特許第6354016号(P6354016)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6354016
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】薄膜キャパシタ、および半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20180702BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
   H01L27/04 C
【請求項の数】20
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-511961(P2017-511961)
(86)(22)【出願日】2016年12月28日
(86)【国際出願番号】JP2016089021
【審査請求日】2017年2月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591074091
【氏名又は名称】株式会社野田スクリーン
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 正充
(72)【発明者】
【氏名】服部 篤典
(72)【発明者】
【氏名】波多野 弘孝
(72)【発明者】
【氏名】楠本 和貴
【審査官】 上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−079725(JP,A)
【文献】 特開2008−124414(JP,A)
【文献】 特開2002−033453(JP,A)
【文献】 特開平11−340419(JP,A)
【文献】 特開2011−054979(JP,A)
【文献】 特開2007−173386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/822
H01L 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップを含む半導体装置の再配線層に配置される薄膜キャパシタであって、
第1電極、前記第1電極上に形成された誘電体、および前記誘電体上に形成された第2電極からなるキャパシタ本体部と、
前記第1電極の下面に設けられ、当該薄膜キャパシタを前記半導体チップの保護膜上に貼りつける際に使用される接着部と、
を備え、
前記キャパシタ本体部と前記接着部との厚みの総計が20μm以下であって、
前記接着部の周辺壁部は、下方に向って広がるテーパ状に形成されている、薄膜キャパシタ。
【請求項2】
半導体チップを含む半導体装置の再配線層に配置される薄膜キャパシタであって、
第1電極、前記第1電極上に形成された誘電体、および前記誘電体上に形成された第2電極からなるキャパシタ本体部と、
前記第1電極の下面に設けられ、当該薄膜キャパシタを前記半導体チップの保護膜上に貼りつける際に使用される接着部と、
を備え、
前記キャパシタ本体部と前記接着部との厚みの総計が20μm以下であって、
前記接着部、前記第1電極、前記誘電体、および前記第2電極の各平面形状は、最下段の前記接着部から最上段の前記第2電極に向けて小さくなる矩形状を成し、
前記接着部、前記第1電極、前記誘電体、および前記第2電極の各縁部は、最下段の前記接着部から最上段の前記第2電極に向けて高くなる階段状の段差を形成している、薄膜キャパシタ。
【請求項3】
半導体チップを含む半導体装置の再配線層に配置される薄膜キャパシタであって、
第1電極、前記第1電極上に形成された誘電体、および前記誘電体上に形成された第2電極からなるキャパシタ本体部と、
前記第1電極の下面に設けられ、当該薄膜キャパシタを前記半導体チップの保護膜上に貼りつける際に使用される接着部と、
を備え、
前記キャパシタ本体部と前記接着部との厚みの総計が20μm以下であって、
前記接着部によって当該薄膜キャパシタを前記半導体チップの保護膜上に貼りつける際に前記第2電極の縁部に位置する前記誘電体に生じる応力を緩和させる応力緩和構造を備える、薄膜キャパシタ。
【請求項4】
請求項に記載の薄膜キャパシタにおいて、
前記応力緩和構造は、
平面視において前記第2電極を、所定の間隙を隔てて囲むように形成され、前記第1電極と電気的に接続される上部導体部と、
平面視において前記誘電体を囲むように形成され、前記第1電極と前記上部導体部とを電気的に接続する接続部と、を含み、
前記第2電極の上面の前記接着部の下面からの高さと、前記上部導体部の上面の前記接着部の下面からの高さとは等しい、薄膜キャパシタ。
【請求項5】
請求項に記載の薄膜キャパシタにおいて、
前記誘電体には、平面視において前記第2電極の領域の外側において前記第2電極を囲む貫通溝が形成されており、
前記接続部は、前記貫通溝を埋める導体によって構成されている、薄膜キャパシタ。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の薄膜キャパシタにおいて、
前記接着部の厚みが、前記キャパシタ本体部の厚み以上である、薄膜キャパシタ。
【請求項7】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の薄膜キャパシタにおいて、
前記接着部は、前記第1電極の下面に貼り付けられた接着シートである、薄膜キャパシタ。
【請求項8】
電源電極パッドを含む電極パッドが形成されたボンディング面を有する半導体チップと、
前記ボンディング面上に形成された保護膜と、
前記保護膜上に形成された再配線層であって、外部接続部、および前記電極パッドと前記外部接続部とを接続する再配線部と、前記再配線部が形成される絶縁層と、を含む再配線層と、
前記再配線層内に配置された、第1電極と、前記第1電極上に形成された誘電体と、前記誘電体上に形成された第2電極とからなるキャパシタ本体部を含む、薄膜キャパシタと、
