(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
可とう性を有する略シート状の素材から成る1以上の構成シート(10)によって全体が構成され、前記構成シート(10)は、巻くことによるか、重複して係止することによるか、あるいは螺旋状に巻くことにより、一部重なり合う領域(15)を有するように前記構成シート(10)が重畳的に設けられ、
前記構成シート(10)は、1以上の保持具(103)に設けられ
前記構成シート(10)は1以上の係止部(20)あるいは分割係止部(21)あるいは保持具(103)との係止支持部(31)を備えていることで、中空領域(11)を形成し、係る構成とすることで前記中空領域(11)の前面側の開放部(12)と背面側の開放部(13)を備え、前記前面側の開放部(12)は収納物(S1・S2)を収納するための収納口となり、前記背面側の開放部(13)は前記重なり合う領域(15)から下方へ前記収納物(S1・S2)を通過させることで長さの異なる前記収納物(S1・S2)でも収納できるように収納領域と収納位置を自由に調整することが可能であることを特徴とする多目的収納ユニット(1)の製造方法。
可とう性を有する略シート状の素材から成る1以上の構成シート(10)によって全体が構成され、前記構成シート(10)は、巻くことによるか、重複して係止することにより、一部重なり合う領域(15)を有するように前記構成シート(10)が重畳的に設けられ、
前記構成シート(10)は、1以上の保持具(103)に設けられ
前記構成シート(10)は1以上の係止部(20)あるいは分割係止部(21)あるいは保持具(103)との係止支持部(31)を備えていることで、中空領域(11)を形成し、係る構成とすることで前記中空領域(11)の前面側の開放部(12)と背面側の開放部(13)を備え、前記前面側の開放部(12)は収納物(S1・S2)を収納するための収納口となり、前記背面側の開放部(13)は前記重なり合う領域(15)から下方へ前記収納物(S1・S2)を通過させることで長さの異なる前記収納物(S1・S2)でも収納できるように収納領域と収納位置を自由に調整することが可能であることを特徴とする多目的収納ユニット(1)。
可とう性を有する略帯状の形状からなる1以上の長尺な帯体の前記構成シート(10)によって全体が構成され、前記帯体の構成シート(10)は重なり合う領域(15)を有するように螺旋状に配置され、前記構成シート(10)は1以上の係止部(20)あるいは分割係止部(21)あるいは保持具(103)との係止支持部(31)を備えて1以上の保持具(103)に巻かれて設けられていることで、
中空領域(11)を形成し、係る構成とすることで前記中空領域(11)の前面側の開放部(12)と背面側の開放部(13)を備え、前記螺旋状に配置される前記帯体の構成シート(10)の内側には第二の中空領域(14)が形成され、前記前面側の開放部(12)は収納物(S1・S2)を収納するための収納口となり、前記背面側の開放部(13)は前記重なり合う領域(15)から下方へ前記収納物(S1・S2)を通過させることで長さの異なる前記収納物(S1・S2)でも収納できるように収納領域と収納位置を自由に調整することが可能であることを特徴とする多目的収納ユニット(1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
あらゆるデザインアレンジによる、雑貨等の小物や植物を用いて美しい装飾が可能であり、植栽に利用する場合には、水やり、植え替えのいずれも簡単に行えるガーデニング用品ともなる収納ユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る多目的収納ユニットは、可とう性を有する略布体状の形状から成る1以上の構成シート10によって全体が構成され、前記構成シート10は、巻くことによるか、重複して係止することにより、一部重なり合う領域15を有するように前記構成シート10が重畳的に設けられ、該重なり合う領域15に少なくとも1以上の係止部20を設けることで中空領域11を形成し、係る構成とすることで前記中空領域11の前面側の開放部12と背面側の開放部13を備え、前記前面側の開放部12は収納物S1・S2を収納するための収納口となり、前記背面側の開放部13は前記重なり合う領域15から下方へ前記収納物S1・S2を通過させることで長さの異なる前記収納物S1・S2でも収納できるように収納領域と収納位置を自由に調整することが可能である構成を採用する。
【0012】
また、本発明は、前記重なり合う構成シート10において、前面側から目視した場合も、背面側から目視した場合も、重複した面方向に下側の前記構成シート10が、重複した面方向に上側の前記構成シート10のシートの面より一部はみ出して、目視可能に設けられた構成を採用することもできる。
【0013】
また、本発明は、可とう性を有する略帯状の形状からなる1以上の長尺な帯体の前記構成シート10によって全体が構成され、前記帯体の構成シート10は重なり合う領域15を有するように螺旋状に配置され、該重なり合う領域15に複数の係止部20を設けることで係る係止部20間に中空領域11を形成し、係る構成とすることで前記中空領域11の前面側の開放部12と背面側の開放部13を備え、前記螺旋状に配置される前記帯体の構成シート10の内側には第二の中空領域14が形成され、前記前面側の開放部12は収納物S1・S2を収納するための収納口となり、前記背面側の開放部13は前記重なり合う領域15から下方へ前記収納物S1・S2を通過させることで長さの異なる前記収納物S1・S2でも収納できるように収納領域と収納位置を自由に調整することが可能であるという構成を採用することもできる。
【0014】
また、本発明は、複数の前記構成シート10の一方の端辺と他方の端辺を係止することで第二の中空領域14を設ける構成を採用することもできる。
【0015】
また、本発明は、前記係止部20が、着脱可能に係止することにより、第二の中空領域14を設けるという構成を採用することもできる。
【0016】
また、本発明は、前記一部が重なり合う領域15を有するように重畳的に設けられた前記構成シート10の重畳方向が、1か所以上で切り替わるという構成を採用することもできる。
【0017】
また本発明は、前記多目的収納ユニットを構成する前記構成シート10が、2重以上で構成されている構成を採用することもできる。
【0018】
また、本発明は、複数の前記構成シート10から構成される収納ユニットの背面の形状を覆う基台シートを備えた構成を採用することもできる。
【0019】
