(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6354008
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
G02B 6/38 20060101AFI20180625BHJP
H01R 13/46 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
G02B6/38
H01R13/46 D
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-586(P2017-586)
(22)【出願日】2017年1月5日
(62)【分割の表示】特願2013-54439(P2013-54439)の分割
【原出願日】2012年9月3日
(65)【公開番号】特開2017-97371(P2017-97371A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2017年1月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】396006309
【氏名又は名称】曽根 利仁
(72)【発明者】
【氏名】曽根 利仁
【審査官】
野口 晃一
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭59−151214(JP,U)
【文献】
特開平09−211271(JP,A)
【文献】
特開2005−077837(JP,A)
【文献】
特開2004−045936(JP,A)
【文献】
特開昭63−183409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/24
6/255
6/36− 6/40
H01R 13/40−13/533
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光伝送路を保持する保持部を備えた光プラグと、
第2光伝送路が配置され、前記第2光伝送路を前記第2光伝送路の長手方向と垂直な方向に付勢する、付勢手段を備えた光プラグ受けとからなるコネクタであって、
前記光プラグの前記保持部は、その一部が前記第1光伝送路の長手方向に突出して伸びることで側面開口部が形成された突出部を有し、
前記光プラグが前記光プラグ受けに接続される際、前記光プラグの前記突出部が、前記第2光伝送路の長手方向に沿って前記光プラグ受けに挿入されることで、前記光プラグ受けの前記第2光伝送路が、前記付勢手段により付勢されて前記光プラグの前記側面開口部に進入し、前記第1光伝送路と前記第2光伝送路が接続されることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタに用いることを特徴とする光プラグ。
【請求項3】
請求項1に記載のコネクタに用いることを特徴とする光プラグ受け。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光接続構造が知られる。例えば、WO2008/022112号公開公報の技術は、住宅の壁用光コネクタとして商用電源コンセントを用いて光接続構造を実現しており、目に有害なレーザ光が外部に漏れることを、防止するシャッター部を備える技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2008/022112号公開公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のプラグは、プラグ受けの移動して来た光伝送路の側面を受入れることができないと言った問題があった。
従来のプラグ受けは、光伝送路の側面をプラグに進入させることができないと言った問題があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、プラグ受けの移動して来た光伝送路の側面を受入れることができるプラグを提供することにある。
また、光伝送路の側面をプラグに進入させることができるプラグ受けを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明の
コネクタは、第1光伝送路を保持する保持部
を備えた光プラグ
と、第2光伝送路
が配置
され、前記第2光伝送路を前記第2光伝送路の長手方向と垂直な方向に付勢する、
付勢手段を備えた光プラグ受け
とからなるコネクタであって、前記
光プラグの
前記保持部
は、その一部が前記第1光伝送路の長手方向に
突出して伸び
ることで側面開口部
が形成された突出部を有し、前記
光プラグが前記光プラグ受け
に接続される際、前記光プラグの前記突出部が、前記第2光伝送路の長手方向に沿って前記光プラグ受けに挿入されることで、前記光プラグ受けの前記第2光伝送路が、前記付勢手段により付勢されて前記光プラグの前記側面開口部に進入し、前記第1光伝送路と前記第2光伝送路が接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、プラグは、プラグ受けの移動して来た光伝送路の側面を受入れることができる。
プラグ受けは、光伝送路の側面をプラグに進入させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】実施形態の配電・通信システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
図1は実施形態の光コネクタの正面図である。例えば、光コネクタはコンセント1およびプラグ2から構成され、コンセント1は商用電源コンセントのJIS C 8303(IEC60884)などの規格を満たした電極挿入穴11、12、13を有したパネル10を備え、プラグ2は並行に延びた電力電極21、22およびアース電極23を有したキャップ20を備え、アース電極23は正面と側面に開口を備え、光ファイバ25(光伝送路)を内部に支持したフェルール24を内装する筒を形成し、側面の開口が電力電極21、22の配置された側を向いている。後述する
図2と
図3において、コンセント1は
図1のA−A断面図であり、プラグ2は
図1のB−B断面図である。
【0011】
図2は実施形態の光コネクタの断面図である。コンセント1は、ガイド穴34、電力電極31、32、アース電極33およびブロック37を備えたフレーム16にパネル10を被せて形成される。また、ブロック37の部分が取外し可能である。ガイド穴34は、光ファイバ15(光伝送路)を内部に支持したフェルール14の側面が先端側に接合されたガイド部35を内装したバネ17が差し込まれている。また、バネ17の延び縮みを阻害しない十分な内径を備える。
【0012】
