(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6353992
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】グロー低減が改善されたLED光源
(51)【国際特許分類】
H05B 37/02 20060101AFI20180625BHJP
【FI】
H05B37/02 J
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-562769(P2017-562769)
(86)(22)【出願日】2016年5月18日
(86)【国際出願番号】EP2016061061
(87)【国際公開番号】WO2016192987
(87)【国際公開日】20161208
【審査請求日】2017年12月28日
(31)【優先権主張番号】15170629.8
(32)【優先日】2015年6月4日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】フルショフ フォッコ ヤン ヴィレム
(72)【発明者】
【氏名】コルネリッセン ヴィルヘルムス ヨセフス
【審査官】
田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/132379(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード光源であって、
電源電圧供給源への接続のための入力端子と、
前記電源電圧供給源により供給される電源電圧を整流するため前記入力端子に結合された、整流器出力端子を有する整流器と、
前記整流された電源電圧から直流電流を生成するための、前記整流器出力端子に接続されたコンバータ入力端子と、第1のコンバータ出力端子及び第2のコンバータ出力端子と、を有する直流−直流コンバータと、
1つ以上の発光ダイオードを有する発光ダイオード負荷であって、その最も正側のノードとしての陽極及びその最も負側のノードとしての陰極を持つ、発光ダイオード負荷と、
を有し、
前記発光ダイオード負荷の前記陽極は、該陽極から前記第1のコンバータ出力端子へと流れる電流を遮断するための第1の電流制御要素を介して前記第1のコンバータ出力端子に結合され、前記発光ダイオード負荷の前記陰極は、前記発光ダイオード光源がスタンバイモードにある場合に、第1の制御可能なスイッチを非導通状態にするための第1の制御回路に結合された制御電極を持つ第1の制御可能なスイッチを介して、前記第2のコンバータ出力端子に結合され、前記発光ダイオード負荷の前記陰極は、前記第1の制御可能なスイッチから該陰極へと流れる電流を遮断するための第2の電流制御要素を介して前記第1の制御可能なスイッチに結合された、
発光ダイオード光源。
【請求項2】
前記第2の電流制御要素はダイオードを有する、請求項1に記載の発光ダイオード光源。
【請求項3】
前記第1の電流制御要素はダイオードを有する、請求項1又は2に記載の発光ダイオード光源。
【請求項4】
前記発光ダイオード光源は、保護接地端子を備え、優勢容量素子が、前記保護接地端子と、前記第1の制御可能なスイッチ及び前記第2の電流制御要素を結合するノードとの間に結合された、請求項1、2又は3に記載の発光ダイオード光源。
【請求項5】
少なくとも前記直流−直流コンバータは、第1のプリント回路基板に位置付けられ、前記第1の電流制御要素及び/又は前記第2の電流制御要素が、前記第1のプリント回路基板に位置付けられた、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発光ダイオード光源。
【請求項6】
少なくとも前記発光ダイオード負荷は、第2のプリント回路基板に位置付けられ、前記第1の電流制御要素及び/又は前記第2の電流制御要素が、前記第2のプリント回路基板に位置付けられた、請求項1、2又は3に記載の発光ダイオード光源。
【請求項7】
