(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6354005
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】飲み口が開閉可能なコップ
(51)【国際特許分類】
A47G 19/00 20060101AFI20180625BHJP
A47G 19/12 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
A47G19/00 A
A47G19/12 H
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-48130(P2014-48130)
(22)【出願日】2014年2月24日
(65)【公開番号】特開2015-157058(P2015-157058A)
(43)【公開日】2015年9月3日
【審査請求日】2017年2月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】512258344
【氏名又は名称】榎本 貴子
(72)【発明者】
【氏名】榎本 泰久
【審査官】
長清 吉範
(56)【参考文献】
【文献】
特表2012−520806(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3180319(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 19/00
A47G 19/12
A61J 7/00
G01F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲み物用コップにおいて、全体が固い材質のコップ本体と、復元力のある柔らかい材質の飲み口及び飲み口周辺部を有し、
前記コップ本体は硬度の高いシリコンゴム又は合成樹脂からなり、前記飲み口及び飲み口周辺部はシリコンゴム又は合成ゴムをからなり、前記コップ本体と前記飲み口及び飲み口周辺部は前記コップ本体前方で一体となり、
前記コップ本体は、前記コップ本体に設置された開口縁下の操作部と飲み口両側の作動部を有し、前記飲み口は先端付近円周方向と高さ方向の薄肉部と、開口縁両側の高低差によって形成される段差部(10c)と、開口縁の内側への内傾部を有し、前記操作部に力を加えると前記飲み口両側の作動部に力が伝わり、前記飲み口を両側から挟み込み、前記飲み口の先端付近円周方向と高さ方向の薄肉部と、前記飲み口の開口縁両側の高低差によって形成される段差部と、内傾部により低い側が下に入り込み、高い側が上に被さり、前記飲み口が小さく丸まった形態を形成し、前記操作部の力を弱めると前記飲み口が元の形状に復元して広がる、
手元の力加減で容易に飲み口を小さく丸めることが出来る事を特徴とする飲み口が開閉可能なコップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、なかなか口を開かなかったり、口を開ける力が弱い赤ちゃん、介護が必要な高齢者に飲み物を与える時に 手でコップ開口縁の下を持つ手に力を加えることで飲み口が丸まって小さくなり 口の中に入れ易くなり、飲み物を注ぎ込む量の調整、箇所の絞り込みが出来、又小さくした飲み口を口の中に挿入した後 開口縁の下の持つ手の力を弱め飲み口を広げることで自然に対象者の口を開かせることが出来、飲み物を零すこと無くスムーズに口の中に送り込むことが出来る 飲み口に開閉機能を有するコップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の赤ちゃん、介護が必要な高齢者用のコップの飲み口は 飲み物を零さない様にする為 飲み口形状を口に合わせたり、細長くしたり、パイプ状にしたり等形状の工夫はしているが 対象者の口の大きさ、口の開き具合、与える飲み物の粘度、流動性等は様々であり それに合わせて飲み口の形、大きさの調整はできず一定の形状であることから対象者に飲み物を与える時は 供給者の手加減に調整を依存している。
【0003】
このように赤ちゃん、介護が必要な高齢者は それぞれ口の大きさ、口の開き具合、口を開ける意思、口を開ける力が異なっており 又飲み物の種類、粘度、流動性も様々な為 上手く飲ませるには供給者の手加減に頼るところが大きく従来のようなコップの飲み口の形状だけでは補いきれず 口を適度な大きさ迄開けさせることは対象者の状態、意思次第となる為 無理をして飲み物を飲ませようとして零したり、廻りを汚したりすると共に対象者への適量の供給と対象者の快適さを保つことが難しくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3169669号
特許文献1の液体用コップは 収容した飲用液を飲む場合は開口縁を口元に当ててコップを口側へ傾動させつつ飲むことになるが 普通はコップの傾動に伴って飲用者も顔面を徐々に上向きにしていくが 特に細長い円筒形の、かつ底の深いコップの場合飲み終わりに近づくにつれて顔を大きく仰向けにする姿勢となり 飲む乳幼児や高齢者、要介護者の場合 顎を曲げて顔を上向きにするのが困難な場合があり介護にあたる者にとっても労力が大きいとし 手で僅かに傾けるだけで液体あるいは液状の内容物を使用者の口に注ぎ込むことが出来、乳幼児や高齢者、被介護者が使用するのに便利な液体コップを提供することを課題としている。
【0005】
上記コップは 上部開口側の側部が片側に傾斜した形態になっているので、コップの僅かな傾動で収容液を使用者の口に注ぎ込むことができ、顔面を大きく仰ぐ姿勢にする必要がなく、したがって乳幼児や高齢者、被介護者が使用するのにきわめて有用となり又、上部の開口が楕円形となっているので、円形の開口のものと比べて注入目的箇所に正確に、かつ容易に注ぎ込むことができるとしているが 上部開口側の側部が片側に傾斜した形態でなお且つ上部の開口が楕円形になっているとコップの僅かな傾斜で注入目的箇所に注ぎ込み易くはなるが 対象者が自力で飲むことが難しく、供給者に委ねる場合 通常のコップと比べても効果は薄く、対象者の口の大きさ、開き具合、収容液の粘度、流動性等様々である為 一定の形状では変化には対応できず 安定して与えるには供給者の手加減、調整に依存することになる。
