特許第6354058号(P6354058)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6354058
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】圧電PMN−PTベース結晶複合体
(51)【国際特許分類】
   H01L 41/187 20060101AFI20180813BHJP
   H01L 41/113 20060101ALI20180813BHJP
   H01L 41/257 20130101ALI20180813BHJP
   H01L 41/338 20130101ALI20180813BHJP
【FI】
   H01L41/187
   H01L41/113
   H01L41/257
   H01L41/338
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-101910(P2016-101910)
(22)【出願日】2016年4月28日
(62)【分割の表示】特願2013-534959(P2013-534959)の分割
【原出願日】2011年10月13日
(65)【公開番号】特開2016-201544(P2016-201544A)
(43)【公開日】2016年12月1日
【審査請求日】2016年5月27日
(31)【優先権主張番号】61/344,801
(32)【優先日】2010年10月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513122451
【氏名又は名称】エイチ シー マテリアルズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】ペングディ ハン
(72)【発明者】
【氏名】ジアン ティアン
(72)【発明者】
【氏名】ケビン メネオウ
(72)【発明者】
【氏名】ブランドン ストーン
【審査官】 上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−139064(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0012270(US,A1)
【文献】 特表2007−510450(JP,A)
【文献】 特開2005−260003(JP,A)
【文献】 ZHOU, Q.F. et al.,PIN-PMN-PT Single Crystal High Frequency Ultrasound Transducers for Medical Applications,2008 IEEE International Ultrasonics Symposium Proceedings [online],2016年 1月27日,pp. 1433-1436,URL,<URL: http://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=4803566&tag=1><DOI: 10.1109/ULTSYM.2008.0348>
【文献】 ALBERTA, E.F. et al.,High Temperature Morphotropic Phase Boundary Piezoelectrics,2003 IEEE Ultrasonics Symposium [online],2016年 1月27日,pp. 1991-1994,URL,<http://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=1293307><DOI: 10.1109/ULTSYM.2003.1293307>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 41/113,41/187,41/257,41/338
C04B 35/00
H04R 1/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式で表される結晶組成を有し、
x*Pb(B’1/2B”1/2)O−y*PbTiO−(1−x−y)*Pb(Mg1/3Nb2/3)O
上記式において、
xは、0.00から0.50モル%であり、
yは、0.00から0.50モル%であり、
B’は、インジウム(In)、イッテルビウム(Yb)、スカンジウム(Sc)、 ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)のいずれかであり、
B”は、ニオブ(Nb)又はタンタル(Ta)のいずれかであり、
(011)で切断され、<011>で分極され、以下の座標回転d31式に従って<10
ゼロとすることを特徴とする圧電PMN−PTベース結晶複合体。
d’31=d31*Cos(θ)*Cos(θ)+d32*Sin(θ)*Sin(θ)
【請求項2】
前記結晶組成は、全バッチ量で、5%(wt%)以下のマンガン(Mn)と10%(wt%)以下のセリウム(Ce)とからなる群から選択した添加物を含むことを特徴とする請求項1記載の圧電結晶複合体。
【請求項3】
前記結晶複合体の厚み電気機械的結合係数kは約0.65〜0.90であることを特徴とする請求項1記載の圧電結晶複合体。
