特許第6354023号(P6354023)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6354023
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】塗布具
(51)【国際特許分類】
   A45D 40/04 20060101AFI20180702BHJP
【FI】
   A45D40/04 B
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-7133(P2014-7133)
(22)【出願日】2014年1月17日
(65)【公開番号】特開2015-134107(P2015-134107A)
(43)【公開日】2015年7月27日
【審査請求日】2016年11月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】591147339
【氏名又は名称】株式会社トキワ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】谷 仁一
【審査官】 大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−168745(JP,A)
【文献】 特開2004−057610(JP,A)
【文献】 実開昭63−028420(JP,U)
【文献】 特開2011−115485(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1319462(KR,B1)
【文献】 特表2004−529785(JP,A)
【文献】 特開2010−163190(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0020811(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第1476302(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 40/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器前部と容器後部とを含む容器の内部に、塗布材を押し出す押出部、移動体及び螺合部材を具備し、前記容器前部と前記容器後部とを一方向に相対回転させることによって、前記移動体と前記螺合部材とが有する螺合部の螺合作用が働き前記移動体及び前記押出部が前進する塗布具であって、
前記押出部と前記移動体とは、周囲よりも脆弱とされた切取り部を介して互いに接続されるように一体で成形されており、
前記容器前部と前記容器後部とを相対回転させると、前記切取り部が切断され、前記移動体が前記押出部に当接し、前記移動体が前記押出部と共に前進し、
前記容器の軸線方向から見た場合における前記切取り部の位置と、前記軸線方向から見た場合における前記移動体と前記押出部との当接位置とは径方向にずれていることを特徴とする塗布具。
【請求項2】
前記切取り部は、周囲よりも肉薄となっていることを特徴とする請求項1に記載の塗布具。
【請求項3】
前記切取り部は、前記容器の回転方向に沿って並設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布具。
【請求項4】
前記容器前部は、筒状を呈し、
前記押出部の外面と前記容器前部の内面とには、前記容器前部に対する前記押出部の回転を防止する回転防止部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗布具。
【請求項5】
前記容器前部の内部には、前記塗布材が充填される充填領域が設けられており、
前記容器前部の内面に設けられた前記回転防止部は、前記充填領域の後方側で前記容器前部の軸線方向に延在していることを特徴とする請求項4に記載の塗布具。
【請求項6】
前記押出部の外面には、前記容器前部の内面に当接する摺動部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の塗布具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布材を押し出して使用する塗布具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の塗布具としては、例えば特開2011−115485号公報に記載されたものが知られている。この公報には、塗布材が充填される充填領域を備えた充填部材と、充填部材を内挿する本体筒と、本体筒と相対回転可能な操作筒とを外形構成として具備する塗布材押出容器が記載されている。この塗布材押出容器の内部には、本体筒と同期回転可能に係合する螺子筒と、操作筒と同期回転可能且つ軸線方向移動可能に係合すると共に螺子筒と螺合する移動体と、移動体の前端(先端)に装着されて上記充填領域の後端を形成するピストンとが設けられる。