前記第1電極の、前記誘電体が形成された面とは反対側の面上に設けられた、または、前記半導体チップの保護膜上に設けられた、接着部と、
を備え、
前記薄膜キャパシタは、前記接着部によって前記保護膜に貼り付けられており、
前記キャパシタ本体部と、前記接着部との厚みの総計が、前記絶縁層の厚さ未満であり、
前記薄膜キャパシタの前記第1電極および前記第2電極は、前記再配線部によって、前記電源電極パッドに接続されるとともに、前記外部接続部に接続されている、半導体装置。
【請求項9】
請求項に記載の半導体装置において、
前記キャパシタ本体部と、前記接着部との厚みの総計が20μm以下である、半導体装置。
【請求項10】
請求項または請求項に記載の半導体装置において、
前記接着部の周辺壁部は、下方に向って広がるテーパ状に形成されている、半導体装置。
【請求項11】
請求項10に記載の半導体装置において、
前記接着部の厚みが、前記キャパシタ本体部の厚み以上である、半導体装置。
【請求項12】
請求項から請求項11のいずれか一項に記載の半導体装置において、
前記接着部、前記第1電極、前記誘電体、および前記第2電極の各平面形状は、最下段の前記接着部から最上段の前記第2電極に向けて小さくなる矩形状を成し、
前記接着部、前記第1電極、前記誘電体、および前記第2電極の各縁部は、最下段の前記接着部から最上段の前記第2電極に向けて高くなる階段状の段差を形成している、半導体装置。
【請求項13】
請求項から請求項11のいずれか一項に記載の半導体装置において、
前記薄膜キャパシタは、前記接着部によって前記薄膜キャパシタを前記半導体チップの保護膜上に貼りつける際に前記第2電極の縁部に位置する前記誘電体に生じる応力を緩和させる応力緩和構造を含む、半導体装置。
【請求項14】
請求項13に記載の半導体装置において、
前記応力緩和構造は、
平面視において前記第2電極を、所定の間隙を隔てて囲むように形成され、前記第1電極と電気的に接続される上部導体部と、
平面視において前記誘電体を囲むように形成され、前記第1電極と前記上部導体部とを電気的に接続する接続部と、を含み、
前記第2電極の上面の前記接着部の下面からの高さと、前記上部導体部の上面の前記接着部の下面からの高さとは等しい、半導体装置。
【請求項15】
請求項14に記載の半導体装置において、
前記誘電体には、平面視において前記第2電極の領域の外側において前記第2電極を囲む貫通溝が形成されており、
前記接続部は、前記貫通溝を埋める導体によって構成されている、半導体装置。
【請求項16】
請求項から請求項15のいずれか一項に記載の半導体装置において、
前記再配線層は、多層の再配線部を含む多層再配線層であり、
前記多層の再配線部は、前記電極パッドの配置ピッチを拡げるファンアウト配線を含み、
前記第1電極および前記第2電極は、前記ファンアウト配線によって、前記外部接続部に接続されている、半導体装置。
【請求項17】
請求項16に記載の半導体装置において、
平面視において、前記半導体チップに対応した領域の外側に位置する再配線層の領域に配置された前記薄膜キャパシタを、さらに備える、半導体装置。
【請求項18】
請求項17に記載の半導体装置において、
前記再配線層の前記領域に配置された前記薄膜キャパシタに接続される積層セラミックコンデンサを、前記再配線層の表面に、さらに備える、半導体装置。
【請求項19】
請求項から請求項18のいずれか一項に記載の半導体装置において、
前記接着部は、前記第1電極の下面に貼り付けられた接着シートである、半導体装置。
【請求項20】
請求項から請求項18のいずれか一項に記載の半導体装置において、
前記接着部として、前記保護膜上に設けられた接着層を備える、半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜キャパシタ、および薄膜キャパシタを備えた半導体装置に関し、詳しくは、半導体チップを含む半導体装置の再配線層に配置される薄膜キャパシタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の薄膜キャパシタとして、例えば、特許文献1に開示された技術が知られている。特許文献1では、アルミニウム箔(弁金属材料)からなる陽極、陽極酸化被膜からなる誘電体膜、および導電性高分子材料からなる陰極によって構成される薄膜キャパシタが開示されている。この薄膜キャパシタは、銀ペースト膜(導電性接着材料)を用いて再配線層に貼り合わせ、接着されている。この構成によって、半導体集積回路(半導体チップ)のごく至近に大容量のキャパシタを実装することが可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−227266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の文献に開示された薄膜キャパシタにおいては、その厚さが0.1mmから0.15mm(100μmから150μm)とされている。そのため、再配線層の絶縁膜の厚さが、再配線を形成に必要とされる厚さ以上となり、再配線層の厚さが必要以上に厚くなるという不都合が生じる。また、絶縁膜、例えば、ポリイミド膜を、スピンコート法を用いて製膜しようとする際、薄膜キャパシタの厚さに起因して、絶縁膜にムラが生じる虞がある。
【0005】
そこで、本明細書では、再配線層の絶縁膜の厚さの増加を抑制できるとともに、絶縁膜にムラが生じることを抑制することができる、半導体装置の再配線層に配置される薄膜キャパシタ、および半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される薄膜キャパシタは、半導体チップを含む半導体装置の再配線層に配置される薄膜キャパシタであって、第1電極、前記第1電極上に形成された誘電体、および前記誘電体上に形成された第2電極からなるキャパシタ本体部と、前記第1電極の下面に設けられ、当該薄膜キャパシタを前記半導体チップの保護膜上に貼りつける際に使用される接着部と、を備え、前記キャパシタ本体部と前記接着部との厚みの総計が20μm以下である。