【請求項4】
前記結晶複合体は、少なくとも20MHzの周波数で動作することを特徴とする請求項1記載の圧電結晶複合体。
【請求項5】
前記結晶複合体は、少なくとも80MHzの周波数で動作することを持徴とする請求項1記載の圧電結晶複合体。
【請求項6】
前記結晶複合体は、超音波撮像を行うために用いられる医療用撮像装置と組み合わせて用いられることを特徴とする請求項1記載の圧電結晶複合体。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、その開示内容が本出願に全体的に含まれる、2010年10月13日に出願された米国予備特許出願(No,61/344,801)に基づく優先権を主張するものであり、その全内容が本出願に包含される。
【0003】
発明の背景
技術分野
本発明は、高周波(>20MHz)の下で作動する圧電結晶や圧電性結晶複合体の技術分野に関する。本発明は、特に、工業や医療における超音波応用分野に良好に用いられる高解像度の画像処理のための圧電PMN−PTベース結晶複合に関する。
【0004】
従来技術の説明
従来、PMN−PT系の圧電単結晶は、伝統的なPZT系セラミックと比較して優れた誘電率や圧電特性を有する。この単結晶の優れた特性を十分に活用するため、結晶複合体が製造され、電気機械的結合係数やトランデューサ性能特性の向上が図られている。
【0005】
超音波トランデューサにおいて、動作周波数は圧電材料の厚みに対して反比例関係にある。従って、目的とする動作周波数が増大すると、圧電材料の厚みが低減し、その結果、動作上及び電気機械的困難性を生じる。一方、圧電性複合体の高い電気機械的結合係数を維持するため、圧電結晶柱に最適のアスペクト比を付与する試みがなされている。厚みとアスペクト比の両方の要件を満たすためには、高周波用複合体における圧電材料の図形寸法は最適比を満たすように低減されなければならない。
【0006】
マイクロマシンからなる撮像トランデューサの医療分野への適用の一つの試みがなされており、そのような撮像トランデューサは、米国特許7,622,853(発明者Rehrig等、SciMed Life Systems,Inc.に譲渡されている)に開示されており、その全内容を参照してこの明細書の一部をなす。
【0007】
米国特許7,622,853に記載されているように、医療装置は、フォトリソグラフィ・マイクロマシニングを用いて形成した圧電性複合板を含むトランデューサ組立体を具備する。米国特許7,622,853にはいくつかの特定された工程が記載されている。米国特許7,622,853は、また、分極反転されたPZTセラミックスをマイクロマシニングで加工する従来の試みについても追加的に記載している。しかし、米国特許7,622,853は、以下に説明する課題を解決することができず、電場やクランプ歪み効果を損なうものとなっていた。本発明の目的は、従来達成できなかった深さまで、撮像の解像度及び感度を高めることにある。
【0008】
最後に、高周波トランデューサは、典型的には、低周波トランデューサと比較して、より高い電場で駆動されることが判明した。
【0009】
従って、本発明の目的は、改良された圧電結晶複合体を提供することにある。
【0010】
上記した技術に関連する文献として以下のものがあり、その全内容が本明細書において参照される。
1.P.Han,W.Yan,J.Tian,X,Huang,H.Pan,“Cut directions for the optimization of piezoelectric coefficients of PMN−PT ferroelectric crystals”,Applied Physics Letters,volume 86,Number 5(2005).
2.S.Wang,et al.,“Deep Reactive Ion Etching of Lead Zirconate Titanate Using Sulfur hexafluoride Gas”,J.Am.Ceram.Soc.,82(5)1339−1341,1999.
2.A.M.Efremov,et al.,“Etching Mechanism of Pb(Zr,Ti)O3 Thin Films in Cl2/Ar Plasma”,Plasma Chemistry and Plasma Processing 2(1),pp.13−29,Mar.2004.
4.S.Subasinghe,A.Goyal,S.Tadigadapa,“High aspect ratio plasma etching of bulk Lead Zirconate Titanate”,in Proc.SPIE−Int.Soc.Opt.Engr,edited by Mary−Ann Maher,Harold D.Stewart,and Jung−Chih Chiao(San Jose,CA,2006),pp.61090D1−9.
【発明の概要】
【発明が解決する課題】
【0011】