この塗布材押出容器では、本体筒と操作筒とが相対回転されると、螺子筒と移動体とが相対回転するので螺合作用によって移動体が前進する。その結果ピストンが前進するので、充填領域の開口から塗布材を出現させることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−115485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したように、従来の塗布具では、外形構成として充填部材、本体筒及び操作筒が設けられると共に、塗布具の内部に螺子筒、移動体及びピストンが設けられる。このように、従来の塗布具では部品点数が多いので、部品点数の削減が求められている。また、上述した塗布具において移動体とピストンとを一体化させると、螺子筒と移動体との相対回転に伴って本体筒に対してピストンが相対回転するので、塗布材が回転してしまうという問題が発生する。
【0005】
そこで、本発明は、塗布材の回転を防止すると共に、部品点数を削減させることができる塗布具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明に係る塗布具は、容器前部と容器後部とを含む容器の内部に、塗布材を押し出す押出部、移動体及び螺合部材を具備し、容器前部と容器後部とを一方向に相対回転させることによって、移動体と螺合部材とが有する螺合部の螺合作用が働き移動体及び押出部が前進する塗布具であって、押出部と移動体とは、周囲よりも脆弱とされた切取り部を介して互いに接続されるように一体で成形されており、容器前部と容器後部とを相対回転させると、切取り部が切断され、移動体が押出部に当接し、移動体が押出部と共に前進し、容器の軸線方向から見た場合における切取り部の位置と、軸線方向から見た場合における移動体と押出部との当接位置とは径方向にずれていることを特徴とする。
【0007】
この塗布具では、塗布材を押し出す押出部と移動体とが一体で成形されている。このように押出部と移動体とが一体で成形されているので、部品点数を削減することができる。また、各部品を製造するための金型の数も減ることとなり、更に部品管理を容易に行うことも可能となるので、製造を容易に行えると共に製造時におけるコストの削減に寄与する。更に、押出部と移動体とは切取り部を介して互いに接続されており、この切取り部は周囲よりも脆弱となっている。よって、容器前部と容器後部との相対回転に伴って、押出部と移動体とを接続する切取り部を簡単に切断することができる。また、切取り部が切断されると、押出部は移動体に当接されて移動体と共に前進する。ここで、切取り部が切断された状態において押出部と移動体とは別体になり、押出部と移動体とは互いに相対回転可能となっているので、移動体が回転しても、塗布材を押し出す押出部は回転しない。従って、押出部の前進時における塗布材の回転を防止することができる。
【0008】
また、切取り部は、周囲よりも肉薄となっていてもよい。このように切取り部を周囲よりも肉薄とすることにより、切取り部を簡単に成形することができる。
【0009】
また、切取り部は、容器の回転方向に沿って並設されていてもよい。このように、複数の切取り部を容器の回転方向に並べることによって、切取り部の数が1つである場合よりも、押出部と移動体との接続を安定させることができる。また、切取り部の数を複数にすることによって、塗布具の製造時に意図せず切取り部が切断されてしまうのを抑制することができる。
【0010】
また、容器前部は、筒状を呈し、押出部の外面と容器前部の内面とには、容器前部に対する押出部の回転を防止する回転防止部が設けられていてもよい。この回転防止部によって、塗布材を押し出す押出部の回転が防止されるので、塗布材の回転をより確実に防止することができる。
【0011】
また、容器前部の内部には、塗布材が充填される充填領域が設けられており、容器前部の内面に設けられた回転防止部は、充填領域の後方側で容器前部の軸線方向に延在していてもよい。ここで、仮に回転防止部が充填領域の前方側に延在していると、充填領域に充填した塗布材を使用時に充填領域の開口から出現させたときに、塗布材の形状に凹みが生じてしまうことが考えられる。そこで、上記のように、回転防止部を充填領域の後方側に配置することによって、充填領域に充填された塗布材に凹みが生じるのを回避することができる。
【0012】
また、押出部の外面には、容器前部の内面に当接する摺動部が設けられていてもよい。容器前部と容器後部とを相対回転させて切取り部を切断すると、塗布材を押し出す押出部と移動体とが別体となる。よって、例えば容器前部の内部における塗布材が少なくなった状態又は塗布材が無くなった状態で衝撃が与えられると容器前部の前方側に開口が形成されている場合に、容器前部の前方側から押出部が外れてしまう可能性がある。そこで、上記のように、押出部の外面に摺動部を設けることによって摺動部が容器前部の内面に当接し、押出部は容器前部の内面で摺動することになるので、押出部が外れてしまう事態を回避することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、塗布材の回転を防止すると共に、部品点数を削減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態に係る塗布具の初期状態を示す縦断面図である。