本構成によれば、薄膜キャパシタの厚みは、接着部の厚みを含めて20μm以下とされる。そのため、薄膜キャパシタの厚さの総計値を、通常、再配線層、詳しくは、再配線層を構成する絶縁膜上にメッキ銅による配線を形成するに必要とされる絶縁膜の厚さ未満に収めることができる。また、薄膜キャパシタの厚さの総計値を小さくすることによって、ポリイミド等の絶縁膜をスピンコート法によって製膜する際に、絶縁膜にムラが生じることを低減させることができる。その結果、絶縁膜の平坦性が得られる。すなわち、本構成の薄膜キャパシタによれば、薄膜キャパシタが再配線層に配置される場合であっても、再配線層の絶縁膜の厚さの増加を抑制できるとともに、絶縁膜にムラが生じることを抑制することができる。
【0007】
上記薄膜キャパシタにおいて、前記接着部の周辺壁部は、下方に向って広がるテーパ状に形成されているようにしてもよい。
本構成によれば、ポリイミド等の絶縁膜をスピンコート法によって製膜する際に、絶縁膜にムラが生じることをより効果的に低減させることができる。すなわち、接着部の厚みは、通常、キャパシタ本体部各部の厚みより厚くなる場合が多く、その場合において、接着部の周辺壁部をテーパ状とすることによって、絶縁膜をスピンコート法によって製膜する際に、薄膜キャパシタ上に滑らかに製膜することができる。
【0008】
また、上記薄膜キャパシタにおいて、前記接着部の厚みが、前記キャパシタ本体部の厚み以上であるようにしてもよい。
本構成によれば、薄膜キャパシタにおける接着部の厚みの割合を増加させることによって、絶縁膜をスピンコート法によって製膜する際に、薄膜キャパシタ上により滑らかに製膜することができる。
【0009】
また、上記薄膜キャパシタにおいて、前記接着部、前記第1電極、前記誘電体、および前記第2電極の各平面形状は、最下段の前記接着部から最上段の前記第2電極に向けて小さくなる矩形状を成し、前記接着部、前記第1電極、前記誘電体、および前記第2電極の各縁部は、最下段の前記接着部から最上段の前記第2電極に向けて高くなる階段状の段差を形成しているようにしてもよい。
本構成によれば、薄膜キャパシタの縁部が階段状の段差を成すことにより、薄膜キャパシタにポリイミド等の絶縁膜をスピンコート法によって製膜する際に、薄膜キャパシタの縁部によって絶縁膜のムラが生じることを抑制できる。
【0010】
また、上記薄膜キャパシタにおいて、前記接着部によって当該薄膜キャパシタを前記半導体チップの保護膜上に貼りつける際に前記第2電極の縁部に位置する前記誘電体に生じる応力を緩和させる応力緩和構造を備えるようにしてもよい。
本構成によれば、応力緩和構造によって、薄膜キャパシタを半導体チップの保護膜上に貼りつける際に、誘電体に生じる応力によって誘電体自体が破壊されることを防止できる。すなわち、薄膜キャパシタを半導体チップの保護膜上に貼りつける際に、薄膜キャパシタと半導体チップとの所定の平行度が確保されない場合、すなわち、薄膜キャパシタが傾いた状態で保護膜上に貼りつけされる場合、第2電極の縁部の下角部から誘電体に集中して力が働き、その力によって誘電体に応力が生じる。その応力が誘電体の破壊力を上回った場合、誘電体が破損し、第2電極と第1電極とが導通することが考えられる。しかしながら、応力緩和構造によって誘電体に生じる応力が緩和されるため、そのような誘電体の破損が防止される。
【0011】
また、上記薄膜キャパシタにおいて、前記応力緩和構造は、平面視において前記第2電極を、所定の間隙を隔てて囲むように形成され、前記第1電極と電気的に接続される上部導体部と、平面視において前記誘電体を囲むように形成され、前記第1電極と前記上部導体部とを電気的に接続する接続部と、を含み、前記第2電極の上面の前記接着部の下面からの高さと、前記上部導体部の上面の前記接着部の下面からの高さとは等しい構成としてもよい。
本構成によれば、応力緩和構造によって、薄膜キャパシタを半導体チップの保護膜上に貼りつける際に、誘電体に生じる応力によって誘電体自体が破壊されることを防止できる。すなわち、第2電極の上面の接着部の下面からの高さと、上部導体部の上面の接着部の下面からの高さとは等しくされているため、薄膜キャパシタを半導体チップの保護膜上に貼りつける際に、第2電極の上面と上部導体部の上面とを利用して薄膜キャパシタを半導体チップに対して押さえつけることができる。それによって、薄膜キャパシタが傾いたとしても、力が上部導体部を介して接続部にも分散され、第2電極の縁部の下角部から誘電体に集中して力が働くことが防止される。その結果、誘電体に生じる応力によって誘電体自体が破壊されることを防止できる。
【0012】
また、上記薄膜キャパシタにおいて、前記誘電体には、平面視において前記第2電極の領域の外側において前記第2電極を囲む貫通溝が形成されており、前記接続部は、前記貫通溝を埋める導体によって構成されているようにしてもよい。
本構成によれば、接続部は、単に貫通溝を埋めることによって形成できるため、接続部の形成を容易にできる。
【0013】
また、上記薄膜キャパシタにおいて、前記接着部は、前記第1電極の下面に貼り付けられた接着シートによって構成されているようにしてもよい。
本構成によれば、接着部は接着シートとされるため、接着部の形成を容易にできる。
【0014】