本発明は以上に鑑みなされたものであり、本発明は、改良型のPMN−PTベース(系)圧電結晶複合を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、一般に、高周波用圧電結晶複合体、同装置、及びそれらを製造する方法に関する。本発明が適用される実施例において、撮像トランデューサ組立体を含めて、高周波(>20MHz)用途に用いられる改良型撮像装置、特に、医療用撮像装置又は距離撮像装置は、信号画像プロセッサに結合されている。さらに、本発明は、性能パラメータを向上できる、圧電結晶複合体を製造するフォトリソグラフィに基づくマイクロマシン技術システムとその使用を提供することにある。
【0013】
本発明は、さらに、撮像装置、特に、医療装置、さらに、本発明に係る新規な結晶複合体構造や複合結晶素子を用いる改良型の医療用撮像装置及びシステムを提供することを目的とする。
【0014】
本発明の他の側面は、新規な製造技術によって、結晶複合体の商業的生産を可能としかつ実施可能としたことにある。高周波結晶複合体(20MHz>100MHzと0.65〜0.90の厚み電気機械的結合係数kt)を、著しく向上した性能で、医療用超音波撮像や診断に用いることができる。高周波用結晶複合体は、特に、皮膚、眼、血管内、心臓内、脳内、腔内診断装置に適用可能である。そのような装置は、超音波を用いた皮膚検査や、眼科検査や、腹腔鏡検査や、心臓検査や、血管検査等に適用される。
【0015】
本発明の他の側面は、トランデューサの励起場が高い抗電界(EC)において結晶を使用することにある。本発明のさらに他の側面は、三元系結晶であるPb(In1/2Nb1/2)O3−Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3(PIN−PMN−PT)及び他のPMN−PT系結晶が、二元系結晶であるPMN−PT系結晶と比較して、より向上した熱的及び電気的特性を有することを知見したことにある。その結果、本発明の他の実施例では、三元系結晶の向上した特性を受け継いだこれらの結晶に基づく結晶複合体を用いている。
【0016】
本発明の一側面によれば、式(I)で表される結晶組成を有する圧電PMN−PTベース(系)結晶複合体が提供される。
x*Pb(B’1/2B”1/2)O3−y*PbTiO3−(1−x−y)*Pb(Mg1/3Nb2/3)O3(I)
上記式において、
xは、0.00から0.50モル%であり、yは、0.00から0.50モル%であり、B’は、インジウム(In)、イッテルビウム(Yb)、スカンジウム(Sc)、鉄(Fe)のいずれかであり、B”は、ニオブ(Nb)又はタンタル(Ta)のいずれかである。式(I)における結晶組成は、全バッチ量で、5%(wt%)以下のマンガン(Mn)及び/又は10%(wt%)以下のセリウム(Ce)をさらに含んでもよい。
【0017】
本発明の一側面によれば、式(II)で表される結晶組成を有する圧電PMN−PTベース(系)結晶複合体が提供される。
x*ABO3−y*PbTiO3−(1−x−y)*Pb(Mg1/3Nb2/3)O3 (II)
上記式において、
xは、0.00から0.50モル%であり、
yは、0.00から0.50モル%であり、
Aは、鉛(Pb)またはビスマス(Bi)であり、
Bは、インジウム(In)、イッテルビウム(Yb)、鉄(Fe)、ジルコニウム(Zr)、スカンジウム(Sc)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)又はこれらの組合せからなる群から選択した1つである。式(II)における結晶組成は、全バッチ量で、5%(wt%)以下のマンガン(Mn)及び/又は10%(wt%)以下のセリウム(Ce)をさらに含んでもよい。
【0018】
本発明の他の側面によれば、式(I)又は式(II)の結晶組成を有する圧電PMN−PTベース(系)結晶複合体を、フォトリソグラフィを用いたマイクロマシニングを含む方法によって製造することにある。
【0019】
本発明の他の側面によれば、本発明に係る複合体からなる柱は、有効柱幅(W)に対する柱長(H)であるアスペクト比H:Wを0.50より大きく、好ましくは1.0より大きく、さらに好ましくは2.0より大きく設定している。
【0020】
本発明の他の側面によれば、本発明に係る複合体は、ハイブリッド1−3配列を有する非連続六角形配列体であり、圧電結晶は(001)で切断され、<001>で分極反転されている。
【0021】
本発明の他の側面によれば、本発明に係る複合体は、ハイブリッド1−3配列を有する非連続六角形配列体であり、圧電結晶は(011)で切断され、<011>で分極反転さ
びるようにしている。
【0022】
本発明の他の側面によれば、本発明に係る複合体は、ハイブリッド2−2/1−3配列を有する平行四辺形体であり、圧電結晶は(011)で切断され、<011>で分極反転
延びるようにしている。
【0023】
本発明に係る上記した及び他の側面、特徴、システム、方法及び効果は、当業者が、添付図を参照して以下の発明の詳細な説明を検討することによってより明確になるであろう。なお、図面中、同じ構成要素には同様な数字が用いられている。以下の発明の詳細な説明に含まれる全ての追加的システム、方法、特徴、組成及びそれらの詳細は、本発明の範囲に属するものであり、添付の特許請求の範囲によって保護されるものであることに、留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明に係るフォトリソグラフィを用いたマイクロマシニングの工程図である。