【0006】
そこでこの発明は 中々口を開かない、口を開ける力が弱い赤ちゃん、介護が必要な高齢者に飲み物を与える時 コップの開口縁の下を持つ手に力を加える事で飲み口を小さく丸められ、与える飲み物の液量の調整が容易で且つ狭い箇所へも注入できると共に 口の中に挿入し易い形状となり、挿入した後持つ手の力を弱め飲み口を口の中で広げれば、その力で自然に対象者の口が開かれ、飲み物を零さずにスムーズに送り込み、飲ませることが出来るコップを提供することを課題とする。
【0007】
以上の課題を解決するために、コップの飲み口と飲み口周辺部の円周方向と高さ方向に柔らかい柔軟性と復元性のある材質(シリコンゴム、合成ゴム類、生ゴム、合成樹脂等)を使用し 飲み口と飲み口周辺部を除くコップ全体は硬い材質(硬度が高いシリコンゴム、合成樹脂等)を使用し コップを持つ開口縁の下の操作部を持つ手に力を加えるとそこから繋がった飲み口の両側部分に配置された作動部に力が伝わり 飲み口を挟み込むことで飲み口が小さく丸まり 液量の調整と狭い箇所への正確な注入が容易になると共に 開き切っていない対象者の口の中に飲み口を容易に挿入でき、その後操作部を持つ手の力を弱めると 作動部の挟み込む力が弱まり口の中で飲み口が広がり始め 飲み口の広がる力で対象者の口元が自然に開いていき 飲み物をスムーズに零すこと無く適量を対象者に与えることが出来る。
【0008】
本発明によれば 中々口を開かない、口を開く力の弱い赤ちゃん、介護が必要な高齢者に飲み物を与える時に 口の中に飲み物を上手く入れられない、口元から飲み物が零れてしまう等の問題を 開口縁の下の操作部を持つ手の力の強弱で開閉操作が出来る飲み口を有したコップにより 液量の調整と狭い箇所への正確な注入が容易になるだけでなく わずかに開いた口の中に小さく丸まった飲み口を挿入し 口の中で開くことで自然に口を開かせ 対象者の口の中に適量の飲み物を送り込むことが出来、なお且つ零したり周りを汚さずに飲ませることが可能となる。この飲み口を有するコップは 全体は硬い材質で形成され 飲み口と飲み口周辺部の円周方向と高さ方向の一部が柔らかく柔軟性と復元性のある材質で形成され 開口縁の下のコップを持つ部分の操作部に力を加えると繋がった飲み口両側に配置された作動部に力が伝わり 飲み口を挟み込んで飲み口が小さく丸められ 液量の調整と狭い箇所への正確な注入が容易になり 又少ししか開いていない対象者の口の中に容易に飲み口を挿入が出来、挿入後操作部の手の力を弱めると作動部の飲み口を挟む力も弱り口の中で飲み口が広がり 同時に対象者の口元を押し広げ 飲み物をスムーズに送り込むことが出来、又操作部の手の力の入れ具合で 飲み口の開閉の微妙な操作が出来、対象者の様子を見ながら適量を徐々に飲ませることが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明の実施形態を 図面を参照に説明する。
図1は コップの通常形態を正面から見た全体像1を示す。飲み口10とその周辺部円周方向と高さ方向の一部は飲み口が容易に小さく丸まる様に 柔らかい柔軟性と復元性のある材質(シリコンゴム、合成ゴム、生ゴム、合成樹脂等)から形成され、それらを除くコップ開口縁の下の操作部と飲み口の両側に配置された作動部を含むコップ全体は硬い材質(硬度が高いシリコンゴム、合成樹脂等)で形成されている。飲み口の形状は 内側に小さく丸まる様に先端付近の肉厚を薄くし、両側の高さに高低差(段差)を付け、操作部11に力が加わると飲み口両側の作動部12に力が伝わりさらに作動部から飲み口に挟み込む力が伝わって飲み口薄肉部から簡単に変形を始め、開口縁が内傾した内側に倒れ易い形状10dと両側の高さの差から低い側が入り込み高い側が被さっていき小さく丸まる。
【0011】
図2は コップの通常形態を真上から見た全体像を示す。飲み口10と作動部12の配置、飲み口の円周方向の薄肉部10aを示している。
【0012】
図3は コップの飲み口10を小さく丸めた状態を正面から見た図を示す。力を加えた操作部11から作動部12に力が伝わり 小さく丸まった状態になっている。飲み口の薄肉部から変形し 開口縁の内傾と両側の高低差により内側に小さく丸まり易い。
【0013】
図4は スプーンの飲み口10を小さく丸めた状態を真上から見た図を示す。操作部11に加えた力が作動部12に伝わり 飲み口に力が加わり飲み口の高い側が低い側に覆いかぶさる様になり 低い側は下に入り込む。
【0014】
図5は コップの通常形態の側面図を示す。飲み口の高さ方向の薄肉部10bと両側の段差部高低差10cを表している。操作部から作動部に力が加わった時 薄肉部から変形が始まり 飲み口の両側の高低差から 高い側が低い側の被さり、低い側が下に入り込んで交錯する。
【0015】
図6は コップ通常形態での柔らかい材質13と硬い材質14の配置を示した図である。飲み口と飲み口周辺部の円周方向と高さ方向に柔らかい材質が、それを除くコップ全体(操作部、作動部を含む)には硬い材質が配置されている。
【0016】
図7は 丸めて小さくした飲み口をわずかに開いている対象者の口の中に挿入した図(A)と飲み口を口の中で広げることで対象者の口が開いた図(B)である
【符号の説明】
【0017】
1 コップ本体
10 コップ飲み口
10a コップ飲み口円周方向薄肉部
10b コップ飲み口高さ方向薄肉部
10c コップ飲み口段差部
10d コップ飲み口内傾部
11 コップ円周の操作部
12 コップ円周の作動部
13 柔らかい材質
14 硬い材質