図2図1の塗布具における移動体の前進限の状態を示す縦断面図である。
図3図1の塗布具の充填部材を示す断面斜視図である。
図4図1の塗布具の操作筒を一部断面化して示す側面図である。
図5図4の操作筒を示す断面図である。
図6図4の操作筒を示す正面図である。
図7図4の操作筒の成形を説明する斜視図である。
図8図1の塗布具の螺子筒を示す斜視図である。
図9】(a)は図8のA−A線に沿う断面図、(b)は図8のB−B線に沿う断面図である。
図10図8のC−C線に沿う断面図である。
図11】(a)は図1の塗布具の移動体及び押出部を示す側面図、(b)は図11(a)の状態から軸線回りに90°回転させた移動体及び押出部を示す側面図である。
図12図11(b)のD−D線に沿う断面図である。
図13図11(a)及び図11(b)の移動体及び押出部を示す断面斜視図である。
図14図11(a)及び図11(b)の押出部を示す正面図である。
図15図11(a)のE−E線に沿う断面図である。
図16図12の切取り部の周辺を拡大させた断面図である。
図17】移動体と押出部とが切り離された状態を示す断面斜視図である。
図18】移動体が押出部と共に前進する状態を示す断面斜視図である。
図19図1の塗布具のキャップを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0016】
図1は本実施形態に係る塗布具の初期状態を示す縦断面図であり、図2図1の塗布具における移動体の前進限の状態を示す縦断面図である。図1及び図2に示されるように、本実施形態の塗布具100は、その内部に充填した塗布材Mを使用者の操作により適宜吐出する(押し出す)ものである。
【0017】
塗布材Mとしては、例えば、リップスティック、リップグロス、アイライナー、アイカラー、アイブロー、リップライナー、チークカラー、コンシーラー、美容スティック、ヘアカラー等を始めとした種々の棒状化粧料、筆記用具等の棒状の芯等を用いることが可能であり、特に、非常に柔らかい(半固体状、軟固形状、軟質状、ゼリー状、ムース状及びこれらを含む練り状等の)棒状物を用いるのが好適である。また、外径が1mm以下の細径棒状物、又は外径が10mm以上の太めの棒状物を塗布材Mとして使用可能である。
【0018】
また、塗布材Mとしては、硬度が比較的低い半固形状のものを用いるのが好適であり、特に0.4N〜0.9N程度の硬度を有する塗布材Mを用いることが好ましい。この塗布材Mの硬度は、化粧品において硬度を計るために使用される一般的な計測方法により求められる。ここでは、例えばFUDOH RHEO METER[RTC-2002D.D](株式会社レオテック社製)を測定器として用い、雰囲気温度25℃条件下にてφ2mmの鋼棒(アダプタ一)を6cm/minの速度で塗布材Mに深さ10mm程度挿入したときに、当該塗布材Mに生じるピーク時の力(強度)を硬度(針入度)としている。
【0019】
塗布具100は、塗布材Mが充填される充填領域1aを内部に備えた先筒である充填部材1と、充填部材1の後端部で充填部材1に軸線方向に連結されると共に充填部材1に相対回転可能に係合される操作筒2と、を外形構成として具備している。なお、充填部材1が容器前部を構成し、操作筒2が容器後部を構成する。以下の説明において、「軸線」とは、塗布具100の前後に延びる塗布具100の中心線を示し、「軸線方向」とは、前後方向、すなわち軸線に沿った方向を示している。また、塗布材Mの繰り出し方向を前方(前進する方向)とし、その反対方向を後方としている。
【0020】
塗布具100は、その内部に、充填部材1及び操作筒2の相対回転により軸線方向に移動する移動体3と、塗布材Mを押し出す押出部4と、当該相対回転によって移動体3の軸線方向への移動を可能とする螺合部材としての螺子筒5と、を備えている。また、塗布具100は、充填部材1及び操作筒2の相対回転を一方向にのみ許容するラチェット機構6と、移動体3及び螺子筒5に設けられた螺合部7と、充填部材1を前側から覆うように操作筒2に着脱可能に装着されるキャップ8と、を備えている。ここで、充填部材1、操作筒2及びキャップ8の材料としては、例えばABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンの共重合合成樹脂)が用いられる。また、移動体3、押出部4及び螺子筒5の材料としては、例えばPOM(ポリアセタール)が用いられる。
【0021】