図2図2は、撮像トランスデューサからの信号を動作的に撮像するためのデジタルトランスデューサ信号プロセッサに動作的に結合される撮像トランスデューサ配列体の例示的概略図である。
図3図3は、PMN−PTベース(系)結晶における(011)面(紙上の面)上のd31の計算値の二次元プロットである。図3は、微小ひずみは、曲線間の±32.5°の方向(矢印参照)では完全にゼロであることを示している。計算は、式d’31=d31*Cos(θ)*Cos(θ)+d32*Sin(θ)*Sin(θ)を用いて行われる。
図4A図4Aは、六角形構造を有するトランスデューサ用ハイブリッド1−3結晶複合体の例示的概略斜視図であり、<001>面で切断され、<001>面で切断されているためクランプ方向に衝撃力がない場合の方向配列と、エポキシポリマーと、結晶指定(crystal designation)を示している。
図4B図4Bは、図4Aにおける六角形構造を有するトランスデューサ用1−3結晶複合体のSEM画像の上面図であり、<001>面で切断され、厚みは30μmである。図中、黒線は、本発明の好ましい実施例に係る、エポキシポリマーを充填した切り溝を示す。
図5A図5Aは、六角形構造を有するトランスデューサ用1−3結晶複合体の例示的概略斜視図であり、<011>面で切断され、方向配列と、エポキシポリマーと、結晶指定を示している。
図5B図5Bは、図5Aにおける六角形構造を有するトランスデューサ用ハイブリッド1−3結晶複合体のSEM画像の上面図であり、<011>面で切断され、厚みは22μmである。図中、黒線は、本発明の好ましい実施例に係る、エポキシポリマーを充填した切り溝を示す。
図5C
図5D図5Dは、柱が正方形ではない場合の、有効柱幅の計算に関する例示的寸法ガイド図である。ここで、アスペクト比を考慮して、対角の幅と高さから平均幅が計算される。
図6A図6Aは、本発明の好ましい実施例に係る、エポキシポリマーを充填した切り溝による横クランプ効果を最小限にするために、平行四辺形(ダイヤモンド)構造を有するトランスデューサ用1−3結晶複合体の例示的概略斜視図であり、を示す。
図6B図6Bは、高次の結合係数のための(図6Aに示す)ハイブリッド1−3結晶複合体の(011)切断面における例示的平面図であり、横断的にエポキシポリマーが充填される切り溝は±32.5°(±2.5°)で形成されており、従って、歪みはない。クランプ効果の方向が記載されている。
図7A
図7B図7Bは、本発明の好ましい実施例に係る図7Aにおけるハイブリッド2−2/1−3結晶複合体の(011)切断面におけるSEM画像の上面図である。
図7C
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施例を詳細に説明する。図面と発明の詳細な説明においては、同一又は類似の部分あるいは工程を示すため、可及的に、同一又は類似の参照番号を用いる。図は単純化されており、正確な寸法を示すものではない。簡便性及び明確性を目的としてのみ、図に関して、方向を示す用語(上/下等)または動きを示す用語(前方/後方等)が用いられる。これらの用語及び同様な方向に関する用語は、いかなる場合も、本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
【0026】
ここで用いられるように、ミラー指数識別子は、三つの整数の組で表記される三つの軸を持つ結晶格子の原子面の向きのベクトル表示のために用いられるものであり、例えば、
【0027】
さらにここで用いられるように、例えば、ポリマー(エポキシ)領域が圧電的に不活性の材料で充填されているという本発明のイメージに関して、「切り溝」という用語の使用は、各種の機械的なのこぎりを使用して形成された領域に限定されない。即ち、「切り溝」という用語は、実際の領域がのこぎりで形成されたか否かにかかわらず、また、同領域がここに記載されている他のいかなる製造プロセスによって形成されたかにかかわらず、圧電ポスト間に形成されかつポリマー材料を受け入れる領域を示すものとして当業者に広義に理解されるものである。
【0028】
加えて、圧電材とポリマー材料の各部がそれぞれ連続的に伸びる方向の数を記述するために表記法(M―N符号規則用例)が使用され、Mは圧電(PMN−PT)材が伸びる連続の方向の数を表し、Nはポリマー(エポキシ)材が連続的に延びる方向の数を表す。上記した符号規則用例は当業者によって理解されているものであるが、以下に述べるように、本実施例では、符号規則用例を修正した形態で用いている。即ち、本実施例で提示される構造は、M―N符号規則用例に何ら基づくものではなく、従って、その構造は、同構造を用いる者は、以下に示すように、方向的伸延は一般に残るが、そのような方向的伸延は、異なった方向や不連続な方向に伸びるポリマー材料による交差によって、不連続になったり、断続的になるハイブリッド(混成的)構造であると理解すべきである。このように、(以下に説明するように)、六角形構造は、ポリマー材料方向が圧電材料の長さに沿って一つの方向のみに直線的であり、他のポリマー(エポキシ)方向は断続的な方向や不連続な方向である、不連続的、断続的又はハイブリッド的ポリマー(エポキシ)材料方向を含む。本発明のさらなる一実施例に係る構造では、結果として、圧電材料素子が、隣接する圧電材料素子のそれぞれの側部や縁部に対して不連続的、断続的となる側部や縁部を有し、従って、側部同士又は縁部同士が同一面上(同一平面上)にならず、平行する面上を伸延することになる。更に他の実施例として、簡単な規則的なユニット要素(例えば、図7A−7C)を含まず、M―N符号規則用例のさらなるハイブリッド化を必要とするようにしてもよい。