また、本明細書によって開示される半導体装置は、電源電極パッドを含む電極パッドが形成されたボンディング面を有する半導体チップと、前記ボンディング面上に形成された保護膜と、前記保護膜上に形成された再配線層であって、外部接続部、および前記電極パッドと前記外部接続部とを接続する再配線部と、前記再配線部が形成される絶縁層と、を含む再配線層と、前記再配線層内に配置された、第1電極と、前記第1電極上に形成された誘電体と、前記誘電体上に形成された第2電極とからなるキャパシタ本体部を含む、薄膜キャパシタと、前記第1電極の、前記誘電体が形成された面とは反対側の面上に設けられた、または、前記半導体チップの保護膜上に設けられた、接着部と、を備え、前記薄膜キャパシタは、前記接着部によって前記保護膜に貼り付けられており、前記キャパシタ本体部と、前記接着部との厚みの総計が、前記絶縁層の厚さ未満であり、前記薄膜キャパシタの前記第1電極および前記第2電極は、前記再配線部によって、前記電源電極パッドに接続されるとともに、前記外部接続部に接続されている。
本構成によれば、再配線層に薄膜キャパシタを備える半導体装置において、再配線層の絶縁膜の厚さの増加を抑制できるとともに、絶縁膜にムラが生じることを抑制することができる。その際、半導体チップの間近に薄膜キャパシタを備えることができるため、さらに、配線によるインダクタンスを低減させることができ、デカップリングキャパシタとしての好適な高周波特性を得ることができる。
【0015】
上記半導体装置において、前記キャパシタ本体部と、前記接着部との厚みの総計が20μm以下であるようにしてもよい。
【0016】
また、上記半導体装置において、前記接着部の周辺壁部は、下方に向って広がるテーパ状に形成されているようにしてもよい。
【0017】
また、上記半導体装置において、前記接着部の厚みが、前記キャパシタ本体部の厚み以上であるようにしてもよい。
【0018】
また、上記半導体装置において、前記接着部、前記第1電極、前記誘電体、および前記第2電極の各平面形状は、最下段の前記接着部から最上段の前記第2電極に向けて小さくなる矩形状を成し、前記接着部、前記第1電極、前記誘電体、および前記第2電極の各縁部は、最下段の前記接着部から最上段の前記第2電極に向けて高くなる階段状の段差を形成しているようにしてもよい。
【0019】
また、上記半導体装置において、前記接着部によって当該薄膜キャパシタを前記半導体チップの保護膜上に貼りつける際に前記第2電極の縁部に位置する前記誘電体に生じる応力を緩和させる応力緩和構造を含むようにしてもよい。
【0020】
また、上記半導体装置において、前記応力緩和構造は、平面視において前記第2電極を、所定の間隙を隔てて囲むように形成され、前記第1電極と電気的に接続される上部導体部と、平面視において前記誘電体を囲むように形成され、前記第1電極と前記上部導体部とを電気的に接続する接続部と、を含み、前記第2電極の上面の前記接着部の下面からの高さと、前記上部導体部の上面の前記接着部の下面からの高さとは等しいようにしてもよい。
【0021】
また、上記半導体装置において、前記誘電体には、平面視において前記第2電極の領域の外側において前記第2電極を囲む貫通溝が形成されており、前記接続部は、前記貫通溝を埋める導体によって構成されているようにしてもよい。
【0022】
また、上記半導体装置において、前記再配線層は、多層の再配線部を含む多層再配線層であり、前記多層の再配線部は、前記電極パッドの配置ピッチを拡げるファンアウト配線を含み、前記第1電極および前記第2電極は、前記ファンアウト配線によって、前記外部接続部に接続されているようにしてもよい。
本構成によれば、再配線層に薄膜キャパシタを備える半導体装置として、ファンアウト・ウェハレベルパッケージ(FOWLP)の半導体装置を構築することができる。
【0023】
また、上記半導体装置において、平面視において、前記半導体チップに対応した領域の外側に位置する再配線層の領域に配置された前記薄膜キャパシタを、さらに備えるようにしてもよい。
本構成によれば、FOWLPの半導体装置において、デカップリングキャパシタとしての総容量を増加させることができる。
【0024】
また、上記半導体装置において、前記再配線層の前記領域に配置された前記薄膜キャパシタに接続される積層セラミックコンデンサを、前記再配線層の表面に、さらに備えるようにしてもよい。
本構成によれば、FOWLPの半導体装置において、必要に応じて、デカップリングキャパシタとしての総容量をさらに増加させることができる。
【0025】
また、上記半導体装置において、前記接着部は、前記第1電極の下面に貼り付けられた接着シートであるようにしてもよい。
【0026】
また、上記半導体装置において、前記接着部として、前記保護膜上に設けられた接着層を備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、薄膜キャパシタが再配線層に配置される場合であっても、再配線層の絶縁膜の厚さの増加を抑制できるとともに、絶縁膜にムラが生じることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実施形態1に係る半導体装置の概略的な断面図
図2】実施形態1に係る薄膜キャパシタの各製造工程を示す概略的な断面図
図3図2に続く薄膜キャパシタの各製造工程を示す概略的な断面図
図4】半導体装置の製造方法の一部を示す概略的な説明図
図5】実施形態1に係る薄膜キャパシタの別の例を示す断面図
図6】実施形態2に係る薄膜キャパシタの概略的な断面図
図7】薄膜キャパシタの概略的な平面図
図8】実施形態2に係る薄膜キャパシタの各製造工程を示す概略的な断面図
図9図8に続く薄膜キャパシタの各製造工程を示す概略的な断面図
図10】実施形態2に係る薄膜キャパシタの別の製造方法を示す概略的な断面図
図11】実施形態2に係る薄膜キャパシタの別の例を示す概略的な断面図
図12】別の例の半導体装置を示す概略的な断面図
図13】別の例の半導体装置を示す概略的な断面図
【発明を実施するための形態】
【0029】
<実施形態1>
実施形態1を図1から図5を参照して説明する。なお、図中、同一の符号は、同一又は相当部分を示す。