図3は、図1の塗布具100の充填部材1を示す断面斜視図である。図1及び図3に示されるように、充填部材1は、筒状を呈し、開口部1bが塗布材Mを出現させるための吐出口とされている。充填部材1は、その内部の充填領域1aに充填された塗布材Mを使用者の操作に従って、充填部材1の先端に形成された開口部1bから吐出する。充填部材1の内面(充填領域1a)は、段差を有しない平坦な形状となっている。開口部1bは、軸線方向に対し所定角度で傾斜する傾斜面で形成されている。なお、この開口部1bは、軸線方向に垂直な面で形成するフラット形状とする場合、又は山形形状とする場合もある。
【0022】
充填部材1の内周面の後部側には、螺子筒5を回転方向(軸線回りの方向)に係合するためのローレット1cが形成されている。このローレット1cは、周方向に多数の凹凸が並設されて当該凹凸が軸線方向に所定長延びるように形成されている。充填部材1の外周面は、前方に向かうに従って先細りとなっており、キャップ8を装着した際に当該キャップ8内のリブ8aと近接した状態で充填部材1がホールドされる。充填部材1の外周面における後部側は、段差1dを介して小径化されていると共に、操作筒2を軸線方向に係合する環状凹部1eを有している。
【0023】
また、充填部材1の内面には、充填部材1に対する押出部4の回転を防止する回転防止部1fが設けられている。充填部材1の内面に設けられた回転防止部1fは、充填領域1aの後方側で軸線方向に延在している。また、回転防止部1fは、充填部材1の内面から矩形状に突出しており、押出部4における凹状の回転防止部4a(図14参照)に係合される。
【0024】
図4は塗布具100の操作筒2を一部断面化して示す側面図であり、図5は操作筒2を示す断面図であり、図6は操作筒2を示す正面図であり、図7は操作筒2の成形を説明する斜視図である。図4図6に示されるように、操作筒2は、樹脂による射出成形品とされており、前方に開口する有底円筒状を呈している。操作筒2の前端側には、外径が小径とされる前側筒部2aが設けられている。この前側筒部2aには、キャップ8が着脱可能に外挿される。
【0025】
操作筒2の底側には、操作筒2と同軸の円筒状を成す内部筒状部2bが立設されている。内部筒状部2bの外周面2cには、ラチェット機構6のラチェット歯を構成する一方の突部6aが複数設けられている。これらの一方の突部6aは、径方向外側に突出しており、内部筒状部2bの外周面2cにおいて周方向八等配の位置に突設されている。一方の突部6aは、周方向に鋸歯形状となるように設けられていると共に、軸線方向に沿って所定長延在している。
【0026】
操作筒2の底部における中央(軸線位置)には、移動体3を回転方向に係合する軸体2dが立設されている。軸体2dは、円柱体の外周面で軸線方向に延びる突条2eを複数有する。軸体2dは、その横断面(軸線方向に直交する断面)が非円形形状とされている。また、突条2eは、後述する移動体3の回り止めの一方を構成する。
【0027】
操作筒2の内周面における軸線方向中央部分には、充填部材1の環状凹部1eと軸線方向に係合する複数の突起2fが設けられている。複数の突起2fは、周方向四等配の位置に配置されており、径方向内側に突出し且つ周方向に沿って延在している。操作筒2の底部には、操作筒2を軸線方向に貫通する複数の開口部2gが設けられている。
【0028】
開口部2gは、周方向に沿って延在する形状を成し、複数の突起2fと対応する周方向四等配の位置に配設されている。各開口部2gは、軸線方向から見て各突起2fを含む位置に形成されている。すなわち、各突起2fは、軸線方向から見て開口部2gのそれぞれと重なる位置関係を有している。
【0029】
図1に示されるように、操作筒2は、その前側筒部2aに充填部材1が挿入されて前側筒部2aに段差1dが突き当てられると共に、操作筒2の突起2fに充填部材1の環状凹部1eが係合することで、充填部材1に相対回転可能に係合される。このように、操作筒2は、充填部材1に軸線方向に連結されることで、充填部材1に装着される。
【0030】
図5及び図7に示されるように、操作筒2は、コアピンD1,D2を用いて樹脂成形される。操作筒2は上述した複数の開口部2gを有していることから、これらの開口部2gを利用することにより、複数の突起2fを成形することが可能となる。
【0031】
例えば、コアピンD1,D2を互いに組み付けた際、コアピンD1の外周面における凹部d1とコアピンD2の柱部d2とを軸線方向に挟み込むようにして突起2fに対応する空間d3を周方向四等配の位置に画設することができる。その結果、成形後(空間d3に溶融樹脂が充填・固化されて突起2fが形成された後)に金型を解放する際、開口部2gからコアピンD2の柱部d2が引き抜かれるようにしてコアピンD2を軸線方向にスライドさせることができる。更に製品(操作筒2)を離型する際、コアピンD1を軸線方向にスライドして容易に引き抜くことが可能となる。
【0032】