【0029】
この発明は、20MHzから>100MHzの高周波圧電単結晶複合体/複合結晶素子とその製造に関する。新規な高結合係数の結晶複合体は、圧電セラミックス、単結晶、高周波トランスデューサ用の従来の結晶複合体等の伝統的な材料に取って代わるものである。
【0030】
図1を参照して、フォトリソグラフィに基づくマイクロマシニングプロセス100のプロセスフローを説明する。最初の工程10では、二元系固溶体PMN−PTや三元系固溶体PIN−PMN−PT(鉛インジウムニオブ酸塩−鉛マグネシウム二オブ酸塩―鉛チタン酸塩)またはPYbN−PMN−PT(鉛イッテルビウムニオブ酸塩−鉛マグネシウム二オブ酸塩−鉛チタン酸塩)または、ドーパント(Mn,Ce,Zr,Fe,Yb,In,Sc,Nb,Ta他)を含むこれらの結晶等からなる、PMN−PT(鉛マグネシウム二オブ酸塩―鉛チタン酸塩)系結晶等の、板状あるいはブロック状の圧電単結晶材(後で示す)を作成する。このようなPMN−PT系圧電結晶の三元結晶は、現在、熱安定性が改善され、保磁場が増大することにより、高い駆動電場を生じる。
【0031】
結晶複合体と複合結晶素子は、新規の構造及び/又は新しい結晶学的な切断方向を有する。結晶複合体は、フォトリソグラフィや、ディープ反応性イオンエッチングや、微細機械仕上げや、電極被コーティングを含む、この分野で用いられる特有の手順によって製造することができる。
【0032】
板(図示しない)は、好ましくは、その両側にラップ加工が施され、さらに、片側が研磨される。その後、ラップ加工されているが研磨されていない側は、ガラス製の担持体(図示しない)に接着され、担持体はシリコンSiウェハ(図示しない)に接着される。板の寸法は、10mm×10mmで、厚さは0.20mm〜1.20mmの範囲内である。しかし、板は他の寸法とすることもできる。
【0033】
板の材料は、電極面が<001>または<011>の結晶学的方向に沿って配向された単結晶である。当業者が認識しているように、単結晶構造は、高圧電係数(例、d33>2000pC/N,d33>0.8,d33’>0.7)を有するのが望ましい。板は、好ましくは、約4000〜7700未満の範囲の誘電率を有し、0.01の誘電損失を有する。
【0034】
板圧電単結晶は、以下の式I又はIIによって形成される三元結晶であると認識される。
【0035】
式(I):x*Pb(B’1/2B”1/2)O3−y*PbTiO3−(1−x−y)*Pb(Mg1/3Nb2/3)O3
上記式(I)において、xは0.00から0.50モル%であり、yは0.00から0.50モル%であり、B’はインジウム(In)、イッテルビウム(Yb)、スカンジウム(Sc)、ジリコニウム(Zr)または鉄(Fe)を表し、B”はニオブ(Nb)またはタンタル(Ta)を表す。式(I)における結晶組成は、全バッチ量で、5%(wt%)以下のマンガン(Mn)及び/又は10%(wt%)以下のセリウム(Ce)を添加物としてさらに含んでもよい。
【0036】
式(II):x*ABO3−y*PbTiO3−(1−x−y)*Pb(Mg1/3Nb2/3)O3
上記式(II)において、xは0.00から0.50モル%であり、yは0.00から0.50モル%であり、Aは鉛(Pb)又はビスマス(Bi)またはバリウム(Ba)を表し、Bはインジウム(In)、イッテルビウム(Yb)、鉄(Fe)、ジルコニウム(Zr)スカンジウム(Sc)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)または上記の元素の組み合わせを表す。式(II)における結晶組成は、全バッチ重量で、5%(wt%)以下のマンガン(Mn)及び/又は10%(wt%)以下のセリウム(Ce)をさらに含んでもよい。
【0037】
式(I)と式(II)の限定的ではない幾つかの例を、以下の表に示す。式(I)又は式(II)に適合する組成は、好適な組成の参考例として認められる。
【表1】
【0038】
フォトリソグラフィの第2ステップ20では、薄い金属(ニッケル)種層が形成され、ステップ30では、種層上にフォトレジストをスピンコーティングすることによってマスクが形成される。マスクは圧電複合体内で撮像素子の形状及び/又はパターンを規定する。フォトレジストに対して、焼成、UV露光及び現像を行うことによって、パターンが形成されたフォトレジストを得る。
【0039】
所与の厚さ(ここでは10ミクロンであるが、1〜30ミクロンの範囲内のいかなる厚さでもよい)を有するニッケルマスクをフォトレジスト上に電気めっきで形成し、フォトレジストのマスクの逆パターンを形成する。その後、反応性イオンエッチングを用いて、フォトレジストを取り去る。NiやPt等の硬いあるいはモル重量の大きなメタルを使用することは、板の覆われた下にある領域を後のエッチング処理から選択的に保護するために望ましい。
【0040】