また、本発明は、前記構成シート10の両端の間での前記重なり合う領域において、分割係止部を少なくとも1以上備えた構成を採用することもできる。
【0020】
また本発明は、前記重なり合う領域15において、前記構成シート10が穴またはスリットを設けている構成を採用することもできる。
【0021】
また、本発明は、前記構成シート10が、1以上の保持具103である支持材102に巻かれて設けられている構成を採用することもできる。
【0022】
また本発明は、前記構成シート10が設けられている前記支持材102の構成の内、前記支持材102が該支持材102を支える支持底部101を設けている構成において、前記構成シート10が、前記支持底部101に係止されているか、前記支持底部101を覆っている構成を採用することもできる。
【0023】
また本発明は、前記構成シート10が、前記構成シート10によって囲われた保持具103である芯材32に設けられている構成を採用することもできる。
【0024】
また、本発明は、前記保持具103に設けられている
多目的収納ユニット1において、前記構成シート10と保持具103が少なくとも1か所以上にて係止されている構成を採用することもできる。
【0025】
また、本発明は、前記保持具103または基台シート30が、発泡材、軟質材、マグネット板、マグネットシート、自己吸着シート、コンクリート、金属、樹脂、木、コルク、高摩擦部材、網、多穴部材、板材、筒、円柱、角柱、錐体、錘台または容器のいずれかであるという構成を採用することもできる。
【0026】
また、本発明は、前記保持具103または基台シート30が、1以上の凸部、凹部、凹条部、凸条部、穴部121、あるいはスリット穴部を設けている構成を採用することもできる。
【0027】
また本発明は、前記重なり合う構成シート10が、一部、構成シート10が無く、開口している窓開部141を設けているという構成を採用することもできる。
【0028】
また、本発明は、前記重なり合う構成シート10の窓開部141が、構成シート10の辺が曲線または折れ線であるという構成を採用することもできる。
【0029】
また、本発明は、前記構成シート10の解放部に開口状態を形成する1以上の開口スペーサー131を設けているという構成を採用することもできる。
【0030】
また、本発明は、前記構成シート10が、1以上の凸部あるいは凹部あるいは凸条部あるいは凹条部を設けている構成を採用することもできる。
【0031】
また、本発明は、前記構成シート10の1以上の凸条部が、前記構成シート10の辺に対して開口部のある囲い形状に設けてあるという手段を採用することもできる。
【0032】
また、本発明は、前記構成シート10が、1以上の穴あるいはスリットを設けている構成を採用することもできる。
【0033】
また、本発明は、前記構成シート10が、マグネットシートであるという手段を採用することもできる。
【0034】
また、本発明は、前記構成シート10が、伸縮性部材であるという構成を採用することもできる。
【0035】
また、本発明は、前記構成シート10が、張り剥がしが自在なシート、あるいは、自己吸着シートである構成を採用することもできる。
【0036】
また、本発明は、前記構成シート10の一部または全部が、EL(エレクトロルミネッセンス)であるという手段を採用することもできる。
【0037】
また、本発明は、横方向に連続して配置される前記構成シート10によって形成された全体を分割する前記分割係止部を備えた構成を採用することもできる。
【0038】
また、本発明は、最下段に配置される前記構成シート10、若しくは前記分割系止部に水抜きのための係止しない部分を設けた構成を採用することもできる。
【0039】
また、本発明は、前記収納物が植物であって、前記前面側の開放部から前記中空領域を通過して背面側の開放部から前記第二の中空領域へと前記植物の根を挿入し、前記第二の中空領域に充填した植物培養基材内において前記植物が前記根を広げることを可能とした構成を採用することもできる。
【発明の効果】
【0040】
本発明に係る多目的収納ユニットによれば、屋内、屋外を問わず、比較的狭い設置領域においても多種多様な植物を同時に栽培でき、潅水容易で一時的な移動や設置も可能であることから、育苗や園芸における作業負担の軽減や作業の効率化を図れるという優れた効果を発揮する。
【0041】
本発明に係る多目的収納ユニットによれば、沢山の開口部を構成することができ、柱や壁の形状に対応して装着できるので、例えば工場内において作業者が取りやすい位置に存在する壁や柱を利用して工具を収納するための収納ユニットとして利用するなど、場所や環境に対する制限が極めて少なく、あらゆる場所において自由な装飾が可能となるという優れた効果を発揮するものである。例えば吊り下げて使用してもよいし、筒状や、アーチ状等立体的な形状でもよく、ポケットの配置も様々な配置とすることが可能なため、今までにない斬新かつ洗練された植物アレンジが可能であるという優れた効果を発揮する。
【0042】
本発明に係る多目的収納ユニットによれば、沢山のポケット状の植栽部の底部が閉塞しているため、上部から一度の水やりにより全体に水を供給することが可能となるという優れた効果を発揮する。
【0043】
本発明に係る多目的収納ユニットによれば、花の交換の際、取り除く必要のない植物を移動することなく、別のポケットに違う種類の植物を装飾することも可能であり、また種や球根から育てたり、宿根草や多年草など季節が巡ってまた咲くものをそのままにしながら別のポケットの一年草は交換できるという優れた効果を発揮する。
【0044】
本発明に係る多目的収納ユニットによれば、構成部材が極めて少なく、またシンプルな構成で製作が容易でコストがかからないといった優れた効果を発揮する。
【0045】
本発明に係る多目的収納ユニットによれば、地面に接触させずに空中に吊るす構成として利用することにより、汚染された土壌や水害の影響を受けることなく、単位面積当たりの収穫量を向上させることができるという優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明に係る多目的収納ユニット1は、構成シート10同士が重なり合い、開口する開口部に雑貨等の物品や植物を植栽するバリエーションを自由にするため、上辺と下辺とは係止せず、下辺を隣接される構成シート10により覆うことによって生まれる効果が発揮されることを最大の特徴とするものである。つまり、例えば、植栽の際には、下辺を隣接される構成シート10により覆われることによって培養基材の土や水のこぼれを防止可能とする有用性を発揮するものである。