図8は塗布具100の螺子筒5を示す斜視図であり、図9(a)は図8のA−A線に沿う断面図であり、図9(b)は図8のB−B線に沿う断面図であり、図10図8のC−C線に沿う断面図である。図8図10に示されるように、螺子筒5は、樹脂による射出成形品とされており、段付き円筒状の外形を呈している。この螺子筒5は、前端筒部5aと、前端筒部5aよりも大径外形を有する中央筒部5bと、中央筒部5bよりも大径外形を有する後端筒部5cと、を前方から後方に向かってこの順に有している。螺子筒5の内周面は、前方から後方に向かうに従って内径が外径に倣うように段付き状に拡径されている。
【0033】
前端筒部5aは、前端から軸線方向に所定長延在すると共に互いに対向するように一対に形成されたスリット51を備えている。このスリット51によって、前端筒部5aは径方向外側に拡径可能となっている。スリット51の後端側は、当該スリット51を臨む側方から見て円形状となるように拡がっている(図9(a)参照)。これにより、前端筒部5aが拡開しやすくなっており、成形時における金型からの離型や移動体3の組み立てが容易になっている。また、前端筒部5aの内周面における前端から所定長後方に亘る領域には、螺合部7の一方を構成する雌螺子71が形成されている。
【0034】
前端筒部5aの外周面の前側には、スリット51を介して対向するように扇形の鍔部52が一対に設けられている。鍔部52は、充填部材1の内周面に近接又は当接する(図1参照)。よって、前端筒部5aにおける雌螺子71の内径が拡径するのが防止され、これにより、螺合部7の軸線方向への推進力を確保することが可能となる。中央筒部5bには、その外周面における周方向の複数の位置に、充填部材1のローレット1cに回転方向に係合するための突条53が、軸線方向に延びるように形成されている。
【0035】
後端筒部5cには、その内周面54において互いに対向する一対の位置に、ラチェット機構6のラチェット歯を構成する他方の突部6bが設けられている。この突部6bは、操作筒2の一方の突部6aに回転方向に係合するためのものであり、径方向内側に突出するように設けられている。この後端筒部5cにおける他方の突部6bの周囲には、螺子筒5の内外を連通する断面コの字状の切欠き55が形成されており、この切欠き55によって他方の突部6bは径方向に弾性を有している。
【0036】
切欠き55は、後端筒部5cにおける突部6bの軸線方向両脇に穿設されて周方向に延びる一対のスリット55a,55bと、後端筒部5cにおける他方の突部6bの周方向一方側に穿設されスリット55a,55bに連続して軸線方向に延びるスリット55cと、を含んでいる。後端筒部5cで切欠き55に囲まれた壁部は、径方向に可撓性を有するアーム56を成している。よって、アーム56の先端部の内面に配置された他方の突部6bは、径方向に所定の弾性力(付勢力)を有している。
【0037】
図1及び図9に示されるように、螺子筒5は、充填部材1に内挿され、螺子筒5の突条53が充填部材1のローレット1cに回転方向に係合されると共に、螺子筒5の中央筒部5b及び後端筒部5cの段差面57が充填部材1の後端面に突き当てられる。こうして、螺子筒5は、充填部材1と同期回転可能に係合されて装着されている。また、螺子筒5は操作筒2に内挿されると共に、螺子筒5の後端筒部5cに操作筒2の内部筒状部2bが内挿される。このとき、螺子筒5は、その後端面が操作筒2の底面付近(近傍)まで進入し、他方の突部6bが一方の突部6aに回転方向に係合することによってラチェット機構6が構成されている。
【0038】
図11(a)は塗布具100の移動体3及び押出部4を示す側面図であり、図11(b)は図11(a)の状態から軸線回りに90°回転させた移動体3及び押出部4を示す側面図であり、図12図11(b)のD−D線に沿う断面図であり、図13は移動体3及び押出部4の断面斜視図である。図11図13に示されるように、移動体3は、円筒状に形成された円筒部31を備えている。押出部4は、円筒部31の前端に設けられている。押出部4は、充填部材1(図1参照)の内周面に密接すると共に充填部材1の充填領域1aの後端を構成(形成)している。
【0039】
円筒部31は、その前端部より後側から後端部に亘る外周面に、螺合部7の他方を構成する雄螺子72を備えている。円筒部31の内周面における周方向六等配の位置には、回り止めの他方を構成するものとして、径方向内側に突出し且つ軸線方向に延びる突条32が設けられている。円筒部31の前端側の外周面で互いに対向する一対の位置には、成形時に射出の圧力で傾かないようにコアピンを支持するものとして、軸線方向に延びる長円状の貫通孔33が内外を貫通するように設けられている。また、円筒部31の前端には、円筒状に突出する前端突出部34が設けられている。
【0040】
図14は、押出部4を前方から見た正面図である。図11図14に示されるように、押出部4は、略円板状を呈し充填部材1の充填領域1aの後端面を構成する後端部4bと、後端部4bの一部から前方に延びる側部4cと、を備えている。後端部4bにおける側部4cが設けられていない箇所には、後端部4bを矩形状に切り欠いた回転防止部4aが設けられている。この回転防止部4aに充填部材1の回転防止部1fが嵌合することによって、充填部材1に対する押出部4の回転が防止される。押出部4の後端部4bの後側には、上述した移動体3の前端突出部34を受容するための凹部4kが設けられている。また、後端部4bの後側には、凹部4kの周囲で環状に突出する突出部4mが設けられている。