前記第1の電流制御要素及び前記第2の電流制御要素は各々、前記第1の制御可能なスイッチ間の寄生容量より小さい寄生容量を持つように選択される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の発光ダイオード光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED)光源の分野に関する。更に詳細には、本発明は、スタンバイ機能を備えたLED光源、言い換えれば、電源(mains supply)がLED光源に接続されたままで該LED光源の動作が停止されることができるようなLED光源に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDに基づく照明システムは、ますます広範囲に亘って用いられている。LEDは、高い効率と長い寿命を持つ。多くの照明システムにおいて、LEDは他の光源よりも高い光学的な効率をも提供する。その結果、LEDは、蛍光灯、高輝度放電ランプ又は白熱灯といった良く知られた光源に対する、興味深い代替を提供する。
【0003】
LED光源は、LED光源の動作が制御命令により制御されるような照明システムに含まれることが多い。斯かる制御命令は、LED光源を起動するための命令及びLED光源の動作を停止させるための命令、即ちLED電流の生成を開始させる命令及びLED電流の生成を停止する命令、を含む。後者の場合には、電源へのLED光源の接続を遮断することによってではなく、例えばLED光源に含まれるコンバータ回路の動作を停止することによって、動作が停止される。該後者の場合には、LED光源はスタンバイモードにあると言える。該スタンバイモードにおいては、電源がLED光源に依然として接続されているため、LED光源は依然として更なる命令を受信しこれら命令を処理することが可能である。しかしながら同時に、電源が、LED光源に含まれる寄生容量及びLED負荷(の一部)を通る漏れ電流を引き起こし得る。該漏れ電流は、LED列がグロー効果に帰着する少量の光を生成することを引き起こし、このことはしばしば望ましくないことである。
【0004】
本願と同一出願人による、国際特許出願公開第WO2013/132379号公報は、動作の間、LEDに供給する電流が、電流制御要素を通り、更に導電状態に保持された第1の制御可能なスイッチをも通って流れることを可能にするLED光源に関する。コンバータによりLED負荷に供給されるLED電流が停止させられた場合には、LED光源がスタンバイ状態となり、第1の制御可能なスイッチが非導電状態とされる。その結果、電源から寄生容量を通ってLED負荷へと流れる漏れ電流が効果的に抑制され、それによりLEDはスタンバイ状態の間に少量の光を生成しなくなる。しかしながら、驚くことに、国際特許出願公開第WO2013/132379号公報に述べられるLED光源は、ある条件下で動作の間に望ましくないグロー効果に依然として悩まされ得る。
【0005】
とりわけ、斯かるLED光源は、保護接地への比較的高い容量を持つLED基板及び比較的低い容量を持つLED基板と組み合わせると適切に機能するが、斯かるLED光源が適度な(moderate)寄生容量を持つLED基板と組み合わされる場合、いくらかのグロー効果が生じ得る。
【0006】
本開示において、LED負荷と称されるものは、1つのLED又は複数のLEDを含んでもよい。LED負荷が直列構成の複数のLEDを含む場合、LED負荷の陽極と称されるものは、電流が流されるべき当該直列構成の最初のLEDの陽極であり、LED負荷の陰極と称されるものは、電流が流されるべき当該直列構成の最後のLEDの陽極である。同様に、LED負荷が並列構成の複数のLED(複数の並列分岐の各々が直列に配置された複数のLEDを含み得る)を含む場合、斯かる構成の陽極と称されるものは、電流が流されるべき各並列分岐の最初のLEDの陽極と同電位の電気的ノードであり、斯かる構成の陰極と称されるものは、電流が流されるべき各並列分岐の最後のLEDの陰極と同電位の電気的ノードである。言い換えれば、LED負荷の陽極は、その最も正側のノード(most positive node)であり、陰極は、最も負側のノード(most negative node)である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、とりわけ国際特許出願公開第WO2013/132379号公報に述べられるLED光源と比較してグロー低減(glow reduction)が改善されたLED光源を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、発光ダイオード光源であって、