以下、図面に基づいて本発明に係る多目的収納ユニット1について説明する。但し、図面に示した形状や配置構成等についてはあくまでも例示であり、本願発明の特徴的な効果が発揮される範囲において変更することを可能とする。なお、図面の説明において上下左右は、図面に表された多目的収納ユニット1の上下左右方向と同じであり、前面又は前面側とは
図1(b)、
図2(b)、
図10(a)及び
図10(b)に示された左側をいい、背面又は背面側とは
図1(b)、
図2(b)、
図10(a)及び
図10(b)に示された右側をいうこととする。
【0048】
図1は、多目的収納ユニット1の第一基本構成を示し、従来の収納用具と比較して極めて構成要素が少なく、シンプルな部材のみで構成することが可能であることを表している。
図1(a)は、九十九折り線で示した係止部20が構成シート10の重なり合う領域15内において、縫製や接着等によって係止されるものであり、係る構成シート10が連続して複数重なることで、多目的収納ユニット1が構成されるものであることを示している。
図1(b)は、多目的収納ユニット1の複数の構成シート10が重なり合う構成を説明するための断面図である。
【0049】
構成シート10は、例えばテント生地やメッシュ生地等の布状部材を用いた構成シート10としたもので、これを複数重ねて使用する。素材は丈夫で可とう性を有し、壁や柱等に応じて自由に変形するとともに、収納物S1・S2の重量に耐えるための強度を有した素材を用いることが望ましい。寸法や形状については特に限定するものではないが、構成シート10の下辺が隣接される他の構成シート10に重なり合う領域15内で覆われる構成が繰り返して配置されるための部材である。
【0050】
中空領域11は、複数の構成シート10が重なり合って係止されることにより空間が設けられるものであり、係る空間は中空状に前後が開放され、一方の開放部は前面に配置され、他方の開放部は背面に配置される。
【0051】
前面側の開放部12は、雑貨などの物品を収納する場合や植物を植栽する場合など、様々な用途に応じて対応することができる。
【0052】
背面側の開放部13は、雑貨などの物品を収納する場合と植物を植栽する場合において、前記一方の開放部と他方の開放部は其々対を成して前面側と背面側とに分かれる。
【0053】
第二の中空領域14は、各構成シート10の前面側の開放部12から収納物S1・S2を収納できる領域ともなり、また植物を収納する場合においては係る第二の中空領域14内に育苗のための土壌等の植物培養基材を充填する領域とすることもできる。
【0054】
重なり合う領域15は、各構成シート10において前面に配置される他の構成シート10の背面と重なり合う部分をいう。
【0055】
なお、連続して重なり合い構成される全体の構成シート10のうち最も下側に設けられた最下段16の構成シート10においては、前面側に他の構成シート10が存在しないこととなる。
【0056】
係止部20は、構成シート10同士が重なり合う領域15において縫製、接着、溶着等の結合手段により固結された領域内においてその一部又は全部を係着されるともに、収納物S1・S2を収納する際、左右をガイドし、また最下段16の底部において収納物S1・S2が下方へ落下しないよう、構成シート10の両端部を繋ぐように係止部20を設けることも有効である。但し、収納物S2が植物である場合には縦方向の構成シート10の両端部の内側においても係止部20を設けることが望ましく、その数や長さについては特に限定するものではない。
【0057】
図2は本発明に係る1の第二基本構成を示す説明図であり、
図2(a)は、
図1(a)に示した第一基本構成により複数の構成シート10が重なり合ってできた全体の形状に対応する形状を有し、これを構成シート10が全体に係止されている状態を示している。
図2(b)は、該構成シート10の重なり合う領域15と基台シート30との係止状態を説明するための断面図である。
図2(c)は、複数の構成シート10が連続した重なり合い、これに対応した基台シート30が係止された状態における背面を示したものであり、
図2(d)は
図2(c)の構成シート10の形状違いである。
【0058】
基台シート30は、構成シート10と同じ素材を用いてもよいし、曲げた状態を保持するような塑性特性や、元の状態に戻る弾性特性を備えた材料等を用いることが考え得る。係る特性を有することにより、例えば、全体の両側端部を係止することによって得られるリング状収納型又は両面収納型等の利用体型に合わせて選択し、壁や柱などに設置する場合の基台としての機能を十分に発揮できる形状、大きさ、厚みとする。
【0059】
また、基台シート30は、複数の構成シート10同士が他の構成シート10と重なり合う領域15によって覆われる構成が連続してできた全体の形状の背面に対応する大きさで、又はそれを超える大きさの構成シート10と同様の布状素材からなる基台である。なお、収納物S2に植物を植栽する場合には、構成シート10及び基台シート30の素材は、樹脂製のフィルムやシートなどの水密性を備えたものを選択することが望ましいが、屋外の使用等使用条件によってはその限りではなく、麻布のような自然な素材が望ましい場合もあり、例えば、イベントやワンシーズン等、短期使用の想定においては、耐候性を考慮しない素材でも良い。
【0060】
図3は、本発明に係る多目的収納ユニット1に帯体の構成シート10を使用する構成説明図である。
図3(a)は、前記に示した多目的収納ユニット1の素材となるシートを一本の帯状を螺旋状に巻きつけた構成を側面から見た外観を示し、
図3(b)は、前記
図3(a)を断面視したものを示し、
図3(c)は、帯体の構成シート10を示し、
図3(d)は、帯体の構成シート10を螺旋状に一部が互いに重なり合うように巻きながら多目的収納ユニット1を形成していることを示し、
図3(e)は、
図3(c)における、複数の帯体の構成シート10の構成を示している。なお、図面には示していないが、底部には必要に応じて係止部20等を設けることとする。
【0061】
本発明に係る多目的収納ユニット1は、可とう性を有する略帯状の形状からなる一つの長尺な帯体の構成シート10によって全体が構成される。係る構成は、前記の構成シート10を重畳的に配置する構成と比較して、帯状部材を一回切断することで構成部材の略全体を得ることができる点で、製造し易い好適な構成といえる。
【0062】
帯体の構成シート10は、
図3(c)に示すように長尺な帯状の形状であり、本発明に係る多目的収納ユニット1の全体を構成する部材である。具体的な素材については、前記構成シート10と同様に、丈夫で可とう性を有し、壁や柱等に応じて自由に変形するとともに、収納物S1・S2の重量に耐えるための強度を有した素材を用いることが必要である。なお、寸法や形状については