反応性イオンエッチング(「RIE」)等のエッチング処理が、上述したように用いられる。しかし、ウェットエッチング等他のエッチング処理を用いることもできる。好適な一実施例において、塩素Cl2を用いたRIEエッチングが行われる。このエッチングにおけるエッチング速度は、約3ミクロン/時から12ミクロン/時であり、ほぼ垂直のエッチングプロフィール(外形)を得ることができる(例えば、>89°)。Cl2系エッチングの代わりに、あるいはCl2系エッチングと共に、Cl2系エッチングと同様のエッチング特性を有する六フッ化硫黄SF6系エッチングを用いることもできる。ニッケルNiパターンはパターンで覆われた板の下の部分をエッチング処理から保護する。
【0041】
ステップ40において、パターンが形成されエッチング処理されたマスクつきの結晶部分が、好ましくはCl2ガスを使用するディープ反応性イオンエッチング(DIRE)を施すために、ICPプラズマユニットに配置される。ステップ40の結果、1以上の後述するタイプのディープポストが板に形成される、また、ディープポストと共に、板の覆われていない部分にエッチングで形成され、かつ、各ポストを境界づける1以上の切り溝が板に形成される。1以上の切り溝は、略、1ミクロンより小さい値(<1)〜12ミクロンまでの範囲の幅を有することができ、好ましくは、同幅は1ミクロン〜10ミクロンである。
【0042】
各ポストは、それぞれ、約3ミクロン〜200ミクロン(本実施例に記載されているハイブリッド2−2/1−3配列では長さがより長い)の範囲の幅を有することができ、約5ミクロンより小さい値(<5)〜70(70)ミクロンまでの範囲の高さを有する。一実施例では、横モードの効果を弱めるため、アスペクト比(ポスト高さ/ポスト幅)を少なくとも1とすることが好ましい。板が上記した寸法を有する場合、エッチング処理は約6(6)から8または18(8または8)時間持続することが可能である。エッチングステップ40の後、クリーニングのために板は溶剤で洗われる。
【0043】
次のステップ50では、切り溝に、Epo−Tek製のEpoxy301等のエポキシが充填される。しかし、本発明の範囲及び主旨から逸脱することなく、他のエポキシも使用可能である。エポキシから気泡を取り除き、切り溝内での空隙の発生を防ぐために、真空発生装置(図示しない)を利用してもよい。次のステップ60では、エポキシの硬化後、板の厚さが約25ミクロンになるまで、板とエポキシの上部をラップ処理する。ステップ70では、電極パターンを板に塗布して、撮像トランスデューサ・パターンを形成する。電極パターンは、好ましくは金(Au)及び/又はクロミウム(Cr)を用いて形成される。さらに、当業者であれば理解できるように、撮像処理回路等の電子回路(図示しない)が、電極(図示しない)に結合される。さらに、板に形成された電極パターンは、アレイを含む撮像トランスデューサのパターン、例えば、各ポストにおける撮像トランスデューサのパターンや、単一の撮像トランスデューサを画成するものである。エポキシ層は、板の裏面に形成することもできる。
【0044】
さらにステップ80では、板は、所望の寸法に裁断され、50VDCで分極反転される。ステップ90では、主要な誘電特性及び圧電特性が、例えば、アジレント4294Aプレシジョン・インピーダンス・アナライザ等の適切な装置を使って測定、計算される。
【0045】
20MHzより高い、例えば、30〜>100MHz未満の動作周波数を有する撮像トランスデューサは、上記したプロセス100のような、フォトリソグラフィに基づくマイクロマシニングを用いて製造できる。動作周波数を高くすることによって、撮像トランスデューサの解像度と画像深さを増大することができる。さらに、撮像トランスデューサの帯域幅は、特に単結晶PMN−PTが圧電子として使われるときの撮像トランスデューサの帯域幅は、動作周波数が20MHz末満のPZTセラミックからなるトランスデューサが70〜80%であるのに対して、100%に近づけることができる。
【0046】
帯域幅の増大によってトランスデューサの軸方向の解像度が向上すると、撮像深さも増大する。このことは、組織内において高周波超音波が強力に減衰することにより撮像深さが著しく制限される高周波トランスデューサにとって望ましい。単結晶を用いることによって、セラミックトランスデューサと同等又はそれ以上の感度を伴ってこれらの効果を得ることができる。これらの高周波トランスデューサは、レンズ交換とレーザー角膜切削形成手術(LASIK)による白内障治療や腫瘍検出等の外科的処置をモニターするための眼前領域の撮像(50mu.mの解像度を得るためには好ましくは60MHzまで);火傷患者の治療やメラノーマの検出のための肌の撮像(好ましくは、皮下用には25MHz、真皮用には50MHz、表皮用には100+MHz);前関節炎状態の検出のための関節内撮像(好ましくは25MHzから50MHz);医学的研究のための生体内マウス胎児の撮像(好ましくは50MHz〜60MHz);直径<100.mu.mの血管内の血流を測定するためのドップラー超音波(好ましくは20MHz〜60MHz);心臓内及び血管内の撮像(好ましくは10〜50(50)MHz);組織の生体検査のための超音波誘導、を含む数多くの医学的手続に適用することができる。
【0047】