− 電源電圧供給源への接続のための入力端子と、
− 前記電源電圧供給源により供給される電源電圧を整流するため前記入力端子に結合された、整流器出力端子を有する整流器と、
− 前記整流された電源電圧から直流電流を生成するための、前記整流器出力端子に接続されたコンバータ入力端子と、第1のコンバータ出力端子及び第2のコンバータ出力端子と、を有する直流−直流コンバータと、
− 1つ以上の発光ダイオードを有する発光ダイオード負荷であって、その最も正側のノードとしての陽極及びその最も負側のノードとしての陰極を持つ、発光ダイオード負荷と、
を有し、
前記発光ダイオード負荷の前記陽極は、該陽極から前記第1のコンバータ出力端子へと流れる電流を遮断するための第1の電流制御要素を介して前記第1のコンバータ出力端子に結合され、前記発光ダイオード負荷の前記陰極は、前記発光ダイオード光源がスタンバイモードにある場合に、第1の制御可能なスイッチを非導通状態にするための第1の制御回路に結合された制御電極を持つ第1の制御可能なスイッチを介して、前記第2のコンバータ出力端子に結合され、前記発光ダイオード負荷の前記陰極は、前記第1の制御可能なスイッチから該陰極へと流れる電流を遮断するための第2の電流制御要素を介して前記第1の制御可能なスイッチに結合された、
発光ダイオード光源が提供される。
【0009】
斯くして、第1の電流制御要素及び第2の電流制御要素は、用いられるLED基板の構成(configuration)にかかわらず、グロー効果に帰着する可能性のあるいかなる望ましくない電流も負荷を流れないようにする。
【0010】
本発明の他の態様によれば、前記第2の電流制御要素はダイオードを有することができる。
【0011】
本発明の他の態様によれば、前記第1の電流制御要素はダイオードを有することができる。
【0012】
本発明の他の実施形態において、前記発光ダイオード光源は、保護接地端子を備え、優勢容量素子(predominantly capacitive element)が、前記保護接地端子と、前記第1の制御可能なスイッチ及び前記第2の電流制御要素を結合するノードとの間に結合されることができる。
【0013】
本発明の他の実施形態において、少なくとも前記直流−直流コンバータは、第1のプリント回路基板(PCB)に位置付けられ、前記第1の電流制御要素及び/又は前記第2の電流制御要素が、前記第1のプリント回路基板に位置付けられることができる。
【0014】
本発明の他の実施形態において、少なくとも前記発光ダイオード負荷は、第2のプリント回路基板に位置付けられ、前記第1の電流制御要素及び/又は前記第2の電流制御要素が、前記第2のプリント回路基板に位置付けられることができる。
【0015】
本発明の他の実施形態において、前記第1の電流制御要素及び前記第2の電流制御要素は各々、前記第1の制御可能なスイッチ間の寄生容量より小さい寄生容量を持つことができる。
【0016】
本発明のこれらの及び他の特徴及び利点は、例示且つ非限定的な例としてのみ与えられた、以下に説明される好ましい実施例の詳細な説明及び添付の図面を考慮に入れより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】グロー低減回路を有さない、先行技術において知られたLED光源を示す。
【
図2】先行技術において知られた、グロー低減回路を有するLED光源を示す。
【
図3】本発明の例示の実施形態における、改善されたグロー低減回路を備えるLED光源を示す。
【
図4】
図2に示されるグロー低減回路を有するLED光源における寄生容量に起因する電圧波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1において、K1及びK2は、電源に対する接続のための入力端子である。ダイオードD1乃至D4は、整流器出力端子を有する整流器RBを形成する。該整流器出力端子は、整流された電源電圧から直流(DC)電流を生成するための、DC−DCコンバータCONVの対応するコンバータ入力端子に接続される。コンバータCONVは、第1のコンバータ出力端子A、及び第2のコンバータ出力端子Bを有する。コンバータ入力端子同士はコンデンサCinにより接続され、第1のコンバータ出力端子と第2のコンバータ出力端子とはコンデンサCoutにより接続される。
