軸として線対象的に配置される。
【0029】
また、直胴部5の凸部9における、直胴部5の正面、背面、右側面、及び左側面のそれぞれの横方向中心部には、なだらかな傾斜で直胴部5の内側に落ち込む窪み10が形成されている。これらの窪み10は、上下方向において、上記第1溝6の第1突出部7aと同じ位置に設けられている。
【0030】
〔くびれ部〕
図1図4に示すように、くびれ部11は、消費者がボトル1を把持し易いように、胴部4の他の部分と比べてより細く縮径された部分である。
【0031】
くびれ部11は、胴部4の上下方向中央部付近に設けられている。図4に示すように、くびれ部11の正面及び背面のそれぞれには、内側に略長方形状に大きく落ち込む凹部12が形成されている。2つの凹部12のそれぞれは、くびれ部11の正面及び背面のそれぞれの横方向中心部に設けられ、互いに対向するように配置される。このため、消費者がボトル1を片手で把持する際、一方の凹部12に親指を当て、他方の凹部12に中指(又は、人指し指)を当てることによって、確実にボトル1を把持することができる。
【0032】
図6に示すように、凹部12は、底面13と、該底面13の上辺に連設する上側傾斜面14と、該底面13の下辺に連設する下側傾斜面15と、該底面13の右辺に連設する右側傾斜面16と、該底面13の左辺に連設する左側傾斜面17とを備える。
【0033】
上側傾斜面14及び下側傾斜面15が、底面13側ほど互いに近接するように傾斜しており、右側傾斜面16及び左側傾斜面17が、底面13側ほど互いに近接するように傾斜する。
【0034】
右側傾斜面16の勾配は、左側傾斜面17の勾配と略同じであるが、下側傾斜面15の勾配は、上側傾斜面14の勾配よりも小さく緩やかに設定されている。
【0035】
凹部12には、底面13から下側傾斜面15に亘る縦溝18が設けられている。また、凹部12の底面13には、横方向に延びる横溝19が設けられている。
【0036】
凹部12の右側及び左側のそれぞれに、上下方向に延びる右縦山部20及び左縦山部21を設けてある。右縦山部20は、凹部12の右側傾斜面16に連設しており、縦山部21は、凹部12の左側傾斜面17に連設する。右縦山部20及び左縦山部21は、平行に配置されている。
【0037】
正面の凹部12の右縦山部20及び左縦山部21のそれぞれから、背面の凹部12の左縦山部21及び右縦山部20に亘るように、上下方向に並ぶ2つの周溝22が設けられている。尚、これら周溝22の深さは、いずれも同じ深さであり、且つ全体にわたって一定である。図1に示すように、本実施形態においては、凹部12の横溝19の上下方向の位置は、2つの周溝22の間に位置する。
【0038】
凹部12の上側傾斜面14には、なだらかに傾斜する上側波状傾斜面25が連設し、凹部12の下側傾斜面15には、なだらかに傾斜する下側波状傾斜面26が連設する。上側波状傾斜面25及び下側波状傾斜面26のそれぞれは、凹部12の底面13側ほど互いに近接するように傾斜する。上側波状傾斜面25は、くびれ部11の全周にわたって波状の曲面をなしている。下側波状傾斜面26は、凹部12が形成されたボトル1の正面側及び背面側は波状の曲面(図2参照)をなしているが、ボトル1の側面側については直線状の斜面(図3参照)となっている。
【0039】
なお、上側波状傾斜面25及び下側波状傾斜面26については、凹部12が形成されたボトル1の正面及び背面が少なくとも波状の斜面であればよい。例えば、側面については直線状の斜面でもかまわないし、全周にわたって波状の曲線をなしていてもかまわない。波状の曲線とすることにより、より応力を分散することができるため、容器に荷重がかかった場合でも容器の変形を抑制することができる。
【0040】
〔クッション部〕
図1図4に示すように、クッション部27は、胴部4の上下方向の中心よりも下側に設けられている。クッション部27は、その全周にわたる3つの溝として、径方向外側ほど幅広となりV字状の縦断面形状を有する溝のV字凹部28と、V字凹部28の上下に設けられる2つの小凹部29,29とを備える蛇腹状の部分であって、V字凹部28を対称軸として線対称な構成を有する。
【0041】
図8に示すように、V字凹部28の横断面形状における4つの隅部のそれぞれに円弧部32を形成してある。本実施形態におけるV字凹部28の横断面形状では、2つの長辺部30のそれぞれが、ボトル1の正面及び背面の側に対向配置され、2つの短辺部31のそれぞれが、ボトル1の右側面及び左側面の側に対向配置される。そして、長辺部30と短辺部31とが、4つの円弧部32を介して連設される。また、4つの円弧部32のそれぞれは、同じ曲率半径及び弧長を有する。また、円弧部32の円の中心は、円弧部32を含むボトル1の横断面形状の中心となっている。
【0042】
本実施形態においては、V字凹部28の横断面形状における4つの隅部のそれぞれに円弧部32を形成してあるが、これら4つ隅部のうちに少なくとも一つの隅部に円弧部32を形成してあれば良い。