【0041】
押出部4の側部4cの外周面には、充填部材1の内周面で摺動する2個の第1摺動部4dと、1個の第2摺動部4eと、が設けられている。第1摺動部4dは周方向二等配の位置に設けられており、第2摺動部4eは周方向における2個の第1摺動部4dの間に位置している。このように2個の第1摺動部4dと1個の第2摺動部4eとが設けられることにより、充填部材1の内周面で摺動する押出部4のバランスが確保される。第1摺動部4dは、側部4cの外周面から径方向外側に突出しており、周方向に延びる楕円状となっている。また、第1摺動部4dが設けられる位置における側部4cは、回転防止部4a側に向かうに従って徐々に後方に傾斜する傾斜面4fを有している。
【0042】
押出部4の第2摺動部4eは、側部4cで周囲よりも前方に突出する前端突出部4gに設けられている。第2摺動部4eは、前端突出部4gの外周面から径方向外側に突出している。第2摺動部4eは、周方向に延びる長円状となっている。また、前方から押出部4を見た場合における第2摺動部4e(前端突出部4g)の両脇には、後方に延在する2個の切欠き4hが形成されている。これらの切欠き4hによって、第2摺動部4e(前端突出部4g)は径方向に弾性を有している。また、押出部4の各切欠き4hには、互いに対向するように半円状に切り欠かれた窪み4jが形成されている。これらの2個の窪み4jによって前端突出部4gの根元側(後側)が細くなっているので、第2摺動部4e(前端突出部4g)の径方向への弾性がより高められている。
【0043】
図15図11(a)のE−E線に沿う断面図であり、図16は後述する切取り部10の周辺を拡大させた断面図であり、図17は移動体3と押出部4とが切り離された状態を示す断面斜視図であり、図18は移動体3が押出部4と共に前進する状態を示す断面斜視図である。
【0044】
図15及び図16に示されるように、初期状態において、移動体3と押出部4とは、使用前に切断される2個の切取り部10を介して接続されている。すなわち、移動体3と押出部4とは、周囲よりも脆弱とされた切取り部10を介して互いに接続されるように一体で成形されている。ここで、周囲よりも脆弱とは、周囲より脆くて弱く切断しやすい形状又は材質であることを示しており、例えば周囲よりも肉薄となっていることを示している。
【0045】
切取り部10は、周方向二等配の位置に設けられている。切取り部10は、移動体3の前端突出部34と押出部4の突出部4mとを接続している。切取り部10は、前端突出部34の前端における外周側の位置から突出部4mの内周側まで延在しており、前端突出部34と凹部4kとの間には空間Sが形成されている。切取り部10は、前端突出部34から突出部4mに向かうに従って、軸線方向から見たときの太さが太くなっている。よって、移動体3側における切取り部10は押出部4側における切取り部10よりも細くなっているので、切断時には、各切取り部10が伸びると共に、切取り部10における移動体3側の端部に応力が集中する。従って、切取り部10における移動体3側の端部が切断されることとなる。
【0046】
切取り部10は、周囲(前端突出部34及び突出部4m)よりも肉薄となっているので、図17及び図18に示されるように、移動体3と押出部4との相対回転に伴って容易に切断可能となっている。切取り部10が切断された後には、押出部4に対して移動体3が回転しながら前進し、空間Sが徐々に小さくなる。そして、移動体3の前端突出部34の前端が押出部4の凹部4kに当接し、その後は移動体3と押出部4とが共に前進する。
【0047】
図19は、塗布具100のキャップ8を示す断面図である。図19に示されるように、キャップ8は、後方に開口する有底円筒状を呈し、その内周面には、軸線方向に延在する複数のリブ8aが周方向に沿って並設されている。リブ8aは、その前端側に設けられて径方向内側に突出するように隆起する隆起部8bと、隆起部8bの後方で段差8cを介して連続する傾斜部8dと、を有している。傾斜部8dは、後方に向かうに従って頂面8eが径方向外側に傾斜しており、ここでは、充填部材1の外周面に対応する傾斜角度で傾斜している。
【0048】
図1及び図19に示されるように、キャップ8は、例えば初期状態又は未使用時において充填部材1及び操作筒2に外挿され、操作筒2に対して一体化するように操作筒2に着脱可能に装着される。このとき、キャップ8は、そのリブ8aの段差8cに充填部材1の前端が近接すると共に、リブ8aの傾斜部8dに充填部材1の外周面が近接する。このようにして、キャップ8は充填部材1をホールド可能となっている。また、このキャップ8によって、落下等の外的衝撃が加わっても、充填部材1の先端側への移動や横方向(軸線方向の交差方向)への移動を抑えることができ、充填部材1の分解や破損を防止することができ、更に塗布材Mを保護することも可能となる。