図3(a)から
図3(d)によって限定されるものではなく、特に
図3(d)は帯体の構成シート10を螺旋状に連続して巻きつけることで、帯体の構成シート10の上辺と重なり合う下辺により、重なり合う領域15が構成されることを説明するものであって、巻く方向や重なり合わせる割合等についても限定されるものでもない。
また、
図3(e)の様に、複数の帯体の構成シート10を用いても良い。
【0063】
重なり合う領域15は、帯体の構成シート10を螺旋状に巻くことで配置が可能である。
【0064】
係止部20は、螺旋状に巻かれた帯体の構成シート10の全体の形状を維持するとともに、重なり合う領域15を区画して収納物S1・S2を保持するなどの機能を発揮するものである。但し、前記構成シート10の構成とは異なる注意点として、複数の係止部20をどの位置にどのくらい設けるかという配置構成を考慮しなければならない。即ち、螺旋状に巻くことで全体を形成する構成を採用する場合では、帯体の構成シート10の両端のみを係止するだけでは全体の形状が崩れ易くなり、また、その間の螺旋状の重なり合う領域15の全てが中空領域11となるため、収納物S1・S2を収納することによる部分的な変形が、全体形状へ大きく影響することとなる。そこで、帯体の構成シート10の幅と重なり合う領域15との割合、帯体の構成シート10が螺旋状に巻かれる一巻き当たりの直径、更には帯体の構成シート10の素材等との関係から総合考慮して、係止部20の数と位置について決定する。
【0065】
中空領域11は、帯体の構成シート10を螺旋状に巻きつけたことによって形成される重なり合う領域15に係止部20を設けることで、該係止部20を両端とする内側に構成される一つの領域をいう。また、中空領域11の前面側上部には前面側の開放部12が形成され、背面側下部には背面側の開放部13が形成されることとなる。前面側の開放部12は収納物S1・S2を収納するための収納口となり、背面側の開放部13は前記重なり合う領域15から下方へ通過させることで長尺な収納物S1・S2でも収納可能とするものである。
【0066】
第二の中空領域14は、前記螺旋状に配置した帯体の構成シート10によって形成された略円筒の内部領域をいい、多目的収納ユニット1の利用態様としてはそのまま円筒状の形状を利用し、360度方向の何れにも収納物S1・S2を収納できる構成としたり、略円筒形状から前面と背面を有する平面的な形状として前面側の帯体の構成シート10と背面側の帯体の構成シート10との間の第二の中空領域14を造る構成としたりすることが考えられ、更には略楕円状に変形させその長手方向を両端とする間に縦方向の係止部20を設けることで、該径止部20の数に応じて該径止部20毎の両側にそれぞれ独立した縦方向の第二の中空領域14を複数構成することも可能である。
【0067】
具体例として、例えば、螺旋状に配置した帯体の構成シート10によって得られた本発明に係る多目的収納ユニット1に、縦方向の係止部20を上下間を繋いで2ヵ所設けると、
図8(b)に示したものと同様な形状となる。係る構成を利用すると、第二の中空領域14を3つ独立して縦方向に得ることが可能となり、係る3つの第二の中空領域14に種類の違う缶ビールを収納し、3つそれぞれの前面側の開放部12につまみ等を収納し、これを「3人用おつまみ付きビールセット」などとする商品の販売等への応用利用することが考えられる。
【0068】
また、本発明に係る多目的収納ユニット1の利用態様として、第二の中空領域14に植物培養基材や植物培養土を充填し、植物育成又は植物による装飾ユニットなどとして利用することも有効である。係る利用態様に用いる場合には、前面側の開放部12から中空領域11へポット苗等を土のついたまま挿入し、該中空領域11において保持するとともに、育成によって伸びる根を第二の中空領域14に収納された植物培養機材まで広げる領域とする構成も有効である。係る構成では、第二の中空領域14上部から水を供給することで、背面側の開放部13を通じて中空領域11内の根に水を給水させることが可能となる。
【0069】
図4は、
図3に示される帯体の構成シート10を螺旋状に巻きつけたことによって形成される構成において、平面的な構成を示している。
図4(a)は、平面的な材を芯材32として、帯体の構成シート10を巻いて設けられた構成であり、必要に応じて係止部20を設けており、係る係止部20は、重複した構成シート10同士のみを係止しても良いし、係る芯材32も合わせて係止しても良く、また、係止支持部31によって、帯体の構成シート10が芯材32に係止されてその位置を保持する構成である。
【0070】
係る構成においては、前面側の開放部12から、例えば、長さのある収納物が挿入され、中空領域11を挿通し、背面側の開放部13から芯材32と構成シート10の間の第二の中空領域14を挿通して、係る多目的収納ユニット1に収納され、部分的に設けられた係止支持部31にて、突き当てて収納物を収納することもでき、係る収納物の長さ等によって、必要に応じて収納場所を定めればよいし、係止支持部31の位置やサイズや形状を設定しても良い。尚、収納物の突き当てる部分の形成には、
図6に示される分割係止部21を用いても良い。
図4(b)については、
図4(a)の芯材32が無い構成となっており、芯材32の無い中空構造となっており、より、太さのある収納物S1や植栽植物を収納物S2として、縦面での緑化用の植栽容器とする構成としても好適である。
【0071】
図5は、
図1に示される構成において、
図5(a)に示される重ね合わせた構成シート10の互いの両端を、
図5(b)のように、係止することによって互いに縦に一本まとめて係止した構成である。係る構成においては、側面のどこからでも収納物を収納することが可能な開口部を12を設け、例えば、長さ自由な収納物を収納することが可能である構成の基本構成の一つとなる。
【0072】
図6は、本発明に係る構成シート10内において分割する分割構成説明図である。
図6は、横方向に系止部20を設ける構成であり、例えば中間に位置する構成シート10に分割系止部21を設けることによって、例えば園芸用の植物を前面側の開放部12から中空領域11若しくは第二の中空領域14まで挿入し、中空領域11に充填された植物培養基材によって安定した状態とする。係る状態において、植物培養基材が全て下方へ落下してしまうことを防止するため、横方向に横架させる分割系止部21を設ける構成も有効である。なお、