【0019】
コンバータCONVは、DC−DCコンバータに含まれるコンバータ制御回路の動作を起動又は停止し、それによりそれぞれ、LED光源の動作を開始又はLED光源をスタンバイモードに移行させる制御信号を受信するための、入力端子K3を備える。該制御信号は例えば、LED光源を一部として含む照明システムにおける照明制御回路により生成されることができる。
【0020】
DC−DCコンバータCONVは、1つ以上のコンバータ段を有してもよい。DC−DCコンバータが複数の段を有する場合、第1の段は、LED光源を供給電源と整合させる、力率補正(PFC)段であってもよく、1つ以上の出力段は、コンバータをLED負荷と整合させる、段であってもよい。
【0021】
第1のコンバータ出力端子Aは、LED負荷LLの陽極に接続される。
図1において、LED負荷LLは、2つのLED即ちLED1及びLED2により模式的に表されている。実際には、LED負荷は一般に、はるかに多い数のLEDを有する。LED負荷LLの陰極は、第2のコンバータ出力端子Bに接続される。
【0022】
図1に示されるLED光源は、照明器具において使用されるのに非常に適している。安全性の理由から、斯かる照明器具は通常、保護接地PEに接続され、該保護接地PEは次いで、電源の「中性端子」("neutral")に接続される。保護接地PEを電源の「中性端子」に結合することは、
図1に描写される直接接続によりなされる必要は必ずしもない。斯かる結合は、電力系統レベル(utility-grid level)でなされてもよく、いわゆる"Y cap"等のラインフィルタコンデンサ(line filter capacitor)を介してなされてもよい。LED負荷は、照明器具と結合され、斯くして、
図1においてCpar1、Cpar2及びCpar3として模式的に表されている寄生容量によって保護接地PEとも結合され得る。
【0023】
図1に示されるLED光源の通常動作の間は、電源電圧が整流器RBにより整流され、DC−DCコンバータCONVは、該整流された電源電圧から、LED負荷LLに供給されるDC電流を生成する。該DC電流は、LEDに光を発生させる。
【0024】
しかしながら、DC−DCコンバータの動作を停止させる制御信号が端子K3において受信された場合、LEDを流れるDC電流はもはや生成されず、LED光源はスタンバイモードに入る。
【0025】
LED光源の入力端子が依然として電源に接続されているため、保護接地をLED負荷に結合する寄生容量が、AC漏れ電流を流れさせる。
【0026】
電源サイクルの第1の部分の間は、第1の電流が、端子K2から、寄生容量Cpar3及びダイオードD3を通って、入力端子K1へと流れる。第2の電流は、入力端子K2から、Cpar2、LED2及びダイオードD3を通って、入力端子K1へと流れる。第3の電流は、端子K2から、寄生容量Cpar1、コンデンサCout及びダイオードD3を通って、入力端子K1へと流れる。これらの電流は、寄生容量を充電する。
【0027】
電源サイクルの第2の部分の間は、電流が、端子K1から、ダイオードD1及びコンデンサCinを通って、コンバータ出力端子Bへと流れる。コンバータ出力端子Bからは、第1の電流が、コンデンサCout及び寄生容量Cpar1を通って、入力端子K2へと流れる。第2の電流は、コンバータ出力端子Bから、コンデンサCout、LED1及び寄生容量Cpar2を通って、入力端子K2へと流れる。第3の電流は、コンバータ出力端子Bから、寄生容量Cpar3を通って、端子K2へと流れる。これらの電流は、寄生容量を放電する。
【0028】
斯くして、漏れ電流が寄生容量及び部分的にLEDを通って流れ、それによりLEDに望ましくないと考えられる少量の光を発生させる。
【0029】
図2に示されるLED光源は、上述した国際特許出願公開第WO2013/132379号公報に述べられている。