【0030】
1.半導体装置の構成
図1に示されるように、半導体装置100は、いわゆる、ウェハレベルパッケージ(WLP)の半導体装置であり、大きくは、再配線層10とLSIチップ(「半導体チップ」の一例)50と、を含む。なお、図1は、図4(b)の一点鎖線A−Aで示される位置に対応した半導体装置100の断面図である。
【0031】
LSIチップ50のボンディング側の表面であるボンディング面50Sには、複数の電極パッド51が形成されている。図1に示されるように、電極パッド51には、LSIチップ50に電源を供給するための電源電極パッド51G、51Vが含まれる。本実施形態では、再配線層10を介して、電源電極パッド51Vには、例えば、電源電圧Vddが印加され、電源電極パッド51Gには、グランド電圧Vgが印加される。以下、添え字「V」は電源電圧Vddが印加される部材を示し、添え字「G」はグランド電圧Vgが印加される部材を示す。
【0032】
また、ボンディング面50S上、詳しくは、電極パッド51を除くにボンディング面50S上には、保護膜52が形成されている。保護膜52上に再配線層10が形成されている。保護膜52は、例えば、SiN膜等の窒化膜である。
【0033】
再配線層10は、図1に示されるように、積層された二層の絶縁層(11A、11B)を含む。二層の絶縁層(11A、11B)は、例えば、スピンコート法によって塗布された後に硬化されたポリイミド樹脂によって構成される。
【0034】
図1に示されるように、薄膜キャパシタ20は、ボンディング面50Sに近い一層目の第1絶縁層(ストレスバッファコート層)11A内に配置されている。第1絶縁層11Aは、「絶縁層」の一例である。
【0035】
また、二層目の第2絶縁層(再配線カバーコート層)11Bには、外部接続パッド13および外部接続パッド13に接続された半田ボール14が設けられている。半田ボール14によって、半導体装置100は、マザーボード等の基板BDに接続される。外部接続パッド13および半田ボール14は、外部接続部の一例である。
【0036】
また、再配線層10は、電極パッド51と外部接続パッド13とを接続する再配線部12を有する。再配線部12は、例えば、メッキ銅によって形成されている。また、図1に示されるように、後述する薄膜キャパシタ20の第1電極21Aおよび第2電極21Cは、再配線部12によって、電極パッド51に接続されるとともに、外部接続パッド13に接続されている。詳しくは、第1電極21Aは、再配線部12Vによって、電源電極パッド51Vに接続されるとともに、外部接続パッド13Vに接続されている。また、第2電極21Cは、再配線部12Gによって、電源電極パッド51Gに接続されるとともに、外部接続パッド13Gに接続されている。すなわち、第1電極21Aの極性は正極とされ、第2電極21cの極性は負極とされる。なお、第1電極21Aおよび第2電極21Cの極性はこれに限られず、逆であってもよい。
【0037】
1−1.薄膜キャパシタの構成
薄膜キャパシタ20は、図1に示されるように、LSIチップ50を含む半導体装置100の再配線層10に配置されるキャパシタである。薄膜キャパシタ20は、キャパシタ本体部21と接着シート22とを含む。接着シート22は、例えば、ダイ・アタッチ・フィルム(DAF)である。接着シート22は接着部の一例である。
【0038】
キャパシタ本体部21は、図1に示されるように、第1電極21A、第1電極21A上に形成された誘電体21B、および誘電体21B上に形成された第2電極21Cを含む。接着シート22は、図1に示されるように、第1電極21Aの下面に貼り付けて設けられ、薄膜キャパシタ20をLSIチップ50の保護膜52上に貼りつける際に使用される。なお、接着部は、第1電極21Aの下面に貼り付けられた接着シート22に限られず、例えば、第1電極21Aの下面に塗布された接着剤等であってもよい。
【0039】
キャパシタ本体部21と接着シート22との厚みの総計、すなわち、薄膜キャパシタ20の厚さが、第1絶縁層11Aの厚さ未満とされ、好ましくは、20μm以下とされる。本実施形態では、薄膜キャパシタ20の厚さが、20μm以下とされる。詳細には、例えば、第1電極21Aの厚みは2μm以下とされ、誘電体21Bの厚みは1μm以下とされ、第2電極21Cの厚みは2μm以下とされる。また、接着シート22の厚みは、5μm以上、10μm以下とされる。
また、図1等に示されるように、接着シートの周辺壁部22Wは、下方に向って広がるテーパ状に形成されている。
【0040】
2.半導体装置の製造方法
2−1.薄膜キャパシタの製造方法
まず、図2および図3を参照して、薄膜キャパシタ20の製造方法の一例を説明する。なお、薄膜キャパシタ20は、図4(a)に示される複数の薄膜キャパシタ20が形成された薄膜キャパシタシート20Sから切り離されて個別化されて形成されるが、以下の説明では、個別の薄膜キャパシタ20として説明する。また、図2および図3に示される製造工程は、単に一例を示すものであり、これに限定されるものではない。
【0041】
同製造方法では、まず、図2(a)に示されるように、例えば、ドライ洗浄された基材41の表面に、例えば、AS(エアロゾル)CVD法によってSTO(チタン酸ストロンチウム)膜21MBを形成する。STO膜21MBの膜厚は、例えば、0.1μmから0.4μmまでの間の値である。STO膜21MBは、薄膜キャパシタ20の誘電体21Bとなる。また、基材41は、本実施形態ではアルミ箔で構成される。なお、基材としての金属箔はアルミ箔に限られず、銅、ニッケル等の金属箔であってもよい。また、誘電体もSTO膜21MBに限られない。
【0042】
次いで、図2(b)に示されるように、STO膜21MB上に薄膜キャパシタ20の第1電極21Aとなる金属薄膜21MAを形成する。金属薄膜21MAは、例えば、Cu(銅)薄膜によって構成される。Cu薄膜は、例えば、蒸着法によって成膜される。金属薄膜21MAの膜厚は、例えば、2μm以下である。