図6は、横方向に分割することで異なる種類の物品を収納したり、或いは植物の植栽する構成において、一括した水分管理や栄養管理、若しくは受光管理など多様な目的に対応した分割構成が実現できることを示している。図には示していないが、雑貨等を収納する場合において上段と中段と下段とに其々分割し、上段には筆記用具、中段にはお菓子、下段には手帳など、様々な収納物S1・S2の種類に分けて自由に収納することができる構成であることを示している。
【0073】
分割係止部21は、縦方向又は横方向の何れにおいても係支部20を備えることで、一方向に配置されるポケットなどの代わりとなり、また縦方向に長い構成を採用した場合では前面側の開放部12と背面側の開放部13とが横方向にある程度の領域を持って、例えば第二の中空領域14が大きい場合にはたくさんの植物培養基材を当該中空領域11内に充填することができ、内部に充填した植物培養基材が底部へ流れ落ちてしまうことを回避するために必要である。また縦方向の分割は、小物や小さな植物など分割して保持させることが可能であり、係る仕切りを多数設けることによって収納数を増設する態様なども有用である。本発明は、中空領域11の貫通する開放部を有するため、保持されずに開放された底部に抜け落ちてしまうことがある。そのため、横方向のストッパーが必要であり、横方向全ての分割係止部21を設けると植物を育てるための水の行き場が失ってしまうため、根腐れの原因ともなりかねない。そこで、小さな穴部121を設けて水抜き等をすることもできるようにすることも必要である。なお、図面上では波線を用いて比較的長く示しているが、係る長さは必要に応じて短くしたり或いは点状の分割係止部21としてもよい。
【0074】
水抜き穴17は、具体的に部材等に穴を開けるのではなく、構成シート10と他の構成シート10若しくは構成シート10と基台シート30の係止部20の横方向に横架する係止部20において、左右の系止部20の間に係止しない部分を設けることによって形成される、水抜き用の開口部である。
【0075】
図7は、本発明に係る全体構成において一部の構成シート10のうち、左右両辺の間であって、各構成シート10の前面に配置される他の構成シート10と重なり合う領域15の一部又は全部を縦方向に係止することにより、より多彩な収納レイアウトを創出させることが可能であることを示している。即ち、収納領域内において特定の場所を選択し、係る場所へ収納物S1・S2の大きさに合わせて収納することが可能であることを示しており、本発明の特徴である自由な配置構成を実現させる構成を示している。
【0076】
図8は、本発明に係る多目的収納ユニット1における構成シート10の重ね方を斜めに連続して繰り返すことで全体を構成した場合の実施例を示している。係る態様を採用した場合、構成シート10の前面側の開放部12が斜めに傾斜して交互に連続して構成される場合の全体形状を示している。具体的には、傾斜するように物品を配置したり、植物を植栽することが可能である。また、係る角度は特に限定するものではなく、自由なレイアウトを用意することで使用者の個性に応じた配置構成の選択幅を広げることも有効である。
また、係る重ね方を違う方向の斜め方向の構成シート10を組み合わせる構成は、図面には示していないが、螺旋状に構成シート10を巻く構成でも良い。
【0077】
図9は、重畳方向が切り替わる構成の例の説明図であり、
図9(a)は係る構成の断面図、
図9(b)及び
図9(c)は、実際に収納物を配置した例である。
図9(a)においては、11枚の構成シート10で構成されている多目的収納ユニット1の重畳方向が、真ん中の構成シート10にて切り替わっており、
図9(b)は、収納物として、長さの違う鉛筆6本と定規1本が収納されており、長さの違う鉛筆は、それぞれの長さに合った位置に収納可能となっている。尚、最上部の鉛筆の様に、必ずしも、左右対称の位置から出さなくても良い。
従来の鉛筆ケースは、こうした長さの違う文房具を、その長さに合わせて収納できる物は殆どなく、ペン立ても、短い鉛筆などが中に入って取り出し難いという課題もあり、机の上や引き出しの整理整頓にも有用である。また、もし係る構成を6枚の大きさの違う構成シート10で製作すると、一番厚い箇所で6枚の構成シート10をまとめて縫製することとなり、困難であり、また、材料も無駄が多い等、課題が多く、本構成であれば、生地の量もより少なく、かさ張らず、重畳構造で前面及び背面側の開放部13が設けられていることにより、鉛筆等の挿入も容易で、中空領域部による保持力もあり、好適である。
【0078】
図9(c)は、真ん中の構成シート10が、2重以上の構造であり、その構成例として、更に複数の構成シート10からなる多目的収納ユニット1である構成の例であり、つまり、多目的収納ユニットを構成シート10として、更に大きな多目的収納ユニット1を構成している例である。係る構成によれば、例えば、良く使う色の鉛筆を、真ん中の縦の小さい多目的収納ユニット1にて保持させておくようなことが可能な構成である。尚、係る小さい多目的収納ユニットの係止部20は、省略している。尚、係る小さい多目的収納ユニットは、ポケットで構成されていても良い。
【0079】
図10は、本発明に係る構成シート10を重畳的に配置することで、重なり合う領域15によって中空領域11を得る構成を説明する説明図であり、
図10(a)は収納物S1・S2が収納されてない状態の中空領域11及び第二の中空領域14を示す断面図であり、
図10(b)は植物を収納物S2として収納した場合の中空領域11及び第二の中空領域14を示す断面図である。
図10に示すように前面側の開放部12は収納物S1・S2を収納する為の収納口となり、背面側の開放部13は第二の中空領域14に開放されている。
図10(a)では収納物S1・S2がないため各構成シート10は密着することとなるが、中空領域11を説明するためにやや離して示している。
図10(b)は、鉢植えから根に土のついたままの植物を前面側の開放部12から中空領域11を通過し第二の中空領域14にかけて収納した状態を示している。この場合において、収納されない他の前面側の開放部12は重なりあって閉じることとなり、収納物S2が収納されている部分は押し広げられることとなる。なお、
図10(b)の第二の中空領域14内には植物を育成するための園芸用土や植物培養基材等が充填されている状態である。但し、収納物S2の量や中空領域11に収納される土のついた根の部分が大きい場合には、前面側の開放部12がきつくなるため第二の中空領域14には園芸用土や植物培養基材等を充填しなくても良い場合がある。
【0080】
また、図面には記載していないが、重なり合う領域15の構成シート10の内側の部分に、穴あるいはスリットを設けることによって、上から潅水された水が、中空領域に植栽された植物に、より効率的に供給されることが可能となる構成である。
【0081】