【0043】
また図示しないが、V字凹部28の横断面形状については、上記形状に限定されるものではなく、2つの短辺部31を備えていない構成としても良い。この場合、右側に配置される2つの円弧部32同士が互いに連設し、さらに左側に配置される2つの円弧部32同士が互いに連設して、V字凹部28の横断面形状が、あたかも陸上競技場のトラックのような形状となる。
【0044】
図4に示すように、クッション部27は、V字凹部28及び2つの小凹部29,29という3つの溝を有することで3段バネ構造となっており、これにより上下方向に弾性変形することができる。そのため、ボトル1に対して上下方向から荷重が加えられても、クッション部27が弾性変形してその荷重を吸収することができ、ボトル1の座屈を防止することができる。さらに、V字凹部28の横断面形状における4つの隅部のそれぞれに円弧部32を形成することによって、弾性変形時のV字凹部28における応力集中が生じ難く、V字凹部28が変形又は破損する虞がない。そのため、ボトル1に対して上下方向から荷重が加えられても、クッション部27が弾性変形してその荷重をより確実に吸収することができる。
【0045】
尚、本実施形態におけるクッション部27は、その全周にわたる溝として、V字凹部28及び2つの小凹部29,29という3つの溝を備えるが、この構成に限定されるものではなく、他にも例えば、V字凹部28のみを1つ又は複数備える構成、V字凹部28の上下のそれぞれに小凹部29を1以上設ける構成、あるいは、複数のV字凹部28と1つ又は複数の小凹部29とを備える構成などとしても良い。
【0046】
(底部)
図1図4に示すように、底部37は、周壁38と底壁39とを備えて構成されている。
周壁38は、全体的に丸みを帯びた略長方形状を有する底壁39の周縁から上方に拡開するように立ち上がる部分である。底壁39は、その縁部に配置される接触部40と、接触部40の内縁から底壁39の中心に向かってなだらかに盛りあがる隆起部41と、隆起部41の中心部に形成される上方に突出する円形の窪み42とを備えて構成されている。尚、ボトル1を平らな机等の上に立てて置く場合、接触部40が机等と接する。
【0047】
図9に示すように、底壁39の窪み42から周壁38にわたる溝である縦凹部43が、底壁39の窪み42から放射状に周方向に等間隔で8箇所に設けられている。縦凹部43は、底部37の強度を補強する補強リブとして機能する。また縦凹部43は、ボトル1の成形後にその内側を洗浄する際、洗浄液が縦凹部43を伝って底部37の全体に満遍なくいきわたるように洗浄液を誘導する機能を有しており、底部37の洗浄性能を向上させるものである。
【0048】
図1図4に示すように、本実施形態のボトル1において、くびれ部11とクッション部27の間の胴部4に第1波状周溝44を設けており、クッション部27と底部37との間の胴部4に第2波状周溝45を設けてある。また、胴部4の下端(胴部4と底部37との境界付近)には、下周溝46を設けてある。
第1波状周溝44及び第2波状周溝45は、側面視において波状に蛇行するように胴部4の全周にわたって上湾曲部47と下湾曲部48とが交互に連設して構成される、深さ一定の溝である。本実施形態においては、第1波状周溝44及び第2波状周溝45が、周方向に互いに位相をずらして配置され、第1波状周溝44の上湾曲部47が配置される位置において、第2波状周溝45の下湾曲部48が配置される。下周溝46は、胴部4の全周にわたって設けられる、深さ一定の溝である。これらの第1波状周溝44、第2波状周溝45、下周溝46はいずれも、ボトル1の側面強度を補強する補強リブとしての機能を有する。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の樹脂製容器は、水、緑茶、ウーロン茶、果汁等の非炭酸飲料に限らず、炭酸飲料やソース等の食品を充填する容器としても用いることができる。
【符号の説明】
【0050】
1 ボトル
2 口部
2a 雄ネジ部
3 肩部
4 胴部
5 直胴部
6 第1溝
7 突出部
7a 第1突出部
7b 第2突出部
8 非突出部
9 凸部
10 窪み
11 くびれ部
12 凹部
13 底面
14 上側傾斜面
15 下側傾斜面
16 右側傾斜面
17 左側傾斜面
18 縦溝
19 横溝
20 右縦山部
21 左縦山部
22 周溝
25 上側波状傾斜面
26 下側波状傾斜面
27 クッション部
28 V字凹部(溝)
29 小凹部
30 長辺部
31 短辺部
32 円弧部
35 長辺
36 短辺
37 底部
38 周壁
39 底壁
40 接触部
41 隆起部
42 窪み
43 縦凹部
44 第1波状周溝
45 第2波状周溝
46 下周溝
47 上湾曲部
48 下湾曲部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9