このような医療装置の例として、図2を参照して説明すると、例示的な医療処置トランスデューサ装置200では、トランスデューサのアレイ(図示しない)が、あるタイプのカテーテルまたはガイドワイヤでの使用に適した形態(円形で示される)を有する本発明に係る圧電ポスト(図示しない)の例示的なアレイ(図示しない)に結合されている。受信した撮像シグナルを表示するために、例示的なガイドワイヤと信号管路220は、受信したイメージシグナルを、コンピュータ化されたプロセシング及び撮像システム230に送信する。信号管路220は、目的に応じて動作できる従来のいかなる形態にも形成することができる。例えば、管路220をポリマー構造または金属構造とし、画像表示コンプトローラ(comptroller)と処置端とを動作可能に結合するための複数の信号線または制御線を含んでもよい。
【0048】
本発明者は、PMN−PTベース(系)圧電結晶は、最高のd33を与える(001)切断面と、分極反転<001>を通常用いるが、切り溝に充填されるエポキシによる横クランプ効果は避けられず、この横クランプ効果は、各種撮像システムとその使用方法において、システムの性能を著しく損ねることを知見した。そこで、我々は、まず、六角形(「ミツバチの巣」)のハイブリッド型の1−3タイプの結晶複合体を用いる。この結晶複合体は、その構造が、圧電効果量がどちらも同じ場合には、四角形のパターンよりも機械的により強くかつより安定しているという大きな効果を有する。この結晶複合体は、大量生産を図る上でより実際的である、又は、適している。
【0049】
図3を参照して説明すると、本発明者は、(011)で切断され、分極反転されたPMM−PTベース(系)結晶が、高周波トランスデューサに特に適することを知見した。このPMN−PT
2.5°)の方向が用いられることによって、切り溝へのエポキシの充填がなされる場合には、切り溝内のエポキシによる横クランプ効果を完全に回避できることにある。
【0050】
我々は式(I)を導入して、座標回転によるd31を計算した。
d’31=d31*Cos(q)*Cos(q)+d32*Sin(q)*Sin(q)
【0051】
50°の方向でゼロであることを示している。重要な利点は、横ひずみのない配置は、電気機械的結合係数を大きく向上させ、超音波装置で許容される帯域幅を広げることができるというである。
【0052】
図4A及び4Bを参照して説明すると、これらの図は、(001)切断面を有する六角形ハイブリッド1−3結晶複合体構造の概略とSEM画像を示している。ここで、「ハイブリッド」という用語が、M−N形態に使用されている。その理由は、本発明ではじめて非連続切り溝線が用いられ、かつ、本発明ではじめて六角形結晶ポストが用いられるからである。その結果、本発明の特徴は、結晶複合体構造を等方性にしたことにある。即ち、切り溝は分極反転方向と平行なので、フィールド/クランプ効果はどの方向でも実質的に同じである。透視図4Aは、非連続または断続的ポリマー材料の配置における、方向の配向とハイブリッドM−N配置を示している。図4BのSEMイメージは、結晶複合体が30ミクロンの厚さを有することを示している。前述したように、結晶複合体構造は(001)で切断され<001>方向で分極反転されるので、クランプ効果はどの方向(図示する矢印を参照)でも実質的に均一であり、故障方向は非直線であり、クランプ効果も方向に依存していないため、圧電結晶複合体の信頼性は大幅に向上する。
【0053】
図5A及び5Bを参照して説明すると、全く新規な(011)で切断される六角形ハイブリッド1−3結晶複合体構造の概略とSEM画像を示している。斜視図5Aは、方向の配向と非連続または断続ポリマー材料の配列における、方向の配向とハイブリッドM−N配列とを例示する。ここで、「ハイブリッド」という用語が、M−N形態に使用されている。その理由は、本発明ではじめて非連続切り溝線が用いられ、かつ、本発明ではじめて六角形結晶ポストが用いられるからである。特に、(011)方向に切断されていることは新規である。図5BのSEM画像は、結晶複合体構造が、22ミクロンの厚さを有することを示している。前述したように、結晶複合体構造は(011)で切断され、<011>方向で分
実施例では、少なくとも一つの切り溝にはいかなるクランプ効果も生じないことが保証される一方、故障方向は非直線であるため、圧電結晶複合体の信頼性が大幅に向上する。
【0054】
図5Cを参照して説明すると、図5Cは、図5A及び図5Bを参照して説明したように、
であることを示す概略例示的配向図である。また、指定方向から30°に関する同じ解釈
向からの30°に適用される。
【0055】
図5Dを参照して説明すると、図5Dは、ハイブリッド1−3配列のように、柱が正方形ではない場合の、有効柱幅の計算に関する例示的寸法ガイド図である。図5Dに示すように、六角形構造または平行四辺形体の構造のいずれも圧電結晶材料の単体の高さを示し、測定が可能である。各断面図に関して、複数の対角線が存在する(一般に、六角形では対角線は均一であり、平行四辺形体では均一でない)。いずれの形態においても、複数の幅の測定が行われ、アスペクト比(高さ:幅)を決定するために平均値が算出される。アスペクト比は、好ましくは0.50より大きく、より好ましくは1.0より大きく、さらに好ましくは1.5又は2.0より大きく設定している。しかし、それぞれの理想のアスペクト比は、その他の構造、組成の詳細、装置、方法の要件による。例えば、好ましい他の実施例では、2より小さい特定のアスペクト比を含む。さらに詳細には、(例えば、図7A〜7Cに示すハイブリッド2−2/1−3配列において)、このようなアスペクト比はもはや適用されないことに留意すべきである。典型的には、望ましい切り溝の幅は、1ミクロン〜10ミクロンであると理解される。