図2のLED光源は更に抵抗R1及びR2、ダイオードD5、第1の制御可能なスイッチM1並びにツェナーダイオードZ1を有する点において、
図2に示されたLED光源は、
図1に示されたLED光源とは異なる。
図2に示された実施形態においては、第1の制御可能なスイッチはFETである。DC−DCコンバータCONVのコンバータ出力端子同士は、抵抗R1及び抵抗R2の直列構成によって接続される。抵抗R1及び抵抗R2の共通端子は、第1の制御可能なスイッチM1の制御電極に接続され、抵抗R2は、ツェナーダイオードZ1により分路される。抵抗R1、抵抗R2及びツェナーダイオードZ1はあわせて、DC−DCコンバータの動作が停止されLED光源がスタンバイモードとなった場合に、制御可能なスイッチM1を非導通状態とするための、第1の制御回路を形成する。
【0030】
図2に示されるLED光源の通常動作の間は、コンデンサCoutの両端電圧、及び従って抵抗R1及び抵抗R2の直列構成の両端電圧は、第1の制御可能なスイッチM1を導通状態に維持するのに十分に高い。その結果、ダイオードD5及び制御可能なスイッチM1はDC−DCコンバータCONVにより生成されるDC電流を通すため、
図2に示されるLED光源の通常動作は、
図1に示された先行技術のLED光源の通常動作と非常に類似したものとなる。
【0031】
DC−DCコンバータCONVが、通常動作からスタンバイモードへの切り換えのための制御信号を端子K3において受信した場合、該DC−DCコンバータの動作は停止させられ、LED負荷に電力供給するDC電流はもはや生成されず、コンバータ出力端子間の電圧が減少して、それにより第1の制御可能なスイッチM1は非導通状態となる。ダイオードD5及び制御可能なスイッチM1の本体ダイオードは、漏れ電流を遮断し、それにより、LED光源がスタンバイモードにあるときに、寄生容量はもはや充電及び放電されず、LEDは少量の光を生成しなくなり、そのためグロー効果が効果的に抑制される。
【0032】
ダイオードD5が省かれると、LEDは依然として少量の光を生成するであろうことに留意されたい。このことは、端子K2における電圧が端子K1における電圧よりも高いときに、電源電圧の瞬間的に高い値のため、LEDの陰極から陽極へ流れる逆電流をLEDが担持するためである。該電流は、寄生容量を充電する。LEDは次いで、端子K1における電圧が端子K2における電圧よりも高いときに、寄生容量を放電させ、LEDの陽極から陰極へと流れる電流を担持する。
図2に示された実施形態においては、LEDを流れる逆電流は、第1の電流制御要素として働く、ダイオードD5により遮断される。
【0033】
しかしながら、
図2に示されたLED光源は、
図3及び
図4を参照して以下より詳細に説明されるように、ある状況下でいくらかのグロー効果を依然として呈する恐れがある。
【0034】
図3は、本発明の例示の実施形態における改善されたグロー低減回路を備えるLED光源を示す。
図3は
図2とよく似ており、
図3に示されるほとんどの要素は、
図2を参照して説明済みである。
図2とは異なり、
図3は更に、制御可能なスイッチM1のドレイン電極を保護接地PEに結合する優勢容量素子である、いわゆる"Yコンデンサ"Ycap等の典型的なラインフィルタコンデンサを開示する。さらに、制御可能なスイッチM1自体が、該制御可能なスイッチM1のドレイン電極及びソース電極間に、
図3においてCparとして表されている、寄生容量を持つ。本発明者は、制御可能なスイッチM1の寄生容量が、制御可能なスイッチM1が非導通状態であるにもかかわらずグロー効果に帰着する望ましくない電流の流れの根本原因であることを特定した。
図4は、DC−DCコンバータCONVの第2の出力端子B及び保護接地PE間の電圧差の波形を示す。Cpar及びYcapが、第2の出力端子B及び保護接地PE間の電圧差に対する容量分圧器を形成する。しかしながら、制御可能なスイッチM1のドレイン及び保護接地PE間の電圧差の残る大きさ(remaining magnitude)が、依然としてLED負荷LLを通る電流に帰着するほど高くなり得、該LED負荷にグロー発光させる可能性がある。