図11は、本発明に係る構成シート10を支持材102に巻き付けるようにして設けた構成例であり、
図11(a)、
図11(b)は、係る構成例の断面図、
図11(c)から
図11(f)は係る構成例の上面図である。
図11(a)は、支持底部101に設けられた2本の支持材102に構成シート10が、螺旋状に巻かれて支持されて、多目的収納ユニット1が、自立して中空領域11及び第二の中空領域14を設けている構成であり、支持底部101と構成シート10の間は、隙間が開いた構成でも、閉じた構成でも良い。隙間が開いた構成であれば、底から小さい収納物も取り出せるし、ゴミ等も溜まり難い。
係る支持材102が移動可能に台座を設けて、自由に移動可能な構成としても良いし、固定式な構成としても良い。
また、
図11(b)は、
図11(a)の構成における構成例において、支持底部101を覆うように巻いている実施例であり、係る構成において、より強固に支持底部101と構成シート10が一体に設けられる構成となる。また、本実施例においては、底部支持材102を一重で巻いているが、2重以上で巻いてより強固にしても良いし、接着等係止をした係止支持部31とした構成としても良いし、あるいは、底部付近に、部分的に隙間を設けて、水が排水できるようにして、植栽容器としても良い。
図11(c)及び
図11(d)は、2本の支持材102に構成シート10が設けられた構成の例であり、
図11(d)は2面の構成シート10が、互いに係止されて、多目的収納ユニットの仕切りを設け、あるいは、強度のアップをしている構成例である。
図11(e)及び
図11(f)は、4本の支持材102に構成シート10が設けられた構成の例であり、係る支持材102は、3本でも、また、5本以上でも良く、また、支持材102も
図11(f)の構成に示される様に、外側から支持される構成としても良い。
また、図面には示していないが、多目的収納ユニットを、支持材102に吊り下げるように設けても良い。
【0082】
尚、本図のいずれの図面においても、螺旋状に巻く構成であるが、複数のシートを重畳的に重ねる構成でもよく、また、図面には記載していないが1以上の係止部20あるいは係止支持部31あるいは分割係止部21を設ける。
また、支持材102は、平行でなくても良いし、曲がっていても良い。
また、支持材102の材質は、木や、アルミニウム、鉄等の金属、ポリプロピレン、ポリアミド等の樹脂、生地、石、陶磁器、カーボン、布状、網状等、その他本発明の範囲内でその種類を限定せず、必要な強度を満足可能な材質が望ましく、同様に、支持材102の形状についても、円柱、多角柱、筒状、鎖状、紐状、布状でも、その他本発明の範囲内でその種類を限定しない。
また、支持材102が設けられる位置についても、本図においては、第二の中空領域14に設けているが、構成シート10の外側に設けても良いし、中空領域11も挿通する構成としても良く、その他本発明の範囲内でその位置、支持手段を限定しない。
【0083】
図12は、芯材32に構成シート10が設けられた構成の断面図であり、
図12(a)は、芯材32に基台シート30が設けられた構成の例であり、芯材32に基台シート30が巻かれ、係る基台シート30が巻かれた芯材32に、構成シート10が巻かれて多目的収納ユニット1が構成されている。例えば、柱自体を収納スペースとして有効にスペースを活用することが可能となり、有用である。
また、
図12(b)は、芯材32が容器で構成されている多目的収納ユニット1であり、例えば、容器としてペン立てを芯材32として、構成シート10が設けられ、係る構成シート10には、長さの違う定規や、短くなった鉛筆等を収容することができ、特に、鉛筆などは、短くなるにつれてペン立てに収納すると中に落ち込んで大変不便なものであるが、本構成においては、長さに多目的収納ユニット1に合わせて収容することが可能で、有用である。
【0084】
また、保持具103または基台シート30は、発泡材、軟質材、マグネット板、マグネットシート、自己吸着シート、コルク、高摩擦部材、多穴部材、凹凸部材等によって、構成シート10の背面で、挿入された収納物を保持する上で、有用である。
その他、コンクリート、金属、樹脂、木、網、板材、筒、円柱、角柱、錐体、錘台、容器等、係る芯材32の材質、形状、態様は本発明と同一の作用効果を発揮できる範囲内で限定しない。
【0085】
図13は、芯材32に凸部、凹部、凹条部、凸条部、穴部121、あるいはスリット穴部33を設けている構成について、凹条部、穴部121、スリット穴部33を代表して構成の例とした説明図である。
図13(a)は、構成シート10が巻かれた板状の芯材32に、複数の穴部121やスリット穴部33が設けられた構成の例であり、例えば、一番右の縦長のスリット穴部33においては、長い収納物の収納が適しており、上部も開放している。また、長い収納物が収納された係るスリット穴部33に、他のより短い長さの収納物を、その下の前面側の開放部12から収納しても良い。また、左から2列目のスリット穴部33の様に、底のあるスリット穴部33としてもよく、収納した収納物が係る底で引っかかって止めることが可能である。また、係るスリット穴部33に培養基材を投入して、植栽容器部とする構成としてもよい。その場合は、係るスリット穴部33の周囲を、芯材32に接着等で係止しても良い。また、スリット穴部33は、斜めでも良いし、波形状等の異形にしても良く、それによって、下の方の土の圧力を緩和することもできる。また、このまま、横に置けば横方向への収納にもなる。
一番左の縦に並んだ12個の穴部121においては、長い挿入物を、任意の穴部121の位置で引掛けて止めて収納することができる。その他、図面には記載していないが、引掛けて止める部分に、凸部を設けておいても良いし、縦のスリット穴の代わりに、縦の平行な凸条部を設けても良いし、波板を用いた構成としても良いし、係る凸形状、凹形状、穴形状は必要に応じて自由に設定可能である。
【0086】
図13(b)は、構成シート10が巻かれた円柱の芯材32に、斜め方向の凹条が設けられた構成例であり、例えば、係る凹条部分に
図13(c)の様に植栽することにより、柱に直接緑化可能となり、街の緑化で街に潤いをもたらすことができる。更に凹条部を複数設けることによって、柱全体を緑化できる。例えば、従来の様に、こういった場所に植栽容器を吊り下げるような方法であると、頭等がぶつかったり、落ちたりして危険であるが、本構成によれば、そうしたこともなく、目の高さで緑や花を楽しめ、比較的安い工事費で施工可能である。
また、例えば、筒状のペン立て等の外胴部を、縦に波形状の凹条成形し、構成シート10を巻いて設ければ、その部分もペン立てとなり、2部屋の側面からも短い鉛筆等も収納できるペン立てとなる。
【0087】