【0043】
次いで、図2(c)に示されるように、保護フィルム23付の接着シート22を金属薄膜21MA上に貼り付ける。次いで、図2(d)に示されるように、アルミ基材41を、例えばエッチングによって除去し、STO膜21MBの、金属薄膜21MAが形成される面とは反対側の面を露出させる。なお、図2(d)以下の図は、図2(c)の上下を反転させたものである。
【0044】
次いで、図3(e)に示されるように、露出されたSTO膜21MB上に薄膜キャパシタ20の第2電極21Cとなる金属薄膜21MCを形成する。金属薄膜21MCは、第1電極21Aと同様に、例えば、Cu(銅)薄膜によって構成される。Cu薄膜は、例えば、蒸着法によって成膜される。金属薄膜21MCの膜厚は、例えば、2μm以下である。
【0045】
次いで、図3(f)に示されるように、金属薄膜21MCをパターニングして、第2電極21Cを形成する。第2電極21Cの平面形状は矩形状であり、ほぼ正方形に近い(図4(a)参照)。次いで、図3(g)に示されるように、例えば、レーザを用いて、STO膜21MBに金属薄膜21MAに達する貫通孔25を形成する。次いで、図3(h)に示されるように、例えば、レーザを用いて、薄膜キャパシタ20を個別化するための溝44を、貫通孔25の近傍に形成する。溝44は第2電極21Cを囲むように形成され(図4(a)参照)、溝44の深さは、図3(h)に示されるように、保護フィルム23の内部まで達する。この溝44の形成によって、金属薄膜21MAおよびSTO膜21MBがパターニングされ、第1電極21Aおよび誘電体21Bが形成される。これによって、薄膜キャパシタ20が形成される。詳しくは、図4(a)に示されるような薄膜キャパシタシート20Sが形成される。
【0046】
2−2.半導体装置の製造方法
続いて、図1および図4を参照して、半導体装置100の製造方法の概要を説明する。
【0047】
図4(a)に示される薄膜キャパシタシート20Sから保護フィルム23付の薄膜キャパシタ20を個別に切り離す(図4(b)参照)。切り離された薄膜キャパシタ20の保護フィルム23を剥がし、薄膜キャパシタ20を、半導体チップ製造の前工程の終了後であってダイシング前のLSIチップ50Aの保護膜52上に貼り付ける(図4(c)参照)。
【0048】
次いで、半導体チップ製造の後工程において、薄膜キャパシタ20が貼り付けられた保護膜52上に、再配線層10を、周知の方法で形成する。まず、例えばスピンコート法によって第1絶縁層11Aを形成する。次いで、薄膜キャパシタ20の第1電極21Aおよび第2電極21Cを再配線部12によって電源電極パッド51に接続するためのビアホール(15Aから15D)を形成する。続いて、再配線部12を、例えばメッキ銅によって、ビアホール(15Aから15D)の内壁および第1絶縁層11A上に形成する。
【0049】
次いで、再配線部12が形成された第1絶縁層11A上、およびに、ビアホール(15Aから15D)の内部に、例えばスピンコート法によって第2絶縁層11Bを形成する。次いで、薄膜キャパシタ20の第1電極21Aおよび第2電極21Cを再配線部12によって外部接続パッド13に接続するためのビアホール(16Aおよび16B)を、形成する。続いて、ビアホール(16Aおよび16B)内壁に、はんだ濡れ性の良い金属によって外部接続パッド13を形成し、外部接続パッド13に半田ボール14を形成する。次いで、半導体ウエハ70のダイシングによって個々の半導体装置100が形成される。ここで、外部接続パッド13は、いわゆるアンダー・バンプ・メタル(UBM)であることが、好ましい。
【0050】
3.実施形態1の効果
薄膜キャパシタ20の厚みは、接着シート22の厚みを含めて20μm以下とされる。そのため、薄膜キャパシタ20の厚さの総計値を、通常、再配線層10、詳しくは、再配線層10を構成する第1絶縁層11A上にメッキ銅による再配線部12を形成するに必要とされる第1絶縁層11Aの厚さ未満に収めることができる。また、薄膜キャパシタ20の厚さの総計値を小さくすることによって、ポリイミド等の第1絶縁層11Aをスピンコート法によって製膜する際に、第1絶縁層11Aにムラが生じることを低減させることができる。その結果、第1絶縁層11Aの平坦性が得られる。すなわち、実施形態1の薄膜キャパシタ20によれば、再配線層10に配置される場合であっても、再配線層10の第1絶縁層11Aの厚さの増加を抑制することができるとともに、第1絶縁層11Aにムラが生じることを抑制することができる。
【0051】
また、接着シート22の周辺壁部22Wは、下方に向って広がるテーパ状に形成されている。そのため、ポリイミド等の第1絶縁層11Aをスピンコート法によって製膜する際に、第1絶縁層11Aにムラが生じることをより効果的に抑制することができる。すなわち、接着シート22の厚みは、通常、キャパシタ本体部21の厚みより厚くなる場合が多く、その場合において、接着シートの周辺壁部22Wをテーパ状とすることによって、第1絶縁層11Aをスピンコート法によって製膜する際に、第1絶縁層11Aを薄膜キャパシタ20上に滑らかに製膜することができる。
【0052】
また、実施形態1の半導体装置100の構成によれば、LSIチップ50の間近に薄膜キャパシタ20を備えることができる。そのため、LSIチップ50と薄膜キャパシタ20との配線によるインダクタンスを低減させることができ、デカップリングキャパシタとしての好適な高周波特性を得ることができる。
【0053】