【0049】
ここで、本実施形態では、図6及び図10に示されるように、操作筒2の内部筒状部2bが螺子筒5の後端筒部5cに内挿される前の状態(組み立て前の状態)において、他方の突部6bにおける先端部の内径R1は、内部筒状部2bの外周面2cの外径R2よりも短くなっている。例えば、内径R1が外径R2よりも所定長だけ短くされており、内径R1が7.8mm、外径R2が8.4mmとされている。
【0050】
そして、図1に示されるように、操作筒2の内部筒状部2bが螺子筒5の後端筒部5cに内挿された状態(組み立て後の状態)において、他方の突部6bは、内部筒状部2bの外周面2cに常時当接されている。従って、螺子筒5の後端筒部5cで操作筒2の内部筒状部2bをホールドするようにして、内部筒状部2bと後端筒部5cとの間で回転方向における抵抗が常時発生することとなる。
【0051】
また、上述したように、一方の突部6a及び他方の突部6bは、ラチェット機構6を構成している。具体的には、図6に示されるように、一方の突部6aは、その周方向の一方側(充填部材1と操作筒2とを一方向に相対回転したときに他方の突部6bと当接する側)の側面6a1は、山型になるように内部筒状部2bの外周面2cに対して傾斜している。また、一方の突部6aにおける周方向の他方側(充填部材1と操作筒2とを他方向に相対回転したときに他方の突部6bと当接する側)の側面6a2は、内部筒状部2bの外周面2cに対し略垂直となるように形成されている。
【0052】
以上のように構成された塗布具100では、例えば塗布具100の組み立て後に作業者によって使用確認が行われる。ここで、塗布具100の組み立て時において、移動体3と押出部4とは、一体成形されており、切取り部10で互いに接続された状態となっている。この使用確認では、図1に示される初期状態において、作業者によりキャップ8が取り外され、充填部材1と操作筒2とが繰り出し方向である一方向に相対回転される。
【0053】
このとき、充填部材1と螺子筒5とが同期回転可能に係合し、充填部材1の内周面に押出部4の第1摺動部4d及び第2摺動部4eが当接しており、且つ操作筒2と移動体3とが同期回転可能に係合しているので、充填部材1と操作筒2とを相対回転させると、押出部4に対して移動体3が相対回転しようとする。すると、移動体3と押出部4とを接続する切取り部10は、周囲よりも脆弱となっているので、当該相対回転に伴って引き延ばされ図17に示されるように破断する。なお、切取り部10は破断時に音が出るので、作業者は切取り部10の破断を把握可能となっている。
【0054】
そして、移動体3は押出部4に対して相対回転すると共に前進するので、移動体3の前端突出部34が回転しながら押出部4の凹部4kに当接し、その後は移動体3と押出部4とが共に前進する。図1及び図2に示されるように、移動体3と押出部4は、螺子筒5の雌螺子71及び移動体3の雄螺子72で構成される螺合部7の螺合作用と、操作筒2の突条2e及び移動体3の突条32で構成される回り止めとの協働によって、操作筒2及び螺子筒5に対して前進する。そして、充填部材1の充填領域1aに充填された塗布材Mが開口部1bから吐出される。
【0055】
なお、上記相対回転の際、ラチェット機構6における一方の突部6a及び他方の突部6bが回転方向に係合すると共に、切欠き55(図8参照)による径方向への弾性力で他方の突部6bが径方向に付勢されることから、一方の突部6a及び他方の突部6bの係合及び係合解除(噛合及び噛合解除)が繰り返される。すなわち、一方の突部6aの側面6a1(図6参照)が他方の突部6bの側面6b1(図10参照)に回転方向に係合し駆け上がるように摺動する。そして、一方の突部6aが他方の突部6bを乗り越えて当該係合が解除された後、再び回転方向に係合する。その結果、一方の突部6a及び他方の突部6bの係合及び係合解除の度に、使用確認を行う作業者にクリック感が付与される。
【0056】
他方、充填部材1と操作筒2とが繰り戻し方向である他方向に相対回転しようとしても、一方の突部6aの側面6a2(図6参照)が他方の突部6bの側面6b2(図10参照)に当接して回転方向に係止され、螺子筒5と操作筒2との相対回転が規制される。その結果、充填部材1と操作筒2とが他方向に回転しないこととなる(設定以下の回転力(トルク)での回転防止が可能となる)。
【0057】
以上、本実施形態に係る塗布具100では、図11に示されるように、塗布材Mを押し出す押出部4と移動体3とが一体で成形されている。このように押出部4と移動体3とが一体で成形されているので、部品点数を削減することができる。また、各部品を製造するための金型の数も減ることとなり、更に部品管理を容易に行うことも可能となるので、製造を容易に行えると共に製造時におけるコストの削減に寄与する。
【0058】