図14は、前面側の開放部12に設けられた開口スペーサー131の構成の説明図である。
図14(a)は、中空領域11と第二の中空領域14を設けた多目的収納ユニット1の構成において、前面側の開放部12に、係る前面側の開放部12の開放状態を維持するために設けられた棒状の開口スペーサー131が係止部20に当てて設けられており、
図14(b)は係る開口スペーサー131がリング状、または、筒状で、前面側の開放部12に設けられている構成の例である。
開口スペーサー131によって、開口状態を保持されることによって、係る前面側の開放部12からの収納を容易にする効果や、収納物に合わせた開口部形状を形成することも可能となる。係る開口スペーサー131は、接着等で係る位置に係止されていても良いし、シート10の挟持力で保持されていても良いし、二股の構造にして、係止部20の開口部にまたぐ様に引掛けて保持し、2か所の前面側の開放部12の開口を保持させても良く、その他その保持手段は、本発明と同一の作用効果を発揮できる範囲内でその保持手段を限定しない。また、開口スペーサー131の形状も、本発明と同一の作用効果を発揮できる範囲内でその形状を限定しない。
【0088】
図15は、一部、構成シート10が無い開窓部の構成例について、構成シート10の辺が曲線であることによって開窓部が設けられている構成の説明図であり、係る開窓部141は、上から2段目と4段目の前面側の開放部12が曲線になっている頂点付近において、背面側の開放部13が目視可能となり、窓開部141を形成している。係る窓開部141が設けられることによって、例えば、用紙を収納する場合において、用紙を差し入れる際の誘いとなり、挿入がしやすくなり、また、両端の係止部20で狭くなっている部分において、係る用紙への挟持力がアップして、用紙の保持に有用な構成となる。また、背面側の開放部13の辺、あるいは両方の辺が曲線である構成としても良い。
また、係る窓開部141の位置、構成シート10辺の曲線形状なども本図の構成は一例であり、その形状を限定しない。また、収納物も、用紙用に限定しない。
また、係る辺の曲線部は、折れ線でも良い。
【0089】
図16は、重畳的に重ねた構成シート10において、
図14の開口スペーサー131が、構成シート10と一体である凸部あるいは凸条部である一体スペーサー151を設けた構成の例である。
図16(a)は、係る一体スペーサー151を設けた構成シート10を円柱に重畳的に巻いて設けた構成例であり、3本の前面側の開放部12に沿って、下から順にそれぞれ、丸い凸形状、凸条の一体スペーサー151が設けられており、また、下から3段目は、コの字型の凸条部が前面側の開放部12に開口部を位置して設けてある。係るコの字の凸条部分の内側においても、収納スペースを形成しつつ、係る隣り合うコの字同士の間においては、第二の中空領域14に通ずる中空領域の開口状態を保持する開口スペーサー131として設けられている。また、例えば、係るコの字に囲われた収納領域が、構成シート10になる様に設定、重ね合わせることにより、係る構成シート10が巻かれている円柱を、係るコの字に囲われた収納領域に入れた収納物が直接触れず、汚さないようにすることも可能であり、有用である。また、係る一体スペーサー151は、巻き付けの張力でしっかりと密着して保持され、且つ、重畳的に設けられることによって、互いのシートが保持し合い、また、必要に応じて係止部20あるいは、係止支持部31により、より強固に係る一体スペーサー151、あるいは収納領域の位置を保持可能な構成である。
【0090】
図16(b)から
図16(d)は、それぞれ、一体スペーサー151のパターンの例である。
図16(b)においては、平行な凸条の一体スペーサー151が設けられている。
一体スペーサー151の有用性として、
図14の構成例の様に、開口スペーサー131を一つ一つ設ける手間の削減となり、つまりは、低コストで開口スペーサー131を設けることができ、且つ、連続的に設けることもできる。尚、係る開口スペーサー131は、本図の様に規則的に設けても良いし、必要に応じて、自由なサイズ、形状で不規則に設けても良い。
係る平行な凸条の一体スペーサー151について、係る一体スペーサー151の間は凹部ともいうことができ、特に一体スペーサー151の間隔が狭くなると、凹部を設けているともいえ、例えば、細長い棒の収納にも有用である。尚、特に細長い長さの違う棒を複数、収納する場合は、係る一体スペーサー151は例えば、
図16(e)の様に構成シート10の端から端ではなく、真ん中位までで、重なり合う領域15部分に位置する方が望ましい。また、
図16(c)の様に、丸い凸形状の一体スペーサー151をパターンで配置しても、同様に細長い棒の収納が可能であるし、また、紙状のものもどちらも収納できる構成とすることができる。
16(d)は、
図16(a)の構成シート10と同様なパターンの一体スペーサー151の例であり、一体スペーサー151は粘着材を備えても良いし、コの字は、間隔を置かずに設けても良いし、U字でも良いし、その形状は限定しない。
また、例えば、チューブを開口スペーサー131として、例えば、
図16(f)のような自由な形状に曲げて、構成シート10に貼着等して設けて一体スペーサー151を形成しても良い。
【0091】
図17は、構成シート10を、マグネットシートで構成した例であり、特に紙媒体161の収納として有用な構成である。例えば、壁に係る多目的収納ユニット1を設置することにより、壁に紙媒体161を重畳的に収納可能となり、スペースの有効活用ができる。特に、重なった紙媒体161を自由に取り出し易く、有用である。1つの中空領域11に保持できる紙媒体161の枚数については、磁力との兼ね合いもあり限度がある為、一時保管フォルダ的に用いても良い。
また、紙媒体161の掲示等にも有用であり、画鋲のような危険な部材を使用しなくても良く、また、画鋲で何枚かの紙媒体161を掲示すると、下の方に重なった掲示物を外すのが困難であったり、上の掲示物の画鋲も外れてしまったりと困難である。また、マグネットボードにマグネットで掲示する際も、重ねて掲示するのは困難であるし、画鋲の場合と同様に、下の掲示物を外すときに、上の掲示物のマグネットが落下してしまうようなことも多々あり、不便である。本構成によれば、そうした不具合も改善され、有用である。また、係るマグネットシートの表面に、滑り止め加工を施しても良いし、鉄シートと交互にする等、組み合わせた構成としても良い。
【0092】
また、構成シート10を張り剥がしが自在なシート、あるいは、自己吸着シートで構成しても良く、例えば、張り剥がし可能な粘着シートタイプ、静電気タイプ、微発泡による吸着タイプの自己吸着性を活用した構成等、本発明と同一の作用効果を発揮できる範囲内で限定しない。