なお、薄膜キャパシタ20の構成として、図1に示されたものに限られない。例えば、接着シート22、第1電極21A、誘電体21B、および第2電極21Cの各平面形状は、最下段の接着シート22から最上段の第2電極21Cに向けて小さくなる矩形状を成す構成とする。そして、図5に示されるように、接着シート22、第1電極21A、誘電体21B、および第2電極21Cの各縁部は、最下段の接着シート22から最上段の第2電極21Cに向けて高くなる階段状の段差を形成しているようにしてもよい。この場合、薄膜キャパシタ20の縁部が階段状の段差を成すことにより、LSIチップ50の保護膜52上に貼り付けられた薄膜キャパシタ20にポリイミド等の第1絶縁層11Aをスピンコート法によって製膜する際に、薄膜キャパシタ20の端部によって生じる第1絶縁層11Aのムラをさら抑制できる。この場合、接着シートの周辺壁部22Wはテーパ状とされなくてもよい。
【0054】
なお、このような段差は、図5に示されるように、薄膜キャパシタ20を薄膜キャパシタシート20Sから切り離す際に、ガウシアンビーム形状GDの強度分布を有するレーザ光を使用することによって、滑らかにすることができる。
【0055】
<実施形態2>
次に、図6から図11を参照して、実施形態2を説明する。実施形態1とは、薄膜キャパシタ20Aの構成のみが異なる。そのため、薄膜キャパシタ20Aについてのみ説明する。なお、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0056】
実施形態2の薄膜キャパシタ20Aは、図6に示されるように、応力緩和構造30を備える。応力緩和構造30は、接着シート22によって薄膜キャパシタ20AをLSIチップ50の保護膜52上に貼り付ける際に第2電極21Cの縁部に位置する誘電体21Bに生じる応力を緩和させる。
【0057】
応力緩和構造30は、上部導体部31と、接続部32と、を含む。上部導体部31は、平面視において第2電極21Cを、所定の間隙を隔てて囲むように形成され(図7参照)、接続部32を介して、第1電極21Aと電気的に接続される。接続部32は、平面視において誘電体21Bを囲むように形成され、第1電極21Aと上部導体部31とを電気的に接続する。上部導体部31は第1電極21Aの電源電極パッド51Vおよび外部接続パッド13Vへの接続電極となる。ここで、第2電極21Cの上面21Fの接着シートの下面22Fからの高さH1と、上部導体部31の上面31Fの接着シートの下面22Fからの高さH2とは等しい(図6参照)。
【0058】
また、誘電体21Bには、平面視において第2電極21Cの領域の外側において第2電極を囲む貫通溝33が形成されており、接続部32は、貫通溝33を埋める導体によって構成されている。そのため、接続部32は、単に貫通溝33を埋めることによって形成できるため、接続部32の形成を容易にできる。
【0059】
4.実施形態2の薄膜キャパシタの製造方法
次に、図8から図10を参照して、実施形態2の薄膜キャパシタ20Aの製造方法を説明する。
【0060】
まず、図8(a)に示されるように、基材41の表面に形成されたSTO膜21MBをパターニングして貫通溝33を形成する。次いで、図8(b)に示されるように、STO膜21MB上に薄膜キャパシタ20の第1電極21Aとなる金属薄膜21MAを形成する。金属薄膜21MAは、例えば、Cu(銅)薄膜によって構成される。その際、貫通溝33はCu薄膜によって埋められ、接続部32が形成される。
【0061】
次いで、図8(c)に示されるように、接着層46付の支持体47を金属薄膜21MA上に貼り付ける。この支持体47は、ここではフレーム状である。次いで、図8(d)に示されるように、アルミ基材41を、例えばエッチングによって除去し、STO膜21MBの、金属薄膜21MAが形成される面とは反対側の面を露出させる。なお、図8(d)以下の図は、図8(c)の上下を反転させたものである。
【0062】
次いで、図9(e)に示されるように、露出されたSTO膜21MB、および接続部32上に薄膜キャパシタ20の第2電極21Cとなる金属薄膜21MCを形成する。金属薄膜21MCは、第1電極21Aと同様に、例えば、Cu(銅)薄膜によって構成される。
【0063】
次いで、図9(f)に示されるように、金属薄膜21MCをパターニングして、第2電極21Cおよび上部導体部31(図7参照)を形成する。次いで、図9(g)に示されるように、支持体47を除去して、別の支持体48に支持された保護フィルム23付の接着シート22を金属薄膜21MAに貼り付ける。
【0064】
次いで、図9(h)に示されるように、例えば、レーザを用いて、薄膜キャパシタ20を個別化するための溝44Aを形成する。溝44Aは上部導体部31を囲むように形成され、溝44Aの深さは、図9(h)に示されるように、支持体48の内部まで達する。この溝44Aの形成によって、金属薄膜21MAおよびSTO膜21MBがパターニングされ、第1電極21A、誘電体21B、および上部導体部31(応力緩和構造30)が形成される。これによって、薄膜キャパシタ20Aが形成される。
【0065】
なお、図8(c)、図8(d)におけるフレーム状の接着層46付の支持体47に代えて、図10(c)、図10(d)に示される、薄膜キャパシタ20の平面を全体に覆う面状の耐粘着性のカバー46A、およびカバー46A上に形成される支持体47Aとしてもよい。
また、応力緩和構造30の構成も図6に示されたものに限られない。例えば、図11に示される薄膜キャパシタ20Bの応力緩和構造30Aであってもよい。応力緩和構造30Aは、応力緩和構造30と同様に、上部導体部31Aと、接続部32Aと、を含む。しかしながら、図11に示されるように、応力緩和構造30Aでは第2電極を囲む貫通溝33がない点が、応力緩和構造30と異なる。すなわち、応力緩和構造30Aでは、キャパシタ本体部21の外周部まで接続部32Aが達する構成であり、接続部32Aを形成するための貫通溝33の形成が不要となる。
【0066】
5.実施形態2の効果