【0056】
上記実施例で記載した全ての詳細に基づいて複合体を形成したところ、0.65〜0.90の厚み電気機械的結合係数ktを得た。
【0057】
図6A及び図6Bを参照して説明すると、両図は、複合体が(011)で切断されると
配列を示している。この構造によって、平行四辺形体の形態の結晶柱間の切り溝に充填されるエポキシによる横クランプ効果を最小限にすることができる。このハイブリッド1−3配列に基づき、複合体結晶は高い結合係数を有し、エポキシ切り溝には横歪みが生じない。ここで、「ハイブリッド」という用語が、M−N配列に使用されている。その理由は、はじめて平行四辺形体パターンで連続切り溝線が用いられ、切り溝線は各面に対して115°離れているためである。この配置によって、横クランプ効果を完全に無くすことができる。
【0058】
図7A図7Cを参照して説明すると、これらの図は、結晶が(001)で切断され、<011>で分極反転された、繰り返されたユニットを有する非連続ハイブリッド2−2/1−3配列の概略図、SEM図、斜視図である。線図で示すように、切り溝充填方向は<
5°±2.5°である。この非連続ハイブリッド2−2/1−3配列を採用することによって、クランプ方向(図示)は、結晶体の性能に負の影響を与えないことになる。図7A及び7Cに示す白い空間と図7Bに示す黒い空間はエポキシ又はポリマー材料を表し、バーは圧電材料を表すことを留意すべきである。横方向に伸延する歪みは、<011>方向に平行して負の値をとり、<011>方向に平行して正の値をとることに留意すべきである。
【0059】
図7A及び図7Cを参照して説明したように、各個別のユニット部材(図示)は、エポキシの円滑な充填を図ると同時にエポキシ注入時にガスを外に排出するために特有の幾何学模様を有している。各ユニット部材は、第1端から第2端へ向けて、第1の方向に伸延する中央縦長ウェブバー(図示)を有する。ブリッジ部材またはブリッジ部(図示)がそれぞれ縦長ウェブバーの対向する側(図示)から直交する方向にかつ第1端と第2端との間で伸延し、ウェブバーの各側に2つずつ合計4つのブリッジ部材を形成している(図示)。四つのブリッジ部材のそれぞれからレッグバーが伸延し(図示)、各レッグバーはウェブバーに平行であり、切り溝幅だけ間隔をあけて配置されている。この形態では、ハイブリッド2−2配列部分は、平行のウェブバーとレッグバーによって表され、各バーはポリマー材料によって間隔をあけて配置されていることを表し、ハイブリッド1−3配列部分は、横断ブリッジ部材と、ブリッジ部材の部分と、各レッグバー端に配置されるポリマー材料の横断通路の相互結合状態を表している。その結果、当業者は、ハイブリッド2−2配列及び1−3配列を、図を参照することによって完全に理解できるであろう。
【0060】
前述した製造方法が、開示全体の範囲から逸脱することなしに、ここに示したいかなる組成及びいかなるハイブリッド配列を有する1以上の撮像トランスデューサを製造することに使用できることが理解できよう。また、複合体はいかなる配列にも使用できることが理解できよう。
【0061】
撮像装置は、図2で説明した構成とすることができるし、また、開示全体の範囲から逸脱することなしに、ここに示したいかなる組成及びいかなるハイブリッド配列にも構成することができることが理解されよう。複合体はいかなる形態にも使用できることが理解されよう。
【0062】
六角形という用語は、平面図で六つの縁あるいは辺を有する多角形を意味し、図示されたタイプの六角多角形は、六つの縁あるいは辺を有し、初期位置から延伸するものであることが理解されよう。
【0063】
4辺(4辺で囲まれた)多角形には数多くの異なる種類があるが、いくつかの点、すなわち、二つの対向する辺は同一平面上にあり、二つの対角線を有し、四つの内角の総計は360度に等しいという点では、それらの4辺多角形は共通している。しかし、上述したように、ここで使用されている用語である平行四辺形体は、直角を持たない二対の平行する辺を意味し、当業者は、ひし形は同じ長さの辺をもつそのような平行四辺形(「ダイヤモンド」パターンあるいは、斜めひし形とも呼ばれる)に過ぎないことを理解できよう。
【0064】
本発明の好ましい実施形態のうち少なくとも一つを、添付図を参照して説明してきたが、発明は厳密な実施例には限定されず、本発明の範囲及び要旨から逸脱することなしに、ここで開示されたシステムにおいて様々な変更および変形が可能であることは当業者にとって明らかである。このため、この開示は、添付したクレームとその同等のものの範囲内に収まる限り、この開示の変更および変形を含むことに留意すべきである。他の例としては、一実施例の各特徴は他の実施例の示される他の特徴と混合され、適合されることが可能であり、同様の特徴が加えられ又は取り除かれてもよいため、本発明は、添付したクレームに鑑みることを除いては制限されていないと理解される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C