ガイド部35は、先端側が三角形を形成し、反対側が円錐を形成する。バネ17は、三角形の先端側でガイド部35を保持する。フェルール14は、アース電極33の先端側の通電部に押されて、ガイド穴34の側に付勢されている。また、付勢されたことにより、先端面が電極挿入穴13と対向しないようになっており、光ファイバ15のレーザ光がシャッターを設けていない電極挿入穴13より漏れる心配がない。
【0013】
プラグ2は、商用電源コンセントのJIS C 8303(IEC60884)などの規格を満たした電力電極21、22、アース電極23がキャップ20から並行に突出し、ケーブル41の電源線が電力電極21、22に接続され、ケーブル41のアース線がアース電極23に接続されている。アース電極23は、先端側の正面と側面に開口を備え、スリーブ36を形成する。スリーブ36は、2つのフェルール14、24の端面を対向させるのに必要な精度を有するフェルール孔を成し、ケーブル41の光ファイバ25を内部に支持したフェルール24と、フェルール24を押すバネ27と、を備える。光延長コード3は、コンセント1、プラグ2及びケーブル41で構成される延長コードの一例である。また、コンセント1を複数備えてケーブル41上の電源線、アース線および光ファイバを複数のコンセント1に分岐して接続する構成としてもよい。また、ケーブル41の両端がコンセント1同士または両端がプラグ2同士の組み合わせであってもよい。
【0014】
図3は実施形態の配電・通信システムの構成図である。配電・通信システムは、商用電力を供給する配電盤42から伸びたケーブル40の電力供給線およびアース線が電力電極31、32およびアース電極33に接続され、LAN(Local Area Network)を形成するハブ43から伸びた光ファイバ15がフェルール14に支持され、プラグ2がコンセント1に差し込まれ、電力電極21、22およびアース電極23がそれぞれ電極挿入穴11〜13の中に入り、電力電極31、32およびアース電極33に電気的に接続され、フェルール14がバネ17に押されて側面方向に移動し開口からアース電極23内に入って、アース電極23内で側面方向に移動してきたフェルール14の端面に、長手方向に移動してきたフェルール24の端面が当接して光ファイバ15と光ファイバ25が光的に接続される。また、コンセント1に差し込まれたプラグ2を揺さぶるなどして抜く場合に、ガイド部35がバネ17により自由に動くことができるため、フェルール14がアース電極23の揺動に追従することが可能である。後述する
図4(c)のアース電極23S(光コネクタ部)は、正面にシャッター部38aと、側面に内側に両開きするシャッター部38bを備えると、光コネクタ部の構造をシャッター付き光コネクタの先端部構造に応用することができる。
【0015】
図4は実施形態の光コネクタの接続図である。(a)のコンセント1(
図3のC−C断面)は、電力電極21が電力電極31の先端側の通電部に挟まれ、電力電極22が電力電極32の先端側の通電部に挟まれ、アース電極23にアース電極33の先端側の通電部が当接している。
【0016】
(b)のコンセント1(
図1のA−A断面)は、光ファイバ25を配置していない電力電極21、22およびアース電極23Zを備えた従来のプラグ2がコンセント1に差し込まれ、電力電極21、22が電力電極31、32に電気的に接続され、アース電極23Zにフェルール14の側面およびアース電極33の通電部が当接し、アース電極23Zがアース電極33に電気的に接続している。
【0017】
(c)のコンセント1(
図1のA−A断面)は、コンセント1側にフェルール14を内装して保持したスリーブ36Sを配置し、プラグ2(
図1のB−B断面)側のアース電極23Sにフェルール24を配置した構成とし、プラグ2が差し込まれ、スリーブ36S内で、フェルール14の端面にフェルール24の端面を当接させて光ファイバ15と光ファイバ25を光的に接続している。スリーブ36Sは、2つのフェルールの端面を対向させるのに必要な精度を有するフェルール孔を成し、側面がガイド部35の先端に接合されている。
【0018】
上記実施形態において、各フェルール14、24は、少なくとも1つ以上の光ファイバを備える構成とすればよい。コンセント1は、ブロック37の裏面に電線挿入口を備えてケーブル40の電力供給線およびアース線を差し込み、ブロック37内で電力電極31、32およびアース電極33の端末部で鎖錠的に接続させる構成としてもよい。プラグ2はアース電極23やアース電極23Sに光伝送路を支持させたが、商用電源コンセント規格のEタイプ(CEE7/5)などのプラグであれば、各電力電極21、22をアース電極23やアース電極23Sと同様の構造にし、各電力電極21、22に光伝送路を支持させ、電力電極21、22の双方の側面の開口が互いに平行に向かい合うように配置すると、コンセント1のフレーム内の容積を最小限に抑えることができる。装置44は、コンセント1と同様の光接続構造を備えたコンセント1sを備えてもよい。
【0019】
コンセント1またはプラグ2は、光伝送路としてフェルール14、24または光ファイバ15、25の替わりに、送受光素子またはPOF(Plastic Optical Fiber)などを配置してもよい。光接続構造は、コンセント1またはプラグ2以外の光コネクタに適用してもよい。また、挿入穴13を備え、光伝送路15を配置するコネクタ1と、光伝送路25を配置する光コネクタ部23(23S)を備えるコネクタ2と、から構成され、光コネクタ部23(23S)が正面と側面に開口部を備え、光伝送路15が側面からの付勢手段により所定位置に設定され、側面方向に移動可能となっており、コネクタ1にコネクタ2を差し込んだときに、光コネクタ部23(23S)が挿入穴13の中に入るとともに、側面方向に移動してきた光伝送路15を開口部から受け入れて、光伝送路15と光伝送路25を接続されることを特徴とする。ここで、光コネクタ部23(23S)は、光伝送路25に対するプロテクタ部を構成する。
【0020】
上記実施形態によれば、光コネクタは、住宅の壁用光コネクタとして用いた場合に、シャッター部を設けなくとも有害なレーザ光が外部に漏れる心配がない。また、商用電源コンセントのフレーム内の容積を増やすことなく商用電源コンセントに組込むことができる。延いては、住宅の安全な壁用光コネクタを実現することが容易にできる。
【符号の説明】
【0021】
1:1s…コンセント,2…プラグ,3…光延長コード,10…パネル,11〜13…電極挿入穴,14:24…フェルール,15:25…光ファイバ,16…フレーム,17:27…バネ,20…キャップ,21:22:31:32…電力電極,23:23Z:23S:33…アース電極,34…ガイド穴,35…ガイド部,36:36S…スリーブ,37…ブロック,38a:38b…シャッター部,40:41…ケーブル,42…配電盤,43…ハブ,44…装置