本構成によれば、応力緩和構造30によって、薄膜キャパシタ20Aを半導体チップの保護膜52上に貼りつける際に、誘電体21Bに生じる応力によって誘電体21B自体が破壊されることを防止できる。すなわち、薄膜キャパシタ20Aを半導体チップの保護膜52上に貼りつける際に、薄膜キャパシタ20AとLSIチップ50との所定の平行度が確保されない場合、すなわち、薄膜キャパシタ20Aが傾いた状態で保護膜52上に貼りつけされる場合、第2電極21Cの下方の縁部の角部から誘電体21Bに集中して力が働き、その力によって誘電体21Bに応力が生じる。その応力が誘電体21Bの破壊力を上回った場合、誘電体21Bが破損し、第2電極21Cと第1電極21Aとが導通することが考えられる。しかしながら、応力緩和構造30によって誘電体21Bに生じる応力が緩和されるため、そのような誘電体21Bの破損が防止される。
【0067】
詳細には、第2電極の上面21Fの接着シートの下面22Fからの高さH1と、上部導体部31の上面31Fの接着シートの下面22Fからの高さH2とは等しくされているため、薄膜キャパシタ20Aを半導体チップの保護膜52上に貼りつける際に、所定の押圧治具を用いて第2電極の上面と上部導体部の上面とを利用して薄膜キャパシタ20AをLSIチップ50に対して押さえつけることができる。それによって、薄膜キャパシタ20Aが傾いたとしても、貼りつけ力が上部導体部31を介して接続部32等にも分散され、第2電極21Cの縁部の下方の角部から誘電体21Bに集中して力が働くことが防止される。その結果、誘電体21Bに生じる応力によって誘電体自体が破壊されることを防止できる。
【0068】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態において、テーパ状の周辺壁部22Wを有する接着シート22の厚みが、キャパシタ本体部21の厚み以上であるようにしてもよい。
この場合、薄膜キャパシタにおける接着シート22の厚みの割合を増加させることによって、再配線層10の第1絶縁膜11Aをスピンコート法によって製膜する際に、第1絶縁層11Aを薄膜キャパシタ上により滑らかに製膜することができる。
【0069】
(2)上記実施形態において、半導体装置100における薄膜キャパシタ20を保護膜52上に貼り付けるための接着部を、薄膜キャパシタ20の第1電極21Aの下面に貼り付けられた接着シート22によって構成する例を示したが、これに限られない。例えば、接着部は、LSIチップ50の保護膜52上に設けられた接着層によって構成されてもよい。すなわち、例えば、半導体チップ側に接着層として接着剤あるいは接着樹脂等を塗布して形成しておき、キャパシタ本体部21のみを直接、LSIチップ50に配置するようにしてもよい。要は、接着部は、第1電極21Aの、誘電体が形成された面とは反対側の面上に設けられるか、または、LSIチップ50の保護膜52上に設けられればよい。
【0070】
(3)上記実施形態において、半導体装置の構成は図1に示された半導体装置100の構成に限られない。例えば、図12に示された半導体装置100Aのように、再配線層は、多層の再配線部(12A,12B、12C)を含む多層再配線層(10、10A)であり、多層の再配線部は、電極パッド51の配置ピッチを拡げるファンアウト配線(12A,12B、12C)を含み、第1電極21Aおよび第2電極21Cは、ファンアウト配線によって、外部接続部に接続されている構成であってもよい。
この場合、再配線層に薄膜キャパシタを備える半導体装置として、ファンアウト・ウェハレベルパッケージ(FOWLP)の半導体装置を構築することができる。なお、多層再配線層(10、10A)は、図12には、四層の絶縁層(11A、11B、11C、11D)と、三層の再配線部(12A,12B、12C)を含む例が、示されるが、多層再配線層の構成は、これに限られない。
【0071】
(4)あるいは、図13に示された半導体装置100Bのように、平面視において、半導体チップに対応した領域の外側に位置する再配線層の領域に配置された薄膜キャパシタ20Aを、さらに備える構成であってもよい。
この場合、FOWLPの半導体装置において、デカップリングキャパシタとしての総容量を増加させることができる。
【0072】
さらに、図13に示された半導体装置100Bのように、再配線層の領域に配置された薄膜キャパシタ20Aに接続される積層セラミックコンデンサ60を、再配線層の表面10Sに、さらに備える構成であってもよい。
この場合、FOWLPの半導体装置において、必要に応じて、デカップリングキャパシタとしての総容量をさらに増加させることができる。
【符号の説明】
【0073】
10…再配線層、11A…第1絶縁層、11B…第2絶縁層、12…再配線部、12A,12B、12C…ファンアウト配線(再配線部)、13…外部接続パッド(外部接続部)、14…半田ボール(外部接続部)、20、20A。20B…薄膜キャパシタ、21…キャパシタ本体部、21A…第1電極、21B…誘電体、21C…第2電極、22…接着シート(接着部)、22W…接着シートの周辺壁部、30、30A…応力緩和構造、31、31A…上部導体部、32、32A…接続部、50…LSIチップ(半導体チップ)、50S…ボンディング面、51G、51V…電源電極パッド(電極パッド)、52…保護膜、60…積層セラミックコンデンサ、100、100A、100B…半導体装置
【要約】
半導体チップ(50)を含む半導体装置(100)の再配線層(10)に配置される薄膜キャパシタ(20)であって、薄膜キャパシタ(20)は、第1電極(21A)、第1電極上に形成された誘電体(21B)、および誘電体上に形成された第2電極(21C)からなるキャパシタ本体部(21)と、第1電極(21A)の下面に設けられ、当該薄膜キャパシタ(20)を半導体チップ(50)の保護膜(52)上に貼りつける際に使用される接着部(22)と、を備える。キャパシタ本体部(21)と接着部(22)との厚みの総計が20μm以下である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13