更に、押出部4と移動体3とは切取り部10を介して互いに接続されており、この切取り部10は周囲よりも脆弱となっている。よって、充填部材1と操作筒2との相対回転に伴って、押出部4と移動体3とを接続する切取り部10を簡単に切断することができる。また、切取り部10が切断されると、押出部4は移動体3に当接されて移動体3と共に前進する。ここで、切取り部10が切断された状態において押出部4と移動体3とは別体になり、押出部4と移動体3とは互いに相対回転可能となっているので、移動体3が回転しても、塗布材Mを押し出す押出部4は回転しない。従って、押出部4の前進時における塗布材Mの回転を防止することができる。
【0059】
また、切取り部10は周囲よりも肉薄となっているので、切取り部10を簡単に成形することができる。更に、切取り部10は、充填部材1及び操作筒2の回転方向に沿って2箇所に並設されている。よって、切取り部10の数が1つである場合よりも、押出部4と移動体3との接続を安定させることができる。また、切取り部10の数を複数とすることによって、塗布具100の製造時に意図せず切取り部10が切断されてしまうのを抑制することができる。
【0060】
また、図1及び図14に示されるように、押出部4の外面には充填部材1に対する押出部4の回転を防止する回転防止部4aが設けられ、充填部材1の内面にも回転防止部1fが設けられている。よって、塗布材Mを押し出す押出部4の回転が防止されるので、切取り部10の切断時に押出部4と移動体3とが相対回転され、切取り部10を確実に切断することができる。
【0061】
また、充填部材1の内面に設けられた回転防止部1fは、充填領域1aの後方側で軸線方向に延在している。ここで、仮に回転防止部が充填領域の前方側に延在していると、充填した塗布材Mを使用時に充填領域1aの開口部1bから出現させたときに、塗布材の形状に凹みが生じてしまうことが考えられる。そこで、本実施形態のように回転防止部1fを充填領域1aの後方側に配置すれば、充填領域1aに充填された塗布材Mに凹みが生じるのを回避することができる。
【0062】
また、押出部4の外面には、充填部材1の内面に当接する第1摺動部4d及び第2摺動部4eが設けられている。よって、第1摺動部4d及び第2摺動部4eが充填部材1の内面に当接し、押出部4は充填部材1の内面で回転防止され、軸線方向に摺動することになる。従って、塗布材Mの回転が防止され、塗布材Mが軸線方向に押し出されることになり、また例えば図2に示されるように押出部4がさらに押し出され、充填部材1の内部の塗布材Mが少なくなった状態又は塗布材Mが無くなった状態で、衝撃が与えられたとしても、押出部4が充填部材1から外れてしまう事態を回避することができる。
【0063】
また、図12に示されるように、軸線方向から見た場合における切取り部10の位置と、軸線方向から見た場合における移動体3と押出部4との当接位置(前端突出部34と凹部4kとの当接位置)とは径方向にずれている。よって、移動体3及び押出部4の前進時に切取り部10の切断された部分が当接しないので、移動体3及び押出部4をスムーズに相対回転させて前進させることができる。
【0064】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。すなわち、塗布具100を構成する各部品の形状や配置態様は上記の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0065】
上記実施形態では、周囲よりも脆弱とされた切取り部10が周囲よりも肉薄である例について説明したが、切取り部の態様は上記実施形態に限定されない。例えば、周囲よりも肉薄である切取り部10に代えて、周囲よりも切り取りやすくなっている切り取り線を切取り部として用いることも可能である。また、切取り部の形状も上記実施形態に限定されず、例えば、周方向の全周に亘って延びる切取り部を用いてもよい。更に、切取り部の個数も上記実施形態に限定されず、例えば、1個又は3個以上の切取り部を備えていてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、2個の第1摺動部4dと1個の第2摺動部4eとを備えた押出部4について説明したが、摺動部の配置態様や数は適宜変更可能であり、更に押出部そのものの形状についても適宜変更可能である。
【0067】
また、上記実施形態では、作業者が使用確認時に切取り部10を切断したが、塗布具100の使用者が切取り部10を切断してもよい。
【符号の説明】
【0068】
1…充填部材(容器前部)、1a…充填領域、1f…回転防止部、2…操作筒(容器後部)、3…移動体、4…押出部、4a…回転防止部、4d…第1摺動部(摺動部)、4e…第2摺動部(摺動部)、5…螺子筒(螺合部材)、7…螺合部、10…切取り部、71…雌螺子、72…雄螺子、100…塗布具、M…塗布材。
図1
図2
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