図3に示されるように、優勢容量素子は、保護接地PEと、第1の制御可能なスイッチM1及び第2の電流制御要素Dを結合するノードとの間に結合されてもよい。これは、グロー電流低減を一層改善する有利な技術的効果を持つ。
【0035】
本発明は、第2の電流制御要素が、第1の制御可能なスイッチM1からLED負荷LLの陰極へと流れる電流を遮断するため用いられることを提案する。
図3により示される例示の実施形態において、第2の電流制御要素は、好ましくはダイオードDにより形成されているが、例えば、サイリスタ、サイダック又はツェナーによって形成されてもよい。ダイオードDの陽極は、LED負荷LLの陰極に電気的に結合され、ダイオードDの陰極は、制御可能なスイッチM1のドレインに電気的に結合される。
【0036】
第2の電流制御要素の技術的機能は、LED基板の寄生容量Cpar3と共にCparDとして表され得るその寄生容量が、低いリップル電圧しか該LED基板に残らないように、制御可能なスイッチM1のドレイン及び保護接地PE間の電圧差の更なる容量分圧器を形成することにある。リップル電圧がLED負荷LLの順方向電圧より低い場合、目に見えるグロー光はないであろう。好ましくは、第1の電流制御要素及び第2の電流制御要素は、第1の制御可能なスイッチM1間の寄生容量Cpar、すなわち、制御可能なスイッチM1のソース及びドレイン間の容量より小さい寄生容量を各々持つように選択される。
【0037】
ある実施形態において、LED光源の全ての構成要素は、同一のプリント回路基板(PCB)に搭載されてもよい。
【0038】
他の例示の実施形態において、DC−DCコンバータCONV、及び可能であれば整流器RB、更にはコンデンサCin及びCoutは、第1のPCB、いわゆる"ドライバPCB"に物理的に位置付けられてもよく、LED負荷LLは、第2のPCB、上述した"LED基板"に物理的に位置付けられてもよい。第1の電流制御要素D5及び/又は第2の電流制御要素Dは、第1のPCB又は第2のPCBのいずれかに物理的に搭載されてもよい。
【0039】
本発明は図面及び以上の記述において説明され記載されたが、斯かる説明及び記載は説明するものであって限定するものではないとみなされるべきであり、本発明は開示された実施例に限定されるものではない。図面、説明及び添付される請求項を読むことにより、請求される本発明を実施化する当業者によって、開示された実施例に対する他の変形が理解され実行され得る。請求項において、「有する(comprising)」なる語は他の要素又はステップを除外するものではなく、「1つの(a又はan)」なる不定冠詞は複数を除外するものではない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に利用されることができないことを示すものではない。請求項におけるいずれの参照記号も、請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【要約】
本発明は、発光ダイオード光源であって、電源電圧供給源への接続のための入力端子(K1、K2)と、電源電圧供給源により供給される電源電圧を整流するため入力端子に結合された、整流器出力端子を有する整流器(RB)と、整流された電源電圧から直流電流を生成するための、整流器出力端子に接続されたコンバータ入力端子と、第1のコンバータ出力端子(A)及び第2のコンバータ出力端子(B)と、を有する直流−直流コンバータ(CONV)と、発光ダイオード負荷(LL)であって、その陽極が、該陽極から第1のコンバータ出力端子へと流れる電流を遮断するための第1の電流制御要素(D5)を介して第1のコンバータ出力端子に結合され、その陰極は、発光ダイオード光源がスタンバイモードにある場合に、第1の制御可能なスイッチ(M1)を非導通状態にするための第1の制御回路に結合された制御電極を持つ第1の制御可能なスイッチ(M1)を介して、第2のコンバータ出力端子に結合され、該陰極は、第1の制御可能なスイッチ(M1)から発光ダイオード負荷の該陰極へと流れる電流を遮断するための第2の電流制御要素(D)を介して第1の制御可能なスイッチ(M1)に結合された、発光ダイオード負荷とを有する発光ダイオード光源に関する。