係る構成においては、強度によって、例えば、
図17の紙媒体161の代わりに、クリアファイルごと中空領域に収納でき、壁に重畳的に収納可能となる。これまでは、そうしたクリアファイル等のファイルの保管は、棚等に立てることが一般的であったが、倒れ易く不便であったし、自重で変形もし、また、あらかじめ棚として収納スペースを確保する必要があり、そのスペースは、大抵ファイルよりも大きいスペースであり無駄があった。本構成によれば、そうした不具合も改善でき、また、ファイルの厚さで保管可能で、スペースの有効活用ができ、有用であり、必要に応じて、構成シート10の強度、サイズを調整することが望ましい。尚、構成シート10がマグネット、張り剥がしが自在なシート、あるいは、自己吸着シートで構成された場合、中空領域11は、収納物に合わせて開くこととなる。
【0093】
図18及び
図19は、本発明に係る多目的収納ユニット1に植物を植栽した場合の実施例説明図である。
図18は正面と左右に植物が左右対称となるように植栽された構成を示し、
図19(a)は、多目的収納ユニット1を折り返して右辺と左辺の一部又は全部を繋ぎとめた状態において正面側のみに植物を植栽した状態を示し、
図19(b)は、正面及び背面に植物を植栽した状態を示している。係る構成では、両面に植物による装飾を可能とするため、例えば通路の中央部に配置して両側から装飾を楽しむことができる。他方、片側に植物を植栽する構成では、例えば、ビルや店舗の殺風景な壁などにも装飾用として設置可能であることを示している。また、図示はしていないが、柱や電柱等の棒状部材に巻きつけるように配置して植物の装飾を楽しむことも可能である。
また、本図では、一列の植栽箇所のある多目的収納ユニット1を繋ぎとめた構成としているが、長い多目的収納ユニット1を縦に縫い付ける等係止することによっても、同等の形状となり、また、縫い付けパターンを互い違いにし、収納部位も、互い違いとする構成としても良いし、螺旋巻きも同様に左右から互い違いの構成としても良い。
【0094】
図20は、本発明に係る多目的収納ユニット1を複数連結するように配置した状態を示し、
図20(a)は、多目的収納ユニット1を折り返して右辺と左辺の一部又は全部を繋ぎとめた状態において正面及び背面に植物を植栽し、これを横方向に連結することで両面いっぱいに植物で覆いつくした壁を創出することも可能であることを示し、
図20(b)は、正面側のみに係る植物で覆いつくしたかべを創出することができることを示している。また、店舗前に駐車場がある場合、排気ガスの影響を受けにくい高さに調整して植物を植栽することも可能となる。
【0095】
図21は、本発明に係る多目的収納ユニット1に雑貨等の収納物S1を多数収納した使用状態を示し、
図21(a)は、構成シート10のみで構成された使用状態を示し、
図21(b)は、複数の構成シート10で構成された背面側に、これよりも上方に向かって大きな基台シート30を配置した構成での使用状態を示している。
図21(a)は、横方向及び縦方向への分割係止部21が部分的に設けられており、前面側の開放部12から収納された文房具等の収納物S1は、重なり合う領域15を通過し、背面側の開放部13から下方へ長尺な物品は突き出している。これに対し、
図21(b)では、最下段16の構成シート10の両端を繋ぐ底部が横方向に連通して分割係止部21が形成されている。
【0096】
図22は、本発明に係る多目的収納ユニット1の収納領域の拡張性と収納位置の自由度を説明する説明図である。
図22(a)は植物をハート型に配置した状態を示しており、
図22(b)及び
図22(c)は、店舗の収納物S2を植物とした場合に小さな小物雑貨用から
図22(b)に(c)に示すように、店舗やショーウィンドウの上部を覆うほどの大規模なものまで対応可能である事を示している。なお、店舗に限らず一般の戸建住宅等においても窓の目隠しとして利用することも可能である。
【0097】
尚、一連の本図の実施例において、
構成シート10または、基台シート30の素材は、可とう性を有したシート状で、テント生地やメッシュ生地等の布状部材、他各種繊維素材、各種ゴムや各種樹脂シート製、綿、麻等の天然素材、紙製、金属メッシュ等金属、また、色も透明、蛍光、光っても良く、その他、必要に応じた強度、機能を有し、本発明と同一の作用効果を発揮できる範囲内でその素材を限定しない。また、有機ELや無機ELに代表される可撓性のある電子表示シートを一部または全部に用いることによって、光の活用や、収納物を表示する構成にすれば、整理整頓にも好適である。
また、シート10の形状も、多角形、丸、楕円、その他異形でも、長さ、大きさ違いの組み合わせ違いでもよく、その形状を限定せず、また、厚さも、本発明と同一の作用効果を発揮できる範囲内で限定しない。
また、係止部20あるいは係止支持部31は、図面に表記していないものも、必要に応じて、必要な個所に設ける構成が可能であり、また、それぞれの係止方法は、接着、融着、縫製、結束、ピン止め、ボタン止め、面ファスナー止め、磁石、ステープラー等、本発明と同一の作用効果を発揮できる範囲内でその係止手段を限定しない。
また、係止部20、分割係止部21、係止支持部31は、着脱可能に係止してもよく、着脱可能な係止手段は、ホック、ボタン、面ファスナー、フック、磁石、紐、ファスナー等、本発明と同一の作用効果を発揮できる範囲内でその係止手段を限定しない。着脱可能な構成とすることにより、必要に応じて構成シート10のサイズや材質を選択可能となり、有用である。
また、帯状の構成シート10を螺旋状に巻く構成で説明した図においても、構成シート10を重畳的に重ねた構成で説明した図においても、それぞれ互いに同様の構成で実施してもよい。
【課題】あらゆるデザインアレンジによる、雑貨等の小物や植物を用いて美しい装飾が可能であり、植栽に利用する場合には、水やり、植え替えのいずれも簡単に行えるガーデニング用品ともなる収納ユニットを提供する。
【解決手段】可とう性を有する略布体状の形状から成る複数の構成シート10によって全体が構成され、最も下部に配置される構成シート10以外の構成シート10は、一部が他の構成シート10と重なり合う領域15を有するように重畳的に配置され、重なり合う領域15に少なくとも2ヵ所以上の係止部20を設けることで中空領域を形成し、係る構成とすることで中空領域の前面側の開放部12と背面側の開放部13を備え、前面側の開放部12は収納物を収納する収納口となり、背面側の開放部13は重なり合う領域15から下方へ収納物を通過させることで長さの異なる収納物でも収納できるように収納領域と収納位置を自由に調整することを可能とした。